JP5746354B2 - 湿式シェービング器具のための潤滑ボックス - Google Patents

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Description

〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2009年10月21日出願の引用により本明細書に全体として組み込まれている米国特許仮出願第61/253,540号に基づく利益を請求するものである。
本発明は、一般的には湿式シェービング器具のための潤滑ボックスに関し、より具体的には、シェービング中に潤滑を提供する機械的に組み立てた潤滑ボックスに関する。
湿式シェービング器具は、一般的に剃刀カートリッジとも呼ばれるシェービングカートリッジとハンドルから一般的に構成される。シェービングカートリッジは、ハンドルに固定的に又はピボット式に取り付けることができる。更に、シェービングカートリッジは、数回の使用後に使用済みシェービングカートリッジを同じハンドル上で新しいシェービングカートリッジと交換することができるようにハンドルに固定される場合がある。こうしたハンドル及びシェービングカートリッジは、多くの場合に「システム剃刀」と呼ばれる。代替的に、シェービングカートリッジは、通常使用中にハンドルから取り外すことを意図せずにハンドルに固定することができ、シェービングカートリッジが使用済みになった状態でシェービング器具全体が廃棄され、全く新しいシェービング器具がこの廃棄した器具の場所で使用される。こうしたシェービング器具は、多くの場合に「使い捨て剃刀」と呼ばれる。
シェービングカートリッジは、ガードと、キャップと、少なくとも1つのブレードとを一般的に含む。従来技術のガードは、ブレードの前方に配置され、かつブレードと接触する前に皮膚を平坦化し及び/又は予備延伸させるように作用する。従来技術のキャップは、ブレードの後方に多くの場合に配置され、皮膚がシェービングされた後の皮膚の平坦化に加えて、直前にシェービングされた皮膚に潤滑剤及び/又は他のシェービングエイドを提供することもできる。一般的に、潤滑剤及び/又はシェービングエイドは、キャップに固定された潤滑ストリップによって提供される。
多くの場合に、これらの潤滑ストリップは、2つの成分:水不溶性マトリックス全体に分散した水溶性成分を利用する。水不溶性マトリックスは、通常使用中の潤滑ストリップの一体性を維持し、かつ水溶性成分が通常シェービング中に存在する水に溶解することを可能にする。水に溶解した状態で、水溶性シェービングエイドは、シェービングされる表面上に浸出してシェービング恩典を提供する。これらの潤滑ストリップは、典型的には、湿式シェービング剃刀カートリッジに接着されるか又はそれに機械的に締結される。
潤滑ストリップのこれらの形態は、欠陥を有する。第1に、最初の数回のシェービング中にシェービングエイドは余分に浸出する傾向がある。しかし、水溶性シェービングエイドの量は、各その後のシェービングに伴って減少し、それによって消散し、多くの場合に剃刀カートリッジの他の成分が長続きする。従って、最終の数回のシェービングでは、シェービングされている表面に提供される潤滑剤も不十分である。更に、現在の不溶性マトリックスは、全てのシェービングエイドの完全な浸出を可能とはせず、従って、無駄が多い。
Tsengに付与された米国特許第5,711,076号明細書(以下「Tseng」と呼ぶ)のような他の湿式シェービング剃刀埋め込み潤滑要素は、水溶性のコアが水不溶性シースと共に共押出される共押出コア及びシース構成を教示している。Tsengのシース部分は、通常シェービング中に溶解したコア材料がそれを通って浸出する孔を含む。しかし、Tseng及び類似の潤滑デバイスは欠陥も有する。これらの欠陥は、とりわけ、共押出/同時成形製造工程に起因する制限された柔軟性と、活性シェービングエイド成分を劣化させる傾向がある押出及び成形処理に要する高温及び高圧と、通常使用中にコアが膨潤した時に同時成形/共押出構成が実質的な問題をもたらすという事実とを含む。
米国特許第5,711,076号明細書
従って、潤滑剤と潤滑剤の有効性及び使用期間を改善する製造の方法とを提供することが本発明の目的である。
