JP5754932B2 - 爽快な口腔刺激を有する発酵アルコール飲料 - Google Patents

爽快な口腔刺激を有する発酵アルコール飲料 Download PDF

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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Description

本発明は、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料、及び、その製造方法に関する。
ホップはビールに爽快な苦味と香りを付与する。ホップに由来する香りはビールのキャラクター形成に大きな影響を与えている。ビールを飲んだときに感じる独特の「ふくみ香」や溜飲した後のアロマ香について、着目され、ホップの使用方法がこれらに及ぼす影響について研究が行われている。これらホップアロマ香を構成しているのがホップのルプリン粒に含まれるホップ精油である。ホップ精油について具体的な物質例を挙げると、リナロールはホップ精油に含まれる代表的なテルペン化合物であるが、フローラル感を付与する物質である。その他にもモノテルペンであるミルセンやα−,β−ピネン、セスキテルペンにα−フムレンやβ−カリオフィレンなど、精油を構成する化合物は現在までに約300以上同定されている。これらの精油成分がフローラル感や果実様ビールフレーバーに影響を与えているため、これらの精油成分をコントロールすることで、ホップ感の強弱の違うビールの造りこみを行っている。
香気特徴を表現する言葉として、フローラル、スパイシー、シトラス、フルーティー、ホッピー、スパイシー、マスカット等が一般的に用いられているが(例えば、非特許文献1〜5参照)、これら以外にも、細分化した香気特徴が多数存在する。また、先述のようにホップに由来する多様な香気成分の存在が知られているものの、発泡性飲料中の香気と化学成分に関する研究は限定的であり(非特許文献1〜5参照)、具体的な香気と化学成分の関係は明確でなく、特に、細分化した香気特徴と、それに関連する化学成分との関係は全く未知の科学領域である。さらに、ホップに由来する香気間の相互作用や、香気成分間の相互作用について、殆ど知見がない。
シトロネロールは、モノテルペンの1種であり、ローズ様香気を有することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、ユーデスモールは、セスキテルペンの1種であり、ユーカリの香気成分の1種として知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、ホップを用いた発酵アルコール飲料において、その飲料中の「β−シトロネロール濃度」、「β−ユーデスモール濃度」、及び、「両濃度の比率」が、特定の香気特徴と関連しているかどうかなど、これまでには全く知見がなかった。
特開2010−202618号公報 特開2004−284990号公報
Comparison of the Odor-Active Compounds in Unhopped Beer and Beers Hopped with Different Hop Varieties;TORU KISHIMOTO, AKIRA WANIKAWA, KATSUNORI KONO, AND KAZUNORI SHIBATA;J. Agric. Food Chem., 54, 8855-8861 8855, 2006 Comparison of Odor-Active Compounds in the Spicy Fraction of Hop (Humulus lupulusL.) Essential Oil from Four Different Varieties;GRAHAM T. EYRES, PHILIP J. MARRIOTT, AND JEAN-PIERRE DUFOUR;J. Agric. Food Chem., 55, 6252-6261, 2007 Hop Aroma in American Beer;Val E. Peacock, Max L. Deinzer, Lois A. McGill, and Ronald E. Wrolstad;J. Agric. Food Chem., 28, 774-777, 1980 Aging of Hops and Their Contribution to Beer Flavor;Kai C. Lam, Robert T. Foster 11, and Max L. Deinzer;J. Agric. Food Chem., 34, 763-770, 1986 Floral Hop Aroma in Beer;Val E. Peacock, Max L. Deinzer, Sam T. Likens, Gail B. Nickerson, and Lois A. McGill;J. Agric. Food Chem., 29, 1265-1269, 1981
