JP5735493B2 - アンブロキサンの生物触媒的生産 - Google Patents

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Description

本発明は、アンブロキサンの生物触媒的生産のための方法(プロセス)に関する。
ドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン骨格を有する化合物は、香料として経済的に非常に重要である。特に、アンブロキサンの左旋性立体異性体[(-)-2]として知られる(3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロ-ナフト-[2,1-b]-フラン)(化合物2)に言及すべきである。
元々はマッコウクジラのアンバーグリスから得られたが、現在ではアンブロキサンを取得することができる主な経路が2つある。クラリー・セージ(サルビア・スクラレア(Salvia sclarea)の構成要素であるスクラレオール(3)は、前記化合物((-)-2)に関する光学的情報を既に含むため、半合成材料のための出発材料として用いられることが多い。ここで、酸化的分解を、クロム酸、過マンガン酸塩、H2O2またはオゾンを用いて実行することができる[Stollら; Helv. Chim. Acta (1950), 33: 1251]。次いで、得られたスクラレオリド(4)を還元して(例えば、LiAlH4またはNaBH4を用いる)、アンブロクス-1,4-ジオール(5)を得る[Mookherjeeら; Perfumer and Flavourist (1990), 15: 27]。化合物(4)を、ハイホジーマ・ロセオニガー(Hyphozyma roseoniger)を用いる生体内変化により、スクラレオール(3)から調製することもできる[EP 204009]。
Figure 0005735493
最後に、アンブロクス-1,4-ジオール(5)を、一連の化学的プロセスにおいて環化して、化合物((-)-2)を得ることができる。アンブロキサンのラセミ体、rac-2の調製は、特に、ホモファルネシル酸[米国特許第513,270号; Luciusら; Chem. Ber. (1960), 93: 2663]および4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキス-1-エニル)ブタン-2-オン [Buchiら; Helv. Chim. Acta (1989), 72: 996]を介して達成された。2002年におけるアンブロキサンの市場容量はこれまでのところ、平均で20トン/年であった。これには、出発材料として、1年あたり約33トンのスクラレオールを要する。1トンのアンブロキサンを製造するためには、207トンの様々な個々の物質が必要であり、これらのものは、順に206トンの廃棄物を生成する。生成された物質は、健康および環境に対して、異なるが、全体としては比較的強い効果を有する[Deutsche Bundesstiftung Umwelt (German Federal Foundation for the Environment)]。かくして、この合成には、高いエネルギー投入量と汚染化学物質の使用が必要である。
化合物((-)-2)の生物触媒的合成は、文献に記載されている[Neumannら; Biol. Chem. Hoppe Seyler (1986), 367: 723]。ここで、この分子はホモファルネソール(化合物(1)、(3Z,7E)-4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-オール)から得られたものである。用いられた触媒は、アリシクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius) (以前はバチルス・アシドカルダリウス(Bacillus acidocaldarius))に由来するスクアレン-ホペンシクラーゼ(SHC)であった。この酵素は、天然ではスクアレンからホパンへの環化を触媒する。二次反応により、このSHCは明らかに、化合物(1)と反応してアンブロキサン((-)-2)を得ることもできる。この生物触媒を、組換え手段により作製することができる[Ochs D.ら; J. Bacteriol. (1992), 174: 298]。しかしながら、Neumannらによれば、ホモファルネソールからアンブロキサンの環化が進行する比率は、1.2%に過ぎず(GCピークに基づいて算出)、ホモファルネソールの環化に関する比活性は0.02 mU/mgタンパク質として得られる。
従って、本発明の課題は、技術的に複雑な従来技術の合成を超える利点を有するアンブロキサンおよびその誘導体の生産のための新規方法(プロセス)を提供することであった。バイオテクノロジープロセスを用いることにより、汚染物質の生成を回避し、エネルギーの消費を大幅に低下させることを目的とした。さらなる課題は、容易に入手可能な出発材料を用いることにより、および化学反応数(または工程)を減少させることにより、発生原価をさらに減少させることであった。さらに、高い生産性を達成することを目的とした。
この課題は、酵素としてホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドを用いることにより、一般式(1)のホモファルネソール誘導体を対応するアンブロキサン誘導体に生物触媒的に変換することを特徴とする、一般式(2)のアンブロキサン誘導体、好ましくは、アンブロキサンの調製のための方法(プロセス)により達成される。
Figure 0005735493
誘導体は、特に、化合物(2)の立体異性体、好ましくは、エナンチオマーであるが、ジアステレオマーでもある。本発明の一実施形態においては、ホモファルネソール、またはアンブロキサンの誘導体は、置換基が生物触媒反応に対して不活性である、置換された化合物(1)および(2)である。これは、特に、以下に示される構造式の化合物を意味する。
本発明の目的のために、用語「化合物(1)」、「ホモファルネソール」、「4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-オール」およびホモファルネソールの誘導体、ならびに用語「化合物(2)」、「アンブロキサン」、「ドデカヒドロ-ナフト[2,1-b]フラン」およびアンブロキサンの誘導体は、別途明確に定義されない限り、同義であり、かつ相互に交換可能であり、かつ置換可能である。
本発明の好ましい変形においては、反応生成物は式((-)-2):
Figure 0005735493
の左旋性アンブロキサンである。
ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドは、新規クラスの酵素である。
用語「活性」は、基質と反応して生成物を得る酵素の能力を説明する。この活性を、時間の関数としての生成物の増加、基質(もしくは出発材料)の減少、またはこれらのパラメーターの組合せを介する活性試験として知られるものにおいて決定することができる。
本発明に従う酵素は、その活性がホモファルネソールからアンブロキサンへの反応であることを特徴とする。
本発明の目的のために、1つの変形における主要な基質は、前記酵素により変換され得るあらゆる他の化合物と比較して、モル%として表されるホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの最も重要な反応物になる化合物である。
本発明の目的のために、1つの変形における主要な基質は、ホモファルネソールであり、かくして、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの主要な活性、およびかくして主要な反応は、主要な基質であるホモファルネソールとの反応である。
ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を、本発明の1つの変形においては、モル%での収率を介して定義する。好ましくは、新規クラスのホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの酵素の存在下でのホモファルネソールからアンブロキサンへの反応は、モル%で与えられ、用いられるホモファルネソールのモル数に基づいて、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100のアンブロキサン収率をもたらす;特に好ましくは、この収率は、5〜100、10〜100、20〜100、25〜100、30〜100、35〜100、特に、40〜100、45〜100、50〜100、60〜100、70〜100モル%である。
本発明のさらなる変形においては、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を、モル%で表される反応速度(生成物の量/(生成物の量+残存する出発材料の量)*100)を介して定義する。好ましくは、新規クラスのホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの酵素の存在下でのホモファルネソールからアンブロキサンへの反応は、モル%で与えられ、用いられるホモファルネソールのモル数に基づいて、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100のアンブロキサン収率をもたらす;特に好ましくは、この収率は、5〜100、10〜100、20〜100、25〜100、30〜100、35〜100、特に、40〜100、45〜100、50〜100、60〜100、70〜100である。
