JP5761701B1 - トンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トンネル内の監視員通路の立ち上げ壁面が損傷した場合に、その壁面の前面に型枠を配してモルタルを充填しその硬化を待つ程度の短期間で補修できるようにする。【解決手段】壁面wの損傷部位を剥離除去し、その前面側に壁面wに固設するアンカーボルトb1で不陸を調節しながら概ね3mmの間隔をあけて複数枚のタイルパネル1を配設する。タイルパネル1の前面に直接に、また隣接するタイルパネル1の連結部では、漏出防止板7を接合配置した上で、その前面に膨出防止棒2を設置する。膨出防止棒2は、下部の不陸調整部22を下部壁面wに仮固定した下部保持手段5の係止穴51hに挿入係止する。膨出防止棒2の上部はクランプ手段4で保持する。この後、壁面wとタイルパネル1との間に高流動性・無収縮のモルタルを注入充填し、硬化後に、膨出防止棒2、漏出防止板7、クランプ手段4及び下部保持手段5を取り除いて補修作業は完了する。【選択図】図3

Description

本発明は、トンネル内の側部に位置する監視員通路を路面から立ち上げる壁面が経年劣化その他の理由により損傷を生じた場合又はそのおそれが生じた場合に、これを補修する、トンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法に関するものである。
監視員通路を路面から立ち上げる壁面を含む、トンネル内の全壁面は、トンネル内を通行する種々の自動車の排気ガス等による劣悪な環境の中にあり、劣化が速く進む傾向がある。壁面を構成する各部の劣化が進むと、該壁面を構成するタイルの剥離等が生じるおそれがあり、その結果、路面上にタイル又はその破片等が落下するに至ると、これらにより、重大な交通事故を引き起こすおそれある。それ故、このような事故を未然に防止するため、速やかに劣化した壁面を補修する必要がある。
従来、このようなトンネル内の壁面、特に監視員通路を立ち上げる路面に面したタイル壁面の補修は、補修対象壁面のうちの劣化した部位を、衝撃を加える等によって剥離除去した上で、該壁面の前面に一定の間隔を空けて型枠を構築し、その間にモルタルを打設して該壁面の前面に新たなモルタル下地層を形成し、更に該モルタル下地層の前面に個別のタイル、若しくは基板に複数のタイルを貼り付けてなるタイルパネルを取り付けることで行われてきた。
上記の型枠は、補修対象壁面にアンカーボルトを固設し、更に該補修対象壁面の最下部に接する縁石上又は路面上に何らかの支持部材を固定した上で、それらのアンカーボルト及び支持部材を利用して仮固定するようにしていたものである。なお、該支持部材の縁石上又は路面上への固定は、該縁石等にアンカーボルト等を打ち込むことが認められていないため、これで固定することはできない。それ故、該支持部材の縁石等への固定は、接着剤等を用いて行うが、該支持部材を確実に縁石等に固定するためには接着力の高い接着剤を用いる必要がある。上記の型枠を除去する際には、当然、該支持部材を取り外す必要があるが、その際に、縁石等に接着剤が残留してしまう問題がある。
トンネル内の監視員通路を路面から立ち上げる壁面の補修方法については、以上の方法以外に知られているものはない。この補修方法に参考となると思われる従来技術の文献としては、トンネル覆工構築法を提案する特許文献1がある。
このトンネル覆工構築法は、トンネルの地山面に対向させて、周方向に複数に分割した型枠兼用のプレキャストコンクリート版であって、その地山面への対向面に底部が堰板部となって閉じているコンクリート充填部を開口したプレキャストコンクリート版を建込み、該プレキャストコンクリート版を、支持アームを介して該地山面に対向する所定位置に固設し、次いで、該地山面と該プレキャストコンクリート版との間に流動性の良い急硬化コンクリートを注入充填する、という方法である。
このトンネル覆工構築法におけるプレキャストコンクリート版を型枠兼用とする考え方は、前記の監視員通路を路面から立ち上げる壁面の補修方法にも応用できる。すなわち、該型枠兼用として用いるプレキャストコンクリート版の技術思想を、従来技術の補修方法におけるタイルパネルに適用し、該タイルパネルを型枠兼用として用いる。このようにすれば、補修対象壁面の前面に所定間隔で型枠兼用であるタイルパネルを配置し、かつ、支持アームを介してこれをその状態に固定し、次いで、該タイルパネルと補修対象壁面との間に流動性の良い急硬化モルタルを注入することにより、その後の型枠の除去やタイルの取り付け工程を必要としないで、スピーディに壁面の補修を完了させることができるようになる。
しかし、特許文献1において、支持アームに関しては何の説明もなく、その構成は全く不明である。従って、従来技術の補修方法における支持部材の固定に関する問題点と同様の問題があり、この点の問題は全く解決されない。すなわち、タイルパネルの取り付けに関しては全くその説明がないのと同様であり、特許文献1からは、その取付方法として適切な手段を見出しがたい。
特開平05−98893号公報
本発明は、トンネル内の監視員通路を路面から立ち上げるタイル壁面が経年劣化その他の理由により損傷を生じた場合又はそのおそれが生じた場合に、これを補修するトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法において、これを、該補修対象壁面の損傷を生じた部位又はそのおそれの生じた部位をそのままで又は剥離除去した上で、補修対象壁面の前面に適切な間隔で型枠を兼ねたタイルパネルを配置し、該タイルパネルと該補修対象壁面との間に流動性のモルタルを注入充填することで、スピーディにその補修作業を完了させること、タイルパネルを補修対象壁面側に固定することとすることにより、路面側に全く悪影響を与えないようにすること、及び補修対象壁面に凹凸があっても不陸を調整して適切にタイルパネルを取り付けることを解決の課題とするものである。
