JP5729162B2 - 電力管理装置 - Google Patents

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Description

本件は、電力供給を受けて稼働する電気機器の稼働状態を推定する電力管理装置に関する。
従来、オフィスや工場,住宅等の電力管理を目的として、複数の電気機器の稼働状態をモニタリングする電力管理装置が利用されている。稼働中の電気機器を識別する手法としては、電気機器で消費される電力量や、消費電力の変動パターンに基づく識別手法が知られている。例えば、それぞれの電気機器で消費される消費電力のパターンを予めテンプレートとしてデータベースに保存しておき、給電線の引き込み口で測定された電流値に基づいて実際の消費電力を測定して、実測消費電力パターンとテンプレートとの比較により稼働中の電気機器を識別する手法が典型的である(特許文献1参照)。
また、電流の時系列データに対してスペクトル解析(電流値の振動を周波数成分毎に分解し、各々の周波数成分の強度を演算すること)を施し、スペクトルの分布状態から稼働中の電気機器を識別する手法が知られている(特許文献2参照)。あるいは、電気機器のインバータ回路等に由来する電流変化中の高調波の強度比に基づき、独立成分分析の手法を用いて機種別の電流変化(稼働状態)を推定する手法も知られている(特許文献3参照)。これらのような手法を用いることで、消費電力パターンや消費電力量の異なる電気機器を区別しながら、それぞれの稼働状態を把握することができるとされている。
特開2005−354794号公報 特許第3892358号公報 特許第4454001号公報
しかしながら、消費電力のパターンやそのスペクトルに基づく識別手法では、モニタリング対象となる電気機器の全ての組み合わせについての比較演算が必要となる。一方、電気機器の組み合わせ数は、それらの数,種類に応じて指数的に増大する。したがって、膨大な数の電気機器が存在するオフィスや工場のようなケースであっても、あるいは、多様な種類の電気機器が存在する一般住宅のケースであっても、実用的な時間内に各電気機器の稼働状態を把握できない場合が生じうる。
一方、独立成分分析を用いた手法では、各々の電気機器に固有のモデルを事前に用意する必要がなく、自律的に非同期に動作する各々の電気機器の電流変化を識別することが可能である。しかしこの手法は、各機器の高調波の強度比が電気機器の機種に固有であることを前提としたものであって、線形独立性が低い機種同士を識別することが困難であるという課題がある。
例えば、ある機種の電流変化が他の機種の電流変化のスカラー倍に近い場合に、前者が一台稼働しているのか、それとも後者が複数台稼働しているのかを区別することが難しい。なお、分析の結果として得られる機種の台数が実数で与えられるものにあっては、その解が小数となる場合があり、実際に稼働している台数が判別不能になる、といった実務上の課題も存在する。
本件の目的の一つは、これらのような課題に鑑み創案されたものであり、電気機器の稼働状態を正確に把握することである。
なお、前記目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
開示の電力管理装置は、電気機器の電源回路に由来する稼働電流の波形を固有波形として記憶する管理手段と、前記電気機器への供給電流の波形を給電波形として取得する取得手段と、前記給電波形の周期間の差分波形を抽出する抽出手段とを備える。また、前記固有波形と前記差分波形との照合により、稼働状態が変化した前記電気機器の機種を推定する推定手段とを備える。また、前記推定手段が、前記固有波形と前記差分波形との類似度が高い場合に前記固有波形に対応する機種の前記電気機器が稼働したものと推定し、前記固有波形を時間軸に対して反転させた反転固有波形と前記差分波形との類似度が高い場合に前記固有波形に対応する機種の前記電気機器が稼働を停止したものと推定する。
開示の技術によれば、以下の少なくとも何れか一つの効果,利点が得られる。
(1)電気機器の機種の推定精度を向上させることができる。
(2)電気機器の稼働状態の変化を把握することができる。
(3)線形独立性に乏しい電気機器の固有波形を識別することができる。
実施形態に係る電力管理装置の全体構成を示すブロック図である。 電力管理装置による検出対象を説明するための図であり、(a)は電流の波形を例示するグラフ、(b)はこの波形をサンプリングしたデータを例示する表である。 (a)は時系列で記録された給電波形を例示するグラフ、(b)はこの給電波形をサンプリングしたデータ群を例示する表である。 給電波形の周期間差分の抽出に係る演算を説明するための図であり、(a)は差分の演算対象を示すグラフ、(b)は差分の大きさを視覚的に示したグラフ、(c)は差分波形を例示するグラフである。 給電波形の周期間差分の抽出に係る演算を説明するための図であり、(a)は差分の演算対象を示すグラフ、(b)は差分の大きさを視覚的に示したグラフである。 電力管理装置が記憶する機種別電流データを例示するグラフであり、(a)は各機種の電気機器がオン状態になったときの固有波形を例示するもの、(b)はオフ状態になったときの固有波形を例示するものである。 電力管理装置で実施される制御内容を例示するフローチャートである。 電力管理装置で実施される制御の変形例を説明するためのフローチャートである。 電力管理装置で実施される制御の変形例を説明するためのフローチャートである。 変形例に係る電力管理装置を説明するためのグラフであり、電力管理装置が記憶する固有波形を機種の状態毎に設定したものである。 波形の一部分を照合対象とした変形例に係る電力管理装置を説明するためのグラフである。
以下、図面を参照して本電力管理装置に係る実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも例示に過ぎず、以下に示す実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(実施形態及び各変形例を組み合わせる等)して実施することができる。
[1.装置構成]
