JP5754315B2 - 樹脂微粒子及びトナーの製造方法、並びにこれらの製造装置 - Google Patents
樹脂微粒子及びトナーの製造方法、並びにこれらの製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5754315B2 JP5754315B2 JP2011201969A JP2011201969A JP5754315B2 JP 5754315 B2 JP5754315 B2 JP 5754315B2 JP 2011201969 A JP2011201969 A JP 2011201969A JP 2011201969 A JP2011201969 A JP 2011201969A JP 5754315 B2 JP5754315 B2 JP 5754315B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- discharge
- toner
- liquid
- droplet
- composition liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
- Glanulating (AREA)
Description
しかしながら、前記懸濁重合法及び前記乳化重合凝集法には、使用可能な樹脂の汎用性が低いという問題がある。
しかしながら、前記ポリマー溶解懸濁法においては、水系媒体中で分散剤を使用することを前提としているために、トナーの帯電特性を損なう分散剤がトナー表面に残存して環境安定性が損なわれるなどの不具合が発生することや、これを除去するために非常に大量の洗浄水を必要とするという問題がある。
しかしながら、従来の噴霧造粒法により得られる粒子は、比較的粗く大きなものであり、また、粒度分布も広いため、トナーそのものの特性を劣化させるという問題がある。
しかしながら、前記トナーの製造方法及び製造装置にあっては、一つの圧電体を用いて一つのノズルからの液滴吐出しか行うことができず、単位時間当たりに吐出できる液滴数が少なく、生産性が悪いという問題がある。
しかしながら、前記トナーの製造方法及び製造装置であっても、一つの圧電体を用いて一つのノズルからの液滴吐出しか行うことができず、単位時間当たりに吐出できる液滴数が少なく、生産性が悪いという問題がある。
しかしながら、前記トナー製造方法は、一つの圧電体に対して複数の吐出孔を設けた場合、圧電体の振動が各吐出孔にまで伝わる速度が圧電体からの距離により異なるため、各吐出孔から吐出される液滴にタイムラグが生じ、吐出孔間で吐出量が異なってしまうという問題がある。
しかしながら、前記トナー粒子の製造方法及び製造装置のように、複数の吐出孔が形成された薄膜と平行な方向に波動を生じさせ、トナー組成液を吐出し、液滴化させる方法の場合、薄膜と平行な方向に振動速度分布ができることにより、吐出孔内のトナー組成液のメニスカスに加わる音圧、ひいてはトナー組成液の吐出速度に分布が生じる。その結果、メニスカスに加わる音圧が小さい箇所では吐出せず、また、吐出しても液滴間が合一しやすいため、単一分散性の液滴を吐出できる面積は、前記薄膜(吐出構造体、ノズルプレート)の面積に対して狭くなるという問題がある。単一分散性の液滴を吐出できる面積が狭いと、生産に必要な設備を広くしなければならないだけでなく、製造装置のエネルギー効率も低くなるため、前記面積の拡大が求められているのが現状である。
<1> 少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液を、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化する液滴形成手段と、前記液滴化したトナー組成液を固化させて粒子を形成する粒子形成手段と、を有することを特徴とするトナーの製造装置である。
<2> 液滴形成手段が、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔が形成された吐出構造体を有し、前記複数の吐出孔の形状が、前記複数の吐出孔の開口径がトナー組成液の吐出方向に向かって小さくなるテーパ形状であり、前記複数の吐出孔が、前記吐出構造体における位置によって異なるテーパ角を有する前記<1>に記載のトナーの製造装置である。
<3> 液滴形成手段が、振動を発生する振動発生体を更に有し、前記振動発生体が、吐出構造体の周囲に円環状に設けられた前記<2>に記載のトナーの製造装置である。
<4> 吐出構造体における、振動発生体側に位置する吐出孔のテーパ角が、中央部に位置する吐出孔のテーパ角よりも大きい前記<3>に記載のトナーの製造装置である。
<5> 液滴形成手段が、吐出孔が開孔されている液室と、前記液室内のトナー組成液に振動を付与する振動発生体とを有し、前記振動発生体により振動を付与された前記液室内の前記トナー組成液が液柱共鳴により圧力定在波を形成し、前記圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を吐出して液滴化する手段である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーの製造装置である。
<6> 粒子形成手段が、液滴化したトナー組成液及び固化された粒子の少なくともいずれかを搬送する搬送気流を内部に流通させる搬送気流流通路を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーの製造装置である。
<7> 搬送気流流通路が、液滴形成手段により吐出された液滴の吐出初速度の方向に対し略直交する方向の搬送気流が形成されるように設けられた前記<6>に記載のトナーの製造装置である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーの製造装置を用いてトナーを製造する方法であって、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液を、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化する液滴形成工程と、前記液滴化したトナー組成液を固化させ粒子を形成する粒子形成工程と、を含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
<9> 液滴形成工程が、複数の吐出孔を有する吐出構造体の周囲に円環状に設けられた振動発生体が前記吐出構造体に振動を付与してトナー組成液を吐出して液滴化する工程である前記<8>に記載のトナーの製造方法である。
<10> 液滴形成工程が、複数の吐出孔を有する液室内のトナー組成液に振動を付与し、前記トナー組成液に液柱共鳴による圧力定在波を形成し、前記圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を吐出する工程である前記<8>に記載のトナーの製造方法である。
<11> 粒子形成工程が、少なくとも吐出孔の吐出開口から2mmの範囲における液滴を、該液滴の吐出初速度の方向に対し略直交する方向の搬送気流により搬送する工程を更に含む前記<8>から<10>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<12> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーの製造装置を用いて製造されたことを特徴とするトナーである。
<13> 粒径分布(重量平均粒径/個数平均粒径)が1.00〜1.10である前記<12>に記載のトナーである。
<14> 少なくとも樹脂を含有する樹脂組成液を、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化する液滴形成手段と、前記液滴化した樹脂組成液を固化させて粒子を形成する粒子形成手段と、を少なくとも有することを特徴とする樹脂微粒子の製造装置である。
<15> 前記<14>に記載の樹脂微粒子の製造装置を用いて樹脂微粒子を製造する方法であって、少なくとも樹脂を含有する樹脂組成液を、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化する液滴形成工程と、前記液滴化した樹脂組成液を固化させて粒子を形成する粒子形成工程と、を少なくとも有することを特徴とする樹脂微粒子の製造方法である。
本発明の樹脂微粒子の製造装置は、液滴形成手段と、粒子形成手段と、を少なくとも有し、必要に応じて、更にその他の手段を有してなる。
本発明の樹脂微粒子の製造方法は、液滴形成工程と、粒子形成工程と、を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の工程を含む。
前記液滴形成工程は、少なくとも樹脂を含有する樹脂組成液を、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化する工程である。したがって、前記樹脂微粒子としては、少なくとも樹脂を含んでいればよく、必要に応じて更にその他の成分を含む。
以下、本願発明の樹脂微粒子の製造方法と製造装置について、樹脂微粒子の一形態であるトナーを例に挙げ、詳細に説明する。
本発明のトナーの製造装置は、液滴形成手段と、粒子形成手段と、を少なくとも有し、必要に応じて、更にその他の手段を有してなる。
本発明のトナーの製造方法は、液滴形成工程と、粒子形成工程と、を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の工程を含む。本発明の前記トナーの製造方法は、前記トナーの製造装置により好適に行われる。
以下、本発明のトナーの製造装置の説明と併せて、本発明のトナーの製造方法について詳細に説明する。
前記液滴形成工程は、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から、トナー組成液を均一な吐出速度で吐出して液滴化する工程であり、前記液滴形成手段により行われる。
前記液滴形成手段としては、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液室と、液滴吐出部とを有することが好ましい。
前記液滴形成手段の種類としては、液滴を形成することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、膜振動型の液滴形成手段、液柱共鳴型の液滴形成手段などが挙げられる。
前記膜振動型の液滴形成手段は、後述する複数の吐出孔を有する吐出構造体が膜である場合、後述する振動発生体より前記膜に振動を付与し、前記吐出孔からトナー組成液を吐出して液滴化する手段である。
前記液室は、トナー組成液流路内に設けられ、後述するトナー組成液を貯留する。
前記液室の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒形状、角型形状、円錐台形状などが挙げられる。
前記液室の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、容器のみからなる単層構造、容器本体と表面層とからなる2重構造、積層構造などが挙げられる。
