JP5769107B2 - ガスハイドレートペレットの破壊強度の試験方法 - Google Patents

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この発明は、例えば、海底下等に存在している天然ガスハイドレートを輸送や貯蔵等に適した状態に生成するガスハイドレート生成プラントでガスハイドレートペレットを成形するに際して、ガスハイドレートの性質を把握するため行う破壊強度の試験方法に関する。
シベリアやカナダ、アラスカ等の凍土地帯や大陸周辺部における水深500m以下の海底下には、主成分がメタンである天然ガスハイドレート(NGH)が存在している。このNGHは、メタン等のガス分子と水分子とから構成される低温高圧下で安定した水状固体物質あるいは包接水和物であり、二酸化炭素や大気汚染物質の排出量が少ないクリーンエネルギとして着目されている。
天然ガスは液化された後、貯蔵されてエネルギとして利用されているが、その製造や貯蔵は−162℃の極低温において行われている。これに対して天然ガスハイドレートは、−20℃で分解せずに安定した性質を示し、固体として扱うことができる等の利点を備えている。このような性質から、世界中に存在している採算面等の理由から未開発の中小ガス田におけるガス資源を有効に利用することができる手段として、あるいは大ガス田からの近距離、小口輸送の場合等に天然ガスをハイドレート化して輸送、貯蔵し、さらに再ガス化して利用する天然ガスハイドレート方式(NGH方式)が期待されている。
NGH方式では、中小ガス田等のNGH出荷基地において、輸送や貯蔵に適したNGHを生成し、輸送船や車両等によって所望のNGH受入基地まで輸送され、NGH受入基地では輸送されたNGHを貯蔵し、必要に応じてNGHガス化装置によってエネルギ源として利用することになる。図6は、前記NGH出荷基地に利用されるガスハイドレートの生成プラントの構成の一例を説明する概略のブロック図である。採掘された原料ガスGは高圧反応容器である生成器21において水Wと十分に混合されてハイドレート化され、低濃度のガスハイドレート(GH)スラリーが生成される。生成されたGHスラリーは供給ポンプ22によって脱水器23に供給され、脱水されて高濃度のGHスラリーが生成される。このとき、脱水器23へは該脱水器23の最下部に供給される。供給されたGHスラリーは脱水器23を上昇する際に、脱水器23の途中に設けた水切り部(微細孔やスリット等によりハイドレート粒子と水を分離する部分)で脱水されて、脱水器23の上端部から取り出される。取り出されたガスハイドレートは、パウダー状となったGHパウダーとして取り出される。このGHパウダーがペレット成形器24に供給されて造粒され、輸送や貯蔵等にとって適宜な大きさのGHペレットが形成される。次いで、常圧下においても分解しない温度まで冷却器25により冷却された後、脱圧装置26に供給される。すなわち、前記生成器21から冷却器25に至るまでは、ガスハイドレートの生成条件である常温高圧下において処理がなされ、冷却器25と脱圧装置26とにより、常圧下でも分解しない温度に処理される。その後、形成されたGHペレットは貯蔵槽に給送されて貯蔵される。
ところで、本願出願人は、貯蔵性に優れたペレットを低コストで製造できるガスハイドレートペレットの製造方法及び製造装置を提案している(特許文献1参照)。このガスハイドレートペレットの製造方法は、ガスハイドレートをその生成条件下において圧縮成形手段により脱水するとともに、前記ガスハイドレートの粒子間におけるガスハイドレート原料ガスと水とをガスハイドレートに形成させ、ペレットに成形するようにしたものである。また、前記圧縮成形手段に、外周面に複数のペレットの成形型を有し、互いに逆方向に回転する一対のロールからなるブリケッティングロールが用いられている。
