JP5774010B2 - インフルエンザウイルスのための免疫拡散アッセイ - Google Patents

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Description

本発明は、ウイルス調製物、及びインフルエンザウイルスを含む組成物等のワクチン組成物に対して行われるアッセイの分野に関する。本発明は、特に、前記調製物又は組成物、特に、ワクチン等のアジュバント添加された(adjuvanted)調製物及び組成物における抗原濃度の決定に関する。
インフルエンザウイルスは、世界中で最も広範に存在するウイルスのうちの1つであり、ヒト及び家畜の両方に感染する。インフルエンザは、経済的負担、病的状態、及び更には死を引き起し、これらは重大な問題である。インフルエンザウイルスは、殆ど毎冬流行し、感染率は、6週間の期間で40%にものぼる。インフルエンザ感染は、無症状感染から軽症の上気道感染、更には重篤なウイルス性肺炎まで様々な病状を引き起こす。典型的なインフルエンザの流行は、入院又は死亡率の上昇によって証明されるように、肺炎及び下気道疾患の発生率を増加させる。
予防接種は、毎年のインフルエンザの流行を制御するのに重大な役割を果たす。現在利用可能なインフルエンザワクチンは、不活性化されているか又は生存している弱毒化されたインフルエンザワクチンである。
一方、季節性インフルエンザ用の現在のインフルエンザワクチンの大部分は、アジュバント添加されていないワクチンであり、パンデミックワクチン用等の他のアプローチは、抗原含量を減少させ(抗原の節約)、それによって利用可能なワクチン用量数を増加させることができるようにするために、アジュバント添加に依存している。また、アジュバントの使用は、ナイーブな集団又は免疫無防備状態の集団等の特定の被験体における抗原の免疫原性が潜在的に弱いことを克服するのに有用である場合がある。一例として、水酸化アルミニウム若しくはリン酸アルミニウム等のアルミニウム塩、又は水中油型エマルションをアジュバント添加されたインフルエンザウイルスを挙げることができる。水中油型エマルションをアジュバント添加されたサブユニットインフルエンザワクチンMF59は市販されている。
インフルエンザワクチンの抗原含量を標準化するための従来のアッセイは、単純放射免疫拡散(SRID)アッセイ(J.M.Woodら:An improved single radial immunodiffusion technique for the assay of influenza haemagglutinin antigen:adaptation for potency determination of inactivated whole virus and subunit vaccines.J.Biol.Stand.5(1977)237−247;J.M.Woodら,International collaborative study of single radial diffusion and immunoelectrophoresis techniques for the assay of haemagglutinin antigen of influenza virus.J.Biol.Stand.9(1981)317−330)であり、これは、1978年にWHOによって推奨されて、赤血球の凝集に基づく試験に置き換わった。このアッセイは、特異的な抗HA血清を含有するアガロースゲルへの赤血球凝集素(HA)抗原等のインフルエンザ抗原の免疫拡散に基づき、この間にゲル内で抗原/抗体複合体が形成される。HA抗原が、ウェルから放射状に拡散し、特異的な抗体と反応し、ゲルにおいて典型的に環形である乳光の領域を生じさせる。抗原を含有しているウェルを取り囲む反応領域の面積は、ウェルに添加された抗原の量の推定値である。ゲル染色して、これら環の表面を測定し、既知のHA含量を含む特定のサブタイプの抗原レファレンスバッチで得られた検量線を使用することにより、このサブタイプのウイルス調製物の抗原含量を計算する。
しかし、アジュバントの存在が正常な試験に干渉する場合があるので、このようなアッセイは、任意の種類のインフルエンザ調製物又は組成物、特にアジュバント添加された調製物に適している訳ではない可能性がある。
したがって、その適用可能性を広げるために、特にアジュバント添加されたワクチン等のアジュバント添加された調製物又は組成物に適したものにするために、SRIDアッセイを改良する必要がある。
国際公開第2009/081172号パンフレットには、アジュバント吸着抗原用、特にアルミニウム塩をアジュバント添加されたワクチン用の改変インフルエンザSRIDアッセイのプロトコールが開示されているが、これは拡散前にアジュバントから抗原を脱離させる更なる工程を含む。
したがって、実施が容易且つ迅速であり、そして、アジュバント添加されていようといまいと、最終ワクチン製剤を含む任意の種類のウイルス調製物におけるHA等の抗原の同定及び/又は定量に適用可能であり、特にアジュバント添加されたワクチンの評価に適した改変SRIDアッセイを提供することが依然として必要とされている。
したがって、本発明の最初の態様では、少なくとも以下の工程を含む免疫拡散アッセイを行う方法を提供する:
(a)インフルエンザウイルス抗原を含む1つ以上の試験サンプルを調製する工程と、
(b)少なくとも5%(w/v)の洗剤で前記試験サンプルを処理する工程と、
(c)前記インフルエンザウイルス抗原に特異的な抗体を含有するゲルに、前記処理されたサンプルを塗布する工程と、
(d)前記サンプルをゲルに拡散させる工程。
第2の態様では、少なくとも以下の工程を含むインフルエンザウイルス抗原を含むワクチンのHA濃度を定量する方法を提供する:
(i)ワクチン又はそのサンプルを少なくとも5%(w/v)の洗剤で処理する工程と、
(ii)既知の濃度のインフルエンザウイルス抗原を含むレファレンスサンプルを少なくとも5%(w/v)の洗剤で処理する工程と、
(iii)前記処理されたワクチン又はそのサンプルと前記処理されたレファレンスサンプルとを、前記インフルエンザ抗原に特異的な抗体を含有するゲルに塗布する工程と、
(iv)前記サンプルを前記ゲルに拡散させる工程と、
(v)ワクチン又はそのサンプルによって形成されるゲルにおける沈殿環の寸法と、前記レファレンスサンプルによって形成される沈殿環の寸法とを測定する工程と、
(vi)工程(v)において測定された寸法を比較し、前記比較結果を用いて工程(iii)で塗布されたワクチン又はそのサンプル中のHA濃度を計算する工程。
本発明は、ウイルス抗原等の対象抗原を同定するため及び/又はワクチン等の調製物又は組成物中の対象抗原の濃度を測定するための免疫拡散法に関する。具体的には、本発明の方法は、アジュバント添加されていないウイルス調製物に適しているだけではなく、アジュバント添加された調製物、特に、水中油型エマルションをアジュバント添加されたインフルエンザワクチンにも適している改変SRIDアッセイを提供する。
本発明者らは、驚くべきことに、アジュバント、特に水中油型エマルションは、インフルエンザ抗原等のウイルス抗原を含むサンプル中に存在する場合、SRIDアッセイを行っている間の抗原の拡散に著しい影響を及ぼすことを見出した。生じる拡散環が、異常な種類になる。実際、アジュバント添加されていないサンプルに比べて、アジュバントを含むサンプルは、SRIDアッセイによって処理されたとき、外観がはるかに暗く、より拡散している拡散環が生じるので、環の境界が不鮮明になる。本発明者らは、SRIDアッセイによって得られる抗原定量結果に対して、このような異なる外観の環が影響を及ぼすことを見出した。本発明者らは、アジュバントの存在下では、アジュバント添加されていない類似組成物で得られた結果と比較して、高い変動性及びより低い抗原濃度を示す結果が得られることを見出した。したがって、インフルエンザ抗原を含むアジュバント添加されたサンプルのHA含量を評価するために当技術分野において使用される従来のSRIDアッセイを使用すると、含量が過小評価される等、含量の誤った測定値が導かれる。アッセイの変動性及び抗原濃度の過小評価は両方共、誤算された量の抗原を含むワクチン製剤を生じさせる場合があり、例えば、ワクチンの一貫性及び有効性に対して劇的な影響を及ぼす。このような問題点は、ワクチン産生の分野では許容できない。
