JP5741038B2 - 表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材、それを使用した太陽電池用受光面側保護シート、及び太陽電池モジュール - Google Patents

表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材、それを使用した太陽電池用受光面側保護シート、及び太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、真空紫外線を照射することにより表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材に関し、前記基材を使用した太陽電池用受光面側保護シート、及び太陽電池モジュールに関する。
金属、セメント、ガラス、プラスチック、木、紙等の各種基材表面を特定の樹脂組成物層でコーティングする方法は、該基材表面に耐久性、機械的物性、あるいは機能性等を付与する方法として工業的に広く利用されている。またこれらの基材を、各種建築部材、自動車等の輸送関連機器類、家電、その他工業製品の一部材として使用する場合には、該基材表面にコーティング等で各種性能を付与した状態で、2次加工、例えば加熱や加圧により成形加工を行ったり、該基材同士を接着剤等で貼り付けて使用する場合が多く、各々の加工に応じた性能も要求される。
前記基材の用途のうち、例えば該基材を外装建築部材や自動車用外装部材等の屋外部材、あるいは近年開発が進められている太陽電池部材として使用する場合は、屋外での長期使用が求められることから、高い耐候性と耐擦傷性に優れ、且つ、防汚性に優れる表面物性が求められる。
一方、該基材を屋内部材として使用する場合には、各々環境に適した表面物性が求められ、例えば汚れの付着の多いキッチンや浴室用の部材には、高い防汚性と耐擦傷性とが求められる。
前記表面物性のうち防汚性を付与する方法として、部材表面を親水化する方法が知られている。表面を親水化する方法としては、酸、アルカリ化合物での表面処理、紫外線処理、プラズマ、オゾン処理、親水性樹脂塗膜の形成等が検討されている(例えば特許文献1、2参照)。この中で、真空紫外線照射による表面処理は、キセノン・エキシマ・ランプ等を使用してフィルム等の大面積の対象物を連続して処理することができるため、生産性が高いという特長を有しているが、真空紫外線照射は放電処理を行うと、放電空間中の電子や分子、原子、イオン等が最外表面樹脂層に衝突し、樹脂の結合が切断され(特許文献1段落0035参照)、該真空紫外線照射による表面処理を行った部材は耐候性や耐擦傷性に劣るといった問題があった。
特開平10−249271号公報 特開2000−109580号公報
本発明が解決しようとする課題は、防汚性および耐擦傷性に優れ、且つ、耐候性に優れた表面物性を付与できる方法、該表面物性が付与された基材、及び前記表面処理されたシート状の基材を使用した太陽電池用受光面側保護シートと太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、基材表面に、特定のシロキサン結合を有するポリシロキサン樹脂の硬化物層を設け、該硬化物層に真空紫外線を照射することで、前記課題を解決できることを見出した。
即ち本発明は、真空紫外線を照射することにより表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材であって、
前記樹脂組成物が、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有する表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材を提供する。
Figure 0005741038
(1)
Figure 0005741038

(2)
(一般式(1)及び(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す。)
Figure 0005741038

(3)
(一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
また本発明は、シート状基材の表面に、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有する樹脂組成物による硬化物層を設け、更に該樹脂組成物による硬化物層の表面に真空紫外線を照射して表面処理してなる太陽電池用受光面側保護シートを提供する。
Figure 0005741038
(1)
Figure 0005741038

(2)
(一般式(1)及び(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す。)
Figure 0005741038

(3)
(一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
また本発明は、前記記載の太陽電池用受光面側保護シートを前記硬化物層が最表層となるように太陽電池モジュールの受光側前面に設けてなる太陽電池モジュールを提供する。
また本発明は、基材表面に、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有する樹脂組成物による硬化物層を設ける工程(1)と、前記樹脂組成物による硬化物層に真空紫外線を照射する工程(2)とを有する基材表面の樹脂組成物による硬化物層の表面処理方法を提供する。
Figure 0005741038
(1)
Figure 0005741038
(2)
(一般式(1)及び(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す)
Figure 0005741038
(3)
(一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
本発明により、防汚性および耐擦傷性に優れ、且つ、耐候性に優れる表面物性が付与された基材を得ることができる。
本発明においては、複合樹脂(A)が一般式(3)で表される結合を有するために真空紫外線を照射しても樹脂の結合が切断されにくく、耐擦傷性と耐候性に優れた表面物性を得ることができる。特に複合樹脂(A)とイソシアネートやアクリルモノマー等の架橋性モノマーとを併用することで、架橋密度が上がり、より耐擦傷性に優れた表面物性が得られるとともに、屋外における長期耐候性(具体的には耐クラック性)に優れた表面物性を得ることができる。
前記表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有するシート状の基材を太陽電池用受光面側保護シートとして使用することで、耐候性及び防汚性に優れる太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材は、該基材表面に、前記複合樹脂(A)を含有する樹脂組成物による硬化物層を設ける工程(1)と、前記樹脂組成物による硬化物層に真空紫外線を照射する工程(2)とにより得ることができる。
(樹脂組成物 複合樹脂(A))
本発明で使用する複合樹脂(A)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)(以下単にポリシロキサンセグメント(a1)と称す)と、アルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)(以下単にビニル系重合体セグメント(a2)と称す)とが、前記一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)である。
後述のポリシロキサンセグメント(a1)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、後述のビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが脱水縮合反応して、前記一般式(3)で表される結合が生じる。従って前記一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする。
複合樹脂(A)の形態は、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖として化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂や、前記重合体セグメント(a2)と前記ポリシロキサンセグメント(a1)とが化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
(複合樹脂(A) ポリシロキサンセグメント(a1))
本発明におけるポリシロキサンセグメント(a1)は、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有すセグメントである。
(一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位)
具体的には、前記一般式(1)及び(2)におけるR、R及びRは、それぞれ独立して、−R−CH=CH、−R−C(CH)=CH、−R−O−CO−C(CH)=CH、及び−R−O−CO−CH=CHからなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しRは単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す。
