JP5755666B2 - 加圧脱水装置および加圧脱水方法 - Google Patents

加圧脱水装置および加圧脱水方法 Download PDF

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Description

本発明は、上工水道や下水道などの施設に適用され、汚泥等のスラリーを濾過した後、濾過ケーキをダイヤフラムによって圧搾する加圧脱水装置および加圧脱水方法に関する。
加圧脱水装置を用いた脱水サイクルは、一般に下記の各工程から構成される。
まず、並列に配置した複数の濾板を締付装置によって締め付け、隣接する濾板間に濾室を形成する。
そして、前記締付工程の終了後に、濾室内へスラリーを供給する。濾室内には濾布が設けられており、この濾布によってスラリーを濾過する。
前記濾室内の濾布と、濾板との間にはダイヤフラムが設けられている。そして、前記濾過工程の終了後に、このダイヤフラムを膨張させて、濾過後の濾過ケーキを圧搾する。このダイヤフラムによる圧搾は、圧搾液貯留槽に貯留された圧搾液を圧搾液ポンプによってダイヤフラムへ供給することで行われる。
そして、前記圧搾工程の終了後に、加圧脱水装置内の未脱水スラリーを洗浄して、圧縮空気によりブローするとともに、ダイヤフラム内の水を排出する。この未脱水スラリーの洗浄は、洗浄液貯留槽に貯留された洗浄液を、洗浄液ポンプによって供給孔へ供給することで行われる。また、その後のブロー操作は、ブロー用空気槽に貯留された空気を、空気圧縮機で圧縮して供給孔へ供給することで行われる。
そして、ブロー工程の終了後に、締付装置による濾板の締付を緩め、全ての濾室を一斉に開放する。その後、全ての濾布を一斉に下降して、ブロー後のケーキを剥離し、排出する。
そして、排出工程の終了後に、洗浄ノズルを通じて、高圧水により濾布を一斉に洗浄する。前記洗浄工程の終了後は、前記締付工程に戻るか、または脱水サイクルを終了する。
一般的に、圧搾液ポンプの大きさや種類の選定は、ダイヤフラム内が圧搾液で満杯になるまでの時期(以下、「運転初期」という。)に必要な吐出量及び吐出圧を基準に行う。
一方、ダイヤフラム内が圧搾液で満杯になり、圧搾圧力の上昇度合いが緩やかになると、圧搾液供給管に設けたリリーフ弁から、圧搾液の一部を逃しながら運転する。リリーフ弁から圧搾液の一部を逃さないと、供給圧力の過剰上昇が生じたり、圧搾液ポンプが締切運転を行ったりする可能性があり、フィルタープレスや圧搾液ポンプの不具合の原因となるからである。
このようなリリーフ弁の働きによって、前記不具合の発生を回避できるが、運転初期の経過後においても、圧搾液ポンプの出力が一定に保たれているため、リリーフ弁から放出される圧搾液の分だけ電力を余分に消費しているという問題があった。
加圧脱水装置の消費電力を少なくする発明として、例えば下記の特許文献1に記載された発明がある。この特許文献1には、ダイヤフラムに液体を供給するポンプと、前記ポンプにより前記ダイヤフラムに供給された液体を圧力気体により加圧して、ダイヤフラムに圧搾圧力を加える圧搾圧力供給手段と、を有する加圧脱水装置が開示されている。また、この圧搾圧力供給手段は、前記ダイヤフラムに供給されると同等の液体を貯留する圧搾タンクと、圧力気体により前記圧搾タンク内の気体の圧力を高めて貯留された液体を加圧する気体圧縮機と、前記圧搾タンクと前記ダイヤフラムとを選択的に連通制御し、前記圧搾タンク内の液体を加圧することで前記ダイヤフラムに供給された液体を選択的に加圧制御する制御バルブと、を有することも開示されている。
特開2011−98262号公報
前記特許文献1に記載された加圧脱水装置は、空気圧縮機を用いて圧搾タンク内の空気を圧縮し、その圧縮した空気を用いて圧搾タンク内の圧搾水を送るシステムである。一般的に使用される空気圧縮機の上限圧力は1.37MPa程度であり、それ以上の圧搾水の圧力を得ることができない。そのため、圧搾水の送液力が弱くなり、圧搾液ポンプを用いた場合と同様の圧搾水の圧力を得ることができないという問題があった。
また、圧搾タンク内の圧搾水をダイヤフラムへ供給している間は、圧搾タンク内の空気を常に高圧に保つ必要が生じ、空気圧縮機の駆動のために余分な電力を消費してしまうという問題があった。
また、圧搾工程終了後に圧搾タンク内の圧縮空気を大気中に放出しており、圧縮空気の有効利用ができていないという問題もあった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧搾タンク内の圧搾水をダイヤフラムへ供給する際に、より強い圧搾力をかけることにある。また、圧搾タンク内の圧搾水をダイヤフラムへ供給している間の電力消費量を減らすことにある。また、圧搾工程終了後に、圧搾タンク内の圧縮気体を有効利用することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
並列に配置された複数の濾板と、
隣接する濾板の間に形成された濾室内に設けられ、供給されるスラリーを濾過する濾布と、
前記濾布と濾板との間に設けられ、濾過ケーキを圧搾するダイヤフラムと、を備えた加圧脱水装置において、
圧搾液を貯留する圧搾液貯留槽と、
前記圧搾液貯留槽からダイヤフラムへ圧搾液を供給する圧搾液供給ラインに接続される、密閉されたクッションタンクと、
前記圧搾液貯留槽内の圧搾液を
(1)ダイヤフラムに供給するとともに、クッションタンクにも供給する
