JP5751968B2 - ヒータおよびこれを備えたグロープラグ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば燃焼式車載暖房装置における点火用若しくは炎検知用のヒータ、石油ファンヒータ等の各種燃焼機器の点火用のヒータ、自動車エンジンのグロープラグ用のヒータ、酸素センサ等の各種センサ用のヒータ、測定機器の加熱用のヒータ等に利用されるヒータおよびこれを備えたグロープラグに関するものである。
自動車エンジンのグロープラグ等に用いられるヒータは、発熱部を有する抵抗体、リードおよび絶縁基体を含む構成になっている。そして、リードの抵抗が抵抗体の抵抗より小さくなるように、これらの材料の選定や設計がされている。
ここで、抵抗体とリードとの接合部は、形状変化点であったり材料組成変化点であったりするので、使用時の発熱や冷却での熱膨張の差に起因した影響を受けないように接合面積を大きくする目的で、図8(a)に示すように、リードの軸方向に平行な断面で視たときに抵抗体3とリード8との接合部は陽極側と陰極側とが対称に配置され、境界面が斜めに接合されているヒータが知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。
特開2002-334768号公報 特開2003-22889号公報
近年、エンジンの燃焼状態を最適化するために、ECUからの制御信号がパルス化した駆動方法がとられるようになってきた。
ここで、パルスとしては矩形波を用いることが多い。パルスの立ち上がり部分には高周波成分があって、この高周波成分はリードの表面部で伝送する。ところが、異なるインピーダンスを持つリードの端面と抵抗体の端面とが対向するようにして継ぎ目部分(境界面)が形成されていると、インピーダンスの整合が取れなかった高周波成分の一部は境界面で反射したり、境界面をアンテナとして機能させて周囲の誘電体を介しながらリード表面から散逸したりする。特に、境界面に垂直な方向と境界面に沿って下流側に向かう方向に多く散逸する傾向がある。
従来のヒータでは、リードの軸方向に平行な断面で視たときに抵抗体3とリード8との接合部は陽極側と陰極側とが対称に配置され、境界面が斜めに接合されている構造であるため、陽極側境界面から発せられた電波が陰極側境界面や抵抗体の発熱部付近に向けて散逸する構造であったため、抵抗体に沿って流れてくる信号と混信してしまう混信現象(クロストーク現象)が生じていた。
したがって、陰極側境界面へはパルス波形が乱れたまま信号が伝達され、この境界面でインピーダンスの整合が取れず、ジュール熱として散逸し、境界面が局所的に発熱する。このとき、リードの熱膨張率と抵抗体の熱膨張率とが異なることに起因して、リードと抵抗体との境界面にマイクロクラックが発生し、リードと抵抗体との境界面に沿って亀裂が一気に進展して、抵抗値が変化する問題点が生じてきた。
また、パルス駆動を採用せずに、DC駆動を採用した場合でも、同じような問題点が生じてきた。すなわち、近年のECUでは回路ロスがなくなったために、急速昇温を目的として、エンジン動作開始時に抵抗体に大電流が流れるようになっている。したがって、パルスの矩形波のように、電力突入の立ち上がりが急峻になり、高周波成分を含んだ高電力が、ヒータに突入してくるようになってきたため、同じような問題点が生じてきた。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、パルス駆動、DC駆動あるいは急速昇温等の際に抵抗体に大電流が流れても、高周波のクロストーク現象を抑止することで、抵抗体とリードとの境界面へのマイクロクラックの発生、境界面での亀裂の進展および製品抵抗の変化が抑制された高い信頼性および耐久性を有するヒータおよびこれを備えたグロープラグを提供することである。