本発明の課題は、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料、及び、その製造方法を提供することにある。
本発明者らは、多様なホップ品種を用いたビール試験醸造の詳細な研究過程において、多数のホップ品種を用い、さらにはその使用方法を様々に工夫することを行ってきた。その研究過程の中で、本発明者らは、関連する化学成分を特定量アルコール飲料(発酵麦芽飲料)に含有させることにより、後味がキリリとしまり・引き締まる、後味がドライ、炭酸様の細かい刺激、辛口といった爽快な口腔刺激が強調されたアルコール飲料およびその製造方法を提供し得ることを見出した。
本発明者らは、まず、きわめて多数のホップ品種の中から様々な組合せを試み、香気特徴の異なる、特定の品種の組合せを同時に使用することで、後味がキリリとしまり・引き締まる、後味がドライ、炭酸様の細かい刺激、辛口、といった該特徴が強調できる特定の品種組み合わせを見出した。
次いで、本発明者らは、その組合せの品種のホップを用い、ホップの添加時期や添加量を様々に変化させて調製した試験醸造品の官能評価を繰り返し、これまでには存在しない新たな香気特徴を付与しうるホップ使用方法の発見に至った。また、本発明者らは、それらの試験醸造品の化学分析も並行して行い、前述の新たな香気の指標となる成分を見出した。
さらに、現在の市販品の官能評価を行ったところ、市販品の中には、前述の新たな香気が感じられる製品が存在しなかったため、市販品について分析値からの検証を試みたところ、前述の新たな香気を持つ試験醸造品と同様の分析値を有する製品はないことが確認できた。
本発明者らは、以上のような知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]ホップを用いた発酵アルコール飲料において、飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量が以下の(1)〜(3)の条件を充足するように調製されたことを特徴とする、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料;
(1)β−シトロネロール濃度:8〜21ppbの範囲内、かつ
(2)β−ユーデスモール濃度:8〜33ppbの範囲内、かつ
(3)β−シトロネロール/β−ユーデスモール比:0.2〜2.5の範囲内;
に関する。
また、本発明は、
[2]ホップを用いた発酵アルコール飲料の製造において、β−シトロネロールを含有するホップと、β−ユーデスモールを含有するホップを、煮沸中の発酵前溶液に添加することにより、飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量を以下の(1)〜(3)の条件を充足するように調整することを特徴とする、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料の製造方法;
(1)β−シトロネロール濃度:8〜21ppbの範囲内、かつ
(2)β−ユーデスモール濃度:8〜33ppbの範囲内、かつ
(3)β−シトロネロール/β−ユーデスモール比:0.2〜2.5の範囲内;や、
[3]β−シトロネロールを含有するホップとして、マチュエカ種のホップ又はカスケード種のホップ用い、β−ユーデスモールを含有するホップとして、ヘルスブルッカー種のホップを用いることを特徴とする、上記[2]に記載の爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料の製造方法や、
[4]ホップの煮沸時間が5分以内となるように、ホップを煮沸中の発酵前溶液に添加することを特徴とする、上記[2]又は[3]に記載の爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料の製造方法や、
[5]上記[2]〜[4]のいずれかに記載の発酵アルコール飲料の製造方法により製造されたことを特徴とする、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料に関する。
本発明により、発酵アルコール飲料が、ビール、発泡酒等の、ホップを用いた発酵アルコール飲料において、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料を提供することができる。この強調された爽快な口腔刺激は、従来になかった香気である。
