JP5760668B2 - シート状構造体及びその製造方法並びに電子機器及びその製造方法 - Google Patents

シート状構造体及びその製造方法並びに電子機器及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、シート状構造体及びその製造方法並びに電子機器及びその製造方法に関する。
サーバーやパーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)などに用いられる電子部品には、例えばLSI(Large Scale Integration)チップなどの半導体チップから発する熱を効率よく放熱することが求められる。なお、半導体チップを、半導体素子あるいは発熱体ともいう。
このため、半導体チップの直上に設けられたインジウムシートなどの熱伝導性シートや熱伝導性ポリマーを介して、銅などの高い熱伝導度を有する材料からなるヒートスプレッダが配置された構造を有している。つまり、半導体チップとヒートスプレッダとを、熱伝導性シートや熱伝導性ポリマーを介して熱的に接触させている。なお、ヒートスプレッダを放熱体ともいう。
しかしながら、近年におけるレアメタルの大幅な需要増加によってインジウム価格は高騰しており、インジウムよりも安価な代替材料が待望されている。また、物性的に見てもインジウムの熱伝導度(約80W/m・K)は高いとはいえず、全体の放熱性能を低下させる要因になっている。なお、その他の熱伝導性シートや熱伝導性ポリマーについても同様である。
このため、半導体チップから生じた熱をより効率的に放熱させるために更に高い熱伝導度(熱伝導性;熱伝導率)を有する材料が望まれていた。つまり、放熱性能を向上させるために、半導体チップとヒートスプレッダとの間に設けられるサーマルインターフェイスマテリアル(TIM:Thermal Interface Material)の熱伝導度を高める、言い換えると、熱抵抗を低減することが望まれていた。
このような背景から、インジウムなどの熱伝導性シートや熱伝導性ポリマーよりも高い熱伝導度を有する材料として、カーボンナノチューブ(CNT:Carbon nano tube)に代表される炭素元素からなる線状構造体が注目されている。例えば、カーボンナノチューブは、非常に高い熱伝導度(約1500〜約3000W/m・K)を有するだけでなく、柔軟性や耐熱性に優れた材料であり、放熱材料として高いポテンシャルを有している。
カーボンナノチューブを用いた熱伝導性シートとしては、例えば樹脂中にカーボンナノチューブを分散したもの、基板上に配向成長したカーボンナノチューブ束を樹脂等によって埋め込んだものなどがある。
特開2005−150362号公報 特開2006−147801号公報 特開2006−303240号公報
ところで、上述の線状構造体をサーマルインターフェイスマテリアルとして用いる場合、複数の線状構造体の間に樹脂を充填して形成された樹脂層(充填層)によって各線状構造体が支持されたシート状構造体とし、ハンドリング可能なものとしている。
このようなシート状構造体を半導体チップとヒートスプレッダとの間に設ける場合、半導体チップとヒートスプレッダとはシート状構造体に備えられる樹脂層によって接着されることになる。
しかしながら、線状構造体の機械的強度が十分でないため、例えば樹脂層をリフローさせ、荷重をかけて接着する際などに、線状構造体が押し潰されてしまう場合がある。また、線状構造体と半導体チップとの間、及び、線状構造体とヒートスプレッダとの間に樹脂が残存してしまう場合がある。これらの場合、線状構造体と半導体チップとの間、及び、線状構造体とヒートスプレッダとの間に樹脂が存在することになるため、熱抵抗を低減するのは難しい。
つまり、上述のようなシート状構造体を用いる場合、全体の熱抵抗は、線状構造体自身の熱抵抗と、線状構造体と半導体チップとの間の接触熱抵抗と、線状構造体とヒートスプレッダとの間の接触熱抵抗との和になる。なお、接触熱抵抗を界面熱抵抗ともいう。
この場合、カーボンナノチューブに代表される炭素元素からなる線状構造体は熱伝導度が非常に高いため、全体の熱抵抗に占める線状構造体自身の熱抵抗の割合は大きくない。このため、全体の熱抵抗を低減し、放熱性能を向上させるためには、線状構造体と半導体チップとの間の接触熱抵抗、及び、線状構造体とヒートスプレッダとの間の接触熱抵抗を低減することが非常に重要となる。
しかしながら、上述のようなシート状構造体を用いる場合、線状構造体と半導体チップとの間、及び、線状構造体とヒートスプレッダとの間に樹脂が存在することになるため、接触熱抵抗を低減するのは難しい。つまり、半導体チップからヒートスプレッダへの熱伝導パスに樹脂が存在することになるため、全体の熱抵抗を低減し、放熱性能を向上させるのは難しい。
そこで、充填層としての樹脂層を設けることなく、線状構造体の機械的強度を向上させて、ハンドリング可能なシート状構造体及びその製造方法を実現したい。
また、線状構造体と発熱体との間の接触熱抵抗、及び、線状構造体と放熱体との間の接触熱抵抗を低減し、放熱性能を向上させた電子機器及びその製造方法を実現したい。
本シート状構造体は、炭素元素によって形成された複数の線状構造体と、複数の線状構造体のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆う被覆層とを備え、複数の線状構造体は、被覆層を介して互いに部分的に結合されており、被覆層は、100nm以下の厚さを有することを要件とする。
本電子機器は、発熱体と、放熱体と、発熱体と放熱体との間に設けられ、炭素元素によって形成された複数の線状構造体と、複数の線状構造体のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆う被覆層とを備え、複数の線状構造体が被覆層を介して互いに部分的に結合されているシート状構造体と、0.1W/m・Kよりも熱伝導率が高い材料からなり、発熱体とシート状構造体の複数の線状構造体のそれぞれの端面とを接合する第1接合層と、0.1W/m・Kよりも熱伝導率が高い材料からなり、放熱体とシート状構造体の複数の線状構造体のそれぞれの端面とを接合する第2接合層とを備え、被覆層は、100nm以下の厚さを有することを要件とする。
本シート状構造体の製造方法は、基板上に、炭素元素からなる複数の線状構造体を形成する工程と、複数の線状構造体のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆い、100nm以下の厚さを有する被覆層を形成する工程と、被覆層を介して互いに部分的に結合されている複数の線状構造体を、基板から剥離する工程とを含むことを要件とする。
本電子機器の製造方法は、炭素元素によって形成された複数の線状構造体と、複数の線状構造体のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆い、100nm以下の厚さを有する被覆層とを備え、複数の線状構造体が被覆層を介して互いに部分的に結合されているシート状構造体の複数の線状構造体のそれぞれの端面を、0.1W/m・Kよりも熱伝導率が高い材料からなる第1接合層を介して発熱体に接合する工程と、シート状構造体の複数の線状構造体のそれぞれの端面を、0.1W/m・Kよりも熱伝導率が高い材料からなる第2接合層を介して放熱体に接合する工程とを含むことを要件とする。
したがって、本シート状構造体及びその製造方法によれば、充填層としての樹脂層を設けることなく、線状構造体の機械的強度を向上させて、ハンドリング可能なシート状構造体及びその製造方法を実現することができるという利点がある。
