JP5746135B2 - 核酸結合色素およびその使用 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、米国特許出願第61/160,566号(出願日:2009年3月16日)に基づく利益を主張する。その開示は、参照により本願に組み込まれる。
本発明は、核酸用蛍光色素に関する。特に、本発明は、二本鎖核酸と結合して蛍光複合体を形成する色素に関する。本色素は、生体試料および環境試料を含む広範囲の材料中の核酸の検出および定量に用いることができる。
生物学、生体医学、遺伝学、発酵、養殖、農業、法医学および環境の研究を含む生命科学研究の多くの分野で、純粋溶液および生体試料中で核酸を同定するばかりでなく、これらの核酸を定量することが求められている。これらの用途には、核酸が細胞に含まれているか否かにかかわらず、種々の媒体中で微量の核酸を検出できる迅速、高感度かつ選択的な方法が必要とされる。
DNアーゼまたはテロメラーゼ活性の測定、蛍光イメージング技術、フローサイメトリー(flow cymetry)、リアルタイムPCR、バイオチップ用途および粗抽出物などにおける二本鎖DNAの定量において、SYBR Green I(SG)などの蛍光色素による核酸の検出は、ゲル中、溶液中の核酸の検出に有効に利用されてきた。
SGは、低い色素/塩基対比(dbpr)でインターカレートすることが示されている(Zipper et al., Nucl. Acids Res., 32:e103 (2004))。大部分の単純なインターカレーターおよび蛍光DNA結合色素ピコグリーン(PicoGreen(PG))と同じで、SGは、低いdbprでは、顕著な配列結合選択性を示さなかったが、高いdbprでは、SG結合の有意な配列依存性が認められた(Zipperら)。PGは、低いdbprでは配列特異的ではなかったが、溶液中のDNAの定量に一般に用いられている高いdbprでは、PGは少し配列特異性を示した(Zipperら)。
一本鎖DNAと二本鎖DNAとを識別するためには、0.2より大きいdbprを用いるべきであり、他の化合物、例えばRNA、タンパク質などに対しては、二本鎖DNAを最大限選択的に識別するために、少なくとも 10のdbprを用いるべきであることをZipperらは開示している。より高いdbprの使用は、塩、クエンチャーおよびdsDNA配列特異性の影響を低下させる可能性があり、そのことはSGによるリアルタイムPCRおよび融解曲線分析に影響する可能性があることも開示されている(Zipperら)。高いdbprではPCRの抑制およびdsDNAの潜在的分解が生じうることおよびPCRにおいてはdbprが一定ではないことをZipperらは警告している。
EvaGreen(登録商標)(EG)は、二本鎖DNAおよび一本鎖DNAの両方に対してSGよりも低い結合親和性を有するDNA結合色素である(MAo et al., BMC Biotech., 7:76 (2007))。EGは、GCリッチまたはATリッチ配列のいずれにも明確な選択性を示さなかったが、SGはATリッチ配列に対してわずかな選択性を示したことをMAoらは開示している。2つの色素は、二本鎖DNAに対するよりも、一本鎖DNAに対して実質的に低い親和性を示した。しかしながら、EGおよびSGは共に、遅延Ctおよび/または非特異的な産物生成から明らかなように、高い色素濃度で用いられた場合、PCRの妨害を示した(MAoら)。鎖伸長時間が短縮された場合、あるいはアンプリコンが比較的長い場合(>500bp)、問題は悪化したとMAoらは開示している。2つの色素間のqPCR性能における相遺はそれらのDNA結合プロフィールにおける相遺にあるとされた(MAoら)。
一側面において、本発明は、式I:
Figure 0005746135
(I)
[式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロであり;またはR1およびR2あるいはR2およびR3は、それらが結合している原子と一緒になって、1、2、3または4つのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロ基で任意に置換される縮合ベンゾ環を形成し;
YはS、O、CF2またはNR4であり;
R4は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
Wは、それが結合する原子と一緒になって、5、6、7または8員複素環であり;
nは0、1または2であり;
QはQ1またはQ2:
Figure 0005746135
;
(式中、Yは-CR13=CR14-であり;mおよびpは0または1であり、ここでm+p=1であり;
R6は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノまたはハロであり;
R13およびR14の1つはHであり、もう一方はNR15R16であり;
R15は(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルであり;
R16は(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルである)である]の化合物またはその塩を提供する。
他の側面において、本発明は、核酸増幅に供した試料中の核酸量を定量する方法であって、式Iの化合物と試料とを接触させ、増幅反応における蛍光を検出し、増幅反応における蛍光量とその反応における核酸量とを関連付けることを含む前記方法を提供する。
他の側面において、本発明は、核酸増幅に供した試料中の核酸量を定量する方法であって、標的核酸分子、増幅される標的配列に特異的な1種以上の核酸プライマー、ポリメラーゼおよび式Iの化合物を含む試料中の核酸を増幅して増幅された核酸を含む混合物を得、混合物における蛍光を検出し、混合物における蛍光量と混合物における核酸量を関連付けることを含む前記方法を提供する。
他の側面において、本発明は、核酸増幅反応のリアルタイムモニタリング方法であって、標的核酸分子、標的核酸分子の配列に特異的な2種以上の核酸プライマーおよび式Iの化合物を有する試料を含む反応混合物中の標的核酸分子の標的核酸配列を増幅し、その化合物に吸収される選択された波長の光で反応混合物を照射し、反応混合物における蛍光発光を検出することを含む前記方法を提供する。
本発明はまた、式Iの化合物を含むキットを提供する。さらなる側面において、本発明は、式Iの化合物の製造方法を提供する。
典型的な色素のCtならびに標準偏差値、傾きおよびR2である。 典型的な色素のスペクトル的考察における全蛍光の分析である。 種々の色素の45サイクルにおけるΔR2maxである。 種々の色素のΔRmax、Ct、傾き、X切片、S、Bds、およびFBデータである。 典型的な色素の傾き、R2およびY切片である。 本発明の種々の色素の構造である。 ピコグリーンとPBI 3646の比較である。
発明の詳細な説明
定義
本明細書において、以下の用語および表現は示された意味を有する。ラジカル、置換基および範囲に関して以下に示した特定の値は、例示のみを目的としている。それらは、ラジカルおよび置換基に関する他の定義値または、定義された範囲内の他の値を排除するものではない。
基または部分が置換されることができる場合、用語"置換される"は、"置換される"を用いる表現で示される基の1以上の(例えば、1、2、3、4、5または6の;いくつかの実施形態において1、2または3つの;他の実施形態において1または2の)水素が、表示原子の通常の原子価の限度を超えず、その置換が安定な化合物をもたらすという条件で、列挙された表示基から選択された基または当業者に公知の適切な基(例えば、以下に列挙した基の1以上)で置換できることを示す。置換される基の適切な置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメチル、アセチルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、複素環スルフィニル、ヘテロサイクルスルホニル、ホスファート、スルファート、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル(アルキル)アミンおよびシアノを含むことができる。さらに、適切な表示基は、例えば、-X、-R、-O-、-OR、-SR、-S-、-NR2、-NR3、=NR、-CX3、-CN、-OCN、-SCN、-N=C=O、-NCS、-NO、-NO2、=N2、-N3、NC(=O)R、-C(=O)R、-C(=O)NRR-S(=O)2O-、-S(=O)2OH、-S(=O)2R、-OS(=O)2OR、-S(=O)2NR、-S(=O)R、-OP(=O)O2RR、-P(=O)O2RR、-P(=O)(O-)2、-P(=O)(OH)2、-C(=O)R、-C(=O)X、-C(S)R、-C(O)OR、-C(O)O-、-C(S)OR、-C(O)SR、-C(S)SR、-C(O)NRR、-C(S)NRR、-C(NR)NRR[式中、各Xは、独立してハロゲン("ハロ"):F、Cl、BrまたはIであり;各Rは、独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、保護基またはプロドラッグ部分である]を含むことができる。当業者には明らかなように、置換基がケト(=O)またはチオキソ(=S)などである場合、置換される原子上の2つの水素原子が置換される。
本明細書において、用語"アルキル"は、例えば、1〜20炭素原子を有し、多くの場合1〜12または1〜約6炭素原子を有する分枝鎖、非分枝鎖または環式炭化水素のことを言う。例は、限定するものではないが、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-メチル-1-プロピル、2-ブチル、2-メチル-2-プロピル(t-ブチル)、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-1-ブチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどを含む。アルキルは置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。例えば、置換アルキル基は、下記のようにハロアルキル基であることができる。アルキルは、任意に、部分不飽和であることもできるし、完全不飽和であることもできる。そのようなものとして、アルキル基の列挙はアルケニル基およびアルキニル基を共に含む。この用法の文脈によれば、上記で説明かつ例示したように、アルキルは、一価の炭化水素ラジカルであることもでき、二価の炭化水素ラジカル(すなわち、アルキレン)であることもできる。また、アルキル基は、用語中断されるについて以下に記載されるように、任意に中断され得る。
用語"アルケニル"とは、モノラジカル分枝鎖または非分枝鎖部分不飽和炭化水素鎖(すなわち炭素-炭素sp2二重結合)のことを言う。一実施形態において、アルケニル基は、2〜10炭素原子を有することもでき、2〜6炭素原子を有することもできる。他の実施形態において、アルケニル基は2〜4炭素原子を有する。例は、限定するものではないが、エチレンまたはビニル、アリル、シクロペンテニル、5-ヘキセニルなどを含む。アルケニルは、置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。
用語"アルキニル"は、完全に不飽和である箇所(すなわち炭素-炭素sp三重結合)を有するモノラジカル分枝鎖または非分枝鎖炭化水素鎖のことを言う。一実施形態において、アルキニル基は2〜10炭素原子を有することもでき、2〜6炭素原子を有することもできる。他の実施形態において、アルキニル基は2〜4炭素原子を有することができる。本用語は、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、1-オクチニルなどの基により例示される。アルキニルは、置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。
用語"シクロアルキル"は、単環式環または多縮合環を有する3〜約10炭素原子の環式アルキル基のことを言う。このようなシクロアルキル基は、例として、単環構造、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなど、または多環構造、例えばアダマンタニルなどを含む。シクロアルキルは置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。シクロアルキル基は一価または二価であることができ、アルキル基に関して前述したように、任意に置換され得る。シクロアルキル基は、任意に1以上の不飽和部位を含むことができる。例えば、シクロアルキル基は1以上の炭素-炭素二重結合を含むことができ、例えばシクロヘキセン、1,3-シクロヘキサジエン、1,4-シクロヘキサジエンなどを含むことができる。シクロアルキル基は、単環式では3〜8炭素原子、二環式では7〜12炭素原子、多環式では最大約20炭素原子を有する飽和、不飽和環である炭素環であることができる。単環式炭素環は、一般的には3〜6環原子を有し、より一般的には5または6環原子を有する。二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]または[6,6]系で配置された7〜12環原子、あるいはビシクロ[5,6]または[6,6]系で配置された9または10環原子を有する。炭素環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニルまたは1-シクロヘキサ-3-エニルを含む。炭素環は、アルキル基に関して前述したように、任意に置換され得る。
用語"アルコキシ"は、基アルキル-O-(アルキルは本明細書で定義されるものである)のことを言う。一実施形態において、アルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキシルオキシ、1,2-ジメチルブトキシなどを含む。アルコキシは、置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。
用語"アリール"は、親芳香環系の炭素原子1つから水素原子1つを除去することによって誘導される芳香族炭化水素基のことを言う。このラジカルは、親環系の飽和炭素原子上にあることもできるし、不飽和炭素原子上にあることもできる。アリール基は、6〜18炭素原子、6〜14炭素原子または6〜10炭素原子を有することができる。アリール基は、少なくとも1つの環が芳香族(例えば、ナフチル、ジヒドロフェナントレニル、フルオレニルまたはアントリル)である単環式環(例えば、フェニル)または多縮合環(縮合環)を有することができる。典型的なアリール基は、限定するものではないが、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニルなどに由来するラジカルを含む。アリールは、アルキル基に関して前述したように、置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。例えば、アリール基は、1以上の置換基(前述のように)で置換されて、種々の置換アリール、例えばペンタフルオロフェニルまたはp-トリフルオロメチルフェニルなどを生じることができる。
用語"ハロ"は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード基のことを言う。同様に、用語"ハロゲン"はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素のことを言う。
本明細書において、用語"ヘテロアリール"は、1、2または3つの芳香環を含み、芳香環中に少なくとも1つの窒素、酸素または硫黄原子を含み、"置換される"の定義において前述した、例えば1以上の、特に1〜3つの置換基で置換されていなくてもよく、置換されていてもよい1、2または3つの芳香環を含む単環式、二環式または三環式環系と定義される。典型的なヘテロアリール基は、1以上のヘテロ原子に加えて2〜14炭素原子を含む。ヘテロアリール基の例は、限定するものではないが、2H-ピロリル、3H-インドリル、4H-キノリジニル、アクリジニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾチアゾリル、-カルボリニル、カルバゾリル、クロメニル、シンノリニル、ジベンゾ[b,d]フラニル、フラザニル、フリル、イミダゾリル、イミジゾリル、インダゾリル、インドリシニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサゾリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェニキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびキサンテニルを含む。一実施形態において用語"ヘテロアリール"は、炭素ならびに、過酸化物ではない酸素、硫黄およびN(Z)[Zは、存在しないかあるいはH、O、アルキル、アリールまたは(C1〜C6)アルキルアリールである]から独立して選択される1、2、3または4つのヘテロ原子を含む5または6環原子を含む単環式芳香環を意味する。他の実施形態において、ヘテロアリールは、ヘテロアリールから誘導される約8〜10環原子のオルト縮合二環式複素環、特に、ベンゾ誘導体または、プロピレン、トリメチレンもしくはテトラメチレンジラジカルをヘテロアリールに縮合させることにより誘導した誘導体を意味する。
用語"複素環"は、酸素、窒素および硫黄の群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含み、3〜約12原子の環サイズまたは全部で約7〜約14環原子を含む二環系を有し、本明細書において用語"置換される"で定義された1以上の基で任意に置換される飽和または部分不飽和環系のことを言う。複素環は、1以上のヘテロ原子を含む単環式、二環式または三環式基であることができる。複素環基はまた、環に結合されたオキソ基(=O)またはチオキソ(=S)基を含むことができる。複素環基の限定するものではない例は、1,3-ジヒドロベンゾフラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、1,4-ジチアン、2H-ピラン、2-ピラゾリン、4H-ピラン、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、モルホリン、ピペラジニル、ピペリジン、ピペリジル、ピラゾリジン、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジンおよびチオモルホリンを含む。
用語"複素環"は、限定するものではないが、例として、Paquette, Leo A.; Principles of Modern Heterocyclic Chemistry (W.A. Benjamin, New York, 1968)、特に第1、3、4、6、7および9章; The Chemistry of Heterocyclic Compounds, A Series of Monographs” (John Wiley & Sons, New York、1950年から現在まで)、特に第13、14、16、19および28巻;ならびにJ. Am. Chem. Soc. 1960, 82, 5566 に記載されている複素環のモノラジカルを含むことができる。一実施形態において、“複素環”は、1以上の(例えば1、2、3または4つの)炭素原子がヘテロ原子(例えばO、NまたはS)で置換された、本明細書において定義された“炭素環”を含む。
複素環は、限定するものではないが、例として、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、2-ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサンチニル、2H-ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、1H-インダゾリ、プリニル、4H-キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェニキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、べンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、イサチノイル、およびビス-テトラヒドロフラニルを含む。