前記容器の材質と、前記トナー組成液と接する表面層の材質とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記トナー組成液と接する表面層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、セラミックス、プラスチック、シリコーンなどが挙げられる。これらの中でも、トナー組成液に溶解せず、かつトナー組成液の変性を起こさないものが好ましい。
前記液室の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記液滴吐出部は、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔を有する吐出構造体と、振動発生体と、を少なくとも有し、必要に応じて、更にその他の部位を有する。前記液滴吐出部は、前記振動発生体により振動を付加して、前記互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔からトナー組成液を液滴状に均一な吐出速度で吐出する。
前記液滴吐出部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液室(「貯留部」と称することもある。)内に存在する液の共振現象を利用して液滴状にするものが好ましい。この場合、液室の共振周波数が、トナー組成液の共振周波数と重なると、トナー組成液に所望の振動を与えることができないため、液室内のトナー組成液の共振周波数が、液室の共振周波数よりも低いことが、液室内のトナー組成液の圧力が均等に昇圧され、均一な吐出速度で液滴形成できる点で、より好ましい。
前記吐出構造体は、少なくともトナー組成液を吐出するために設けられた互いに異なる形状であるものを含む吐出孔を複数有し、必要に応じて、更にその他の部位を有する。
前記吐出構造体としては、前記液滴形成手段が膜振動型である場合は、振動の点で、薄膜やプレート(板)が好ましい。
また、前記吐出構造体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属板が好ましい。
前記吐出構造体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液滴形成手段が膜振動型である場合は、均一に振動させる点で、円形が好ましい。また、前記吐出構造体の厚み方向の断面から見たとき、前記吐出構造体の前記複数の吐出孔を有する面の中心部が、液滴を吐出させる方向に凸形状に形成されていることが、液滴の吐出方向(進行方向)を制御できる点や、前記吐出構造体全体をより均一に振動させることができ、これにより均一に液滴を形成することができる点で好ましい。
前記接合部の部材として弾性率の高い材料を用いることで、前記吐出構造体の最外周部と吐出構造体をしっかりと固定することができる点で有利である。これにより、前記吐出構造体に振動が効率よく伝播される。特に、前記吐出構造体(膜)が、円形(膜)である場合に振動が効率よく伝播される点で好ましい。
前記弾性率は、例えば、超音波法により測定することができる。
前記吐出孔(「ノズル」、「貫通孔」と称することもある。)は、前記吐出構造体に複数形成されている。前記複数の吐出孔は、互いに異なる形状であるものを含む。
前記吐出孔の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液滴形成手段が膜振動型である場合、1つの吐出構造体に形成された吐出孔の数が、2個〜3,000個が好ましい。
なお、前記吐出孔の開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円や、四角形、六角形、八角形等の多角形又は正多角形であれば平均径を意味する。
前記トナーの製造装置が、後述する振動発生体を前記吐出構造体の周囲に有する場合、前記複数の吐出孔と、前記振動発生体との最短距離としては、特に制限はなく、前記吐出構造体の面積や、前記振動発生体により付加される振動の大きさなどに応じて適宜選択することができるが、前記複数の吐出孔は、前記吐出構造体の振動変位が0でない位置に設けることが好ましい。振動変位が0の位置の吐出孔では、トナー組成液が、染み出しが生じることがある。
このような吐出孔の形状としては、例えば、前記吐出孔の開口径が液滴(トナー組成液)の吐出方向に向かって小さくなるテーパ形状やラウンド形状が好ましい。前記吐出孔の形状がテーパ形状である場合、前記複数の吐出孔が、前記吐出構造体における位置によって異なるテーパ角を有することが好ましく、前記吐出孔の形状がラウンド形状である場合、前記複数の吐出孔が、前記吐出構造体における位置によって異なる曲率半径を有することが好ましい。このように、前記複数の吐出孔が、前記吐出構造体における位置によって異なるテーパ角や曲率半径を有することで、トナー組成液を均一に吐出できる。即ち、前記複数の吐出孔のテーパ角や曲率半径を、前記吐出構造体における位置によって変えることで、前記吐出構造体における前記吐出孔の位置による圧力損失を変え、前記複数の吐出孔における吐出速度を調整することができ、複数の吐出孔において均一な速度でトナー組成液を吐出させることができる。これにより、各吐出孔内で吐出液の速度が同様の分布を有し、トナーを精度よく加工できる点で好ましい。
ここで、前記テーパ角とは、吐出孔の開口面(吐出構造体の厚み方向に対して垂直な面)に対する垂線(開口軸)と、前記吐出構造体の厚み方向の断面における、前記吐出孔の断面形状の側面とのなす角度をいう。また、前記曲率半径は、吐出孔の開口面(吐出構造体の厚み方向に対して垂直な面)から、前記吐出構造体の厚み方向に向かうラウンド形状における曲率半径である。前記テーパ角及び曲率半径は、例えば、共焦点顕微鏡で観察して測定することができる。
前記振動発生体としては、振動を発生させることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。これにより、前記吐出構造体に振動が付加され、前記吐出構造体における吐出孔内のトナー組成液が液滴状に吐出される。
前記振動発生体の具体例としては、圧電効果や、磁歪効果により機械的振動を発生させる超音波発生体などが挙げられる。これらの中でも、圧電効果により電気を機械的振動に変換できるものが、より高い周波数で効率よく振動を発生させることができる点で好ましく、例えば、圧電体などが挙げられる。
前記圧電体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子、水晶、LiNbO3、LiTaO3、KNbO3等の単結晶などが挙げられる。これらの中でも、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が振動制御性の点で好ましい。
前記振動発生体を、前記吐出構造体の吐出孔が形成された領域の周囲に設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記振動発生体と、前記吐出構造体とを接合部を介して接合固定する方法などが挙げられる。この場合、前記振動発生体は、前記吐出構造体の最外周部に設けられたフレームに固定されていない領域(以下、「変形可能領域」と称することがある。)内の吐出孔が形成された領域の周囲に、円環状に設けられることが特に好ましい。
次に、前記液滴形成工程において液滴形成手段が膜振動型の場合の、トナー組成液を液滴状にして周期的に吐出させるメカニズムについて説明する。
また、図14に示すような2次振動モード、図15に示すような3次振動モード等のより高次のモードが存在することが知られている。これらのモードは、円形膜内に、同心円状に節を1乃至複数持ち、実質的に軸対称な変形形状である。また、図16に示すように、吐出構造体16の中心部を凸形状12Cとすることで液滴の進行方向を制御し、かつ振動振幅量をある程度調整することが可能である。
前記振動変位は、例えば、レーザードップラー振動計により測定することができる。
Pac(r,t)=Zr・Vm(r,t) ・・・式(1)
吐出構造体の振動速度Vmは時間とともに周期的に変動しているため時間(t)の関数であり、例えば、サイン波形、矩形波形など、様々な周期変動を形成することが可能である。また、吐出構造体の各位置で振動方向の振動変位は異なっており、Vmは、吐出構造体上の位置座標の関数でもある。本発明で用いられる吐出構造体の振動形態は、軸対象である。したがって、実質的には半径(r)座標の関数となる。
Fn=Pac(r,t)・Sn ・・・式(2)
なお、音圧Pacは、吐出孔のトナー組成液供給側の断面の全てにわたって一定ではないが、断面積が十分小さいとみなし、半径(r)座標の関数で近似している。また、添え字のnは、吐出構造体の中心からn番目の吐出孔であることを表す。上記式(2)より、Snを大きくするほど力Fnは大きくなり、また、Snを調整することで力Fnの大きさを均一化できることが分かる。実際には、この力Fnに対して局所損失と管路損失が生じ、差し引かれた合力がトナー組成液の吐出速度となるが、これら圧力損失を含めて前記吐出速度を調整することが可能である。
図22Aに吐出孔(図示しない)から吐出されたトナー組成分散液の様子を、図22Bに図22Aの破線部の拡大図を示す。一定の振動により吐出孔から吐出されるトナー組成分散液の液柱に一定間隔の液柱のくびれpが生じる(以下、「液柱くびれ」と称することがある)。この液柱の先端部分で一定量の液滴に***することにより、一定の粒子径を有するトナー粒子が連続的に生成される(図22A)。この吐出した液柱くびれpと、振動数とから、吐出速度(m/秒間)=くびれ波長(μm)/振動数(kHz)という計算により見積ることができる。ここで、前記くびれ波長とは、図示しない吐出孔開口部から吐出されたトナー組成分散液からなる液柱に最初に現れる液柱くびれp(吐出開口部に最も近い液柱くびれp)までの最大長さを意味する。
液滴化を可能とする吐出構造体の振動周波数としては、特に制限はなく、前記吐出構造体の面積などに応じて適宜選択することができるが、一般に20kHz〜2.0MHzなどの領域が用いられる。その中でも、50kHz〜500kHzの範囲が好ましい。20kHz以上の振動周期であれば、液体の励振によって、トナー組成液中の顔料やワックスなどの微粒子の分散が促進される。
前記音圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10kPa以上が、微粒子分散促進作用がより好適に発生する点で好ましい。また、トナー組成液の条件として、粘度20mPa・s以下、界面張力20mN/m〜75mN/mの領域において、サテライトの発生開始領域が同様であった点で、前記音圧は、500kPa以下であることが必要となる。その中でも、100kPa以下が好ましい。
前記液柱共鳴型の液滴形成手段は、後述する複数の吐出孔が形成された吐出構造体が、液室を形成する一の壁面である場合、液室内の前記トナー組成液に、後述する振動発生体により振動を付与して液柱共鳴により圧力定在波を形成し、該圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を液滴化する手段である。