前記Rにおける前記炭素原子数が1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1−エチルプロピレン基、ヘキシレン基、イソヘシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、2,2−ジメチルブチレン基、1−エチルブチレン基、1,1,2−トリメチルプロピレン基、1,2,2−トリメチルプロピレン基、1−エチル−2−メチルプロピレン基、1−エチル−1−メチルプロピレン基等が挙げられる。中でもRは、原料の入手の容易さから単結合または炭素原子数が2〜4のアルキレン基が好ましい。
また、前記炭素原子数が1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
また、前記R、R及びRの少なくとも1つが前記重合性二重結合を有する基であると、活性エネルギー線等により硬化させることができ、活性エネルギー線、並びに、シラノール基及び/又は加水分解性シリル基の縮合反応による塗膜の架橋密度の向上という2つの硬化機構により、より優れた耐擦傷性、耐酸性、耐アルカリ性及び耐溶剤性を有する硬化塗膜を形成でき、熱硬化性樹脂組成物を用いることが困難であって建築外装用塗料やプラスチックをはじめとする熱変形しやすい基材に対しても好適に使用でき好ましい。
前記重合性二重結合を有する基は、ポリシロキサンセグメント(a1)中に2つ以上存在することが好ましく、3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましく、より耐擦傷性に優れた塗膜を得ることができる。具体的には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)中の重合性二重結合の含有率が3〜35重量%であれば、所望の耐摩耗性を得ることができる。尚、ここでいう重合性二重結合とは、ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のうち、フリーラジカルによる生長反応を行うことができる基の総称である。また、重合性二重結合の含有率とは、当該ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のポリシロキサンセグメント中における重量%を示すものである。
重合性二重結合を有する基としては、当該ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基を含有してなる公知の全ての官能基を使用することができるが、中でも−R−C(CH)=CHや−R−O−CO−C(CH)=CHで表される(メタ)アクリロイル基は、紫外線硬化の際の反応性に富むことや、後述のビニル系重合体セグメント(a2)との相溶性が良好であり、透明性に優れる硬化塗膜が得られることから好ましい。
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、ケイ素の結合手のうち2または3つが架橋に関与した、三次元網目状のポリシロキサン構造単位である。三次元網目構造を形成しながらも密な網目構造を形成しないので、製造あるいはプライマー形成時にゲル化等を生じることもなく保存安定性も良好となる。
(複合樹脂(A) シラノール基および/または加水分解性シリル基)
本発明においてシラノール基とは、珪素原子に直接結合した水酸基を有する珪素含有基である。該シラノール基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が水素原子と結合して生じたシラノール基であることが好ましい。
また本発明において加水分解性シリル基とは、珪素原子に直接結合した加水分解性基を有する珪素含有基であり、具体的には、例えば、一般式(4)で表される基が挙げられる。
Figure 0005741038

(4)
(一般式(4)中、Rはアルキル基、アリール基又はアラルキル基等の1価の有機基を、Rはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基及びアルケニルオキシ基からなる群から選ばれる加水分解性基である。またbは0〜2の整数である。)
前記Rにおいて、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
またアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
またアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記Rにおいて、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基等が挙げられる。
またアシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、フェニルアセトキシ、アセトアセトキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等が挙げられる。
またアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
前記Rで表される加水分解性基が加水分解されることにより、一般式(4)で表される加水分解性シリル基はシラノール基となる。加水分解性に優れることから、中でも、メトキシ基およびエトキシ基が好ましい。
また前記加水分解性シリル基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が前記加水分解性基と結合もしくは置換されている加水分解性シリル基であることが好ましい。
前記シラノール基や前記加水分解性シリル基は、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、得られる塗膜のポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐溶剤性などに優れた塗膜を形成することができる。
また、前記シラノール基や前記加水分解性シリル基を含むポリシロキサンセグメント(a1)と後述のビニル系重合体セグメント(a2)とを、前記一般式(3)で表される結合を介して結合させる際に使用する。
また、ポリシロキサンセグメント(a1)として、R、R及びRの少なくとも1つが前記重合性二重結合を有する基である構造は、例えば以下の構造が挙げられる。
Figure 0005741038
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Figure 0005741038
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Figure 0005741038
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本発明においては、前記ポリシロキサンセグメント(a1)を、樹脂組成物の全固形分量に対して10〜75重量%含むことが好ましく、防汚性、耐擦傷性および耐候性を両立させることが可能となる。
(複合樹脂(A) ビニル系重合体セグメント(a2))
本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)は、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体、芳香族系ビニル系重合体、ポリオレフィン系重合体等のビニル重合体セグメントである。これらは用途により適宜選択することが好ましい。例えば得られる表層の透明性や光沢を得たい場合にはアクリル系重合体セグメントが好ましい。
アクリル系重合性セグメントは、汎用の(メタ)アクリルモノマーを重合または共重合させて得られる。(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定はなく、またビニルモノマーも共重合可能である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数が1〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸のアルキルエステル類;ジメチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネート等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドン等の3級アミド基含有モノマー類等が挙げられる。
前記モノマーを共重合させる際の重合方法、溶剤、あるいは重合開始剤にも特に限定はなく、公知の方法によりビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。例えば、塊状ラジカル重合法、溶液ラジカル重合法、非水分散ラジカル重合法等の種々の重合法により、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の重合開始剤を使用してビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。
前記ビニル系重合体セグメント(a2)の数平均分子量としては、数平均分子量(以下Mnと略す)に換算して500〜200,000の範囲であることが好ましく、前記複合樹脂(A)を製造する際の増粘やゲル化を防止でき、且つ耐久性に優れる。Mnは中でも700〜100,000の範囲がより好ましく、1,000〜50,000の範囲が、基材上に層を形成させる際に良好な膜を形成できる等の理由からなお好ましい。
