JP5724889B2 - 車両用冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空調用の冷凍サイクルを用いて車両の発熱体を冷却する車両用冷却装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。特許文献1に記載の装置は、電動車両に搭載された充電器を内蔵する充電器ケースに、冷却ファンを備えるものである。冷却ファンは、充電器ケースに形成された空気吸入口に対向する位置に配置され、冷却ファンの駆動により空気が空気吸入口から吸入されて充電器ケースの内部を流通し、充電器ケースに形成された空気排出口から排出される。この充電ケース内部における空気の流通により、電子部品、例えば半導体、DC/DCコンバータ、トランス等の表面が冷やされることになる。
他に走行用インバータ、エアコン用インバータ等の発熱体を冷却する従来技術として、特許文献2に記載の装置が知られている。特許文献2に記載の装置は、電気自動車用の冷却システムに用いる沸騰冷却装置であり、冷媒槽、放熱器、及び冷却用ファンより構成されている。冷媒槽は、2枚の薄肉部材を接合して形成された冷媒室を備え、冷媒室には冷媒が封入されている。発熱体は、その放熱面が熱伝導グリースを介して薄肉部材の取付平面に密着するように冷媒槽に固定されている。冷却用ファンは、放熱器へ強制的に冷却風を送風する。
車両走行時に走行用インバータ、エアコン用インバータから発生した熱は、薄肉部材を介して冷媒槽の冷媒に伝わり、冷媒を沸騰気化させる。沸騰した冷媒は、冷媒槽内を上昇し、放熱器の内部に流入し、気化した蒸発冷媒が冷却用ファンの送風を受けて低温となっている放熱チューブの内壁面に接触すると、凝縮潜熱を放出して凝縮液化し、自重により放熱チューブ内を流下して再び冷媒槽へ戻る。このように冷媒の沸騰、凝縮熱伝達が繰り返されて、発熱体から発生した熱が大気へ放出されて、発熱体が冷却される。
特開2000−308265号公報 特開平8−86551号公報
特許文献1に記載する装置の場合には、充電器を空気によって冷却するために、冷却用ファンを設置する必要があり、専用の冷却用装置が別途必要になる。
また、特許文献2に記載する装置の場合には、インバータを冷却するために、専用の放熱器や冷媒を備える必要がある。このように従来技術では、専用の機器や設備を必要とするため、部品点数、車両への搭載性、及びコスト面において問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、空調用の冷凍サイクルを活用して、専用のシステム等を追加することなく車両の発熱体の冷却を可能にする車両用冷却装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。請求項1に記載の車両用冷却装置に係る発明は、車室内空調に用いられ、少なくとも圧縮機(12)、放熱用熱交換器(13)、減圧装置(15)、蒸発器(16)を備える冷凍サイクル(11)と、蒸発器に空気を送風する室内送風装置(17)と、冷凍サイクルにおける、蒸発器出口部と圧縮機入口部との間の通路に設けられる冷媒液溜め部(18,18A)と、車両に搭載され、冷媒液溜め部に溜められる液体冷媒を用いて冷却される発熱体(5,5A)と、蒸発器と冷媒液溜め部とを接続する通路であって蒸発器から冷媒液溜め部に向けて液体冷媒が流通する第1の通路(111,111A)、及び蒸発器と冷媒液溜め部とを接続する通路であって冷媒液溜め部から蒸発器に向けて気体冷媒が流通する第2の通路(112,112A)を含むループ通路(110,110A)と、第1の通路における液体冷媒の流通を許可及び禁止する流通許否装置(19,19A)と、を備え、
発熱体の温度が予め定める冷却実施温度を満たす場合には、流通許否装置は第1の通路における液体冷媒の流通を許可してループ通路を開放するとともに、蒸発器は、第2の通路を介して内部に取り込んだ気体冷媒を、室内送風装置によって蒸発器に送風される空気と熱交換させることによって、当該気体冷媒の熱を放熱することを特徴とする。
この発明によれば、車両に搭載されている空調用の冷凍サイクルを活用し、蒸発器を放熱器として機能させて、発熱体の発熱によって気化した冷媒を再び液化することにより、発熱体の廃熱を車室内に放出することができる。すなわち、流通許否装置の許可動作によって第1の通路を介して蒸発器から冷媒液溜め部への液体冷媒の流入を促すとともに、発熱体の発熱によって冷媒液溜め部の液体冷媒を気化して第2の通路を介して蒸発器に戻し、さらに蒸発器で液化させる。これにより、発熱体の熱を、液体冷媒、冷媒の気化、冷媒の液化、室内空気の順に、熱移動させることができる。したがって、専用のシステム等を追加することなく車両の発熱体の冷却を可能にする車両用冷却装置が得られる。
請求項2の発明によると、請求項1に記載の発明において、冷媒液溜め部に溜まる液体冷媒の液面位置を検出する液位検出装置(30)を備え、液位検出装置によって検出される液位が、予め定める所定値以下である場合は、圧縮機を駆動し、かつ室内送風装置を動作しないことを特徴とする。
この発明によれば、冷媒液溜め部に液体冷媒が不足していると判断した場合に、蒸発器に液体冷媒をねこませるように冷凍サイクル内の冷媒流動を制御できる。これにより、蒸発器にねこませた冷媒を冷媒液溜め部に蓄える状態に移行することが可能になり、発熱体を冷却できなくなる状態を回避することができる。
請求項3の発明によると、請求項1または請求項2に記載の発明において、放熱用熱交換器は、車室外に配置されており、放熱用熱交換器に空気を送風する室外送風装置(14)と、車室内における乗員の有無を検出する乗員検出装置(33)とを備え、
当該乗員検出装置が乗員を検出した場合は、放熱用熱交換器の内部に取り込んだ冷媒を、室外送風装置によって放熱用熱交換器に送風される空気と熱交換させることによって、放熱用熱交換器において放熱することを特徴とする。
発熱体の冷却時に車室内に乗員が存在することがあるが、この場合でも、本発明によれば、乗員が車室内に存在するとき、車室内ではなく、放熱用熱交換器を介して車室外に放熱が行われる。これにより、乗員が発熱体の廃熱によって不快に感じることを抑制することができる。したがって、乗員の快適性に配慮した発熱体の冷却システムを提供できる。
請求項4の発明によると、請求項3に記載の発明において、車室内温度を検出する室温検出装置(31)を備え、乗員検出装置が乗員を検出したときでも、室温検出装置によって検出される車室内温度が予め定める所定温度以下である場合は、第2の通路を介して蒸発器の内部に取り込んだ気体冷媒を、室内送風装置によって蒸発器に送風される空気と熱交換させることによって、蒸発器において放熱することを特徴とする。
この発明によれば、乗員が車室内に存在する場合でも、車室内温度が低い状態であると判断したときには、蒸発器を介して車室内に放熱が行われる。これにより、車室内に発熱体の廃熱を放出しても、乗員が不快に感じない状態に所定温度以下の状態を設定することにより、車室内温度を下げないように車室内への放熱をエネルギー利用することができる。したがって、発熱体の廃熱の有効活用が図れ、車両におけるエネルギーの効率を向上することができる。
請求項5の発明によると、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、車両に搭載される蓄電装置(1)への外部電力の充電を制御する充電器(5)を備え、発熱体は、充電器に搭載される半導体素子(50)であることを特徴とする。