本発明の1は、トンネル内の監視員通路を立ち上げる路面に面するタイル貼り壁面の損傷を生じた部位又はそのおそれの生じた部位をそのままで又は剥離除去した上で、該壁面の前面側に所定間隔をあけて複数枚の型枠兼用のタイルパネルを配置し、次いで、該壁面と該各タイルパネルとの間に高流動性かつ無収縮性のモルタルを注入充填して補修する、トンネル内の監視員通路立ち上げ壁面の補修方法であって、前記各タイルパネルを、前記壁面に取り付けたアンカーボルトで不陸を調整しつつ該壁面から所定の間隔を空けて取り付け、更に前記各タイルパネルの前面側に、前記モルタルの注入充填時にその注入圧力で該タイルパネルが外方に膨出するのを防止すべく、これを抑える縦向きの複数の膨出防止棒を設置し、かつ該膨出防止棒の上部は監視員通路の手摺りの支柱に配した上部保持手段で外方に移動するのを防止すべく保持し、該膨出防止棒の下部は該各タイルパネルの下方で前記壁面に仮固定した下部保持手段で外方に移動するのを防止すべく保持することとしたトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法である。
本発明の2は、本発明の1のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法において、前記上部保持手段を、前記監視員通路の路面側に配してある手摺りの支柱に路面と反対側から当接させて路面と平行に配した係止補助棒と、一方の係止端を該係止補助棒側に、他方の係止端を前記膨出防止棒の上部側に、それぞれ係止して、該両係止端で該膨出防止棒と該係止補助棒側とを挟持保持するように配するクランプ手段とで構成し、前記下部保持手段を、前記タイルパネルの下端直下から前方に延びる係止板部であって、複数の係止穴が該タイルパネルの面方向と平行な方向に連設開口してあり、該係止穴が、前記膨出防止棒の、不陸を調節してある前記タイルパネルの前面に当接状態に配するために下方に向かって該タイルパネル側に向かって斜めにカットした形状の下部を挿入可能であるように構成したものである係止板部と、該係止板部の内端から垂下する、前記壁面へ取り付けるための取付板部とで構成したものである。
本発明の3は、本発明の1又は2のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法において、隣接する両側のタイルパネルの背面に当接する連結板部であって、その両側の部位にそれぞれ連結穴を開口した連結板部と、該連結板部の下端から後方に延長する延長板部と、該延長板部の後端から垂下する絡み片とで連結補強部材を構成し、前記隣接する両側のタイルパネルの背面に該連結補強部材の連結板部の両側部をそれぞれ当接させ、かつ前記各連結穴を通じて該各タイルパネルに形成してある連結穴に挿入したボルト・ナットで両者を連結すると共に、その後に、該タイルパネルと壁面との間に注入充填されるモルタルに前記絡み片を絡み埋設させるように構成したものである。
本発明の4は、本発明の1、2又は3のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法において、隣接する両側のタイルパネルの間に、前記壁面と該タイルパネルとの間へのモルタルの注入に先立って充填剤を充填し、かつ該隣接するタイルパネルの前面側に、該隣接するタイルパネルの間から前記壁面とタイルパネルとの間に注入されるモルタルが漏出することとなるのを防止するために、漏出防止板を配することとしたものである。
本発明の5は、本発明の4のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法において、前記膨出防止棒を、前記隣接する二つのタイルパネルの連結部を含む前面側に配する前記漏出防止板の前面側に当接させ、該膨出防止棒を該漏出防止板を介して該タイルパネルの膨出防止のために作用させるようにすることで、該膨出防止棒に、該漏出防止板のタイルパネルへの圧接とタイルパネルの膨出防止作用とを兼用させることとしたものである。
本発明の1のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法によれば、該壁面に損傷を生じている場合に、その損傷部位を除去した上で又は除去せずに、その前面に所定間隔で所要のタイルパネルを設置し、これを型枠兼用として該タイルパネルと該壁面との間に高流動性かつ無収縮のモルタルを注入充填することにより、型枠の除去及びその後のタイルの取り付け作業を必要とせずに、スピーディに該壁面の補修を行うことができる。
また、本発明の1のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法によれば、型枠兼用のタイルパネルは、前記補修対象壁面に取り付けたアンカーボルトで不陸を調整しつつ該壁面の前面に所定の間隔で設置するものであるが、該タイルパネルは、その外面側に、縦向きの複数の膨出防止棒を配置し、該膨出防止棒の上部は監視員通路の手摺りに取り付けた上部保持手段で固定し、下部は該各タイルパネルの下方に位置させて前記壁面に仮固定した下部保持手段で固定するものであるため、該アンカーボルトと該壁面との間にモルタルを注入充填する際に、該タイルパネルがその背後側からのモルタルの注入圧力を受けても該膨出防止棒によってその膨出が防止され、該タイルパネルは適切な不陸状態を保持することができる。
また、前記のように、前記タイルパネルは、上部を監視員通路の手摺りに取り付けた上部保持手段で、下部を該タイルパネルの下方に位置させて前記壁面に仮固定した下部保持手段で、それぞれ仮保持した前記膨出防止棒で膨出が防止されるものであるため、モルタル注入の際の注入圧で該タイルパネルが膨出することを、路面又は縁石に傷を付けたり、汚したりすることなく、確実に防止することができるものである。
