JP5761445B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機に関する。
いわゆるトラクションドライブ方式の従来の変速機として、例えば、特許文献1にはトラクション遊星(遊星ボール)の遊星軸にスキュー角を付与することで、トラクション遊星を傾転し変速を行う変速機が開示されている。この変速機は、一対のキャリアが遊星軸の両端をそれぞれ支持し、一方のキャリアと変速機主軸との間にネジ構造が設けられ、他方のキャリアと変速機主軸との間にスプライン結合部が設けられる。そして、変速機は、例えば、トラクション太陽(サンローラ)が変速機主軸に沿って移動すると共に、一方のキャリアを変速機主軸に対して回転させることで、遊星軸にスキューが生じ、これに応じてトラクション遊星が傾転して変速を行う。この変速機は、キャリアによって支持される遊星軸端部に設けられたローラ表面が湾曲表面を構成している。
特表2010−532454号公報
ところで、上述のような特許文献1に記載されている変速機は、例えば、キャリアと遊星軸のローラとが1点で点接触することとなり、これにより、接触面圧が増大し耐久性が低下するおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、耐久性を向上することができる無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、回転中心となる変速機軸と、前記変速機軸に軸方向に対向して配置され、共通の第1回転中心軸線を回転中心として相対回転可能である第1回転要素及び第2回転要素と、前記第1回転中心軸線とは異なる第2回転中心軸線を回転中心として回転可能であり前記第1回転要素と前記第2回転要素とに挟持され当該第1回転要素及び当該第2回転要素との間でトルクを伝達可能であると共に、傾転動作によって各回転要素間の回転速度比である変速比を変更可能である転動部材と、前記第2回転中心軸線を回転中心として前記転動部材を支持し両端部が当該転動部材から突出した支持軸と、前記第1回転中心軸線を回転中心として前記第1回転要素、及び、前記第2回転要素と相対回転可能に前記変速機軸に配置されると共に、前記支持軸の端部であり円筒状又は円柱状に形成されるガイド端部が挿入され当該ガイド端部を前記転動部材の傾転動作が可能な状態で保持するガイド部を有する支持回転要素とを備え、前記ガイド端部は、前記転動部材の傾転動作の際に前記ガイド部と接触した状態で転動し当該ガイド部によって移動が案内され、前記ガイド部との接触面が転動中心に沿った方向に対して径方向外側に向けて突出した曲面形状を有し、前記ガイド部は、前記ガイド端部との接触面に当該ガイド端部の移動の方向に沿って形成され当該ガイド端部の一部がはまり当該ガイド端部の接触面と接触する溝部を有することを特徴とする。
また、上記無段変速機では、前記溝部は、底面が複数の面により構成されるものとすることができる。
また、上記無段変速機では、前記溝部は、前記複数の面と前記ガイド端部の接触面との接触角が0度より大きく60度より小さい範囲内に設定されるものとすることができる。
また、上記無段変速機では、前記溝部は、底面が前記転動中心に沿った方向に対して窪んだ曲面形状を有し、当該曲面形状の曲率が前記ガイド端部の前記曲面形状の曲率以下であるものとすることができる。
また、上記無段変速機では、前記溝部の前記曲面形状の曲率は、前記転動中心に沿った断面視における当該溝部の底面の曲率であり、前記ガイド端部の前記曲面形状の曲率は、前記転動中心に沿った断面視における当該ガイド端部の接触面の曲率であるものとすることができる。
本発明に係る無段変速機は、耐久性を向上することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る無段変速機の概略断面図である。 図2は、実施形態1に係る無段変速機の部分断面図である。 図3は、実施形態1に係る無段変速機の固定キャリアについて説明する平面図である。 図4は、実施形態1に係る無段変速機の可動キャリアについて説明する平面図である。 図5は、実施形態1に係る無段変速機のプレートについて説明する平面図である。 図6は、実施形態1に係る無段変速機の第1ガイド端部、第2ガイド端部の部分断面図である。 図7は、実施形態2に係る無段変速機の第1ガイド端部、第2ガイド端部の部分断面図である。 図8は、実施形態3に係る無段変速機の第1ガイド端部、第2ガイド端部の部分断面図である。 図9は、各実施形態に係る無段変速機と比較例に係る無段変速機との接触面圧の一例を比較するための線図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る無段変速機の概略断面図、図2は、実施形態1に係る無段変速機の部分断面図、図3は、実施形態1に係る無段変速機の固定キャリアについて説明する平面図、図4は、実施形態1に係る無段変速機の可動キャリアについて説明する平面図、図5は、実施形態1に係る無段変速機のプレートについて説明する平面図、図6は、実施形態1に係る無段変速機の第1ガイド端部、第2ガイド端部の部分断面図である。
本実施形態の無段変速機は、車両に搭載され、内燃機関などの動力源が発生する動力(トルク)を車両の駆動輪に伝達するものである。この無段変速機は、接触させた回転要素間に介在させた流体例えばトラクション油(伝達油)によってこの回転要素間で動力を伝達可能ないわゆるトラクションドライブ方式の無段変速機である。無段変速機は、一方の回転要素と他方の回転要素との接触面に介在するトラクション油をせん断するときに生ずる抵抗力(トラクション力、トラクション油膜のせん断力)を利用して動力(トルク)を伝達する。本実施形態の無段変速機は、いわゆるボールプラネタリ式無段変速機(CVP:Continuously Variable Planetary)である。
具体的には、図1、図2に示すように、本実施形態の無段変速機1の主要部を成す無段変速機構は、共通の第1回転中心軸線R1を有し相互間での相対回転が可能な第1回転要素としての第1回転部材10、第2回転要素としての第2回転部材20、第3回転要素としてのサンローラ30及び第4回転要素であり支持回転要素としてのキャリア40とを備える。さらに、無段変速機1は、第1回転中心軸線R1とは異なる第2回転中心軸線R2を各々有する複数の転動部材としての遊星ボール50と、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30等の回転中心となる変速機軸60とを備える。無段変速機1は、第2回転中心軸線R2を第1回転中心軸線R1に対して傾斜させ、キャリア40によって傾転自在に保持される遊星ボール50を傾転させることによって、入出力間の変速比を変えるものである。
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、第1回転中心軸線R1や第2回転中心軸線R2に沿う方向を軸方向、第1回転中心軸線R1周りの方向を周方向という。また、第1回転中心軸線R1に直交する方向を径方向といい、その中でも、内方に向けた側を径方向内側、外方に向けた側を径方向外側という。
無段変速機1は、典型的には、第1回転部材10と第2回転部材20とサンローラ30とキャリア40との間で各遊星ボール50を介したトルクの伝達が行われる。例えば、無段変速機1は、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30及びキャリア40のうちの1つがトルク(動力)の入力部となり、残りの回転要素の内の少なくとも1つがトルクの出力部となる。そして、無段変速機1は、入力部となる何れかの回転要素と出力部となる何れかの回転要素との間の回転速度(回転数)の比が変速比となる。ここでは、無段変速機1は、第1回転部材10が入力部、第2回転部材20が出力部となる場合を説明する。
また、無段変速機1は、変速機軸60の中心軸(第1回転中心軸線R1)を中心にして放射状に複数個の遊星ボール50が配置される。遊星ボール50は、第2回転中心軸線R2を回転中心として回転(自転)可能である。遊星ボール50は、変速機軸60にこの変速機軸60の軸方向に対向して配置させた第1回転部材10と第2回転部材20とに挟持される。また、遊星ボール50は、キャリア40に自転可能に支持される。無段変速機1は、第1回転部材10、第2回転部材20のうちの少なくとも一方を遊星ボール50に押し付けることによって、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30と遊星ボール50との間に適切な摩擦力(トラクション力)を発生させ、その間におけるトルクの伝達を可能にする。また、無段変速機1は、遊星ボール50を第2回転中心軸線R2と第1回転中心軸線R1とを含む傾転平面上で傾転させ、第1回転部材10と第2回転部材20との間の回転速度(回転数)の比を変化させることによって、入出力間の回転速度(回転数)の比を変える。