また前記ビニル系重合体セグメント(a2)は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)とするために、ビニル系重合体セグメント(a2)中の炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有する。これらのシラノール基および/または加水分解性シリル基は、後述の複合樹脂(A)の製造において一般式(3)で表される結合となってしまうために、最終生成物である複合樹脂(A)中のビニル系重合体セグメント(a2)には殆ど存在しない。しかしながらビニル系重合体セグメント(a2)にシラノール基および/または加水分解性シリル基が残存していても何ら問題はなく、前記重合性二重結合を有する基の硬化反応による塗膜形成の際に、該硬化反応と平行して、シラノール基中の水酸基や加水分解性シリル基中の前記加水分解性基の間で加水分解縮合反応が進行するので、得られる塗膜のポリシロキサン構造の架橋密度が高まり、耐溶剤性などに優れた塗膜を形成することができる。
炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するビニル系重合体セグメント(a2)は、具体的には、前記汎用モノマー、及び、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとを共重合させて得る。
炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、後述のポリイソシアネート等の架橋剤を含有する際には、前記ビニル系重合体セグメント(a2)はアルコール性水酸基等の反応性官能基を有することが好ましい。例えばアルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)は、アルコール水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させて得ることができる。アルコール水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート、ポリエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、「プラクセルFMもしくはプラクセルFA」〔ダイセル化学(株)製のカプロラクトン付加モノマー〕等の各種α、β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類、またはこれらとε−カプロラクトンとの付加物、等が挙げられる。
中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが、反応が容易であり好ましい。
前記アルコール性水酸基量は、後述のポリイソシアネートの添加量から算出して適宜決定するのが好ましい。
(複合樹脂(A)の製造方法)
本発明で用いる複合樹脂(A)は、具体的には下記(方法1)〜(方法3)に示す方法で製造する。
(方法1)前記汎用の(メタ)アクリルモノマー等、及び、前記炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとを共重合させて炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。これとシラン化合物とを混合し、加水分解縮合反応させる。導入したい基がある場合は、導入したい基を有するシラン化合物を使用する。例えばアリール基を導入する場合は、アリール基とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを併有するシラン化合物を適宜使用すればよい。また重合性二重結合を有する基を導入する場合は、重合性二重結合を有する基とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを併有するシラン化合物を使用すればよい。
該方法においては、シラン化合物のシラノール基あるいは加水分解性シリル基と、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが加水分解縮合反応し、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が形成されると共に、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが前記一般式(3)で表される結合により複合化された複合樹脂(A)が得られる。
(方法2)方法1と同様にして、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。
一方、シラン化合物(導入したい基がある場合は、導入したい基を有するシラン化合物を使用する)を加水分解縮合反応させ、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。そして、ビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、ポリシロキサンセグメント(a1)とが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる。
(方法3)方法1と同様に、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)を得る。一方、方法2と同様にして、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。更に、必要に応じて、導入したい基を有するシラン化合物等を混合し、加水分解縮合反応させる。
また、重合性二重結合を有する基を導入する際に使用する重合性二重結合を有する基とシラノール基および/または加水分解性シリル基とを併有するシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等を併用する。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、その他、前記(方法1)〜(方法3)で使用する汎用のシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、iso−ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン等の各種のオルガノトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシランもしくは等の、各種のジオルガノジアルコキシシラン類;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシランもしくは等のクロロシラン類が挙げられる。中でも、加水分解反応が容易に進行し、また反応後の副生成物を容易に除去することが可能なオルガノトリアルコキシシランやジオルガノジアルコキシシランが好ましい。
また、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランもしくはテトラn−プロポキシシランなどの4官能アルコキシシラン化合物や該4官能アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。前記4官能アルコキシシラン化合物又はその部分加水分解縮合物を併用する場合には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、該4官能アルコキシシラン化合物の有する珪素原子が、20モル%を超えない範囲となるように併用することが好ましい。
また、前記シラン化合物には、ホウ素、チタン、ジルコニウムあるいはアルミニウムなどの珪素原子以外の金属アルコキシド化合物を、本発明の効果を損なわない範囲で併用することもできる。例えば、ポリシロキサンセグメント(a1)を構成する全珪素原子に対して、上述の金属アルコキシド化合物の有する金属原子が、25モル%を超えない範囲で、併用することが好ましい。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応は、前記加水分解性基の一部が水などの影響で加水分解され水酸基を形成し、次いで該水酸基同士、あるいは該水酸基と加水分解性基との間で進行する進行する縮合反応をいう。該加水分解縮合反応は、公知の方法で反応を進行させることができるが、前記製造工程で水と触媒とを供給することで反応を進行させる方法が簡便で好ましい。
使用する触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン酸エステル類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の各種の4級アンモニウム塩類であって、対アニオンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレートもしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム塩類;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫又はステアリン酸錫など錫カルボン酸塩等が挙げられる。触媒は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
前記触媒の添加量に特に限定はないが、一般的には前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物全量に対して、0.0001〜10重量%の範囲で使用することが好ましく、0.0005〜3重量%の範囲で使用することがより好ましく、0.001〜1重量%の範囲で使用することが特に好ましい。
