JP5785795B2 - 熱硬化性接着剤、熱硬化性接着シート、及び、相間絶縁シート - Google Patents

熱硬化性接着剤、熱硬化性接着シート、及び、相間絶縁シート Download PDF

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Description

本発明は熱硬化性接着剤、熱硬化性接着シート、及び、相間絶縁シートに関し、より詳しくはイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を含有する熱硬化性接着剤、少なくとも表面がイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を含有する熱硬化性接着剤で形成されている熱硬化性接着シート、及び、モータ/ジェネレータのステータのコイルエンド部において隣接する相の異なるコイル間に介装されて用いられる相間絶縁シートに関する。
従来、モータやジェネレータ(以下、両者を併せて「モータ/ジェネレータ」という)のステータは、エナメルワニスなどと呼ばれる樹脂組成物で細い銅線に絶縁被覆が施されたエナメル線(巻線)を巻き束ねたコイルとステータコアとによって構成されている。
前記ステータコアは、通常、円筒状に形成されており、その内周側には長さ方向に沿って延在する複数条のスロット溝が設けられている。
そして、前記コイルは、通常、ステータコアの長さよりも長い長円形状に形成されその長手方向中央部分において並行する2つの巻線束をそれぞれ別のスロット溝に収容させてステータコアに装着されている。
即ち、従来広く用いられている一般的なステータには、ステータコアの両端部からコイルを突出させたコイルエンド部と呼ばれる部分が形成されている。
また、ステータには、通常、前記コイルが複数備えられており、該複数のコイルが互いにその一部を重なり合わせた状態でステータコアの周方向に配置されている。
そして、例えば、3相交流モータなどでは、このように重なり合うコイルに、互いに相を異ならせる形で交流電圧が印加されるため、コイルエンド部において異なるコイルがその巻線束を交差させているような箇所においては、相間の絶縁性を確保することが求められている。
そのようなことから、従来のステータにおいては、下記特許文献1に記されているように、相間絶縁シートが相の異なるコイル間に介装されたりしている。
また、従来、巻線は、線単体での強度が低いため、コイルエンド部において巻線間にワニスを含浸させ、ステータコアから突出している部分がひとかたまりとなるように接着固定して電気的信頼性を向上させることが行われている。
なお、コイルを構成しているエナメル線の間にワニスを含浸固化させることで、併せて、相間絶縁シートが固定される点においても電気的信頼性の向上が期待できるもののワニスの含浸には時間と手間とがかかる上に必要箇所以外にワニスを付着させてしまうと故障の原因にもなりかねないことから別の方法でコイルエンド部の絶縁信頼性を確保することが求められている。
ところで、近年、電気自動車用のモータなどの高負荷なモータなどを中心にして、細い丸導体の巻線に代えて、大電流を流すことが可能な太い平角銅線にエナメル被覆した平角エナメル線でコイルを形成させることが検討されている。
例えば、下記特許文献2にも記されているように、平角エナメル線をU字状に折り曲げて、その2本の脚の長さがステータコアよりも長いセグメントと呼ばれる部材を複数作製し、このセグメントの2本の脚をそれぞれスロット溝の一端側から挿入してその先端部をスロット溝の他端側から突出させた後に、一つのセグメントの脚の先端部と、これとは別のセグメントの脚の先端部とをロウ付けして導通させることによってコイルを形成させることが行われている(下記特許文献2参照)。
このようなステータにおいては、容易に変形を生じる一般的なエナメル線を用いる場合と違って、そもそも平角エナメル線自体が剛性を有することから、ワニスを含浸してコイルエンド部を固めることによって得られる効果が、ワニス含浸に要する手間や不要箇所へのワニスの付着といったデメリットに大きく相殺されてしまうおそれを有する。
ただし、ワニスによるコイルエンド部の固化は、先に述べたように相間絶縁シートを固定する効果も奏することから、コイルエンド部の補強の必要性といった観点のみからワニスでの固化を実施しないようにしてしまうと、その場合には、相間絶縁シートが不用意に脱落して相間の絶縁性において問題を発生させるおそれを有する。
特開2003−333785号公報 特開2005−124388号公報
上記のような問題に対して、例えば、重合性モノマーや重合性オリゴマーといった重合性成分とイミド変性不飽和ポリエステル樹脂とを主な成分とする、含浸用ワニスなどに利用されている熱硬化性接着剤を電気絶縁性に優れた絶縁性樹脂フィルムの表面に担持させるなどして絶縁シートを作製し、該絶縁シートをコイル間に介装させて該コイル表面に接着・保持させることが考えられる。
しかし、通常、上記のような熱硬化性接着剤は、タック性を示すことから相間絶縁シートの表面部を前記熱硬化性接着剤で形成させてしまうと表面粘着性を示す状態となってコイル間の狭い隙間に挿入することが困難になるおそれを有する。
なお、狭小箇所への挿入時などにおける取り扱い性の向上は、相間絶縁シートにおいてのみ要望されているものではなく、少なくとも表面部が前記熱硬化性接着剤で形成された熱硬化性接着シートに共通して求められる事項である。
しかし、重合性成分とイミド変性不飽和ポリエステル樹脂とを含有する熱硬化性接着剤の接着性等を大きく損なうことなくタック性を低下させる手段は見出されておらず、このような要望を満足させるのに実効性を有する手段はいまだ見出されていない。
そのため、取り扱いの容易な熱硬化性接着シートや相間絶縁シートも得ることが困難な状況となっている。
