JP5745348B2 - 廃電池のリサイクル方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃電池から金属含有物質を回収する廃電池のリサイクル方法に関し、さらに詳しくは、廃電池に含まれるリチウムを加熱炉で加熱して炭酸リチウムとして回収する廃乾電池のリサイクル方法に関する。
使用済みリチウム電池には、一般的に、金属成分としてリチウムやマンガン、コバルト、ニッケルが含まれる。また、マンガン乾電池は、マンガンや亜鉛、鉄が含まれる、使用済みアルカリマンガン乾電池は、マンガン、亜鉛、鉄、銅が含まれる。このようにリチウム電池やマンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池の使用済み電池(以下、これらを総称して「廃電池」という)には、多種の金属成分が含まれており、これらの金属成分の一部は酸化リチウム(Li2O)や二酸化マンガンのように酸化物として含まれている。
廃電池は、不燃ゴミとして廃棄されるか、一部の自治体では分別回収される。分別回収された廃電池は、リサイクル処理により、酸化鉄、ソフトフェライト原料または亜鉛等が回収される。
廃電池のリサイクル方法に関して、特許文献1では、湿式による有価金属の回収方法を記載している。特許文献1に記載の方法では、種々の使用済み電池からマンガン乾電池およびアルカリマンガン乾電池を選別した後、選別した乾電池を破砕して分級することにより、篩上の酸化鉄、プラスチック、紙剤、亜鉛缶等と、篩下の二酸化マンガン、炭素、苛性カリ、塩化亜鉛等に分離する。篩上を磁選して鉄を回収するとともに、篩下の粉粒物を希塩酸により溶解することにより、苛性カリ、塩化亜鉛等を溶解させ、二酸化マンガンおよび炭素を主成分とする残渣を回収するとしている。
特許文献1に記載の方法では、鉄および二酸化マンガンならびに炭素からなる残渣を回収するが、希塩酸による溶解およびその後に乾燥を行う必要があることから、回収に必要なコストが増加する。また、有価金属である亜鉛は、回収されることなく廃棄されるので、資源が有効利用されているとはいえない。
次に、特許文献2では、乾式による廃電池のリサイクル方法を提案している。特許文献2が提案する方法では、廃棄物の中から廃電池を分別し、分別された廃電池からマンガン乾電池およびアルカリマンガン乾電池を選別する。選別された廃乾電池をスリットタイプのスクリーンが装着された破砕機を用いて破砕した後、篩い分けにより、篩下の亜鉛および銅を含む粉状物と、篩上に金属鉄、亜鉛および銅を含む粉状物に分級する。篩上をさらに磁選することにより、金属鉄を含む粉状物と、亜鉛および銅を含む粉状物に分離して回収するとしている。
特許文献2が提案する方法では、回収の対象は金属鉄、亜鉛および銅であり、廃乾電池に多く含有されているマンガンは、回収されることなく廃棄される。
さらに、特許文献3は、ソフトフェライト原料の回収を目的とした廃電池のリサイクル方法を開示している。特許文献3が開示する方法では、多種の廃電池の中からマンガン乾電池とアルカリマンガン乾電池を選別するとともに、さらにメーカー別に選別する。選別されたグループごとに、廃電池を破砕した後、篩い分けを行い、篩上に金属鉄、亜鉛缶、炭素棒、紙、プラスチック等を主体とした粉状物を得て、篩下にマンガン酸化物と酸化亜鉛を主体とした粉状物を得る。
篩下を水洗して、ナトリウム、カリウム化合物等の不純物を除去した後、加熱された炉で仮焼きを行い、含有されるマンガン酸化物および亜鉛分を酸化マンガン(MnO)および酸化亜鉛(ZnO)とし、その後、粉砕することにより酸化マンガンおよび酸化亜鉛を主体とするソフトフェライト原料を得るとしている。一方、篩上は風ひにより、紙、プラスチックを除去した後、磁選により酸化鉄を主体とする磁性物と、亜鉛缶および炭素棒を主体とする非磁性物に分離する。磁性物は、鉄分を含有しており鉄原料として回収し、非磁性物は破砕し、水洗した後に篩い分けにより亜鉛および炭素をそれぞれ回収するとしている。
特許文献3が開示する方法は、酸化マンガンと酸化亜鉛とからなるソフトフェライト原料、鉄、亜鉛および炭素を回収することができるが、多数の工程を要するので、処理時間および処理コストが問題となる。
上述のように種々の廃電池のリサイクル方法が提案されているが、リサイクル処理が施されるのは、回収された廃乾電池の一部に過ぎない。これは、鉱石から金属鉄等の金属を取り出すより、従来のリサイクル方法により金属を回収する方が処理にコストやエネルギーを要するからである。したがって、分別回収された廃乾電池の多くは、金属鉄等の金属を含有しているにもかかわらず、リサイクルされることなく、不燃ゴミとして処理される。このため、処理に必要なコストおよびエネルギーを抑制した、廃乾電池のリサイクル方法が待望されている。
また、使用済みマンガン乾電池やアルカリマンガン乾電池は、製鉄原料となるマンガンおよび鉄を多く含むが、廃電池から鉄鋼原料として有害な亜鉛を除去しても鉄鋼業に用いることは困難である。これは、使用済みマンガン乾電池およびアルカリマンガン乾電池から得られる製鉄原料は、含まれるマンガンや鉄が酸化物である割合が大きく、金属である割合が小さいことから、高炉や転炉に用いた場合にこれらを還元するために大量の燃料を投入する必要があり、高炉や転炉でのエネルギーコストが増加する。さらに輸送コストやハンドリングコスト等を勘案すると工業的に実施するのは困難だからである。
特許文献4では、移動型炉床炉内(回転炉床炉内)の移動床上に石炭といった炭材を積載し、その上に高炉ダスト、焼結粉および廃電池を積載した状態で、加熱することにより亜鉛といった高揮発性金属を揮発させ、炉の排ガスから回収するとともに、その他の低揮発性の金属成分を移動床上で回収する廃電池のリサイクル方法が記載されている。
特許文献4に記載される廃電池のリサイクル方法は、廃電池を破砕することなく移動床上に積載するので、移動床上から回収される低揮発性金属も筒状の形状となり、利用する際に運搬などで困難を生じる。この場合、移動型炉床炉で加熱温度を高温にすることにより、低揮発性金属の鉄が浸炭により融点が低下し、溶融して形状の異なるものが混ざり合って、利用しやすくなるとしている。しかし、浸炭により低揮発性金属の鉄が溶融するとされた実施例では、加熱温度が1500℃と極めて高温であり、エネルギーコストが問題となる。
また、廃電池を破砕することなく移動床上に積載して加熱するので、廃電池に含まれるマンガンや鉄の酸化物の大部分は還元されない。このため、移動床上からの回収されるマンガンや鉄は、酸化物の含有率が高いことから、高炉や転炉に用いることは困難である。
特許文献4に記載される廃電池のリサイクル方法は、廃電池が使用済みリチウム電池である場合も同様に、リチウム電池に含まれるマンガン酸化物の大部分が還元されないので問題となる。また、リチウム電池に含まれる金属リチウムおよび酸化リチウムは、沸点が高く、破砕されることなく移動床上に積載されることから、揮発することなく移動床上に残存し易い。さらに、一部の廃電池が破壊されて金属リチウムおよび酸化リチウムが揮発するとしても、高温に加熱する必要があり、耐火物等も勘案すると工業的に実施することは困難である。これらから、特許文献4に記載される廃電池のリサイクル方法では、リチウム電池に含まれるリチウムの回収率が低下する。
特開2007−12527号公報 特開2004−871号公報 特開平7−85897号公報 特開2009−256741号公報
Y−E. Lee: Metallurgical and Materials Transactions B, 29B (1998), 397.