1.爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料の製造方法
本発明の爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」と表示する。)は、ホップを用いた発酵アルコール飲料の製造において、β−シトロネロールを含有するホップと、β−ユーデスモールを含有するホップを、煮沸中の発酵前溶液に添加することにより、飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量を以下の(1)〜(3)の条件(以下、3つの条件をまとめて「3条件」とも表示する。)を充足するように調整することを特徴とする。
(1)β−シトロネロール濃度:8〜21ppbの範囲内、かつ
(2)β−ユーデスモール濃度:8〜33ppbの範囲内、かつ
(3)β−シトロネロール/β−ユーデスモール比:0.2〜2.5の範囲内。
詳細なメカニズムは不明であるが、上記3条件を充足するように調整すると、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料を製造することができる。また、かかる発酵アルコール飲料は、良好な強度及び質も備えている。本明細書における「爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料」とは、「後味が引き締まる」、及び、「後味がドライ」という口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料を意味し、かかる口腔刺激(テクスチャー)に加えて、さらに炭酸様の細かい刺激及び/又は辛口という口腔刺激(テクスチャー)が強調された発酵アルコール飲料を好適に例示することができる。なお、これらの口腔刺激の有無や程度は、パネラーによる官能評価によって評価することができ、中でも、後述の実施例3に示すような、引き締まったドライな口腔刺激を4段階で表現したスコアを用いた官能評価を好適に例示することができる
上記の条件(1)としては、β−シトロネロール濃度が8〜21ppbの範囲内であればよいが、爽快な口腔刺激をより強調し得る観点から、9〜17ppbの範囲内であることを好適に例示することができ、9〜15ppbの範囲内であることをより好適に例示することができる。また、上記の条件(2)としては、β−ユーデスモール濃度が8〜33ppbの範囲内であればよいが、爽快な口腔刺激をより強調し得る観点から、15〜30ppbの範囲内であることを好適に例示することができ、18〜30ppbの範囲内であることをより好適に例示することができ、20〜28ppbの範囲内であることをさらに好適に例示することができる。さらに、上記の条件(3)としては、β−シトロネロール/β−ユーデスモール比が0.2〜2.5の範囲内であればよいが、爽快な口腔刺激をより強調し得る観点から、0.3〜1.5の範囲内であることを好適に例示することができ、0.3〜1.0の範囲内であることをより好適に例示することができ、0.3〜0.8の範囲内であることをさらに好適に例示することができる。なお、β−シトロネロール/β−ユーデスモール比とは、β−ユーデスモール濃度(ppb)に対するβ−シトロネロール濃度(ppb)の比率を意味する。
上記のβ−シトロネロールを含有するホップとしては、β−シトロネロールを含有するホップである限り特に制限されないが、β−シトロネロールを高含有するホップを好適に例示することができ、中でも、マチュエカ種のホップや、カスケード種のホップをより好適に例示することができ、中でも、ニュージーランド産のマチュエカ種のホップやアメリカ産のカスケード種のホップを特に好適に例示することができる。本発明の製造方法においては、β−シトロネロールを含有するホップを1種類用いてもよいし、2種類以上用いても良い。
上記のβ−ユーデスモールを含有するホップとしては、β−ユーデスモールを含有しているホップである限り特に制限されないが、β−ユーデスモールを高含有するホップを好適に例示することができ、中でも、ヘルスブルッカー種のホップをより好適に例示することができ、中でも、ドイツ産のヘルスブルッカー種のホップを特に好適に例示することができる。本発明の製造方法においては、β−ユーデスモールを含有するホップを1種類用いてもよいし、2種類以上用いても良い。
本明細書における「β−シトロネロールを高含有するホップ」とは、そのホップを単独で用い、以下の条件で試験醸造して得られる貯酒サンプル中のβ−シトロネロール/β−ユーデスモール比が5以上となるホップを意味し、好ましくは7以上、より好ましくは15以上となるホップを含む。また、本明細書における「β−ユーデスモールを高含有するホップ」とは、そのホップを単独で用い、以下の条件で試験醸造して得られる貯酒サンプル中のβ−シトロネロール/β−ユーデスモール比が0.25以下となるホップを意味し、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.14以下となるホップを含む。