また、供給する水の量は、前記シラノール基または加水分解性シリル基を有する各々の化合物が有するシラノール基または加水分解性シリル基1モルに対して0.05モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましく、特に好ましくは、0.5モル以上である。
これらの触媒及び水は、一括供給でも逐次供給であってもよく、触媒と水とを予め混合したものを供給しても良い。
前記(方法1)〜(方法3)における加水分解縮合反応を行う際の反応温度は、0℃〜150℃の範囲が適切であり、好ましくは、20℃〜100℃の範囲内である。また、反応の圧力としては、常圧、加圧下又は減圧下の、いずれの条件においても行うことができる。また、前記加水分解縮合反応において生成しうる副生成物であるアルコールや水は、必要に応じ蒸留などの方法により除去してもよい。
前記(方法1)〜(方法3)における各々の化合物の仕込み比率は、所望とする本発明で使用する複合樹脂(A)の構造により適宜選択される。中でも、得られる塗膜の耐久性が優れることから、ポリシロキサンゼグメント(a1)の含有率が30〜95重量%となるよう複合樹脂(A)を得るのが好ましく、30〜75重量%が更に好ましい。
前記(方法1)〜(方法3)において、ポリシロキサンセグメントとビニル系重合体セグメントをブロック状に複合化する具体的な方法としては、ポリマー鎖の片末端あるいは両末端のみに前記したシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するような構造のビニル系重合体セグメントを中間体として使用し、例えば、(方法1)であれば、当該ビニル系重合体セグメントに、シラン化合物を混合し、加水分解縮合反応させる方法が挙げられる。
一方、前記(方法1)〜(方法3)において、ビニル系重合体セグメントに対してポリシロキサンセグメントをグラフト状に複合化させる具体的な方法としては、ビニル系重合体セグメントの主鎖に対し、前記したシラノール基および/または加水分解性シリル基をランダムに分布させた構造を有するビニル系重合体セグメントを中間体として使用し、例えば、(方法2)であれば、当該ビニル系重合体セグメントが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とシラン化合物とを加水分解縮合反応をさせる方法を挙げることができる。
(樹脂組成物 ポリイソシアネート(B))
前記複合樹脂(A)に反応性官能基を導入し、架橋剤等を併用することで、より架橋度の高い、耐候性や耐擦傷性に優れる層が得られる。架橋剤としてはポリイソシアネート(B)が好ましく、その場合前記複合樹脂(A)における前記ビニル系重合体セグメント(a2)がアルコール性水酸基を有することが好ましい。その際のポリイソシアネート(B)は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層の全固形分量に対して5〜50重量%含有させることが好ましい。ポリイソシアネート(B)を該範囲含有させることで、特に屋外における長期耐候性(具体的には耐クラック性)が特に優れる塗膜が得られる。これは、ポリイソシアネートと系中の水酸基(これは、前記ビニル系重合体セグメント(a2)中の水酸基や後述のアルコール性水酸基を有する活性エネルギー線硬化性モノマー中の水酸基である)とが反応して、ソフトセグメントであるウレタン結合が形成され、重合性二重結合由来の硬化による応力の集中を緩和させる働きをするのではと推定している。
使用するポリイソシアネート(B)としては特に限定はなく公知のものを使用することができるが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類や、メタ−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレンジイソシアネート等のアラルキルジイソシアネート類を主原料とするポリイソシアネートは、長期屋外曝露での硬化塗膜が黄変するという問題点が生じるため使用量を最小限にすることが好ましい。
屋外での長期使用という観点から、本発明で用いるポリイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネートを主原料とする脂肪族ポリイソシアネートが好適である。脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HDI」と略す)、2,2,4−(又は、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、リジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、耐クラック性とコストの観点からHDIが特に好適である。
脂肪族ジイソシアネートから得られる脂肪族ポリイソシアネートとしては、アロファネート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート及びイソシアヌレート型ポリイソシアネートが挙げられるが、いずれも好適に使用することができる。
なお、前記したポリイソシアネートとしては、種々のブロック剤でブロック化された、いわゆるブロックポリイソシアネート化合物を使用することもできる。ブロック剤としては、例えばメタノール、エタノール、乳酸エステル等のアルコール類;フェノール、サリチル酸エステル等のフェノール性水酸基含有化合物類;ε−カプロラクタム、2−ピロリドン等のアマイド類;アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム等のオキシム類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン化合物類等を使用することができる。
前記ポリイソシアネート(B)中のイソシアネート基は、3〜30重量%であることが、得られる硬化塗膜の耐クラック性と耐摩耗性の点から好ましい。前記ポリイソシアネート(B)中のイソシアネート基が30%を超えて多い場合、ポリイソシアネートの分子量が小さくなり、応力緩和による耐クラック性が発現しなくなるおそれがある。
ポリイソシアネートと系中の水酸基(これは、前記ビニル系重合体セグメント(a2)中の水酸基や後述のアルコール性水酸基を有する前記活性エネルギー線硬化性モノマー中の水酸基である)との反応は、特に加熱等は必要なく、室温に放置することで徐徐に反応していく。また必要に応じて、80℃で数分間〜数時間(20分〜4時間)加熱して、アルコール性水酸基とイソシアネートの反応を促進してもよい。その場合は、必要に応じて公知のウレタン化触媒を使用してもよい。ウレタン化触媒は、所望する反応温度に応じて適宜選択する。
(樹脂組成物 その他の配合物)
本発明で使用する樹脂組成物は、前記複合樹脂(A)が前述の重合性二重結合を有する基を含む場合は活性エネルギー線により硬化可能である。活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線、または通常20〜2000kVの粒子加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線、等があげられる。中でも紫外線、あるいは電子線を使用するのが好ましい。特に紫外線が好適である。紫外線源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー等を使用することができる。これらを用いて、約180〜400nmの波長の紫外線を、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層の塗工面に照射することによって、塗膜を硬化させることが可能である。紫外線の照射量としては、使用される光重合開始剤の種類及び量によって適宜選択される。
活性エネルギー線による硬化は、基材がプラスチック等の耐熱性に乏しい素材である場合に特に有効である。一方基材に影響を与えない範囲で熱を併用する場合には、熱風、近赤外線など公知の熱源が使用できる。
紫外線により硬化させる場合は、光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としては公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤(B)は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤(B)の使用量は、前記複合樹脂(A)100重量%に対して、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
また、必要に応じて活性エネルギー線硬化性モノマー、特に多官能(メタ)アクリレートを含有するのが好ましい。多官能(メタ)アクリレート特に限定はなく、公知のものを使用することができる。例えば、1,2−エタンジオールジアクリレート、1,2−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシ)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート等の1分子中に2個以上の重合性2重結合を有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等も多官能アクリレートとして例示することができる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