(2)ダイヤフラムには供給せず、クッションタンクにのみ供給する
いずれかの操作を行う圧搾液ポンプと、
前記クッションタンクに貯留される圧搾液量の増加に伴って、クッションタンク内の圧力が所定値まで上昇した段階で、圧搾液ポンプの運転を停止させて、クッションタンク内の圧力によって、クッションタンク内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給する制御を行う制御装置と、を備え、
前記クッションタンクは、
圧搾操作を終えた脱水装置内に残留する液体を排出させるブロー用気体を貯留したブロー兼用クッションタンクであることを特徴とする加圧脱水装置。
(作用効果)
密閉したクッションタンクに圧搾液を供給し、そのクッションタンク内の圧力が所定値まで上昇した段階で、圧搾液ポンプの運転を停止させる。そして、クッションタンク内の圧力によって、クッションタンク内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給する。従って、クッションタンクからダイヤフラムへ圧搾液を供給している間、圧搾液ポンプの運転を停止することができるため、電力消費量を減らすことができる。
前記の効果は、特にダイヤフラム内が圧搾液で満杯になった後に、大きな利益をもたらす。ダイヤフラム内が圧搾液で満杯になった後であっても、濾過ケーキをさらに圧搾する必要があるため、ダイヤフラム内へ圧搾液を供給し続ける。その際、従来は、供給圧力の過剰上昇が生じたり、圧搾液ポンプが締切運転を行ったりすることを回避するために、圧搾液供給管に設けたリリーフ弁から、圧搾液の一部を逃しながら運転していた。通常、圧搾液ポンプの出力は一定に保たれているため、クッションタンクを用いない場合、リリーフ弁から放出される圧搾液の分だけ電力を余分に消費してしまう。しかし、本発明のように、クッションタンクを用いることで、圧搾液ポンプの運転を停止することができ、ダイヤフラム内が圧搾液で満杯になった後の、余分な電力の消費を防ぐことができる。
圧搾液ポンプは電力消費量が大きいため、その運転を停止することによる節電効果も顕著なものとなる。
また、本発明にかかる加圧脱水装置は、特許文献1のように、圧搾工程時に空気圧縮機を運転する電力を要しない。
さらに、特許文献1のように、空気圧縮機を用いて圧搾タンク内の空気を圧縮し、圧縮した空気を用いて圧搾タンク内の圧搾水を送るシステムである場合は、一般的に使用される空気圧縮機の上限圧力が1.37MPa程度であり、それ以上の圧搾水の圧力を得ることができない。そのため、圧搾水の送液力が弱くなり、圧搾液ポンプを用いた場合と同様の圧搾水の圧力を得ることができない。しかし、本発明のように圧搾液ポンプを用いてクッションタンクに圧搾液を送り、その結果としてクッションタンク内の気体の圧力を上昇させる構成としたことで、空気圧縮機を用いる場合よりも気体の圧力を高めることができる。その結果、圧搾液の圧搾力が強くなり、より強い圧搾力をかけることができる。
また、圧搾操作が終了した段階で、通常は、クッションタンク内の気体の圧力が高い状態となっている。本発明においては、このクッションタンク内の気体を大気中に放出するのではなく、その後のブロー工程に用いることとした。より具体的には、クッションタンク内に貯留された気体を用いて、脱水装置内の未脱水スラリーや洗浄液、そして濾板及びダイヤフラムの濾液溝に残留する濾液を押し出す操作を行うこととした。これにより、クッションタンク内に残存する圧力の高い気体を有効利用することができ、ブロー用空気を新たに作成するために必要な電力を抑えることができる。
<請求項2記載の発明>
前記クッションタンク内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給し、クッションタンク内の圧力が所定値まで降下した段階で、前記圧搾液ポンプの運転を再開する請求項1に記載の加圧脱水装置。
(作用効果)
クッションタンク内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給するに伴って、クッションタンク内の圧力が次第に低下する。そして、クッションタンク内の圧力が低下するに伴って、クッションタンク内の圧搾液をダイヤフラムへ供給する供給力も低下していく。そこで、クッションタンク内の圧力が所定値まで低下した段階で、圧搾液ポンプの運転を再開し、圧搾液貯留槽からクッションタンクへ圧搾液を送る。その結果、クッションタンク内の気体の圧力が再び上昇し、クッションタンク内の圧搾液をダイヤフラムへ供給する供給力を回復させることができる。
削除
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請求項3記載の発明>
複数の濾板を並列に配置し、
隣接する濾板間に形成された濾室内へスラリーを供給し、
前記濾室内に設けた濾布によってスラリーを濾過した後、
前記濾布と濾板との間に設けたダイヤフラムを膨張させて、前記濾過後の濾過ケーキを圧搾する加圧脱水方法において、
圧搾液貯留槽からダイヤフラムへ圧搾液を供給する圧搾液供給ラインに、密閉されたクッションタンクが接続され、
前記圧搾液貯留槽内の圧搾液を
(1)ダイヤフラムに供給するとともに、クッションタンクにも供給する
(2)ダイヤフラムには供給せず、クッションタンクにのみ供給する
いずれかの操作を行い、