本発明の2のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法によれば、前記膨出防止棒の下部を、前記タイルパネルの前面に配した状態で、該タイルパネル側に向かってかつ下方に向かって斜めにカットした状態の不陸調整部に構成し、かつ前記下部保持手段を、前記膨出防止棒の下部の不陸調整部を保持する係止板部であって、該膨出防止棒の下部の不陸調整部を挿入するための複数の係止穴が該タイルパネルの面方向と平行な方向に連設開口してある係止板部と、該係止板部の内端(後端)から垂下する、前記壁面へ取り付けるための取付板部とで構成したものであるため、取付対象である壁面にその横方向に凹凸があって該下部保持手段がその凹凸に沿った形状に変形しつつ取り付けられることとなったとしても、前記膨出防止棒の前記係止板部の係止穴への挿入深さを適切に調整することで、前記タイルパネルを適切な不陸状態で抑えることを確保することができる。
本発明の3のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法によれば、隣接する両側のタイルパネルを連結補強部材の連結板部により背面側で連結するものであり、これによって左右両側のタイルパネルが強固に連結され、更にこのようなタイルパネルの連結設置の後に、該タイルパネルと壁面との間にモルタルを注入充填すると、充填されたモルタル中に、該連結板部の下端から後方に延長する延長板部の後端から更に垂下する絡み片が絡み埋設することとなり、該タイルパネルの壁面への結合は、モルタルとの単なる接合を越えてより強化されたものとなる。
本発明の4のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法によれば、隣接する両側のタイルパネルの隙間を埋める充填剤を充填した上で、更に該両タイルパネルの隙間部分を含むその前面に漏出防止板を配置したため、タイルパネルと壁面との間にモルタルを注入充填した場合に、そのモルタルが両側のタイルパネルの隙間から外部に漏出するような問題を確実に回避することができる。
本発明の5のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法によれば、前記漏出防止板は、これを前記タイルパネルの前面側に配して、モルタルの注入圧によって該タイルパネルが外方に膨出するのを抑えるための二本以上の膨出防止棒を、該漏出防止板の前面側に配し、これを介して該タイルパネルの膨出を防止するようにしたことにより、該漏出防止板と該タイルパネルとを同時に抑えることとなり、特別に他の手段を用意することなく、簡単にかつ確実に前記漏出防止板を抑えることができる。
(a)は、本発明の一実施例のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法の最終段階でモルタルの硬化を待つ状態を示した平面図、(b)は、正面図、(c)は、側面断面図である。 図1(b)の中央部付近の拡大図である。 図1(c)の拡大図である。 図1(a)の中央部付近の拡大図である。 図1(a)の中央から外れた部位付近の拡大図である。 (a)は、損傷を生じた壁面の損傷部位を剥離除去した状態の平面断面図、(b)は、正面図である。 (a)は、補修対象の壁面の前面に所定間隔を空けてタイルパネルを設置した状態の平面断面図、(b)は、正面図、(c)は、側面断面図である。 (a)は、図7(a)の中央部付近の拡大図、(b)は、図7(b)の中央部付近の拡大図である。 図7(c)の拡大図である。 タイルパネルの正面図である。 (a)は、タイルパネルの右側部分の拡大平面図、(b)は、右側部分の一部切欠拡大正面図、(c)は、一部切欠拡大右側面図である。 (a)は、膨出防止棒の一部切欠拡大左側面図、(b)は、一部切欠拡大正面図、(c)は、左側面図、(d)は、拡大平面図である。 (a)は、下部保持手段の上下反転状態の一部切欠拡大正面図、(b)は、上下反転状態の一部切欠拡大平面図、(c)は、上下反転状態の拡大側面図、(d)は、上下反転状態の正面図である。 (a)は、連結補強部材の平面図、(b)は、正面図、(c)は、右側面図である。 補修対象の壁面を示すためのトンネルの概要図である。
以下、発明を実施するための形態を実施例に基づいて添付図を参照しつつ詳細に説明する。
まず初めに本発明のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法を実施するために用いる主要な部材である、タイルパネル1と、膨出防止棒2と、上部保持手段を構成する係止補助棒3及びクランプ手段4と、下部保持手段5と、連結補強部材6と、漏出防止板7とを説明する。
前記タイルパネル1は、この実施例では、特に図10及び図11に示すように、複数のタイル11、11、・・・と、これらを前面に縦横に配列したセメントボード(基板)12と、上下隣接する複数のタイル11、11、・・・の幅狭目地中に配する中間係止金具13aと、アンカーボルトb1を取り付けうる幅広目地中に配する中関係止金具13bと、該中間係止金具13a、13bを前記セメントボード12に取り付け固定するためのリベット部材14と、前記セメントボード12の最上部又は最下部に配され、その最上部又は最下部の複数のタイル11、11、・・・の上縁又は下縁、及び該セメントボード12の上部小口又は下部小口を同時に抱える上下部係止金具15と、で構成したものである。
前記タイル11は、図10に示すように、一般的な四辺形のセラミック製のそれであり、特別の加工は施していない。また前記セメントボード12は横長長方形の公知の基板部材であり、小口を除いてその外面には防水用のシーラーが施してある。