[試験醸造による試飲用貯酒サンプルの調製]
試験醸造による貯酒サンプルの調製は、1.5Lスケールの装置を用いて行う。まず、仕込麦汁13.5度に調整した仕込麦汁(仕込時の麦芽使用比率67%,副原料(米・コーングリッツ・コーンスターチ)使用比率33%)をサンプル麦汁として用意する。このサンプル麦汁を電気ヒーターで加温煮沸する。その際、煮沸強度は一定で、60分間で蒸発率が10%となるようにコントロールして行う。サンプル麦汁の煮沸終了5分前にそのホップを0.7g/L〜3.3g/L添加する。煮沸終了後、蒸発量と同量の水をサンプル麦汁に追加した上で、95℃で60分間麦汁静置させる。ろ紙ろ過後、氷水で冷却させたサンプル麦汁にビール酵母を添加し、1週間の主発酵及び4日間の後発酵を行ったサンプルを試飲用貯酒サンプルとする。
本発明の製造方法における特定のホップの添加時期としては、煮沸中の発酵前溶液への添加を例示することができるが、発酵前溶液へのβ−シトロネロールやβ−ユーデスモールの溶出の程度と、発酵前溶液での分解の程度をバランスさせて、それらの両成分をより効率よく発酵アルコール飲料中に含有させる観点から、ホップの煮沸時間が好ましくは15分以内、より好ましくは10分以内、さらに好ましくは7分以内、より好ましくは3〜7分の範囲内、特に好ましくは5分となるような時期に添加することを好適に例示することができる。なお、本発明においては、ホップを煮沸中の発酵前溶液へ添加して前述の時間煮沸した場合と同等のホップ抽出条件であれば特に制限なく用いることができ、例えば、ホップを発酵前溶液とは別に煮沸して、その煮沸物を発酵前溶液と混合する等の方法も採用することができる。
本発明の製造方法において、上記3条件を充足するように調整する方法としては、特に制限されないが、用いるホップの種類、添加量、添加比率や、発酵前溶液へのホップの添加時期等の製造条件を選択することにより、上記3条件を充足するように調整する方法を好適に例示することができる。どのような製造条件を選択することにより、上記3条件を充足するように調整し得るかは、用いるホップの種類、添加量、添加比率や、発酵前溶液へのホップの添加時期等の製造条件を適宜調整することにより、当業者であれば容易に理解することができる。なお、本発明の製造方法自体は、上記3条件を充足するように調整する点を除いて、ホップを用いた発酵アルコール飲料の従来の製造方法と特に異なることはない。
本発明の製造方法において、飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量の調整は、発酵アルコール飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量を、ガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(以下、「GC/MS」とも表示する。)で分析・測定した値を指標にして行うことができる。かかるGC/MSとしては、市販の装置であれば問題なく使用可能である。また、GC/MSによる分析・測定方法としては、GC/MSの公知の分析・測定方法を用いることができるが、中でも、ボルネオール(Borneol)を内部標準物質とした分析・測定方法を好適に例示することができ、中でも、後述の表2に記載した条件を用いた分析・測定方法をより好適に例示することができる。また、発酵アルコール飲料中の両成分をGC/MSで分析・測定する際には、かかる発酵アルコール飲料を固相カラムで抽出した香気成分をGC/MSに供することを好適に例示することができ、かかる固相カラムとしては、C18固相カラムを特に好適に例示することができる。
本発明において、発酵アルコール飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量をGC/MSで分析・測定する際の特に好適な方法は以下のとおりである。飲料中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、それをGC/MSに供する。成分の定量には内部標準法を用い、内部標準物質としてボルネオール(Borneol)を試料中25ppbになるよう添加する。分析条件として、後述の表2の条件を用いる。
2.爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料