本発明に係る方法は、これらの問題点を克服するための解決策を提供し、ワクチンを含むウイルス調製物におけるインフルエンザ抗原等の抗原を同定する及び/又は抗原の量を決定するためのロバストで、正確で、且つ信頼できる方法を提供する。この方法は、アジュバント添加されたウイルス調製物及びアジュバント添加されていないウイルス調製物の両方に適しているという利点を示す。結果として、2つの別個の方法を使用する必要なく、本発明に係る方法を用いてアジュバント添加されたウイルス調製物及びアジュバント添加されていないウイルス調製物の両方を並行して試験することができる。また、この方法は、実施が単純且つ容易である。
本発明の方法は、対象抗原、特に、例えば赤血球凝集素(HA)等のインフルエンザ抗原の同定及び/又は対象抗原の濃度測定のために用いられる。
従来のSRIDアッセイは、最初に、Woodらによって設計された(An improved single radial immunodiffusion technique for the assay of influenza haemagglutinin antigen:adaptation for potency determination of inactivated whole virus and subunit vaccines.J.Biol.Stand.5(1977年)237−247;International collaborative study of single radial diffusion and immunoelectrophoresis techniques for the assay of haemagglutinin antigen of influenza virus.J.Biol.Stand.9(1981)317−330)。ワクチン等の組成物中におけるHA等のインフルエンザウイルス抗原の濃度を測定するための標準分析法として、現在、このアッセイが常用されている。多くの様々なワクチン製造会社が、インフルエンザワクチンのHA含量を測定するためにSRIDアッセイを使用している。この従来のアッセイは、典型的に、HAを含む試験サンプルを低濃度、通常1%(w/v)の洗剤で処理した後、特異的な抗HA抗体を含浸させたゲルに予め形成しておいたウェルにこれらをロードし、前記抗原を前記ゲルに拡散させることを含む(例えば、国際公開第2009/000433号パンフレット、米国特許出願公開第第20090092620号明細書、及び欧州特許第2014279号明細書を参照されたい)。典型的な洗剤は、Zwittergent等の両性イオン性洗剤である。国際公開第2009/081172号パンフレットには、より高用量の洗剤(8%以下(w/v))が開示されており、このより高用量が使用されていることと、外添された塩、特にリン酸塩と組み合わせて機能することが示されているのみである。
本発明に係る方法は、明細書の残りの部分において改変SRIDと呼ばれるが、当技術分野において使用されている1%(w/v)の濃度よりも少なくとも5倍高い洗剤濃度を使用する。具体的には、洗剤の濃度は、少なくとも5%(w/v)、好適には少なくとも8%(w/v)、好適には少なくとも10%(w/v)、好適には少なくとも15%(w/v)、好適には少なくとも20%(w/v)である。本発明の方法は、外添された塩が存在しない場合でさえも、これら洗剤濃度で機能することが示された。本発明の方法に好適な洗剤は、従来のSRIDアッセイに一般的に使用されている洗剤と同様である。これらは、サルコシル硫酸ナトリウム等のイオン性であってもよく、TritonX−100(商標)、Nonidet P−40(商標)、又はTween80(商標)等の非イオン性であってもよい。非イオン性洗剤としては、両性イオン性洗剤が挙げられる。Empigen(商標)等のベタイン及びZwittergent等のスルホベタインを含む両性イオン性洗剤が、本発明の改変SRIDアッセイにおいて使用するのに特に適している。特に、濃度を決定する必要のある対象抗原がHA等のインフルエンザウイルス抗原である場合、上記両性イオン性洗剤が好適に使用される。1つの実施形態では、使用される洗剤は、Zwittergent、特にZwittergent3−14(商標)(n−テトラデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩)又はZwittergent3−12(商標)(N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホン酸塩)である。別の実施形態では、洗剤はEmpigen(商標)である。1つの実施形態では、本発明の方法における試験サンプル及び/又はレファレンスサンプルの処理に使用される洗剤濃度は、好適には少なくとも5%(w/v)、好適には少なくとも8%(w/v)、好適には少なくとも10%(w/v)、好適には少なくとも15%、及び更には20%(w/v)である。特定の実施形態では、本発明の方法における試験サンプル及び/又はレファレンスサンプルは、8%超の洗剤で処理される。
本発明における意味では、「洗剤でサンプルを処理する」とは、サンプルに洗剤を添加することを意味する。洗剤は、インキュベートされた状態であってもよい。好適には、インキュベート時間は、少なくとも1分間、好適には少なくとも5分間、好適には少なくとも10分間、好適には少なくとも20分間、及び好適には少なくとも30分間である。典型的には、インキュベートは、攪拌しながら好適には室温で行う。
洗剤の割合以外は、改変SRIDアッセイは、従来のSRIDアッセイを行うときに用いられる条件と同一条件で実施することができる。具体的には、アジュバント添加されたサンプル中の抗原濃度を測定するために使用されるとき、本発明の方法は予めアジュバントから抗原を脱離させる工程を必要としない。
例えば、本明細書に開示される改変SRIDアッセイにおいて使用されるゲルは、従来のSRIDアッセイに使用されるゲルと同一である。前記ゲルは、寒天又はアガロースで作製されるのが好適であるが、抗原の放射拡散及び抗原/抗体複合体の沈澱を補助する限り、任意の他の適切な材料を使用してもよい。前記ゲルは通常、サンプルをロードするための予め画定された円形のウェルを含んでいる。次いで、ウェルの内容物がゲルへ放射状に拡散する。SRIDアッセイにおいて使用されるゲルは、従来の方法であっても改変された方法であっても、典型的に、サンプルを受容し、並行分析を可能にするための複数のウェルを含む。したがって、試験サンプルであろうとレファレンスサンプルであろうと、同じ材料の複数のサンプルを、通常異なるサンプル希釈物を用いて単一のアッセイで試験することができる。
ゲルは、対象抗原に対して特異的な抗体を、標的抗原濃度について拡散中心から適切な距離で免疫複合体を形成させる濃度で含有する。抗体は、既知であっても既知でなくてもよい実質的に均一な濃度で存在する。このようなゲルの調製は、当技術分野において公知である。抗体は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよい。好適には、ゲルの含浸に使用される対象抗原に特異的な抗体は、ポリクローナル抗体である。
本発明の1つの実施形態によれば、ゲルは、サンプル中の対象抗原濃度を決定するために使用される抗体を含有し、例えば、ゲルは、インフルエンザウイルス由来のHA抗原を含むサンプルの濃度を測定するために使用される抗HA抗体を含有する。