本発明の1つの態様により、潤滑ボックスは、第1の部分と、シェービングエイド材料と、第2の部分とを含む。潤滑ボックスの第1の部分は、皮膚係合面と、一緒に空洞を形成する少なくとも1つの側壁とを有する。少なくとも2つの孔が、第1の部分の皮膚係合面を通って延びている。シェービングエイド材料は、それが皮膚係合面内の孔の少なくとも1つ及び空洞の少なくとも一部分を少なくとも部分的に満たすように空洞内に超音波圧縮(超音波圧密化とも呼ばれる)される。潤滑ボックスの第2の部分は、空洞が実質的に閉じられるように第1の部分に固定される。シェービングエイドと潤滑ボックスの第2の部分との間の空洞内に間隙が存在し、通常使用中にシェービングエイド材料が膨張可能とされる。
本発明の別の態様により、シェービングエイドは、一連の層(例えば、第1、第2、第3、又はそれよりも多く)で空洞内に分配される。
本発明の更に別の態様により、シェービングエイドの様々な層は、シェービングエイドの他の層の1つ又はそれよりも多くと同じか又は異なる色、量、及び/又は化学組成のものとすることができる。
本発明の更に別の態様により、潤滑ボックスの第2の部分は、シェービングエイドと接近し又は直接接触する位置まで空洞内に延びる支持構造体を含むことができる。
本発明のこれら及び他の態様は、本明細書に開示する本発明を行う装置及び方法によって達成される。本発明は、「発明を実施するための形態」及び提供される図面に照らせば当業者に明確であろう。
本発明の湿式シェービングカートリッジの一実施形態の正面図である。 本発明の湿式シェービングカートリッジの別の実施形態の正面図である。 本発明の湿式シェービングカートリッジの更に別の実施形態の正面図である。 本発明の湿式シェービングカートリッジの更に別の実施形態の正面図である。 剃刀ハンドル上の図1のカートリッジのII−II線に沿った断面図である。 本発明の潤滑ボックスの一実施形態の等角投影図である。 その中にシェービングエイドの第1の層を有する図3の潤滑ボックスの第1の部分のIV−IV線に沿った切断図である。 図4の潤滑ボックスの第1の部分内のシェービングエイドの第2の層のIV−IV線に沿った切断図である。 図4Aの潤滑ボックスの第1の部分内のシェービングエイドの第3の層のIV−IV線に沿った切断図である。 図4Aの潤滑ボックスの第1の部分に固定された潤滑ボックスの第2の部分の一実施形態のV−V線に沿った切断図である。 図3の潤滑ボックスの第2の部分の別の実施形態を示す図である。 図3の潤滑ボックスの第2の部分の更に別の実施形態を示す図である。 潤滑ボックスの作成方法における段階を示す図である。 潤滑ボックスの作成方法における別の段階を示す図である。 潤滑ボックスの作成方法における更に別の段階を示す図である。 潤滑ボックスの作成方法における更に別の段階を示す図である。 潤滑ボックスの作成方法における更に別の段階を示す図である。 潤滑ボックスの作成方法における更に別の段階を示す図である。
図1、図1A、図1B、及び図1Cを参照すると、本発明のシェービングカートリッジ102のいくつかの実施形態が示されている。本発明のシェービングカートリッジ102は、少なくとも1つのフレーム104と、少なくとも1つの剃刀ブレード106と、潤滑ボックス108とを含む。
本発明のシェービングカートリッジ102は、多くの場合にハンドル10(図2を参照されたい)と併せて使用される。ハンドル10は、ピボット回転又は固定式のいずれかでシェービングカートリッジ102に接続される。ハンドル10は、あらゆる適切な方式でシェービングカートリッジ102に接続することができる。例えば、使い捨て湿式シェービング器具で公知のように、ハンドル10は剃刀カートリッジ102に永続的に接続することができる。代替的に、システム湿式シェービング器具で公知のように、ハンドルはシェービングカートリッジから選択的に脱離することができる。ハンドル10は、あらゆる適切な材料で製造することができ、一般的に、シェービング中にエンドユーザによって保持することが容易であるような人間工学的形状とされる。