限定するものではないが、例として、炭素結合複素環は、ピリジンの2、3、4、5または6位、ピリダジンの3、4、5または6位、ピリミジンの2、4、5または6位、ピラジンの2、3、5または6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテトラヒドロピロールの2、3、4または5位、オキサゾール、イミダゾールまたはチアゾールの2、4または5位、イソオキサゾール、ピラゾールまたはイソチアゾールの3、4または5位、アジリジンの2または3位、アゼチジンの2、3または4位、キノリンの2、3、4、5、6、7または8位、あるいはイソキノリンの1、3、4、5、6、7または8位に結合されている。炭素結合複素環は、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-ピリジル、6-ピリジル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、5-ピリダジニル、6-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、6-ピリミジニル、2-ピラジニル、3-ピラジニル、5-ピラジニル、6-ピラジニル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリルなどを含む。
限定するものではないが、例として、窒素結合複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2-ピロリン、3-ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2-イミダゾリン、3-イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2-ピラゾリン、3-ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H-インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位および、カルバゾールまたはβ-カルボリンの9位に結合されることができる。一実施形態において、窒素結合複素環は、1-アジリジル、1-アゼテジル、1-ピロリル、1-イミダゾリル、1-ピラゾリルおよび1-ピペリジニルを含む。
用語"アミノ"は、-NH2のことを言う。アミノ基は、用語"置換される"について定義されたように、任意に置換され得る。例えば、アミノ基は、-NR2(Rは置換されるの定義において列挙された基である)であることができる。例えば、基-NR2は、"アルキルアミノ"(少なくとも1つのRはアルキルであり、もう1つのRはアルキルまたは水素である)および/または"アシルアミノ"(-N(R)C(=O)R)(各Rは独立して水素、アルキル、アルカリールまたはアリールである)を含むことができる。
用語"アルカリール"は、アルキルまたはアリール基におけるラジカルを介して共になって置換基を形成する少なくとも1つのアルキル基で置換されたアリール基のことを言う。アルカリールのアルキル基は、直鎖または分枝鎖の約1〜8炭素原子を含むことができる。典型的なアルカリール基は、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチ、5-フェニルペンチル、6-フェニルヘキシル、7-フェニルヘプチル、8-フェニルオクチル、それらの分枝アルキル鎖誘導体およびそれらのナフタレンバージョンを含む。アルカリールは、アルキル基に関して前述したように、任意に置換され得る。
用語"中断される"は、示された原子のそれぞれの通常原子価を超えず、中断が安定な化合物をもたらすことを条件にして、用語"中断される"を用いる表現において言及される特定の炭素鎖の2つの隣接炭素原子間(および、それらに結合されている水素原子との間(例えば、メチル(CH3)、メチレン(CH2)またはメチン(CH)))に他の基が挿入されることを示す。炭素鎖を中断できる適切な基は、例えば、1以上の、過酸化物ではないオキシ(-O-)、チオ(-S-)、イミノ(-N(H)-)、メチレンジオキシ(-OCH2O-)、カルボニル(-C(=O)-)、カルボキシ(-C(=O)O-)、カルボニルジオキシ(-OC(=O)O-)、カルボキシラト(-OC(=O)-)、イミン(C=NH)、スルフィニル(SO)およびスルホニル(SO2)を含む。アルキル基は、前述の適切な基の1以上(例えば、1、2、3、4、5または約6)によって中断されることができる。中断部位は、アルキル基の炭素原子と、アルキル基が結合されている炭素原子との間であることもできる。
1以上の置換基を含む、上記の基のいずれに関しても、当然ながら、このような基が、立体的に実行不可能な、かつ/または合成的に実行不可能な任意の置換または置換パターンを含まない事は言うまでもない。加えて、本発明の化合物は、これらの化合物の置換によって生じるすべての立体化学的異性体を含む。
本明細書において、色素の"低いバックグラウンド"は、核酸の非存在下および/または他の高分子の存在下の、例えばタンパク質および他の生体分子ならびに色素それ自体を含むが限定されない複雑な反応混合物(すなわち、核酸を欠く混合物)における、検出波長での弱い発光蛍光を含む。従って、低いバックグラウンドは、色素の存在下かつ核酸の非存在下における蛍光である。
本明細書において、"明るい"色素は、蛍光の最大変化を有する色素を含む(例えば、5-カルボキシ-x-ローダミン(ROX)に対しての正規化を考慮せずに)。例えば、本発明の色素は、SGと同じかそれ以上に明るいことができる。
本明細書において、"Fi"は、無標的反応物、すなわち無鋳型対照(NTC)(核酸の非存在下かつ、初期の反応混合物の一部を形成する一本鎖オリゴヌクレオチド、安定化タンパク質、酵素、抗体などの存在下での色素蛍光)および([標的核酸]組成物を含むすべての反応物の、核酸増幅反応のサイクル1における初期のバックグラウンド蛍光を意味する。
本明細書において、"FM"は、サイクル45における全Δ標的反応およびNTC反応における最大蛍光、例えばデータのスペクトル的考察において、100ng反応物で記録された、非正規化増幅曲線の最大または最大蛍光シグナルと見なした、標的核酸100ngを用いたサイクル45での増幅反応における蛍光変化の最高レベルを意味する。
本明細書において、"ΔR"は、ベースライン減算、例えば、デフォルトAB 7500ベースライン減算を用いた増幅曲線における45サイクルを通した蛍光の総変化量を意味する。
本明細書において、"高コントラスト"の明るさはバックグラウンドに対するものである。すなわち、光は闇によって識別される。明るさの検出は、系の固有のバックグラウンドによって影響を受ける。
本明細書において、"Bds"は、明るさ因子=FM:Fi(NTC)比を意味する。配合物中の各色素の明るさは、最大蛍光と無標的出発点の比として表される。その逆のFB(バックグラウンド蛍光因子)は、標的の非存在下での出発蛍光とプライマー/標的増幅において見られる最大との比を反映する因子である。従って、FBは、蛍光の出発レベルと潜在的最高レベルとの相対的割合を反映する。
本明細書において、"感受性"色素は、qPCR反応において感受性である色素、例えば、100ng反応物において見られるような低濃度の標的核酸に結合する色素の蛍光が、NTC反応物のバックグラウンドを超えて明らかである色素を含む。
本明細書において、"効率的な"増幅反応物は、約-3.3の検量線の傾きをもたらす、核酸特異的色素および、正規化のための対照色素、例えばROXを含む(傾き≧3.40は阻害を示すと推定される)。
本明細書において、核酸増幅反応アッセイのダイナミックレンジに関する"直線的な"は、検量線のR2が約0.99であることを含む。
色素構造
従って、本発明は、式I
Figure 0005746135
(I)
[式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロであり;またはR1およびR2あるいはR2およびR3は、それらが結合している原子と一緒になって、1、2、3または4つのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロ基で任意に置換される縮合ベンゾ環を形成し;
YはS、O、CF2またはNR4であり;
R4は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
Wは、それが結合する原子と一緒になって、5、6、7または8員複素環であり;
nは0、1または2であり;
QはQ1またはQ2:
Figure 0005746135
;
(式中、Yは-CR13=CR14-であり;mおよびpは0または1であり、ここでm+p=1であり;
R6は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノまたはハロであり;
R13およびR14の1つはHであり、もう一方はNR15R16であり;
R15は(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルであり;
R16は(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルである)である]の化合物もしくは色素またはその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、R1、R2およびR3はそれぞれHである。他の実施形態において、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロである。いくつかの実施形態において、R1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になって縮合ベンゾ環を形成する。他の実施形態において、R2およびR3は、それらが結合している原子と一緒になって縮合ベンゾ環を形成する。
いくつかの実施形態において、YはSである。他の実施形態において、YはO、CF2またはNR4である。R4は、(C1〜C8)アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルもしくはそれらの分枝鎖異性体;アリール、例えばフェニルもしくはナフチル;または(C1〜C8)アルカリール、例えばベンジル、2-フェニルエチルもしくは3-フェニルプロピルであることができる。特定の一実施形態において、YはSであり;nは0である。nの値は1または2であることもできる。いくつかの実施形態において、Wは、それが結合する原子と一緒になって6員複素環である。
いくつかの実施形態において、QはQ1であり;他の実施形態において、QはQ2である。一実施形態において、QはQ1であり;mは1であり;R6はメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R7およびR8は共にHであり;R13はHであり;R14はNR15R16であり、ここでR15はメチル、エチル、プロピルまたはブチルである。他の実施形態において、QはQ2であり;mは1であり;R6はメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R9、R10、R11およびR12は共にHであり;R13はHであり;R14はNR15R16であり、ここでR15はメチル、エチル、プロピルまたはブチルである。前記実施形態のいずれかにおいて、R16は、例えば(C1〜C3)アルキル-N(Me)2であることができる。いくつかの実施形態において、R14は、
Figure 0005746135
であることができる。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式II:
Figure 0005746135
(II)
(式中、R6およびR14は上記で定義したものである)の化合物である。いくつかの実施形態において、R6はメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり、R14は上記で定義したものである。本発明の色素は、in vitroまたはin vivo環境のいずれかにおいて、核酸の存在下で、核酸を含まない同じ環境におけるその発光と比較して増強された発光を示すことができる。特定の実施形態を図6に示す。
本発明の色素のそれぞれは、その多環式コア中に少なくとも1つの正に荷電した窒素原子を含む。本発明の色素はまた、共役系の電子が再配列されて、正に荷電した窒素が代わりの窒素上で(すなわち、R6の窒素上で)見出される式IおよびIIの共鳴形を含むことは、当業者には明らかであろう。非浸透性細胞プローブとして使用できる色素もあるし、浸透性細胞プローブとして使用できる色素もある。
合成
本発明の色素の有用な合成経路は、化合物の説明において、自然な分解後の3つの部分で説明することができる。一般に、これらの色素の合成は3つの前駆体を必要とする。ベンゾアゾリウム塩、ピリジニウム(またはキノリニウム)塩(これら2つは、適切な化学置換基を有するか、あるいは適切な置換基を有する構造に変換され得る)および(n=1または2の場合)メチンスペーサーの供給源である。これらの前駆体を製造し結合させて対象誘導体を得るために必要な合成段階は、一般に当業者に公知である。同等の結果を与えうる多くの可能な変形が存在するが、本明細書においては、それらの合成および化学修飾の組み込みのためにいくつかの有用な一般法を提供する。
ベンゾアゾリウム部分
写真用色素の製造に使用するこのタイプのさまざまな誘導体については、特に、Brooker and colleagues (Brooker et al., J. Am. Chem. Soc., 64:199 (1942) に記載がある。YがOの場合、前駆体化合物はベンゾオキサゾリウム誘導体であり;YがSの場合、前駆体化合物はベンゾチアゾリウム誘導体であり;YがSeの場合、前駆体化合物はベンゾセレナゾリウム誘導体であり;YがNまたはアルキル置換Nの場合、前駆体化合物はベンゾイミダゾリウム誘導体であり;YがCR16R17の場合(R16およびR17は、例えば、独立してH、Fまたは(C1〜C6)アルキルである)、前駆体化合物はインドリニウム誘導体である。一般に、R16およびR17は共にFまたは共にメチルである。YがOまたはSである化合物は、供給業者、例えばAcros and Sigma-Aldrich社から広く市販されている。環Wは、適切に官能基化された親ベンゾアゾールの環化によっても形成できるし、以下の実施例に概要を述べた手順に従って、置換されていてもよいテトラヒドロキノリンからも形成できる。
基R1、R2およびR3は、一般的には、四級化の前に、例えばアルキル化剤によって親ベンゾアゾールまたはテトラヒドロキノリン分子に組み込まれる。四級化窒素の対イオンは、イオンZであることができ、ここでZは、多くは得られた色素の対イオンになる。対イオンは、当該技術分野で公知の方法、例えばイオン交換樹脂の使用または沈殿によって他の対イオンに交換することができる。Zの例は、限定するものではないが、ハロ、例えばヨージド、ブロミドまたはクロリド;スルファート;p-トルエンスルホナート;およびトリフルオロメタンスルホナートを含む。
スペーサー基は置換基から形成され、その性質は、ベンゾアゾリウム前駆体とピリジニウムまたはキノリニウム前駆体との結合に用いられる合成方法によって決まる。n=0の場合、スペーサー基は通例アルキルチオ、一般にはメチルチオから形成されるか、あるいはスペーサー基はクロロ、ブロモまたはヨードである。n=1または2の場合、スペーサー基はメチルであることができる。スペーサー基がメチルである場合にのみ、スペーサーに連結される任意の部分が最終化合物に組み込まれる。
ピリジニウムまたはキノリニウム部分
本明細書記載の化合物の強共役環系は、環原子上の1つの正電荷が分子全体にわたっって分布されることによる共鳴安定化を可能にする。特に、本色素の複素環窒素原子のそれぞれにおける部分的局在化により電荷が安定化される。本明細書に対象色素が記載されているように、正電荷は本色素のベンゾアゾリウム部分に形式的に局在化している。しかしながら、一般に理解されるように、本色素のピリジニウム部分に正電荷を形式的に局在化させた同等の共鳴構造を描くことができる。その結果として、この分子のこの後者の部分はピリジン、ピリジニウム、キノリンまたはキノリニウム部分と呼ぶことができるが、示された共鳴構造においては、それをジヒドロピリジンまたはジヒドロキノリンと形式的に呼ぶ。
本発明においては、キノリニウム部分を含む化合物は、親構造のR7およびR8位で縮合した、4つの炭素原子を含むさらなる芳香環の存在下で、単一のピリジニウム環のみを含む化合物とは異なる。特定のピリジンまたはピリジニウム塩への言及がある場合を除き、ピリジンまたはピリジニウム塩への言及は、形式的にはキノリンまたはキノリニウム塩と呼ばれるベンゾピリジンおよびベンゾピリジニウム塩を含むことは言うまでもない。キノリンおよびキノリニウム塩への言及は、2つの縮合芳香環を含む構造のみを言う。
本発明の色素の合成において、第2の複素環前駆体は、通例すでに適切に置換されたピリジニウム塩である。あるいは、置換基は、色素のベンゾアゾリウム部分の結合に続いてピリジニウム構造に組み込まれることもできる。
ピリジンとキノリンとの間の構造的相違はさておき、ピリジニウム部分の結合個所に関連する、本発明に記載の色素ファミリー内で2つの大きな構造的区別が存在する。1つの場合(mが0であり、pが1である場合)において、結合部位は環の窒素原子に隣接したメチン橋である(2-ピリジン)。他の実施形態(mが1でありpが0である場合)において、窒素原子の位置は、結合個所のパラ位である(4-ピリジン)。
nが0である場合、スペーサーに連結される基はメチル、クロロ、ブロモまたはヨードである。nが1または2である場合、スペーサーに連結され基はメチルである。nが1であるかまたはnが2である場合にのみ、スペーサーに連結される任意の部分が最終化合物に組み込まれる。
色素コア構造を形成するためのベンゾアゾリウム部分であるか、あるいは反応の前後にそれに変換可能な置換基を含む、利用可能な任意の部位での置換基を有する誘導体を含む、ピリジニウム誘導体の合成のためのいくつかの一般法がある。R6または、R6が結合している窒素原子に直接隣接した位置(すなわち、mが1でありpが0である場合のR14)における置換が特に重要である。
方法1.アルキル化剤、例えば第一級脂肪族ハリド、スルファートエステル、スルホナートエステル、エポキシドまたは同様な試薬を用いる、適切に置換されたキノリンの窒素原子のアルキル化により、置換キノリニウム塩を直接に生じる。例えば、1,3-ジヨードプロパンおよび塩基でキノリンを処理し、次いでトリメチルアミンで加熱することによりR6における置換基を生じる。R6以外の位置で置換基または置換基に変換できる基が存在する場合、単純なアルキル化剤例えばメチルヨージドまたは硫酸ジメチルは、R6がアルキルであるR6置換基を付加するのに十分である。
方法2.アリールまたはヘテロアリールであるR6置換基は、アニリンもしくは置換アニリンまたはピリドンもしくはキノロン誘導体のウルマン反応によって最もよく組み込まれる。本方法において、ジアリールアミンまたはアリールヘテロアリールアミン(一般に市販されている)は、ジケテンおよび酸で縮合されて4-メチル-N-アリールキノロンまたは4-メチル-N-ヘテロアリールキノロンを生じる。
上記式において、アリールは任意の芳香族またはへテロ芳香族環系であることができる。さらにまた、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、水素またはアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノもしくはハロであることができる。