前述の通り、従来の廃電池のリサイクル方法は、処理に要するコストおよびエネルギーが問題となり、分別回収された廃電池の一部にしか適用されず、大部分の廃乾電池は不燃ゴミとして処理されている。また、廃電池から亜鉛を除去することにより、鉄およびマンガンを主とした製鉄原料を得ることができるが、マンガンや鉄の酸化物の割合が高いことから、高炉や転炉に用いることは困難である。さらに、廃電池に含まれるリチウムについては、前記特許文献4に記載される廃電池のリサイクル方法で検討されているが、リチウムの回収率が低い。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、処理に要するコストおよびエネルギーを抑制できるとともに、廃電池に含まれるリチウムの回収率を向上できる廃電池のリサイクル方法を提供することを目的としている。
一貫製鉄所および電気炉で発生するダストやスラッジの処理において、ロータリーキルンにより、鉄鋼原料として有害な亜鉛を除去して粗粒状の酸化亜鉛として回収するとともに、酸化鉄を還元して製鉄原料を得る方法が用いられている。
本発明者らは、ロータリーキルンを用い、リチウム電池の廃電池を破砕した破砕物からリチウムを回収する方法について検討した。
図1は、使用済みリチウム電池に含まれる金属成分に関連する金属リチウム、金属マンガン、酸化リチウム(Li2O)、金属コバルト、金属ニッケルの温度(℃)と蒸気圧(atm)の関係を示す図である。同図より、沸点は、金属リチウムが1330℃、金属マンガン2060℃、酸化リチウムが2600℃、金属コバルトが2927℃、金属ニッケルが2920℃であることから、1330℃以上で破砕物を加熱すると、蒸発により金属リチウムを回収できることが確認される。
しかしながら、本発明者らが試験を行ったところ、リチウムは、加熱すると燃焼して酸化リチウムとなり易いことから、蒸発により回収することが困難であることが判明した。この酸化リチウムは、前記図1に示すように2600℃と沸点が高いことから、蒸発により回収することは困難である。また、金属リチウム(Li)は融点が約180℃であることから、雰囲気を還元性にすることにより含まれるリチウムを液体として回収することを試みた。しかし、この場合は、液体としたリチウムが他の金属と反応して化合物を生成することから、液体として回収することは困難である。そこで、本発明者らは、リチウムを工業的に重要な化合物である炭酸リチウムにして回収することを検討した。
図2は、使用済みリチウム電池に含まれる金属成分による反応が平衡となる温度と雰囲気条件との関係を示す図である。同図では、曲線C1が酸化リチウムから炭酸リチウムが生成される反応が平衡となる温度とCO2分圧の関係を示す。また、曲線C2は金属コバルトが酸化する反応が平衡となる温度と、CO2分圧PCO2(atm)とCO分圧PCO(atm)により表されるPCO2/(PCO2+PCO)との関係を示す。曲線C3は金属ニッケルが酸化する反応が平衡となる温度とPCO2/(PCO2+PCO)との関係を示す。さらに、同図に示すように、金属マンガンが酸化する反応が平衡となるPCO2/(PCO2+PCO)は、ほぼ0(ゼロ)である。
同図から、本発明者らは、破砕物を加熱する際に温度、CO2分圧およびPCO2/(PCO2+PCO)を所定の条件とすることにより、酸化リチウムを炭酸リチウムとして回収できることを知見した。さらに、破砕物を加熱する際に温度を1320℃以上とすれば、発生した炭酸リチウムを蒸発により容易に分離回収できることを知見した。
次に、本発明者らは、ロータリーキルンを用い、マンガン乾電池およびアルカリマンガン乾電池の廃電池を破砕した破砕物でマンガンの還元率を向上する方法について検討した。
図3は、使用済みマンガン乾電池に含まれる金属成分に関連する金属鉄、金属マンガン、金属亜鉛の温度(℃)と蒸気圧(atm)の関係を示す図である。同図より、沸点は、鉄が3070℃、マンガン2060℃、亜鉛が906℃であることから、906℃以上で廃電池を加熱することにより、蒸発により亜鉛を回収できることが確認できる。
図4は、マンガン酸化物の還元反応および黒鉛から一酸化炭素が生成する反応が平衡となる温度と酸素分圧の関係を示す図である。同図では、実線で示すグラフは、黒鉛(C)によるマンガン酸化物の還元反応において、マンガンの還元率が100質量%となる場合の温度と酸素分割の関係を示し、点線で示すグラフは、下記(1)反応式に示す黒鉛から一酸化炭素が生成する反応が平衡となる温度と酸素分圧の関係を示す。また、同図では、一点鎖線で示すグラフは、黒鉛によるマンガン酸化物の還元反応において、マンガンの還元率が1質量%、10質量%、20質量%または50質量%となる場合の温度と酸素分圧の関係をそれぞれ示す。
C+1/2O2=2CO ・・・(1)
同図の黒鉛によるマンガン酸化物の還元反応を示すグラフと、前記(1)反応式に示す反応の平衡を示すグラフから、酸素分圧を前記(1)反応式に示す反応が平衡になる条件とした場合、雰囲気が1417℃を超えると、黒鉛によるマンガン酸化物の還元反応によりマンガンの還元率が100質量%になることが確認できる。ここで、鉄の融点は1538℃であるが、鉄が浸炭された場合は1153℃で溶融する。この浸炭されて溶融した鉄に、マンガン酸化物が溶解して還元されることから、1417℃以下でもマンガン酸化物を還元することは可能である。
ただし、1417℃以下でマンガン酸化物を還元する場合、二酸化マンガンの溶解量は温度に制約されることから、マンガンの還元率も制限される。同図のマンガンの還元率が50質量%、20質量%、10質量%の場合を示すグラフと、前記(1)反応式に示す反応の平衡を示すグラフとから、マンガンの還元率は、1390℃で50質量%、1333℃で20質量%、1293℃で10質量%に制限されることが確認できる。
これらを基に鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、マンガンを含む破砕物を加熱炉で加熱処理する際に温度と雰囲気の酸素分圧とを所定の条件にすることにより、マンガンおよび鉄の還元率を向上できることを知見した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成したものであり、下記(1)〜(6)の廃電池のリサイクル方法を要旨としている。なお、下記(4)の廃電池のリサイクル方法は、本発明の参考例である。
