JP5725464B1 - 水害時浮上建築物及びその建築方法 - Google Patents

水害時浮上建築物及びその建築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】台風、豪雨や河川氾濫等の水害時に、浸水すること無く水上に浮上する水害時浮上建造物を提供する。【解決手段】床構造の下に浮体2を取付け、建築物1に鉛直下方に伸張するアンカーポール9を内蔵するアンカーポール内蔵柱3を設ける。基礎には側壁20と底面21とを備えた容器形状として浮体2を収納し、アンカーポール9と建築物の土台を構成する土台梁4を基礎に固定する。建築物1が浮上した時、水面からの高さを計測できる水位計40と水平度を調整できる浮力調整装置を設ける。【選択図】図6

Description

本発明は、台風、豪雨や河川氾濫等の水害時に、浸水すること無く水上に浮上する水害時浮上建築物及びその建築方法に関するものである。
河川の近くや低地では、年間に何度か来襲する台風、集中豪雨や河川氾濫等により洪水に見舞われ、例年莫大な人的物的損害を蒙っている。
このような地域では、昔から建築物は周囲の地上レベルから嵩上げした土台の上に建てられている場合もある。この場合、通常の水害時には洪水は土台の上まで達すること無く、建築物は浸水を免れる。
一方、周囲の地上レベルに建築する建築物の洪水対策として、洪水の時などに水上に浮かぶ浮上建築物が先行技術文献に多数提案されている。これらの浮上建築物は浮き部材の上に建築物が設置されており、浮き部材は建築物の地下室であったり、発砲材であったり、台船型浮体などが用いられている。これらの浮上建築物は、一連の伸長可能な支柱等よって基礎等に固定されたりしている。
実公昭57−23606 特開2007−192007 US特許5347949 特許3023991 特許4882093
地上に建設される建築物は、水平度を取った基礎の上に設置され、床面等は必然的に水平になるように建築される。しかし、前記建築物を水上に浮かべた場合、前記のような基礎で支持されていないので、水平度が取れていることは非常にまれである。水害時の浮上建築物を建築する場合は、水上に浮いたときに、浮上建築物の荷重バランスを取り、水平度を確保できるようにする事が非常に重要である。浮上建築物が水上に浮いた時に水平度が確保されていないと、建築物が浮上するときに、基礎に固定されている支柱と浮上建築物側の柱等の摩擦が大きくなり、浮力がこの摩擦に打勝てず浮上する事が出来なくなる。これまでに提案されている浮上建築物には、この点において夫々の難点がある。また、浮上建築物の基礎等への固定が支柱やアンカーポールのみで行われているので、平常時の耐震性にも課題がある。
特許文献1の発明品は、建築物の前後左右の重量が対称でバランスが取れていなければならない。何故ならば、洪水時に水による浮力が働いても、建築物の重量バランスが取れていなければ、建築物が水平に保たれずに傾くため、環体と繋止柱が大きく擦れて浮上しない事が起こる。水平度に関する記載は何も無く、重量バランスを調整する装置も無い。重量バランスが取れていたとしても繋支柱が傾いておれば水上に浮上しないし、浮上しない原因が何処にあるのか原因を確認できない。
特許文献2の発明品は、建築物が基礎に固定されていない為に耐震上の課題があり、一般の建築物では不必要な大きなプール型基礎が必要である。
特許文献3の発明品は、水による浮力が働いた時に、建築物が水平に保たれるかどうかや、実際に浮上するかどうかの確認が出来ないため、洪水時に建築物が浮上するかどうか不明である。
特許文献4の発明品は、建築物の前後左右が対称で重量バランスが取れていなければならず、例えば、水による浮力が働いても、建築物の重量バランスが取れていなければ、建築物が水平に保たれずに傾くため、建築物から案内柱に対してローラを有していたとしても、重量物である建築物の傾きによってはローラと案内柱が強く擦れ、大きな摩擦力により浮上しない事が起こる。また、建築物の重量バランスが取れているかどうかの確認・検証手段が無く、実際に浮上するかどうかも水害が来るまで不明である。