本発明のヒータは、絶縁基体と、該絶縁基体に埋設され、折返し形状をなしている抵抗体と、前記絶縁基体に埋設され、先端側で前記抵抗体に接続されるとともに後端側で前記絶縁基体の表面に導出された一対のリードとを備えたヒータであって、前記抵抗体と前記一対のリードとが該一対のリードのそれぞれの軸の両方を含む平面に垂直な方向に重なって接続されていて、前記抵抗体と前記一対のリードとの配置が、前記一対のリードのそれぞれの軸の両方を含む平面に垂直な断面上の前記一対のリードの軸間を結ぶ線又はその線に垂直な線において線対称ではなく、かつ、前記絶縁基体の中心に対して点対称になっていることを特徴とする。
また、本発明のヒータは、前記抵抗体と前記一対のリードとの境界面が平面であることを特徴とするものである。
また、本発明は、上記の構成のヒータと、前記リードと電気的に接続されて前記ヒータを保持する金属製保持部材とを備えたことを特徴とするグロープラグである。
本発明のヒータによれば、陽極側境界面を送信アンテナとして伝播する高周波の主な伝播方向に陰極側境界面や抵抗体が位置していないので、高周波信号が混信するクロストーク現象の発生を抑止することができる。その結果、境界面での異常発熱と、異常発熱に起因したマイクロクラックの発生を抑制することができる。したがって、パルス駆動、DC駆動にかかわらず、電力突入の立ち上がりが急峻になっても、抵抗体とリードとの境界面へのマイクロクラックの発生および境界面での亀裂の進展が抑制され、長期間抵抗が安定する。これにより、ヒータの信頼性および耐久性が向上する。
本発明のヒータの実施の形態の一例を示す透過概略図である。 (a)は図1に示す抵抗体とリードとの接続部を含む領域Aを拡大した一例の拡大概略図であり、(b)は(a)に示すX−X線における横断面図、(c)は(a)に示すY−Y線における要部断面図、(d)は(a)に示すZ−Z線における要部断面図である。 (a)は図1に示す抵抗体とリードとの接続部を含む領域Aを拡大した他の例の拡大概略図であり、(b)は(a)に示すX−X線における横断面図、(c)は(a)に示すY−Y線における要部断面図、(d)は(a)に示すZ−Z線における要部断面図である。 (a)は図1に示す抵抗体とリードとの接続部を含む領域Aを拡大した他の例の拡大概略図であり、(b)は(a)に示すX−X線における横断面図、(c)は(a)に示すY−Y線における要部断面図、(d)は(a)に示すZ−Z線における要部断面図である。 (a)は図1に示す抵抗体とリードとの接続部を含む領域Aを拡大した他の例の拡大概略図であり、(b)は(a)に示すX−X線における横断面図、(c)は(a)に示すY−Y線における要部断面図、(d)は(a)に示すZ−Z線における要部断面図である。 (a)は図1に示す抵抗体とリードとの接続部を含む領域Aを拡大した他の例の拡大概略図であり、(b)は(a)に示すX−X線における横断面図、(c)は(a)に示すY−Y線における要部断面図、(d)は(a)に示すZ−Z線における要部断面図である。 (a)は図1に示す抵抗体とリードとの接続部を含む領域Aを拡大した他の例の拡大概略図であり、(b)は(a)に示すX−X線における横断面図、(c)は(a)に示すY−Y線における要部断面図、(d)は(a)に示すZ−Z線における要部断面図である。 (a)は従来のヒータの抵抗体とリードとの接続部を含む領域を拡大した拡大概略図であり、(b)は(a)に示すX−X線における横断面図、(c)は(a)に示すY−Y線における要部断面図、(d)は(a)に示すZ−Z線における要部断面図である。
以下、本発明のヒータについて実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明のヒータの実施の形態の一例を示す透過概略図であり、図2(a)は図1に示す抵抗体とリードとの接続部を含む領域Aを拡大した一例の拡大概略図であり、図2(b)は図2(a)に示すX−X線における横断面図、図2(c)は図2(a)に示すY−Y線における要部断面図、図2(d)は図2(a)に示すZ−Z線における要部断面図である。