(1)廃電池を破砕した破砕物に加熱炉で加熱する第1加熱処理を施し、当該破砕物から金属含有物質を回収する廃電池のリサイクル方法であって、前記破砕物としてリチウムを含む破砕物を用い、前記第1加熱処理を、最高温度T1(℃)を730℃以上とするとともに、雰囲気をCO2分圧PCO2(atm)とCO分圧PCO(atm)により表されるPCO2/(PCO2+PCO)が下記(1)式を満たし、かつ、CO2分圧PCO2(atm)が下記(2)式を満たす条件で施し、前記金属含有物質を回収する際に炭酸リチウムを回収することを特徴とする廃電池のリサイクル方法(以下、「本発明の第1実施形態のリサイクル方法」とも呼ぶ)。
CO2/(PCO2+PCO)<1/(1+exp(−ΔG0 A/(R・(T1+273.15))) ・・・(1)
CO2>exp(ΔG0 B/(R・(T1+273.15)) ・・・(2)
ただし、
ΔG0 A=(−468200+140.98(T1+273.15))/2−(−565160+172.03(T1+273.15))/2 ・・・(3)
ΔG0 B=−153750+85.87(T1+273.15) ・・・(4)
R:気体定数
(2)前記最高温度T1を1320℃以上とし、前記炭酸リチウムを回収する際に、前記第1加熱処理により発生したガスから炭酸リチウムを回収することを特徴とする上記(1)に記載の廃電池のリサイクル方法。
(3)上記(1)または(2)に記載の廃電池のリサイクル方法において、さらに前記第1加熱処理を経た破砕物からマンガン、鉄、コバルトおよびニッケルのうちのいずれか1種以上を回収することを特徴とする廃電池のリサイクル方法。
(4)廃電池を破砕した破砕物を加熱炉で加熱することにより、前記破砕物に含有される低沸点金属を蒸発させるとともに、前記破砕物に含有される高沸点金属の酸化物を還元させ、さらに発生したガスから低沸点金属を回収する第2加熱処理と、前記第2加熱処理を経た破砕物から高沸点金属を回収する回収処理とを含む廃電池のリサイクル方法であって、前記破砕物がマンガンを含み、前記第2加熱処理を、最高温度T2(℃)を1200℃以上とし、かつ、雰囲気の酸素分圧PO2(atm)を下記()式を満たす条件として施すことを特徴とする廃電池のリサイクル方法(以下、「本発明の第2実施形態のリサイクル方法」とも呼ぶ)。
log(PO2)≦0.008・T2−26.6 ・・・(5)
(5)廃電池を破砕した破砕物であって、リチウムおよびマンガンを含む破砕物を、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の廃電池のリサイクル方法により処理した後に、当該処理を経た前記破砕物に第2加熱処理と、回収処理とを施し、前記第2加熱処理では、前記破砕物を加熱炉で最高温度T2(℃)を1200℃以上とし、かつ、雰囲気の酸素分圧P O2 (atm)を下記(5)式を満たす条件として加熱することにより、前記破砕物に含有される低沸点金属を蒸発させるとともに、前記破砕物に含有される高沸点金属の酸化物を還元させ、さらに発生したガスから低沸点金属を回収し、前記回収処理では、前記第2加熱処理を経た破砕物から高沸点金属を回収することを特徴とする廃電池のリサイクル方法。
log(P O2 )≦0.008・T2−26.6 ・・・(5)
(6)前記加熱炉として、ロータリーキルンを用いることを特徴とする上記(1)〜(および(5)のいずれかに記載の廃電池のリサイクル方法。
本発明において「高沸点金属」とは、沸点が1200℃以上の金属をいい、例えば、マンガン、鉄およびニッケルが該当する。また、「低沸点金属」とは、沸点が1200℃未満の金属をいうとともに、1200℃において蒸気圧が10-5atm以上の金属を含む。低沸点金属として、例えば、亜鉛、水銀および鉛が該当する。ただし、リチウムは1200℃における蒸気圧が10-5atm以上であるが、加熱して高温にすると燃焼し易いことから、低沸点金属に含まないものとする。
本発明の廃電池のリサイクル方法によれば、リチウムを含む破砕物に第1加熱処理を施すことにより、リチウムを炭酸リチウムとして回収することができるとともに、リチウムの回収率を向上させることができる。また、マンガンを含む破砕物に第2加熱処理を施すことにより、マンガンおよび鉄の酸化物を還元し、回収されるマンガンおよび鉄の還元率を向上させることができる。
使使用済みリチウム電池に含まれる金属成分に関連する金属リチウム、金属マンガン、酸化リチウム(Li2O)、金属コバルト、金属ニッケルの温度(℃)と蒸気圧(atm)の関係を示す図である。 使用済みリチウム電池に含まれる金属成分による反応が平衡となる温度と雰囲気条件との関係を示す図である。 使用済みマンガン乾電池に含まれる金属成分に関連する金属鉄、金属マンガン、金属亜鉛の温度(℃)と蒸気圧(atm)の関係を示す図である。 マンガン酸化物の還元反応および黒鉛から一酸化炭素が生成する反応が平衡となる温度と酸素分圧の関係を示す図である。 本発明の廃電池のリサイクル方法による廃電池の処理フロー例を説明する図である。 実施例での処理フロー例を示す図である。
1.リチウムを含む破砕物の処理
前述のとおり、本発明の第1実施形態のリサイクル方法は、廃電池を破砕した破砕物に加熱炉で加熱する第1加熱処理を施し、当該破砕物から金属含有物質を回収する廃電池のリサイクル方法であって、破砕物としてリチウムを含む破砕物を用い、第1加熱処理を、最高温度T1(K)を730℃以上とするとともに、雰囲気をCO2分圧PCO2(atm)とCO分圧PCO(atm)により表されるPCO2/(PCO2+PCO)が前記(1)式を満たし、かつ、CO2分圧PCO2(atm)が前記(2)式を満たす条件で施し、金属含有物質を回収する際に炭酸リチウムを回収することを特徴とする。