また、本電子機器及びその製造方法によれば、線状構造体と発熱体との間の接触熱抵抗、及び、線状構造体と放熱体との間の接触熱抵抗を低減し、放熱性能を向上させた電子機器及びその製造方法を実現することができるという利点がある。
第1実施形態のシート状構造体の構成を示す模式的斜視図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態のシート状構造体の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 第1実施形態のシート状構造体の変形例の構成を示す模式的斜視図である。 第2実施形態の電子機器の構成及び電子機器の製造方法を説明するための模式的断面図である。 第2実施形態の電子機器の構成及び電子機器の製造方法を説明するための模式的断面図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかるシート状構造体及びその製造方法並びに電子機器及びその製造方法について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかるシート状構造体及びその製造方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。
本実施形態にかかるシート状構造体は、図1に示すように、炭素元素によって形成された複数の線状構造体として例えば複数のカーボンナノチューブ1を備えるカーボンナノチューブシート2である。なお、カーボンナノチューブシート2を、シート状のカーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ構造体、あるいは、シート状カーボンナノチューブ構造体ともいう。
ここでは、カーボンナノチューブシート2は、間隔を開けて配置された複数のカーボンナノチューブ1を有している。なお、カーボンナノチューブ1は、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブのいずれでも良い。
ここで、カーボンナノチューブ1は、垂直配向している。つまり、複数のカーボンナノチューブ1は、シート2の膜厚方向、即ち、シート2の面と交差する方向に配向している。
カーボンナノチューブ1の面密度は、特に限定されるものではないが、放熱性及び電気伝導性の観点から、約1×1010本/cm以上であることが望ましい。複数のカーボンナノチューブ1は、束状に密集した状態で形成されており、束状構造体を形成している。
カーボンナノチューブ1の直径(平均値)は、特に限定されるものではないが、例えば約25nmである。
カーボンナノチューブ1の長さ、即ち、シート2の厚さは、カーボンナノチューブシート2の用途によって決まり、特に限定されるものではないが、好ましくは約5μm〜約500μm程度の値に設定することができる。例えば、カーボンナノチューブシート2を、発熱体(例えば半導体チップ)と放熱体(例えばヒートスプレッダ)との間に形成するサーマルインターフェイスマテリアルとして使用する場合、少なくとも発熱体及び放熱体の表面の凹凸を埋める長さ以上であることが望ましい。なお、発熱体及び放熱体を被着体ともいう。
特に、本実施形態では、複数のカーボンナノチューブ1を支持する充填層としての樹脂層は形成されていない。一方、本実施形態では、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆う被覆層3が形成されており、この被覆層3を介して複数のカーボンナノチューブ1が互いに部分的に結合されている。ここでは、被覆層3は、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの長手方向に沿う側面の全体及び一方の端面(図1中、上側の端面)を覆っている。つまり、複数のカーボンナノチューブ1の他方の端面(図1中、下側の端面)は、被覆層3によって覆われておらず、露出した状態になっている。なお、被覆層3を、被膜又はコーティングともいう。
実際には、複数のカーボンナノチューブ1は、それぞれ、シート2の膜厚方向に対して傾いており、隣接するカーボンナノチューブ1が互いに接触するように形成される。例えば、複数のカーボンナノチューブ1の少なくとも一部が互いに絡まり合うようにして形成される。このため、実際のカーボンナノチューブ1の束状構造体は、隣接するカーボンナノチューブ同士が互いに支え合うような構造になっている。
そして、複数のカーボンナノチューブ1の表面を覆う被覆層3を形成する際に、複数のカーボンナノチューブ1が互いに接触している部分を覆うように形成された被覆層3によって、複数のカーボンナノチューブ1が互いに結合される。例えば、複数のカーボンナノチューブ1が互いに絡まり合った構造を有する束状構造体において、絡まり合った複数のカーボンナノチューブ1に被覆層3を形成することで、被覆層3によって隣接するカーボンナノチューブ同士が互いに連結された構造となる。
このようにして、隣接するカーボンナノチューブ1の表面に形成される被覆層3が互いに部分的に結合することで、被覆層3を介して複数のカーボンナノチューブ1が互い部分的に結合される。
このように、複数のカーボンナノチューブ1は、それぞれ、被覆層3によって覆われているため、カーボンナノチューブ1(又はカーボンナノチューブの束状構造体)の機械的強度が向上する。これにより、カーボンナノチューブシート2の機械的強度も向上する。また、被覆層3によって複数のカーボンナノチューブ1が互いに結合しているため、その状態で、即ち、充填層を設けずに、基板から剥離して取り出すことができ、ハンドリング可能なカーボンナノチューブシート2を実現することができる。
このため、本実施形態のカーボンナノチューブシート2には、複数のカーボンナノチューブ1を支持する充填層としての樹脂層が設けられていない。したがって、後述の第2実施形態のように、例えば、カーボンナノチューブシート2をサーマルインターフェイスマテリアルとして使用する場合に、発熱体から放熱体への熱伝導パスに樹脂が存在することがなく、全体の熱抵抗を低減し、放熱性能を向上させることができる。
なお、ここでは、被覆層3は、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの長手方向に沿う側面の全体を覆うように形成されているが、これに限られるものではない。つまり、カーボンナノチューブ1の機械的強度を向上させることができ、隣接するカーボンナノチューブを互いに結合させることができるのであれば、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの長手方向に沿う側面の一部を覆うように被膜層3を形成しても良い。
また、被覆層3の材料(コーティング材)は、特に限定されるものではないが、カーボンナノチューブシート2をサーマルインターフェイスマテリアルとして使用する場合には、樹脂の熱伝導率(約0.1W/m・K)よりも熱伝導率が高い材料を用いる。例えば、約1W/m・Kよりも熱伝導率が大きい材料を用いるのが好ましい。
このように、被覆層3の材料として、樹脂の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料を用いるのは、次の理由による。
本実施形態では、カーボンナノチューブ1の一方の端面も被覆層3によって覆っているため、カーボンナノチューブ1の端面に形成された被覆層3が、発熱体又は放熱体とカーボンナノチューブ1との間に介在することになる。このため、被覆層3の熱伝導率が樹脂の熱伝導率よりも低いと、従来技術のように発熱体又は放熱体とカーボンナノチューブ1との間に樹脂が存在する場合よりも、全体の熱抵抗が大きくなってしまう。したがって、被覆層3の材料として、樹脂よりも熱伝導率が高い材料を用いている。
