JP5744875B2 - ハイブリダイゼーションを分析するための方法およびシステム - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、マイクロアレイ分析の分野に関する。より具体的には、本発明は、例えば、マイクロアレイにおけるハイブリダイゼーションなどの、溶液における核酸鎖、および固体表面に対して接続された相補鎖の間のハイブリダイゼーションなどの、ハイブリダイゼーションの分析のための方法、およびシステムに関する。
本発明の背景
DNAマイクロアレイなどのマイクロアレイは、分子生物学における最近の研究において広く使用されている。該装置は、例えば、遺伝子発現プロファイリング、単一ヌクレオチド多型の検出、コピー数変異の分析等としてのいくつかの重要な応用性を有する。全てのDNAマイクロアレイが共通に有しているのは、溶液における核酸鎖(標的)および固体表面において共有結合的に接続された相補鎖(プローブ)の間のハイブリダイゼーションという、基礎的で根本的な反応である。
ハイブリダイゼーションは、2つの鎖が二本鎖を形成するための結合親和性の尺度となる(配列依存的)自由エネルギー相違ΔGによって特徴付けられる。最近のマイクロアレイ実験においては、光学読み出しが行われた場合に、ハイブリダイゼーション反応が平衡に到達したと推測される。平衡熱力学によれば、マイクロアレイスポットからの強度Iは、
Figure 0005744875
によって与えられる。式中、Tは、実験温度であり、Rは、気体定数であり、cは、溶液における標的の濃度であり、Aは、光学読み取り装置の増幅因子であり、そして、ΔGは、結合プローブ−標的状態(二本鎖)およびその非結合状態の間の自由エネルギー相違である。
この理論は、ハイブリダイゼーションプロセスが、2−状態プロセスであること、ハイブリダイゼーションが起こったか(結合状態)、または起こっていないか(非結合状態)のいずれかであることを推測させる。この概算は、短い配列に効果的であることが期待される。
Figure 0005744875
極限では、該表現は、簡約することができる
Figure 0005744875
この理論を技術的応用において活用するためには、そして分析目的のためにそれを使用するためには、所与のプローブおよび標的配列についてのΔGの良好な見積もりを持つことが最も重要である。過去数十年において、2つの浮動鎖の間のハイブリダイゼーションの静的および動的特性が議論されてきた。最近傍モデルは、溶液における鎖ハイブリダイゼーションについての自由エネルギー相違の合理的な概算を提供する。このようなモデルは、ハイブリダイゼーション自由エネルギーを、ジヌクレオチドパラメーターの合計として見積もる。これらのパラメーターは、一連の(労働集約的)実験を通して適合された。それにもかかわらず、溶液におけるハイブリダイゼーションと、DNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーションとの間の関係は、未だ明確でない。分子の相互作用のより良い理解は、マイクロアレイをより正確なツールに変える可能性をもたらしうる。
本発明の要旨
標的のハイブリダイゼーションを分析または評価するための良好な方法を提供することは、本発明の実施態様の目的である。
標的のハイブリダイゼーションを分析する、標的の同定および/または定量化を可能にする、またはそのハイブリダイゼーションに関する関連情報を提供するための方法およびシステムが提供されることは、本発明の実施態様の利点である。サンプルを分析するためのハイブリダイゼーション実験を設定するための方法およびシステムが提供されることは、本発明の実施態様の利点である。
これらが、分子の相互作用の自由エネルギーに関わる物理化学的特性の、ならびにハイブリダイゼーションプロセスの時間スケールおよび動力学のより良い理解を提供することは、本発明の実施態様の利点である。本発明の実施態様は、自由エネルギーのより良い特徴付けを、そして、関連する動力学のより良い特徴付けを可能にし、ハイブリダイゼーション実験を実行する場合にこれを考慮に入れることを可能にする。
例えば、DNAマイクロアレイなどのマイクロアレイにおける相互作用のより正確な定量化を実行することができることは、本発明の実施態様の利点である。これが、マイクロアレイの関数の、および表面におけるハイブリダイゼーションに関わる他の技術のより良い理解をもたらしうることは、このような実施態様の利点である。
信頼でき、安価であり、そして迅速な実験である、マイクロアレイにおけるハイブリダイゼーション実験を可能にする方法およびシステムが提供されることは、本発明の実施態様の利点である。したがって、本発明の実施態様は、それらに限定されないけれども、該方法およびシステムは、診断およびオーダーメイド医療にとりわけ適している。
上の目的は、本発明による方法および装置によって達成される。
本発明は、サンプル溶液における標的と、表面において結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションを分析するための方法であって、複数の異なるプローブに対する標的のハイブリダイゼーションについての検出結果を受けること、ここで、該プローブは、該標的と該プローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション検出強度結果の範囲がカバーされるように選択される、およびハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として該検出強度結果を分析すること、を含む方法に関する。該ハイブリダイゼーション結果の良好な分析を可能にする方法およびシステムが得られることは、本発明の実施態様の利点である。例えば、マイクロアレイにおける、ハイブリダイゼーションの分析によって、信頼できて正確な結果を得ることができ、広範囲のハイブリダイゼーションベースのマイクロアレイ応用が可能になることは、本発明の実施態様の利点である。
前記のように検出強度結果を受けるために、または前記のような分析のために、熱力学平衡の到達が考慮に入れられてもよい。
熱力学平衡の到達を考慮に入れる検出強度結果を前記のように受けることは、熱力学平衡が到達したハイブリダイゼーション条件下で得られる、複数の異なるプローブに対する標的のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けることを含んでもよい。
該ハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーション時間、プローブ長、または温度の1または組み合わせを含んでよい。
ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析することは、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの範囲についての関数ハイブリダイゼーション自由エネルギーとして、該検出強度結果の対数を分析することを含んでもよい。
ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として該検出強度結果の対数を分析することは、1の線形関係、またはそれからの偏差が、該検出強度結果の対数の部分と、該ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間で区別することができるかどうかを測定することを含んでもよい。
分析は、該1の線形関係からの偏差が、該検出強度結果の対数の部分と、該ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間で区別することができる場合に、該ハイブリダイゼーションが平衡に到達していないと演繹することを含んでもよい。より詳細には、分析は、傾き1/RTを有する線形関係からの偏差が区別することができる場合に、ハイブリダイゼーションが平衡に到達してないと演繹することを含んでもよい。該線形関係からの偏差は、5%を超える、より好ましくは10%を超える、一層より好ましくは25%を超える、さらに一層より好ましくは33%を超える、偏差であってよい。
該方法は、最近傍モデルに基づき、溶液における標的と表面において結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーを測定することを含んでもよい。例えばマイクロアレイにおいて生じうるなどの、初めに溶液中にある標的と表面に対して結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーを正確に測定することができることは、本発明の実施態様の利点である。
完全マッチプローブ、および2以下の非相補的要素を有するプローブが、ハイブリダイゼーションの間での該標的との相互作用についてのマイクロアレイスポットをそれぞれ分離するために、所与の標的について提供されてもよい。該非相補的要素は、該ハイブリダイゼーション自由エネルギーに対する最小の効果を有してもよい。該ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析することは、前記ハイブリダイゼーションマイクロアレイ実験に基づき、該ハイブリダイゼーション自由エネルギーについて、最近傍モデルの一式の自由エネルギーパラメーターを測定することを含んでもよい。溶液における標的と表面に対して結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーション自由エネルギーの測定のためのモデルを設定するための良好な方法およびシステムが提供されることは、本発明の実施態様の利点である。
該ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として該検出強度結果を分析することは、計測された検出強度結果が該ハイブリダイゼーションについての熱力学平衡に一致するかどうかを測定することを含んでもよい。これらの結果に基づき、実験を特定の熱力学状態において実行することができるように設計することができることは、本発明の実施態様の利点である。後者は、例えば、ハイブリダイゼーション時間、温度、使用されるプローブ長等を調整することによって実行されてもよい。検出強度結果を受けることは、複数の異なるプローブと標的との間ハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けることを含んでもよく、ここで、該プローブは、一式の既知の想定される標的のそれぞれ想定される標的と該プローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション検出強度の範囲がカバーされるように選択される。該ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として該検出強度結果を分析することは、該一式の既知の想定される標的のそれぞれの想定される標的についてのハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として該検出強度結果を分析すること、および該検出強度結果と該ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間の既定の関係を検出することによって実際の標的の存在または濃度を演繹することを含んでもよい。
実際の標的は、少数標的であってもよく、そして、該一式の既知の想定される標的は、該少数標的に加えて、該少数標的と1または2非相補的要素において異なる主要標的も含んでもよい。
実際の標的は、主要標的と1または2の非相補的要素において異なる未知の標的であってもよく、そして、該一式の既知の想定される標的は、該主要標的、および該主要標的と1または2の非相補的要素において異なる一式の標的を含んでもよい。
該方法は、単一ヌクレオチド多型の検出における使用のためのものであってもよい。
ハイブリダイゼーションは、マイクロアレイにおいて実行されてもよい。
ハイブリダイゼーションについての検出強度結果は、標的およびプローブの結合によって形成されるハイブリッドに対して結び付けられる標識の発光によって誘導されてもよい。
本発明は、サンプル溶液における標的と、表面において結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションを分析するためのシステムであって、複数の異なるプローブに対する標的のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けることに適している受ける手段、ここで、該プローブは、該標的および該プローブの間のハイブリダイゼーションについての検出強度の範囲がカバーされるように選択される、およびハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として該検出強度結果を分析することに適している分析手段を含む、システムにも関する。
本発明は、初めに溶液中にある標的と表面に対して結合しているプローブとのハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーを測定するための方法であって、複数のマイクロアレイスポットを使用してハイブリダイゼーションマイクロアレイ実験を実行すること、ここで、該ハイブリダイゼーションマイクロアレイ実験の間における該標的に対する相互作用についてのマイクロアレイスポットを分離するために、所与の標的について、完全マッチプローブ、および2以下の非相補的要素を有するプローブが提供される、前記ハイブリダイゼーションマイクロアレイ実験に基づき、該ハイブリダイゼーション自由エネルギーについての最近傍モデルの一式のパラメーターを測定すること、および該ハイブリダイゼーション自由エネルギーの測定のために最近傍モデルを適用することを含む、方法にも関する。
本発明は、さらに、ハイブリダイゼーションを実行するための方法であって、初めに溶液中にある標的と、表面に対して結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションを実行すること、およびクロス−ハイブリッドした標的を除去するためのデハイブリダイゼーション工程を適用すること、を含む方法に関し、ここで、該デハイブリダイゼーション工程は、標的と、1または2の非相補的要素を有するプローブとの間のハイブリダイゼーションプロセスの弛緩時間に等しいデハイブリダイゼーション時間内で実行され、該弛緩時間は、上で記載したハイブリダイゼーションを分析するための方法を使用して測定される。
本発明は、ハイブリダイゼーション実験を制御することに適した制御器であって、初めに溶液中にある標的と表面に対して結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションを実行することに、およびクロス−ハイブリッドした標的を除去するためのデハイブリダイゼーション工程を適用することに適した制御器にも関し、ここで、該デハイブリダイゼーション工程は、標的と1の非相補的要素を有するプローブとの間のハイブリダイゼーションプロセスの弛緩時間に等しいデハイブリダイゼーション時間を通して実行され、該弛緩時間は、上で記載されたハイブリダイゼーションを分析するための方法を使用して測定される。