一方、GHペレットの成形装置には前記ブリケッティングロールに限らず種々の形式の成形装置があるが、これらの装置を計画・設計するためには、生成されるGHについての性質、特に貯蔵時や輸送時の効率化良好となるよう、形成されたペレットの性質等を把握して、その性質等に適した仕様により成形装置を設計する必要がある。ペレットの把握したい性質のうちに、内部摩擦力の大きさがある。すなわち、ペレットの破壊に対する強度を把握するためのパラメータの一つであり、この内部摩擦力を取得するためには、GHペレットの三軸圧縮試験を行う必要がある。この三軸圧縮試験により、供試体の破壊時の軸圧縮力および供試体の断面積とから主応力差(軸方向応力σα−側方向応力σr)を求める。この測定を少なくとも3つ以上のそれぞれ異なった側方向応力について行い、それらの結果から得られる主応力差の最大値である圧縮強さ(σα−σr)maxをσ軸上にとって、図5に示すように、これらを直径とするモールの応力円を描く。これらのモールの応力円の共通接線を描けば、その縦軸の切片が粘着力、勾配がせん断抵抗角として求められる。
三軸圧縮試験としては、例えば非特許文献1に記載されている「土の圧密排水(CD)三軸圧縮試験方法」その他が地盤工学会基準として規定されているものがある。GHペレットについても、この地盤工学会基準に沿った試験を行うことが、定性的・客観的なデータを取得できるので好ましい。また、この種の土質試験の方法としては、例えば、特許文献2に開示されている土木工事材料の土質試験方法等がある。
この三軸圧縮試験のための三軸圧縮試験機は、供試体を収容するゴムスリーブを圧力円筒容器からなる三軸圧力室内に収容させ、載荷ピストンにより供試体の軸方向に荷重を付加して軸方向応力を、三軸圧力室内に充填した水等の加圧液を加圧することによってゴムスリーブの周囲から荷重を付加して側方向応力を付与する構造とされている。
特開2007−270029号 特開2010−54418号
地盤工学会基準 JGA0524:2000 「土の圧密排水(CD)三軸圧縮試験方法」
ところで、非特許文献1の三軸圧縮試験方法では、供試体には土砂が用いられるものであるため、三軸圧力室には加圧液に水を供給して試験を行うことができるが、供試体がGHである場合には、常圧下でGHを安定させるためには、約−20℃まで冷却する必要があるから、三軸圧力室に充填された水が凍結してしまう。このため、三軸圧力室には水に代えて不凍液等による冷媒が充填される。また、GHには生成の際の未反応の水が随伴されているから、この水が混在した状態で試験を行っても定性的な評価に資することができず、随伴された水を排除して試験を行うことが必要となる。
さらに、三軸圧力室に供給された冷媒が供試体であるGHペレットを収容しているゴムスリーブ内に滲入してしまっては、冷媒がGHペレットと反応してGHペレットを分解させてしまうおそれがあるから、冷媒を供試体に接触させないようにする必要がある。
そこで、この発明は、GHペレットの破壊強度を把握するために三軸圧縮試験を行うに際して、確実にデータを測定できるようにしたGHペレットの破壊強度の試験方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係るガスハイドレートペレットの破壊強度の試験方法は、供試体をゴム製のゴムスリーブに収容させ、該ゴムスリーブを圧力円筒容器からなる三軸圧力室に収容させ、供試体には載荷ピストンで軸方向に荷重を付加し、三軸圧力室内の加圧液の圧力を上昇させて側方向からの荷重を付加する三軸圧縮試験機を用いたガスハイドレートペレットの破壊強度の試験方法において、前記ゴムスリーブにガスハイドレートペレットを収容させ、前記三軸圧力室にガスハイドレートを常圧下でも分解させない温度まで冷却する冷媒を充填し、前記ゴムスリーブ内の内圧と三軸圧力室の内圧とを、ガスハイドレートが常温でも分解しない圧力まで昇圧させ、前記三軸圧縮試験機を、前記冷媒温度が常温に昇温するまで放置し、前記載荷ピストンを作動させて適宜大きさの軸方向荷重をガスハイドレートペレットに付加する垂直方向応力付与工程と、前記三軸圧力室の加圧液の圧力を適宜な大きさまで上昇させて側方向荷重をガスハイドレートペレットに付加する水平方向応力付与工程とを交互に行って三主応力方向荷重を所望の大きさに到達させ、三主応力方向荷重が所望の大きさにある状態で、前記載荷ピストンで軸方向荷重を付加してガスハイドレートの破壊強度を測定することを特徴としている。
GH生成プラントによって生成されたGHで形成したペレットを前記ゴムスリーブに収容される。このとき、形成されたGHペレットの形状・寸法は、ゴムスリーブに収容させるのに必要十分なものとし、このGHペレットを供する前記三軸圧縮試験機に要求される形状・寸法である。