前記クッションタンクに貯留される圧搾液量の増加に伴い、クッションタンク内の圧力が所定値まで上昇した段階で、圧搾液ポンプの運転を停止させて、クッションタンク内の圧力によって、クッションタンク内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給する制御を行い、
前記圧搾操作を終えた後、前記クッションタンク内に貯留したブロー用気体を用いて、脱水装置内に残留する液体を排出させることを特徴とする加圧脱水方法。
(作用効果)
請求項1と同様の作用効果を奏する。
本発明によれば、圧搾タンク内の圧搾水をダイヤフラムへ供給する際に、より強い圧搾力をかけることができる。また、圧搾タンク内の圧搾水をダイヤフラムへ供給している間の電力消費量を減らすことができる。また、圧搾工程終了後に、圧搾タンク内の圧縮気体を有効利用することができる。
本発明の第一実施形態にかかる加圧脱水装置の構造図である。 本発明の第二実施形態にかかる加圧脱水装置の構造図である。 本発明にかかる加圧脱水方法のフロー図である。 本発明にかかる加圧脱水方法のうちの圧搾工程の詳細を示したフロー図である。 本発明にかかる加圧脱水方法のうちのブロー工程の詳細を示したフロー図である。 従来の加圧脱水装置の構造図である。
以下に、図面を用いて、本発明の実施形態を説明する。
(加圧脱水装置の概要構成)
本実施例にかかる加圧脱水装置は、フィルタープレス1を有する。このフィルタープレス1は、相互に離間し且つ平行な一対の主梁16が、その長手方向(以下、単に「長手方向」という場合は、主梁16の長手方向を意味する。)両端部において、固定側フレーム13や、移動側フレーム17、脚20によって支持されている。その主梁16は、水平方向に延在し、これら一対の主梁16上に、その長手方向に開閉する複数の濾板14が支持されている。また、この複数の濾板14の開方向側に締付装置18が設けられるとともに、これら個々の濾板14及び移動側フレーム17に、図示しないガイドローラが取り付けられる。そして、このガイドローラを介して、濾板14、移動側フレーム17が主梁16上を走行するように構成されている。
本実施例の形態では、図示しない電動モータ等の台車移動用回転駆動源が取り付けられた締付装置18により濾板14及び移動側フレーム17を前後に移動させ、前進により濾室の形成及び締付を行い、後退により濾室の開放を行うようにされている。
前記濾板14の形状は、矩形または丸形の枠体を有し、その内側に枠体の厚みよりも薄い薄肉部が設けられる。そして、複数の濾板14が締め付けられることにより、隣り合う濾板14の薄肉部間に濾室が形成される。
この濾室内には、濾布が配設される。この濾布の配設の一例として、2枚の濾布を対向する濾板14で挟み込むことによって固定する形態を挙げることができる。このように濾布を配設した場合、濾室の中央部を上下方向に縦断するように、濾布が配置されることとなる。そして、スラリー等の原液を濾過する際は、濾板14に形成された原液供給路を通じて、この2枚の濾布の間に原液を流し込む。流し込まれた原液は、この濾布によってケーキと濾液に分離される。分離された濾液は、濾布の外側にある濾室(濾板14の薄肉部と濾布との間)へと染み出し、その後、濾板14の下部に設けられた濾液排出路を通って装置外へと排出される。一方、ケーキは濾布内に留まり、その後の圧搾工程で圧搾される。
また、濾板14の薄肉部と濾布との間には、ダイヤフラムが設けられる。一般的に、このダイヤフラムは、濾板14と一体化して形成される場合が多い。一体化する場合、濾板14の薄肉部の内壁にダイヤフラムを固定することが多い。また、このダイヤフラムは、対向する二枚の濾板14のそれぞれに設けても良いが、設備費用およびその費用に対する圧搾効果の観点から、いずれか一方の濾板14のみに設けるのが一般的である。なお、前記濾板14には、このダイヤフラムへ圧搾液を供給する供給路が形成されている。
本実施例にかかる加圧脱水装置は、前記フィルタープレス1のほかに、スラリーポンプ2およびスラリー貯留槽3を有する。このスラリー貯留槽3には、フィルタープレス1へ供給するスラリー等の原液が貯留されている。そして、このスラリー貯留槽3内の原液を、スラリーポンプ2を用いてフィルタープレス1へと送液する。
また、本実施例にかかる加圧脱水装置は、圧搾液ポンプ9および圧搾液貯留槽10を有する。圧搾液貯留槽10には、圧搾工程で用いられる圧搾液が貯留されている。なお、この圧搾液としては、水を用いる場合が多いが、非圧縮性の流体であればよく、油などの他の液体を用いることもできる。そして、この圧搾液貯留槽10内の圧搾液を、圧搾液ポンプ9を用いて送る。
また、本実施例にかかる加圧脱水装置は、洗浄液ポンプ7および洗浄液貯留槽8を有する。洗浄液貯留槽8には、洗浄工程において、濾布を洗浄するために用いられる洗浄液が貯留されている。なお、洗浄液としては、水を用いる場合が多いが、これに限られるものではない。そして、この洗浄液貯留槽8内の洗浄液を、洗浄液ポンプ7を用いてフィルタープレス1へ送る。
また、本実施例にかかる加圧脱水装置は、気体圧縮機4およびブロー用気体貯留槽5を有する。ブロー用気体貯留槽5には、ブロー工程で用いる気体が貯留されている。この気体を用いて、濾過後のケーキに対してブローを行い、スラリー供給孔の未脱水スラリーおよび洗浄水の排出や、濾板及びダイヤフラムの濾液溝に残留する濾液の除去を図る。なお、前記ブローを行うための気体としては、空気を用いる場合が多い。なお、この気体を用いてブローを行うときは、気体圧縮機4を用いて気体を圧縮してから行う。