前記「圧力定在波の腹となる領域」とは、液柱共鳴定在波の圧力波において振幅が大きく、圧力変動が大きい領域であり、かつ液滴を吐出するのに十分な大きさの圧力変動を有する領域である。そのような圧力定在波の腹となる領域としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記圧力定在波の振幅が極大となる位置(速度定在波としての節)から極小となる位置に向かって±1/3波長が好ましく、±1/4波長がより好ましい。
前記吐出孔が、前記圧力定在波の腹となる領域に形成されていると、複数の吐出孔が開口されていても、それぞれの吐出孔からほぼ均一な液滴を形成することができ、更には効率的に液滴の吐出を行うことができ、吐出孔の詰まりも生じ難くなる点で好ましい。
前記液柱共鳴型の場合、液室の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記膜振動型と同様の形状、構造、大きさなどが挙げられる。
また、液室の材質としても、前記膜振動型と同様のものなどが挙げられる。
ここで、「反射壁面」とは、液体の音波を反射させる程度に硬質な部材、例えば、アルミ、ステンレス等の金属部材、シリコーン等の部材などにより形成された壁面をいう。
前記液滴吐出部は、吐出構造体と、振動発生体と、を少なくとも有し、必要に応じて、更にその他の部位を有する。前記液滴吐出部は、前記振動発生体により振動を付加して、前記互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔からトナー組成液を液滴状に均一な吐出速度で吐出する。
前記液滴吐出部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記液室内に存在する液の共振現象を利用して液滴状にするものが好ましい。この場合、液室の共振周波数が、トナー組成液の共振周波数と重なると、トナー組成液に所望の振動を与えることができないため、液室内のトナー組成液の共振周波数が、液室の共振周波数よりも低いことが、液室内のトナー組成液の圧力が均等に昇圧され、均一な吐出速度で液滴形成できる点で、より好ましい。
前記吐出構造体は、少なくともトナー組成液を吐出するために設けられた互いに異なる形状であるものを含む吐出孔を複数有し、必要に応じて、更にその他の部位を有する。
前記吐出構造体としては、前記液滴形成手段が液柱共鳴型である場合は、前記液柱共鳴液室を形成する一の壁面などが挙げられる。
前記吐出構造体は、露出表面全体に後述する絶縁体の撥液膜が形成されていてもよい。
前記撥液膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記膜振動型と同様のものなどが挙げられる。
前記吐出孔は、前記吐出構造体に複数形成されている。前記複数の吐出孔は、互いに異なる形状であるものを含む。
前記吐出孔の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記液滴形成手段が液柱共鳴型である場合、1つの液柱共鳴液室に形成された吐出孔の個数としては、1つでも構わないが、複数個配置することが生産性の観点から好ましく、2個〜100個が好ましく、4個〜60個がより好ましく、4個〜20個が特に好ましい。1つの液柱共鳴液室に形成された吐出孔の個数が、100個を超えると、100個の吐出孔から所望のトナー組成液の液滴を形成させる場合に、前記振動発生体に与える電圧を高く設定する必要が生じ、前記振動発生体の挙動が不安定となることがある。また、4個〜20個の場合、圧力定在波が安定し、かつ生産性が保たれる。
更に、前記液滴形成手段が、液柱共鳴型である場合、前記圧力定在波の腹となる領域の少なくとも1つに対して形成された吐出孔の個数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1個〜20個が好ましく、4個〜15個がより好ましく、4個〜10個が特に好ましい。前記吐出孔の個数は多いほど生産性が高くなるが、20個を超えると、吐出孔が密集しすぎ、吐出した液滴が合体して粗大な粒子となって画質に悪影響を及ぼすことがある。
前記液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さLと、前記液柱共鳴液室の端部に最も近い吐出孔の中心部との距離Leとの距離比(Le/L)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.6より大きいことが好ましい。
前記振動発生体としては、振動を発生させることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記膜振動型と同様のものなどが挙げられる。
また、前記振動発生体は、弾性板に貼りあわせた形態であることが好ましく、該弾性板は、振動発生体が接液しないように液柱共鳴液室の壁の一部を形成することが好ましい。
更に、前記振動発生体は、1つの液柱共鳴液室毎に個別に制御できるように配置されることが好ましい。また、液柱共鳴液室の配置にあわせて、弾性板を介してブロック状の圧電体等の振動発生体を配置することが、それぞれの液柱共鳴液室を個別制御できる観点から好ましい。
次に、前記液滴形成工程において液滴形成手段が液柱共鳴型の場合の、トナー組成液を液滴状にして周期的に吐出させるメカニズムについて説明する。
λ=c/f ・・・式(3)
液共通供給路52側の端部が閉じている固定端と等価であるとした両側固定端の場合には、長さLが波長λの4分の1の偶数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、次の式(4)で表現される。
L=(N/4)λ ・・・式(4)
(但し、Nは偶数を表す。)
なお、固定端と等価である場合とは、ある端において圧力の逃げ部がないとみなすことができる場合であり、例えば、ある端において反射壁面の高さが、トナー組成液供給のための連通口の高さの2倍以上である場合や、ある端において反射壁面の面積が、トナー組成液供給のための連通口の開口部の面積の2倍以上である場合などを指す。
同様にして、片方側が圧力の逃げ部がある開放端と等価で、他方側が閉じている(固定端)の場合、つまり片側固定端又は片側開放端の場合には、長さLが波長λの4分の1の奇数倍に一致する場合に共鳴が最も効率的に形成される。つまり、上記式(4)のNが奇数で表現される。なお、両側開放端の場合は、Lが波長の4分の1の偶数倍、片側固定端の場合は、Lが波長の4分の1の奇数倍に相当する。
f=N×c/(4L) ・・・式(5)
(但し、Lは液柱共鳴液室の長手方向の長さ、cはトナー組成液の音波の速度、Nは整数を表す。)
したがって、本発明のトナーの製造方法において、前記トナー組成液に対して、上記式(5)が成立する周波数fの振動を付与することが好ましい。しかし、実際には、液体は共鳴を減衰させる粘性を持つために無限に振動が増幅されるわけではなく、Q値を持ち、後述する式(6)、式(7)に示すように、式(5)に示す最も効率の高い駆動周波数fの近傍の周波数でも共鳴は発生する。
本来は疎密波(縦波)であるが、図18A〜Gのように表記することが一般的である。図18A〜Gにおいて、実線が速度定在波、点線が圧力定在波である。
例えば、N=1の片側固定端の場合を示す図18Aからわかるように、速度分布の場合閉口端で速度分布の振幅がゼロとなり、開口端で振幅が最大となる。
液柱共鳴液室の長手方向の両端の間の長さをLとしたとき、液体が液柱共鳴する波長をλとし、整数Nが1〜5の場合に定在波が最も効率よく発生する。また、両端の開閉状態によっても定在波パターンは異なるため、それらも併記した。後述するが、吐出孔の開口や供給側の開口の状態によって、端部の条件が決まる。
なお、音響学において、開口端とは長手方向の媒質(液)の移動速度がゼロとなる端であり、逆に圧力は極大となる。閉口端においては、逆に媒質の移動速度がゼロとなる端と定義される。閉口端は音響的に硬い壁として考え、波の反射が発生する。理想的に完全に閉口若しくは開口している場合は、波の重ね合わせによって図18A〜Gのような形態の共鳴定在波を生じるが、吐出孔数、吐出孔の開口位置によっても定在波パターンは変動し、上記式より求めた位置からずれた位置に共鳴周波数が現れるが、適宜駆動周波数を調整することで安定吐出条件を作り出すことができる。
他の例では、液体の音速cが1,200m/s、液柱共鳴液室の長さLが1.85mmと、上記と同じ条件を用い、両端に壁面が存在して、両側固定端と等価のN=4の共鳴モードを用いた場合、上記式(4)より、最も効率の高い共鳴周波数は648kHzと導かれ、同じ構造を有する液柱共鳴液室であっても、より高次の共鳴を利用することができる。
例えば、吐出孔15の数を多くすると、徐々に固定端であった液柱共鳴液室12の先端の拘束が緩くなり、ほぼ開口端に近い共鳴定在波が発生し、駆動周波数は高くなる。更に、最も液共通供給路52側に存在する吐出孔15の開口配置位置を起点に緩い拘束条件となり、また吐出構造体の厚さによる吐出孔の体積が変動したりすると、実際上の定在波は短波長となり、駆動周波数よりも高くなる。このように決定された駆動周波数で振動発生体に電圧を与えたとき、振動発生体17が変形し、駆動周波数にて最も効率よく共鳴定在波を発生する。また、共鳴定在波が最も効率よく発生する駆動周波数の近傍の周波数でも液柱共鳴定在波は発生する。つまり、液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さをL、液共通供給路52側の端部55に最も近い吐出孔15の中心部までの距離をLeとしたとき、L及びLeの両方の長さを用いて下記式(6)及び式(7)で決定される範囲の駆動周波数fを主成分とした駆動波形を用いて振動発生体を振動させ、液柱共鳴を誘起して液滴を吐出孔から吐出することが可能である。
N×c/(4L)≦f≦(N+1)×c/(4Le) ・・・式(7)
(但し、Lは液柱共鳴液室の長手方向の長さ、Leは液供給路側の端部に最も近い吐出孔までの距離、cはトナー組成液の音波の速度、Nは整数を表す。)
なお、図4A〜Eにおいて、液柱共鳴液室内に記した実線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における速度をプロットした速度分布を示し、液共通供給路側から液柱共鳴液室への方向を+とし、その逆方向を−とする。
また、図4A〜Eにおいて、液柱共鳴液室内に記した点線は、液柱共鳴液室内の固定端側から液共通供給路側の端部までの間の任意の各測定位置における圧力値をプロットした圧力分布を示し、大気圧に対して正圧を+とし、負圧は−とする。
また、正圧であれば図中の下方向に圧力が加わることになり、負圧であれば図中の上方向に圧力が加わることになる。