すなわち、本発明は、重合性成分とイミド変性不飽和ポリエステル樹脂とを含有する熱硬化性接着剤の特性が大きく損なわれることを抑制しつつそのタック性の低下を図り、ひいては、取り扱いの容易な熱硬化性接着シートや相間絶縁シートを提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アクリル系樹脂を含有させることで重合性成分とイミド変性不飽和ポリエステル樹脂とを主たる成分とする熱硬化性接着剤のタック性を低下させることができ、しかも、該アクリル系樹脂が熱硬化性接着剤の接着性等に大きく影響を与えるものではないことを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決するための熱硬化性接着剤に係る本発明は、重合性モノマー、及び、重合性オリゴマーの内の1種以上からなる重合性成分がイミド変性不飽和ポリエステル樹脂とともに含有されており、アクリル系樹脂がさらに含有され、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂が前記重合性成分以上の質量比率で含有されており、且つ、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と前記重合性成分との合計100質量部に対して4質量部以上30質量部以下の質量比率となるように前記アクリル系樹脂が含有されており、前記アクリル系樹脂としてメタクリル酸メチル−スチレン−グリシジルメタクリレートの3元共重合体が含有されており、前記重合性成分として少なくともジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートが含まれていることを特徴としている。
また、上記課題を解決するための熱硬化性接着シートに係る本発明は、少なくとも表面部がイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を含有する熱硬化性接着剤で形成されている熱硬化性接着シートであって、前記熱硬化性接着剤には重合性モノマー、及び、重合性オリゴマーの内の1種以上からなる重合性成分とアクリル系樹脂とが前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂とともに含有されており、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂が前記重合性成分以上の質量比率で含有され、且つ、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と前記重合性成分との合計100質量部に対して4質量部以上30質量部以下の質量比率となるように前記アクリル系樹脂が含有されており、該熱硬化性接着剤には前記アクリル系樹脂としてメタクリル酸メチル−スチレン−グリシジルメタクリレートの3元共重合体が含有されており前記重合性成分として少なくともジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートが含まれていることを特徴としている。
さらに、上記課題を解決するための相間絶縁シートに係る本発明は、モータ/ジェネレータのステータのコイルエンド部において隣接する相の異なるコイル間に介装されて用いられる相間絶縁シートであって、少なくとも表面部がイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を含有する熱硬化性接着剤で形成され、前記熱硬化性接着剤には重合性モノマー、及び、重合性オリゴマーの内の1種以上からなる重合性成分とアクリル系樹脂とが前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂とともに含有されており、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂が前記重合性成分以上の質量比率で含有され、且つ、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と前記重合性成分との合計100質量部に対して4質量部以上30質量部以下の質量比率となるように前記アクリル系樹脂が含有されており、該熱硬化性接着剤には前記アクリル系樹脂としてメタクリル酸メチル−スチレン−グリシジルメタクリレートの3元共重合体が含有されており前記重合性成分として少なくともジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートが含まれていることを特徴としている。
本発明の相間絶縁シートは、重合性成分とイミド変性不飽和ポリエステル樹脂との合計に対して所定の質量比率でアクリル系樹脂が含有されていることから、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂を主たる成分とする熱硬化性接着剤のタック性を低下させることができ、少なくとも表面部がイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を含有する熱硬化性接着剤で形成されている熱硬化性接着シートや相間絶縁シートを取り扱い容易なものとし得る。
相間絶縁シートが用いられるステータの斜視図。 相間絶縁シートをステータのコイル間に介装させた様子を示す斜視図。 ステータコアの平面図。 図3のA部拡大図。 一実施形態に係る相間絶縁シートの断面構造を示す断面図。 相間絶縁シートを加熱した際の様子を模式的に示した図。 接着性評価結果を示すグラフ。
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、相間絶縁シートについて説明する。
以下に、本実施形態に係る相間絶縁シートを用いてコイルエンド部における相間絶縁を行うステータとその相間絶縁方法について説明する。
図1は、電気自動車用モータなどにおいて一般に用いられているステータ1の斜視図であり、図2は、このステータ1のコイルエンド部において隣接する相の異なるコイル間に本実施形態に係る相間絶縁シートを介装させた様子を示す斜視図である。
これらの図にも示されているように、前記ステータ1は、短い円筒形状のステータコア10と、該ステータコア10に装着されたコイルとを有する。
図3は、この図1、2上面視におけるステータコア10の様子を示す平面図であり、ステータコア10のみを上面側から見た様子を示すものである。
また、図4は、図3のA部拡大図であり、この図では、図3と違って、その他の構成部材の断面なども併せて図示している。
なお、図4左図は、右図の破線B部を拡大して示したものである。
これらの図にも示されているように円筒状の前記ステータコア10の内面には、複数条のスロット溝11が形成されており、この複数条のスロット溝11は、ステータコア10の周方向とは直交する長さ方向(上下方向)に延在され、しかも、隣接するスロット溝11どうしが互いに略平行して配設されている。
該スロット溝11は、ステータコア10の全長にわたって形成されており、ステータコア10の上端面側には、スロット溝11の断面形状と同形状の開口部11bが形成され、下端面側にも同形の開口部が形成されている。
前記ステータコア10においては、上記のように複数のスロット溝11が並行することから、その間が板状となっている。
