JP5762268B2 - 放射線撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、屋外や屋内の放射線画像を撮像する放射線撮像装置に関するものである。
屋外や屋内の放射線画像を撮像するために用いられる可搬式のガンマカメラは、空間位置を検出可能な放射線検出器と、放射線の検出器への入射方向を制限するコリメータにより構成されている。コリメータとしては一般にピンホールコリメータが使用されるが、感度を高くするために符号化開口コリメータ等が用いられることもある。また、関心領域外からの放射線を遮蔽する目的で、放射線検出器は遮蔽材で覆われるが、遮蔽材は鉛等で構成されるので、装置の重量増加を避けるためには放射線検出器を小型化する必要がある。
放射線検出器には、シンチレータや半導体検出器等が使用されている。特に半導体検出器は、ピクセル化が容易で高空間分解能化できるとともに、小型化が容易であり装置の重量を低減できる。また、半導体検出器はエネルギー分解能が高いので、核種分析にも有効である。
ガンマカメラを用いることで放射線の空間分布を画像化することができるが、それだけでは実際の放射線源の位置を同定できないので、ガンマカメラと光軸及び視野角を一致させた光学画像を撮影する光学カメラを備えて、放射線の空間分布を表す放射線画像を光学画像に重ね合わせた合成画像を表示する方法が用いられている。
また、エネルギースペクトルとは、計測した放射線のエネルギー分布を所定のエネルギー幅によりヒストグラム化したものであり、精密にはマルチチャンネルアナライザー等により計測される(例えば、特許文献1)。医療用のガンマカメラにおいては、このエネルギースペクトルを用いて検出器の感度やゲインの補正処理が実施される(例えば、特許文献2)。
特開2008‐111704号公報 特表2004−522164号公報
可搬式のガンマカメラによる放射線計測の測定ニーズは、如何なる線源がどこにどれだけあるかを特定することであり、言い換えれば、線源位置、線源強度、及び核種の同定が可能であることが求められる。可搬式のガンマカメラの適用先の一つとして、例えば原子力発電所内の特定区域のような高い放射線量場が想定される。高線量場での測定作業においては、被曝量低減の観点から短時間での操作が強く望まれる。従って、ガンマカメラでの測定作業においても、可能な限り短時間で線源を特定できることが要求される。
また、高線量場においてガンマカメラを使用するにあたっては、バックグラウンドノイズ低減のために検出器部分の遮蔽強化が必須であるが、その他の電子回路系や光学カメラ等においても照射ダメージ低減の目的で遮蔽が必要となる。しかしながら、可搬式のガンマカメラにおいては、装置のハンドリング性の制約から重量には限界があるので、電子回路系や光学カメラ等に必ずしも十分な遮蔽が実施できていない。従って、照射ダメージによる部品故障を前提としたシステム設計と運用が要求されることとなる。装置には、極力耐放射線性の高い部品が使用されるが、そのような対応が難しい部品に関しては、簡易に交換可能な構造とし定期的な部品交換を実施する必要がある。また、実作業時においては装置の故障リスクが高いので、装置の健全性を常に監視する必要がある。
そこで本発明は、放射線源の位置と強度と種類を短時間で同定でき、かつ装置の健全性を瞬時に判断可能な放射線撮像装置を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、本発明に係る放射線撮像装置は、撮像対象から飛来する放射線を測定する検出器と、前記検出器の前面に配置して前記放射線の入射方向を制限するコリメータとを備えたガンマカメラと、前記ガンマカメラの視野内の光学的な画像を撮影する光学カメラと、画像表示装置と、を備えた放射線撮像装置であって、前記ガンマカメラの視野内の放射線分布を表す放射線画像の生成対象とする核種を選択するための入力手段と、前記検出器の測定データから前記入力手段によって選択された核種に対応する前記放射線画像を生成する放射線画像生成手段と、前記放射線画像を前記光学カメラによって撮影した光学画像に重ね合わせて合成画像を生成する画像合成手段と、エネルギーの大きさ毎に前記測定データの個数を全領域について積算することによって、放射線源のエネルギースペクトルを表すエネルギースペクトル画像を生成するエネルギースペクトル画像生成手段と、前記エネルギースペクトル画像上に、前記選択された核種に対応して予め設定される所定のエネルギーウインドウを表示し、当該エネルギーウインドウ内に含まれる測定データに対応する放射線画像を前記放射線画像生成手段に生成させ、前記合成画像と前記エネルギースペクトル画像とを、前記画像表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えるものとした。