本発明の爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料(以下、単に「本発明の発酵アルコール飲料」と表示する。)は、ホップを用いた発酵アルコール飲料において、飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量が上記3条件を充足するように調製されたことを特徴とする。詳細なメカニズムは不明であるが、上記3条件を充足するように調製された発酵アルコール飲料は、強調された爽快な口腔刺激を有している。
本発明の発酵アルコール飲料において、上記3条件を充足するように調製する方法としては、特に制限されないが、用いるホップの種類、添加量、添加比率や、発酵前溶液へのホップの添加時期等の製造条件を選択することにより、上記3条件を充足するように調製する方法を好適に例示することができる。かかる製造条件については、本発明の製造方法に関して前述した製造条件と同様の条件を選択することができる。なお、本発明の発酵アルコール飲料としては、本発明の製造方法により製造された発酵アルコール飲料を好適に例示することができる。
また、本発明の発酵アルコール飲料において、飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量の調製は、発酵アルコール飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量を、ガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(GC/MS)で分析・測定した値を指標にして行うことができる。GC/MSによる分析・測定方法については、本発明の製造方法に関して前述したとおりである。
本発明の発酵アルコール飲料の種類としては、ホップを用いた発酵アルコール飲料である限り特に制限されないが、ビール、発泡酒、その他の発泡性の醸造酒や発泡性リキュールを例示することができ、中でも、ビール、発泡酒を好適に例示することができる。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
[試験醸造による試飲用貯酒サンプルの調製、及び、その官能評価]
官能評価に用いた貯酒サンプルの調製は、1.5Lスケールの装置を用いて行った。まず、仕込麦汁13.5度に調整した仕込麦汁(仕込時の麦芽使用比率67%,副原料(米・コーングリッツ・コーンスターチ)使用比率33%)をサンプル麦汁として用意した。このサンプル麦汁を電気ヒーターで加温煮沸した。その際、煮沸強度は一定で、60分間で蒸発率が10%となるようにコントロールして行った。煮沸終了後、蒸発量と同量の水をサンプル麦汁に追加した上で、95℃で60分間麦汁静置させた。ろ紙ろ過後、氷水で冷却させたサンプル麦汁にビール酵母を添加し、1週間の主発酵及び4日間の後発酵を行なったサンプルを試飲用貯酒サンプルとした。ホップの品種は、ドイツ産ヘルスブルッカー種、ニュージーランド産マチュエカ種、アメリカ産カスケード種を使用し、より詳細には、後述の表1に記載のホップ品種を表1に記載の添加量で用いて試験醸造し、各試験区(試験区A〜E)の貯酒サンプルを調製した。なお、ホップはいずれの試験区でも、サンプル麦汁の煮沸終了5分前に添加した。貯酒サンプルの官能評価は、3名の官能評価パネルが試飲して評価することにより行った。また、各試験区の貯酒サンプルの炭酸ガス濃度(w/w%)を、炭酸ガス濃度計によって測定した。各試験区の貯酒サンプルの官能評価の結果、及び、炭酸ガス濃度値(w/w%)を表1に示す。
ヘルスブルッカー種のみを使用した試験区Aでは、スパイシー、枯れ草様の香りとの官能評価が得られたが、マチュエカ種のみを使用した試験区Bでは、フルーティーな香り、甘い香りで締りがなく、飲み込んだ後もフルーツ様、甘い香りが持続するとの官能評価が得られた。一方、試験区Aで使用したヘルスブルッカー種と、試験区Bで使用したマチュエカ種を混合して使用した試験区Cでは、フルーティー、後味がキリリとしまり・引き締まる、後味がドライ、炭酸様の細かい刺激、辛口、との官能評価が得られた。試験区Cの官能評価で注目すべきところは、試験区Aや試験区Bでは感じられなかった爽快な口腔刺激あるいはテクスチャー、すなわち、後味が引き締まる、後味がドライ、辛口、炭酸様の細かい刺激、といった口腔刺激あるいはテクスチャーが新たに加わった点である。このように複数のホップ品種を混ぜることによって、口腔刺激あるいはテクスチャーが変化した事例はこれまでに報告されていない。