本実施の形態のヒータ1は、絶縁基体9と、絶縁基体9に埋設され折返し形状をなしている抵抗体3と、絶縁基体9に埋設され先端側で抵抗体3に接続されるとともに後端側で絶縁基体9の表面に導出された一対のリード8を備えたヒータであって、抵抗体3と一対のリード8とは一対のリード8のそれぞれの軸の両方を含む平面に垂直な方向に重なって接続されていて、一対のリード8のそれぞれの軸の両方を含む平面に垂直な断面で見たときに、抵抗体3と一対のリード8との境界線に対する抵抗体3と一対のリード8との配置がそれぞれの接続部で逆になっているものである。
本実施の形態のヒータ1における絶縁基体9は、例えば棒状に形成されたものである。この絶縁基体9は抵抗体3およびリード8を被覆しており、言い換えると、抵抗体3およびリード8が絶縁基体9に埋設されている。
ここで、絶縁基体9はセラミックスからなることが好ましく、これにより、金属よりも高温まで耐えることができるようになるので、急速昇温時の信頼性がより向上したヒータ1を提供することが可能になる。具体的には、酸化物セラミックス,窒化物セラミックス,炭化物セラミックス等の電気的な絶縁性を有するセラミックスが挙げられる。特に、絶縁基体9は、窒化珪素質セラミックスからなることが好適である。窒化珪素質セラミックスは、主成分である窒化珪素が高強度、高靱性、高絶縁性および耐熱性の観点で優れているからである。この窒化珪素質セラミックスは、例えば、主成分の窒化珪素に対して、焼結助剤として3〜12質量%のY,Yb,Er等の希土類元素酸化物、
0.5〜3質量%のAl、さらに焼結体に含まれるSiO量として1.5〜5質量%となるようにSiOを混合し、所定の形状に成形し、その後、例えば1650〜1780℃でホットプレス焼成することにより得ることができる。
また、絶縁基体9として窒化珪素質セラミックスから成るものを用いる場合、MoSi,WSi等を混合し分散させることが好ましい。この場合、母材である窒化珪素質セラミックスの熱膨張率を抵抗体3の熱膨張率に近づけることができ、ヒータ1の耐久性を向上させることができる。
抵抗体3は、特に発熱する領域である発熱部4を有しており、一部断面積を小さくした領域やらせん形状の領域を設けることで、この領域を発熱部4とすることができる。抵抗体3が図1に示すような折返し形状をなしている場合は、折返しの中間点付近が最も発熱する発熱部4となる。
この抵抗体3としては、W,Mo,Tiなどの炭化物、窒化物、珪化物などを主成分とするものを使用することができる。絶縁基体9が上述の材料の場合、絶縁基体9との熱膨張率の差が小さい点、高い耐熱性を有する点および比抵抗が小さい点で、上記の材料のなかでも炭化タングステン(WC)が抵抗体3の材料として優れている。さらに、絶縁基体9が窒化珪素質セラミックスからなる場合、抵抗体3は、無機導電体のWCを主成分とし、これに添加される窒化珪素の含有率が20質量%以上であるものが好ましい。例えば、窒化珪素質セラミックスから成る絶縁基体9中において、抵抗体3となる導体成分は窒化珪素と比較して熱膨張率が大きいため、通常は引張応力がかかった状態にある。これに対して、抵抗体3中に窒化珪素を添加することにより、抵抗体3の熱膨張率を絶縁基体9の熱膨張率に近づけて、ヒータ1の昇温時および降温時の熱膨張率の差による応力を緩和することができる。
また、抵抗体3に含まれる窒化珪素の含有量が40質量%以下であるときには、抵抗体3の抵抗値を比較的小さくして安定させることができる。従って、抵抗体3に含まれる窒化珪素の含有量は20質量%〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは、窒化珪素の含有量は25質量%〜35質量%がよい。また、抵抗体3への同様の添加物として、窒化珪素の代わりに窒化硼素を4質量%〜12質量%添加することもできる。