いくつかの実施形態において、次いで、4-メチル-2-キノロンは、有機金属試薬、例えばグリニャール試薬または有機リチウム試薬との反応によって、所望の4-メチル-2位置換-キノリニウム塩に変換することができる。この方法によって結合されるR14置換基は、例えば、芳香族または脂肪族であることができる。ピリドンおよびキノロン前駆体もまた、窒素原子が水素置換されている場合、適切に置換された前駆体のウルマン反応によって製造できる。種々の4-メチル-2-キノロンが市販されているが、アニリンまたは置換アニリンとアセトアセタートまたはアセトアセタートと同等の試薬例えばジケテンとの反応によって所望の誘導体を合成できる。
R6において非水素基を含むピリドンおよびキノロン中間体は、R14で置換されているさまざまな他のピリジニウムおよびキノリニウム塩への特に有用な前駆体である。例えば、強力な塩素化剤例えばPCl5、POCl3またはSOCl2で適切なピリドンまたはキノロンを処理することによって塩を形成させることができる。同様に、ピリドンまたはキノロンを適切なスルホン酸無水物で処理することによって、R14においてスルホナートを置換させることができる。
ハロゲン置換
2-ハロゲン化ピリジニウムまたはキノリニウム中間体の反応性によって、2位に種々の置換基を結合させるための種々の合成方法が提供される。ベンゾアゾリウム前駆体との結合後であっても2-ハロ誘導体の反応性は保たれ、ピリジニウムおよびキノリニウム前駆体に関して記載したように、R14がハロゲンである得られた色素の適切なアナログ(アルコキシ、アミノおよびチオラートアナログを含むが限定されない)への変換が可能になる。2-クロロ置換基を有する本明細書記載の色素は、例えば、アミン、チオールまたはアルコールによって置換できる。さらに、ピリドンまたはキノロン前駆体の2-オキソ基は、DIBAL-H(ジイソブチルアルミニウムヒドリド)を含む種々の試薬を用いて、R14がHである誘導体に化学的に還元できる。
メチン橋
メチン橋は、広範な電子共役が可能となるように、分子のベンゾアゾリウム部分とピリジニウム部分とを架橋する1、3または5個のメチン(-CH=)基からなる。メチン基の数は、合成に用いられる特定の合成試薬によって決まる。
nが0である場合、モノメチン色素の合成には、一般に、メチン炭素原子が、メチルである、ベンゾアゾリウム塩上のスペーサー基前駆体または、ピリジニウム塩上のスペーサーに連結された基のいずれかに由来する試薬と、一般的にはメチルチオまたはクロロであるが、反応を完結するために十分な反応性を提供する任意の脱離基である反応性"脱離基"であるもう1つとの組み合わせを用いる。2つの第四級塩から非対称のモノメチン色素を製造するためのこのタイプの反応はBrookerら(前出)によって初めて記載された。スペーサー基前駆体または、ピリジニウム上のスペーサーに連結された基がメチルであるかどうかは、主として、必要な前駆体塩の合成の相対的容易さによって決まる。本明細書記載の化合物が、一般的には分子のピリジニウム部分に関して最大の変化を含み、さらにまた、2-メチルおよび4-メチルピリジンは、通例それらの対応するメチルチオアナログよりも合成が容易なため、スペーサー基前駆体がメチルチオであり、スペーサー基に連結された基がメチルである前駆体からのモノメチン色素が一般的に合成されてきた。モノメチン色素の場合の縮合試薬は、一般的には弱塩基、例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンである。
トリメチン色素(n=1)を合成するためには、スペーサー基前駆体またはピリジニウム上のスペーサーに連結された基は共にメチルである。この場合は、さらなるメチン炭素は、試薬、例えばジフェニルホルアミジン、N-メチル-ホルムアニリドまたはエチルオルトホルマートによって提供される。特定の反応条件下では、これらの同じ色素が、単一の第四級塩2モルを組み込む対称のシアニン色素を生じ得るので、適切な中間体が形成されるように、適切な合成条件と、第1の第四級塩に対する炭素供給反応剤の適切な比を用いることが多くの場合有用である。精製の前か後のいずれかで、この中間体を第2の第四級塩で処理して不斉のシアニン色素を合成する。必要に応じて、この時点で対イオンZを交換することができる。通例、ヘテロ芳香族前駆体塩のいずれかと炭素供給試薬とを反応させて必要な中間体を合成することができるが、この中間体は、一般的には、Brookerら(前出)の記載に従って、より容易に入手できる2-メチルベンゾアゾリウム塩から合成されてきた。
ペンタメチン色素(n=2)の合成には、不斉中間体の形成の調節に関して同様な合成上の注意を必要とする。架橋におけるさらなる原子に必要な3つの炭素フラグメントは、マロンアルデヒドに対する適切な前駆体、例えばマロンアルデヒドジアニル、1,1,3,3-テトラメトキシプロパン、1,1,3-トリメトキシプロペン、3-(N-メチルアニリノ)プロペナールまたは他の試薬に由来する。この反応の縮合剤は、通例1-アニリノ-3-フェニルイミノ-1-プロペン(米国特許第2,269,234号)であり、これは2-(2-アニリノビニル)-3-メチルベンゾアゾリウムトシラート中間体を生じる。
一般的使用方法
本発明の一側面において、本発明の色素化合物は、試料、例えばDNAまたはRNAなどの核酸を有する試料を同定または定量できるように、試料を直接に染色または標識するために用いられる。例えば、生物学的標的検体のアッセイの一部として、このような色素を添加することができる。好ましい一実施形態において、複合物質が特異的結合対の相補的メンバーであるリガンドを含む試料を染色するために色素複合体が使用される。試料は、液体供給源から直接に採取することもできるし、固形物(有機または無機)からの洗浄液から採取することもできるし、培養のために細胞が導入された増殖培地または評価のために細胞が入れられた緩衝液から採取することもできる。
いくつかの実施形態において、試料は細胞を含む。細胞は、微生物を含む単一細胞であることもできるし、多細胞生物、胚、組織、生検、フィラメント、バイオフィルムなどを含む、2次元または3次元の層の、他の細胞と結合した複数の細胞であることもできる。細胞は、生細胞であることも死細胞であることもできる。いくつかの実施形態において、細胞は動物中に存在する。すなわち、本方法は、in vivo動物イメージングに用いられる。
あるいは、試料は固体であることができ、場合により、スメアまたは切屑または濾過により蒸気から除去された滞留であることもできる。本発明の一側面において、試料は、分離されたかまたは濾過されていない生体液、例えば尿、脳脊髄液、血液、リンパ液、組織ホモジネート、間質液、細胞抽出物、粘液、唾液、痰、大便、生理的分泌物または他の同様な体液を含む生体液から採取される。
他の実施形態において、試料は、環境源、例えば土壌、水または空気から採取することもできるし、あるいは工業発生源、例えば廃棄物排出源、水供給源、供給ラインまたは生産ロットから採取することもできる。
さらに他の実施形態において、試料は固体または半固体マトリックス上またはその中に存在する。本発明の一側面において、マトリックスは膜である。他の側面において、マトリックスは、例えば核酸またはタンパク質の分離および解析に使用する電気泳動ゲルであり、あるいは膜への電気泳動ゲルからの転写によって作成されるブロットである。他の側面において、マトリックスはシリコンチップまたはスライドガラスであり、対象とする検体は、アレイにおいてチップまたはスライド上に固定化されている(例えば試料はマイクロアレイ中にタンパク質または核酸を含む)。さらに他の側面において、マトリックスはマイクロウェルプレートまたはマイクロ流体チップであり、試料は自動化された方法によって、一般的にはハイスループットスクリーニングの種々の方法、例えば薬物スクリーニングによって分析される。
本発明の色素化合物は、一般に、検出可能な光学応答を与えるように選択された条件下で、前述の本発明の色素化合物と対象とする試料とを組み合わせて用いられる。一実施形態において、色素化合物は、一般的には、二本鎖ポリヌクレオチドと非共有会合または複合体を形成する。次いで、試料は、光学応答を誘導するように選択された波長で照射される。一般的には、試料の染色は、光学応答と標準応答または予想される応答とをさらに比較することによって試料の規定特性を測定するために用いられる。
検出可能な光学応答は、観察または器械のいずれかによって検出可能な光信号の変化または発生を意味する。一般的には、検出可能な応答は蛍光の変化であり、例えば、強度、蛍光の励起または発光波長分布、蛍光寿命、蛍光偏光、またはそれらの組み合わせの変化である。
生物学的用途のためには、本発明の色素化合物は、一般的には、一般に当該技術分野で公知の方法によって調製された水溶液、大部分水溶液または水混和性溶液で用いられる。色素化合物の正確な濃度は、実験条件および所望の結果に左右されるが、一般的には約1nMから1mMまで、またはそれ以上の範囲にわたる。最適の濃度は、最小のバックグラウンド蛍光での満足な結果が達成されるまで体系的に変化させることによって決定される。
染色中または染色後のいつでも、検出可能な光学応答を与えるように選択された光の波長で試料が照射され、光学応答を検出する手段を用いて観察される。本発明の色素化合物を照射するのに有用な装置は、限定するものではないが、手持ち紫外ランプ、水銀アークランプ、キセノンランプ、レーザーおよびレーザーダイオードを含む。これらの照射源は、場合により、レーザースキャナー、蛍光マイクロプレートリーダー、標準的蛍光光度計、小型蛍光光度計またはクロマトグラフ検出器に組み込まれる。
光学応答は、任意に、目視検査によるか、あるいは以下の装置:CCDカメラ、ビデオカメラ、写真フィルム、レーザー走査装置、蛍光光度計、フォトダイオード、量子カウンター、落射蛍光顕微鏡、走査型顕微鏡、フローサイトメーター、蛍光マイクロプレートリーダーのいずれかの使用により、あるいは光電子増倍管のようなシグナルを増幅する手段により検出される。フローサイトメーターを用いて試料が試験される場合、試料の試験は、場合によりそれらの蛍光応答に従って試料の一部をソーティングすることを含む。
一実施形態において、本発明の色素は、色素が試料中のポリヌクレオチドと混合され、検出可能な蛍光シグナル、例えば遊離色素とは異なる蛍光シグナルを示す1以上の色素-核酸複合体を形成するのに十分な時間と条件下で核酸(ポリヌクレオチド)を含む試料またはそれを含むと考えられる試料と混合される。量、存在、位置、強度、励起および発光スペクトル、蛍光偏光、蛍光寿命ならびに蛍光シグナルの他の物理的特性を含む色素-核酸複合体の特性は、試料の側面または部分を検出、識別、分類、定量および/または分析するために使用できる。本発明の色素は、場合により、異なるスペクトル特性を有する同じクラスの色素を含む1以上のさらなる試薬(例えば、検出可能な程度に異なる蛍光試薬)と組み合わせて用いられる。
本発明の色素は、例えば、電気泳動ゲルにおいて二本鎖DNAを検出するために、例えば、電気泳動ゲルにおいて一本鎖核酸を検出するために、溶液中で二本鎖DNAを定量するために、溶液中で一本鎖オリゴヌクレオチドを定量するために、生理学的試料中のオリゴヌクレオチドを検出するために、DNアーゼ活性を検出するために、担体上の核酸を検出するために、***中期染色体および中間期核を対比染色するために、染色体分染のために、前標識されたDNA鋳型を用い、例えばゲル中でタンパク質/DNA複合体を検出するために、細胞抽出物中で配列特異的DNA結合タンパク質を検出するために、前標識されたマーカーDNAを調製および使用するために、例えばショ糖勾配中でリボソームRNAを検出するために、固定された組織培養細胞を対比染色するために、組織中の細胞を染色するために、DNA増幅産物を検出し定量するために、一本鎖配座多型性を検出するために、超螺旋状態を測定するために、マイクロインジェクション用にDNAを標識するために、一本鎖DNA分子を標識し検出するために、細胞数を定量するために、例えばヌクレアーゼを用い他の色素と組み合わせてRNAと二本鎖DNAと一本鎖DNAとを識別するために、そしてRNAおよび一本鎖DNAから二本鎖DNAを識別するために使用できる。
キット
本発明の一側面は、前述のように、本発明の色素のいずれかを用いる種々のアッセイの実施を容易にするキットの配合物である。本発明のキットは、一般的には、本発明の蛍光色素を含み、かつ他の試薬、例えばヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、ペプチドまたはタンパク質を含むこともできる。本キットは、任意に、一般的には水溶液として存在する1以上の緩衝化剤をさらに含む。本発明のキットは、本発明のアッセイを実施するために、任意に、さらなる検出試薬、得られた標識物質を精製するための精製培地、発光標準、酵素、酵素阻害薬、有機溶媒または使用説明書をさらに含む。
染色液
本色素は、染色液、例えば試料および使用目的と適合する水溶液または水混和性溶液に色素を溶解することによって使用に備えることができる。細胞形態学または細胞生理学の撹乱が最小限であることが所望される生体試料に関しては、染色液はそれに応じて選択される。溶液アッセイに関しては、一実施形態において、染色液は、評価を受ける核酸の天然配座を撹乱しない。8より高いpHおよび6.5より低いpHでは、色素-核酸複合体の蛍光および色素の安定性が低下する可能性がある。高濃度の有機溶媒、カチオンおよび酸化剤もまた一般に蛍光を低下させ、濃度>0.01%のイオン性洗剤ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)もまた同様である。しかしながら、染色液添加剤の多くは色素-核酸複合体の蛍光に干渉しない(例えば、8Mまでの尿素;1g/mLまでのCsCl;溶液の50%までのホルムアミド;および40%までのショ糖)。本色素は、水単独よりも緩衝液中で安定性が優れている可能性があり、遊離酸素ラジカルレベルを低下させる薬剤、例えばβ-メルカプトエタノールは、本色素の安定性に貢献する可能性がある。
染色液は、色素を水性溶媒、例えば水、緩衝液、例えば緩衝生理食塩水(例えば、生存性の識別用途の非リン酸塩)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)緩衝液(例えば、EDTAを含む)あるいは水混和性有機溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)または低級アルコール、例えばメタノールまたはエタノールに直接に溶解することによって調製できる。染色液に用いられる場合の約100倍を超える濃度で色素を有機溶媒(例えば、100%DMSO)に前もって溶解し、次いで色素が有効量含まれるように、水性溶媒、例えば水または緩衝液で1倍以上に希釈することができる。
色素の有効量は、核酸と組み合わせて、検出可能な蛍光応答を生じるのに十分な量のことをいう。溶液中の色素濃度は、試料中の核酸に接触し、かつシグナルを生じるのに十分な量で核酸と結合するのに十分でなければならないが、それでも、過剰な色素はバックグラウンド蛍光に問題を引き起こすと考えられる。細胞試料のための染色液は、一般的には、0.1nMを超えかつ50μM未満の色素濃度、例えば1nMを超えかつ10μM未満の色素濃度、例えば0.5〜5μMの色素濃度を有することができる。一般に、原核生物よりも真核生物およびより高い感度を有する色素のほうが、より低い濃度の色素を必要とする。電気泳動ゲル用の染色液は、一般的には、0.1μMを超えかつ10μM未満の、例えば、約0.5〜2μMの色素濃度を有する。核酸と混合する前にゲル(プレキャスト)に色素を添加する場合も同じことが言える。溶液中での遊離核酸の検出および定量のための染色液は、0.1μM〜2μMの濃度を有することができる。染色液の最適の濃度および組成は、試料の性質(物理的、生物学的、生化学的および生理学的特性を含む)、色素-試料相互作用の性質(核酸の部位への色素の輸送速度を含む)および実施される分析の性質によって決まり、標準的方法、例えば以下の実施例に記載の方法に従って決定することができる。
試料形態
色素は、核酸を含む試料またはそれを含むと考えられる試料と混合することができる。試料中の核酸は、RNAもしくはDNAまたはそれらの混合物もしくはハイブリッドであることができる。任意のDNAは、場合により、一本鎖、二本鎖、三本鎖または四本鎖DNAである。任意のRNAは、場合により、一本鎖("ss")または二本鎖("ds")である。核酸は自然のまま(生物起源)であることもできるし、合成された(人工的に改変または製造した)ものであることもできる。核酸(例えば、少なくとも8塩基または塩基対を含む)は、核酸フラグメント、オリゴヌクレオチドまたは、2次構造もしくは3次構造を有するより大きな核酸として存在することができる。核酸は、凝縮された状態、例えば染色体で存在することができる。核酸は、場合により、1以上の修飾塩基または結合を含むことができるし、非共有結合または共有結合した標識を含むこともできる。例えば、修飾塩基は、天然に存在する修飾塩基、例えばtRNA中のプソイドウリジン、5-メチルシトシン、6-メチルアミノプリン、6-ジメチルアミノプリン、1-メチルグアニン、2-メチルアミノ-6-ヒドロキシプリン、2-ジメチルアミノ-6-ヒドロキシプリンもしくは他の公知の微量塩基または、異常リンカー、例えばモルホリン誘導体化ホスフェート(AntiVirals社、オレゴン州コーヴァリス)を含むように合成的に改変されたもの、またはペプチド核酸、例えばN-(2-アミノエチル)グリシンユニット(Wittung et al., Nature, 368:561 (1994))、または脂肪族アミン、カルボン酸、アルコール、チオールまたはヒドラジンである単純な反応性官能基(<10炭素)を含むもの、または蛍光標識もしくは他のハプテン、例えばイノシン、ブロモデオキシウリジン、ヨードデオキシウリジン、ビオチン、ジゴキシゲニン、2,4-ジニトロフェニル(標識は、元からヌクレオチドに結合しているか、またはポリマーの3'または5’末端にあるか、または核酸に非共有結合したリガンドである)を含むものであることができる。主として修飾塩基および結合を含むポリマーのための色素の感度は、その結合様式を障害することによって低下する可能性がある。
核酸を含む試料は、場合により、生物学的構造体(すなわち、生物体または生物体の個別の単位)、または溶液(生物学的構造体を含む溶液を含む)、または固体もしくは半固体の物質である。その結果として、本発明を実施するために使用する核酸は、場合により、溶液中で遊離しているか、固体もしくは半固体の物質中またはその上に固定化されているか、生物学的構造体(例えば、溶解した細胞、組織、生物体または細胞小器官)から抽出されるか、または生物学的構造体内に閉じ込められている。色素を核酸に結合させるためには、核酸が生物学的構造体に閉じ込められていない場合であっても、色素と接触させるために水性環境中に核酸を置くことが必要である。
核酸を閉じこめる生物学的構造体は、場合により、細胞または組織であり、例えば、核酸は、原核生物または真核微生物中の細胞または組織間隙に存在することもできるし、ウイルス、ウイロイド、染色体もしくは細胞小器官として、あるいは親細胞から取り除かれた細胞成分(例えば、プラスミドもしくは染色体またはミトコンドリアまたは核または他の細胞小器官)として存在することもできる。一般的には、生物学的構造体は、場合により真核細胞内にある細胞小器官、染色体または細胞である。真核細胞内にある核酸の供給源は、寄生虫または他の病原体、例えば細菌、原生動物、マイコプラズマまたはマイコバクテリウムのそれであることができる。細胞である生物学的構造体に核酸が含まれる場合、細胞は生存細胞もしくは死細胞またはそれらの混合物であることができる。すなわち、細胞膜の完全性は、場合により無傷であるか、あるいは天然の手段(自己分解)、機械的手段または化学的手段で妨害されるか、あるいは環境的手段、例えば温度または圧力の変化によって妨害される。あるいは、細胞はブレブ形成またはアポトーシスを行っているか、あるいは増殖サイクルもしくは細胞***中にあることもできる。
本色素が効果的な核酸染料である細胞型は、真核生物、例えば花粉および配偶子細胞を含む植物および動物細胞(特に脊椎動物細胞);原核生物、特に細菌(グラム陰性およびグラム陽性細菌ならびに酵母および他の真菌を含む)ならびに胞子を含むが限定されない、核の有り無しでの細胞を含む。本色素は、すべての細胞型の染色に等しく効果的ではなく、ある色素が、他の色素よりも浸透性が高いのが一般的である。生細胞は死細胞よりも色素に対する浸透性は低く、原核生物は真核生物よりも浸透性は低い。