本電力管理装置10を商用交流電源の給電線引き込み口付近に設けた給電システムを図1に例示する。ここでは、分電盤13に接続された給電線11上に電力管理装置10が介装される。分電盤13は、例えば一般家屋やオフィスビル,工場といった電力需要家の建屋12内に設けられる。分電盤13の内部では給電線11が複数のラインに分岐形成され、各々のラインが建屋12内の各所に配線される。また、各々のライン上にはさまざまな電気機器14が接続される。
電気機器14の種類としては、例えばオフィスビルの場合、蛍光灯や白熱灯等の照明装置,空調装置,電子計算機(コンピューター)等が挙げられる。また、一般家屋の場合には、冷蔵庫,洗濯機,テレビジョン受像機,炊飯器といった家電機器も含まれる。本電力管理装置10は、多種多様な電気機器14を個々に識別してそれぞれの稼働状態を推定する。
電気機器14の識別に関して、本電力管理装置10は各電気機器14に内蔵された電源回路の構造に由来する稼働電流の固有波形に基づいて、電源の状態が変化したものを特定し、その状態変化を累積的にカウントすることによって建屋12内の全ての電気機器14の稼働状態を把握する。
固有波形とは、所定の交流電圧(典型的には正弦波)で電気機器14に給電し、電気機器14の稼働状態がオフからオンに変化したときに、その電気機器14の電源回路の回路構造特性や回路上に介装された部品等(例えば、コンデンサ,コイル等)の電気的特性によって変化する電流値の波形(すなわち、変化量を示す波形)を意味する。これらの電源回路の特性は、電流値の波形の形状や電圧値に対する電流値の位相に影響を与える。
例えば、電子計算機(コンピューター),空調装置,照明装置といったように種類の異なる機器は、同一の交流電圧を付与したときの電流波形が相違し、すなわち異なる固有波形を持つ。また、同じ電子計算機同士であってもメーカーや製品番号が異なる場合には、電源回路の特性が同一でない限り、固有波形は相違する。さらに、同一メーカー製で同一の製品番号のものであっても、電源回路に使用される部品が変更されれば(例えばリビジョンの更新等)、それに応じて固有波形が変化する。
したがって、固有波形は電気機器14の電源回路に固有の波形であるものと捉えることができる。本電源管理装置10はこのような性質を利用して、稼働状態が変化した電気機器14を識別する。以下、固有波形の形状によって電気機器14を分類したそれぞれのカテゴリーを「機種」と呼ぶ。なお、図1は分電盤13から給電される電気機器14の機種数がm(任意の自然数)である給電システムを示している。
[2.制御構成]
電力管理装置10は、上記の電気機器14の稼働状態を把握する制御を実施するものであり、例えばマイクロプロセッサやROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等を集積したLSI(Large Scale Integration)デバイスとして製造されたものであってもよいし、汎用の電子計算機でシステムを構築されたものであってもよい。図1に示すように、電力管理装置10には、電流計測部1,電流波形データ取得部2,記録部3,差分抽出部4,機種別電流データ管理部5,機種推定部6,稼働機器計数部7及び出力部8が設けられる。
これらの電流計測部1,電流波形データ取得部2,記録部3,差分抽出部4,機種別電流データ管理部5,機種推定部6,稼働機器計数部7及び出力部8の各機能は、電子回路(ハードウェア)で実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
[2−1.電流計測部]
電流計測部1は、給電線11から供給される供給電流(総電流)の電流値を計測するものである。ここでいう「供給電流の電流値」とは、一般的な電力量の算定に用いられる実効値ではなく瞬時値である。また、給電線11が複相の場合には、少なくとも何れか一相の電流値を計測するものであればよい。例えば、給電線11が三相三線の交流電力線である場合、電流計測部1は三つの相のうちの何れか一相の電流値の瞬時値を計測する。
電流計測部1が電流値をサンプリングする周波数(単位時間あたりの計測回数)は、供給電流の交流周波数(例えば50[Hz])よりも十分に高く設定され、例えば20[kHz]程度とされる。少なくとも、サンプリング周波数が供給電流の交流周波数の二倍よりも高い周波数であることが好ましい。計測された電流値のデータは、電流波形データ取得部2に伝達される。
[2−2.電流波形データ取得部]
電流波形データ取得部2(取得手段)は、電流計測部1で計測された電流値のデータを時系列に配列し、一周期分の電流値I_0のデータ群を生成するものである。ここで、供給電流の交流周波数をf1[Hz]とおき、電流計測部1でのサンプリング周波数をf2[Hz]とおくと、電流波形データ取得部2は電流値のデータをf2/f1 個毎に分類し、分類された各々のデータ群を記録部3に伝達する。
供給電流の交流周波数が50[Hz]の場合、電流値の波形の一波長に対応する時間(周期)は20[ms]である。ここで、電流値が0であってその変化勾配が正である時刻をt=0とすると、電流値の一周期分の変動グラフは、図2(a)のように時刻0から20[ms]までの範囲内に表現される。このとき、電流計測部1でのサンプリング周波数が20[kHz](すなわち0.05[ms]周期であり、サンプリング頻度が20[回/ms])であれば、20[ms]の間に電流値のデータが400回計測され、サンプリングされた測定点の座標はグラフ上に位置する400個の点座標となる。
したがって、記録部3に伝達されるデータは、図2(b)に示すように、一波長分の給電波形に対応する400個の時刻t及び電流値からなるデータ群となる。このように、電流波形データ取得部2は、供給電流の一周期分の波形を給電波形として取得する機能を持つ。
[2−3.記録部]
記録部3は、電流波形データ取得部2から伝達されたデータ群を記憶装置3aに時間順に記録するものである。記憶装置3aの具体例としては、レジスタやメインメモリ等が挙げられる。記憶装置3aには、所定周期(例えばn周期,nは任意の自然数)分のデータ群を記憶するための記憶容量が確保されている。ここで、図3(a)に示すように、最新の供給電流の一周期分のデータ群に番号#0を付し、これよりもn周期分過去のデータ群に番号#nを付すと、記録部3は#0のデータ群を、電流値の一周期内での時刻tを引数とするデータ群I_0(t)として定義し、これを記憶装置3aに記録する。言い換えると、記録部3は、離散的に与えられる時刻tの関数として、電流値を記憶装置3aに記録する。