前記中間係止金具13a、13bは、特に図11に示すように、ステンレススチールで一体に形成した上方のタイル11の下縁を抱える下縁係止片、下方のタイル11の上縁を抱える上縁係止片及びそれらの間に凹状に構成した取付片からなるものである。該取付片は、詳細には、側面から見て、前記下縁係止片の下端と上縁係止片の上端からコ字形に後退した形状のものであり、前記幅狭目地中に配する中間係止金具13aの取付片は前記リベット部材14を取り付けうる程度の幅狭に、前記幅広目地中に配する中間係止金具13bの取付片は、アンカーボルトb1を取り付けうる程度に幅広に、それぞれ構成してあるものである。前者の中間係止金具13aの取付片には、その長さ方向に沿って前記リベット部材14を取り付けるための係止穴を連設開口し、後者の中間係止金具13bの取付片には、その長さ方向に沿って前記リベット部材14を取り付けるための係止穴を連設開口し、更にその係止穴の適宜数毎に該係止穴を、アンカーボルトb1を取り付けうる大径係止穴に構成しておくものとする。
なお、以上の中間係止金具13a、13bは、図10及び図11に示すように、その中央仮装線を対称軸として上下が対象となる構成となっているものである。
前記上下部係止金具15は、図10及び図11に示すように、前記セメントボード12の最上部又は最下部に配し、その最上部又は最下部の複数のタイル11、11、・・・の上縁又は下縁を係止する上下縁係止片、前記セメントボード12の上部小口又は下部小口を被覆しかつ係止する被覆係止片、前記上下縁係止片及び前記被覆係止片の間から垂下又は直立し、最上部又は最下部のタイル11、11、・・・と前記セメントボード12との間に挿入する複数の係止舌片を備えたものである。
そして、実施例のタイルパネル1は、図10及び図11に示すように、セメントボード12の前面にタイル11、11、・・・を縦横に配列し、該タイル11、11、・・・を、前記中間係止金具13a、13a、・・・、13b、13b、・・・と、上下部係止金具15、15と、前記中間係止金具13a、13a、・・・、13b、13b、・・・をセメントボード12に固定するリベット部材14、14、・・・とで固定することで構成したものである。
なお、上下隣接するタイル11、11、・・・の間の目地は、図10に示すように、最上部のタイル11、11、・・・とその直下のタイル11、11、・・・との間の目地、最下部のタイル11、11、・・・とその直上のタイル11、11、・・・との間の目地及び中央の目地は幅広に構成し、その間には前記中間係止金具13bを配置し、それ以外の目地は幅狭に構成し、その間には前記中間係止金具13aを配置し、それぞれの取付片に開口した係止穴を利用して前記リベット部材14で、これらの中間係止金具13a、13a、・・・、13b、13b、・・・をセメントボード12に固定し、これらを介してタイル11、11、・・・をセメントボード12に固定したものである。
言うまでも無く、最上部のタイル11、11、・・・の上縁は、前記上下部係止金具15の上下縁係止片で抱えられ、前記セメントボード12の上部小口は前記上下部係止金具15の被覆係止片で抱えられ、かつ前記上下部係止金具15は、その係止舌片が、最上部のタイル11、11、・・・と前記セメントボード12との間に挿入状態となってその位置に固定状態となる。最上部のタイル11、11、・・・の上縁と前記セメントボード12の上部小口はこうして相互に結合状態となる。最下部のタイル11、11、・・・の上縁及び前記セメントボード12の下部小口も、上下対称状態で、同様に、前記上下部係止金具15で固定状態にされる。
なお、該タイル11、11、・・・は、該セメントボード12に縦横に配置する際にその背面に接着剤を配しておくこととし、前記上下部係止金具15の係止舌片は、該タイル11、11、・・・と該セメントボード12との間に該接着剤が硬化しないうちに挿入する。
この実施例では、以上のようなタイルパネル1を採用したが、これに限定されるものではない。基板にタイルを他の構成の金具類を用いて取り付けたタイルパネル、またはタイルを基板に金具と接着剤を用いて接合固定したタイルパネル等を採用することが可能である。更には、好ましくはないが、基板の前面にタイルを縦横に配置して単に相互を接着結合したものでも採用可能である。ただし、いずれの場合でも、所要の位置のタイルの目地が、アンカーボルトを取り付けうる幅となっている必要はある。
前記膨出防止棒2は、図3等に示すように、壁面wの前面に一定間隔を空けて配したタイルパネル1、1、・・・の前面側にその膨出を防止すべく、上下方向を向けてクッション材21を介して接合状態に配する部材であり、図12に示すように、平面視で、使用時に壁面wと直交する方向に長い長方形の角形である、角筒状の長尺金属部材である。その下部は、同図及び図3等に示すように、使用状態で、下方に向かうに従って前記タイルパネル1、1、・・・側に向かうように斜めにカットした形状の不陸調整部22を備えたものである。なお、前記クッション材21は、弾力性を有する帯状の部材であり、同図に示すように、この実施例では、膨出防止棒2のタイルパネル1との接合面側に予め接合固定しておく。
この実施例では、膨出防止棒2は、以上のように構成したが、下部に前記の構成の不陸調整部22を有するものであれば、他の構成のそれも採用可能である。
前記上部保持手段の一部を構成する係止補助棒3は、図1〜図5に示すように、端面から見て正方形の角筒状の金属部材をそれとして採用したものである。もっともこの係止補助棒3は、これに限定されず、使用時に、監視員通路の路面側に位置する部位から立ち上がる手摺りの支柱cの路面と反対側の部位に該路面と平行に配して、これを介して前記クランプ手段4の他方の係止端42を該支柱cに係止できる、十分な強度を有する長尺部材であれば、例えば、円筒状の金属部材、内部の充実した金属棒、その他の構成の部材を採用することも可能である。