試料中の天然または合成の核酸は、さまざまな供給源から得られる。試料中の核酸の存在は、天然の生物過程によるものであることもできるし、成功したもしくは失敗した合成もしくは実験方法、望ましくない汚染または疾病状態の結果によるものであることもできる。核酸は、天然源にとって内因性であることもできるし、外来物質として、例えば感染、トランスフェクションまたは治療処置によって導入されたものであることもできる。核酸は、試料の全部または一部のみに存在することもできるし、核酸の存在を、各試料を識別するために用いるか、または単一試料内の部分または領域を識別するためにもちいるか、または試料もしくは試料の特性を同定するために用いることもできる。
一実施形態において、核酸を含む試料は細胞であるか、あるいは液体供給源から直接に得られるか、固体物質(有機または無機)の洗浄液として得られるか、細胞が培養のために導入された増殖培地であるか、核酸または生物学的構造体が評価のために入れられた緩衝液である水溶液または水混和性溶液である。核酸が細胞内にある場合、細胞は、場合により、微生物を含む単一細胞であるか、あるいは多細胞生物、胚、組織、生検、フィラメント、バイオフィルムなどを含む、2次元または3次元の層の、他の細胞と結合した複数の細胞である。あるいは、試料は固体であり、場合により、スメアまたは切屑または濾過により蒸気から除去された滞留である。本発明の一側面において、試料は、分離されたかまたは濾過されていない生体液、例えば尿、脳脊髄液、血液、リンパ液、組織ホモジネート、間質液、細胞抽出物、粘液、唾液、痰、大便、生理的分泌物または他の同様な体液を含む生体液から採取される。あるいは、試料は、環境源、例えば土壌、水または空気から採取されるか、工業発生源、例えば廃棄物排出源、水供給源、供給ラインまたは生産ロットから採取される。工業発生源は、発酵培地、例えば生物学的反応器もしくは食物醗酵過程、例えば醸造からの発酵培地;または食品、例えば食肉、穀物、農産物もしくは乳製品もまた含む。
核酸が溶液中に存在する場合、試料溶液は、精製もしくは合成核酸、例えばオリゴヌクレオチドの1つから、粗混合物、例えば細胞抽出物もしくはホモジネートまたは他の生体液または生物源、工業源もしくは環境源からの希釈溶液までにわたることができる。場合によっては、色素と混合する前に、溶液中の生体分子または体液の混合物から核酸を分離することが望ましい。一般に、他のタンパク質または他の生体分子を含む粗混合物から核酸を分離および精製するために多数の技術が存在する。これらは、種々の担体または溶液または流れる液を用いるクロマトグラフ技術および電気泳動技術などを含む。あるいは、核酸の混合物をRNアーゼまたはDNアーゼで処理して、ヌクレアーゼの存在下で分解しなかったポリマーを、対象色素を用いて分解生成物から識別することができるようにすることができる。
供給源および試料形態に加えて色素の使用によって、どの色素の特性が、従ってどの色素が、特定の試料の染色にもっとも有用であるかを決めることができる。大部分の用途に関して、核酸に結合させるとき、約0.3を超える量子収率、例えば0.6を超える量子収率を示す色素が選択される。一実施形態において、核酸に結合していないとき、色素は量子収率<0.01を有し、約200倍を超える、例えば1000倍を超える蛍光増大を示す。持続性で強い強度の照射を用いて色素-核酸複合体の蛍光が検出される場合(例えば、顕微鏡検査)、特に生細胞に使用するために、一般的に用いられる色素よりも低い光退色率を有する色素(例えば、フルオレセイン)が選択される。生体系への本色素の比較的低い毒性により、一般に、色素自体による撹乱をほとんど引き起こさずに、生体試料中の核酸の検査を行うことが可能である。色素が細胞膜またはゲルに浸透する必要がある場合、より浸透性の高い色素である色素が用いられるが、細胞の中には、例えば、食作用または他の種類の取り込みによって、細胞膜を介した受動拡散以外の手段によっては他の細胞へ非浸透性であることが示されている色素を容易に取り込むものもある。急速かつ容易に細胞に浸透する色素は、かならずしもゲルには急速に浸透しない。ゲル上で核酸が染色される場合の用途においては、同じく、高い結合親和性(例えば、Kd>10-6M)を有する色素が選択される。例えば、ゲルまたはキャピラリー電気泳動において、電気泳動を含む分離段階を受ける前に核酸を前染色する場合の用途においては、優れた分離を確実にするために、より高い結合親和性(例えば、Kd>10-8M)を用いることができる。溶液中での核酸の染色において、より高い結合親和性が少量の核酸に対するより高い感度につながるが、一般に、中程度の結合親和性(好ましくは10-6M<Kd<10-8M)を有する色素が、より広いダイナミックレンジにわたってより有効である。色素の光安定性、毒性、結合親和性、量子収率および蛍光増大は、当該技術分野で公知の標準法に従って測定される。
色素-核酸複合体の形成
試料は、色素と核酸との接触を容易にする任意の手段によって、染色液と混合することができる。例えば、試料が溶液である場合、単に混合することによって接触させることができる。本色素を含む染色液は、核酸溶液に直接に加えることもできるし、あるいは、液体分離媒体、例えば電気泳動液体、ふるい分けマトリックスもしくは泳動緩衝液中、または沈降勾配(例えば、ショ糖)もしくは浮遊密度勾配(例えば、CsClを含む)において、または不活性マトリックス、例えばブロットもしくはゲル、検査用ストリップ、または他の固体もしくは半固体担体上で核酸溶液と接触させることもできる。適切な担体はまた、限定するものではないが、ポリマーミクロ粒子(常磁性ミクロ粒子を含む)、ポリアクリルアミドおよびアガロースゲル、ニトロセルロースフィルター、コンピュータチップ(例えばフォトリソグラフィーのためのシリコンチップ)、天然および合成膜、リポソームおよびアルギン酸塩ヒドロゲルならびにガラス(光学フィルターを含む)ならびに他のシリカベースおよびプラスチック担体を含む。本色素は、場合により、ゲルもしくはキャピラリー電気泳動、勾配遠心分離または他の分離段階を受ける前に、分離中に、あるいは核酸が分離を受けた後に、核酸溶液と混合される。あるいは、本色素は、核酸溶液の添加の前に、プレキャストゲル、キャピラリー電気泳動または前もって形成された密度勾配または沈降勾配などにおいて、キャピラリー中の不活性マトリックスまたは溶液と混合されることができる。
核酸が生物学的構造体に閉じ込められている場合、試料を色素と共にインキュベートすることができる。色素溶液の添加と同時に急速かつ完全に生物学的構造体に浸透する浸透性色素もあるが、試料と色素を混合するために、生物学的構造体に色素を輸送するのに適した任意の他の技術を用いることができる。細胞のあるものは、それらの細胞膜透過性にかかわらず、細胞膜を超えて色素を活発に輸送する(例えば、生物体によるエンドサイトーシスもしくは取り込みまたは他の取り込み機構)。細胞膜を超えて色素(またはあらかじめ形成された色素-核酸複合体)を輸送する適切な人工の手段は、限定するものではないが、化学薬剤、例えば洗剤、酵素もしくはアデノシン三リン酸の作用;受容体介在性もしくは輸送タンパク質介在性取り込み;リポソームもしくはアルギン酸塩ヒドロゲル;食作用;孔形成タンパク質;マイクロインジェクション;エレクトロポレーション;低浸透圧ショック;あるいは極小の物理的破壊、例えば切屑負荷、パッチクランプ法または本色素によりもしくは本色素の存在下でコーティングされた固体粒子による衝撃を含む。一実施形態において、無傷の構造体が所望される場合、本染色方法は、細胞の生存性および細胞もしくは細胞間膜の完全性の最小限の破壊しか引き起こさない。あるいは、細胞は、特に病原体が存在すると疑われる場合に、ルーチンの組織学または細胞化学的手順によって固定され、処理されることができる。細胞は、一般的には、細胞内に本色素を保持するアルデヒド定着剤での染色後直ちに定着されることができる。場合によっては、生細胞または死細胞は、固定前に死んでいた細胞のみが細胞非浸透性色素によって染色されるように、前もって生きていた細胞の細胞膜透過性を実質的に増加させないで染色前に固定されることができる。
試料は、蛍光性核酸-色素複合体を形成するのに十分な時間、例えば高いシグナル/バックグラウンド比を与えるのに必要な最短時間、色素と混合される。特定の色素を用いる最適の染色は、各試料および試料媒体の物理的および化学的性質ならびに評価される特性に左右されうる。最適時間は、通例、試料の経時的分解を避け、本色素による他のすべての蛍光シグナルを最小にしながら、使用される濃度で、最大の標的特異的シグナルを生成させるための、本色素に必要な最小時間である。例えば、色素が、特定の核酸または細胞型に選択的であるように選択される場合、最適時間は、通例、他の核酸または他の細胞型からのシグナルがほとんどなくて、そのポリマーまたは細胞型の最大のシグナルを生じさせるのに必要な最小時間である。時間と共に、大変低い拡散速度あっても、少量の大変高い感受性の色素が他の細胞型に輸送し、あるいは細胞膜が分解し、あるい無細胞系でヌクレアーゼが核酸を分解するので、望ましくない染色が生じ得る。
一実施形態において、色素は、色素の操作パラメータ内で、核酸の生物活性に最適の温度で試料と混合することができる(通例5℃〜100℃、さらに高い温度では色素の安定性は低下する)。in vitroアッセイのためには、本色素は、一般的には、約室温(23℃)で試料と混合される。室温では、本色素と複合体を形成する核酸の溶液における検出可能な蛍光は、本質的に、用いられる器械類の感度に応じて瞬間的に生じることができる。溶液中での蛍光は、一般に、色素が添加されてから5秒以内に視認できるが、一般に2〜5分以内に測定できる。ただし、平衡に達するには、染色はさらに時間がかかる可能性がある。in vitro分析中に生物過程が進行中の場合(例えば、in vitro転写、複製、スプライシングまたは組換え)、本色素によって生じ得る急速な標識は、観察されつつある生体システムの撹乱を防止する。室温でのゲル染色は、通例、ゲルの厚さおよびアガロースまたはポリアクリルアミドの百分率ならびに架橋度に応じて5分〜2時間かかる。一般的には、後染色されるミニゲルは20〜30分で平衡まで染色される。細胞および他の生物学的構造体のためには、膜が無傷でも破壊されていても膜を超えた色素の輸送が必要である可能性がある。一実施形態において、室温で、細胞とのインキュベーションの15〜20分以内に、一般的には約5分以内に視認可能な蛍光が得られる。いくつかの実施形態は、約2分未満で、細胞内の検出可能な蛍光を生じる。色素のあるものは、一般に、無傷の膜を有する生細胞に浸透性ではない。他の色素は、一般に、真核生物には浸透性であるが、原核生物には浸透性ではない。さらに他の色素は、細胞膜の完全性が破壊された(例えば、死細胞の一部)細胞にのみ浸透性である。本色素に対する細胞膜の相対透過性は、例えば、死細胞の染色プロフィールまたは染色パターンとの比較により経験的に決定される。核酸と結合させる場合に所望の透過度ならびに高い吸光度および量子収率を有する色素が試料と混合するために選択される。
色素-核酸複合体の蛍光
本発明の色素による試料の染色中に形成される核酸-色素複合体は、1以上の色素分子と非共有結合している核酸を含む。色素と核酸の組み合わせにより、色素単独の蛍光よりも有意に増強された蛍光シグナルを生じる。一般的には、色素-核酸複合体の蛍光は、6.5より低いpHまたは8を超えるpHで低下するが、中程度のpHに戻すことによって元に戻すことができる。
本発明の色素の蛍光は溶液中で低く、絶対的な増強度は色素によって異なりうる。非結合色素の量子収率は、一般的には<0.01であり、通例<0.002であり、しばしば<0.001であり、これらはそれぞれ最大増強>100x、>500x、および>1000xを与える。結合色素の蛍光増大の倍率は、一般に非結合色素の約100〜1000倍を超え、例えば約300倍を超えるため、本色素は、核酸の結合による、容易に検出できる量子収率の増加を示す。本色素の最長波長吸収ピークにおけるモル吸光計数(減衰係数)は、一般的には、n=0の場合の本色素の>50,000であり、しばしば>60,000であることができる。励起波長で高い減衰係数を有ずる色素は、最も高い感度を提供できる。特定の器械類に適合する本色素の有用なレベルの量子収率および/または過率の選択性、結合親和性の選択性および/または励起および発光バンドの選択性を含む他の属性により、本色素は大変広範囲の用途に有用となる。
核酸の存在、量、位置、および/または分布は、蛍光色素-核酸複合体のスペクトル特性を用いて検出される。スペクトル特性は、吸収および発光波長、蛍光偏光、蛍光寿命、蛍光強度、量子収率ならびに蛍光増大を含む、色素-核酸複合体の励起または発光を解析するために用いることができる任意のパラメータを意味する。一実施形態において、励起および発光波長のスペクトル特性は、色素-核酸複合体を検出するために用いられる。本色素の励起および発光バンドの波長は、広範囲の照射および検出バンドを含む染料組成物によって異なる。これにより、特定の励起供給源または検出フィルターを用いて使用するための各色素の選択が可能となる。特に、モノメチン架橋を有する色素(n=0)を用いて形成される複合体は、一般に、一般的に用いられるアルゴンレーザー(488nm)またはHeCdレーザー(442nm)での第1励起バンドに適合し、トリメチン架橋を有する色素(n=1)を用いて形成される複合体は、主として、長波長励起源、例えばgreen HeNe(543nm)、orange HeNeレーザー(594nm)、red HeNeレーザー(633nm)、水銀ランプ(546nm)またはKrレーザー(568または647nm)に適合する傾向があり、ペンタメチン架橋を有する色素(n=2)を用いて形成される複合体は、主として、超長波長励起源、例えばレーザーダイオードまたは発光ダイオード(LED)に適合する。可視域における第1励起ピークに加えて、本発明の色素-核酸複合体は、UV照射を用いる励起を可能にする第2吸収ピークを有することができる。
一実施形態において、試料は、蛍光複合体の極大吸収波長部位またはその付近の光を生じることができる光源、例えば紫外もしくは可視波長発光ランプ、アーク灯、レーザーによって励起され、あるいは太陽光もしくは普通の室内灯によってさえも励起される。一実施形態において、試料は、蛍光複合体の極大吸収の20nm以内の波長を用いて励起される。核酸-色素複合体の極大吸収バンドに対するより適切な供給源による励起はより高い感度をもたらすが、試料の励起のために一般に入手可能な装置は、本発明の色素を励起するために使用することができる。
複合体の蛍光は、約450nmを超える波長、例えば約480nmを超える波長、例えば約500nmを超える波長で得られた発光の検出によって、定性的または定量的に検出される。キノリニウム環系を有する色素は、通例、ピリジニウム環系を有する同様に置換された色素よりもより長波長の波長極大で吸収し、放出する。発光は、目視検査、CCDカメラ、ビデオカメラ、写真フィルム、または現行の器械類、例えばレーザー走査装置、蛍光光度計、フォトダイオード、量子カウンター、プレートリーダー、落射蛍光顕微鏡、走査型顕微鏡、共焦点顕微鏡、フローサイトメーター、キャピラリー電気泳動検出器の使用を含む手段、あるいはシグナルを増幅する手段、例えば光電子増倍管を含む手段によって検出される。多くのこのような器械は、細胞を分類し定量するために、または核酸を定量するために蛍光シグナルを利用することができる。市販フィルターセット、例えばフルオレセイン用または、いくつかの励起および発光バンドを有する複数のフルオロフォアの検出用のものに適合する発光バンドを有する色素を選択することができる。
複合体の使用
ひとたび色素-核酸複合体が形成されれば、その存在は、試料中の核酸の存在、量、位置またはタイプの指標として、細胞をソーティングするための根拠として、あるいは試料または試料中の細胞を解析することへの鍵として検出し、使用することができる。このような解析は、蛍光試薬を含むさらなる試薬の使用によって向上させることができる。試料中の核酸濃度もまた、核酸-色素複合体の蛍光と試料中の核酸濃度との間の既知の関係を用いて比較することによって定量できる。
本発明の一側面において、前述のように、試料を本色素で染色する場合、色素-核酸複合体は、試料中の核酸の存在または位置を検出するための手段として使用でき、蛍光シグナルの存在および位置は、対応する位置の核酸の存在を示す。蛍光シグナルは、視認によって、または前述の器械類によって検出される。核酸の一般的存在または位置は、静止液溶液中で、流れる液、例えばフローサイトメーター中で、遠心分離勾配中で、あるいは分離媒体中または固体担体もしくは半固体担体に残された場合の分離媒体、例えばゲルまたは電気泳動液中で検出されることができる。あるいは、本色素は特定のタイプの核酸に選択的であることができ、特定の核酸の存在、量または位置は選択的に検出される。色素-核酸複合体の形成に使用されたポリマーへの共有結合標識の結合は、必ずしもその後の蛍光複合体の形成を阻害しない。
核酸は、電気泳動ゲル、例えばアクリルアミドおよびアガロースゲルを含む、変性溶液および非変性溶液の両方のさまざまな溶液および分離媒体において、さらに例えばキャピラリー電気泳動における他の電気泳動液において、高い感度で検出されることができる。本色素は、たとえ大変少量の核酸であっても、小さな核酸(いくつかの実施形態において、わずか8塩基または塩基対)を用いて強力な蛍光シグナルを与えることもできるし、与えないこともできる。蛍光顕微鏡を用いれば、一本鎖核酸分子は検出可能である。細胞抽出物中で、わずか5個の哺乳動物細胞からの核酸含量も検出できる。蛍光光度計において、二本鎖DNAわずか数ピコグラム/mLの溶液も検出できる。電気泳動ゲルにおいて、紫外線トランスイルミネーターと組み合わせて、1バンド当たりわずか10ピコグラムの二本鎖DNAの検出が可能である。色素には、普通の蛍光室内灯での照射での明るいシグナルを生じさせるものもあるので、1バンド当たりわずか1ngのDNAが検出される。電気泳動ゲルの前染色または後染色に用いる場合、本発明の色素の高い感度は、脱染を必要とせずに、安価な器械類(例えば、UVトランスイルミネーターおよびエピイルミネーター)を用いて、以前は測定できなかった量の核酸の検出を可能にする。
前述のように染色された核酸の存在または位置は、今度は、核酸を含む生物体、細胞または細胞小器官の存在または位置を示すために使用できる。ここで蛍光シグナルの存在または位置は、生物学的構造体(例えば、染色した細胞または細胞小器官)の存在または位置に対応する。感染体、例えば細菌、マイコプラズマ、ミコバクテリア、ウイルスおよび寄生性微生物ならびに他の細胞は、各ウイルス粒子によって生じる蛍光シグナルが標準的な検出器械類の解像度レベル以下であっても、真核細胞内で染色され、検出されることができる。本発明の他の実施形態において、色素-核酸複合体の形成によって得られる蛍光シグナルは、細胞のソーティング、例えば染色されない細胞からの染色した細胞のソーティングまたは細胞からのあるスペクトル特性セットを有する細胞からの他のスペクトル特性セットを有する細胞のソーティングの根拠として使用できる。
核酸の存在または位置ならびにそれらの封入構造の検出に加えて、色素-核酸複合体の形成からもたらされる染色プロフィールは、試料の1以上の特性を示す。染色プロフィールは、蛍光色素-核酸複合体の励起によって得られる蛍光シグナルのプロフィールの形状、位置、分布、スペクトル特性のことを言う。単に試料を染色し、試料の特性を示す染色プロフィールを検出することによって試料を解析することができる。評価される試料の特定の特性に選択的な色素を利用することにより、あるいはさらなる試薬(例えば下記の)を利用することにより(ここで、さらなる試薬は、同じ特性により強い程度にもしくはより弱い程度に選択的であるか、またはさらなる試薬は、同じ試料の異なる特性に選択的である)、より有効な解析が達成される。本色素は、核酸の構造、位置および細胞型に関して、かつ細胞透過性に関して種々の程度の選択性を示すことができる。特定の細胞型において、核を選択的に染色できる色素もあり、ミトコンドリアまたはミトコンドリア核様体を選択的に染色できる色素もある。死細胞(すなわち、障害された細胞膜を有する)のみを染色できる色素もあり、DNAよりもRNAによって選択的に強いシグナルを生じることができる色素(逆もまた同様)もある。ATまたはGCリッチポリマーに対してより強いシグナルを生じることができる色素もあり、すべての核酸、すべての細胞内核酸またはすべての細胞型の染色において、比較的非選択的である色素もある。
