以下、本実施の形態を、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の通信システムを示す図である。第1の実施の形態の通信システムは、ネットワーク2,3を有する。また、ネットワーク2は、さらに同一のサブネットアドレスが設定されているサブネットであるネットワーク20a,20bを有する。ネットワーク20a,20bは、他の通信経路と比較して両者間の経路長が長くてもよい。また、ネットワーク20a,20bは、両者間がEoIP等のトンネリングによる仮想パスで接続されていてもよい。
サーバ1は、他の装置の通信の設定を行うDHCPサーバ等であり、情報処理装置23に対するデフォルトルータの設定等を行う。
サーバ1は、識別情報を含む設定情報要求を受信すると、中継装置22aにより転送された情報処理装置23からの設定情報要求に応じて情報処理装置23の設定を示す設定情報を情報処理装置23に対して送信する。設定情報は、例えば、情報処理装置23のデフォルトルータに設定される通信装置24a等のIPアドレスであってもよい。このとき、サーバ1は、設定情報要求に含まれている識別情報および識別情報と対応付けられているネットワーク20aに対応する設定を示す設定情報に基づいて、識別情報に対応する設定情報を選択する。そして、サーバ1は、選択した設定情報を含む設定情報応答を送信する。設定情報応答は、例えば、DHCPの設定を含むDHCP OFFERメッセージであってもよい。また、設定情報応答は、無線通信のハンドオーバ(hand over)時、DHCP Renewing時およびDHCP Rebinding時のDHCP ACKメッセージであってもよい。
ネットワーク20aは、中継装置22a、情報処理装置23、通信装置24aを有する。ネットワーク20bは、通信装置24b、中継装置22bを有する。ネットワーク3は、情報処理装置33を有するとともに、図示しない中継装置、通信装置を有するものとする。
情報処理装置23は、実際のコンピュータ(computer)(以下、物理マシン)であってもよく、物理マシン上で動作する仮想マシン(Virtual Machine:VM)でもよい。情報処理装置23は、サーバ1から送信された設定情報応答を受信すると、設定情報応答に含まれている設定情報により、デフォルトルータ等の、情報処理装置23が属するネットワーク20aに適した通信の設定を行うことができる。
情報処理装置23は、サーバ1に従って通信の設定を行う場合、中継装置22aを介して自装置のIPアドレスやデフォルトルータの割り当て等を要求する設定情報要求をサーバ1に対して送信する。設定情報要求は、例えば、DHCP DISCOVERメッセージであってもよい。また、設定情報要求は、DHCP Renewing時およびDHCP Rebinding時ならびに無線通信のハンドオーバ時のDHCP REQUESTメッセージであってもよい。
中継装置22aは、情報処理装置23から送信された設定情報要求を受信すると、受信した設定情報要求に同一のサブネットアドレスを有するネットワーク20a,20bのうち情報処理装置23が属するネットワーク20aを示す識別情報を含める。識別情報は、例えば、情報処理装置23が属するネットワークを一意に特定可能に設定された符号を用いることができる。また、識別情報は、中継装置22aを通信システム内で一意に特定可能に割り当てられた符号としてもよい。そして中継装置22aは、識別情報を含めた設定情報要求をサーバ1に対して送信する。中継装置22aは、転送の際、設定情報要求に既に他の装置により識別情報が含まれている場合には、自装置において識別情報を含めなくてもよい。中継装置22aは、L2スイッチ、L3スイッチ、ルータ、仮想パスを設定可能なエッジ装置等のパケットを中継する装置であってもよい。通信装置24a,24bは、L3スイッチ、ルータ、エッジ装置等のネットワーク同士を接続する装置であってもよい。
ここで、情報処理装置23が、ネットワーク2と異なるネットワークアドレスを有するネットワーク3に配置されている情報処理装置33に対してデフォルトルータを介してデータを送信するものとする。このとき情報処理装置23は、ユーザデータのパケットを送信する場合、ネットワーク20aの通信装置24aをデフォルトルータとして送信することができる。また、情報処理装置23は、ネットワーク20bの通信装置24bをデフォルトルータとして送信することができる。この場合、情報処理装置23は、通信装置24a,24bのいずれをデフォルトルータとして情報処理装置33にパケットを送信するかが問題となる。このように、いかにして情報処理装置23が属するネットワークに適した通信の設定を行うかが問題となる場合がある。
ここで、例えば、ネットワーク20a,20bの間の距離が他の通信路の経路長と比較して遠いものとする。この場合、ネットワーク20aの情報処理装置23がネットワーク20bに配置されている通信装置24bを介して情報処理装置33にパケットを送信するときには、遅延の発生や通信システムが有する機器の負荷が増加する可能性がある。一方、情報処理装置23がネットワーク20aに配置されている通信装置24aを介して情報処理装置33にパケットを送信するときには、上記の問題は抑制される。このように、情報処理装置23が通信装置24a,24bのうちのいずれを介して通信を行うかにより遅延の発生の有無や通信システムの負荷が変化する場合がある。また、ネットワーク20a,20bの間が、暗号化、復号化、ラベルの変換等の処理を要する可能性がある仮想パスで接続されている場合にも同様である。
これに対して、第1の実施の形態では、情報処理装置23と同一であるネットワーク20aに配置されている中継装置22aが、情報処理装置23からサーバ1に送信される設定情報要求に対して自装置が属するネットワーク20aを特定可能な識別情報を含めて転送する。これにより、サーバ1は、情報処理装置23からの設定情報要求を受信すると、設定情報要求に含まれている識別情報から情報処理装置23が属しているネットワーク20aを特定できる。
これに従って、サーバ1は、識別情報に基づいて情報処理装置23が属しているネットワーク20aに適した設定を示す設定情報を、設定情報応答に含めて情報処理装置23に対して送信することができる。
例えば、「ネットワーク20a内の装置について、ネットワーク20aに配置されている通信装置24aがデフォルトルータに適している」ものとする。この場合、通信システムの管理者は、サーバ1が有する設定情報において「ネットワーク20aに配置されている中継装置22aの識別情報」と、「デフォルトルータを通信装置24aに設定する」旨とを対応付ける。この場合、サーバ1は、中継装置22aから送信された設定情報要求に含まれている中継装置22aの識別情報に基づいて、情報処理装置23に対して、配置されているネットワーク20aに適したデフォルトルータである通信装置24aを設定することができる。
情報処理装置23は、サーバ1から送信された設定情報応答を受信すると、設定情報応答に含まれている設定情報により、情報処理装置23が属するネットワーク20aに適した通信の設定を行うことができる。情報処理装置23は、ネットワーク20aに属する場合に、サーバ1が中継装置22aの識別情報に基づいて選択した設定により、デフォルトルータを通信装置24aに設定することが可能になる。
以上のような第1の実施の形態の通信システムは、情報処理装置23からの設定情報要求を受信した中継装置22aが、設定情報要求を中継する際に情報処理装置23が属するネットワーク20aを示す識別情報を含めてサーバ1に対して転送する。識別情報を含む設定情報要求を受信したサーバ1が、識別情報に基づき情報処理装置23が属するネットワーク20aに応じた通信の設定を示す設定情報を含む設定情報応答を情報処理装置23に対して送信する。サーバ1から送信された設定情報応答を受信した情報処理装置23は、設定情報応答に含まれている設定情報に基づいて通信の設定を行う。このため、情報処理装置23の位置に適した通信の設定を行うことができる。従って、通信システムの遅延の発生や負荷を抑制できる。
なお、第1の実施の形態の通信システムは、クラウド(cloud)サービスを提供するデータセンタ、モバイルWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)システム等の無線アクセスキャリア網として実装することが可能である。以下に説明する第2〜第3、第7の実施の形態では、OTVを用いたデータセンタの例を挙げる。第4〜第6の実施の形態では、WiMAXを想定した無線通信システムの例を挙げる。第8の実施の形態では、複数のネットワークを有するデータセンタの例を挙げる。ただし、第1の実施の形態の通信システムは、例えば、レイヤ2VPN(Virtual Private Network)、広域イーサネット(Ethernet:登録商標)等の他の方式のネットワークとして実現することも可能である。また、第1の実施の形態の通信システムは、例えば、LTE(Long Term Evolution)網等の他の種類の移動通信システムや固定無線通信システムとして実現することも可能である。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の通信システムを示す図である。第2の実施の形態の通信システムは、クラウドコンピューティングのサービスのデータを記憶するとともに処理を実行する複数のデータセンタであるデータセンタ(Data Center:DC)71,72,73が設けられている。
クラウドコンピューティングは、仮想化されたコンピューティングリソース、ネットワークリソースを複数のユーザでシェアすることで、多重効果により安価かつ効率的に運用する技術である。
データセンタ71,72,73は、顧客であるユーザA,Bにクラウドサービスを提供する。データセンタ71,72,73は、それぞれVMを物理マシン上で動作させることで、顧客にVMのホスティングサービスを提供している。データセンタ71は、スイッチ200a,200b、情報処理装置300a,300b、エッジ装置400aを有する。データセンタ72は、スイッチ200c,200d、情報処理装置300c,300d、エッジ装置400cを有する。データセンタ73は、スイッチ200e,200f、情報処理装置300e,300f、エッジ装置400eを有する。また、データセンタ72には、DHCPサーバ100が設けられている。エッジ装置400a,400c,400eは、インターネット60上に設定されたOTVのトンネル61a,61b,62a,62b,63a,63bによって互いに接続され、データをカプセル化して送受信することができる。なお、トンネル61a,61b,62a,62b,63a,63bは、カスタマエッジ等のエッジ装置400a,400c,400eによりインターネット60上に設定されているが、これに限らず、広域IP網上に設定してもよい。
第2の実施の形態の通信システムでは、2つのユーザ(ユーザA、ユーザB)がデータセンタ71,72,73内に、それぞれのユーザに対してサービスを提供する拠点を有する。ユーザAは、データセンタ71に拠点80aを有し、データセンタ72に拠点80cを有し、データセンタ73に拠点80eを有する。ユーザBは、同様に、データセンタ71に拠点80bを有し、データセンタ72に拠点80dを有し、データセンタ73に拠点80fを有する。
拠点80aは、各ノードをVLAN(Virtual LAN)90a(VLAN ID=100)で接続した仮想ネットワークである。情報処理装置300aでは、ユーザAが契約した仮想マシンのサーバであるVM331aが動作しているものとする。拠点80aには、サブネットアドレスとして10.255.100.0/24が設定されているものとする。VM331aには、IPアドレス10.255.100.10が設定されているものとする。拠点80bは、各ノードをVLAN90b(VLAN ID=200)で接続した仮想ネットワークである。拠点80a,80b内では、各ノードがイーサケーブルやスイッチ等を介した物理回線で接続されているとともに、VLAN90a,90bにより、ユーザ毎に仮想的に分離されている。情報処理装置300bでは、ユーザBがクラウドコンピューティングによるサービスの提供を受けるために契約した仮想マシンのサーバであるVM331bが動作しているものとする。拠点80bには、サブネットアドレスとして192.168.2.0/24が設定されているものとする。VM331bには、IPアドレス192.168.2.40が設定されているものとする。また、データセンタ71は、ゲートウェイであるエッジ装置400aを介してインターネット60に接続可能である。エッジ装置400aは、拠点80aのVLAN90aと拠点80bのVLAN90bとを分離かつ所定のルールに従ったレイヤ3レベルの接続性を提供する。
拠点80c,80eは、拠点80aと同様、各ノードをそれぞれVLAN90c,90e(VLAN ID=100)で接続した仮想ネットワークである。拠点80d,80fは、拠点80bと同様、各ノードをそれぞれVLAN90d,90f(VLAN ID=200)で接続した仮想ネットワークである。拠点80c,80d内では、各ノードが物理回線で接続されているとともに、VLAN90c,90dにより、ユーザ毎に仮想的に分離されている。拠点80e,80f内では、各ノードが物理回線で接続されているとともに、VLAN90e,90fにより、ユーザ毎に仮想的に分離されている。情報処理装置300c,300eでは、それぞれユーザAが契約した仮想マシンのサーバであるVM331c,331eが動作しているものとする。情報処理装置300d,300fでは、それぞれユーザBが契約した仮想マシンのサーバであるVM331d,331fが動作しているものとする。拠点80c,80eには、サブネットアドレスとして10.255.100.0/24が設定されているものとする。拠点80d,80fには、サブネットアドレスとして192.168.2.0/24が設定されているものとする。VM331c,331eには、IPアドレス10.255.100.20、10.255.100.30が設定されているものとする。VM331d,331fには、IPアドレス192.168.2.50、192.168.2.60が設定されているものとする。データセンタ72は、エッジ装置400cを介してインターネット60に接続可能である。エッジ装置400cは、拠点80cのVLAN90cと拠点80dのVLAN90dとを分離かつ所定のルールに従ったレイヤ3レベルの接続性を提供する。データセンタ73は、エッジ装置400eを介してインターネット60に接続可能である。エッジ装置400eは、拠点80eのVLAN90eと拠点80fのVLAN90fとを分離かつ互いに接続する。
また、VLAN90a〜90fは、それぞれスイッチ200a〜200fを有する。なお、スイッチ200a〜200fは、仮想的なスイッチとしてもよい。すなわち、スイッチ200aおよびスイッチ200bは、物理的に一体であって、論理的にVLAN90a,90bを分離してもよい。スイッチ200c〜200fおよびVLAN90c〜90fについても同様である。
ユーザAの拠点80a,80c,80eがそれぞれ有するVLAN90a,90c,90eは、エッジ装置400a,400c,400eによりトンネル61a,62a,63aで互いに接続されている。これにより、拠点80a,80c,80eは、トンネル61a,62a,63aを介してレイヤ2で接続され、1つのLANセグメントを構成することでOTVが実現されている。同様に、ユーザBの拠点80b,80d,80fがそれぞれ有するVLAN90b,90d,90fは、エッジ装置400a,400c,400eによりトンネル61b,62b,63bで互いに接続されている。これにより、拠点80b,80d,80fは、トンネル61b,62b,63bを介してレイヤ2で接続され、1つのLANセグメントを構成することでOTVが実現されている。また、ユーザAの拠点80a,80c,80eおよびユーザBの拠点80b,80d,80fは、エキストラネット(Extranet)として互いに接続可能であるものとする。
また、第2の実施の形態の通信システムでは、情報処理装置300a〜300fやVM331a〜331f等のホストに対するDHCPによる設定の処理を実行するDHCPサーバ100が、拠点80cに配置されている。DHCPサーバ100は、IPアドレス192.168.2.5が設定されているものとする。
情報処理装置300a〜300fは、VM331a〜331fが動作する物理マシンである。VM331a〜331fは、データセンタ71,72,73を用いたクラウドサービスのユーザA、ユーザBに提供される処理を行うバーチャルマシンである。VM331a〜331fは、情報処理装置300a〜300f上で動作する。VM331a〜331fは、ライブマイグレーション(Live Migration:LM)により動作する情報処理装置上を、アプリケーションの動作を停止させることなくわずかな中断時間で移動することができる。
なお、第2の実施の形態の通信システムでは、拠点80a〜80fの間をEoIPトンネルであるトンネル61a〜63a,61b〜63bで接続するが、これに限らず、レイヤ2VPN、広域イーサネット等の他の方式のネットワークで接続してもよい。
また、第2の実施の形態の通信システムは、DNS(Domain Name System)サーバ、NTP(Network Time Protocol)サーバ、PROXYサーバ等の通信装置を有してもよい。また、通信システムでは、DHCPサーバ100に基づき、情報処理装置300a〜300fおよびVM331a〜331fについて、DHCPによる上記通信装置の設定を行ってもよい。
図3は、第2の実施の形態のDHCPサーバおよび情報処理装置を示す図である。以下ではDHCPサーバについて説明するが、情報処理装置も同様である。DHCPサーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
RAM102は、DHCPサーバ100の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
バス108に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、および通信インタフェース107がある。
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、DHCPサーバ100の二次記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
グラフィック処理装置104には、モニタ111が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ111の画面に表示させる。モニタ111としては、LCD(Liquid Crystal Display)を用いた液晶表示装置等がある。
入力インタフェース105には、キーボード112とマウス113とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード112やマウス113から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス113は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク114に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク114は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク114には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
通信インタフェース107は、拠点80cに接続されている。通信インタフェース107は、拠点80cを介して、VM331a〜331f等の他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。なお、図3にはDHCPサーバ100のハードウェア構成を示したが、情報処理装置300a〜300fも同様のハードウェア構成である。
図4は、第2の実施の形態のスイッチおよびエッジ装置を示す図である。以下ではスイッチについて説明するが、エッジ装置も同様である。図4は、スイッチ200aの内部構成を示したものであるが、スイッチ200b〜200fも同様の構成で実現できる。スイッチ200aは、CPU201、インタフェースカード202a,202b,202c,202d、スイッチカード203、記憶部204、ポート監視部205、バス206を有している。
CPU201は、スイッチ200a全体を制御している。CPU201は、プログラムによる処理を実行する。CPU201は、記憶部204に保持されたデータを用いて、同じくメモリに保持されたプログラムを実行する。
記憶部204は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリで構成されており、複数のテーブルや通信の制御に使用するデータを記憶している。記憶部204に記憶されるテーブルには、リンクの構成を管理するテーブル、パケットの転送先を決定するためのテーブル、パケットの転送先を示す情報を格納するテーブルが含まれる。また、記憶部204は、VM331a〜331f等のホストの位置を示す識別情報を記憶する。スイッチ200aは、VM331a〜331f等のホストからのDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを受信した場合に、受信したDHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報を含めて転送する。
バス206には、CPU201、インタフェースカード202a,202b,202c,202d、スイッチカード203、記憶部204、ポート監視部205が接続されている。
インタフェースカード202a,202b,202c,202dは、それぞれ複数個(例えば、8個)の通信ポートを有している。それぞれの通信ポートには、1つの物理リンクを接続できる。インタフェースカード202a,202b,202c,202dは、それぞれの通信ポートを監視してパケットを取得する。そして、インタフェースカード202a,202b,202c,202dは、取得したパケットをスイッチカード203に送る。
スイッチカード203は、図示しない学習テーブルを有している。スイッチカード203は、学習テーブルに、過去に受信したパケットの送信元アドレスと、そのパケットが到来した通信ポートとを対応付けて記憶している。学習テーブルは、スイッチカード203によって随時更新される。
そして、スイッチカード203は、インタフェースカード202a,202b,202c,202dのいずれかからパケットを受け取ると、学習テーブルを参照して、そのパケットの転送先を決定する。その後、スイッチカード203は、パケットを決定したインタフェースカード202a,202b,202c,202dに送る。
パケットを受け取ったインタフェースカード202a,202b,202c,202dは、受け取ったパケットを、決定された通信ポートから送信先に送出する。
ポート監視部205は、インタフェースカード202a,202b,202c,202dの通信ポートを監視する。そして、ポート監視部205は、インタフェースカード202a,202b,202c,202dの通信ポートに接続された物理リンクの故障や復旧を検出すると、CPU201にその旨を通知する。
なお、第2の実施の形態のスイッチ200a〜200fは、レイヤ2のパケットを中継するが、これに限らず、レイヤ3のパケットを中継してもよい。また、ホストとDHCPサーバとが、ネットワークアドレスが異なるネットワークに配置されている場合にホストからDHCPサーバに対してDHCP DISCOVERメッセージが送信され、スイッチ200aによりDHCPリレーが行われたものとする。このとき、スイッチ200aは、DHCP DISCOVERメッセージを中継するときに、ホストから送信されたDHCP DISCOVERメッセージに識別情報を含めてDHCPサーバに対して転送してもよい。
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。
図5は、第2の実施の形態の識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージおよびDHCP REQUESTメッセージを示す図である。図5(A)に、第2の実施の形態の識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージを示す。図5(B)に、第2の実施の形態の識別情報を含むDHCP REQUESTメッセージを示す。
図5(A)に示すDHCP DISCOVERメッセージにおいて“siaddr”は、DHCPサーバ100のIPアドレスを示す4Byteの領域である。また、“yiaddr”は、ホストであるVM331aに割り当てる候補のIPアドレスを示す4Byteの領域である。また、“chaddr”は、VM331aのMACアドレスを示す6Byteの領域である。また、図5(B)に示すDHCP REQUESTメッセージにおける“yiaddr”の領域は、VM331aに割り当てられており、有効期限の管理の対象であるIPアドレスを示す。
第2の実施の形態の通信システムでは、スイッチ(例えば、スイッチ200a)がホスト(例えば、VM331a)から送信されたDHCP DISCOVERメッセージを中継する際、DHCP DISCOVERメッセージに識別情報を含めて転送する。このような識別情報は、通常のDHCPのDISCOVERメッセージや後述するREQUESTメッセージには含まれておらず、本発明の特徴の1つとなっている。
具体的には、スイッチ200aは、図5(A)に示すように、VM331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージのオプションフィールド(option field)に、識別情報としてSiteID(例えば、SiteID=3)を設定する。また、DHCPオプションの私的利用が可能なオプション番号(例えば、DHCPオプション番号230)に識別情報を設定することで、VM331aの位置をDHCPサーバ100に通知してもよい。ここで、SiteIDとは、拠点80a〜80fを識別するための識別子である。このような識別子が通知されることにより、DHCPサーバ100はVM331aの位置を特定することができる。なお、ここでSiteIDは、VM331aの位置を特定できる識別子であれば何でもよく、例えばデータセンタ71〜73を識別するための識別子であってもよい。
また、第2の実施の形態の通信システムでは、VM331aのライブマイグレーション後において、図14および図15に後述するように、DHCPの設定の有効期限の管理に基づき、VM331aからDHCP REQUESTメッセージが送信されたものとする。この場合、スイッチ200aがVM331aから送信されたDHCP REQUESTメッセージを中継するとき、DHCP REQUESTメッセージに識別情報を含めて転送する。具体的には、スイッチ200aは、図5(B)に示すように、VM331aから送信されたDHCP REQUESTメッセージのオプションフィールドに、識別情報としてSiteID(例えば、SiteID=3)を設定する。また、DHCPオプションの私的利用が可能なオプション番号に識別情報を設定することで、VM331aの位置をDHCPサーバ100に通知してもよい。
第2の実施の形態の通信システムでは、識別情報は、ホストが位置する拠点を一意に特定可能に設定されている。これにより、DHCPサーバ100は受信したメッセージに含まれている識別情報を参照することで、DHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを送信したホストがどの拠点に配置されているかを把握することができる。従って、DHCPサーバ100は、識別情報に基づき、ホストに対して拠点に応じた最適なデフォルトルータ等を設定することができる。