抵抗体3の厚み(図2の上下方向の厚み)は、例えば0.5mm〜1.5mmがよく、抵抗体3の幅(図2の水平方向の厚み)は、例えば0.3mm〜1.3mmがよい。この幅の範囲内とすることにより、抵抗体3の抵抗が小さくなって効率良く発熱するものとなり、また、積層構造の絶縁基体9の積層界面の密着性を保持することができる。
抵抗体3の端部に先端側が接続されたリード8は、W,Mo,Tiなどの炭化物、窒化物、珪化物などを主成分とする抵抗体3と同様の材料を使用することができる。特に、WCが、絶縁基体9との熱膨張率の差が小さい点、高い耐熱性を有する点および比抵抗が小さい点で、リード8の材料として好適である。また、絶縁基体9が窒化珪素質セラミックスからなる場合、リード8は、無機導電体であるWCを主成分とし、これに窒化珪素を含有量が15質量%以上となるように添加することが好ましい。窒化珪素の含有量が増すにつれてリード8の熱膨張率を絶縁基体9の熱膨張率に近づけることができる。また、窒化珪素の含有量が40質量%以下であるときには、リード8の抵抗値が小さくなるとともに安定する。従って、窒化珪素の含有量は15質量%〜40質量%が好ましい。より好ましくは、窒化珪素の含有量は20質量%〜35質量%とするのがよい。なお、リード8は、絶縁基体9の形成材料の含有量を抵抗体3よりも少なくすることによって抵抗体3よりも単位長さ当たりの抵抗値が低くなっていてもよく、抵抗体3よりも断面積を大きくすることによって抵抗体3よりも単位長さ当たりの抵抗値が低くなっていてもよい。
そして、図2に示すように、抵抗体3と一対のリード8とは一対のリード8のそれぞれの軸の両方を含む平面に垂直な方向に重なって接続されていて、一対のリード8のそれぞれの軸の両方を含む平面に垂直な断面で見たときに、抵抗体3と一対のリード8との境界線に対する抵抗体3と一対のリード8との配置がそれぞれの接続部で逆になっている。
このように、陽極側境界面を送信アンテナとして伝播する高周波の主な伝播方向に陰極側境界面や抵抗体が位置していない構成とすることで、抵抗体3とリード8との陽極側の境界面でインピーダンスの整合が取れなかった高周波成分の一部が、当該陽極側の境界面をアンテナとして機能させて周囲の誘電体を介しながらリード8表面から散逸しても、陰極側の境界面に混信する混信現象(クロストーク現象)を抑制することができる。その結果、境界面での異常発熱と、異常発熱に起因したマイクロクラックの発生を抑制することができる。
すなわち、ECUからの制御信号がパルス駆動、DC駆動にかかわらず、電力突入の立ち上がりが急峻になっても、抵抗体とリードとの境界面へのマイクロクラックの発生および境界面での亀裂の進展が抑制され、長期間抵抗が安定する。これにより、ヒータの信頼性および耐久性が向上する。
ここで、図2に示す形態のヒータは、図2(a)に示すようにそれぞれの接続部における抵抗体3およびリード8の端部は丸みを帯びていて、図2(b)に示すように抵抗体3と一対のリード8との境界線に対する抵抗体3と一対のリード8との配置がそれぞれの接続部で逆になっていて、図2(c)のY−Y線要部断面図および図2(d)のZ−Z線要部断面図に示すようにそれぞれの接続部における境界面は平面であり、この境界面の面積はそれぞれの接続部で異なっている構成であるが、以下のような形態のヒータであってもよい。
図3に示す形態のヒータは、図3(a)に示すようにそれぞれの接続部における抵抗体3およびリード8の端部は丸みを帯びていて、図3(b)に示すように抵抗体3と一対のリード8との境界線に対する抵抗体3と一対のリード8との配置がそれぞれの接続部で逆になっていて、図3(c)のY−Y線要部断面図および図3(d)のZ−Z線要部断面図に示すようにそれぞれの接続部における境界面は平面であり、この境界面の面積はそれぞれの接続部で同じ構成である。