この発明によれば、車両に搭載されている空調用の冷凍サイクルを活用し、蒸発器を放熱器として機能させて、半導体素子の発熱によって気化した冷媒を再び液化することにより、半導体素子の廃熱を車室内に放出することができる。これにより、専用のシステム等を追加することなく充電器の冷却を可能にする車両用冷却装置が得られる。
請求項6の発明によると、請求項5に記載の発明において、半導体素子の温度が予め定める第1の判定温度未満であるときは、冷却実施温度を満たさないと判定し、流通許否装置は第1の通路における液体冷媒の流通を禁止してループ通路を閉塞するとともに、室内送風装置は動作しないことを特徴とする。
この発明によれば、半導体素子の温度が上記の冷却実施温度を満たさないときは、流通許否装置の禁止動作によって冷媒液溜め部への液体冷媒の流入を阻止するとともに、室内送風装置を駆動しないことにより、半導体素子の冷却を実施しない。これにより、無駄な冷却実施を抑制するため、車両におけるエネルギーの有効利用が図れる。
請求項7の発明によると、請求項6に記載の発明において、半導体素子の温度が、第1の判定温度以上であって、第1の判定温度よりも高温に設定された第2の判定温度以下であるときは、冷却実施温度を満たすことを特徴とする。
この発明によれば、半導体素子の温度が上記の冷却実施温度を満たす範囲にあるときは、流通許否装置の許可動作によって第1の通路を介して蒸発器から冷媒液溜め部への液体冷媒の流入を促すとともに、半導体素子の発熱によって冷媒液溜め部の液体冷媒を気化して第2の通路を介して蒸発器に戻し、さらに蒸発器で液化させる。これにより、半導体素子の温度を予め定めた許容温度範囲に管理することができる。
請求項8の発明によると、請求項7に記載の発明において、半導体素子の温度が第2の判定温度を超えるときは、充電器による蓄電装置(1)への充電を禁止することを特徴とする。この発明によれば、半導体素子の温度が第2の判定温度を超えるときは、冷媒を使用した充電器の冷却を行うのではなく、充電運転を停止する。これにより、半導体素子が発熱する状況を取り除き、半導体素子の損傷を回避するようにできる。
請求項9の発明によると、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明において、蒸発器と第1の通路との接続部位は、冷媒液溜め部と第1の通路との接続部位よりも高い位置に設定されており、流通許否装置は、第1の通路を開閉する弁(19)であることを特徴とする。
この発明によれば、重力作用を利用することにより、蒸発器の液体冷媒を冷媒液溜め部に流下させることができる。これにより、流通許否装置として開閉弁を採用することができるので、装置の構成の簡単化が図れる。
請求項10の発明によると、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明において、流通許否装置は、第1の通路において、蒸発器から冷媒液溜め部に向けて液体冷媒を強制的に流通させるポンプ(19A)であることを特徴とする。この発明によれば、ポンプの駆動力を用いることにより、蒸発器の液体冷媒を冷媒液溜め部に強制的に流下させることができる。これにより、蒸発器、冷媒液溜め部、及びループ通路の位置関係に拘束されにくい自由度の高い装置を提供できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、一例にすぎず、特許発明の範囲を限定するものではない。
本発明を適用する第1実施形態に係る車両用冷却装置を示す構成図である。 第1実施形態の車両用冷却装置の要部を示す概要図である。 第1実施形態の車両用冷却装置における冷却制御を説明する第1のフローチャートである。 第1実施形態の車両用冷却装置における冷却制御を説明する第2のフローチャートである。 本発明を適用する第2実施形態の車両用冷却装置の要部を示す概要図である。 第2実施形態の車両用冷却装置における冷却制御を説明する第1のフローチャートである。 第2実施形態の車両用冷却装置における冷却制御を説明する第2のフローチャートである。 本発明を適用する第3実施形態に係る車両用冷却装置を示す構成図である。 本発明を適用する第4実施形態に係る車両用冷却装置を示す構成図である。 第4実施形態の車両用冷却装置における冷却制御を説明するフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明を適用した第1実施形態の車両用冷却装置20について図1〜図4を参照して説明する。図1は、車両用冷却装置20を示した構成図であり、図2は、車両用冷却装置20の要部を示す概要図である。
車両用冷却装置20は、空調用の冷凍サイクル11、走行用駆動源としての走行用モータ3、外部電力等から充電し走行用モータ3等の電機部品に電力を供給する蓄電池1、及び発熱体の一例である充電器5、機器の作動を制御する制御装置10等を備え、プラグインハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される車両搭載の発熱体を冷却する装置である。車両用冷却装置20によって冷却される発熱体は、例えば、充電時に発熱する充電器5、走行用モータ3やスタータ駆動用のインバータ装置、蓄電池1、コンバータ等である。なお、電気自動車の場合は、走行用モータ3が蓄電池1に充電された電力を走行用駆動源として車両の駆動輪を回転させ、ハイブリッド自動車の場合は、エンジンが走行用駆動源として機能する場合には車両の駆動輪を回転させ、走行用電力発電源としての機能する場合は走行用モータ3が使用する電力を供給する。
蓄電池1は、商用電源6によって供給される外部電力等を蓄えるとともに、蓄えた電力を走行用モータ3の他、各種電機部品に供給する蓄電装置である。蓄電池1は、例えば、エンジンルームを除く車室内に配置されている。蓄電池1は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池、有機ラジカル電池等で構成され、複数個の電池セルを通電可能に接続した電池集合体で構成されている。複数個の電池セルは、充電、放電、及び温度調節が制御されるようになっている。
蓄電池1が電力を供給する電機部品の例としては、冷凍サイクル11における電動圧縮機12を駆動する空調用のインバータ装置21、蓄電池1に対する充電、放電を制御する充電器5がある。蓄電池1が各種電機部品に電力を供給するときには、例えば、蓄電池1の高電圧をコンバータ等により降圧して低電圧バッテリに供給し、低電圧バッテリの電力を、車両に搭載されるファン、ヘッドライト、ワイパー等の各種電機部品に供給するようにする。
受電部61は、商用電源6からの電力を受ける受電手段であり、例えば、一端側に商用電源6のコンセントに接続可能なプラグや、商用電源6に接続可能なコネクタ等を備える電力線として形成されている。電力線の他端側は、充電器5に接続されている。ハイブリッド自動車の場合には、充電器5は、発進時、加速時等に走行用モータ3に電力を供給し、減速時には回生発電した電力を蓄電する。
走行用モータ3は、例えば車両のイグニッションスイッチやスタートスイッチ等がオンにされて車両が走行可能であるときに、インバータ装置2によって制御され、走行用モータ3への電力供給が行われ、駆動される。インバータ装置2の駆動は、制御装置10によって制御される。