破砕することなく廃電池に加熱処理を施すと、廃電池に含まれるリチウム等の金属およびその酸化物は密閉された容器内に含まれることから、反応が進行し難いとともに、蒸発により回収することが困難になる。この場合、加熱処理での最高温度を高温にすることにより、反応の進行および蒸発による回収を促進することもできるが、エネルギーコストや加熱炉に要する設備コストが問題となる。このため、本発明では、廃電池を破砕して破砕物とし、この破砕物に加熱処理を施す。これにより、加熱炉内での反応の進行および蒸発による回収を促進できる。廃電池の破砕は、廃電池の容器内に存在するリチウム等の金属およびその酸化物が雰囲気と反応したり、蒸発したりできる程度に適宜行えばよい。廃電池の破砕は、例えば、ダブルロールクラッシャーやハンマークラッシャーにより行うことができる。
最高温度T1を730℃以上とするとともに、雰囲気をCO2分圧PCO2(atm)とCO分圧PCO(atm)により表されるPCO2/(PCO2+PCO)が前記(1)式を満たし、かつ、CO2分圧PCO2(atm)が前記(2)式を満たす条件で加熱処理をリチウムを含む破砕物に施す。すなわち、雰囲気が前記図2に示す曲線C1とC2とで挟まれた領域(同図でハッチングを施した領域)内となる条件とし、つまり、酸化性雰囲気とする。これにより、破砕物に含まれる酸化リチウムから液体または気体の炭酸リチウムが生成する。一方、最高温度T1が730℃未満であると、炭酸リチウムの融点が723℃であることから、生成する炭酸リチウムを液体または気体として回収することが困難となる。
最高温度T1が1320℃未満の場合は、発生する炭酸リチウムは液体であることから、破砕物に酸化物として含まれるリチウムを第1加熱処理を経た破砕物から炭酸リチウムとして回収することができる。一方、最高温度T1が1320℃以上の場合は、発生する炭酸リチウムは蒸発して気体となることから、破砕物に酸化物として含まれるリチウムを第1加熱処理で発生したガスから炭酸リチウムとして回収することができる。
また、破砕物に金属として含まれるリチウムも、上述したように最高温度T1を730℃以上とするとともに、酸化性雰囲気とすることにより、炭酸リチウムとして回収することができる。
前記図2に示すとおり、使用済みリチウム電池を破砕した破砕物に主に金属として含まれるコバルトは、加熱処理により酸化されることなく、金属コバルトのままである。また、使用済みリチウム電池を破砕した破砕物に主に金属として含まれるニッケルは、加熱処理により酸化されることなく、金属ニッケルのままである。使用済みリチウム電池を破砕した破砕物に主として酸化物として含まれるマンガンは、還元されることなく、酸化物のままである。
本発明の第1実施形態のリサイクル方法は、最高温度T1を1320℃以上とし、炭酸リチウムを回収する際に、第1加熱処理により発生したガスから炭酸リチウムを回収するのが好ましい。これにより、効率よく炭酸リチウムを回収できるからである。一方、最高温度を高くし過ぎると、加熱炉の溶損を防止するための設備コストや保守コストが問題となることから、最高温度T1は1400℃未満とするのが好ましい。
破砕物に酸化物または金属として含まれる鉄は、沸点が高いことから、蒸発することなく破砕物に残存する。
破砕物に酸化物として含まれる亜鉛は、加熱炉内に発生した一酸化炭素ガスまたは水素ガスと反応し、還元されて金属化する。この還元された亜鉛および破砕物に金属として含まれる亜鉛は、沸点が907℃と低いことから、最高温度T1が1320℃以上の場合は昇温により蒸発する。蒸発した亜鉛は雰囲気中の酸素と反応して酸化され、酸化亜鉛(ZnO)粒子となり、第1加熱処理により発生したガスから回収できる。
破砕物に酸化物として含まれる鉛は、加熱炉内に発生した一酸化炭素ガスまたは水素ガスと反応し、還元されて金属化する。破砕物に金属として含まれる鉛は、沸点が1749℃と高いが、亜鉛の沸点(907℃)付近の温度で蒸気圧が高いことから、最高温度T1が1320℃以上の場合は、蒸発し易い。したがって、この還元された鉛および破砕物に金属として含まれる鉛は、昇温により蒸発し、雰囲気との反応により酸化されて粒子となり、第1加熱処理により発生したガスから回収できる。
このように破砕物に第1加熱処理を施すことにより、破砕物に含まれるリチウムをはじめとして、亜鉛や鉛を発生するガスから回収することができる。一方、第1加熱処理を経た破砕物には、コバルトやニッケル、鉄、マンガンの金属および酸化物が含まれる。このため、本発明の第1実施形態のリサイクル方法は、さらに第1加熱処理を経た破砕物からマンガン、鉄、コバルトおよびニッケルを回収することができる。
マンガン乾電池の一部は水銀を含有することから、マンガン乾電池を破砕した破砕物は水銀を含む場合がある。水銀は沸点が356℃と低いことから、還元された水銀および破砕物に金属として含まれる水銀は、昇温により蒸発する。蒸発した水銀は、雰囲気と反応して酸化され、酸化水銀の粒子となる。したがって、本発明の第1実施形態のリサイクル方法は、破砕物に含まれる水銀を、第1加熱処理により発生したガスから酸化水銀として回収でき、水銀を含むマンガン乾電池も処理することができる。
本発明の第1実施形態のリサイクル方法は、廃電池として、使用済みリチウム電池を用いることができる。本発明の第1実施形態のリサイクル方法は、廃電池が、使用済みリチウム電池の他に使用済みマンガン乾電池やアルカリマンガン乾電池、ニッケル一次電池を含んでも、選別することなく、処理することができる。
2.マンガンを含む破砕物の処理
前述のとおり、本発明の第2実施形態のリサイクル方法は、廃電池を破砕した破砕物を加熱炉で加熱することにより、破砕物に含有される低沸点金属を蒸発させるとともに、破砕物に含有される高沸点金属の酸化物を還元させ、さらに発生したガスから低沸点金属を回収する第2加熱処理と、第2加熱処理を経た破砕物から高沸点金属を回収する回収処理とを含む廃電池のリサイクル方法であって、破砕物がマンガンを含み、第2加熱処理を、最高温度T2(℃)を1200℃以上とし、かつ、雰囲気の酸素分圧PO2(atm)を前記(5)式を満たす条件として施すことを特徴とする。
破砕物に金属として含まれるマンガン、鉄、銅およびニッケルは沸点が高いので、ロータリーキルン内で加熱を行っても大部分は蒸発することはなく、そのまま破砕物に残存する。一方、使用済みマンガン乾電池において、正極側に集電棒として用いられる炭素棒やプラスチック、紙類には黒鉛(C)が含まれ、この黒鉛が加熱処理で前記(1)反応式に示す反応を起こすと、一酸化炭素ガス(CO)および水素ガス(H2)が発生する。この反応で発生した一酸化炭素ガスおよび水素ガスにより、破砕物に酸化物として含まれるマンガン、鉄、銅およびニッケルの一部は、還元されて金属となる。