本発明は、さらにまた、ハイブリダイゼーションを分析するための方法であって、初めに溶液中にある標的と、表面に対して結合している少なくとも1のプローブとの間のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けること、およびハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として該検出強度結果を分析すること、を含む方法であって、上で記載したハイブリダイゼーションを分析するための方法を使用して測定される熱力学平衡の到達を考慮に入れる方法に関する。
本発明は、一式の既知の想定される標的から実際の標的を同定するためのハイブリダイゼーション計測のためのハイブリダイゼーションキットにも関し、ここで、該ハイブリダイゼーションキットは、複数のマイクロアレイスポットを有するマイクロアレイを含み、それらのそれぞれは、プローブを含み、該複数の異なるプローブは、対応するハイブリダイゼーションが、一式の既知の想定される標的のそれぞれ想定される標的の該ハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション検出強度の範囲をカバーするように選択される。
本発明は、さらにまた、ハイブリダイゼーションキットを設計するための、ハイブリダイゼーションを分析するための方法の使用に関する。
さらにまた、本発明は、コンピューター装置における遂行の場合に、上で記載されたハイブリダイゼーションを分析するための方法を実行するためのコンピュータープログラム製品に関する。それは、このようなコンピュータープログラム製品を記憶している機械可読データ記憶装置、およびローカルエリアまたは広域ネットワークを通したその伝達をも包含する。
本発明の特定の、そして、好ましい側面は、添付の独立のおよび従属の請求項において詳説される。従属請求項の特徴は、必要に応じて、独立請求項の特徴と、および他の従属請求項の特徴と、組み合わせられてもよく、そして、該請求項においてだけ明白に詳説されるわけではない。
本発明のこれらおよび他の側面は、以下で記載される実施態様から明らかであり、そして、それを参照して明瞭にされるであろう。
図1は、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、表面および標的に対して結合している複数の異なるプローブを使用するハイブリダイゼーション実験において計測される強度を、そして、それによって、熱力学平衡が全てのプローブスポットについて到達したわけではないことを表現するグラフを説明し、これは、本発明による実施態様において使用することができる。
図2は、図1におけるようなグラフを、そして、それによって、熱力学平衡が、全てのプローブスポットについて到達したことを説明し、本発明による実施態様において使用することができる。
図3Aおよび図3Bは、既知の一式の標的からの標的の検出のためのハイブリダイゼション自由エネルギーの関数としての検出強度結果のグラフの例を示し、それによって、図3Aは、グラフについて使用される想定上の標的がサンプルにあった実際の標的である場合の結果を説明し、一方、図3Bは、グラフについて使用される想定上の標的が、サンプルにあった実際の標的ではない場合の結果を説明し、本発明による実施態様において得ることができる。
図4は、主要標的と単一のヌクレオチドが異なる少数標的を検出するための方法における分析のためのグラフを説明し、本発明による実施態様において得ることができる。
図5は、本発明の実施態様によるハイブリダイゼーションを実行するための例示的な方法のためのフローチャートを示す。
図6は、本発明の実施態様の特徴を説明する第一の特定の例の反復ハイブリダイゼーション実験における総計強度(a)、および中央値強度(b)についての相関プロットを指す。
図7は、異なる濃度についての−ΔΔGsolの関数としての強度(a)のプロット、および第一の特定の例についてのラングミュア(Langmuir)モデルに基づき予測された挙動(b)のプロットを説明し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
図8は、第一の特定の例についての−ΔΔGμarrayの関数としての強度および完全マッチ強度の割合を示し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
図9は、第一の特定の例についての最近傍適合−ΔΔGμarrayの関数としての
Figure 0005744875
のプロットを示し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
図10は、第一の特定の例についてのΔΔGsolおよびΔΔGμarrayの間での表4および5におけるデータの比較を示し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
図11は、異なる標的濃度を用いる第二の特定の例の特定の実験についての濃度で割った該強度の、ΔΔGの関数としてのプロットを示し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
図12は、DNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーションについての3状態モデルを説明し、本発明の実施態様において使用することができる。
図13は、ハイブリダイゼーションの第二の特定の例についての3状態モデルについてのハイブリダイズしたプローブの比率の数値解法を説明し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
図14は、異なるハイブリダイゼーション時間における第二の特定の例の特定の実験についてのΔΔGの関数としての強度のプロットを示し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
図5は、より短い標的配列に対するハイブリダイゼーションについての図14において示されるようなプロットを示し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
表1は、本発明の実施態様の特徴を説明する第一の特定の例の4つの異なるハイブリダイゼーション実験において標的として使用されるオリゴを説明する。
表2は、本発明の実施態様の特徴を説明する第一の特定の例において使用されるプローブセットの設計を説明する。
表3は、本発明の実施態様の特徴を説明する第一の特定の例の実験において使用されるマイクロアレイごとの標的条件を説明する。
表4は、第一の特定の例について完全マッチ強度を有する強度の対数割合を表現する方程式に対してマイクロアレイデータを適合させることから得られる自由エネルギー相違パラメーターを説明し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
表5は、第一の特定の例についての溶液における融解実験から得られる最近傍パラメーターを使用する表4におけるようなデータを説明し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
表6は、第二の特定の例において使用される標的およびプローブ配列を説明し、本発明の実施態様の特徴を説明する。
図面は、単なる概略図であり、非限定的である。図面において、要素のいくつかのサイズは、誇張され、そして、例示的目的のためのスケールで描かれていないかもしれない。請求項における任意の参照符号は、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。異なる図面において、同一の参照符号は、同一または類似の要素に言及する。
例示的実施態様の詳細な説明
本発明の実施態様において用語「平衡」が使用される場合、従来の標的−プローブ結合の数が時間を通して実質的に変更しないという定常状態が得られる状況を説明する熱力学平衡が述べられる。用語「非平衡」または「非平衡効果」は、時間を通して変更するかもしれない標的−プローブ結合状態の発生に言及するために使用される。本発明の実施態様において、用語「自由エネルギー」が使用される場合、等温等圧熱力学システム変更から得られ得る「有用な」エネルギーを計測する熱力学ポテンシャルに言及するギブス自由エネルギー(ΔG)が述べられる。実施態様において、分析がハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として実行される場合、これは、完全マッチハイブリダイゼーションと、プローブ配列が1または複数の内部のミスマッチを有する場合のハイブリダイゼーションとの間の自由エネルギー相違であるΔΔGのの関数としての分析を含む。
本発明の実施態様において使用される用語ハイブリダイゼーションは、核酸ハイブリダイゼーションに言及する。これは、2またはそれを超える相補鎖核酸の間の非共有配列−特異的相互作用を、単一ハイブリッドへと確立するプロセスに言及する。それらの相補体に対して結合してもよい核酸の鎖は、例えば、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、またはPNAであることができる。ヌクレオチドは、核酸の鎖の塩基性成分を形成する。ハイブリダイゼーションは、(ワトソン−クリック塩基対合の意味において)2つの完全に相補的な鎖の結合を含むが、不完全相補鎖の結合をも含む。不完全相補鎖については、1、2またはそれを超える非相補的要素、好ましくは、1または2の非相補的要素などの、少数の非相補的要素を有する鎖が述べられる。原理上は、非相補的要素の数に限定はないが、非相補的要素が多ければ多いだけこれらは、容易に検出することができ、それにより、これらを検出するための専用の方法を持つ必要性が低くなる。いくつかの適用において、後者は、望まれず、そして、クロス−ハイブリダイゼーションと呼ばれる。不完全相補鎖は、例えば、ミスマッチもしくはループ、または結合特性の任意の局所的変更のような異なるタイプの非相補的要素を含有することができる。非相補的要素は、それによって、自由エネルギーに対する小さな効果を有してもよい。本発明は、特定のタイプに限定されないが、明確さのために、さらに下で与えられる例は、少数のミスマッチを扱う。そのような少数のミスマッチは、例えば、ミスマッチ化されている1、2またはそれを超えるヌクレオチドを含んでもよい。ハイブリダイゼーションは、両方が溶液にある鎖の間で生じてもよいが、本実施態様においては、構想されるハイブリダイゼーションは、初めにサンプル溶液中にある鎖と、表面に対して結合している鎖との間の相互作用である。本発明の実施態様において、用語「プローブ」が述べられる場合、サンプルにおける別の物質の検出または同定を可能にする物質が構想される。例えば、該プローブは、例えば「実際の標的」または標的と呼ばれるサンプル溶液における対象の鎖に対して相補的なオリゴヌクレオチド、DNA、RNA、またはPNA(部分的に)の鎖であってよい。サンプル溶液に存在してもよく、そして、それについてチェックが実行されてもよい対象の目的は、「想定される標的」と呼ばれてもよい。いくつかの本発明の実施態様において、少数標的および主要標的が述べられ、ここで、該少数標的は、該主要標的と異なる、例えば、わずかに異なる標的であり、そして、該主要標的よりも実質的に低い濃度において存在する。本発明によるハイブリダイゼーション実験において、ハイブリダイゼーションの検出は、典型的には、該形成したハイブリッドに対して結び付けられた、例えば、放射性マーカーまたは蛍光マーカーなどのマーカーによって実行されてもよいが、本発明の実施態様は、それらに限定されない。使用されてもよい典型的な蛍光マーカーの例は、シアニン染料ファミリーの染料であるCy3またはCy5であるが、本発明は、それらに限定されない。典型的には、ハイブリダイゼーション実験において、該マーカーによって提供される放射線または蛍光の強度は、検出され、そして、形成されたハイブリッドの数の代表である。
本発明の例および実施態様は、Palo Altoからのアジレント(Agilent)プラットフォームである、マイクロアレイのための特定のプラットフォームを使用して説明されてもよい。それにもかかわらず、本発明の実施態様において説明されるコンセプトおよび特徴は、この特定のプラットフォームに限定されないが、例えば、AffymetrixからのGeneChipsプラットフォーム、またはAmersham BiosciencesからのCodeLink Bioarray プラットフォームなどの他のプラットフォームに変更すべきところは変更して応用することができることに留意すべきである。使用されるモデルについての特定の適合パラメーターは、プラットフォーム依存的であるかもしれないが、本発明の実施態様において詳説される方法の原理および特徴は、これらおよび他のプラットフォームに応用されうる。さらにまた、本発明の実施態様は、マイクロアレイに限定されないが、異なるハイブリダイゼーション計測に応用してもよい。
本発明の第一の側面において、サンプル溶液における標的と、表面において結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションを分析するための方法およびシステムが、説明される。該システムおよび方法は、マイクロアレイにおけるハイブリダイゼーションを分析するのにとりわけ適していてもよいが、本発明はこれに限定されない。本発明の実施態様は、精製応用、混合物からの配列の選択のための応用、診断、小さな変異を検出するための応用、ウイルスを検出するための応用等のために応用し、またはこれらを助力してもよい。