冷凍サイクル11は、電動圧縮機12、凝縮器13、減圧装置である膨張弁15、蒸発器16、アキュムレータ18、電磁弁19等を備え、これらが環状に配管接続された車室内の空調用のサイクルである。制御装置10は、インバータ装置21及び充電器5の作動制御、室外送風装置14及び室内送風装置17の作動制御、電磁弁19の作動制御により、空調制御、充電器5の冷却制御を行う。
電動圧縮機12は、蒸発器16から流出される気体冷媒を吸入口から吸入して、内部の圧縮機構12aで高温高圧に圧縮した後に、凝縮器13に向けて吐出する流体機械である。圧縮機構12aは、例えば、固定スクロールと旋回スクロールとを有するスクロール型の圧縮機構を採用する。スクロール型の圧縮機構では、旋回スクロールにモータ部12bの回転軸が接続され、モータ部12bの作動によって旋回スクロールが固定スクロールに対して旋回することで、2つのスクロール間に形成される空間(圧縮室)の拡大、収縮が繰り返されて、冷媒の吸入、圧縮、吐出が行われる。
モータ部12bは、円筒状のハウジング120内に、回転軸に固定されたロータ121と、ロータ121の外周側に配設されてハウジング120の内周面に固定されたステータ122とを有している。モータ部12bでは、ステータ122に通電されることで、ロータが回転軸とともに回転して旋回スクロールを駆動する。金属製のハウジング120には、インバータ装置21の外装ケースが一体となっており、両者は熱移動可能に構成されている。この構成により、電動圧縮機12は、車室内空調用のインバータ装置21と圧縮機本体とが一体であるインバータ装置一体型の圧縮機である。
インバータ装置21は、その外装ケース内に収容される複数のスイッチング素子と制御回路とを備えている。スイッチング素子は、半導体素子の1種であるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で構成されている。スイッチング素子は、複数(例えば6個)のスイッチ部を有しており、そのオン、オフが切り替わる作動によって、低電圧バッテリから印加される直流電力を3相の交流電力に変換してモータ部12bへ駆動電力として供給する。インバータ装置21の制御回路は、スイッチング素子の切替え作動に関係する各種の電子部品を備え、制御装置10によってその作動が制御される。
凝縮器13は、例えば複数積層されて内部を冷媒が流通する複数のチューブと、各チューブ間に介在される波形のフィンとを備える熱交換部において、電動圧縮機12から吐出される冷媒を冷却して液体冷媒にする放熱用熱交換器である。凝縮器13は、車室外に配置されており、凝縮器13では室外送風装置14によって送風される冷却用空気により冷媒の冷却が促進される。室外送風装置14は、制御装置10によって制御され、低電圧バッテリから供給される電力によって駆動される。
膨張弁15は、凝縮器13から流出される液体冷媒を低温低圧に減圧膨張させる減圧装置である。膨張弁15は、固定式の開度絞り弁である。また膨張弁15は、電磁式の開度調整弁によって構成されてもよいが、この場合、制御装置10によって弁の開度が調節される。冷凍サイクル11の作動時において、膨張弁15の弁開度が絞られることにより、電動圧縮機12から膨張弁15に至る間の高圧側と、膨張弁15から蒸発器16に至る間の低圧側との圧力差が大きく設定されて、低圧側の冷媒は低温となる。逆に膨張弁15の弁開度が大きくされることにより、高圧側と低圧側との圧力差が小さくなる。
蒸発器16は、車両用空調ユニット7の空気通路内に配置され、凝縮器13と同様に例えば複数積層されて内部を冷媒が流通する複数のチューブと、各チューブ間に介在される波形のフィンとを備える熱交換部と、複数のチューブの両端部のそれぞれが接続される上部タンク160及び下部タンク161と、を備える。蒸発器16は、当該熱交換部において、蒸発器16から流出される液体冷媒と室内送風装置17によって車室内に向けて送風される空調用空気との間で熱交換する熱交換器である。したがって、蒸発器16では、内部を流通する低温の液体冷媒によって空調用空気が冷却されるようになっている。室内送風装置17は、制御装置10によって制御され、モータが低電圧バッテリから供給される電力によって駆動される。
アキュムレータ18は、蒸発器16の出口と電動圧縮機12の入口との間の通路に設けられ、蒸発器16から流出される冷媒の気液を分離する気液分離装置である。アキュムレータ18は、例えば上下方向に細長の容器体から形成されており、蒸発器16から流出される冷媒が内部空間に流入されるようになっている。アキュムレータ18の外装ケース180の内部空間では、密度の小さい気体冷媒が上方に溜まり、密度の大きな液体冷媒が下方に溜まることで、気液分離されるようになっている。
ループ通路110は、蒸発器16とアキュムレータ18とを環状に接続する通路であり、第1の通路111と第2の通路112を備えて構成される。第1の通路111は、蒸発器16とアキュムレータ18とを接続する通路であって、蒸発器16からアキュムレータ18に向けて液体冷媒が流通する。第2の通路112は、蒸発器16とアキュムレータ18とを接続する通路であって、アキュムレータ18から蒸発器16に向けて気体冷媒が流通する。
第1の通路111は、一端部が蒸発器16の下部タンク161の底部に接続され、他端部がアキュムレータ18の外装ケース180の上部に接続され、一端部が他端部よりも高い位置に配置されている。第2の通路112は、一端部がアキュムレータ18の外装ケース180の上部に接続され、他端部が蒸発器16の上部タンク160に接続され、他端部が一端部よりも高い位置に配置されている。
第1の通路111には、第1の通路111における液体冷媒の流通を許可及び禁止する流通許否装置としての電磁弁19が設けられている。電磁弁19は、制御装置10によって開閉されることにより、第1の通路111を開放及び閉塞して、液体冷媒の流通を許可及び禁止することができる。したがって、車両走行中等に、通常の空調が行われるときは、電動圧縮機12が駆動され、電磁弁19が閉じられると、蒸発器16で送風される空気から吸熱し、この熱を凝縮器13で室外空気に放熱する。さらにこのとき、冷媒の一部が液体冷媒として蒸発器16の下部タンク161に停留するが、第1の通路111が閉塞されるので、アキュムレータ18へは移動せず、下部タンク161に留まる。
電磁弁19が開く場合には、第1の通路111が開放され、蒸発器16の下部タンク161に停留している液体冷媒は重力によって第1の通路111を下降し、アキュムレータ18の内部に流入して下部に溜まるようになる。アキュムレータ18に蓄えられた液体冷媒は、液位検出装置の一例であり、アキュムレータ18に取り付けられた液面センサ30によって、その液面位置が検出される。検出された液面位置の情報は、制御装置10に入力される。
アキュムレータ18内の上部と電動圧縮機12のハウジング120内の上部とは、冷媒配管8で接続されている。アキュムレータ18内に流入した気体冷媒は、この冷媒配管8を通じて、電動圧縮機12の上部に流入する。
蒸発器16の冷媒の吐出側には、冷媒の圧力を検出する圧力センサと、冷媒の温度を検出する温度センサとが設けられている。各センサによって検出された圧力信号および温度信号は、制御装置10に出力される。
制御装置10は、冷凍サイクル11、充電器5、充電器の冷却制御に係る機器等の作動を制御する電子制御装置である。制御装置10は、例えば、各種ECUと通信可能に構成される車両制御ECUであってもよい。制御装置10は、充電器の冷却制御に関わる、予め設定され、または更新可能な制御プログラムやマップを有し、これらを記憶手段としてのROM、RAM等に記憶している。