本発明のシェービングカートリッジ102は、フレーム104と少なくとも1つのブレード106とを含む。1つ又はそれよりも多くの個別の部分で製造することができるフレーム104は、剃刀ブレード106を受け取る大きさの開口部105を典型的に形成する(後述される)。図1に示されているもののような一部の実施形態において、フレーム104は、ブレード106の前方にガード12を含む。これらの実施形態において、ガード12は、当業技術で公知のあらゆる適切なタイプとすることができる。
フレーム104はあらゆる適切な材料で製造することができる。成形ポリマー材料又はプラスチックは、最も有効であることが判明している。フレーム104はまた、多くの場合にハンドル10に永続的に接続され、又はユーザがカートリッジをハンドル10から選択的に着脱することができるようにコネクタ(図示せず)を含む。
ガード12は、一般的に、ブレード106の前方でフレーム上の長さ方向に配置され、外側皮膚係合面14を含む。ガード12は、当業者に公知のあらゆる適切な材料(例えば、ゴム)で製造することができ、通常シェービング中に皮膚に接触する時に屈曲する1つ又はそれよりも多くの突起16のような付加的要素を含むことができる。ガード12は、皮膚が尖った刃先22に接触する前に皮膚を一般的に延伸させ、平坦化し、かつ他の方法で準備する。ガード12は、当業技術で公知であり、従って、本発明は、いずれかの特定のタイプのガード12が使用されることに制限されないことを指摘する以外、本明細書では更には詳述しない。
フレーム104内の開口部105は、その中に配置される剃刀ブレード106を受け取る大きさ及び形状である。あらゆる適切な数(例えば、1、2、3、4、5、6、又はそれよりも多く)のブレード106をフレーム104の開口部105内に配置することができる。一般的に、開口部105は、より多いブレード106を有するシェービングカートリッジ102に対してより大きく、より少ないブレード106を有するシェービングカートリッジ102に対してより小さい。各ブレード106はほぼ平面であり、長さ18及び幅20を定め、かつ尖った刃先22がシェービングのための適切な角度になるようにフレーム104の開口部105内に配置される。1つよりも多いブレード106を有する実施形態において、ブレード106は、フレーム104の前方58と後方60の間で互いに平行の関係に一般的に配置される。ブレード106の各々は、ブレード106の長さ18に沿って両側を延びる前方端24及び後方端(図示せず)を有する。尖った刃先22は、前方端24上をブレード106幅20の少なくとも一部分に沿って延びている。各ブレード106は、各ブレード106の尖った刃先22がシェービング平面に実質的に接近して位置するようにフレーム104上に配置される。換言すれば、各ブレード106の尖った刃先22は、シェービング平面と実質的に接触し、僅かに上方に、又は僅かに下方にあることができる。更に、各ブレード106は、尖った刃先22が通常シェービング中に受ける力の下でシェービング平面に対して可動であるようにフレーム104上に取り付けることができる。例えば、一部の実施形態において、尖った刃先22は、シェービングカートリッジ102が静止している時はシェービング平面の上に位置するが、通常シェービング中にブレード106に対する力を受けてシェービング平面より低い位置に偏向する。シェービング平面に対する各ブレード106の位置は、シェービング平面に対する他のブレード106の各々の位置に依存しない。
一般的に、ブレード106は可撓性材料で製造され、通常シェービング中ブレード106の屈曲を防止するか又は少なくともやや抑制するようにフレーム104内に支持される。ブレード106を支持するためのいくつかの方式は当業技術で公知である。例えば、一部の実施形態において、各ブレード106は、ブレード106に剛性支持構造を提供する曲げブレード支持体(例えば、図2を参照されたい)に溶接することができる。