なお、無段変速機1は、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30、キャリア40の全てが変速機軸60に対して相対回転可能なものもあれば、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30、キャリア40のうちの何れか1つを変速機軸60に対して相対回転できない構成とするものもある。以下においては、キャリア40の一部が変速機軸60に対して固定される例について説明するがこれに限られない。ここでは、変速機軸60は、中心軸を第1回転中心軸線R1に一致させた円柱状に形成され、不図示の筐体や車体等における無段変速機1の固定部に固定し当該固定部に対して相対回転させぬよう構成した固定軸である。
以下、無段変速機1の各構成について詳細に説明する。
第1回転部材10、第2回転部材20は、中心軸を第1回転中心軸線R1に一致させた円盤部材(ディスク)や円環部材(リング)であり、第1回転中心軸線R1の軸方向で対向させて各遊星ボール50を挟み込むように配設する。この例示においては、双方ともリング状の円環部材とする。第1回転部材10、第2回転部材20は、共通の第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能である。
第1回転部材10と第2回転部材20とは、内周面に各遊星ボール50の径方向外側の外周曲面と接触する接触面10a、20aを有している。第1回転部材10、第2回転部材20の各接触面10a、20aは、例えば、遊星ボール50の外周曲面の曲率と同等の曲率の凹円弧面、外周曲面の曲率とは異なる曲率の凹円弧面、凸円弧面又は平面等の形状を成している。ここでは、各接触面10a、20aは、後述する基準位置の状態(第1回転中心軸線R1と第2回転中心軸線R2とが平行である状態)で、第1回転中心軸線R1から当該遊星ボール50との接触部分までの距離が同等の長さになるように形成され、第1回転部材10、第2回転部材20の各遊星ボール50に対する各接触角θが同等の角度になるようにしている。
ここで、接触角θとは、基準から遊星ボール50と各接触面10a、20aとの接触部分までの角度のことである。ここでは、径方向を基準にしている。第1回転部材10、第2回転部材20の遊星ボール50との接触面10a、20aは、遊星ボール50の外周曲面に対して点接触又は面接触している。また、第1回転部材10、第2回転部材20の遊星ボール50との接触面10a、20aは、第1回転部材10、第2回転部材20から遊星ボール50に向けて軸方向の力が加わった際に、遊星ボール50に対して径方向内側でかつ斜め方向の力(法線力Fn)が加わるように形成されている。
この無段変速機1は、第1回転部材10を無段変速機1の正駆動時(入力部としての回転要素にトルクが入力される場合)におけるトルク入力部(入力リング)として機能させる。また、無段変速機1は、第2回転部材20を無段変速機1の正駆動時におけるトルク出力部(出力リング)として機能させる。無段変速機1は、第1回転部材10にトルクカム70を介して入力軸11が連結される。また、無段変速機1は、第2回転部材20にトルクカム71を介して出力軸21が連結される。
入力軸11は、トルクカム70を介して第1回転部材10と一体回転可能であり、正駆動時に第1回転部材10に動力を伝達する。入力軸11は、筒状部11a、円盤部11b等を含んで構成される。入力軸11は、円盤部11b側がトルクカム70を介して第1回転部材10に連結され、筒状部11a側が車両の動力源側に連結される。出力軸21は、第1筒状部21a、円盤部21b、第2筒状部21c等を含んで構成される。出力軸21は、第1筒状部21a側が円環部材72、トルクカム71を介して第2回転部材20に連結され、第2筒状部21c側が車両の駆動輪側に連結される。入力軸11、出力軸21は、第1回転中心軸線R1を回転中心として変速機軸60と相対回転可能に設けられる。入力軸11と出力軸21とは、その相互間においても軸受B1やスラスト軸受TBを介して相対回転可能である。
トルクカム70、71は、回転トルクを第1回転中心軸線R1に沿った軸力に変換するトルク軸力変換機構であり、押圧力発生機構である。このトルクカム70、71が発生させる軸力とは、第1回転部材10、第2回転部材20を各遊星ボール50に押し付けるための押圧力である。トルクカム70は、第1回転部材10と入力軸11との間に配設される。トルクカム71は、第2回転部材20と出力軸21との間に配設される。トルクカム70は、入力軸11と第1回転部材10との間で回転トルクを伝達する際に、伝達されるトルクの大きさに応じて第1回転部材10に対して軸方向に沿った各遊星ボール50側への推力(軸力)を発生させる。トルクカム71は、出力軸21と第2回転部材20との間で回転トルクを伝達する際に、伝達されるトルクの大きさに応じて第2回転部材20に対して軸方向に沿った各遊星ボール50側への推力(軸力)を発生させる。
なお、この無段変速機1においては、第1回転部材10をトルク出力部とし、かつ、第2回転部材20をトルク入力部とすることも可能であり、その場合、入力軸11として設けているものを出力軸として利用し、出力軸21として設けているものを入力軸として利用する。また、無段変速機1においては、サンローラ30やキャリア40をトルク入力部やトルク出力部として用いる場合には、後述のサンローラ30やキャリア40に対して別途構成した入力軸や出力軸を連結する。
サンローラ30は、中心軸を第1回転中心軸線R1に一致させた円筒状のものであり、軸受RB1、RB2によって変速機軸60に対する周方向への相対回転を行えるよう支持される。つまり、サンローラ30は、変速機軸60、第1回転部材10、第2回転部材20、後述のキャリア40に対して第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能に変速機軸60に配置される。さらに、サンローラ30は、変速機軸60の軸方向に対して、軸受RB1の外輪、軸受RB2の外輪等によって位置決めされており、変速機軸60の軸方向に対して相対移動不能に固定される。
サンローラ30は、外周面31が複数個の遊星ボール50と接触する。サンローラ30の外周面31には、複数個の遊星ボール50が放射状に略等間隔で配置される。したがって、サンローラ30は、外周面31が遊星ボール50の自転の際の転動面となる。サンローラ30は、自らの回転動作によって各遊星ボール50を転動(自転)させることもできれば、各遊星ボール50の転動動作(自転動作)に伴って回転することもできる。
なお、本実施形態のサンローラ30は、軸受RB1、軸受RB2によって支持される第1分割構造体32、第1分割構造体32の外周面に固定される第2分割構造体33、第1分割構造体32の外周面にアンギュラ軸受ABを介して支持される第3分割構造体34の3つの部位からなる分割構造となっている。これにより、この無段変速機1は、サンローラ30と遊星ボール50との間のスピン損失を低減させ、動力伝達効率の低下を抑えることができる。この場合、サンローラ30の外周面31は、第2分割構造体33の外周面、及び、第3分割構造体34の外周面によって構成される。なお、このサンローラ30は、このような分割構造でなくてもよい。
キャリア40は、変速機軸60に配置され、第1回転中心軸線R1を回転中心として第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30等と相対回転可能であり、遊星ボール50の支持軸(スピンドル、あるいはピニオンピンともいう。)51を遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持するものである。キャリア40は、支持軸51の端部が挿入されこの支持軸51の端部を、遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持するガイド部として、第1ガイド部44及び第2ガイド部45を有する。第1ガイド部44及び第2ガイド部45は、それぞれ、支持軸51の端部であり円筒状又は円柱状に形成されるガイド端部としての第1ガイド端部52、第2ガイド端部53が挿入され、この第1ガイド端部52、第2ガイド端部53を遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持する。