特許文献5については、水に浮かべる前の状態では建築物の水平度が確保されていたとしても、アンカーポールを付けた状態で水に浮かべたときに建築物の前後左右の重量バランスが取れていなければ、建築物が水平に保たれずに傾くため、アンカーポールが強く擦れて水上に浮上しない事が起こる。
また、水面に対する水平度を確認する水位計や浮力調整装置を有しないので、水平度をチェックする事が出来ない。また、水に浮かべたときに水平度が確保されていない場合でも、アンカーポールを付けた状態ではアンカーポール内の摩擦により水平度が確保されるので、アンカーポールが邪魔をして水に浮かべたときの水平度を確認できない。このため、水害時に建築物が水上に浮上するか不明である。さらに、通常の建築物では不必要な大きなプール型基礎が必要である。
水害時に水上に浮上する浮上建築物にとっては、建築物完成時に実際に水に浮かべて建築物の水平度を確認したり、建屋の増改築や家財の大幅な変動時等、任意の時に建築物が水上に確実に浮く事を確認できるようにすることは、非常に重要な特性である。
本発明は、従来技術における問題点を解決すべく発明したものであり、特別な設備や装置を必要とせずに、水上に浮かべた状態で建築物の水平度を確認したり、任意の時に建築物が水上に浮くことを確認でき、アンカーポールや土台梁を基礎に固定して耐震強度を向上させると共に、水害時に確実に浮上できる水害時浮上建築物及びその建築方法を提供するものである。
本発明の第一の水害時浮上建築物は、台風、豪雨や河川氾濫等の水害に対し、床構造の下に水圧で建築物を浮上させる浮体が取付け、建築物の柱のうちの複数本を、管形状でその内部に鉛直下方に伸張するアンカーポールを内蔵するアンカーポール内蔵柱とし、前記建築物の基礎は側壁と底面とを備えた容器形状として前記浮体を容器形状の基礎内に収納し、前記建築物の基礎の側壁の上に水平に設置され土台を構成する土台梁と前記アンカーポールを前記基礎の側壁の上に固定し、前記建築物が浮上した時、水面からの高さを計測できる水位計と前記建築物の水平度を調整できる浮力調整装置を有し、前記建築物は水位が所定以上に上昇した時に浮上し、前記建築物の流水による流動を阻止するように基礎の側壁の上に固定されたアンカーポールを具備している。通常時は、前記建築物はアンカーポールと土台梁を基礎の側壁の上に強固に固定しているので、耐震性にも優れている。土台梁の固定は水害時には容易に外すことが出来るようにしてある。
本発明の水害時浮上建築物は、第一発明の水害時浮上建築物の浮力調整装置、水位計を夫々が出来るだけ離れた位置に3個以上設けることにより、建築物の床面上の水平度を精度よく計測、調整、確保し、水害時にスムースに確実に浮上できるようにしている。
本発明の水害時浮上建築物は、浮力調整装置の水タンクを床構造の下に設置し、水タンクに水を注入放出して浮力を調整し、建築物の水平度を調整できるようにしている。
例えば、水害時浮上建築物の前後左右に浮力調整装置と水位計が取付けられている。浮力調整装置の前後左右の水タンクF,B,L,Rは、夫々のバルブを介してポンプに接続されている。前の水位計が後ろの水位計に対して床面からの指示値が小さければ、前の床面が後ろの床面よりも水面から高い所に位置しているのが判る。前後左右の水タンクF,B,L,Rが最初水で万杯にされている場合、ポンプを稼動して後に水タンクBのバルブを開けて水タンクB内の水を排出して軽くし、浮力を増大して後の床面を持ち上げる。後の水位計と前の水位計の床面からのレベルが同じになったところでBのバルブを閉じてポンプを止める。このような作業を繰り返し、前後左右の水位計の床面からのレベルを合わす事により建築物の水平度が確保される。水位計は水面を基準にしているので、最初に水位計を設置するときに水位計設置場所間の高低差を設定しておけば、精度の高い水平度を確保できる。浮体の量を少なくしたい、あるいはより大きな浮力を得たい場合は、前後左右の水タンクF,B,L,Rを最初空にしておけば良い。この場合、前記説明の水を排出する代わりに水を注入すると読み替えれば、同様に建築物の水平度を調整、確保できる。