本発明の好ましい実施形態においては、前記収率および/または反応速度を、ホモファルネソールが本発明に従うシクラーゼによってアンブロキサンに変換される間、例えば、4、6、8、10、12、16、20、24、36または48時間の規定の時間にわたって決定する。さらなる変形においては、例えば、25、30、40、50または60℃の正確に規定された条件下で反応を実行する。特に、30℃で16時間にわたって、本発明に従うシクラーゼによりホモファルネソールをアンブロキサンに変換する反応を実行することによって、収率および/または反応速度を決定する。
本発明の一実施形態においては、10 mMのホモファルネソール溶液(クエン酸バッファー)を、0.08重量%濃度のタンパク質含量で、ホモファルネソール-アンブロキサン-シクラーゼ抽出細胞の膜タンパク質抽出物([Ochs D.ら; J. Bacteriol. (1992), 174: 298]に記載のように単離されたもの)の形態で存在するシクラーゼ溶液と反応させて、収率および/または反応速度を決定する。
本発明のさらなる実施形態においては、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼは、それが、同じ条件で、アリシクロバチルス・アシドカルダリウス(以前はバチルス・アシドカルダリウス)に由来するスクアレン-ホペンシクラーゼ(SHC)と比較して、アンブロキサンを得るホモファルネソールの反応において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、200、500、1000倍以上高い収率および/または反応速度を示すことを特徴とする。ここで、用語「条件」は、基質濃度、酵素濃度、反応期間および/または反応温度などの反応条件に関する。
本発明の1つの変形においては、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼは、任意の所望の組合せにおける、それぞれ、または複数の上記定義を特徴とする。
本発明はまた、
a)ホモファルネソールをホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼと接触させる、および/またはそれと共にインキュベートする、
b)アンブロキサンを単離する、
アンブロキサンの生産のための方法(プロセス)に関する。
本発明の一実施形態においては、ホモファルネソールがホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの存在下でアンブロキサンに変換されるような媒体中で、ホモファルネソールを前記シクラーゼと接触させる、および/またはそれと共にインキュベートする。この媒体は、好ましくは、水性反応媒体である。水性反応媒体は、好ましくは、一般に、好ましくは5〜8のpHを有する緩衝化溶液である。用いられるバッファーは、クエン酸、リン酸、TRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)バッファーであってよい。さらに、反応媒体は、例えば、洗剤(例えば、タウロデオキシコール酸)などの他の添加物を含んでもよい。
好ましくは、基質(1)を、5〜100 mM、特に好ましくは、15〜25 mMの濃度で酵素反応中で使用し、連続的に、またはバッチ式で供給することができる。
一般に、酵素的環化反応は、用いられるシクラーゼの脱活性化温度以下かつ-10℃を超える反応温度で起こる。特に好ましくは、それは0〜100℃、特に、15〜60℃および特に、20〜40℃の範囲にあり、例えば、約30℃である。
反応生成物アンブロキサンを、以下に記載される群から選択される有機溶媒を用いて抽出し、必要に応じて、精製目的のために蒸留することができる。
本発明のさらなる変形においては、これらの単相水性系に加えて、2相系も用いる。ここで、第2相としてイオン性液体を用いるが、水と混和しない有機反応媒体を第2相として用いるのが好ましい。それによって、反応生成物は有機相に蓄積する。反応後、有機相中のアンブロキサンを、生物触媒を含む水相から容易に分離することができる。
非水性反応媒体は、液体反応媒体の総重量に基づいて、1重量%未満、好ましくは、0.5重量%未満の水を含む反応媒体を意味すると理解される。特に、有機溶媒中で反応を実行することができる。
好適な有機溶媒の例は、例えば、脂肪族炭化水素、好ましくは、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンもしくはシクロオクタンなどの5〜8個の炭素原子を有するもの、ハロゲン化脂肪族炭化水素、好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタンもしくはテトラクロロエタンなどの1もしくは2個の炭素原子を有するもの、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンもしくはジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素、脂肪族非環式および環式エーテルもしくはアルコール、好ましくは、エタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、エチルtert-ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランまたは酢酸エチルもしくはn-ブチル酢酸などのエステルまたはメチルイソブチルケトンなどのケトンまたはジオキサンなどの4〜8個の炭素原子を有するもの、またはこれらの混合物である。特に好ましく用いられる溶媒は、上記のヘプタン、メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチルである。
本発明の一実施形態においては、アンブロキサンの合成に用いられる出発材料は、シトラールである。シトラールは安価であり、大量に入手可能であるため、これは本発明に従うプロセスに特に有利である。古典的合成においては、シトラールを反応させて、ホモファルネソールを得る。
Figure 0005735493
本発明の一実施形態においては、シトラールからホモファルネソールへの反応を、以下の工程を介して実行する(例えば、JOC(1992), 57, 2794)。
Figure 0005735493
従って、本発明に従うプロセスは、アンブロキサンを得るホモファルネソールの全反応が単一相水性系だけでなく、2相系においても起こるというさらなる利点を有する。
2相系の場合、上記のものを用いる。第2相として水と混和しない上記の有機溶媒を用いるのが好ましい。従って、反応生成物は、有機相中に蓄積するであろう。反応後、有機相中のアンブロキサンを、生物触媒を含む水相から容易に分離することができる。
出発材料としてシトラールを用いて本発明を実行する場合、また、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの存在下でホモファルネソールを反応させてアンブロキサンを得るような方法で、媒体中の前記シクラーゼと接触させる、および/またはそれと共にインキュベートする。この媒体は、好ましくは水性反応媒体である。水性反応媒体は、一般に、好ましくは5〜8のpHを有する、バッファー溶液であるのが好ましい。用いられるバッファーは、クエン酸、リン酸、TRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)バッファーであってよい。さらに、反応媒体は、例えば、洗剤(例えば、タウロデオキシコール酸)などの他の添加物を含んでもよい。
本発明の一実施形態においては、反応生成物アンブロキサンを、以下に記載のものの群から選択される有機溶媒を用いて抽出し、必要に応じて、精製目的のために蒸留してもよい。
本発明のさらなる主題は、酵素が、
a)配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
b)配列番号1に示される配列の少なくとも1個のポリヌクレオチドを含む核酸分子;
c)配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11の配列に対して少なくとも46%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子;
d)配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列の機能的に等価なポリペプチドまたは断片のための、(a)〜(c)に記載の核酸分子;
e)配列番号3および4に記載のプライマーを用いてcDNAライブラリーもしくはゲノムDNAから核酸分子を増幅することによるか、またはde novo合成により核酸分子を化学的に合成することにより得られる、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;
f)ストリンジェントな条件下で(a)〜(c)に記載の核酸分子とハイブリダイズするホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;
g)(a)〜(c)に記載の核酸分子または少なくとも15 nt、好ましくは、20 nt、30 nt、50 nt、100 nt、200 ntもしくは500 ntのその部分的断片をプローブとして用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でDNAライブラリーから単離することができる、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;ならびに