改変SRIDアッセイ及び従来のSRIDアッセイの両方において、アッセイの結果は、抗原をロードしたウェルから拡散する抗原とゲルに含まれる特異的抗体との間の、ゲルにおける反応領域の形成である。ウェルが円形である場合、反応領域は環状である。環は、内径及び外径を有する。外径、すなわち環の外側境界によって定められる表面は、ウェル内に存在する抗原の濃度に比例する。したがって、対象抗原の定量は、既知濃度のレファレンス抗原をウェルにロードした後に得られる環の寸法(直径及び/又は表面)を比較することにより行うことができる。互いに対して直角である2つの方向において直径を測定することができる。或いは、環のそれぞれの表面測定値を比較することにより定量を行ってもよい。前記測定は、用手的に、すなわち、定規を用いて目視検査するか、又は環の真上に配置されたグリッドを使用することによって行うことができる。或いは、拡散環を表すプレートの写真を撮影してもよく、コンピュータに接続されたカメラによってライブ映像を記録してもよい。次いで、写真からであっても又はライブ映像からであっても、環を測定するためにスクリーン上の定規を使用してもよい。或いは、前記測定は、半自動的に行うこともできる、すなわち、写真又はライブ映像の上でも、統合ソフトウェアが、環表面を選択又は区別することができるコンピュータツールを提供することができる。このような測定を行うことができる好適な装置の非限定的な例としては、Carl Zeiss製のKS400装置を挙げることができる。次いで、ソフトウェアは、直接、例えば、選択された環領域に含まれる画素数を測定することによって、又は2つの直角方向における直径を測定することによって、表面を測定することができる。或いは、前記測定は、自動的に行うこともできる。自動測定の一例は、国際公開第2005/033965号パンフレットに記載されている。本発明の1つの実施形態では、拡散環寸法を半自動的に測定する。
本発明の状況では、「試験サンプル」とは、濃度を測定することが必要な対象抗原を含むワクチン等の任意の調製物又は任意の組成物であると理解される。前記試験サンプルは、任意でアジュバント、特に水中油型エマルションを含んでもよい。1つの実施形態では、試験サンプルは、任意で例えば水中油型エマルション等のアジュバントと組み合わせて、対象抗原、特にHA等のインフルエンザウイルス抗原を含む。
本発明の意味において、「レファレンスサンプル」とは、抗原の濃度が既知である、レファレンス抗原と呼ばれるレファレンスとして機能する抗原を含むサンプルである。この抗原は、対象抗原と同じ種類であるのが好適である。既知濃度のレファレンス抗原を含むレファレンスサンプルは較正に使用され、これによって具体的な標準曲線を引くことができる。本発明の改変SRIDアッセイを通じて加工される場合、同様の方法でレファレンスサンプル及び試験サンプルを調製及び処理するのが好適である。特に、試験サンプルがアジュバントを含む場合、アッセイを行う前に、典型的に、好適には同じ比率で、レファレンスサンプルに同様のアジュバントを添加する。本発明の1つの実施形態では、(アジュバントが存在する場合)試験サンプル中に存在するアジュバント、好適には水中油型エマルションと同じアジュバントをレファレンスサンプルに添加する。
試験サンプルの拡散後に決定される沈殿環の寸法(直径及び/又は表面)を、レファレンスサンプルの拡散の後に決定される環の寸法(直径及び/又は表面)と比較する。典型的に、様々な濃度のレファレンスサンプルの希釈物を調製し、前記様々な濃度の希釈物に対応する様々な環の寸法(直径又は表面)が得られるように、ゲルにロードし、これによって標準曲線を引くことができる。試験サンプルについて得られた環寸法の値をレファレンスサンプルについて得られた値と比較することによって、試験サンプル中に存在する対象抗原の濃度を計算することができる。例えば、標準勾配比検定法(Finney,D.J.(1952年).Statistical Methods in Biological Assay.London:Griffin,Quoted in:Wood,JMら(1977年).J.Biol.Standard.5,237−247)に従って濃度を計算することができる。したがって、1つの実施形態では、本発明の方法は、上記の通り洗剤で予め処理され、適切な抗体を含むゲル上に塗布された試験サンプルによってゲル中に形成される沈殿環の寸法を求める更なる工程(e)を含む。更なる実施形態では、本発明の方法は、(f)上記の通り洗剤で予め処理され、適切な抗体を含むゲル上に塗布されたレファレンスサンプルによってゲル中に形成される沈殿環の寸法を求める更なる工程を含む。更なる実施形態では、本発明の方法は、工程(e)において求められた寸法を工程(f)において求められた寸法と比較し、その比較結果を用いて、試験サンプル中の抗原濃度を計算する更なる工程(g)を含む。
レファレンス抗原は、対象抗体に類似しており且つ濃度が既知である任意の抗原であってよく、前記濃度は、信頼でき、再現可能であり、且つサンプル中に存在する可能性のある化学物質による干渉を受けない任意のタンパク質アッセイに従って求めたものである。非限定的な実例として、任意でアジュバントを含むワクチン製剤中の抗原濃度を測定する場合、レファレンス抗原は、製剤化工程の前、例えばアジュバントと共に製剤化される前の産生プロセスの最後に得られた抗原バルクであってもよい。抗原がHA等のインフルエンザウイルス抗原である場合、バルク中の抗原濃度は、従来のSRIDアッセイによって適切に測定される。下記の通り、アジュバント添加されたワクチン等のワクチンの安定性をモニターするために本発明の方法を使用する場合、この種のレファレンス抗原が特に好適である。或いは、レファレンス抗原は、NIBSC(国立生物学的製剤研究所)等のWHO(世界保健機関)によって認定された研究所によって提供される、濃度が既知である精製抗原であってもよい。
本発明に係る方法による試験サンプル中の抗原濃度、ひいては含量の決定は、最終のワクチン製剤に含まれる必要のある正確な量を計算するのに好適である。或いは、本発明に係る方法による抗原の濃度及び含量の決定は、産生及び製剤化された後、アジュバント添加されていようといまいと、ワクチンの耐用寿命(すなわち、安定性)を試験するために好適に用いられる。したがって、任意でアジュバント添加される組成物中の抗原濃度又は含量を定量するための本発明の方法は、特に、品質アッセイ及び品質管理の分野において幅広い用途を有することができる。
1つの実施形態によれば、本発明の方法を用いて、任意で水中油型エマルション等のアジュバントを更に含むワクチン、特にインフルエンザウイルス抗原を含むワクチン等の試験サンプル中の抗原の安定性をモニターする。例えば、本発明の方法は、サンプル、すなわちワクチンが4℃、室温、30℃又は37℃等の様々な温度で、7日間、14日間、30日間、1ヶ月間又は6、9、12若しくは18ヶ月間等の数か月間等、製剤化後の一定の期間保存された後、試験サンプル中、特にワクチン中のHA等の抗原の濃度又は含量を定量するために用いることができる。本発明の方法は、水中油型エマルションを含むアジュバントと共に任意で製剤化された、インフルエンザウイルスワクチン中のHA含量を定量するために好適に用いられ、前記ワクチンは、4℃、室温、30℃及び37℃からなる群より選択される温度で、7日間、14日間、30日間、1ヶ月間、6ヶ月間、及び18ヶ月間からなる群より選択される期間保存されている。
本発明の方法を介して好適に加工した「試験サンプル」は、様々な抗原、特に、細菌抗原又はウイルス抗原を含有することができる。好適な細菌抗原は、例えば、H.influenzae抗原、又は破傷風抗原である。ウイルス抗原例を示す一例としては、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス又はインフルエンザウイルスを挙げることができる。