また、このデータ群I_0(t)を記憶装置3aに記録する際に、すでにデータ群I_0(t)が存在している場合(つまり、一周期分過去のデータ群が前回の演算周期で記録されていた場合)には、記録済みのデータ群I_0(t)を一周期前のデータ群I_1(t)として再定義し、これを記憶装置3aに記録する。同様に、古いデータ群I_1(t)〜I_(n-1)(t)が存在した場合には、これらを順に繰り下げてI_2(t)〜I_n(t)とし、記憶装置3aに記録する。したがって記憶装置3aには、図3(b)に示すようにn周期分過去までの給電波形の変化の履歴が常に保持される。
[2−4.差分抽出部]
差分抽出部4(抽出手段)は、給電波形の周期間差分を差分波形として抽出するものである。ここでは、図4(a)に示すように、最新の給電波形に対する過去の給電波形のそれぞれの差が演算される。例えば、最新の給電波形のデータ群I_0(t)とi周期前(iはn以下の自然数)の給電波形のデータ群I_i(t)との差分x_i(t)は、以下の式1で与えられる。
Figure 0005729162
電流計測部1でのサンプリング周波数が20[kHz]である場合、それぞれの給電波形のデータ群I_i(t)には400個の電流値のデータが含まれるため、これに対応して差分x_i(t)にも400個の差の情報が含まれることになる。
ここで、最新の給電波形のデータ群I_0(t),i周期前の給電波形のデータ群I_i(t)及び差分x_i(t)をグラフ化したものを図4(b)に示す。それぞれのグラフと時間軸tとで囲まれる領域の面積をS1,S2,S3とおくと、面積S3は面積S1から面積S2を減じた値に等しい。つまり、差分x_i(t)のグラフは、データ群I_i(t)に対してデータ群I_0(t)の電流値がそれぞれの時刻tでどの程度増減したかを示すものとなる。
以下、ここで演算された差分x_i(t)で表現される波形のことを差分波形と呼ぶ。差分抽出部4は、このような演算を過去の各々の給電波形に対して繰り返し実施し、n個の差分x_1(t)〜x_n(t)を演算する。この演算を通して抽出される差分波形を図4(c)に例示する。
差分波形は、電気機器14の稼働状態に変化がない状態では、その値がほぼ0の平坦な形状となる。一方、何れかの電気機器14の稼働状態が変化すると、その稼働状態の変化の前後で差分波形の形状も変化する。また、任意の機種の電気機器14に関して、稼働状態がオンからオフに変化した場合に生じる差分波形の形状は、稼働状態がオフからオンに変化したときに生じる差分波形の形状を時間軸に対して反転させた形状となる。
図5(a)は、図4(a)に示すものとは別の給電波形を例示するものである。差分抽出部4は、最新の給電波形に対する過去の給電波形の差を演算するものであるから、差分抽出部4で得られる差分波形の形状は、その時点までに変動した給電波形の履歴に依存することになる。
例えば、最新の給電波形とi周期前の給電波形との検出順序が図4(b)に示すものと逆である場合には、図5(b)に示すように、差分x_i(t)のグラフが時間軸tについて反転した形状となる。なお、図5(a)の給電波形から抽出される差分波形を図5(c)に例示する。このように、差分波形は給電波形及びその検出順序に依存した形状となる。
[2−5.機種別電流データ管理部]
機種別電流データ管理部5(管理手段)は、電気機器14の電源回路に応じた稼働電流の波形を固有波形として記憶するものである。機種別電流データ管理部5の具体例としては、不揮発メモリやストレージ等が挙げられる。ここには、例えば図6(a)に示すように、m種類の機種のそれぞれについて、電源をオフからオンに変更したときに生じる固有波形の一周期分のデータ群y_1(t)〜y_m(t)が予め保存されている。これらのデータ群y_1(t)〜y_m(t)は、機種推定部6での照合に用いられる。
なお、各機種に供給される交流電圧が同一であれば、電源回路が変化しない限り固有波形は不変である。したがって、分電盤13から給電を受けている機種だけでなく、新たに接続されうる機種の固有波形に関するデータも機種別電流データ管理部5に記憶させておくことで、給電システムの拡張時の対応が容易となる。
また、固有波形に関するデータの取得方法は任意であり、例えば分電盤13の下流側に対象となる機種のみの電源をオフからオンに変更したときの給電波形の変化を抽出する手法が考えられる。すなわち、固有波形は、電源がオフの状態のときに電流計測部1で検出される供給電流の波形と、電源がオンの状態のときに電流計測部1で検出される供給電流の波形との差分波形として取得されうる。この場合、固有波形のデータ群y_1(t)〜y_m(t)にはそれぞれ400個の電流値のデータが含まれることになり、後述する機種推定部6での推定演算が容易となる。
あるいは、電源回路の構造に基づいて、理論的に固有波形の形状を演算してもよい。なお、本電力管理装置10では、波形同士の類似度を数値化する演算を介して波形の照合がなされるため、それぞれの波形を構成するデータの数及び密度(サンプリング周波数)は必ずしも一致していなくてもよい。
[2−6.機種推定部]
機種推定部6(推定手段)は、差分抽出部4で演算されたn個の差分x_1(t)〜x_n(t)のそれぞれを、機種別電流データ管理部5に保存されたm個の固有波形のデータ群y_1(t)〜y_m(t)のそれぞれと照合するものである。
これらを照合するための手段として、機種推定部6は、差分抽出部4で抽出された差分波形と、機種別電流データ管理部5に記憶されている固有波形との類似度を演算する。例えば、i周期前(iはn以下の自然数)の給電波形に基づく差分x_i(t)と、機種j(jはm以下の自然数)の固有波形のデータ群y_j(t)とに基づき、以下の式2に基づいて第一指標e_ijを演算する。
Figure 0005729162
第一指標e_ijは、差分抽出部4で抽出された差分波形と機種別電流データ管理部5に記憶されている固有波形との波形差に対応する差電流の平方和(二乗和)であり、二つの波形の類似度が高いほど(形状が似ているほど)0に近い値となる。そこで機種推定部6は、第一指標e_ijが所定の閾値δ(δ>0)よりも小さい場合に、二つの波形が「一致」するものと推定し、第一指標e_ijが閾値δ以上である場合に、二つの波形が「不一致」であるものと推定する。