この時、台座梁は基礎との固定を解除し、また、アンカーポールとアンカーポール内蔵柱の摩擦が浮力に影響しないようにアンカーポールも基礎との固定を解除してフリーにして実施する。
本発明の第二の水害時浮上建築物は、建築物の基礎を側壁と底面を備える容器形状とし、容器形状の基礎の内側空間に水を注入し、そこに収納されている浮体に水圧を加えて建築物を浮上させることが出来る基礎としている。基礎の大部分は地表面より下に埋設しているので、通常の建築物に必要な基礎と外観形状は遜色ない。建築物床面積に対して高さが高い場合は、大きな浮体を収納する必要が生じることもあるので、基礎の深さが深くなる場合がある。床下換気用の通風口を基礎の側壁面に設けているが、容器形状の内側空間に水を注入して建築物を浮上させ水平度調整する場合は、外から蓋を取付けて通風口から水が漏れないようにしている。
本発明の第三の発明は水害時浮上建築物の建築方法に関するものである。
本発明の第の水害時浮上建築物は、アンカーポールと土台梁は基礎の側壁に固定して建築し、建築物完了後にアンカーポールと土台梁を基礎の側壁の固定から解除し、容器形状の基礎の内側空間に水を注入して建築物を浮上させ、浮力調整装置、水位計等で建築物の水平度を調整確認した後、水を排水してアンカーポールと土台梁を基礎の側壁に再度固定するように建築している。このため、建築物完成後に建築物の固定を開放した状態で実際に水に浮かべて水平度を調整し、その後、アンカーポールと土台梁を基礎の側壁に再度固定するので、水上に浮上した時の建築物の水平度は確実に確保され検証されているので、水害時にはスムースに、確実に浮上することが出来る。
なお、前記では建築物完成後に水平度を調整しているが、家財等を搬入した後や建築物の増改築後などに、前記同様に水平度を調整しても良いし、水平度の確認の必要性が生じる任意の時に前記の方法で水平度を確認、調整することが出来る。
また、数年ないし数十年に一度は、水害時浮上建築物の浮上性能や水上浮上時の水平度点検をするのが望ましい。
本発明によれば、一般建築物と遜色の無い外観を有し、遜色の無い敷地面積で水害時浮上建築物を得ることが出来、建築物を収納する大きなプールを必要としないし、建築物の外に見苦しい繋止用のポールを設ける必要がない。また、台船型浮体や耐水性地階部な
どを必要としないので、水害時浮上建築物を安価に製作でき、建築物が建っているその場所で実際に水上浮上実証検証することが出来る。建築物はアンカーポールの他に土台梁でも基礎に固定されているので、耐震性にも優れており、水害前には土台梁の固定は容易に外すことが出来るので、安心、安全な水害時浮上建築物を得ることができる。
本発明の水害時浮上建築物の側面図。 アンカーポール内蔵柱とアンカーポールの組合せ断面図。 (a)アンカーポールが四角形の例 (b)アンカーポールがH形鋼の例 アンカーポール内蔵柱、土台梁、アンカーポールと基礎の組合せ側面断面図。 アンカーポール内蔵柱、土台梁とアンカーポールの組合せ平面図。 水害時浮上建築物内に設置する浮力調整装置と水位計の構造説明図。 基礎内に水を注入し水害時浮上建築物を浮上させた側面図。 建築物の水平度調整説明図。 土台梁の固定具 (a)ボルト締めの例 (b)L形の締付具の例 水害時に浮上した水害時浮上建築物の側面図。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら水害浮上建築物100を説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための一態様を例示するものであって、以下のものに特定するものでない。
