以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るSBC(Server Based Computing)システムの構成を示すブロック図である。
このSBCシステムは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)からなるネットワークN上に接続されたサーバ装置10および複数のクライアント装置(Thin client)20,…を備える。
サーバ装置10は、インターネット接続処理プログラム,Web表示プログラム(Webブラウザ),メール処理プログラム,文書作成処理プログラム,表計算処理プログラム,プレゼン資料作成プログラムなど、複数のアプリケーションプログラムを有し、当該サーバ装置10に接続されたクライアント装置20,…からの操作入力(入力イベント)信号に応じて起動しその処理を実行する。
このサーバ装置10において、クライアント装置20,…からの操作入力信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、クライアント用の仮想フレームバッファRAM14a(図2参照)上に、クライアント装置20の表示領域サイズに合わせて生成された表示出力用の描画データGは、圧縮処理された後アクセス元のクライアント装置20,…へ送信(転送)される。
そして、クライアント装置20,…では、前記サーバ装置10から転送された描画データGがその圧縮を解凍されてフレームバッファRAM25(図3参照)に展開され、表示装置26に表示される。
つまり、このSBCシステムにおける各クライアント装置(Thin client)20,…は、何れもキーボード及びマウスなどのユーザ操作に応じた入力機能とLCD表示部及びプリンタなどへの出力機能を主要な機能として有し、少なくとも前記サーバ装置10が有している各種のアプリケーション機能やデータファイルの管理機能を一切持っていない。
そして、クライアント装置20,…からの操作入力(入力イベント)信号に応じてサーバ装置10にて起動実行される各種の処理に伴い生成されたデータファイルは、基本的には、当該サーバ装置10内あるいは該サーバ装置10にて接続管理される磁気ディスクなどの記憶装置にユーザアカウント毎あるいは共有ファイルとして記憶され保存される。
図2は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10の回路構成を示すブロック図である。
サーバ装置10は、コンピュータとしてのCPU11を備え、このCPU11には、バス12を介してROM13、RAM14、フレームバッファRAM15、表示装置16が接続される。
また、CPU11には、バス12を介してキーボード,マウスなどの入力装置17、外部記憶装置18a、補助記憶装置18b、クライアント装置20,…との通信I/F(インターフェイス)19が接続される。
CPU11は、ROM13に予め記憶されているシステムプログラムや種々のアプリケーションプログラムを含むサーバ制御プログラムに従ってRAM14を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置17からのキー入力信号や通信I/F19を介して受信されるクライアント装置20からのユーザ操作に応じた処理指令(入力イベント)信号などに応じて前記種々のプログラムが起動・実行される。
このサーバ装置10において、クライアント装置20からの入力イベント信号に応じて起動・実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された種々のデータは、例えばそのユーザIDに対応付けられて外部記憶装置18aに記憶される。またクライアント表示用の描画データGは、RAM14内のクライアント用仮想フレームバッファRAM14aを使用し、クライアント装置20の表示領域サイズに合わせて生成されると共に、圧縮処理された後、通信I/F19からクライアント装置20へ転送されて表示出力される。
また、このサーバ装置10は、RAM14において、Webページ全体サイズメモリ14b、クライアント表示領域サイズメモリ14c、Webページ表示位置メモリ14d、Webページ縮小画像メモリ14eを有する。
前記Webページ全体サイズメモリ14bには、クライアント装置20からの入力イベントに応じたWebブラウザプログラムに従い取得されたWebページPの全体サイズHp×Wp(図4(A1)参照)が記憶される。
前記クライアント表示領域サイズメモリ14cには、クライアント装置20との接続に伴い当該クライアント装置20から取得された表示装置26の表示領域サイズHc×Wc(図4(B1)参照)が記憶される。