本色素が、膜透過性であるか、または細胞膜に比較的非浸透性である本発明の一実施形態において、色素-核酸複合体の形成に起因する染色プロフィールは、細胞膜の完全性を示すことができ、これは細胞生存率もまた示す。障害された膜を有する細胞において検出可能な蛍光シグナルを与えるのに十分な期間と色素濃度で、上記のように細胞が染色されることができる。必要とされる期間は温度および濃度に左右され、既述のように、一般的パラメータ内で、標準的方法によって最適化することができる。比較的非浸透性である本発明の色素は、細胞膜が破壊された細胞を示すために用いられる。無傷の膜を有する細胞に非浸透性である色素が選択される場合、細胞内の蛍光色素-核酸複合体の形成は、細胞膜の完全性が破壊されていることを示し、細胞内の蛍光色素-核酸複合体の欠如は、細胞が無傷であるか、または生存能力のあることを示す。非浸透性色素は、場合により、検出可能な程度に異なるシグナルを示し、代謝的に活性な細胞を示す対比染色剤と組み合わせて用いられるか、あるいは無傷の膜を有する細胞を示す非浸透性色素と組み合わせて用いられる。あるいは、本発明のより浸透性の高い色素は、無傷の膜を有する細胞および破壊された膜を有する細胞の両方を染色するために用いられ、これらは、対比染色剤と組み合わせて用いられる場合、破壊された膜を有する細胞において検出可能な程度に異なるシグナルを与え、生存細胞と死細胞と区別を可能にする。破壊された膜を有する細胞において検出可能な程度に異なるシグナルを与える対比染色剤は、場合により、細胞膜の完全性の喪失または死細胞の代謝活性の欠如を示す本発明の非浸透性色素または他の試薬である。例えば、生菌を染色することが知られているある濃度の色素で細胞を染色する場合、代謝的に活性な細菌と、活発にはタンパク質を発現していない静止期の細菌とを区別するために、蛍光強度の相対的低下を使用することができる。
本発明の他の実施形態において、色素-核酸複合体の染色プロフィールの形状および分布は、染色された核酸を含む細胞型または生物学的構造体を示すことができる。細胞は、視覚による蛍光シグナルに基づいて視認により識別することもできるし、蛍光シグナルのスペクトル特性に基づいて、前述のように器械類で識別することもできる。例えば、細胞小器官における核酸の染色に非選択的である色素は、このような細胞小器官を豊富に有するかまたはそれを欠く細胞、あるいは異常または罹患細胞の核酸および特性を含む小核および他の異常亜粒子の存在を有する細胞を同定するために用いることができる。可視染色プロフィールに基づいて、ブレブ形成細胞または核を含むと試料を解析することができる。細胞質または他の細胞小器官内の核酸の限定的な染色の存在下であっても、特定の細胞小器官(例えば、核またはミトコンドリア)における核酸に選択的な色素は、試料を解析するための器械類の使用を可能にする、シグナルの強度および位置に基づいて、このような細胞小器官を含むかまたはそれを含まないとして細胞を解析するために使用できる。一般的には、試料を解析するために用いられる染色プロフィールは、細胞が生体液、組織または他の細胞中に位置する場合、細胞小器官または細胞の存在、形状または位置を示す。
さらにまた、一部の色素に対する細菌細胞と高等真核細胞の異なる透過性により、生哺乳動物細胞と、ほとんど染色されない生菌との選択的染色を可能にすることができる。真核生物の存在下で細菌を識別するために、細菌に浸透性であると選択された色素と、真核生物にのみ浸透性である色素とを組み合わせて使用できる。障害された膜を有する死菌、例えば、活性型マクロファージまたは好中球の食細胞液胞(phagovacuole)中にあるものは、食細胞によって産生された毒物の結果として、そうでなければ真核生物にのみ浸透性である色素に対して透過性にすることができる。
本発明の他の実施形態において、染色プロフィールは、電気泳動ゲル、沈降勾配または遠心分離勾配における色素-核酸複合体の形成に起因する。ゲル中の核酸の存在を示すのに加えて、染色プロフィールは、ゲルに適用された核酸溶液の1以上の特性を示す。例えば、染色プロフィールのバンド数および/またはバンド当たりのシグナル強度は、核酸溶液の純度または均一性を示すことができる。バンドの張り(tightness)および流動度により、溶液中の核酸の完全性を示すことができる。核酸のサイズ、配座および組成は、ゲルを通した核酸の相対移動度によって示すことができ、これは、検体と核酸との相互作用、例えばタンパク結合または酵素活性によって引き起こされる変化を検出するのに使用できる。一実施形態において、本色素は弱い内因性蛍光を示し、それによって、遊離色素を除去するためにゲルを脱染する必要性がない可能性がある。さらにまた、色素-核酸複合体の蛍光は、変性剤、例えば尿素およびホルムアルデヒドによってクエンチされない可能性があり、染色前にゲルからそれらを除去する必要性が排除される可能性がある。
本発明のさらに他の実施形態において、染色プロフィールは、試料を解析するために使用される核酸の種類の存在または優位を示すことができる。本発明の一実施形態において、本色素は、ATまたはGCリッチ核酸により選択的なように選択され、それにより染色プロフィールは、これらの塩基の相対割合を示すことができる。本発明の他の実施形態において、核酸-色素複合体のスペクトル特性は、複合体中に存在する核酸の二次構造に応じて変化することができる。スペクトル特性は、蛍光増大、蛍光偏光、蛍光寿命、励起波長または発光波長において変化することができる。未知の核酸試料の蛍光応答と、既知の二次構造の染色された核酸の蛍光応答との比較により、未知の核酸の二次構造の決定を可能にし、試料中の核酸量の定量を可能にすることができる。このように、RNAおよび一本鎖DNAは、二本鎖DNAとは区別することができる。色素と混合する前に、溶液中または固定された細胞内にヌクレアーゼを加えて、RNAまたはDNAを消化する場合、ヌクレアーゼの存在下で消化されなかった核酸と未消化核酸とを識別するするために、色素-核酸複合体からの蛍光シグナルを用いることができる。
モノメチン色素による、二次構造に対する感度のこの同じ特性は、一本鎖核酸の存在下での二本鎖核酸の定量に使用することができる。二本鎖および一本鎖のDNAまたはRNAの両方を含む試料は、高い色素:塩基比で、緑色およびさらに長波長領域の両方で発光極大を示すことができる。低い色素比試料と高い色素比試料のスペクトルの直接比較によって、溶液中での一本鎖核酸と二本鎖核酸の量に関する有意味な情報を集めることができる。例えば、精製オリゴヌクレオチド、DNA増幅反応物、cDNA合成物、プラスミド調製物、または細胞抽出物などの核酸溶液が、高い色素濃度(すなわち、核酸塩基の濃度と同等以上)で染色される場合、一本鎖核酸によって形成される複合体に起因する蛍光シグナルは、二本鎖核酸によって形成される蛍光シグナルによってレッドシフトする。二本鎖核酸で高い量子収率を与えるように色素が選択され、レッドシフトする蛍光シグナルの量子収率が最小である場合、一本鎖核酸の存在下であっても、試料中の二本鎖核酸の量を定量するために、より強力シグナルの量子収率を用いることができる。
この用途や他の用途のための核酸は、色素-核酸複合体からの検出可能な蛍光シグナルと、所定量の核酸に特有な蛍光標準とを比較することによって定量することができる。試料中の核酸の1つのタイプが選択的に完全に消化されることができる場合、消化後に残った核酸を定量するために、蛍光シグナルを用いることができる。あるいは、染色される前に、核酸の溶液を標準分離技術を用いて別々の分画に分離し、各分画に存在する核酸量を、その部分に相当する蛍光シグナルの強度を用いて定量することができる。溶液は、精製された合成もしくは天然の核酸または細胞抽出物もしくは組織ホモジネートの粗混合物を含むことができる。1つの試料からアリコートが経時的に採取され、各アリコートの核酸含量が定量される場合、細胞の増殖速度または核酸の増幅速度は、対応する蛍光の経時的変化から容易に決定できる。
本発明の他の側面において、色素-核酸複合体は、検体の存在に関する蛍光トレーサーまたはプローブとして使用される。本発明の一側面において、色素-核酸複合体は、例えば電気泳動またはフローサイトメトリーにおいて、サイズ標準または移動度標準として用いられる。あるいは、色素と核酸との相互作用に起因する蛍光シグナルは、核酸と相互作用する他の分子の活性または存在を検出または定量するために用いることができる。色素-核酸複合体を形成させるために用いる核酸は、場合により、例えば前述のように、あるいは溶液中遊離して、あるいは生物学的構造体中に閉じ込められて固体または半固体担体に結合している。このような分子は、限定するものではないが、薬物、他の色素、タンパク質、例えばヒストンまたは、二本鎖もしくは一本鎖のDNAまたはRNA結合タンパク質、または酵素例えばエンドヌクレアーゼもしくはトポイソメラーゼを含む。本発明の一側面において、アッセイされる検体を超える、核酸に対する結合親和性を有する色素は、検体に置き換わるか、あるいは検体と核酸との相互作用を抑制する。例えば、高親和性色素と強く結合するDNA鋳型(すなわち、染色液中で、3bp:色素分子を超える比)はDNアーゼI活性から保護されることができる。例えば、10-6Mを超える結合親和性を有する色素、例えば10-8Mを超える結合親和性を有する色素は、核酸と相互作用する検体と置き換わるのに有効であることができる。色素親和性は、色素-核酸複合体の蛍光を測定し、得られたデータを平衡方程式にフィッティングし、会合定数を解くことによって決定できる。本発明の他の側面において、アッセイされる検体の結合親和性より少ないことができる結合親和性を有する色素は、検体の存在によって色素-核酸複合体と置き換わることができ、その結果蛍光は低下する。例えば、二本鎖DNAに前もって結合していた低親和性色素分子は、ヒストンによって置き換わることができる。
一実施形態において、複合体は、酵素活性の指標として、すなわち、ヌクレアーゼ、トポイソメラーゼ、ジャイレースおよび核酸と相互作用する他の酵素の基質として使用される。あるいは、複合体は、核酸と結合するタンパク質(例えばヒストン)またはDNA結合薬(例えばジスタマイシン、スペルミン、アクチノマイシン、ミトラマイシン、クロモマイシン)の存在量を定量するために使用できる。検体を含むと考えられる試料と蛍光複合体を混合することができ、得られた定性的または定量的な蛍光シグナルの増減は、検体のを示すことができる。
さらなる試薬
本色素は、別々に検出可能な1以上のさらなる試薬と組み合わせて使用できる。さらなる試薬は、それらが別々に使用される場合、例えば同じ試料の異なるアリコートを染色するのに使用される場合、あるいはそれらが試料の異なる部分または成分を染色する場合、さらなる試薬のシグナルが色素-核酸複合体の蛍光シグナルとは検出可能な程度に異なるかどうかにかかわらず、別々に検出可能であることができる。あるいは、本発明の色素は、対象色素と組み合わせて使用するのが望ましい他の試薬の応答とは異なる検出可能な応答を与えるために選択することができる。例えば、さらなる試薬(単数または複数)は、蛍光性であり、色素-核酸複合体とは異なるスペクトル特性を有することができる。例えば、600nmを超えての励起を可能にする複合体を形成する色素は、一般的に用いられる蛍光抗体、例えばフルオレセインイソチオシアナートまたはフィコエリスリンで標識した蛍光抗体と組み合わせて使用できる。
異なる感度レベルを有する色素間のスペクトル特性の差異を検出するために、任意の蛍光検出システム(目視検査を含む)を使用できる。このような差異は、限定するものではないが、励起極大における差異、発光極大における差異、蛍光寿命における差異、同じ励起波長または異なる波長における蛍光発光強度における差異、吸収率における差異、蛍光偏光における差異、標的物質と組み合わせての蛍光増大における差異またはそれらの組み合わせを含む。検出可能な程度に異なる色素は、異なるスペクトル特性および/または異なる選択性を有する本発明の色素の1つであることができる。本発明の一側面において、色素-核酸複合体およびさらなる検出試薬は、同じかまたはオーバーラップする励起スペクトルを有するが、一般に>10nm離れた発光極大、例えば、>20nmまたは>50nm離れた発光極大を有する視認可能に異なる発光スペクトルを有することができる。すべての蛍光試薬の同時励起には、各試薬それぞれに対して準最適である波長での試料の励起を必要とするが、試薬の組み合わせには最適である。あるいは、さらなる試薬(単数または複数)は、対象の色素-核酸複合体を励起するために使用する波長とは異なる波長で同時または順次に励起されることができる。さらに他の選択肢において、例えば特定の核酸またはAT/GC選択性に対する選択性を改善するために、例えば第2の試薬を加えることによって、色素-核酸複合体の蛍光をクエンチまたは部分的にクエンチするために1以上のさらなる試薬を用いることができる。
核酸を含む細胞または無細胞試料を識別するために、サイズ、形状、代謝状態、生理的状態、遺伝子型もしくは他の生物学的パラメータまたはそれらの組み合わせに従って、さらなる色素を任意に使用してもよい。さらなる試薬は、場合により、同じ特性に対して非選択的な試薬と組み合わせて使用する試料の特定の特性に選択的であるか、あるいは試料の他の特性に選択的である試薬と組み合わせて使用するための試料の1つの特性に選択的であることができる。本発明の一側面において、さらなる色素(単数または複数)は、細胞内で代謝されて特定の細胞内で蛍光物質を生じるが、他の細胞内では生じないことができ、それによって、このような代謝過程が起こらない場合にのみ、本発明の色素の蛍光応答が優勢である。あるいは、さらなる色素(単数または複数)は、細胞の一部の外部成分、例えば細胞表面タンパク質または受容体、例えば蛍光レクチンもしくは抗体に特異的であることができる。本発明のさらに他の側面において、さらなる色素(単数または複数)は、能動的または受動的に細胞膜を通過することができ、細胞膜の完全性または機能を示すために使用することができる(例えば、カルセインAMまたはBCECF AM)。他の側面において、さらなる試薬はATリッチ核酸に選択的に結合し、染色体分染を示すために使用することができる。本発明の他の側面において、さらなる試薬は細胞小器官染料、すなわち、特定の細胞小器官に選択的な染料である。例えば、さらなる試薬(単数または複数)は、潜在的に活発なミトコンドリアへの取り込み(例えば、ローダミン123またはテトラメチルローダミン)または生細胞の細胞小器官におけるpH勾配による取り込みに関して選択的であることができる。
有効量で存在するように、分析される試料にさらなる色素が添加されるが、一般に当該技術分野で公知の標準的方法によって、色素の最適の濃度が決定される。使用目的に応じて、各色素は、別々の溶液で調製されるか、あるいは1つの溶液に合わされる。上記のように、染色した細胞を適切な波長で照射した後、それらの照射に対する蛍光応答に従って細胞を分析することができる。さらに、さらなる分析または実験のために、細胞または核酸のソーティングの根拠として、異なる蛍光応答を用いることができる。例えば、特定の手順を"生き抜く"すべての細胞をソーティングすることもでき、試料中の特定のタイプのすべての細胞をソーティングすることもできる。当該技術分野で公知の手順、例えば米国特許第4,665,024号に記載の手順に従って、手作業で、あるいはフローサイトメトリーなどの自動技術を用いて細胞をソーティングすることができる。
以下の実施例は、本発明の実施を例示するために示すものであり、本発明の全範囲を限定または制限するものではない。
実施例1
本発明の化合物の例を、次のように製造することができる。
Figure 0005746135
5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-オン。o-ジクロロベンゼン10mlに1,2,3,4-テトラヒドロキノリン(2ml, 15.9mmol)を加えたものに、シリンジでクロロカルボニルスルフェニルクロリド(1.3ml, 15.9mol)をゆっくり加えた。発熱反応を、油浴によって70℃〜80℃で4時間続けた。この時点で、混合物を室温に冷却し、溶媒を除去した。次いで、30%酢酸エチルのヘプタン溶液で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製した。白色固体2.48g(収率81.5%)が単離された。1H NMR (d6-DMSO) δ 7.43 (d, 1H, Ar), 7.09 (dd, H, Ar), 7.08 (d, H, Ar), 3.83 (m, 2H, CH 2-N), 2.81 (t, 2H, CH 2-Ar), 1.98 (m, 2H, -CH 2-)。マススペクトル(m/e): C10H10NOS+としての計算値 192.1、実測値192.1。
Figure 0005746135
5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-チオン。上記化合物(2g, 10.4mmol)および五硫化リン(1.16g, 2.6mmol)をキシレン20ml中で2時間還流した。反応混合物からキシレンを除去した後、5%メタノールを含むジクロロメタンに生成物を抽出し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、次いで水で洗浄した。次いで、有機分画を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターにかけた。定量的収率の白色生成物が単離された。マススペクトル(m/e):C10H10NS2 +としての計算値208、実測値208。
Figure 0005746135
1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムp-トルエンスルホナート。上記チオン(2.16g, 10.4mmol)およびメチルp-トルエンスルホナート(3ml, 19.8mmol)をキシレン20ml中で2時間還流した。反応混合物からキシレンを留去した後、生成物をエーテルで3回粉末化した。減圧下で十分に乾燥した後、定量的収率のオレンジ色生成物が単離された。1H NMR (d6-DMSO) δ 8.15 (d, 2H, Tos), 7.73 (d, 2H, Tos), 7.56 (dd, 1H, Ar), 7.45 (d, H, Ar), 7.08 (d, H, Ar), 4.32 (m, 2H, CH 2-N), 3.09 (s, 3H, CH 3-Tos), 3.01 (t, 2H, CH 2-Ar), 2.26 (s, 3H, CH 3-S), 2.22(m, 2H, -CH 2-)。マススペクトル(m/e): C11H12NS2 +としての計算値222.0、実測値222.1。
Figure 0005746135
1-((1-メチルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(化合物3632)。1,4-ジメチルキノリニウムヨージド(403mg, 1.4mmol)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムp-トルエンスルホナート(555mg, 1.4mmol)を、窒素雰囲気下で無水ジクロロメタン10mlに溶解した。この攪拌混合物に、シリンジでトリエチルアミン(590μL,4.2mmol)を加えた。この塩基を添加すると同時に反応物の色はオレンジ色から深紅色に変化した。室温で4時間攪拌した後、混合物を5%メタノールおよび5%酢酸のジクロロメタン溶液で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。470mg(〜73%)の赤色固体が単離された。1H NMR (d6-DMSO) δ 8.76 (d, 1H, Ar), 8.54 (d, 1H, Ar), 7.99 (m, 2H, Ar), 7.84 (d, 1H, Ar), 7.73 (t, 1H, Ar), 7.30 (m, 3H, Ar), 6.88 (s, 1H, CH=), 4.48 (t, 2H, CH 2-N), 4.12 (s, 3H, CH 3-), 2.97 (t, 2H, CH 2-Ar), 2.22(m, 2H, -CH 2-)。マススペクトル(m/e): C21H19N2S+ としての計算値331.1、実測値 331.2。 Ex λ = 504 nm; Em λ (ds DNA) = 529 nm。