また制御装置10は、乗員等による空調要求に基づき、インバータ装置21の作動を制御することによってモータ部12bを作動させて電動圧縮機12を駆動する。また、制御装置10は、室内送風装置17及び室外送風装置14を作動させるとともに、蒸発器16出口側の圧力センサからの圧力信号及び温度センサからの温度信号、室温センサ31からの車室内温度信号に応じて、電動圧縮機12の出力を調節する。
車室内空調時に冷凍サイクル11が作動されると、電動圧縮機12から吐出される冷媒は、凝縮器13で冷却され、膨張弁15で低温低圧に減圧され、蒸発器16では、低温低圧の冷媒によって室内送風装置17によって車室内へ送風される空調用空気が冷却される。このとき、空調用空気の温度が乗員の要求する要求温度となるように、電動圧縮機12の回転数が制御される。そして、蒸発器16から流出される冷媒は、冷媒配管8を通じて電動圧縮機12に吸入される。また、膨張弁15が開度調整可能な電子制御弁である場合には、制御装置10は、蒸発器16の出口側における冷媒圧力及び冷媒温度に基づく膨張弁15の弁開度を制御する。
充電器5は、商用電源6からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池1に充電する。充電器5は、例えば車両のイグニッションスイッチやスタートスイッチ等がオフにされて車両が走行機能を停止しているときに、乗員等の充電要求に基づき、制御装置10によって制御されて蓄電池1への充電を行う。充電器5は、その外装ケース内に収容される複数のスイッチング素子50、制御回路51、基板52を備えている。スイッチング素子50は、基板52に搭載されている。基板52は、放熱板53を介して、冷凍サイクル11に設けられるアキュムレータ18の外装ケース180に密着するように配置される。放熱板53は、熱伝導率の良い材質で構成されており、例えば、アルミニウム、銅等の金属である。
スイッチング素子50は、半導体素子の1種であるIGBTで構成されている。スイッチング素子50は、複数のスイッチ部を有しており、そのオン、オフが切り替わる作動によって、商用電源からの交流電力を直流電力に変換してバッテリに電力を供給する。制御回路51は、スイッチング素子50の切替え作動に関係する各種の電子部品を備え、制御装置10によってその作動が制御される。なお、制御回路51は、制御装置10と一体に構成するようにしてもよい。
充電器5は、アキュムレータ18の外装ケース180と熱移動可能に一体に構成されている。両者が熱移動可能に一体に構成されるとは、例えば、上記のように、充電器5のスイッチング素子50の熱が放熱板53を通じて外装ケース180に熱移動可能に構成されること、外装ケース180に別部品である充電器5の外装ケースが接触、固定されて一体となること、外装ケース180と充電器5の外装ケースとが一つの部品で構成されて一体になること、等である。
スイッチング素子50は、電力ロスによって発熱するため、冷却を必要とする部品である。その発熱は、基板52、放熱板53を介してアキュムレータ18の外装ケース180に伝達し、さらにアキュムレータ18内部の液体冷媒に熱移動する。
また、アキュムレータ18の外装ケース180と充電器5の外装ケースの両方が伝熱性を有する素材(例えば、アルミニウム、銅、鉄等の金属材料)で形成される場合には、充電器5とアキュムレータ18との接触部の熱抵抗が低下するように構成されている。このような構成により、充電器5からの発熱は、充電器5の外装ケースとアキュムレータ18の外装ケース180を介して、アキュムレータ18内部の液体冷媒に伝達される。また、基板52とアキュムレータ18の外装ケース180との間には、放熱板53の代わりに、熱伝導グリス等の熱伝導性を高める部材を設けるようにしてもよい。
制御装置10は、充電器5における発熱部、例えばスイッチング素子50の温度が予め定める冷却実施温度を満たすときには、電磁弁19を開くように制御して充電器5を冷却する。なお、スイッチング素子50の温度は、素子温度センサ32によって検出され、その温度信号は制御装置10に入力される。
例えば、充電器5によって蓄電池への充電が行われるときに、スイッチング素子50の温度が高く冷却実施温度を満たす場合は、電磁弁19を開き、室内送風装置17を駆動する。このとき、スイッチング素子50の放熱により、熱移動可能に構成されたアキュムレータ18内に蓄えられた液体冷媒の一部が気化し、スイッチング素子50が冷却される。
一方、さらに室内送風装置17を駆動することにより、蒸発器16から放熱する。これにより、蒸発器16内部の気体冷媒の一部が液化し、内部の圧力が低下するため、アキュムレータ18の内部の気体冷媒は、第2の通路112を通って、蒸発器16の上部タンク160に還流し(図2参照)、蒸発器16で放熱して液化する。このとき、室内送風装置17によって車室内へ供給される空気が加熱されるが、通常、充電中に乗員は車室内に不在であるため、乗員に不快感を与えることはない。
そして、蒸発器16で液化した液体冷媒は、下部タンク161に停留してから、第1の通路111を通って、アキュムレータ18に流下する。このように、アキュムレータ18、蒸発器16、及びループ通路110において、ループ式のヒートパイプが構成され、充電器5の冷却が実施されることになる。
次に、充電器の冷却制御について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、車両用冷却装置20における冷却制御を説明する第1のフローチャートである。図4は、当該冷却制御を説明する第2のフローチャートである。各フローチャートは、原則、制御装置10の指令に基づいて実行される。図3に示すように、ステップ100で充電条件が成立するか否かを判定する。充電条件の成立は、車両がイグニッションスイッチオフであること、受電部61と商用電源6が充電ケーブル等によって充電可能状態にあること等である。
充電条件が成立する場合には、ステップ102で、液面センサ30が検出する液位が所定値以上であるか否かを判定する。ステップ102で所定値以上であり、液冷媒がアキュムレータ18内に充電器5を冷却可能なレベルまで溜まっていると判定した場合には、ステップ103に進み、蓄電池1への充電運転を実施する。このとき制御装置10は、充電器5を制御することで、商用電源6の交流電力を直流電力に変換して蓄電池1への充電を実施する。この充電器5の作動によってスイッチング素子50が発熱していくことになる。
ステップ102で所定値未満であり、液冷媒がアキュムレータ18内に充電器5を冷却可能なレベルまで溜まっていないと判定した場合には、図4のステップ200に進み、電磁弁19を閉じ、室内送風装置17を駆動しない処理を実行する。次にステップ201で、電動圧縮機12を駆動するとともに、室外送風装置14を駆動する処理を実行する。この処理により、空調用の冷凍サイクル11が作動する。ここで、室外送風装置14の駆動によって車室外への放熱があるが、室内送風装置17は駆動されていないため、車室内に供給される空気からは吸熱しない。このため、液体冷媒として蒸発器16に溜まる冷媒が増え、通常の空調作動時より早く液体冷媒を蓄えることができる。