本発明の実施態様によると、該方法は、複数のプローブに対する該標的のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けることを含み、該プローブは、該標的と該プローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション検出強度の範囲がカバーされるように選択される。該複数のプローブ、およびハイブリダイゼーションは、単一のスポットにおける、例えば、マイクロアレイスポットにおける、それぞれのプローブタイプについて試験され、または実行されてもよい。検出強度結果は、ハイブリダイゼーションの間で形成されたハイブリッドに対して結び付けられた標識からの標識発光に基づいて得てもよい。ハイブリダイゼーション検出強度の範囲は、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの範囲がカバーされることを暗示する。検出強度結果を受けることは、実際に強度を計測することによって検出強度結果を得ることを含み、それゆえ、該検出または計測工程を含んでもよく、または、それは、プロセッシングの入力ポートによってデータを受けることを含んでもよい。例として、検出結果を得るための1の例は、マイクロアレイにおける異なるスポットに応用される複数の異なるプローブを提供することを包含してもよい。それによるそれぞれのプローブタイプは、表面に対して、例えば、マイクロアレイスポット表面に対して結合している。さらに検出結果を得ることは、該プローブが接続している該表面に対して該標的を含むサンプル溶液を提供すること、および該ハイブリダイゼーションプロセスが行われることを可能にすることを包含してもよい。このようなハイブリダイゼーションは、プラットフォーム依存的であってよいが、典型的には、少なくとも15時間を獲得してもよい。下で示し、そして議論するであろうように、該ハイブリダイゼーションの計測の前に使用されるハイブリダイゼーション時間、またはプローブの長さ、または温度などのそれに関する要因は、正確な結果を得るにあたり、重要な役割を担うかもしれない。典型的には、マーカーは、ハイブリッドのフォーマットに対して結び付けられてもよい。このようなマーカーは、例えば、ハイブリダイゼーションの光学検出を可能にしてもよいが、本発明はこれに限定されない。検出結果は、それゆえ、ハイブリダイゼーションの間で形成されたハイブリッドに対して結び付けられるマーカーの発光強度を包含してもよい。
上に示すように、熱力学平衡において、初めにサンプル溶液中にある標的と、表面に対して結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション自由エネルギー(ΔG)によって特徴づけられる。このハイブリダイゼーション自由エネルギーΔGは、結合したプローブ−標的状態(二本鎖)とその非結合状態との間の自由エネルギー相違を表現する。初めに溶液中にある標的と、表面に対して結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションの場合におけるそのようなハイブリダイゼーション自由エネルギー(ΔG)値を測定するための方法は、以下で議論されるであろう。該標的と該プローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション検出強度結果の範囲が、検出を望まれる該標的の完全相補体であるプローブ、および完全には相補的でないプローブ、例えば、該標的の完全な相補体を形成するにはミスマッチである、例えば1または2のヌクレオチドを有し、ループ等を示すプローブを含んでもよいように、複数の異なるプローブは、選択される。構想される応用に依存して、複数の異なるプローブは、構想される単一の標的のための、主要標的および少数標的のための、1の標的が選択されるべき一式の標的のための、そのようなプローブ等を含んでもよい。
該方法は、さらに、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、該計測されたまたは検出された強度を分析することを含む。ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、計測された、または検出された強度を分析することの1つの例示的な方法は、図1を参照して議論されるが、本発明の実施態様は、それらに限定されない。
上で記載される複数の異なるプローブを使用すると、該ハイブリダイゼーション実験は、プローブタイプごとに強度値をもたらす。該ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、例えば、想定される標的のための該完全マッチ自由エネルギーに関するハイブリダイゼーション自由エネルギーの相違の関数として、該計測された強度を評価することは、該ハイブリダイゼーションプロセスそれ自体、ならびに該ハイブリッド、標的、および/またはプローブに関する付加的な情報を提供することを可能にする。後で議論するように、このような分析は、熱力学平衡の到達を考慮に入れてよく、例えば、該分析は、該ハイブリダイゼーションが未だ平衡にはないことを考慮に入れてもよい。該分析は、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの範囲についての関数ハイブリダイゼーション自由エネルギーとしての該検出強度結果の対数の分析を含んでもよい。該分析は、1の線形関係、またはそこからの偏差が、該検出強度結果の対数の部分と、該ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間で区別することができるかどうかを測定することを含んでもよい。線形関係からの偏差は、5%を超える、例えば、10%を超える、例えば、25%を超える、例えば、33%を超える、偏差であってよい。該分析は、傾き1/RTとのを有する線形関係が、区別されうるかどうかを測定することを含んでもよい。この分析からは、例えば、標的の存在、少数標的の存在、一式の標的からの1の標的の同定、平衡が到達した、またはしていないことの同定等などの、異なる結論が引き出されうる。
図1は、想定される標的についての完全マッチ自由エネルギーに関するハイブリダイゼーション自由エネルギーの相違の関数として計測された強度の対数を説明する。上で示すように、図1において、いくつかの強度計測は、ハイブリダイゼーションが熱力学平衡にあるスポットに一致するが、他はそうではない。さらにまた、応用において説明するように、平衡またはそうではない、標的の存在、標的の濃度、変異の同定等、などの特徴は、以下で議論される異なる応用の下でさらに説明されるように該分析において演繹されてもよい。複数の応用のために後で説明されるであろうように、該分析は、複数の標的について上の分析を考慮すること、およびそれに基づき実際の標的を選択することをも含んでもよい。
本発明の実施態様によれば、検出結果を受けること、および/または該結果を分析することは、熱力学平衡の到達を考慮に入れてもよい。換言すれば、検出強度結果を受けること、および/またはそれらを分析することは、既に熱力学平衡状態が到達しなかったという事実を考慮に入れてもよい。いくつかの本発明の実施態様において、検出結果を受ける工程は、該ハイブリダイゼーションの熱力学非平衡状態を考慮に入れてもよい。後者は、例えば、熱力学平衡または熱力学非平衡が得られうるようにハイブリダイゼーション条件を適合させることを包含してもよい。このようなハイブリダイゼーション条件は、例えば、ハイブリダイゼーションが実行される温度、使用されるプローブの長さ、使用されるハイブリダイゼーション時間等、を含んでもよい。いくつかの本発明の実施態様において、分析の工程は、ハイブリダイゼーションについての熱力学非平衡状態を考慮に入れる。後者は、得られる特定の数の強度結果を廃棄すること、得られるデータの部分に対して既定の相関を適合させること、によって実行してもよい。いくつかの実施態様において、それは、異なる既定の相関を検出された強度に対して適合させることによって実行され、1つは平衡状態の代表であり、そして、1つは非平衡状態の代表である。
理論によってしばられることは欲しないが、本発明による方法および/またはシステム実施態様で得られた結果は、非平衡効果の発生によって説明され得た。より詳細には、典型的には熱力学平衡の推測は、ハイブリダイゼーション実験において作られたが、熱力学非平衡効果が顕著な役割を果たすことが、驚くべきことに見出された。実験は、ハイブリダイゼーション時間の増大に際して、ハイブリダイゼーション実験において従来的に使用される時間を実質的に通して、より多くのプローブが平衡に到達することを示す。非平衡効果のための実験結果は、ハイブリダイゼーションのための最近傍モデルを使用して測定され得たハイブリダイゼーション自由エネルギー(ΔG)の測定によって説明され得た。標的と、表面に対して結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションについての最近傍モデルが、応用されることができ、そして、モデルパラメーターが、特定の実験設計および専用のカスタムマイクロアレイによって測定されることができ、その例は、以下でさらに説明される。上で言及した2−状態モデルから3状態モデルに該ハイブリダイゼーション理論を拡張することによって、実験的に測定された非平衡効果の形成は、説明され得た。ハイブリダイゼーション実験において計測される強度Iの対数を、ハイブリダイゼーション自由エネルギー(ΔG)の関数として表現する図1において示されるように、傾き1/RTを有するlog(I)およびハイブリダイゼーション自由エネルギー(ΔG)の間の部分的な線形関係の確認だけを得ることができた。異なる、すなわち、より小さい傾きで、log(I)と該ハイブリダイゼーション自由エネルギー(ΔG)との間のおおよそ線形挙動を有する外れたレジームがあることを見ることもできる。
注目すべきことに、本発明の実施態様は、主にハイブリダイゼーションを分析する、またはハイブリダイゼーション実験を設定するためのシステムおよび方法に取り組むけれども、本発明の1の側面の実施態様は、初めに溶液中にある標的と、表面に対して結合しているプローブとのハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーを測定するための、または初めにサンプル溶液中にある標的と、表面に対して結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーション自由エネルギーについての最近傍モデルを設定するための、方法およびシステムにも関する。それによる方法は、複数のマイクロアレイスポットを使用するハイブリダイゼーションマイクロアレイ実験を実行することを含み、ここで、所与の標的について、完全マッチプローブ、および2のヌクレオチドミスマッチなどの2以下の非相補的要素を有するプローブが、例えば、ハイブリダイゼーションマイクロアレイ実験の間に、標的との相互作用のための分離マイクロアレイスポット上にプリントすることによって、提供される。該方法は、該ハイブリダイゼーションマイクロアレイ実験に基づき、ハイブリダイゼーション自由エネルギーについての最近傍モデルのための一式のパラメーターを測定することをも含む。随意的に、該方法は、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの測定に直接に応用されてもよい。
ハイブリダイゼーションについての非平衡条件へ戻ると、注目すべきことに、応用、およびそれらの解釈については、どのレジームにおいて計測が行われるかを知ることが有利である、というのは、該レジームは、例えば、標的−プローブ二本鎖におけるミスマッチなどの付加的な非相補的要素による強度に対する効果に影響を与えるからである。もし、例えば、完全マッチ標的に対して、できるだけ特異的であるプローブが望まれるならば、不完全マッチ標的が該プローブにハイブリダイズすることを避けるために、すなわち、クロス−ハイブリダイゼーションを避けるために、最高の傾きを有する対数的検出強度とハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間の関係を示すレジームにおいて、計測が実行されることが重要である、というのも、これは、最高の特異性を有するレジームであるからである。
1つの実施態様において、一式の既知の想定される標的から実際の標的を同定するのにとりわけ適したハイブリダイゼーション計測を実行するための方法が説明される。該方法は、複数の異なるプローブに対する実際の、しかし未知の、標的のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けることを含み、一式の既知の想定される標的のそれぞれ想定される標的と該プローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション検出強度の範囲がカバーされるように、該プローブは選択される。後者は、自由エネルギーの範囲がカバーされることを直接に暗示する。該方法は、該一式の既知の想定される標的の該想定される標的のそれぞれについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として該検出強度結果を分析すること、および該検出強度結果と該ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間の既定の関係を検出することによって実際の標的の存在または濃度を演繹することをも含む。平衡の到達が考慮に入れられることは利点であるが、該実施態様はそれらに限定されない。さらなる応用において、実際の標的は、例えば、1または2のヌクレオチドミスマッチなどによって1または2の非相補的要素において少数標的とわずかに異なる既知の主要標的と一緒に存在する既知の少数標的であり、そして、該応用が、該少数標的の存在の検出、および相対的濃度の定量化を可能にする。別の応用において、実際の標的は、例えば、1または2のヌクレオチドミスマッチなどによって、1または2の非相補的要素において主要標的とわずかに異なる未知の標的であり、そして、一式の既知の想定される標的は、主要標的および1または2のヌクレオチドにおいて該主要標的と異なる一式の標的を含み、および該応用は、実際の標的の同定を可能にする。さらなる詳細および利点は、以下で提供される例示的な応用において説明される。
この第一の側面による実施態様は、主に、方法として説明されてきたが、システムも包含される。
本側面によるシステムは、典型的には上で記載した検出強度データを受けるための、例えば、入力ポート、あるいはその代わりのハイブリダイゼーション計測セットアップなどの、受ける手段、および上で記載した結果を分析するためのプロセッシング手段またはプロセッサを含む。該システムは、さらにまた、本応用において記載される方法実施態様において記載される付加的な機能性を実行するための付加的な成分を含んでもよい。
1つの側面において、本発明は、ハイブリダイゼーションを実行するための方法にも関し、ここで第一に、ハイブリダイゼーション工程は、初めにサンプル溶液中にある標的と、表面に対して結合しているプローブとの間で実行され、そして、その後、デハイブリダイゼーション工程が、クロス−ハイブリダイズした標的を除去するために実行される。該デハイブリダイゼーション工程は、標的と、該望まない非相補的要素、例えば、ミスマッチを有する表面−結合プローブとの間のハイブリダイゼーションプロセスの弛緩時間に実質的に等しいデハイブリダイゼーション時間を通して実行される。完全マッチに対するハイブリッドを保持しながら、後者は、該非相補的要素を有するそのようなハイブリッドの除去を可能にする。該弛緩時間は、上で記載した方法を使用して有利に測定され、標的および該非相補的要素を有するプローブに応用されてもよい。ハイブリダイゼーションを実行するためのこのような方法の例は、例示的な応用によって、以下で与えられる。本側面は、ハイブリダイゼーション実験のために使用されるハイブリダイゼーションセットアップを制御し、そして、それゆえに上で記載したハイブリダイゼーション実験を制御するための制御器にも関する。該制御器は、それゆえ、ハイブリダイゼーション工程を実行することに、およびクロス−ハイブリダイズした標的を除去するためのデハイブリダイゼーション工程を実行することに適しており、それによって該デハイブリダイゼーション時間が、上で記載したハイブリダイゼーションを分析するための方法を使用して有利に測定されるものであってもよい。該制御器は、上で記載したハイブリダイゼーションを実行するための方法の工程を実施するアルゴリズムを実行するためのプロセッサを含んでもよい。