ここで、遊星ボール50は、支持軸51を介してキャリア40によって傾転自在に保持されるものである。遊星ボール50は、後述するように、傾転動作によって各回転要素間の回転速度比である変速比を変更可能である。遊星ボール50は、サンローラ30の外周面31上を転がる転動部材である。遊星ボール50は、完全な球状体であることが好ましいが、少なくとも転動方向にて球形を成すもの、例えばラグビーボールの様な断面が楕円形状のものであってもよい。遊星ボール50は、その中心を通って貫通させた支持軸51によって回転自在に支持される。支持軸51は、第2回転中心軸線R2を回転中心として遊星ボール50を支持し両端部が遊星ボール50から突出している。例えば、遊星ボール50は、支持軸51の外周面との間に配設したラジアル軸受RB3、RB4によって、第2回転中心軸線R2を回転軸とした支持軸51に対する相対回転(つまり自転)ができるようにしている。ここでは、遊星ボール50は、貫通孔50aが形成されている。遊星ボール50は、支持軸51が挿入される貫通孔50a内に設けられるラジアル軸受RB3、RB4によって回転可能に支持される。したがって、遊星ボール50は、支持軸51の第2回転中心軸線R2を中心にしてサンローラ30の外周面31上を転動することができる。
支持軸51の基準となる位置は、図1に示すように、第2回転中心軸線R2が第1回転中心軸線R1と平行になる位置である。支持軸51は、基準位置で形成される自身の回転中心軸(第2回転中心軸線R2)と第1回転中心軸線R1とを含む傾転平面内において、基準位置とそこから傾斜させた位置との間を遊星ボール50と共に揺動(傾転)することができる。この傾転は、傾転平面内で遊星ボール50の中心を支点にして行われる。そして、遊星ボール50から突出した支持軸51の両端は、次に説明するようにキャリア40に各遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持される。
キャリア40は、各遊星ボール50の傾転動作を妨げないように、遊星ボール50を支持する支持軸51の端部を支持する。本実施形態のキャリア40は、固定要素としての固定キャリア41と、可動要素としての可動キャリア42と、プレート43とを有する。固定キャリア41、可動キャリア42、プレート43は、いずれも中心軸を第1回転中心軸線R1に一致させた円環板状のものであり、変速機軸60上に設けられる。ここでは、固定キャリア41は、第1回転部材10、トルクカム70等の径方向内側に配置され、可動キャリア42、プレート43は、第2回転部材20、トルクカム71等の径方向内側に配置される。
固定キャリア41は、支持軸51の一端部である第1ガイド端部52側に変速機軸60と相対回転不能に設けられる。固定キャリア41は、内周面側にてボルト等を介して変速機軸60のフランジ部に固定される。可動キャリア42は、支持軸51の他端部である第2ガイド端部53側に固定キャリア41と対向して配置され変速機軸60と相対回転可能に設けられる。可動キャリア42は、所定の回転角度の範囲で変速機軸60と相対回転可能である。すなわち、固定キャリア41と可動キャリア42とは、第1回転中心軸線R1の軸方向に対して、遊星ボール50を挟んで対向するようにして配置される。可動キャリア42は、内周面側にて軸受等を介して変速機軸60の外周面上に第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能に支持される。したがって、可動キャリア42と固定キャリア41とは、第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能である。プレート43は、第1回転中心軸線R1の軸方向に対して遊星ボール50と可動キャリア42との間に配置され固定キャリア41と相対回転不能に設けられる。プレート43は、第1回転中心軸線R1の軸方向に沿った複数の連結軸等を介して固定キャリア41に対して固定される。固定キャリア41とプレート43とは、連結軸等を介して連結されることで全体として籠状の構造となっている。したがって、可動キャリア42とプレート43とは、第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能である。そして、固定キャリア41は、第1ガイド部44を有し、可動キャリア42は、第2ガイド部45を有し、プレート43は、スリット部46を有する。
ここで、本実施形態の支持軸51は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53のうちの一方と中間部54(支持軸51の本体部)とを分割構造としている。支持軸51は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53、中間部54を含む全体円筒状又は円柱状に形成される。この支持軸51は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の外径が中間部54の外径より大きく形成されている。そして、支持軸51は、第2ガイド端部53が中間部54と一体に形成され、第1ガイド端部52が中間部54とは別体に形成されて中間部54に組み付けられる。これにより、無段変速機1は、遊星ボール50と支持軸51との間にラジアル軸受RB3、RB4等を設ける場合に、当該ラジアル軸受RB3、RB4の組み付け性を向上することができる。
第1ガイド部44は、図1、図2、図3に示すように、固定キャリア41に第1回転中心軸線R1と直交する径方向に延在しかつ遊星ボール50に向かって開口して形成される。第1ガイド部44は、有底のガイド溝部として形成され、すなわち、第1回転中心軸線R1の軸方向に対して固定キャリア41を貫通していない構成となっている。ここでは、第1ガイド部44は、直線状に形成され第1回転中心軸線R1側とは反対側の端部、すなわち、径方向外側の端部が開放されている。第1ガイド部44は、複数の遊星ボール50(ここでは8つ)に対応して、第1回転中心軸線R1を中心として放射状に複数(ここでは8つ)設けられる。複数の第1ガイド部44は、第1回転中心軸線R1周りに等間隔で設けられる。第1ガイド部44は、支持軸51の第1ガイド端部52が挿入されこの支持軸51の第1ガイド端部52の移動を案内可能である。ここでは、支持軸51の第1ガイド端部52は、第1ガイド部44によって径方向への移動が案内されるガイド端部として機能する。
第2ガイド部45は、図1、図2、図4に示すように、可動キャリア42に第1回転中心軸線R1と直交する径方向に対して傾斜した方向に延在しかつ遊星ボール50に向かって開口して形成される。第2ガイド部45は、有底のガイド溝部として形成され、すなわち、第1回転中心軸線R1の軸方向に対して可動キャリア42を貫通していない構成となっている。ここでは、第2ガイド部45は、直線状に形成されると共に、第1回転中心軸線R1を通る径方向に沿った直線に対して略平行にオフセットされた位置に形成される。また、第2ガイド部45は、径方向外側の端部が開放されている。第2ガイド部45は、第1ガイド部44と同様に、複数の遊星ボール50(ここでは8つ)に対応して複数(ここでは8つ)設けられる。各第2ガイド部45は、第1回転中心軸線R1の軸方向に見た場合(図1中、矢印A方向に見た場合)に、それぞれ対応する第1ガイド部44と一部が重なって交差する位置に形成される。この第1ガイド部44と第2ガイド部45との交差部位は、固定キャリア41と可動キャリア42とが第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転することで、径方向に沿って移動することとなる。そして、第2ガイド部45は、支持軸51の第2ガイド端部53が挿入されこの支持軸51の第2ガイド端部53の移動を案内可能である。ここでは、支持軸51の第2ガイド端部53は、第2ガイド部45によって移動が案内されるガイド端部として機能する。第2ガイド部45は、内側壁面と第2ガイド端部53の外周面とが当接することで、第2ガイド端部53を支持し所定の径方向位置で位置決めする。
なお、第2ガイド部45は、第1回転中心軸線R1と直交する径方向に対して傾斜した方向に延在する円弧状に形成され、第1回転中心軸線R1の軸方向に見た場合に、第1ガイド部44と一部が重なって交差する位置に形成されてもよい。