h)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドの配列が、配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列に対して少なくとも46%の同一性を有する、前記ポリペプチドをコードする核酸分子;
i)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドが、a)〜h)に記載のものの群から選択される核酸分子によりコードされ、モノクローナル抗体を用いて単離されたか、または単離することができる前記ポリペプチドをコードする核酸分子;
j)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドが、a)〜h)に記載のものの群から選択される核酸分子によりコードされるポリペプチドと類似するか、または同様の結合部位を有する、前記ポリペプチドをコードする核酸分子、
からなる群より選択される少なくとも1個の核酸分子を含む核酸分子によりコードされるポリペプチドである、アンブロキサンの生物触媒的生産のためのプロセスである。
本発明の目的のために、類似するか、または同様の結合部位は、同じ基質、特に、ホモファルネソールの結合を確保する、80%、特に好ましくは、85%、86%、87%、88%、89%、90%、特に、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%または100%の相同性を有するアミノ酸配列の保存されたドメインまたはモチーフである。
好ましくは、前記核酸分子c)は、配列番号1に対して、少なくとも46%、47%、48%、49%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、特に好ましくは、85%、86%、87%、88%、89%、90%、特に、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する。
同様に、機能的に等価なポリペプチドは、配列番号2に対して、少なくとも46%、47%、48%、49%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、特に好ましくは、85%、86%、87%、88%、89%、90%、特に、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する。
用語「同一性」の代わりに、等価物として用語「相同な」または「相同性」を用いることも可能である。
2個の核酸配列またはポリペプチド配列の間の同一性を、Smith, T.F.およびWaterman, M.S. (Adv. Appl. Math. 2: 482-489 (1981))のアルゴリズムに基づくプログラムBestfitを援用した比較により算出する。
好ましくは、2個の核酸配列またはポリペプチド配列の間の同一性は、Needleman, S.B.およびWunsch, C.D. (J. Mol. Biol. 48: 443-453))のアルゴリズムに基づくプログラムGAPを援用した比較により算出されるため、それをそれぞれ全体の配列の長さにわたる核酸配列/ポリペプチド配列の同一性を介して定義する。
アミノ酸に関しては、以下のパラメーター:
Gap作製ペナルティ:8;Gap伸長ペナルティ:2、
および核酸については以下のパラメーター:
Gap作製ペナルティ:50;Gap伸長ペナルティ:3
を設定することにより、同一性比較を実行することが好ましい。
本発明の一実施形態は、NCBI Blast(参考文献:Altschulら(1997), Nucleic Acids Res. 25:3389-3402、組成スコアマトリックス調整に関する参考文献:Altschulら(2005), FEBS J. 272:5101-5109)に従って提唱される標準設定を用いてプログラムBLASTP 2.2.20+を援用した比較により、2個の核酸配列またはポリペプチド配列の間の同一性を提唱する。
本発明の主題は、ストリンジェントな条件下でこの核酸配列とハイブリダイズする、配列番号1のさらなる相同体または機能的等価物である。
本文脈においては、「機能的等価物」は、原理的には、標準的な条件下で、核酸配列または核酸配列の一部とハイブリダイズし、細胞または生物中でホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼのものと同じ特性を有するタンパク質の発現をもたらすことができる核酸配列を説明する。
このハイブリダイゼーションを実行するためには、当業者が精通している様式で他の関連遺伝子との比較により決定することができる、例えば、保存された領域または他の領域の約10〜50 bp、好ましくは、15〜40 bpの長さの短いオリゴヌクレオチドを用いるのが有利である。しかしながら、ハイブリダイゼーションのために、100〜500 bpの長さを有する本発明に従う核酸のより長い断片または完全な配列を用いることもできる。用いる核酸/オリゴヌクレオチド、断片もしくは全配列の長さに応じて、またはどの型の核酸、すなわち、DNAもしくはRNAをハイブリダイゼーションに用いるかに応じて、これらの標準的な条件は変化する。かくして、例えば、DNA:DNAハイブリッドの融点は、同じ長さのDNA:RNAハイブリッドの融点よりも約10℃低い。
標準的なハイブリダイゼーション条件は、例えば、0.1〜5 x SSC(1 x SSC=0.15M NaCl、15 mMクエン酸ナトリウム、pH 7.2)の濃度を有する水性バッファー溶液中、またはさらには50%ホルムアミドの存在下、42〜58℃の温度、例えば、核酸に応じて、5 x SSC、50%ホルムアミド中、42℃などを意味すると理解されるべきである。DNA-DNAハイブリッドのためのハイブリダイゼーション条件は、有利には、0.1 x SSCおよび約20〜65℃、好ましくは、約30℃〜45℃の温度である。DNA:RNAハイブリッドについては、ハイブリダイゼーション条件は、有利には、0.1 x SSCおよび約30℃〜65℃、好ましくは、約45℃〜55℃の温度である。ハイブリダイゼーションに関して記述されたこれらの温度は、例えば、約100ヌクレオチドの長さおよびホルムアミドの非存在下で50%のG+C含量を有する核酸について算出された融点である。DNAハイブリダイゼーションのための実験条件は、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory, 1989などの遺伝学の関連する教科書に記載されており、例えば、核酸の長さ、ハイブリッドの性質またはG+C含量の関数として、当業者には公知の式を用いて算出することができる。当業者であれば、ハイブリダイゼーションに関するさらなる情報を、以下の教科書:Ausubelら(編), 1985, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York; HamesおよびHiggins (編), 1985, Nucleic Acids Hybridization: A Practical Approach, IRL Press at Oxford University Press, Oxford; Brown (編), 1991, Essential Molecular Biology: A Practical Approach, IRL Press at Oxford University Press, Oxfordに見出すことができる。
機能的等価物はさらに、規定の%まで、特定の核酸配列(「元の核酸配列」)と相同であるか、もしくは同一であり、元の核酸配列、さらに、特に、これらの核酸配列の天然の突然変異体もしくは人工的突然変異体と同じ活性を示す核酸配列を意味するとも理解される。
具体的に開示される酵素の「機能的等価物」または類似体は、本発明の目的のために、前者とは異なり、さらに、例えば、主要な活性、基質特異性などの所望の生物学的活性を示すポリペプチドである。かくして、例えば、「機能的等価物」は、モデル反応を触媒し、配列番号2、5、6、7、8、9、10または11の下で特定されるアミノ酸配列のうちの1個を含む酵素の活性の少なくとも20%、30%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、特に好ましくは、85%、86%、87%、88%、89%、90%、特に、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%を有する酵素を意味すると理解される。
「機能的等価物」は、本発明に従えば、特に、上記の生物学的活性の1つを保持しながら、上記アミノ酸配列の少なくとも1個の配列位置において具体的に記載されていないアミノ酸ではないアミノ酸を有する突然変異体を意味するとも理解される。かくして、「機能的等価物」は、1個以上のアミノ酸付加、置換、欠失および/または挿入により得られる突然変異体を包含し、それらが本発明に従う特性プロフィールを有する突然変異体をもたらす限り、任意の配列位置で上記改変を生じさせることが可能である。特に、機能的等価物はまた、突然変異体と非改変ポリペプチドの間の反応性パターンが性質の点で一致する場合、すなわち、例えば、同一の基質が異なる比率で変換される場合にも存在する。
好適なアミノ酸置換の例を、以下の表から見ることができる。
Figure 0005735493