本発明の方法に従って分析することができる「試験サンプル」は、好適には、インフルエンザウイルスワクチンであり、これは、卵で産生されるか、又は細胞培養で増殖される等の任意の公知の方法に従って産生することができる。インフルエンザウイルスの複製及び生殖を補助する好適な細胞の種類は、MDCK、Vero、又はPER.C6細胞株等であるがこれらに限定されない哺乳動物細胞株である。哺乳動物細胞株の代わりに、ニワトリ胚線維芽細胞又はEB66(登録商標)細胞等のアヒル由来の細胞株を含む鳥類の細胞が、インフルエンザウイルスを複製し、増殖させるために適切に用いられる。現在利用可能なインフルエンザワクチンは、一般に生ウイルス又は不活性化ウイルスのいずれかに基づく。本発明の方法は、任意の種類のインフルエンザワクチン、特に不活性化されたインフルエンザワクチンの抗原含量を分析するために用いることができ、前記インフルエンザウイルスワクチンは、ビリオン全体、ウイルス成分、又はサブユニットワクチン等における精製表面抗原に基づくものであってよい。ウイルスを不活性化する方法は、当技術分野において公知である。不活性化は、UV照射等の物理的手段に加えて、β−プロピオラクトン又はホルムアルデヒド等の少なくとも1つ以上の化学的剤を使用することによっても生じ得る。インフルエンザウイルス等のウイルスを分離する方法は、当技術分野において周知である(国際公開第02/28422号パンフレット)。ウイルスの分離は、感染性(野性型又は弱毒型)であろうと非感染性(不活性化型)であろうとウイルス全体を破壊濃度の分離剤で破壊するか又は断片化することによって実施される。分離剤としては、一般的に、脂質膜を破壊及び溶解させることのできる剤が挙げられる。従来より、Tween(商標)(「Tween−エーテル」分離剤として公知である)をトリ−n−ブチルリン酸又はジエチルエーテル等の溶媒/洗剤処理と併用して分離インフルエンザウイルスを産生しており、この方法は、幾つかの生産施設で未だに使用されている。現在使用されている他の分離剤としては、洗剤又はタンパク質分解酵素又は胆汁酸塩、例えばデオキシコール酸ナトリウムが挙げられる。分離剤として使用することができる洗剤としては、例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)等のカチオン性洗剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、タウロデオキシコール酸等の他のイオン性洗剤、又は例えばTween(商標)若しくはTritonX−100(商標)等の非イオン性界面活性剤、又は任意の2つ以上の洗剤の組合せが挙げられる。1つの実施形態では、本発明の方法は、卵で産生された不活性化及び/又は分離インフルエンザウイルスを含む試験サンプルを使用する。別の実施形態では、本発明の方法は、細胞培養、特にEB66(登録商標)細胞等の鳥類の細胞で産生された不活性化及び/又は分離インフルエンザウイルスを含む試験サンプルを使用する。
試験サンプルは、抗原及び/又はアジュバントに加えて、ポリソルベート80(Tween80(商標))、オクトキシノール10(TritonX−100(商標))、α−トコフェニル水素コハク酸塩、塩化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、塩化カリウム等であるがこれらに限定されない他の医薬用賦形剤、及び/又は注射用蒸留水を含んでもよい。
本発明に係る方法は、広範囲にわたる抗原の濃度を測定するのに適している。したがって、前記方法は、1用量当たり1〜60μg又は更に高い、広範囲にわたるHA含量を含む試験サンプルに適用可能である。例えば、前記方法は、インフルエンザウイルス三価ワクチン中に存在するHA量を測定するのに好適であり、各株は、通常、250μL〜750μLの範囲の体積中に15μgの量で、すなわち、1株当たり20μg HA/mL〜60μg HA/mLの範囲の濃度で存在する。また、本発明の方法は、少量のHAを含む試験サンプル、すなわち予測HA濃度が、1株当たり20μg/mL未満、具体的には、1株当たり15μg/mL未満、より具体的には1株当たり10μg/mL未満である調製物中に存在するHA含量を測定するのに好適である。これは、パンデミックワクチン又は小児用ワクチン剤の場合であり得る。これら低用量の抗原は、より低用量の抗原に対する免疫反応を高めるのを補助するか又は抗原を節約するアプローチに寄与するために、水中油型エマルション等のアジュバントの存在と組み合わせてもよい。例えば、本発明の方法は、例えば、パンデミック株を含む一価インフルエンザワクチンに適用可能であり、この場合、HA含量は、1用量当たり1〜10μg HA、すなわち、従来の0.5mLの用量について2〜20μg HA/mLの範囲の濃度である。好適には、ワクチンにおける1株当たりのHA濃度は、1〜20μg/mL、より好ましくは5〜10μg/mLである。好適には、調製物における1株当たりのHA濃度は、約15μg/mL、7.5μg/mL、3.8μg/mL、又はこれ以下である。したがって、必要に応じて、本発明の方法に従って洗剤でサンプルを処理し、処理されたサンプルをゲルにロードする前に、より低い抗原濃度になるようにワクチン等の試験サンプルを希釈してもよい。
特に、本発明者らは、1mL当たり抗原が20μg未満に至るまで、より低い予測濃度になるようにアジュバント添加されたサンプルを希釈した場合、本発明の方法に従って得られた抗原濃度結果が更に改善されることを見出した。したがって、1つの実施形態では、本発明に係る方法は、洗剤で処理する前に試験サンプルを希釈する工程を含む。特に、希釈後、濃度は、20μg抗原/mL未満、より好ましくは7.5μg/mL等の5〜20μg/mLの範囲になる。上記の通り、水中油型エマルション等のアジュバントを任意で含むワクチン等の試験サンプルの安定性をモニターするために本発明の方法を使用する場合、前もって適切に希釈を行う。典型的に、ワクチンの安定性をモニターする場合、抗原のバルク産生の最後に、すなわち、製剤化される前に、特にアジュバントと合わせる前に抗原の濃度を初期決定する。上記の通り、従来のSRIDアッセイを使用して前記決定を行ってもよい。したがって、初期濃度は、後続の安定性試験における予測濃度として機能する。ワクチンの特定の保存条件後に決定される後期濃度を予測濃度に対して正規化することにより、ワクチンにおける抗原の安定性が明らかになる。1つの実施形態では、本発明は、少なくとも以下の工程を含む免疫拡散アッセイを行う方法を提供する:
(A)インフルエンザウイルス抗原を含む1つ以上の試験サンプルを調製する工程と、
(B)20μg抗原/mL未満、具体的には5〜20μg/mLの範囲、好適には7.5μg/mLの予測濃度を得るために前記試験サンプルを希釈する工程と、
(C)前記インフルエンザ抗原に特異的な抗体を含有するゲルに前記サンプルを塗布する工程と、
(D)前記サンプルをゲルに拡散させる工程。
この方法は、試験サンプルの安定性をモニターするために好適に使用される。
ワクチンの産生は多数の工程、特に対象抗原の様々な精製工程を含むので、本発明の意味における「試験サンプル」は、最終ワクチン製剤とは対照的に、ワクチン産生過程における中間体である対象抗原を含む任意の組成物も包含する。
ワクチンを様々な形態に製剤化してもよい。例えば、凍結乾燥された形態、又は使用する準備が整っている液体製剤であってもよい。本発明の方法は、両方の種類の製剤の抗原濃度の決定に適用可能である。しかし、凍結乾燥する場合、まず液体溶液中で再構成する必要がある。例えば、対象抗原を含む試験されるワクチンは、使用前にワクチンにアジュバント添加される場合はアジュバント溶液で、又はワクチンにアジュバント添加されない場合は任意の生理学的に適合する溶液で再構成される凍結乾燥された形態であってもよい。結果として、試験サンプル、特にワクチンを2つのバイアル等の1つ以上のバイアルの形態で提示してもよい。2つのバイアル調製物は、例えば、凍結乾燥された形態であろうと液体形態であろうと対象抗原を含む1つのバイアルと、液体形態のアジュバント、例えば水中油型エマルションを含む第2のバイアルとを提供する。本発明の方法は、任意の種類のワクチン調製物に適用可能であり、また、再構成されたワクチンの抗原含量を測定するために使用することもできる。
本発明の方法によって抗原の濃度及び含量を試験する必要のあるワクチン等の試験サンプルは、アジュバント添加されていようといまいと、一価であっても多価であってもよい。特に、多価の試験サンプルは、三価ワクチン又は四価ワクチンである。1つの実施形態では、試験されるワクチンは、アジュバント添加され、1つ、3つ、又は4つの異なる株のインフルエンザ抗原を含む。特定の実施形態では、インフルエンザワクチンは三価ワクチンである。別の実施形態では、ワクチンは四価である。別の実施形態では、インフルエンザワクチンは、1つのインフルエンザ株、特に流行する可能性のあるインフルエンザ株を含む一価ワクチンである。