例えば、前述のポリイソシアネートを併用する場合には、ペンタエリスリトールトリアクリレートやジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基を有するアクリレートが好ましい。また、架橋密度をより高めるために、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート等の特に官能基数の高い(メタ)アクリレートを使用することも有効である。
また、前記多官能(メタ)アクリレートに併用して、単官能(メタ)アクリレートを併用することもできる。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えばダイセル化学工業(株)製商品名「プラクセル」)、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、コハク酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、各種エポキシエステルの(メタ)アクリル酸付加物、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、などのカルボキシル基含有ビニル単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有ビニル単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロ−プロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルりん酸などの酸性りん酸エステル系ビニル単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有するビニル単量体等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。多官能イソシアネート(b)のイソシアネート基との反応性を考慮すると、単量体(c)としては、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。
前記多官能アクリレートを用いる場合の使用量としては、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層として使用する樹脂組成物の全固形分量に対して1〜85重量%が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。前記多官能アクリレートを前記範囲内で使用することによって、得られる層の硬度等の物性を改善することができる。
一方、熱硬化を併用させる場合には、組成物中の重合性二重結合反応と、アルコール性水酸基とイソシアネートとのウレタン化反応との反応温度、反応時間等を考慮して、各々の触媒を選択することが好ましい。また、熱硬化性樹脂を併用することも可能である。熱硬化性樹脂としては、ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、シリコン樹脂あるいはこれらの変性樹脂等が挙げられる。
その他、必要に応じて有機溶剤、無機顔料、有機顔料、体質顔料、粘土鉱物、ワックス、界面活性剤、安定剤、流動調整剤、染料、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、又は可塑剤等の種々の添加剤等を使用することもできる。
(基材)
本発明が適用可能な基材は特に限定はない。基材の素材としては例えば、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、紙、不織布その他の無機質材料や有機質材料、またはその組み合わせ(複合材料、積層材料等)等があるが、特に限定はなく、樹脂組成物が塗工可能な素材であるならば何でもよい。また塗工を容易にするために、プライマー層を設けたりコロナ処理等を施したりしてもよい。
また、基材の形状も特に限定はなく、平板、3次元形状全面にまたは一部に曲率を有するものなど目的に応じた任意の形状であってよい。また基材の硬度、厚み等にも特に制限はない。
表面処理された基材は、そのまま各種物品や部材として使用することができる。部材には、3次元形状を有する成形品である場合や、成形品表面に貼付させるあるいは熱圧着させ手使用する化粧シートや成形用シート等のシート等があるが、本発明はこれらに適用できる。
例えば3次元形状を有する成形品(例えば自動車のボディー等)が基材であるならば、塗工により該成形品表面に前記樹脂組成物による硬化物層を設けた後、三酸化硫黄含有ガスを接触させることで、表面処理された成形品を得ることができる。これはそのまま自動車の1部品として使用することができる。
具体的には、自動車、自動二輪車、電車、自転車、船舶、飛行機等の輸送関連機器類及びそれらに使用される各種の部品類;テレビ、ラジオ、冷蔵庫、洗濯機、クーラー、クーラー室外機またはコンピュータ等の家電製品類及びそれらに使用される各種の部品類;各種の窓用ガラス、無機質系の瓦、金属製の屋根材、無機質系外壁材、金属製の壁材、金属製の窓枠、金属製あるいは木製のドアまたは内壁材等の建材類;ユニットバスの防水パン、壁、天井、洗面カウンター等の浴室部材類;キッチンシンク、キッチンカウンター、コンロの天板等の台所部材類;道路、道路標識、ガードレール、橋梁、タンク、煙突またはビルディング等の屋外構築物等、プラスチックボトル、金属缶等の容器類;その他、前記基材類からなる楽器類、事務用品類、スポーツ用品類、玩具類等の3次元形状を有する物品あるいは部材が挙げられる。
また基材が紙シート、不織布シートやプラスチックフィルム等の可とう性を有するシート形状であるならば、該シートやフィルム表面に成形品表面に前記樹脂組成物による硬化物層を設けた後、三酸化硫黄含有ガスを接触させることで、表面処理されたシートを得ることができる。これは、表面処理された側と反対側の面に接着剤等を設け接着性フィルムとして自動車のウインドウ用クリヤーフィルムや各種化粧シートとして使用したり、更に印刷層を設けた加飾成形用シートとしてインサート加飾成形やFRP・SMC用加飾成形に使用することができる。その他、そのまま物品や1部品として使用することもできる。
具体的には、ポリエステル樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム等を基材とするウインドウ用クリヤーフィルム、装飾フィルム及びポスター等の各種建材用フィルム類;太陽電池モジュールの構成部材類、偏光板保護フィルム、ARフィルム、偏光板、位相差フィルム、プリズムシート、拡散フィルム、拡散板等のフラットパネルディスプレイの構成部材等が挙げられる。
特に太陽電池モジュールの構成部材として使用する場合は保護部材として使用することが、本発明の効果が発揮できることから好ましい。受光面側透明保護部材として使用する場合には、透明性の観点から基材として透明性プラスチックやガラスを用いることが好ましい。一方裏面側保護部材として使用する場合は、基材として特に限定はなく、汎用のガラスあるいはプラスチック(透明性を有する必要はない)を用いることができる。
(基材の表面処理方法 工程(1))
前記基材に前記樹脂組成物層を設ける方法は、前記基材が3次元形状を有する物品あるいは部材である場合には、例えば刷毛塗り法、ローラー塗装法、スプレー塗装法、浸漬塗装法、フロー・コーター塗装法、ロール・コーター塗装法もしくは電着塗装法などの公知慣用の塗装方法により設けることが好ましい。
一方、基材として可とう性を有するシートを使用し、化粧シートや成形用シートとして適用する場合には、シート状のプラスチック基材上に、前記樹脂組成物層を、フローコーター、ロールコーター、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、ローラー塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法、ノズル法、巻き取り法、流し法、盛り付け、パッチング法等により設ける方法が挙げられる。また、更に印刷層等の加飾層、プライマー層等を設ける場合には、ドライラミネーション(乾式積層法)により、前記樹脂組成物層を設けた基材と、前記加飾層やプライマー層等を設けた任意の剥離性フィルムとを、前記樹脂組成物層と前記加飾層やプライマー層等とが相対するように重ねてドライラミネーション(乾式積層法)により貼り合わせる転写法があげられる。中でも転写法が好ましい。
前記シート状のプラスチック基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン類;ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類;ナイロン1、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンMX−Dなどのポリアミド類;ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系重合体;ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体等のアクリル系重合体;ポリカーボネート等を使用することができる。前記プラスチック基材は、単層又は2層以上の積層構造を有するものであってもよい。また、これらのプラスチック基材は、未延伸、一軸延伸、二軸延伸されていてもよい。また本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、公知の帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤等の公知の添加剤が含まれていても良い。これらのプラスチック基材は、本発明の硬化性樹脂組成物との密着性を更に向上させるために、基材表面に公知の表面処理が施されていてもよく、かかる表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせた処理を行ってもよい。また樹脂組成物層との密着性を高める目的で下塗り塗料等を塗布している場合もある。