図1において、建築物1は多数の垂直柱を有するが、その柱の内の複数本はアンカーポール内蔵柱3としている。アンカーポール内蔵柱3は通常金属製の四角管から成り、その内部には図2に示すように、四角柱からなるアンカーポール9AとかH型鋼からなるアンカーポール9Bを内蔵している。アンカーポール9を内蔵するアンカーポール内蔵柱3の適用箇所は、隅柱に適用すると本数の縮減に有効である。
図2〜図4に示すように、建築物1の基礎の側壁20の上面には水平に建築物1の土台となる土台梁4が設けられている。アンカーポール内蔵柱3の内側下端部には柱ガイド14が、外周側下端部には取付板8が溶接されており、この取付板8に土台梁4をボルト・ナット10で締め付けてアンカーポール内蔵柱3と結合している。土台梁4はアテ板44を介して基礎の側壁20に埋設されたアンカー28にナット29で締付けたり、または、L形の締付具45等で固定される。通常、アンカーポール内蔵柱3以外の柱は、土台梁4の上に載せて構成する。アンカーポール9の下端にはアンカーポール固定板11が溶接されており、このアンカーポール固定板11を基礎の側壁20に埋め込まれたアンカー25にボルト締めして固定する。また、アンカーポール9の上端にはアンカーポール内蔵柱3を挿入した後、柱ガイド15が取付けられる。基礎は鉄筋コンクリートで作られ、側壁20、底面21を有し、側壁20には通風口22、底面21には排水ピット23が設けられている。
浮力調整装置を構成する主要部材は、水タンク30、ポンプ31、水位計40である。水タンク30は浮体2と同様に建築物1の床構造の下部に取付けられており、基礎の内部空間24内に収納されている。浮体2は所定の大きさに細分され床構造の下部の全域に、水タンク30は建築物1の水平度を調整しやすいように、相互間が出来るだけ離れた位置の少なくとも3箇所以上に設置されている。
建築物1の屋内には、床面から水面の水位を計測する水位計40が水タンク30の設置箇所近辺に設置される。水位計40の設置箇所は水タンク30の近辺に限定せず、水平度を出来るだけ精度よく計測できるように、建築物1の出来るだけ離れた3箇所以上に設置してもよい。
また、水タンク30の水を給排水するポンプ31も建築物1の屋内に設置され、図5に示すように、各水タンク30からバルブ34を介して配管33が接続されており、水タンク30内の水を排出したり、逆に水タンク30内に水を給水したり出来るようになっている。水タンク30の上端部には、水タンク30内を大気圧に保つようにバルブ34を介して外気と接続する配管35が設けられている。ポンプ31は、水害時に浸水しない屋外の高所に設置してON、OFFをコントロールできるコントローラーを屋内に設置しても良い。
浮体2は重量に比較して大きな浮力を得ること出来る物品であれば特に限定しない。一般的には発泡スチロールあるいは空気を密封したPETボトル等を網籠等に入れて構成しているので、その重量に比較して非常に大きな浮力を得ることが出来る。
次に、図6を参照し、水害時浮上建築物100の浮上動作試験から建築物1としての完成までについて説明する。浮体2や水タンク30などの床構造の下に位置するものは、床5を貼る前に搬入し、強固な構造物である土台梁4等に取付ける。アンカーポール9とアンカーポール内蔵柱3は特に鉛直に注意して建築する。その他の建築手順は一般の建築物と同じような手順と注意で建築する。建築完了後、建築物1を水上に浮上させて水平度を調整、確認し、実際に水害時浮上建築物100が水上に浮上するか確認する。まず、アンカーポール固定板11と土台梁4を基礎の固定から開放し、建築物1が水上に浮上するのを拘束する物が無いようにする。浮体2に十分な浮力があることを確認するために、各水タンク30は水を満杯にし、容器形状の基礎内の空間24に水を満たしていく。建築物1を基礎に固定している箇所は全て開放しているので、建築物1は浮体2により水上に固定物なしの自由状態で浮上する。極僅かに浮上させた後、屋内に設置された水位計40を見ながらポンプ31を稼動させ、各水タンク30内の水を排出、供給を繰り返して建築物1の水平度を調整する。