図6は、第2の実施の形態の設定テーブルを示す図である。図6に示す設定テーブル151aは、DHCPサーバ100が有する設定情報記憶部151に記憶されている。設定テーブル151aは、VM331a等のホストに対するDHCPの設定を示す設定情報を記憶するテーブルである。設定情報は、通信システム内における各サブネットと、そのサブネットに属するホストに対して設定されるべき設定内容とに基づき、通信システムの管理者等により、予め設定される。また、DHCPサーバ100は、ホストからの要求(DHCP DISCOVERメッセージ、DHCP REQUESTメッセージ)に応じてホストに対して設定情報を含む応答(DHCP OFFERメッセージ、DHCP ACKメッセージ)を送信する。通信システム内の各ホストは、DHCPサーバ100から送信されたDHCP OFFERメッセージまたはDHCP ACKメッセージが含む設定情報に基づいて通信の設定を行う。
設定テーブル151aには、項目として“サブネット”、“識別情報”、“デフォルトルータ”、“DNSサーバ”、“DNSドメイン名”、“NTPサーバ”、“PROXYサーバ”が設けられている。設定テーブル151aにおいて、各項目の横方向に並べられた情報同士が設定情報として互いに関連付けられている。
サブネットは、設定情報が適用されるネットワークのサブネットアドレスを示す。
識別情報は、設定情報が示す設定が適用されるホストの位置に対応する識別情報を示す。すなわち、設定情報は、識別情報によって示された位置に存在するホストに適した設定を示す。ここでは、識別情報によって示された位置は、スイッチ200a〜200fが属する拠点80a〜80fに基づいて設定されている。このような識別情報は、通常のDHCPサーバはの管理しておらず、本発明の特徴の1つとなっている。
デフォルトルータは、設定情報によりホストにデフォルトルータとして設定されるルータ(またはエッジ装置、ゲートウェイ等のルータとして機能する通信装置)のIPアドレスを示す。
DNSサーバは、設定情報によりホストにDNSサーバとして設定されるサーバのIPアドレスを示す。
DNSドメイン名は、設定情報によりホストが属するサブネットのDNSドメイン名を示す。
NTPサーバは、設定情報によりホストにNTPサーバとして設定されるサーバのIPアドレスを示す。
PROXYサーバは、設定情報によりホストにPROXYサーバとして設定されるサーバのIPアドレスを示す。
設定テーブル151aは、通信システムの拠点毎に適した設定の内容が異なる場合、拠点毎に識別情報が設定されるとともに、識別情報毎に異なる設定情報が設定される。例えば、同じサブネットアドレスのネットワークであっても、ホストの位置に基づいて適切なデフォルトルータが異なる場合、識別情報毎に異なるデフォルトルータのIPアドレスが設定される。
DHCP DISCOVERメッセージに識別情報が含まれていない場合には、DHCPサーバ100は、識別情報がdefaultである設定情報をDHCP OFFERメッセージに含めて応答する。DHCP DISCOVERメッセージに設定テーブル151aに設定されていない識別情報が含まれていた場合にも同様に、DHCPサーバ100は、識別情報がdefaultである設定情報をDHCP OFFERメッセージに含めて応答する。ライブマイグレーション時に送信されるDHCP REQUESTメッセージに識別情報が含まれていない場合には、DHCPサーバ100は、識別情報がdefaultである設定情報をDHCP ACKメッセージに含めて応答する。ライブマイグレーション時のDHCP REQUESTメッセージに設定テーブル151aに設定されていない識別情報が含まれていた場合にも同様に、DHCPサーバ100は、識別情報がdefaultである設定情報をDHCP ACKメッセージに含めて応答する。
図7は、第2の実施の形態の通信システムを示すブロック図である。ここで、第2の実施の形態ではホストがVMである場合において動作を開始するときおよびライブマイグレーション等による移動が生じるときについて説明するが、ホストが物理マシンである場合において、物理マシンが動作を開始するときも同様である。
第2の実施の形態の通信システムは、DHCPサーバ100、スイッチ200a、情報処理装置300a,300b、エッジ装置400a,400cを有する。ここで、上記のようにスイッチ200a、情報処理装置300aはデータセンタ71内の拠点80aに属する。また、エッジ装置400aは、拠点80aと直接接続されている。また、エッジ装置400cは、情報処理装置300aと異なるデータセンタ72に配置されているとともにエッジ装置400aとトンネル61a,61bで接続されている。情報処理装置300aが属する拠点80aは、各ノードが物理回線で接続されているとともに、拠点80c,80eとの間をそれぞれトンネル61a,63aで接続可能である。また、拠点80aは、エッジ装置400aを介して拠点80bと接続可能である。また、情報処理装置300bは、データセンタ71内の拠点80bに属する。
DHCPサーバ100は、VM331aに対して設定情報をDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含めて送信することでVM331a等の他の装置の通信の設定を行う。DHCPサーバ100は、設定情報設定部121、通信部122、設定情報記憶部151を有する。DHCPサーバ100は、サーバとして機能する。
識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを通信部122が受信したものとする。ここで、DHCP REQUESTメッセージは、DHCP Renewing時およびDHCP Rebinding時のDHCP REQUESTメッセージであるものとする。この場合、設定情報設定部121は、識別情報に対応する設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM331aに対して通信部122に送信させる。また、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれている識別情報が、設定情報の識別情報のいずれとも一致しないものとする。この場合、設定情報設定部121は、DHCPサーバ100が属するネットワークに対応する設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM331aに対して通信部122に送信させる。DHCP DISCOVERメッセージ等は、設定情報要求として機能する。設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等は、設定情報応答として機能する。
設定情報記憶部151は、識別情報と対応付けられているネットワークに対応する設定を示す設定情報を記憶する。設定情報は、各拠点80a〜80fに応じたDHCPの設定を示す。設定情報は、ネットワークに対応するデフォルトルータに設定される通信装置を示す情報を含む。通信部122は、通信回線で他の装置と通信する。
スイッチ200aは、識別情報設定部221、通信部222、識別情報記憶部251を有する。通信部222は、通信回線で他の装置と通信する。スイッチ200aは、中継装置として機能する。
VM331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等を通信部222が受信したものとする。この場合、識別情報設定部221は、通信部222によって受信されたDHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報を含める。そして識別情報設定部221は、識別情報を含めたDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ100に対して通信部222に送信させる。識別情報設定部221は、転送の際、DHCP DISCOVERメッセージおよびDHCP REQUESTメッセージに既に他の装置により識別情報が含まれている場合には、自装置において識別情報を含めなくてもよい。他の装置により既に含まれている識別情報に自装置の識別情報を上書きすれば、VM331aの位置が不明になってしまうからである。また、自装置とVM331aとの間に識別情報を含める他の装置が存在しており、VM331aと直接接続していない場合に識別情報を追加して含めても、自装置の識別情報はVM331aの位置を示すことができず、不要だからである。
識別情報記憶部251は、同一のサブネットアドレスを有する拠点80a,80c,80eのうちのVM331aが属する拠点80aを示す識別情報を記憶する。識別情報は、スイッチ200a〜200fをそれぞれ一意に特定可能な情報としてもよい。
VM331aは、物理マシンである情報処理装置300a上で動作する仮想マシンである。VM331aは、設定制御部331a1、通信部331a2を有する。VM331aは、情報処理装置として機能する。
設定制御部331a1は、DHCPサーバ100から送信されたDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含まれている設定情報を取得すると、取得した設定情報に基づいて通信の設定を行う。通信部331a2は、設定制御部331a1による通信の設定に基づいて通信回線により通信を行う。
VM331aは、DHCPサーバ100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、VM331aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、デフォルトルータ等の、VM331aが属する拠点80aに適したDHCPの設定を行う。
VM331aは、DHCPサーバ100に従って通信の設定を行う場合、スイッチ200aを介してDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ100に対して送信する。
ここで、スイッチ200aが、VM331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等を受信したものとする。この場合、スイッチ200aは、受信したDHCP DISCOVERメッセージ等に同一のサブネットアドレスを有する拠点80a,80c,80eのうちVM331aが属する拠点80aを示す識別情報を含める。識別情報は、VM331aと他のスイッチを介さずに直接接続されたスイッチ200aを一意に特定可能な情報等、VM331aが属するネットワークを一意に特定可能に設定された符号を用いる。そしてスイッチ200aは、識別情報を含めたDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ100に対して送信する。
DHCPサーバ100は、スイッチ200aによって識別情報が含められたDHCP DISCOVERメッセージ等を受信したものとする。この場合、DHCPサーバ100は、スイッチ200aにより転送されたVM331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等に応じてVM331aの設定を示す設定情報を参照する。そして、DHCPサーバ100は、参照した設定情報に基づいて、識別情報に対応する拠点80aに対応する設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM331aに対して送信する。設定情報は、例えば、VM331a等の通信システム内のホストのデフォルトルータに設定される装置(例えば、エッジ装置400a)のIPアドレスであってもよい。また、設定情報は、通信システム内のホストのDNSサーバ、NTPサーバ、PROXYサーバのIPアドレス、DNSドメイン名であってもよい。このとき、DHCPサーバ100は、スイッチ200aからのメッセージに含まれている識別情報および識別情報と対応付けられている拠点80aに対応する設定を示す設定情報に基づいて、識別情報に対応する設定情報を選択する。そして、DHCPサーバ100は、選択した設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を送信する。設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等は、例えば、DHCPの設定を含むDHCP OFFERメッセージ、DHCP Renewing時およびDHCP Rebinding時のDHCP ACKメッセージであってもよい。
ここで、あるVM(以下、送信元VM)が、他の拠点に配置されている情報処理装置上で動作するVM(以下、送信先VM)に対して、デフォルトルータを介してユーザのパケットを送信するものとする。このとき送信元VMは、複数のエッジ装置のうち、送信元VMの拠点と直接接続されているエッジ装置およびトンネルを介して接続されるエッジ装置のいずれか一方をデフォルトルータとしてパケットを送信可能であるものとする。この場合、送信元VMは、複数のエッジ装置のうちのいずれのエッジ装置をデフォルトルータとして送信先VMにパケットを送信するかが問題となる。このように、いかにして送信元VMが属するネットワークに適した通信の設定を行うかが問題となる場合がある。
送信元VMがトンネルを介して接続されたエッジ装置を介して送信先VMにパケットを送信する場合、暗号化、復号化、ラベルの変換等の処理を要することになる。これにより、遅延の発生や通信システムが有する機器の負荷が増加する可能性がある。一方、送信元VMの拠点とトンネルを介さずに接続されているエッジ装置を介して送信先VMにパケットを送信する場合、上記の問題は抑制される。このように、送信元VMがいずれのエッジ装置をデフォルトルータとして通信を行うかにより、遅延の発生の有無や通信システムの負荷が変化する場合がある。
これに対して、第2の実施の形態では、VM331aと同一である拠点80aに配置されているスイッチ200aが、VM331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等に対して拠点80aを特定可能な識別情報を含めて転送する。これにより、DHCPサーバ100は、VM331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等を受信すると、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれている識別情報からVM331aが属している拠点80aを特定できる。
これに従って、DHCPサーバ100は、識別情報に基づいてVM331aが属している拠点80aに適した設定を示す設定情報をDHCP OFFERメッセージ等に含めてVM331aに対して送信することができる。
また、VM331aは、DHCPサーバ100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、VM331aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、VM331aが属する拠点80aに適した通信の設定を行うことができる。
また、詳しくは後述するように拠点80aに配置されている情報処理装置300aで動作しているVM331aが、ライブマイグレーションにより拠点80eに配置されている情報処理装置300eに移動した場合、DHCP REQUESTメッセージを送信する。この場合には、スイッチ200eは、情報処理装置300e上のVM331aからのDHCP REQUESTメッセージに拠点80eを特定する識別情報を含めて転送する。DHCPサーバ100は、スイッチ200eにより中継されたDHCP REQUESTメッセージの応答として、拠点80eに適した設定情報を含むDHCP ACKメッセージを情報処理装置300e上のVM331aに送信する。これにより、ライブマイグレーション後に情報処理装置300eに移動したVM331aは、拠点80eに対応した設定情報を取得でき、拠点80eに適したDHCPの設定を行うことができる。
図8は、第2の実施の形態の設定情報送信処理を示すフローチャートである。設定情報送信処理は、VM331a等のホストから送信され、スイッチ200a等の中継装置で識別情報が含められたDHCP DISCOVERメッセージまたは識別情報が含められたDHCP REQUESTメッセージを受信した場合に実行される。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]設定情報設定部121は、受信したDHCP DISCOVERメッセージから識別情報を抽出し、設定情報記憶部151に記憶されている設定情報の識別情報と比較する。
[ステップS12]設定情報設定部121は、ステップS11における比較の結果、受信したDHCP DISCOVERメッセージから抽出した識別情報と一致する識別情報を有する設定情報があるか否かを判定する。抽出した識別情報と一致する識別情報を有する設定情報があれば(ステップS12 YES)、処理をステップS13に進める。一方、抽出した識別情報と一致する識別情報を有する設定情報がないか、または受信したDHCP DISCOVERメッセージに識別情報が含まれていなければ(ステップS12 NO)、処理をステップS14に進める。
[ステップS13]設定情報設定部121は、ステップS11における比較の結果、抽出した識別情報と一致した識別情報を有する設定情報を、設定情報記憶部151から取得する。
[ステップS14]設定情報設定部121は、所定の設定情報(例えば、図6における識別情報がdefaultの設定情報)を、設定情報記憶部151から取得する。
[ステップS15]設定情報設定部121は、ステップS13またはステップS14で取得した設定情報を含むDHCP OFFERメッセージを生成する。
[ステップS16]通信部122は、ステップS15において生成されたDHCP OFFERメッセージを、DHCP DISCOVERメッセージの送信元のホストに対して送信する。
図9から図12は、第2の実施の形態の通信システムにおけるVMの起動時の動作を示すシーケンス図である。ここでは、ホストであり、情報処理装置300a上で動作しているVM331aは、例えば、自己の起動時にDHCPによる設定を取得すべく、DHCP DISCOVERメッセージを送信するものとする。また、VM331aからブロードキャストで送信されたDHCP DISCOVERメッセージが、スイッチ200a、エッジ装置400a,400c、スイッチ200cを介してDHCPサーバ100に到達するものとする。また、エッジ装置400a,400c間は、インターネット60上をOTVによりレイヤ3パケットでカプセル化された状態で転送されるものとする。また、DHCPサーバ100には、通信システムの管理者等により、ホストの位置に応じたデフォルトルータ等の設定を示す設定情報が予め設定情報記憶部151に設定されているものとする。
以下に、図9から図12に従ってVM331aからDHCP DISCOVERメッセージが送信された場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS111]VM331aは、DHCP DISCOVERメッセージを、ブロードキャストで送信する。
[ステップS112]スイッチ200aは、ホストであるVM331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージにVM331aの位置を示す識別情報を含める。ここでは、識別情報は、VM331a(情報処理装置300a)と他のスイッチを介さずに最初に接続されているスイッチ200aを識別する情報であるものとする。
[ステップS113]スイッチ200aは、ステップS112において識別情報を含めたDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS114]エッジ装置400aは、ステップS113においてスイッチ200aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ(識別情報を含む)を受信すると、受信したDHCP DISCOVERメッセージについてEoIPのカプセル化を行う。
[ステップS115]エッジ装置400aは、ステップS114においてカプセル化したDHCP DISCOVERメッセージをOTVにより転送する。
[ステップS116]エッジ装置400cは、EoIPでカプセル化されるとともにOTVにより転送されたDHCP DISCOVERメッセージをデカプセル化する。
[ステップS117]エッジ装置400cは、ステップS116においてデカプセル化したDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS118]スイッチ200cは、ステップS117においてエッジ装置400cから送信されたDHCP DISCOVERメッセージを受信すると、受信したDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS121]DHCPサーバ100は、ステップS118においてスイッチ200cから送信され、受信したDHCP DISCOVERメッセージに含まれている識別情報に基づき、VM331aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ100は、DHCP DISCOVERメッセージを送信したVM331aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP OFFERメッセージを生成する。
[ステップS122]DHCPサーバ100は、DHCP DISCOVERメッセージの送信元であるVM331aに対して、ステップS121において選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP OFFERメッセージを送信する。
[ステップS123]スイッチ200cは、ステップS122においてDHCPサーバ100から送信されたDHCP OFFERメッセージを受信すると、受信したDHCP OFFERメッセージを転送する。
[ステップS124]エッジ装置400cは、ステップS123においてスイッチ200cから送信されたDHCP OFFERメッセージを受信すると、受信したDHCP OFFERメッセージについてEoIPのカプセル化を行う。
[ステップS125]エッジ装置400cは、ステップS124においてカプセル化したDHCP OFFERメッセージをOTVにより転送する。
[ステップS126]エッジ装置400aは、EoIPでカプセル化されるとともにOTVにより転送されたDHCP OFFERメッセージをデカプセル化する。
[ステップS127]エッジ装置400aは、ステップS126においてデカプセル化したDHCP OFFERメッセージを転送する。
[ステップS128]スイッチ200aは、ステップS127においてエッジ装置400aから送信されたDHCP OFFERメッセージを受信すると、受信したDHCP OFFERメッセージを転送する。
[ステップS131]VM331aは、ステップS128において送信されたDHCP OFFERメッセージを受信する。VM331aは、受信したDHCP OFFERメッセージに含まれている設定情報および割り当てを提案されたIPアドレスに基づいて自装置の設定を行う場合、DHCP REQUESTメッセージを生成する。
[ステップS132]VM331aは、ステップS131において生成したDHCP REQUESTメッセージを、ブロードキャストで送信する。
[ステップS133]スイッチ200aは、ステップS132においてVM331aから送信されたDHCP REQUESTメッセージを受信すると、受信したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS134]エッジ装置400aは、ステップS133においてスイッチ200aから送信されたDHCP REQUESTメッセージを受信すると、受信したDHCP REQUESTメッセージについてEoIPのカプセル化を行う。
[ステップS135]エッジ装置400aは、ステップS134においてカプセル化したDHCP REQUESTメッセージをOTVにより転送する。
[ステップS136]エッジ装置400cは、EoIPでカプセル化されるとともにOTVにより転送されたDHCP REQUESTメッセージをデカプセル化する。
[ステップS137]エッジ装置400cは、ステップS136においてデカプセル化したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS138]スイッチ200cは、ステップS137においてエッジ装置400cから送信されたDHCP REQUESTメッセージを受信すると、受信したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS141]DHCPサーバ100は、ステップS138においてスイッチ200cから送信されたDHCP REQUESTメッセージを受信すると、VM331aに提示したIPアドレスを割り当てるとともにDHCP ACKメッセージを生成する。
[ステップS142]DHCPサーバ100は、DHCP REQUESTメッセージの送信元であるVM331aに対して、ステップS141において提案したIPアドレスを割り当てた旨を示すDHCP ACKメッセージを送信する。
[ステップS143]スイッチ200cは、ステップS142においてDHCPサーバ100から送信されたDHCP ACKメッセージを受信すると、受信したDHCP ACKメッセージを転送する。
[ステップS144]エッジ装置400cは、ステップS143においてスイッチ200cから送信されたDHCP ACKメッセージを受信すると、受信したDHCP ACKメッセージについてEoIPのカプセル化を行う。
[ステップS145]エッジ装置400cは、ステップS144においてカプセル化したDHCP ACKメッセージをOTVにより転送する。
[ステップS146]エッジ装置400aは、EoIPでカプセル化されるとともにOTVにより転送されたDHCP ACKメッセージをデカプセル化する。
[ステップS147]エッジ装置400aは、ステップS146においてデカプセル化したDHCP ACKメッセージを転送する。
[ステップS148]スイッチ200aは、ステップS147においてエッジ装置400aから送信されたDHCP ACKメッセージを受信すると、受信したDHCP ACKメッセージを転送する。
[ステップS149]VM331aは、ステップS148においてスイッチ200aから送信されたDHCP ACKメッセージを受信すると、DHCPサーバ100から割り当てを提案されたIPアドレスを自己のIPアドレスに設定する。また、VM331aは、DHCPサーバ100から送信された設定情報に基づいて自己の通信の設定を行う。
図13は、第2の実施の形態のVMのライブマイグレーションを示す図である。図13に従って情報処理装置300a上で動作しているVM331aが情報処理装置300e上に移動するライブマイグレーションについて説明する。
VM331aは、仮想NIC(Network Interface Card)を有するものとする。VM331aの仮想NICを、例えば、vNIC−Aとする。また、vNIC−Aは、所定のMACアドレスを有するものとする。また、VM331aは、ライブマイグレーション前には、スイッチ200aの通信ポートに接続されているものとする。
VM331aは、ライブマイグレーション前およびライブマイグレーションの処理が完了するまでの間、スイッチ200aの通信ポート(例えばPort#1)を経由して他の機器と通信を行っているものとする。また、スイッチ200aの学習テーブルは、VM331a(vNIC−A)がPort#1に接続されていると学習しているものとする。
ここで、ライブマイグレーションの処理が完了し、VM331aが情報処理装置300e上で動作を再開したものとする。このとき、VM331aは、情報処理装置300eと接続されているスイッチ200eに接続される。このとき、VM331aが有するvNIC−AのMACアドレスは、ライブマイグレーションの前後で変化しない。また、ライブマイグレーション後にVM331aは、スイッチ200eにGratuitous ARP(Address Resolution Protocol)を送信する。これに基づき、スイッチ200eは、学習テーブルを更新してvNIC−Aがスイッチ200eのPort#2に接続されていることを反映させる。