例えば、図3、図4、図4A、及び図4Bを参照すると、本発明の一実施形態に従って潤滑ボックス108は、第1のボックス部分28と、シェービングエイド30と、第2のボックス部分32とを含む。本発明の潤滑ボックス108の一実施形態は、フレーム104とは別に図2に示されている。潤滑ボックス102は、直接又は間接的にフレーム104に取り付けられる。例えば、図1に示すように、潤滑ボックス108は、ブレード106の後方に位置することができる。代替的に、図1Aに示すように、他の実施形態において、潤滑ボックス108は、ブレード106の前方に位置することができる。更に別の実施形態において、図1Bに示すように、潤滑ボックス108は、ブレード106の前方及び後方に位置することができる。かつ更に別の実施形態において、図1Cに示すように、潤滑ボックス108は、ブレード106を実質的に取り囲むことができる。
潤滑ボックス108の第1の部分28の一実施形態は、図3に見ることができる。第1の部分28は、皮膚係合表面34と、皮膚係合表面34から延びて空洞40を生成する少なくとも1つの側壁34とを含む。皮膚係合面34は、あらゆる適切な大きさ及び形状とすることができ、かつ空洞内に延びる少なくとも2つの孔38を含む。図1、図1A、及び図1Bに示すように、皮膚係合面34は、ほぼ矩形であり、かつ約3mm幅及び約40mm長さである。代替的に、図1Cに示すように、皮膚係合面34は、シェービングカートリッジ102が通過することができる中央孔を有するほぼ長円形とすることができる。しかし、本発明は、図示して開示する形状及び/又は大きさによって制限されず、設計者に対して適切なあらゆる形状とすることができる。同様に、少なくとも2つの孔38は、設計者の要求及び要望に基づくあらゆる適切な大きさ及び形状とすることができる。少なくとも2つの孔38は、単一列の状態として図1に示されているが、それらは、複数列、並びに対称及び非対称パターンを含むあらゆる適切なパターンに配列することができる。第1の部分28は、以下に制限されるものではないが、プラスチック、金属、及びゴムを含むあらゆる適切な材料で製造することができる。好ましくは、第1の部分28全体は、単一の材料部分で製造された単体部分であるが、しかし、本発明は、これに制限されるものではない。例えば、図示していないが、皮膚係合面34は、側壁36と異なる材料で製造することができる。
側壁36は、皮膚係合面34から延びて空洞40を生成する。例えば、図1−図1Cに示すように、側壁36は、皮膚係合面34にほぼ直角に延びるが、当業者は、本発明がこれに制限されるものでないことを認識している。例えば、皮膚係合面34は滑らかな曲線を通じて側壁36に移行し、それによって潤滑ボックス108の縁部は、通常シェービング中にユーザの皮膚に対して穏やかに押し付けられる。側壁36は、設計者の要求及び要望に基づくあらゆる適切な高さとすることができる。図2及び図3に示すように、側壁36は約4mmの高さであり、少なくとも2つの孔38を含まずに約480mm3の容積を有する空洞40を生成する。
シェービングエイドの第1の層50は、空洞40の少なくとも一部分内にシェービングエイドの第1の層50が圧密化されるように潤滑ボックス108の第1の部分28内に超音波圧縮され、好ましくは、シェービングエイドの第1の層50の一部分が少なくとも1つの孔38を実質的に満たすように圧密化される。更により好ましくは、シェービングエイドの第1の層50は、全ての孔38を実質的に満たすように圧密化される。最も好ましくは、シェービングエイドの第1の層50は、全ての孔38を完全に満たす。シェービングエイド30は、固体の状態で(例えば、粉末で)一般的に添加され、超音波圧縮されて空洞40及び孔38の内部形状にほぼ適合する単体固形物を形成する。材料の圧密化は、シェービングエイドの第1の層50を望ましい位置(すなわち、孔38の少なくとも一部分及び孔38に隣接する空洞40の部分)内に更に摩擦的に固着させる。
シェービングエイド30は、好ましくは、100%の水溶性シェービングエイドを含むが、水不溶性のシェービングエイド材料も許容される。例えば、シェービングエイド30は、シェービング性能を高めるあらゆる物質を含むことができる。その物質は、例えば、シェービングの快適性を改善することができる(例えば、皮膚の潤滑、シェービング効率性の改善、髭のコンディショニング、又は皮膚のコンディショニングにより)。適切なシェービングエイド30は、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルイミダゾリン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコールのような潤滑水溶性ポリマーを含む。好ましい潤滑水溶性ポリマーは、ポリエチレンオキシドである。より好ましいポリエチレンオキシドは、好ましくは約100,000から800万、最も好ましくは、約300,000から500万の分子量を有することになる。最も好ましいポリエチレンオキシドは、約40から80%の約500万の平均分子量を有するポリエチレンオキシドと、約20から60%の約300,000の平均分子量を有するポリエチレンオキシドとの配合物を含む。