この板状突起12は、“ティース”などとも呼ばれており、該ティース12は、ステータコア10の内周面側に向けて突出した状態で複数形成されている。
なお、前記ティース12は、突出方向先端部にステータコア10の周方向に広がる広幅に形成された広幅部12aを有しており、断面略T字状となっている。
したがって、ステータコア10の内周面側においては、このスロット溝11の幅が狭くなって僅かに線状の開口部11aが形成されているのみとなっている。
このステータコア10のスロット溝11には、U字状に折り曲げ加工された平角エナメル線からなるセグメント20の脚部20aがそれぞれ4本ずつ収容されており、各スロット溝11には、内側から外向きに一列に並んだ状態で計4本の脚部が収容されている。
そして、この4本の脚部とスロット溝11の内壁面との間にスロット絶縁紙40が介装されており、一番内周側の平角エナメル線とティース12の広幅部12aとの間にはウェッジ50が介装されている。
また、前記セグメント20は、そのU字状の頭部をステータコア10の上端側に位置させ、その脚部をステータコア10の上端側の開口部11bから挿入させて下端側の開口部から突出させており、この突出させた脚部先端が、別のスロットから突出している脚部先端とロウ付けされて導通可能な状態で連結されている。
このことによって、複数のティース12の間をステータコア10の上端側から下端側、下端側から上端側へと平角エナメル線が縫うようにして磁界を発生させるためのコイルが形成されている。
すなわち、このステータコア10と複数のセグメントによって形成されているステータ1は、セグメントの頭部によって形成されたコイルエンド部が上端側に配され、脚部どうしの連結部によって形成されたコイルエンド部が下端側に配された状態となっている。
本実施形態においては、ステータコア10の内周側と外周側との2列に分かれた状態になって前記U字状のセグメントが装着されており、本実施形態に係る相間絶縁シート30は、図2に示すように、ステータコア10の外周側において周方向に並んで配置されたセグメントによって形成されている外周側コイル21と、その内周側に形成された内周側コイル22との間を絶縁すべく用いられる。
次いで、図5、6を参照しつつ、この相間絶縁シート30についてより詳しく説明する。
これらの図に示すように、本実施形態に係る相間絶縁シート30は、積層構造を有し、より具体的には5層構造を有している。
この5層構造の中心となる層は、加熱されることによって発泡を生じる発泡性樹脂組成物によって形成された感熱発泡層31であり、該感熱発泡層31に接する形で前記感熱発泡層31の両側にフィルム層32a,32bが備えられている。
さらに、該フィルム層32a,32bに接し、相間絶縁シート30の最外層となる部分には、熱硬化性接着剤で形成された熱硬化性接着剤層33a,33bが備えられている。
前記相間絶縁シート30は、加熱することで前記感熱発泡層31において発泡を生じ、熱硬化性接着剤層33a,33bが熱接着可能な状態になるようであれば、その形成材料を特に限定するものではないが、例えば、前記感熱発泡層31を形成する発泡性樹脂組成物としては、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤などを発泡剤とともに含有する熱硬化性樹脂組成物が、発泡後の感熱発泡層31’に優れた強度と耐熱性を付与し得る点において前記発泡性樹脂組成物として好適である。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ヒンダトイン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン/フェノールエポキシ樹脂、脂環式アミンエポキシ樹脂、脂肪族アミンエポキシ樹脂及びこれらにCTBN変性やハロゲン化などといった各種変性を行ったエポキシ樹脂が挙げられる。
これらは単独または複数混合して前記熱硬化性樹脂組成物に含有させることができる。
前記硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミド等のアミド系硬化剤;ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン、等のアミン系硬化剤;ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p−キシレンノボラック樹脂等のフェノール系硬化剤;酸無水物系硬化剤などが挙げられこれらは単独または複数混合して前記熱硬化性樹脂組成物に含有させることができる。
前記硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類;トリブチルポスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;などが挙げられこれらは単独または複数混合して前記熱硬化性樹脂組成物に含有させることができる。
前記発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素アンモニウム、アジド類などの無機系発泡剤や、トリクロロモノフルオロメタンなどのフッ化アルカン、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物、パラトルエンスルホニルヒドラジドなどのヒドラジン系化合物、p−トルエンスルホニルセミカルバジドなどのセミカルバジド系化合物、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物、N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなどのN−ニトロソ化合物などの有機系発泡剤などの他に炭化水素系溶剤をマイクロカプセル化させたマイクロカプセル化発泡剤などが挙げられる。
なお、前記発泡剤としては、エポキシ樹脂を感熱発泡層のベース樹脂とする場合、当該エポキシ樹脂の軟化点近傍あるいはそれ以上の温度で気体を発生させるものが好ましい。
なかでも、炭化水素系溶剤をマイクロカプセル化させたマイクロカプセル化発泡剤は、エポキシ樹脂をはじめとする多くの種類の樹脂に対して物性に与える影響が小さく、例えば、熱硬化性樹脂組成物の硬化を阻害させたり、加熱老化特性を低下させたりするような悪影響を与えることを抑制させることができる点において好適である。
この発泡剤の配合量については、特に限定が加えられるものではないが、発泡倍率を過度に高めすぎると、発泡後の相間絶縁シート30’に大きな強度低下を招くおそれを有する。