上記の意味での「機能的等価物」は、記載されたポリペプチドの「前駆体」、および「機能的誘導体」でもある。
本文脈においては、「前駆体」は所望の生物学的活性を有するか、または有さないポリペプチドの天然または合成の前駆体である。
同様に、本発明に従うポリペプチドの「機能的誘導体」を、公知の技術を用いて、機能的アミノ酸側鎖基として、またはそのNもしくはC末端で調製することができる。そのような誘導体としては、例えば、アンモニアまたは第一もしくは第二アミドとの反応により得られる、カルボン酸基の脂肪族エステル、カルボン酸基のアミド;アシル基の反応により調製される、遊離アミノ基のN-アシル誘導体;またはアシル基との反応により調製される、遊離ヒドロキシル基のO-アシル誘導体が挙げられる。
可能なタンパク質グリコシル化の事象においては、本発明に従う「機能的等価物」は、脱グリコシル化もしくはグリコシル化形態、およびグリコシル化パターンを改変することにより得られる改変形態の上記の型のタンパク質を含む。
「機能的等価物」は、天然には、他の生物から取得することができるポリペプチド、および天然変異体も含む。例えば、配列比較により、本発明の特定の指針に基づいて、相同な配列領域の領域を決定し、等価な酵素を発見することができる。
同様に、「機能的等価物」は、例えば、所望の生物学的機能を有する、本発明のポリペプチドの断片、好ましくは、その個々のドメインまたは配列モチーフを含む。
さらに、「機能的等価物」は、上記のポリペプチド配列のいずれか、またはそれから誘導される機能的等価物と、それとは機能的に異なる少なくとも1個のさらなる異種配列とを含み、N末端またはC末端で機能的に連結された(すなわち、融合タンパク質部分の実質的な代償的機能損傷を示さない)融合タンパク質である。そのような異種配列の非限定例は、例えば、シグナルペプチドまたは酵素である。
例えば、トランケーション変異体などの突然変異体のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより、本発明に従うタンパク質の相同体を同定することができる。例えば、タンパク質変異体の多様化ライブラリーを、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を酵素的に連結することにより、核酸レベルでのコンビナトリアル突然変異誘発により作製することができる。縮重オリゴヌクレオチド配列からの潜在的な相同体のライブラリーの調製に用いることができる多数のプロセスが存在する。縮重遺伝子配列をDNA合成装置中で化学的に合成した後、合成遺伝子を好適な発現ベクター中に連結することができる。遺伝子の縮重セットの使用により、潜在的なタンパク質配列の所望のセットをコードする混合物中で全ての配列を調製することができる。縮重オリゴヌクレオチドを合成するためのプロセスは、当業者には公知である(例えば、Narang, S.A. (1983) Tetrahedron 39:3; Itakuraら(1984) Annu. Rev. Biochem. 53:323; Itakuraら(1984) Science 198:1056; Ikeら(1983) Nucleic Acids Res. 11:477)。
点突然変異もしくはトランケーションにより調製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするため、および選択された特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラリーをスクリーニングするための複数の技術が従来技術から公知である。本発明に従う相同体のコンビナトリアル突然変異誘発により作製された遺伝子ライブラリーを迅速にスクリーニングするために、これらの技術を適合させることができる。高効率分析にかけられる大規模遺伝子ライブラリーをスクリーニングするために最も頻繁に用いられる技術は、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベクター中にクローニングし、得られたベクターライブラリーを用いて好適な細胞を形質転換し、および所望の活性の検出が、産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を容易にする条件下でコンビナトリアル遺伝子を発現させることを含む。ライブラリー中の機能的突然変異体の頻度を増加させる技術である再帰的アンサンブル突然変異誘発(REM)を、スクリーニング試験との組合せにおいて用いて、相同体を同定することができる(ArkinおよびYourvan (1992) PNAS 89:7811-7815; Delgraveら(1993) Protein Engineering 6(3):327-331)。
本発明の主題はさらに、本発明に従うシクラーゼ活性を有する酵素をコードする核酸配列(一本鎖および二本鎖DNAおよびRNA配列、例えば、cDNAおよびmRNA)である。例えば、配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載のアミノ酸配列またはその特徴的な部分配列をコードする核酸配列である。
本明細書に記載の核酸配列は全て、例えば、二重らせんの個々の重複する相補的核酸構成要素の断片縮合などによる、ヌクレオチド構成要素から出発する化学的合成により、自体公知の様式で調製することができる。例えば、オリゴヌクレオチドを、ホスホアミダイト法(Voet, Voet、第2版、Wiley Press New York、896-897頁)を用いて、公知の様式で、化学的に合成することができる。合成オリゴヌクレオチドの集合ならびにDNAポリメラーゼKlenow断片および連結反応ならびにまた一般的なクローニング方法を援用したギャップの充填が、Sambrookら(1989), Molecular Cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Pressにより記載されている。
アンブロキサンの生産のための本発明に従う生物触媒的プロセスを実行するためのさらなる実施形態は以下の通りである。
本発明に従うプロセスは、酵素が、
a)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する、遊離した、必要に応じて精製されたか、もしくは部分的に精製されたポリペプチド;
b)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する固定されたポリペプチド;
c)a)もしくはb)に記載の、細胞から単離されたポリペプチド;
d)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する少なくとも1個のポリペプチドを含む、無傷の細胞、必要に応じて休止期の細胞もしくは破壊された細胞;
e)d)の下で記載された細胞の細胞溶解物もしくは細胞ホモジェネート、
からなる群より選択される形態で存在することを含む。
本発明の一実施形態においては、前記細胞は、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1個の異種核酸分子を発現する微生物、好ましくは、トランスジェニック微生物である。
従って、本発明のさらなる主題は、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子、好ましくは、
a)配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
b)配列番号1に示される配列の少なくとも1個のポリヌクレオチドを含む核酸分子;
c)配列が配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列に対して少なくとも46%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子;
d)配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列の断片のための、(a)〜(c)に記載の核酸分子;
e)配列番号3および4に記載のプライマーを用いて、cDNAライブラリーもしくはゲノムライブラリーから核酸分子を増幅することにより得られる、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;
f)ストリンジェントな条件下で(a)〜(c)に記載の核酸分子とハイブリダイズするホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子;
g)ストリンジェントな条件下で、プローブとして(a)〜(c)に記載の核酸分子または少なくとも15 nt、好ましくは20 nt、30 nt、50 nt、100 nt、200 ntもしくは500 ntのその部分的断片を用いてDNAライブラリーから単離することができる、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子;および
h)ポリペプチドの配列が、配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列に対して少なくとも46%の同一性を有する、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子;
i)ポリペプチドが、a)〜h)に記載のものの群より選択される核酸分子によりコードされるか、またはモノクローナル抗体を用いて単離することができる、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;