ここで、本発明の第2実施形態のリサイクル方法は、マンガンを含む破砕物に、最高温度T2(℃)を1200℃以上とし、かつ、雰囲気の酸素分圧PO2(atm)を前記(5)式を満たす条件として第2加熱処理を施す。ここで、酸素分圧が前記(5)式と満たす条件とは、酸素分圧を前記図4で(5)式として示す直線でハッチングを施した側の領域とすることを意味する。
前述の通り、破砕物に酸化物として含まれる鉄は、黒鉛により浸炭されて融点が低下して1153℃程度で溶融する。このため、第2加熱処理で最高温度T2を1200℃以上とし、かつ、雰囲気の酸素分圧が前記(5)式を満たす条件とすることにより、浸炭されて溶融した鉄に、酸化物として含まれるマンガンが溶解して還元され、金属鉄、マンガンおよび二酸化炭素となる。この浸炭された鉄によるマンガン酸化物の還元反応により、破砕物に酸化物として含まれるマンガンおよび鉄が還元され、その結果、第2加熱処理を経た破砕物に含まれるマンガンおよび鉄の還元率を向上できる。
本発明の第2実施形態のリサイクル方法は、雰囲気の酸素分圧を下記(6)式と満たす条件として第2加熱処理を施すのが好ましい。酸素分圧が下記(6)式と満たす条件とは、酸素分圧を前記図4で(6)式として示す直線でハッチングを施した側の領域とすることを意味する。これにより、第2加熱処理を経た破砕物に含まれるマンガンおよび鉄の還元率をより向上できる。また、最高温度を高くし過ぎると、加熱炉の溶損を防止するための設備コストや保守コストが問題となることから、最高温度T2は1450℃未満とするのが好ましい。
log(PO2)≦0.0154・T2−36.5 ・・・(6)
破砕物に酸化物として含まれる亜鉛は、加熱炉内に発生した一酸化炭素ガスまたは水素ガスと反応し、還元されて金属化する。この還元された亜鉛および破砕物に金属として含まれる亜鉛は、沸点が907℃と低いことから、昇温により蒸発する。蒸発した亜鉛は雰囲気中の酸素と反応して酸化され、酸化亜鉛(ZnO)粒子となり、第2加熱処理により発生したガスから回収できる。
破砕物に酸化物として含まれる鉛は、加熱炉内に発生した一酸化炭素ガスまたは水素ガスと反応し、還元されて金属化する。破砕物に金属として含まれる鉛は、沸点が1749℃と高いが、亜鉛の沸点(907℃)付近の温度で蒸気圧が高いことから、最高温度T2を1200℃以上とする第2加熱処理により、蒸発し易い。したがって、この還元された鉛および破砕物に金属として含まれる鉛は、昇温により蒸発し、雰囲気との反応により酸化されて粒子となり、第2加熱処理により発生したガスから回収できる。
このように破砕物に第2加熱処理を施すことにより、破砕物に含まれる亜鉛や鉛といった低沸点金属を、発生するガスから回収することができる。また、破砕物に含まれるマンガンや鉄といった高沸点金属は破砕物に残存することから、第2加熱処理を経た破砕物から回収できる。前述のとおり、本発明の第2実施形態は、第2加熱処理を、最高温度T2(℃)を1200℃以上とし、かつ、雰囲気の酸素分圧PO2(atm)を前記(5)式を満たす条件として施すことにより、回収されるマンガンおよび鉄の還元率を向上できる。
マンガン乾電池の一部は水銀を含有することから、マンガン乾電池を破砕した破砕物は水銀を含む場合がある。水銀は沸点が356℃と低いことから、還元された水銀および破砕物に金属として含まれる水銀は、昇温により蒸発する。蒸発した水銀は、雰囲気と反応して酸化され、酸化水銀の粒子となる。したがって、本発明の第2実施形態のリサイクル方法は、破砕物に含まれる水銀を、第2加熱処理により発生したガスから酸化水銀として回収でき、水銀を含むマンガン乾電池も処理することができる。
本発明の第2実施形態のリサイクル方法は、廃電池として、使用済みマンガン乾電池やアルカリマンガン乾電池、リチウム電池、ニッケル一次電池を用いることができる。本発明の第2実施形態のリサイクル方法は、処理される廃電池は一種類に限らず、使用済みマンガン乾電池やアルカリマンガン乾電池、リチウム電池、ニッケル一次電池が混合された廃電池を選別することなく、処理することができる。
3.処理フロー例および好ましい態様
以下に、本発明の廃電池のリサイクル方法による処理フロー例および本発明で採用するのが好ましい実施態様について図面を参照しながら説明する。
図5、本発明の廃電池のリサイクル方法による廃電池の処理フロー例を説明する図である。同図に示す処理フロー例では、投入される廃電池1を破砕して破砕物にする破砕機2と、破砕機から排出される破砕物を運搬する第1コンベア31と、供給される破砕物から主にリチウムを回収する第1リサイクル装置91と、第1リサイクル装置91により処理された破砕物を運搬する第2コンベア32と、供給される破砕物に含まれるマンガンの還元率を高める第2リサイクル装置92とを示す。
第1リサイクル装置91および第2リサイクル装置92は、それぞれ、加熱炉として供給される破砕物に加熱処理を施すロータリーキルン41または42と、ロータリーキルン41または42から排出されたガスから粗粒を回収するサイクロン51または52と、サイクロン51または52により処理されたガスから細粒を回収するバグフィルタ61または62とを備える。
第1リサイクル装置91および第2リサイクル装置92が備えるロータリーキルン41または42は中空円筒状であり、水平からわずかに傾斜して配置され、回転可能に支持されている。ロータリーキルン41または42の一端には投入口41aまたは42aが、他端には排出口41bまたは42bが設けられ、図示しないがロータリーキルンの排出口側の回転中心位置にバーナーが配置されている。このような構成のロータリーキルン41または42では、投入口41aまたは42aに供給された破砕物は、バーナーにより加熱されつつ、ロータリーキルンの回転および傾斜により、ロータリーキルンの下壁面上(下部)で排出口側に移動し、排出口41bまたは42bから排出される。