また、被覆層3の材料としては、カーボンナノチューブ1の束状構造体の単位面積当たりの熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料を用いるのが望ましい。これは、被覆層3が発熱体又は放熱体とカーボンナノチューブ1との間に介在したとしても、カーボンナノチューブ1の高い熱伝導性を損なわないようにするためである。また、被覆層3によって発熱体と放熱体との間に追加の熱伝導パスが形成されることになるため、この追加の熱伝導パスにおいて高い熱伝導性を確保するためである。なお、カーボンナノチューブ1の束状構造体の単位面積当たりの熱伝導率は、カーボンナノチューブ1本当たりの熱伝導率を約1500W/m・K、カーボンナノチューブ1の直径を約20nm、カーボンナノチューブ1の面密度を約1×1010本/cmとすると、約47.1W/m・Kである。
具体的には、被覆層3の材料は、例えば、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)等の金属、酸化アルミニウム(Al)や酸化亜鉛(ZnO)等の酸化金属などの金属を含む材料である。つまり、被覆層3は金属を含む層である。より具体的には、被覆層3は、アトミックレイヤーデポジション(ALD:Atomic Layer Deposition;原子層蒸着)法によって形成された原子層、即ち、金属を含む原子層である。つまり、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの表面は、ALD法によって形成された原子層で覆われている。この場合、被覆層3の材料には、ALD法によって成膜可能なものであれば採用することができる。例えば、ALD法によって成膜可能な主要なものとしては、チタンオキサイド、ハフニウムオキサイド、酸化鉄、インジウムオキサイド、ランタンオキサイド、モリブデンオキサイド、ニオブオキサイド、ニッケルオキサイド、ルテニウムオキサイド、シリコンオキサイド、バナジウムオキサイド、タングステンオキサイド、イットリウムオキサイド、ジルコニウムオキサイド、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、ランタンなどが挙げられる。なお、被覆層3は、カーボンナノチューブ1の機械的強度を向上させることができ、隣接するカーボンナノチューブ1を互いに結合させることができるのであれば、薄膜として形成されても良いし、微粒子の集合体として形成されても良い。
また、後述の第2実施形態では、カーボンナノチューブシート2と発熱体10、及び、カーボンナノチューブシート2と放熱体11を、それぞれ、樹脂の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料からなる接合層12、13によって接合する。このような場合、被覆層3の材料としては、接合層12、13を形成する材料に対してぬれ性の良い金属を含む材料を選択するのが望ましい。これにより、発熱体10や放熱体11との接合を信頼性の高いものとすることができる。
また、被覆層3の厚さ(平均値)は、特に限定されるものではないが、例えば約100nm以下とするのが望ましい。これは、被覆層3の厚さを過度に大きくすると、カーボンナノチューブ1が本来有する柔軟性が損なわれるからである。なお、カーボンナノチューブ1の面密度によって、カーボンナノチューブ1の束状構造体が元々有する機械的強度は異なるので、被膜層3の許容し得る厚さもカーボンナノチューブ1の面密度に依存する。しかしながら、放熱性及び電気伝導性の観点から、カーボンナノチューブ1の面密度自体に一定の下限値が存在することから、被覆層3の許容し得る厚さにも、上述のように上限値が存在する。
なお、図3に示すように、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの他方の端面(図3中、上側の端面)、即ち、ALD法によって形成された原子層で覆われていない側の端面(カーボンナノチューブ1の根元側端面)を覆う被膜4をさらに備えるものとしても良い。なお、図3では、図1で示す基板から剥離された状態のカーボンナノチューブシート2を上下反転させた状態で示している。例えば、被膜4の材料は、カーボンナノチューブシート2をサーマルインターフェイスマテリアルとして使用する場合には、樹脂の熱伝導率(約0.1W/m・K)よりも熱伝導率が高い材料を用いる。例えば、約1W/m・Kよりも熱伝導率が大きい材料を用いるのが好ましい。ここでは、被膜4の材料は、例えばAu(金)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等の金属や合金などの金属を含む材料である。つまり、被膜4は金属を含む被膜である。なお、被膜4を、熱伝導性被膜、被覆層又はコーティングともいう。また、被膜4は、単層構造であっても良いし、2層あるいはそれ以上の層を積層させた積層構造を有するものであっても良い。また、後述の第2実施形態では、カーボンナノチューブシート2と発熱体10、及び、カーボンナノチューブシート2と放熱体11を、それぞれ、樹脂の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料からなる接合層12、13によって接合する。このような場合、被膜4の材料としては、接合層12、13を形成する材料に対してぬれ性の良い金属を含む材料を選択するのが望ましい。これにより、発熱体10や放熱体11との接合を信頼性の高いものとすることができる。
なお、上述のように構成されるカーボンナノチューブシート2は、熱伝導性シートとして利用することもできるし、配線シート(縦型配線シート)として利用することもできる。但し、配線シートとして利用する場合には、カーボンナノチューブ1の電気的導電性を利用して、カーボンナノチューブ1を配線体として用いることになるため、一方の端面を覆う被覆層3は電気的導電性を有するものとし、他方の端面は露出された状態にするか、電気的導電性を有する被膜4で覆った状態にすることになる。
次に、本実施形態のシート状構造体、即ち、カーボンナノチューブシートの製造方法について説明する。
まず、図2(A)に示すように、炭素元素からなる複数の線状構造体としての複数のカーボンナノチューブ1を形成するための土台として用いる基板5を用意する。
基板5としては、シリコン基板などの半導体基板、アルミナ基板、サファイア基板、MgO基板、ガラス基板などの絶縁性基板、金属基板などを用いることができる。また、これらの基板上に薄膜が形成されたものでも良い。例えば、シリコン基板上に膜厚約300nm程度のシリコン酸化膜が形成されたものを用いることができる。
基板5は、カーボンナノチューブ1の形成後に剥離されるものである。このため、基板5としては、カーボンナノチューブ1の形成温度において変質しないことが望ましい。また、少なくともカーボンナノチューブ1に接する面が、カーボンナノチューブ1から容易に剥離できる材料によって構成されていることが望ましい。また、カーボンナノチューブ1に対して選択的にエッチングできる材料によって構成されていることが望ましい。
次いで、図示していないが、基板5上に、例えばスパッタ法により、例えば膜厚約2.5nmのFe(鉄)膜、即ち、Feからなる触媒金属膜を形成する。なお、触媒金属膜は、必ずしも基板5上の全面に形成する必要はなく、例えばリフトオフ法を用いて基板5の所定の領域上に選択的に形成するようにしても良い。つまり、触媒金属膜の配置は用途に応じて決定すれば良い。