また、紙基材としては、建材用チタン紙、建材用薄葉紙、プリント用紙、純白紙、晒または未晒のクラフト紙、いわゆる合成樹脂等を混合して抄造した混抄紙、チタン紙をラテックス等の樹脂で含浸した含浸チタン紙、ラテックス等をコーティングした含浸コートチタン紙等が使用できる。
前記紙基材は、公知の印刷方式によって、絵柄模様などを印刷形成することもできる。また、印刷面上にポリエステル樹脂やセルロース樹脂などを主成分とする公知のリコート剤を塗布することもできる。
前記プラスチック基材の厚みは、使用用途によって異なるが、一般的に30〜200μmの範囲が好ましく使用できる。また、前記紙基材の厚みは、坪量30〜120g/m、好ましくは坪量60〜80g/mであり、その中でも含浸チタン紙は紙間強度が高いだけでなく、紙間に存在する気泡が少ないものが好ましい。
前記樹脂組成物層を任意の方法で硬化させることで硬化物層となる。前記複合樹脂(A)はシラノール基および/または加水分解性シリル基を有するため、室温でも徐徐に反応し硬化物層となるが、より反応を速めるために加熱することが好ましい。また前記複合樹脂(A)が重合性二重結合を有する基を有する場合は、活性エネルギー線硬化により硬化させることが好ましい。またポリイソシアネート(B)を含有する場合も、加熱により硬化させることが好ましい。
前記樹脂組成物層の膜厚は、優れた耐擦傷性を有する硬化塗膜を形成することができるという理由から0.1〜300μmが好ましい。
(基材の表面処理方法 工程(2))
前記工程(1)により基材上に設けた前記樹脂組成物による硬化物層に、公知の方法にて真空紫外線を照射する。
真空紫外線は、200nm以下の波長の光であり、光源としては、エキシマレーザー、エキシマランプ、低圧水銀ランプ等が挙げられる。中でも高強度の真空紫外線を得ることができるエキシマレーザー、エキシマランプが好ましく、フィルム等の大面積の対象物を連続して処理することができるエキシマランプが好ましい。
エキシマレーザー又はエキシマランプの発光波長は、放電ガスの種類によって異なるが、一般的にアルゴンを放電ガスに使った発光中心波長126nm、クリプトンを放電ガスに使った発光中心波長146nm、キセノンを放電ガスに使った発光中心波長172nm等が使用できる。
真空紫外線は、大気中を通過していくに従って大気中の酸素に吸収され減衰することから、処理効率を制御するため、大気と窒素等の不活性ガスとを混合したり、窒素等の不活性ガス単独の雰囲気下で照射したり、あるいは真空下で照射することが好ましい。
照射量は、前記工程(1)により基材上に設けた前記樹脂組成物による硬化物層の表面が親水化し、対水接触角で40度以下、好ましくは20度以下になるよう、処理条件等により適宜決定できる。
例えば、大気雰囲気下でエキシマランプを照射した場合は、0.5J/cm〜4J/cmで十分な効果が発現される。
前記真空紫外線を照射後の基材を、実用に供するまでの保管、運搬、据付等の間に傷がつかないよう、その表面に保護フィルムを貼ってもよい。ただし、その場合、保護フィルムの粘着面に塗布されている粘着剤が基材表面に付着して、フィルムを剥離した後も粘着剤が残り、防汚性を損なわないよう、保護フィルムを選択する必要がある。
また本発明においては、表面処理が必要ない部分についてはマスキング処理することにより、選択的に親水化処理を実施することができる。マスキング方法としては公知の方法が用いられる。例えば、粘着剤のついた樹脂製あるいは紙製のフィルム、シート、テープ等や粘着剤のついた金属箔によるマスキング、UVあるいは電子線硬化塗料を含む塗料等の塗布によるマスキング、レジスト材によるマスキング、物理的遮蔽によるマスキング等が挙げられる。
以上により本発明の表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材が得られる。基材として可とう性を有するシートを使用し、化粧シートや成形用シートとして適用する場合には、表面処理された側とは反対側の面に塗工法等により接着層や粘着層を設けることは好ましい。接着層や粘着層は、被着体と接着力を高める目的で付与する層であり、接着剤でも粘着剤でも構わなく、樹脂フィルムと被着体とに接着する材質のものを適宜選択することが可能である。
例えば接着剤としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、天然ゴム、SBR、NBR、シリコーンゴム等の合成ゴムや結晶性高分子などがあげられ、溶剤型又は無溶剤型のものが使用出来る。
また、粘着剤としては、熱成形する温度でタック性を有するものであれば良く、例えば、アクリル樹脂、イソブチレンゴム樹脂、スチレン−ブタジエンゴム樹脂、イソプレンゴム樹脂、天然ゴム樹脂、シリコーン樹脂などの溶剤型粘着剤や、アクリルエマルジョン樹脂、スチレンブタジエンラテックス樹脂、天然ゴムラテックス樹脂、スチレン−イソプレン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテルなどの無溶剤型粘着剤などがあげられる。
(太陽電池用保護シート)
本発明の表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材において、基材としてシート状の基材を使用したものは、前述の通りそのまま太陽電池用受光面側保護シートとして使用することができる。好ましくは、基材としてプラスチックまたはガラスを使用し、前記接着層または粘着層を設けたものが好ましい。
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池用受光面側保護シートを使用する場合の、太陽電池モジュールの具体的態様の一例に示す。なお本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。
太陽電池モジュールは、太陽電池用受光面側保護シート、第1封止材、太陽電池群、第2封止材、太陽電池用保護シートが順次積層されることによって構成される。なお太陽電池用受光面側保護シートは、該保護シートの基材(基材に接着層あるいは粘着層を設けた場合は、該接着層あるいは粘着層)と第1封止材とが合わさる状態、即ち本発明の表面処理された基材の前記表面処理側が最表層となるように積層させる。
第1封止材及び第2封止材は、本発明の太陽電池用受光面側保護シートと電池用保護シートとの間で、太陽電池群を封止する。第1封止材及び第2封止材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAと称す)、EEA、PVB、シリコン、ウレタン、アクリル、エポキシ等の透光性の樹脂を用いることができる。また、第1封止材及び第2封止材は過酸化物等の架橋剤を含む。従って、第1封止材及び第2封止材は所定の架橋温度以上に加熱されることにより、軟化された後、架橋が開始される。これによって、各構成部材どうしが仮接着される。
太陽電池群は、複数の太陽電池と配線材とを有する。複数の太陽電池は配線材により互いに電気的に接続される。
その後、ラミネート装置でラミネートした第1封止材と第2封止材を加熱により本硬化させることで、太陽電池モジュールを得ることができる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。例中断りのない限り、「部」「%」は重量規準である。
(合成例1〔ポリシロキサンの調整例〕)
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシラン(MTMS) 415部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)756部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「A−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−1) 1000部を得た。
尚、「有効成分」とは、使用したシランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)を、加水分解縮合反応後の実収量(重量部)で除した値、即ち、〔シランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)/加水分解縮合反応後の実収量(重量部)〕の式により算出したものである。
(合成例2〔複合樹脂(A)の調製例〕)
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 15部、n−ブチルメタクリレート(BMA) 45部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA) 39部、アクリル酸(AA) 1.5部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 45部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「A−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−1) 600部を得た。