図14および図15は、第2の実施の形態の通信システムにおけるVMのライブマイグレーション時の動作を示すシーケンス図である。ここでは、情報処理装置300a上で動作していたVM331aが、ライブマイグレーションにより情報処理装置300eに移動するものとする。このとき、情報処理装置300aのハイパーバイザで動作していたVM331aのOS上のデータでありVM331aとして動作に使用するデータであるOSメモリイメージが情報処理装置300aから情報処理装置300eに転送される。情報処理装置300eのハイパーバイザでは、転送されたOSメモリイメージを受信すると、受信したOSメモリイメージを用いてVM331aが動作する。この場合に、情報処理装置300e上のVM331aにおいてDHCPの設定の有効期限の管理のためにDHCPの再設定が行われるものとする。ここで、VM331aは、DHCPサーバ100に対してまたはブロードキャストでDHCP REQUESTメッセージを送信するものとする。VM331aから送信されたDHCP REQUESTメッセージは、スイッチ200e、エッジ装置400e,400c、スイッチ200cを介してDHCPサーバ100に到達するものとする。また、エッジ装置400e,400c間は、インターネット60上をOTVによりレイヤ3パケットでカプセル化された状態で転送されるものとする。
以下に、図14および図15に従ってVM331aがライブマイグレーションにより移動した後、DHCPの設定を再取得する場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS151]情報処理装置300eは、情報処理装置300aから転送されたOSメモリイメージを使用してVM331aの動作を再開する。
[ステップS152]VM331aは、Gratuitous ARP(Address Resolution Protocol)をブロードキャストで送信する。
[ステップS153]スイッチ200eは、ステップS152においてVM331aから送信されたGratuitous ARPを受信すると、VM331aを学習テーブルに登録する更新を行う。
[ステップS154]VM331aは、DHCPの設定の有効期限に関する所定の時間が経過すると、DHCP REQUESTメッセージを、DHCPサーバ100に対してまたはブロードキャストで送信する。ここで、VM331aは、DHCPの設定の有効期限の管理に関して、DHCP Renewingに基づく場合には、DHCP REQUESTメッセージをDHCPサーバ100に対して送信する。一方、VM331aは、DHCP Rebindingに基づく場合には、DHCP REQUESTメッセージをDHCPサーバ100に対してブロードキャストする。
ここで、DHCPの設定の有効期限の管理に関して、DHCP Renewingは、VM331aが、前回取得したDHCPの設定についてDHCP Renewing Timer(T1)が満了した場合にDHCPの設定を再取得することである。また、DHCP Rebindingは、VM331aが、前回取得したDHCPの設定についてDHCP Rebinding Timer(T2)が満了した場合にDHCPの設定を再取得することである。
[ステップS155]スイッチ200eは、ホストであるVM331aから送信されたDHCP REQUESTメッセージにVM331aの位置を示す識別情報を含める。ここでは、識別情報は、VM331a(情報処理装置300e)と他のスイッチを介さずに最初に接続されているスイッチ200eを識別する情報であるものとする。
[ステップS161]スイッチ200eは、ステップS155において識別情報を含めたDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS162]エッジ装置400eは、ステップS161においてスイッチ200eから送信されたDHCP REQUESTメッセージ(識別情報を含む)を受信すると、受信したDHCP REQUESTメッセージについてEoIPのカプセル化を行う。
[ステップS163]エッジ装置400eは、ステップS162においてカプセル化したDHCP REQUESTメッセージをOTVにより転送する。
[ステップS164]エッジ装置400cは、EoIPでカプセル化されるとともにOTVにより転送されたDHCP REQUESTメッセージをデカプセル化する。
[ステップS165]エッジ装置400cは、ステップS164においてデカプセル化したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS166]スイッチ200cは、ステップS165においてエッジ装置400cから送信されたDHCP REQUESTメッセージを受信すると、受信したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS167]DHCPサーバ100は、ステップS166においてスイッチ200cから送信されたDHCP REQUESTメッセージに含まれている識別情報に基づき、VM331aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ100は、DHCP REQUESTメッセージを送信したVM331aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP ACKメッセージを生成する。その後の処理は、DHCPサーバ100によって生成されたDHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージが通信システムを介して情報処理装置300e上のVM331aに送信される。DHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージを受信したVM331aは、DHCPサーバ100から継続を提案されたIPアドレスまたは割り当てを提案されたIPアドレスを自己のIPアドレスに設定する。また、VM331aは、DHCPサーバ100から送信された設定情報に基づいて自己の通信の設定を行う。
これにより、VM331aでは、ライブマイグレーション後におけるDHCPの設定の有効期限のDHCP RenewingまたはDHCP Rebindingの管理に基づきDHCP REQUESTメッセージが送信されることで、DHCPの設定が更新される。これにより、VM331aのライブマイグレーション後の位置に応じてDHCPの設定が更新される。
なお、第2の実施の形態のVM331aでは、ライブマイグレーション後においてDHCPの有効期限の管理に基づくDHCP REQUESTメッセージによりDHCPの設定の更新を行う。しかし、これに限らず、VM331aは、DHCP RELEASEメッセージをDHCPサーバ100に送信してDHCPの設定をリリース(解放)する。そして、VM331aは、再度DHCP DISCOVERメッセージをDHCPサーバ100に送信することで、VM331aの位置に応じたDHCPの設定を要求してもよい。
また、第2の実施の形態では、VM331aでライブマイグレーションが行われた場合における移動先の位置に適したDHCPの設定の動作について説明している。しかし、これに限らず、第2の実施の形態の通信システムは、クイックマイグレーションやフェールオーバ等のその他のVM331aの動作する情報処理装置の移動についても適用可能である。
また、第2の実施の形態では、VM331aとDHCPサーバ100とが別の拠点に属しているが、これに限らず、同一の拠点に属してもよい。また、DHCPサーバ100は、各拠点とは異なるネットワークに属してもよい。
以上のような第2の実施の形態の通信システムは、VM331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等を受信したスイッチ200a,200eが、中継する際にVM331aが属するネットワークを示す識別情報を含めて転送する。これにより、DHCPサーバ100が、VM331aが属するネットワークを判断できる。
また、識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージ等を受信したDHCPサーバ100が、識別情報に基づきVM331aが属するネットワークに応じた通信の設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM331aに対して送信する。DHCPサーバ100から送信されたDHCP OFFERメッセージ等を受信したVM331aは、設定情報に基づいて通信の設定を行う。このため、VM331a(あるいはVMが稼動している情報処理装置300a)の位置に応じて、デフォルトルータの設定を行うことができる。従って、上述した通信の折り返しの発生に伴うような通信資源の浪費や通信遅延を抑制できる。
また、拠点80a〜80fは、内部の各ノードがLANで接続されている。また、拠点80a〜80fは、他のデータセンタの拠点とはトンネル61a〜63a,61b〜63bによりOTVで接続可能である。設定情報は、拠点80a〜80fのそれぞれに適したDHCPの設定を示すので、VM331aが起動時に、または移動により拠点80a〜80fのいずれに属しても適したDHCPの設定を行うことができる。
また、VM331aの起動時およびライブマイグレーション等による動作する仮想マシンの移動の際に、VM331aの位置に応じた設定を行うことができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第3の実施の形態の通信システムは、エッジ装置がホストであるVMから送信されたDHCP DISCOVERメッセージに識別情報を含ませる点で、第2の実施の形態と異なる。
図16は、第3の実施の形態の通信システムを示すブロック図である。ここで、第3の実施の形態ではホストがVMである場合において動作を開始するときおよびライブマイグレーション等による移動が生じるときについて説明するが、ホストが物理マシンである場合において、物理マシンが動作を開始するときも同様である。
第3の実施の形態の通信システムは、DHCPサーバ1100、情報処理装置1300a,1300b、エッジ装置1400a,1400cを有する。ここで、情報処理装置1300aは、第2の実施の形態の情報処理装置300aと同様、データセンタ71内の拠点80aに属するものとする。また、エッジ装置1400aは、第2の実施の形態のエッジ装置400aと同様、拠点80aと直接接続されているものとする。また、エッジ装置1400cは、第2の実施の形態のエッジ装置400cと同様、情報処理装置1300aと異なるデータセンタ72に配置されているとともにエッジ装置1400aとトンネル61a,61bで接続されているものとする。拠点80aは、エッジ装置1400aを介して拠点80bと接続可能である。また、情報処理装置1300bは、第2の実施の形態の情報処理装置300bと同様、データセンタ71内の拠点80bに属するものとする。
DHCPサーバ1100は、VM1331aに対して設定情報をDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含めて送信することでVM1331a等の他の装置の通信の設定を行う。DHCPサーバ1100は、設定情報設定部1121、通信部1122、設定情報記憶部1151を有する。DHCPサーバ1100は、サーバとして機能する。
設定情報記憶部1151は、識別情報と対応付けられているネットワークに対応する設定を示す設定情報を記憶する。設定情報は、各拠点80a〜80fに応じたDHCPの設定を示す。設定情報は、ネットワークに対応するデフォルトルータに設定される通信装置を示す情報を含む。通信部1122は、通信回線で他の装置と通信する。
識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを通信部1122が受信したものとする。ここで、DHCP REQUESTメッセージは、DHCP Renewing時およびDHCP Rebinding時のDHCP REQUESTメッセージであるものとする。この場合、設定情報設定部1121は、識別情報に対応する設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM1331aに対して通信部1122に送信させる。また、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれている識別情報が、設定情報の識別情報のいずれとも一致しないものとする。この場合、設定情報設定部1121は、DHCPサーバ1100が属するネットワークに対応する設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM1331aに対して通信部1122に送信させる。DHCP DISCOVERメッセージ等は、設定情報要求として機能する。設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等は、設定情報応答として機能する。
設定情報設定部1121は、受信したDHCP DISCOVERメッセージ等に、識別情報が含まれていない場合、DHCPサーバ1100が属する拠点に対応する設定を示す設定情報を選択する。設定情報設定部1121は、選択した設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM1331aに対して送信する。DHCP DISCOVERメッセージに識別情報が含まれていない場合、VM1331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等がいずれのエッジ装置をも介さずにDHCPサーバ1100に到達したことになる。このため、設定情報設定部1121は、VM1331aとDHCPサーバ1100との間にエッジ装置が存在しないと判定できる。従って、DHCPサーバ1100からVM1331aに対してDHCPサーバ1100が属するネットワークに適した設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を送信することで、DHCPサーバ1100と同一の拠点に属しているVM1331aに適したDHCPの設定を行うことができる。
エッジ装置1400aは、識別情報設定部1421、通信部1422、識別情報記憶部1451を有する。通信部1422は、通信回線で他の装置と通信する。また、通信部1422は、インターネット60上に、エッジ装置1400c等の他のエッジ装置と仮想的に接続するトンネル(例えば、トンネル61a,61b)を設定する機能を有する。エッジ装置1400aは、中継装置として機能する。
VM1331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等を通信部1422が受信したものとする。この場合、識別情報設定部1421は、通信部1422によって受信されたDHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報を含める。そして識別情報設定部1421は、識別情報を含めたDHCP DISCOVERメッセージ等を同一ネットワーク内または異なるネットワーク間でDHCPサーバ1100に対して通信部1422に送信させる。
識別情報記憶部1451は、同一のサブネットアドレスを有する拠点80a,80c,80eのうちのVM1331aが属する拠点80aを示す識別情報を記憶する。識別情報は、エッジ装置1400a,1400cおよび通信システム内のその他のエッジ装置をそれぞれ一意に特定可能な情報としてもよい。
また、第3の実施の形態の通信システムでは、エッジ装置1400cや、図示しないエッジ装置、ルータ、L3スイッチを含むすべてのネットワーク同士を接続する装置が、エッジ装置1400aと同様、DHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報を含めて転送してもよい。
VM1331aは、物理マシンである情報処理装置1300a上で動作する仮想マシンである。VM1331aは、設定制御部1331a1、通信部1331a2を有する。VM1331aは、情報処理装置として機能する。
設定制御部1331a1は、DHCPサーバ1100から送信されたDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含まれている設定情報を取得すると、取得した設定情報に基づいて通信の設定を行う。通信部1331a2は、設定制御部1331a1による通信の設定に基づいて通信回線により通信を行う。
VM1331aは、DHCPサーバ1100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、VM1331aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、デフォルトルータ等の、VM1331aが属する拠点80aに適したDHCPの設定を行う。
VM1331aは、DHCPサーバ1100に従って通信の設定を行う場合、エッジ装置1400aを介してDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ1100に対して送信する。
ここで、エッジ装置1400aが、VM1331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等を受信したものとする。この場合、エッジ装置1400aは、受信したDHCP DISCOVERメッセージ等に同一のサブネットアドレスを有する拠点80a,80c,80eのうちVM1331aが属する拠点80aを示す識別情報を含める。識別情報は、VM1331aと他のエッジ装置を介さずに直接接続されたエッジ装置1400aを一意に特定可能な情報等、VM1331aが属するネットワークを一意に特定可能に設定された符号を用いる。そしてエッジ装置1400aは、識別情報を含めたDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ1100に対して送信する。
DHCPサーバ1100は、エッジ装置1400aによって識別情報が含められたDHCP DISCOVERメッセージ等を受信したものとする。この場合、DHCPサーバ1100は、エッジ装置1400aにより転送されたVM1331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等に応じてVM1331aの設定を示す設定情報を参照する。そして、DHCPサーバ1100は、参照した設定情報に基づいて、識別情報に対応する拠点80aに対応する設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM1331aに対して送信する。設定情報は、例えば、VM1331a等の通信システム内のホストのデフォルトルータに設定される装置(例えば、エッジ装置1400a)のIPアドレスであってもよい。また、設定情報は、通信システム内のホストのDNSサーバ、NTPサーバ、PROXYサーバのIPアドレス、DNSドメイン名であってもよい。このとき、DHCPサーバ1100は、エッジ装置1400aからのメッセージに含まれている識別情報および識別情報と対応付けられている拠点80aに対応する設定を示す設定情報に基づいて、識別情報に対応する設定情報を選択する。そして、DHCPサーバ1100は、選択した設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を送信する。設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等は、例えば、DHCPの設定を含むDHCP OFFERメッセージ、DHCP Renewing時およびDHCP Rebinding時のDHCP ACKメッセージであってもよい。
第3の実施の形態では、VM1331aと同一である拠点80aに配置されているエッジ装置1400aが、VM1331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等に対して拠点80aを特定可能な識別情報を含めて転送する。これにより、DHCPサーバ1100は、VM1331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等を受信すると、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれている識別情報からVM1331aが属している拠点80aを特定できる。
これに従って、DHCPサーバ1100は、識別情報に基づいてVM1331aが属している拠点80aに適した設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含めてVM1331aに対して送信することができる。
また、VM1331aは、DHCPサーバ1100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、VM1331aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、VM1331aが属する拠点80aに適した通信の設定を行うことができる。
また、詳しくは後述するように拠点80aに配置されている情報処理装置1300aで動作しているVM1331aが、ライブマイグレーションにより拠点80eに配置されている情報処理装置1300eに移動した場合、DHCP REQUESTメッセージを送信する。この場合には、エッジ装置1400eは、情報処理装置1300e上のVM1331aからのDHCP REQUESTメッセージに拠点80eを特定する識別情報を含めて転送する。DHCPサーバ1100は、エッジ装置1400eにより中継されたDHCP REQUESTメッセージの応答として、拠点80eに適した設定情報を含むDHCP ACKメッセージを情報処理装置1300e上のVM1331aに送信する。これにより、ライブマイグレーション後に情報処理装置1300eに移動したVM1331aは、拠点80eに対応した設定情報を取得でき、拠点80eに適したDHCPの設定を行うことができる。
図17は、第3の実施の形態のエッジ装置を示す図である。図17は、エッジ装置1400aの内部構成を示したものであるが、エッジ装置1400c等の第3の実施の形態が有する他のエッジ装置も同様の構成で実現できる。エッジ装置1400aは、レイヤ3のパケットを中継する。エッジ装置1400aは、CPU1401、インタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402d、スイッチカード1403、記憶部1404、ポート監視部1405、バス1406を有している。
CPU1401は、エッジ装置1400a全体を制御している。
記憶部1404は、不揮発性メモリで構成されており、複数のテーブルや通信の制御に使用するデータを記憶している。また、記憶部1404は、VM1331a等のホストの位置を示す識別情報を記憶する。エッジ装置1400aは、VM1331a等のホストからのDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを受信した場合に、受信したDHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報を含めて転送する。
バス1406には、CPU1401、インタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402d、スイッチカード1403、記憶部1404、ポート監視部1405が接続されている。
インタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402dは、それぞれ複数個(例えば、8個)の通信ポートを有している。インタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402dは、それぞれの通信ポートを監視してパケットを取得する。そして、インタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402dは、取得したパケットをスイッチカード1403に送る。
スイッチカード1403は、図示しない学習テーブルを有している。スイッチカード1403は、学習テーブルに、過去に受信したパケットの送信元アドレスと、そのパケットが到来した通信ポートとを対応付けて記憶している。この学習テーブルは、スイッチカード1403によって随時更新される。
そして、スイッチカード1403は、インタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402dのいずれかからパケットを受け取ると、学習テーブルを参照して、そのパケットの転送先を決定する。その後、スイッチカード1403は、パケットを決定したインタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402dに送る。
パケットを受け取ったインタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402dは、受け取ったパケットを、決定された通信ポートから送信先に送出する。
ポート監視部1405は、インタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402dの通信ポートを監視する。そして、ポート監視部1405は、インタフェースカード1402a,1402b,1402c,1402dの通信ポートに接続された物理リンクの故障や復旧を検出すると、CPU1401にその旨を通知する。
また、ホストであるVM1331aは、ユーザAのあるデータセンタのサブネットに配置されているものとする。また、DHCPサーバ1100は、VM1331aと物理的に離れたデータセンタにおいてユーザBのサブネット等のネットワークアドレスが異なるネットワークに配置されているものとする。この場合に、VM1331aからDHCPサーバ1100に対してDHCP DISCOVERメッセージが送信され、エッジ装置1400aにより、ユーザAのサブネットからユーザBのサブネットにDHCPリレーが行われたものとする。このとき、エッジ装置400aは、DHCP DISCOVERメッセージを中継するときに、ホストから送信されたDHCP DISCOVERメッセージに識別情報を含めてDHCPサーバに対して転送する。
図18は、第3の実施の形態の通信システムにおけるVMの起動時の動作を示すシーケンス図である。ここでは、ホストであり、情報処理装置1300a上で動作しているVM1331aは、例えば、自己の起動時にDHCPによる設定を再取得すべく、DHCP DISCOVERメッセージを送信するものとする。また、VM1331aからブロードキャストで送信されたDHCP DISCOVERメッセージが、スイッチ1200a、エッジ装置1400a,1400c、スイッチ1200cを介してDHCPサーバ1100に到達するものとする。また、エッジ装置1400a,1400c間は、インターネット60上をOTVによりレイヤ3パケットでカプセル化された状態で転送されるものとする。また、DHCPサーバ1100には、通信システムの管理者等により、ホストの位置に応じたデフォルトルータ等の設定を示す設定情報が予め設定情報記憶部1151に設定されているものとする。
以下に、図18に従ってVM1331aからDHCP DISCOVERメッセージが送信された場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS211]VM1331aは、DHCP DISCOVERメッセージを、ブロードキャストで送信する。
[ステップS212]スイッチ1200aは、ステップS211においてVM1331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS213]エッジ装置1400aは、スイッチ1200aにより転送された、VM1331aからのDHCP DISCOVERメッセージにVM1331aの位置を示す識別情報を含める。ここでは、識別情報は、ホストであるVM1331a(情報処理装置1300a)と他のエッジ装置を介さずに最初に接続されているエッジ装置1400aを識別する情報であるものとする。
[ステップS214]エッジ装置1400aは、ステップS213において識別情報を含めたDHCP DISCOVERメッセージについてEoIPのカプセル化を行う。
[ステップS215]エッジ装置1400aは、ステップS214においてカプセル化したDHCP DISCOVERメッセージ(識別情報を含む)をOTVにより転送する。
[ステップS216]エッジ装置1400cは、EoIPでカプセル化されるとともにOTVにより転送されたDHCP DISCOVERメッセージをデカプセル化する。