前記Webページ表示位置メモリ14dには、クライアント用フレームバッファ14a上にクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wc(14c)に合わせて生成されている描画データGの、前記WebページPの原点座標(Xo,Yo)を基準とする表示位置(Xc,Yc)(図4(A1)参照)が記憶される。
前記Webページ縮小画像メモリ14eには、クライアント装置20の表示領域サイズHc×Wc(14c)に合わせて縮小されたWebページPの全体の縮小画像Pw(図4(A2)参照)が記憶される。
なお、当該サーバ装置10自身の表示装置16にて表示させるための描画データは、フレームバッファRAM15上に生成される。
図3は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20の回路構成を示すブロック図である。
クライアント装置20は、コンピュータとしてのCPU21を備え、このCPU21には、バス22を介してROM23、RAM24、フレームバッファRAM25が接続される。そして、このフレームバッファRAM25に書き込まれた描画データGが表示装置26に出力されて表示される。
また、CPU21には、バス22を介してキーボード,マウス,マイク,光センサなどの入力装置27、外部記憶装置28a、補助記憶装置28b、前記サーバ装置10との通信I/F(インターフェイス)29が接続される。
CPU21は、ROM23に予め記憶されているシステムプログラム(クライアント制御プログラム)に従ってRAM24を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置27からのキー入力信号やマウス移動信号、通信I/F29を介して受信されるサーバ装置10からのアプリケーション応答信号や転送描画データGなどに応じて前記システムプログラムが起動され実行される。
このクライアント装置20において、前記サーバ装置10におけるアプリケーションプログラムを実行させて生成した種々のデータは、適宜、外部記憶装置28aに読み込ませて記憶させ、また生成転送された表示用の描画データGは、その圧縮が解凍されてフレームバッファRAM25に書き込まれ表示装置26で表示出力される。
なお、前記作業用メモリとして機能するRAM24には、表示領域サイズメモリ24a、Webページ全体サイズメモリ24b、Webページ表示位置メモリ24c、ローカルスクロールバー(縦・横)メモリ24d、Webページ縮小画像メモリ24eが記憶される。
前記表示領域サイズメモリ24aには、表示装置26の表示領域サイズHc×Wc(図4(B1)参照)が記憶される。
Webページ全体サイズメモリ24bには、前記サーバ装置10への入力イベント(Webページ取得要求)に応じて同サーバ装置10にて取得されたWebページPの全体サイズHp×Wp(図4(A1)参照)が、同サーバ装置10から受信されて記憶される。
Webページ表示位置メモリ24cには、前記サーバ装置10においてクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wc(24a)に合わせて生成され当該クライアント装置20に転送されている描画データGの、前記WebページPの原点座標(Xo,Yo)を基準とする表示位置(Xc,Yc)(図4(A1)(B1)参照)が、同サーバ装置10から受信されて記憶される。
ローカルスクロールバー(縦・横)メモリ24dには、表示装置26に現在表示されている描画データGの、前記WebページPの全体の中での表示範囲を示す縦横のローカルスクロールバーSBv,SBh(図4(B1)参照)が、前記Webページ全体サイズメモリ24bに記憶されたWebページPの全体サイズHp×Wpと、前記Webページ表示位置メモリ24cに記憶された当該WebページPの原点座標(Xo,Yo)を基準とする表示位置(Xc,Yc)と、前記表示領域サイズメモリ24aに記憶された表示装置26の表示領域サイズHc×Wcとに基づき生成されて記憶される。
Webページ縮小画像メモリ24eには、前記サーバ装置10においてクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wc(24a)に合わせて縮小生成されたWebページPの全体の縮小画像Pw(図4(A2)参照)が、同サーバ装置10から転送されて記憶される。
図4は、前記SBCシステムのクライアント装置20にてWebページPを閲覧する場合に、サーバ装置10にて取得されたWebページPに対するクライアント表示用描画データGのサイズ,位置関係,スクロール操作時の表示状態を示す図である。