Figure 0005746135
1-ベンジル-4-メチルキノリン-2(1H)-オン。2-ヒドロキシ-4-メチル-キノリン(4.32g, 27.1mmol)、炭酸カリウム(5.63g, 40.7mmol)およびDMF(50mL)を、250mLフラスコ中、室温、窒素雰囲気下で攪拌した。シリンジでベンジルブロミド(6.96g, 40.7mmol)を加え、反応物を110℃で3時間加熱した。反応物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、留去して黄色固体を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,1:1 EtOAc:ヘプタン)で精製して、2.95g(62%)の白色固体を得た。1H-NMR (CD2Cl2) δ 2.55 (s, 3H), 5.55 (s, 2H), 6.63 (s, 1H), 7.23 (m, 7H), 7.42 (t, 1H, J = 6 Hz), 7.78 (d, 1H, J = 9 Hz);分析値:C17H16NO (M + H)としての計算値250.12、実測値250.1(M + H, ESI+)。
Figure 0005746135
4-メチル-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-2(1H)-オン。2-ヒドロキシ-4-メチルキノリン(1.0g, 6.28mmol)およびK2CO3(1.302g, 9.42mmol)の混合物を乾燥DMF10mLに加えたものに1-ブロモ-3-フェニルプロパン(1.43mL, 9.42mmol)を加え、混合物を60℃で終夜加熱した。揮発物を減圧下で除去し、黄色固体を得、これをEtOAcに懸濁し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルで精製して白色固体で生成物を得た。1NMR (300 MHz, CDCl3): δ 7.71 (d, 1H), 7.49 (t, 1H), 7.24 (m, 7H), 6.65 (s, 1H), 4.32 (t, 2H), 2.28 (t, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.06 (m, 2H) ppm; マススペクトル(m/e): C19H19NO としての計算値278.15、実測値278.2。
Figure 0005746135
2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムクロリド。US5658751の手順に従って、1-フェニル-4-メチル-2-キノロン(0.4g)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムトシラート(0.54g)から表題化合物(0.27g)を合成した。マススペクトル(m/e):C26H20ClN2S+としての計算値427、実測値 427。
Figure 0005746135
2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-メチルキノリニウムクロリド。US5658751の手順に従って、1,4-ジメチル-2-キノロン(0.20g)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムトシラート(0.36g)から表題化合物(53mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C21H18ClN2S+ としての計算値365、実測値365。
Figure 0005746135
2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-ベンジルキノリニウムクロリド。US5658751の手順に従って、1-ベンジル-4-メチル-2-キノロン(0.25g)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムトシラート(0.32g)から表題化合物(0.13g)を合成した。マススペクトル(m/e):C27H22ClN2S+としての計算値441、実測値 441。
Figure 0005746135
1-((2-クロロ-1-(3-フェニルプロピル)キノリン4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムクロリド。US5658751の手順に従って、4-メチル-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-2(1H)-オン(0.37g)および1-(メチルチオ)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムトシラート(0.49g)から表題化合物(79mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C29H26ClN2Sとしての計算値 469.15、実測値 469.3。
Figure 0005746135
アミノキノリニウムジヒドロチオゾロ-キノリニウムシアニンの製造のための一般法。適切な1-((2-クロロ-1-(R”)キノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウムをジクロロメタンに溶解した。この攪拌溶液に過剰のアミンを加えた。2〜18時間後、溶媒を除去し、溶出溶媒として0.1%TFA水溶液およびアセトニトリルを用いる分取HPLCによって粗生成物を精製した。
Figure 0005746135
1-((2-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(化合物3568)。1-((2-クロロ-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(21mg)および過剰のN,N,N-トリメチルエタン-1,2-ジアミンから出発して、合計で8.1mg(収率〜33%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C31H33N4S+ としての計算値493.2、実測値 493.3。 Ex λ = 466 nm; Em λ (ds DNA) = 529 nm。
Figure 0005746135
1-((2-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(プロピル)アミノ)-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(化合物3654)。1-((2-クロロ-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(30mg)および過剰のN,N-ジメチル-N-プロピルプロパン-1,3-ジアミンから出発して、合計で4mg(収率〜11%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C34H39N4S+ としての計算値535.3、実測値 535.3。 Ex λ = 498 nm; Em λ (ds DNA) = 529 nm。
Figure 0005746135
1-((2-(ビス(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(PBI 3646)。1-((2-クロロ-1-フェニルキノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(430mg)および過剰のN-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミンから出発して、合計で36.5mg(収率〜6%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C36H44N5S+としての計算値578.3、実測値 578.3。 Ex λ = 504 nm; Em λ (ds DNA) = 531 nm。
Figure 0005746135
1-((2-(ビス(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(PBI 3675)。1-((2-クロロ-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(70mg)および過剰のN-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミンから出発して、合計で67mg(収率〜66%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C39H50N5S+ としての計算値620.4、実測値 620.5。 Ex λ = 503 nm; Em λ (ds DNA) = 535 nm。
Figure 0005746135
2-(ベンジル(2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3666)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムクロリド(64mg)から表題化合物(1.5mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C37H37N4S+としての計算値569、実測値569。
Figure 0005746135
2-(ブチル(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3667)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルノリニウムクロリド(58mg)から表題化合物(3mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C35H41N4S+としての計算値549、実測値549。
Figure 0005746135
2-(ジエチルアミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-フェニルキノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3676)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1フェニルキノリニウムクロリド(22mg)から表題化合物(8mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C30H30N3S+としての計算値464、実測値464。
Figure 0005746135
1-ベンジル-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(プロピル)アミノ)キノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3677)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-ベンジルキノリニウムクロリド(130mg)から表題化合物(8mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C35H41N4S+としての計算値549、実測値549。
Figure 0005746135
1-メチル-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(プロピル)アミノ)キノリニウムトリフルオロアセタート(PBI 3678)。2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-1-メチルキノリニウムクロリド(53mg)から表題化合物(7mg)を合成した。マススペクトル(m/e):C29H37N4S+としての計算値473、実測値473。
Figure 0005746135
4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(プロピル)アミノ)-1-(3-フェニルプロピル)キノリニウム(PBI 3679)。1-((2-クロロ-1-(3-フェニルプロピル)キノリン-4(1H)-イリデン)メチル)-7,8-ジヒドロ-6H-チアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-9-イウム(40mg)および過剰のN,N-ジメチル-N-プロピルプロパン-1,3-ジアミンから出発して、合計で2mg(収率〜11%)の表題化合物を得た。マススペクトル(m/e):C37H45N4S+としての計算値577.84、実測値577.3。 Abs. λ max = 499 nm; Em λ max =533 nm; Φ = 0.34。
表1.選択化合物の量子収率(Φ)、吸光度(λEx)および発光(λmaxEm)データの概要
Figure 0005746135

Figure 0005746135
実施例2
本発明の化合物の例は、以下のように合成できる。
Figure 0005746135
N-(3-メトキシフェニル)-3-オキソブタンアミド。蒸留装置を備えた500mL丸底フラスコに、エチルアセトアセタート(190mL, 1.5モル)を移した。油浴で150〜160℃に温度を上げた後、このフラスコに20〜30分かけてm-アニシジン(33.6mL, 0.3モル)を滴下した。添加後、エタノールが留去されなくなるまで反応を続けた。次いで、温度をおよそ90℃まで下げ、過剰のエチルアセトアセタートを高真空下で除去した。残渣をイソプロパノールで再結晶して、36gの白色固体を得た。MS+ 208.1; 1HNMR (CD2Cl2) δ ppm 7.28-7.18 (m, 2H), 7.08-7.00 (d, 1H), 6.70-6.62 (d, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.58 (s, 2H), 2.30 (s, 3H)。
Figure 0005746135
7-メトキシ-4-メチルキノリン-2(1H)-オン。250mLフラスコ中で、N-(3-メトキシフェニル)-3-オキソブタンアミド(1g, 4.8mmol)をポリリン酸(30g)と混合した。混合物を、100℃、窒素雰囲気下で2時間攪拌し、200mLの水中に注ぎ、炭酸カリウム溶液を用いてpHを7に調節した。環化した化合物を酢酸エチルで抽出した。カラム(ヘプタン/THF)で精製後、690mgの白色固体を得た。MS+ 190.0; 1HNMR (CD3OD) δ ppm 7.74-7.64 (d, 1H), 6.95-6.80 (m, 2H), 6.32 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 2.42 (s, 3H)。
Figure 0005746135
7-メトキシ-1,4-ジメチルキノリン-2-オン。DMF5mLにKOH(670mg, 12mmol)を移し、この懸濁液を室温で1時間攪拌した。この溶液に7-メトキシ-4-メチルキノリン-2(1H)-オン(189mg, 1mmol)を移し、混合物を55℃で終夜攪拌した。反応の終了時点で、溶液に水50mLを注ぎ、メチル化された化合物を酢酸エチル25mL×3で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。所望の化合物をカラム(ヘプタン/THF)で精製し、白色固体120mgを得た。MS+ 204.1; 1HNMR (CD2Cl2) δ ppm 7.64-7.60 (d, 1H), 6.86-6.82 (dd, 1H), 6.81 (d, 1H), 6.38 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 2.40 (s, 3H)。
Figure 0005746135
N-ベンジル-7-メトキシ-4-メチルキノリン-2-オン。7-メトキシ-4-メチルキノリン-2(1H)-オン(189mg, 1mmol)、ベンジルブロミド(250mg, 1.5mmol)および炭酸セシウム(500mg, 1.5mmol)をDMF5mLに混合し、この懸濁液を120℃、窒素雰囲気下で2.5時間攪拌した。反応終了時に、この溶液を水50mLに注ぎ、ベンジル化された化合物を酢酸エチル25mL×3で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。所望の化合物をカラム(ヘプタン/THF)で精製し、白色固体125mgを得た。MS+ 280.2; 1HNMR (CD2Cl2) δ ppm 7.65 (d, 1H), 7.36-7.20 (m, 5H), 6.85-6.75 (dd, 1H), 6.70 (d, 1H), 6.49 (s, 1H), 5.49 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 2.47 (s, 3H)。
Figure 0005746135
N-フェニル-7-メトキシ-4-メチルキノリン-2-オン。7-メトキシ-4-メチルキノリン-2(1H)-オン(189mg, 1mmol)、ヨードベンゼン(200μL, 1.8mmol)、銅粉(300mg, 4.7mmol)および炭酸カリウム(138mg, 1mmol)をN,N-ジメチルアセトアミド5mLと混合し、この懸濁液を170℃、窒素雰囲気下で終夜攪拌した。反応終了時に、この溶液を水50mLに注ぎ、ベンジル化された化合物を酢酸エチル25mL×3で抽出した。合わせた有機層Na2SO4で乾燥した。所望の化合物をカラム(ヘプタン/THF)で精製し、白色固体120mgを得た。MS+ 266.1; 1HNMR (CD2Cl2) δ ppm 7.70-7.50 (m, 4H), 7.30-7.24 (m, 2H), 6.84-6.78 (dd, 1H), 6.44 (s, 1H), 6.10-6.08 (s, 1H), 3.65 (s, 3H), 2.50 (s, 3H)。
Figure 0005746135
2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチルキノリニウムクロリド。100mL丸底フラスコ中で、7-メトキシ-1,4-ジメチルキノリン-2-オン(101mg, 0.5mmol)および5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-オン(480mg, 2.5mmol)をアセトニトリル20mLに溶解した。この溶液にオキシ塩化リン(415μL, 4.5mmol)を注入し、この溶液を80℃で終夜攪拌した。次いで、氷/水浴で温度を0〜4℃に下げ、反応フラスコに7分間かけてトリエチルアミン(3.9mL)のアセトニトリル(10mL)溶液を滴下した。さらに5分間攪拌した後、1N HCl35mL加えて反応をクエンチした。減圧下でアセトニトリルを大部分除去し、所望の化合物を酢酸エチルで抽出し、カラム(THF/DCM/MeOH)で精製し、オレンジ色の固体120mgを得た。MS+ 395.2
Figure 0005746135
1-ベンジル-2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウムクロリド。100mL丸底フラスコ中で、N-ベンジル-7-メトキシ-4-メチルキノリン-2-オン(100mg, 0.36mmol)および5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-オン(344mg, 1.8mmol)をアセトニトリル20mLに溶解した。オキシ塩化リン(300μL, 3.2mmol)をこの溶液に注入し、この溶液を80℃で終夜攪拌した。次いで、氷/水浴で温度を0〜4℃に下げ、反応フラスコに7分間かけてトリエチルアミン(2.8mL)のアセトニトリル(10mL)溶液を滴下した。さらに5分間攪拌した後、1N HCl25mLを加えて反応をクエンチした。減圧下で大部分のアセトニトリルを除去し、所望の化合物を酢酸エチルで抽出し、カラム(THF/DCM/MeOH)で精製して、オレンジ色の固体44mgを得た。MS+ 471.3