[ステップS217]エッジ装置1400cは、ステップS216においてデカプセル化したDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS218]スイッチ1200cは、ステップS217においてエッジ装置1400cから送信されたDHCP DISCOVERメッセージを受信すると、受信したDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS219]DHCPサーバ1100は、ステップS218においてスイッチ1200cから送信されたDHCP DISCOVERメッセージに含まれている識別情報に基づき、VM1331aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ1100は、DHCP DISCOVERメッセージを送信したVM1331aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ1100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP OFFERメッセージを生成する。その後の処理は、第2の実施の形態の通信システムと同様であり、説明を省略する。
図19および図20は、第3の実施の形態の通信システムにおけるVMのライブマイグレーション時の動作を示すシーケンス図である。ここでは、情報処理装置1300a上で動作していたVM1331aが、ライブマイグレーションにより情報処理装置1300eに移動するものとする。また、さらに情報処理装置1300e上のVM1331aにおいてDHCPの設定の有効期限の管理のためにDHCPの再設定が行われるものとする。このときVM1331aは、DHCPサーバ1100に対してまたはブロードキャストでDHCP REQUESTメッセージを送信するものとする。VM1331aから送信されたDHCP REQUESTメッセージは、スイッチ1200e、エッジ装置1400e,1400c、スイッチ1200cを介してDHCPサーバ1100に到達するものとする。また、エッジ装置1400e,1400c間は、インターネット60上をOTVによりレイヤ3パケットでカプセル化された状態で転送されるものとする。
以下に、図19および図20に従ってVM1331aがライブマイグレーションにより移動した後、DHCPの設定を再取得する場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS221]情報処理装置1300eは、情報処理装置1300aから転送されたOSメモリイメージを使用してVM1331aの動作を再開する。
[ステップS222]VM1331aは、Gratuitous ARPをブロードキャストで送信する。
[ステップS223]スイッチ1200eは、ステップS222においてVM1331aから送信されたGratuitous ARPを受信すると、VM1331aを学習テーブルに登録する更新を行う。
[ステップS224]VM1331aは、DHCPの設定の有効期限に関する所定の時間が経過すると、DHCP REQUESTメッセージを、DHCPサーバ1100に対してまたはブロードキャストで送信する。ここで、VM1331aは、DHCPの設定の有効期限の管理に関して、DHCP Renewingに基づく場合には、DHCP REQUESTメッセージをDHCPサーバ1100に対して送信する。一方、VM1331aは、DHCP Rebindingに基づく場合には、DHCP REQUESTメッセージをDHCPサーバ1100に対してブロードキャストする。
[ステップS225]スイッチ1200eは、ステップS224においてVM1331aから送信されたDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS226]エッジ装置1400eは、スイッチ1200eにより転送された、VM1331aからのDHCP REQUESTメッセージにVM1331aの位置を示す識別情報を含める。
[ステップS231]エッジ装置1400eは、ステップS226において識別情報を含めたDHCP REQUESTメッセージについてEoIPのカプセル化を行う。
[ステップS232]エッジ装置1400eは、ステップS231においてカプセル化したDHCP REQUESTメッセージ(識別情報を含む)をOTVにより転送する。
[ステップS233]エッジ装置1400cは、EoIPでカプセル化されるとともにOTVにより転送されたDHCP REQUESTメッセージをデカプセル化する。
[ステップS234]エッジ装置1400cは、ステップS233においてデカプセル化したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS235]スイッチ1200cは、ステップS234においてエッジ装置1400cから送信されたDHCP REQUESTメッセージを受信すると、受信したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS236]DHCPサーバ1100は、ステップS235においてスイッチ1200cから送信されたDHCP REQUESTメッセージに含まれている識別情報に基づき、VM1331aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ1100は、DHCP REQUESTメッセージを送信したVM1331aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ1100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP ACKメッセージを生成する。その後の処理は、DHCPサーバ1100によって生成されたDHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージが通信システムを介して情報処理装置1300e上で動作するVM1331aに送信される。DHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージを受信したVM1331aは、DHCPサーバ1100から継続を提案されたIPアドレスまたは割り当てを提案されたIPアドレスを自己のIPアドレスに設定する。また、VM1331aは、DHCPサーバ1100から送信された設定情報に基づいて自己の通信の設定を行う。
これにより、VM1331aでは、ライブマイグレーション後におけるDHCPの設定の有効期限のDHCP RenewingまたはDHCP Rebindingの管理に基づきDHCP REQUESTメッセージが送信されることで、DHCPの設定が更新される。これにより、VM1331aのライブマイグレーション後の位置に応じてDHCPの設定が更新される。
なお、第3の実施の形態のVM1331aでは、ライブマイグレーション後においてDHCPの有効期限の管理に基づくDHCP REQUESTメッセージによりDHCPの設定の更新を行う。しかし、これに限らず、VM1331aは、DHCP RELEASEメッセージをDHCPサーバ1100に送信してDHCPの設定をリリース(解放)する。そして、VM1331aは、再度DHCP DISCOVERメッセージをDHCPサーバ1100に送信することで、VM1331aの位置に応じたDHCPの設定を要求してもよい。
また、第3の実施の形態では、VM1331aでライブマイグレーションが行われた場合における移動先の位置に適したDHCPの設定の動作について説明している。しかし、これに限らず、第3の実施の形態の通信システムは、クイックマイグレーションやフェールオーバ等のその他のVM1331aの動作する情報処理装置の移動についても適用可能である。
また、第3の実施の形態では、VM1331aとDHCPサーバ1100とが別の拠点に属しているが、これに限らず、同一の拠点に属してもよい。また、DHCPサーバ1100は、各拠点とは異なるネットワークに属してもよい。
以上のような第3の実施の形態の通信システムは、第2の実施の形態と同様の効果に加えて、以下の効果を有する。DHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報が含まれていない場合、DHCPサーバ1100は、DHCPサーバ1100が属する拠点に対応する設定を示す設定情報を選択する。DHCPサーバ1100は、選択した設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM1331aに対して送信する。DHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報が含まれていない場合、VM1331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等がエッジ装置を介さずにDHCPサーバ1100に到達したことになる。このため、DHCPサーバ1100において、VM1331aとDHCPサーバ1100との間にエッジ装置が存在しないと判定できる。従って、DHCPサーバ1100がVM1331aに対してDHCPサーバ1100が属するネットワークに適した設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を送信することで、DHCPサーバ1100と同一の拠点に属しているVM1331aに適したDHCPの設定を行うことができる。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第4の実施の形態の通信システムは、無線通信システムであり、移動局(MS:Mobile Station)が無線アクセスキャリア網からプロバイダ網に接続する際、いずれのゲートウェイで接続するかの決定に識別情報を用いる点で、第2の実施の形態と異なる。
図21は、第4の実施の形態の通信システムを示すブロック図である。第4の実施の形態の通信システムはモバイルWiMAXによる無線通信システムである。
第4の実施の形態の通信システムは、DHCPサーバ2100、移動局2300a、基地局制御装置(ASN−GW:Access Service Network−Gateway)2400a,2400cを有する。ここで、詳しくは図22において後述するように、移動局2300aは、基地局制御装置2400aによって制御される基地局(BS:Base Station)と無線通信により接続されているとともに、基地局制御装置2400aを介してプロバイダ網2001やインターネット等の他のネットワークと接続可能である。また、移動局2300aは、基地局制御装置2400aをデフォルトルータとして通信を行うことができる。また、基地局制御装置2400aと基地局制御装置2400cとは、互いに離れた地点に配置されているとともに大容量ネットワークで接続されている。また、移動局2300aは、基地局制御装置2400aと基地局制御装置2400cを接続する大容量ネットワークを使用することで基地局制御装置2400cを介して他のネットワークと接続可能である。また、移動局2300aは、基地局制御装置2400cをデフォルトルータとして通信を行うことができる。
DHCPサーバ2100は、移動局2300aに対して設定情報をDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含めて送信することで移動局2300a等の他の装置の通信の設定を行う。DHCPサーバ2100は、設定情報設定部2121、通信部2122、設定情報記憶部2151を有する。DHCPサーバ2100は、プロバイダ網2001に配置されていてもよい。DHCPサーバ2100は、サーバとして機能する。
設定情報記憶部2151は、識別情報と対応付けられているネットワークに対応する設定を示す設定情報を記憶する。設定情報は、移動局2300aが基地局制御装置2400a,2400cのそれぞれを使用して通信を行う場合に応じた、移動局2300aのDHCPの設定を示す。設定情報は、ネットワークに対応するデフォルトルータに設定される基地局制御装置2400a,2400cを示す情報を含む。通信部2122は、通信回線で他の装置と通信する。
識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを通信部2122が受信したものとする。ここで、DHCP REQUESTメッセージは、ハンドオーバ時のDHCP REQUESTメッセージであるものとする。この場合、設定情報設定部2121は、識別情報に対応する設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を移動局2300aに対して通信部2122に送信させる。また、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれている識別情報が、設定情報の識別情報のいずれとも一致しないものとする。この場合、設定情報設定部2121は、所定の設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を移動局2300aに対して通信部2122に送信させる。DHCP DISCOVERメッセージ等は、設定情報要求として機能する。設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等は、設定情報応答として機能する。
基地局制御装置2400aは、識別情報設定部2421、通信部2422、識別情報記憶部2451を有する。通信部2422は、通信回線で他の装置と通信する。また、基地局制御装置2400cや図示しない他の基地局制御装置は、移動局2300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報を含めて転送してもよい。基地局制御装置2400aは、基地局とともに後述するモバイルWiMAXによる無線アクセスキャリア網に配置されていてもよい。無線アクセスキャリア網は、基地局制御装置2400a,2400cおよびゲートウェイを介して、プロバイダ網2001と接続されていてもよい。基地局制御装置2400aは、中継装置として機能する。
移動局2300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等を、基地局を介して通信部2422が受信したものとする。この場合、識別情報設定部2421は、通信部2422によって受信されたDHCP DISCOVERメッセージ等を、無線アクセスキャリア網からプロバイダ網2001に中継する際に識別情報を含める。そして識別情報設定部2421は、識別情報を含めたDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ2100に対して通信部2422に送信させる。
識別情報記憶部2451は、移動局2300aが通信に使用する基地局制御装置2400a,2400cをそれぞれ一意に特定可能な識別情報を記憶する。識別情報は、基地局制御装置2400a,2400cおよびその他のネットワークと接続する装置をそれぞれ一意に特定可能な情報としてもよい。
移動局2300aは、無線通信機能を有する端末装置である。移動局2300aは、設定制御部2321、通信部2322を有する。移動局2300aは、情報処理装置として機能する。
設定制御部2321は、DHCPサーバ2100に従って通信の設定を行う場合、基地局制御装置2400aを介してDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ2100に対して通信部2322に送信させる。
また、設定制御部2321は、DHCPサーバ2100から送信されたDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含まれている設定情報を取得すると、取得した設定情報に基づいて通信の設定を行う。通信部2322は、設定制御部2321による通信の設定に基づいて通信回線により通信を行う。
ここで、移動局2300aが、DHCPサーバ2100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、移動局2300aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、デフォルトルータ等の、移動局2300aの位置に適したDHCPの設定を行う。ここで、移動局2300aの位置は、移動局2300aの通信を、プロバイダ網2001等の他のネットワークと接続する基地局制御装置2400aに基づいて設定してもよい。具体的には、移動局2300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージが、他の基地局制御装置を介さずに、基地局制御装置2400aを介してプロバイダ網2001のDHCPサーバ2100に到達したものとする。この場合、移動局2300aの位置を、基地局制御装置2400aに基づいて特定することができる。移動局2300aに対してプロバイダ網2001と接続するデフォルトルータを設定する場合、移動局2300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージをプロバイダ網2001に送信した基地局制御装置2400aに設定すると合理的である。また、他のDHCPの設定についても同様に、DHCP DISCOVERメッセージを直接送信した基地局制御装置2400aに基づいて移動局2300aに適した設定を選択することができる。従って、基地局制御装置2400aは、移動局2300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等に基地局制御装置2400aを特定可能な識別情報を含めて転送する。DHCPサーバ2100は、転送した基地局制御装置2400aを特定する識別情報に応じた設定を示す設定情報をDHCP OFFERメッセージ等に含めて移動局2300aに送信することにより、移動局2300aに適したDHCPの設定を行うことができる。
また、詳しくは後述するように基地局制御装置2400aと接続していた移動局2300aが移動し、ハンドオーバにより基地局制御装置2400cと接続した場合、DHCP REQUESTメッセージを送信する。この場合には、基地局制御装置2400cは、移動局2300aからのDHCP REQUESTメッセージに基地局制御装置2400cを特定する識別情報を含めて転送する。DHCPサーバ2100は、基地局制御装置2400cにより中継されたDHCP REQUESTメッセージの応答として、通信に基地局制御装置2400cを使用している移動局2300aに適した設定情報を含むDHCP ACKメッセージを移動局2300aに送信する。これにより、ハンドオーバ後に基地局制御装置2400cと接続するように移動した移動局2300aは、移動後の位置に対応した設定情報を取得でき、移動後の位置に適したDHCPの設定を行うことができる。
なお、第4の実施の形態の通信システムは、モバイルWiMAXによる無線アクセスキャリア網を含むが、これに限らず、LTE網等の他の方式の無線通信システムを含むものであってもよい。
図22は、第4の実施の形態の通信システムを示す図である。図22は、移動局2300a,2300cが無線アクセスキャリア網2002を用いた無線通信によりプロバイダ網2001と接続して、他の移動局等の情報処理装置と通信を行うネットワークを示す。
プロバイダ網2001は、インターネット60や他のキャリアのネットワークと接続されており、移動局2300a,2300cは、プロバイダ網2001を介して無線アクセスキャリア網2002外の通信先と接続することができる。プロバイダ網2001は、DHCPサーバ2100、ゲートウェイ2500a,2500cを有する。
DHCPサーバ2100は、無線アクセスキャリア網2002に接続する移動局2300a,2300cに対してDHCPによる設定を行う。
ゲートウェイ2500a,2500cは、プロバイダ網2001と無線アクセスキャリア網2002とを接続する。これにより、プロバイダ網2001と移動局2300a,2300cとの通信が行われる。
無線アクセスキャリア網2002は、移動局2300a,2300cとの間でモバイルWiMAXによる無線通信を行うとともに、移動局2300a,2300cと、接続しているプロバイダ網2001とを接続する。無線アクセスキャリア網2002は、基地局制御装置2400a,2400c、基地局2200a,2200b,2200cを有する。無線アクセスキャリア網2002は、例えば、無線通信サービスを提供する通信事業者のネットワークである。無線アクセスキャリア網2002には、サブネットアドレスが設定されている。
基地局制御装置2400aは、ゲートウェイ2500aを介してプロバイダ網2001と接続されている。同様に、基地局制御装置2400cは、ゲートウェイ2500cを介してプロバイダ網2001と接続されている。基地局制御装置2400a,2400cは、互いにギガビットイーサネット(GbE:Gigabit Ethernet)等の大容量ネットワークで接続されており、相互に通信が可能である。基地局制御装置2400a,2400cは、それぞれ複数の基地局を制御することが可能である。
基地局制御装置2400aは、基地局2200a,2200bと接続されている。基地局制御装置2400cは、基地局2200cと接続されている。基地局制御装置2400aは、基地局2200a,2200bを制御することにより、基地局2200a,2200bのいずれかの接続可能な範囲にある移動局(例えば、基地局2200aの接続可能な範囲にある移動局2300a)との接続を制御する。これにより、移動局2300aとプロバイダ網2001との通信が中継される。同様に、基地局制御装置2400cは、基地局2200cを制御することにより、基地局2200cの接続可能な範囲にある移動局(例えば、基地局2200cの接続可能な範囲にある移動局2300c)との接続を制御する。これにより、移動局2300cとプロバイダ網2001との通信が中継される。
また、基地局制御装置2400a,2400cは、DHCPリレーエージェントとして機能して移動局2300a,2300cから送信されたDHCP DISCOVERメッセージをDHCPサーバ2100に転送する。これにより、プロバイダ網2001のDHCP2100から無線アクセスキャリア網2002の移動局2300a,2300cの設定が可能になる。また、基地局制御装置2400a,2400cは、このときDHCP DISCOVERメッセージに識別情報を含めてDHCPサーバ2100に転送する。
基地局2200aは、基地局制御装置2400aの制御に基づき、無線通信により接続可能な範囲にある移動局2300aとの無線通信を行う。基地局2200bは、基地局制御装置2400aの制御に基づき、無線通信により接続可能な範囲にある移動局(図示省略)との無線通信を行う。基地局2200cは、基地局制御装置2400cの制御に基づき、無線通信により接続可能な範囲にある移動局2300cとの無線通信を行う。
移動局2300a,2300cは、接続可能な範囲の基地局に対して、無線信号を介して接続可能である。ここでは、移動局2300aは、所定のMACアドレス(例えば、CC:CC:CC:CC:CC:CC)が設定されており、基地局2200aと接続可能な範囲に位置するものとする。移動局2300cは、移動局2300aと異なるMACアドレス(例えば、DD:DD:DD:DD:DD:DD)が設定されており、基地局2200cと接続可能な範囲に位置するものとする。
第4の実施の形態の通信システムは、ゲートウェイおよび基地局制御装置を2個ずつ(例えば、ゲートウェイ2500a,2500cおよび基地局制御装置2400a,2400c)有するが、これに限らず、任意の個数のゲートウェイおよび基地局制御装置を有してもよい。また、基地局制御装置2400aは、2個の基地局(例えば、基地局2200a,2200b)を制御し、基地局制御装置2400cは、1個の基地局(例えば、基地局2200c)を制御する。しかし、これに限らず、基地局制御装置2400a,2400cは、任意の個数の基地局を制御することができる。
図23は、第4の実施の形態の基地局制御装置を示す図である。図23は、基地局制御装置2400aの内部構成を示したものであるが、基地局制御装置2400cも同様の構成で実現できる。基地局制御装置2400aは、通信制御部2411、通信インタフェース部2412a,2412b、中継処理部2413、DHCPリレー部2414を有する。
通信制御部2411は、基地局2200a,2200bを制御するための制御メッセージの送受信を制御する。
通信インタフェース部2412a,2412bは、ネットワークの物理リンクと接続されており、接続されているネットワークの物理リンクからパケットを受信する。また、通信インタフェース部2412a,2412bは、基地局制御装置2400aが受信し、中継処理部2413を介して中継するパケットを、送信先のネットワークの物理リンクに送信する。また、通信インタフェース部2412a,2412bは、通信制御部2411が基地局2200a,2200bと交換する制御メッセージを送受信する。なお、第4の実施の形態の基地局制御装置2400aは、通信インタフェース部2412a,2412bの2個の通信インタフェース部を有するが、これに限らず、任意の個数の通信インタフェース部を有してもよい。
中継処理部2413は、通信インタフェース部2412a,2412bのいずれかにおいて受信したパケットを中継し、通信インタフェース部2412a,2412bのうちの送信先のネットワークに接続された通信インタフェース部を介して転送する。
DHCPリレー部2414は、移動局2300aのネットワークと異なるサブネットアドレスのネットワークにDHCPサーバ2100が存在する場合に、DHCPリレー機能を実現する。すなわち、DHCPリレー部2414は、無線アクセスキャリア網2002上にブロードキャストで送信された移動局2300aからのDHCP DISCOVERメッセージを受信すると、プロバイダ網2001のDHCPサーバ2100に転送する。そして、DHCPリレー部2414は、DHCPサーバ2100からの応答であるDHCP OFFERメッセージを受信すると、無線アクセスキャリア網2002の移動局2300aに転送する。
DHCPリレー部2414は、移動局2300aからのDHCP DISCOVERメッセージを受信した場合にレイヤ3の中継を行う。これにより、DHCPリレー部2414は、受信したDHCP DISCOVERメッセージを、移動局2300aが属する送信元のネットワークとサブネットアドレスが異なりDHCPサーバ2100が属するネットワークに中継する。また、基地局制御装置2400aは、上記のようにDHCPリレー部2414による移動局2300aからのDHCP DISCOVERメッセージの中継の際に、識別情報をDHCP DISCOVERメッセージに含めてDHCPサーバ2100に転送する。
図24は、第4の実施の形態の通信システムにおける移動局の起動時の動作を示すシーケンス図である。移動局2300aは、例えば、自己の無線アクセスキャリア網2002への接続時にDHCPによる設定を取得すべく、DHCP DISCOVERメッセージを送信するものとする。ここでは、ホストである移動局2300aから無線通信によりDHCP DISCOVERメッセージが基地局2200aに送信され、基地局2200aから無線アクセスキャリア網2002にブロードキャストで送信されるものとする。また、基地局2200aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージは、基地局制御装置2400a、ゲートウェイ2500aを介してDHCPサーバ2100に到達するものとする。
また、DHCPサーバ2100には、通信システムの管理者等により、移動局2300aの位置に応じたデフォルトルータ等の設定を示す設定情報が予め設定情報記憶部2151に設定されているものとする。
以下に、図24に従って移動局2300aからDHCP DISCOVERメッセージが送信された場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS311]移動局2300aは、DHCP DISCOVERメッセージを、ブロードキャストで送信する。
[ステップS312]基地局2200aは、ステップS311において無線通信により移動局2300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージを無線アクセスキャリア網2002内に転送する。