ポリエチレンオキシド配合物は、可塑剤を有利な態様においては含有することができる。可塑剤の使用は、ポリエチレンオキシドの分子量を実質的に低下させることなく超音波圧縮中のポリエチレンオキシドの流動性を引き起こすための処理時間中の実質的により低い温度の利用を可能にする。好ましい可塑剤は、400から4000の分子量を有するポリエチレングリコール、400から4000の分子量を有する水溶性ポリプロピレングリコール、エチレン及びプロピレンオキシドの水溶性コポリマー、水溶性アルキルフェノールエトキシレート、グリセリン、ソルビトール、及び水である。とりわけ好ましい可塑剤は、プロピレングリコール及び9モルのエチレンオキシドを有するオクチルフェノールエトキシレートである。
シェービングエイド30への付加的な成分は以下を含むことができる。
A.例えば、マイクロ封入シリコーンオイルである皮膚係合要素と皮膚の間の摩擦力を低減する潤滑剤。
B.例えば、非イオン性ポリアクリルアミド、及び/又は「グアガム」のような植物材料からの天然多糖類である皮膚係合要素とシェーバ面の間の抗力を低減するあらゆる添加剤。
C.例えば、脱毛剤が一例である少なくとも1つの剃刀ブレード106が髭を容易に通過することができるように体毛の化学構造を変化させる薬剤。
D.例えば、シリコンポリエチレンオキシドブロックコポリマー及びラウリル硫酸ナトリウムいった洗剤であるシェービング中に皮膚係合要素から髭及び皮膚破片を洗い落とせる洗浄剤。
E.細菌を死滅させるか又は皮膚損傷又は擦り傷を治すための薬剤。
F.皮膚を軟化し、平滑化し、コンディショニングし、又は改善するための化粧剤。
G.切り傷から起こる出血の抑制のための血液凝固剤。
H.血管を収縮させ、それによってシェービング中に炎症を起こした皮膚から浸出する場合があるリンパ液のような体液の流れを食い止めるための収斂剤。
シェービングエイドの付加的な層54を潤滑ボックス28の第1の部分の空洞40に追加することができる。一部の実施形態において、設計者は、先行層と量及び/又は化学組成に対して同一でないとしてもほぼ同様である潤滑ボックス102内に含まれる後続層54を有することを選択することができる。しかし、設計者は、後続層54が1つ又はそれよりも多くの態様において先行層と異なることをより好む場合がある。例えば、後続層54は、先行層と量、化学組成、及び/又は色が異なるように設計することができる。こうした変更は、ユーザに様々なシェービングの利点を提供するために又は/又は例えば潤滑ボックス108がその使用期限に殆ど達したことをユーザに知らせるために使用することができる。
図5、図5A、及び図5Bに示すように、潤滑ボックスの第2の部分32は、潤滑ボックスの第1の部分28に固定され、シェービングエイド30をその中に実質的に包み込む。潤滑ボックスの第2の部分32は、潤滑ボックスの第2の部分32が側壁36と潤滑ボックスの第1の部分28の皮膚係合面34とによって形成された空洞40の開放端を実質的に覆うという条件下で、あらゆる適切な形状及び大きさとすることができる。更に、潤滑ボックスの第2の部分32は、好ましくは、シェービングエイド30と潤滑ボックスの第2の部分32の内面44との間に間隙が存在するような形状とされる。空隙42は、シェービングエイド30が濡れた時に膨張する空間を提供する。さもないと、シェービングエイド30の膨張は、過剰の量のシェービングエイド30が少なくとも2つの孔38を通って出る原因になり、及び/又は潤滑ボックスの第1の部分28及び/又は第2の部分32が互いに分離し、変形し、及び/又は亀裂する原因になる。