更に、図4A〜Eにおいて、上述したように液共通供給路側が開放されているが液共通供給路52と液柱共鳴液室12とが連通する開口の高さ(図2に示す高さh2)に比して固定端となるフレームの高さ(図2に示す高さh1)が好ましくは約2倍以上であるため、液柱共鳴液室12はほぼ両側固定端であるという近似的な条件のもとでの速度分布及び圧力分布の時間的なそれぞれの変化を示している。
なお、前記液柱共鳴型の場合の吐出速度は、前記膜振動型と同様であることが好ましく、前記液柱共鳴型の場合の吐出速度の測定方法も、前記膜振動型と同様の方法で測定することができる。
前記トナー組成液は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有し、更に必要に応じて、磁性体、ワックス、流動性向上剤等のその他の成分を含有するトナー材料を、有機溶剤に分散乃至溶解させることが好ましい。
前記トナー組成液の粘度は、例えば、円錐平板型回転粘度計により測定することができる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン単量体、アクリル単量体、メタクリル単量体等からなるビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記着色剤のトナーに対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
また、着色剤を分散させるための分散剤のトナーに対するとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜10質量%の割合で配合することが好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、顔料分散性が不十分となることがあり、10質量%を超えると、高湿下での帯電性が低下することがある。
前記マスターバッチ用の樹脂のアミン価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜100が好ましく、10〜50がより好ましい。前記アミン価が、1未満又は100を超えると、顔料分散性が不十分となることがある。なお、前記アミン価は、JIS K7237に記載の方法により測定することができる。
また、前記マスターバッチは、フラッシング法を用いて製造してもよい。前記フラッシング法とは、着色剤の、水を含んだ水性ペーストを、樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法である。この場合、着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため、乾燥する必要がない。
なお、混合混練するには、3本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
前記有機溶剤としては、樹脂及び着色剤が分散乃至溶解可能な有機溶剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン等のエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン等のピロリドン類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記磁性体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Fe3O4、γ−Fe2O3、ZnFe2O4、Y3Fe5O12、CdFe2O4、Gd3Fe5O12、CuFe2O4、PbFe12O、NiFe2O4、NdFe2O、BaFe12O19、MgFe2O4、MnFe2O4、LaFeO3、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、四三酸化鉄、γ−三二酸化鉄の微粉末が好ましい。
前記異種元素は、酸化鉄結晶格子の中に取り込まれていてもよいし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれていてもよいし、又は表面に酸化物あるいは水酸化物として存在していてもよいが、酸化物として含有されているのが好ましい。
前記異種元素は、磁性体生成時にそれぞれの異種元素の塩を混在させ、pH調整により、粒子中に取り込むことができる。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出することができる。
また、前記磁性体の個数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜2μmが好ましく、0.1μm〜0.5μmがより好ましい。
前記個数平均径は、透過電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。
また、前記磁性体の磁気特性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10Kエルステッド印加での磁気特性がそれぞれ、抗磁力が20エルステッド〜150エルステッド、飽和磁化が50emu/g〜200emu/g、残留磁化が2emu/g〜20emu/gが好ましい。
なお、前記磁性体としては、着色剤としても使用することができる。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス;脱酸カルナバワックスの等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
これらの中でも、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン、低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒等の触媒を用いて重合したポリオレフィン、放射線、電磁波又は光を利用して重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィンを熱分解して得られる低分子量ポリオレフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法等により合成される合成炭化水素ワックス、炭素数1個の化合物をモノマーとする合成ワックス、水酸基又はカルボキシル基等の官能基を有する炭化水素系ワックス、炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物、これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸等のビニルモノマーでグラフト変性したワックスが好ましい。
前記粒子形成工程は、前記液滴形成工程において液滴化した液滴(トナー組成液)を固化させ粒子を形成する工程であり、粒子形成手段により行われる。前記粒子形成工程は、前記液滴形成工程で吐出された液滴を、搬送気流により搬送する工程を更に含むことが好ましい。前記搬送する工程は、搬送気流流通路により好適に行われる。
前記乾燥部は、液滴中の有機溶剤を加熱等により除去する部材である。
前記搬送気流流通路は、内部に搬送気流を流通させる部材である。これにより、液滴化したトナー組成液及び固化された粒子の少なくともいずれかを、該搬送気流により搬送することができる。
前記搬送気流流通路を形成する部材としては、内部に搬送気流を流通させることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シュラウド(さや部又は覆い部)などが挙げられる。
前記搬送気流流通路の内部に気体の流れを作ることによって、液滴化したトナー組成液及び固化された粒子の少なくともいずれかの周囲に搬送気流を流通させ、この搬送気流により、吐出されたトナー組成液及び固化された粒子の少なくともいずれかからなる群の群速度を増加させるように、また、トナー組成液及び固化された粒子の少なくともいずれかの吐出初速度が速い場合には、逆に速度を減速させるようにすることができる。
前記吐出した液滴の方向を変化させる方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記液滴形成手段により吐出された液滴の吐出初速度の方向に対して略直交する方向などが挙げられる。
これらの中でも、前記搬送気流流通路は、前記搬送気流の方向が、前記吐出した液滴の方向を変化させる方向に流通するように設けられていることが、吐出速度のうち前後の液滴方向の成分が均一になる、即ち単分散の液滴になる点で好ましく、前記搬送気流の方向が、前記液滴形成手段により吐出された液滴の吐出初速度の方向に対して略直交する方向に流通するように設けられていることがより好ましい。また、このとき、前記搬送する工程で記載のとおり、少なくとも吐出孔の吐出開口から2mmの範囲における液滴が、該液滴の吐出初速度の方向に対し略直交する方向の搬送気流により搬送されることが特に好ましい。
これにより、得られるトナー群は、合一物が極めて少なく、歩留等を含む生産性を向上させることができる。また、前記粒子形成手段が前記搬送気流流通路を有すると、吐出されたトナー組成液が固化するまでの乾燥工程中に互いに衝突することによる合着を効率よく防止することができる点で好ましい。
前記気流速度は、レギュレータにより気流の圧力を調整することで調整することができる。
前記二次乾燥を行う方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動床乾燥法、真空乾燥法などが挙げられる。
前記外添剤としては、特に制限はなく、流動性や現像性、帯電性を補助する目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機微粒子、高分子系微粒子などが挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。
前記BET法による比表面積としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、20m2/g〜500m2/gが好ましい。
前記無機微粒子のトナー粒子に対する添加量としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.01質量%〜2質量%がより好ましい。
前記表面処理剤としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
トナーの製造装置(1及び200)は、トナー組成液10を複数の均一な開口径の吐出孔15から周期的に吐出し、気相中で液滴化する液滴吐出ユニット2と、液滴吐出ユニット2が上方に配置され、液滴吐出ユニット2から吐出される液滴化されたトナー組成液の液滴23を固化してトナー粒子Tを形成する粒子形成手段としての粒子形成部3と、粒子形成部3で形成されたトナー粒子Tを除電する除電装置43(図1では図示していない)と、トナー粒子Tを捕集するトナー捕集部4と、トナー捕集部4で捕集されたトナー粒子Tが気流路42(図1では図示していない)及びチューブ7を介して移送され、移送されたトナー粒子Tを貯留するトナー貯留手段としてのトナー貯留部5と、トナー組成液10を収容する原料収容部6と、原料収容部6内から液滴吐出ユニット2に対してトナー組成液10を送液する送液管(配管)8と、稼動時などにトナー組成液10を圧送供給するためのポンプ100とを備えている。