触媒金属としては、Feのほか、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Au(金)、Ag(銀)、Pt(白金)又はこれらのうち少なくとも一の材料を含む合金を用いても良い。また、触媒として、金属膜以外に、微分型静電分級器(DMA:differential mobility analyzer)等を用い、予めサイズを制御して作製した金属微粒子を用いても良い。この場合も、金属種については薄膜の場合と同様で良い。
また、これらの触媒金属の下地膜として、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Hf(ハフニウム)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)、TaN(窒化タンタル)、TiSi(チタンシリサイド)、Al(アルミニウム)、Al(酸化アルミニウム)、TiO(酸化チタン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Cu(銅)、Au(金)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、TiN(窒化チタン)などの膜又はこれらのうち少なくとも一の材料を含む合金からなる膜を形成しても良い。例えば、Fe(約2.5nm)/Al(約10nm)の積層構造、Co(約2.6nm)/TiN(約5nm)の積層構造等を適用することができる。金属微粒子を用いる場合は、例えばCo(平均直径約3.8nm)/TiN(5nm)などの積層構造を適用することができる。
次いで、基板5上に、例えばホットフィラメントCVD法により、触媒金属膜を触媒として、カーボンナノチューブ1を成長する。
カーボンナノチューブ1の成長条件は、例えば、原料ガスとしてアセチレン・アルゴンの混合ガス(分圧比1:9)を用い、成膜室内の総ガス圧を約1kPa、ホットフィラメント温度を約1000℃、成長時間を約25分とする。これにより、層数が平均5層程度、直径が平均約25nm、長さが約50μm(成長レート:約2μm/min)の多層カーボンナノチューブを成長することができる。
なお、カーボンナノチューブ1は、熱CVD法やリモートプラズマCVD法などの他の成膜方法により形成しても良い。また、成長するカーボンナノチューブ1は、単層カーボンナノチューブでも良い。また、炭素原料としては、アセチレンのほか、メタン、エチレン等の炭化水素類や、エタノール、メタノール等のアルコール類などを用いても良い。また、カーボンナノチューブ1の長さは、カーボンナノチューブシート2の用途によって決まり、特に限定されるものではないが、好ましくは約5μm〜約500μm程度の値に設定することができる。例えば、カーボンナノチューブシート2をサーマルインターフェイスマテリアルとして使用する場合、少なくとも発熱体及び放熱体の表面の凹凸を埋める長さ以上であることが望ましい。
このようにして、基板5上、即ち、基板5の触媒金属膜が形成された領域上に、基板5の法線方向に配向(垂直配向)した複数のカーボンナノチューブ1(束状構造体)を形成する。なお、この工程をカーボンナノチューブの垂直配向成長工程という。実際には、複数のカーボンナノチューブ1が互いに絡まり合うようにして形成される。また、上記の成長条件で形成したカーボンナノチューブ1では、面密度は、約1×1011本/cm程度であった。これは、基板5の表面の面積のおよそ10%の領域上にカーボンナノチューブ1が形成されていることに相当する。
次いで、図2(B)に示すように、複数のカーボンナノチューブ1が形成された基板5の全面に、ALD法により、例えば白金(Pt)の原子層を数十ナノメートル成膜して、被覆層3を形成する。なお、この工程をカーボンナノチューブのメタルコーティング工程という。例えば、原料ガスとして例えばPt(CFCOOH COOF)を用い、成膜温度を約200〜約250℃とした熱ALD法、又は、プラズマを用いたPEALD(Plasma Enhanced ALD)法によって、白金(Pt)の原子層を数十ナノメートル成膜することで被覆層3を形成する。これにより、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆う被覆層3が形成され、被覆層3を介して複数のカーボンナノチューブ1が互いに部分的に結合される。ここでは、被覆層3は、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの長手方向に沿う側面の全体及び一方の端面[図2(B)中、上側の端面]を覆うように形成される。
実際には、複数のカーボンナノチューブ1は、それぞれ、シート2の膜厚方向に対して傾いており、隣接するカーボンナノチューブ1が互いに接触するように形成される。そして、複数のカーボンナノチューブ1の表面を覆う被覆層3を形成する際に、複数のカーボンナノチューブ1が互いに接触している部分を覆うように形成された被覆層3によって、複数のカーボンナノチューブ1が互いに結合される。
このように、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの長手方向に沿う側面が覆われ、複数のカーボンナノチューブ1が互いに部分的に結合されるように、被覆層3を形成するには、上述のように、ALD法を用いるのが好ましい。これは、次の理由による。複数のカーボンナノチューブ1は小さい面積の領域に密集して形成されるため、複数のカーボンナノチューブ1の隙間に生じる領域は、極めて高いアスペクト比を有する凹部となる。このため、極めて高いアスペクト比を有する凹部においても高いカバレッジ性を有する成膜法であるALD法を用いるのが好ましい。
なお、ここでは、被覆層3の材料として白金(Pt)を用いているが、これに限られるものではない。例えば、被覆層3の材料として、ロジウム(Rh)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)等の金属、酸化アルミニウム(Al)や酸化亜鉛(ZnO)等の酸化金属などの金属を含む材料を用いても良い。例えば、酸化アルミニウム(Al)を用いる場合、原料ガスとして例えばトリメチルアルミニウム(Al(CH)と水(HO)を用い、成膜温度を約200℃とした熱ALD法、又は、プラズマを用いたPEALD法によって、原子層を例えば厚さ約20nm成膜することで被覆層3を形成することができる。また、例えば、酸化亜鉛(ZnO)を用いる場合、原料ガスとして例えばジエチル亜鉛(Zn(C)と水(HO)を用い、成膜温度を約200℃とした熱ALD法、又は、プラズマを用いたPEALD法によって、原子層を例えば厚さ約20nm成膜することで被覆層3を形成することができる。また、例えば、銅(Cu)を用いる場合、原料ガスとして例えばビス(N−N−ジイソプロピルアセトアミジネート)銅(I)(bis(N-N-diisopropylacetoamidinato)copper(I))と水素(H)を用い、成膜温度を約190℃とした熱ALD法、又は、プラズマを用いたPEALD法によって、原子層を例えば厚さ約100nm以下に成膜することで被覆層3を形成することができる。また、例えば、ルテニウム(Ru)を用いる場合、原料ガスとして例えばRu(C−Cを用い、成膜温度を約200〜約250℃とした熱ALD法、又は、プラズマを用いたPEALD法によって、原子層を例えば厚さ約20nm成膜することで被覆層3を形成することができる。このほか、被覆層3の材料には、ALD法によって成膜可能なものであれば採用することができる。