スリット部46は、図1、図2、図5に示すように、プレート43に第1回転中心軸線R1と直交する径方向に延在しかつ第1回転中心軸線R1の軸方向に貫通して形成される。すなわち、スリット部46は、プレート43を第1回転中心軸線R1の軸方向に貫通したスリット孔として形成される。ここでは、スリット部46は、直線状に形成され径方向外側の端部が開放されている。スリット部46は、第1ガイド部44と同様に、複数の遊星ボール50(ここでは8つ)に対応して、第1回転中心軸線R1を中心として放射状に複数(ここでは8つ)設けられる。複数のスリット部46は、第1回転中心軸線R1周りに等間隔で設けられる。各スリット部46は、固定キャリア41とプレート43とが固定された状態で、対応する第1ガイド部44と第1回転中心軸線R1の軸方向に対して対向する。したがって、各スリット部46は、第1回転中心軸線R1の軸方向に見た場合(図1中、矢印A方向に見た場合)に、それぞれ対応する第2ガイド部45と一部が重なって交差する位置に形成される。このスリット部46と第2ガイド部45との交差部位は、第1ガイド部44と第2ガイド部45との交差部位と同様に、固定キャリア41と可動キャリア42とが第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転することで、径方向に沿って移動することとなる。そして、スリット部46は、支持軸51の両端部、すなわち、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53との間の中間部54が挿入されこの支持軸51の中間部54の移動を許容する。
上記のように構成されるキャリア40は、第1ガイド部44と第2ガイド部45とスリット部46とによって、支持軸51を遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持する。そして、キャリア40は、固定キャリア41と可動キャリア42との相対回転に伴った第1ガイド部44と第2ガイド部45との相対変位によって支持軸51と共に遊星ボール50を傾転させ各回転要素間の回転速度比である変速比を変更可能である。
ここで、無段変速機1は、遊星ボール50の傾転角が基準位置、すなわち、0度のときに、第1回転部材10と第2回転部材20とが同一回転速度(同一回転数)で回転する。つまり、このときには、第1回転部材10と第2回転部材20との回転比(回転速度又は回転数の比)が1となり、変速比γが1になっている。例えば、第1回転部材10及び第2回転部材20の回転速度を各々「V1」、「V2」とすると、その回転比は、「V1/V2」になる。一方、図2に一点鎖線で示すように、支持軸51と共に遊星ボール50を基準位置から傾転させた際には、支持軸51の中心軸から第1回転部材10との接触部分までの距離が変化すると共に、支持軸51の中心軸から第2回転部材20との接触部分までの距離が変化する。これにより、無段変速機1は、第1回転部材10又は第2回転部材20のうちのいずれか一方が基準位置のときよりも高速で回転し、他方が低速で回転するようになる。例えば、第2回転部材20は、遊星ボール50を一方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも低回転になり(減速)、他方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも高回転になる(増速)。したがって、この無段変速機1においては、その傾転角を変えることによって、各回転要素間の回転比(変速比γ)を無段階に変化させることができる。なおここでの増速時(γ<1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させかつ下側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させる。また、減速時(γ>1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させかつ下側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させる。
本実施形態の無段変速機1は、キャリア40が変速比γを変える機構として機能する。無段変速機1は、キャリア40によって各遊星ボール50の第2回転中心軸線R2を傾斜させて当該各遊星ボール50を傾転させることにより、遊星ボール50の傾転角が変わり、変速比γが変更される。
ここでは、キャリア40は、可動キャリア42と固定キャリア41との相対回転に応じて支持軸51に傾転させる力、すなわち、傾転力を付与し支持軸51と共に遊星ボール50を傾転させる。すなわち、キャリア40は、不図示のECU等の制御に応じてモータなどの駆動装置からウォームギア等の伝達部材を介して可動キャリア42に回転動力が伝達されることで、可動キャリア42が固定キャリア41に対して相対回転する。これにより、第2ガイド部45と第1ガイド部44、スリット部46との交差部位は、第1ガイド部44、スリット部46と第2ガイド部45とが相対変位によって位相がずれることで、径方向に沿って移動することとなる。このとき、支持軸51は、可動キャリア42と固定キャリア41との相対回転に応じて発生する傾転力によって、第2ガイド端部53が第2ガイド部45に沿って案内されながら押し上げられる又は押し下げられるように移動し、第1ガイド端部52が第1ガイド部44に沿って案内されながら移動する。つまり、支持軸51は、第1ガイド端部52が径方向外側、第2ガイド端部53が径方向内側に移動し、あるいは、第2ガイド端部53が径方向外側、第1ガイド端部52が径方向内側に移動することで、第2回転中心軸線R2が第1回転中心軸線R1に対して揺動する。このとき、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、それぞれ遊星ボール50の傾転動作の際に第1ガイド部44、第2ガイド部45と接触した状態で転動し第1ガイド部44、第2ガイド部45によって移動が案内される。
このようにして、キャリア40は、各遊星ボール50の第2回転中心軸線R2が第1回転中心軸線R1を含む平面内に位置し、かつその平面内で第1回転中心軸線R1と平行な状態、すなわち、基準位置にある状態と、その平行状態から傾斜する状態とに傾転させることができる。この結果、支持軸51は、第1ガイド端部52の径方向位置と第2ガイド端部53の径方向位置とのずれに応じて、第1回転中心軸線R1に対する第2回転中心軸線R2の傾斜角度である傾転角が変更され、これに伴って遊星ボール50が傾転する。キャリア40は、このようにして支持軸51に傾転力を付与し、この支持軸51を傾斜させることで第2回転中心軸線R2を傾斜させ、遊星ボール50を傾転させることができる。したがって、この無段変速機1は、遊星ボール50の傾転によって、支持軸51の中心軸から第1回転部材10と遊星ボール50との接触部分までの距離が変化すると共に、支持軸51の中心軸から遊星ボール50と第2回転部材20との接触部分までの距離が変化し、変速比が変更される。このとき、キャリア40は、プレート43においてスリット部46によって支持軸51の中間部54の径方向への揺動が許容される。なお、本実施形態の無段変速機1は、可動キャリア42が図4中の紙面反時計回り方向に回転することで、第2ガイド端部53が中心側(第1回転中心軸線R1)に移動し、変速比が所定の変速幅の範囲内で増速側に変更される。また、無段変速機1は、可動キャリア42が図4中の紙面時計回り方向に回転することで、第2ガイド端部53が外側(第1回転中心軸線R1とは反対側)に移動し、変速比が所定の変速幅の範囲内で減速側に変更される。
上記のように構成される無段変速機1は、例えば、入力軸11にトルクが伝達されると、当該トルクをトルクカム70、第1回転部材10、遊星ボール50、第2回転部材20、トルクカム71等を介して出力軸21に伝達することができる。このとき、無段変速機1は、例えば、入力軸11から第1回転部材10にトルクが伝達されると、トルクカム70、トルクカム71等の作用によって伝達されるトルクの大きさに応じて、第1回転部材10と各遊星ボール50、第2回転部材20と各遊星ボール50とを相対的に接近させ互いに押し付ける方向への押圧力(押圧荷重)が発生する。これにより、無段変速機1は、押圧力に応じた伝達トルク容量が確保され、この伝達トルク容量に応じて第1回転部材10と各遊星ボール50との間、各遊星ボール50と第2回転部材20との間にトラクション力(摩擦力)が発生する。この結果、無段変速機1は、第1回転部材10と各遊星ボール50との間、各遊星ボール50と第2回転部材20との間で相互に動力(トルク)を伝達することができる。