したがって、感熱発泡層の発泡倍率(発泡後の厚み÷発泡前の厚み)が、7倍以下となるよう発泡剤の配合量を調整することが好ましい。
なお、本発明においては、感熱発泡層を形成する発泡性樹脂組成物を、エポキシ樹脂をベース樹脂とする熱硬化性樹脂組成物に限定するものではなく、ベース樹脂に、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂を採用することも可能である。
前記感熱発泡層31の両側に設けられるフィルム層32a,32bは、それぞれ材質を一致させても、異ならせていても良く、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂などのポリエステル樹脂;ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などのエンジニアリングプラスチックス、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂などの塩素系樹脂;ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフロロエチレン樹脂、テトラフロロエチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂;ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂などからなるフィルムで構成させることができる。
また、ゴム材料で形成されたフィルムによってフィルム層32a,32bを形成させてもよい。
なお、本実施形態の相間絶縁シート30においては、その使用時に前記感熱発泡層31を発泡させ、コイルを形成している平角エナメル線の表面に前記熱硬化性接着剤層33a,33bを熱接着させて用いられる。
すなわち、加熱してコイルに熱接着させた後には、感熱発泡層31’は発泡状態になっており、熱硬化性接着剤層33a,33bは平角エナメル線に圧接されることによって該平角エナメル線との接着箇所においてその厚みをやや減少させている。
そのため、この感熱発泡層31’や熱硬化性接着剤層33a,33bに対しては、十分な電気絶縁性を期待することが難しく、前記フィルム層32a,32bは、感熱発泡層31において加熱時に生じる圧力を熱硬化性接着剤層33a,33bに伝達する役割を担っているばかりでなく、加熱発泡後の相間絶縁シート30’の電気絶縁性について重要な役割を担う部分でもある。
そのため、通常、フィルム層32a,32bを構成させる樹脂フィルムは、体積固有抵抗率が1×1012Ω・cm以上、好ましくは、1×1013Ω・cm以上であることが好ましい。
なかでも、ポリエステル樹脂フィルムは、一般に電気絶縁性とともに耐熱性に優れており好適であるといえる。
また、感熱発泡層31を前記エポキシ樹脂組成物などで構成する場合においては、当該エポキシ樹脂組成物と良好なる接着性を示す点においてもポリエステル樹脂フィルムが好ましい。
特には、ポリエチレンナフタレートフィルムで前記フィルム層32a,32bを形成させることが好ましい。
前記熱硬化性接着剤層33a,33bは、コイル含浸用のワニスなどにも広く用いられているイミド変性不飽和ポリエステル樹脂(A)を含有する熱硬化性接着剤を用いて形成させることが重要であり、重合性モノマー(B1)、及び、重合性オリゴマー(B2)の内の1種以上からなる重合性成分(B)とアクリル系樹脂(C)とが前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂とともに含有されており、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂が前記重合性成分以上の質量比率で含有され、且つ、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と前記重合性成分との合計100質量部に対して4質量部以上30質量部以下の質量比率となるように前記アクリル系樹脂が含有されている熱硬化性接着剤を用いて形成させることが重要である。
また、本実施形態に係る前記熱硬化性接着剤層33a,33bは、さらに、無機物粒子からなる充填材(D)を含有する熱硬化性接着剤を用いて形成されている。
なお、各種の絶縁被覆に対する優れた接着性を示す点においては、エポキシ樹脂組成物からなる熱硬化性接着剤も同じであるが、エポキシ樹脂組成物は、硬化収縮が大きいことから、相間絶縁シートをコイルに加熱接着させた後の冷却過程などにおいてその収縮力によって導体の表面から絶縁被覆を剥離させてしまうおそれを有する。
さらに、エポキシ樹脂は、通常、その硬化物が一般的な樹脂に比べて硬いことから衝撃吸収性に乏しく、仮に、熱接着後の冷却過程で絶縁被覆にダメージを与えない場合でも、例えば、本実施形態に係る相間絶縁シートが振動の激しいモータなどにおいて使用されるような場合には、その使用中に絶縁被覆にダメージを与えてしまうおそれを有する。
一方でイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を主たる成分とする熱硬化性接着剤は、一般には、エポキシ樹脂のような大きな収縮は示さず、しかも、エポキシ樹脂に比べて柔軟性に優れていることから、本実施形態に係る相間絶縁シート30の熱硬化性接着剤層33a,33bの形成材料として特に適しているといえる。
以下に熱硬化性接着剤層33a,33bの形成材料として用いる熱硬化性接着剤の各成分についてより具体的に説明する。
(A)イミド変性不飽和ポリエステル樹脂
前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂は、熱硬化性接着剤の主成分であり、該イミド変性不飽和ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸と多価アルコールからなるポリエステル樹脂をイミド変性したものを採用することができ、具体的には、テレフタル酸又はその低級アルキルエステル、イミド酸、及び、多価アルコールを反応して得られるものを採用することができる。
前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等を採用することができる。
また、前記イミド酸としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどのジアミンと無水トリメリット酸とを反応して得られるものを採用することができる。