例えば、ALD法によって成膜可能な主要なものとしては、チタンオキサイド、ハフニウムオキサイド、酸化鉄、インジウムオキサイド、ランタンオキサイド、モリブデンオキサイド、ニオブオキサイド、ニッケルオキサイド、ルテニウムオキサイド、シリコンオキサイド、バナジウムオキサイド、タングステンオキサイド、イットリウムオキサイド、ジルコニウムオキサイド、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、ランタンなどが挙げられる。つまり、被覆層3の材料としては、樹脂の熱伝導率(約0.1W/m・K)よりも熱伝導率が高い材料を用いれば良い。例えば、約1W/m・Kよりも熱伝導率が大きい材料を用いるのが好ましい。また、被覆層3の材料としては、カーボンナノチューブ1の束状構造体の単位面積当たりの熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料を用いるのが望ましい。また、被覆層3は、カーボンナノチューブ1の機械的強度を向上させることができ、隣接するカーボンナノチューブ1を互いに結合させることができるのであれば、薄膜として形成しても良いし、微粒子の集合体として形成しても良い。また、後述の第2実施形態では、カーボンナノチューブシート2と発熱体10、及び、カーボンナノチューブシート2と放熱体11を、それぞれ、樹脂の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料からなる接合層12、13によって接合する。このような場合、被覆層3の材料としては、接合層12、13を形成する材料に対してぬれ性の良い金属を含む材料を選択するのが望ましい。また、被覆層3の厚さ(平均値)は、特に限定されるものではないが、例えば約100nm以下とするのが望ましい。
次いで、それぞれが被覆層3によって覆われており、被覆層3を介して互いに部分的に結合されている複数のカーボンナノチューブ1を、基板5、即ち、基板5及び触媒金属膜から剥離する。なお、この工程を剥離工程という。また、隣接するカーボンナノチューブ1の間の触媒金属膜の表面に形成された被覆層3は、触媒金属膜から剥離せずに、触媒金属膜の表面に残存する。
これにより、図2(C)に示すように、それぞれが被覆層3によって覆われており、被覆層3を介して互いに部分的に結合されている複数のカーボンナノチューブ1を備えるカーボンナノチューブシート2が取り出される。本実施形態では、複数のカーボンナノチューブ1は、それぞれ、被覆層3によって覆われており、機械的強度が向上しており、また、被覆層3によって複数のカーボンナノチューブ1が互いに結合している。このため、充填層としての樹脂層を設けずに、そのままの状態で、基板5から剥離して取り出すことができ、ハンドリング可能なカーボンナノチューブシート2となる。
なお、このようにして取り出されたカーボンナノチューブシート2では、複数のカーボンナノチューブ1の他方の端面[図2(C)中、下側の端面]は、被覆層3によって覆われておらず、露出している。この場合、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの他方の端面、即ち、ALD法によって形成された原子層で覆われていない側の端面を覆うように、例えばAu(金)を蒸着して被膜4を形成しても良い(図3参照)。つまり、剥離工程の後に、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの他方の端面を覆う被膜4を形成する工程を含むものとしても良い。ここでは、被膜4の材料としてAu(金)を用いているが、これに限られるものではない。例えば、被膜4の材料として、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等の金属や合金などの金属を含む材料を用いても良い。つまり、被膜4の材料としては、樹脂の熱伝導率(約0.1W/m・K)よりも熱伝導率が高い材料を用いれば良い。例えば、約1W/m・Kよりも熱伝導率が大きい材料を用いるのが好ましい。また、被膜4として、単層構造の被膜を形成しても良いし、2層あるいはそれ以上の層を積層させた積層構造を有する被膜を形成しても良い。また、後述の第2実施形態では、カーボンナノチューブシート2と発熱体10、及び、カーボンナノチューブシート2と放熱体11を、それぞれ、樹脂の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料からなる接合層12、13によって接合する。このような場合、被膜4の材料としては、接合層12、13を形成する材料に対してぬれ性の良い金属を含む材料を選択するのが望ましい。
したがって、本実施形態にかかるシート状構造体及びその製造方法によれば、充填層としての樹脂層を設けることなく、カーボンナノチューブ1の機械的強度を向上させて、ハンドリング可能なカーボンナノチューブシート2及びその製造方法を実現することができるという利点がある。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる電子機器及びその製造方法について、図4、図5を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる電子機器は、図4に示すように、半導体チップ10とヒートスプレッダ11との間に機械的、熱的に接続される熱伝導性シートして、上述の第1実施形態及びその変形例のカーボンナノチューブシート2を用いた電子機器14である。
なお、半導体チップ10を、半導体素子、発熱体又は発熱源ともいう。また、ヒートスプレッダ11を、放熱体又は放熱部品ともいう。また、熱伝導性シートを、放熱シートともいう。また、カーボンナノチューブシート2を、シート状構造体又は熱拡散装置ともいう。
本電子機器14では、プリント配線基板15上に、多層配線基板などの回路基板16が実装されている。つまり、回路基板16は、はんだバンプ17を介してプリント配線基板15に電気的に接続されている。なお、回路基板16をビルドアップ基板ともいう。なお、はんだバンプ17を突起状電極ともいう。
また、回路基板16上には、例えばCPUなどに用いられるLSIチップなどの半導体チップ10が実装されている。つまり、半導体チップ10は、はんだバンプ18を介して回路基板16に電気的に接続されている。なお、はんだバンプ18を突起状電極ともいう。
また、半導体チップ10上には、半導体チップ10を覆うように、半導体チップ10からの熱を拡散するためのヒートスプレッダ11が設けられている。ここでは、ヒートスプレッダ11は、例えば有機シーラントによって回路基板16に接着されている。
また、半導体チップ10とヒートスプレッダ11との間には、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2、即ち、充填層としての樹脂層を備えないカーボンナノチューブシート2が熱伝導性シートとして設けられている。
そして、図5に示すように、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブ1の各端面(図5中、下側の端面)と半導体チップ10とが、樹脂層を用いずに接合層12によって接合されている。つまり、カーボンナノチューブシート2の半導体チップ10側の表面は、半導体チップ10の表面に接合層12を介して熱的に接続されている。
なお、図5では、カーボンナノチューブシート2として、上述の第1実施形態の変形例のもの(図3参照)を用いた場合を例示しているが、これに限られるものではなく、上述の第1実施形態のもの(図1参照)を用いても良い。また、カーボンナノチューブシート2を、図5に示した状態から上下反転させた状態にして半導体チップ10及びヒートスプレッダ11に接合するようにしても良い。
