JP5781430B2 - 車載用オーディオ再生装置 - Google Patents

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本発明は音楽用メディア等を再生出力するオーディオ再生装置に係り、特に車室内の音場を最適に補正する車載用オーディオ再生装置に関する。
2チャンネルソースの音楽(CD、DVD)を車室内で聴取する際に、前部座席側にスピーカが取り付けられていた場合、後部座席側に着席した乗員は快適に音楽を楽しむことは出来ない。そのため車載オーディオシステムは、前方出力左、前方出力右、後方出力左、後方出力右の4チャンネルスピーカ構成でオーディオ再生される事が多い。
車室内でも快適にオーディオを聴くには、音像定位を聴取者の前方に持っていく必要がある。これは、2チャンネルソースのオーディオの音像定位情報を正確に再現させた方がステレオ感を得られやすいからである。しかし、一般的な車輌では2チャンネルスピーカの中心に座席を設置することは出来ず、リスニングポジションが車室内の中央になることはない。この場合、図5の(a)に示すように、乗員は座席の直近のスピーカに音像が引っ張られてしまい、ステレオ感が得られにくくなる。図5において、100は車輌、101は前方出力左チャンネルスピーカ、102は前方出力右チャンネルスピーカ、103は後方出力左チャンネルスピーカ、104は後方出力右チャンネルスピーカ、105はハンドル、106は乗客である。107は音像の向きを表す。
このような車載用オーディオ再生装置に特有の問題に対し、従来ではDSPやFPGAなどのデジタルプロセッサーにTime Alignment機能を実装し解決してきた(例えば、特許文献1参照)。このTime Alignment機能は、2チャンネルソースのオーディオ信号の混合信号を前方中央のスピーカで再生し、入力左チャンネルオーディオ信号を少ない遅延時間だけ遅延して左前方チャンネルスピーカで再生し、大きな遅延時間だけ遅延して左後方チャンネルスピーカで再生し、入力右チャンネルオーディオ信号を少ない遅延時間だけ遅延して右前方チャンネルスピーカで再生し、大きな遅延時間だけ遅延して右後方チャンネルスピーカで再生するもので、聴取者は左右前後のスピーカの距離を気にせずステレオ感を得ることができる。
このように、Time Alignment機能は聴取者の位置に関わらず音像の定位を前方に移動させる技術であり、音質を改善できる聴取領域の中心近くに全ての座席を配置させることが出来るという利点がある。
特開2006−324898号公報
しかし、上記したTime Alignment機能を使用する方法では、特定のリスニングポジションでの聴取が快適になるように調整することが出来るが、このとき他のリスニングポジションでは快適に聴取できなくなってしまうという問題点があった。また、市場に出回っている車輌のオーディオ再生装置の多くは4チャンネルスピーカ構成であるため、前方中央のスピーカを使用する5チャンネル構成の技術は実装が難しいという問題があった。
本発明の目的は、上記問題点を解消し、車室内の音場を最適な音場に補正できるようにした車載用オーディオ再生装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明の車載用オーディオ再生装置は、入力左チャンネルオーディオ信号と入力右チャンネルオーディオ信号を混合してセンター成分を生成し、該センター成分を低い周波数成分と高い周波数成分に分割し、前記センター成分の前記低い周波数成分を前記入力左チャンネルオーディオ信号と前記入力右チャンネルオーディオ信号に加算して、前方出力左チャンネルオーディオ信号および前方出力右チャンネルオーディオ信号を生成し、前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延し位相シフトさせて、前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の一方に加算し、前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延して前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の他方に加算する、ことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記入力左チャンネルオーディオ信号から前記入力右チャンネルオーディオ信号を減算して第1のサラウンド成分を生成し、該第1のサラウンド成分から低音と高音を取り除き遅延して初期反射成分を生成して後方出力左チャンネルオーディオ信号として出力し、前記入力右チャンネルオーディオ信号から前記入力左チャンネルオーディオ信号を減算して第