また、図4に示す形態のヒータは、図4(a)に示すようにそれぞれの接続部における抵抗体3およびリード8の端部は丸みを帯びていて、図4(b)に示すように抵抗体3と一対のリード8との境界線に対する抵抗体3と一対のリード8との配置がそれぞれの接続部で逆になっていて、図4(c)のY−Y線要部断面図および図4(d)のZ−Z線要部断面図に示すようにそれぞれの接続部における境界面は曲面であり、この境界面の面積はそれぞれの接続部で同じ構成である。
また、図5に示す形態のヒータは、図5(a)に示すようにそれぞれの接続部における抵抗体3およびリード8の端部はリード8の軸方向に垂直な直線状であって、図5(b)に示すように抵抗体3と一対のリード8との境界線に対する抵抗体3と一対のリード8との配置がそれぞれの接続部で逆になっていて、図5(c)のY−Y線要部断面図および図5(d)のZ−Z線要部断面図に示すようにそれぞれの接続部における境界面は段差状に形成され、この境界面の面積はそれぞれの接続部で同じ構成である。
また、図6に示す形態のヒータは、図6(a)に示すようにそれぞれの接続部における抵抗体3およびリード8の端部はリード8の軸方向に垂直な直線状であって、図6(b)
に示すように抵抗体3と一対のリード8との境界線に対する抵抗体3と一対のリード8との配置がそれぞれの接続部で逆になっていて、図6(c)のY−Y線要部断面図および図6(d)のZ−Z線要部断面図に示すようにそれぞれの接続部における境界面は入り組んで嵌合した形状に形成され、この境界面の面積はそれぞれの接続部で同じ構成である。
また、図7に示す形態のヒータは、図7(a)に示すようにそれぞれの接続部における抵抗体3およびリード8の端部はリード8の軸方向に垂直な直線状であって、図7(b)に示すように抵抗体3と一対のリード8との境界線に対する抵抗体3と一対のリード8との配置がそれぞれの接続部で逆になっていて、図7(c)のY−Y線要部断面図および図7(d)のZ−Z線要部断面図に示すようにそれぞれの接続部における境界面はちょうど図5に示す段差が丸みを帯びたような形状に形成され、この境界面の面積はそれぞれの接続部で同じ構成である。
なお、それぞれの形態における接続部のリードの軸方向に関する端から端までの距離は、例えば0.1〜10mmである。
図2,3に示すようなヒータによれば、抵抗体3と一対のリード8との境界面が平面であることで、傾斜した境界面の延長方向により強い指向性を強くもって高周波が伝播するので、陰極側境界面からの高周波の伝播方向に陰極側境界面も陰極のリード8も無いので、クロストークが全く起きない。その結果、境界面での異常発熱と、異常発熱に起因したマイクロクラックの発生を効果的に抑制することができる。
一方、図4〜7に示すようなヒータによれば、抵抗体3とリード8の接合強度を向上させることができる。
そして、図3〜7に示すように、接続部の長さ方向(リード8の軸方向)の中間点を一対のリード8のそれぞれの軸の両方を含む平面に垂直な断面で見て、抵抗体3と一対のリード8との配置が絶縁基体9の中心に対して点対称になっていることが好ましい。これは、ヒータ1を長時間加熱している状態ではリード8よりも抵抗体3が発熱するので、断面が点対称になることで、軸断面での熱の分布も軸中心を基準に点対称になるから、ヒータ1の熱の分散方向が軸を中心に均一になり、異常加熱する場所が生じないので長期間抵抗が安定するからである。接続部の全ての断面で、抵抗体3と一対のリード8との配置が前記絶縁基体の中心に対して点対称になっていることで、接続部の全ての位置で異常加熱する場所が生じないのでさらに好ましい。なお、点対称であるとは、陽極側断面と陰極側断面のうちの一方の抵抗体3とリード8との境界線が5度以内の角度だけ傾いていてもよい。
また、本実施の形態のヒータ1は、上記の構成のいずれかに記載のヒータ1と、リード8の端子部(図示せず)に電気的に接続されるとともにヒータ1を保持する金属製保持部材とを備えたグロープラグとして使用することが好ましい。具体的には、ヒータ1は、棒状の絶縁基体9の内部に、折返し形状をなした抵抗体3が埋設されているとともに一対のリード8が抵抗体3の両端部にそれぞれ電気的に接続されて埋設されていて、一方のリード8に電気的に接続された金属製保持部材(シース金具)と、他方のリード8に電気的に接続されたワイヤとを備えたグロープラグとして使用することが好ましい。