以下、円環状振動発生体を用いた、液室及び吐出構造体を備える液滴吐出ユニット(液滴形成手段が膜振動型の場合)について、図6〜図9Bを参照して説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
図6は、図5のトナーの製造装置の液滴吐出ユニット2の拡大図であり、図7は、図6を下側から見た底面図であり、図8は、液滴吐出ユニットの液滴吐出部の拡大断面図である。
吐出構造体16は、最外周部(図8の斜線を施して示す領域)を、吐出構造体接合部13aを介してフレーム14に接合固定している。また、吐出構造体16は、振動発生体17と振動発生体接合部13bを介して接合固定している。
nの数としては、特に制限はなく、吐出構造体の面積などに応じて適宜選択することができるが、nの数が大きいほど好ましい。nの数が大きいと、複数の吐出孔15において細かくテーパ角又は曲率半径を設定することができ、複数の吐出孔15全体において、均一な吐出速度で液滴を吐出させることができる点で好ましい。
前記曲率半径としては、特に制限はなく、吐出構造体の面積や、吐出構造体における吐出孔の位置、振動発生体により付加される振動の大きさなどに応じて適宜選択することができるが、40μm〜100μmが好ましく、40μm〜80μmがより好ましい。
乾燥固化されたトナー粒子Tは、除電装置43で除電された後、トナー捕集部4で捕集され、気流路形成部材41内で気流路42及びチューブ7を介して移送され、トナー貯留部5で貯留される。
次に、液滴形成手段が液柱共鳴型である場合について、図2を参照して説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
図2は、図1のトナーの製造装置の吐出孔15を有する液滴吐出部11の拡大断面図である。液滴吐出部11は、少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液10を内部に貯留し、液柱共鳴液室12内の固定端側のフレームの端部54から液共通供給路52側の端部55までの長さが、長さLに相当する。振動発生体17は、液滴吐出部11の吐出孔15が設けられている壁面とは反対側の壁面に弾性板56に貼りあわせた形態で、振動発生体17がトナー組成液10に接液しないように液柱共鳴液室12の壁の一部を形成した状態で設けられている。
複数の吐出孔15の形状は、図2及び図4A〜Eにおいて簡略化して示しているが、図9A及び図9Bに示すようなテーパ形状を有するものである。
nの数としては、特に制限はなく、吐出構造体の面積などに応じて適宜選択することができるが、nの数が大きいほど好ましい。nの数が大きいと、複数の吐出孔15において細かくテーパ角又は曲率半径を設定することができ、複数の吐出孔15全体において、均一な吐出速度で液滴を吐出させることができる点で好ましい。
前記曲率半径としては、特に制限はなく、吐出構造体の面積や、吐出構造体における吐出孔の位置、振動発生体により付加される振動の大きさなどに応じて適宜選択することができるが、40μm〜100μmが好ましく、40μm〜80μmがより好ましい。
図2は、搬送気流流通路53が吐出された液滴23の吐出初速度の方向に対して平行な方向に設けられた一例を示す図であり、この態様によれば、粒子形成部3の下方に向かって搬送気流40が発生する。
図20は、搬送気流流通路53が吐出された液滴23の吐出初速度の方向に対して略直
交する方向に設けられた一例を示す図である。図20における搬送気流流通路53の方向
は、粒子形成部3における気相への方向である。
また、図21は、搬送気流流通路53が、第1の搬送気流流通路53−1と、第1の搬送気流流通路53−1に連通するとともに粒子形成部3の気相へとつながる第2の搬送気流流通路53−2とからなり、第1の搬送気流流通路53−1の方向は液滴吐出方向に対して略直交する方向であり、第2の搬送気流流通路53−1は第1の搬送気流流通路53−1の方向と略直交する方向でかつ液滴吐出方向と同じ方向である。
本発明の前記トナーの製造方法及び製造装置により、トナー組成液が液滴化され、前記液滴化されたトナー組成液が固化され粒子化されることにより製造されたトナーは、粒度分布が単分散なものが得られる点で有利である。
また、前記トナー粒子の重量平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜20μmが好ましく、3μm〜10μmがより好ましい。前記質量平均粒子が、1μm未満であると、強帯電を帯びた微粉粒子が多くなり、キャリアに強固に付着するなどしてキャリアの帯電サイトを奪い現像性の低下、つまりは異常画像の発生を引き起こすばかりでなく、吸引することで人体にも影響を及ぼすことがある。
前記トナーの粒度分布の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)で測定する方法などが挙げられる。
また、本発明の前記トナーの製造方法及び製造装置により得られたトナーは、汎用性が高く、トナーの単一分散性が高いため、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤に好適に利用可能である。該現像剤は、従来の電子写真法に使用する静電潜像担持体が全て使用できるが、例えば、有機静電潜像担持体、非晶質シリカ静電潜像担持体、セレン静電潜像担持体、酸化亜鉛静電潜像担持体などが好適に使用可能である。
に何ら限定されるものではない。
<着色剤分散液の調製>
攪拌羽根を有するミキサーを用いて、カーボンブラック(Regal400、Cabot社製)17質量部、顔料分散剤(アジスパーPB821、味の素ファインテクノ株式会社製)3質量部、及び酢酸エチル80質量部を一次分散させた。得られた一次分散液を、ダイノーミル(NPM−PILOT、ウィリー・エ・バッコーフェン社製)を用いて、二次分散させて、粒径が5μm以上の凝集体を完全に除去し、着色剤分散液を調製した。
次に、攪拌羽根を有するミキサーを用いて、カルナバワックス18質量部、ワックス分散剤2質量部、及び酢酸エチル80質量部を一次分散させた。なお、ワックス分散剤としては、ポリエチレンワックスにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを用いた。得られた一次分散液を攪拌しながら80℃まで加熱してカルナバワックスを溶解させた後、室温まで冷却して最大径が3μm以下となるようにカルナバワックスを析出させた。更に、ダイノーミルを用いて二次分散させ、最大径が1μm以下になるようワックス分散液を調製した。
次に、攪拌羽根を有するミキサーを用いて、結着樹脂としてのポリエステル樹脂100質量部、前記着色剤分散液30質量部、前記ワックス分散液30質量部、及び酢酸エチル840質量部を、10分間攪拌し、均一に分散させ、トナー組成液(分散液)を調製した。なお、溶媒希釈により顔料やワックス粒子が凝集することはなかった。
次に、得られたトナー組成分散液500mLを、液滴形成手段が図6に示す膜振動型である、図5に示すトナーの製造装置の液滴吐出部11の複数の吐出孔(ノズル)15に供給した。
使用した吐出構造体(薄膜、ノズルプレート)16は、外径20.0mm、厚み40μmのニッケル板に、吐出孔における吐出される側(気相側)の端部で真円形状の吐出開口径(直径)10μmの吐出孔15を、電鋳による加工で作製した。
吐出孔は、吐出構造体の厚み方向に対して垂直な面(吐出孔の開口面)の中心(吐出構造体の中心)に該開口面に対する垂線(開口軸)を引き、この垂線を中心として、該開口面方向に直径3mmの範囲に、21個の吐出孔を設けた。各吐出孔間の距離は、吐出孔の中心部間の最短間隔が約100μmピッチとなるようにし、図17において四角形(実線)で囲んだ領域内の黒丸で示す吐出孔15のように、吐出構造体の中心に位置する吐出孔を中心として、中心対称となるように一列に設けた。
なお、本願発明は、図17の黒丸及び灰色丸で示す吐出孔15のように、吐出構造体16の中心に同心正六角形状に複数の吐出孔15を設けることが好ましいが、本実施例では、トナー組成液の吐出を観察しやすくするために、便宜上一列に吐出孔15を設けた。本発明のトナーの製造装置では、吐出孔及び該吐出孔を設ける範囲が小さく、トナー組成液の共振周波数や振動の伝播には影響を及ぼさないため、吐出孔を一列で設けた場合と、同心正六角形状に設けた場合とで、結果は実質同一である。
なお、吐出構造体16の中心に同心正六角形状に複数の吐出孔15を設けた場合は、図17における各破線で囲む正六角形の領域内の吐出孔は、それぞれ同じテーパ角を有する。
図8において、振動発生体17は、内径4mm、直径15mm、厚さ2.0mmのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)であり、吐出構造体16との接合面13b、及び吐出構造体16とSUS304で作製したフレーム14との接合面13aは共に、エポキシ樹脂(弾性率1.3×108Pa)を用い、加熱条件170℃×5分間で接合した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :125.0kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :43.5V
なお、「吐出孔振動数」とは、図6で図示される電気的駆動装置51による振動手段17への入力振動周波数である。
この吐出した液柱くびれと振動数とから吐出速度を、吐出速度(m/秒間)=くびれ波長(μm)/振動数(kHz)という計算により見積ることができる。
最大の吐出速度は中心の吐出孔から6個目の吐出孔であり、16.5m/秒間、最小の吐出速度は中心の吐出孔から9個目の吐出孔であり、14.1m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.85となった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で1.35g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.13g/分間であった。
フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用した測定方法に関して以下に説明する。
トナー、トナー粒子、及び外添剤の粒度分布は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス株式会社製)を用いて測定した。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10mL中にノニオン系界面活性剤(コンタミノンN;和光純薬工業株式会社製)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器(UH−50;STM社製)で20kHz、50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4,000個/10−3cm3〜8,000個/10−3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させた。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影された。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。