次にステップ202で、充電条件が成立するか否かを判定する。途中で蓄電池1が満充電状態になった場合、受電部から充電ケーブルが外されて充電不能状態になった場合等には、ステップ202で充電条件不成立であると判定され、ステップ203で電動圧縮機12を停止するとともに、室外送風装置14を駆動しない処理を実行する。この処理により、冷凍サイクル11は停止する。そして、ステップ204で充電停止の処理を実行し、本フローチャートを終了する。
ステップ202で、充電条件が成立すると判定すると、次にステップ205で、液面センサ30が検出する液位が所定値以上であるか否かを判定する。ステップ205で所定値以上であり、液冷媒がアキュムレータ18内に充電器5を冷却可能なレベルまで溜まっていると判定した場合には、ステップ206に進み、電動圧縮機12を停止するとともに、室外送風装置14を駆動しない処理を実行する。この処理により、冷凍サイクル11は停止する。そして、図3のステップ103に進む。
ステップ205で所定値未満であり、液冷媒がアキュムレータ18内に充電器5を冷却可能なレベルまで溜まっていないと判定した場合には、ステップ201に戻る。
ステップ102で所定値以上であると判定するか、ステップ206の処理実行後は、ステップ103に進み、蓄電池1への充電運転を実施する。次にステップ104で、スイッチング素子50の温度が第1の判定温度T1以上であるか否かを判定する。第1の判定温度T1は、例えば、スイッチング素子が損傷しうる許容上限温度よりも30℃以上低く設定される温度、80℃に設定される。ステップ104で、T1未満であると判定すると、機器の寿命や機能発揮を損なうような温度でなく、充電器5を冷却する必要はないため、ステップ105で電磁弁19を閉じ、室内送風装置17を駆動しない処理を実行し、ステップ107に進む。ステップ105の処理により、室内送風装置17を駆動しないことで、電力消費、騒音等を抑制することができる。また、室内送風装置17を停止中は、アキュムレータ18の外装ケース180から放熱が行われることにより、わずかであるが充電器5の冷却が行われている。
ステップ104で、T1以上であると判定すると、機器に一定の熱負荷がかかっており、充電器5を冷却する必要があるため、ステップ106で電磁弁19を開き、室内送風装置17を駆動する処理を実行する。この処理により、上述したように、スイッチング素子50が冷却される。ステップ104でT1以上であると判定すると、冷却実施温度を満たすと判定したことになる。
ステップ105またはステップ106の後には、ステップ107で、スイッチング素子50の温度が第2の判定温度T2以上であるか否かを判定する。第2の判定温度T2は、素子の寿命に影響を与えうる温度であり、スイッチング素子の許容上限温度よりも低い温度、例えば120℃に設定される。ステップ107で、T2未満であると判定すると、充電運転を継続するとともに、ステップ100に戻り、上述の処理を実行していく。ステップ107でT2以上であると判定すると、素子の寿命に関わる状態であるため、充電運転を停止するとともに、ステップ100に戻り、上述の処理を実行していく。
蓄電池1が満充電状態になった場合、受電部から充電ケーブルが外されて充電不能状態になった場合等には、ステップ100で充電条件不成立であると判定され、ステップ101で充電停止の処理を実行し、本フローチャートを終了する。このように充電器の冷却制御では、充電運転中に充電器5の温度(例えば半導体素子の温度)が高い場合に冷却するのである。また、充電器の冷却制御では、ステップ100で、充電条件不成立と判定するまで、充電器に関する所定の温度を監視し、冷却実施温度が成立するか否かによって充電器5の冷却要否を判定し続け、スイッチング素子の温度管理を行うのである。
本実施形態の車両用冷却装置20がもたらす作用効果を以下に述べる。ループ通路110は、蒸発器16とアキュムレータ18とを接続して、蒸発器16からアキュムレータ18に向けて液体冷媒が流通する第1の通路111と、蒸発器16とアキュムレータ18とを接続して、アキュムレータ18から蒸発器16に向けて気体冷媒が流通する第2の通路112とからなる。充電器5のスイッチング素子50の温度が予め定める冷却実施温度を満たす場合には、電磁弁19は第1の通路111における液体冷媒の流通を許可してループ通路110を開放するとともに、蒸発器16は、第2の通路112を介して内部に取り込んだ気体冷媒を、室内送風装置17によって蒸発器16に送風される空気と熱交換させることによって、気体冷媒の熱を放熱する。
これによれば、電磁弁19の開動作によって第1の通路111を介して蒸発器16からアキュムレータ18への液体冷媒の流入を促す。さらに、スイッチング素子50の発熱によってアキュムレータ18の液体冷媒を気化して第2の通路112を介して蒸発器16に戻し、さらに室内送風装置17の送風によって蒸発器16で液化させる。これにより、充電器5の熱を、アキュムレータ18内の液体冷媒、冷媒の気化、蒸発器16での冷媒の液化、室内空気の放熱の順に、熱移動させる。つまり、車両に搭載されている空調用の冷凍サイクル11における蒸発器16を放熱器として機能させることができる。具体的には、充電器5の発熱に気化した冷媒を蒸発器16において再び液化することにより、蒸発器16から車室内への送風空気に放熱することができる。これにより、専用のシステム等を追加することなく、車両の発熱体(例えば充電器5)の冷却を可能にする車両用冷却装置20を提供できる。
また、車両用冷却装置20は、液面センサ30によって検出される液体冷媒の液位が、予め定める所定値未満であるときは、電動圧縮機12を駆動し、かつ室内送風装置17を動作しない処理を行う(ステップ200、ステップ201)。
この制御によれば、アキュムレータ18に液体冷媒が不足していると判断した場合に、蒸発器16に液体冷媒をねこませるように冷凍サイクル11内の冷媒流動を制御できる。つまり、冷媒液溜め部に、冷媒を溜めるように冷凍サイクル11の作動を制御するのである。したがって、蒸発器16にねこませた冷媒をアキュムレータ18に蓄える状態に移行することが可能になり、充電器5を冷却できなくなる状態を回避することができる。
また、車両用冷却装置20は、スイッチング素子50の温度が予め定める第1の判定温度T1未満であるときは、冷却実施温度を満たさないと判定し、電磁弁19は第1の通路111における液体冷媒の流通を禁止してループ通路110を閉塞するとともに、室内送風装置17は動作しない処理を行う(ステップ105)。
この制御によれば、スイッチング素子50の温度が冷却実施温度を満たさない第1の判定温度T1未満であるときは、電磁弁19による流通禁止動作によってアキュムレータ18への液体冷媒の流入を阻止するとともに、室内送風装置17を駆動しないことにより、スイッチング素子50の冷却を実施しない。これにより、無駄な冷却実施を抑制することが可能な装置を提供できる。
また、車両用冷却装置20は、スイッチング素子50の温度が、第1の判定温度T1以上であって、第1の判定温度T1よりも高温に設定された第2の判定温度T2以下であるときは、冷却実施温度を満たす処理を行う(ステップ106)。
この制御によれば、スイッチング素子50の温度が冷却実施温度を満たす第1の判定温度T1以上で第2の判定温度T2以下の範囲にあるときは、電磁弁19による流通許可動作によって第1の通路111を介して蒸発器16からアキュムレータ18への液体冷媒の流入を促すとともに、スイッチング素子50の発熱によってアキュムレータ18の液体冷媒を気化して第2の通路112を介して蒸発器16に戻し、さらに蒸発器16で液化させる。これにより、スイッチング素子50の温度を予め定めた許容温度範囲に収めるように管理できる。