[ステップS313]基地局制御装置2400aは、基地局2200aにより転送された、移動局2300aからのDHCP DISCOVERメッセージに移動局2300aの位置を示す識別情報を含める。ここでは、識別情報は、移動局2300aと他の基地局制御装置を介さずに最初に接続されている基地局制御装置2400aを識別する情報であるものとする。
[ステップS314]基地局制御装置2400aは、ステップS314において識別情報を含めたDHCP DISCOVERメッセージをDHCPリレーエージェントによりゲートウェイ2500aを介してプロバイダ網2001のDHCPサーバ2100に転送する。
[ステップS315]ゲートウェイ2500aは、ステップS314において基地局制御装置2400aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ(識別情報を含む)を受信すると、受信したDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS316]DHCPサーバ2100は、ステップS315においてゲートウェイ2500aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージに含まれている識別情報に基づき、移動局2300aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ2100は、DHCP DISCOVERメッセージを送信した移動局2300aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ2100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP OFFERメッセージを生成する。その後の処理は、第2の実施の形態の通信システムと同様であり、説明を省略する。
図25は、第4の実施の形態の通信システムにおける移動局のハンドオーバ時の動作を示すシーケンス図である。ここでは、基地局2200aと接続している移動局2300aが、ハンドオーバにより基地局2200cと接続する場合に、IPアドレス等のリフレッシュ(refresh)に基づきDHCPの再設定が行われるものとする。このとき移動局2300aは、無線通信でDHCP REQUESTメッセージを送信するものとする。移動局2300aから送信されたDHCP REQUESTメッセージは、基地局2200c、基地局制御装置2400c、ゲートウェイ2500cを介してDHCPサーバ2100に到達するものとする。
以下に、図25に従って移動局2300aの移動によるハンドオーバの発生時にDHCPの設定を再取得する場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS321]移動局2300aならびに基地局2200aおよび基地局2200cは、基地局2200aと接続している移動局2300aが接続先を基地局2200cに切り替えるハンドオーバ手順を実行する。また、ハンドオーバ手順により、基地局2200aから移動局2300aに対して、移動局2300aのIPアドレスをリフレッシュする指示が行われる。
[ステップS322]移動局2300aは、DHCP REQUESTメッセージを送信する。
[ステップS323]基地局2200cは、ステップS322において無線通信により移動局2300aから送信されたDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS324]基地局制御装置2400cは、基地局2200cにより転送された、移動局2300aからのDHCP REQUESTメッセージに移動局2300aの位置を示す識別情報を含める。
[ステップS325]基地局制御装置2400cは、ステップS314において識別情報を含めたDHCP REQUESTメッセージをDHCPリレーエージェントによりゲートウェイ2500cを介してプロバイダ網2001のDHCPサーバ2100に転送する。
[ステップS326]ゲートウェイ2500cは、ステップS325において基地局制御装置2400cから送信されたDHCP REQUESTメッセージ(識別情報を含む)を受信すると、受信したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS327]DHCPサーバ2100は、ステップS326においてゲートウェイ2500cから送信されたDHCP REQUESTメッセージに含まれている識別情報に基づき、移動局2300aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ2100は、DHCP REQUESTメッセージを送信した移動局2300aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ2100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP ACKメッセージを生成する。その後の処理は、DHCPサーバ2100によって生成されたDHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージが通信システムを介して基地局2200cと接続されている移動局2300aに送信される。DHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージを受信した移動局2300aは、DHCPサーバ2100から継続を提案されたIPアドレスまたは割り当てを提案されたIPアドレスを自己のIPアドレスに設定する。また、移動局2300aは、DHCPサーバ2100から送信された設定情報に基づいて自己の通信の設定を行う。
これにより、移動局2300aでは、ハンドオーバ後におけるDHCPの再設定に基づきDHCP REQUESTメッセージが送信されることで、DHCPの設定が更新される。これにより、移動局2300aのハンドオーバ後の位置に応じてDHCPの設定が更新される。
また、第4の実施の形態では、DHCPサーバ2100は、プロバイダ網2001に属しているが、これに限らず、他のネットワークに属してもよい。
以上のような第4の実施の形態の通信システムは、以下の効果を有する。無線アクセスキャリア網2002においてDHCPサーバ2100が、基地局制御装置2400aでDHCP DISCOVERメッセージ等に含めて転送される識別情報を取得する。これにより、DHCPサーバ2100が、識別情報に基づいて単一のサブネットアドレスが設定されている無線アクセスキャリア網2002内の基地局制御装置2400a,2400cのいずれと移動局2300aとが接続されているかについて判断可能になる。このため、DHCPサーバ2100が無線アクセスキャリア網2002内における移動局2300aの位置に応じて適切なDHCPの設定を行うことができる。これに従い、通信システムの遅延の発生や負荷を抑制できる。
また、移動局2300aと、基地局制御装置2400aが中継する無線アクセスキャリア網2002との接続が発生したか、または移動局2300aにおいて基地局制御装置2400cが中継するハンドオーバが発生したものとする。この場合、DHCPサーバ2100が移動局2300aに対してプロバイダ網2001と移動局2300aが新たに中継する基地局制御装置2400a(または基地局制御装置2400c)に応じたDHCPの設定を行うことができる。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態を説明する。第4の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第5の実施の形態の通信システムは、基地局による移動局の呼び出しに使用するPGID(ページンググループID:Paging Group IDentification)を識別情報に用いる点で、第4の実施の形態と異なる。
図26は、第5の実施の形態の通信システムを示すブロック図である。第5の実施の形態の通信システムは、第4の実施の形態と同様、モバイルWiMAXによる無線通信システムである。
第5の実施の形態の通信システムは、DHCPサーバ3100、移動局3300a、基地局3200a、基地局制御装置3400a,3400cを有する。ここで、詳しくは図27において後述するように、移動局3300aは、基地局制御装置3400aによって制御される基地局3200aと無線通信により接続されているとともに、基地局制御装置3400aを介してプロバイダ網3001やインターネット等の他のネットワークと接続可能である。また、移動局3300aは、基地局制御装置3400aをデフォルトルータとして通信を行うことができる。また、基地局制御装置3400aと基地局制御装置3400cとは、互いに離れた地点に配置されているとともに大容量ネットワークで接続されている。また、移動局3300aは、基地局制御装置3400aと基地局制御装置3400cを接続する大容量ネットワークを使用することで基地局制御装置3400cを介して他のネットワークと接続可能である。また、移動局3300aは、基地局制御装置3400cをデフォルトルータとして通信を行うことができる。
DHCPサーバ3100は、移動局3300aに対して設定情報をDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含めて送信することで移動局3300a等の他の装置の通信の設定を行う。DHCPサーバ3100は、設定情報設定部3121、通信部3122、設定情報記憶部3151を有する。DHCPサーバ3100は、プロバイダ網3001に配置されていてもよい。DHCPサーバ3100は、サーバとして機能する。
設定情報記憶部3151は、基地局3200aを含む基地局群を示すPGIDと対応付けられているネットワークに対応する設定を示す設定情報を記憶する。設定情報は、移動局3300aが基地局制御装置3400a,3400cのそれぞれを使用して通信を行う場合に応じた、移動局3300aのDHCPの設定を示す。設定情報は、ネットワークに対応するデフォルトルータに設定される基地局制御装置3400a,3400c等を示す情報を含む。通信部3122は、通信回線で他の装置と通信する。
基地局3200aによりPGIDを含められたDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを通信部3122が受信したものとする。ここで、DHCP REQUESTメッセージは、ハンドオーバ時のDHCP REQUESTメッセージであるものとする。この場合、設定情報設定部3121は、PGIDに対応する設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を移動局3300aに対して通信部3122に送信させる。また、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれているPGIDが、設定情報のPGIDのいずれとも一致しないものとする。この場合、設定情報設定部3121は、所定の設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を移動局3300aに対して通信部3122に送信させる。DHCP DISCOVERメッセージ等は、設定情報要求として機能する。設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等は、設定情報応答として機能する。
基地局3200aは、識別情報設定部3221、通信部3222、識別情報記憶部3251を有する。通信部3222は、通信回線で他の装置と通信する。基地局3200aは、基地局制御装置3400a,3400cとともに後述するモバイルWiMAXによる無線アクセスキャリア網に配置されていてもよい。無線アクセスキャリア網は、基地局制御装置3400a,3400cおよびゲートウェイを介して、プロバイダ網3001と接続されていてもよい。基地局3200aは、中継装置として機能する。
移動局3300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等を通信部3222が受信したものとする。この場合、識別情報設定部3221は、通信部3222によって受信されたDHCP DISCOVERメッセージ等を、無線アクセスキャリア網からプロバイダ網3001に中継する際に識別情報としてPGIDを含める。第5の実施の形態では、識別情報として無線アクセスキャリア網内において移動局3300aのページングに使用するPGIDを用いる。PGIDは、無線アクセスキャリア網内の基地局群に設定されたページンググループを一意に識別する符号である。そして識別情報設定部3221は、PGIDを含めたDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ3100に対して通信部3222に送信させる。
識別情報記憶部3251は、移動局3300aが通信に使用する基地局3200aを含む基地局群を一意に特定可能なPGIDを識別情報として記憶する。
移動局3300aは、無線通信機能を有する端末装置である。移動局3300aは、設定制御部3321、通信部3322を有する。移動局3300aは、情報処理装置として機能する。
設定制御部3321は、DHCPサーバ3100に従って通信の設定を行う場合、基地局3200aを介してDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ3100に対して通信部3322に送信させる。
また、設定制御部3321は、DHCPサーバ3100から送信されたDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含まれている設定情報を取得すると、取得した設定情報に基づいて通信の設定を行う。通信部3322は、設定制御部3321による通信の設定に基づいて通信回線により通信を行う。
移動局3300aは、DHCPサーバ3100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、移動局3300aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、デフォルトルータ等の、移動局3300aの位置に適したDHCPの設定を行う。ここで、移動局3300aの位置は、移動局3300aの通信を、プロバイダ網3001等の他のネットワークと接続する基地局制御装置3400aに基づいて設定してもよい。具体的には、移動局3300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージが、他の基地局を介さずに、基地局3200aを介してプロバイダ網3001のDHCPサーバ3100に到達したものとする。この場合、移動局3300aの位置を、基地局3200aに基づいて特定することができる。ここで、基地局制御装置3400aが基地局3200aを含む基地局群を制御することから、基地局制御装置3400aと基地局3200aとの間に1対多の対応関係が成立する場合がある。このため、上記対応関係を利用して、移動局3300aに対してプロバイダ網3001と接続するデフォルトルータを設定する場合、移動局3300aからのDHCP DISCOVERメッセージをプロバイダ網3001に送信した基地局3200aのPGIDに基づき設定する。また、他のDHCPの設定についても同様に、DHCP DISCOVERメッセージを直接送信した基地局3200aのPGIDに基づいて移動局3300aに適した設定を選択する。従って、基地局3200aは、移動局3300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等に基地局3200aのPGIDを含めて転送する。DHCPサーバ3100は、転送した基地局3200aのPGIDに応じた設定を示す設定情報をDHCP OFFERメッセージ等に含めて移動局3300aに送信することにより、移動局3300aに適したDHCPの設定を行うことができる。
また、詳しくは後述するように基地局3200aと接続していた移動局3300aが移動し、ハンドオーバにより他の基地局と接続した場合、DHCP REQUESTメッセージを送信する。この場合には、当該基地局は、移動局3300aからのDHCP REQUESTメッセージに当該基地局のPGIDを含めて転送する。DHCPサーバ3100は、当該基地局により中継されたDHCP REQUESTメッセージの応答として、当該基地局に接続している移動局3300aに適した設定情報を含むDHCP ACKメッセージを移動局3300aに送信する。これにより、ハンドオーバ後に当該基地局と接続するように移動した移動局3300aは、移動後の位置に対応した設定情報を取得でき、移動後の位置に適したDHCPの設定を行うことができる。
なお、第5の実施の形態の通信システムは、モバイルWiMAXによる無線アクセスキャリア網を含むが、これに限らず、LTE網等の他の方式の無線通信システムを含むものであってもよい。
また、基地局3200aが受信したDHCP DISCOVERメッセージ等にPGIDを含めて送信するが、これに限らず、基地局制御装置3400a,3400cが受信したDHCP DISCOVERメッセージ等にPGIDを含めて送信してもよい。
図27は、第5の実施の形態の通信システムを示す図である。図27は、移動局3300a,3300cが無線アクセスキャリア網3002を用いた無線通信によりプロバイダ網3001と接続して、他の移動局等の情報処理装置と通信を行うネットワークを示す。
プロバイダ網3001は、インターネット60や他のキャリアのネットワークと接続されており、移動局3300a,3300cは、プロバイダ網3001を介して無線アクセスキャリア網3002外の通信先と接続することができる。プロバイダ網3001は、DHCPサーバ3100、ゲートウェイ3500a,3500cを有する。
DHCPサーバ3100は、無線アクセスキャリア網3002に接続する移動局3300a,3300cに対してDHCPによる設定を行う。
ゲートウェイ3500a,3500cは、プロバイダ網3001と無線アクセスキャリア網3002とを接続する。これにより、プロバイダ網3001と移動局3300a,3300cとの通信が行われる。
無線アクセスキャリア網3002は、移動局3300a,3300cとの間でモバイルWiMAXによる無線通信を行うとともに、移動局3300a,3300cと、接続しているプロバイダ網3001とを接続する。無線アクセスキャリア網3002は、基地局制御装置3400a,3400c、基地局3200a,3200b,3200cを有する。無線アクセスキャリア網3002は、例えば、無線通信サービスを提供する通信事業者のネットワークである。無線アクセスキャリア網3002は、単一のサブネットアドレスが設定されている。
基地局制御装置3400aは、ゲートウェイ3500aを介してプロバイダ網3001と接続されている。同様に、基地局制御装置3400cは、ゲートウェイ3500cを介してプロバイダ網3001と接続されている。基地局制御装置3400a,3400cは、互いにギガビットイーサネット等の大容量ネットワークで接続されており、相互に通信が可能である。基地局制御装置3400a,3400cは、それぞれ複数の基地局を制御することが可能である。
基地局制御装置3400aは、基地局3200a,3200bと接続されている。基地局制御装置3400cは、基地局3200cと接続されている。基地局制御装置3400aは、基地局3200a,3200bを制御することにより、基地局3200a,3200bのいずれかの接続可能な範囲にある移動局(例えば、基地局3200aの接続可能な範囲にある移動局3300a)との接続を制御する。これにより、移動局3300aとプロバイダ網3001との通信が中継される。同様に、基地局制御装置3400cは、基地局3200cを制御することにより、基地局3200cの接続可能な範囲にある移動局(例えば、基地局3200cの接続可能な範囲にある移動局3300c)との接続を制御する。これにより、移動局3300cとプロバイダ網3001との通信が中継される。
また、基地局制御装置3400a,3400cは、DHCPリレーエージェントとして機能して移動局3300a,3300cから送信されたDHCP DISCOVERメッセージをDHCPサーバ3100に転送する。
基地局3200aは、基地局制御装置3400aの制御に基づき、無線通信により接続可能な範囲にある移動局3300aとの無線通信を行う。基地局3200bは、基地局制御装置3400aの制御に基づき、無線通信により接続可能な範囲にある移動局(図示省略)との無線通信を行う。基地局3200cは、基地局制御装置3400cの制御に基づき、無線通信により接続可能な範囲にある移動局3300cとの無線通信を行う。また、基地局3200a,3200b,3200cは、移動局3300a,3300cからのDHCP DISCOVERメッセージを受信すると、DHCP DISCOVERメッセージに識別情報であるPGIDを含めてDHCPサーバ3100に転送する。
移動局3300a,3300cは、接続可能な範囲の基地局に対して、無線信号を介して接続可能である。ここでは、移動局3300aは、所定のMACアドレス(例えば、CC:CC:CC:CC:CC:CC)が設定されており、基地局3200aと接続可能な範囲に位置するものとする。移動局3300cは、移動局3300aと異なるMACアドレス(例えば、DD:DD:DD:DD:DD:DD)が設定されており、基地局3200cと接続可能な範囲に位置するものとする。
第5の実施の形態の通信システムは、ゲートウェイおよび基地局制御装置を2個ずつ(例えば、ゲートウェイ3500a,3500cおよび基地局制御装置3400a,3400c)有するが、これに限らず、任意の個数のゲートウェイおよび基地局制御装置を有してもよい。また、基地局制御装置3400aは、2個の基地局(例えば、基地局3200a,3200b)を制御し、基地局制御装置3400cは、1個の基地局(例えば、基地局3200c)を制御する。しかし、これに限らず、基地局制御装置3400a,3400cは、任意の個数の基地局を制御することができる。
図28は、第5の実施の形態の識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージおよびDHCP REQUESTメッセージを示す図である。図28(A)に、第5の実施の形態の識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージを示す。図28(B)に、第5の実施の形態の識別情報を含むDHCP REQUESTメッセージを示す。
図28(A)に示すDHCP DISCOVERメッセージにおいて“siaddr”は、DHCPサーバ3100のIPアドレスを示す4Byteの領域である。また、“yiaddr”は、移動局3300aに割り当てる候補のIPアドレスを示す4Byteの領域である。また、“chaddr”は、移動局3300aのMACアドレスを示す6Byteの領域である。また、図28(B)に示すDHCP REQUESTメッセージにおける“yiaddr”の領域は、移動局3300aに割り当てられているIPアドレスを示す。
第5の実施の形態の通信システムでは、基地局3200aが移動局3300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージを中継する際、DHCP DISCOVERメッセージに識別情報を含めて転送する。具体的には、基地局3200aは、図28(A)に示すように、移動局3300aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージのオプションフィールド(option field)に、識別情報としてPGID(例えば、PGID=1)を設定する。また、DHCPオプションの私的利用が可能なオプション番号(例えば、DHCPオプション番号230)に識別情報を設定することで、移動局3300aの位置をDHCPサーバ3100に通知してもよい。
また、第5の実施の形態の通信システムでは、移動局3300aのハンドオーバが発生した場合に、図31に後述するように、移動局3300aからDHCP REQUESTメッセージが送信されたものとする。この場合、基地局3200aが移動局3300aから送信されたDHCP REQUESTメッセージを中継するとき、DHCP REQUESTメッセージに識別情報を含めて転送する。具体的には、基地局3200aは、図28(B)に示すように、移動局3300aから送信されたDHCP REQUESTメッセージのオプションフィールドに、識別情報としてPGID(例えば、PGID=1)を設定する。また、DHCPオプションの私的利用が可能なオプション番号に識別情報を設定することで、移動局3300aの位置をDHCPサーバ3100に通知してもよい。
第5の実施の形態の通信システムでは、識別情報は、移動局3300aが接続している基地局を一意に特定可能に設定されている。これにより、DHCPサーバ3100はメッセージに含まれている識別情報を参照することで、DHCP DISCOVERメッセージ等を送信した移動局3300aが基地局3200aと接続されていることを把握できる。これに基づき、移動局3300aと接続している基地局3200aと基地局制御装置3400aとの対応関係に従って設定情報のデフォルトルータの設定を定める。これにより、DHCPサーバ3100は、識別情報に基づき、移動局3300aに対して位置に応じた最適なデフォルトルータを設定することができる。
図29は、第5の実施の形態の設定テーブルを示す図である。図29に示す設定テーブル3151aは、DHCPサーバ3100が有する設定情報記憶部3151に記憶されている。設定テーブル3151aは、通信システムの移動局に対するDHCPの設定を示す設定情報を記憶するテーブルである。設定情報は、通信システムの基地局制御装置3400a,3400cによって制御される基地局3200a〜3200cと、その基地局3200a〜3200cと接続する移動局3300a,3300cに対して設定されるべき設定内容とに基づき設定される。設定情報は、通信システムの管理者等により予め設定される。
設定テーブル3151aには、項目として“サブネット”、“PGID”、“デフォルトルータ”が設けられている。設定テーブル3151aにおいて、各項目の横方向に並べられた情報同士が設定情報として互いに関連付けられている。
サブネットは、設定情報が適用される無線アクセスキャリア網3002のサブネットアドレスを示す。
識別情報は、設定情報が示す設定が適用される移動局3300a,3300cの位置を示す。すなわち、設定情報は、識別情報によって示された位置に存在する移動局に適した設定を示す。ここでは、識別情報によって示された位置は、基地局3200a〜3200cに基づいて設定されている。
デフォルトルータは、設定情報により識別情報に基づいて移動局にデフォルトルータとして設定される基地局制御装置3400a,3400cのIPアドレスを示す。
DHCPサーバ3100は、移動局3300a等からの要求(DHCP DISCOVERメッセージ、DHCP REQUESTメッセージ)に応じて設定情報を含む応答(DHCP OFFERメッセージ、DHCP ACKメッセージ)を送信する。通信システム内の移動局3300a,3300cは、DHCPサーバ3100から送信されたDHCP OFFERメッセージまたはDHCP ACKメッセージが含む設定情報に基づいて通信の設定を行う。
第5の実施の形態では、通信システムの基地局制御装置毎に識別情報が設定される。そして、設定テーブル3151aでは、識別情報毎に異なる設定情報が設定される。例えば、移動局3300aと接続する基地局3200aを制御する基地局制御装置3400aに基づいて識別情報が設定され、識別情報毎に基地局制御装置3400aのIPアドレスがデフォルトルータのIPアドレスとして設定される。
DHCP DISCOVERメッセージに識別情報が含まれていない場合には、DHCPサーバ3100は、識別情報がdefaultである設定情報をDHCP OFFERメッセージに含めて応答する。DHCP DISCOVERメッセージに設定テーブル3151aに設定されていない識別情報が含まれていた場合にも同様に、DHCPサーバ3100は、識別情報がdefaultである設定情報をDHCP OFFERメッセージに含めて応答する。ハンドオーバ時に送信されるDHCP REQUESTメッセージに識別情報が含まれていない場合には、DHCPサーバ3100は、識別情報がdefaultである設定情報をDHCP ACKメッセージに含めて応答する。ハンドオーバ時のDHCP REQUESTメッセージに設定テーブル3151aに設定されていない識別情報が含まれていた場合にも同様に、DHCPサーバ3100は、識別情報がdefaultである設定情報をDHCP ACKメッセージに含めて応答する。