別の実施態様において、本発明は、初めに溶液中にある標的と、表面に対して結合している少なくとも1のプローブとの間のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けること、および該ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、該検出強度結果を分析することを含む、ハイブリダイゼーションを分析するための方法に関する。それによる方法は、上で記載したハイブリダイゼーションを分析するための方法を使用して有利に測定されてもよい熱力学平衡の到達を考慮に入れる。
本発明のさらに別の側面において、一式の既知の想定される標的から実際の標的を同定するためのハイブリダイゼーション計測のためのハイブリダイゼーションキットが記載される。該ハイブリダイゼーションキットは、複数の異なるプローブが、検出強度の範囲、およびそれに一致する一式の既知の想定される標的のそれぞれ想定される標的と該プローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーの範囲をカバーするようにそれらのそれぞれがプローブを含む、複数のマイクロアレイスポットを有するマイクロアレイを含む。該ハイブリダイゼーションキットは、本発明において記載される応用を実行することにとりわけ適していてもよいが、本発明はこれに限定されない。異なるプローブは、互いに異なる、または、ハイブリダイゼーション自由エネルギーに対して小さな影響を有するミスマッチなどの1または2の非相補的要素によって、複数の異なるプローブの1の部分セットと、わずかにだけ異なってもよい。
未だ別の側面において、ハイブリダイゼーションを分析するための方法は、ハイブリダイゼーションキットを、例えば、上で記載したキットを設計するために使用されもよいが、それらに限定されない。該方法は、1の例において、該プローブの所与の長さについて、平衡が得られたであろうかどうかを測定するために使用されてもよく、そして、したがって、使用されるプローブの長さを決定するためのハイブリダイゼーションキットの設計において使用されもよい。別の例において、該方法は、十分な範囲の検出強度、およびそれに一致する十分な範囲のハイブリダイゼーション自由エネルギーが、既定の一式のプローブによってカバーされるかどうかを測定するために使用されてもよく、そして、必要であれば、一式のプローブは、このことを考慮して調整されもよい。ハイブリダイゼーションを分析するための上の方法に基づき、多数の設計指針が演繹されもよい。
上で記載したハイブリダイゼーションを分析するための方法は、こうして、ハイブリダイゼーション実験を較正または設定するための方法としても使用され、以下で記載されるであろう最近傍モデルを較正するための方法として使用され、そして、実行されるハイブリダイゼーション実験を分析するために使用されてもよい。
例として、本発明は、それらに限定されず、本発明の実施態様とともに実行し、または使用することができる数多くの応用の例が以下に示される。
第一の例示的な応用は、ハイブリダイゼーション実験が平衡にあるか、またはないかを測定するためのシステムまたは方法に関する。該方法は、複数の異なるプローブを使用してハイブリダイゼーション実験を実行することを含み、それによって、該標的についての完全マッチプローブ、および非相補的要素、例えば、該標的に対するミスマッチを含有するプローブを含むように、十分な範囲の強度、およびそれに一致するΔGがカバーされるような方法で、異なるプローブが選択される。ハイブリダイゼーション実験は、そうして、プローブごとの強度値をもたらす。ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、例えば、想定される標的についての完全マッチ自由エネルギーに関するハイブリダイゼーション自由エネルギーの相違の関数として、計測された強度を評価することは、スポットが平衡に到達したか、またはしていないかを測定することを可能にする。計測される対数的強度と、該ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間の既定の関係を満足させる、例えば、傾き1/RTを有する線に位置するスポットは、平衡にあり、それから外れるスポットは、平衡にはない。上で図1において示すように、いくつかのスポットが、熱力学平衡にある一方、他は、そうではなくてよい。平衡にはないスポットに対応する強度は、対数的強度と、ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間の既定の関係を満足させない。図1において、グラフにおける下線上のスポットだけが、平衡にあるスポットに一致する。図2は、実験を説明し、それによって、全てのスポットについて熱力学平衡が到達した。図2において示される例は、標的が図1におけるよりも短い(30ヌクレオチドの代わりに25ヌクレオチド)例に基づくものであり、そして、より迅速な動力学を可能にし、その結果としてより早く平衡状態への到達を可能にする。
第二の例示的な応用は、ハイブリダイゼーション実験の特異性を増大させるためのシステムまたは方法に関する。該特異性は、クロス−ハイブリダイゼーションを最小化することによって増大する。後者は、ハイブリダイゼーション実験が平衡に到達した後、クロス−ハイブリダイズした標的を除去するためのデハイブリダイゼーション工程を適用することによって得られる。それによるデハイブリダイゼーション工程は、本例におけるミスマッチである非相補的要素を有する標的−プローブ複合体についてのハイブリダイゼーションプロセスの弛緩時間に等しいデハイブリダイゼーション時間によって特徴づけられ、これは、本発明の実施態様による方法を使用して決定することができる。それは、全ての望まれない非相補的要素のハイブリダイゼーションエネルギーに対して(完全マッチを基準として)最小の効果を有する非相補的要素を有する標的−プローブ複合体の弛緩時間に等しく設定されてもよい。非相補的要素を含有する該標的−プローブ複合体のハイブリダイゼーションは、より低い自由エネルギーを有するので、少なくとも1つの非相補的要素を有する標的−プローブ複合体の弛緩時間は、非相補的要素を有さない標的−プローブのデハイブリダイゼーション時間とは異なり、典型的には、これより短い。最適なデハイブリダイゼーション時間を測定するためには、分析は、ΔGの関数としてのlogIのグラフでできており、そして、該デハイブリダイゼーション時間の選択は、該非相補的要素を有するプローブに一致する強度に対しての完全マッチを有するプローブに一致する強度の該割合が最大である条件について実行される。該デハイブリダイゼーションは、例えば、該標的分子が該溶液から除去されるように該サンプルを洗い落とすことによって実行されてもよい。該洗浄は、純水を用いて、または適当な溶媒を含有する水溶液を用いて行われてもよい。該デハイブリダイゼーション工程を適用することによって、大半のクロス−ハイブリダイズした標的が除去されるであろうが、一方、大半の完全マッチ標的は、該プローブ−スポット上に残るであろう。このようなシステムまたは方法は、マイクロアレイ応用のために応用されもよいが、本発明はこれに限定されない。該技術は、精製のために、例えば、シークエンシング実験等のための準備工程としての混合物からの配列の選択のために、応用することもできる。
第三の例示的な応用は、一式の既知の標的から標的を同定するための、すなわち既知の一式の標的のどれが該溶液にあるかを知りたい場合の、システムおよび/または方法に関する。この問題は、シークエンシングによって解決することができるでろうが、該問題は、ハイブリダイゼーション実験によって解決することもできるでろう。該システムおよび/または方法は、複数の異なるプローブを使用するハイブリダイゼーション実験を実行し、それによって、一式の既知の標的のそれぞれの標的について、十分な範囲の検出強度、およびその結果としてのΔGがカバーされる方法で、該標的のための完全マッチプローブ、および該標的に対する非相補的要素を含有するプローブを含むように、該プローブが、選択されることを含む。該ハイブリダイゼーションは、マイクロアレイ実験において実行されもよいが、本発明の実施態様は、それらに限定されない。そして、該ハイブリダイゼーション実験は、プローブごとに強度値をもたらす。該既知の一式の標的のそれぞれの想定される標的について、複数の異なるプローブについて計測される強度は、想定される標的のハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、例えば、想定される標的のための完全マッチ自由エネルギーに関するハイブリダイゼーション自由エネルギー間の相違の関数として、評価される。実際の標的の場合にだけ、既定の相関が、該評価において検出されうるので、この評価に基づいて、該溶液における実際の標的の同定は、実行することができる。例として、このような評価の例は、図3Aおよび図3Bに示される。該計測される強度は、想定される標的についての完全マッチ自由エネルギーに関するハイブリダイゼーション自由エネルギーの相違の関数として示される。該図のx軸は、想定される選択される標的に依存する、というのは、該軸についての該特性は、該プローブおよび該想定される標的の間の該自由エネルギーの関数、すなわち、ΔGの関数(プローブ_i、想定される標的)だからである。図3Aは、該溶液における実際の標的に一致する想定される標的について得られ、単一曲線をもたらす、または別の言い方をすれば、単一曲線への該データ点を崩壊させる結果を説明し、その一方、図3Bは、該溶液における実際の標的に一致しない想定される標的について得られる結果を説明する。後者の場合においては、単一曲線は得られない。実際の標的は、該ハイブリダイゼーション実験の間で計測される強度と、想定される標的ΔG(プローブ_i、想定される標的)についてのハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間の既定の関係が評価によってもたらされるところの該想定される標的として同定することができる。
第四の例示的な応用は、少数標的に非常に類似している主要標的を含む溶液における少数標的の存在を検出する、および/または、該存在を定量化するためのシステムおよび/または方法に関する。非常に類似することに関しては、1または2のヌクレオチド相違などの1または2の非相補的要素だけがあることの意味が存在してもよい。本発明の実施態様による方法およびシステムは、少数標的の存在を演繹すること、および/または該少数標的が存在する割合の見積もりを演繹することを可能にする。該溶液に存在する主要標的とわずかにだけ異なる、サンプル溶液における少数標的の検出のためのシステムおよび方法の精度が高いことは、本発明の実施態様の利点である。例えば、サンガー(Sanger)シークエンシング技術の得られうる検出限界のような20%よりも実質的に高い少数標的についての検出限界を得ることができることは、本発明の実施態様の利点である。ハイブリダイゼーション実験に基づいて検出が実行されてもよいことは、本発明の実施態様の利点である。該システムおよび/または方法は、複数の異なるプローブを使用するハイブリダイゼーション実験を実行し、それによって、該主要標的および該少数標的の両方について、該標的についての完全マッチプローブ、および該標的に対する非相補的な要素を含有するプローブを、十分な範囲の検出強度、およびその結果としてのハイブリダイゼーション自由エネルギーΔGがカバーされるような態様で含むように、該プローブが選択されることを含む。該ハイブリダイゼーションは、マイクロアレイ実験において実行されてもよいが、本発明はこれに限定されない。該ハイブリダイゼーションが実行され、それぞれのプローブについての強度値がもたらされる。該主要標的について、該複数の異なるプローブについて計測される強度は、そうして、該想定される標的の該ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、例えば、該想定される標的についての該完全マッチ自由エネルギーに関するハイブリダイゼーション自由エネルギーの間の相違の関数として、評価される。この評価に基づき、該少数標的の存在は、演繹することができる:もし、単一の、既定の相関が演繹される場合、すなわち、もし、該データが、単一曲線に崩壊する場合、該少数標的は、検出限界内に存在しない。もし、単一曲線または既定の相関からの偏差がある場合には、該少数標的は、存在し、そして、該割合は、見積もることができる。後者は、例えば、以前に実行された較正計測に基づいて、または、該計測された強度の対数を該自由エネルギーΔGに対して相関させる拡張した方程式に基づく理論的計算によって、実行されてもよい。例として、上で記載した方法を使用する主要標的とは単一のヌクレオチドが、異なる少数標的を検出するための可能性を説明する特定の試験実験が、図4に示される。実験は、既知の濃度の少数標的を含有し、0.1%〜30%異なるプロットを通して変化するサンプルを用いて、実行された。図4において、該少数標的の存在に対して最も精度が高いスポットは、三角形として指される。本例において、1%〜3%以降、該少数標的の検出が可能であることが、見て取れる。このような検出限界は、サンガー(Sanger)シークエンシングを使用して従来得られたものよりも実質的に良好である。該実験は、上で記載したように、ハイブリダイゼーション実験において非平衡効果を考慮に入れることによってさらに最適化することもできる。後者は、典型的には、三角形によって指される最も低いスポットだけが、平衡にあり、したがって、最も精度が高いという結果をもたらす。定量化は、したがって、好ましくは、これらのより低いスポットに基づく。
第五の例示的な応用は、以前の応用において記載されるのと同様に、サンプルにおける少数標的の検出に関するが、ここで、該少数標的は、それ自体既知ではないが、1または2のヌクレオチドである本例において、1または2の非相補的要素によって該主要標的と異なるだけである。該少数標的の配列は、次に、上で詳説される実験を実行することによって演繹することができ、それによって、どのプローブが該少数標的に一致するかは、先験的には知られない。自由エネルギーの関数としての強度についての既定の相関から外れるそれらの強度値に一致するプローブの同定は、標的の配列の同定を可能にするかもしれない。そのような技術が、単一ヌクレオチド多型を探索することに有利に応用することができることは、本発明の実施態様の利点である。単一ヌクレオチド多型の探索に取り組むための純粋に統計的な方法に関する代替的な、そして、補足的な技術が提供されることは、本発明の実施態様の利点である。