前記上部保持手段の他の一部を構成するクランプ手段4は、図1〜図5に示すように、一方の係止端41、他方の係止端42、各々の基部41a、42aの間隔を伸縮自在に繋ぐ調整ボルト部材43及び上記各基部41a、42aに配したグリップ片からなり、前記調整ボルト部材43を一定方向に回転(短縮回転)させると、前記基部41a、42aの間隔が短縮し、他方向に回転(伸張回転)させると、該間隔が伸張するように動作するようになっている。
前記クランプ手段4は、この実施例では、以上の構成のそれを採用したが、一方の係止端41と他方の係止端42との間隔を自由に伸縮し得、設定した間隔を保持しうる構成であれば、特定のそれに限定されない。自由に種々の構成のそれを採用することができる。
前記下部保持手段5は、図3〜図5、図9及び図13に示すように、使用状態で、前記タイルパネル1、1、・・・の下端下から前方に延びる係止板部51と、該係止板部51の内端(後端)から垂下する、前記壁面wへ取り付けるための取付板部52とで構成した、側面視でL形の長尺金属板材である。
以上の係止板部51は、図4、図5及び図13に示すように、その長さ方向に沿って複数の係止穴51h、51h、・・・を連設開口したものである。該各係止穴51hは、該係止板部51の長さ方向に直交する方向の寸法を、前記膨出防止棒2の不陸調整部22の最下部から最上部までの調整用寸法の全範囲を越える寸法に構成する。また該各係止穴51h、51h、・・・の該係止板部51の長さ方向に沿った方向の寸法を、使用時の該膨出防止棒2の同方向の寸法以上の寸法に構成する。
前記取付板部52は、図1、図2、図8及び図13に示すように、その長さ方向に沿ってその略中央部に横長の取付穴52h、52h、・・・を連設開口しておく。該各取付穴52h、52h、・・・は、同図に示すように、前記壁面wに接合した取付板部52を、それらを通じて挿入した仮止め用アンカーボルトb2、b2、・・・で該壁面wに仮固定することができるように、該仮止め用アンカーボルトb2、b2、・・・を挿通するのに適した幅寸法としておく。
前記連結補強部材6は、図2〜図4、図8、図9及び図14に示すように、使用時に、隣接する両側のタイルパネル1、1の背面側に当接する連結板部61と、該連結板部61の下端から後方に延長する延長板部62と、該延長板部62の後端両側から垂下する二つの絡み片63、63とで構成したものである。
以上の連結板部61は、特に図14に示すように、その両側の各部位で、隣接する両側のタイルパネル1、1の各近接する端部付近の背面に接合固定して両者を連結する手段である。この連結板部61の中央部には円形穴が開口してあり、両側中央寄りにはそれぞれ幅の広い横長の結合穴61haが開口してあり、両側外方寄りにはそれぞれ幅の狭い横長の結合穴61hbが開口してある。いずれもこれらを利用してボルト・ナットbn、bnで該連結板部61と両側のタイルパネル1、1とを連結するための手段である。
前記延長板部62は、同図に示すように、前記連結板部61の下端から使用時における後方に直角に折り曲げて延長した部材であり、これは、前記絡み片63、63を使用時に良好にモルタルm中に絡み埋設させる趣旨で延長するものである。
前記二つの絡み片63、63は、以上に述べ、図3及び図4に示すように、使用時に、モルタルm中に絡み埋設し、前記延長板部62及び連結板部61を介して、タイルパネル1、1を強固にモルタルmに結合させる趣旨のものである。前記連結補強部材6は、従って、隣接する二つのタイルパネル1、1を結合すると同時に、モルタルmに対しても強固に結合させるようにする趣旨を持ったものである。
前記漏出防止板7は、図2〜図4に示すように、隣接する両側のタイルパネル1、1の前面側にその間を閉じるように配して、該隣接するタイルパネル1、1の隙間から、タイルパネル1、1、・・・と背後の壁面wとの間に注入充填するモルタルmが漏出するのを防止するための板状部材である。この実施例では、内面側に剥離剤を塗布したコンパネを採用し、隣接する両側のタイルパネル1、1の隙間を最上部から最下部まで一枚のそれで閉じるべく用いる。またこの漏出防止板7のタイルパネル1、1への接合状態は、該タイルパネル1、1の膨出防止のために用いる前記膨出防止棒2、2を該漏出防止板7の外面側に配することにして、タイルパネル1、1と同時に保持する。
本発明のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法は以上の各部材を用いて実施する。本発明の適用対象は、図15に示すように、トンネル内の監視員通路kを立ち上げる、路面に面した壁面wである。該壁面wに損傷を生じた場合又はそのおそれが生じた場合には、損傷の生じた部位又はそのおそれの生じた部位をそのままで又は剥離除去した上で、該壁面wの前面側に所定間隔をあけて複数枚のタイルパネル1、1、・・・を配置する。この実施例では、図6に示すように、損傷の生じている部位や脆弱な部位を除去した上で、図7〜図9に示すように、該壁面wの前面側にタイルパネル1、1、・・・を配置することとしたものである。
なお、この実施例では、タイルパネル1の縦方向の寸法は、補修対象の壁面wの高さ方向の寸法に対応するものとし、縦方向には一枚で、横方向に必要なだけの複数枚のタイルパネル1、1、・・・を配置することとしたものである。
前記壁面wの損傷を生じた部位及び脆弱な部位の除去は、適当な打撃力で対応部位を打撃する等の既存の技術により該当部位を剥離することで行ったものである。
また前記タイルパネル1、1、・・・の壁面wの前面への取り付けは、図2、図3、図8及び図9に示すように、原則として、アンカーボルトb1、b1、・・・により行う。タイルパネル1、1、・・・は、図3及び図4に示すように、壁面wに設置してある既存のタイルt、t、・・・又は取り付けてあったタイルt、t、・・・の前面から、この実施例では、約3mm程の間隔sを空けて配置し、前記アンカーボルトb1、b1、・・・で固定する。壁面wには、設置するタイルパネル1、1、・・・に配したタイル11、11、・・・の幅広の横目地に配した中間係止金具13b、13b、・・・の大径係止穴の位置に対応させて下穴を形成しておく。