本発明によれば、放射線源の位置と強度と種類を短時間で同定でき、かつ装置の健全性を瞬時に判断可能な放射線撮像装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る放射線撮像装置の全体構成図である。 放射線撮像装置が備えるガンマカメラの内部構造を示す断面図である。 ガンマカメラに内蔵するピクセル型の検出器の例を示す斜視図である。 ピクセル型の検出器の第一の変形例を示す斜視図である。 ピクセル型の検出器の第二の変形例の入射面側を示す斜視図である。 ピクセル型の検出器の第二の変形例の入射面の反対面側を示す斜視図である。 ピクセル型の検出器の第三の変形例を示す斜視図である。 ピクセル型の検出器の第四の変形例であるシンチレータ検出器を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る放射線撮像装置の機能構成図である。 画像表示装置に表示される画面の構成及び表示例を示す図である。 核種としてCs−137が選択されたときの画面の表示例を示す図である。 核種としてCs−134が選択されたときの画面の表示例を示す図である。 放射線画像に表示する画素値の範囲が変更されたときの画面の表示例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<放射線撮像装置の全体構成>
図1は、本実施形態に係る放射線撮像装置の全体構成図である。放射線撮像装置1は、ガンマカメラ10、光学カメラ11、距離計12、制御装置13、及び画像表示装置14から構成されている。ガンマカメラ10の前面に設けられているピンホールコリメータ30から入射した放射線(ガンマ線)を撮像した放射線画像を、ガンマカメラ10と光軸及び視野角を一致させた光学カメラ11で撮影した可視光の画像である光学画像に重ね合わせて合成した画像を、制御装置13が生成して画像表示装置14に表示させる。距離計12は、ガンマカメラ10の視野内の各領域を走査することで視野内に存在するそれぞれの撮像対象までの距離を計測し、計測した距離情報を制御装置13に送信する。この距離情報は、制御装置13がガンマカメラ10から入力した放射線の測定データを補正して線量率を演算するために用いられる。
<ガンマカメラ>
図2は、放射線撮像装置1が備えるガンマカメラ10の内部構造を示す断面図である。ガンマカメラ10は、検出器モジュール20、ピンホールコリメータ30、及び遮蔽体40を備えて構成されている。
ピンホールコリメータ30は、例えばタングステン製であり、視野外からの放射線の入射を遮蔽して検出器モジュール20内の検出器21へ入射するガンマ線の入射方向を限定している。遮蔽体40は、例えば2cm厚の鉛製であり、視野外からのガンマ線の入射を遮断している。ピンホールコリメータ30及び遮蔽体40の材料は上記に限定されるものではなく、ガンマ線の遮蔽を目的として、測定環境や使用目的に応じて材料を適宜選択すればよい。もちろん、遮蔽体40の厚さも上記に限定されない。
<検出器モジュール>
次に、検出器モジュール20について、図2を用いて詳細に説明する。検出器モジュール20は、検出器21、検出器基板23、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)基板24、ASIC25、及び遮光・電磁シールド26を備えて構成されている。