また、このトルクカム70、トルクカム71による押圧力は、第1回転部材10、第2回転部材20の接触面10a、20aと各遊星ボール50の外面の形状及び位置関係に応じた作用によって、各遊星ボール50を介してサンローラ30にも伝わる。これにより、無段変速機1は、トルクカム70、トルクカム71による押圧力に応じて各遊星ボール50とサンローラ30との間にトラクション力(摩擦力)が発生して、各遊星ボール50とサンローラ30との間でも相互に動力(トルク)を伝達することができる。
したがって、無段変速機1は、第1回転部材10の回転に伴い第1回転部材10と各遊星ボール50との間に摩擦力(トラクション力)が発生し、各遊星ボール50が自転を始める。そして、無段変速機1は、各遊星ボール50の回転によって、各遊星ボール50と第2回転部材20との間、各遊星ボール50とサンローラ30との間にも摩擦力が発生し、第2回転部材20とサンローラ30も回転を始める。同様に、無段変速機1は、第2回転部材20の回転に伴い各遊星ボール50が自転を始め、第1回転部材10とサンローラ30も回転を始める。そして、無段変速機1は、駆動装置からの動力によってキャリア40が上記のようにして各遊星ボール50を傾転させ各遊星ボール50の傾転角を変更することで変速比γを無段階に変更することができる。
ところで、本実施形態の無段変速機1は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53がそれぞれ曲面形状を有し、第1ガイド部44、第2ガイド部45がそれぞれ所定の形状の溝部47、溝部48を有する。これにより、無段変速機1は、支持軸51の第1ガイド端部52、第2ガイド端部53における面圧低減構造を実現し、耐久性の向上を図っている。
具体的には、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、図6に示すように、樽型の形状(いわゆるバレル形状)をなしている。なお、以下の説明では、第1ガイド端部52と第2ガイド端部53、第1ガイド部44と第2ガイド部45とは、ほぼ同様の構成であるので、特に断りのない限り、できるだけ重複する説明、図示を省略し共通の説明とする。
第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、それぞれ第1ガイド部44、第2ガイド部45との接触面55、接触面56が転動中心に沿った方向に対して径方向外側に向けて突出した曲面形状を有する。
ここで、接触面55、接触面56は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の外周面に相当し、さらに言えば、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の転動面に相当する。また、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の転動中心は、当該第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の中心軸線であり、典型的には、第2回転中心軸線R2に相当する。さらに、転動中心に沿った方向とは、典型的には、遊星ボール50の傾転動作の際に第1ガイド端部52、第2ガイド端部53が転動し移動する方向と直交する方向であり、ここでは、第2回転中心軸線R2の軸方向である。
つまり、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、転動中心に沿った断面視、すなわち、図6に示す軸方向に沿った断面視にて、接触面55、接触面56が径方向外側に向けて突出した正円弧状の曲面形状を有する。さらに言えば、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、第2回転中心軸線R2と直交する断面が正円形状をなし、当該正円形状の直径(外径)が軸方向中心部で最大であり、両端に向うにしたがって徐々に小さくなる形状に形成される。
第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、遊星ボール50の傾転動作の際に上記のような曲面形状を有する接触面55、接触面56が第1ガイド部44、第2ガイド部45の接触面44a、接触面45aに接触した状態で第2回転中心軸線R2を回転中心として転動する。これにより、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、第1ガイド部44、第2ガイド部45によって移動が案内される。
この無段変速機1は、上記で説明したように、いわゆるスキュー変速を行うCVPであり、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、傾転、スキュー方向の回転を担う必要がある。さらに、無段変速機1は、摩擦力低減のための転がり運動を加えると、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53に対して3軸方向の回転が要求される。
これに対して、無段変速機1は、上記のように第1ガイド端部52、第2ガイド端部53が球面樽型の形状(バレル形状)に形成されることで、傾転、スキュー方向の回転、転動の三次元の動作を円滑に行うことができる。
一方、第1ガイド部44、第2ガイド部45の接触面44a、接触面45aは、図3、図4、図6に示すように、それぞれ第1ガイド部44、第2ガイド部45の側壁面として形成される。接触面44aは、各第1ガイド部44に対して一対で設けられる。一対の接触面44aは、各第1ガイド部44において遊星ボール50の傾転動作の際に第1ガイド端部52が移動する方向に沿って設けられ、互いに対向している。接触面45aは、各第2ガイド部45に対して一対で対向して設けられる。一対の接触面45aは、各第2ガイド部45において遊星ボール50の傾転動作の際に第2ガイド端部53が移動する方向に沿って設けられ、互いに対向している。接触面44a、接触面45aは、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53が接触して転動する転動面に相当する。
そして、第1ガイド部44、第2ガイド部45は、図1、図2、図6に示すように、それぞれ第1ガイド端部52、第2ガイド端部53との接触面44a、接触面45aに溝部47、溝部48を有する。溝部47は、各接触面44aにおいて、それぞれ第1ガイド端部52の移動の方向に沿って形成される。溝部48は、各接触面45aにおいて、それぞれ第2ガイド端部53の移動の方向に沿って形成される。溝部47、溝部48は、それぞれ第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の一部がはまり当該第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56と接触する。言い換えれば、溝部47、溝部48は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の一部が収容され、当該第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56と接触する。
そして、本実施形態の溝部47、溝部48は、底面が転動中心に沿った方向、すなわち、第2回転中心軸線R2の軸方向に対して窪んだ曲面形状を有する(R溝)。つまり、溝部47、溝部48は、転動中心に沿った断面視、すなわち、図6に示す軸方向に沿った断面視にて、底面が窪んだ正円弧状の曲面形状を有する。
そして、この溝部47、溝部48は、当該曲面形状の曲率が第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の曲面形状の曲率以下に形成される。ここでは、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の曲面形状の曲率は、転動中心に沿った断面視、すなわち、図6に示す軸方向に沿った断面視における接触面55、接触面56の曲率であり、当該断面視における接触面55、接触面56の曲面形状の半径Raを用いて[1/Ra]と表すことができる。溝部47、溝部48の曲面形状の曲率は、転動中心に沿った断面視、すなわち、図6に示す軸方向に沿った断面視における溝部47、溝部48の底面の曲率であり、当該断面視における溝部47、溝部48の底部の曲面形状の半径Rbを用いて[1/Rb]と表すことができる。そして、溝部47、溝部48の底部の曲面形状と第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56の曲面形状とは、下記の数式(1)を満たすように形成される。