インフルエンザウイルスは、オルソミクソウイルス科に属する区分ゲノムを備える、エンベロープを有するネガティブ鎖のRNAウイルスである。これらは、コアタンパク質に基づいて3つの異なる種類A、B及びCに分類される[Cox NJ,Fukuda K.Influenza.Infect.Dis.Clin.North Am.1998;12:27−38]。A型インフルエンザウイルスは、広範な哺乳類及び鳥類の種に感染することができ、一方、B型及びC型は、本質的にヒトに限定される。A型及びB型インフルエンザウイルスは、ヒト疾患の主な原因であり、最も病原性が高いのはA型である。A型及びB型インフルエンザウイルスの主な抗原決定基は、2つの表面糖タンパク質ノイラミニダーゼ(NA)及び赤血球凝集素(HA)であり、両方共、ヒトにおいて免疫反応を誘発し得る。HAは、受容体結合及び膜融合に関与している。NAは、感染細胞からのウイルス後代の***を促進し、ウイルス凝集を防ぎ、且つ粘膜の呼吸器官上皮を通じた移動を補助する。起源である宿主の種、地理的な位置、単離された年、シリアル番号に従って、そしてインフルエンザA型についてはHA及びNA亜型の血清学的性質により、ウイルス株は分類される。16個のHA亜型(H1〜H16)及び9つのNA亜型(N1〜N9)が、インフルエンザA型ウイルスについて同定されている[Webster RGら,Evolution and ecology of influenza A viruses.Microbiol.Rev.1992年;56:152−179;Fouchier RAら,Characterization of a Novel Influenza A Virus Hemagglutinin Subtype(H16)Obtained from Black−Headed Gulls.J.Virol.2005年;79:2814−2822]。水鳥からHA及びNAの全ての亜型を含有しているウイルスが回収されているが、1918年以降ヒト集団において安定した系統が確立されているのは3つのHA亜型(H1、H2、及び及びH3)と2つのNA亜型(N1及びN2)のみである。インフルエンザB型ウイルスについては、1つのHA亜型及び1つのNA亜型のみが認められている。
インフルエンザの抗原は、流行間期の(毎年又は季節性)インフルエンザ菌株に由来していてもよい。或いは、インフルエンザ抗原は、大流行の発生を引き起こす可能性を有する株に由来していてもよい(すなわち、現在流布している株における赤血球凝集素と比べて新規な赤血球凝集素を含むインフルエンザ菌株、又は鳥類の被験体において病原性であり且つヒト集団中に水平伝搬される可能性を有するインフルエンザ株、又はヒトに対して病原性であるインフルエンザ株)。特定の季節、及びワクチンに含まれる抗原の性質によって、インフルエンザ抗原は、以下の赤血球凝集素亜型のうちの1つ以上に由来していてもよい:H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15又はH16。好適には、インフルエンザ抗原は、以下からなる群より選択される:H1、H2、H3、H5、H7及びH9。
任意で、試験サンプル及び/又はレファレンスサンプルは、アジュバント、特に水中油型エマルションを含んでもよい。好適には、本発明の方法は、任意で他の免疫賦活剤を含む水中油型エマルションを含む、ワクチン等の試験サンプル中の抗原濃度を測定することを可能にする。特に、エマルション系の油相は、代謝可能な油を含む。代謝可能な油という用語の意味は、当技術分野において周知である。代謝可能とは、「代謝によって変換され得る」と定義することができる(Dorland’s Illustrated Medical Dictionary,W.B.Sanders Company,第25版(1974年))。前記油は、任意の植物油、魚油、動物油又は合成油であってよく、これらは、レシピエントに対して無毒であり、且つ代謝によって変換され得る油である。堅果、種子及び穀粒が、植物油の一般的な起源である。また、合成油も本発明の一部であり、NEOBEE(登録商標)及び他のもの等の市販の油を含んでもよい。特に好適な代謝可能な油は、スクアレンである。スクアレン(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサエン)は、サメ肝油中に大量に見出されており、オリーブ油、麦芽油、米糠油及び酵母ではより少量しか見出されていない不飽和油であり、水中油型エマルションで使用するのに特に適している。スクアレンは、コレステロールの生合成における中間体であるという理由で、代謝可能な油である(Merck index,第10版、エントリー番号8619)。本発明の1つの実施形態では、代謝可能な油は、サンプルの全体積の0.5%〜10%(v/v)の量で試験サンプル及び/又はレファレンスサンプル中に存在する。
水中油型エマルションは、乳化剤を更に含む。乳化剤は、好適にはTween80(商標)又はPolysorbate(商標)等のポリオキシエチレンソルビタン一オレイン酸塩であってもよい。前記乳化剤は、サンプルの全体積の0.125〜4%(v/v)の量で試験サンプル及びレファレンスサンプル中に好適に存在する。
水中油型エマルションは、任意でトコールを含む。トコールは、当技術分野において周知であり、欧州特許第0382271号明細書に記載されている。好適なトコールは、トコフェノール、特にα−トコフェロール又はα−トコフェロールコハク酸エステル(ビタミンEコハク酸エステルとしても知られている)等のその誘導体である。前記トコールは、サンプル又はワクチンの全体積の0.25〜10%(v/v)の量で試験サンプル及び/又はレファレンスサンプル中に好適に存在する。
アジュバント組成物、特に水中油型エマルションは、トール様受容体(TLR)4アゴニストを更に含んでもよい。「TLR4アゴニスト」とは、直接リガンドとして、又は内因性若しくは外因性のリガンドの産生を通して間接的に、TLR4シグナル伝達経路を通じてシグナル応答を引き起すことができる成分を意味する(Sabroeら、JI 2003 p1630−5)。TLR4は、リピドA誘導体、特にモノホスホリルリピドA、又は特に3脱アシル化モノホスホリルリピドリピドA(3D MPL)であってもよい。
好適には、水中油型エマルションは、スクアレン等の代謝可能な油、α−トコフェロール等のトコール、及びTween80(商標)等の乳化剤を含む。したがって、本発明の1つの実施形態では、試験サンプル及び/又はレファレンスサンプルは、任意で3D−MPLと組み合わせて、スクアレン、α−トコフェロール及びTween80(商標)を含む。
3D−MPLは、GlaxoSmithKline Biologicals North Americaにより商標MPL(登録商標)として入手可能であり、IFNg(Th1)表現型を有するCD4+T細胞応答を主に促進する。英国特許出願公開第2 220 211 A号明細書に開示されている方法に従って産生することができる。化学的には、3−脱アシル化モノホスホリルリピドAと3、4、5又は6本のアシル化された鎖との混合物である。特に、本発明のアジュバント組成物では、小粒子3D−MPLを使用する。小粒子3D−MPLは、0.22μmのフィルタを通して滅菌濾過することができる粒径を有する。このような調製物は、国際公開第94/21292号パンフレットに記載されている。リピドAの合成誘導体は、公知であり、以下が挙げられるがこれらに限定されないTLR4アゴニストであると考えられる:
OM174 (2−デオキシ−6−o−[2−デオキシ−2−[(R)−3−ドデカノイルオキシテトラ−デカノイルアミノ]−4−o−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル]−2−[(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]−α−D−グルコピラノシルジヒドロジェンリン酸塩(国際公開第95/14026号パンフレット)、
OM 294 DP(3S,9R)3−−[(R)−ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]−4−オキソ−5−アザ−9(R)−[(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]デカノ−1,10−ジオール,1,10−ビス(ジヒドロジェンリン酸塩)(国際公開第99/64301号パンフレット及び同第00/0462号パンフレット)、
OM 197 MP−Ac DP(3S,9R)−3−[(R)−ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]−4−オキソ−5−アザ−9−[(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]デカノ−1,10−ジオール,1―ジヒドロジェンホスフェート10−(6−アミノヘキサン酸塩)(国際公開第01/46127号パンフレット)。