検出器21は、半導体(例えばCdTe)と電極によって構成され、検出器基板23に保持されている。ASIC25は、検出器21がガンマ線を検出したときに出力される微小信号を増幅するための特定用途向け集積回路であり、ASIC基板24に搭載されている。検出器21から出力される微小な検出信号は、検出器基板23、ASIC基板24を介して、ASIC25に入力され増幅されて出力される。ASIC25にて増幅された検出信号は、図示しないADC(Analog to Digital Converter)によりデジタル信号化されたのち、図示しないFPGA(Field Programmable Gate Array)等のデジタル回路素子により、ガンマ線を検出した検出器21のID(Identification:識別子)、検出信号の波高値、検出時刻などのデジタルデータに変換されて制御装置13(図1)に出力される。これら検出器21等は、外部から入射する光や電磁波を遮断するアルミニウム製の遮光・電磁シールド26によって囲まれている。
<検出器>
図3は、ガンマカメラ10に内蔵するピクセル型の検出器の例を示す斜視図である。本例では、検出器基板23(図2参照)に、CdTe半導体を用いた検出器21を2次元に配列して検出器群21Aを構成している。なお、個々の検出器21が、生成される放射線画像を構成する1つのピクセルに対応している。
図3において、上面側が検出器21のガンマ線の入射面21fであり、電圧を印加する電極22a,22bは検出器21の側面に配置される。このように、1枚の大きな結晶からなるシンチレータと異なり、検出信号は、各検出器21単位、つまりピクセル単位で収集される。
また、ガンマカメラ10に内蔵するピクセル型の検出器は、図3に示す検出器群21Aのように検出器21がピクセルごとに区切られたものに限られず、図4から図8に示すような検出器(検出器群21B,21C,21D,21E)を用いてもよい。
図4は、ピクセル型の検出器の第一の変形例を示す斜視図である。図4に示すピクセル型の検出器(検出器群21B)は、1枚のCdTe半導体の基板に対して、共通電極22cをCdTe半導体の基板の一方の面、つまり、入射面21f側の全面に配置し、入射面21fの反対側の面にピクセル単位で区切られた電極22dを配置して、電極22dの1個分に相当する面積部分のCdTe半導体の基板と共通電極22cとで、それぞれがピクセルに対応した検出器を構成するものである。
図5は、ピクセル型の検出器の第二の変形例の入射面側を示す斜視図であり、図6は、入射面の反対面側を示す斜視図である。図5、図6に示すピクセル型の検出器(検出器群21C)は、1枚のCdTe半導体の基板に対して、入射面21f側の全面に共通電極22cを配置し、CdTe半導体の基板の入射面21fの反対側の面にピクセル単位で区切られた電極22dを配置し、加えて、ダイシングによって形成された溝で半導体基板を区切ることで個々の検出器を構成するものである。
図7は、ピクセル型の検出器の第三の変形例を示す斜視図である。図7に示すピクセル型の検出器(検出器群21D)は、1枚のCdTe半導体の基板に対して、複数の帯状の電極22e,22fをCdTe半導体の基板の上面と下面に直角ねじれの関係で対向して配置している。上面または下面のいずれか一方の帯状の電極22eを陽極とし、他方の面の帯状の電極22fを陰極とする。陽極の電極22eと陰極の電極22fがクロスして対向した部分が1つの検出器を形成する(特開2004−125757号公報参照)。
図8は、ピクセル型の検出器の第四の変形例であるシンチレータ検出器を示す斜視図である。図8に示すピクセル型の検出器(検出器群21E)は、検出器基板23(図2参照)に、シンチレータ21gとフォトダイオード21hからなる小型のシンチレータ検出器を2次元に配列している。この場合、個々のシンチレータ21gの側面は、図示しない遮光材で囲われている。また、図8に示すシンチレータ検出器の変形例として、ピクセル毎に区切られたシンチレータ21gと位置感応型光電子増倍管(PSPMT:Position-Sensitive Photomultiplier Tube)で構成してもよい。
<表示制御>