約1分間で、1,200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06μm〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行った。
乾燥固化したトナー母体粒子は、サイクロン捕集した後、疎水性シリカ(H2000;クラリアントジャパン社製)1.0質量%を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて外添処理を行い、トナーを作製した。
被覆層材料としてのシリコーン樹脂をトルエンに分散させて、被覆層分散液を調製した後、加温状態にて、芯材(平均粒径50μmの球形フェライト粒子)にスプレーコートし、焼成し、冷却後、被覆層の平均厚み0.2μmのキャリアを作製した。
得られたトナー4質量部に対し、上記キャリア96質量部を混合して二成分現像剤を作製した。
実施例1において、粒子形成部に搬送気流流通路を有する装置を用い、トナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と同じ方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :125.0kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :43.5V
最大の吐出速度は中心の吐出孔から6個目の吐出孔であり、16.5m/秒間、最小の吐出速度は中心の吐出孔から9個目の吐出孔であり、14.1m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.85となった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で1.35g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.13g/分間であった。
実施例2において、トナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と略直交する方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :125.0kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :37.5V
最大の吐出速度は中心の吐出孔から6個目の吐出孔であり、16.7m/秒間、最小の吐出速度は中心の吐出孔から9個目の吐出孔であり、14.7m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.88であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で1.39g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.13g/分間であった。
実施例2において、吐出孔の形状とトナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
各吐出孔の形状は、トナー組成液の吐出方向に向かって開口径が小さくなるラウンド形状とした。即ち、吐出構造体の中心に位置する吐出孔の曲率半径と、該中心の吐出孔の両側の1個目から3個目までの曲率半径とをR1=80μmとし、4個目から6個目までの曲率半径をR2=60μmとし、7個目から9個目までの曲率半径をR3=45μmとし、10個目の曲率半径をR4=40μmとした。ここで、曲率半径は、吐出孔の開口面(吐出構造体の厚み方向に対して垂直な面)から、前記吐出構造体の厚み方向に向かうラウンド形状における曲率半径である。
なお、吐出構造体16の中心に同心正六角形状に複数の吐出孔15を設けた場合は、図17における各破線で囲む正六角形の領域内の吐出孔は、それぞれ同じ曲率半径を有する。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と略直交する方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :120.2kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :36.0V
最大の吐出速度は中心の吐出孔から6個目の吐出孔であり、14.0m/秒間、最小の吐出速度は中心の吐出孔から9個目の吐出孔であり、12.35m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.88であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で1.39g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.12g/分間であった。
実施例1において、トナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :122.4kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :45.0V
吐出孔形状 :テーパ形状(テーパ角:全て15°)
最大の吐出速度は中心の吐出孔であり、21.6m/秒間、最小の吐出速度は中心の吐出孔から6個目の吐出孔であり、6.3m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.29であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で0.97g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.09g/分間であった。
実施例2において、トナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と同じ方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :122.4kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :45.0V
吐出孔形状 :テーパ形状(テーパ角:全て15°)
最大の吐出速度は中心の吐出孔であり、21.6m/秒間、最小の吐出速度は中心の吐出孔から6個目の吐出孔であり、6.3m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.29であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で0.97g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.09g/分間であった。
実施例2において、トナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例2と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と同じ方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :115.9kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :37.5V
吐出孔形状 :ラウンド形状(曲率半径:全て40μm)
最大の吐出速度は中心の吐出孔であり、15.9m/秒間、最小の吐出速度は中心の吐出孔から7個目の吐出孔であり、7.3m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.46であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で1.03g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.10g/分間であった。
実施例1において、液滴形成工程、粒子形成工程を、液滴形成手段が図19に示す液柱共鳴型である、図1に示すトナーの製造装置に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。なお、実施例5では、粒子形成部に搬送気流流通路を有さない装置を用いた。
図19は、実施例5に用いた液滴形成手段を示す図である。液柱共鳴液室12内の固定端側のフレームの端部54に吐出孔15が24個開口するとともに、液柱共鳴液室12の液共通供給路(図示しない)側の端部55に反射壁を設けた場合の定在波の一例である。端部54の近傍に吐出孔15が設けられているため、端部54側は、やや緩めの固定端であり、液共通供給路側の端部55側は、固定端のN=2の共鳴モードの定在波とみなすことができる。なお、駆動周波数は共鳴周波数である420kHzとした。図19の液柱共鳴液室12内の実線は速度定在波、点線は圧力定在波を表す。
液柱共鳴液室12の長手方向の両端の壁面間の長さLは1.85mm、液柱共鳴液室の幅W(Lに垂直方向の長さ)は各0.12mmとし、液柱共鳴液室12の吐出孔の設けられた壁面以外の全ての壁面を含むフレームをステンレスパンチングにより作製し、吐出孔の設けられた吐出構造体をこのフレームに接合部材で貼り合わせた。
使用した吐出構造体は、厚み40μmのニッケル板に、吐出孔における吐出される側(気相側)の端部で真円形状の吐出開口径(直径)8.2μmの吐出孔15を、電鋳による加工で作製した。
吐出孔は、図19に示すように、吐出構造体の固定端側のフレームの端部54から長手方向に0.6μmまでの範囲に長手方向に13列の千鳥配列で24個設けた。各吐出孔間の距離は、吐出孔の中心部間の最短間隔が約100μmピッチとなるようにした。
なお、実施例5においては、吐出孔の配置がトナー組成液の共振周波数や振動の伝播に影響を及ぼす可能性があることから、効率のよい条件として、吐出孔を液柱共鳴の長手方向に13列に設ける複数列配置で実施した。
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :420.0kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :15.6V
最大の吐出速度は16.4m/秒間、最小の吐出速度は14.7m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.90であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で4.72g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.45g/分間であった。