1/Rb≦1/Ra ・・・ (1)
(Rb≧Ra)
上記のように構成される無段変速機1は、遊星ボール50の傾転動作の際に、所定の曲面形状を有する第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の一部が第1ガイド部44、第2ガイド部45の溝部47、溝部48にはまった状態で転動し移動が案内される。したがって、無段変速機1は、球面樽型の形状に形成された第1ガイド端部52、第2ガイド端部53にて遊星ボール50の傾転動作等に伴う傾転、スキュー方向の回転、転動の三次元の動作を許容することができ、傾転動作を円滑に行うことができる。
そして、無段変速機1は、溝部47、溝部48の作用により、例えば、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53を樽型の形状とした上で溝部47、溝部48を設けずに第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56と第1ガイド部44、第2ガイド部45の接触面44a、接触面45aとが点接触するような場合と比較して、接触面55、接触面56と溝部47、溝部48との接触部位における接触面圧を抑制することができる。これにより、無段変速機1は、接触面55、接触面56と溝部47、溝部48との接触部位における接触面圧を抑制することができるので、キャリア40の第1ガイド部44、第2ガイド部45や支持軸51の第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の耐久性や耐摩耗性を向上することができる。
より詳細には、無段変速機1は、凹状の曲面形状である溝部47、溝部48の曲率1/Rbが凸状の曲面形状である第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の曲率1/Ra以下に形成される。これにより、無段変速機1は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56と第1ガイド部44、第2ガイド部45の溝部47、溝部48との等価半径が相対的に大きくなり、接触面積を相対的に大きくすることができる。この結果、無段変速機1は、上記のように接触面55、接触面56と溝部47、48との接触部位における単位面積あたりの接触面圧を抑制することができ、耐久性を向上することができる。
一方、無段変速機1は、例えば、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53を樽型の形状ではなく純粋な円筒(円柱)形状としかつ溝部47、48を設けずに第1ガイド端部52、第2ガイド端部53と第1ガイド部44、第2ガイド部45とが線接触するような場合と比較して、接触面積が大きくなりすぎることを抑制することができる。これにより、無段変速機1は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53と第1ガイド部44、第2ガイド部45との接触部位、すなわち、接触面55、接触面56と溝部47、溝部48との接触部位に大きな摩擦力が発生することを抑制することができるので、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53と第1ガイド部44、第2ガイド部45との間で傾転動作に要するトルク(変速トルク)が増大することを抑制することができる。この結果、無段変速機1は、耐久性の向上と変速トルクの増大の抑制を両立することができ、耐久性を向上した上で円滑な変速動作を実現することができる。
以上で説明した実施形態に係る無段変速機1によれば、変速機軸60と、第1回転部材10及び第2回転部材20と、遊星ボール50と、支持軸51と、キャリア40とを備える。変速機軸60は、回転中心となる。第1回転部材10及び第2回転部材20は、変速機軸60に軸方向に対向して配置され、共通の第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能である。遊星ボール50は、第1回転中心軸線R1とは異なる第2回転中心軸線R2を回転中心として回転可能である。遊星ボール50は、第1回転部材10と第2回転部材20とに挟持され第1回転部材10及び第2回転部材20との間でトルクを伝達可能である。遊星ボール50は、傾転動作によって各回転要素間の回転速度比である変速比を変更可能である。支持軸51は、第2回転中心軸線R2を回転中心として遊星ボール50を支持し両端部が当該遊星ボール50から突出する。キャリア40は、第1回転中心軸線R1を回転中心として第1回転部材10、及び、第2回転部材20と相対回転可能に変速機軸60に配置される。キャリア40は、支持軸51の端部であり円筒状又は円柱状に形成される第1ガイド端部52、第2ガイド端部53が挿入され当該第1ガイド端部52、第2ガイド端部53を遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持する第1ガイド部44、第2ガイド部45を有する。そして、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、遊星ボール50の傾転動作の際に第1ガイド部44、第2ガイド部45と接触した状態で転動しこの第1ガイド部44、第2ガイド部45によって移動が案内される。第1ガイド端部52、第2ガイド端部53は、第1ガイド部44、第2ガイド部45との接触面55、接触面56が転動中心に沿った方向に対して径方向外側に向けて突出した曲面形状を有する。第1ガイド部44、第2ガイド部45は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53との接触面44a、接触面45aに当該第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の移動の方向に沿って形成され当該第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の一部がはまり当該第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56と接触する溝部47、溝部48を有する。
したがって、無段変速機1は、遊星ボール50の傾転動作の際に、所定の曲面形状を有する第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の一部が第1ガイド部44、第2ガイド部45の溝部47、溝部48にはまった状態で転動し移動が案内される。この結果、無段変速機1は、接触面55、接触面56と溝部47、48との接触部位における接触面圧を抑制することができ、耐久性を向上することができる。またこれにより、無段変速機1は、例えば、支持軸51の第2回転中心軸線R2の軸方向に対する位置決め性能を向上することができると共に、接触面44a、接触面45a等の仕上げの簡易化(仕上げ面の限定)、表面処理の簡易化(必要硬さ低減)、加工性向上(必要硬さ低減)、精度向上(熱歪低減)、低コスト化(材料、加工性)等を実現することができる。
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係る無段変速機の第1ガイド端部、第2ガイド端部の部分断面図である。実施形態2に係る無段変速機は、溝部の形状が実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。なお、実施形態2に係る無段変速機の各構成の詳細については、適宜、図1乃至図5を参照する(以下の実施形態でも同様である。)。
図7に示す本実施形態の無段変速機201は、第1ガイド部44、第2ガイド部45がそれぞれ接触面44a、接触面45aに溝部247、溝部248を有する。溝部247は、各接触面44aにおいて、それぞれ第1ガイド端部52の移動の方向に沿って形成される。溝部248は、各接触面45aにおいて、それぞれ第2ガイド端部53の移動の方向に沿って形成される。
そして、本実施形態の溝部247、溝部248は、底面が複数の面により構成される。ここでは、溝部247、溝部248は、底面が2つの面249a、249bによって構成される。面249a、249bは、平面に形成される。つまり、溝部247、溝部248は、転動中心に沿った断面視、すなわち、図7に示す軸方向に沿った断面視にて、底面が複数の面249a、249bによってV字型の断面形状を有する(V字溝)。