次に、放射線撮像装置1における放射線測定データの表示制御について説明する。図9は、図1に示した本実施形態に係る放射線撮像装置1の機能構成図である。図9に示すように、放射線撮像装置1における放射線測定データの表示制御は、コンピュータによって構成される制御装置13(図1参照)が、撮像対象から飛来する放射線を計測するガンマカメラ10からの測定データと、光学カメラ11によって撮影されたガンマカメラ10の視野内の光学画像のデータと、距離計12によって計測されたガンマカメラ10の視野内の撮像対象までの距離データとを入力して、キーボードなどの入力装置15から入力される測定条件及び表示条件に従って所定の演算処理を行い、液晶ディスプレイなどの画像表示装置14(図1参照)に測定結果の画面を表示させることにより行われる。
制御装置13は、図示しないCPU(Central Processing Unit)が図示しない記憶装置等から所定のプログラムを主メモリにロードして実行することにより、光学画像生成手段51、距離情報演算手段52、放射線画像生成手段53、画像合成手段54、エネルギースペクトル画像生成手段55、表示制御手段56、の各機能を具現化する。
本実施形態に係る放射線撮像装置1においては、操作者は、入力装置15を使用して必要な測定条件等を設定し、撮像の開始・終了等の制御を実施する。従って入力装置15には、図示しない測定条件入力ボタン、撮像開始ボタン、撮像終了ボタン、更には装置の温度等の状態表示機能(ランプや液晶パネル)が実装されているものとする。これらのボタンや表示機能は、制御装置13が実行するプログラムにより画像表示装置14の画面上に実装することも可能である。
光学画像生成手段51は、光学カメラ11から入力される光学画像のデータからガンマカメラ10の視野内の光学画像のビットマップデータを生成して画像合成手段54に引き渡す。距離情報演算手段52は、距離計12から入力される距離データからガンマカメラ10の視野内の各領域毎の撮像対象までの距離を示す距離情報を生成して放射線画像生成手段53に引き渡す。
放射線画像生成手段53は、ガンマカメラ10から入力される検出器IDと検出信号の波高値(エネルギー)からなる放射線測定データを取得し、検出器21毎(ピクセル毎)の放射線測定データの数をカウントすることにより、ガンマ線カウント数、計数率(count/sec)を算出して、ピクセル毎の放射線量を示す放射線画像のビットマップデータを生成して画像合成手段54に引き渡す。また、放射線画像生成手段53は、ピクセル毎のそれぞれの放射線測定データを、距離情報演算手段52から引き渡された当該ピクセルに対応する領域の撮像対象までの距離によって補正して線量率に変換した放射線画像のビットマップデータを生成することも可能である。
ここで、生成される放射線画像のビットマップデータは、図10の放射線画像60に例示しているような、前記のガンマ線カウント数、計数率、線量率等を白黒濃淡やカラースケールにてその強度を表示する画像の元となるデータである。本実施形態においては、図示しないボタンの操作により、ガンマ線カウント数、計数率、線量率のいずれかに表示の切り替えが行われるものとする。
画像合成手段54は、光学画像生成手段51から引き渡された光学画像のビットマップデータを背景として、放射線画像生成手段53から引き渡された放射線画像のビットマップデータを重ね合わせて合成(オーバーレイ)することにより、画像表示装置14に表示させる放射線画像60(図10)のビットマップデータを生成して表示制御手段56に引き渡す。このとき、画像合成手段54は、背景として合成する光学画像の濃淡や色調に応じて見やすい表示となるように放射線ビットマップ画像の濃淡や色調を調整することが好ましい。なお、図10〜図13の放射線画像60においては、簡略化のため背景の光学画像の描画を省略している。
エネルギースペクトル画像生成手段55は、ガンマカメラ10から入力される放射線測定データを波高値(エネルギー)の大きさにより区分けし、エネルギーの大きさ毎の測定データの個数を全領域について積算することにより、エネルギースペクトル画像のデータを生成して表示制御手段56に引き渡す。
表示制御手段56は、入力装置15から入力された測定条件及び表示条件に従って、画像合成手段54から引き渡された放射線画像のビットマップデータと、エネルギースペクトル画像生成手段55から引き渡されたエネルギースペクトル画像のデータとに、必要な編集を施すことにより、画像表示装置14に表示させる測定結果の画面データを生成する。生成された測定結果の画面データは、図示しないビデオメモリに書き込まれ、画像表示装置14に表示される。