例えば、建築物1の前後左右の水タンクを30F,30B,30L,30R、同じく前後左右の水位計を40F、40B、40L、40Rとする。図7に矢印で示すように前部の水位計40Fが後部の水位計40Bに対して床面との水位差が小さければ、後部の水タンク30Bのバルブ32を開けてポンプ31を稼動し水タンク30B内の水を排出して軽くし、浮力を増大して後部の床面を上昇させる。後部の水位計40Bと前部の水位計40Fの床面との水位差が同じになった事を確認し、水タンク30Bのバルブ32を閉じてポンプ31を止める。このような作業を繰り返し、前後左右全ての水位計40F〜40Rの床面との水位差を合わすと建築物1の水平度が確保される。全ての水タンク30F〜30Rのバルブ32を閉めて水を密閉する。排水し過ぎた場合はポンプ31で水タンク30F〜30Rに給水し、重量を重くして浮力を下げることも出来る。全ての水位計40F〜40Rは水面を基準にしているので、精度の良い水平度を確保できる。
水平度が確保されたことを確認した後、アンカーポール固定板11を基礎の側壁20に埋め込まれたアンカー25にナット26で固定する。アンカーポール9は最初に鉛直に設置
し、その後ナット26を外しただけで外力を加えていないので、鉛直度は確保されている。次に、基礎の側壁20の上面より水が溢れるまで基礎内の空間24に水を封入していく。アンカーポール9は基礎に固定されており、建築物1は水平度が確保されているので、水面の上昇と共に建築物1はアンカーポール内蔵柱3がアンカーポール9にガイドされて鉛直方向に浮上を続ける。即ち、水害時の建築物1の状態を模擬している。
水害時の模擬試験を終えた後、基礎内の空間24を満たした水を排水する。水面の降下と共に建築物1は降下を続ける。アンカーポール9の上端には柱ガイド15が、アンカーポール内蔵柱3の下端には柱ガイド14が固定されているので、両者間の隙間は常時一定に保たれている。複数のアンカーポール内蔵柱3がアンカーポール9にガイドされて降下を続け、元の位置に戻る。最後は、基礎の底面21に設けられた排水ピット23から排水する。排水ピット23は基礎の底面21よりも低くしてあるので、容器形状の基礎内の空間24に注水した水を完全に排水することが出来る。この後、土台梁4を基礎の側壁20に固定すると、水害時においても建築物1が水平度を保ち、スムースに、確実に水上に浮上する水害時浮上建築物100が完成する。
次に、水害時の水害時浮上建築物100の動作について説明する。水害が起こる場合は、事前にある程度の時間的余裕がある。水害が起こる前に、土台梁4を基礎に固定している固定具を操作して、土台梁4を基礎の固定から外す。図8に土台梁4の固定具の例を示す。図8(a)はH形鋼からなる土台梁4に穴を開け、先端にネジを切ったアンカー28を穴に通してナット29で締めた構造である。図8(b)はL形の締付具45で、チューブ状の金属環にハンドル46と締付板47をL字状に溶接してある。締付板47のH形鋼側は角を丸めてH形鋼に乗り掛かり締付け易くしてある。金属環をアンカー28に通し、ナット29で回転自在に取付ける。図8は土台梁4が基礎から開放された状態を示しており、矢印の方向にハンドル46を右回転させると、一点線で示すように締付板47が土台梁4のH形鋼の上に乗り上げ、基礎に締付けて固定する。L形の締付具45は90度の回転でよいので、土台梁4の固定、解除が短時間で出来る。
図9に水害時に浮上した水害時浮上建築物100を示す。本発明の基礎は側壁20と底面21を備えた容器形状としており、基礎の大部分を地中に埋設し、その底面21の高さを地表面より下に下げているので、地表面が冠水して水位を増していくと、基礎の側壁20に設けられた通風口22より容器形状の基礎の内部空間24に水が浸入する。水位が増大して基礎の内部空間24の所定の高さに達すると、浮体2に加わる水圧で浮力が発生する。水位の上昇と共に浮体2の浮力も増大し、浮力が建築物1の重量に打ち勝ったとき、建築物1が基礎から離れて浮上する。建築物1が水上に浮上したとき、基礎の内部空間24に水を注入して建築物1の水平度を確認しているので、建築物1は水平度を保ったままスムースに水上に浮かぶ。