上記のように構成される無段変速機201は、遊星ボール50の傾転動作の際に、所定の曲面形状を有する第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の一部が第1ガイド部44、第2ガイド部45の溝部247、溝部248にはまった状態で転動し移動が案内される。したがって、無段変速機201は、球面樽型の形状に形成された第1ガイド端部52、第2ガイド端部53にて遊星ボール50の傾転動作等に伴う傾転、スキュー方向の回転、転動の三次元の動作を許容することができ、傾転動作を円滑に行うことができる。そして、無段変速機201は、接触面55、接触面56と溝部247、溝部248との接触部位における接触面圧を抑制することができる。これにより、無段変速機201は、接触面55、接触面56と溝部247、溝部248との接触部位における接触面圧を抑制することができるので、キャリア40の第1ガイド部44、第2ガイド部45や支持軸51の第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の耐久性や耐摩耗性を向上することができる。
より詳細には、無段変速機201は、溝部247、溝部248の底面が複数の面249a、249bによってV字型に形成される。これにより、無段変速機201は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56と第1ガイド部44、第2ガイド部45の溝部247、溝部248とがそれぞれ2点で接触するようになる。この結果、無段変速機201は、接触面55、接触面56と溝部247、溝部248との接触部位における1点あたりの接触面圧を抑制することができ、耐久性を向上することができる。
また、無段変速機201は、接触面積が大きくなりすぎることを抑制することができるので、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53と第1ガイド部44、第2ガイド部45との接触部位、すなわち、接触面55、接触面56と溝部247、溝部248との接触部位に大きな摩擦力が発生することを抑制することができる。これにより、無段変速機201は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53と第1ガイド部44、第2ガイド部45との間で傾転動作に要するトルク(変速トルク)が増大することを抑制することができる。この結果、無段変速機201は、耐久性の向上と変速トルクの増大抑制を両立することができ、耐久性を向上した上で円滑な変速動作を実現することができる。
ここで、接触面55、接触面56と溝部247、溝部248との接触部位における1点あたりの法線力は、下記の数式(2)で表すことができる。数式(2)において、「F0」は第1ガイド端部52、第2ガイド端部53から溝部247、溝部248に作用する力、「F1」は接触面55、接触面56と溝部247、溝部248の面249aとの接触点に作用する法線力、「F2」は接触面55、接触面56と溝部247、溝部248の面249bとの接触点に作用する法線力、「θ1」は接触面55、接触面56と溝部247、溝部248の面249aとの接触点の接触角、「θ2」は接触面55、接触面56と溝部247、溝部248の面249bとの接触点の接触角を表している(図7参照)。

1・cosθ1+F2・cosθ2=F0 ・・・ (2)
複数の面249a、249bと第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56との接触角θ1、θ2は、接触面55、接触面56と溝部247、溝部248の面249a、249bとの接触部分の法線と、基準線とがなす角度のことである。ここでは、接触角θ1、θ2の基準線は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の転動方向、すなわち、転動中心(第2回転中心軸線R2)と直交する方向に沿った線である。
本実施形態の無段変速機201は、[θ1=θ2]により、[F1=F2]となり、1つの接触点における法線力は、下記の数式(3)で表すように、接触角θ1、θ2によって定まることとなる(「i」=1、2)。

i=F0/2cosθi ・・・ (3)
本実施形態の溝部247、溝部248は、複数の面249a、249bと第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56との接触角θ1、θ2が0度より大きく60度より小さい範囲内に設定される(0°<θ1、θ2<60°)。この結果、無段変速機201は、接触角θ1、θ2を0°に近づけるほど、接触面55、接触面56と溝部247、溝部248との接触部位における1点あたりの法線力の低減効果を大きくすることができる。したがって、無段変速機201は、接触面55、接触面56と溝部247、溝部248との接触部位における1点あたりの接触面圧をより確実に抑制することができ、さらに耐久性を向上することができる。
以上で説明した実施形態に係る無段変速機201は、遊星ボール50の傾転動作の際に、所定の曲面形状を有する第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の一部が第1ガイド部44、第2ガイド部45の溝部247、溝部248にはまった状態で転動し移動が案内される。この結果、無段変速機201は、接触面55、接触面56と溝部247、溝部248との接触部位における接触面圧を抑制することができ、耐久性を向上することができる。
そしてさらに、無段変速機201は、溝部247、溝部248の底面が複数の面249a、249bによってV字型に形成されることから、接触部位が2点接触になることで遊星ボール50の傾転動作の際の第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の転がり抵抗をさらに抑制することができ、さらなる円滑な変速動作を実現することができる。
なお、以上の説明では、溝部247、溝部248は、底面が2つの面249a、249bによって構成されるものとして説明したがこれに限らず、3つ以上の面で構成されてもよい。
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係る無段変速機の第1ガイド端部、第2ガイド端部の部分断面図である。実施形態3に係る無段変速機は、溝部の形状が実施形態1、2とは異なる。
図8に示す本実施形態の無段変速機301は、第1ガイド部44、第2ガイド部45がそれぞれ接触面44a、接触面45aに溝部347、溝部348を有する。溝部347は、各接触面44aにおいて、それぞれ第1ガイド端部52の移動の方向に沿って形成される。溝部348は、各接触面45aにおいて、それぞれ第2ガイド端部53の移動の方向に沿って形成される。
そして、本実施形態の溝部347、溝部348は、底面が複数の面により構成される。ここでは、溝部347、溝部348は、底面が2つの面349a、349bによって構成される。本実施形態の面349a、349bは、それぞれ溝部47、溝部48(図6参照)の底面と同様の曲面形状に形成される。つまり、溝部347、溝部348は、転動中心に沿った断面視、すなわち、図8に示す軸方向に沿った断面視にて、全体として底面が複数の面349a、349bによって略V字型の断面形状を有すると共に略V字型の各面が曲面形状に形成される(V字R溝)。
溝部347、溝部348は、面349a、349bの曲面形状の曲率が溝部47、溝部48(図6参照)の底面と同様に、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の曲面形状の曲率以下に形成される。ここでは、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の曲面形状の曲率は、上記と同様に、転動中心に沿った断面視、すなわち、図8に示す軸方向に沿った断面視における接触面55、接触面56の曲面形状の半径Raを用いて[1/Ra]と表すことができる。面349a、349bの曲面形状の曲率は、転動中心に沿った断面視、すなわち、図8に示す軸方向に沿った断面視における面349a、349bの曲面形状の半径Rbを用いて[1/Rb]と表すことができる。そして、溝部347、溝部348の面349a、349bの曲面形状と第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56の曲面形状とは、上記の数式(1)を満たすように形成される。