実際には、上述の第1実施形態の変形例のものでは、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの一方の端面は被覆層3によって覆われており、他方の端面は被膜4によって覆われている。このため、被覆層3によって覆われた一方の端面及び被膜4によって覆われた他方の端面のうち一方は半導体チップ10に接合層12を介して接合され、他方はヒートスプレッダ11に接合層13を介して接合される。この場合、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの端面は、一方で被覆層3を間に挟んで接合層12(又は13)に接合され、他方で被膜4を間に挟んで接合層13(又は12)に接合されたものとなる。
なお、上述の第1実施形態のものでは、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの一方の端面は被覆層3によって覆われており、他方の端面は露出している。このため、被覆層3によって覆われた一方の端面及び露出した他方の端面のうち一方は半導体チップ10に接合層12を介して接合され、他方はヒートスプレッダ11に接合層13を介して接合される。この場合、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの端面は、一方で被覆層3を間に挟んで接合層12(又は13)に接合され、他方で直接接合層13(又は12)に接合されたものとなる。
また、上述の第1実施形態のカーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブ1の各端面(図5中、上側の端面)とヒートスプレッダ11とが、樹脂層を用いずに接合層13によって接合されている。つまり、カーボンナノチューブシート2のヒートスプレッダ11側の表面は、ヒートスプレッダ11の表面に接合層13を介して熱的に接続されている。
ここで、これらの接合層12、13は、樹脂の熱伝導率(約0.1W/m・K)よりも熱伝導率が高い材料からなる。例えば、約1W/m・Kよりも熱伝導率が大きい材料を用いるのが好ましい。例えば、これらの接合層12、13は、はんだ、銀、インジウム、スズなどの金属又は合金からなる層である。特に、半導体チップ10の耐熱温度が低い場合には、接合層12、13は、例えばビスマス(Bi)・スズ(Sn)系合金はんだ等のはんだ、インジウム、スズなどの低融点金属からなる層とするのが好ましい。
このように、本電子機器14は、樹脂層を備えないカーボンナノチューブシート2を、半導体チップ10とヒートスプレッダ11との間に挟み込み、接合層12、13によって半導体チップ10及びヒートスプレッダ11に接合した構造を備える。つまり、本電子機器14は、半導体チップ10と、ヒートスプレッダ11と、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2と、接合層12、13とを備える。
このような構造では、カーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブ1の各端面と半導体チップ10との間には、樹脂の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料からなる被覆層3(又は被膜4)及び接合層12、13が存在するだけである。つまり、カーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブの各端面と半導体チップ10との間、即ち、カーボンナノチューブ1の各端面と半導体チップ10との界面には樹脂は存在しない。
同様に、カーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブ1の各端面とヒートスプレッダ11との間には、樹脂の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料からなる被覆層3(又は被膜4)及び接合層12、13が存在するだけである。つまり、カーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブ1の各端面とヒートスプレッダ11との間、即ち、カーボンナノチューブ1の各端面とヒートスプレッダ11との界面には樹脂は存在しない。
このため、カーボンナノチューブ1と半導体チップ10との間の接触熱抵抗、及び、カーボンナノチューブ1とヒートスプレッダ11との間の接触熱抵抗を低減することができ、即ち、界面ロスを低減することができ、放熱性能(放熱効率)を向上させることができる。つまり、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2は、複数のカーボンナノチューブ1がシート膜厚方向に配向しているため、面直方向の熱伝導度が極めて高い。これに加え、上述のように構成することで接触熱抵抗を低減することができる。これにより、全体の熱抵抗を低減することができ、全体の放熱性能を向上させることができる。このように、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2を、半導体チップ10及びヒートスプレッダ11に接合層12、13を介して接合することで、半導体チップ10が発した熱を効率良くヒートスプレッダ11に伝えることができ、放熱効率を向上させることができる。これにより、電子機器14の信頼性を向上させることができる。また、カーボンナノチューブ1には被覆層3が設けられており、カーボンナノチューブ1の機械的強度が高められているため、カーボンナノチューブ1が潰れないようにすることができる。これにより、カーボンナノチューブ1の柔軟性によって半導体チップ10の動作時に生じる熱膨張差を吸収することが可能となる。
また、従来技術のように、カーボンナノチューブ1と半導体チップ10又はヒートスプレッダ11との間に樹脂が存在すると、この部分が樹脂のみの熱伝導パスとなり、接触熱抵抗が、樹脂自体の熱抵抗、即ち、樹脂の材料や厚さに依存する熱抵抗に大きく左右されることになる。これに対し、上述のように、本実施形態では、カーボンナノチューブ1と半導体チップ10又はヒートスプレッダ11との間に樹脂が存在しないため、接触熱抵抗が樹脂自体の熱抵抗に左右されることがなく、性能のばらつきを低減することができ、歩留まりを向上させることができる。
次に、本実施形態にかかる電子機器の製造方法について説明する。
まず、回路基板16上に、はんだバンプ18を介して半導体チップ10を実装する(図4参照)。
次に、回路基板16上に実装した半導体チップ10の表面上に、半導体チップ10と上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2とを接合しうる接合層12を形成する(図5参照)。ここで、接合層12は、アセンブリ条件に適用可能な樹脂の熱伝導率(約0.1W/m・K)よりも熱伝導率が高い材料からなる。例えば、約1W/m・Kよりも熱伝導率が大きい材料を用いるのが好ましい。例えば、接合層12は、はんだ、銀、インジウム、スズなどの金属又は合金からなる層である。特に、半導体チップ10の耐熱温度が低い場合には、接合層12は、例えばビスマス(Bi)・スズ(Sn)系合金はんだ等のはんだ、インジウム、スズなどの低融点金属からなる層とするのが好ましい。また、接合層12は、例えばはんだシート(導電性シート;熱伝導性シート)などのシート状の金属又は合金であっても良いし、例えば銀ペーストやはんだペースト(導電性ペースト;熱伝導性ペースト)などのペースト状の金属又は合金であっても良い。つまり、接合層12は、シート状の金属又は合金を半導体チップ10の表面上に配置することによって形成しても良いし、ペースト状の金属又は合金を半導体チップ10の表面上に配置することによって形成しても良い。なお、ペースト状の金属又は合金は、例えばディスペンス法、スクリーン印刷法などの印刷法などによって、半導体チップ10の表面上に塗布又は印刷することで、半導体チップ10の表面上に形成することができる。