さらに、試験区Cで使用したマチュエカ種をカスケード種に替え、ヘルスブルッカー種とカスケード種との組合せを使用した試験区Dでも、試験区Cと同様に、爽快な口腔刺激、テクスチャーが認められた。なお、カスケード種のみを使用した場合に得られた官能評価は、試験区Eに示すように、ライチ、マスカット様のフルーティーな香りであった。また、試験区BとEの貯酒サンプルを混合して官能評価しても、上述のような爽快な口腔刺激やテクスチャーは認められなかった。なお、試験区A〜Eの炭酸ガス濃度は、表1の最下段に示すようにいずれもほとんど変化がなかったことから、上述のような爽快な口腔刺激やテクスチャーは、炭酸ガス濃度の変化に起因するものではないことが確認できた。
以上のように、特定のホップ品種を組み合わせることによって、爽快な口腔刺激あるいはテクスチャーが得られることが確認できた。
[爽快な口腔刺激の程度と密接に関連した指標成分のGC/MSによる探索]
表1の試験区C及びDにおける爽快な口腔刺激あるいはテクスチャーが、どのようなホップ香気成分に由来するかを調べるために、まず、マススペクトロメーター検出器付きガスクロマトグラフィー(GC/MS)を用いて、表1の試験区A〜Eの貯酒サンプルの解析を行った。そして、表1に掲げた試験区で濃度が異なる成分を徹底的に探索した結果、β−シトロネロールとβ−ユーデスモールに差異が認められ、これらの両成分が爽快な口腔刺激の程度と関連する指標候補と考えられた。
なお、GC/MSによる分析は、各試験区の貯酒サンプル中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、それをGC/MSに供することによって行った。成分の定量には内部標準法を用いた。内部標準物質にはボルネオール(Borneol)を用い、試料中25ppbになるよう添加した。GC/MSにおけるホップ香気成分の分析条件のうち、β−シトロネロールとβ−ユーデスモールを定量した際の分析条件を代表として以下の表2に記載する。
GC/MSによって、各試験区におけるβ−シトロネロール濃度(ppb)とβ−ユーデスモール濃度(ppb)を測定した結果を表1にそれぞれ示す。また、各試験区において算出した、β−ユーデスモール濃度に対するβ−シトロネロール濃度の比率(β−シトロネロール/β−ユーデスモール比)も表1にそれぞれ示す。表1の結果から分かるように、引き締まったドライな口腔刺激は、少なくとも、β−シトロネロール濃度が13〜17ppbの範囲内であり、β−ユーデスモール濃度が12〜14ppbの範囲内であり、かつ、β−シトロネロール/β−ユーデスモール比が1〜1.3の範囲内である場合に感じられた。このことをさらに詳細に検証するため、以下の実施例3の試験を行なった。
[指標成分であるβ−シトロネロール、β−ユーデスモールの有効性の検証]
β−シトロネロール、β−ユーデスモールが、前述の実施例で得られた爽快な口腔刺激あるいはテクスチャーの指標成分としてどの程度有効であるかを検証するために、ドイツ産ヘルスブルッカー種のホップと、ニュージーランド産マチュエカ種のホップの添加量(添加比率)を後述の表3に示すように、より詳細に変化させて、試験醸造し、試験品1〜6の貯酒サンプルを調製した。試験醸造の方法は、ホップの添加量(添加比率)以外、実施例1記載の方法にしたがった。貯酒サンプルの官能評価は、3名の官能評価パネルが試飲して、引き締まったドライな口腔刺激を評価することにより行った。また、その評価結果は、引き締まったドライな口腔刺激をスコア化し、0:「感じない」、1:「僅かに感じる」、2:「感じる」、3:「強く感じる」の4段階で表現した。その結果を表3に示す。また、試験品1〜6の各貯酒サンプルのβ−シトロネロール濃度(ppb)とβ−ユーデスモール濃度(ppb)を、前述の実施例2記載の方法にしたがったGC/MSにて測定し、それらの測定値に基づいて「β−シトロネロール/β−ユーデスモール比」の値を算出した。これらのβ−シトロネロール濃度の測定値(ppb)、β−ユーデスモール濃度の測定値、及び、「β−シトロネロール/β−ユーデスモール比」の値も表3に示す。
表3の結果から分かるように、試験品1ではスコアが0、試験品6でも1と、評価対象である爽快な口腔刺激が明確には感じられなかったものの、試験品2、3、4、5ではスコアが2又は3と、かかる爽快な口腔刺激が明確に感じられ、特に試験品3と4では、もっとも強い3のスコアとなった。これらのスコア値と成分値との関係を解析すると、β−シトロネロール濃度が8〜21ppbの範囲内であり、β−ユーデスモール濃度が8〜33ppbの範囲内であり、かつ、β−シトロネロール/β−ユーデスモール比が0.2〜2.5の範囲内である場合に、評価対象の爽快な口腔刺激が明確に感じられた。また、官能評価において、評価対象の爽快な口腔刺激が明確に感じられなかった試験品1と6では、β−シトロネロール濃度の範囲、β−ユーデスモール濃度の範囲、及び、β−シトロネロール/β−ユーデスモール比の範囲のいずれも外れる結果となった。
(望ましい成分値の範囲のまとめ)