クライアント装置20からの入力イベント(Webページ取得要求)に応じて、サーバ装置10においてWebページPが取得されると、当該WebページPの全体領域に対してクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcに合わせたクライアント表示用の描画データGが生成される。
この際、サーバ装置10からクライアント装置20に対して、生成されたクライアント表示用の描画データGが転送されるのと共に、前記WebページPの全体サイズHp×Wp、同WebページPの原点座標(Xo,Yo)に対するクライアント表示用描画データGの表示位置座標(Xc,Yc)が通知される。
また、前記サーバ装置10では、前記WebページPの縮小画像Pwも生成されてクライアント装置20へ転送される。
すると、クライアント装置20では、サーバ装置10から転送されたクライアント表示用描画データGに、当該描画データGのWebページPの全体サイズに対する表示の範囲を示すスクロールバーSBv,SBhが生成付加されて表示装置26に表示される。
そして、クライアント装置20において表示装置26に表示されたスクロールバーSBv,SBhの操作が開始されると、クライアント表示用描画データGに重ねて前記WebページPの全体縮小画像Pwが表示されると共に、当該WebページPの全体縮小画像Pwに重ねて前記スクロールバーSBv,SBhが示す現在表示位置に対応させた表示範囲枠Kが表示される。
なお、前記スクロールバーSBv,SBhによるスクロール操作の最中では、当該スクロール操作に応じて前記WebページPの全体縮小画像Pwに対する表示範囲枠Kの移動表示が行われるものの、当該表示範囲枠Kの移動に応じたクライアント表示用描画データGの前記WebページP上での表示位置の変更要求がサーバ装置10へ送信されることはない。このため、同スクロールバーSBv,SBhによるスクロール操作の最中は、サーバ装置10においてクライアント表示用描画データGの描画の更新が行われることはなく、同スクロールバーSBv,SBhによるスクロール操作が終わった時点において、前記クライアント装置20から送信される表示位置の変更要求に従い、クライアント表示用描画データGの描画の更新が実行され同クライアント装置20へ応答送信される。
図5は、前記クライアント装置20からサーバ装置10へ通知される表示領域サイズHc×Wcの通信フォーマットを示す図である。
図6は、前記サーバ装置10からクライアント装置20へ通知されるWebページ情報の通信フォーマットを示す図である。
このWebページ情報には、クライアント装置20からのWebページ取得要求に応じて取得されたWebコンテンツの全体サイズHo×Wo、当該Webコンテンツの開始(原点)座標(Xo,Yo)、WebページPの全体サイズHp×Wp、クライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcに合わせた表示位置座標(Xc,Yc)が記述される。
図7は、前記サーバ装置10からクライアント装置20へ転送されるWebページPの全体縮小画像の通信フォーマットを示す図である。
このWebページPの全体縮小画像情報としては、当該縮小画像データの種別[縮小画像]と共に、その縮小画像データ本体Pw、縮小画像サイズHpw×Wpwが記述される。
図8は、前記クライアント装置20とサーバ装置10との相互間で通知される表示位置変更情報の通信フォーマットを示す図である。
この表示位置変更情報には、クライアント装置20でのスクロールバーSBv,SBhの操作終了時に決定されたWebページPの全体領域に対するスクロール後の表示位置(Xc,Yc)、またはクライアント装置20のカーソルキー操作等の入力イベントに応じてサーバ装置10にて描画更新されたWebページPの全体領域に対するスクロール後の表示位置(Xc,Yc)が記述される。
次に、前記構成のSBCシステムの動作について説明する。
図9は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理を示すフローチャートである。
通信I/F19によるクライアント装置20からのデータ受信待ちの状態において(ステップS1)、データが受信されると(ステップS2)、この受信されたデータの内容がログインを要求するイベント信号であるか否か判断される(ステップS3)。
ここで、クライアント装置20からのログインを要求するイベント信号が受信されたと判断されると(ステップS3(Yes))、当該ログイン要求送信元のクライアント装置20のログイン処理が実行され、ユーザ認証処理、クライアント用仮想フレームバッファRAM14aの初期化処理などが行われる(ステップS4)。