実施例5において、粒子形成部に搬送気流流通路を有する装置を用い、トナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例5と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と同じ方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :420.0kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :15.6V
最大の吐出速度は16.4m/秒間、最小の吐出速度は14.7m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.90であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で4.72g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.45g/分間であった。
実施例6において、トナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例6と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と略直交する方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :420.0kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :15.6V
最大の吐出速度は16.3m/秒間、最小の吐出速度は14.5m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.89であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で4.70g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.45g/分間であった。
実施例6において、吐出孔の形状とトナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例6と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
各吐出孔は、トナー組成液の吐出方向に向かって曲率半径が小さくなるラウンド形状とした。即ち、固定端側(端部54側)のフレームの端部における吐出孔を1列目とし、1列目から3列目までの全ての吐出孔の曲率半径をR1=40μmとし、4列目から5列目までの曲率半径をR2=45μmとし、6列目から8列目までの曲率半径をR3=50°とし、9列目から11列目までの曲率半径をR4=60°とし、の12列目から13列目のテーパ角をR5=80°とした。ここで、曲率半径は、吐出孔の開口面(吐出構造体の厚み方向に対して垂直な面)から、前記吐出構造体の厚み方向に向かうラウンド形状における曲率半径である。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と略直交する
方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :420.3kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :15.2V
最大の吐出速度は16.0m/秒間、最小の吐出速度は14.1m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.88であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で4.69g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.45g/分間であった。
実施例6のトナー母体粒子の作製において、トナー組成液に代えて、下記樹脂組成液調製工程で調製した樹脂組成液を用い、液滴形成工程及び粒子形成工程を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例6と同様の方法で樹脂微粒子を作製した。
攪拌羽根を有するミキサーを用いて、結着樹脂としてのポリエステル樹脂110質量部及び酢酸エチル890質量部を、10分間攪拌し、均一に分散させ、樹脂組成液を調製した。
実施例6において、トナー作製条件を下記に示す樹脂微粒子作製条件に変えたこと以外は、実施例6と同様にして、樹脂微粒子を作製した。
−樹脂微粒子作製条件−
樹脂組成液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と略直交する方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :421.0kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :15.8V
最大の吐出速度は16.2m/秒間、最小の吐出速度は14.5m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.90であった。
吐出量は、組成液基準で4.73g/分間であった。乾燥後の粒子基準では、約0.45g/分間であった。
実施例5において、トナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例5と同様にして、トナー及び現像剤を作製した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度の方向と略直交する方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :423.0kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :16.0V
吐出孔形状 :ラウンド形状(曲率半径:全て40μm)
最大の吐出速度は21.9m/秒間、最小の吐出速度は7.3m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.33であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で4.36g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.42g/分間であった。
実施例7において、トナー作製条件を下記に示す条件に変えたこと以外は、実施例7と同様にして、トナー母体粒子を作製した。
−トナー作製条件−
トナー組成分散液比重 :ρ=1.19g/cm3
搬送気流流量 :装置内乾燥窒素ガス 30.0L/分間
搬送気流の方向 :吐出液滴の吐出初速度方向と略直交する方向
搬送気流速度 :15m/秒間
粒子形成部内温度 :27℃〜28℃
吐出孔振動数 :423.0kHz
PZTへの印加電圧Sin波p−p値 :16.0V
吐出孔形状 :ラウンド形状(曲率半径:全て40μm)
最大の吐出速度は21.9m/秒間、最小の吐出速度は7.3m/秒間となり、最小吐出速度/最大吐出速度は、0.33であった。
吐出量は、トナー組成分散液基準で4.36g/分間であった。乾燥後のトナー基準では、約0.41g/分間であった。
また、吐出構造体における振動発生体側の最小吐出速度と、吐出構造体における中心付近の最大吐出速度との比をとると、実施例1〜9は、比較例1〜5よりも1に近かった。これも、各吐出孔に加わる圧力が均一であることに起因すると考えられる。
重量平均粒径D4も、実施例1〜9は、比較例1〜5よりも小さい結果となった。これは、比較例1〜5では、吐出速度の小さい振動発生体側で液滴間の合一が頻繁に起こったのに対し、実施例1〜9では、液滴間の合一が少なかったことによるものと考えられる。粒子のバラつきの大きさの指標となるD4/Dnでも、同様の理由により実施例1〜9が、比較例1〜5に比べ小さくなっていた。また、トナーの製造装置が搬送気流流通路を有し、吐出された液滴が搬送気流により搬送された場合は、より1に近く、該搬送気流の方向が吐出液滴の吐出初速度の方向に対して略直交する方向である場合は、特に1に近かった。
捕集量については、実施例1〜4の膜振動型と比較して、実施例5〜9の液柱共鳴型の方が多かった。
また、本発明の前記トナーの製造方法及び製造装置により得られたトナーは、汎用性が高く、トナーの単一分散性が高いため、電子写真、静電記録、静電印刷等に於ける静電荷像を現像するための現像剤に好適に利用可能である。該現像剤は、従来の電子写真法に使用する静電潜像担持体が全て使用できるが、例えば、有機静電潜像担持体、非晶質シリカ静電潜像担持体、セレン静電潜像担持体、酸化亜鉛静電潜像担持体などが好適に使用可能である。
2 液滴吐出ユニット
3 粒子形成部(溶媒除去部)
3A 粒子形成部の天面部
4 トナー捕集部
5 トナー貯留部
6 原料収容部
7 チューブ
8、8A 送液管(配管)
9 液戻り管
10 トナー組成液
11 液滴吐出部
12 液柱共鳴液室
12A 吐出構造体の周辺部
O、12C 吐出構造体の中心
13a 吐出構造体(薄膜、ノズルプレート、吐出板)接合部
13b 振動発生体接合部
14 フレーム(液室部材)
15 吐出孔(ノズル、貫通孔)
16 吐出構造体(薄膜、ノズルプレート、吐出板)
16A 吐出構造体の変形可能領域
17、17A 振動発生体(電気機械変換手段)
19 支持部材
20 液供給チューブ(液供給孔)
21 気泡排出チューブ(排出孔)
23 液滴
24 液室
40 搬送気流
41 気流路形成部材
42 気流路
43 除電装置
50 リード線
51 駆動回路(駆動信号発生源)
52 液共通供給路
53 搬送気流流通路
54 固定端側のフレームの端部
55 液共通供給路52側の端部
56 弾性板
100 ポンプ
T トナー粒子
Claims (13)
- 少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液を、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化する液滴形成手段と、前記液滴化したトナー組成液を固化させて粒子を形成する粒子形成手段と、を有することを特徴とするトナーの製造装置。
- 液滴形成手段が、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔が形成された吐出構造体を有し、
前記複数の吐出孔の形状が、前記複数の吐出孔の開口径がトナー組成液の吐出方向に向かって小さくなるテーパ形状であり、前記複数の吐出孔が、前記吐出構造体における位置によって異なるテーパ角を有する請求項1に記載のトナーの製造装置。 - 液滴形成手段が、振動を発生する振動発生体を更に有し、前記振動発生体が、吐出構造体の周囲に円環状に設けられた請求項2に記載のトナーの製造装置。