潤滑ボックスの第2の部分32は、あらゆる材料で製造することができるが、プラスチック、金属、又はゴムで製造することが多くの場合に望ましい。潤滑ボックスの第2の部分32は、あらゆる適切な方式で潤滑ボックスの第1の部分28に取り付けることができる。潤滑ボックスの2つの部分28、32を取りつける方式は、使用される材料のタイプに多くの場合に依存する。例えば、潤滑ボックスの2つの部分28、32を互いに超音波溶着することは、例えば、潤滑ボックスの2つの部分28、32がプラスチックで製造されている時に特別の効用を示している。しかし、本発明は、これに制限されるものでなく、潤滑ボックスの2つの部分28、32は、接着され又は他の方法で互いに結合することができる。更に、一部の実施形態において、物理的接続(例えば、雄/雌コネクタ、圧入)が適切である。
シェービングエイド30と潤滑ボックスの第2の部分28との間の間隙の大きさは、以下に制限されるものではないが、潤滑ボックス108の大きさ、及び空洞40に追加されるシェービングエイド30の量を含むいくつかのファクタに依存する。場合によっては、潤滑ボックスの第1の部分28又は第2の部分32を通過する小孔55(例えば、図5Bを参照されたい)は、通常使用中の潤滑ボックス108内の過度の圧力蓄積の軽減に役立つ。
一部の実施形態において、かつ具体的には図5Aを参照すると、潤滑ボックスの第2の部分32は、シェービングエイド30に近接し又はそれに直接に接触する空洞40内部に延びる1つ又はそれよりも多くの付加的な支持特徴部46を含むことができる。使用中、水がシェービングエイド30と混合すると、シェービングエイド30の一部分は溶解を開始する。シェービングエイド30がより多く溶解すると、圧密化シェービングエイド30は、多くの場合に望ましくなく空洞40内の位置から移動するようになる。支持特徴部46は、シェービングエイド30を少なくとも2つの孔38の近くの空洞40内に保持する傾向があり、そこでシェービングエイド30は水と混合する可能性が最も高く、通常使用中に皮膚に対して最大のシェービング恩典を提供する。支持特徴部46は、側壁36に隣接して位置することができ、及び/又は側壁36から空洞40の中心の方向に離れて位置することができる。好ましくは、支持特徴部46は、空洞40内のいくつかの位置でシェービングエイド30の支持を提供する。
本発明のシェービングカートリッジ102を製造する1つの方法は、最初に、潤滑ボックスの第1の部分28を準備する段階を含む。上述のように、潤滑ボックスの第1の部分28は、あらゆる公知の手段によってあらゆる適切な材料で製造することができる(例えば、プラスチックの潤滑ボックスの第1の部分28を成形する)。潤滑ボックスの第1の部分28が支持ネスト62内に置かれ、シェービングエイド30の第1の量が空洞40内に分配される。
シェービングエイド30の第1の量が潤滑ボックスの第1の部分28の空洞40内に分配された状態で、次に、ピストン48が1回又はそれよりも多く圧力を印加し、ある一定の量の超音波エネルギが提供される(例えば、超音波ホーンにより)。ピストンの圧力及び超音波エネルギは、第1の量のシェービングエイド30を超音波圧密化し、シェービングエイドの第1の層50が形成される。例えば、ビタミンE添加剤を伴うポリエチレンオキシド25−45mgを用いる実施形態において、ピストンが約100−150lbsの力を印加し、15−20Jのエネルギが単サイクル中に約0.1から0.2秒の保持時間で超音波源によって提供される。超音波ホーンによる提供の実際の回数、期間、提供されるエネルギの量、及び/又はピストンによって印加される力は、以下に制限されるものではないが、圧密化されるシェービングエイドの量、圧密化されるシェービングエイドのタイプ、潤滑ボックスの実際の大きさ及び形状、及び圧密化の望ましいレベルを含む多数のファクタに依存して変わる場合がある。超音波圧密化処理は材料の良好な圧密化を可能にし、シェービングエイド30中の活性成分を劣化させることによって意図したシェービング恩典を提供する材料の機能を妨害する傾向にある条件(例えば、長期間にわたる高温及び/又は高圧)を活性成分が受けることはない。超音波圧密化処理の恩典として、シェービングエイド30中の活性成分の高い割合が留まって通常使用中に利用可能であり、予想した恩典を提供する。