Figure 0005746135
1-フェニル-2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウムクロリド。100mL丸底フラスコ中で、N-フェニル-7-メトキシ-4-メチルキノリン-2-オン(110mg, 0.41mmol)および5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-オン(400mg, 2mmol)をアセトニトリル20mLに溶解した。この溶液にオキシ塩化リン(340μL, 3.7mmol)を注入し、この溶液を80℃で終夜攪拌した。次いで、氷/水浴で温度を0〜4℃に下げ、トリエチルアミン(3.2mL)のアセトニトリル(10mL)溶液を7分間かけて反応フラスコに滴下した。さらに5分間攪拌した後、1N HClを28mL加えて反応をクエンチした。大部分のアセトニトリルを減圧下で除去し、所望の化合物を酢酸エチルで抽出し、カラム(THF/DCM/MeOH)で精製して、オレンジ色の固体73mgを得た。MS+ 457.3
Boc-3,3'-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)。ジ-t-ブチルジカーボネート(2.4g,11mmol)をジクロロメタン35mLに溶解し、氷/水浴中でこの溶液を攪拌し、次いで3,3'-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)(2.2mL, 10mmol)およびトリエチルアミン(6.3mL, 50mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液を滴下した。添加後、溶液を室温で3時間攪拌した。次いで、溶液を水で2回洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、無色オイル1.6gを得た。MS+ 288.2; 1HNMR (CD2Cl2) δ ppm 3.24-3.14 (t, 4H), 2.24-2.16 (t, 4H), 2.16 (s, 12H), 1.71-1.59 (m, 4H), 1.44 (s, 9H)
Boc-3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)。Boc-3,3'-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)(1.6g, 5.6mmol)をDMF10mLに溶解し、次いでヨードメタン(1.7mL, 28mmol)を加えた。この溶液を室温、窒素雰囲気下で終夜攪拌した。遠心管に移した後、この溶液にエーテルを混合した。遠心分離後、エーテルをデカンテーションし、底部のオイルを新鮮なエーテルで2回洗浄し、すべてのエーテルを除去した後、黄色がかった固体3.2gを得た。1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 3.29-3.15 (m, 8H), 3.12 (s, 18H), 1.95-1.82 (m, 4H), 1.41 (s, 9H)
3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)。Boc-3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)(2.7g)を、50%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液20mLに溶解し、次いでトリイソプロピルシラン500μLを加えた。この溶液を室温で1.5時間攪拌した。次いで、減圧下溶媒を除去し、残渣をエーテルで2回洗浄し、乾燥して黄色がかった化合物3.1gを得た。MS2+ 108.6; 1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 3.45-3.35 (m, 4H), 3.15-2.95 (m, 22H), 2.12-1.99 (m, 4H)
N-Boc-プロピル-(3-N’,N’-ジメチルアミノプロピル)アミン。ジ-t-ブチルジカーボネート(2.4g, 11mmol)をジクロロメタン35mLに溶解し、この溶液を氷/水浴中で攪拌し、次いでプロピル-(3-N’,N’-ジメチルアミノプロピル)アミン(1.44g, 10mmol)およびトリエチルアミン(6.3mL,50mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液を滴下した。添加後、この溶液を室温で終夜攪拌した。次いで、この溶液を水で2回洗浄し、溶媒を減圧下で除去し、無色オイル1.7gを得た。MS+ 245.1; 1HNMR (CD2Cl2) δ ppm 3.22-3.08 (m, 4H), 2.25-2.15 (m, 8H), 1.71-1.59 (m, 2H), 1.59-1.45 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 0.90-0.82 (t, 3H)。
3-(N-Boc-プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド。N-Boc-プロピル-(3-N’,N’-ジメチルアミノプロピル)アミン(1.7g, 〜7mmol)をDMF5mLに溶解し、次いでヨードメタン(3mL, 48mmol)を加えた。この溶液を、室温、窒素雰囲気下で終夜攪拌した。遠心管に移した後、この溶液をエーテルと混合した。遠心分離後、エーテルをデカンテーションし、底部のオイルを新鮮なエーテルで2回洗浄し、すべてのエーテルを除去した後、オイル様化合物2.9gを得た。MS+ 259.2; 1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 3.28-3.07 (m, 6H), 3.05 (s, 9H), 1.92-1.80 (m, 2H), 1.52-1.40 (m, 2H), 1.39 (s, 9H), 0.84-0.76 (t, 3H)。
3-(プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド。3-(N-Boc-プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド(2.9g, 〜7mmol)を50%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液20mLに溶解し、次いでトリイソプロピルシラン500μLを加えた。この溶液を室温で1時間攪拌した。次いで、減圧下溶媒を除去し、残渣をエーテルで2回洗浄し、乾燥し、黄色がかった化合物3.1gを得た。MS+ 159.1; 1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 3.42-3.34 (m, 2H), 3.06 (s, 9H), 3.00-2.82 (m, 4H), 2.11-1.97 (m, 2H), 1.66-1.52 (m, 2H), 0.93-0.87 (t, 3H)
Figure 0005746135
2-(ビス(3-(トリメチルアンモニオ)プロピル)アミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチルキノリニウム(PBI 4052)。3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)(530mg, 〜0.6mmol)、2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチルキノリニウム(60mg, 0.14mmol)およびトリエチルアミン(400μL)をDMF6mLに溶解した。反応物を室温で3日間攪拌し、最終生成物をHPLCで精製し、所望産物約18mgを得た。1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.61-8.56 (d, 1H), 7.77-7.73 (d, 1H), 7.35-7.21 (m, 4H), 6.80 (s, 1H), 6.70 (1H), 4.35-4.27 (t, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.53-3.43 (t, 4H), 3.41-3.27 (m, 4H), 3.04 (s, 18H), 3.00-2.90 (t, 2H), 2.25-2.15 (m, 2H), 2.15-2.00 (m, 4H)。
Figure 0005746135
4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチル-2-(プロピル(3-(トリメチルアンモニオ)プロピル)アミノ)キノリニウム。3-(プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド(500mg, 〜1mmol)、2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-メチルキノリニウム(60mg, 0.14mmol)およびトリエチルアミン(1mL)をDMF6mLに溶解した。反応物を室温で24時間攪拌し、最終生成物をHPLCで精製して所望産物約20mgを得た。1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.58-8.52 (d, 1H), 7.76-7.70 (d, 1H), 7.35-7.15 (m, 4H), 6.81-6.77 (s, 1H), 6.65 (s, 1H), 4.35-4.25 (t, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.54-3.45 (t, 2H), 3.45-3.31 (m, 4H), 3.05 (s, 9H), 3.00-2.90 (t, 2H), 2.25-2.15 (m, 2H), 2.15-2.00 (m, 2H), 1.73-1.58 (m, 2H), 1.18-1.12 (t, 3H)。
Figure 0005746135
1-ベンジル-2-(ビス(3-(トリメチルアンモニオ)プロピル)アミノ)-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウム(PBI 4050)。3,3'-イミノビス(N,N,N-トリメチル-1-プロピルアンモニウムヨージド)(410mg, 〜0.8mmol)、1-ベンジル-2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウムクロリド(44mg, 0.08mmol)およびトリエチルアミン(300μL)をDMF6mLに溶解した。反応物を室温で24時間攪拌し、最終生成物をHPLCで精製して、所望産物約4mgを得た。1HNMR (d4-MeOD) δ ppm 8.46-8.42 (d, 1H), 7.78-7.74 (d, 1H), 7.42-7.26 (m, 6H), 7.21-7.03 (m, 5H), 5.88 (s, 2H), 4.42-4.36 (t, 2H), 3.76 (s, 3H), 3.59-3.51 (t, 4H), 3.33-3.25 (m, 4H), 3.18-3.14 (m, 2H), 3.07 (s, 18H), 2.40-2.30 (m, 2H), 2.30-2.12 (m, 4H)。
Figure 0005746135
4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-フェニル-2-(プロピル(3-(トリメチルアンモニオ)プロピル)アミノ)キノリニウム(PBI 4054)。3-(プロピルアミノ)プロピル-N’,N’,N’-トリメチルアンモニウムヨージド(400mg, 〜0.8mmol)、2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-フェニルキノリニウムクロリド(37mg, 0.07mmol)およびトリエチルアミン(1mL)をDMF6mLに溶解した。反応物を室温で72時間攪拌し、最終生成物をHPLCで精製して、所望産物約11mgを得た。1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.65-8.59 (d, 1H), 7.90-7.64 (m, 6H), 7.36-7.20 (m, 3H), 6.93-6.91 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 4.42-4.34 (t, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.25-3.05 (m, 6H), 3.05-2.90 (s, 9H), 2.28-2.16 (m, 2H), 1.74-1.68 (m, 2H), 1.36-1.20 (m, 2H), 0.80-0.72 (t, 3H)
Figure 0005746135
1-ベンジル-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-(ジメチルアミノ)-7-メトキシキノリニウム(PBI 4051)。同様な方法を用いて、ジメチルアミンと1-ベンジル-2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシキノリニウムクロリドとを反応させ、所望の化合物を得た。MS2+: 480. 1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.46-8.40 (d, 1H), 7.82-7.76 (d, 1H), 7.35-7.12 (m, 7H), 7.06-6.98 (m, 3H), 6.66 (s, 1H), 5.72 (s, 2H), 4.35-4.25 (t, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.18 (s, 6H), 3.00-2.84 (t, 2H), 2.25-2.11 (m, 2H)
Figure 0005746135
4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-2-(ジメチルアミノ)-7-メトキシ-1-フェニルキノリニウム(PBI 4055)。同様な方法を用いて、ジメチルアミンと2-クロロ-4-((5,6-ジヒドロチアゾロ[5,4,3-ij]キノリン-2(4H)-イリデン)メチル)-7-メトキシ-1-フェニルキノリニウムクロリドとを反応させ、所望の化合物を得た。1HNMR (d6-DMSO) δ ppm 8.58-8.54 (d, 1H), 7.80-7.62 (m, 6H), 7.34-7.13 (m, 3H), 6.67-6.64 (m, 2H), 6.53-6.49 (d, 1H), 4.36-4.28 (t, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.00-2.90 (m, 2H), 2.84 (s, 6H), 2.26-2.16 (m, 2H)
特定の化合物の相対明るさ(表2)は、Nygren, J., Svanvik, N., Kubista, M. (1998) Biopolymers, Vol. 46, 39-51 (参照により本願に組み込まれる)に記載のプロトコルに基づいて決定した。
表2
Figure 0005746135
実施例3
種々の色素での増幅反応の全蛍光の分析
増幅反応における第1サイクルは、それがその反応におけるバックグラウンド(無鋳型対照;NTC)、検出感度および種々のqPCR条件下での二本鎖DNAの結合能力(サイクル1におけるNTCに対して100ngのgDNAを含む反応物において観察される)を明らかにするので情報量が多い。色素の品質を表すために、スペクトルデータサイクル45:1間の数学的関係を用いた。
Bds(FM:Fi)(明るさ因子)は、サイクル1におけるNTCの初期蛍光に対する、45サイクルにおける最大蛍光データの比である。FB(明るさの逆数)は、全二本鎖蛍光の%で表される"バックグラウンド蛍光"を表す。S(相対感度)(限界をなすカットオフ値が同定されている場合、およそ+/-である)は、バックグラウンド蛍光に対してこれらのqPCR条件下での低レベルのDNA濃度の検出の数表示である。S=[Fi2μg/ml-FiNTC]/1e4/。
材料および方法
反応物は、NTC反応物および10pg、1ngまたは100ngのヒトgDNA(鋳型DNA)を有する反応物を含む。増幅反応は、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド18に特異的なプライマーを含んだ。プライマー配列は、5’-3’配向で次のとおりであった。順方向:CACACTGATTGATCCATGCATT(配列番号1)。逆方向:CCACCTCTTCTAAGAGTCCCAT(配列番号2)。データはリファレンス色素(ROX)で正規化した。
結果
PBI 3654(SG対照を用いて)に関しては、傾きは3.32であり、y切片は28.34でありR2は0.998であった。FB=3.6%であり;Fi=3.8e4であり;FM(100ng)=1.05e6であり;Bds=FM:Fi=27.7であった。
PBI 3677(SG対照を用いて)に関しては、傾きは-3.35であり、y切片は26.89でありR2は0.998であった。Fi SG NTC=7.8e4であり;FM SG(100ng)=9.9e5であり;Bds=FM:Fi=12.7であり、FB SG=7.9%であった。
図2は、種々の色素のデータを示す。ほとんどの場合、2μg/mLまで、検出可能な(<NTC)レベルの二本鎖結合は観察されなかった。図3は、45サイクルにおける、ROX正規化なしの、ベースラインより上の蛍光の変化(ΔRmax)を示す。図4は、種々の色素のΔRmax、Ct、傾き、y切片、S、BdsおよびFBデータを示す。
実施例4
方法
各運転に関して一連の特定の色素を含むようにqPCR反応物(1x qPCR反応混合物;50μL)を組み立てた(各運転における対照セットとして0.4μM SGを含む
)。反応プレートにおける試験色素の範囲は、これまでの結果に基づいて変えた。色素の有無による反応混合物の容量は、最終色素濃度に応じて合わせ、全ウェルを通してROX濃度が均一に分布するように保った。
各50μLのqPCRのために、反応ウェル中で、10μLの段階希釈したゲノムDNA標的または水(NTC)を、種々の[色素]の反応混合物40μLと合わせた。標的の添加により、10,000倍の大量範囲を示した。ヒトケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド18の増幅用のプライマーを用いた。
45サイクルを通して、10分間のホットスタートなしで、AB 7500デフォルトサイクリングパラメータを用いた。全体に、デフォルトのSDS分析設定を用いた。
qPCR反応混合物は以下を含む:
色素プラスDMSO(一定の3%[DMSO]に)
M500の1ポリメラーゼユニット/50μl rxn(表5LU/μl標識単位=8PU/μl)
20mMトリスHCl(pH8.0)
50mM KCl
2mM MgCl2
1.6mg/ml BSA
10%ショ糖
0.2mM各dNTP
0.2μM各プライマー
1.5μl/ml ROX(0.075μl/rxn)。
結果
定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)は、増幅反応中の各サイクルにおける生成物の蓄積を定量する蛍光検出を用いる。qPCRに有用な蛍光色素の特性は、一本鎖DNAの存在下での低いバックグラウンド蛍光、二本鎖DNAと関連する場合の蛍光の増強、二本鎖DNAの量と蛍光強度との間の線形関係およびPCRの最小阻止である。qPCRにおける有用性に関して化合物を試験し、各化合物を用いて検量線を作成した。qPCRにおいて種々の化合物を評価するために用いた検量線の特性は、検量線の傾き(反応の効率の尺度である)、相関係数(R2)(データの直線性を示す)およびy切片(感度の尺度である)であった。増幅反応が100%の場合、曲線の傾きは-3.3であり、R2値が1.0は、データの完全な直線性を表し、より高いy切片は、より低い検出限界を示す。データを図5に示す。