GHペレットをゴムスリーブに供給する際には、大気圧(常圧)中において行われるから、GHペレットが分解しないよう、約−20℃の低温雰囲気中に置く必要がある。このため、前記三軸圧力室の加圧液として不凍液等の冷媒を用いてゴムスリーブ内を冷却する。この状態では、GHペレットに随伴された生成時の未反応の水が凍結して氷の状態で混在している。このため、この状態にあるGHペレットについて試験を行うことはできない。そこで、氷を解凍させてGHペレットから排除する必要が生じる。氷を解凍させるためには、GHペレットを常温まで温度を上昇させることになるため、GHを高圧下に置くことを要する。すなわち、三軸圧力室の加圧液を昇圧させてGHペレットの側方向応力を大きくさせ、ゴムスリーブ内に間隙水を加えてその水圧を大きくすることで、GHペレットを高圧下に置く。このとき、GHの生成圧力(約5.4MPa)まで昇圧すればよいが、破壊強度の試験を行うことになるため、生成圧力よりも大きく、例えば、三軸圧力室とゴムスリーブ内部の圧力をいずれも7MPaとする。あるいは、試験を行う際には、側方向応力を上昇させる必要があるから、例えば、三軸圧力室を7.5MPaとし、ゴムスリーブ内の間隙水の圧力である7MPaに対して0.5MPa大きく設定する。
次いで、三軸圧力室内の冷媒の温度を常温、例えば試験室の室温まで上昇させる。このためには、三軸圧縮試験機を放置して冷媒温度の上昇を待つ。
冷媒の温度が常温まで上昇した状態では、GHペレットに混在していた氷が解凍された状態となる。この状態で、前記載荷ピストンを作動させてGHペレットに適宜な大きさの軸方向応力を付与する垂直方向応力付与工程が実行される。このときの「適宜な大きさ」の載荷幅である軸方向応力の大きさは、後述するように、側方向応力を試験値まで到達させるまでの段階の回数に応じて選定されるもので、例えば、段階の回数が10回であれば、載荷幅も段階的に10回に分けて付与すれば所望の大きさの軸方向応力となるものとする。なお、三軸圧力試験機では、三軸圧力室の内圧が上昇すると、ゴムスリーブ内の間隙水の圧力も均衡する値となるように制御されている。
適宜な載荷幅で軸方向応力を付与したならば、三軸圧力室の加圧液の圧力を上昇させて、GHペレットの側方向応力を、それまでの値よりも適宜に大きくする水平方向応力付与工程が実行される。この場合の「適宜に大きくする」昇圧幅は、試験を実施すべき側方向応力の大きさ(試験値)に到達させるまでに段階的に昇圧させるのに、昇圧途中でGHペレットが不用意に破壊することがなく、かつ、極力少ない回数で所望の側方向応力まで上昇させることができる大きさとする。なお、所望の大きさの側方向応力まで上昇させる段階的な回数を多くする、すなわち昇圧幅を小さくするとGHペレットが不用意に破壊される機会が少なくなって好ましいが、昇圧させるまでに要する時間がかかり、試験時間を長くしてしまうことにもなる。また、昇圧幅は、試験に供すべきGHの生成状態等に応じて異なるものであり、当該GHにとって適宜となる昇圧幅とするものである。
上述のように、載荷ピストンによる軸方向応力の増加させる垂直方向応力付与工程と三軸圧力室の昇圧による側方向応力を増加させる水平方向応力付与工程とを適宜な回数繰り返して、側方向応力を所望の大きさとする。このとき、側方向応力と軸方向応力の差を、側方向応力の試験値とする。例えば、前述のように、初期には軸方向応力と側方向応力とが7.0MPaと7.5MPaであれば、その差の0.5MPaが側方向応力としてGHに付与されていることとなる。側方向応力の試験値は、この差とすればよい。すなわち、側方向応力の試験値として3.0MPaとする場合には、前記垂直方向応力付与工程と水平方向応力付与工程とを交互に行って、側方向応力と軸方向応力との差が3.0MPaとなるようにする。
所望の側方向応力が得られたならば、載荷ピストンを作動させて軸方向応力を付与して、破壊強度の測定を行う。
このように、前記垂直方向応力付与工程と水平方向応力付与工程とを交互に行って、複数の値の側方向応力における破壊強度の測定を行えば、それぞれについてのモールの応力円を描くことができ、それらの共通接線を描いて、粘着力とせん断抵抗角とが求められることになる。