一方、既にログイン処理されたクライアント装置20からのデータが受信された際に(ステップS1,S2)、当該クライアント装置20のユーザ操作に伴う入力イベント信号が受信されたと判断されると(ステップS3(No)→S5(Yes))、図10における入力対応処理へ移行される(ステップSA)。
また、既にログイン処理されたクライアント装置20からのデータが受信された際に(ステップS1,S2)、当該クライアント装置20の表示装置26の表示領域サイズHc×Wcを記述した通知イベント信号(図5参照)が受信されたと判断されると(ステップS3(No)→S5(No)→S6(Yes))、当該受信されたクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcは、RAM14内のクライアント表示領域サイズメモリ14cに記憶される(ステップS7)。
また、既にログイン処理されたクライアント装置20からのデータが受信された際に(ステップS1,S2)、当該クライアント装置20の表示装置26に表示させたローカルスクロールバーSBv,SBh(図4(B2)参照)の操作に従った表示位置の変更を要求するイベント信号(図8参照)が受信されたと判断されると(ステップS3(No)→S5(No)→S6(No)→S8(Yes))、図13における表示位置変更処理へ移行される(ステップSB)。
なお、前記クライアント装置20からのデータが受信された際に(ステップS1,S2)、当該受信データの内容がログイン要求のイベント信号でもユーザ入力のイベント信号でも、表示サイズの通知イベント信号でも、表示位置変更の要求イベント信号でもないと判断された場合には(ステップS3(No)→S5(No)→S6(No)→S8(No))、当該受信データの内容に応じた他の処理が実行される(ステップS9)。
図10は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理に伴う入力対応処理を示すフローチャートである。
この入力対応処理では、先ず、クライアント装置20から受信された入力イベント信号の内容が解析され(ステップA1)、この解析されたイベント信号の内容に応じて実行すべきアプリケーションプログラムに対するイベントが発行される(ステップA2)。
そして、前記入力イベント信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、表示用描画データGの生成処理が含まれるか否か判断される(ステップA3)。ここで、表示用描画データGの生成処理が含まれると判断された場合には(ステップA3(Yes))、その描画データGの対象がWebページであるか否か判断される(ステップA4)。
そして、この入力イベントに応じた描画データGの対象がWebページであると判断された場合には(ステップA4(Yes))、図11におけるWebページ表示データ作成処理へ移行される(ステップAC)。
なお、前記入力イベント信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、表示用描画データGの生成処理が含まれないと判断された場合には(ステップA3(No))、例えばクライアント装置20との間で定期的に行われる接続確認信号の送信処理など、前記描画データG以外の前記入力イベントに対応した処理が実行される(ステップA5)。
また、前記クライアント装置20からの入力イベント信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、表示用描画データGとして生成すべき対象がWebページではないと判断された場合には(ステップA1〜A3(No)→A4(No))、その他のクライアント表示用の描画データGの生成処理が実行され(ステップA6)、クライアント用フレームバッファRAM14aに描画される(ステップA7)。
図11は、前記サーバ装置10のサーバ処理における入力対応処理に伴うWebページ表示データ作成処理を示すフローチャートである。
このWebページ表示データ作成処理に移行されると、先ず、表示用描画データGとして生成すべき対象のWebページが、新たなWebページであるか否か判断される(ステップC1)。
ここで、新たなWebページへ遷移したと判断されると(ステップC1(Yes))、当該新たに遷移したWebページPの全体サイズHp×Wp(図4(A1)参照)が取得され、RAM14内のWebページ全体サイズメモリ14bに記憶される(ステップC2)。
また、前記ステップS7にてRAM14内のクライアント表示領域サイズメモリ14cに記憶されたクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wc(図4(A1)(B1)参照)が取得される(ステップC3)。