i周期前の給電波形に基づく差分波形と機種jの固有波形との一致は、「機種jの電源状態がi周期前の時点でオフであり、現周期の時点でオンである」ことを意味する。例えば、図4(b)に示す差分x_i(t)と、図6(a)中の機種2の固有波形のデータ群y_2(t)とが一致した場合、機種2の電源状態がオフからオンに変更されたことになる。
さらに、機種推定部6は、上記の固有波形の符号を時間軸tについて反転させたものと上記の差分波形との類似度を演算する。例えば、i周期前の給電波形に基づく差分x_i(t)と、j番目の機種の固有波形のデータ群y_m(t)とに基づき、以下の式3に基づいて第二指標e_ijRを演算する。なお、機種jの固有波形のデータ群y_m(t)を時間軸tについて反転させたものは、-y_m(t)と表現される。この反転固有波形のグラフは、図6(b)に示すように、図6(a)に示すグラフの電流値の符号を反転させたものに一致する。
Figure 0005729162
第二指標e_ijRは、符号を反転させた固有波形と差分波形との波形差に対応する差電流の平方和(二乗和)であり、二つの波形の類似度が高いほど(形状が似ているほど)0に近い値となる。機種推定部6は、第二指標e_ijRが閾値δよりも小さい場合に、二つの波形が「一致」するものと推定し、第二指標e_ijRが閾値δ以上である場合に、二つの波形が「不一致」であるものと推定する。
i周期前の給電波形に基づく差分波形と機種jの固有波形の符号を反転させたものとの一致は、「機種jの電源状態がi周期前の時点でオンであり、現周期の時点でオフである」ことを意味する。例えば、図5(b)に示す差分x_i(t)と、図6(b)中の機種2の固有波形のデータ群-y_2(t)とが一致した場合、機種2の電源状態がオンからオフに変更されたことになる。
上記の機種推定部6での推定結果は、稼働機器計数部7に伝達される。
[2−7.稼働機器計数部]
稼働機器計数部7は、機種推定部6での推定結果に基づき、電気機器14の稼働状態を計数するものである。ここでは、m種類の機種のそれぞれについての稼働台数がカウントされる。
まず、第一指標e_ijを用いた推定によって二つの波形が一致するものと推定されたとき、稼働機器計数部7は機種jの稼働台数を一台増加させる。一方、第二指標e_ijRを用いた推定によって二つの波形が一致するものと推定されたとき、稼働機器計数部7は機種jの稼働台数を一台減少させる。これらの何れの場合においても、稼働機器計数部7は、上記の推定に用いられたすべての給電波形I_1(t)〜I_n(t)をクリアさせる削除信号を記録部3に伝達する。
また、第一指標e_ij,第二指標e_ijRを用いた推定で二つの波形の不一致であるものと推定されたとき、稼働機器計数部7はその時点でカウントされている各機種の稼働台数をそのまま保持する。ここでカウントされた各機種の稼働台数の情報は、出力部8に伝達される。
[2−8.出力部]
出力部8は、稼働機器計数部7でカウントされた各機種の稼働台数を出力するものである。ここでは、例えばユーザーからの要求に応じて、機種1〜機種mの稼働台数や、稼働台数が変化した時刻等の情報が表示装置8aに提示される。なお、図示しない通信ラインやネットワーク等を介して、電力管理装置10の外部に各機種の稼働台数の情報を出力するものとしてもよい。
[3.フローチャート]
電力管理装置10で実行される制御手順の例として、図7にフローチャートを示す。ステップA10では、稼働台数計数部7での計数が初期化され、機種1から機種mまでのそれぞれの稼働台数が0にリセットされる。このとき、分電盤13に接続された全ての電気機器14の電源がオフであるものとする。またステップA20では、電流計測部1で検出された電流値が電流波形データ取得部2に伝達され、一周期分の電流値I_0の時系列データ群が生成される。
ステップA30では、前ステップで得られたデータ群が時刻tを引数とするデータ群I_0(t)として記録部3で定義され、記憶装置3aに記録される。なお、例えば前回までの演算周期でデータ群I_0(t)が記憶装置3aに記録されていた場合には、記録済みのデータ群がそれぞれ一周期前のデータ群として再定義され、併せて記憶装置3aに記録される。
ステップA40では、差分抽出部4で給電波形の周期間の差分波形が抽出される。ここでは、上記の式1に従って、最新の給電波形のデータ群I_0(t)とi周期前の給電波形のデータ群I_i(t)との差分x_i(t)が演算される。ここで演算される差分x_i(t)の数は、記憶装置3aに記憶されている過去の給電波形の周期数nに依存する。
ステップA50では、機種別電流データ管理部5に保存されている固有波形の一周期分のデータ群y_j(t)が機種推定部6に読み込まれる。ここで読み込まれるデータ群y_j(t)の数は、電気機器14の機種数mに依存する。
ステップA60では、機種推定部6において、n個の差分波形とm個の固有波形とが照合される。ここでは、差分x_i(t)とデータ群y_j(t)とに基づき、上記の式2に従って第一指標e_ijが演算される。なお、ここで演算される第一指標e_ijの数はn×m個である。
ステップA70では、機種推定部6において、全ての第一指標e_ijのうち最小のものが選択される。すなわちここでは、差分波形と固有波形との照合によって最も類似度が高いと推定される組み合わせが選択される。また、ステップA80では、前ステップで選択された第一指標e_ijが第一閾値δ未満であるか否かが判定される。
ここで、第一指標e_ij<第一閾値δである場合にはステップA90に進み、稼働機器計数部7において、機種jの稼働台数が一台増加したものとカウントされ、ステップA140に進む。ステップA140では、更新された各機種の稼働台数が出力部8から出力される。また、稼働機器計数部7から記録部3に削除信号が伝達され、記憶装置3aに記録されているすべての給電波形I_1(t)〜I_n(t)の情報が消去される。その後、制御はステップA20へと進み、電気機器14の稼働状態の推定制御が継続される。
一方、ステップA80で第一指標e_ij≧第一閾値δである場合には、ステップA100に進む。ステップA100では、機種推定部6において、n個の差分波形とm個の反転固有波形とが照合される。ここでは、差分x_i(t)とデータ群-y_j(t)とに基づき、上記の式3に従って第二指標e_ijRが演算される。なお、ここで演算される第二指標e_ijRの数も第一指標e_ijと同様にn×m個である。