j)ポリペプチドが、a)〜h)に記載のものの群より選択される核酸分子によりコードされるポリペプチドと類似するか、もしくは同様の結合部位を有する、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子、
からなる群より選択される少なくとも1個の核酸分子を含む核酸分子を含む遺伝子構築物またはベクターでもある。
さらに、上記の遺伝子構築物またはベクターを含む宿主細胞は同様に、本発明の主題である。この目的のために、有利には、用いられる核酸配列を、生物、好ましくは微生物中でのホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼのトランスジェニック発現を確保することができるトランスジェニック遺伝子構築物中に導入する。
前記遺伝子構築物中で、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼをコードする核酸分子を、本文脈においては、生物、好ましくは微生物中での発現を確保する少なくとも1個の遺伝子制御エレメント(例えば、プロモーターおよび/またはターミネーター)に機能し得る形で連結するのが好ましいであろう。
機能的連結は、例えば、プロモーターと、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼおよび必要に応じて、例えば、それぞれの調節エレメントが核酸配列のトランスジェニック発現の際にその機能を実行することができるような、ターミネーターなどのさらなる調節エレメントをコードする、発現させようとする核酸配列(例えば、配列番号1に記載の配列)との連続的配置を意味すると理解される。化学的な意味での直接的連結がこの目的のために必ずしも必要であるわけではない。機能的連結の作製、および遺伝子構築物の調製を、例えば、Maniatis T, Fritsch EFおよびSambrook J (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor (NY)、Silhavy TJ, Berman MLおよびEnquist LW (1984) Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor (NY)、Ausubel FMら(1987)に記載された従来の組換えおよびクローニング技術を用いて実施することができる。しかしながら、例えば、特異的制限酵素切断部位を有するリンカーとして、またはシグナルペプチドとして作用する他の配列を、2個の配列の間に配置することもできる。また、反転配列は融合タンパク質の発現を誘導することができる。好ましくは、プロモーターと発現させようとする核酸配列との連結物からなる遺伝子構築物は、ベクター中の組込まれた形態で存在してもよく、例えば、形質転換により微生物中で反転させることができる。
遺伝子構築物またはベクター中に存在する核酸配列を、プロモーターだけでなく、さらなる遺伝子制御配列に機能し得る形で連結することができる。用語「遺伝子制御配列」は、広く理解されるべきであり、遺伝子構築物の生成または機能に対する効果を有する全ての配列を指す。例えば、遺伝子制御配列は、原核または真核生物中での転写および翻訳を改変させる。好ましくは、遺伝子構築物は、それぞれ、トランスジェニック発現させようとする核酸配列と機能し得る形で連結された、制御配列および必要に応じて、さらなる従来の調節エレメントを含む。
制御配列は、宿主生物のゲノム中への相同組換えもしくは反転を可能にするか、またはゲノムからの除去を可能にするものであると理解される。相同組換えの場合、例えば、特定の内因性遺伝子のコード配列を、標的化された様式でdsRNAをコードする配列に交換することができる。
遺伝子構築物およびそれから誘導されるベクターは、さらなる機能的エレメントを含んでもよい。用語「機能的エレメント」は、広い意味で理解されるべきであり、本発明に従う発現カセット、ベクターまたはトランスジェニック生物の生成、複製または機能に対する効果を有する全てのエレメントを指す。例えば、限定されるものではないが、以下のものを挙げることができる。
a)例えば、カナマイシン、G 418、ブレオマイシン、ヒグロマイシンなどの抗生物質もしくは殺生物剤に対する耐性を付与する選択マーカー。
b)容易に定量可能なタンパク質をコードし、固有の色もしくは酵素活性を介して、形質転換効率または発現の位置もしくは時間を評価することができることを確保するリポーター遺伝子。本文脈において非常に特に好ましいのは、「緑色蛍光タンパク質」(GFP) (Scheenら(1995) Plant Journal 8(5):777-784)、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ、ルシフェラーゼ(Owら(1986) Science 234:856-859)、エクオリン遺伝子(Prasherら(1985) Biochem. Biophys. Res. Commun. 126(3):1259-1268)、β-ガラクトシダーゼなどのリポータータンパク質(Schenborn E, Groskreutz D. Mol Biotechnol. 1999; 13(1):29-44)であり、特に好ましくは、β-グルクロニダーゼ(Jeffersonら(1987) EMBO J 6:3901-3907)である。
c)例えば、大腸菌中での、本発明に従う発現カセットまたはベクターの複製を確保する複製起点。言及することができる例は、ORI(DNA複製起点)、pBR322 oriまたはP15A ori(Sambrookら: Molecular Cloning. A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989)である。
相同組換え、または他に形質転換を上手く受けた細胞を選択するためには、一般的には、組換えを上手く受けた細胞に、殺生物剤または抗生物質に対する耐性を付与する選択マーカーをさらに導入する必要があろう。選択マーカーは、非形質転換細胞からの形質転換細胞の選択を可能にする(McCormickら、(1986) Plant Cell Reports 5:81-84)。
有利には、遺伝子構築物を、該遺伝子構築物を含むベクターを用いて、生物中に導入することができる。従って、本発明のさらなる主題は、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼのためのトランスジェニック遺伝子構築物を含む前記トランスジェニックベクターに関する。
ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ファージ、ウイルスであってよい。遺伝子構築物を、好適な制限切断部位を介して、ベクター(好ましくは、プラスミドベクター)中に導入することができる。得られるベクターを最初に大腸菌に導入する。正確に形質転換された大腸菌を選択し、培養し、組換えベクターを当業者には公知の方法により取得する。制限分析および配列決定を、クローニング工程を検証するために用いることができる。好ましいベクターは、宿主ゲノムへの発現カセットの安定な組込みを可能にするものである。
好適なトランスジェニック生物を、例えば、対応するタンパク質または核酸を用いる形質転換またはトランスフェクションにより作製する。形質転換生物(または形質転換細胞)の作製には、問題の宿主細胞中に導入しようとする、問題のDNA(例えば、発現ベクター)、問題のRNAまたは問題のタンパク質が必要である。このプロセスのために、形質転換(または形質導入もしくはトランスフェクション)と呼ばれる多様な方法が利用可能である(Keownら(1990) Methods in Enzymology 185:527-537)。かくして、例えば、マイクロインジェクションにより直接的に、またはDNA被覆微粒子を用いる衝突により、DNAまたはRNAを導入することができる。また、DNAが拡散を介して細胞に進入することができるように、例えば、ポリエチレングリコールを用いて、前記細胞を化学的に透過処理することができる。また、ミニ細胞、細胞、リソソームまたはリポソームなどの他のDNA含有単位とのプロトプラスト融合により、DNAを運搬することもできる。電気パルスにより細胞を可逆的に透過処理するエレクトロポレーションは、DNAを導入するための別の好適な方法である。
安定に形質転換された細胞、すなわち、導入されたDNAが宿主細胞のDNA中に組込まれた形態で存在する細胞を、選択マーカーが導入されたDNAの成分である場合、非形質転換細胞から選択することができる。マーカーの例は、例えば、抗生物質(カナマイシン、G 418、ブレオマイシン、ヒグロマイシンなど)に対する耐性を付与することができる任意の遺伝子であってよい(上記参照)。そのようなマーカー遺伝子を発現する形質転換細胞は、非形質転換野生型を破壊する問題の抗生物質の濃度の存在下で生存することができる。
「トランスジェニック」または「組換え」は、例えば、核酸配列、該核酸配列を含む遺伝子構築物もしくはベクターまたは該核酸配列、遺伝子構築物もしくはベクターで形質転換された生物に関して、組換え方法を起源とし、
a)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼをコードする核酸配列、または
b)a)の核酸配列に機能し得る形で連結された遺伝子制御配列、例えば、機能的プロモーター、または
c)(a)および(b)