<画面の構成及びデータ例>
続いて、本実施形態の放射線撮像装置1の画像表示装置14に表示される画面の構成及びデータ例について図10〜図13を用いて説明する。図10に示すように、画面には、放射線画像60、エネルギースペクトル70、核種選択ボタン80、表示画素値変更スライダー90、及び積算時間選択ボタン100が配置されている。
放射線画像60には、前記した画像合成手段54によって光学画像に重ね合わせて合成され、表示制御手段56によって必要な編集が施された放射線画像が表示される。エネルギースペクトル70には、前記したエネルギースペクトル画像生成手段55によって生成され、表示制御手段56によって必要な編集が施されたエネルギースペクトル画像が表示される。
核種選択ボタン80は、核種のフォトピークに応じたエネルギーの範囲を設定するための操作ボタンであり、例えば、総合ボタン81、Cs−137ボタン82、Cs−134ボタン83から構成される。これらのいずれかの操作ボタンが選択されると、エネルギースペクトル70上に網かけで示すように、核種のフォトピークに応じて予め設定されたエネルギーウインドウが表示されるとともに、当該エネルギーウインドウに含まれる測定データから生成される放射線画像60が表示される。
表示画素値変更スライダー90を構成している上限値設定バー91と下限値設定バー92は、マウスなどを用いてそれぞれ上下方向に移動させることにより、放射線画像60に表示する放射線ビットマップ画像の上限画素値と下限画素値の範囲を設定するものである。放射線画像60は、カラーまたは濃淡表示にて各ピクセルのガンマ線カウント数、計数率または線量率を表示するが、この表示画素値変更スライダー90を用いて表示する画素値の範囲を限定することで、見たい画素値範囲のスケールを拡大して強調表示させることができる。具体的には、上限値設定バー91のスライド位置に対応する上限画素値以上の各画素の画素値を最大画素値とし、下限値設定バー92のスライド位置に対応する下限画素値以下の各画素の画素値を最小画素値とし、下限画素値と上限画素値との間の画素値を最小画素値と最大画素値との間に線形マッピングするように、各画素の画素値を変更する。
積算時間選択ボタン100は、放射線計測をする積算時間を設定するための複数のラジオボタン(択一式の操作ボタン)から構成され、例えば図10等に示すように10秒のラジオボタンが選択されている場合は、直近10秒間の測定データを積算して、放射線画像60及びエネルギースペクトル70を表示する。低線量場においては、積算時間を長めに設定することにより、測定データをためて統計誤差を小さくする必要がある。逆に、高線量場においては、計数レートが高いので、積算時間を短く設定して短時間の測定にしてもよい。ちなみに、本実施形態の放射線撮像装置1においては、放射線画像60及びエネルギースペクトル70を1秒間隔で画像更新するものとしている。もちろん、この画像更新時間は1秒に限定されるものではなく、使用環境等に応じて適宜設定すればよい。
図10は、核種選択ボタン80のなかから総合ボタン81が選択され、表示画素値変更スライダー90では最上部に上限値設定バー91が、最下部に下限値設定バー92が置かれることで表示する画素値の範囲が最大に設定され、積算時間選択ボタン100により積算時間が10秒に設定されているときの画面の表示例である。この場合、直近の10秒間の測定データを積算した放射線画像60及びエネルギースペクトル70が表示され、所定値以上のエネルギーを有するすべての測定データ(ガンマ線カウント)を含むようにエネルギースペクトル70上にエネルギーウインドウが設定され、それらの測定データから生成された放射線画像60が表示されている。
図11は、図10と同じ測定データについて、核種選択ボタン80のなかからCs−137ボタン82が選択された場合の画面の表示例であり、エネルギースペクトル70上に、Cs−137のフォトピークエネルギーである662keV(0.662MeV)の前後5%の範囲にエネルギーウインドウが設定されている。これに伴って、当該エネルギーウインドウに含まれる測定データから生成された放射線画像60が表示されるので、Cs−137の線源位置の特定が可能となる。