また、スイッチング素子50の温度が第2の判定温度T2を超えるときは、充電器5による蓄電池1への充電を禁止する処理を行う(ステップ108)。この制御によれば、スイッチング素子50の温度が第2の判定温度T2を超えるときは、上述の液体冷媒を使用した充電器5の冷却を行うのではなく、充電運転を停止する。これにより、スイッチング素子50が発熱する状況を取り除くことができるので、素子の損傷を回避し、装置の寿命を延ばす措置を提供できる。
また、車両用冷却装置20において、蒸発器16と第1の通路111との接続部位は、アキュムレータ18と第1の通路111との接続部位よりも高い位置に設定されている。流通許否装置は、第1の通路111を開閉する電磁弁19で構成する。
この構成によれば、重力作用を利用することにより、蒸発器16の液体冷媒をアキュムレータ18に送ることが可能になる。これにより、電磁弁19の採用により、車両用冷却装置20の簡単化を実施できる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、車両用冷却装置の構成及び充電器5の冷却制御について、第1実施形態に対する他の実施形態である。図5は、第2実施形態の車両用冷却装置の要部を示す概要図である。図6は、第2実施形態における充電器5の冷却制御を説明する第1のフローチャートである。図7は当該冷却制御を説明する第2のフローチャートである。図5に示す車両用冷却装置は、第1実施形態に対して、流通許否装置としてポンプ19Aを備えることが相違する。以下、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
ループ通路110Aは、蒸発器16とアキュムレータ18とを環状に接続する通路であり、第1の通路111Aと第2の通路112Aを備えて構成される。第1の通路111Aは、蒸発器16とアキュムレータ18とを接続する通路であって、蒸発器16からアキュムレータ18に向けて液体冷媒が流通する。第2の通路112Aは、蒸発器16とアキュムレータ18とを接続する通路であって、アキュムレータ18から蒸発器16に向けて気体冷媒が流通する。
第1の通路111Aは、一端部が蒸発器16の下部タンク161の底部に接続され、他端部がアキュムレータ18の外装ケース180に接続されている。第2の通路112Aは、一端部がアキュムレータ18の外装ケース180の上部に接続され、他端部が蒸発器16の上部タンク160に接続されている。
第1の通路111Aには、第1の通路111Aにおける液体冷媒の流通を許可及び禁止する流通許否装置としてのポンプ19Aが設けられている。ポンプ19Aは、制御装置10によって駆動されることにより、第1の通路111Aにおいて液体冷媒を蒸発器16側からアキュムレータ18側へ強制的に移動させることができる。したがって、車両走行中等に、通常の空調が行われるときは、電動圧縮機12が駆動され、ポンプ19Aが停止されると、蒸発器16で送風される空気から吸熱し、この熱を凝縮器13で室外空気に放熱する。さらにこのとき、冷媒の一部が液体冷媒として蒸発器16の下部タンク161に停留するが、液体冷媒の流通は許可されないため、アキュムレータ18へは移動せず、下部タンク161に留まる。
ポンプ19Aが駆動される場合には、蒸発器16の下部タンク161に停留している液体冷媒は第1の通路111Aを通って強制的に移動させられ、アキュムレータ18の内部に流入して下部に溜まるようになる。アキュムレータ18に蓄えられた液体冷媒は、液位検出装置の一例であり、アキュムレータ18に取り付けられた液面センサ30によって、その液面位置が検出される。検出された液面位置の情報は、制御装置10に入力される。
制御装置10は、充電器5における発熱部、例えばスイッチング素子50の温度が予め定める冷却実施温度を満たすときには、ポンプ19Aを駆動して充電器5を冷却する。例えば、充電器5によって蓄電池への充電が行われるときに、スイッチング素子50の温度が高く冷却実施温度を満たす場合は、ポンプ19Aを駆動し、室内送風装置17を駆動する。このとき、スイッチング素子50の放熱により、熱移動可能に構成されたアキュムレータ18内に蓄えられた液体冷媒の一部が気化し、スイッチング素子50が冷却される。
一方、さらに室内送風装置17を駆動することにより、蒸発器16から放熱する。これにより、蒸発器16内部の気体冷媒の一部が液化し、内部の圧力が低下するため、アキュムレータ18の内部の気体冷媒は、第2の通路112Aを通って、蒸発器16の上部タンク160に還流し(図5参照)、蒸発器16で放熱して液化する。そして、蒸発器16で液化した液体冷媒は、下部タンク161に停留してから、第1の通路111Aを通って、アキュムレータ18に流下する。このように、アキュムレータ18、蒸発器16、及びループ通路110Aにおいて、ループ式のヒートパイプが構成され、充電器5の冷却が実施されることになる。
次に、充電器5の冷却制御について、図6及び図7を参照して説明する。なお、第1実施形態のフローチャートに対して、異なる処理のみ説明する。図6に示すフローチャートでは、図3のフローチャートに対してステップ105A及びステップ106Aが異なっている。図7に示すフローチャートでは、図4のフローチャートに対してステップ200Aが異なっている。
図6のステップ104で、T1未満であると判定すると、機器の寿命や機能発揮を損なうような温度でなく、充電器5を冷却する必要はないため、ステップ105Aでポンプ19Aを駆動せず、室内送風装置17を駆動しない処理を実行し、ステップ107に進む。ステップ105Aの処理により、室内送風装置17を駆動しないことで、電力消費、騒音等を抑制することができる。また、室内送風装置17を停止中は、アキュムレータ18の外装ケース180から放熱が行われることにより、わずかであるが充電器5の冷却が行われる。
ステップ104で、T1以上であると判定すると、機器に一定の熱負荷がかかっており、充電器5を冷却する必要があるため、ステップ106Aでポンプ19Aを駆動し、室内送風装置17を駆動する処理を実行する。この処理により、上述したように、スイッチング素子50が冷却される。ステップ104でT1以上であると判定すると、冷却実施温度を満たすと判定したことになる。
また、ステップ102で所定値未満であり、液冷媒がアキュムレータ18内に充電器5を冷却可能なレベルまで溜まっていないと判定した場合には、図7のステップ200Aに進み、ポンプ19Aを停止し、室内送風装置17を駆動しない処理を実行する。
ここでポンプ19Aに必要な能力について説明する。冷媒(例えばHFC134a)の気化潜熱は、モリエル線図から算出すると、35℃の場合、165kJ/kgであるため、充電器5の発熱量を100Wとすると、毎秒約0.6gの冷媒が気化するようになる。ポンプ19Aは、この程度の液体冷媒(0.5cc程度)をアキュムレータ18内に供給できる能力があればよく、小型ポンプでも実現可能である。
本実施形態の車両用冷却装置がもたらす作用効果を以下に述べる。本実施形態の流通許否装置は、第1の通路111において、蒸発器16からアキュムレータ18に向けて液体冷媒を強制的に流通させるポンプ19Aを用いる。この構成によれば、ポンプ19Aの駆動力を活用することにより、蒸発器16の液体冷媒を強制的にアキュムレータ18に送ることができる。これにより、蒸発器16、アキュムレータ18、及びループ通路110の位置関係に影響されにくい自由度の高い製品設計が可能になり、車両搭載性の向上も図れる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、車両用冷却装置20Aの構成について、第1実施形態に対する他の実施形態である。図8は、第3実施形態の車両用冷却装置20Aを示す概要図である。以下、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