2のサラウンド成分を生成し、該第2のサラウンド成分から低音と高音を取り除き遅延して初期反射成分を生成して後方出力右チャンネルオーディオ信号として出力する、ことを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記センター成分の前記低い周波数成分を前記後方出力左チャンネルオーディオ信号と前記後方出力右チャンネルオーディオ信号に加算し、前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延し位相シフトさせて、前記後方出力左チャンネルオーディオ信号および前記後方出力右チャンネルオーディオ信号のうちの、前記遅延し位相シフトした前記高い周波数成分が加算される前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の前記一方に対応した一方に加算し、前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延して、前記後方出力左チャンネルオーディオ信号および前記後方出力右チャンネルオーディオ信号のうちの、前記遅延した前記高い周波数成分が加算される前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の他方に対応した他方に加算する、ことを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1、2又は3記載の車載用オーディオ装置において、前記入力左チャンネルオーディオ信号から前記入力右チャンネルオーディオ信号を減算して第3のサラウンド成分を生成し、該第3のサラウンド成分から低い周波数成分を取り出し遅延して、前記前方出力左チャンネルオーディオ信号に対して加算するとともに、前記前方出力右チャンネルオーディオ信号に対し減算することを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延し位相シフトさせて、前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の一方に加算するとき、同時に前記遅延させた前記高い周波数成分の音像の上下位置を調整し、前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延して前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の他方に加算するとき、同時に前記遅延させた前記高い周波数成分の音像の上下位置を調整する、ことを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項3に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延し位相シフトさせて、前記後方出力左チャンネルオーディオ信号および前記後方出力右チャンネルオーディオ信号の一方に加算するとき、同時に前記遅延させた前記高い周波数成分の音像の上下位置を調整し、前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延して前記後方出力左チャンネルオーディオ信号および前記後方出力右チャンネルオーディオ信号の他方に加算するとき、同時に前記遅延させた前記高い周波数成分の音像の上下位置を調整する、ことを特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項5又は6に記載の車載用オーディオ再生装置において、前記音像の上下位置を調整する手段は、急峻なスロープを持ち、前記センター成分の前記高い周波数成分の内からより高い周波数成分を取り出すハイパスフィルタからなることを特徴とする。
請求項1にかかる発明によれば、センター成分の高い周波数成分の一方は位相シフトさせ他方はそのままで、それぞれ前方出力の左右チャンネルオーディオ信号に加算するので、音像が前方左右のスピーカの中心に定位しなくなり、車内の全ての聴取者に対して音像を前方に定位させることが可能となり、音質や音の定位を改善し、全ての座席に快適なオーディオ環境を実現することができる。また、センター成分の低い周波数成分は位相シフトしないので、前方の左右スピーカから出力された低音が打ち消し合うことはない。また、センター成分の高い周波数成分の遅延量の設定によってハース効果を得ることができる。また、請求項2〜4にかかる発明によれば、サラウンド効果を付加し、音像の前方定位の妨げにならないように信号の相関を減少させることで、全体の音圧を増大させることができる。また、請求項5〜7にかかる発明によれば、センター成分の音像の高さを調整することができる。