また、請求項2の発明に係るガスハイドレートペレットの破壊強度の試験方法は、前記垂直方向応力付与工程における静止土圧係数を、0.5を下限とし、前記水平方向応力付与工程における静止土圧係数を、1.0を上限とすることを特徴としている。
なお、静止土圧係数(Κ0)は、軸方向応力をsv'とし、水平方向応力をsh'とすると、式1に示すように、これらの応力の比である。
Κ0 = sh'/sv' [式1]
すなわち、静止土圧係数(Κ0)が、0.5<Κ0<1.0の範囲で前記垂直方向応力付与工程と水平方向応力付与工程とを実施するようにしたものである。
前記静止土圧係数(Κ0)が0.5以上であれば、測定に係る供試体であるGHが弾性域にあるとされている値であり、これ以下となるように軸方向応力を付与した場合には、GHが不用意に破壊されてしまって、所望の測定を行えなくなることが考えられる。また、静止土圧係数(Κ0)が1.0以上となると、水平方向応力の増加量が大きくなりすぎて、ガスハイドレートが破壊されるおそれが高くなる。
この発明に係るGHペレットの破壊強度の試験方法によれば、GHペレットの破壊強度を把握することができるので、生成されたGHの性質を確実に把握することができて、そのペレット成形器の計画・設計に資することができ、保存や輸送等にとって高効率のGHペレットを成形することができて、GHの利用効率を向上させることができる。
この発明に係るガスハイドレートペレットの破壊強度の試験方法を説明する図で、(a)〜(c)はこの試験方法の手順を説明する図であり、(d)はこの手順によらない場合に生じる現象を説明する図である。 三軸圧縮試験機の一例を示す概略の構造図である。 本願発明に係る試験方法により、GHペレットに水平方向応力を付与した場合の周歪との関係を示すグラフである。 本願発明に係る試験方法によらずに、GHペレットに水平方向応力を付与した場合の周歪との関係を示すグラフである。 モールの応力円と破壊線との関係を説明するグラフである。 天然ガスハイドレートの出荷基地に利用される、従来のガスハイドレートの生成プラントの構成の一例を説明する概略のブロック図である。
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係るガスハイドレートペレットの破壊強度の試験方法を具体的に説明する。最初に、三軸圧縮試験機について構造と動作の概略を説明する。
図2には、非特許文献1による試験方法の実施に供させる三軸圧縮試験機1の概略構造を示してある。この三軸圧縮試験機1は、圧力円筒により形成された三軸圧力室2とこの三軸圧力室2内に配されたゴム製の円筒からなるゴムスリーブ3が配されており、破壊試験に供される供試体Sはこのゴムスリーブ3に収容される。ゴムスリーブ3内に収容される供試体Sは載置板4aを介在させてペデスタル4上に載置され、供試体Sの上部には押下板5aを介在させて載荷ピストン5が配され、この載荷ピストン5が図示しない圧縮装置により摺動するピストンロッド5bによって供試体Sを圧縮するようにしてある。
前記三軸圧力室2には供試体Sに側方向応力を付与する加圧液が充填されており、圧縮機6により圧力が調整されるようにしてある。なお、土質の試験の場合には、加圧液には水が用いられている。三軸圧力室2の内圧は、圧力計7等によって取得される。また、前記圧縮機6の吐出口には、前記ゴムスリーブ3内に連通させて背圧管6aが接続されており、ゴムスリーブ3内を加圧することができるようにしてある。なお、背圧は背圧管6aに配された背圧計6b等で測定される。
土質についての試験の場合には前記供試体Sが土砂等であるため、加圧されることにより含有された水分が搾り出されるから、ゴムスリーブ3内に滲出した水を排出する排出管8等が連通させてある。なお、前記載置板4aや押下板5aには滲出水等が通過できるように、焼結金属等による多孔板が用いられており、ゴムスリーブ3の内圧を急激に低下させることなく滲出水等を排出できるようにしてある。また、前記背圧管6aと排出管8とは一部を共通にして、適宜な位置に切替バルブ9を介在させてある。
また、前記載荷ピストン5が押下することによって供試体Sに付与される軸方向応力は、荷重計10aや変位計10b等により測定されるようにしてある。
前述した三軸圧縮試験機1を用いてGHペレットを供試体Sとした、三軸圧縮試験による破壊強度の試験方法を説明する。
GHペレットは、GH生成プラント等で生成されたGHをペレタイザー等のペレット成形器によって、前記ゴムスリーブ3に収容可能な形状・寸法に成形する。ゴムスリーブ3が円筒形であるから、GHペレットもほぼ円筒形となる。GHペレットは常圧下では約−20℃に冷却した状態でなければ、分解されて不安定な状態にある。三軸圧縮試験機は試験室等の常温雰囲気中にあるから、GHを冷却する必要がある。また、−20℃まで冷却するため、三軸圧力室2に加圧液として水を充填する場合には凍結してしまうから、加圧液としては約−20℃まで冷却した不凍液等の冷媒を充填しておく。
次に、この発明に係るGHペレットの破壊強度の試験方法を説明する。
三軸圧力室2に約−20℃に冷却した不凍液等の冷媒を充填した状態で、円筒形に成形された供試体としてのGHペレットを収容させる。このGHペレットには、生成の際にメタンガスと反応させるために供給された水のうちの未反応の水が凍結した状態で混在している。この氷が存在する状態で行った試験では、定性的でなく客観性が担保された値とならないおそれがあるから、この氷を排除する必要があり、GHペレットを常温まで昇温させる必要がある。GHペレットを常温雰囲気下に置く場合には、高圧の状態として、分解しないようにする必要がある。このため、前記三軸圧力室2とゴムスリーブ3の内部の圧力を上昇させる。すなわち、前記圧縮機3を作動させて三軸圧力室2の内圧を上昇させると共に、適宜な切替バルブ9を開閉させることによって背圧管6aをゴムスリーブ3内と連通させて、ゴムスリーブ3内に間隙水を供給して加圧する。また、GHの生成圧力が約5.4MPaであるから、それ以上に昇圧すればよく、例えば、三軸圧力室2の内圧を7.5MPaに、ゴムスリーブ3の内圧を7.0MPaとして、僅かに三軸圧力室2の内圧を大きくすることにより、GHペレットに水平方向応力を予め付与することができる。なお、圧力差を設けずに等しい圧力下に置いても構わない。
GHを高圧下に置いた状態で、三軸圧縮室2内の冷媒が常温となるまで待機する。三軸圧力室2内の冷媒が常温となると、GHも常温まで上昇し、内部に混在している氷が解凍されて水となる。この水は、ゴムスリーブ3内の圧力を維持した状態で排出管8から排出する。
三軸圧力室2とゴムスリーブ3内が常温まで上昇した状態を、図1(a)に示してある。土質の場合の三軸圧縮試験では、三軸圧力室2の内圧を上昇させて、供試体Sに側方向応力を付与し、所望の大きさの側方向応力となった状態で、前記載荷ピストン5で軸方向応力を付与することで破壊試験を行う。この方式をそのままGHで実施しようと、側方向応力を所望の大きさまで一度で上昇させると、その途中において、図1(d)に示すように、GHが縮径して、ゴムスリーブ3が載荷ピストン5から脱落してしまい、GHペレットが三軸圧力室2内の冷媒に接触してしまった。この冷媒にはアルコール系の不凍液が用いられるため、GHペレットを分解させてしまい、三軸圧縮試験を行えなくなってしまった。
このため、図1(b)に示すように、前記載荷ピストン5を作動させてGHに適宜な大きさの軸方向荷重を付加して軸方向応力を付与する垂直方向応力付与工程を行って、僅かに軸方向応力を増加させる。このとき、GHペレットは軸方向の荷重により僅かに拡径すると考えられる。次いで、図1(c)に示すように、三軸圧力室2の冷媒の圧力を僅かに上昇させてGHペレットに側方向荷重を付加する水平方向応力付与工程を行う。このときに付加された側方向荷重によって、拡径したGHペレットが元の径に復元されると考えられ、このため、ゴムスリーブ3が載荷ピストン5から脱落することがない。
前記垂直応力付与工程においては、静止土圧係数(Κ0)が0.5を下回らないように、すなわち、0.5を下限として軸方向荷重を付加し、前記水平方向応力付与工程においては、静止土圧係数(Κ0)が1.0を上回らないように、すなわち、1.0を上限として三軸圧力室2内の圧力を上昇させて側方向荷重を付加する。
換言すれば、静止土圧係数(Κ0)が、0.5<Κ0<1.0の範囲で前記垂直方向応力付与工程と水平方向応力付与工程とを行って、三主応力方向応力が所望の大きさとなるまで、これら垂直方向応力付与工程と水平方向応力付与工程とを交互に行うことを繰り返すようにしたものである。このとき、垂直方向応力と水平方向応力とは僅かずつで増加させることになる。