表1の試験区C、D、及び、表3の試験品2〜5において、引き締まったドライな口腔刺激等の官能評価について良好な結果が得られたので、これらの結果と化学成分とを比較し、各成分値や比率の望ましい範囲を、次の通り特定した。
β−シトロネロール濃度が8〜21ppbの範囲内であり、
β−ユーデスモール濃度が8〜33ppbの範囲内であり、かつ、
β−シトロネロール/β−ユーデスモール比が0.2〜2.5の範囲内であること。
[市販品の分析結果]
現状の市販品について官能検査を行ったが、本発明において新たに見出されたような後味がキリリとしまり・引き締まる、後味がドライ、炭酸様の細かい刺激、辛口、といった爽快な口腔刺激を明確に感じる製品はなかった。したがって、市販品のβ−シトロネロール濃度、β−ユーデスモール濃度、及び、β−シトロネロール/β−ユーデスモール比の分析値を、前述の実施例3で定義したそれらの成分値や比率の望ましい範囲と比較すれば、差異が見出されるはずである。そこで、16種類の市販品(ビール)を用意し、それら市販品のβ−シトロネロール濃度(ppb)とβ−ユーデスモール濃度(ppb)を、前述の実施例2記載の方法にしたがったGC/MSにて測定し、それらの測定値に基づいて「β−シトロネロール/β−ユーデスモール比」の値を算出した。これらのβ−シトロネロール濃度の測定値(ppb)、β−ユーデスモール濃度の測定値、及び、「β−シトロネロール/β−ユーデスモール比」の値を表4に示す。なお、表4中の数値のうち、前述の実施例3で定義した範囲内に入る数値は、太字及び下線を付して示した。
表4の結果から分かるように、市販品には、前述の実施例3で定義した3つの範囲を同時に充たすものはないことが示された。したがって、市販品には、本発明において新たに見出されたような後味がキリリとしまり・引き締まる、後味がドライ、炭酸様の細かい刺激、辛口、といった爽快な口腔刺激を明確に感じる製品、すなわち爽快な口腔刺激が強調された製品がなかったことは、化学成分値からも裏付けられた。
本発明は、ビール、発泡酒等の、ホップを用いた発酵アルコール飲料の分野に利用することができる。より詳細には、本発明は、従来の発酵アルコール飲料になかった香気である、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料を提供するものである。

Claims (5)

  1. ホップを用いた発酵アルコール飲料において、飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量が以下の(1)〜(3)の条件を充足するように調製されたことを特徴とする、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料。
    (1)β−シトロネロール濃度:8〜21ppbの範囲内、かつ
    (2)β−ユーデスモール濃度:8〜33ppbの範囲内、かつ
    (3)β−シトロネロール/β−ユーデスモール比:0.2〜2.5の範囲内。
  2. ホップを用いた発酵アルコール飲料の製造において、β−シトロネロールを含有するホップと、β−ユーデスモールを含有するホップを、煮沸中の発酵前溶液に添加することにより、飲料中のβ−シトロネロール及びβ−ユーデスモールの含量を以下の(1)〜(3)の条件を充足するように調整することを特徴とする、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料の製造方法;
    (1)β−シトロネロール濃度:8〜21ppbの範囲内、かつ
    (2)β−ユーデスモール濃度:8〜33ppbの範囲内、かつ
    (3)β−シトロネロール/β−ユーデスモール比:0.2〜2.5の範囲内。
  3. β−シトロネロールを含有するホップとして、マチュエカ種のホップ又はカスケード種のホップ用い、β−ユーデスモールを含有するホップとして、ヘルスブルッカー種のホップを用いることを特徴とする、請求項2に記載の爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料の製造方法。
  4. ホップの煮沸時間が5分以内となるように、ホップを煮沸中の発酵前溶液に添加することを特徴とする、請求項2又は3に記載の爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料の製造方法。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の発酵アルコール飲料の製造方法により製造されたことを特徴とする、爽快な口腔刺激が強調された発酵アルコール飲料。
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