(B)重合性成分
(B1)重合性モノマー
前記重合性成分の内、重合性モノマーとしてはアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等が挙げられ、例えば、1官能アクリレートとしては、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エチレンオキサイド付加アルキルフェノールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、イソボルニルアクリレート等が挙げられる。
また、多官能アクリレートとしては、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシシアヌレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。
また、1官能メタクリレートとしては、エチレンオキサイド付加アルキルフェノールメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ペンタメチルピペリジルメタクリレート、テトラメチルピペリジルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
さらに、多官能メタクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。
(B2)重合性オリゴマー
前記重合性オリゴマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレート等が挙げられる。
なお、本実施形態においては、この重合性オリゴマー(B2)、及び、前記重合性モノマー(B1)の内の1種を単独で、又は、複数を混合して熱硬化性接着剤に含有させることができる。
なかでも、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、及び、エポキシメタクリレートを組み合わせて用いることが好ましい。
この重合性成分は、例えば、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂を溶解、又は、膨潤させて熱硬化性接着剤を適度に粘稠な状態とするのに有効な成分である。
従って、過度に熱硬化性接着剤に含有させると後述するアクリル系樹脂によるタック性の抑制効果が十分に発揮されず熱硬化性接着剤層33a,33bの表面を粘着状態にさせるおそれを有する。
従って、本実施形態においては、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂(A)を当該重合性成分(B)以上の割合で含有させることが重要である。
なお、重合性成分の含有量が過少であると熱硬化性接着剤層33a,33bを硬質なものとしてしまい、コイルなどの被着体表面に対する追従性に問題を生じさせるおそれを有する。
従って、重合性成分は、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂の1/3以上の質量比率、好ましくは、1/2以上の質量比率で含有させることが好ましい。
即ち、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂(A)と重合性成分(B)とは、1:1〜3:1(A:B)の質量比率で熱硬化性接着剤に含有させることが好ましく、1:1〜2:1の質量比率で熱硬化性接着剤に含有させることがより好ましい。
(C)アクリル系樹脂
前記アクリル系樹脂は、熱硬化性接着剤のタック性の低減を図る上において重要な成分であり、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂(A)と前記重合性成分(B)との合計100質量部に対して4質量部以上30質量部以下の割合となるように前記アクリル系樹脂を含有させることが重要で、10質量部以上20質量部以下とすることが特に好ましい。
該アクリル系樹脂としては、メタクリル酸メチル(MMA)−スチレン(St)−グリシジルメタクリレート(GMA)の3元共重合体が好ましく、該3元共重合体としては、重量平均分子量が6000〜10000程度のものが好ましい。
また、上記3元共重合体に占めるメタクリル酸メチルの比率は、質量で80%〜90%であることが好ましく、スチレンの比率は、質量で1%〜15%であることが好ましく、グリシジルメタクリレートの比率は、質量で1%〜15%であることが好ましい。
(D)充填材
前記充填材は、熱硬化性接着剤を熱硬化させるべく熱を加えた際に、該熱硬化性接着剤が硬化するまでの間の熱溶融状態の挙動を調整するのに有効な成分でありタルクや炭酸カルシウムといった無機物粒子(無機フィラー)を50〜80体積%となる割合で熱硬化性接着剤に含有させることが好ましく、60〜70体積%となる割合で熱硬化性接着剤に含有させることが好ましい。
なお、前記熱硬化性接着剤に熱硬化性を付与するためには、上記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂やアクリル系樹脂を架橋可能で、前記重合性成分のラジカル重合開始剤として機能する架橋剤を含有させればよく、該架橋剤としては、パーオキシケタール系、ケトンパーオキサイド系、ジアシルパーオキサイド系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の有機過酸化物を採用することができ、なかでもパーオキシケタール系の1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサンを採用することが好ましい。
また、熱硬化性接着剤には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上記例示の成分以外に各種の添加剤を含有させても良く、該添加剤としては、例えば、老化防止剤、光安定剤、難燃剤、レベリング剤、消泡剤、顔料などが挙げられる。
なお、上記のような熱硬化性接着剤は、用いる成分の種類や比率を一面側の熱硬化性接着剤層33aと、他面側の熱硬化性接着剤層33bとで、異ならせていても良く、例えば、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂とアクリル系樹脂との含有量や樹脂のグレードなどを一面側と他面側とで異ならせていてもよい。