次に、半導体チップ10の表面上に形成された接合層12の上に、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2を載置する(図5参照)。
ここで、上述の第1実施形態のカーボンナノチューブシート2では、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの一方の端面は被覆層3で覆われており、他方の端面は露出している(図1参照)。また、上述の第1実施形態の変形例のカーボンナノチューブシート2では、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの一方の端面は被覆層3で覆われており、他方の端面は被膜4で覆われている(図3参照)。本実施形態では、被覆層3や被膜4は、樹脂の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料からなり、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの端面は、接触熱抵抗を低減するのに適した端面構造になっている。また、本実施形態では、被覆層3や被膜4は、接合層12、13を形成する材料、即ち、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの端面と半導体チップ10及びヒートスプレッダ11とを接合するのに用いる金属又は合金に対して、ぬれ性の良い金属を含む材料からなるものとしている。
次に、ヒートスプレッダ11の裏面11A上に、ヒートスプレッダ11と上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2とを接合しうる接合層13を形成する。ここで、接合層13は、はんだバンプ(図4参照)が溶けない温度で接合できるというアセンブリ条件を満たし、樹脂の熱伝導率(約0.1W/m・K)よりも熱伝導率が高い材料からなる。例えば、約1W/m・Kよりも熱伝導率が大きい材料を用いるのが好ましい。例えば、接合層13は、はんだ、銀、インジウム、スズなどの金属又は合金からなる層である。特に、半導体チップ10の耐熱温度が低い場合には、接合層13は、例えばビスマス(Bi)・スズ(Sn)系合金はんだ等のはんだ、インジウム、スズなどの低融点金属からなる層とするのが好ましい。また、接合層13は、例えばはんだシートなどのシート状の金属又は合金であっても良いし、例えば銀ペーストやはんだペーストなどのペースト状の金属又は合金であっても良い。つまり、接合層13は、シート状の金属又は合金をヒートスプレッダ11の裏面11A上に配置することによって形成しても良いし、ペースト状の金属又は合金をヒートスプレッダ11の裏面11A上に配置することによって形成しても良い。なお、ペースト状の金属又は合金は、例えばディスペンス法、スクリーン印刷法などの印刷法などによって、ヒートスプレッダ11の裏面11A上に塗布又は印刷することで、ヒートスプレッダ11の裏面11A上に形成することができる。なお、半導体チップ10に設ける接合層12と、ヒートスプレッダ11に設ける接合層13とは、同じ材料からなるものであっても良いし、異なる材料からなるものであっても良い。
次に、回路基板16上に、ヒートスプレッダ11を固定するための有機シーラントを塗布した後、回路基板16、及び、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2の上に、裏面11A上に接合層13が形成されたヒートスプレッダ11を載置する(図4、図5参照)。
次に、このようにして、半導体チップ10とヒートスプレッダ11との間に、接合層12、13を介して上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2を挟み込み、この状態で加熱し冷却することで、これらを接合する(図5参照)。つまり、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2と半導体チップ10とを接合層12によって接合するとともに、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2とヒートスプレッダ11とを接合層13によって接合する。
ここでは、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの端面を、金属又は合金からなる接合層12によって半導体チップ10に接合する。これと同時に、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの端面を、金属又は合金からなる接合層13によってヒートスプレッダ11に接合する。
なお、ここでは、カーボンナノチューブシート2と半導体チップ10との接合と、カーボンナノチューブシート2とヒートスプレッダ11との接合とを、同時に行なうようにしているが、これに限られるものではなく、それぞれ別の工程で行なうようにしても良い。
上述のように、本実施形態では、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの端面と半導体チップ10とが、樹脂層を用いずに接合層12によって接合される。また、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2に備えられる複数のカーボンナノチューブのそれぞれの端面とヒートスプレッダ11とが、樹脂層を用いずに接合層13によって接合される。
実際には、上述の第1実施形態の変形例のものでは、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの一方の端面は被覆層3によって覆われており、他方の端面は被膜4によって覆われている。このため、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの一方の端面を覆っている被覆層3及び他方の端面を覆っている被膜4のうち一方が接合層12(又は13)を介して半導体チップ10に接合され、他方が接合層13(又は12)を介してヒートスプレッダ11に接合される。
なお、上述の第1実施形態のものでは、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの一方の端面は被覆層3によって覆われており、他方の端面は露出している。このため、複数のカーボンナノチューブ1のそれぞれの一方の端面を覆っている被覆層3及び露出している他方の端面のうちの一方が接合層12(又は13)を介して半導体チップ10に接合され、他方が接合層13(又は12)を介してヒートスプレッダ11に接合される。