のいずれかが、その天然の遺伝的環境に位置しないか、または組換え方法により改変された全ての構築物を意味し、例えば、1個以上のヌクレオチド残基の置換、付加、欠失、反転または挿入である改変が可能である。天然の遺伝的環境とは、元の生物における天然の染色体座、またはゲノムライブラリー中での存在を意味する。ゲノムライブラリーの場合、核酸配列の天然の遺伝的環境が少なくとも部分的に保持されるのが好ましい。
宿主または出発生物として好ましいトランスジェニック生物は主に、本明細書の上記で定義された微生物である。本発明の範囲内に含まれるのは、特に、細菌、シアノバクテリア、菌類および酵母から選択される微生物、好ましくは、トランスジェニックまたは組換え細胞である。好ましくは、前記細胞を、エシェリシア属(Escherichia)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、ラルストニア属(Ralstonia)、クロストリジウム属(Clostridium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)、ザイモモナス属(Zymomonas)、ロドバクター属(Rhodobacter)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、バークホルデリア属(Burkholderia)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)およびラクトコッカス属(Lactococcus)に由来する細菌から選択する。特に好ましくは、前記細胞を、エシェリシア・コリ種(Escherichia coli:大腸菌)、シュードモナス・プチダ種(Pseudomonas putida)、バークホルデリア・グルマ種(Burkholderia glumae)、ストレプトミセス・リビダンス種(Streptomyces lividans)、ストレプトミセス・セリカラー種(Streptomyces coelicolor)およびザイモモナス・モビリス種(Zymomonas mobilis)の細菌から選択する。
ドナー生物、すなわち、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼが単離された生物として、メチロコッカス・カプサラタス(Methylococcus capsalatus)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ブラジリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrhizobium japonicum)、フランキア種(Frankia spec.)、ストレプトミセス・セリカラー(Streptomyces coelicolor)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ロドシュードモナス・パレント(Rhodopseudomonas palent)、フランキア・アルニ(Frankia alni)、バチルス・アントラシス(Bacillus anthracis)、バークホルデリア・アンビファリア(Burkholderia ambifaria)、特に、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)およびブラジリゾビウム・ジャポニカム(Bradyrhizobium japonicum)が挙げられる。
本発明の1つの変形においては、内因性ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼを有する、トランスジェニック生物、特に、ストレプトミセス・セリカラーまたはザイモモナス・モビリスは、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの過剰発現を示す。過剰発現とは、野生型の元の発現に加えて見出すことができるホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの任意の形態の発現を意味する。
一実施形態においては、本発明は、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼをコードする遺伝子、好ましくは、配列番号1を発現するトランスジェニック大腸菌の調製に関する。この目的のために、シクラーゼの遺伝子を、プライマー、例えば、Zm-SHC_fwおよびZm-SHC_rev(配列番号3または3)を用いて、好ましくは、ザイモモナス・モビリス(配列番号1)から増幅させる。このプライマーを等モル量で互いに混合する。好ましくは、ザイモモナス・モビリスに由来するドナー生物のゲノムDNA(LU8910=ATCC31821)を用いるPCRを、Pwoポリメラーゼ(Roche Applied Science)および以下の温度勾配プログラム:95℃で3分;95℃で30秒、50℃で30秒、および72℃で3分の30サイクル;72℃で10分;使用まで4℃を用いて、製造業者の説明書に従って実行する。PCR産物をアガロースゲル電気泳動(1.2%E-ゲル、Invitrogen)およびカラムクロマトグラフィー(GFX Kit、Amersham Pharmacia)により単離した後、配列決定する(配列決定プライマー:Zm-SHC_fwおよびZm-SHC_rev)。PCR産物を制限エンドヌクレアーゼ、好ましくは、NdeIおよびBamHIで消化し、好適に切断されたベクター、好ましくは、pDHE1650-Vekto[WO 200132890 A1]中に連結した。かくして、得られたプラスミドを、大腸菌、好ましくは、大腸菌株TG10 pAgro4[Takeshita S.ら;Gene (1987), 61: 63] pHSG575中に形質転換する。
好適な前培養物から接種された大腸菌を、好ましくは、LBAmp/Spec/Cm (100μg/lアンピシリン;100μg/lスペクチノマイシン;20μg/lクロラムフェニコール)、0.1 mM IPTG、0.5 g/l Rhamnose中、37℃で16時間培養した後、5000 g/10分で遠心分離し、必要に応じて4℃で保存する。
本発明のさらなる実施形態においては、前記シクラーゼを、ドナー生物またはトランスジェニック宿主生物から単離し、必要に応じて精製する。
破壊バッファー(0.2M Tris/HCl、0.5M EDTA、pH 8.0)、375U Benzonase(例えば、Novagen, 25U/μl)、40μl PMSF(100 mM、i-PropOH中に溶解)、5.3 g/100 mlのスクロースおよび約3.3 mg/100 mlのリゾチーム中に細胞ペレットを懸濁することにより、前記細胞を用いてタンパク質抽出物を調製する。反応物を混合し、氷上で30分間インキュベートする。その後、必要に応じて、混合物を-20℃で凍結することができる。反応混合物を解凍した後、それを蒸留水で埋め合わせ、氷上で30分間、再インキュベートする。その後、細胞を3分間、3回超音波処理する。
破壊後、細胞破片を4℃で60分間、26900 gで遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットを可溶化バッファー(50 mM Tris/HCl、10 mM MgCl2x6H2O、1%Triton X-100、pH 8.0)中に再懸濁し、例えば、Potterを用いて、約5分間ホモジェナイズする。その後、懸濁液を氷上で30分間保持する。ホモジェナイズした抽出物を、4℃で1時間、26900 gで再遠心分離し、ペレットを破棄する。抽出物を酵素アッセイに使用し、活性を失うことなく-20℃で数週間保存することができる。タンパク質含量は約1 mg/mlである。本発明に従って用いられるシクラーゼを、本発明に従うプロセスにおいて、遊離酵素として、または固定された酵素として用いることができる。
本発明に従って用いられるシクラーゼを、遊離形態または固定された形態で用いることができる。固定された酵素は、不活性担体に固定された酵素を意味すると理解される。好適な担体材料、およびその上に固定される酵素は、EP-A-1149849、EP-A-1 069 183およびDE-OS 100193773、ならびにそこに引用される参考文献から公知である。この点でこれらの刊行物の開示は、その全体が参照により本明細書に組入れられるものとする。好適な担体材料としては、例えば、粘土、粘土鉱物、例えば、カオリナイト、珪藻土、パーライト、シリカ、アルミナ、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、セルロース粉末、陰イオン交換材料、合成ポリマー、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタンならびにポリオレフィン、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。支持された酵素を調製するためには、通常は担体材料を微粒子形態で用いるが、多孔性形態が好ましい。担体材料の粒径は通常、5 mm以下、特に、2 mm以下(粒度曲線)である。シクラーゼを用いる場合、全細胞触媒として遊離形態または固定化形態を選択することも同様に可能である。担体材料の例は、アルギン酸カルシウムおよびカラゲナンである。酵素と細胞の両方を、グルタルアルデヒドと直接架橋させることもできる(架橋してCLEAを得る)。対応し、さらなる固定化方法は、例えば、J. LalondeおよびA. Margolin、Immobilization of Enzymes、K. DrauzおよびH. Waldmann, Enzyme Catalysis in Organic Synthesis 2002, Vol. III, 991-1032, Wiley-VCH, Weinheimに記載されている。