図12は、同様に核種選択ボタン80のなかからCs−134ボタン83が選択された場合の画面の表示例であり、エネルギースペクトル70上に、Cs−134のフォトピークエネルギーである605keV(0.605MeV)と796keV(0.796MeV)のそれぞれ前後5%の範囲にエネルギーウインドウが設定されている。これに伴って、当該エネルギーウインドウに含まれる測定データから生成された放射線画像60が表示されるので、Cs−134の線源位置の特定が可能となる。
もちろん、核種の設定はこれに限定されるものではなく、計測対象に応じてその他の核種を設定してもよいし、手動でエネルギーウインドウの上下限値を入力できるようにしてもよい。また、ウインドウ幅も5%に限定されるものではなく、検出器21のエネルギー分解能等に応じて適宜設定すればよい。
図13は、核種としてCs−137が選択されている図11の状態において、操作者が表示画素値変更スライダー90の上限値設定バー91を下方向にスライドさせた結果、表示する放射線測定データ(ガンマ線カウント数、計数率、または線量率)の上限画素値が最大画素値の約50%に設定されたときの画面の表示例である。図11の放射線画像60では相対的に強度が大きい部分だけが見えていたが、図13の放射線画像60では、図11の画素値が小さい部分の画素値が約2倍にスケールアップされ、画素値が大きい部分の画素値が最大画素値までスケールアップされたことで、相対的に強度が小さい部分も見えるようになり、図11で見えている線源よりも強度が小さい線源が右斜め上方向にも存在していることが分かる。
以上説明したように、本実施形態によれば、光学画像に合成された放射線画像60により、放射線源の位置と核種を短時間で同定することが可能であり、撮像対象との距離によって測定データを補正することにより線源の強度分布もほぼリアルタイムで把握することができる。線源分布が不明な高線量場における測定では、被曝量低減の観点から短時間で核種毎の強度分布を把握できるメリットは非常に大きい。核種を同定できれば、被曝量低減の観点から、その場で臨機応変に対応方法を変えることができる。例えば、ガンマ線のエネルギーが低ければ薄い鉛の遮蔽でも十分だと判断できるが、逆に高エネルギーであれば厚い遮蔽が必要となる。また、除染作業時には、核種毎に除染方法を変えることでより効果的な除染作業が可能となる。
また、エネルギースペクトル70を表示することにより、装置の健全性のチェックも可能である。ガンマカメラ10が完全に故障して出力が無い場合には、スペクトルが全く表示されないので故障であることが即座に分かる。検出器21に異常が発生してノイズが出力されると波高値が不正確となりフォトピークが計測できなくなるので、そのことから検出器21の故障の発生を検知できる。従って、表示されたエネルギースペクトル70を見ることにより、ほぼリアルタイムでの装置の健全性チェックが可能となる。
また、積算時間選択ボタン100により、線量に応じた積算時間を設定して計測することが可能となる。特に高線量場においては、被曝低減の観点から短時間作業が望まれており、より短時間での計測が可能となる効果は大きい。時々刻々と変化している状況でも非常に有効で、除染作業や非常事態等への対応が可能となる。また、固定撮像でなく移動しながらの撮像も可能となる。
また、表示画素値変更スライダー90により放射線画像60の画素値の表示スケールを変えられるので、見たい強度部分を強調して表示させることができる。例えば、最大のホットスポットに隠れて判別しづらかった第2の強度のホットスポットを識別することが可能となる。また、放射線画像60は光学画像に重ね合わせて表示するために、可視光画像が見やすくなるように放射線画像の低画素値部分ほど透明となるようにしている。従って、高画素値部分(高線量部分)は強調されてその位置がよく分かるが、低画素値部分(低線量部分)の分布が分かりづらい問題があった。本実施形態によれば、表示画素値変更スライダー90により低画素値のピクセルを強調して表示することで、判別しづらかった低画素値部分(低線量部分)の分布を明確に表示することができる。