- 吐出構造体における、振動発生体側に位置する吐出孔のテーパ角が、中央部に位置する吐出孔のテーパ角よりも大きい請求項3に記載のトナーの製造装置。
- 液滴形成手段が、吐出孔が開孔されている液室と、前記液室内のトナー組成液に振動を付与する振動発生体とを有し、前記振動発生体により振動を付与された前記液室内の前記トナー組成液が液柱共鳴により圧力定在波を形成し、前記圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を吐出して液滴化する手段である請求項1から2のいずれかに記載のトナーの製造装置。
- 粒子形成手段が、液滴化したトナー組成液及び固化された粒子の少なくともいずれかを搬送する搬送気流を内部に流通させる搬送気流流通路を有する請求項1から5のいずれかに記載のトナーの製造装置。
- 搬送気流流通路が、液滴形成手段により吐出された液滴の吐出初速度の方向に対し略直交する方向の搬送気流が形成されるように設けられた請求項6に記載のトナーの製造装置。
- 請求項1から7のいずれかに記載のトナーの製造装置を用いてトナーを製造する方法であって、
少なくとも樹脂及び着色剤を含有するトナー組成液を、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化する液滴形成工程と、前記液滴化したトナー組成液を固化させ粒子を形成する粒子形成工程と、を含むことを特徴とするトナーの製造方法。 - 液滴形成工程が、複数の吐出孔を有する吐出構造体の周囲に円環状に設けられた振動発生体が前記吐出構造体に振動を付与してトナー組成液を吐出して液滴化する工程である請求項8に記載のトナーの製造方法。
- 液滴形成工程が、複数の吐出孔を有する液室内のトナー組成液に振動を付与し、前記トナー組成液に液柱共鳴による圧力定在波を形成し、前記圧力定在波の腹となる領域に形成された前記吐出孔から前記トナー組成液を吐出する工程である請求項8に記載のトナーの製造方法。
- 粒子形成工程が、少なくとも吐出孔の吐出開口から2mmの範囲における液滴を、該液滴の吐出初速度の方向に対し略直交する方向の搬送気流により搬送する工程を更に含む請求項8から10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 少なくとも樹脂を含有する樹脂組成液を、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化する液滴形成手段と、前記液滴化した樹脂組成液を固化させて粒子を形成する粒子形成手段と、を少なくとも有することを特徴とする樹脂微粒子の製造装置。
- 請求項12に記載の樹脂微粒子の製造装置を用いて樹脂微粒子を製造する方法であって、
少なくとも樹脂を含有する樹脂組成液を、互いに異なる形状であるものを含む複数の吐出孔から均一な吐出速度で吐出して液滴化する液滴形成工程と、前記液滴化した樹脂組成液を固化させて粒子を形成する粒子形成工程と、を少なくとも有することを特徴とする樹脂微粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011201969A JP5754315B2 (ja) | 2010-09-16 | 2011-09-15 | 樹脂微粒子及びトナーの製造方法、並びにこれらの製造装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010208237 | 2010-09-16 | ||
JP2010208237 | 2010-09-16 | ||
JP2011047673 | 2011-03-04 | ||
JP2011047673 | 2011-03-04 | ||
JP2011201969A JP5754315B2 (ja) | 2010-09-16 | 2011-09-15 | 樹脂微粒子及びトナーの製造方法、並びにこれらの製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012198494A JP2012198494A (ja) | 2012-10-18 |
JP5754315B2 true JP5754315B2 (ja) | 2015-07-29 |
Family
ID=47180744
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011201969A Active JP5754315B2 (ja) | 2010-09-16 | 2011-09-15 | 樹脂微粒子及びトナーの製造方法、並びにこれらの製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5754315B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012223696A (ja) * | 2011-04-19 | 2012-11-15 | Ricoh Co Ltd | 微粒子の製造方法、微粒子製造装置、トナーの製造方法、トナー製造装置及びトナー |
CN110126120A (zh) * | 2019-05-05 | 2019-08-16 | 扬州广泰化纤有限公司 | 聚酯切片制粒设备及其工作方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5055154B2 (ja) * | 2007-03-20 | 2012-10-24 | 株式会社リコー | トナーの製造方法、トナーの製造装置及びトナー |
JP2008281902A (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Ricoh Co Ltd | トナーの製造方法、トナーの製造装置及びトナー |
JP5047688B2 (ja) * | 2007-05-16 | 2012-10-10 | 株式会社リコー | トナーの製造方法、トナーの製造装置及びトナー |
JP5229606B2 (ja) * | 2007-05-16 | 2013-07-03 | 株式会社リコー | トナーの製造方法及びトナーの製造装置 |
JP5151727B2 (ja) * | 2008-06-23 | 2013-02-27 | 株式会社リコー | トナーの製造方法及びトナーの製造装置 |
JP2010125428A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-06-10 | Mitsubishi Chemicals Corp | 多孔板、及び多孔板を用いた粒状物の製造方法 |
JP2011022181A (ja) * | 2009-07-13 | 2011-02-03 | Ricoh Co Ltd | トナー製造用液吐出用ヘッド |
JP2011212668A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-27 | Ricoh Co Ltd | 微粒子の製造方法、微粒子製造装置及びトナー |
-
2011
- 2011-09-15 JP JP2011201969A patent/JP5754315B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012198494A (ja) | 2012-10-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8758973B2 (en) | Method and apparatus for producing toner | |
JP5433986B2 (ja) | トナー及びその製造方法 | |
JP5055154B2 (ja) | トナーの製造方法、トナーの製造装置及びトナー | |
JP5229606B2 (ja) | トナーの製造方法及びトナーの製造装置 | |
JP5047688B2 (ja) | トナーの製造方法、トナーの製造装置及びトナー | |
JP5090786B2 (ja) | トナーの製造方法、トナーの製造装置 | |
JP2011022181A (ja) | トナー製造用液吐出用ヘッド | |
JP2012223696A (ja) | 微粒子の製造方法、微粒子製造装置、トナーの製造方法、トナー製造装置及びトナー | |
JP5807431B2 (ja) | トナーの製造方法及びその製造装置並びに樹脂微粒子の製造方法及びその製造装置 | |
JP5365863B2 (ja) | トナーの製造装置及びトナーの製造方法 | |
JP2013212494A (ja) | 樹脂微粒子の製造方法 | |
JP5315872B2 (ja) | トナー製造装置 | |
JP2008281902A (ja) | トナーの製造方法、トナーの製造装置及びトナー | |
US8828285B2 (en) | Particulate production apparatus and particulate production method, and toner preparation apparatus and toner preparation method | |
JP5500353B2 (ja) | トナーの製造方法、トナーの製造装置及びトナー | |
JP5754315B2 (ja) | 樹脂微粒子及びトナーの製造方法、並びにこれらの製造装置 | |
JP5446639B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP2010107904A (ja) | トナー及びその製造方法、並びにトナーの製造装置 | |
JP4949121B2 (ja) | トナーの製造方法、トナーの製造装置 | |
JP2012093644A (ja) | トナーの製造装置及びトナーの製造方法、並びにトナー | |
JP5463895B2 (ja) | 粒子の製造方法及び粒子の製造装置、並びにトナー及びその製造方法 | |
JP2012185411A (ja) | トナーの製造方法 | |
JP2008281915A (ja) | トナーの製造方法とトナーの製造装置及びトナー | |
JP5999467B2 (ja) | 微粒子製造装置及び微粒子製造方法 | |
JP5553251B2 (ja) | トナーの製造方法及びトナーの製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140812 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150422 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150428 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150511 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5754315 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |