JP5768902B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、回路部品を実装した実装基板を小さな熱抵抗で支持すると共に、発熱回路部品の発熱を効率よく冷却体に伝熱することができる電力変換装置を提供することを目的としている。
この構成によると、実装基板と伝熱支持板との間に実装基板に実装した回路部品が伝熱支持板に非接触となる間隙が形成されているので、間隙内に冷気の侵入が可能となり、冷却効果を向上させることができる。
この構成によると、実装基板と伝熱支持板との間隙に絶縁部材を配設したので、実装基板と伝熱支持板との距離を短くすることができ、伝熱基板支持部の高さを短くして伝熱距離を短くし、伝熱効果を向上させることができる。
この構成によると、伝熱基板支持部が実装基板に実装された回路部品のうち発熱量及び発熱密度の少なくとも一方が相対的に大きい回路部品の近傍に配置されているので、発熱回路部品の発熱を効率良く伝熱支持板に伝熱することができる。
この構成によると、伝熱支持板上に伝熱基板支持部が複数形成されているので、支持する実装基板の撓みを防止することができると共に、複数の伝熱経路を形成することができ、伝熱効率をより向上させることができる。
この構成によると、伝熱支持板をアルミニウム、アルミニウム合金、銅等の熱伝導率の良い金属材料で形成するので、伝熱効率をより向上させることができる。
この構成によると、伝熱経路形成部材をアルミニウム、アルミニウム合金、銅等の熱伝導率の良い金属材料で形成するので、伝熱効率をより向上させることができる。
この構成によると、実装基板と伝熱支持板部との組が複数存在する場合に、実装基板毎に異なる放熱経路を形成することができ、伝熱効率を向上させることができる。
この構成によると、複数の伝熱経路形成部材が冷却体と接触する連結板部を介して連結されているので、伝熱経路形成部材と冷却体との接触面積を広くすることができ、実装回路基板に実装された発熱回路部品の発熱をより効率良く放熱することができる。
この構成によると、伝熱支持板と伝熱経路形成部材とが一体に形成されているので、両者間の連結部を省略して熱抵抗をより小さくすることが可能となり、実装基板の発熱をより効率よく冷却体に放熱することができる。
また、伝熱支持板と冷却体との間に直接伝熱経路を形成する板状の伝熱経路形成部材が配設されているので、広い断面積の伝熱経路を形成することができ、伝熱支持板に伝熱された熱を効率よく冷却体に放熱することができる。このとき、伝熱経路が半導体パワーモジュールや実装基板を覆う筐体とは別に形成されるので、筐体自体を熱伝導率の良い材料とする必要がなく、安価な合成樹脂材で構成することが可能となる。
図1は本発明に係る電力変換装置の全体構成を示す断面図である。
図中、1は電力変換装置であって、この電力変換装置1は筐体2内に収納されている。筐体2は、合成樹脂材を成形したものであり、水冷ジャケットの構成を有する冷却体3を挟んで上下に分割された下部筐体2A及び上部筐体2Bで構成されている。
上部筐体2Bは、上端及び下端を開放した角筒体2aと、この角筒体2aの上端を閉塞する蓋体2bとを備えている。そして、角筒体2aの下端が冷却体3で閉塞されている。この角筒体2aの下端と冷却体3との間には、図示しないが、液状シール剤の塗布やゴム製パッキンの挟み込みなどのシール材が介在されている。
この基板固定部16の上端には、半導体パワーモジュール11に内蔵されたIGBTを駆動する駆動回路等が実装された駆動回路基板21が固定されている。
さらに、制御回路基板22の上方には、制御回路基板22と所定間隔を保って半導体パワーモジュール11に内蔵されたIGBTに電源を供給する実装基板としての電源回路基板23が固定されている。この電源回路基板23には、相対的に発熱量の大きい、又は発熱密度の大きい発熱回路部品を含む電源回路等が実装されている。
また、制御回路基板22は、継ぎねじ24の上端に形成した雌ねじ部24bに対向する位置に形成した挿通孔22a内に継ぎねじ25の雄ねじ部25aを挿通し、この雄ねじ部25aを継ぎねじ24の雌ねじ部24bに螺合することにより固定されている。
また、制御回路基板22及び電源回路基板23は、伝熱支持板32及び33によって支持されている。これら伝熱支持板32及び33は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金等の熱伝導率が高い(例えば100W・m−1・K−1以上)金属で制御回路基板22及び電源回路基板23と略同一外形に形成されている。
ここで、伝熱基板支持部34及び35の高さは、後述するように、伝熱支持板32及び33の上面に貼着した絶縁シート40aと制御回路基板22及び電源回路基板23の下面に実装した回路部品の底面との間に必要な絶縁距離を確保できる高さに選定されている。
さらに、伝熱支持板32及び33の上下面には、それぞれ絶縁材料で形成された絶縁シート40a及び40bが配設されている。伝熱支持板32及び33の上面側の絶縁シート40aによって、制御回路基板22及び電源回路基板23の下面側に実装された回路部品と伝熱支持板32及び33との間の絶縁を行う。また、伝熱支持板32及び33の下面側の絶縁シート40bによって、下面側に対向する駆動回路基板21及び制御回路基板22の上面に実装された回路部品との絶縁を図るようにしている。
そして、伝熱支持板32と冷却体3との間には、半導体パワーモジュール11の右端側を通って直接伝熱経路を形成する板状の伝熱経路形成部材42が配設されている。また、伝熱支持板33と冷却体3との間にも、半導体パワーモジュール11の左端側を通って直接伝熱経路を形成する板状の伝熱経路形成部材43が配設されている。これら伝熱経路形成部材42及び43は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金等の熱伝導率が高い(例えば100W・m−1・K−1以上)金属で形成されている。
このように連結側板部42aと底板部44及び上板部42bとの連結部を円筒状の湾曲面42c及び42dとすることにより、上下振動や横揺れ等に対する耐振動性を向上することができる。すなわち、電力変換装置1に上下振動や横揺れが伝達されたときに連結側板部42aと底板部44及び上板部42bとの連結部に生じる応力集中を緩和することが可能となる。
このように連結側板部43aと底板部44及び上板部43bとの連結部を円筒状の湾曲面43c及び43dとすることにより、上下振動や横揺れ等に対する耐振動性を向上することができる。すなわち、電力変換装置1に上下振動や横揺れが伝達されたときに連結側板部43aと底板部44及び上板部43bとの連結部に生じる応力集中を緩和することが可能となる。
そして、半導体パワーモジュール11及び冷却部材13の挿通孔15及び底板部44の固定部材挿通孔44aに固定ねじ14を挿通し、この固定ねじ14を冷却体3に形成された雌ねじ部3fに螺合させることにより、半導体パワーモジュール11と底板部44とが冷却体3に共締めされて固定されている。
先ず、前述したように、伝熱支持板32及び33の上下面に絶縁シート40a及び40bを貼着する。
次いで、電源回路基板23を伝熱支持板33の伝熱基板支持部35の上端に載置した状態で、固定ねじ38によって電源回路基板23と伝熱支持板33の伝熱基板支持部35とを固定して、電源回路ユニットU3を形成しておく。
一方、冷却体3の周溝3d内に、伝熱経路形成部材42及び43に共通の底板部44を、その上面と半導体パワーモジュール11に形成した冷却部材13の下面との間に板状弾性部材47を介在させた状態で、半導体パワーモジュール11とともに固定ねじ14で固定する。
そして、継ぎねじ24の上面に制御回路ユニットU2の制御回路基板22を載置し、4本の継ぎねじ25によって固定する。さらに、継ぎねじ25の上面に電源回路ユニットU3の電源回路基板23を載置し、4本の固定ねじ26によって固定する。そして、伝熱支持板32及び33を伝熱経路形成部材42及び43に固定ねじ45及び46によって連結する。
その後、冷却体3の下面及び上面に、下部筐体2A及び上部筐体2Bを、シール材を介して固定して電力変換装置1の組立を完了する。
さらに、底板部44に伝熱された熱は、その上面側から板状弾性部材47を介して半導体パワーモジュール11の冷却部材13に伝達され、この冷却部材13を介して冷却体3の中央部3cに伝達されて放熱される。
Q=λ×(A/L)×T …………(1)
ただし、λは熱伝導率[W/m℃]、Tは温度差[℃]基板温度T1−冷却体温度T2、Aは伝熱最小断面積[m2]、Lは伝熱長さ[m]である。
上記(1)式から伝熱最小断面積Aが同じであるとしたときには、伝熱長さLが短い方が熱輸送量Qは多くなり、本実施形態における伝熱基板支持部34及び35による熱輸送量Qを従来例に比較して増加させることができる。
しかも、伝熱基板支持部34及び35を制御回路基板22及び電源回路基板23に実装された発熱回路部品39の近傍に配置している。このため、発熱回路部品39と伝熱基板支持部34及び35との間の伝熱距離を短くすることができ、冷却体3への放熱をより効率的に行うことができる。
このため、伝熱断面積を広くとることができ、広い放熱経路を確保することができる。しかも、伝熱経路形成部材42及び43は折れ曲がり部が円筒状の湾曲部とされているので、折れ曲がり部をL字状にする場合に比較して冷却体3までの伝熱距離を短くすることができる。このため、前述した(1)式から明らかなように、伝熱経路形成部材42及び43の伝熱長さLが短くなると、伝熱経路形成部材42及び43による熱輸送量Qは増加することになり、良好な冷却効果を発揮することができる。