また、本実施例においては半導体放射線検出器を使用している。半導体検出器は、微細加工可能で小型化が可能であること、また、エネルギー分解能が高いこと等が特徴である。半導体素子を微細化してピクセル化することにより高い空間分解能が実現できるし、小型化することにより遮蔽体の重量を抑えて装置の軽量化を図ることができる。また、高エネルギー分解能なので、核種分析が可能となるし、前記のエネルギーウインドウを狭めることができて、エネルギーウインドウ中に混入する散乱線等のノイズを低減しS/N(Signal/Noise)比の高い計測が可能となる。具体的には、より正確な核種毎の放射線画像を提供することができる。
1 放射線撮像装置
10 ガンマカメラ
11 光学カメラ
12 距離計
13 制御装置
14 画像表示装置
15 入力装置
20 検出器モジュール
21 検出器
21A,21B,21C,21D,21E 検出器群
21f 入射面
21g シンチレータ
21h フォトダイオード
22a,22b,22d,22c,22e,22f 電極
22c 共通電極
23 検出器基板
24 ASIC基板
25 ASIC(放射線計測回路)
26 遮光・電磁シールド
30 ピンホールコリメータ
40 遮蔽体
51 光学画像生成手段
52 距離情報演算手段
53 放射線画像生成手段
54 画像合成手段
55 エネルギースペクトル画像生成手段
56 表示制御手段
60 放射線画像
70 エネルギースペクトル
80 核種選択ボタン
81 総合ボタン
82 Cs−137ボタン
83 Cs−134ボタン
90 表示画素値変更スライダー
91 上限値設定バー
92 下限値設定バー
100 積算時間選択ボタン

Claims (5)

  1. 撮像対象から飛来する放射線を測定する検出器と、前記検出器の前面に配置して前記放射線の入射方向を制限するコリメータとを備えたガンマカメラと、
    前記ガンマカメラの視野内の光学的な画像を撮影する光学カメラと、
    画像表示装置と、
    を備えた放射線撮像装置であって、
    前記ガンマカメラの視野内の放射線分布を表す放射線画像の生成対象とする核種を選択するための入力手段と、
    前記検出器の測定データから前記入力手段によって選択された核種に対応する前記放射線画像を生成する放射線画像生成手段と、
    前記放射線画像を前記光学カメラによって撮影した光学画像に重ね合わせて合成画像を生成する画像合成手段と、
    エネルギーの大きさ毎に前記測定データの個数を全領域について積算することによって、放射線源のエネルギースペクトルを表すエネルギースペクトル画像を生成するエネルギースペクトル画像生成手段と、
    前記エネルギースペクトル画像上に、前記選択された核種に対応して予め設定される所定のエネルギーウインドウを表示し、当該エネルギーウインドウ内に含まれる測定データに対応する放射線画像を前記放射線画像生成手段に生成させ、前記合成画像と前記エネルギースペクトル画像とを、前記画像表示装置に表示させる表示制御手段と、
    を備えたこと特徴とする放射線撮像装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮像装置において、
    前記放射線画像に表示される各画素の画素値を変更して表示するための上限画素値と下限画素値の範囲を限定する入力手段を備えたこと特徴とする放射線撮像装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放射線撮像装置において、
    前記放射線データを測定する所定時間を可変とする入力手段を備えたこと特徴とする放射線撮像装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放射線撮像装置において、
    前記放射線を測定する前記検出器として、ピクセル型の半導体放射線検出器を用いたことを特徴とする放射線撮像装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射線撮像装置において、
    前記核種を選択するための入力手段は、前記画像表示装置に表示される核種選択ボタンであることを特徴とする放射線撮像装置。
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