すると、前記クライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcよりも当該クライアント装置20の表示データとして描画すべきWebページの全体サイズHp×Wpの大きいか否かにより、クライアント装置20の表示画面上にローカルスクロールバーSBv,SBh(図4(B1)(B2)参照)の表示が必要であるか否か判断される(ステップC4)。
ここで、前記ローカルスクロールバーSBv,SBhの表示が必要であると判断された場合には(ステップC4(Yes))、図12におけるWebページ縮小画像作成処理へ移行される(ステップCD)。
図12は、前記サーバ装置10の入力対応処理におけるWebページ表示データ作成処理に伴うWebページ縮小画像作成処理を示すフローチャートである。
このWebページ縮小画像作成処理に移行されると、先ず、RAM14内に設定した仮想フレームバッファが初期化され(ステップD1)、当該仮想フレームバッファに対して前記新たに遷移したWebページPが描画される(ステップD2)。
すると、前記クライアント表示領域サイズメモリ14cに記憶されたクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcに収まるサイズHpw×Wpwとなるように、前記仮想フレームバッファに描画されたWebページの縮小画像Pw(図4(A2)(B2)参照)が作成され(ステップD3)、WebページPの縮小画像イベント(図7参照)として前記クライアント装置20へ送信される(ステップD4)。そして、前記RAM14内に設定した仮想フレームバッファの内容がクリアされる(ステップD5)。
こうして、前記Webページ縮小画像作成処理(ステップCD)が終了すると、前記Webページ全体サイズメモリ14bに記憶されたWebページPの全体サイズHp×Wpが読み出され、クライアント表示領域サイズメモリ14cに記憶されたクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wc(図4(A1)(B1)参照)に合わせて生成すべきクライアント用描画データGの初期表示位置(Xc,Yc(=Xo,Yo))が共に、Webページ情報の通知イベント(図6参照)としてクライアント装置20へ送信される(ステップC5)。
そして、前記WebページPの全体画像を元に、前記クライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcに合わせた初期の表示用描画データGが、例えば図4(A1)に示すように生成され(ステップC6)、クライアント用仮想フレームバッファRAM14aに描画される(ステップA7)。
一方、前記ステップC1において、表示用描画データGとして生成すべき対象のWebページが、新たに遷移したWebページではないと判断されると共に(ステップC1(No))、前記クライアント装置20からのカーソルキー等のキー入力イベントに基づいた表示中のWebページPの画面スクロール処理であると判断されると(ステップC7(Yes))、当該キー入力イベントに応じたスクロール量で更新された表示用描画データGが生成され(ステップC8)、スクロール後のページ表示位置(Xc,Yc)がクライアント装置20へ送信される(ステップC9)。
そして、前記ステップC8にて生成されたスクロール後の表示用描画データGが、クライアント用仮想フレームバッファRAM14aに描画される(ステップA7)。
なお、前記ステップC1において、表示用描画データGとして生成すべき対象のWebページが、新たに遷移したWebページではないと判断されると共に(ステップC1(No))、前記クライアント装置20からのカーソルキー等のキー入力イベントに基づいた表示中のWebページPの画面スクロール処理でもないと判断された場合には(ステップC7(No))、当該表示中のWebページPに関するユーザ入力イベントに基づいた他の描画データGが生成され(ステップC10)、クライアント用仮想フレームバッファRAM14aに描画される(ステップA7)。
こうして、前記クライアント用仮想フレームバッファRAM14aに描画された、新たに遷移したWebページPの表示用描画データG、または画面スクロールされた表示中のWebページPの表示用描画データG、または表示中のWebページPに関する他の入力イベントに基づく表示用描画データGは、データ圧縮などのエンコード処理が施されて送信すべき描画データとして生成され(ステップA8)、前記入力イベント信号の送信元であるクライアント装置20へ送信される(ステップA9)。
図13は、前記SBCシステムにおけるサーバ装置10のサーバ処理に伴う表示位置更新処理を示すフローチャートである。