シェービングエイドの第1の層50が形成されるか又は圧密化された状態で、シェービングエイド30の第2の量が任意的に潤滑ボックスの第1の部分28の空洞40内に分配される。上述の超音波圧密化処理が反復される。
任意的に、シェービングエイドの第2の層52が圧密化された状態で、シェービングエイドの付加的な量の第3、第4、又はそれよりも多くの層54が、潤滑ボックス108の空洞40内部に分配されて圧密化される。圧密化処理中に、ピストン48の速度と、ピストン48の側縁と側壁36の内側の間の間隙とにより、シェービングエイド30粉末は、多くの場合に撹拌される。超音波圧密化中に圧密化されないシェービングエイド30のあらゆる部分を除去するために、真空(図示せず)を提供することができる。
シェービングエイド層50、52、54が潤滑ボックス28の第1の部分の内部に圧密化された状態で、潤滑ボックスの第2の部分32は、潤滑ボックス28の第1の部分の空洞40の開口部の上に置かれて固定される。次に、潤滑ボックス108は、通常使用中に皮膚係合要素がユーザの皮膚に接触するか又は接触可能であるように、シェービングカートリッジ102のフレーム104に直接又は間接的に固定される。一部の実施形態において、潤滑ボックス108は、シェービングカートリッジ102のフレーム104上で取外し可能かつ交換可能である。
使用において、シェービングカートリッジ102は、ハンドル10に固定され、ユーザは、シェービングカートリッジ102を濡らす。水が潤滑ボックス108の少なくとも2つの孔38に入り、シェービングエイド30と混合する。シェービングエイド30は、濡れた時に典型的に膨張し、潤滑ボックス108内の間隙42の少なくとも一部分を満たす。同時に、シェービングエイド30の一部分が水に溶解して少なくとも2つの孔38を通じて出る。次に、シェービングカートリッジ102がユーザに接触して置かれ、皮膚を横切って引っ張られる。この時点で溶解したシェービングエイド102が皮膚上に分布すると、シェービングカートリッジ102のブレード106は体毛をシェービングし、恩典を提供する。
本発明の一部の実施形態のみを図面に示したが、多くの他の修正は以下の特許請求の範囲内と考えられることを指摘する必要がある。
12 ガード
30 シェービングエイド
102 シェービングカートリッジ
105 開口部
106 ブレード
108 潤滑ボックス

Claims (19)

  1. 潤滑ボックスであって:
    皮膚係合面と少なくとも1つの側壁とを有し、該皮膚係合面及び該少なくとも1つの側壁が空洞を形成する潤滑ボックスの第1の部分と、
    前記第1の部分の前記皮膚係合面を通って延びる少なくとも2つの孔と、
    前記皮膚係合面内の前記孔のうちの少なくとも1つと前記空洞の少なくとも一部分とを少なくとも部分的に満たす該空洞内に超音波圧縮されたシェービングエイド材料と、
    前記空洞が実質的に閉じられるように前記第1の部分に固定されている潤滑ボックスの第2の部分と、
    を含み、
    間隙が、前記シェービングエイドと潤滑ボックスの前記第2の部分との間で前記空洞に存在し、通常使用中にシェービングエイド材料が膨張可能とされ、
    前記シェービングエイドは、少なくとも1つの孔、並びに潤滑ボックスの前記第1の部分の前記空洞の少なくとも一部分を少なくとも部分的に満たすシェービングエイドの第1の層を含み、
    前記シェービングエイドは、潤滑ボックスの第1の部分の前記空洞に位置するシェービングエイドの第2の層を含む、
    ことを特徴とする潤滑ボックス。
  2. 前記皮膚係合部分は、ほぼ矩形であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  3. 前記皮膚係合部分は、少なくとも5個の孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  4. 前記皮膚係合部分は、少なくとも10個の孔を含むことを特徴とする請求項3に記載の潤滑ボックス。
  5. 前記皮膚係合部分は、少なくとも15個の孔を含むことを特徴とする請求項4に記載の潤滑ボックス。
  6. 孔が、単一列に整列することを特徴とする請求項3に記載の潤滑ボックス。