さらに、発熱回路部品39が実装された制御回路基板22及び電源回路基板23から冷却体3までの放熱経路に筐体2が含まれていないので、筐体2に伝熱性が要求されることがない。したがって、筐体2の構成材料としてアルミニウム等の高熱伝導率の金属を使用する必要がなく、合成樹脂材で筐体2を構成することが可能となり、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
このように、絶縁シート40a及び40bの少なくとも一方を省略した場合には、伝熱支持板32及び33の上面及び下面の少なくとも一方の面が露出されることになる。この露出面で制御回路基板22及び電源回路基板23の周囲の発熱を吸熱することができ、制御回路基板22及び電源回路基板23の放熱効果をより向上させることができる。
すなわち、本実施形態では、半導体パワーモジュール11に形成されている冷却部材13が冷却体3に流れる冷却水に直接接触する冷却フィン61を備えた構成とされている。これに応じて、冷却体3の中央部に開口する冷却フィン61を冷却水の通路に浸漬させる浸漬部62を形成している。
その他の構成については前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図1及び図2との対応部分には同一符号を付しその詳細説明はこれを省略する。
この構成によると、半導体パワーモジュール11の冷却部材13に冷却フィン61が形成され、この冷却フィン61が冷却水に浸漬部62で直接浸漬されているので、半導体パワーモジュール11をより効率良く冷却することができる。
また、上記実施形態においては、本発明による電力変換装置を電気自動車に適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、軌条を走行する鉄道車両にも本発明を適用することができ、任意の電気駆動車両に適用することができる。さらに電力変換装置としては電気駆動車両に限らず、他の産業機器における電動モータ等のアクチュエータを駆動する場合に本発明の電力変換装置を適用することができる。
Claims (9)
- 電力変換用の半導体スイッチング素子をケース体に内蔵し、当該ケース体の一面に冷却部材が形成された半導体パワーモジュールと、
前記半導体パワーモジュールのケース体の他面側に装着される前記半導体スイッチング素子を駆動する発熱回路部品を含む回路部品を実装した実装基板と、
前記半導体パワーモジュールの冷却部材を冷却する冷却体と、
前記実装基板を支持する伝熱支持板と、
該伝熱支持板と前記冷却体との間に配設された直接伝熱経路を形成する板状の伝熱経路形成部材とを備え、
前記伝熱支持板は、前記実装基板を支持する伝熱基板支持部を一体形成し、
前記実装基板及び伝熱支持板と前記伝熱経路形成部材との組を複数組備え、前記組毎に前記伝熱経路形成部材の高さを異ならせるとともに、当該伝熱経路形成部材が前記半導体パワーモジュールの異なる側面を通って前記冷却体に接続されていることを特徴とする電力変換装置。 - 前記伝熱基板支持部は、前記実装基板に実装した回路部品が当該伝熱支持板に非接触となる間隙を形成して前記実装基板を支持することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記実装基板と前記伝熱支持板との間隙に絶縁部材を配設したことを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記伝熱基板支持部は、前記実装基板に実装された回路部品のうち発熱量及び発熱密度の少なくとも一方が相対的に大きい回路部品の近傍に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電力変換装置。
- 前記伝熱基板支持部は、前記伝熱支持板上に複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電力変換装置。
- 前記伝熱支持板は、熱伝導率の良い金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電力変換装置。
- 前記伝熱経路形成部材は、熱伝導率の良い板状金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電力変換装置。
- 前記複数の伝熱経路形成部材は、前記冷却体と接触する連結板部を介して連結されていることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
- 前記伝熱支持板と前記伝熱経路形成部材とが一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電力変換装置。
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