また、本実施例にかかる加圧脱水装置は、クッションタンク6を有する。このクッションタンク6は、圧搾液貯留槽10から送られてくる圧搾液を貯留する。このクッションタンク6は密閉されているため、圧搾液貯留槽10から送られてくる圧搾液の量が増えるに従って、クッションタンク6内の気体の圧力が上昇する。そして、クッションタンク6内の圧力が所定値を超えた段階で、クッションタンク6内の気体の圧力を用いて、クッションタンク6内に貯留した圧搾液をフィルタープレス1のダイヤフラムへ供給する。なお、前記クッションタンク6内の圧力は、1〜2MPa程度、例えば1.6MPa程度の圧力まで上昇する。そのため、このクッションタンク6は、前記2MPa程度の圧力に耐えられるような、例えば鋼板製円筒槽の第二種圧力容器で構成される。
図1における加圧脱水装置においては、クッションタンク6とブロー用気体貯留槽5をそれぞれ別体で設けた。しかし、本発明にかかる加圧脱水装置はこれに限られるものではなく、図2に示すように、クッションタンク6とブロー用気体貯留槽5を一体化したブロー兼用クッションタンク29を設けるようにしても良い。なお、クッションタンク6とブロー用気体貯留槽5を一体化することにより、設備費を削減することができるとともに、全体の設備を小型化することができるという利点がある。また、このブロー兼用クッションタンク29の構成も、2MPa程度の圧力に耐えられるような、例えば鋼板製円筒槽の第二種圧力容器とするのが好ましい。
さらに、本実施例にかかる加圧脱水装置は、各種バルブの開閉や、各ポンプの運転等の制御を行う監視制御装置21を有する。この制御の詳細については、加圧脱水方法のフローを説明する後段で詳述する。
次に、図1の構成図と、図3〜図5の各フロー図を参照しながら、加圧脱水工程を説明する。
(締付工程:S1)
本発明にかかる加圧脱水方法においては、まず締付装置18により、複数の濾板14の締付けを行う。そして、複数の濾板14が締め付けられることにより、隣り合う濾板14の薄肉部間に濾室が形成される。
(濾過工程:S2)
次に続く濾過工程において、スラリー等の原液を濾室内に供給する。具体的には、濾過工程を行う段階になると、自動弁27fを閉状態から開状態に変える制御を行う。そして、スラリーポンプ2のモータを駆動して、スラリー貯留槽3に貯留されたスラリー等の原液(以下、スラリーという。)を、管28aを通じて前記濾室内に供給する。より詳しくは、濾板14に設けられたスラリー供給孔から、濾室内に設けられた二枚の濾布間にスラリーを供給する。
供給されたスラリーは、濾布によって濾過が行われる。この濾過によって、濾布を透過した濾液は、濾板14の下方に設けられた濾液排出路を通じて外部へ排出される。一方、透過せずに残った残物は、含水率が低い濾過ケーキとして、濾布内に留まる。
なお、スラリー貯留槽3内の原液を濾室内へ供給することにより、スラリー貯留槽3内の原液が少なくなった場合は、自動弁23aを閉状態から開状態に変え、スラリー貯留槽3内に原液を補給することができる。
また、濾室内へ供給する原液の量が多いため、濾室内に入りきらなかった原液は、リリーフ弁24aを通じて、スラリー貯留槽3内へ戻すこともできる。
濾過工程が終盤に入り、濾室内への原液の供給が不要になると、スラリーポンプ2のモータを停止する。それとともに、前記自動弁27fを開状態から閉状態に変える制御を行い、濾室内への原液の供給を停止する。
(圧搾工程:S3)
続いて実施する圧搾工程において、前記濾過ケーキを圧搾して、濾過ケーキを低水分ケーキにする。この圧搾工程について、下記に詳述する。
まず、圧搾工程に入る前に圧搾準備を行う。具体的には、クッションタンク6内の圧搾液の液位を調整する(S31)。この圧搾液の液量は任意に定めることができるが、後工程(S33)での加圧のための圧縮容積を確保するため、例えばクッションタンク6の容積の20%程度にすることが好ましい。
次に、クッションタンク6内に圧縮した気体を充填する(S32)。この気体の圧力も任意に定めることができるが、次工程(S33)での圧搾液ポンプによる加圧を最小限とし、また加圧のための圧縮容積を確保するため、気体圧縮機4の最高吐出圧力とすることが好ましく、例えば1.37MPa程度にすることが考えられる。
次に、圧搾液ポンプ9によって、クッションタンク6を加圧する(S33)。具体的には、まず、自動弁27bおよび27cを開状態から閉状態に変える制御を行う。そして、圧搾液ポンプ9のモータ12を駆動して、圧搾液貯留槽10内に貯留されている圧搾液を、管28hおよび28gを通じて、クッションタンク6へ供給する。なお、前記圧搾液ポンプ9としては、例えば、渦巻きポンプや容積型ポンプを挙げることができる。
クッションタンク6内に圧搾液が流入し、その液量が高まるにつれて、クッションタンク6内の気体が圧縮されて圧力が高まる。なお、クッションタンク6内に貯留させる気体の例として、例えば空気を挙げることができる。
このクッションタンク6内の圧力は、圧力検出器11によって検知する。この圧力検出器11の例としては、例えば圧力スイッチを挙げることができる。この圧力スイッチは、クッションタンク6内の気体の圧力が、予め定めた所定値を超えたときに作動する。そして、所定値を超えた情報を電気信号として監視制御装置21へ送り、監視制御装置21がその情報に基づき、圧搾液ポンプ9のモータ12の駆動を停止させる。この一連の制御は、圧力検出器11とモータ12間の信号連絡通路26を介して行われる。なお、図示していないが、圧力検出器11とモータ12間の信号連絡通路26には、監視制御装置21が接続されている。