なお、静止土圧係数(Κ0)は、軸方向応力をsv'とし、水平方向応力をsh'とすると、式1に示すように、これらの応力の比である。
Κ0 = sh'/sv' [式1]
そして、水平方向応力が所望の大きさとなったならば、前記載荷ピストン5を作動させて、GHペレットの破壊強度を測定する。なお、水平方向応力の値は、例えば前記圧力計7の指示により測定し、軸方向応力の値は、例えば前記荷重計10aや変位計10bの指示より測定する。
以上の操作を異なる値の水平方向応力について行うことにより、GHペレットの破壊時の軸圧縮力および断面積とから主応力差、軸方向応力すなわち垂直方向応力σαと、側方向応力すなわち水平方向応力σrとの差(σα−σr)を求めて、主応力差の最大値である圧縮強さ(σα−σr)maxをσ軸上にとって、図5に示すように、これらを直径とするモールの応力円を描く。これらのモールの応力円の共通接線を描けば、その縦軸の切片が粘着力、勾配がせん断抵抗角として求められる。
図3には、本願発明の手順で水平方向応力sh'[MPa]を付加した場合のGHペレットの周歪Εpr[%]の変化を示している。このとき、前記静止土圧係数(Κ0)は上限が0.7となるとし、0.5<Κ0<0.7の範囲で前記垂直方向応力付与工程と水平方向応力付与工程とを実施するようにした。また、図4には、 本願発明の手順によらずに水平方向応力sh'[MPa]を付加した場合のGHペレットの周歪Εpr[%]の変化を示している。
図4に示すように、本願発明の手順によらない場合には、すなわち、水平方向応力sh'を継続して付与する場合には、0.6〜0.7[MPa]から1.0[MPa]まで周歪Εprが約5.0%で一定に推移するが、1.0[MPa]を越えた状態で急激に周歪Εprが10[%]を越えてしまって試験続行が不可能となった。
一方、本願発明の手順による場合には、水平方向応力sh'が3.0[MPa]まで上昇した時点であっても、周歪Εprが2.0[%]であって、試験を続行することができた。
この発明に係るGHペレットの破壊強度の試験方法によれば、GHペレットの破壊強度を極力正確に測定でき、従って、内部摩擦力を求めることが可能となって、より貯蔵や輸送に優れたGHペレットの成形に寄与する。
S 供試体
1 三軸圧縮試験機
2 三軸圧力室
3 ゴムスリーブ
5 載荷ピストン
6 圧縮機
6a 背圧管
7 圧力計
8 排水管
9 切替バルブ
10a 荷重計
10b 変位計

Claims (2)

  1. 供試体をゴム製のゴムスリーブに収容させ、該ゴムスリーブを圧力円筒容器からなる三軸圧力室に収容させ、供試体には載荷ピストンで軸方向に荷重を付加し、三軸圧力室内の加圧液の圧力を上昇させて側方向からの荷重を付加する三軸圧縮試験機を用いたガスハイドレートペレットの破壊強度の試験方法において、
    前記ゴムスリーブにガスハイドレートペレットを収容させ、
    前記三軸圧力室にガスハイドレートを常圧下でも分解させない温度まで冷却する冷媒を充填し、
    前記ゴムスリーブ内の内圧と三軸圧力室の内圧とを、ガスハイドレートが常温でも分解しない圧力まで昇圧させ、
    前記三軸圧縮試験機を、前記冷媒温度が常温に昇温するまで放置し、
    前記載荷ピストンを作動させて適宜大きさの軸方向荷重をガスハイドレートペレットに付加する垂直方向応力付与工程と、前記三軸圧力室の加圧液の圧力を適宜な大きさまで上昇させて側方向荷重をガスハイドレートペレットに付加する水平方向応力付与工程とを交互に行って三主応力方向荷重を所望の大きさに到達させ、
    三主応力方向荷重が所望の大きさにある状態で、前記載荷ピストンで軸方向荷重を付加してガスハイドレートの破壊強度を測定することを特徴とするガスハイドレートペレットの破壊強度の試験方法。
  2. 前記垂直方向応力付与工程における静止土圧係数を、0.5を下限とし、
    前記水平方向応力付与工程における静止土圧係数を、1.0を上限とすることを特徴とする請求項1に記載のガスハイドレートペレットの破壊強度の試験方法。
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