なお、前記中間係止金具13bの大径係止穴のうち、背後の壁面wの対応する部位が脆弱化していて、大きく削除されている場合は、その部位については下穴を形成しておくことができないが、後述するように、一部だけでも下穴を形成し得、アンカーボルトb1、b1、・・・を固定することが可能な部位があれば、不都合ではない。タイルパネル1、1、・・・は、その面と直交する外方への力がかかった場合には、前記膨出防止棒2、2、・・・によってそれが膨出しないように、すなわち、前記間隔sが維持され、不陸が適切に調節された状態が維持されるように保持されており、他方、これと逆方向の力は、掛かる可能性が殆ど無く、モルタルmで固定されるようになるまで仮保持できれば良いからである。
もっともこの実施例では、必要に応じて、タイルパネル1、1、・・・の背後の壁面wの対応する部位が脆弱化していて、大きく削除されている場合は、特に図3及び図5に示すように、対応する中間係止金具13b、13b、・・・の大径係止穴には、前面側から長ボルトb3、b3、・・・を挿入し、ナットでその頭部をタイルパネル1、1、・・・に固定し、後方に延びた該長ボルトb3、b3、・・・の後部には調整長ナットを螺合し、全体としての長さを調節し、該長ナットの後端を該壁面wの削除面に当接させ、突っ張り状態とすることにより、タイルパネル1、1、・・・の調節した不陸状態を維持するようにすることとした。
他方、タイルパネル1、1、・・・には、その中間係止金具13bの大径係止穴にアンカーボルトb1、b1、・・・の先端側を取り付けておく。該アンカーボルトb1、b1、・・・は、その先端部と途中のナットとで、タイルパネル1、1、・・・のセメントボード12及び中間係止金具13bの取付片を挟持する状態にしてタイルパネル1、1、・・・に固定しておく。当然、アンカーボルトb1、b1、・・・は、タイルパネル1、1、・・・の背後側に延長する状態に配する。
以上のタイルパネル1、1、・・・は、以上のようにしてこれに取り付けてあるアンカーボルトb1、b1、・・・を、壁面wの所定位置に開口してある下穴に挿入し、当該のアンカーボルトb1、b1、・・・に応じた操作、例えば、ねじ込み又は打ち込むことで該アンカーボルトb1、b1、・・・を該下穴に固定し、これによって該壁面wに固設する。該下穴へのアンカーボルトb1、b1、・・・の打ち込み深さ又はねじ込み深さを調節することで、該タイルパネル1、1、・・・の不陸を調節する。また該壁面wと該タイルパネル1、1、・・・との隙間の間隔sを、この実施例では、3mm程度に調節する。
この間隔sは、この実施例では、以上のように、3mm程度に設定したが、これに限定されない。この間隔sは、この間隔s内に注入充填するモルタルmの流動性との関係で設定するものであり、密に注入充填可能な最低限度以上に設定すれば良い。ただし、できるだけ狭いことが好ましい。
こうして、タイルパネル1、1、・・・を壁面wの前面に、不陸を調節し、これを優先しながら該壁面wとタイルパネル1、1、・・・との隙間の間隔sを約3mm程度に設定して取り付けた後、図7〜図9に示すように、隣接する各タイルパネル1、1を、前記連結補強部材6で連結する。該連結補強部材6は、その連結板部61の両側のそれぞれを、隣接するタイルパネル1、1の背面側で、前記中間係止金具13bの配してあるタイル11、11、・・・の広幅横目地に対応する部位に当接させる。そうした上で、両側のタイルパネル1、1の各中間係止金具13bの取付片に開口した大径係止穴と前記連結補強部材6の連結板部61の両側に開口してある幅狭の横長の各結合穴とを対応させ、それぞれにタイルパネル1、1の前面側からボルトを挿入し、裏面側に突出した該ボルトにナットを螺合する。こうして二つのボルト・ナットbn、bn及び連結補強部材6の連結板部61を介して隣接する両側のタイルパネル1、1を連結する。
この状態で、同図に示すように、該連結補強部材6の延長板部62は、背後側に延長状態になっており、その後端から二つの絡み片63、63が垂下状態となっていることになる。なお、このような隣接するタイルパネル1、1の連結は、損傷部位及び脆弱部位を剥離除去した壁面wに対応する部位で行う。また、このような隣接する相互のタイルパネル1、1の連結は、対象の壁面wの全範囲にタイルパネル1、1、・・・を設置した後に、または隣接するタイルパネル1、1を設置する毎に行う。
このように隣接するタイルパネル1、1を連結した後に、そのような隣接するタイルパネル1、1の間にはシーリング材と呼ばれる充填剤を充填しておく。
また、前記タイルパネル1、1、・・・を設置した後、その直下の位置に下部保持手段5を設置する。この実施例では、この段階で、この下部保持手段5を壁面wの上記位置に設置することとしたが、前記充填剤の充填前でも良いし、前記連結補強部材6による各隣接するタイルパネル1、1の連結の前であっても良い。更にタイルパネル1、1の設置前に壁面wに設置しておいても不都合ではない。なお、下部保持手段5は、タイルパネル1、1、・・・の上下方向の位置決めのためには、最後に述べた該タイルパネル1、1、・・・の設置前に壁面wに取り付けておくという手順が適切であることになる。
前記下部保持手段5は、図7〜図9に示すように、その取付板部52を、その上端から前方に延びる係止板部51が壁面wに設置した前記タイルパネル1、1、・・・の直下に位置することとなるように、位置決めしつつ該壁面wに接合し、開口してある横長の取付穴52h、52h、・・・を利用して仮止め用アンカーボルトb2、b2、・・・で該壁面wに仮止め固定する。なお、該壁面wの対応する位置には、下穴を開口しておき、前記取付穴52h、52h、・・・を通じて挿入した仮止め用アンカーボルトb2、b2、・・・を、それに応じた打ち込み又はねじ込み等の操作により該下穴に仮止めして該取付板部52を該壁面wに仮固定できるようにしておく。