使用することができる他のTLR4リガンドは、国際公開第9850399号パンフレット又は米国特許第6303347号に開示されているようなアルキルグルコサミドリン酸塩(AGP)(AGPを調製するための方法も開示されている)、又は米国特許第6764840号に開示されているようなAGPの医薬的に許容可能な塩である。一部のAGPはTLR4アゴニストであり、一部はTLR4アンタゴニストである。両方共、アジュバントとして有用であると考えられる。更に、米国特許出願公開第2003/0153532号及び同第2205/0164988号に、更なる好適なTLR−4アゴニストが開示されている。
ワクチン等のアジュバント添加されたサンプル中の抗原濃度を測定するための本発明の方法は、ワクチン中の広範なアジュバント濃度に適用可能である。水中油型エマルションを含むインフルエンザワクチンについて考える場合、好適には、前記エマルションは、ワクチン1用量当たり11mg以下、例えば、0.5〜11mg、0.5mg〜10mg又は0.5mg〜9mg、1mg〜10mg、1〜11mg、2〜10mg、4〜8mg、又は4.5〜5.5mgの代謝可能な油(例えば、スクアレン)と、5mg以下、例えば、0.1〜5mg、0.2〜5mg、0.3〜5mg、0.4〜5mg、0.5〜4mg、1〜2mg、又は2〜3mgの乳化剤(例えば、ポリオキシエチレンソルビタン一オレイン酸塩)とを含む。好適には、存在する場合、トコール(例えばα−トコフェロール)は、ワクチン1用量当たり12mg以下、例えば、0.5〜12mg、10〜11mg、1〜11mg、2〜10mg、4〜9mg又は5〜7mgである。典型的に、インフルエンザワクチンの用量は、0.25mL〜1.5mL、好適には約0.5mL、好適には約0.6mL、好適には約0.7mL、好適には約0.8mL、好適には約0.9mL又は約1mLの範囲である。
以下の非限定的な実施例を参照して本発明を説明する。
実施例1:アジュバント添加されていないワクチン又はアジュバントと共に製剤化されているワクチンのHA含量を分析するためのSRIDアッセイにおける1%洗剤と10%洗剤とを用いた比較
先行技術の従来のSRIDアッセイの使用と比較して、本発明の改変SRIDアッセイに従って、インフルエンザワクチンロットVFFLU04−14をそのHA含量について試験した。それは三価の分離ビリオンであり、3つの一価ウイルス抗原バルク(それぞれのインフルエンザ株、A/ニューカレドニアH1N1、A/ワイオミングH3N2及びB/江蘇から調製される)からなる不活性化されたインフルエンザワクチンである。この産生後、Zwittergent3−14(商標)1%(Calbiochem)を使用する従来のSRIDアッセイを用いることにより、3つの一価バルクのHA濃度を測定した。この濃度に基づくと、500μLのワクチン用量に各バルクが15μg含まれていた。したがって、用量中の3つの株のうちのいずれの予測HA濃度も30μg HA/mLである。次いで、このワクチンロットを2つの異なる形態に製剤化した。アジュバント添加されないままであるか(プレーン形態と呼ばれる)、又はスクアレン、α−トコフェロール、Tween80(商標)及び3D−MPLを含む水中油型エマルションをアジュバント添加した(OW形態と呼ばれる)かのいずれかである。従来のSRIDアッセイ(Zwittergent3−14(商標)1%)及び本発明の改変SRDアッセイ(Zwittergent3−14(商標)10%)に従って、2つの株(A/ワイオミングH3N2及びB/江蘇)の各製剤(プレーン及びOW)のHA含量を分析した。各々の試験された株に対して特異的であり且つ既知濃度のHAレファレンス抗原(Ref Agと称する)(NIBSCによって提供)を対照として用いて、各試験される株の両方の種類のワクチン製剤(プレーン及びOW)のHA含量を定量する。この実験に対する更なる対照として、各試験される株に対して特異的な一価バルクも使用した(モノバルクと称する)。上記の通り、これらの産生の終わり且つワクチンロットとして製剤化される前に、従来のSRIDアッセイ(Zwittergent3−14(商標)1%)によって各モノバルクのHA濃度を常に測定する。したがって、本実験に対する内部標準として、従来の及び改変SRIDアッセイの両方を使用して、製剤化されたワクチンVFFLU04−14と共に、各試験された株に対して特異的なモノバルクのHA濃度を再計算した。レファレンス抗原、製剤化されたワクチン及びモノバルクをZwittergent3−14(商標)1%又はZwittergent3−14(商標)10%の存在下で、室温にて攪拌しながら30分間インキュベートした。次いで、以下のスキームに従ってこれらを希釈した:1/1(未希釈)、3/4、1/2、1/4。Aワイオミング/H3N2株(WHOによって認定された研究所によって提供)に対して特異的な抗血清を含浸させたアガロースゲルにおけるウェルに前記株に関連する全ての希釈物をロードし、一方、B江蘇株(これもNIBSCによって提供)に対して特異的な抗血清を含浸させたアガロースゲルにおけるウェルに前記株に関連する希釈物をロードした。免疫拡散が生じ、ウェルのまわりに沈殿環が形成されるように湿室内で室温(20〜25℃)にて24時間ゲルをインキュベートした。その後、NaCl溶液にそれらを一晩浸漬し、蒸留水で軽く洗浄した。次に、ゲルを押圧し、乾燥させた。完全に乾燥したら、10分間Coomassie Brillant Blue溶液でゲルを染色し、明確に画定された染色領域が見えるようになるまで、メタノールと酢酸との混合物で2回脱色した。染色したゲルを乾燥させた後に、写真を撮影し、KS400装置(Carl Zeiss)を使用して、沈殿環の表面の測定を行った。任意の単位で表面を表す。各希釈物について、前記測定値を表1(AワイオミングH3N2株)及び表2(B江蘇株)に示す。値は、デュープリケートで各希釈物をそれぞれロードし、1つの希釈物当たり3つの異なる測定を行ったときの平均値を表す。
Figure 0005774010
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表面に対する抗原希釈物の用量−応答曲線を構築するために表面値を使用した。次いで、サンプルの濃度を、標準勾配比検定法(Finney,D.J.(1952年).Statistical Methods in Biological Assay.London:Griffin,Quoted in:Wood,JMら(1977年).J.Biol.Standard.5,237−247)に従って計算した。表3及び表4にA/ワイオミング/H3N2及びB/江蘇株についての濃度結果をそれぞれ示す。「予測μg HA/mL」列の値は、従来のSRIDアッセイ(Zwittergent3−14(商標)1%)を用いて測定された、ワクチンに製剤化する前のモノバルクの濃度から得られる。この濃度値に基づくと、500μLの用量に各モノバルクが15μg含まれており、その結果、ワクチンVFFLU04−14中の予測HA濃度値は30μg/mLであった。HA回収率は、HAの予測濃度に対応する100%の対照値と比較したものである。
Figure 0005774010
Figure 0005774010

結果−結論
−表1及び表2は、両方共、沈殿環の表面値を表し、Zwittergent10%の使用は、Zwittergent1%とは対照的に、アジュバント添加されていないサンプルによって形成される環の大きさに対して全く影響を及ぼさないことを示す。実際、Ref Ag行を参照すると、使用されたZwittergent濃度にかかわらず表面値は類似している。プレーンワクチンの行又はモノバルクの行を参照しても同じ結論が導かれる。Zwittergent1%の使用と比較して、Zwittergentを10%使用しても、表面値の差はみられない。この所見は、両方の試験株、すなわちA/ワイオミングH3N2(表1を参照)及びB/江蘇(表2を参照)に当てはまる。