一方、ロータリーキルン41または42は、図示しないが、排出口側の上部に吸気口と、投入口側の上部に排気口とを備える。これによりロータリーキルンの上部では排出口側から投入口側に向けた雰囲気流れが生まれ、加熱処理により発生したガスを排気口から排出することができる。この排ガスをサイクロン51または52と、バグフィルタ61または62とで処理することにより、加熱処理により発生したガスから金属含有物質を回収することができる。
本発明の廃電池のリサイクル方法は、同図の処理フロー例に示すように、廃電池を破砕した破砕物であって、リチウムおよびマンガンを含む破砕物を、本発明の第1実施形態のリサイクル方法(第1加熱処理)により処理した後、さらに本発明の第2実施形態のリサイクル方法(第2加熱処理)により処理するのが好ましい(同図の実線矢印参照)。
この場合は、リチウムおよびマンガンを含む破砕物から、第1実施形態の第1加熱処理により、リチウムをはじめとして、亜鉛や鉛、水銀を回収することができる。一方、第1加熱処理を経た破砕物には、マンガンをはじめとして、鉄や金属コバルト、金属ニッケルが含まれる。このような第1加熱処理を経た破砕物に第2実施形態の第2加熱処理を施すことにより、第2加熱処理を経た破砕物に含まれるマンガンおよび鉄の還元率を向上できる。また、第1加熱処理で蒸発することなく破砕物に残存した亜鉛や鉛、水銀を、第2加熱処理で蒸発させて回収することにより、低沸点金属の回収率を向上できる。
本発明の第1実施形態のリサイクル方法により処理した後、さらに本発明の第2実施形態のリサイクル方法により処理する場合は、廃電池として、使用済みリチウム電池を用いることができる。この場合は、廃電池が、使用済みリチウム電池の他に使用済みマンガン乾電池やアルカリマンガン乾電池、ニッケル一次電池を含んでも、選別することなく、処理することができる。
本発明の廃電池のリサイクル方法は、破砕物に第1加熱処理または第2加熱処理を施す加熱炉として、ロータリーキルンや回転炉床炉を採用することができるが、同図の処理フロー例に示すように、ロータリーキルンを採用するのが好ましい。ロータリーキルンは、回転により加熱処理が施される破砕物が攪拌され、雰囲気との接触機会が増加することにより反応が促進されるので、リチウムの回収率や鉄およびマンガンの還元率をより向上できるとともに、処理時間を短くすることができる。
第1加熱処理で雰囲気のCO2分圧PCO2(atm)とCO分圧PCO(atm)により表されるPCO2/(PCO2+PCO)を所定の条件としたり、第2加熱処理で雰囲気の酸素分圧PO2(atm)を所定の条件としたりする際は、例えば、加熱炉に供給される雰囲気の化学組成を調整する方法により行うことができる。本発明の廃電池のリサイクル方法は、雰囲気を所定の条件とする際、破砕物とともに炭材に加熱処理を施し、この炭材の投入量を調整することにより雰囲気を所定の条件とするのが好ましい。
炭材が燃焼すると、加熱炉内の酸素と反応して一酸化炭素や二酸化炭素となる。したがって、炭材の投入量を増減させることにより、雰囲気の酸素分圧を調整することができる。また、PCO2/(PCO2+PCO)およびCO2分圧の調整は、炭材の投入量を増減させることにより行うことができる。
また、加熱処理の際に破砕物とともに炭材に加熱処理を施す場合、炭材の燃焼によるエネルギーを利用して加熱炉内の雰囲気を昇温することができ、エネルギーコストを低減できる。また、炭材を加熱すると、一部が熱分解して炭素および水素となることから、この炭素および水素によりマンガンや鉄の酸化物を還元することにより、鉄やマンガンの還元率を高めることもできる。
炭材としては、熱分解により炭素や水素を発生させるものを用いることができ、例えば、溶融した銑鉄から析出する黒鉛であるキッシュカーボン、木材粉、コークス粉が該当する。
4.第1加熱処理の処理条件の規定理由
次に、本発明の第1実施形態のリサイクル方法で、第1加熱処理の最高温度および雰囲気条件を、前述のように規定した理由を説明する。
酸化リチウム(Li2O)が二酸化炭素(CO2)と反応して炭酸リチウム(Li2CO3)となる反応は下記(2)反応式、その標準自由エネルギー変化は下記(a)式により表される。
Li2O(s)+CO2(g)=Li2CO3 ・・・(2)
ΔG0 (2)=−153750+85.87T ・・・(a)
ただし、上記(a)式において993K<T<1300Kである。
ここで、ΔG0 (i)は反応式(i)の標準自由エネルギー変化(J)とし、Tは温度(K)である。
上記(2)反応式で示す反応が平衡であると、以下の(b)式が成り立つ。
ΔG0 (2)=−RTln(αLi2CO3/(αLi2O・PCO2)) ・・・(b)
ここで、Rは気体定数、αLi2CO3はLi2CO3の活量、αLi2OはLi2Oの活量、PCO2はCO2の分圧(atm)である。
ここで、上記(b)式においてαLi2CO3=1、かつ、αLi2O=1であると仮定すると、下記(c)式が導かれる。
CO2=exp(ΔG0 (2)/(R・T)) ・・・(c)
上記(c)式で、前記(a)式の標準自由エネルギー変化を用いて計算すると、前記図2の曲線C1が得られる。上記(c)式で、前記(a)式の標準自由エネルギー変化を用い、さらに熱力学温度(K)を摂氏温度(℃)としたものが前記(2)式である。
一方、金属Co、NiおよびMnが酸化してそれぞれCoO、NiOおよびMnOとなるとなる反応は下記(3)〜(6)反応式で表される。また、下記(3)〜(6)反応式で表される反応の標準自由エネルギー変化は下記(d)〜(g)式で表される。
2Co(s)+O2(g)=2CoO(s) ・・・(3)
ΔG0 (3)=−468200+140.98T ・・・(d)
ただし、上記(d)式において298K<T<1768Kである。
2Ni(s)+O2(g)=2NiO(s) ・・・(4)
ΔG0 (4)=−468580+169.44T ・・・(e)
ただし、上記(e)式において298K<T<1728Kである。
2Mn(s)+O2(g)=2MnO(s) ・・・(5)
ΔG0 (5)=−765060+148.96T ・・・(f)
ただし、上記(f)式において298K<T<1519Kである。
2Mn(l)+O2(g)=2MnO(s) ・・・(6)
ΔG0 (6)=−801100+173.02T ・・・(g)