上で記載された異なる例示的な応用は、組み合わせて、有利な特徴および検出方法をもたらすことができる。
本発明は、図面および上述の記載において詳細に説明および記載してきたが、このような説明および記載は、説明的または例示的であり、そして、制限的ではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施態様に限定されない。
1つの側面において、本発明の実施態様は、ハイブリダイゼーション実験を分析するための方法、またはハイブリダイゼーション実験を設定するための方法の少なくとも部分を実行するためのコンピューター実施方法にも関する。本発明の実施態様は、対応するコンピュータープログラム製品にも関する。該方法は、コンピューティングシステムにおいて実施されてもよい。それらは、ソフトウェアとして、ハードウェアとして、または、それらの組み合わせとして実施されてもよい。このような方法は、自動および/または自動様式においてコンピューター上で、実行されることに適していてもよい。ソフトウェアとしての実施または部分的な実施の場合には、このようなソフトウェアは、1または複数のプロセッサに基づき、適切なコンピューターまたはコンピュータープラットフォームを進行するのに適していてもよい。該ソフトウェアは、例えば、Windowsオペレーティングシステム、またはLinuxオペレーティングシステムなどの任意の適切なオペレーティングシステムとともに使用することに適していてもよい。該コンピューティング手段は、データをプロセッシングするためのプロセッシング手段またはプロセッサを含んでもよい。いくつかの実施態様によって、該プロセッシング手段またはプロセッサは、上で記載した方法のいずれかによる1または複数のハイブリダイゼーション実験の分析を実行することに適していてもよい。該プロセッサは、したがって、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、計測された強度を評価することに、そして、分析結果をそこから測定することに適していてもよい。このような分析を実行することは、例えば、特定のプローブに対するハイブリダイゼーションが平衡において計測されたかどうかを測定すること、既知の標的の存在を測定すること、少数標的の存在および/または量を測定すること、少数標的が存在することを同定すること、等を含んでもよい。プロセッサに加えて、該コンピューティングシステムは、さらにまた、例えば、ROMまたはRAMを含むメモリーシステム、例えば、CD−romまたはDVDドライブなどの出力システム、または、ネットワークを通して情報を出力するための手段を含んでもよい。例えば、キーボード、ディスプレイ、ポインティング装置、入力および出力ポート等などの従来のコンピューター部品も、含んでよい。データ輸送は、データバスに基づいて提供されてもよい。該コンピューティングシステムのメモリーは、該コンピューティングシステム上で実施される場合に、上で詳説した方法の標準的な工程の部分またはその全ての、および随意的に、上で詳説した随意の工程の実施をもたらす一式の取扱説明書を含んでもよい。例として、コンピューター実施方法の例示的なフロースキームは、図5に示されるが、本発明は、それらに限定されない。ハイブリダイゼーションを分析するための該コンピューター実施方法500は、少なくとも1の標的についての異なるハイブリダイゼーション自由エネルギーΔGを有する複数の異なるプローブを使用するハイブリダイゼーション実験について計測される強度を受けること510を含んでもよい。このように受けることは、入力手段によって以前のに得られたデータを受けることであってもよい。また、このように受けることは、該ハイブリダイゼーション実験の間の計測を直接に通じてデータを得ることも含んでよい。対応するコンピューティングシステムは、したがって、入力を受けるための入力手段を含んでもよい。結果は、中間で保存されてもよい。該方法は、さらに、検出強度の範囲、およびそれに応じてハイブリダイゼーション自由エネルギーの範囲について、少なくとも1の標的についてのハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として、計測される強度を評価すること520を含んでもよい。検出強度またはハイブリダイゼーション自由エネルギーの範囲は、特徴づけられるべき標的の関数として選択されてもよい。このような範囲の選択は、例えば、以前に得られた結果に基づくもの、または試行錯誤を通したものであってもよい。評価することは、計測された強度およびハイブリダイゼーション自由エネルギーの間の相関、またはそれに基づくもしくはそれの関数である特性を測定することを含んでもよい。該応用に依存して、このような評価は、1の標的について、関連するかもしれない複数の既知の標的について、などで実行されてもよい。このような評価は、該プロセッサの部品の評価によって実行されてもよい。該コンピューター実施方法は、該評価に基づき、例えば、該強度と該ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間の確立した相関に基づき、少なくとも1の標的および/またはそのハイブリダイゼーションに関する情報を演繹することも含んでよい。後者は、例えば、ハイブリダイゼーションによって検討される該サンプル中に存在する実際の標的を測定すること、ハイブリダイゼーションによって研究されるサンプル中に存在する少数標的の存在および/または濃度を測定すること、研究されるサンプルにおける標的の単一ヌクレオチド多型を検出すること、ハイブリダイゼーションによって検討されるサンプル中に存在する実際の標的を特徴づけること、実行されたハイブリダイゼーション実験が所与のプローブについて平衡にあったかどうかを測定すること、等を含んでもよい。このような情報は、既定の曲線を、得られた相関に適合させること、既定の曲線からの偏差を評価すること、曲線の部分の傾きを測定すること、等に基づき演繹されてもよい。得られた結果は、例えば、プロッター、プリンター、ディスプレイなどの出力手段を通して、または、電子フォーマットにおける出力データとして、出力されてもよい。
該コンピューティングシステムおよび/または対応するコンピューター実施方法は、該ハイブリダイゼーション実験自体の性能を制御することに適していてもよいが、本発明は、それによって限定されない。
本発明の実施態様のさらなる側面は、コンピューター装置上での実行のための機械可読コードを持つキャリヤ媒体において具体化されるコンピュータープログラム製品、コンピュータープログラム製品それ自体、およびdvdもしくはcd−romまたはメモリー装置などのデータキャリヤを包含する。実施態様の側面は、さらにまた、例えば、ローカルエリアネットワークまたは広域ネットワークなどのネットワークを通したコンピュータープログラム製品、およびそれに連絡する伝達シグナルの送信を包含する。
例として、それによって本発明は限定されないが、ある例は、最近傍モデルの自由エネルギーパラメーターが、どのようにDNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーションについて得られた結果に適合されることができたか、について与えられる。該例は、本発明の実施態様の特徴および利点を説明する。本例については、理論的考察が考慮に入れられるが、本発明の実施態様は、それによって限定されない。本研究については、それぞれ異なる濃度での溶液において単一のオリゴヌクレオチド配列(この文書においては、標的と呼ばれる)を用いる数個のハイブリダイゼーション実験が実行された。4つの異なる標的が、該実験において使用された。そして、それらの配列は、表1において与えられる。該配列は、30−merハイブリッド伸張を含有し、20−merポリ(A)スペーサー、およびCy3標識が該配列の3’末端に続く。それぞれの標的オリゴは、標的合成の質をチェックするために二通り購入した。参照は、aおよびbとしての2つの重複オリゴで行われるであろう。マイクロアレイ表面においてプリントされ、そして、本明細書においてはプローブと呼ばれる配列は、表2において示すスキームに従い、2以下のミスマッチを含有するように選ばれた。末端領域を避けるために、ミスマッチは、該30−mer配列に沿ってヌクレオチド6からヌクレオチド25へ挿入された。2つのミスマッチを有するプローブにおいて、これらは、少なくとも5ntによって分離された。標的鎖のヌクレオチドが与えられた場合、3つの異なる想定されるミスマッチヌクレオチドおよび20の入手可能位置があり、それゆえ、総計では60の単一ミスマッチ配列がある。二重ミスマッチのための類似の集計は、945の異なる配列(表2)を生じさせる。該完全マッチのものを含むプローブ配列の総計数は、1006である。それぞれの実験のために、1の標的および1の8x15K カスタムアジレント(custom Agilent)スライドが使用された。このスライドは、8つの同一のマイクロアレイからなり、そして、これらのそれぞれは、15000を超えるに至るまでのスポットを含有することができる。該1006のプローブ配列は、15回、該カスタムアレイにおいてスポットされた:配列スペーサーの効果を査定するために、12の反復においては30−merポリ(A)が、3’−側(表面)上に付加された。3つの反復は、ポリ(A)スペーサーを含有しなかった。1つのスライドの該8つのマイクロアレイは、同一実験の間でハイブリダイズされるべきであるが、異なる標的溶液を使用することができる。該実験において、標的濃度は、表3において与えられるスキームによる50〜10000pMの範囲であった。実験1においては、標的aだけが使用されたが、実験2、3および4においては、両方の反復標的(aおよびb)が使用された。最後に、実験1および2において、標的の断片化が、ハイブリダイゼーションの前に実行された(詳細については、ハイブリダイゼーションプロトコルにおけるセクションを参照のこと)。該4つの30−mer標的配列は、43%〜50%に及ぶGC含量を有するヒト遺伝子の断片から選択された。該標的配列を選択するための基準は、全てのミスマッチが該実験においておおよそ等しく存在するように、表2におけるスキームに従って設計されるプローブが、ミスマッチタイプのほぼ平坦なヒストグラムを産出するであろうという要件であった。
該実験のためには、商業的に入手可能なアジレント(Agilent)プラットフォームが、使用され、そして、次に記載するように、アジレント(Agilent)製品を用いる標準的なプロトコルに従った。該標的オリゴヌクレオチドは、Eurogentec、Seraing、Belgiumからのoligold(著作権)であった。ハイブリダイゼーション混合物は、ヌクレアーゼを含まない水において5μlの10xブロッキング剤、および25μl 2xGExハイブリダイゼーションバッファーHI−RPMとともに最終濃度にまで希釈した3’−Cy3末端標識を有する1つの標的オリゴヌクレオチドを含有していた。実験1および2において、該ハイブリダイゼーションバッファーの添加は、断片化工程によって進められ、1μlの断片化バッファーが添加され、その後、60℃での30分間のインキュベーションが続いた。この断片化バッファーは、通例、アジレント(Agilent)ハイブリダイゼーションプラットフォームにおいて使用され、そして、ハイブリダイゼーション反応を加速させるために、低下した長さの標的配列を産出する。生物抽出物から、例えば、mRNAサンプルの逆転写から得られるような長すぎる配列は、立体障害によってハイブリダイゼーション効率が低下した。断片化ありおよびなしを比較する実験によって、該断片化工程が結果に対してわずかな効果しかないことが見出された。該ハイブリダイゼーション混合物は、1分間、13000r.p.m.で遠心分離され、そして、該8x15K カスタムアジレント(custom Agilent)スライドのそれぞれのマイクロアレイが、40μlでロードされた。
該ハイブリダイゼーションは、ローター設定値10を用いて、17時間、65℃でのアジレント(Agilent)オーブンにおいて生じ、そして、洗浄は、製造業者の取扱説明書にしたがって実行された。該アレイは、5mm解像度で高および低レーザー強度においてアジレント(Agilent)スキャナー(G2565BA)上でスキャンされ、そしてさらに、自動グリッディング、強度計測、バックグラウンド除去、および品質チェックを実行するAgilent Feature Extraction Software(GE1 v5 95 Feb07)を使用して処理された。
本例においては、以下の通りのスポットからのハイブリダイズしたプローブの割合であるθについてレート方程式によってハイブリダイゼーションの動力学を記載するためのラングミュア(Langmuir)モデルが使用され、
Figure 0005744875
ここで、cは、標的濃度であり、そして、kおよびk−1は、付着および分離レートである。θのための平衡値は、条件dθeq/dt=0から得ることができる。ハイブリダイゼーション自由エネルギーであるΔG、気体定数であるR、および温度であるTを用いる、レートと平衡定数との間の関連、すなわち、k/k−1=e−ΔG/RTを使用して、
Figure 0005744875
が見出され、これは、いわゆるラングミュア(Langmuir)等温線である。計測された量に、この等温線を関連させるために、ハイブリダイズしたプローブの比率が、スポットから計測される計測された蛍光強度に線形的に関係することが推測され、これは、
Figure 0005744875
を生じさせる。
ここで、Iは、バックグラウンドを除去した強度であり、ここで、上で説明したバックグラウンド除去は、Agilent Feature Extraction Softwareによってなされる。強度に対する参照がなされる場合、これは、バックグラウンド除去された強度である。Aは、全般的なスケール因子である定数である。
化学的飽和からはほど遠く、すなわち、少ない比率の表面配列だけがハイブリダイズした(すなわち、ce−ΔG/RT≪1)場合、方程式[4]における分母を無視して、
Figure 0005744875
を得ることができる。
最近傍モデルにおいて、完全相補鎖のハイブリダイゼーション自由エネルギーは、ジヌクレオチド項の合計として概算される。例えば、
Figure 0005744875
であり、ここで、ΔGinitは、開始パラメーターである。完全マッチハイブリダイゼーションと、1または複数のミスマッチを有するハイブリダイゼーションとの間のΔGの相違だけ[方程式[9]]が考慮されるので、この開始パラメーターは、寄与しないであろうし、そして、この例においては、それは、さらに省略される。DNA/DNAハイブリッドについては、対称性は、独立性パラメーターの数を10に低下させる。最近傍モデルは、単一の内部のミスマッチを含むように拡張することができ、例として、CTタイプの内部のミスマッチを有する伸張の自由エネルギー