−表1及び表2のワクチン行を参照し、且つZwittergentを1%使用した場合のプレーン製剤をOW製剤と比較した場合、得られた表面値は、アジュバントの存在が沈殿環の大きさに負の影響を及ぼすことを示唆する。実際、OW製剤における値は、プレーン製剤における値よりも低い(表1及び表2の希釈物1/1及び3/4を参照、この場合、環の寸法は、製剤をアジュバント添加したときよりも15〜20%小さい)。ワクチン製剤をアジュバント添加した場合環のサイズが減少する現象は、サンプルをより希釈した場合それほど顕著ではなくなる(表1及び表2の、希釈物1/2及び1/4を参照)。この実験では、ワクチンロットVFFLU04−14の1/1、3/4、1/2及び1/4希釈物は、それぞれ30、22.5、15及び7.5μg HA/mLの理論的な濃度を表す。したがって、ここに示された結果は、より低い濃度では、沈殿環の大きさに対するアジュバントの負の影響が弱まるので、SRIDアッセイにより試験する前に、アジュバント添加されたサンプルを希釈することが有利である可能性があることを示唆する。
−更に表1及び表2のワクチン行を参照し、且つZwittergent1%を用いたOW製剤をZwittergent10%を用いたOW製剤と比較した場合、表面値は、Zwittergent10%を使用した場合がより高く、プレーン製剤、すなわち、アジュバント添加されていない製剤について得られる値に類似する値を得ることができる(表1及び表2の希釈物1/1及び1/2を参照)。これらの結果は、製剤がアジュバント添加された場合に10倍を超えるZwittergentを用いると、Zwittergentを1%のみを使用した場合に観察される環の大きさの不足を克服できることを示す。
−表3及び表4は、両方共、定量されたHA濃度を示し、表1及び表2で測定された表面値の結果として、アジュバントが製剤中に存在する場合(OW製剤)且つZwittergent1%を使用する場合、製剤がアジュバント添加されていないとき(プレーン製剤)に得られる濃度と比較して、HA濃度が著しく低いことを示す。この所見は、A/ワイオミング/H3N2(表3)及びB/江蘇(表4)の両株に当てはまり、この場合、HA濃度は、Zwittergent1%を使用しているプレーン製剤と比較したとき、OW製剤においてそれぞれ2.2及び2.5倍低い。
−Zwittergent10%を使用する場合、Zwittergent1%を使用したときのOW製剤における濃度と比較して、OW製剤におけるHA濃度は約2倍増加し、したがって、アジュバント添加されていない製剤(プレーン製剤)で得られた濃度に類似する濃度を達成する。この所見は、明確に確認され、回収HA値によって示される。
−また、表3及び表4は、Zwittergentを1%使用した場合と比較して、10%のZwittergentの使用が濃度結果に負の影響を及ぼさないことを確認する。実際、1%及び10%の両方で、プレーン製剤又はモノバルクについて類似の濃度が得られる。
実施例2:アジュバントと共に製剤化されたワクチンのHA含量を分析するためのSRIDアッセイにおける洗剤10%の使用
本発明の改変SRIDアッセイに従って、インフルエンザワクチンロットEFLAA004AをそのHA含量について試験した。前記ロットは、A/ブリズベーン/H1N1株を含む四価のインフルエンザワクチンである。この産生後、Zwittergent3−14(商標)1%(Calbiochem)を使用する従来のSRIDアッセイを用いることにより、A/ブリズベーン/H1N1の一価バルク、すなわち、モノバルクのHA濃度を測定した。このモノバルクは、30μg/mLの濃度でワクチンが含まれており、これはこの実験における予測濃度を表す。次いで、スクアレン、α−トコフェロール及びTween80(商標)を含む水中油型エマルションアジュバントと共にこのワクチンロットを製剤化した。本発明(Zwittergent3−14(商標)10%)の改変SRDアッセイに従ってA/ブリズベーン/H1N1株のHA含量を分析した。この株のHA含量を定量することを可能にする対照として、この株に特異的であり且つ既知濃度のHAレファレンス抗原(Ref Agと称する)(NIBSCによって提供)を使用した。この実験に対する更なる対照として、製剤化前に得られるこの株の一価のバルクも用いた(モノバルクと称する)。これらの産生の終わり且つワクチンロットとして製剤化される前に、従来のSRIDアッセイ(Zwittergent3−14(商標)1%)によって各モノバルクのHA濃度を測定した。したがって、本実験用の内部標準として、改変SRIDアッセイを使用して、アジュバント添加されたワクチンEFLAA004Aと共にこのモノバルクのHA濃度を再計算した。まず、レファレンス抗原及びモノバルクを、製剤化EFLAA004Aワクチンにおいて使用されるものと同比率の同アジュバント組成物と混合した。次いで、アジュバント添加されたレファレンス抗原、アジュバント添加されたワクチン、及びアジュバント添加されたモノバルクを、撹拌しながら30分間Zwittergent3−14(商標)10%の存在下でインキュベートした。次いで、以下のスキームに従ってこれらを希釈した:1/1(未希釈)、3/4、1/2、1/4。A/ブリズベーン/H1N1株(WHOが認定した研究所によって提供)に対して特異的な抗血清を含浸させたアガロースゲルにおけるウェルに希釈物を全てロードした。実施例1に記載されているようにアッセイの残りを行った。
表面値を表5に示し、濃度値を表6に示す。
Figure 0005774010
Figure 0005774010

結果−結論
−表6は、改変SRIDアッセイを使用した場合に求められたHA濃度を示す、すなわちZwittergent10%では、水中油型エマルションをアジュバント添加されたワクチンロットに対して、予測濃度と類似の結果が得られる。予測濃度は、アジュバントと共にモノバルクを製剤化する前に測定された濃度に相当する。したがって、2つの値の間で違いがみられないので、これは、Zwittergent10%を使用することによって、アジュバント添加されていない同じワクチンと比較して、アジュバント添加されたワクチン中のHA濃度が過小評価されないことを示す。
一般的結論
これらの結果は、Zwittergent10%を使用する本発明の改変SRIDアッセイが、アジュバント添加されたワクチン中のHA濃度を測定するための信頼でき且つ正確な改良法を提供することを示唆する。更に、実施例1から結論付けられるように、この改変SRIDアッセイは、アジュバント添加されていないワクチンで実施される測定に全く影響を与えないので、この方法は両方の種類のワクチン製剤、すなわち、アジュバント添加された製剤及びされていない製剤に適している。
実施例3:アジュバントと共に製剤化されたワクチンのHA含量をSRIDアッセイによって分析するための様々な洗剤の用量範囲試験
SRIDアッセイによりインフルエンザワクチンロットDFLUA038AAをそのHA含量について評価した。前記ロットは、A/カリフォルニア/H1N1株を含む一価のインフルエンザワクチンである。この産生後、Zwittergent3−14(商標)1%を使用する従来のSRIDアッセイを用いることにより、一価バルク、すなわち、モノバルクのHA濃度を測定した。アッセイを行うとき、標準曲線(NIBSCによって提供、X179)を引くために対照として、この株に特異的な既知濃度のHAレファレンス抗原を使用した。モノバルクは、これら実験における予測濃度を表す15μg/mLの濃度でワクチン中に含まれていた。次いで、スクアレン、α−トコフェロール及びTween80(商標)を含む水中油型エマルションアジュバントと共にこのワクチンロットを製剤化した。SRIDアッセイによってHA含量を分析し、以下を試験した:(a)Zwittergent3−14(商標)の用量範囲:1%(v/w)、5%(v/w)、10%(v/w)、15%(v/w)、及び20%(v/w)、並びに(b)Empigen、Zwittergent3−12(商標)及びTriton−X100(商標)等の異なる洗剤。既知濃度であり且つA/カリフォルニア/H1N1株(NIBSCによって提供、X181)に特異的なHAレファレンス抗原(Ref Agと称する)を対照として用いて標準曲線を引いた。レファレンス抗原に、製剤化されたDFLUA038AAワクチンで用いられるものと同じアジュバントを同じ比率で添加した。