ただし、上記(g)式において1519K<T<2083Kである。
上記(3)〜(6)反応式のような金属(Me)が酸化して酸化物(MeO)となる反応は下記(7)反応式により表すことができる。また、一酸化炭素(CO)ガスと酸素(O2)ガスが反応して二酸化炭素(CO2)ガスとなる反応は下記(8)反応式により表すことができ、この反応の標準自由エネルギー変化は下記(h)式で表される。
2Me+O2(g)=2MeO ・・・(7)
2CO(g)+O2(g)=2CO2(g) ・・・(8)
ΔG0 (8)=−565160+172.03T ・・・(h)
ただし、上記(h)式において298K<T<3000Kである。
上記(7)および(8)反応式から新たに反応式を得てO2を消去すると、下記(9)反応式となる。下記(9)反応式で示す反応が平衡であると、下記(i)式が成り立つ。
Me+CO2(g)=MeO+CO(g) ・・・(9)
ΔG0 (9)=−RTln(αMeO 2・PCO/(αMe 2・PCO2)) ・・・(i)
ここで、αMeOはMeOの活量、αMeはMeの活量、PCOはCOの分圧(atm)である。
上記(i)式においてαMeO=1、αMe=1と仮定すると、下記(j)式が導かれる。ここで、PCO2/(PCO2+PCO)=1/(1+PCO/PCO2)であり、この式に下記(j)式を用いると下記(k)式が得られる。
CO/PCO2=exp(−ΔG0 (9)/(R・T)) ・・・(j)
CO2/(PCO2+PCO)=1/(1+exp(−ΔG0 (9)/(R・T))) ・・・(k)
上記(k)式で、前記(d)または(e)式の標準自由エネルギー変化と、前記(h)式の標準自由エネルギー変化とを用いて計算すると、前記図2の曲線C2または曲線C3が得られる。また、前記(1)式は、上記(k)式で、前記(d)および(h)式の標準自由エネルギー変化を用い、さらに熱力学温度(K)を摂氏温度(℃)としたものである。
また、上記(k)式で、前記(f)または(g)式の標準自由エネルギー変化と、前記(h)式の標準自由エネルギー変化とを用いて計算すると、マンガンの酸化反応が平衡となる条件が得られるが、温度Tが1400℃以下では、前記図2に示すようにPCO2/(PCO2+PCO)≒0となる。
5.第2加熱処理の処理条件の規定理由
次に、本発明の第2実施形態のリサイクル方法で、第2加熱処理の最高温度および雰囲気条件を、前述のように規定した理由を説明する。
金属Mnが酸化してそれぞれMnOの酸化物となるとなる反応は前記(5)および(6)反応式で表される。また、前記(5)および(6)反応式で表される反応の標準自由エネルギー変化は前記(f)および(g)式で表される。前記(5)または(6)反応式で示す反応が平衡であると、下記(l)式が成り立つ。
ΔG0 (5)またはΔG0 (6)=−RTln(αMnO・PCO/(αMn・PO2)) ・・・(l)
ここで、αMnOはMnOの活量、αMnはMnの活量、P02はO2の分圧(atm)である。
上記(l)式において、αMnO=1と仮定し、Fe−C−Mn系のMnの活量係数であるγMn、Mnのモル濃度であるxMnを用いると、下記(m)式が導かれる。
ΔG0 (5)またはΔG0 (6)=−RTln(γMn・xMn・PO2) ・・・(m)
ここで、γMnは非特許文献1に記載されるように下記(n)式で表される。
γMn=(−0.4822+576.7/T)xC+(5.1498−10842/T)xC 2+(−25.821+8289.7/T)xC 3−4943.8xC 4Fe 5 ・・・(n)
ただし、xcをCのモル濃度とし、xFeをFeのモル濃度とする。
一方、炭素(C)と酸素(O2)とが反応して一酸化炭素(CO)となる反応は、下記(10)反応式で表される。また、下記(10)反応式で表される反応の標準自由エネルギー変化は下記(o)式で表される。
2C(s)+O2(g)=2CO(g) ・・・(10)
ΔG0 (10)=−221840−178.02T ・・・(o)
ただし、上記(o)式において298K<T<3000Kである。
上記(m)および(n)式と、その標準自由エネルギー変化を示す前記(f)、(g)および(o)式により、前記図4に示す各曲線を得ることができる。
本発明の廃電池のリサイクル方法による効果を検証するため、廃電池を破砕した破砕物にロータリーキルンにより加熱処理を施す試験を行った。
1.廃電池を使用済みリチウム電池とした試験
[試験方法]
図6は、実施例での処理フロー例を示す図である。同図に示すように、本試験では、破砕機2により廃電池1を破砕して破砕物とし、この破砕物をコンベア3でロータリーキルン4に供給して加熱処理を施した。廃電池として、使用済みリチウム電池を用いた。本試験での加熱処理は、ロータリーキルン4の排出口側に設けられたバーナーに燃料および酸素の混合ガスを供給して燃焼させることにより、ロータリーキルン内の雰囲気を加熱した。
その際、ロータリーキルン内で最も高温となる排出口付近であって、ロータリーキルン下部の雰囲気温度(最高温度)を1385℃とした。また、炭材の投入量を調整することにより、排出口付近であって、ロータリーキルン下部の雰囲気を、PCO2/(PCO2+PCO)=0.7、かつ、CO2分圧を0.7atmとした。ロータリーキルンの傾斜および回転数を調整し、破砕物がロータリーキルンに投入されてから排出されるまでに要する時間を4時間とした。
加熱処理の際に、投入口側に設けられた排気口からロータリーキルン4で発生したガスを排出した。この排出ガスからサイクロン5により粗粒を回収し、サイクロン5で処理した排出ガスをバグフィルタ6に通過させて細粒を回収した。サイクロン5およびバグフィルタ6により回収された粒子を選別して炭酸リチウムを回収した。一方、ロータリーキルンから排出された破砕物を選別して金属コバルト、金属ニッケル並びにマンガンの金属および酸化物を回収した。
本試験での試験条件は、下記のとおりである。
ロータリーキルン:炉内径1m、炉長10m、
破砕物の投入量:1500kg/日、
使用燃料:コークスオープンガス200Nm3/Hr、
酸素供給量:6Nm3/Hr
[試験結果]