なお、金属製保持部材(シース金具)は、ヒータ1を保持する金属製の筒状体であり、セラミック基体9の側面に引き出された一方のリード8にロウ材などで接合される。また、ワイヤは、他方のセラミック基体9の後端に引き出された他方のリード8にロウ材などで接合される。これにより、高温のエンジン中でON/OFFが繰り返されながら長期使用しても、ヒータ1の抵抗が変化しないので、どんなときでも着火性に優れたグロープラグを提
供できる。
次に、本実施の形態のヒータ1の製造方法について説明する。
本実施の形態のヒータ1は、例えば、抵抗体3、リード8および絶縁基体9の形状の金型を用いた射出成形法等によって形成することができる。
まず、導電性セラミック粉末,樹脂バインダー等を含む、抵抗体3およびリード8となる導電性ペーストを作製するとともに、絶縁性セラミック粉末,樹脂バインダー等を含む絶縁基体9となるセラミックペーストを作製する。
次に、導電性ペーストを用いて射出成形法等によって抵抗体3となる所定パターンの導電性ペーストの成形体(成形体a)を形成する。そして、成形体aを金型内に保持した状態で、導電性ペーストを金型内に充填してリード8となる所定パターンの導電性ペーストの成形体(成形体b)を形成する。これにより、成形体aと、この成形体aに接続された成形体bとが、金型内に保持された状態となる。
次に、金型内に成形体aおよび成形体bを保持した状態で、金型の一部を絶縁基体9の成形用のものに取り替えた後、金型内に絶縁基体9となるセラミックペーストを充填する。これにより、成形体aおよび成形体bがセラミックペーストの成形体(成形体c)で覆われたヒータ1の成形体(成形体d)が得られる。
次に、得られた成形体dを例えば1650℃〜1780℃の温度、30MPa〜50MPaの圧力で焼成することにより、ヒータ1を作製することができる。なお、焼成は水素ガス等の非酸化性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。
本発明の実施例のヒータを以下のようにして作製した。
まず、炭化タングステン(WC)粉末を50質量%、窒化珪素(Si)粉末を35質量%、樹脂バインダーを15質量%含む導電性ペーストを、金型内に射出成形して抵抗体となる成形体aを作製した。
次に、この成形体aを金型内に保持した状態で、リードとなる上記の導電性ペーストを金型内に充填することにより、成形体aと接続させてリードとなる成形体bを形成した。このとき、表1および表2に示すように、種々の形状を有する金型を用いて、4種の形状のリードおよび抵抗体とリードとの接続部を形成した。なお、表に示す陽極側境界面の傾きは図に示す角度aのことであり、表に示す陰極側境界面の傾きは図に示す角度bのことである。
次に、成形体aおよび成形体bを金型内に保持した状態で、窒化珪素(Si)粉末を85質量%、焼結助剤としてのイッテリビウム(Yb)の酸化物(Yb)を10質量%、抵抗体およびリードに熱膨張率を近づけるための炭化タングステン(WC)を5質量%含むセラミックペーストを、金型内に射出成形した。これにより、絶縁基体となる成形体c中に成形体aおよび成形体bが埋設された構成の成形体dを形成した。
次に、得られた成形体dを円筒状の炭素製の型に入れた後、窒素ガスから成る非酸化性ガス雰囲気中で、1700℃、35MPaの圧力でホットプレスを行ない焼結してヒータを作製した。得られた焼結体の表面に露出したリード端部(端子部)に筒状の金属製保持部材(シース金具)をロウ付けしてグロープラグを作製した。
このグロープラグの電極にパルスパターンジェネレータを接続し、印加電圧7V、パルス幅10μs、パルス間隔1μsの矩形パルスを連続通電した。1000時間経過後、通電前後の抵抗値の変化率((通電後の抵抗値−通電前の抵抗値)/通電前の抵抗値)を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005751968