そのほか、圧力検出器11として、圧力伝送器を用いても良い。この圧力伝送器により、逐次、クッションタンク6内の圧力データを監視制御装置21へ伝送する。そして、クッションタンク6内の気体の圧力が、予め定めた所定値を超えたことを検知したときに、監視制御装置21が、圧搾液ポンプ9のモータ12の駆動を停止させる。なお、圧力伝送器とともに警報設定器を設けるようにしても良い。例えば、クッションタンク6内の圧力が予め定めた設定値を超えたときに、前記警報設定器により外部に警報を流すことができる。また、前記の一連の制御も、圧力検出器11とモータ12間の信号連絡通路26を介して行われる。さらに、図示していないが、圧力検出器11とモータ12間の信号連絡通路26には、監視制御装置21が接続されている。
また、前記気体の圧力の所定値は、加圧脱水装置を駆動する前に予め設定しておくのが好ましい。その値は、クッションタンク6内に貯留された圧搾液を、ダイヤフラムへ送ることができる程度の圧力値に設定する。具体的には1.37〜2MPaの間、より好ましくは1.6MPa程度の圧力とする。
そして、クッションタンク6内の気体の圧力が所定値まで上昇すると、圧搾液ポンプ9の駆動が停止され、圧搾液貯留槽10からクッションタンク6への圧搾液の送液が停止する。
なお、前記の圧搾工程の準備(S31〜S33)は、圧搾工程に入る前であれば、どのようなタイミングで行っても良い。また、後述するように、本発明の締付工程(S1)〜洗浄工程(S6)までの一連のサイクルは、通常は、複数回繰り返すことが多い。このとき、2回目以降のサイクルにおいては、一連のサイクルの終了時点(洗浄工程:S6の終了時点)で、クッションタンク6内に、圧搾液および圧縮された気体が十分に貯留されている場合、前記圧搾工程の準備(S31〜S33)が不要になるケースもある。従って、2回目以降のサイクルにおいては、クッションタンク6内の液量が十分でない場合(例えば、圧搾液の液量が、クッションタンク6の容積の20%に満たない場合)や、クッションタンク6内の圧縮気体の量が十分でない場合や、その気体の圧力が十分でない場合(例えば、1.6MPaに満たない場合)に、それらを満たすためのいずれかの操作(S31〜S33)を行う。
そして、その後に圧搾工程を開始する(S34)。具体的には、クッションタンク6内の気体の圧力によって、クッションタンク6内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給する(S35)。この供給は、自動弁27cを開状態とし、管28gおよび28fを通じて行われる。また、ダイヤフラム内への供給は、濾板14に設けられた圧搾液供給孔を通じて行われる。
ダイヤフラム内へ圧搾液が供給されると、ダイヤフラムが膨張し、濾室内にある濾過ケーキを圧搾する。この圧搾により、濾過ケーキから濾布を通って濾液がさらに染み出る。そして、その濾液は濾液排出口を通じて外部へと排出される。一方、圧搾された濾過ケーキは、含水率が更に低くなった低水分ケーキとなり、濾布内に留まる。
このように、クッションタンク6からダイヤフラムへ圧搾液を供給している間、圧搾液ポンプ9の運転を停止することができるため、電力消費量を減らすことができるという利点がある。
この利点は、特にダイヤフラム内が圧搾液で満杯になった後に、大きな利益をもたらす。以下に、この利点について詳述する。
ダイヤフラム内が圧搾液で満杯になるまでの運転初期は、ダイヤフラムへ圧搾液を供給することを阻害する主だった要因が存在しない。従って、クッションタンク6を設けず、圧搾液貯留槽10からダイヤフラムへ直接圧搾液を送る構成の加圧脱水装置であっても、圧搾液ポンプ9を駆動した分だけ、圧搾液がダイヤフラム内へ入ることになり、圧搾液ポンプ9の電力消費に無駄の生じる余地が少ない。
しかし、ダイヤフラム内が圧搾液で満杯になった後も、濾過ケーキをさらに圧搾する必要があるため、ダイヤフラム内へ圧搾液を供給し続ける必要がある。その際、ダイヤフラム内に既に存在する圧搾液が、新たな圧搾液のダイヤフラム内への流入を阻害する。この状態で圧搾液ポンプ9を駆動し続けると、供給圧力の過剰上昇が生じたり、圧搾液ポンプが締切運転を行ったりすることとなり、フィルタープレス1や圧搾液ポンプ9に不具合が生じてしまう。
従来は、そのような不具合を回避するために、圧搾工程中は、一定圧力以上になるとリリーフ弁24dから、圧搾液の一部を圧搾液貯留槽10へ逃しながら運転していた。しかし、通常は、圧搾液ポンプ9の出力が一定に保たれているため、クッションタンク6を用いない場合、リリーフ弁24dから放出される圧搾液の分だけ電力を余分に消費してしまう。そこで、本発明のように、クッションタンク6を用いることで、リリーフ弁24dから、圧搾液の一部を圧搾液貯留槽10へ逃す必要はなく、圧搾液ポンプ9の運転を停止することができ、ダイヤフラム内が圧搾液で満杯になった後にかかる余分な電力の消費を防ぐことができる。
特に、圧搾液ポンプ9は電力消費量が大きいため、その運転を停止することによる節電効果も顕著なものとなる。
一方、クッションタンク6内の圧搾液がダイヤフラムへ送られ、クッションタンク6内に貯留している圧搾液量が低下するに伴い、クッションタンク6内の気体の圧力が低下する。そして、クッションタンク6内の気体の圧力が低下すると、クッションタンク6からダイヤフラムへ圧搾液を送る送液力が低下する。