(i)最初の実験では、Zwittergent3−14(商標)10%(v/w)をアジュバント添加されたレファレンス抗原を添加した。アジュバント添加されたワクチンの異なるサンプルに、それぞれ、1%(v/w)、5%(v/w)、10%(v/w)、15%(v/w)及び20%(v/w)のZwittergent3−14(商標)を添加した。(ii)第2の実験では、様々なアジュバント添加されたレファレンス抗原サンプルに、Triton−X100(商標)1%(v/w)及びTriton−X100(商標)3.6%(v/w)を添加した。アジュバント添加されたワクチンの様々なサンプルに、それぞれ、TritonX−100(商標)を1%(v/w)及び3.6%(v/w)添加した。(iii)第3の実験では、様々なアジュバント添加されたレファレンス抗原サンプルに、それぞれ、Empigen(商標)1%(v/w)及びEmpigen(商標)10%(v/w)を添加した。アジュバント添加されたワクチンの様々なサンプルに、それぞれ、Empigen(商標)を1%(v/w)及び10%(v/w)添加した。(iv)第4の実験では、アジュバント添加されたレファレンス抗原及びアジュバント添加されたワクチンに、Zwittergent3−12(商標)10%(v/w)を添加した。室温で撹拌しながら30分間、それぞれの洗剤と共に上記のアジュバント添加されたレファレンス抗原サンプル及びアジュバント添加されたワクチンサンプルを全てインキュベートした。次いで、以下のスキームに従いこれらを全て希釈した:1/1(未希釈)、3/4、1/2、1/4。A/カリフォルニア/H1N1株に対して特異的な抗血清を含浸させたアガロースゲルにおけるウェルに希釈物を全てロードした。実施例1に記載されているようにアッセイの残りを行った。
表7に実験(i)(Zwittergent3−14(商標)の用量範囲)において得られた沈殿環の表面値を示す。表8に実験(i)(Zwittergent3−14(商標)の用量範囲)、(ii)(TritonX−100)、(iii)(Empigen)及び(iv)(Zwittergent3−12(商標))において計算された濃度値を示す。
Figure 0005774010
Figure 0005774010

結果−結論
−表8は、Zwittergent3−14(商標)条件の中で、Zwittergent3−14(商標)1%(当技術分野において使用される割合)のみが、予測濃度(HA回収率は83%である)よりも低いHA濃度しか得られず、これは、実施例1及び2で既に得られている所見、すなわち、Zwittergent3−14(商標)1%は、アジュバント添加されたワクチンの評価に使用されるとき、HA濃度を過小評価する等、正確な結果が得られないということを確認する。これに反して、Zwittergent3−14(商標)5%、10%、15%又は20%を用いてSRIDアッセイを行う場合、生じるHA濃度は予測濃度に達する(HA回収率は130%及び135%である)。様々な洗剤条件を試験する、最初の従来のSRIDアッセイ(Zwittergent3−14(商標)1%)を行っている間のレファレンス抗原(15μg HA/mLの濃度(予測濃度)でワクチンロットDFLUA038AA中にA/カリフォルニア/H1N1株を含んでいた)と、後続の改変SRIDアッセイを行っている間のレファレンス抗原とが同一ではなかったという事実によって、濃度が予測濃度より高いという所見が説明される。したがって、正確なHA濃度の測定を提供する様々なZwittergent3−14(商標)条件の能力を比較するために、Zwittergent3−14(商標)10%(実施例1及び2において正確な測定値を提供することが示されている割合)(表8の最後の列を参照)を用いたときに得られる回収率値に対して回収率値を正規化した。HA回収率の正規化された値は、Zwittergent3−14(商標)5%(100%)、Zwittergent3−14(商標)15%(104%)及びZwittergent3−14(商標)20%(104%)が、Zwittergent3−14(商標)10%を使用したときに得られるHA濃度と類似のHA濃度に達することを可能にすることを示す。これらの結果は、5%、10%、15%及び20%が全て、水中油型エマルションを含むインフルエンザワクチンにおけるHA濃度の正確な測定値を提供するZwittergent3−14(商標)の割合を示すことを示唆する。
−他の洗剤に関しては、表8に示されたデータ(最後の列を参照)が、1%は使用するのに不適切な割合であるが、Zwittergent3−12(商標)10%及びEmpigen(商標)10%はまた、本発明に係る方法において適切に使用され得ることを示す。

Claims (13)

  1. 少なくとも以下の工程:
    (a)インフルエンザウイルス抗原を含む1つ以上の試験サンプルを調製する工程と、
    (b)少なくとも10%(w/v)の両性イオン性界面活性剤で前記試験サンプルを処理する工程と、
    (c)前記インフルエンザウイルス抗原に特異的な抗体を含むゲルに、前記処理された試験サンプルを塗布する工程と、
    (d)前記サンプルをゲルに拡散させる工程と、
    を含む、免疫拡散アッセイを行う方法。
  2. 前記処理された試験サンプルによってゲル中に形成される沈殿環の寸法を求める更なる工程(e)を含む、請求項記載の方法。
  3. 既知の濃度のインフルエンザウイルス抗原を含むレファレンスサンプルを調製し、試験サンプルと同一条件で処理し、同様にゲルに塗布する、請求項1又は2記載の方法。
  4. インフルエンザ抗原が赤血球凝集素(HA)である、請求項1からのいずれか記載の方法。
  5. 処理されたレファレンスサンプルによってゲル中に形成される沈殿環の寸法を求める更なる工程(f)を含む、請求項3又は4記載の方法。
  6. 工程(e)において求められた寸法と工程(f)において求められた寸法とを比較し、その比較結果を用いて、工程(c)で塗布された試験サンプル中の抗原濃度を計算する更なる工程(g)を含む、請求項記載の方法。
  7. 試験サンプルが不活性化されたインフルエンザワクチンである、請求項1からのいずれか記載の方法。
  8. 少なくとも以下の工程:
    (i)ワクチン又はそのサンプルを少なくとも10%(w/v)の両性イオン性界面活性剤で処理する工程と、
    (ii)既知の濃度のインフルエンザウイルス抗原を含むレファレンスサンプルを少なくとも10%(w/v)の両性イオン性界面活性剤で処理する工程と、
    (iii)前記処理されたワクチン又はそのサンプルと前記処理されたレファレンスサンプルとを、前記インフルエンザ抗原に特異的な抗体を含有するゲルに塗布する工程と、
    (iv)前記サンプルを前記ゲルに拡散させる工程と、
    (v)ワクチン又はそのサンプルによって形成されるゲルにおける沈殿環の寸法と前記レファレンスサンプルによって形成される沈殿環の寸法とを求める工程と、
    (vi)工程(v)において求められた寸法を比較し、その比較結果を用いて工程(iii)で塗布されたワクチン又はそのサンプル中のHA濃度を計算する工程と、
    を含む、インフルエンザウイルス抗原を含むワクチンのHA濃度を定量する方法。
  9. 試験サンプル又はワクチンとレファレンスサンプルとがアジュバントを含む、請求項1からのいずれか記載の方法。
  10. アジュバントが少なくとも水中油型エマルションを含む、請求項記載の方法。
  11. 水中油型エマルションがスクアレン、α-トコフェロール及びTween80(商標)を含む、請求項10記載の方法。
  12. 試験サンプル又はワクチンの安定性をモニターするための請求項6から11のいずれか記載の方法の使用。
  13. 試験サンプル又はワクチンが4℃、室温、30℃及び37℃からなる群より選択される温度で、7日間、14日間、30日間、1ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間、及び18ヶ月間からなる群より選択される期間保存された後、試験サンプル中のインフルエンザウイルス抗原の含量、又はワクチン中のHAの含量を定量する、請求項12記載の使用。
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