(合成例3(同上))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、MMA 15部、BMA 45部、EHMA 39部、AA 1.5部、MPTS 4.5部、HEMA 45部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「A−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 562.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 80.0部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MEK 128.6部、酢酸n−ブチル 5.8部を添加し、不揮発分が70.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−2) 857部を得た。
(合成例4(同上))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 17.6部、DMDMS 21.3部、酢酸n−ブチル 129.0部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、MMA 21部、BMA 63部、EHMA 54.6部、AA 2.1部、MPTS 6.3部、HEMA 63部、酢酸n−ブチル 21部、TBPEH 21部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「A−3」 0.04部と脱イオン水 11.2部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
次いで、前記反応生成物に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1)87.3部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 12.6部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、MEK 150部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメントとビニル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−3) 600部を得た。
(合成例5(同上))
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 191部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、120℃まで昇温した。次いで、MMA 169部、MPTS 11部、TBPEH 18部からなる混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器内へ4時間で滴下した。その後、同温度で16時間攪拌し、トリメトキシシリル基を有するアクリル重合体を調製した。
次いで、前記反応容器の温度を80℃に調整し、攪拌しながら、MTMS 131部、APTS 226部、DMDMS 116部を、前記反応容器中へ添加した。その後、「A−3」 6.3部と脱イオン水 97部との混合物を、5分間で滴下し、同温度で2時間攪拌することにより、加水分解縮合反応させ、反応生成物を得た。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記アクリル重合体が有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、酢酸n−ブチル 400部を添加し、不揮発分が60%であるポリシロキサンセグメントとアクリル重合体セグメントからなる複合樹脂(A−4)600部を得た。
(クリアー塗料(塗−1)の調製)
合成例1で得られた複合樹脂(A−1) 40.0部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 7.0部、イルガキュア184[光重合開始剤 チバ・ジャパン株式会社製] 1.08部、チヌビン400[ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 チバ・ジャパン株式会社製] 0.67部、チヌビン123[ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS) チバ・ジャパン株式会社製] 0.34部、バーノックDN−901S〔ポリイソシアネート DIC(ディーアイシー)株式会社製〕6.7部、を混合することによってクリヤー塗料(塗−1)を得た。
(クリアー塗料(塗−2)〜(塗−4)の調製)
第1表に示した配合例に基づき(塗−1)と同様の方法でクリヤー塗料(塗−2)〜(塗−4)を得た。
(比較用クリヤー塗料(比塗−1)の調製)
特許文献1の実施例7に基づき、光硬化性アクリル樹脂であるペンタエリスリトールトリアクリレート100部に、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン株式会社)2部、光開始助剤として4-ジエチルアミノ安息香酸エチル2部と、コロイド状シリカ(シリカ分30重量%、i−プロパノール分散)333部とを均一に混合して比較用クリヤー塗料(比塗−1)437部を得た。
Figure 0005741038
表1の略語について
(a1)はポリシロキサンセグメント(a1)の略である。
※1 複合樹脂(A)の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率である。
※2 硬化性樹脂組成物の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率(%)である。
※3 硬化性樹脂組成物の全固形分量に対するポリイソシアネート(B)の含有率(%)である。
DN−901S:バーノックDN−901S[ポリイソシアネート DIC株式会社製]である。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレートである。
I−184:イルガキュア184[光重合開始剤 チバ・ジャパン株式会社製]である。
チヌビン384:[ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 チバ・ジャパン株式会社製]である。
チヌビン400:[ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 チバ・ジャパン株式会社製]である。
チヌビン123:[ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS) チバ・ジャパン株式会社製]である。
(実施例1〜4 硬化物層の形成方法)
第1表に示した配合例に基づき調製した、それぞれクリヤー塗料(塗−1)〜(塗−4)を、基材として210mm×295mm×0.075mmのコスモシャインA4300[PETフィルム 東洋紡株式会社製]を使用し乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、80℃で4分間乾燥させて樹脂組成物層を形成後、ランプ出力1kWの水銀ランプ下、約1000mJ/cmの照射量で紫外線を照射、更に40℃で3日間放置し、硬化物層を得た。
(比較例1 硬化物層の形成方法)
比較用クリヤー塗料(比塗−1)を、基材として210mm×295mm×0.075mmのコスモシャインA4300[PETフィルム 東洋紡株式会社製]を使用し乾燥後の厚みが2μmとなるように塗布し、80℃で1時間乾燥させて樹脂組成物層を形成後、ランプ出力1kWの水銀ランプ下、約500mJ/cmの照射量で紫外線を照射し硬化物層を得た。
(真空紫外線照射方法)
前記で得られた硬化物層を有するフィルム状の基材を、中心波長172nmのエキシマランプ(株式会社エム・ディ・エキシマ製)を用い、照射距離2mm、大気雰囲気下、積算光量約3000mJ/cmの条件にて、真空紫外線照射による表面処理を行い、本発明の表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材を得た。
<物性測定方法>
[表面機械物性 耐クラック性(SWOM)]
スガ試験機社製のサンシャインウェザオメーターによる促進耐候性試験を実施し、未曝露の試験体と、2000時間経過後の試験体を目視観察にて比較評価した。表面状態等に変化がないものを(○)、一部クラックが発生しているものを(△)、全面にクラックが発生しているものを(×)として判定した。
[表面機械物性 耐クラック性(MW)]
ダイプラウィンテス社製のDMWを使用してメタルウェザー試験による促進耐候性試験を実施し、未曝露の試験体と、480時間経過後の試験体を目視観察にて比較評価した。表面状態等に変化がないものを(○)、一部クラックが発生しているものを(△)、全面にクラックが発生しているものを(×)として判定した。なお本評価方法は、前記耐クラック性(SWOM)を評価する促進耐候性試験よりも更に厳しい条件で測定するものであり、屋外での長期使用を目的とする物質に対する試験方法である。
[くもり値(ヘイズ値)]
サンシャインウェザオメーターによる促進耐候性試験での硬化層を有するフィルムの劣化度合いを、くもり価(ヘイズ値)により数値化した。通常くもり価は、ヘイズメーターを使用して試験片の光線透過率を測定し、次式によって算出する(単位は%)。
Figure 0005741038