図30は、第5の実施の形態の通信システムにおける移動局の起動時の動作を示すシーケンス図である。移動局3300aは、例えば、自己の無線アクセスキャリア網3002への接続時にDHCPによる設定を取得すべく、DHCP DISCOVERメッセージを送信するものとする。ここでは、ホストである移動局3300aから無線通信によりDHCP DISCOVERメッセージが基地局3200aに送信され、基地局3200aから無線アクセスキャリア網3002にブロードキャストで送信されるものとする。また、基地局3200aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージは、基地局制御装置3400a、ゲートウェイ3500aを介してDHCPサーバ3100に到達するものとする。
また、DHCPサーバ3100には、通信システムの管理者等により、移動局3300aの位置に応じたデフォルトルータ等の設定を示す設定情報が予め設定情報記憶部3151に設定されているものとする。
以下に、図30に従って移動局3300aからDHCP DISCOVERメッセージが送信された場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS411]移動局3300aは、DHCP DISCOVERメッセージを、ブロードキャストで送信する。
[ステップS412]基地局3200aは、移動局3300aにより送信されたDHCP DISCOVERメッセージに移動局3300aの位置を示すPGIDを含める。ここでは、PGIDは、移動局3300aと無線通信により接続されている基地局3200aを識別する識別情報であるものとする。
[ステップS413]基地局3200aは、ステップS412において識別情報であるPGIDを含めたDHCP DISCOVERメッセージを無線アクセスキャリア網3002内に転送する。
[ステップS414]基地局制御装置3400aは、ステップS413において基地局3200aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ(識別情報を含む)を転送する。このとき基地局制御装置3400aは、DHCP DISCOVERメッセージをDHCPリレーエージェントによりゲートウェイ3500aを介してプロバイダ網3001のDHCPサーバ3100に転送する。
[ステップS415]ゲートウェイ3500aは、ステップS414において基地局制御装置3400aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージを受信すると、受信したDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS416]DHCPサーバ3100は、ステップS415においてゲートウェイ3500aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージに含まれている識別情報に基づき、移動局3300aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ3100は、DHCP DISCOVERメッセージを送信した移動局3300aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ3100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP OFFERメッセージを生成する。その後の処理は、第2の実施の形態の通信システムと同様であり、説明を省略する。
図31は、第5の実施の形態の通信システムにおける移動局のハンドオーバ時の動作を示すシーケンス図である。ここでは、基地局3200aと接続していた移動局3300aが、ハンドオーバにより基地局3200cと接続する場合に、IPアドレス等のリフレッシュに基づきDHCPの再設定が行われるものとする。このとき移動局3300aは、無線通信でDHCP REQUESTメッセージを送信するものとする。移動局3300aから送信されたDHCP REQUESTメッセージは、基地局3200c、基地局制御装置3400c、ゲートウェイ3500cを介してDHCPサーバ3100に到達するものとする。
以下に、図31に従って移動局3300aの移動によるハンドオーバの発生後、DHCPの設定を再取得する場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS421]移動局3300aならびに基地局3200aおよび基地局3200cは、基地局3200aと接続している移動局3300aが接続先を基地局3200cに切り替えるハンドオーバ手順を実行する。また、ハンドオーバ手順により、基地局3200aから移動局3300aに対して、移動局3300aのIPアドレスをリフレッシュする指示が行われる。
[ステップS422]移動局3300aは、DHCP REQUESTメッセージを送信する。
[ステップS423]基地局3200cは、移動局3300aにより無線通信で送信されたDHCP REQUESTメッセージに移動局3300aの位置を示すPGID(識別情報)を含める。
[ステップS424]基地局3200cは、ステップS423において識別情報を含めたDHCP REQUESTメッセージを無線アクセスキャリア網3002内に転送する。
[ステップS425]基地局制御装置3400cは、ステップS424において基地局3200cから転送されたDHCP REQUESTメッセージ(識別情報を含む)を転送する。このとき基地局制御装置3400cは、DHCP REQUESTメッセージをDHCPリレーエージェントによりゲートウェイ3500cを介してプロバイダ網3001のDHCPサーバ3100に転送する。
[ステップS426]ゲートウェイ3500cは、ステップS425において基地局制御装置3400cから送信されたDHCP REQUESTメッセージ(識別情報を含む)を受信すると、受信したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS427]DHCPサーバ3100は、ステップS426においてゲートウェイ3500cから送信されたDHCP REQUESTメッセージに含まれている識別情報に基づき、移動局3300aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ3100は、DHCP REQUESTメッセージを送信した移動局3300aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ3100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP ACKメッセージを生成する。その後の処理は、DHCPサーバ3100によって生成されたDHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージが通信システムを介して基地局3200cと接続されている移動局3300aに送信される。DHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージを受信した移動局3300aは、DHCPサーバ3100から継続を提案されたIPアドレスまたは割り当てを提案されたIPアドレスを自己のIPアドレスに設定する。また、移動局3300aは、DHCPサーバ3100から送信された設定情報に基づいて自己の通信の設定を行う。
これにより、移動局3300aでは、ハンドオーバ後におけるDHCPの再設定に基づきDHCP REQUESTメッセージが送信されることで、DHCPの設定が更新される。これにより、移動局3300aのハンドオーバ後の位置に応じてDHCPの設定が更新される。
また、第5の実施の形態では、DHCPサーバ3100は、プロバイダ網3001に属しているが、これに限らず、無線アクセスキャリア網3002や他のネットワークに属してもよい。
以上のような第5の実施の形態の通信システムは、基地局3200aで識別情報としてPGIDをDHCP DISCOVERメッセージ等に含めて転送されることにより、第4の実施の形態と同様の効果を有する。
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態を説明する。第5の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第6の実施の形態の通信システムは、移動局が基地局から予め識別情報であるPGIDを取得し、移動局がDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージに含めて送信する点で、第5の実施の形態と異なる。
図32は、第6の実施の形態の通信システムを示すブロック図である。第6の実施の形態の通信システムは、第5の実施の形態と同様、モバイルWiMAXによる無線通信システムである。
第6の実施の形態の通信システムは、DHCPサーバ4100、移動局4300a、基地局4200a、基地局制御装置4400a,4400cを有する。ここで、第5の実施の形態と同様、移動局4300aは、基地局制御装置4400aによって制御される基地局4200aと無線通信により接続されているとともに、基地局制御装置4400aを介してプロバイダ網やインターネット等の他のネットワークと接続可能である。また、移動局4300aは、基地局制御装置4400aをデフォルトルータとして通信を行うことができる。また、基地局制御装置4400aと基地局制御装置4400cとは、互いに離れた地点に配置されているとともに大容量ネットワークで接続されている。また、移動局4300aは、基地局制御装置4400aと基地局制御装置4400cを接続する大容量ネットワークを使用することで基地局制御装置4400cを介して他のネットワークと接続可能である。また、移動局4300aは、基地局制御装置4400cをデフォルトルータとして通信を行うことができる。
DHCPサーバ4100は、移動局4300aに対して設定情報をDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含めて送信することで移動局4300a等の他の装置の通信の設定を行う。DHCPサーバ4100は、設定情報設定部4121、通信部4122、設定情報記憶部4151を有する。DHCPサーバ4100は、プロバイダ網に配置されていてもよい。DHCPサーバ4100は、サーバとして機能する。
設定情報記憶部4151は、基地局4200aを含む基地局群を示すPGIDと対応付けられているネットワークに対応する設定を示す設定情報を記憶する。設定情報は、移動局4300aが基地局制御装置4400a,4400cのそれぞれを使用して通信を行う場合に応じた、移動局4300aのDHCPの設定を示す。設定情報は、ネットワークに対応するデフォルトルータに設定される基地局制御装置4400a,4400c等を示す情報を含む。通信部4122は、通信回線で他の装置と通信する。
基地局4200aによりPGIDを含められたDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを通信部4122が受信したものとする。ここで、DHCP REQUESTメッセージは、ハンドオーバ時のDHCP REQUESTメッセージであるものとする。この場合、設定情報設定部4121は、PGIDに対応する設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を移動局4300aに対して通信部4122に送信させる。また、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれているPGIDが、設定情報のPGIDのいずれとも一致しないものとする。この場合、設定情報設定部4121は、所定の設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を移動局4300aに対して通信部4122に送信させる。DHCP DISCOVERメッセージ等は、設定情報要求として機能する。設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等は、設定情報応答として機能する。
基地局4200aは、識別情報設定部4221、通信部4222、識別情報記憶部4251を有する。通信部4222は、通信回線で他の装置と通信する。基地局4200aは、基地局制御装置4400a,4400cとともに後述するモバイルWiMAXによる無線アクセスキャリア網に配置されていてもよい。無線アクセスキャリア網は、基地局制御装置4400a,4400cおよびゲートウェイを介して、プロバイダ網と接続されていてもよい。基地局4200aは、中継装置として機能する。
移動局4300aが新たに起動して、またはハンドオーバにより、基地局4200aと接続するものとする。この場合、識別情報設定部4221は、移動局4300aに対して移動局4300aが属する無線アクセスキャリア網内における移動局4300aの位置を示す識別情報含む制御信号を移動局4300aに対して通信部4222に送信させる。第6の実施の形態では、識別情報として無線アクセスキャリア網内において移動局4300aのページングに使用するPGIDを用いる。PGIDは、無線アクセスキャリア網内の基地局群に設定されたページンググループを一意に識別する符号である。
識別情報記憶部4251は、移動局4300aが通信に使用する基地局4200aを含む基地局群を一意に特定可能なPGIDを識別情報として記憶する。
移動局4300aは、無線通信機能を有する端末装置である。移動局4300aは、設定制御部4321、通信部4322を有する。移動局4300aは、情報処理装置として機能する。
設定制御部4321は、新たな接続時やハンドオーバ時に、識別情報を要求する制御信号を接続対象の基地局4200aに対して通信部4322に送信させる。設定制御部4321は、基地局4200aから送信された識別情報を受信すると、識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージまたはDHCP REQUESTメッセージを通信部4322に送信させる。また、設定制御部4321は、DHCPサーバ4100から送信されたDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含まれている設定情報を取得すると、取得した設定情報に基づいて通信の設定を行う。通信部4322は、設定制御部4321による通信の設定に基づいて通信回線により通信を行う。
また、詳しくは後述するように基地局4200aと接続していた移動局4300aが移動し、ハンドオーバにより他の基地局と接続した場合、DHCP REQUESTメッセージを送信する。この場合には、移動局4300aは、ハンドオーバ先の基地局のPGIDを受信し、DHCP REQUESTメッセージにハンドオーバ先の基地局のPGIDを含めて転送する。DHCPサーバ4100は、移動局4300aからのDHCP REQUESTメッセージの応答として、移動局4300aに適した設定情報を含むDHCP ACKメッセージを移動局4300aに送信する。これにより、ハンドオーバ後に移動した移動局4300aは、移動後の位置に対応した設定情報を取得でき、移動後の位置に適したDHCPの設定を行うことができる。
なお、第6の実施の形態の通信システムは、モバイルWiMAXによる無線アクセスキャリア網を含むが、これに限らず、LTE網等の他の方式の無線通信システムを含むものであってもよい。
図33は、第6の実施の形態の移動局を示す図である。第6の実施の形態の移動局4300aは、アプリケーション部4311、通信制御部4312、無線通信インタフェース部4313を有する。
アプリケーション部4311は、移動局4300aから送信されるデータおよび移動局4300aが受信したデータの処理を実行する。アプリケーション部4311は、ROMからプログラムやデータを読み出し、RAMに展開してプログラムを実行するCPU、音声処理部、映像処理部等のデータ処理部を有する。
通信制御部4312は、移動局4300aにおけるデータの通信の処理を行うとともに、無線通信インタフェース部4313による通信を制御する。また、無線通信インタフェース部4313は、DHCPサーバ4100との間でDHCPプロトコルメッセージを交換することにより、移動局4300aに割り当てられるIPアドレスや設定情報で示されるDHCPの設定を取得する。通信制御部4312は、取得したDHCPの設定を用いて無線アクセスキャリア網と接続する。
無線通信インタフェース部4313は、接続している無線アクセスキャリア網からパケットを受信するとともに、接続している無線アクセスキャリア網にパケットを送信する処理を行う。
図34は、第6の実施の形態の通信システムにおける移動局の起動時の動作を示すシーケンス図である。移動局4300aは、例えば、自己の無線アクセスキャリア網への接続時にDHCPによる設定を取得すべく、DHCP DISCOVERメッセージを送信するものとする。ここでは、移動局4300aが基地局4200aと接続する際にPGIDを取得し、取得したPGIDを識別情報としてDHCP DISCOVERメッセージに含めて生成するものとする。そして、移動局4300aから無線通信によりDHCP DISCOVERメッセージが基地局4200aに送信され、基地局4200aから無線アクセスキャリア網にブロードキャストで送信されるものとする。また、基地局4200aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージは、基地局制御装置4400a、ゲートウェイ4500aを介してDHCPサーバ4100に到達するものとする。
また、DHCPサーバ4100には、通信システムの管理者等により、移動局4300aの位置に応じたデフォルトルータ等の設定を示す設定情報が予め設定情報記憶部4151に設定されているものとする。
以下に、図34に従って移動局4300aからDHCP DISCOVERメッセージが送信された場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS511]基地局4200aは、移動局4300aの位置を示すPGIDを含むDCD(Downlink Channel Descriptor)を無線通信により送信する。移動局2300aは、DCDを受信することで、DCDに含まれているPGIDを取得する。ここでは、PGIDは、無線アクセスキャリア網における移動局4300aの位置を識別する識別情報であるものとする。
[ステップS512]基地局4200aは、UCD(Uplink Channel Descriptor)を無線通信により送信する。
[ステップS513]移動局4300aおよび基地局4200aは、Network Entry手順を実行する。
[ステップS514]移動局4300aは、ステップS511で取得したPGID(識別情報)を含めたDHCP DISCOVERメッセージを生成する。
[ステップS515]移動局4300aは、ステップS514で識別情報を含めて生成したDHCP DISCOVERメッセージを、ブロードキャストで送信する。
[ステップS516]基地局4200aは、S515により移動局4300aにより送信されたDHCP DISCOVERメッセージ(識別情報を含む)を無線アクセスキャリア網内に転送する。
[ステップS517]基地局制御装置4400aは、ステップS516において基地局4200aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージを転送する。このとき基地局制御装置4400aは、DHCP DISCOVERメッセージをDHCPリレーエージェントによりゲートウェイ4500aを介してプロバイダ網のDHCPサーバ4100に転送する。
[ステップS518]ゲートウェイ4500aは、ステップS517において基地局制御装置4400aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージを受信すると、受信したDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS519]DHCPサーバ4100は、ステップS518においてゲートウェイ4500aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージに含まれている識別情報に基づき、移動局4300aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ4100は、DHCP DISCOVERメッセージを送信した移動局4300aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ4100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP OFFERメッセージを生成する。その後の処理は、第2の実施の形態の通信システムと同様であり、説明を省略する。
図35および図36は、第6の実施の形態の通信システムにおける移動局のハンドオーバ時の動作を示すシーケンス図である。ここでは、基地局4200aと接続していた移動局4300aが、ハンドオーバにより基地局4200cと接続する場合に、IPアドレス等のリフレッシュに基づきDHCPの再設定が行われるものとする。このとき移動局4300aは、無線通信でDHCP REQUESTメッセージを送信するものとする。移動局4300aから送信されたDHCP REQUESTメッセージは、基地局4200c、基地局制御装置4400c、ゲートウェイ4500cを介してDHCPサーバ4100に到達するものとする。
以下に、図35および図36に従って移動局4300aの移動によるハンドオーバの発生後、DHCPの設定を再取得する場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS521]移動局4300aは、接続していた基地局4200aに対してMOB MS−HOREQ(HandOver REQuest)を送信する。ステップS521から以下のステップS527までの処理をハンドオーバ手順とする。
[ステップS522]基地局4200aは、ステップS521において送信されたMOB MS−HOREQを受信すると、移動局4300aに対してMOB BS−HORSP(HandOver ReSPonse)を送信する。
[ステップS523]移動局4300aは、ステップS522において送信されたMOB BS−HORSPを受信すると、基地局4200aに対してMOB MS−HOIND(HandOver INDication)を送信する。
[ステップS524]移動局4300aは、ハンドオーバによる接続先の切り替えに基づき、通信に使用する周波数を切り替える。
[ステップS525]基地局4200cは、移動局4300aの位置を示すPGID(識別情報)を含むDCDを無線通信により送信する。移動局2300aは、DCDを受信することで、DCDに含まれているPGIDを取得する。
[ステップS526]基地局4200cは、UCDを無線通信により送信する。
[ステップS527]移動局4300aおよび基地局4200cは、Network ReEntry手順を実行する。Network ReEntry手順により、移動局4300aのIPアドレスの割り当てがリフレッシュされる。
[ステップS528]移動局4300aは、ステップS525で取得した識別情報を含めたDHCP REQUESTメッセージを生成する。
[ステップS531]移動局4300aは、ステップS528で識別情報を含めて生成したDHCP REQUESTメッセージを送信する。
[ステップS532]基地局4200cは、S531により移動局4300aにより送信されたDHCP REQUESTメッセージ(識別情報を含む)を無線アクセスキャリア網内に転送する。
[ステップS533]基地局制御装置4400cは、ステップS532において基地局4200cから転送されたDHCP REQUESTメッセージ(識別情報を含む)を転送する。このとき基地局制御装置4400cは、DHCP REQUESTメッセージをDHCPリレーエージェントによりゲートウェイ4500cを介してプロバイダ網のDHCPサーバ4100に転送する。
[ステップS534]ゲートウェイ4500cは、ステップS533において基地局制御装置4400cから送信されたDHCP REQUESTメッセージ(識別情報を含む)を受信すると、受信したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS535]DHCPサーバ4100は、ステップS525においてゲートウェイ4500cから送信されたDHCP REQUESTメッセージに含まれている識別情報に基づき、移動局4300aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ4100は、DHCP REQUESTメッセージを送信した移動局4300aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ4100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP ACKメッセージを生成する。その後の処理は、DHCPサーバ4100によって生成されたDHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージが通信システムを介して基地局4200cと接続されている移動局4300aに送信される。DHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージを受信した移動局4300aは、DHCPサーバ4100から継続を提案されたIPアドレスまたは割り当てを提案されたIPアドレスを自己のIPアドレスに設定する。また、移動局4300aは、DHCPサーバ4100から送信された設定情報に基づいて自己の通信の設定を行う。
これにより、移動局4300aでは、ハンドオーバ後におけるDHCPの再設定に基づきDHCP REQUESTメッセージが送信されることで、DHCPの設定が更新される。これにより、移動局4300aのハンドオーバ後の位置に応じてDHCPの設定が更新される。
また、第6の実施の形態では、DHCPサーバ4100は、プロバイダ網に属しているが、これに限らず、無線アクセスキャリア網や他のネットワークに属してもよい。
以上のような第6の実施の形態の通信システムは、第5の実施の形態と同様の効果を有するとともに、PGIDを移動局4300aでDHCP DISCOVERメッセージ等に含めて送信するので、基地局や基地局制御装置等の中継装置に依存しなくてもよい。また、基地局がDHCP DISCOVERメッセージ等にPGIDを含める処理等による中継装置の負荷の増加を抑制できる。
[第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第7の実施の形態の通信システムは、網構成サーバがVMの動作している拠点を管理する。DHCPサーバは、VMからのDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを受信すると、網構成サーバにVMの位置を要求する。網構成サーバは、DHCPサーバからの要求を受信すると、VMの位置を示す識別情報を含むDHCPサーバに応答する。DHCPサーバは、網構成サーバからの応答を受信すると、応答に含まれている識別情報によって示されたVMの位置に応じたDHCPの設定を示す設定情報を含むメッセージをVMに送信する。VMは、受信したメッセージに含まれている設定情報に基づいてDHCPの設定を行う点で、第5の実施の形態と異なる。
図37は、第7の実施の形態の通信システムを示すブロック図である。ここで、第7の実施の形態ではホストがVMである場合において動作を開始するときおよびライブマイグレーション等による移動が生じるときについて説明するが、ホストが物理マシンである場合において、物理マシンが動作を開始するときも同様である。