ステップA110では、ステップA70での制御と同様に、全ての第二指標e_ijRのうち最小のものが選択される。続くステップA120では、前ステップで選択された第二指標e_ijRが第一閾値δ未満であるか否かが判定される。
ここで、第二指標e_ijR<第一閾値δである場合にはステップA130に進み、稼働機器計数部7において、機種jの稼働台数が一台減少したものとカウントされ、ステップA140に進む。また、ステップA120で第二指標e_ijR≧第一閾値δである場合には、電気機器14の稼働状態に変化がないものとして、そのままステップA20へと進む。
[4.効果]
このように、上記の電力管理装置10では、多種多様な機種の電気機器14が接続された分電盤13への給電線引き込み口付近での給電電流の波形が取得され、周期間の差分波形が抽出される。一方、電気機器14の稼働電流の波形が固有波形として記憶され、差分波形と固有波形とが照合されて、稼働状態がオフからオンへ、あるいはオンからオフへと変化した機種が推定される。
したがって、電気機器14に内蔵された電源回路の構造に由来する稼働電流の固有波形に基づいて稼働対象を推定することにより、線形独立性の低い固有波形を容易に識別することができ、電気機器の機種の推定精度を向上させることができる。すなわち、ある機種の稼働時の電流変化が他の機種の稼働時の電流変化のスカラー倍に近い場合であっても、固有波形が相違する限り、上記の電力管理装置10はそれらの機種を識別することができる。また、波形の照合対象として給電電流の差分波形を用いることで、電気機器14の稼働状態の変化を供給電流の変化として正確に把握することができる。
また、上記の電力管理装置10では、電流波形の照合に係る時間幅が交流電流の一周期分の幅に設定され、すなわち一波長の固有波形と一波長の差分波形とが照合される。これにより、電気機器14の機種の推定に係るリソースを減少させつつ、短時間で正確に機種を推定することができる。
さらに、上記の電力管理装置10では、交流電流の一周期分の時間幅で波形を照合しており、例えば給電線11の交流周波数が50[Hz]であれば20[ms]という短い期間での電流値の変化が機種の推定の根拠となる。そのため、複数の機種の稼働状態が同時に変化するといった状況を想定する必要性が極めて低く、電気機器14の稼働状態の変化を個別に判断することができる。
また、上記の電力管理装置10では、固有波形と差分波形との類似度が高い場合に、固有波形に対応する機種の電気機器14が稼働したものと推定される。逆に、反転固有波形と差分波形との類似度が高い場合には、その機種の電気機器14が稼働を停止したものと推定される。このように、固有波形とこれを時間軸に対して反転させた反転固有波形とを用いることにより、電気機器14の機種を特定できるだけでなく、その稼働及び停止を正確に把握することができる。なお、稼働中の機種数が正の整数で与えられるため、実際に稼働している台数が判別不能になるような事態を回避することもできる。
さらに、上記の電力管理装置10では、固有波形と差分波形との類似度の判定に際して、波形差に対応する差電流の平方和を第一指標e_ijとし、これを第一閾値δと比較することで二つの波形が一致するか否かを判定している。このように、差電流の平方和を用いることで、推定精度を向上させつつ演算速度を向上させることができる。
なお、反転固有波形と差分波形との類似度の判定に関しても同様であり、波形差に対応する差電流の平方和を第二指標e_ijRとし、これを第一閾値δと比較することで二つの波形が一致するか否かを判定している。このように、差電流の平方和を用いることで、推定精度を向上させつつ演算速度を向上させることができる。さらに、第一指標e_ijの判定に係る閾値δと第二指標e_ijRの判定に係る閾値δとが同一であるため、同一のロジックで条件判定を実施することができ、制御構成の簡素化が容易であるというメリットがある。
[5.変形例]
開示の実施形態の一例に関わらず、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成及び各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。以下の変形例において、上述の実施形態と同一の要素については同一の符号を用いて説明を省略する。
[5−1.第一変形例]
上記の電力管理装置10では、図3(a)に示すように、n周期前までの給電波形の変化の履歴が保持され、電気機器14の稼働状態が変化しない限り履歴情報がクリアされない。つまり、電気機器14の稼働状態が長時間変化しないような場合には、記憶装置3aに膨大な記憶容量が要求される可能性がある。そこで、新たに取得した供給電流の給電波形が過去に取得された給電波形とほぼ同一である場合には、電気機器14の稼働状態が変化していないものと判断してその給電波形を破棄し、次の周期で新たな給電波形を取得することとしてもよい。
この場合の制御手順の例として、図8にフローチャートを示す。このフローチャートは、図7のフローのステップA20からA40までの間に実行される。
ステップB10では、ステップA20で得られたデータ群が時刻tを引数とするデータ群I_0(t)として記録部3で定義される。このとき、記憶装置3aにはまだデータ群I_0(t)が記録されず、前回までの演算周期で記録済みのデータにも変更が加えられることなく維持される。
ステップB20では、記憶装置3aに記録された一周期前のデータ群I_1(t)が記録部3に読み込まれる。また、ステップB30では記録部3において、最新の給電波形と一周期前の給電波形とが照合される。ここでは、二種類の給電波形のデータ群I_0(t),I_1(t)に基づき、以下の式4に従って第三指標e_01が演算される。
Figure 0005729162
第三指標e_01は、最新の給電波形と一周期前の給電波形との類似度が高いほど(形状が似ているほど)0に近い値となる。そこで記録部3は、第三指標e_01が所定の第二閾値θ(θ>0)よりも小さい場合に二つの波形が「一致」するものと推定する。
つまり、ステップB40では、記録部3において、第三指標e_01が第二閾値θ未満であるか否かが判定される。ここで、第三指標e_01<第二閾値θである場合には、最新の給電波形と一周期前の給電波形とが同一であって、稼働状態が変化した電気機器14がないものと判断し、ステップB50に進んで最新の給電波形のデータ群I_0(t)を破棄する。その後の制御は、図7のフローのステップA20へと進む。