また、以上の下部保持手段5の取り付けの際に、特に図9に示すように、タイルパネル1、1、・・・の下端直下に、該タイルパネル1、1、・・・と壁面wとの隙間に、注入充填するモルタルmが漏出しないようにするためのゴムパッキンpを配置し、前記係止板部51で該ゴムパッキンpをその位置に保持するようにする。
他方、前記監視員通路kの路面側の縁付近に立ち上げてある手摺りの支柱c、c、・・・には、図1〜図5に示すように、その路面と反対側の部位に前記係止補助棒3を接合状態に配置しておく。該係止補助棒3は、このように手摺りの支柱c、c、・・・と接する状態に配置すると、路面及び壁面wの面方向と概ね平行な向きになる。なお、この係止補助棒3の設置は、以下に述べるクランプ手段4、4、・・・で前記膨出防止棒2、2、・・・の上部を支持する操作を行う時点までに設置しておけば良い。
この後、前記膨出防止棒2、2、・・・を適切な横方向の間隔で、前記タイルパネル1、1、・・・の前面に配設する。なお、隣接するタイルパネル1、1の連結部については、前記漏出防止板7をその前面に接合状態に配置した上で、その前面側に前記膨出防止棒2、2、・・・を設置する。該膨出防止棒2、2、・・・は、この場合は、該漏出防止板7を介してタイルパネル1、1、・・・の前面側に配することになる。
該膨出防止棒2、2、・・・は、図1〜図5に示すように、前記クッション材21を前記タイルパネル1、1、・・・の前面側に当接する向きで配する。前記のように、隣接するタイルパネル1、1の連結部付近では、言うまでも無く、該タイルパネル1、1の前面側に配した前記漏出防止板7の前面側に前記クッション材21を当接した状態に配する。
該膨出防止棒2、2、・・・は、同図に示すように、その下部の不陸調整部22をタイルパネル1、1、・・・の下端下に仮固定してある下部保持手段5の係止板部51に開口した係止穴51h、51h、・・・のうちの対応する位置のそれに挿入係止する。該不陸調整部22は、下方に向かうに従って該タイルパネル1、1、・・・側に向かうように斜めにカットした構成となっているので、該膨出防止棒2、2、・・・を深く押し下げ挿入すれば、そのクッション材21を接合した面は壁面w側に移動し、浅く押し下げ挿入すれば、そのクッション材21を接合した面は壁面wから離れた位置に位置することになる。
前記のように、タイルパネル1、1、・・・は、前記アンカーボルトb1、b1、・・・及び長ボルトb3、b3、・・・で、不陸を適切に調節し、これを優先しながら壁面wの前面に概ね3mm程度の間隔を空けて配置してあり、他方、前記下部保持手段5は、該壁面wに直接に仮固定してあり、それ故、壁面wの凹凸にならった状態にならざるを得ない。従って、該膨出防止棒2、2、・・・に不陸調整部22がないと、これを、不陸を調節してあるタイルパネル1、1、・・・の前面に適切に当接状態に配することができない。しかし該膨出防止棒2、2、・・・には不陸調整部22を設けてあるので、前記のように、最下部に位置する該不陸調整部22を前記下部保持手段5の係止板部51の係止穴51h、51h、・・・に適切な深さで挿入係止させれば、該膨出防止棒2、2、・・・の前記クッション材21を接合した面の不陸方向の位置関係を適切に調整できる。それ故、適切な不陸状態でタイルパネル1、1、・・・を外部から抑えることができる。
また、前記下部保持手段5は、前記壁面wに取り付けてあるものであり、路面や路面上の縁石に配してあるものではない。それ故、該路面や該縁石に傷を付けたり、汚したりするおそれもない。
前記膨出防止棒2、2、・・・の上部は、前記クランプ手段4、4、・・・により、その適切なタイルパネル1、1、・・・の抑え状態で、支持する。
該クランプ手段4、4、・・・は、図3〜図5に示すように、その他方の係止端42、42、・・・を、前記監視員通路kの手摺りの支柱c、c、・・・に係止した係止補助棒3の監視員通路k側の部位に当接係止し、一方の係止端41、41、・・・を、前記膨出防止棒2、2、・・・の上部の通路側の面に当接係止させる。該一方の係止端41、41、・・・と該他方の係止端42、42、・・・との間隔が、前記係止補助棒3の該当部位と前記膨出防止棒2、2、・・・の該当部位との間隔より広い場合及び狭い場合は、前記調整ボルト部材43を短縮回転又は伸張回転させて、適切な間隔になるように調節し、前記膨出防止棒2、2、・・・の上部を、タイルパネル1、1、・・・を適切な不陸状態に保持すべく、支持できるようにする。
このように準備した後、タイルパネル1、1、・・・と壁面wとの間に、当然、損傷を生じて剥離除去した部位を含めて、高流動性かつ無収縮のモルタルmを注入充填する。この注入充填は一般の技法による。
注入されたモルタルmは、高流動性なので、図1〜図5に示すように、狭い空間にも十分に行き渡ることになるが、隣接する各タイルパネル1、1間には充填剤(シーリング材)が充填してあり、更にその前面側には前記漏出防止板7が配してあるので、該モルタルmがその間から漏出することはない。またタイルパネル1、1、・・・の下端下には、該タイルパネル1、1、・・・と壁面wとの隙間を塞ぐゴムパッキンpが配置してあるので、前記のように注入されるモルタルmが下端の隙間から漏出するようなこともない。
またモルタルmの注入充填の際に、その強い注入圧が、タイルパネル1、1、・・・の背面に掛かっても、前記のように、該タイルパネル1、1、・・・の前面側には、前記膨出防止棒2、2、・・・が配してあるので、該タイルパネル1、1、・・・の膨出は防止される。適切な不陸状態が確実に維持される。