本発明の第1の実施例の車載用オーディオ再生装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施例の車載用オーディオ再生装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第3の実施例の車載用オーディオ再生装置の構成を示す機能ブロック図である。 センターエレベーション回路の内部構成を示すブロック図である。 車載用オーディオ再生装置における音像の向きを示す説明図である。
<実施例1>
図1に本発明の第1の実施例の車載用オーディオ再生装置の構成を示す。図1において、Lは左チャンネル入力端子、Rは右チャンネル入力端子、FLは前方左チャンネル出力端子、FRは前方右チャンネル出力端子である。また、K1〜K12は入力信号に所定の係数を乗算して増幅する乗算器、ADD1〜ADD7は2個の入力信号を加算して出力する加算器、LPF1,LPF2はローパスフィルタ、HPF1,HPF2はハイパスフィルタ、DL1,DL2は入力信号に遅延を与える遅延器、θ1,θ2は入力信号の位相を180度シフトするすインバータあるいはオールパスフィルタ等で構成される移相器である。
さて、入力左チャンネルオーディオ信号は、左チャンネルボリウムとして働く乗算器K1で増幅調整されて加算器ADD1に入力し、入力右チャンネルオーディオ信号は、右チャンネルボリウムとして働く乗算器K2で増幅調整されて加算器ADD3に入力する。また、入力左チャンネルオーディオ信号が乗算器K3〜K5で、入力右チャンネルオーディオ信号が乗算器K6〜K8で、それぞれ増幅調整されてから、加算器ADD5〜ADD7で加算されることで、センター成分が生成される。
そして、加算器ADD5で得られるセンター成分の信号は、ローパスフィルタLPF1で低周波成分が取り出され乗算器K9で増幅調整されてから左チャンネル側の加算器ADD1に入力するとともに、ローパスフィルタLPF2で低周波成分が取り出され乗算器K10で増幅調整されてから右チャンネル側の加算器ADD3に入力する。また、加算器ADD6で得られるセンター成分の信号は、ハイパスフィルタHPF1で高い周波数成分が取り出され遅延器DL1で遅延を受けてから乗算器K11で増幅調整される。また、加算器ADD7で得られるセンター成分の信号は、ハイパスフィルタHPF2で高い周波数成分が取り出され遅延器DL2で遅延を受けてから乗算器K12で増幅調整される。
一般的に、男性ボーカルの主な基本周波数は90Hz〜130Hzであり、女性ボーカルの基本周波数は250Hz〜330Hzである。ハイパスフィルタHPF1,HPF2を通過した高い周波数成分は、後記するように移相器θ1又はθ2で180度位相シフトするため、ローパスフィルタLPF1,LPF2、ハイパスフィルタHPF1,HPF2のカットオフ周波数を90Hzよりも低い周波数で設定した場合は、低音の音像の定立が曖昧になり、また、330Hzよりも高い周波数で設定した場合は、ボーカル音声が聴取者の正面から聞こえる成分と直近のドアスピーカから聞こえる成分の2方向となり音像の定位がやはり曖昧になる。
そこで、ローパスフィルタLPF1,LPF2、ハイパスフィルタHPF1,HPF2のカットオフ周波数を、90Hz〜330Hz付近に設定する。このとき、そのカットオフ周波数の関係は、ハイパスフィルタとローパスフィルタで同一周波数に設定してもよいが、ハイパスフィルタとローパスフィルタのそれぞれを通過する信号の特性が平坦になるように、ローパスフィルタLPF1,LPF2のカットオフ周波数をより低い周波数に設定し、ハイパスフィルタHPF1,HPF2のカットオフ周波数をより高い周波数に設定してもよい。
ハイパスフィルタHPF1,HPF2で取り出され乗算器K11,K12によって増幅された高い周波数成分の一方は、移相器θ1又はθ2によって位相が180度シフトされ、他方は移相器θ1又はθ2をバイパスされる。なお、移相器θ1又はθ2の出力信号を加算器ADD2又はADD4に入力させた場合、ハイパスフィルタHPF1,HPF2と移相器θ1,θ2の位相歪みの影響を受けるが、遅延器DL1,DL2によってその位相歪みの影響を軽減させることができる。
位相歪の影響を少なくする遅延器DL1,DL2の遅延量の設定範囲は、最低値が1msec、最大値はハース効果(同じ音が複数の方向から聞こえた場合、最も早く到達した音の音源方向に定位が偏って聞こえる現象)が得られることを考慮して50msecとする。ハース効果では直接音に対する後続音の遅れ時間がおおよそ50msec以内であれば、直接音と同等の音圧レベルの後続音が到来しても、ほとんど直接音の聴取の妨害とはならないとされている。加算器ADD2,ADD4の出力信号は前方左チャンネル出力端子FL、前方右チャンネル出力端子FRに出力する。