さらに、無傷の細胞、必要に応じて、休止期の細胞または破壊された細胞、細胞溶解物または細胞ホモジェネートを用いることができる。
本発明の方法のために、前記シクラーゼをコードする核酸、核酸構築物またはベクターを含む増殖している細胞を用いることができる。また、休止期の細胞または破壊された細胞を用いることもできる。破壊された細胞とは、例えば、溶媒を用いる処理により透過性になった細胞、または酵素処理、機械的処理(例えば、加圧型細胞破壊装置もしくは超音波)を介して、もしくは任意の他の方法により破壊された細胞を意味する。この方法で得られる粗抽出物は、有利には、本発明の方法にとって好適である。また、前記方法のために精製されたか、または部分的に精製された酵素を用いることもできる。固定された微生物または酵素も好適であり、前記反応中で有利に用いることができる。
本発明のプロセスを、バッチ式、半バッチ式に、または連続的に実行することができる。
前記反応を、バッチプロセスとして、または他に原料バッチプロセスとして実行することができる。
続いて、前記生成物を抽出および/または蒸留により精製する。
本発明の別の課題は、アンブロキサンを得るホモファルネソールの生物触媒反応のためのホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドの使用である。
本発明のさらに別の課題は、アンブロキサンを得るホモファルネソールの生物触媒反応のためのホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドであって、
a)配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
b)配列番号1に示される配列の少なくとも1個のポリヌクレオチドを含む核酸分子;
c)配列が配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列に対して少なくとも46%の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子;
d)配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列の機能的に等価なポリペプチドまたは断片のための、(a)〜(c)に記載の核酸分子;
e)配列番号3および4に記載のプライマーを用いてcDNAライブラリーもしくはゲノムライブラリーから核酸分子を増幅させるか、または対応する遺伝子を化学的に合成することにより得られる、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;
f)ストリンジェントな条件下で(a)〜(c)に記載の核酸分子とハイブリダイズする、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;
g)ストリンジェントな条件下で、プローブとして(a)〜(c)に記載の核酸分子または少なくとも15 nt、好ましくは20 nt、30 nt、50 nt、100 nt、200 ntもしくは500 ntのその部分的断片を用いてDNAライブラリーから単離することができる、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;ならびに
h)ポリペプチドの配列が配列番号2、5、6、7、8、9、10もしくは11に記載の配列に対して少なくとも46%の同一性を有する、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;
i)ポリペプチドがa)〜h)に記載のものの群から選択される核酸分子によりコードされ、モノクローナル抗体を用いて単離されたか、または単離することができる、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子;
j)ポリペプチドがa)〜h)に記載のものの群から選択される核酸分子によりコートされるポリペプチドと類似するか、または同様の結合部位を有する、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する機能的に等価なポリペプチドをコードする核酸分子、
からなる群より選択される少なくとも1個の核酸分子を含む核酸分子によりコードされる、前記ポリペプチドの使用である。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図するものであるが、いかなる限定も強制するものではない。添付の図面を参照する。
実験部分
実施例
実施例1: Zm-SHCのクローニングと大腸菌における発現
オリゴヌクレオチドZm-SHC_fwおよびZm-SHC_revを用いて、ザイモモナス・モビリスに由来するシクラーゼ遺伝子を増幅することができる。
プライマー:
Figure 0005735493
100 ngの各プライマーZm-SHC_fwおよびZm-SHC_revを等モル量で混合した。ザイモモナス・モビリスに由来するゲノムDNA(ATCC31821)を用いるPCRを、Pwoポリメラーゼ(Roche Applied Science)および以下の温度勾配プログラム:95℃で3分、95℃で30秒、50℃で30秒、および72℃で3分の30サイクル;72℃で10分;使用まで4℃を用いて、製造業者により特定されたように実行した。PCR産物(-2.2 kb)をアガロースゲル電気泳動(1.2%E-ゲル、Invitrogen)およびカラムクロマトグラフィー(GFXキット、Amersham Pharmacia)により単離した後、配列決定した(配列決定プライマー:Zm-SHC_fwおよびZm-SHC_rev)。得られた配列は公開された配列と一致する。
PCR産物を制限エンドヌクレアーゼNdeIおよびBamHIで消化し、同様に消化されたベクターpDHE19.2中に連結した。得られたプラスミドを配列決定したところ、配列番号1に示される核酸配列が得られた。
プラスミドpDHE-Zm-SHC-1を、大腸菌株TG10 pAgro4 pHSG575 [Takeshitaら、Gene 1987, 61:63-74; Tomoyasuら、Mol Microbiol 2001, 40:397-413]中に形質転換した。組換え大腸菌を大腸菌LU15568と命名した。
実施例2a:ザイモモナス・モビリス由来組換えホモファルネソールシクラーゼの提供(配列番号2)
対応する2 mlの前培養物から接種された大腸菌LU15568を、37℃で16時間、100 mlのErlenmeyerフラスコ(バッフル付)中、20 mlのLB-Amp/Spec/Cm (100μg/lアンピシリン;100μg/lスペクチノマイシン;20μg/lクロラムフェニコール)、0.1 mM IPTG、0.5 g/lラムノース中で増殖させ、5000 g/10分で遠心分離し、4℃で保存した。細胞ペレットを15 mlの破壊バッファー(0.2M Tris/HCl、0.5 M EDTA、pH 8.0)、375Uベンゾナーゼ(例えば、Novagen、25U/μL)、40μL PMSF(100 mM、i-PropPH中に溶解)、0.8 gスクロースおよび約0.5 mgのリゾチーム中に懸濁することにより、タンパク質抽出物を調製した。バッチを混合し、氷上で30分間インキュベートした。その後、混合物を-20℃で凍結した。
解凍後、混合物を蒸留水で約40 mlに埋め合わせ、氷上で30分間再インキュベートした。
その後、細胞を3分間、3回超音波処理した(HTU-Soni 130、G. Heinmenn, Schwabisch-Hall, 振幅80%、15秒パルス/15秒停止)。
破壊後、細胞破片を4℃で60分間、26900 gで遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットを100 mlの可溶化バッファー(50 mM Tris/HCl、10 mM MgCl2x6H2O、1%Triton X-100, pH 8.0)中に再懸濁し、Potter中で約5分間粉砕した。その後、懸濁液を氷上で30分間保持した。
ホモジェナイズされた抽出物を4℃で1時間、26900 gで再度遠心分離し、ペレットを廃棄した。抽出物を酵素アッセイのために使用し、活性を失うことなく-20℃で数週間保存することができる。タンパク質含量は約1 mg/mlである。
実施例2b:ブラジリゾビウム・ジャポニカム由来組換えホモファルネソール-シクラーゼの提供(配列番号5)
ブラジリゾビウム・ジャポニカム由来ホモファルネソール-シクラーゼを、実施例2aに記載のように調製した。
実施例3a:大腸菌LU15568由来組換えホモファルネソールシクラーゼ(配列番号2)の活性の決定
ホモファルネソール(1,(3Z,7E-4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-オール))を、実施例2aに記載のタンパク質調製物と共にインキュベートした。具体的には、4 mlのタンパク質調製物、0.5 mlのクエン酸ナトリウムバッファー(1Mクエン酸ナトリウム、pH 4.9)、0.5 mlのホモファルネソール溶液(2%(w/w)タウロデオキシコール酸を含む0.1Mクエン酸ナトリウムバッファー、pH 6.5中の100 mM)を互いに混合し、30℃で攪拌しながらインキュベートした。しかしながら、同じ組成を有する対照反応物を60℃でインキュベートした。
16時間インキュベートした後、混合物を10 mlのヘキサン/n-プロパノール3:2を用いて抽出し、有機相を乾燥するまで蒸発させた。