モルタルmの注入充填後、該モルタルmが硬化した後、前記クランプ手段4、4、・・・を取り外し、前記膨出防止棒2、2、・・・を、前記下部保持手段5の係止板部51の係止穴51h、51h、・・・の対応するそれらから抜き取り、タイルパネル1、1の連結部前面に配した前記漏出防止板7を取り除く。また前記係止補助棒3を手摺りの支柱c、c、・・・の監視員通路k側から除去する。更に前記下部保持手段5を仮固定用のアンカーボルトb2、b2、・・・を抜き取って壁面wの最下部から除去し、同時に、前記ゴムパッキンpもタイルパネル1、1、・・・の最下部内側の部位から除去する。
こうして、この実施例のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法はスピーディに完了することになる。
本発明のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法は、トンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修の分野及びこれに利用する部材の製造業の分野で有効に利用することができる。
1 タイルパネル
11 タイル
12 セメントボード(基板)
13a 中間係止金具
13b 中関係止金具
14 リベット部材
15 上下部係止金具
2 膨出防止棒
21 クッション材
22 不陸調整部
3 係止補助棒
4 クランプ手段
41 一方の係止端
41a 一方の係止端の基部
42 他方の係止端
42a 他方の係止端の基部
43 調整ボルト部材
5 下部保持手段
51 係止板部
51h 係止穴
52 取付板部
52h 横長の取付穴
6 連結補強部材
61 連結板部
61ha 幅の広い横長の結合穴
61hb 幅の狭い横長の結合穴
62 延長板部
63 絡み片
7 漏出防止板
b1 アンカーボルト
b2 仮止め用アンカーボルト
b3 長ボルト
bn ボルト・ナット
c 手摺りの支柱
m モルタル
p ゴムパッキン
s 壁面とタイルパネルとの隙間の間隔
t 既存のタイル
w 壁面

Claims (5)

  1. トンネル内の監視員通路を立ち上げる路面に面するタイル貼り壁面の損傷を生じた部位又はそのおそれの生じた部位をそのままで又は剥離除去した上で、該壁面の前面側に所定間隔をあけて複数枚の型枠兼用のタイルパネルを配置し、次いで、該壁面と該各タイルパネルとの間に高流動性かつ無収縮性のモルタルを注入充填して補修する、トンネル内の監視員通路立ち上げ壁面の補修方法であって、
    前記各タイルパネルを、前記壁面に取り付けたアンカーボルトで不陸を調整しつつ該壁面から所定の間隔を空けて取り付け、更に前記各タイルパネルの前面側に、前記モルタルの注入充填時にその注入圧力で該タイルパネルが外方に膨出するのを防止すべく、これを抑える縦向きの複数の膨出防止棒を設置し、かつ該膨出防止棒の上部は監視員通路の手摺りの支柱に配した上部保持手段で外方に移動するのを防止すべく保持し、該膨出防止棒の下部は該各タイルパネルの下方で前記壁面に仮固定した下部保持手段で外方に移動するのを防止すべく保持することとしたトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法。
  2. 前記上部保持手段を、前記監視員通路の路面側に配してある手摺りの支柱に路面と反対側から当接させて路面と平行に配した係止補助棒と、一方の係止端を該係止補助棒側に、他方の係止端を前記膨出防止棒の上部側に、それぞれ係止して、該両係止端で該膨出防止棒と該係止補助棒側とを挟持保持するように配するクランプ手段とで構成し、
    前記下部保持手段を、前記タイルパネルの下端直下から前方に延びる係止板部であって、複数の係止穴が該タイルパネルの面方向と平行な方向に連設開口してあり、該係止穴が、前記膨出防止棒の、不陸を調節してある前記タイルパネルの前面に当接状態に配するために下方に向かって該タイルパネル側に向かって斜めにカットした形状の下部を挿入可能であるように構成したものである係止板部と、該係止板部の内端から垂下する、前記壁面へ取り付けるための取付板部とで構成したものである請求項1のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法。
  3. 隣接する両側のタイルパネルの背面に当接する連結板部であって、その両側の部位にそれぞれ連結穴を開口した連結板部と、該連結板部の下端から後方に延長する延長板部と、該延長板部の後端から垂下する絡み片とで連結補強部材を構成し、
    前記隣接する両側のタイルパネルの背面に該連結補強部材の連結板部の両側部をそれぞれ当接させ、かつ前記各連結穴を通じて該各タイルパネルに形成してある連結穴に挿入したボルト・ナットで両者を連結すると共に、その後に、該タイルパネルと壁面との間に注入充填されるモルタルに前記絡み片を絡み埋設させるように構成した請求項1又は2のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法。
  4. 隣接する両側のタイルパネルの間に、前記壁面と該タイルパネルとの間へのモルタルの注入に先立って充填剤を充填し、かつ該隣接するタイルパネルの前面側に、該隣接するタイルパネルの間から前記壁面とタイルパネルとの間に注入されるモルタルが漏出することとなるのを防止するために、漏出防止板を配することとした請求項1、2又は3のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法。
  5. 前記膨出防止棒を、前記隣接する二つのタイルパネルの連結部を含む前面側に配する前記漏出防止板の前面側に当接させ、該膨出防止棒を該漏出防止板を介して該タイルパネルの膨出防止のために作用させるようにすることで、該膨出防止棒に、該漏出防止板のタイルパネルへの圧接とタイルパネルの膨出防止作用とを兼用させることとした請求項4のトンネル内の監視員通路を立ち上げる壁面の補修方法。
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