クライアント装置20の表示装置26に表示させたローカルスクロールバーSBv,SBh(図4(B1)(B2)参照)の操作(操作終了時)に従った表示位置の変更を要求するイベント信号(図8参照)が受信されたと判断されることで(ステップS3(No)→S5(No)→S6(No)→S8(Yes))、この表示位置変更処理へ移行されると(ステップSB)、先ず、前記イベント信号の内容が解析され(ステップB1)、解析された変更後の表示位置(Xc,Yc)を伴い、画面スクロール用のアプリケーションプログラムに対する表示位置変更イベントが発行される(ステップB2)。
すると、Webページ表示位置メモリ14dに記憶されWebブラウザにより管理されているWebページ表示位置が、前記ローカルスクロールバーSBv,SBhの操作(操作終了時)に従った変更後の表示位置(Xc,Yc)に更新される(ステップB3)。そして、この変更後のページ表示位置(Xc,Yc)に応じて更新されたページ領域の表示用描画データGが生成され(ステップB4)、前記表示位置変更要求イベントの送信元であるクライアント装置20へ送信される(ステップB5)。
図14は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理を示すフローチャートである。
クライアント装置20の電源が投入されると、前記サーバ装置10に対する通信が開始されてログイン要求が送信され(ステップE1)、ユーザ認証処理やメモリ初期化処理などを含むサーバ装置10との接続確立のための処理が行われる(ステップE2)。
すると、前記サーバ装置10からのデータ受信待機状態となり(ステップE3)、当該サーバ装置10から受信されたデータが解析されることで(ステップE4)、前記ログイン要求に伴うサーバ装置10との接続が確立されたか否か判断される(ステップE5)。
サーバ装置10との接続が確立されたと判断されると(ステップE5(Yes))、RAM24d内の表示領域サイズメモリ24aに記憶されている表示装置26の表示領域サイズHc×Wc(図4(A1)(B1)参照)が読み出され、前記サーバ装置10へ送信される(ステップE6)。
すると、クライアント装置20自身のユーザ操作に伴う入力イベント発生、あるいはサーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベント発生の待機状態になる(ステップE7)。
このイベント発生の待機状態において、サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントが発生したと判断されると(ステップE8(Yes))、図15におけるデータ受信処理へ移行される(ステップEF)。
図15は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴うデータ受信処理を示すフローチャートである。
このデータ受信処理では、先ず、前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容について、表示用の描画イベントであるか否か判断される(ステップF1)。
ここで、前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容が表示用の描画イベントであると判断されると(ステップF1(Yes))、受信された描画データGの圧縮をデコードするなどの解析処理が実行される(ステップF2)。そして、この解析処理された描画データGがフレームバッファRAM25に書き込まれ、表示装置26に対する描画処理が実行される(ステップF3)。
すなわち、前記サーバ装置10のサーバ処理に伴うWebページ表示データ作成処理(ステップAC)により作成された、新たに遷移したWebページPの表示用描画データG、またはカーソルキー等のキー入力イベントに応じて画面スクロールされた表示中のWebページPの表示用描画データG、または表示中のWebページPに関する他の入力イベントに基づく表示用描画データG、またはWebページPではないその他の表示用描画データG、または同サーバ処理に伴う表示位置変更処理(ステップSB)により作成された、ローカルスクロールバーSBv,SBhのユーザ操作(表示位置変更要求イベント)に応じて更新された表示中のWebページPの表示用描画データG(図4参照)が、フレームバッファRAM25に書き込まれて表示装置26に表示される。
一方、前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容が、前記サーバ処理に伴うWebページ表示データ作成処理でのステップC5にて送信されたWebページ情報の通知イベント(図6参照)であると判断されると(ステップF4(Yes))、この通知されたWebページPの全体サイズHp×Wpと、同WebページPの原点座標(Xo,Yo)を基準とする表示位置(Xc,Yc)と、表示装置26の表示領域サイズHc×Wcとに基づき、当該表示装置26に現在表示されている描画データGの、前記WebページPの全体の中での表示範囲を示す縦横のローカルスクロールバーSBv,SBh(図4(B1)参照)が生成されて表示される(ステップF5)。