一方、ステップB40で第三指標e_01≧第二閾値θである場合には、ステップB60へ進み、データ群I_0(t)が記憶装置3aに記録される。また、前回までの演算周期でデータ群I_0(t)が記憶装置3aに記録されていた場合には、記録済みのデータ群がそれぞれ一周期前のデータ群として再定義され、併せて記憶装置3aに記録される。その後の制御は、図7のフローのステップA40へと進む。
この制御では、給電波形に変化が見られない状態では差分波形が破棄され、機種推定部5での照合が不実施とされる。これにより、電気機器14の稼働状態に変化がない状態での推定演算を防止することができ、電気機器14の機種の推定精度を向上させることができる。また、照合に係るデータを保持するためのリソースと照合コストとをともに削減することができる。
また、この制御では、給電波形に変化が見られない状態の判定に際して、給電波形同士の波形差に対応する差電流の平方和を第三指標e_01とし、これを第二閾値θと比較することで二つの波形が一致するか否かを判定している。このように、差電流の平方和を用いることで、給電波形の状態に関しても推定精度を向上させることができ、電気機器14の稼働状態の推定精度をさらに向上させることができるとともに、演算速度を向上させることができる。
なお、この第一変形例は同一の給電波形が二連続で検出された場合に、後に検出された一方の給電波形を破棄するものであるが、データリソースやコストの余裕に応じて具体的な制御態様を適宜変更してもよい。例えば、同一の給電波形が二連続で検出された場合に、先に検出された一方の給電波形を破棄する構成としてもよいし、あるいは同一の給電波形が三連続以上検出された場合に、最後に検出された給電波形を破棄する構成としてもよい。
[5−2.第二変形例]
上記の電力管理装置10において、電流計測部1で計測される電流値の波形に、電気機器14の稼働状態とは無関係なランダム変動が混入する場合も考えられる。例えば、給電線11側にノイズが発生し、あるいは給電電圧が僅かに変動すると、電気機器14の稼働状態が一定に維持された状態であっても給電波形が変動する。そこで、任意の一周期の給電波形とその前後の周期の給電波形とを照合して、突発的なランダム変動が混入した給電波形を、機種推定部6での照合対象から除外することとしてもよい。
この場合の制御手順の例として、図9にフローチャートを示す。このフローチャートは、図7のフローのステップA20からA40又はA50までの間に実行される。
ステップC10では、ステップA20で得られたデータ群が時刻tを引数とするデータ群I_0(t)として記録部3で定義される。また、前回までの演算周期でデータ群I_0(t)が記憶装置3aに記録されていた場合には、記録済みのデータ群がそれぞれ一周期前のデータ群として再定義され、併せて記憶装置3aに記録される。なお、上記の第一変形例と第二変形例とをともに実施する場合には、図8のステップB60の後に本フローのステップC20へと進む制御手順とすればよい。
ステップC20では、記憶装置3aに記録されている全ての給電波形のデータ群I_0(t)〜I_n(t)が記録部3に読み込まれる。続くステップC30では記録部3において、n−1以下の範囲で定義される自然数kについて、k周期前の給電波形とk+1周期前の給電波形とが照合される。
例えば、二種類の給電波形のデータ群I_k+1(t),I_k(t)に基づき、以下の式5に従って第四指標a_kが演算される。さらにステップC40では、k−1周期前の給電波形とk周期前の給電波形とが照合される。例えば、二種類の給電波形のデータ群I_k(t),I_k-1(t)に基づき、以下の式6に従って第五指標b_kが演算される。
Figure 0005729162
続くステップC50では、第四指標a_kと第五指標b_kとの差の絶対値|a_k-b_k|が所定の第三閾値αよりも大きいか否かが判定される。つまりここでは、第四指標a_kで表現されるk+1周期前からk周期前にかけての給電波形の類似度と、第五指標b_kで表現されるk周期前からk−1周期前にかけての給電波形の類似度との差がどの程度であるかが判定される。
このステップC50で、差の絶対値|a_k-b_k|>第三閾値αである場合にはステップC60へ進み、k周期前の給電波形中にランダム変動が混入しているものとみなされ、k周期前の給電波形を差分波形x_i(t)の抽出対象から除外する制御信号が記録部3から差分抽出部4に伝達される。一方、ステップC50で、差の絶対値|a_k-b_k|≦第三閾値αである場合には、k周期前の給電波形中にランダム変動が混入していないものと判断され、ステップC70へ進む。
ステップC70では、1周期前の給電波形からn−1周期前の給電波形までの全ての給電波形について、第四指標a_kと第五指標b_kとの差の絶対値|a_k-b_k|を確認したか否かが判定される。ここで全数の検査が完了していない場合には、kの値が変更されてステップC30に戻り、ランダム変動の混入の有無が繰り返し確認される。一方、全数検査が完了した場合、その後の制御は、図7のステップA40へと進む。
この制御では、給電変化にランダム変動が混入したときの給電波形が差分波形の抽出対象から除外され、機種推定部5での照合が不実施とされる。これにより、電気機器14の稼働状態に変化がない状態での誤検出を防止することができ、電気機器14の機種の推定精度を向上させることができる。
また、この第二変形例の制御では、ランダム変動の混入の有無の判断に際し、前後する周期の給電波形との波形差に対応する差電流の平方和を第四指標a_k及び第五指標b_kとし、これらの差の絶対値を第三閾値αと比較することによって突発的な変動の有無を判断している。このように、差電流の平方和を用いることで、給電波形に含まれうるノイズや外乱の影響を的確に排除しながら、電気機器14の稼働状態の推定精度をさらに向上させることができる。
なお、ランダム変動の検出手法はこれに限定されない。例えば、上記の第四指標a_kや第五指標b_kの各々の絶対値が所定値以上であるときに、ランダム変動が混入したものと判断してもよいし、あるいは、k周期前の給電波形からk+1周期前の給電波形にかけての差分波形と、k−1周期前の給電波形からk周期前の給電波形にかけての差分波形とを演算し、これらの形状が時間軸tに対して互いにほぼ反転した形状である場合に、ランダム変動が混入したものと判断してもよい。