残渣を200μlのジクロロメタン中に取り、GCまたはGC/MS分析に用いた。
実施例4に示される分析を用いたところ、41%(>>20.5μmol 2)の変換率が決定された。
比較したところ、ホモファルネソールと、アリシクロバチルス・アシドカルダリウスに由来する既知のスクアレン-ホペンシクラーゼとの反応は、1.2%の変換率を達成した。
実施例3b:大腸菌由来組換えホモファルネソールシクラーゼ(配列番号5)の活性の決定
大腸菌中で組換え生産されたブラジリゾビウム・ジャポニカム由来生物触媒の酵素活性は、Zm-SHCのものと一致する。37℃で3時間、20 mMのホモファルネソール溶液と細胞ホモジェネート(タンパク質量:31 mg)とをインキュベートした後、26.4%のホモファルネソールが反応してアンブロキサンが得られた。同一の条件下で、組換えZm-SHCにより22.4%の変換率が得られた。
実施例4:分析
反応/定量
ホモファルネソール(1)からアンブロキサン(2)への反応を、以下のGC系を用いて決定することができる:
カラム:10m Optima 1
温度プロフィール:
0': 100℃
15℃/分
14.7': 320℃
34.7': 320℃
インジェクター温度:320℃
RT:ホモファルネソール約12.5';アンブロキサン:約11.4'。
未知のサンプルの濃度を決定するのに用いられた較正シリーズを、真正の材料を用いて調製した。
同定
アンモニアを用いる電子衝撃イオン化(EI)および化学イオン化(CI)後に陽イオンのキャピラリーGC/MS分析を用いて、同定を行った。装備:EIおよびCIイオン化のための2個のMSD(HP 5973)と組合わせたGC (HP 6980)。
GC条件:
分離カラム: DB-1
長さ: 30 m
内径: 250μm
フィルム厚: 0.25μm
担体ガス: He
流速: 1.2 ml/分
スプリット比: 1:60
オーブン温度: 100℃、5K/分で200℃まで、5分等温、30K/分で300℃まで、50分等温
インジェクター温度: 250℃
導入線温度: 300℃
注入量: 0.2μl
サンプル調製: 直接注入。
MS条件
EI:走査範囲:25-750 amu、イオン化エネルギー:70 eV
CI:走査範囲:75〜800 amu。

Claims (13)

  1. 一般式(2)のアンブロキサン誘導体製造方法であって、一般式(1)のホモファルネソール誘導体を、酵素としてのホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドを用いて生物触媒的に反応させて、対応するアンブロキサン誘導体を得るものであり
    Figure 0005735493
    上記ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの主要な活性が、主要な基質であるホモファルネソールとの反応であり、
    上記酵素が、
    a)配列番号2もしくは5に記載の配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
    b)配列番号1に示される配列を含む核酸分子;
    c)配列が配列番号2もしくは5に記載の配列に対して少なくとも90%の同一性を有し、かつホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチド、をコードする核酸分子;
    d)ストリンジェントな条件下で配列番号1に示される配列を有する核酸分子とハイブリダイズする、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子
    からなる群より選択される少なくとも1個の核酸分子を含む核酸分子によりコードされるポリペプチドである、前記方法。
  2. ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼが、10〜100モル%の反応速度を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 酵素が、
    a)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する、遊離の、必要に応じて精製されたか、または部分的に精製されたポリペプチド;
    b)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する固定されたポリペプチド;
    c)a)またはb)に記載の、細胞から単離されたポリペプチド;
    d)ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有する少なくとも1個のポリペプチドを含む、無傷の細胞、必要に応じて、休止期の細胞または破壊された細胞;
    e)d)の下に記載された細胞の細胞溶解物または細胞ホモジェネート、
    からなる群より選択される形態で存在する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記細胞が、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする少なくとも1個の異種核酸分子を発現する、微生物ある、請求項3に記載の方法。
  5. アンブロキサンの生産に用いられる出発材料がシトラールであり、これを複数の工程において反応させてホモファルネソールを得る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. アンブロキサンを単相水性系または2相系において生産する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. アンブロキサンをバッチ式、原料バッチ式または連続的に生産する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ホモファルネソールからアンブロキサンへの反応を、0〜45℃(60℃)の範囲の温度および/または4〜8の範囲のpHで行う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼが、エシェリシア属、コリネバクテリウム属、ラルストニア属、クロストリジウム属、シュードモナス属、バチルス属、ザイモモナス属、ロドバクター属、ストレプトミセス属、バークホルデリア属、ラクトバチルス属およびラクトコッカス属の細菌群から選択される、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼを過剰発現する微生物に由来するものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼが、メチロコッカス・カプサラタス、ロドシュードモナス・パルストリス、フランキア種、ストレプトミセス・セリカラー、ロドシュードモナス・パレント、フランキア・アルニ、バチルス・アントラシス、バークホルデリア・アンビファリア、特に、ザイモモナス・モビリスおよびブラジリゾビウム・ジャポニカムからなる群より選択される微生物から単離されたものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼが、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼを過剰発現する、エシェリシア・コリ種、シュードモナス・プチダ種、バークホルデリア・グルマ種、ストレプトミセス・リビダンス種、ストレプトミセス・セリカラー種およびメチロコッカス・カプサラタス種、ロドシュードモナス・パルストリス種、フランキア種、ロドシュードモナス・パレント種、フランキア・アルニ種、バチルス・アントラシス種、バークホルデリア・アンビファリア種、特に、ザイモモナス・モビリス種およびブラジリゾビウム・ジャポニカム種のトランスジェニック細菌から単離されたものである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. アンブロキサンを得るための、ホモファルネソールの生物触媒反応のためのホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドの使用であって、
    上記ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの主要な活性が、主要な基質であるホモファルネソールとの反応であり、
    前記ポリペプチドが、
    a)配列番号2もしくは5に記載の配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;
    b)配列番号1に示される配列を含む核酸分子;
    c)配列が配列番号2もしくは5に記載の配列に対して少なくとも90%の同一性を有し、かつホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチド、をコードする核酸分子;
    d)ストリンジェントな条件下で配列番号1に示される配列を有する核酸分子とハイブリダイズする、ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子
    からなる群より選択される少なくとも1個の核酸分子を含む核酸分子によりコードされる、上記使用
  13. ホモファルネソール-アンブロキサンシクラーゼが、10〜100モル%の反応速度を有する、請求項12に記載の使用。
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