また、本実施形態の溝部347、溝部348は、溝部247、溝部248(図7参照)と同様に、複数の面349a、349bと第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56との接触角θ1、θ2が0度より大きく60度より小さい範囲内に設定される(0°<θ1、θ2<60°)。
上記のように構成される無段変速機301は、遊星ボール50の傾転動作の際に、所定の曲面形状を有する第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の一部が第1ガイド部44、第2ガイド部45の溝部347、348にはまった状態で転動し移動が案内される。したがって、無段変速機301は、球面樽型の形状に形成された第1ガイド端部52、第2ガイド端部53にて遊星ボール50の傾転動作等に伴う傾転、スキュー方向の回転、転動の三次元の動作を許容することができ、傾転動作を円滑に行うことができる。そして、無段変速機301は、接触面55、接触面56と溝部347、348との接触部位における接触面圧を抑制することができる。これにより、無段変速機301は、接触面55、接触面56と溝部347、348との接触部位における接触面圧を抑制することができるので、キャリア40の第1ガイド部44、第2ガイド部45や支持軸51の第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の耐久性や耐摩耗性を向上することができる。
より詳細には、無段変速機301は、溝部347、溝部348の底面が複数の面349a、349bによって略V字型に形成される。これにより、無段変速機301は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56と第1ガイド部44、第2ガイド部45の溝部347、溝部348とがそれぞれ2点で接触するようになる。この結果、無段変速機301は、接触面55、接触面56と溝部347、348との接触部位における1点あたりの法線力を抑制し接触面圧を抑制することができ、耐久性を向上することができる。
その上で、無段変速機301は、さらに、凹状の曲面形状である溝部347、溝部348の面349a、349bの曲率1/Rbが凸状の曲面形状である第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の曲率1/Ra以下に形成される。これにより、無段変速機301は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の接触面55、接触面56と溝部347、溝部348の面349a、349bとの等価半径が相対的に大きくなり、接触面積を相対的に大きくすることができる。この結果、無段変速機1は、接触面55、接触面56と溝部347、348との各接触部位における単位面積あたりの接触面圧を抑制することができ、さらに耐久性を向上することができる。
以上で説明した実施形態に係る無段変速機301は、遊星ボール50の傾転動作の際に、所定の曲面形状を有する第1ガイド端部52、第2ガイド端部53の一部が第1ガイド部44、第2ガイド部45の溝部347、348にはまった状態で転動し移動が案内される。この結果、無段変速機301は、接触面55、接触面56と溝部347、348との接触部位における接触面圧を抑制することができ、耐久性を向上することができる。
なお、図9は、上記で説明した各実施形態に係る無段変速機1、201、301と比較例に係る無段変速機との接触面圧の一例を比較するための線図である。図9中、横軸を左から順に比較例、無段変速機1(R溝)、無段変速機301(V字R溝)、無段変速機201(V字溝)とし、縦軸を第1ガイド端部52、第2ガイド端部53と第1ガイド部44、第2ガイド部45との接触部位の接触面圧としている。比較例に係る無段変速機は、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53を樽型の形状とした上で溝部47、48、247、248、347,348を備えないものである。本図からも明らかなように、無段変速機1、201、301は、比較例に係る無段変速機と比較して、第1ガイド端部52、第2ガイド端部53と第1ガイド部44、第2ガイド部45との接触部位の接触面圧を低減することができる。なかでも、V字R溝である溝部347、348を有する無段変速機301における接触面圧の低下が特に大きく、ついでR溝である溝部47、48を有する無段変速機1における接触面圧の低下が次に大きくなっていることが理解できる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る無段変速機は、上述した実施形態に限定されず、請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る無段変速機は、以上で説明した各実施形態の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
以上で説明した溝部は、ガイド端部との接触面に当該ガイド端部の移動の方向に沿って形成され当該ガイド端部の一部がはまり当該ガイド端部の接触面と接触するものであればよく、上述したようなR溝、V字溝、V字R溝に限られない。
また、以上で説明した支持軸のガイド端部は、中間部と別体に構成され、当該中間部に組み付けられるローラ等によって構成されてもよい。
1、201、301 無段変速機
10 第1回転部材(第1回転要素)
20 第2回転部材(第2回転要素)
30 サンローラ
40 キャリア(支持回転要素)
41 固定キャリア
42 可動キャリア
44 第1ガイド部(ガイド部)
44a、45a 接触面
45 第2ガイド部(ガイド部)
47、48、247、248、347、348 溝部
50 遊星ボール(転動部材)
51 支持軸
52 第1ガイド端部(ガイド端部)
53 第2ガイド端部(ガイド端部)
55、56 接触面
60 変速機軸
249a、249b、349a、349b 面
R1 第1回転中心軸線
R2 第2回転中心軸線

Claims (5)

  1. 回転中心となる変速機軸と、
    前記変速機軸に軸方向に対向して配置され、共通の第1回転中心軸線を回転中心として相対回転可能である第1回転要素及び第2回転要素と、
    前記第1回転中心軸線とは異なる第2回転中心軸線を回転中心として回転可能であり前記第1回転要素と前記第2回転要素とに挟持され当該第1回転要素及び当該第2回転要素との間でトルクを伝達可能であると共に、傾転動作によって各回転要素間の回転速度比である変速比を変更可能である転動部材と、
    前記第2回転中心軸線を回転中心として前記転動部材を支持し両端部が当該転動部材から突出した支持軸と、
    前記第1回転中心軸線を回転中心として前記第1回転要素、及び、前記第2回転要素と相対回転可能に前記変速機軸に配置されると共に、前記支持軸の端部であり円筒状又は円柱状に形成されるガイド端部が挿入され当該ガイド端部を前記転動部材の傾転動作が可能な状態で保持するガイド部を有する支持回転要素とを備え、
    前記ガイド端部は、前記転動部材の傾転動作の際に前記ガイド部と接触した状態で転動し当該ガイド部によって移動が案内され、前記ガイド部との接触面が転動中心に沿った方向に対して径方向外側に向けて突出した曲面形状を有し、
    前記ガイド部は、前記ガイド端部との接触面に当該ガイド端部の移動の方向に沿って形成され当該ガイド端部の一部がはまり当該ガイド端部の接触面と接触する溝部を有することを特徴とする、
    無段変速機。
  2. 前記溝部は、底面が複数の面により構成される、
    請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記溝部は、前記複数の面と前記ガイド端部の接触面との接触角が0度より大きく60度より小さい範囲内に設定される、
    請求項2に記載の無段変速機。
  4. 前記溝部は、底面が前記転動中心に沿った方向に対して窪んだ曲面形状を有し、当該曲面形状の曲率が前記ガイド端部の前記曲面形状の曲率以下である、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無段変速機。
  5. 前記溝部の前記曲面形状の曲率は、前記転動中心に沿った断面視における当該溝部の底面の曲率であり、
    前記ガイド端部の前記曲面形状の曲率は、前記転動中心に沿った断面視における当該ガイド端部の接触面の曲率である、
    請求項4に記載の無段変速機。
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