図8に示す車両用冷却装置20Aは、第1実施形態に対して、電動圧縮機12のインバータ装置と充電器を一体に構成したエアコンインバータ一体型の充電器5Aを備える点と、アキュムレータ18B内の下部と電動圧縮機12のハウジング120内の下部とを連通させる連通路8Bを備える点とが相違する。すなわち、ハウジング120内の下部には、アキュムレータ18Bに溜められた液体冷媒が流入し、当該液体冷媒が溜まる冷媒液溜め部が設けられることになる。さらにエアコンインバータ一体型の充電器5Aは、電動圧縮機12のハウジング120における底部に一体に搭載されているため、連通路8Bを通じてアキュムレータ18Bからハウジング120内に送られた液体冷媒によって、冷却される。
また、アキュムレータ18Bは、電動圧縮機12と近接、またはハウジング120に一体に設けられる。このため、アキュムレータ18B内の上部とハウジング120内の上部とを連通する連通路8Aは、第1実施形態の冷媒配管8に比べて短い通路を構成する。以上の構成により、車両用冷却装置20Aは、コンパクトなシステム構成を提供する。
(第4実施形態)
第4実施形態は、車両用冷却装置20及び充電器5の冷却制御について、第1実施形態に対する他の実施形態である。図9は、第4実施形態の車両用冷却装置20を示す構成図である。図10は、車両用冷却装置20Bにおける冷却制御を説明するフローチャートである。図9に示す車両用冷却装置20Bは、第1実施形態に対して、乗員検出装置の一例である乗員検出センサ33を備えることが相違する。以下、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
乗員検出センサ33は、車室内100に配置されたシート101における乗員の臀部等が載る着座シート部102に設けられる。乗員検出センサ33は、所定値以上の圧力を検知することにより乗員の着座している状態を検出する。制御装置10は、乗員検出センサ33による検出信号を取得する。
次に、充電器5の冷却制御について、図10を参照して説明する。本フローチャートは、原則、制御装置10の指令に基づいて実行される。図10に示すように、ステップ300で充電条件が成立するか否かを判定する。充電条件の成立は、車両がイグニッションスイッチオフであること、受電部61と商用電源6が充電ケーブル等によって充電可能状態にあること等である。ステップ301で充電条件が成立しないと判定すると、ステップ301で充電停止の処理を実行し、本フローチャートを終了する。
ステップ300で充電条件が成立する場合には、ステップ302で、乗員検出センサ33が検出する検出信号によって、着座シート部102に乗員が着座している否かを判定する。ステップ302で乗員の存在を検出しないと判定すると、第1実施形態または第2実施形態のステップ102に進み、図3及び図4に示す以降の処理が第1実施形態の説明に従って行われる。
ステップ302で乗員の存在を検出したと判定した場合には、ステップ303に進み、室温センサ31が検出する車室内温度が所定温度Tr以下であるか否かを判定する。所定温度Trは、例えば、車室内100に乗員が存在するときに、蒸発器16において放熱が行われた場合に、乗員が不快な温熱風を感じない程度に低下した状態の車室内温度に設定される。所定温度Trは、例えば15℃に設定することができる。
ステップ303で、車室内温度が所定温度Tr以下であると判定すると、車室内温度は低く、蒸発器16からの放熱が車室内100に供給されたとしても、乗員に対して不快感を与えるレベルにないと判断し、第1実施形態または第2実施形態のステップ102に進み、図3及び図4に示す以降の処理が第1実施形態の説明に従って行われる。この処理により、充電器5からの廃熱は、蒸発器16の放熱を介して、車室内100に放熱されて、車室内100を暖房する熱として活用される。
一方、ステップ303で、車室内温度が所定温度Trを超えると判定すると、ステップ304に進み、蓄電池1への充電運転を実施する。次にステップ305で、スイッチング素子50の温度が第1の判定温度T1以上であるか否かを判定する。第1の判定温度T1は、例えば80℃に設定される。ステップ305で、T1未満であると判定すると、充電器5を冷却する必要はないため、ステップ306で電動圧縮機12を停止し、室外送風装置14を駆動しない処理を実行して冷凍サイクル11を停止し、ステップ308に進む。ステップ306の処理により、室外送風装置14を駆動しないことで、電力消費、騒音等を抑制することができる。
ステップ305で、T1以上であると判定すると、充電器5を冷却する必要があり、かつ車室内100への放熱は乗員に対して不快感を与えうるため、ステップ307で電動圧縮機12を駆動し、室外送風装置14を駆動する処理を実行して、充電器5の廃熱を車室外へ排出する。この処理により、上述したように、スイッチング素子50が冷却される。ステップ305でT1以上であると判定すると、冷却実施温度を満たすと判定したことになる。
ステップ306またはステップ307の後には、ステップ308で、スイッチング素子50の温度が第2の判定温度T2以上であるか否かを判定する。第2の判定温度T2は、素子の寿命に影響を与えうる温度であり、例えば120℃に設定される。ステップ308で、T2未満であると判定すると、充電運転を継続するとともに、ステップ300に戻り、上述の処理を実行していく。ステップ308でT2以上であると判定すると、素子の寿命に関わる状態であるため、ステップ309で電動圧縮機12を停止し、室外送風装置14を駆動しない処理を実行して冷凍サイクル11を停止する。さらにステップ310で充電停止の処理を実行し、本フローチャートを終了する。
なお、乗員の有無の検出は、乗員検出センサ33を用いる他、他の手段によるものでもよい。例えば、画像処理、超音波等を使用した乗員検出装置を採用してもよい。
本実施形態の車両用冷却装置20Bがもたらす作用効果を以下に述べる。本実施形態によれば、乗員検出センサ33が乗員を検出した場合は、凝縮器13の内部に取り込んだ冷媒を、室外送風装置14によって凝縮器13に送風される空気と熱交換させることによって、凝縮器13において放熱する(ステップ307)。
例えば、充電時に車室内100に乗員が存在していることもある。この場合には、充電器5の廃熱を蒸発器16の放熱を介して車室内100に放出してしまうと、車室内100の乗員が当該廃熱によって不快感をもつことがある。そこで、本実施形態の制御によれば、乗員が車室内100に存在するとき、車室内100ではなく、凝縮器13を介して車室外に放熱を行う。これにより、乗員が充電器5の廃熱によって不快に感じることを抑制することができるので、乗員に快適性に配慮したシステムを実現できる。
また、乗員検出センサ33が乗員を検出したときでも、室温センサ31によって検出される車室内温度が予め定める所定温度Tr以下である場合は、第2の通路112を介して蒸発器16の内部に取り込んだ気体冷媒を、室内送風装置17によって蒸発器16に送風される空気と熱交換させることによって、蒸発器16において放熱する(ステップ106またはステップ106A)。