Figure 0005744875
が考慮される。
ミスマッチヌクレオチドには、下線が引かれ、そして、表記上の理由のために、該ミスマッチは、常に、ジヌクレオチドの第二部分に置かれている(ジヌクレオチド項3において、ここのように、対称性の使用を必要とする)。12のタイプのミスマッチおよび4のタイプのフランキングヌクレオチド対があり、それゆえ、総計においては、ジヌクレオチドタイプの48ミスマッチパラメーターがある。実験データから該48+10ジヌクレオチドパラメーターを抽出する数個の可能な方法がある。
完全ラングミュア(Langmuir)等温線[方程式[4]]が適合させられることができるか、または十分に低い濃度での実験について、方程式[6]の極限の場合が考慮されえたかのいずれかである。さらに、該パラメーターは、異なるプローブ配列の強度を比較することによって固定した濃度cでの実験から抽出することができたか、または、濃度範囲を通して同一のプローブ配列の強度を分析することによって異なる濃度での実験から抽出することができたか、のいずれかである。該低濃度データ、および固定したcでの分析のための方程式[6]の使用に焦点が合わせられる。方程式[6]は、実際に計測された蛍光強度に対してハイブリダイゼーション確率を関連づける全般的なスケール因子である定数Aを含む。この量は、実験ごどに変動するかもしれない。例えば、光学スキャニングは、Aに影響を与える、というのも、これは、使用されたレーザー強度に比例するからである。異なるスライドにおけるハイブリダイゼーションも、わずかに変動する条件で生じるかもしれず、そして、該スライドの製造には小さな相違があることができる。相対的強度および相対的自由エネルギーに焦点が置かれるであろう、すなわち、それぞれのマイクロアレイについて、あのマイクロアレイの完全マッチが、参照のポイントとして使用されるであろう。
完全マッチ強度に対する強度の対数的割合は、
Figure 0005744875
のように表され、これについて、Aの厳密値は無関係であり、そして、相対的自由エネルギー相違ΔΔG(これは、それぞれのプローブについて、正の数である)だけが考慮される。二本鎖のΔΔGにおいて、ミスマッチに隣接しているジヌクレオチドパラメーターだけが残り、他のパラメーターは、減算において消えている。例えば、方程式[7]および[8]から、
Figure 0005744875
が得られる。
この方程式において、下側の鎖は、溶液における標的配列に言及し、これは、固定されている。上側の鎖は、固体表面に対して取り付けられたプローブ配列のものである。
それゆえ、1のミスマッチを有する二本鎖のΔΔGは、2のミスマッチジヌクレオチドパラメーター マイナス 2のマッチジヌクレオチドパラメーターの合計として書くことができる。最近傍モデルは妥当であると推測されるので、同一の推論は、4のミスマッチジヌクレオチドパラメーター マイナス 4のマッチジヌクレオチドパラメーターの合計をもたらす、2のミスマッチを有する二本鎖に応用することができる。
ここで、該モデルは、
Figure 0005744875
のように書くことができ、ここで、aは、58の想定されるジヌクレオチドパラメーターの範囲を走る指数であり、そして、Xは、頻度マトリクスであり、それが有する要素Xiαは、ジヌクレオチドパラメーターαがプローブ配列iのΔΔGに入力される回数である。マトリクスおよびベクトルの単純拡大を用いて、問題は、
Figure 0005744875
のように書き直すことができ、ここで、ωα=ΔGα/RTと定義される。該問題を、線形のものとして方程式[12]において書いたので、今、該パラメーターの最適値を見出すための標準的な取り組みを適用することができる。該手順は、
Figure 0005744875
の線形方程式、ここで、Xは、Xの転置行列である、を解くことを意味するところの、
Figure 0005744875
を最小化することに存する。
方程式[13]から
Figure 0005744875
を得るためには、58x58マトリクスXXが反転されなければならない。XXが反転できない場合には、特異値分解が応用される。本場合において、マトリクスは、反転できない。該マトリクスXXのゼロ固有値は、物理的にパラメーターΔΔGを不変にしておく再パラメーター化からもたらされる。
ジヌクレオチドミスマッチパラメーターは、一意的に測定されない、というのは、これらのパラメーターは、総計のΔGについての表現に対で入力される[方程式(8)]からである。例えば、該タイプの再パラメーター化:
Figure 0005744875
は、方程式[8]から直接に実証することができるように、あらゆる対の相補ヌクレオチドx;x’およびy;y’について該総計ΔGを不変にする。類似の再パラメーター化は、AG、ACおよびTGタイプのミスマッチについて想定される。これらの次に、ミスマッチおよびマッチジヌクレオチドパラメーターの両方の再パラメーター化に関わるΔΔGの3つの不変性がある。それゆえ、XXにおいて、少なくとも7つのゼロ固有値がある。
結果の再現性の制御として、反復した実験における類似のスポットの間での強度相関が考慮される。該反復ハイブリダイゼーションは、2つの同一の、しかし、別々に合成され、および標識された標的オリゴを有する同一スライドの2つのマイクロアレイ上で、同一の手動で調製された溶液表3における濃度で行われた。図6は、その例である。これは、2つの反復ハイブリダイゼーションの間の相関プロットを示す。2つのプロットが示され、1つは、完全15K強度を有し図6(a)、そして、1つは、そこにおける該15の反復スポットの強度の中央値がとられる図6(b)。後者において、いくつかのデータ拡散が観察され、15の反復スポットを通して中央値がとられる場合、これは顕著に低下する。実験データは、該グラフの対角線に対して完全には一直線に並ばないことに留意すべきであり、これは、該溶液の手動調整に、または該オリゴにおける相違に(合成または標識化)に起因するかもしれない。異なるマイクロアレイからのデータは、図6のlog-logプロットにおけるものに等しい傾きの線の上で一直線になり、このことは、該強度の間の線形関係を暗示する。概して、再現は、中央値強度の間の強い相関を示し、これは、該結果の良好な再現性の指標である。この中央値において、ポリ(A)スペーサーを有する、および有さないプローブが含まれる。ポリ(A)を有する、およびポリ(A)スペーサーを有さないスポットからの強度において、顕著な相違は見出されなかった。以後、15の再現の中央値強度が、常に使用され、そして、単にプローブの強度と呼ばれ、また、良好な再現性ゆえに、オリゴ合成a(表3)に対するハイブリダイゼーションによって産生されるデータだけが議論されるであろう。次に、強度、および1または2のミスマッチを有する溶液におけるハイブリダイゼーションについての対応するΔGsolの間の関係が考慮される。2のミスマッチの場合には、ΔGsolは、個々のミスマッチについての最近傍パラメーターの合計として計算され、2のミスマッチの存在が、自由エネルギーにおける付加的な項に関係しないと、すなわち、それらは相互作用しないと推測された。該実験において、2のミスマッチの間の最小距離は、非−相互作用推測を支持する第一の概算において、5ntであり、これは、十分であると考察される。ΔHおよびΔSの表集計値からのΔGの計算において、温度は、実験値T=65℃に設定された。
図7(a)は、溶液におけるハイブリダイゼーションについての存在する表集計値を用いて最近傍モデルからとられた強度対−ΔΔGsolのプロットを示す。ΔΔGsolは、PM配列のものを全ての自由エネルギーから除去することによって得られ、これは、参照としてとられる。帰結として、該PM強度としては、ΔΔGsol=0である。図7におけるそれぞれのプロットは、それぞれのアレイ上の該15反復スポットの中央値の値から得られる1006データ点を含有する。
水性溶液における融解/ハイブリダイゼーションの数個の研究からよく知られているように、ハイブリダイゼーション自由エネルギーΔGsolは、バッファー条件に、特に、該溶液の該イオン強度に、依存する。特に、研究されたのは、塩濃度(NaCl)の効果であり、これは、配列とは独立であるが、オリゴヌクレオチド長には依存的であると通常は推測される。溶液における融解実験は、Naイオン濃度に対する次の依存性に一致する、
Figure 0005744875
ここで、
Figure 0005744875
は、1M NaClで計測され、Nは、該配列におけるリン酸塩の数であり、そして、aは、定数である。
塩は、負帯電リン酸塩分子との相互作用に対する効果を大抵有している。それゆえ、ミスマッチを持つ配列についても方程式[15]と同一タイプの補正を期待するのがもっともらしい。もし、それがあてはまるならば、該塩依存性は、対象の量であるΔΔGsolから取り消される。したがって、該値は、ΔGsolにおいて1M NaClで設定されるであろう。
図7(a)は、下から上へ50、500および5000pMの3つの異なる濃度での実験1についてのデータを示す。−ΔΔGsolの関数としてプロットした場合、該データ点は、単一の単調曲線に沿って密集する傾向がある。これは、既に、ΔGsolおよびΔGμarrayの間のかなりの程度の相関を示唆する。5000pMでの実験は、ラングミュア(Langmuir)モデル[方程式[4]]から期待されるように、該強度の明白な飽和を示す。方程式[6]によって与えられるように、飽和からは十分にほど遠く、該強度の対数とΔGとの間の線形関係が期待される。図7は、低強度での低濃度データが、実験温度であるT=65℃での平衡熱力学から期待される傾き1/RTを有するおおよその直線に従うことを示す。
しかしながら、該3つの濃度の大域的挙動は、ラングミュア(Langmuir)モデルとは食い違い、このことは、図7(b)において示されるように、異なる濃度についての強度対自由エネルギープロットが共通強度値Aで飽和状態に達すべきであることを予測する。実験ごとにAに対するいくつかの変数が期待されるかもしれないけれども、図7(a)のデータは、ラングミュア(Langmuir)モデルと一致させ難い。該ハイブリダイゼーションデータは、方程式[4]の完全ラングミュア(Langmuir)モデルから外れるが、それらは、その極限低強度挙動[方程式[6]]に、むしろ良く一致することが結論付けられる。マイクロアレイデータから自由エネルギーΔΔGμarraysの見積もりを得るために、次に、方程式[6]が使用されるであろう、そして、制限は、より低い濃度データに対してなされるであろう。
最近傍モデルの該58パラメーターを適合させるため、最も低い濃度データ、すなわち、50pMが使用される。上で説明した代数の手順が、ここに対して応用され、これは、割合I/IPMの対数に適合し、そして、データが方程式[9]によって記載することができることを推測させる。低濃度についてのこの推測は、より低い強度について的確であるが、図7において示されるように、ラングミュア(Langmuir)等温線から外れる最高強度についてはそうではないことが期待される。これは、手順を適合させることについての問題を提起する、というのは、それは、[方程式[9]]を参照して完全マッチ強度IPMを用いて設計されたからである。該適合を低強度に、例えば、2のミスマッチを有するプローブだけに制限することによって、この問題を回避し、そして、IPMではなく2の内部のミスマッチを有するプローブの、例えば、1の強度を参照として使用して方程式[9]を書き直すことも考えられるかもしれない。この手順は、完全マッチ配列、および1または複数のミスマッチを有する配列の間の自由エネルギー相違を見積もる目的での実用的使用がわずかしかなく、それについてPM参照値が必要であることが判明する。
強度対−ΔΔGsol(図7)のプロットの分析から、該PM強度は、図7(a)において直線である方程式[6]によって予測されるものよりも系統的に低いことが見出される。それゆえ、ミスマッチを含有するプローブの相対的強度I/IPMは、方程式[6]によって予測されるものよりも系統的に高い。
その結果として、方程式[9]に対する実験データの直接の適合は、ミスマッチの効果を過小評価し、これは、小さすぎる自由エネルギーペナルティもたらすであろう。該適合の結果は、図8に示される。ΔΔG範囲が、溶液におけるハイブリダイゼーションからのものよりも実に小さいことを気づくことができる(図7)。
また、ΔΔGの過小評価は、1だけを有するものに関してよりも、2のミスマッチを有するプローブに関して、より重大である、というのは、ΔΔGは、ミスマッチごとの寄与の合計だからである。これは、二重から単一ミスマッチへの該曲線の不連続を産出する。この不連続の出現は、方程式[6]が、強度の完全な範囲においては妥当ではない事実の別の証拠である。
この問題を解決するためには、方程式[6]からの観察される偏差を組み込む、より一般的なモデルI(c、ΔG)に対して該データを適合させることが必要であろう。また、このモデルの選択は、適合させた最近傍パラメーターにかなり影響を与えるかもしれない。より安全な妥協は、方程式[6]が、図7における大多数の低濃度データ点に従うという観察から開始することである。それゆえ、ラングミュア(Langmuir)モデルの低濃度極限への適合が、合理的であるようである。不運にも、方程式[6]から外れる点の1つは、PM強度であり、測定基準として使用される。的確に適合を較正するためには、該参照PM強度を量りなおすべきである。したがって、該データは、参照としての実際のPM強度の代わりに、もし該データが、全体強度範囲において方程式[6]に一致したならば該PM強度が有したであろう値である再スケールされた値
Figure 0005744875
を使用して、方程式[9]に反して適合させられた。αは、ΔΔG=0軸に対する、図7aにおける50pM適合線の交差から見積もられる。この見積もりは、α=30である。
該適合パラメーターに対するαにおける変更の効果は、以下で議論されるであろう。
図9(a−d)は、α=30を使用した方程式[9]への適合の結果を示す。該主要なフレームにおいて、それぞれの実験は、独立に適合させられる。差し込み図において、該自由エネルギーパラメーターは、全ての50pM実験の同時の適合から得られる。
後者のデータは、それらが4つの独立の実験(表3における50pM、オリゴ合成aでの4つの実験)を使用することからもたらされるように、より正確なパラメーターを産出し、該58のパラメーターが、1006x4データ点を超えるサンプリング上で得られる。予測されるとおり、図9には、自由エネルギー範囲および曲線の連続性の両方がある。該データは、図7(a)における曲線と比較して非常にわずかな拡散しか示さない。単調曲線についての拡散の定量化は、スペアマンの(Spearman’s)ランク(rank)相関係数によって評価することができ、これは、4つ全ての実験について、1に非常に近い。これは、最近傍適合パラメーターの信頼性の指標である。調整パラメーターを通したデータ点の割合は、4024/58と同程度の大きさであり、これは、信頼できる適合を産出するはずである。また、該データは、線形モデルに適合されるけれども、4つの全ての実験は、最高強度についての明確な偏差を示す。