[5−3.その他]
機種別電流データ管理部5に記録された固有波形に関して、上述の実施形態では、図6(a)に示すように分電盤13の下流側に接続された電気機器14の機種に応じたデータ群y_1(t)〜y_m(t)が予め保存されたものを例示したが、電気機器14の機種と固有波形のデータとが必ずしも一対一で対応しなくてもよい。
例えば、稼働モードに強,中、弱といった違いがある電気機器14では、その稼働状態に応じて異なる固有波形を持つものがありうる。この場合、図10に示すように、複数の稼働モードを持った機種には、それぞれのモードに対応するデータ群を設定しておけばよい。このように、各々の機種について稼働状態毎の固有波形のデータ群を予め用意しておくことで、電気機器14の稼働状態(オン/オフ)だけでなく、その稼働モードを正確に推定することができる。
また、上述の実施形態では、機種推定部6において、一周期分の差分波形及び固有波形を照合するものを例示したが、波形の照合手法や照合範囲はこれに限定されない。例えば、二周期分以上の差分波形及び固有波形を照合する制御としてもよいし、逆に半周期分の差分波形及び固有波形を照合する制御としてもよい。
また、推定対象となる機種の固有波形によっては、さらに照合範囲を狭めることも可能である。例えば、推定対象となる機種数が三種類であって、機種A,B,Cについての固有波形が図11に示すような形状の場合、少なくとも固有波形同士の形状が大きく相違する区間Tを照合すれば、これらの機種の識別が可能である。したがって、時刻t1から時刻t2までの区間Tを照合の対象区間として設定し、この区間Tに準じて給電波形の検出区間や差分波形の抽出区間を設定すればよい。
なお、区間Tの設定手法としては、例えば時刻t毎に機種毎の電流値について機種を因子とみなした分散分析を行い、差が優位となる時刻t(あるいは区間)を選択することで求めることができる。
このような区間設定により、演算負荷や電気機器14の機種の推定に係るリソースをさらに減少させることができ、短時間で正確な機種の推定が可能となる。
また、上述の実施形態では、波形の照合に関して、おもに差電流の平方和を類似度の指標とするものを例示したが、具体的な波形の類似度の把握手法は任意であり、例えば、差電流の絶対値を類似度の指標としてもよいし、差電流の四乗和を指標としてもよい。
[6.付記]
以上の実施形態および変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
電気機器の電源回路に由来する稼働電流の波形を固有波形として記憶する管理手段と、
前記電気機器への供給電流の波形を給電波形として取得する取得手段と、
前記給電波形の周期間の差分波形を抽出する抽出手段と、
前記固有波形と前記差分波形との照合により、稼働状態が変化した前記電気機器の機種を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とする、電力管理装置。
(付記2)
前記管理手段が、前記稼働電流の一周期分の前記固有波形を記憶し、
前記取得手段が、前記供給電流の複数周期分の前記給電波形を取得するとともに、
前記抽出手段が、前記複数周期分の前記給電波形から少なくとも一周期分の前記差分波形を抽出する
ことを特徴とする、付記1記載の電力管理装置。
(付記3)
前記推定手段が、
前記固有波形と前記差分波形との類似度が高い場合に前記固有波形に対応する機種の前記電気機器が稼働したものと推定し、
前記固有波形を時間軸に対して反転させた反転固有波形と前記差分波形との類似度が高い場合に前記固有波形に対応する機種の前記電気機器が稼働を停止したものと推定する
ことを特徴とする、付記1又は2記載の電力管理装置。
(付記4)
前記推定手段が、前記固有波形と前記差分波形との波形差に対応する差電流の平方和が第一閾値未満であるときに、前記類似度が高いものと判断する
ことを特徴とする、付記3記載の電力管理装置。
(付記5)
前記抽出手段が、前記差分波形の抽出に係る一対の前記給電波形同士の類似度が高い場合に、前記給電波形の何れか一方を破棄する
ことを特徴とする、付記1〜4の何れか1項に記載の電力管理装置。
(付記6)
前記抽出手段が、前記給電波形同士の波形差に対応する差電流の平方和が第二閾値未満であるときに、前記給電波形同士の前記類似度が高いものと判断する
ことを特徴とする、付記5記載の電力管理装置。
(付記7)
前記抽出手段が、時間的に前後する前記給電波形同士の類似度に基づき、ランダム変動を含む前記給電波形を前記差分波形の抽出対象から除外する
ことを特徴とする、付記1〜6の何れか1項に記載の電力管理装置。
(付記8)
前記抽出手段が、任意の前記給電波形について、
直前の前記給電波形との波形差に対応する差電流の平方和を第一平方和として演算し、かつ、
直後の前記給電波形との波形差に対応する差電流の平方和を第二平方和として演算するとともに、
前記第一平方和と前記第二平方和との差が第三閾値を超えたときに、前記ランダム変動を含むものと判断する
ことを特徴とする、付記7記載の電力管理装置。
(付記9)
前記管理手段が、複数の稼働態様を有する前記電気機器について、前記稼働態様毎に異なる前記固有波形を記憶し、
前記推定手段が、前記電気機器の機種に加えて前記稼働態様を推定する
ことを特徴とする、付記1〜8の何れか1項に記載の電力管理装置。
(付記10)
前記管理手段が、少なくとも半波長以下の区間であって他の前記電気機器の前記稼働電流と区別される所定の特徴区間を有する前記固有波形を記憶し、
前記推定手段が、前記固有波形の前記特徴区間と前記差分波形のこれに対応する区間とを照合する
ことを特徴とする、付記1〜9の何れか1項に記載の電力管理装置。
(付記11)
電気機器の電源回路に由来する稼働電流の波形を固有波形として記憶し、
前記電気機器への供給電流の波形を給電波形として取得し、
前記給電波形の周期間の差分波形を抽出し、
前記固有波形と前記差分波形との照合により、前記稼働状態が変化した前記電気機器の機種を推定する
ことを特徴とする電力管理方法。
(付記12)
前記稼働電流の一周期分の前記固有波形を記憶し、
前記供給電流の複数周期分の前記給電波形を取得するとともに、
前記複数周期分の前記給電波形から少なくとも一周期分の前記差分波形を抽出する