上記のような原材料によって形成される相間絶縁シート30の厚みや大きさについては、本実施形態においては、特に限定がされるものではなく、コイルエンド部におけるステータコア10からのコイルの突出高さやステータコア10の周長などから適宜大きさを決定すれば良く、厚みも、介装するコイル間の間隙の大きさに応じて定めればよい。
なお、一般的なモータのステータの相間絶縁に利用されるような場合においては、通常、相間絶縁シート30の総厚みは、250μm〜600μm程度とされ、感熱発泡層31の初期(発泡前)の厚みは、通常、50μm〜200μm程度とされる。
2層のフィルム層32a,32bは、その厚みを共通させていても、異なっていても良く、通常、各層50μm〜100μm程度とされる。
さらに、前記熱硬化性接着剤層33a,33bもその厚みは、共通させていても異なっていても良く、通常、各層50μm〜100μm程度とされる。
また、熱硬化性接着剤層33a,33bが架橋反応を開始する温度と、感熱発泡層31の発泡開始温度との関係については、感熱発泡層31が発泡を開始する時点において、既に熱硬化性接着剤層33a,33bにおける架橋が開始されて熱硬化を開始していることが好ましい。
なお、前記例示のように感熱発泡層31をエポキシ樹脂組成物のような熱硬化性樹脂組成物で形成させる場合には、この熱硬化性樹脂組成物の熱硬化反応温度(Tr)と加熱温度(Th)とは、発泡後の相間絶縁シート30’に優れた強度と耐熱性とを付与させる上において『Tr≦Th』の条件を満足させることが好ましい。
また、上記に挙げている各温度が、過度に高温である場合には、一般的な加熱装置を利用することが難しく、しかも、ステータを構成しているその他の部材に悪影響を及ぼすおそれがある。
逆に、過度に低温であっても、当該相間絶縁シートを冷蔵保管しなければならなくなったりして、その取り扱いに注意が必要になるおそれを有する。
このようなことから、概ね、下記のような条件とすることが好ましい。

感熱発泡層の発泡開始温度(T1):100〜120℃
相間絶縁シートを加熱する温度(Th):130〜170℃
このような相間絶縁シート30は、例えば、下記のようにして使用することができる。
まず、図2に示すように、外周側コイル21と内周側コイル22との間に相間絶縁シート30を挿入し、この隣接する2つのコイル間に前記相間絶縁シート30を介装させたままの状態を維持しつつ、ステータを加熱炉に導入して前記相間絶縁シート30を加熱する。
そのことによって2つのフィルム層の間の前記感熱発泡層を加熱発泡させ、当該加熱発泡に伴って生じる圧力を前記フィルム層を外向きに押し広げる力として作用させ、前記加熱によって表面にタック性が発揮された熱硬化性接着剤層を前記フィルム層から受ける背圧を利用して、外周側コイル21と内周側コイル22との表面に圧接させる。
その後、熱硬化性接着剤層の硬化が十分進行した時点でステータを冷却することで、相間絶縁シートが良好なる接着状態で、その両面をコイルに接着させたステータを得ることができ、絶縁信頼性に優れたステータを作製することができる。
このとき、例えば、外周側コイル21と内周側コイル22との間の距離がD(mm)であったとすると、この間隙部の2/3以下程度の厚み(t0:mm)を有する相間絶縁シートを用いることで挿入作業性をより良好なものとすることができる。
しかも、前記間隙部の距離と相間絶縁シートの厚みとの差(D−t0)の0.5倍以上の厚みの感熱発泡層を有する相間絶縁シートを使用することで、前記感熱発泡層を4倍以下の発泡倍率としつつ前記熱硬化性接着剤層とコイルとの接着を実施させることができる。
また、本実施形態においては、相間絶縁シートの表面部を構成している熱硬化性接着剤層33a,33bに前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と前記アクリル系樹脂とを所定量含有させていることからコイル間に滑らかに挿入させることができ、且つ、良好なる接着状態でコイル表面に接着させることができる。
即ち、本実施形態の相間絶縁シートを用いることで簡便な手法によって信頼性の高い相間絶縁を実施することができる。
なお、本実施形態においては、相間絶縁シートを加熱発泡させて両面を接着させるのに特に有効となる最小限の構成とすべく5層構造の事例を挙げているが、本発明においては、相間絶縁シートを5層構造に限定するものではない。
例えば、感熱発泡層の厚み方向中間部分に、前記フィルム層のような構成をさらに設けて、『熱硬化性接着剤層/フィルム層/感熱発泡剤層/フィルム層/感熱発泡剤層/フィルム層/熱硬化性接着剤層』の厚み方向7層構造を有するものであってもよい。
また、感熱発泡剤層などを設けずに、単に、絶縁性の樹脂フィルムの片面、又は、両面に上記例示の熱硬化性接着剤で熱硬化性接着剤層を形成させただけの構成としてもよい。
また、本実施形態においては、平角エナメル線によるセグメントによって形成されたコイル間に介装させて相間絶縁を行う場合を例示しているが、細い丸線を多重に巻き束ねたコイルに対して相間絶縁する場合にも本発明の相間絶縁シートは有用なものである。
さらに、本実施形態においては、主として、モータのステータにおいて相間絶縁を行う場合を例示しているが、本発明の相間絶縁シートはジェネレレータにも適用可能なものである。
なお、本発明に係る熱硬化性接着シートは、上記例示の相間絶縁シートと同様の構成とすることができる。
即ち、樹脂フィルムや繊維シートなどの基材シートの片面、又は、両面に上記例示の熱硬化性接着剤で熱硬化性接着剤層を形成させて熱硬化性接着シートとすることができる。
また、熱硬化性接着剤が固体状のもので、それ自体で保形可能なものであれば、熱硬化性接着剤をシート状に加工して熱硬化性接着シートとすることができる。
このような熱硬化性接着シートは、少なくとも表面部がイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を含有する熱硬化性接着剤で形成され、しかも、該熱硬化性接着剤に前記重合性成分や前記アクリル系樹脂が所定の割合で含有されていれば、先に例示の相間絶縁シートと同様に狭小箇所に挿入容易で、且つ、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂の良好なる接着性が発揮されるものである。
また、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂の良好なる接着性を発揮させつつタック性の低減を図る上においては、本発明の熱硬化性接着剤は、上記のような実施態様に限定されることなく、上記例示の相間絶縁シートや熱硬化性接着シート以外の態様で使用することも可能であり、必ずしもシート状の状態で用いる必要はなく、線状や粒子状の形態で用いることも可能なものである。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが本発明は以下の実施例に限定されるものでもない。