これは、過剰適合に反する指標であり、これは、間違った適合パラメーターを有する完全に線形な曲線をもたらすであろう。したがって、4つの全ての実験において観察されるラングミュア(Langmuir)等温線からの偏差は、システムのロバスト特徴であることが、および結果として生じる自由エネルギーパラメーターは、物理的に意味があることが、結論付けられる。適合から得られる自由エネルギーパラメーターが、かなり安定であること、全体の一式の実験データが適合させられるかどうかということ、または全てのデータが明確に方程式[6]に従う最低強度スケール(例えば、
Figure 0005744875
)に該適合が制限されるかどうかということも検証される。これは、図9における大多数の実験点がとにかく最低強度スケールに位置するからである。それゆえ、この付加的なデータ選別は、該パラメーターに対してわずかな効果しかない。
表4は、上の適合手順から得られる自由エネルギーパラメーターΔΔGμarrayを示す。上で言及した縮重のゆえに、該ジヌクレオチドパラメーターは、一意的に測定されない。三つ組パラメーターは、しかしながら、固有であり、そして、これらは、該表において与えられる。三つ組のための該ΔΔGは、例えば、
Figure 0005744875
と定義され、ここで、上側の鎖は、5’−3’方向である。下側の鎖は、不変標的配列であり、該上側の鎖は、該プローブ配列である。それゆえ、該参照完全マッチプローブを除去する該ΔΔGパラメーターが計測される。該参照PM配列は、該2つの場合において異なるので、この除去ゆえに、
Figure 0005744875
を有することに留意すべきである。標準的な線形回帰ツールを使用して、エラーバーは、表4のパラメーターに基づいて見積もられ、0.2に等しかった。表5において、表4におけるものと同一の注記に従う三つ組についてのΔΔGsolが提示される。前に言及されたように、溶液におけるデータは、T=65℃および1M[Na]である。図10は、2つの自由エネルギーΔΔGμarray対ΔΔGsolのプロットを示す。その2つの間で明確な定量的相関が観察される。ピアソン(Pearson)相関係数は、0.839である。該2つの組を比較するにあたり、CCの16のミスマッチは、該2つの場合において、最も外れているように見えることに留意することができる。
上で議論されたように、該適合は、再スケールされたPM強度とともに、因数α=30を使用して行われた。該分析は、他の値のαについて繰り返された。αを変化させることは、α−依存性定数による表4におけるデータの大域的シフトを引き起こす。
このシフトは、図10における該データの傾きまたは相関に影響を与えない。α=50を使用することによって、0.17の正のシフトが見出され、その一方、α=20に設定することは−0.14のシフトを産出する。αのこれら2つの値は、このパラメーターについての変動性の最大の範囲についての我々の見積もりである。一般に、αを用いて該PM強度を量りなおすことの手順は、表4における全てのパラメーターに影響を与える大域的誤差±0.2を導入する。
この作業において選ばれる実験設定の利点の1つは、1または2のミスマッチに対する全てのハイブリダイゼーション反応が、単一のアレイ上で、「並行」して生じるため、単一の実験において原理上は全てのパラメーターを得ることができることである。しかしながら、難点は、この設定において、自由エネルギーだけが測定されうるのであって、他の温度に該パラメーターを拡張することを可能にするであろうエンタルピーおよびエントロピーの寄与が別々に測定されうるのではないことである。
該上の例においては、完全マッチハイブリダイゼーションと、該プローブ配列が1または複数の内部のミスマッチを有するハイブリダイゼーションとの間での自由エネルギー相違であるΔΔGの測定に焦点が置かれた。内部のミスマッチの効果を定量化することは、所与のプローブに対する不完全に相補的な配列の意図されたものではい結合であるクロス−ハイブリダイゼーション効果のより良好な理解にとって重要である。また、この理解は、最適なプローブ設計にとっていくつかの実用的な帰結を有しうる。該パラメーターΔΔGの利点は、それが、自由エネルギー開始パラメーター[方程式[7]]およびスケーリング因子A[方程式[4]および[6]]に対してより影響を受けにくいこと、およびそれが、イオン塩等としてのバッファー条件に対してより影響を受けにくいと期待されることである。カスタムアジレント(custom Agilent)アレイを示す例は、定量的スケール上でもΔΔGsolおよびΔΔGμarrayの間で強い相関があることを示す。この相関は、表4および5において与えられる明白な自由エネルギー値とともに図10において示される。マイクロアレイデータからの相互作用パラメーターの適合は、熱力学モデルとの該データの非常に良い一致を示す(図7を図8と比較されたい)。しかしながら、DNAマイクロアレイ上での相互作用自由エネルギーの測定のための専用の実験の非存在下、この作業の結果は、それらについての概算として、溶液における対応するハイブリダイゼーション自由エネルギーが使用されえたことを示唆する。
ΔGsolおよびΔGμarrayの間の相関は、数個の異なるマイクロアレイプラットフォームにおいて、これまで観察されてきたので、このような相関が、マイクロアレイの一般的な特徴であると期待することは正当である。
所与の自由エネルギーペナルティについての強度に対しては、より小さな効果(図9におけるより小さな傾き)があるため、ラングミュア(Langmuir)モデルからの偏差が、クロス−ハイブリダイゼーション問題を「促進」することが分かることは興味深い。例として、ΔΔG=2.5kcal/molを有するミスマッチ(表4からの典型的な値)は、外れたレジームにおける
Figure 0005744875
に比較して、ラングミュア(Langmuir)モデルによって管理される該レジームにおける
Figure 0005744875
のI/IPM割合に対応する。これは、該外れたレジームにおいて、PMプローブに対して結合する標的の量の有意な比率が、1の内部のミスマッチを持つプローブに結合することを暗示する。
第二の例において、DNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーションは、第一の例においても議論されたように議論される。第二の例は、DNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーションについての緩慢な弛緩現象の存在を説明する。
表面−結合配列(プローブと呼ばれる)と、フルオロフォアを持つ溶液における該配列(標的)との間でハイブリダイゼーションが起こる実験が記載される。ハイブリダイズした標的の量は、該マイクロアレイ表面上の所与の場所(スポット)から発した蛍光から計測される。DNAマイクロアレイにおいてかなり広く信じられることに反して、弛緩時間は、熱平衡の断絶を引き起こす典型的な実験時間を大きく上回るかもしれないことが説明される。実験は、商用マイクロアレイプラットフォーム上で、典型的な生物実験におけるものと同一のバッファー条件下で実行される。それらは、さらに、拡張された動力学モデルの分析によって裏付けられる。平衡において、スポットから計測される強度が、ラングミュア(Langmuir)モデル
Figure 0005744875
によって記載されることが期待され、ここで、Aは、強度スケールを設定し、Rは気体定数であり、Tは温度であり、cは、標的濃度、そして、ΔGは、ハイブリダイゼーション自由エネルギーである。第一の例に比較して、異なる符号規則が使用されることに留意すべきである。これは、ただ単に、自由エネルギー相違についての参照状態として、結合または非結合状態を選択することの問題である。方程式[18]において、ここで議論される実験に応用する極限であるceΔG/RT≪1(弱い結合および低い濃度)がとられた。
実験セットアップは、概略的に表6において示され、そして、さらに第一の例に類似する。
図11は、I/c対表6のセットアップ(標的配列は、30−merである)を使用する異なる濃度での4つの実験についてのΔΔGのプロットを示す。
Figure 0005744875
は、所与の配列および完全マッチ(PM)配列の間のハイブリダイゼーション自由エネルギーにおける相違であり、最近傍パラメーターから計算される。単一曲線への該I/c対ΔΔGプロットの崩壊は、
Figure 0005744875
が、方程式[18]の低濃度極限から予期されることを示す。
しかしながら、ΔGへの依存性は、方程式[18]に完全には一致していない。方程式[18]から外れるレジームにおいて、logIは、ΔGを有するが1/RTよりも小さい傾きを有するおおよそ線形にスケールする。
水性溶液におけるオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション動力学は、1つの会合および1つの解離レートによって特徴づけられる2状態プロセスとして通常は記載される。ラングミュア(Langmuir)等温線自体(方程式[18])は、2状態モデルである。DNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーションは、単純2状態プロセスよりも、より複雑でありそうである。プローブは、1の末端によって表面に対して繋がれ、そして、濃厚ブラシを形成することができ、これは、ハイブリダイゼーションを妨げ、およびその速度を落とす。プローブ間の典型的な距離は、約10ナノメートルであり、そして、完全に伸張した30−mer二本鎖の長さは、10nmであり、およびその厚さは、2nmである。該実験におけるプローブ配列は、ポリ(A)30−merスペーサーも有する(表6を参照のこと)。したがって、単一の標的分子は、1を超えるプローブと相互作用することができる。これを考慮に入れて、我々は、付加的な中間状態を有する2状態ハイブリダイゼーションモデルを拡張した(図12)。該マイクロアレイ上で部分的におよび完全にハイブリダイズしたプローブの比率θおよびθで指して、これらの反応の動力学は、
Figure 0005744875

Figure 0005744875

ここで、cは、溶液における標的濃度であり、k、k−1、kおよびk−2は、関係する4つのレートである(図12参照)、によって与えられる。単純さのために、大半の単一の標的分子が所与のプローブに対して結合することができると、我々は推測した。2状態モデル記載を使用する該レート定数は、数個のマイクロアレイ実験において計測されてきた。完全マッチプローブに、および1のミスマッチを含有するプローブに共通する標的配列のハイブリダイゼーションが考慮された。ΔGへのその依存性に関心がある。次のレートが使用された(45℃で):
(PM)=19.10−4−1−1
(MM)=21.10−4−1−1
−1 (PM)=12.10−1および
−1 (MM)=2910−1
分離レートにおいて相違の2因子を超えるものがあるが、付着レートは、10%だけ異なる。これらの結果は、バルク溶液における動力学挙動についての観察と一致する。該実験におけるプローブは、30のうちのせいぜい2のヌクレオチドによって異なる。順レートkおよびkの両方が配列独立的であることが推測される。逆レートは、そして、熱力学関係によって固定される
−1=k−ΔG’/RT
−2=k−(ΔG−ΔG’)/RT [21]
ここで、ΔG’およびΔGは、それぞれ形状1および2、ならびに非結合状態の間の自由エネルギー相違である。次に、部分的にハイブリダイズした状態の自由エネルギーであるΔG’が、ΔGに単調に依存することが推測される。また、非結合(ΔG=0)においては、ΔG’も消えるべきである。ΔGからの期待されるΔG’の単調な依存性を概算するために、単純な概算として、次に、我々は、
ΔG’=γΔG(γ<1) [22]
をとる。該モデルは、そして、3つのパラメーターk、kおよびγによって完全に特徴づけられる。
図13は、θ+θ対ΔΔGのプロットを示す。これらは、異なる回数、およびパラメーターk=10−1−1、k=ls−1およびγ=1/3の次の選択についての方程式[19]、[20]の解から得られる(kについては、マイクロアレイ上の動力学実験において典型的に計測される値が使用された、その一方、kおよびγは、実験データに適合するように選ばれる)。図13において、薄い実線は、有限の時間での等温線であり、その一方、厚い線は、平衡等温線(t→+∞)である。
時間が増大するにつれて、平衡強度は下方から近づく。いくつかのより多い見識を得るために、高速平衡の極限が方程式[19]について考慮される。そして、我々は、θについてその平衡値を使用して方程式[20]を解く:
Figure 0005744875
ここで、低濃度極限ceΔG/RT≪1がとられた。そして、我々は、逆弛緩時間である
Figure 0005744875

Figure 0005744875

を有する。これを得るために方程式[21]および[23]が、ceΔG/RT≪1極限で使用された。
弛緩時間は、ΔGに依存する:弱く結合した配列(小さいΔG)は、強い結合したもの(大きいΔG)よりも早く釣り合う。配列を高速に釣り合わせるためには(τ≪t)、通常のラングミュア(Langmuir)平衡が方程式[24]から回復され;長い平衡時間を有する配列τ≫tのためには、方程式[24]は、t/τにおける最低次に拡大される。この概算を用いて、我々は、所与の時間tについて、
Figure 0005744875
を見出す、ここで、ΔG*は、時間に依存するクロスオーバー自由エネルギーであり、そして、方程式[25]においてτ=tを設定することによって得られる。該計測される強度は、I=A(θ1+θ2)である、しかしながら、自由エネルギーθ≪θの任意の現実的な選択については、今後、
Figure 0005744875
と概算することができる。方程式[26]は、該実験において見られる、該logI対ΔΔGプロットにおける2つの傾きを再現する。それは、非平衡レジームがγ/RTに等しい傾きによって特徴付けられることを示す。
次に実験結果を見てみると、通常、ハイブリダイゼーション実験は、一定の温度およびバッファー条件で約15時間実行される。実験は、86時間を超えるに至るまでのより短い、およびより長いハイブリダイゼーション時間で実行された。所望されたハイブリダイゼーション時間が到達した時点で、該実験は停止され、該マイクロアレイは、洗浄され、そして、あらゆるスポットから発せられた蛍光を計測するためにスキャンされる。異なるハイブリダイゼーション時間での実験は、このように異なるスライドを必要とする。