  7. 前記第2の層は、シェービングエイドの前記第1の層に直接に隣接することを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  8. シェービングエイドの前記第1及び第2の層は、実質的に同じ化学組成を有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  9. シェービングエイドの前記第1及び第2の層は、異なる化学組成を有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  10. シェービングエイドの前記第1及び第2の層は、実質的に同じ量で提供されることを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  11. シェービングエイドの前記第1及び第2の層は、等しくない量で提供されることを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  12. 前記シェービングエイドは、潤滑ボックスの第1の部分の前記空洞に位置するシェービングエイドの第3の層を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  13. シェービングエイドの前記第3の層は、シェービングエイドの前記第2の層に直接に隣接することを特徴とする請求項12に記載の潤滑ボックス。
  14. シェービングエイドの少なくとも1つの層が、シェービングエイドの少なくとも1つの他の層と異なる色であることを特徴とする請求項12に記載の潤滑ボックス。
  15. 前記第2の部分は、前記シェービングエイドに近接する少なくとも1つの支持構造体を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  16. 前記第2の部分は、前記シェービングエイドと直接に接触する少なくとも1つの支持構造体を含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑ボックス。
  17. 潤滑ボックスを製造する方法であって、
    空洞を形成する皮膚係合面と少なくとも1つの側壁とを有し、該皮膚係合面に少なくとも2つの孔が通過する潤滑ボックスの第1の部分を準備する段階と、
    前記潤滑ボックスの前記第1の部分の前記空洞内に第1の量のシェービングエイドを分配する段階と、
    前記第1の量のシェービングエイドを超音波圧縮し、シェービングエイドの第1の層を該第1の層が前記孔のうちの1つの少なくとも一部分を満たすように形成する段階と、
    前記超音波圧縮した第1の層の上へ前記潤滑ボックスの前記第1の部分の前記空洞内に第2の量のシェービングエイドを分配する付加的な段階と、
    前記第2の量のシェービングエイドを超音波圧縮し、前記空洞においてシェービングエイドの前記第1の層に隣接するシェービングエイドの第2の層を前記第2の層が前記空洞の少なくとも一部分を満たすように形成する段階と、
    前記第1の部分の前記空洞の開放端を覆う前記潤滑ボックスの第2の部分を前記超音波圧縮したシェービングエイドと該潤滑ボックスの該第2の部分の内面との間に間隙が残るように準備する段階と、
    前記潤滑ボックスの前記第2の部分を該潤滑ボックスの前記第1の部分に固定する段階と、
    を含むことを特徴とする方法。
  18. 前記潤滑ボックスの第1の部分を準備する前記段階は、ポリマー材料の該第1の部分を成形する段階を含むことを特徴とする請求項17に記載の潤滑ボックスを製造する方法。
  19. 前記超音波圧縮した第2の層の上へ前記潤滑ボックスの前記第1の部分の前記空洞内に第3の量のシェービングエイドを分配する付加的な段階と、次に、該第3の量のシェービングエイドを超音波圧縮し、該空洞においてシェービングエイドの該第2の層に隣接するシェービングエイドの第3の層を該第3の層が該空洞の少なくとも一部分を満たすように形成する付加的な段階とを含むことを特徴とする請求項17に記載の潤滑ボックスを製造する方法。
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