このように、第1の実施例によれば、センター成分の高い周波数成分の一方のみを180度だけ位相シフトさせて左チャンネル又は右チャンネルに加算するので、音像が左右の前方スピーカの中心に定位しなくなり、全席において音像を聴取者の前方に定位させることが可能になる。また、センター成分の低い周波数成分は、位相シフトせずに左右の両チャンネルに加算するため左右の前方スピーカから出力された低音が打ち消し合うことはない。
<第2の実施例>
図2に第2の実施例の車載用オーディオ再生装置を示す。第1の実施例は、前方左スピーカと前方右スピーカを使用する2チャンネル構成についてのものであったが、第2の実施例は、後方左スピーカと後方右スピーカを追加使用する4チャンネル構成についのものである。図1と同じものには同じ符合を付けた。K13〜K28は乗算器、ADD8〜ADD19は加算器、HPF3〜HPF6はハイパスフィルタ、LPF3〜LPF6はローパスフィルタ、DL3〜DL8は遅延器、θ3,θ4は移相器、BLは後方左チャンネル出力端子、BRは後方右チャンネル出力端子である。
さて、左チャンネルのオーディオ入力信号は、サラウンド成分生成用の乗算器K23によってサラウンド成分とセンター成分の割合が決定され、加算器ADD15において入力右チャンネルオーディオ信号からその乗算器K23の出力信号が減算される。右チャンネルのオーディオ入力信号は、サラウンド成分生成用の乗算器K17によってサラウンド成分とセンター成分の割合が決定され、加算器ADD10において入力左チャンネルオーディオ信号からその乗算器K17の出力信号が減算される。
加算器ADD10の出力信号は、ハイパスフィルタHPF3で低い周波数成分が取り除かれ、遅延器DL3で第1次初期反射遅延量が設定され、乗算器K19の入力となり、ハイパスフィルタHPF4とローパスフィルタLPF3によって高い周波数成分と低い周波数成分が取り除かれ、遅延器DL4で第2次初期反射遅延量が設定され、乗算器K20の入力となり、ローパスフィルタLPF4で高い周波数成分が取り除かれ、遅延器DL5で第3次初期反射遅延量が設定され、乗算器K21の入力となる。
加算器ADD15の出力信号は、ハイパスフィルタHPF5で低い周波数成分が取り除かれ、遅延器DL6で第1次初期反射遅延量が設定され、乗算器K25の入力となり、ハイパスフィルタHPF6とローパスフィルタLPF5によって高い周波数成分と低い周波数成分が取り除かれ、遅延器DL7で第2次初期反射遅延量が設定され、乗算器K26の入力となり、ローパスフィルタLPF6で高い周波数成分が取り除かれ、遅延器DL8で第3次初期反射遅延量が設定され、乗算器K27の入力となる。
ハイパスフィルタHPF3〜HPF6は、初期反射成分に不必要な低音を減衰させるため、カットオフ周波数を100Hz〜500Hz付近の間に設定する。ローパスフィルタLPF3〜LPF6は、初期反射で失われる高い周波数成分を減衰させるため、カットオフ周波数を4KHz〜10KHz付近の間に設定する。
加算器ADD11は乗算器K19と乗算器K20の出力信号を加算し、加算器ADD12は加算器ADD11と乗算器K21の出力信号を加算し、その出力信号は乗算器K22で増幅される。また、加算器ADD13は入力左チャンネルオーディオ信号の増幅調整を行う乗算器K18の出力信号と乗算器K22の出力信号を加算して加算器ADD14の一方の入力とする。
また、加算器ADD16は乗算器K25と乗算器K26の出力信号を加算し、加算器ADD17は加算器ADD16と乗算器K27の出力信号を加算し、その出力信号は乗算器K28で増幅される。また、加算器ADD18は入力右チャンネルオーディオ信号の増幅調整を行う乗算器K24の出力信号から乗算器K28の出力信号を減算して加算器ADD19の一方の入力とする。
遅延器DL3〜DL8の初期反射遅延量は、設定したい車室内の空間サイズから決定する。例えば、遅延器DL3,DL6の第1次初期反射遅延量を10〜20msec、遅延器DL4,DL7の第2次初期反射遅延量を15〜30msec、遅延器DL5,DL8の第3次初期反射遅延量を25〜35msecとした場合に、車室内の空間サイズを仮想的に広げることが出来る。また、第1の実施例における前方左チャンネル出力および前方右チャンネル出力と、第2の実施例における後方左チャンネル出力および後方右チャンネル出力は、信号の相関が少なくなる為、前方定位感を損なうことなく音圧を増幅することが可能である。