また、前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容が、前記サーバ処理に伴うWebページ表示データ作成処理でのステップCD(Webページ縮小画像作成処理)にて生成送信された縮小画像イベント(図7参照)であると判断されると(ステップF6(Yes))、当該縮小画像イベントに記述されているWebページPの縮小画像PwとそのサイズHpw×Wpwが、RAM24内のWebページ縮小画像メモリ24eに記憶される(ステップF7)。
また、前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容が、前記サーバ処理に伴うWebページ表示データ作成処理でのステップC9にて送信された、カーソルキー操作等の入力イベントに応じた表示位置変更イベント(図8参照)であると判断されると(ステップF8(Yes))、当該表示位置変更イベントに記述されているWebページPの全体領域に対するスクロール後の表示位置(Xc,Yc)に応じて、前記ステップF5にて表示装置26に表示されたローカルスクロールバーSBv,SBh(図4(B1)参照)の示す位置が変更される(ステップF9)。
なお、前記サーバ装置10からのデータ受信に伴う受信イベントの内容が、前記サーバ処理に伴う入力対応処理でのステップA5を経て送信された、その他の処理に応じたイベントであると判断された場合には(ステップF8(No))、例えばサーバ装置10との間で定期的に行われる接続確認処理など、他の処理が実行される(ステップF10)。
一方、前記ステップE7におけるイベント発生の待機状態において、ユーザ操作イベントであって、例えば表示装置26における表示画面の縦横方向の回転切り換えにより、表示サイズの変更イベントが発生したと判断されると(ステップE9(Yes)→E10(Yes))、前記表示装置26の縦横方向切り換え後の表示領域サイズHc×Wc(図4(A1)(B1)参照)が読み出され、前記サーバ装置10へ送信される(ステップE11)。
また、前記ステップE7におけるイベント発生の待機状態において、前記ステップF5にて例えば図4(B1)で示したようにWebページPの描画データGと共に表示させた、ローカルスクロールバーSBv,SBhに対するユーザ操作イベント発生したと判断されると(ステップE9(Yes)→E10(No)→E12(Yes))、前記ステップF7にてRAM24内のWebページ縮小画像メモリ24eに保存されたWebページPの全体縮小画像Pw(図4(A2)参照)が読み出され、図4(B2)に示すように、現在表示中の描画データG上に重ねて表示される(ステップE13)。
この際、前記WebページPの全体縮小画像Pwに重ねて、前記ローカルスクロールバーSBv,SBhが示す現在表示位置に対応させた表示範囲枠Kが表示される。
そして、前記ローカルスクロールバーSBv,SBhによるスクロール操作が終了しない状態では、当該スクロール操作に応じて前記WebページPの全体縮小画像Pwに対する表示範囲枠Kの移動表示が行われる(ステップE14(No)→E13)。この場合、前記表示範囲枠Kの移動に応じたクライアント表示用描画データGの前記WebページP上での表示位置の変更要求は、サーバ装置10へ送信されない。
この後、前記ローカルスクロールバーSBv,SBhによるスクロール操作が終了したと判断されると(ステップE14(Yes))、変更後の表示位置(Xc,Yc)を記述した表示位置変更要求イベント(図8参照)がサーバ装置10へ送信される(ステップE15)。
これにより、サーバ装置10では、前記ステップSBに従った表示位置変更処理(図13参照)が実行され、前記変更後の表示位置(Xc,Yc)に応じたWebページPの描画データGが生成されて、クライアント装置20へ応答送信される。
一方、前記ステップE7におけるイベント発生の待機状態において、ユーザ操作に伴うその他の入力イベントが発生したと判断された場合には(ステップE9(Yes)→E10(No)→E12(No))、図16における操作イベントデータ送信処理へ移行される(ステップEG)。
図16は、前記SBCシステムにおけるクライアント装置20のクライアント処理に伴う操作イベントデータ送信処理を示すフローチャートである。
このデータ送信処理が起動されると、先ず、ユーザ操作に伴う入力イベントの種別が判定される(ステップG1)。
すると、前記種別判定された入力イベントに対応する送信データが生成され(ステップG2)、サーバ装置10に対して送信される(ステップG3)。