第7の実施の形態の通信システムは、DHCPサーバ5100、情報処理装置5300a,5300b、エッジ装置5400a,5400c、網構成サーバ5600を有する。ここで、第2の実施の形態の情報処理装置300aと同様、情報処理装置5300aはデータセンタ71内の拠点80aに属するものとする。また、エッジ装置5400aは、第2の実施の形態のエッジ装置400aと同様、拠点80aと直接接続されているものとする。また、エッジ装置5400cは、第2の実施の形態のエッジ装置400cと同様、情報処理装置5300aと異なるデータセンタ72に配置されているとともに、エッジ装置5400aとトンネル61a,61bで接続されているものとする。情報処理装置5300aが属する拠点80aは、各ノードが物理回線で接続されているとともに、拠点80c,80eとの間をそれぞれトンネル61a,63aで接続可能である。また、拠点80aは、エッジ装置5400aを介して拠点80bと接続可能である。また、情報処理装置5300bは、第2の実施の形態の情報処理装置300bと同様、データセンタ71内の拠点80bに属するものとする。
DHCPサーバ5100は、VM5331aに対して設定情報をDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含めて送信することでVM5331a等の他の装置の通信の設定を行う。DHCPサーバ5100は、設定情報設定部5121、通信部5122、設定情報記憶部5151を有する。DHCPサーバ5100は、第1のサーバとして機能する。
VM5331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを通信部5122が受信したものとする。設定情報設定部5121は、通信部5122によって受信されたDHCP DISCOVERメッセージ等に含まれているVM5331aのMACアドレス等に基づき、VM5331aを一意に特定可能な特定情報を生成する。そして、設定情報設定部5121は、抽出した特定情報を含む位置要求を生成し、生成した位置要求を網構成サーバ5600に対して通信部5122に送信させる。
また、網構成サーバ5600から送信されたVM5331aの位置を示す識別情報を含む位置応答を通信部5122が受信したものとする。この場合、設定情報設定部5121は、識別情報に対応する設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM5331aに対して通信部5122に送信させる。また、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれている識別情報が、設定情報の識別情報のいずれとも一致しないものとする。この場合、設定情報設定部5121は、所定の設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM5331aに対して通信部5122に送信させる。DHCP DISCOVERメッセージ等は、設定情報要求として機能する。設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等は、設定情報応答として機能する。
設定情報記憶部5151は、識別情報と対応付けられているネットワークに対応する設定を示す設定情報を記憶する。設定情報は、各拠点80a〜80fに応じたDHCPの設定を示す。設定情報は、ネットワークに対応するデフォルトルータに設定される通信装置を示す情報を含む。通信部5122は、通信回線で他の装置と通信する。設定情報は、例えば、VM5331a等の通信システム内のホストのデフォルトルータに設定される装置(例えば、エッジ装置5400a)のIPアドレスであってもよい。また、設定情報は、通信システム内のホストのDNSサーバ、NTPサーバ、PROXYサーバのIPアドレス、DNSドメイン名であってもよい。
網構成サーバ5600は、識別情報設定部5621、通信部5622、構成情報記憶部5651を有する。通信部5622は、通信回線で他の装置と通信する。網構成サーバ5600は、第2のサーバとして機能する。
DHCPサーバ5100から送信されたVM5331aを特定する特定情報を含む位置要求を通信部5622が受信したものとする。この場合、識別情報設定部5621は、通信部5622によって受信された位置要求に応じて、構成情報に基づき、位置要求に含まれている特定情報に対応する識別情報を含む位置応答を生成する。そして識別情報設定部5621は、識別情報を含めた位置応答をDHCPサーバ5100に対して通信部5622に送信させる。
構成情報記憶部5651は、VM5331aの特定情報とVM5331aが現在属する拠点80aを示す識別情報を対応付けて記憶する。
VM5331aは、物理マシンである情報処理装置5300a上で動作する仮想マシンである。VM5331aは、設定制御部5331a1、通信部5331a2を有する。VM5331aは、情報処理装置として機能する。
設定制御部5331a1は、DHCPサーバ5100から送信されたDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含まれている設定情報を取得すると、取得した設定情報に基づいて通信の設定を行う。通信部5331a2は、設定制御部5331a1による通信の設定に基づいて通信回線により通信を行う。
VM5331aは、DHCPサーバ5100に従って通信の設定を行う場合、スイッチ200aを介してDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ5100に対して送信する。
VM5331aは、送信したDHCP DISCOVERメッセージ等の応答としてDHCPサーバ5100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、VM5331aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、デフォルトルータ等の、VM5331aが属する拠点80aに適したDHCPの設定を行う。
拠点80aに配置されている情報処理装置5300aで動作しているVM5331aが、ライブマイグレーションにより拠点80eに配置されている情報処理装置5300eに移動した場合、後述するようにDHCP REQUESTメッセージを送信する。また、このときVM5331aは、網構成サーバ5600に、拠点80eの情報処理装置5300eに移動した旨を通知する。網構成サーバ5600は、VM5331aからの通知に基づいて、構成情報にVM5331aの移動を反映させた更新を行う。DHCPサーバ5100は、情報処理装置5300e上のVM5331aからのDHCP REQUESTメッセージに応じてVM5331aの特定情報を含む位置要求を網構成サーバ5600に送信する。ここで、網構成サーバ5600の構成情報には、VM5331aの特定情報と、VM5331aが現在位置する拠点80eが対応付けられているものとする。網構成サーバ5600は、DHCPサーバ5100からの位置要求を受信すると、構成情報を参照して、位置要求に含まれている特定情報と対応する識別情報(“拠点80e”を示す)を含む位置応答をDHCPサーバ5100に送信する。DHCPサーバ5100は、網構成サーバ5600により送信された識別情報を含む位置応答を受信すると、識別情報に基づいて、拠点80eに適した設定情報を含むDHCP ACKメッセージを情報処理装置5300e上のVM5331aに送信する。これにより、ライブマイグレーション後に情報処理装置5300eに移動したVM5331aは、拠点80eに対応した設定情報を取得でき、拠点80eに適したDHCPの設定を行うことができる。
第7の実施の形態では、DHCPサーバ5100がVM5331aからのDHCP DISCOVERメッセージを受信すると、網構成サーバ5600にVM5331aの特定情報を含めた位置要求を送信する。網構成サーバ5600が位置要求を受信すると、構成情報を参照し、DHCPサーバ5100に対して位置応答に、特定情報に対応する識別情報を含めて送信する。これにより、DHCPサーバ5100は、網構成サーバ5600から送信された位置応答に含まれている識別情報からVM5331aが属している拠点80aを特定できる。
これに従って、DHCPサーバ5100は、識別情報に基づいてVM5331aが属している拠点80aに適した設定を示す設定情報をDHCP OFFERメッセージ等に含めてVM5331aに対して送信することができる。
また、VM5331aは、DHCPサーバ5100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、VM5331aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、VM5331aが属する拠点80aに適した通信の設定を行うことができる。
なお、網構成サーバ5600は、第2の実施の形態における図3に示したDHCPサーバ100と同様のハードウェア構成で実現できる。
また、第7の実施の形態では、DHCPサーバ5100および網構成サーバ5600は、それぞれ個別に配置されているが、これに限らず、同一のサーバにより実現してもよい。
図38は、第7の実施の形態の構成テーブルを示す図である。図38に示す構成テーブル5651aは、網構成サーバ5600が有する構成情報記憶部5651に記憶されている。構成テーブル5651aは、VM5331a等に関する構成情報を記憶するテーブルである。構成情報は、網構成サーバ5600において、VM5331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等を受信したDHCPサーバ5100の要求に対するVM5331a等の識別情報の応答に使用される。構成情報は、通信システム内で動作している各VMの情報を示し、VMの動作開始またはライブマイグレーション等による移動の都度、網構成サーバ5600により更新される。
構成テーブル5651aには、項目として“MACアドレス”、“ユーザ”、“物理マシン”、“VM種別”、“識別情報”が設けられている。構成テーブル5651aにおいて、各項目の横方向に並べられた情報同士が構成情報として互いに関連付けられている。
サブネットは、構成情報が適用されるネットワークのサブネットアドレスを示す。
MACアドレスは、通信システム内のVMのvNICのMACアドレスを示す。DHCPサーバ5100は、VMのMACアドレスによって要求の対象であるVMを特定し、網構成サーバ5600にVMの位置を要求する位置要求を送信する。網構成サーバ5600は、構成情報を参照し、要求で示されたMACアドレスに基づいて要求の対象であるVMの識別情報をDHCPサーバ5100に応答する。
ユーザは、MACアドレスによって示されたVMのユーザを示す。
物理マシンは、MACアドレスによって示されたVMが現在動作している情報処理装置(例えば、情報処理装置5100a,5100e等)を示す。
VM種別は、MACアドレスによって示されたVMのOSの種類を示す。
識別情報は、MACアドレスによって示されたVMの位置に対応する識別情報を示す。すなわち、構成情報は、MACアドレスによって示されたVMと通信システム内におけるVMの位置を示す識別情報とを対応付ける。ここでは、識別情報によって示された位置は、通信システム内のVMが動作する情報処理装置が属する拠点に基づいて設定されている。
図39は、第7の実施の形態の通信システムにおけるVMの起動時の動作を示すシーケンス図である。ここでは、ホストであり、情報処理装置5300a上で動作しているVM5331aは、例えば、自己の起動時にDHCPによる設定を再取得すべく、DHCP DISCOVERメッセージを送信するものとする。また、VM5331aからブロードキャストで送信されたDHCP DISCOVERメッセージが、エッジ装置5400a,5400cを介してDHCPサーバ5100に到達するものとする。また、エッジ装置5400a,5400c間は、インターネット60上をOTVによりレイヤ3パケットでカプセル化された状態で転送されるものとする。また、DHCPサーバ5100には、通信システムの管理者等により、ホストの位置に応じたデフォルトルータ等の設定を示す設定情報が予め設定情報記憶部5151に設定されているものとする。
以下に、図39に従ってVM5331aからDHCP DISCOVERメッセージが送信された場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS611]VM5331aは、DHCP DISCOVERメッセージを、ブロードキャストで送信する。
[ステップS612]エッジ装置5400aは、VM5331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージについてEoIPのカプセル化を行う。
[ステップS613]エッジ装置5400aは、ステップS612においてカプセル化したDHCP DISCOVERメッセージをOTVにより転送する。
[ステップS614]エッジ装置5400cは、EoIPでカプセル化されるとともにOTVにより転送されたDHCP DISCOVERメッセージをデカプセル化する。
[ステップS615]エッジ装置5400cは、ステップS614においてデカプセル化したDHCP DISCOVERメッセージを転送する。
[ステップS616]DHCPサーバ5100は、ステップS615においてエッジ装置5400cから送信されたDHCP DISCOVERメッセージに含まれているVM5331aのMACアドレスを抽出する。DHCPサーバ5100は、抽出したVM5331aのMACアドレスを含む位置要求を網構成サーバ5600に転送する。
[ステップS617]網構成サーバ5600は、ステップS616においてDHCPサーバ5100から送信された位置要求を受信すると、構成情報を参照する。網構成サーバ5600は、位置要求および構成情報に基づいて、ステップS616においてDHCPサーバ5100から送信された位置要求に含まれているVM5331aのMACアドレスに対応する識別情報を選択する。
[ステップS618]網構成サーバ5600は、ステップS617で選択した識別情報を含む位置応答をDHCPサーバ5100に送信する。
[ステップS619]DHCPサーバ5100は、ステップS618においてエッジ装置5400cから送信された位置要求に含まれているVM5331aの識別情報に基づき、VM5331aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ5100は、DHCP DISCOVERメッセージを送信したVM5331aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ5100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP OFFERメッセージを生成する。その後の処理は、第2の実施の形態の通信システムと同様であり、説明を省略する。
図40および図41は、第7の実施の形態の通信システムにおけるVMのライブマイグレーション時の動作を示すシーケンス図である。ここでは、情報処理装置5300a上で動作していたVM5331aが、ライブマイグレーションにより情報処理装置5300eに移動するものとする。また、さらに情報処理装置5300e上のVM5331aにおいてDHCPの設定の有効期限の管理のためにDHCPの再設定が行われるものとする。このときVM5331aは、DHCPサーバ5100に対してまたはブロードキャストでDHCP REQUESTメッセージを送信するものとする。VM5331aから送信されたDHCP REQUESTメッセージは、エッジ装置5400e,5400cを介してDHCPサーバ5100に到達するものとする。また、エッジ装置5400e,5400c間は、インターネット60上をOTVによりレイヤ3パケットでカプセル化された状態で転送されるものとする。
以下に、図40および図41に従ってVM5331aがライブマイグレーションにより移動した後、DHCPの設定を再取得する場合の通信システムの動作の手順を説明する。
[ステップS621]情報処理装置5300eは、情報処理装置5300aから転送されたOSメモリイメージを使用してVM5331aの動作を再開する。
[ステップS622]VM5331aは、Gratuitous ARPをブロードキャストで送信する。
[ステップS623]エッジ装置5400aは、ステップS622においてVM5331aから送信されたGratuitous ARPを受信すると、VM5331aを学習テーブルに登録する更新を行う。
[ステップS624]VM5331aは、DHCPの設定の有効期限に関する所定の時間が経過すると、DHCP REQUESTメッセージを、DHCPサーバ5100に対してまたはブロードキャストで送信する。ここで、VM5331aは、DHCPの設定の有効期限の管理に関して、DHCP Renewingに基づく場合には、DHCP REQUESTメッセージをDHCPサーバ5100に対して送信する。一方、VM5331aは、DHCP Rebindingに基づく場合には、DHCP REQUESTメッセージをDHCPサーバ5100に対してブロードキャストする。
[ステップS631]エッジ装置5400eは、ステップS624においてVM5331aから送信されたDHCP REQUESTメッセージについてEoIPのカプセル化を行う。
[ステップS632]エッジ装置5400eは、ステップS631においてカプセル化したDHCP REQUESTメッセージをOTVにより転送する。
[ステップS633]エッジ装置5400cは、EoIPでカプセル化されるとともにOTVにより転送されたDHCP REQUESTメッセージをデカプセル化する。
[ステップS634]エッジ装置5400cは、ステップS633においてデカプセル化したDHCP REQUESTメッセージを転送する。
[ステップS635]DHCPサーバ5100は、ステップS634においてエッジ装置5400cから送信されたDHCP REQUESTメッセージに含まれているVM5331aのMACアドレスを抽出する。DHCPサーバ5100は、抽出したVM5331aのMACアドレスを含む位置要求を網構成サーバ5600に転送する。
[ステップS636]網構成サーバ5600は、ステップS635においてDHCPサーバ5100から送信された位置要求を受信すると、構成情報を参照する。網構成サーバ5600は、位置要求および構成情報に基づいて、ステップS635においてDHCPサーバ5100から送信された位置要求に含まれているVM5331aのMACアドレスに対応する識別情報を選択する。
[ステップS637]網構成サーバ5600は、ステップS636で選択した識別情報を含む位置応答をDHCPサーバ5100に送信する。
[ステップS638]DHCPサーバ5100は、ステップS637においてエッジ装置5400cから送信された位置要求に含まれているVM5331aの識別情報に基づき、VM5331aの位置に応じた設定情報を選択する。また、DHCPサーバ5100は、DHCP REQUESTメッセージを送信したVM5331aに割り当てるIPアドレスを決定する。DHCPサーバ5100は、選択した設定情報および割り当てを提案するIPアドレスを含むDHCP ACKメッセージを生成する。その後の処理は、DHCPサーバ5100によって生成されたDHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージが通信システムを介して情報処理装置5300a上のVM5331aに送信される。DHCPの設定を含むDHCP ACKメッセージを受信したVM5331aは、DHCPサーバ5100から継続を提案されたIPアドレスまたは割り当てを提案されたIPアドレスを自己のIPアドレスに設定する。また、VM5331aは、DHCPサーバ5100から送信された設定情報に基づいて自己の通信の設定を行う。
これにより、VM5331aでは、ライブマイグレーション後におけるDHCPの設定の有効期限のDHCP RenewingまたはDHCP Rebindingの管理に基づきDHCP REQUESTメッセージが送信されることで、DHCPの設定が更新される。これにより、VM5331aのライブマイグレーション後の位置に応じてDHCPの設定が更新される。
なお、第7の実施の形態のVM5331aでは、ライブマイグレーション後においてDHCPの有効期限の管理に基づくDHCP REQUESTメッセージによりDHCPの設定の更新を行う。しかし、これに限らず、VM5331aは、DHCP RELEASEメッセージをDHCPサーバ5100に送信してDHCPの設定をリリース(解放)する。そして、VM5331aは、再度DHCP DISCOVERメッセージをDHCPサーバ5100に送信することで、VM5331aの位置に応じたDHCPの設定を要求してもよい。
また、第7の実施の形態では、VM5331aでライブマイグレーションが行われた場合における移動先の位置に適したDHCPの設定の動作について説明している。しかし、これに限らず、第7の実施の形態の通信システムは、クイックマイグレーションやフェールオーバ等のその他のVM5331aの動作する情報処理装置の移動についても適用可能である。
また、第7の実施の形態では、VM5331aとDHCPサーバ5100とが別の拠点に属しているが、これに限らず、同一の拠点に属してもよい。また、DHCPサーバ5100は、各拠点とは異なるネットワークに属してもよい。
以上のような第7の実施の形態の通信システムは、VM5331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等を受信したDHCPサーバ5100が網構成サーバ5600に位置要求を送信する。DHCPサーバ5100からの位置要求を受信した網構成サーバ5600が識別情報を含む位置応答をDHCPサーバ5100に送信する。これにより第2の実施の形態と同様の効果を有する。
また、管理者が通信システムにおけるホストの位置とDHCPの設定との対応関係を手動で変更したい場合、スイッチ等の物理的な位置やスイッチが有する識別情報を変更しなくてもよく、網構成サーバ5600の構成情報を修正等することで変更が可能になる。すなわち、通信システムのホストのDHCPの設定の管理が容易になる。
[第8の実施の形態]
次に、第8の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との差異を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第8の実施の形態の通信システムは、複数のネットワークが複数のルータで接続されているものとする。この場合にVMがDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを送信すると、VMに直接接続されているスイッチがVMの位置を示す識別情報を含めてDHCPサーバに転送する。DHCPサーバは、スイッチにより転送されたVMからのDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを受信すると、識別情報によって示されたVMの位置に応じたDHCPの設定を示す設定情報を含むメッセージをVMに送信する。VMは、受信したメッセージに含まれている設定情報に基づいてDHCPの設定を行う点で、第2の実施の形態と異なる。
図42は、第8の実施の形態の通信システムを示すブロック図である。ここで、第8の実施の形態ではホストがVMである場合において動作を開始するときおよびライブマイグレーション等による移動が生じるときについて説明するが、ホストが物理マシンである場合において、物理マシンが動作を開始するときも同様である。
第8の実施の形態の通信システムは、DHCPサーバ6100、スイッチ6200b、情報処理装置6300a,6300k、ルータ6400a,6400gを有する。ここで、後述するようにスイッチ6200b、情報処理装置6300aは拠点6000aに属する。また、情報処理装置6300aとスイッチ6200bとは、他のスイッチを介さずに直接接続されている。また、ルータ6400aは、情報処理装置6300aと接続可能である。また、ルータ6400gは、情報処理装置6300aと接続可能であるが、接続時の経路長がルータ6400aと比較して長いものとする。経路長は、通信回線の物理的な長さや論理的な長さ、実測に基づく伝達時間、介在する機器の処理時間、ホップ数(number of hops)等、必要に応じて定義することができる。情報処理装置6300kは、後述するように、情報処理装置6300aとは異なるネットワークであって、ルータ6400a,6400d,6400gのいずれによっても接続可能なネットワークである拠点6000bに属するものとする。
DHCPサーバ6100は、VM6331aに対して設定情報をDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含めて送信することでVM6331a等の他の装置の通信の設定を行う。DHCPサーバ6100は、設定情報設定部6121、通信部6122、設定情報記憶部6151を有する。
識別情報を含むDHCP DISCOVERメッセージやDHCP REQUESTメッセージを通信部6122が受信したものとする。ここで、DHCP REQUESTメッセージは、DHCP Renewing時およびDHCP Rebinding時のDHCP REQUESTメッセージであるものとする。この場合、設定情報設定部6121は、識別情報に対応する設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM6331aに対して通信部6122に送信させる。また、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれている識別情報が、設定情報の識別情報のいずれとも一致しないものとする。この場合、設定情報設定部6121は、所定の設定を示す設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等をVM6331aに対して通信部6122に送信させる。DHCP DISCOVERメッセージ等は、設定情報要求として機能する。設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等は、設定情報応答として機能する。
設定情報記憶部6151は、識別情報と対応付けられているネットワークに対応する設定を示す設定情報を記憶する。設定情報は、VM6331aの位置に応じたDHCPの設定を示す。ここで、VM6331aの位置は、動作する物理マシンのネットワークにおけるトポロジー的な位置であり、接続関係を意味する。設定情報は、ネットワークに対応するデフォルトルータに設定される通信装置を示す情報を含む。通信部6122は、通信回線で他の装置と通信する。設定情報は、例えば、VM6331a等の通信システム内のホストのデフォルトルータに設定される装置(例えば、ルータ6400a)のIPアドレスであってもよい。また、設定情報は、通信システム内のホストのDNSサーバ、NTPサーバ、PROXYサーバのIPアドレス、DNSドメイン名であってもよい。
スイッチ6200bは、識別情報設定部6221、通信部6222、識別情報記憶部6251を有する。通信部6222は、通信回線で他の装置と通信する。
VM6331aから送信されたDHCP DISCOVERメッセージ等を通信部6222が受信したものとする。この場合、識別情報設定部6221は、通信部6222によって受信されたDHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報を含める。そして識別情報設定部6221は、識別情報を含めたDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ6100に対して通信部6222に送信させる。識別情報設定部6221は、転送の際、DHCP DISCOVERメッセージおよびDHCP REQUESTメッセージに既に他の装置により識別情報が含まれている場合には、自装置において識別情報を含めなくてもよい。他の装置により既に含まれている識別情報に自装置の識別情報を上書きすれば、VM6331aの位置が不明になってしまうからである。また、自装置とVM6331aとの間に識別情報を含める他の装置が存在しており、VM6331aと直接接続していない場合に識別情報を追加して含めても、自装置の識別情報はVM6331aの位置を示すことができず、不要だからである。