水位が上昇しても、複数のアンカーポール内蔵柱3がアンカーポール9にガイドされて、建築物1は鉛直方向に水平度を保ったまま水位の上昇と共にスムースに上昇して水上に浮かぶ。建築物1がアンカーポール9の最上部まで浮上しても、アンカーポール内蔵柱3の柱ガイド14がアンカーポール9の柱ガイド15に当り、抜けない様になっている。
このため、水害時に水流が発生しても、アンカーポール9が鉄筋コンクリート製の基礎の側壁20に埋め込んだアンカー25にアンカーポール固定板11を介して固定されているので、建築物1は流されることは無い。また、浮体2も金網等に収納して土台梁3等固定されているので流される心配は無い。
水害で流れてきた水は、やがて流れ去るが、この場合も建築物1は前記アンカーポール9によって水平方向への移動は阻止され、水位の低下と共に建築物1は複数のアンカーポール内蔵柱3がアンカーポール9にガイドされて、鉛直方向に水平度を保ったまま鉛直
方向に下降し、元の位置に復帰する。
基礎の内部空間24に流れ込んだ水はポンプ等で排水するが、底面21はゆるい傾斜を持たせて排水ピット23に繋がっているので、最後の水は排水ピット23に集まり完全に排水することが出来る。
この後、土台梁4を基礎の側壁20に固定すれば元の状態に復元される。
本発明は水害時に浮上する水害時浮上建築物100であり、殆んど毎年各地で台風、豪雨や河川氾濫等の水害は発生しており、この水害を軽減する対策手段として極めて有効である。
本発明の水害時浮上建築物100は一般建築物と外観、敷地面積等も遜色なく、経済的に建築することが出来、水害地域に居住する人達に安全な生活を提供できる。
1 建築物
2 浮体
3 アンカーポール内蔵柱
4 土台梁
5 床
8 取付板
9 アンカーポール
9A 四角柱のアンカーポール
9B H形鋼のアンカーポール
10 ボルト・ナット
11 アンカーポール固定板
14 柱ガイド
15 柱ガイド
17 外壁
18 内壁
20 基礎の側壁
21 基礎の底面
22 通風口
23 排水ピット
24 基礎の内部空間
25 アンカー
26 ナット
27 通風口蓋
28 アンカー
29 ナット
30 水タンク
30F 前部の水タンク
30B 後部の水タンク
31 ポンプ
32 バルブ
33 配管
34 バルブ
35 配管

40 水位計
40F 前部の水位計
40B 後部の水位計
41 浮子
45 L形の締付具
46 ハンドル
47 締付板

100 水害時浮上建築物













Claims (3)

  1. 台風、豪雨や河川氾濫等の水害に対し、床構造の下に水圧で建築物を浮上させる浮体を取付け、
    前記建築物の柱のうちの複数本を、管形状でその内部に鉛直下方に伸張するアンカーポールを内蔵するアンカーポール内蔵柱とし、
    前記建築物の基礎は側壁と底面とを備えた容器形状として前記浮体を収納し、前記建築物の土台を構成する土台梁と前記アンカーポールを前記基礎の側壁に固定し、
    前記建築物が浮上した時、水面からの高さを計測できる水位計と水平度を調整できる浮力調整装置を有し、
    前記建築物は水位が所定以上に上昇した時に浮上し、
    前記建築物の水流による流動をアンカーポールで阻止するようにした、
    ことを特徴とする水害時浮上建築物。
  2. 容器形状の基礎の内側空間に水を注入し、建築物を浮上させることが出来るようにしたことを特徴とする請求項1記載の水害時浮上建築物。
  3. アンカーポールと土台梁を基礎の側壁に固定して建築し、建築物完成後にアンカーポールと土台梁を基礎の側壁の固定から解除し、容器形状の基礎の内側空間に水を注入して前記建築物を浮上させ、浮力調整装置、水位計で前記建築物の水平度を調整確認した後、水を排水してアンカーポールと土台梁を基礎に再度固定するようにすることを特徴とする請求項1または請求項2記載のいずれか1つの水害時浮上建築物の建築方法
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