上述のように、本実施形態では、樹脂層を備えないカーボンナノチューブシート2を半導体チップ10及びヒートスプレッダ11に接合層12、13によって接合している。つまり、カーボンナノチューブシート2は複数のカーボンナノチューブ1の間に樹脂が充填されておらず、カーボンナノチューブシート2を半導体チップ10及びヒートスプレッダ11に樹脂によって接着していない。このため、例えば従来技術のように界面から樹脂が排除されるように荷重を調整することが不要であるなどアセンブリ方法における許容範囲が広がり、性能のばらつきを低減することができ、放熱効率などの特性を向上させることができ、歩留まりを向上させることができる。また、従来技術のように、樹脂層をリフローさせ、荷重をかけて接着する際などにカーボンナノチューブが押し潰されてしまうことがないため、カーボンナノチューブ1の柔軟性によって半導体チップ10の動作時に生じる熱膨張差を吸収することが可能となる。これに対し、従来技術のように、複数のカーボンナノチューブの間に樹脂を充填してシート構造としたものを熱伝導性シートとして用いる場合、例えば熱圧着のようなアセンブリ方法を用いて、樹脂によって接着する際に各カーボンナノチューブの端面を露出させることで、接触熱抵抗を低減することが考えられる。しかしながら、このようなアセンブリ方法を用いたとしても、カーボンナノチューブと半導体チップ又はヒートスプレッダとの間に樹脂が存在しないようにするのは難しく、上述の利点を得ることは難しい。
その後、このようにして、半導体チップ10及びヒートスプレッダ11を、これらの間に上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2を挟んで搭載した回路基板16を、はんだバンプ17を介してプリント配線基板15上に実装する(図4参照)。なお、回路基板16を、はんだバンプ17を介してプリント配線基板15上に搭載した後に、回路基板16上に、半導体チップ10、ヒートスプレッダ11及び上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2を搭載しても良い。
このようにして、上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2を用いた電子機器14が完成する。
したがって、本実施形態にかかる電子機器及びその製造方法によれば、カーボンナノチューブ1と半導体チップ10との間の接触熱抵抗、及び、カーボンナノチューブ1とヒートスプレッダ11との間の接触熱抵抗を低減し、放熱性能を向上させた電子機器及びその製造方法を実現することができるという利点がある。
なお、上述の実施形態では、半導体チップ10及びヒートスプレッダ11を、これらの間に上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2を挟んで搭載した回路基板16を、はんだバンプ17を介してプリント配線基板15上に実装したものとして電子機器14を構成しているが、これに限られるものではない。例えば、半導体チップ10及びヒートスプレッダ11を、これらの間に上述の第1実施形態及び変形例のカーボンナノチューブシート2を挟んで回路基板上に搭載したものとして電子機器を構成しても良い。
[その他]
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上述の各実施形態では、炭素元素によって形成された複数の線状構造体を備えるシート状構造体としてカーボンナノチューブシート2を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、炭素元素によって形成された線状構造体としては、カーボンナノチューブのほか、カーボンナノワイヤ、カーボンロッド、カーボンファイバが挙げられる。これらの線状構造体は、サイズが異なるほかは、カーボンナノチューブと同様である。これらの線状構造体を備えるシート状構造体にも本発明を適用することができる。
また、上述の各実施形態において記載した構成材料や製造条件は、記載した内容に限定されるものではなく、目的等に応じて適宜変更が可能である。
また、カーボンナノチューブシートなどの炭素元素によって形成された複数の線状構造体を備えるシート状構造体の使用目的も、上述の各実施形態において記載したものに限られるものではない。上述の各実施形態にかかるシート状構造体は、熱伝導性シートとしては、例えば、CPUの放熱シート、無線通信基地局用高出力増幅器、無線通信端末用高出力増幅器、電気自動車用高出力スイッチ、サーバ、パーソナルコンピュータなどへの適用が考えられる。また、カーボンナノチューブなどの線状構造体の高い許容電流密度特性を利用して、縦型配線シートやこれを用いた種々のアプリケーションにも適用可能である。
1 カーボンナノチューブ(線状構造体)
2 カーボンナノチューブシート(シート状構造体)
3 被覆層
4 被膜
5 基板
10 半導体チップ(発熱体)
11 ヒートスプレッダ(放熱体)
12 接合層(第1接合層)
13 接合層(第2接合層)
14 電子機器
15 プリント配線基板
16 回路基板
17、18 はんだバンプ

Claims (8)

  1. 炭素元素によって形成された複数の線状構造体と、
    前記複数の線状構造体のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆う被覆層とを備え、
    前記複数の線状構造体は、前記被覆層を介して互いに部分的に結合されており、
    前記被覆層は、100nm以下の厚さを有することを特徴とするシート状構造体。
  2. 前記被覆層は、0.1W/m・Kよりも熱伝導率が高い材料からなることを特徴とする、請求項1に記載のシート状構造体。
  3. 前記被覆層は、原子層であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシート状構造体
  4. 発熱体と、
    放熱体と、
    前記発熱体と前記放熱体との間に設けられ、炭素元素によって形成された複数の線状構造体と、前記複数の線状構造体のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆う被覆層とを備え、前記複数の線状構造体が前記被覆層を介して互いに部分的に結合されているシート状構造体と、
    0.1W/m・Kよりも熱伝導率が高い材料からなり、前記発熱体と前記シート状構造体の前記複数の線状構造体のそれぞれの端面とを接合する第1接合層と、
    0.1W/m・Kよりも熱伝導率が高い材料からなり、前記放熱体と前記シート状構造体の前記複数の線状構造体のそれぞれの端面とを接合する第2接合層とを備え
    前記被覆層は、100nm以下の厚さを有することを特徴とする電子機器。
  5. 前記被覆層は、原子層であることを特徴とする、請求項に記載の電子機器
  6. 基板上に、炭素元素からなる複数の線状構造体を形成する工程と、
    前記複数の線状構造体のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆い、100nm以下の厚さを有する被覆層を形成する工程と、
    前記被覆層を介して互いに部分的に結合されている前記複数の線状構造体を、前記基板から剥離する工程とを含むことを特徴とするシート状構造体の製造方法。
  7. 前記被覆層形成工程において、アトミックレイヤーデポジション法によって原子層を形成することを特徴とする、請求項に記載のシート状構造体の製造方法。
  8. 炭素元素によって形成された複数の線状構造体と、前記複数の線状構造体のそれぞれの長手方向に沿う側面を覆い、100nm以下の厚さを有する被覆層とを備え、前記複数の線状構造体が前記被覆層を介して互いに部分的に結合されているシート状構造体の前記複数の線状構造体のそれぞれの端面を、0.1W/m・Kよりも熱伝導率が高い材料からなる第1接合層を介して発熱体に接合する工程と、
    前記シート状構造体の前記複数の線状構造体のそれぞれの端面を、0.1W/m・Kよりも熱伝導率が高い材料からなる第2接合層を介して放熱体に接合する工程とを含むことを特徴とする電子機器の製造方法。
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