実施例5
10x TE(トリス、EDTA)緩衝液をヌクレアーゼフリー水で希釈して、1x TE緩衝液希釈標準溶液を作成した。PBI 3646を、1x TE緩衝液希釈標準溶液に1:1000で希釈した。ラムダDNAを1x TE緩衝液希釈標準溶液で希釈して2000ng/mLの希釈標準溶液を作成した。1x TE緩衝液希釈標準溶液でラムダDNAの1:10倍希釈を行い、検量線を作成した。100μLの段階希釈したラムダDNAを黒色の96ウェルマイクロリットルプレートに移行させた。各ウェルにPBI 3646希釈標準溶液100μLを加えた。溶液を穏やかに混合した。プレートを光から保護し、5分間インキュベートした。blue optical kit(Ex. 490nm、Em. 515-570nm)を用い、GloMax Multi+で蛍光を測定した。データ分析のために、すべての試料値から、ラムダDNA溶液のバックグラウンド値を差し引いた。結果を図7に示す。
すべての公報、特許および特許出願は、参照により本願に組み込まれる。前述の明細書において、その特定の好ましい実施形態に関して本発明を説明し、多くの詳細を例示のために示してきたが、本発明はさらなる実施形態が可能であり、その詳細のあるものは、本発明の基本原理から逸脱することなく、少なからず改変できることは、当業者には明らかであろう。
本発明の一態様として、例えば以下のものがある。
〔1〕式I:
Figure 0005746135
[式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロであり;またはR 1 およびR 2 あるいはR 2 およびR 3 は、それらが結合している原子と一緒になって、1、2、3または4つのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロ基で任意に置換される縮合ベンゾ環を形成し;
YはS、O、CF 2 またはNR 4 であり;
R 4 は(C 1 〜C 8 )アルキル、アリールまたは(C 1 〜C 8 )アルカリールであり;
Wは、それが結合する原子と一緒になって、5、6、7または8員複素環であり;
nは0、1または2であり;
QはQ1またはQ2:
Figure 0005746135
;
(式中、Yは-CR 13 =CR 14 -であり;mおよびpは0または1であり、ここでm+p=1であり;
R 6 は(C 1 〜C 8 )アルキル、アリールまたは(C 1 〜C 8 )アルカリールであり;
R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 およびR 12 は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノまたはハロであり;
R 13 およびR 14 の1つはHであり、もう一方はNR 15 R 16 であり;
R 15 は(C 1 〜C 6 )アルキルまたは(C 1 〜C 6 )アルキル-NR 17 R 18 であり、ここでR 17 およびR 18 は、それぞれ独立してHまたは(C 1 〜C 6 )アルキルであり;
R 16 は(C 1 〜C 6 )アルキル-NR 17 R 18 であり、ここでR 17 およびR 18 は、それぞれ独立してHまたは(C 1 〜C 6 )アルキルである)である]
で表される化合物またはその塩。
〔2〕R 1 、R 2 およびR 3 がそれぞれHであり;YがSであり;nが0である、前記〔1〕記載の化合物。
〔3〕R 1 およびR 2 が、それらが結合している原子と一緒になって縮合ベンゾ環を形成し、あるいはR 2 およびR 3 が、それらが結合している原子と一緒になって縮合ベンゾ環を形成し;YがSであり;nが0である、前記〔1〕記載の化合物。
〔4〕Wが、それが結合する原子と一緒になって6員複素環である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔5〕QがQ1であり;mが1であり;R 6 がメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R 7 およびR 8 が共にHであり;R 13 がHであり;R 14 がNR 15 R 16 であり、ここでR 15 がメチル、エチル、プロピルまたはブチルである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔6〕QがQ2であり;mが1であり;R 6 がメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R 9 、R 10 、R 11 およびR 12 がそれぞれHであり;R 13 がHであり;R 14 がNR 15 R 16 であり、ここでR 15 がメチル、エチル、プロピルまたはブチルである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔7〕R 16 が(C 1 〜C 3 )アルキル-N(Me) 2 である、前記〔5〕または〔6〕に記載の化合物。
〔8〕化合物が式II:
Figure 0005746135
(式中、R 6 がメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R 14
Figure 0005746135
である)
で表される、前記〔1〕記載の化合物。
〔9〕in vitroまたはin vivo環境のいずれかにおいて、核酸を含まない同じ環境におけるその発光と比較して、核酸の存在下で、化合物が増強された発光を示す、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔10〕核酸増幅に供した試料中の核酸量を定量する方法であって、
a)前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の化合物と試料とを接触させ;
b)増幅反応における蛍光を検出し;
c)増幅反応における蛍光量とその反応における核酸量とを関連付けること
を含む前記方法。
〔11〕増幅前に存在する鋳型核酸の量を測定することをさらに含む、前記〔10〕記載の方法。
〔12〕化合物が増幅反応を実質的に阻害しない、前記〔10〕または〔11〕に記載の方法。
〔13〕増幅反応が、核酸濃度範囲にわたって実質的に蛍光を変化させない色素をさらに含む、前記〔10〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の方法。
〔14〕核酸増幅に供した試料中の核酸量を定量する方法であって、
a)標的核酸分子、増幅される核酸の標的配列に特異的な1種以上の核酸プライマー、ポリメラーゼおよび、前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の化合物を含む試料中の核酸を増幅して、増幅された核酸を含む混合物を得;
b)前記混合物における蛍光を検出し;
c)前記混合物における蛍光量と前記混合物における核酸量を関連付けること
を含む前記方法。
〔15〕核酸増幅反応のリアルタイムモニタリング方法であって、
a)標的核酸分子、標的の配列に特異的な1種以上の核酸プライマーおよび、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の化合物を有する試料を含む反応混合物中の、標的核酸分子の標的核酸配列を増幅し;
b)前記化合物に吸収される選択された波長の光で前記反応混合物を照射し;
c)前記反応混合物における蛍光発光を検出すること
を含む前記方法。
〔16〕ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて標的核酸配列が増幅される、前記〔14〕または〔15〕に記載の方法。
〔17〕蛍光量が、増幅前の標的核酸の量に関連づけられる、前記〔14〕または〔16〕に記載の方法。
〔18〕反応混合物が、核酸レベルを正規化するための対照色素を含む、前記〔14〕〜〔17〕のいずれか1項に記載の方法。
〔19〕反応混合物が、既知量の内部対照核酸およびそれに特異的なプライマーをさらに含む、前記〔14〕〜〔18〕のいずれか1項に記載の方法。
〔20〕標的核酸および対照核酸の増幅産物の比を測定することをさらに含む、前記〔19〕記載の方法。
〔21〕増幅が、初期の所定温度および時間パラメータを用いて試料を熱サイクルにかけることを含む、前記〔14〕〜〔20〕のいずれか1項に記載の方法。
〔22〕反応混合物が、少なくとも変性温度と伸長反応温度との間で熱サイクルにかけられる、前記〔21〕記載の方法。
〔23〕核酸が二本鎖DNAである、前記〔10〕〜〔22〕のいずれか1項に記載の方法。
〔24〕前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の化合物および任意に1種以上の酵素または使用説明書を含むキット。
〔25〕耐熱性ポリメラーゼをさらに含む、前記〔24〕記載のキット。
〔26〕二本鎖DNAに結合しない色素をさらに含む、前記〔24〕または〔25〕に記載のキット。
〔27〕式I
Figure 0005746135
[式中、R 1 、R 2 およびR 3 はそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロであり;またはR 1 およびR 2 あるいはR 2 およびR 3 は、それらが結合している原子と一緒になって、1、2、3または4つのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロ基で任意に置換される縮合ベンゾ環を形成し;
YはS、O、CF 2 またはNR 4 であり;
R 4 は(C 1 〜C 8 )アルキル、アリールまたは(C 1 〜C 8 )アルカリールであり;
Wは、それが結合する原子と一緒になって5、6、7または8員複素環であり;
nは0、1または2であり;
QはQ1またはQ2:
Figure 0005746135
;
(式中、Yは-CR 13 =CR 14 -であり;mおよびpは0または1であり、ここでm+p=1であり;
R 6 は(C 1 〜C 8 )アルキル、アリールまたは(C 1 〜C 8 )アルカリールであり;
R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 およびR 12 は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノまたはハロであり;
R 13 およびR 14 の1つはHであり、もう一方はNR 15 R 16 であり;
R 15 は(C 1 〜C 6 )アルキルまたは(C 1 〜C 6 )アルキル-NR 17 R 18 であり、ここでR 17 およびR 18 は、それぞれ独立してHまたは(C 1 〜C 6 )アルキルであり;
R 16 は(C 1 〜C 6 )アルキル-NR 17 R 18 であり、ここでR 17 およびR 18 は、それぞれ独立してHまたは(C 1 〜C 6 )アルキルである)である]
で表される化合物の製造方法であって、アセトニトリルおよびオキシ塩化リンの存在下で、
Figure 0005746135

O=Q
と反応させることを含む前記製造方法。

Claims (23)

  1. 式I:
    Figure 0005746135
    [式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロであり;またはR1およびR2あるいはR2およびR3は、それらが結合している原子と一緒になって、1、2、3または4つのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロ基で任意に置換される縮合ベンゾ環を形成し;
    YはS、O、CF2またはNR4であり;
    R4は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
    Wは、それが結合する原子と一緒になって、5、6、7または8員複素環であり;
    nは0であり;
    QはQ2:
    Figure 0005746135
    (式中、Yは-CR13=CR14-であり;mは1、pは0あり;
    R6は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
    R 9、R10、R11およびR12は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノまたはハロであり;
    R13 Hであり、R 14 はNR15R16
    Figure 0005746135
    であり;
    R15は(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルであり;
    R16は(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルである)である]
    で表される化合物またはその塩。
  2. R1、R2およびR3がそれぞれHであり;YがSであ、請求項1記載の化合物。
  3. R1およびR2が、それらが結合している原子と一緒になって縮合ベンゾ環を形成し、あるいはR2およびR3が、それらが結合している原子と一緒になって縮合ベンゾ環を形成し;YがSであ、請求項1記載の化合物。
  4. Wが、それが結合する原子と一緒になって6員複素環である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. R 6がメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R9、R10、R11およびR12がそれぞれHであり;R13がHであり;R14がNR15R16であり、ここでR15がメチル、エチル、プロピルまたはブチルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. R16が(C1〜C3)アルキル-N(Me)2である、請求項5記載の化合物。
  7. 化合物が式II:
    Figure 0005746135
    (式中、R6がメチル、エチル、プロピル、フェニル、ベンジル、2-フェニルエチルまたは3-フェニルプロピルであり;R14
    Figure 0005746135
    である)
    で表される、請求項1記載の化合物。
  8. in vitroまたはin vivo環境のいずれかにおいて、核酸を含まない同じ環境における蛍光発光と比較して、核酸の存在下で、化合物が増強された蛍光発光を示す、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 核酸増幅に供した試料中の目的とする核酸の量を定量する方法であって、
    a)請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物と試料とを接触させ;
    b)増幅反応における蛍光を検出し;
    c)増幅反応における蛍光量とその反応における核酸量とを関連付けること
    を含む前記方法。
  10. 増幅前に、目的とする核酸の量を測定することをさらに含む、請求項記載の方法。
  11. 増幅反応が、核酸濃度範囲にわたって実質的に蛍光を変化させない色素をさらに含む、請求項又は10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 核酸増幅に供した試料中の核酸量を定量する方法であって、
    a)標的核酸分子、増幅される核酸の標的配列に特異的な1種以上の核酸プライマー、ポリメラーゼおよび、請求項1〜のいずれかに記載の化合物を含む試料中の核酸を増幅して、増幅された核酸を含む混合物を得;
    b)前記混合物における蛍光を検出し;
    c)前記混合物における蛍光量と前記混合物における核酸量を関連付けること
    を含む前記方法。
  13. 核酸増幅反応のリアルタイムモニタリング方法であって、
    a)標的核酸分子、標的の配列に特異的な1種以上の核酸プライマーおよび、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物を有する試料を含む反応混合物中の、標的核酸分子の標的核酸配列を増幅し;
    b)前記化合物に吸収される選択された波長の光で前記反応混合物を照射し;
    c)前記反応混合物における蛍光発光を検出すること
    を含む前記方法。
  14. ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて標的核酸配列が増幅される、請求項12または13に記載の方法。
  15. 蛍光量が、増幅前の標的核酸の量に関連づけられる、請求項12〜14に記載の方法。
  16. 反応混合物が、核酸レベルを正規化するための対照色素を含む、請求項1215のいずれか1項に記載の方法。
  17. 反応混合物が、既知量の内部対照核酸およびそれに特異的なプライマーをさらに含む、請求項1216のいずれか1項に記載の方法。
  18. 標的核酸および対照核酸の増幅産物の比を測定することをさらに含む、請求項17記載の方法。
  19. 増幅が、初期の所定温度および時間パラメータを用いて試料を熱サイクルにかけることを含む、請求項1218のいずれか1項に記載の方法。
  20. 請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物および任意に1種以上の酵素または使用説明書を含むキット。
  21. 耐熱性ポリメラーゼをさらに含む、請求項20記載のキット。
  22. 二本鎖DNAに結合しない色素をさらに含む、請求項20または21に記載のキット。
  23. 式I
    Figure 0005746135
    [式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロであり;またはR1およびR2あるいはR2およびR3は、それらが結合している原子と一緒になって、1、2、3または4つのアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、ヒドロキシまたはハロ基で任意に置換される縮合ベンゾ環を形成し;
    YはS、O、CF2またはNR4であり;
    R4は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
    Wは、それが結合する原子と一緒になって5、6、7または8員複素環であり;
    nは0であり;
    QはQ2:
    Figure 0005746135
    (式中、Yは-CR13=CR14-であり;mは1、pは0あり;
    R6は(C1〜C8)アルキル、アリールまたは(C1〜C8)アルカリールであり;
    R 9、R10、R11およびR12は、それぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノまたはハロであり;
    R13 Hであり、R 14 はNR15R16
    Figure 0005746135
    R15は(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルであり;
    R16は(C1〜C6)アルキル-NR17R18であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立してHまたは(C1〜C6)アルキルである)である]
    で表される化合物の製造方法であって、アセトニトリルおよびオキシ塩化リンの存在下で、
    Figure 0005746135

    O=Q’:
    Figure 0005746135
    (式中、Yは-CR 13' =CR 14' -であり;mは0、pは1であり;
    R 13' はHであり、R 14' はメチルであり;
    R 6 、R 9 、R 10 、R 11 およびR 12 は、式Q2において上記した定義と同じである)
    と反応させることを含む前記製造方法。
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