したがって、前記構成のSBCシステムによれば、クライアント装置20からサーバ装置10に対するWebページPの取得要求に応じて、当該サーバ装置10にてWebページPが取得されると共に、前記クライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcに応じた描画データGが生成され、この描画データGと共に、前記Webページの全体サイズHp×Wpおよび同WebページP上での描画データGの表示位置(Xc,Yc)が、前記クライアント装置20へ応答送信される。すると、クライアント装置20では、サーバ装置10から受信されたWebページPの描画データGを表示させると共に、当該表示された描画データGの前記WebページPの全体サイズHp×Wpに対する表示範囲を示すローカルスクロールバーSBv,SBhを表示させる。そして、前記ローカルスクロールバーSBv,SBhのユーザ操作に応じて当該スクロールバーSBv,SBhが示す表示の範囲を変更して操作終了すると、範囲変更後の表示位置(Xc,Yc)を記述した表示位置変更要求がサーバ装置10へ送信され、当該変更後の表示位置(Xc,Yc)に対応したWebページPの描画データGがサーバ装置10にて生成されてクライアント装置20の表示がスクロールされ更新される。このため、前記ローカルスクロールバーSBv,SBhによるスクロールの操作中においては、サーバ装置10への画面位置の変更要求送信処理と、当該サーバ装置10からの画面更新後の描画データGのクライアント装置20への応答送信処理とが連続的に繰り返されることはなく、通信データ量の大幅な削減が可能となり、当該スクロール操作に伴う操作レスポンスを向上することができる。
また、前記構成のSBCシステムによれば、前記クライアント装置20に表示させたローカルスクロールバーSBv,SBhによるスクロールの操作中には、前記サーバ装置10からのWebページPの描画データGと共に予め取得された当該クライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcに合わせたWebページPの全体縮小画像Hpwが表示される。そして、この全体縮小画像Hpwには、前記スクロールバーSBv,SBhが示す表示の範囲に対応させた表示範囲枠Kが、当該スクロールバーSBv,SBhによるスクロール操作に応じて移動表示される。このため、スクロールの操作中に、前記WebページPの描画データGの実際の更新表示が行われなくても、当該WebページP上の何処に現在のスクロール操作に伴う表示の範囲が位置するのか明確に知ることができる。
なお、前記実施形態において記載したSBCシステムによる各処理の手法、すなわち、図9のフローチャートに示すサーバ装置10によるサーバ処理、図10のフローチャートに示す前記サーバ処理に伴う入力対応処理、図11のフローチャートに示す前記入力対応処理に伴うWebページ表示データ作成処理、図12のフローチャートに示す前記Webページ表示データ作成処理に伴うWebページ縮小画像生成処理、図13のフローチャートに示す前記サーバ処理に伴う表示位置変更処理、図14のフローチャートに示すクライアント装置20によるクライアント処理、図15のフローチャートに示す前記クライアント処理に伴うデータ受信処理、図16のフローチャートに示す前記クライアント処理に伴う操作イベントデータ送信処理等の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録装置18a,28aの媒体に格納して配布することができる。そして、サーバ装置10やクライアント装置20のコンピュータ(CPU11,21)は、この外部記録装置18a,28aの媒体に記憶されたプログラムを記憶装置(フラッシュROM13,23やRAM14,24)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明したクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcに応じたWebページPの描画表示機能およびローカルスクロールバーSBv,SBhによる描画更新機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込んで記憶装置(フラッシュROM13,23やRAM14,24)に記憶させ、前述したクライアント装置20の表示領域サイズHc×Wcに応じたWebページPの描画表示機能およびローカルスクロールバーSBv,SBhによる描画更新機能を実現することもできる。
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。