(比較例1)
メチルエチルケトンにイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を溶解させ、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、及び、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを加え、さらに、架橋剤(1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン)、禁止剤(ブチルヒドロキシアニソール)、炭酸カルシウム粒子、及び、タルク粒子を加えて混合しワニスを作製した。
なお、このワニスにおける各成分の質量比率は、下記表1の通りである。
Figure 0005785795
ポリエチレンナフタレートフィルムの両面に乾燥厚みが約80μmとなるように前記ワニスを塗工し、80℃〜90℃の温度で約5分の乾燥を行って両表面が未硬化な熱硬化性接着剤で形成されたテストシート(熱硬化性接着シート)を作製した。
このテストシート2枚を使って熱硬化性接着剤層の表面どうしの間に作用する静摩擦係数と動摩擦係数とをJIS K7125に基づいて測定した。
結果、比較例1の熱硬化性接着シートは、静摩擦係数が1.48、動摩擦係数が1.06となって測定された。
また、指触によって熱硬化性接着剤層の表面を評価したが、比較例1の熱硬化性接着シートは、タック性が感じられ滑り性に問題を有するものであった。
(比較例2)
代表的なスリップ剤である脂肪酸アマイドを下記表2に示すように配合したこと以外は、比較例1と同様にテストシートを作製し比較例1と同様に評価した。
Figure 0005785795
結果、比較例2の熱硬化性接着シートは、静摩擦係数が0.88、動摩擦係数が0.31となって測定された。
また、指触によって熱硬化性接着剤層の表面を評価したが、比較例1の熱硬化性接着シートと同様に比較例2の熱硬化性接着シートは、タック性が感じられ滑り性に問題を有するものであった。
(比較例3、4)
炭酸カルシウム粒子とタルク粒子とを増量し固形分に占める充填材の割合が、それぞれ約75質量%(比較例3)と約80質量%(比較例4)となるようにしたこと以外は、比較例1と同様にテストシートを作製し比較例1と同様に評価した。
結果、比較例3の熱硬化性接着シートは、静摩擦係数が0.34、動摩擦係数が0.30となって測定され、比較例4の熱硬化性接着シートは、静摩擦係数が0.32、動摩擦係数が0.29となって測定された。
ただし、指触による評価では、両者ともタック性が十分に改善されているとは言い難いものであった。
(比較例5)
イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と重合性成分の配合内容を下記表3に示すように変更したこと以外は、比較例1と同様にテストシートを作製し比較例1と同様に評価した。
Figure 0005785795
結果、この比較例5の熱硬化性接着シートは、比較例1の熱硬化性接着シートとほぼ同じタック性と摩擦係数とを示し、表面性状が比較例1の熱硬化性接着シートと同じであることがわかった。
(実施例1)
アクリル系樹脂(メタクリル酸メチルの比率が約85質量%で、残部がスチレンとグリシジルメタクリレートとで占められている3元共重合体、重量平均分子量:約8000)が35質量%、メチルエチルケトンが65質量%で構成されているポリマー溶液を用いたこと、下記表4に示す配合内容とした(イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との合計100質量部に対して30質量部となる割合で前記アクリル系樹脂を含有させた)こと以外は比較例1と同様にテストシートを作製し比較例1と同様に評価した。
Figure 0005785795
結果、実施例1の熱硬化性接着シートは、静摩擦係数が0.41、動摩擦係数が0.29となって測定され、フィラーを大量に含有させた比較例3、4の熱硬化性接着シートと同様の摩擦係数を示すものであった。
しかも、指触による評価では、タック性が十分に改善されていることが確認できた。
(実施例2)
アクリル系樹脂(メタクリル酸メチルの比率が約85質量%で、残部がスチレンとグリシジルメタクリレートとで占められている3元共重合体、重量平均分子量:約8000)が35質量%、メチルエチルケトンが65質量%で構成されているポリマー溶液を用い、下記表5に示す配合内容に変更してイミド変性不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との合計100質量部に対して30質量部となる割合で前記アクリル系樹脂を含有させたこと以外は比較例5と同様にテストシートを作製し比較例5と同様に評価した。
Figure 0005785795
結果、実施例2の熱硬化性接着シートは、静摩擦係数が0.26、動摩擦係数が0.27となって測定され、フィラーを大量に含有させた比較例3、4の熱硬化性接着シートと同様の摩擦係数を示すものであった。
しかも、実施例2の熱硬化性接着シートは、指触による評価によってタック性が十分に改善されていることが確認できた。
(実施例3〜6)
前記ポリマー溶液とメチルエチルケトンとの割合を変更するとともにトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートの量を変更して(下記表6〜9)イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との合計100質量部に対して4質量部(実施例3)、8.3質量部(実施例4)、13質量部(実施例5)、18.2質量部(実施例6)となる割合で前記アクリル系樹脂を含有させたこと以外は実施例2と同様にテストシートを作製し実施例2と同様に評価した。
Figure 0005785795
Figure 0005785795
Figure 0005785795
Figure 0005785795
この実施例3〜6の熱硬化性接着シートの摩擦係数を測定したデータを先の実施例2の結果と併せて下記表10に示す。
なお、実施例3〜6の熱硬化性接着シートも実施例2の熱硬化性接着シートと同様に指触による評価ではタック性が抑制されていることが確認できた。