そこで、クッションタンク6内の気体の圧力が所定値以下に達したことを圧力検出器11が検知したときに、その情報を監視制御装置21へ送る。なお、この所定値は、クッションタンク6内の圧搾液をダイヤフラムへ送りにくくなる圧力値を指し、任意に定めることができる。具体的には、1.4MPa以下にするのが好ましく、より好ましくは1.4MPaが好ましい。なお、この所定値は、加圧脱水装置を稼働する前に予め定めておくことが好ましい。
そして、前記情報を受けた監視制御装置21は、圧搾液ポンプ9を再起動させ、圧搾液貯留槽10からクッションタンク6およびダイヤフラムへ圧搾液を再び送る作業を開始する。そして、クッションタンク6内の気体の圧力が、予め定めた所定値を超えたことを検知したときに、監視制御装置21が、圧搾液ポンプ9のモータ12の駆動を停止させる(S36)。この一連の制御は、圧力検出器11とモータ12間の信号連絡通路26を介して行われる。なお、図示していないが、圧力検出器11とモータ12間の信号連絡通路26には、監視制御装置21が接続されている。
その後についても、クッションタンク6内の気体の圧力値を指標にして、上記の運転を繰り返す。
本発明にかかる加圧脱水方法の圧搾工程にかける時間は、スラリーの性状により予め任意に設定することができる。圧搾工程にかかる時間は、圧搾タイマーによって計測される。そして、前記設定時間が経過するまでは、S35、S36、S35、S36・・・と、各工程を繰り返す。その後、前記設定時間が経過すると、圧搾工程を終了する(S37)。
なお、前記の説明においては、圧搾液貯留槽10内の圧搾液を一度クッションタンク6に貯留し、クッションタンク6内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給する例を示した。つまり、圧搾液貯留槽10からダイヤフラムへ直接圧搾液を送らない例を示した。しかし、本発明の加圧脱水方法はこれに限られるものではない。つまり、圧搾液貯留槽10内の圧搾液をクッションタンク6へ送るとともに、圧搾液の一部を圧搾液貯留槽10からダイヤフラムへ直接送るようにしても良い。
以下に、圧搾液貯留槽10内の圧搾液をクッションタンク6へ送るとともに、圧搾液の一部を圧搾液貯留槽10からダイヤフラムへ直接送る例を詳述する。なお、前記の実施形態と同様の構成、工程については、その詳細な説明は省略する。
まず、圧搾工程に入る前に圧搾準備を行う。具体的には、クッションタンク6内の圧搾液の液位を調整する(S31)。この圧搾液の液量は任意に定めることができるが、後工程(S33)での加圧のための圧縮容積を確保するため、例えばクッションタンク6の容積の20%程度にすることが好ましい。
次に、クッションタンク6内に圧縮した気体を充填する(S32)。この気体の圧力も任意に定めることができるが、次工程(S33)での圧搾液ポンプによる加圧を最小限とし、また加圧のための圧縮容積を確保するため、1.37MPaにすることが考えられる。
次に、圧搾液ポンプ9によって、クッションタンク6を加圧する(S33)。具体的には、まず、自動弁27cを閉状態から開状態に変える制御を行う。また、自動弁27bを開状態から閉状態に変える制御を行う。そして、圧搾液ポンプ9のモータ12を駆動して、圧搾液貯留槽10内に貯留されている圧搾液を、管28hおよび28gを通じて、クッションタンク6へ供給する。なお、前記圧搾液ポンプ9としては、例えば、渦巻きポンプや容積型ポンプを挙げることができる。
圧搾液の準備(S31〜S33)は、以上のとおりである。
そして、本実施形態においては、圧搾液ポンプ9により圧搾液をクッションタンク6へ供給するのと同時に、圧搾液貯留槽10内に貯留されている圧搾液の一部を、管28hおよび28fを通じて、ダイヤフラムへも供給する。クッションタンク6を経由せずに、管28hおよび28fを通じて、圧搾液貯留槽10からダイヤフラムへ直接送られた圧搾液は、ダイヤフラム内に貯留され、ダイヤフラムを膨張させて、濾過ケーキの圧搾を行う。この点に着目すると、前述の圧搾工程の準備(S33)と並行して、別ルートで圧搾作業を開始している(S34)ということができる。
一方、クッションタンク6内に圧搾液が流入し、その液量が高まるにつれて、クッションタンク6内の気体が圧縮されて圧力が高まる。
そして、クッションタンク6内の気体の圧力が所定値まで上昇すると、圧搾液ポンプ9の駆動が停止され、圧搾液貯留槽10からクッションタンク6への圧搾液の送液が停止する。
なお、前記圧搾液ポンプ9のモータ12の駆動を停止すると、圧搾液貯留槽10からダイヤフラムへ圧搾液を直接送る作業も停止する。従って、圧搾液ポンプ9のモータ12の駆動を停止した後は、クッションタンク6内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給する作業のみが行われることとなる。以後の工程は前述の実施形態と同様である。
また、特許文献1と本発明を対比すると、特許文献1のように、空気圧縮機を用いて圧搾タンク内の空気を圧縮し、圧縮した空気を用いて圧搾タンク内の圧搾水を送るシステムである場合は、空気圧縮機を用いて空気を圧縮した時の空気圧が1.5MPaにまで達しないケースが多い。そのため、圧搾水の送液力が弱くなり、ダイヤフラムによる圧搾力が弱くなる。しかし、本発明のように圧搾液ポンプ9を用いてクッションタンク6に圧搾液を送り、その結果としてクッションタンク6内の気体の圧力を上昇させる構成としたことで、空気圧縮機を用いる場合よりも気体の圧力を高めることができる。その結果、圧搾液の圧搾力が強くなり、より強い圧搾力をダイヤフラムへかけることができる。