表1に示すように、試料番号1は、最も発熱した箇所がリードと抵抗体との接続部であった。そして、通電状態を確認するために、オシロスコープを用いて試料番号1のヒータに流れるパルス波形を確認したところ、入力波形と異なり、パルスの立ち上がりが急峻にならず、7Vに到達するまで1μs要し、オーバーシュートしながら波打っていた。
これは、試料番号1のヒータでは、パルスの立ち上がり部分に含まれる高周波成分が、クロストーク現象により波形が合成されたものと考えられる。また、ヒータの最も発熱した箇所がリードと抵抗体との接続部で、特に陰極側となっていることについても、クロストークに起因した異常パルスによって、陰極側のリードと抵抗体との接続部でインピーダンスの整合が取れないことで、局所的な発熱が生じたものと考えられる。
さらに、試料番号1の通電前後の抵抗変化は55%と非常に大きくなったため、パルス通電後、走査型電子顕微鏡で試料番号1のリードと抵抗体との接続部を観察したところ、境界面に外周方向から内側に向けて、マイクロクラックが生じていることを確認した。
一方、試料番号2〜4については、最も発熱した箇所はヒータ先端の抵抗体発熱部であった。そして、通電状態を確認するために、オシロスコープを用いてヒータに流れるパルス波形を確認したところ、入力波形とほぼ同じ波形であった。
これは、リードと抵抗体との接続部で異常加熱せずに通電できたことを示している。
また、試料番号2〜4の通電前後の抵抗変化は5%以下と小さく、パルス通電後、走査型電子顕微鏡でこれらの試料番号のリードと抵抗体との接続部を観察したところ、マイクロクラックは無かった。
次に、ヒータにDC電源を接続して抵抗体の温度が1400℃になるように印加電圧を設定し、1)5分間通電、2)2分間非通電の1),2)を1サイクルとし、1万サイクル繰り返した。通電前後のヒータの抵抗値の変化率を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005751968
表2に示すように、試料番号1の通電前後の抵抗変化は55%と非常に大きくなったため、DC通電後、走査型電子顕微鏡で試料番号1のリードと抵抗体との接続部を観察したところ、境界面に外周方向から内側に向けて、マイクロクラックが生じていることを確認した。
一方、試料番号2〜4については、通電前後の抵抗変化は5%以下と小さく、DC通電後に走査型電子顕微鏡でこれらの試料番号のリードと抵抗体との接続部を観察したところ、マイクロクラックは無かった。
1:ヒータ
3:抵抗体
4:発熱部
8:リード
9:絶縁基体

Claims (3)

  1. 絶縁基体と、
    該絶縁基体に埋設され、折返し形状をなしている抵抗体と、
    前記絶縁基体に埋設され、先端側で前記抵抗体に接続されるとともに後端側で前記絶縁基体の表面に導出された一対のリードとを備えたヒータであって、
    前記抵抗体と前記一対のリードとが該一対のリードのそれぞれの軸の両方を含む平面に垂直な方向に重なって接続されていて、
    前記抵抗体と前記一対のリードとの配置が、前記一対のリードのそれぞれの軸の両方を含む平面に垂直な断面上の前記一対のリードの軸間を結ぶ線又はその線に垂直な線において線対称ではなく、かつ、前記絶縁基体の中心に対して点対称になっていることを特徴とするヒータ。
  2. 前記抵抗体と前記一対のリードとの境界面が平面であることを特徴とする請求項1に記載のヒータ。
  3. 請求項1に記載のヒータと、前記一対のリードのうちの一方のリードと電気的に接続されて前記ヒータを保持する金属製保持部材とを備えたことを特徴とするグロープラグ。
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