ローパスフィルタLPF1,LPF2から出力する低い周波数のセンター成分は、乗算器K13,K14で増幅調整されて加算器ADD8,ADD9の一方の入力となる。また、ハイパスフィルタHPF1,HPF2から出力する高い周波数のセンター成分は、乗算器K15,K16で増幅されて移相器θ3,θ4に入力する。ここで、移相器θ1で位相シフトさせたときは、乗算器K15の出力信号を移相器θ3で180度だけ位相シフトさせて加算器ADD8の入力とし、移相器θ4はバイパスさせる。また、移相器θ2で位相シフトさせたときは、乗算器K16の出力信号を移相器θ4で180度だけ位相シフトさせて加算器ADD9の入力とし、移相器θ3はバイパスさせる。そして、加算器ADD8の出力信号が加算器ADD14において加算器ADD13の出力信号と加算され、後方左チャンネルオーディオ信号となる。また、加算器ADD9の出力信号が加算器ADD19において加算器ADD18の出力信号と加算され、後方右チャンネルオーディオ信号となる。これによって、図5(b)に示すように、第1の実施例同様、全席において音像を聴取者の前方に定位させることが可能になる。
<第3の実施例>
図3に第3の実施例の車載用オーディオ再生装置を示す。図3において、図1および図2と同じものには同じ符合を付けた。ADD20〜ADD22は加算器、K29〜K32は乗算器、CE1〜CE4はセンターエレベーション回路である。
本実施例では、入力した左チャンネルオーディオ信号と右チャンネルオーディオ信号を加算器ADD20で加算することによってサラウンド成分を生成し、ローパスフィルタLPF7で低い周波数成分を取り出し、遅延器DL9で遅延量を設定し、乗算器K31で増幅調整し、加算器ADD21では同相で前方左チャンネルオーディオ信号に加算し、加算器ADD22では前方右チャンネルオーディオ信号から減算するものである。このようにして、第1、第2の実施例にさらにサラウンド効果を付加することが可能である。ローパスフィルタLPF7のカットオフ周波数は4KHz〜8KHz付近で設定される。
また、センター成分のうちの、ハイパスフィルタHPF1,HPF2で取り出した高い周波数成分を遅延器DL1,DL2で遅延した信号については、センターエレベーション回路CE1,CE2で音像の高さを調整してから乗算器K29,K30で増幅調整して移相器θ1,θ2に入力させる。同様に、センターエレベーション回路CE3,CE4で音像の高さを調整してから乗算器K31,K32で増幅調整して移相器θ1,θ2に入力させる。
センターエレベーション回路CE1〜CE4は、音像の上下位置の定位を調整可能としたもので、その構成例を図4に示す。図4において、FIRはFIRフィルタ回路、DL8は遅延器、ADD23,ADD24は加算器、K33は乗算器である。フィルタ回路FIRのカットオフ周波数は1kHz〜7kHz付近のLPFに設定可能である。カットオフ周波数を1kHzよりも低くすることは、ボーカルの音質が変化するため設定不可であり、カットオフ周波数を7kHzよりも高くすることも効果が減少するため設定不可である。また、フィルタ回路FIRの計算処理を軽くするため、そのタップ数は8〜32タップとする。
このセンターエレベーション回路CE1〜CE4では、入力したオーディオ信号はフィルタ回路FIRと遅延器DL8に入力する。遅延器DL8でフィルタ回路FIRのタップ数分の遅延を設定し、加算器ADD23,ADD24の入力の一方とする。フィルタ回路FIRで高い周波数成分を取り除き、その出力信号を遅延器DL8の出力から減算することで、高い周波数成分が取り出される。その高い周波数成分は乗算器K33によって増幅調整されて加算器ADD24の入力となって出力する。
このように、センターエレベーション回路CE1〜CE4は、遅延器DL8の出力から、フィルタ回路FIRの出力を減算することで、急峻なスロープを持つハイパスフィルタが構成される。通常の車輌のように、スピーカの位置が聴取者よりも低い位置にあった場合、オーディオなどの音像は高い周波数成分の音量を上げることで聴取者には音像位置が高くなったと知覚されるので、第1、第2の実施例の効果に加えて、前の左右、後の左右のセンター成分の音像の高さを調整することが可能となる。
K1〜K33:乗算器
DL1〜DL9:遅延器
LPF1〜LPF7:ローパスフィルタ
HPF1〜HPF6:ハイパスフィルタ
ADD1〜ADD22:加算器
CE1〜CD4:センターエレベーション回路

Claims (7)

  1. 入力左チャンネルオーディオ信号と入力右チャンネルオーディオ信号を混合してセンター成分を生成し、該センター成分を低い周波数成分と高い周波数成分に分割し、
    前記センター成分の前記低い周波数成分を前記入力左チャンネルオーディオ信号と前記入力右チャンネルオーディオ信号に加算して、前方出力左チャンネルオーディオ信号および前方出力右チャンネルオーディオ信号を生成し、
    前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延し位相シフトさせて、前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の一方に加算し、