Figure 0005785795
以上のことからもアクリル系樹脂の添加によってタック性の低下を図りうることがわかる。
しかも、表10によれば、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と重合性成分との合計100質量部に占めるアクリル系樹脂の割合が10質量部付近を境にして摩擦係数の値を大きく変化させており、アクリル系樹脂を10質量部以上含有させることが特に有効であることがわかる。
(接着性評価)
上記実施例2〜6の熱硬化性接着シートと比較例2の熱硬化性接着シートとを用いて接着性の評価を実施した。
評価に際しては、1.5mm厚み、25mm幅、100mm長さの鋼板を2枚用意し、この2枚の鋼板を20mm角に切断した熱硬化性接着シートで接着した試料を作製した。
具体的には、一方の鋼板の端部に他方の鋼板の端部が25mm長さにわたって重複するようにして2枚の鋼板が長さ方向にずれた状態となるように重なり合わせ、しかも、この重なり合っている部分に熱硬化性接着シートを挟んで熱プレスし、全長175mmとなるせん断接着力測定用試料を作製した。
この試料を200℃の温度において200mm/minの引張速度で引張試験を実施し、熱硬化性接着シートの接着性を評価した。
この評価結果をグラフ化して図7に示す。
この図7に示された結果によれば、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と重合性成分との合計100質量部に占めるアクリル系樹脂の割合が20質量部付近を境にして高温における接着力を大きく低下させており、アクリル系樹脂を20質量部以下にすることが接着性の観点からは有利であることがわかる。
以上のように、本発明によれば、イミド変性不飽和ポリエステル樹脂の長所が損なわれることを抑制しつつ熱硬化性接着剤のタック性の低下を図ることができ、取り扱いの容易な熱硬化性接着シートや相間絶縁シートが提供され得ることがわかる。
1:ステータ、10:ステータコア、21、22:コイル、30:相間絶縁シート

Claims (6)

  1. 重合性モノマー、及び、重合性オリゴマーの内の1種以上からなる重合性成分がイミド変性不飽和ポリエステル樹脂とともに含有されており、アクリル系樹脂がさらに含有され、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂が前記重合性成分以上の質量比率で含有されており、且つ、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と前記重合性成分との合計100質量部に対して4質量部以上30質量部以下の質量比率となるように前記アクリル系樹脂が含有されており、前記アクリル系樹脂としてメタクリル酸メチル−スチレン−グリシジルメタクリレートの3元共重合体が含有されており、前記重合性成分として少なくともジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートが含まれていることを特徴とする熱硬化性接着剤。
  2. 記重合性成分として、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、及び、エポキシメタクリレートがさらに含有されている請求項1記載の熱硬化性接着剤。
  3. 無機物粒子からなる充填材がさらに含有されている請求項1又は2記載の熱硬化性接着剤。
  4. 少なくとも表面部がイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を含有する熱硬化性接着剤で形成されている熱硬化性接着シートであって、
    前記熱硬化性接着剤には重合性モノマー、及び、重合性オリゴマーの内の1種以上からなる重合性成分とアクリル系樹脂とが前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂とともに含有されており、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂が前記重合性成分以上の質量比率で含有され、且つ、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と前記重合性成分との合計100質量部に対して4質量部以上30質量部以下の質量比率となるように前記アクリル系樹脂が含有されており、
    該熱硬化性接着剤には前記アクリル系樹脂としてメタクリル酸メチル−スチレン−グリシジルメタクリレートの3元共重合体が含有されており前記重合性成分として少なくともジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートが含まれていることを特徴とする熱硬化性接着シート。
  5. モータ/ジェネレータのステータのコイルエンド部において隣接する相の異なるコイル間に介装されて用いられる相間絶縁シートであって、
    少なくとも表面部がイミド変性不飽和ポリエステル樹脂を含有する熱硬化性接着剤で形成され、前記熱硬化性接着剤には重合性モノマー、及び、重合性オリゴマーの内の1種以上からなる重合性成分とアクリル系樹脂とが前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂とともに含有されており、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂が前記重合性成分以上の質量比率で含有され、且つ、前記イミド変性不飽和ポリエステル樹脂と前記重合性成分との合計100質量部に対して4質量部以上30質量部以下の質量比率となるように前記アクリル系樹脂が含有されており、
    該熱硬化性接着剤には前記アクリル系樹脂としてメタクリル酸メチル−スチレン−グリシジルメタクリレートの3元共重合体が含有されており前記重合性成分として少なくともジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートが含まれていることを特徴とする相間絶縁シート。
  6. 5層以上の積層構造を有し、両表面には、前記熱硬化性接着剤によって熱硬化性接着剤層が形成されており、加熱されて発泡し、厚みが増大される感熱発泡層が前記熱硬化性接着剤層の内側に備えられているとともに該感熱発泡層と熱硬化性接着剤層との間にはそれぞれ樹脂フィルムからなるフィルム層が備えられている請求項5記載の相間絶縁シート。
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