なお、圧搾液貯留槽10内の圧搾液をダイヤフラムへ供給することにより、圧搾液貯留槽10内の圧搾液が少なくなった場合は、自動弁23cを閉状態から開状態に変え、圧搾液貯留槽10内に圧搾液を補給することができる。
圧搾工程が終わり、ダイヤフラムへの圧搾液の供給が不要になると、圧搾液ポンプ9のモータ12を停止する。それとともに、前記自動弁27cを開状態から閉状態に変える制御を行い、圧搾液の供給を停止する。
以上の記述においては、図1における加圧脱水装置をもとに説明を行った。この図1における加圧脱水装置は、クッションタンク6とブロー用気体貯留槽5をそれぞれ別体で設けている。しかし、本発明にかかる加圧脱水装置はこれに限られるものではなく、図2に示すように、クッションタンク6とブロー用気体貯留槽5を一体化したブロー兼用クッションタンク29を設けるようにしても良い。
図2における加圧脱水装置の圧搾工程(S3)については、クッションタンク6とブロー用気体貯留槽5を別体で設けた図1の加圧脱水装置の圧搾工程(S3)と同じである。ただ、前記の説明の「クッションタンク6」の文言を「ブロー兼用クッションタンク29」の文言に読み替えれば良い。従って、詳細な説明の記述については、省略する。
なお、図2に示すように、クッションタンク6とブロー用気体貯留槽5を一体化することにより、設備費を削減することができるとともに、全体の設備を小型化することができるという利点がある。また、このブロー兼用クッションタンク29の構成も、2MPa程度の圧力に耐えられるような、例えば鋼板製円筒槽の第二種圧力容器とするのが好ましい。
(ブロー工程:S4)
続いて実施するブロー工程において、フィルタープレス1内の未脱水スラリーを洗浄して、圧縮空気によりブローするとともに、ダイヤフラム内の水を排出する。
具体的には、ブロー工程を開始(S41)する段階になると、自動弁27dおよび27gを閉状態から開状態に変える制御を行う。そして、洗浄液ポンプ7のモータを駆動して、洗浄液貯留槽8内に貯留されている洗浄液を、管28eを通して、フィルタープレス1へ供給する(S42)。圧搾工程が終了した段階で、フィルタープレス1の濾板14に形成されたスラリー供給孔には、未脱水スラリーが詰まっている。そこで、前記洗浄液によってそれらの未脱水スラリーを、管28kを通して外部へ押し出し、スラリー供給孔を洗浄する。なお、前記洗浄液として、例えば水を用いることができるが、これに限られるものではない。
なお、洗浄液貯留槽内の洗浄液をフィルタープレス1へ供給することにより、洗浄液貯留槽内の原液が少なくなった場合は、自動弁23bを閉状態から開状態に変え、洗浄液貯留槽内に原液を補給することができる。
また、前記フィルタープレス1へ供給する洗浄液の量が多いため、フィルタープレス1で使い切れなかった洗浄液は、リリーフ弁24cを通じて、洗浄液貯留槽8内へ戻すこともできる。
そして、前記洗浄が終了すると、洗浄液ポンプ7のモータの駆動を止め、自動弁27dを開状態から閉状態にする。
次に、ブロー作業を行うが、そのブロー用気体にはブロー用気体貯留槽5内の圧縮気体を用いる。具体的には、自動弁27eを閉状態から開状態にして、気体圧縮機4から供給されたブロー用気体貯留槽5内の圧縮気体を、管28cおよび管28bを通じて、フィルタープレス1へ供給する(S43)。フィルタープレス1に供給された気体は、スラリー供給孔に残留する洗浄液を排出させ、同時に、濾板及びダイヤフラムの濾液溝に残留する濾液の排出を促す。
前記ブロー用気体貯留槽5内の圧縮気体の圧力が低下してブロー用気体が不足した場合は、自動弁27aを閉状態から開状態にする。そして、気体圧縮機4からブロー用気体を補給する。
そして、前記ブロー作業の終了をもって、一連のブロー工程が終了する(S44)。
ブロー工程が終わり、フィルタープレス1への気体の供給が不要になると、自動弁27eおよび自動弁27gを開状態から閉状態に変える制御を行い、フィルタープレス1への気体の供給を停止する。
前記の説明においては、図1に示すように、クッションタンク6とブロー用気体貯留槽5とが別体になっている例を挙げて説明した。しかし、図2に示すように、クッションタンク6とブロー用気体貯留槽5とを一体化させたブロー兼用クッションタンク29を設ける場合においても、ほぼ同様の作業が行われる。下記に具体例を示すが、洗浄作業(S42)については前記と同様なので、説明を割愛する。
前記洗浄が終了すると、洗浄液ポンプ7の駆動を止め、自動弁27dを開状態から閉状態にする。それとともに、自動弁27eを閉状態から開状態にする。前記ブロー兼用クッションタンク29の中には、圧搾液が貯留されることによって圧力の高まった気体が存在する。そこで、そのブロー兼用クッションタンク29内の圧縮気体を、管28bを通じて、フィルタープレス1へ供給する(S43)。フィルタープレス1に供給された気体は、スラリー供給孔に残留する洗浄液を排出させ、同時に、濾板及びダイヤフラムの濾液溝に残留する濾液の排出を促す。
前記ブロー兼用クッションタンク29内の気体の圧力が低下してブロー用気体が不足した場合は、自動弁27hを閉状態から開状態にする。そして、気体圧縮機4からブロー用気体を補給する。