識別情報記憶部6251は、VM6331aが属する位置を示す識別情報を記憶する。識別情報は、スイッチ6200bを通信システムにおいて一意に特定可能な情報としてもよい。
VM6331aは、物理マシンである情報処理装置6300a上で動作する仮想マシンである。VM6331aは、設定制御部6331a1、通信部6331a2を有する。VM6331aは、情報処理装置として機能する。
設定制御部6331a1は、DHCPサーバ6100から送信されたDHCP OFFERメッセージやDHCP ACKメッセージに含まれている設定情報を取得すると、取得した設定情報に基づいて通信の設定を行う。通信部6331a2は、設定制御部6331a1による通信の設定に基づいて通信回線により通信を行う。
VM6331aは、DHCPサーバ6100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、VM6331aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、デフォルトルータ等の、VM6331aの位置に適したDHCPの設定を行う。
VM6331aは、DHCPサーバ6100に従って通信の設定を行う場合、スイッチ6200bを介してDHCP DISCOVERメッセージ等をDHCPサーバ6100に対して送信する。
ここで、VM6331aが、ルータ6400a,6400d,6400gのいずれによっても接続可能なネットワークに配置されている情報処理装置6300k上で動作するVM6331kに対してデフォルトルータを介してデータを送信するものとする。このときVM6331aは、ユーザデータのパケットを送信する場合、ルータ6400a,6400dをデフォルトルータとして送信することができるものとする。この場合、VM6331aは、ルータ6400a,6400dのいずれをデフォルトルータとしてVM6331kにパケットを送信するかが問題となる。このように、いかにしてVM6331aが属するネットワークに適した通信の設定を行うかが問題となる場合がある。
例えば、通信システムが大規模である場合や通信システム内に大量のデータが通信される場合である。このような場合、VM6331aについてルータ6400a,6400dのうちVM6331aからの経路長が短いものをデフォルトルータに設定できれば、トラフィックの効率化を図ることができる。これにより、通信システム内の遅延や輻輳の発生を防止することができる。このように、VM6331aがルータ6400a,6400dのうちのいずれを介して通信を行うかにより遅延の発生の有無や通信システムの負荷が変化する場合がある。
これに対して、第8の実施の形態では、VM6331aと他のスイッチを介さずに直接接続されているスイッチ6300bが、VM6331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等に対してスイッチ6300bを特定可能な識別情報を含めて転送する。これにより、DHCPサーバ6100は、VM6331aからのDHCP DISCOVERメッセージ等を受信すると、DHCP DISCOVERメッセージ等に含まれている識別情報からVM6331aの位置を、スイッチ6300bに基づいて特定できる。
これに従って、DHCPサーバ6100は、識別情報に基づいてスイッチ6300bと直接接続されているホストに適した設定を示す設定情報をDHCP OFFERメッセージ等に含めてVM6331aに対して送信することができる。
また、VM6331aは、DHCPサーバ6100から送信された設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等を受信したものとする。この場合、VM6331aは、設定情報を含むDHCP OFFERメッセージ等に含まれている設定情報により、VM6331aがスイッチ6300bと直接接続されているホストに適した通信の設定を行うことができる。
図43は、第8の実施の形態の通信システムを示す図である。第8の実施の形態の通信システムは、クラウドコンピューティングのサービスのデータを記憶するとともに処理を実行するデータセンタにおいて、ユーザAのサービスを提供する拠点6000a、ユーザBのサービスを提供する拠点6000bが設けられている。拠点6000aは、スイッチ6200a,6200b,6200c,6200d,6200e,6200f,6200g,6200h,6200i、情報処理装置6300b,6300c,6300e,6300f,6300h,6300iを有する。拠点6000bは、スイッチ6200j,6200k,6200l,6200m,6200n,6200o,6200p,6200q,6200r、情報処理装置6300kを有する。また、拠点6000a,6000bは、ルータ6400a,6400d,6400gで接続されており、エキストラネットとして互いに接続可能である。
拠点6000aのスイッチ6200aは、ルータ6400a、スイッチ6200b,6200cと接続されている。スイッチ6200bは、スイッチ6200a、情報処理装置6300bと接続されている。スイッチ6200cは、スイッチ6200a、情報処理装置6300cと接続されている。スイッチ6200dは、ルータ6400d、スイッチ6200e,6200fと接続されている。スイッチ6200eは、スイッチ6200d、情報処理装置6300eと接続されている。スイッチ6200fは、スイッチ6200d、情報処理装置6300fと接続されている。スイッチ6200gは、ルータ6400g、スイッチ6200h,6200iと接続されている。スイッチ6200hは、スイッチ6200g、情報処理装置6300hと接続されている。スイッチ6200iは、スイッチ6200g、情報処理装置6300iと接続されている。
拠点6000bのスイッチ6200jは、ルータ6400a、スイッチ6200k,6200lと接続されている。スイッチ6200kは、スイッチ6200j、情報処理装置6300kと接続されている。スイッチ6200mは、ルータ6400d、スイッチ6200n,6200oと接続されている。スイッチ6200pは、ルータ6400g、スイッチ6200q,6200rと接続されている。
ルータ6400aは、スイッチ6200a,6200jと接続されている。ルータ6400dは、スイッチ6200d,6200mと接続されている。ルータ6400gは、スイッチ6200g,6200pと接続されている。また、ルータ6400gには、DHCPサーバ6100が接続されている。ルータ6400gは、拠点6000a,6000bの各情報処理装置からのDHCPメッセージをDHCPリレーエージェントによりDHCPサーバ6100に転送する。これにより、拠点6000a,6000b内のDHCPの設定がDHCPサーバ6100により行われる。なお、これに限らず、DHCPサーバ6100を、拠点6000a,6000bのいずれかの内部に配置してもよい。
拠点6000a,6000bは、それぞれ内部の各ノードをLANで接続したネットワークである。拠点6000aには、サブネットアドレスが設定されている。拠点6000bには、拠点6000aと異なるサブネットアドレスが設定されている。
情報処理装置6300b,6300c,6300e,6300f,6300h,6300iは、VM6331aが動作可能な物理マシンである。VM6331aは、ユーザAが契約した仮想マシンであり、ユーザAに対するサービスの処理を行う。情報処理装置6300kは、VM6331kが動作可能な物理マシンである。VM6331kは、ユーザBが契約した仮想マシンである。
ルータ6400aとの経路長が短いスイッチ6200b,6200cには、識別情報として“1”が設定されている。従って、スイッチ6200bと直接接続されている情報処理装置6300b上で動作するVMからのDHCP DISCOVERメッセージ等には、スイッチ6200bにより、識別情報“1”が含められて転送される。同様に、スイッチ6200cと直接接続されている情報処理装置6300c上で動作するVMからのDHCP DISCOVERメッセージ等には、スイッチ6200cにより、識別情報“1”が含められて転送される。また、DHCPサーバ6100の設定情報には、識別情報“1”と、「デフォルトルータをルータ6400aに設定する」旨とが対応付けられているものとする。これにより、情報処理装置6300a,6300c上で動作するVMには、ルータ6400aがデフォルトルータに設定されるようにすることができる。
ルータ6400dとの経路長が短いスイッチ6200e,6200fには、識別情報として“2”が設定されているものとする。従って、スイッチ6200eと直接接続されている情報処理装置6300e上で動作するVMからのDHCP DISCOVERメッセージ等には、スイッチ6200eにより、識別情報“2”が含められて転送される。同様に、スイッチ6200fと直接接続されている情報処理装置6300f上で動作するVMからのDHCP DISCOVERメッセージ等には、スイッチ6200fにより、識別情報“2”が含められて転送される。また、DHCPサーバ6100の設定情報には、識別情報“2”と、「デフォルトルータをルータ6400dに設定する」旨とが対応付けられているものとする。これにより、情報処理装置6300e,6300f上で動作するVMには、ルータ6400dがデフォルトルータに設定されるようにすることができる。
ルータ6400gとの経路長が短いスイッチ6200h,6200iには、識別情報として“3”が設定されているものとする。従って、スイッチ6200hと直接接続されている情報処理装置6300h上で動作するVMからのDHCP DISCOVERメッセージ等には、スイッチ6200hにより、識別情報“3”が含められて転送される。同様に、スイッチ6200iと直接接続されている情報処理装置6300i上で動作するVMからのDHCP DISCOVERメッセージ等には、スイッチ6200iにより、識別情報“3”が含められて転送される。また、DHCPサーバ6100の設定情報には、識別情報“3”と、「デフォルトルータをルータ6400gに設定する」旨とが対応付けられているものとする。これにより、情報処理装置6300h,6300i上で動作するVMには、ルータ6400gがデフォルトルータに設定されるようにすることができる。
ここで、情報処理装置6300b上で動作するVM6331a(ホスト)から情報処理装置6300k上で動作するVM6331kに通信を行う場合、DHCPサーバ6100から設定されたデフォルトルータが、ルータ6400gであるものとする。このとき、情報処理装置6300bのVM6331aから情報処理装置6300kのVM6331kへの通信は、ルータ6400gを経由する(図43の点線)ことにより、多くのスイッチを介することで、無駄な遅延が発生することになる。また、DHCPサーバ6100がホストのデフォルトルータをすべてルータ6400gに設定した場合、トラフィックがルータ6400gに集中することで輻輳が発生し易くなる。
そこで、第8の実施の形態では、ホストと直接接続されている各スイッチ(拠点6000aの場合、スイッチ6200b,6200c,6200e,6200f,6200h,6200i)に識別情報を設定する。そして、スイッチ6200b,6200c,6200e,6200f,6200h,6200iは、ホストが送信するDHCP DISCOVERメッセージ等に識別情報を含めて転送する。識別情報が含められたDHCP DISCOVERメッセージ等を受信したDHCPサーバ6100は、ホストに対して識別情報に基づきホストの位置(ホストと直接接続されているスイッチ)に対応したDHCPの設定を行う。
識別情報は、例えば、スイッチ6200b,6200c,6200e,6200f,6200h,6200iのそれぞれに対して予めネットワークの管理者がルータ6400a,6400d,6400gとのトポロジー的な距離を考慮して、静的に設定してもよい。また、ネットワークを管理するサーバのようなものを使用し、ネットワークのトポロジーに応じて自動的に設定するようにしてもよい。
これらにより、情報処理装置6300bに対して、DHCPサーバ6100により最寄りのルータ6400aをデフォルトルータに設定する等、DHCPの設定をホストの位置に対応させることが可能となり、ネットワークの負荷の増加を抑制することができる。
なお、第8の実施の形態では、VM6331aとDHCPサーバ6100とがルータ6400gにより接続された他のネットワークに属しているが、これに限らず、拠点6000aや拠点6000bに属してもよい。
以上のような第8の実施の形態の通信システムは、以下の効果を有する。ネットワークに単一のサブネットアドレスが設定されているとともに、ネットワークの構成が複雑であったり大規模であったりする等によりネットワーク内におけるVM6331aの位置の把握が困難であるものとする。このような場合に、DHCPサーバ6100が、スイッチ6200bで含めて転送される識別情報に基づいて、拠点6000aにおけるVM6331aの位置を判断できる。これにより、DHCPサーバ6100がVM6331aの位置に応じて適切なDHCPの設定を行うことができる。従って、通信システムの遅延の発生や負荷を抑制できる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、DHCPサーバ100,1100,2100,3100,4100,5100,6100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
以上の第1の実施の形態〜第8の実施の形態を含む実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)他ネットワークと複数の接続装置によって接続されるネットワークにおいて、端末が、通信設定サーバに対する設定要求の応答である設定応答に基づいて接続装置の設定を行う通信設定方法であって、
前記通信設定サーバが、前記端末の位置に関する端末位置情報を含む前記設定要求を受信し、
前記通信設定サーバが、受信した前記端末位置情報に基づいて前記複数の接続装置の1つを選択し、選択した該接続装置を識別する接続装置識別情報を含む設定応答を前記端末に送信し、
前記端末は、前記設定応答を受信し、
前記端末は、受信した前記設定応答に含まれる前記接続装置識別情報に基づいて、該端末の接続装置を設定する、
ことを特徴とする通信設定方法。
(付記2)前記通信設定サーバが受信する前記設定要求に含まれる前記端末位置情報は、前記端末と前記通信設定サーバとの間の通信を中継する中継装置が、前記設定要求に含ませる、
ことを特徴とする付記1記載の通信設定方法。
(付記3)前記通信設定サーバが受信する前記設定要求に含まれる前記端末位置情報は、前記端末が、該端末と前記通信設定サーバとの間の通信を中継する中継装置に問い合わせることによって、前記設定要求に含ませる、
ことを特徴とする付記1記載の通信設定方法。
(付記4)前記ネットワークは、複数の部分ネットワークを有し、該複数の部分ネットワークがそれぞれ前記接続装置を備える、
ことを特徴とする付記1記載の通信設定方法。
(付記5)前記通信設定サーバはDHCPサーバであり、前記接続装置はゲートウェイである、
ことを特徴とする付記1記載の通信設定方法。
(付記6)他ネットワークと複数の接続装置によって接続されるネットワークにおいて、端末が、通信設定サーバに対する設定要求の応答である設定応答に基づいて接続装置の設定を行う通信設定方法であって、
前記通信設定サーバが、前記設定要求を受信し、
前記通信設定サーバが、前記設定要求に基づいて、前記端末の位置に関する端末位置情報をネットワーク管理サーバに要求し、
前記通信設定サーバが、前記ネットワーク管理サーバから受信した前記端末位置情報に基づいて前記複数の接続装置の1つを選択し、選択した該接続装置を識別する接続装置識別情報を含む設定応答を前記端末に送信し、
前記端末は、前記設定応答を受信し、
前記端末は、受信した前記設定応答に含まれる前記接続装置識別情報に基づいて、該端末の接続装置を設定する、
ことを特徴とする通信設定方法。
(付記7)他ネットワークと複数の接続装置によって接続されるネットワークにおいて、該ネットワークに接続されたホスト上の仮想端末が、通信設定サーバに対する設定要求の応答である設定応答に基づいて接続装置の設定を行う通信設定方法であって、
前記通信設定サーバが、前記仮想端末の位置に関する端末位置情報を含む前記設定要求を受信し、
前記通信設定サーバが、受信した前記端末位置情報に基づいて前記複数の接続装置の1つを選択し、選択した該接続装置を識別する接続装置識別情報を含む設定応答を前記仮想端末に送信し、
前記ホストは、前記端末に、前記設定応答を受信させ、
前記ホストは、前記端末に、受信した前記設定応答に含まれる前記接続装置識別情報に基づいて、該端末の接続装置を設定させる、
ことを特徴とする通信設定方法。
(付記8)他ネットワークと複数の接続装置によって接続されるネットワークにおいて、端末が、通信設定サーバに対する設定要求の応答である設定応答に基づいて接続装置の設定を行うための前記通信設定サーバであって、
前記端末の位置に関する端末位置情報を含む前記設定要求を受信する受信部と、
受信した前記端末位置情報に基づいて前記複数の接続装置の1つを選択し、選択した該接続装置を識別する接続装置識別情報を含む設定応答を前記端末に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする通信設定サーバ。
(付記9)他ネットワークと複数の接続装置によって接続されるネットワークにおいて、端末が、通信設定サーバに対する設定要求の応答である設定応答に基づいて接続装置の設定を行う際に、前記端末と前記通信設定サーバとの間の通信を中継する中継装置であって、
前記端末から前記通信設定サーバへの前記設定要求を受信する受信部と、
受信した前記設定要求に、前記端末の位置に関する端末位置情報を含ませて前記通信設定サーバへ送信する送信部と、
を備えることを特徴とする中継装置。
(付記10)他ネットワークと複数の接続装置によって接続されるネットワークにおいて、端末が、通信設定サーバに対する設定要求の応答である設定応答に基づいて接続装置の設定を行うための通信設定プログラムであって、
前記端末の位置に関する端末位置情報を含む前記設定要求を受信し、
受信した前記端末位置情報に基づいて前記複数の接続装置の1つを選択し、選択した該接続装置を識別する接続装置識別情報を含む設定応答を前記端末に送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする通信設定プログラム。
(付記11) サーバから送信された設定情報に基づいて情報処理装置の通信の設定を行う通信設定方法であって、
中継装置が、情報処理装置から送信された設定情報要求を受信すると、前記受信した設定情報要求に同一のサブネットアドレスを有する複数のネットワークのうち前記情報処理装置が属するネットワークを示す識別情報を含め、前記識別情報を含めた設定情報要求をサーバに対して送信し、
前記サーバが、前記識別情報を含む設定情報要求を受信すると、前記識別情報によって示されたネットワークに対応する設定を示す設定情報に基づいて、前記識別情報に対応する設定情報を含む設定情報応答を前記情報処理装置に対して送信する、
ことを特徴とする通信設定方法。
(付記12) 前記情報処理装置は、第1のネットワークに配置されている第1の物理マシンおよび前記第1のネットワークと異なる第2のネットワークに配置されている第2の物理マシンで動作可能であるとともに、動作する物理マシンを移動可能である仮想マシンであり、
前記第1の物理マシンで動作していた前記情報処理装置が前記第2の物理マシンに移動した場合、前記情報処理装置が、前記第2の物理マシンで動作して前記設定情報要求を送信し、
前記第2のネットワークに配置されている中継装置が、前記情報処理装置から送信された設定情報要求を受信すると、前記受信した設定情報要求に前記第2のネットワークを示す識別情報を含め、前記識別情報を含めた設定情報要求を前記サーバに対して送信し、
前記サーバが、前記識別情報を含む設定情報要求を受信すると、前記設定情報に基づいて、前記識別情報によって示された前記第2のネットワークに対応する設定情報を含む設定情報応答を前記情報処理装置に対して送信する、
ことを特徴とする付記11記載の通信設定方法。
(付記13) 前記情報処理装置が属するネットワークは、各ノードが物理回線で接続されているとともに、他の前記ネットワークとの間を仮想回線で接続可能であることを特徴とする付記11記載の通信設定方法。
(付記14) 前記中継装置は、前記仮想回線を設定することを特徴とする付記13記載の通信設定方法。
(付記15) 前記識別情報は、前記中継装置に基づいて前記ネットワークを特定可能であることを特徴とする付記11記載の通信設定方法。
(付記16) 前記設定情報は、前記情報処理装置に対して、前記ネットワークに対応するデフォルトルータに設定可能な通信装置を示す情報を含むことを特徴とする付記11記載の通信設定方法。
(付記17) 前記サーバは、前記設定情報要求に含まれている識別情報が前記設定情報の識別情報のいずれとも一致しない場合には、前記設定情報に基づいて、前記サーバが属するネットワークに対応する設定を示す設定情報を含む設定情報応答を前記情報処理装置に対して送信することを特徴とする付記11記載の通信設定方法。
(付記18) サーバから送信された設定情報に基づいて情報処理装置の通信の設定を行う通信設定方法であって、
中継装置が、情報処理装置から送信された設定情報要求を受信すると、前記受信した設定情報要求に前記情報処理装置が属するネットワーク内における位置を示す識別情報を含め、前記識別情報を含めた設定情報要求をサーバに対して送信し、
前記サーバが、前記識別情報を含む設定情報要求を受信すると、前記識別情報によって示された位置に対応する設定を示す設定情報に基づいて、前記識別情報に対応する設定情報を含む設定情報応答を前記情報処理装置に対して送信する、
ことを特徴とする通信設定方法。
(付記19) 前記識別情報は、前記中継装置に基づいて前記ネットワーク内における位置を特定可能であることを特徴とする付記18記載の通信設定方法。
(付記20) 前記ネットワークは、前記情報処理装置と基地局とが無線通信で接続可能であり、
前記中継装置が、無線通信により前記基地局を経由して前記情報処理装置から送信された設定情報要求を受信すると、前記ネットワーク内における位置を示す識別情報を含め、前記識別情報を含めた設定情報要求を前記サーバに対して送信する、
ことを特徴とする付記19記載の通信設定方法。
(付記21) サーバから送信された設定情報に基づいて情報処理装置の通信の設定を行う通信設定方法であって、
中継装置が、情報処理装置に対して前記情報処理装置が属するネットワーク内における位置を示す識別情報を送信し、
前記情報処理装置が、前記識別情報を受信すると、前記識別情報を含む前記設定情報要求をサーバに対して送信し、
前記サーバが、前記識別情報を含む設定情報要求を受信すると、前記識別情報によって示された位置に対応する設定を示す設定情報に基づいて、前記識別情報に対応する設定情報を含む設定情報応答を前記情報処理装置に対して送信する、
ことを特徴とする通信設定方法。
(付記22) 前記ネットワークは、前記情報処理装置と前記中継装置とが無線通信で接続可能である、
ことを特徴とする付記18または21に記載の通信設定方法。
(付記23) 前記識別情報は、前記中継装置が属するページンググループを示すページンググループIDであることを特徴とする付記22記載の通信設定方法。
(付記24) 前記情報処理装置は、ハンドオーバによる無線通信で接続する中継装置の切り替えに基づいて、前記設定情報要求を送信することを特徴とする付記20、22、23のうちのいずれか1つに記載の通信設定方法。
(付記25) サーバから送信された設定情報に基づいて情報処理装置の通信の設定を行う通信設定方法であって、
第1のサーバが、情報処理装置から送信された設定情報要求を受信すると、前記情報処理装置を特定可能な特定情報を含む位置要求を第2のサーバに対して送信し、
前記第2のサーバが、前記情報処理装置から送信された位置要求を受信すると、前記受信した位置要求に含まれている特定情報に基づき、前記特定情報と対応付けられた同一のサブネットアドレスを有する複数のネットワークのうち情報処理装置が属するネットワークを示す識別情報を含め、前記識別情報を含めた位置応答を前記第1のサーバに対して送信し、
前記第1のサーバが、前記識別情報を含む位置応答を受信すると、前記識別情報によって示されたネットワークに対応する設定を示す設定情報に基づいて、前記識別情報に対応する設定情報を含む設定情報応答を前記情報処理装置に対して送信する、
ことを特徴とする通信設定方法。
(付記26) サーバから送信された設定情報に基づいて情報処理装置の通信の設定を行う通信システムであって、
中継装置とサーバとを有し、
前記中継装置は、
同一のサブネットアドレスを有する複数のネットワークのうち情報処理装置が属するネットワークを示す識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
通信回線で通信する中継装置通信部と、
前記情報処理装置から送信された設定情報要求を前記中継装置通信部が受信すると、前記中継装置通信部によって受信された設定情報要求に前記識別情報を含め、前記識別情報を含めた設定情報要求を前記サーバに対して前記中継装置通信部に送信させる識別情報設定部と、
を有し、
前記サーバは、
前記識別情報によって示されたネットワークに対応する設定を示す設定情報を記憶する設定情報記憶部と、
通信回線で通信するサーバ通信部と、
前記識別情報を含む設定情報要求を前記サーバ通信部が受信すると、前記識別情報に対応する設定情報を含む設定情報応答を前記情報処理装置に対して前記サーバ通信部に送信させる設定情報設定部と、
を有することを特徴とする通信システム。
(付記27) 設定情報を送信して情報処理装置の通信の設定を行うサーバであって、
同一のサブネットアドレスを有する複数のネットワークについて、情報処理装置が属するネットワークを示す識別情報によって示されたネットワークに対応する設定を示す設定情報を記憶する設定情報記憶部と、
通信回線で通信する通信部と、
前記識別情報を含む設定情報要求を前記通信部が受信すると、前記設定情報に基づいて、前記識別情報に対応する設定情報を含む設定情報応答を前記情報処理装置に対して前記通信部に送信させる設定情報設定部と、
を有することを特徴とするサーバ。
(付記28) 送信された設定情報に基づいて通信の設定を行う情報処理装置とサーバとの通信を中継する中継装置であって、
同一のサブネットアドレスを有する複数のネットワークのうち情報処理装置が属するネットワークを示す識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
通信回線で通信する通信部と、
前記情報処理装置から送信された設定情報要求を前記通信部が受信すると、前記通信部によって受信された設定情報要求に前記識別情報を含め、前記識別情報を含めた設定情報要求を、前記識別情報に対応する設定情報を含む設定情報応答を前記情報処理装置に対して送信するサーバに対して前記通信部に送信させる識別情報設定部と、
を有することを特徴とする中継装置。
(付記29) サーバから送信された設定情報に基づいて通信の設定を行う情報処理装置であって、
通信回線で通信する通信部と、
中継装置から送信される情報処理装置が属するネットワーク内における位置を示す識別情報を受信すると、前記識別情報を含む設定情報要求を、前記識別情報によって示された位置に対応する設定を示す設定情報に基づいて、前記識別情報に対応する設定情報を含む設定情報応答を自装置に対して送信するサーバに対して、前記通信部に送信させる設定制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
(付記30) 設定情報を送信して情報処理装置の通信の設定を行うプログラムであって、
同一のサブネットアドレスを有する複数のネットワークについて、情報処理装置が属するネットワークを示す識別情報を含む設定情報要求を受信すると、前記識別情報によって示されたネットワークに対応する設定を示す設定情報に基づいて、前記識別情報に対応する設定情報を含む設定情報応答を生成し、
前記生成した設定情報応答を前記情報処理装置に対して送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。