ことを特徴とする、付記11記載の電力管理方法。
(付記13)
前記固有波形と前記差分波形との類似度が高い場合に前記固有波形に対応する機種の前記電気機器が稼働したものと推定し、
前記固有波形を時間軸に対して反転させた反転固有波形と前記差分波形との類似度が高い場合に前記固有波形に対応する機種の前記電気機器が稼働を停止したものと推定する
ことを特徴とする、付記11又は12記載の電力管理方法。
(付記14)
前記固有波形と前記差分波形との波形差に対応する差電流の平方和が第一閾値未満であるときに、前記類似度が高いものと判断する
ことを特徴とする、付記13記載の電力管理方法。
(付記15)
前記差分波形の抽出に係る一対の前記給電波形同士の類似度が高い場合に、前記給電波形の何れか一方を破棄する
ことを特徴とする、付記11〜14の何れか1項に記載の電力管理方法。
(付記16)
前記給電波形同士の波形差に対応する差電流の平方和が第二閾値未満であるときに、前記給電波形同士の前記類似度が高いものと判断する
ことを特徴とする、付記15記載の電力管理方法。
(付記17)
時間的に前後する前記給電波形同士の類似度に基づき、ランダム変動を含む前記給電波形を前記差分波形の抽出対象から除外する
ことを特徴とする、付記11〜16の何れか1項に記載の電力管理方法。
(付記18)
任意の前記給電波形について、
直前の前記給電波形との波形差に対応する差電流の平方和を第一平方和として演算し、かつ、
直後の前記給電波形との波形差に対応する差電流の平方和を第二平方和として演算するとともに、
前記第一平方和と前記第二平方和との差が第三閾値を超えたときに、前記ランダム変動を含むものと判断する
ことを特徴とする、付記17記載の電力管理方法。
(付記19)
複数の稼働態様を有する前記電気機器について、前記稼働態様毎に異なる前記固有波形を記憶し、
前記電気機器の機種に加えて前記稼働態様を推定する
ことを特徴とする、付記11〜18の何れか1項に記載の電力管理方法。
(付記20)
少なくとも半波長以下の区間であって他の前記電気機器の前記稼働電流と区別される所定の特徴区間を有する前記固有波形を記憶し、
前記固有波形の前記特徴区間と前記差分波形のこれに対応する区間とを照合する
ことを特徴とする、付記11〜19の何れか1項に記載の電力管理方法。
1 電流計測部
2 電流波形データ取得部(取得手段)
3 記録部
3a 記憶装置
4 差分抽出部(抽出手段)
5 機種別電流データ管理部(管理手段)
6 機種推定部(推定手段)
7 稼働機器計数部
8 出力部
8a 表示装置
10 電力管理装置
11 給電線
14 電気機器

Claims (9)

  1. 電気機器の電源回路に由来する稼働電流の波形を固有波形として記憶する管理手段と、
    前記電気機器への供給電流の波形を給電波形として取得する取得手段と、
    前記給電波形の周期間の差分波形を抽出する抽出手段と、
    前記固有波形と前記差分波形との照合により、稼働状態が変化した前記電気機器の機種を推定する推定手段とを備え、
    前記推定手段が、
    前記固有波形と前記差分波形との類似度が高い場合に前記固有波形に対応する機種の前記電気機器が稼働したものと推定し、
    前記固有波形を時間軸に対して反転させた反転固有波形と前記差分波形との類似度が高い場合に前記固有波形に対応する機種の前記電気機器が稼働を停止したものと推定する
    ことを特徴とする、電力管理装置。
  2. 前記管理手段が、前記稼働電流の一周期分の前記固有波形を記憶し、
    前記取得手段が、前記供給電流の複数周期分の前記給電波形を取得するとともに、
    前記抽出手段が、前記複数周期分の前記給電波形から少なくとも一周期分の前記差分波形を抽出する
    ことを特徴とする、請求項1記載の電力管理装置。
  3. 前記推定手段が、前記固有波形と前記差分波形との波形差に対応する差電流の平方和が第一閾値未満であるときに、前記類似度が高いものと判断する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の電力管理装置。
  4. 前記抽出手段が、前記差分波形の抽出に係る一対の前記給電波形同士の類似度が高い場合に、前記給電波形の何れか一方を破棄する
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の電力管理装置。
  5. 前記抽出手段が、前記給電波形同士の波形差に対応する差電流の平方和が第二閾値未満であるときに、前記給電波形同士の前記類似度が高いものと判断する
    ことを特徴とする、請求項記載の電力管理装置。
  6. 前記抽出手段が、時間的に前後する前記給電波形同士の類似度に基づき、ランダム変動を含む前記給電波形を前記差分波形の抽出対象から除外する
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の電力管理装置。
  7. 前記抽出手段が、任意の前記給電波形について、
    直前の前記給電波形との波形差に対応する差電流の平方和を第一平方和として演算し、かつ、
    直後の前記給電波形との波形差に対応する差電流の平方和を第二平方和として演算するとともに、
    前記第一平方和と前記第二平方和との差が第三閾値を超えたときに、前記ランダム変動を含むものと判断する
    ことを特徴とする、請求項記載の電力管理装置。
  8. 前記管理手段が、複数の稼働態様を有する前記電気機器について、前記稼働態様毎に異なる前記固有波形を記憶し、
    前記推定手段が、前記電気機器の機種に加えて前記稼働態様を推定する
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の電力管理装置。
  9. 前記管理手段が、少なくとも半波長以下の区間であって他の前記電気機器の前記稼働電流と区別される所定の特徴区間を有する前記固有波形を記憶し、
    前記推定手段が、前記固有波形の前記特徴区間と前記差分波形のこれに対応する区間とを照合する
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の電力管理装置。
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