ここでは、2000時間経過後の硬化層を有するフィルムのくもり価(%)と、未試験の硬化層を有するフィルムのくもり価(%)の差をヘイズ値変化ΔH(%)として表示した。差が大きいほど、硬化層を有するフィルムの劣化が進行していることを示す。
[耐摩耗性]
硬化層を有するフィルムの表面を、テーバー摩耗試験にて、JIS R3212に準拠した方法(摩耗輪:CS−10F、荷重:500g、回転数:100)にて擦り、初期状態とのくもり価の差、すなわち、ヘイズ値変化ΔH(%)を測定する。差が小さいほど、耐摩耗性が高いことを示す。
[防汚性]
特許文献1の対水接触角および汚染性の評価方法に準じ、以下に示す測定を実施した。
1)対水接触角の測定:DATAPHISICS社製 接触角計(型番OCA20)を用いて各5点測定し、真空紫外線照射前後の平均値を表記した。
2)耐油汚染性:硬化物表面に擬似油汚れ(カーボンブラック/流動パラフィン/イオン交換水=9/1/40)を0.2ml滴下し、70℃で5分間乾燥した後、水中に垂直に投入し、擬似油汚れが浮き上がる(ローリングアップと表記)までの時間を測定した。短時間で油汚れが浮き上がるほど防汚性が良好なことを示す。ここでは、サンシャインウェザーオメーター2000時間経過後の硬化層を有するフィルムの結果を以下の3段階で評価した。
○:1分未満でローリングアップする場合
△:1分〜10分でローリングアップする場合
×:10分待ってもローリングアップが観られない場合
実施例1〜4、比較例1の評価結果を表2に示す。
Figure 0005741038
比較例1は、真空紫外線照射によりコロイド状シリカが親水化され、対水接触角が下がるものの、そのコロイド状シリカは樹脂と結合しておらず単に分散されているだけであるため、耐候性試験により親水化されたコロイド状シリカが脱離し、クラックの発生およびくもり値の上昇が観られた。
実施例については、実施例4のみポリイソシアネートを配合していないため、耐クラック性(MW)では、若干劣る傾向が観られたが、その他は、耐候性、耐擦傷性および防汚性を満足するものであった。
(実施例5)
実施例1で真空紫外線照射を行ったフィルムを太陽電池モジュールの太陽電池用受光面側保護シートとして用い、屋外曝露後の発電効率を評価した。
(太陽電池モジュールの作製方法)
(封止材の作製)
EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量 28重量%))100部と、架橋剤として2,5−ジメチル2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン1.3部を、ロールミルで70℃で混練し、太陽電池用封止材用組成物を調製した。前記太陽電池用封止材用組成物を70℃でカレンダ成形し、放冷して太陽電池用封止材(厚さ0.6mm)を作製した。
(バックストレート型太陽電池モジュールの作製)
ラミネート装置(日清紡メカトロニクス製)の熱板を150℃に調整し、その熱板の上に、アルミ板、前記太陽電池用封止材、多結晶シリコン型太陽電池セル、前記太陽電池用封止材、太陽電池用受光面側保護シートとして実施例1で得た光触媒担持シート(1)の順に重ね合わせ、ラミネート装置の蓋を閉じた状態で、脱気3分、プレス8分を順に行い、その後10分間保持してから取り出し、バックストレート型太陽電池モジュール(F−1)とした。
(発電効率評価)
前記太陽電池モジュールを、ワコム電装製ソーラーシミュレータを使用して、モジュール温度25℃、放射強度1kW/m、分光分布AM1.5Gの条件にて、太陽電池モジュールの発電効率(%)を測定した。
ここでは、大阪府高石市の工業地帯内に位置するDIC株式会社堺工場にて、太陽電池モジュールを3年間屋外曝露後の発電効率(%)と、未試験のモジュールの発電効率(%)の差を表示した。差が大きいほどスルホン化表面処理を行ったフィルム表面の汚染が大きいことを示す。
Figure 0005741038
(比較例2)
実施例1で得た真空紫外線照射を行ったフィルムの代わりに比較例1で得た真空紫外線照射を行ったフィルムを使用した以外は、実施例5と同様の方法で太陽電池モジュールHF−1を得た。
実施例5と比較例2のモジュール名、及び各々の発電効率の差を表3に示す。
Figure 0005741038
この結果、実施例1で得た真空紫外線照射を行ったフィルムを太陽電池用受光面側保護シートとして用いた実施例5の太陽電池モジュールは、油汚れを防止する効果により、ばい煙の影響を受けにくく、表面がクリアであり、初期の発電効率をほぼ維持していた。一方、比較例1で得た真空紫外線照射を行ったフィルムを用いた比較例2の太陽電池モジュールは、表面の耐候劣化のため、ばい煙がフロントシート表面に付着し、その結果発電効率の大幅な低下がみられた。

Claims (7)

  1. 真空紫外線を照射することにより表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材であって、
    前記樹脂組成物が、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、アクリル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有することを特徴とする表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材。
    Figure 0005741038
    Figure 0005741038
    (一般式(1)及び(2)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2からなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しR4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す。)
    Figure 0005741038
    (3)
    (一般式(3)中、炭素原子は前記アクリル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
  2. 前記一般式(1)及び(2)中のR1、R2及びR3の少なくとも1つが前記重合性二重結合を有する基である請求項1に記載の表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材。
  3. 前記アクリル系重合体セグメント(a2)がアルコール性水酸基を有し、且つ前記樹脂組成物がポリイソシアネート(B)を含有する、請求項1又は2に記載の表面処理された樹脂組成物による硬化物層を表面に有する基材。
  4. 基材がシート状である請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理された樹脂組成物による
    硬化物層を表面に有する基材。
  5. シート状基材の表面に、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、アクリル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有する樹脂組成物による硬化物層を設け、更に該樹脂組成物による硬化物層の表面に真空紫外線を照射して表面処理してなることを特徴とする太陽電池用受光面側保護シート。
    Figure 0005741038
    Figure 0005741038
    (一般式(1)及び(2)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2からなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しR4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す。)
    Figure 0005741038
    (3)
    (一般式(3)中、炭素原子は前記アクリル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
  6. 請求項5に記載の太陽電池用受光面側保護シートを前記硬化物層が最表層となるように太陽電池モジュールの受光側前面に設けてなる太陽電池モジュール。
  7. 基材表面に、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、アクリル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有する樹脂組成物による硬化物層を設ける工程(1)と、前記樹脂組成物による硬化物層に真空紫外線を照射する工程(2)とを有することを特徴とする、基材表面の樹脂組成物による硬化物層の表面処理方法。
    Figure 0005741038
    Figure 0005741038
    (一般式(1)及び(2)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2からなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しR4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す。)
    Figure 0005741038
    (3)
    (一般式(3)中、炭素原子は前記アクリル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする)
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