本試験でサイクロン5およびバグフィルタ6により回収された粒子を選別し、得られた炭酸リチウムは純度が99%以上となった。ロータリーキルンから排出された破砕物についてリチウムの含有量を確認したところ、2質量%であった。したがって、本発明の第1実施形態のリサイクル方法は、破砕物に第1加熱処理を施すことにより、廃電池に含まれるリチウムの大部分を炭酸リチウムとして回収できることが明らかとなった。
2.廃電池を使用済みマンガン乾電池とした試験
[試験方法]
本試験では、廃電池として使用済みマンガン乾電池を用い、前記図6に示す処理フロー例により、廃電池を破砕してロータリーキルン4に供給して加熱処理を施した。その際、ロータリーキルン内で最も高温となる排出口付近であって、ロータリーキルン下部の雰囲気温度(最高温度)を1400℃とした。また、炭材の投入量を調整することにより、排出口付近であって、ロータリーキルン下部の雰囲気の酸素分圧PO2を10-17atm(log(PO2)=−17)とした。
加熱処理の際に、投入口側に設けられた排気口からロータリーキルン4で発生したガスを排出した。この排出ガスからサイクロン5により粗粒を回収し、サイクロン5で処理した排出ガスをバグフィルタ6に通過させて細粒を回収した。サイクロン5およびバグフィルタ6により回収された粒子を選別して亜鉛を回収した。一方、ロータリーキルンから排出された破砕物を窒素雰囲気下で選別してマンガンおよび鉄の金属および酸化物を回収した。
本試験での試験条件は、下記のとおりである。
ロータリーキルン:炉内径1m、炉長10m、
破砕物の投入量:1500kg/日、
使用燃料:コークスオープンガス135Nm3/Hr、
酸素供給量:6Nm3/Hr
[試験結果]
本試験の熱処理を経た破砕物を選別し、得られたマンガンおよび鉄の金属と酸化物の含有量を確認し、総質量に対する含まれる金属の質量の百分率である還元率を算出した。その結果、得られたマンガンおよび鉄は、いずれも還元率が90%以上であった。したがって、本発明の参考例である第2実施形態のリサイクル方法は、破砕物に第2加熱処理を施すことにより、廃電池に含まれるマンガンおよび鉄の酸化物を還元し、得られるマンガンおよび鉄の還元率を向上できることが明らかとなった。
本発明の廃電池のリサイクル方法によれば、リチウムを含む破砕物に第1加熱処理を施すことにより、リチウムを炭酸リチウムとして回収することができるとともに、リチウムの回収率を向上させることができる。また、マンガンを含む破砕物に第2加熱処理を施すことにより、マンガンおよび鉄の酸化物を還元し、回収されるマンガンおよび鉄の還元率を向上させることができる。
したがって、本発明の廃電池のリサイクル方法により、回収される炭酸リチウムは、ガラス製品やセメント、リチウムイオン二次電池の正極活物質の製造に用いることができる。また、回収されたマンガンおよび鉄は、鉄鋼原料として有害な亜鉛が除去され、含まれるマンガンおよび鉄の還元率が高いことから、高炉および転炉に用いる鉄鋼原料として有用である。このため、本発明の廃電池のリサイクル方法は資源の有効利用に大きく寄与することができる。
1:廃電池、 2:破砕機、
3、31および32:コンベア、 4、41および42:ロータリーキルン、
4a、41aおよび42a:投入口、 4b、41bおよび42b:排出口、
5、51および52:サイクロン、 6、61および62:バグフィルタ、
7:加熱処理を経た破砕物、 91:第1リサイクル装置、
92:第2リサイクル装置

Claims (5)

  1. 廃電池を破砕した破砕物に加熱炉で加熱する第1加熱処理を施し、当該破砕物から金属含有物質を回収する廃電池のリサイクル方法であって、
    前記破砕物としてリチウムを含む破砕物を用い、
    前記第1加熱処理を、最高温度T1(℃)を730℃以上とするとともに、雰囲気をCO2分圧PCO2(atm)とCO分圧PCO(atm)により表されるPCO2/(PCO2+PCO)が下記(1)式を満たし、かつ、CO2分圧PCO2(atm)が下記(2)式を満たす条件で施し、
    前記金属含有物質を回収する際に炭酸リチウムを回収することを特徴とする廃電池のリサイクル方法。
    CO2/(PCO2+PCO)<1/(1+exp(−ΔG0 A/(R・(T1+273.15))) ・・・(1)
    CO2>exp(ΔG0 B/(R・(T1+273.15)) ・・・(2)
    ただし、
    ΔG0 A=(−468200+140.98(T1+273.15))/2−(−565160+172.03(T1+273.15))/2 ・・・(3)
    ΔG0 B=−153750+85.87(T1+273.15) ・・・(4)
    R:気体定数
  2. 前記最高温度T1を1320℃以上とし、
    前記炭酸リチウムを回収する際に、前記第1加熱処理により発生したガスから炭酸リチウムを回収することを特徴とする請求項1に記載の廃電池のリサイクル方法。
  3. 請求項1または2に記載の廃電池のリサイクル方法において、さらに前記第1加熱処理を経た破砕物からマンガン、鉄、コバルトおよびニッケルのうちのいずれか1種以上を回収することを特徴とする廃電池のリサイクル方法。
  4. 廃電池を破砕した破砕物であって、リチウムおよびマンガンを含む破砕物を、請求項1〜3のいずれかに記載の廃電池のリサイクル方法により処理した後に、当該処理を経た前記破砕物に第2加熱処理と、回収処理とを施し、
    前記第2加熱処理では、前記破砕物を加熱炉で最高温度T2(℃)を1200℃以上とし、かつ、雰囲気の酸素分圧P O2 (atm)を下記(5)式を満たす条件として加熱することにより、前記破砕物に含有される低沸点金属を蒸発させるとともに、前記破砕物に含有される高沸点金属の酸化物を還元させ、さらに発生したガスから低沸点金属を回収し、
    前記回収処理では、前記第2加熱処理を経た破砕物から高沸点金属を回収することを特徴とする廃電池のリサイクル方法。
    log(P O2 )≦0.008・T2−26.6 ・・・(5)
  5. 前記加熱炉として、ロータリーキルンを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の廃電池のリサイクル方法。
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