    前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延して前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の他方に加算する、
    ことを特徴とする車載用オーディオ再生装置。
  2. 請求項1に記載の車載用オーディオ再生装置において、
    前記入力左チャンネルオーディオ信号から前記入力右チャンネルオーディオ信号を減算して第1のサラウンド成分を生成し、該第1のサラウンド成分から低音と高音を取り除き遅延して初期反射成分を生成して後方出力左チャンネルオーディオ信号として出力し、
    前記入力右チャンネルオーディオ信号から前記入力左チャンネルオーディオ信号を減算して第2のサラウンド成分を生成し、該第2のサラウンド成分から低音と高音を取り除き遅延して初期反射成分を生成して後方出力右チャンネルオーディオ信号として出力する、
    ことを特徴とする車載用オーディオ再生装置。
  3. 請求項2に記載の車載用オーディオ再生装置において、
    前記センター成分の前記低い周波数成分を前記後方出力左チャンネルオーディオ信号と前記後方出力右チャンネルオーディオ信号に加算し、
    前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延し位相シフトさせて、前記後方出力左チャンネルオーディオ信号および前記後方出力右チャンネルオーディオ信号のうちの、前記遅延し位相シフトした前記高い周波数成分が加算される前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の前記一方に対応した一方に加算し、
    前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延して、前記後方出力左チャンネルオーディオ信号および前記後方出力右チャンネルオーディオ信号のうちの、前記遅延した前記高い周波数成分が加算される前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の他方に対応した他方に加算する、
    ことを特徴とする車載用オーディオ再生装置。
  4. 請求項1、2又は3記載の車載用オーディオ装置において、
    前記入力左チャンネルオーディオ信号から前記入力右チャンネルオーディオ信号を減算して第3のサラウンド成分を生成し、該第3のサラウンド成分から低い周波数成分を取り出し遅延して、前記前方出力左チャンネルオーディオ信号に対して加算するとともに、前記前方出力右チャンネルオーディオ信号に対し減算することを特徴とする車載用オーディオ再生装置。
  5. 請求項1に記載の車載用オーディオ再生装置において、
    前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延し位相シフトさせて、前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の一方に加算するとき、同時に前記遅延させた前記高い周波数成分の音像の上下位置を調整し、
    前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延して前記前方出力左チャンネルオーディオ信号および前記前方出力右チャンネルオーディオ信号の他方に加算するとき、同時に前記遅延させた前記高い周波数成分の音像の上下位置を調整する、
    ことを特徴とする車載用オーディオ再生装置。
  6. 請求項3に記載の車載用オーディオ再生装置において、
    前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延し位相シフトさせて、前記後方出力左チャンネルオーディオ信号および前記後方出力右チャンネルオーディオ信号の一方に加算するとき、同時に前記遅延させた前記高い周波数成分の音像の上下位置を調整し、
    前記センター成分の前記高い周波数成分を遅延して前記後方出力左チャンネルオーディオ信号および前記後方出力右チャンネルオーディオ信号の他方に加算するとき、同時に前記遅延させた前記高い周波数成分の音像の上下位置を調整する、
    ことを特徴とする車載用オーディオ再生装置。
  7. 請求項5又は6に記載の車載用オーディオ再生装置において、
    前記音像の上下位置を調整する手段は、急峻なスロープを持ち、前記センター成分の前記高い周波数成分の内からより高い周波数成分を取り出すハイパスフィルタからなることを特徴とする車載用オーディオ再生装置。
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