これによれば、乗員検出センサ33によって車室内100に乗員を検出した場合であっても、車室内温度が低く、乗員に対して不快でない温熱感として受け取られると判断するときには、蒸発器16を介して車室内100に放熱を行う。これにより、充電器5の廃熱を、車室内温度を下げない暖房効果として利用することができる。したがって、充電器5の廃熱の有効活用と車両全体のエネルギー効率向上とを図ることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態において、ステップ104、ステップ107等で判定される対象温度は、素子温度センサ32によって検出されるスイッチング素子50の温度であるが、その他の充電器5の耐久性、機能の確保に関係する温度であってもよい。例えば、スイッチング素子50以外の電子部品の温度、充電器5Bの外装ケースの温度、基板の温度等を用いてもよい。
上記各実施形態では、充電器5,5Aにおける冷却の必要な部品として、複数のスイッチング素子を代表例として説明したが、冷却の対象部品としては、基板、制御回路等に搭載される他の電子部品等も含むものである。
上記各実施形態において、本発明に係る冷媒液溜め部は、アキュムレータ18,18A,18Bによって実現されている。しかしながら、当該冷媒液溜め部は、蒸発器16に気体冷媒を還流させることが可能な形態であればよく、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記各実施形態において、冷凍サイクル11の冷媒を流動させる圧縮機は、スクロール型の圧縮機構を有する電動圧縮機12であるが、この形態は一例にすぎず、電動でなく機械式の圧縮機や、他のピストン型やロータリー型等の圧縮機構を使用するものを採用してもよい。
上記各実施形態において、制御装置10は、単一の制御装置であるが、様々な機器を制御する統合的な制御装置を採用するようにしてもよく、また、互いに通信手段によって通信可能とする複数の制御装置を採用してもよい。
また、上記の第3実施形態または第4実施形態に、第2実施形態のポンプ19A及びループ通路110Aの構成を適用しても、何ら問題はない。
5…充電器(発熱体)
11…冷凍サイクル
12…電動圧縮機(圧縮機)
13…凝縮器(放熱用熱交換器)
15…膨張弁(減圧装置)
16…蒸発器
17…室内送風装置
18,18A…アキュムレータ(冷媒液溜め部)
19…電磁弁(流通許否装置)
19A…ポンプ(流通許否装置)
20…車両用冷却装置
111,111A…第1の通路
112,112A…第2の通路
110,110A…ループ通路

Claims (10)

  1. 車室内空調に用いられ、少なくとも圧縮機(12)、放熱用熱交換器(13)、減圧装置(15)、蒸発器(16)を備える冷凍サイクル(11)と、
    前記蒸発器に空気を送風する室内送風装置(17)と、
    前記冷凍サイクルにおける、前記蒸発器出口部と前記圧縮機入口部との間の通路に設けられる冷媒液溜め部(18,18A)と、
    車両に搭載され、前記冷媒液溜め部に溜められる液体冷媒を用いて冷却される発熱体(5,5A)と、
    前記蒸発器と前記冷媒液溜め部とを接続する通路であって前記蒸発器から前記冷媒液溜め部に向けて液体冷媒が流通する第1の通路(111,111A)、及び前記蒸発器と前記冷媒液溜め部とを接続する通路であって前記冷媒液溜め部から前記蒸発器に向けて気体冷媒が流通する第2の通路(112,112A)を含むループ通路(110,110A)と、
    前記第1の通路における前記液体冷媒の流通を許可及び禁止する流通許否装置(19,19A)と、を備え、
    前記発熱体の温度が予め定める冷却実施温度を満たす場合には、前記流通許否装置は前記第1の通路における前記液体冷媒の流通を許可して前記ループ通路を開放するとともに、前記蒸発器は、前記第2の通路を介して内部に取り込んだ気体冷媒を、前記室内送風装置によって前記蒸発器に送風される空気と熱交換させることによって、当該気体冷媒の熱を放熱することを特徴とする車両用冷却装置。
  2. 前記冷媒液溜め部に溜まる液体冷媒の液面位置を検出する液位検出装置(30)を備え、
    前記液位検出装置によって検出される液位が、予め定める所定値以下である場合は、前記圧縮機を駆動し、かつ前記室内送風装置を動作しないことを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却装置。
  3. 前記放熱用熱交換器は、車室外に配置されており、
    前記放熱用熱交換器に空気を送風する室外送風装置(14)と、車室内における乗員の有無を検出する乗員検出装置(33)とを備え、
    当該乗員検出装置が乗員を検出した場合は、前記放熱用熱交換器の内部に取り込んだ冷媒を、前記室外送風装置によって前記放熱用熱交換器に送風される空気と熱交換させることによって、前記放熱用熱交換器において放熱することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用冷却装置。
  4. 車室内温度を検出する室温検出装置(31)を備え、
    前記乗員検出装置が乗員を検出したときでも、前記室温検出装置によって検出される車室内温度が予め定める所定温度以下である場合は、前記第2の通路を介して前記蒸発器の内部に取り込んだ気体冷媒を、前記室内送風装置によって前記蒸発器に送風される空気と熱交換させることによって、前記蒸発器において放熱することを特徴とする請求項3に記載の車両用冷却装置。
  5. 車両に搭載される蓄電装置(1)への外部電力の充電を制御する充電器(5)を備え、前記発熱体は、前記充電器に搭載される半導体素子(50)であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用冷却装置。
  6. 前記半導体素子の温度が予め定める第1の判定温度未満であるときは、前記冷却実施温度を満たさないと判定し、前記流通許否装置は前記第1の通路における前記液体冷媒の流通を禁止して前記ループ通路を閉塞するとともに、前記室内送風装置は動作しないことを特徴とする請求項5に記載の車両用冷却装置。
  7. 前記半導体素子の温度が、前記第1の判定温度以上であって、前記第1の判定温度よりも高温に設定された第2の判定温度以下であるときは、前記冷却実施温度を満たすことを特徴とする請求項6に記載の車両用冷却装置。
  8. 前記半導体素子の温度が前記第2の判定温度を超えるときは、前記充電器による前記蓄電装置(1)への充電を禁止することを特徴とする請求項7に記載の車両用冷却装置。
  9. 前記蒸発器と前記第1の通路との接続部位は、前記冷媒液溜め部と前記第1の通路との接続部位よりも高い位置に設定されており、
    前記流通許否装置は、前記第1の通路を開閉する弁(19)であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の車両用冷却装置。
  10. 前記流通許否装置は、前記第1の通路において、前記蒸発器から前記冷媒液溜め部に向けて液体冷媒を強制的に流通させるポンプ(19A)であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の車両用冷却装置。
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