図14は、4つの異なる時間で、および50pMの濃度についての、30−mer標的についてのI対ΔΔGのプロットを示す(17hハイブリダイゼーションデータは、図11において既に示されたものである)。ハイブリダイゼーション時間が増大するにしたがって、該データのより多い比率は、強度の完全範囲を通して傾き1/RTを有する線に沿って一直線になり、このことは、ラングミュア(Langmuir)モデルからの観察された偏差が、熱力学平衡の断絶によることを確認する。驚くべきことに、ここでは、85時間後でさえ、完全平衡は、到達しなかった。最短ハイブリダイゼーション時間はさておき、該データは、方程式[26]によって予測される挙動と一致する。破線の傾きから、方程式[26]を使用してγ=0.32と見積もられる。完全ハイブリダイゼーションは、30ヌクレオチドの伸張に関係するので、これは、部分的にハイブリダイズした状態において、該標的およびプローブが、らせんのターンである10ヌクレオチドについて結合することを示唆する。図14(a)の該非平衡レジームの傾きは、図14(b、c、d)の破線のものよりも小さい。これは、おそらく、従ったプロトコルに起因する(これは、標準的なプロトコルである):時間t=0において標的分子を含有する溶液、および該アレイの両方が、室温度にある。
そして、それらは、一定の温度(この文字において記載される全ての実験についてT=65℃)で実験の期間、オーブンに入れられる。傾きは、最初の「低」温度ハイブリダイゼーションを連想させる。
図14(b、c、d)を比較する場合、強度スケールの全般的な減少が分かり、方程式[18]における定数Aの正規化につながる。これは、おそらくフルオロフォアのいくつかの分解に起因する(実験に関わる期間を考慮すると驚くべきことではない)。図14(b、c、d)における実線は、強度I=A(θ+θ)のプロットであり、ここで、Aは、大域的強度スケールにマッチするように調整された。該モデルへの一致は、完全ではないけれども、合理的である。
次に、より短い標的配列(25−mer、表6を参照)に対するハイブリダイゼーションの場合を見てみる。データは、図15に示される。25−mersについて、より高速な平衡が生じることが期待される、というのは、該配列は、より低いΔGを有しているから、そして、より短い標的配列については、それゆえ、より少ないエンタングルメントがk速度の増大を生じさせることが期待されるからである。両方の効果は、より小さいτをもたらす(方程式[25]を参照)。図15において見ることができるように、該平衡等温線からの偏差だけが、最短のハイブリダイゼーション時間についてのものである。方程式[18]との一致は、強度スケールにおいて、3桁を超える。図14において観察される該強度スケールの全般的な減少に留意されたい。結果は、複数のプローブに対する標的分子の相互作用が、観察された非平衡挙動の原因であるという考えに合致する。本例は、標準的な条件下のDNAマイクロアレイにおけるハイブリダイゼーションが、実験時間を大きく上回るかもしれない弛緩時間によって特徴づけられることを示す。典型的な生物実験は、30−50ヌクレオチドの標的鎖に関係するので、アジレント(Agilent)アレイ上でのここに示す平衡の断絶は、多くの異なるマイクロアレイプラットフォームにおいて、および生物実験において、生じうると信じられる。該非平衡レジームにおいて、該強度は、γ<1で、指数分布eγΔG/RTによって分布することが見出される。平衡の断絶は、重要な帰結を有する:それは、複合体混合物からの所望された配列の検出のための装置としてのマイクロアレイの特異性を低下させる。これは、例を用いて説明することができる。該マイクロアレイ表面におけるプローブおよび溶液における2つの異なる配列を考慮されたい:すなわち、該プローブに対する1つの完全マッチ(濃度cPMで)およびミスマッチを有する1つ(濃度cMMで)である。該平衡レジームにおいて、該2つの配列は、それぞれ
Figure 0005744875
および
Figure 0005744875
に比例する確率でプローブに対してハイブリダイズする。単純さのために、等しい標的濃度cPM=cMMと仮定すると、2つの寄与の割合が
Figure 0005744875
であることが得られ、ここで、典型的な値ΔGMM−ΔGPM=2kcal/molおよび温度のT=65℃が使用される。非平衡レジームにおいて、指数関数における因子
Figure 0005744875
の存在により、割合は約0.4である。したがって、非平衡レジームにおいて、計測されたシグナルの有意な比率は、クロス−ハイブリダイゼーションとして知られる現象である非相補的標的に対するハイブリダイゼーションに起因するかもしれない。該マイクロアレイの最適な関数のためには、平衡条件下で行うのが望ましい。温度、塩およびバッファー条件としての数個のパラメーターは、弛緩時間に影響を及ぼすかもしれない。議論された実験セットアップは、平衡の良好な試験を提供し(I対ΔΔGプロットにおける単一線対折れ線)、そして、最適なハイブリダイゼーションのための最良の作業条件を調査するために使用することができる。
開示された実施態様に対する他の変形は、請求された発明を実施するにあたり、図面、発明の詳細な説明、および添付の請求項の検討から、当業者によって理解され成し遂げることができる。請求項において、単語「含む」は、他の要素または工程を排除せず、そして、不定冠詞「a」または「an」は、複数を排除しない。単一のプロセッサまたは他のユニットは、請求項において説明される数個の項目の機能を満足させるかもしれない。特定の計測が相互に異なる従属請求項において、説明されるというだけの事実は、これら計測の組み合わせが有利に使用することができないことを指すものではない。請求項における任意の参照符号は、該範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
上述の記載は、本発明の特定の実施態様を詳述する。しかしながら、いかに上で詳細にテキストにおいて現れても、本発明は、多くの方法において実施されてもよく、そして、したがって、開示された実施態様に限定されないことが理解されるであろう。本発明の特定の特徴または側面を記載する場合の特定の用語の使用は、該用語が、その用語が結び付けられる本発明の特徴または側面の任意の特異的特徴を含むように制限されるとここで再定義されつつあることが暗示されると解釈されるべきではないことに留意すべきである。
Figure 0005744875
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Claims (15)

  1. サンプル溶液における標的と表面において結合しているプローブとの間の核酸ハイブリダイゼーションを分析するための方法であって、
    − 複数の異なるプローブに対する標的のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けること、ここで、プローブは、標的およびプローブの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション検出強度結果の範囲がカバーされるように、少なくとも1つのプローブが対象の標的の核酸の鎖と完全相補体である核酸の鎖を含み、少なくとも1つの他のプローブが対象の標的の核酸の鎖と完全には相補的でない核酸の鎖を含むように、選択される、および
    − ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析すること、
    を含み、
    ここで、前記分析が、モデルに基づき、溶液における標的と表面において結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーを測定することを含み、ここで、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析することは、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの範囲について、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果の対数を分析すること、および1の線形関係が、検出強度結果の対数の部分と、ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間で区別することができるかどうかを測定することを含む、方法。
  2. 出強度結果を前記のように受けることが、熱力学平衡が到達したハイブリダイゼーション条件下で得られる複数の異なるプローブに対する標的のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けることを含む、請求項記載の方法。
  3. 前記ハイブリダイゼーション条件が、ハイブリダイゼーション時間、プローブ長、または温度の1または組み合わせを含む、請求項記載の方法。
  4. 前記のように分析することが、1より多い線形関係が、検出強度結果の対数の部分と、ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間で区別することができる場合に、ハイブリダイゼーションが平衡に到達していないと演繹することを含む、請求項記載の方法。
  5. 最近傍モデルに基づき、溶液における標的と、表面において結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーを測定することを含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の方法であって、
    − 完全マッチプローブ、および2に至るまでのヌクレオチド非相補的要素を有するプローブが、それぞれ、ハイブリダイゼーションの間に標的との相互作用についてのマイクロアレイスポットを分離するために、所与の標的について提供され、そして、
    − ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析することが、前記ハイブリダイゼーションマイクロアレイ実験に基づき、ハイブリダイゼーション自由エネルギーについての最近傍モデルの一式の自由エネルギーパラメーターを測定することを含む、方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の方法であって、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析することが、計測された検出強度結果がハイブリダイゼーションについての熱力学平衡と一致するかどうかを測定することを含む、方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の方法であって、
    − 検出強度結果を受けることが、複数の異なるプローブと実際の標的との間のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けることを含み、ここで、プローブは、一式の既知の想定される標的のそれぞれ想定される標的とプローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション検出強度の範囲がカバーされるように選択され、そして、
    − ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析することが、一式の既知の想定される標的の想定される標的のそれぞれについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析すること、ならびに検出強度結果およびハイブリダイゼーション自由エネルギーの間の既定の関係を検出することによって、実際の標的の存在または濃度を演繹すること、を含む方法。
  9. 実際の標的が、少数標的であり、一式の既知の想定される標的が、少数標的に加えて、少数標的と1または2非相補的要素において異なる主要標的も含む、請求項記載の方法。
  10. 単一ヌクレオチド多型の検出において使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  11. ハイブリダイゼーションが、マイクロアレイにおいて実行される、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. ハイブリダイゼーションについての検出強度結果が、標的およびプローブの結合によって形成されるハイブリッドに結び付けられる標識の発光によって誘導される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. サンプル溶液における標的と、表面において結合しているプローブとの間の核酸ハイブリダイゼーションを分析するためのシステムであって、
    − 複数の異なるプローブに対する標的のハイブリダイゼーションについての検出強度結果を受けることに適している、受ける手段、ここで、プローブは、少なくとも1つのプローブが対象の標的の核酸の鎖と完全相補体である核酸の鎖を含み、少なくとも1つの他のプローブが対象の標的の核酸の鎖と完全には相補的でない核酸の鎖を含むように、そしてその結果、標的およびプローブの間のハイブリダイゼーションについての検出強度の範囲がカバーされるように選択される、および
    − ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析することに適した分析手段、
    を含み、
    ここで、該分析手段が、溶液における標的と表面において結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーション自由エネルギーをモデルに基づき測定することに適しており、ここでハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果を分析することは、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの範囲について、ハイブリダイゼーション自由エネルギーの関数として検出強度結果の対数を分析すること、および1の線形関係が、検出強度結果の対数の部分と、ハイブリダイゼーション自由エネルギーとの間で区別することができるかどうかを測定することを含む、システム。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法における各処理をコンピューターにより実行することを特徴とするプログラム。
  15. ハイブリダイゼーションを実行するための方法であって、
    − 初めに溶液中にある標的と表面に結合しているプローブとの間のハイブリダイゼーションを実行すること、および
    − クロス−ハイブリッドした標的を除去するためのデハイブリダイゼーション工程を適用すること、ここで、デハイブリダイゼーション工程は、標的と1非相補的要素を有するプローブとの間のハイブリダイゼーションプロセスの弛緩時間と等しいデハイブリダイゼーション時間内で実行され、弛緩時間は、請求項1〜12のいずれかに記載の方法を使用して測定される、
    を含む、方法。
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