そして、前記ブロー作業の終了をもって、一連のブロー工程が終了する(S44)。
ブロー工程が終わり、フィルタープレス1への気体の供給が不要になると、前記自動弁27h、27e、27gを開状態から閉状態に変える制御を行い、フィルタープレス1への気体の供給を停止する。
通常、圧搾操作が終了した段階で、クッションタンク6内の気体の圧力が高い状態となっている。本発明においては、このクッションタンク6内の気体を大気中に放出するのではなく、ブロー工程に有効利用することにした。これにより、ブロー用空気を新たに作成するために必要な電力を抑えることができる。
(排出工程:S5)
続いて、前記ブロー工程が終了した後に、締付装置18による濾板14の締付けを緩め、全ての濾室を一斉に開放する。その後、全ての濾布14を一斉に下降して、ブロー後のケーキを剥離し、排出する。
(洗浄工程:S6)
続いて、前記排出工程の終了後に、フィルタープレス1に備えられた洗浄ノズル(図示しない)を通じて、高圧水により濾布14を一斉に洗浄する。
前記締付工程(S1)〜洗浄工程(S6)までの一連の操作は、一つのサイクルとして行われる。加圧脱水装置の運転を開始する前に、運転時間を予め定めておくのが好ましい。そして、洗浄工程終了後に、前記運転時間が終了していない場合は、洗浄工程終了後に締付工程に戻り、再びS1〜S6の各作業を繰り返す。一方、運転時間が終了している場合は、加圧脱水装置の運転を停止させる。
なお、前記のように運転時間を指標として運転を制御するのではなく、何サイクル繰り返すのかを予め定め、そのサイクル数を指標として運転を制御するようにしても良い。
1・・・フィルタープレス
2・・・スラリーポンプ
3・・・スラリー貯留槽
4・・・気体圧縮機
5・・・ブロー用気体貯留槽
6・・・クッションタンク
7・・・洗浄液ポンプ
8・・・洗浄液貯留槽
9・・・圧搾液ポンプ
10・・・圧搾液貯留槽
11・・・圧力検出器
12・・・モータ
13・・・固定側フレーム
14・・・濾板
15・・・濾布駆動装置
16・・・主梁
17・・・移動側フレーム
18・・・締付装置
20・・・脚
21・・・監視制御装置
22a〜22c・・・逆止弁
23a〜23c・・・自動弁
24a〜24d・・・リリーフ弁
26・・・圧力検出器とモータ間の信号連絡通路
27a〜27g・・・自動弁
28a〜28k・・・管
29・・・ブロー兼用クッションタンク
30・・・濾液トラフ
F・・・濾液
S・・・原液
W1・・・洗浄液
W2・・・圧搾液

Claims (3)

  1. 並列に配置された複数の濾板と、
    隣接する濾板の間に形成された濾室内に設けられ、供給されるスラリーを濾過する濾布と、
    前記濾布と濾板との間に設けられ、濾過ケーキを圧搾するダイヤフラムと、を備えた加圧脱水装置において、
    圧搾液を貯留する圧搾液貯留槽と、
    前記圧搾液貯留槽からダイヤフラムへ圧搾液を供給する圧搾液供給ラインに接続される、密閉されたクッションタンクと、
    前記圧搾液貯留槽内の圧搾液を
    (1)ダイヤフラムに供給するとともに、クッションタンクにも供給する
    (2)ダイヤフラムには供給せず、クッションタンクにのみ供給する
    いずれかの操作を行う圧搾液ポンプと、
    前記クッションタンクに貯留される圧搾液量の増加に伴って、クッションタンク内の圧力が所定値まで上昇した段階で、圧搾液ポンプの運転を停止させて、クッションタンク内の圧力によって、クッションタンク内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給する制御を行う制御装置と、を備え、
    前記クッションタンクは、
    圧搾操作を終えた脱水装置内に残留する液体を排出させるブロー用気体を貯留したブロー兼用クッションタンクであることを特徴とする加圧脱水装置。
  2. 前記クッションタンク内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給し、クッションタンク内の圧力が所定値まで降下した段階で、前記圧搾液ポンプの運転を再開する請求項1に記載の加圧脱水装置。
  3. 複数の濾板を並列に配置し、
    隣接する濾板間に形成された濾室内へスラリーを供給し、
    前記濾室内に設けた濾布によってスラリーを濾過した後、
    前記濾布と濾板との間に設けたダイヤフラムを膨張させて、前記濾過後の濾過ケーキを圧搾する加圧脱水方法において、
    圧搾液貯留槽からダイヤフラムへ圧搾液を供給する圧搾液供給ラインに、密閉されたクッションタンクが接続され、
    前記圧搾液貯留槽内の圧搾液を
    (1)ダイヤフラムに供給するとともに、クッションタンクにも供給する
    (2)ダイヤフラムには供給せず、クッションタンクにのみ供給する
    いずれかの操作を行い、
    前記クッションタンクに貯留される圧搾液量の増加に伴い、クッションタンク内の圧力が所定値まで上昇した段階で、圧搾液ポンプの運転を停止させて、クッションタンク内の圧力によって、クッションタンク内に貯留した圧搾液をダイヤフラムへ供給する制御を行い、
    前記圧搾操作を終えた後、前記クッションタンク内に貯留したブロー用気体を用いて、脱水装置内に残留する液体を排出させることを特徴とする加圧脱水方法。
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