JP5723110B2 - 管路の内張り材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、管路の補修や補強等に用いられる内張り材の製造方法に関する。
従来から、筒状の内張り材を、流体圧力を用いて内外面を反転させながら管路内に設置し、内張り材に内圧を作用させて管路内面に圧接して、管路の補修や補強等を行う工法が知られている。この工法で使用される内張り材としては、内外2層の筒状体を積層したものが一般的に使用されている。例えば、特許文献1,2には、筒状織布からなる外側の筒状体(以下、第1筒状体という)と、不織布層を含む内側の筒状体(以下、第2筒状体という)の、2つの筒状体が積層された構造を有する内張り材が開示されている。尚、特許文献1,2には、それぞれ、第2筒状体の一部が弛んで折り畳まれた状態で第1筒状体内に配置されている状態が示されている。
ところで、従来の内張り材においては、第1筒状体の内部に、この第1筒状体よりも径の小さい第2筒状体が挿通された構造となっていた。この場合、流体圧力を用いて内張り材の内外面を反転させる際には、径の小さな第2筒状体の内側に、径の大きな第1筒状体を入れ込むことになるため、反転時の流体圧力を大きくすることが必要になる。あるいは、特許文献3のように、流体圧力に加えてさらに牽引部材を用いて内張り材の反転を行う場合であれば、牽引部材の牽引力を大きくする必要がある。そして、反転時の流体圧力等を高くしようとすると、反転に使用する装置が大掛かりなものになり、装置が大型化してしまう。
上述した装置の大型化は、山間部での施工において特に大きな問題となる。山間部においては、高速道路上を鹿等の動物が横切らないようにするための獣用の通路や、用水を通すための水路が設けられている。しかし、このような管路を補修する場合、山間部では道が狭いために、上述したような大型の装置を現場に運び込むことは困難である。そこで、反転時の流体圧力等が比較的低くても施工できる内張り材を提供し、装置を小型化することが求められている。
特開2008−180254号公報(図1) 特開平3−213326号公報(第1図) 特開2003−287190号公報
上述したように、従来の内張り材において、反転施工時の流体圧力や牽引力を高くせざるを得ないのは、反転前に内側に位置している第2筒状体の径が小さいことに大きく起因している。そのため、内側に位置する第2筒状体の径を、外側の第1筒状体よりも大きくすることが好ましい。この場合、第2筒状体は、第1筒状体内において一部が弛んだ状態で配置されることになる。
上述した特許文献1,2においては、第2筒状体の一部が弛んで折り畳まれている状態が開示されているが、これらの特許文献には、内側の第2筒状体を外側の第1筒状体よりも径を大きくすることについての記載はない。また、弛み部は、第2筒状体の幅方向における端部に位置している。ここで、第2筒状体の幅方向端部は、内張り材の内外面が反転したときに管路内面に近接し、反転後すぐに管路内面に到達してしまうことから、このような部分に弛み部が存在すると、弛みが解消されないまま管路内面に密着してしまう虞がある。
本発明の目的は、第2筒状体の径を大きくして反転を容易にするとともに、反転時に第2筒状体の弛み部を確実に解消することのできる、管路の内張り材の製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
の発明の管路の内張り材の製造方法は、内外面が反転しながら管路内に設置される管路の内張り材を製造する方法であって、地面に載置した、外面に気密性被膜を有する第1筒状体の開口付近に凸状体を設置し、前記第1筒状体よりも大きな径を有する第2筒状体を扁平状にし、扁平状の前記第2筒状体の幅方向中央部を前記凸状体の上に載せてから、この第2筒状体を前記開口端から前記第1筒状体内に引き込むことにより、前記第1筒状体の内側に、前記第2筒状体を、その幅方向中央部に弛み部を形成して配置することを特徴とするものである。

本発明によって製造される内張り材は、内側の第2筒状体の径が外側の第1筒状体よりも大きいことから、反転時には、径の大きな第2筒状体内に径の小さな第1筒状体を入れ込むことになるため、小さい流体圧力や牽引力でも反転させることが可能になり、そのための装置を小型化することができる。また、径の大きな第2筒状体を、径の小さな第1筒状体内において、その一部が弛んだ状態で扁平状に配置し、さらに、第2筒状体の弛み部を、幅方向における中央部に位置させる。扁平状の第2筒状体の幅方向における中央部は、幅方向端部と比べると、反転時の管路の内面までの距離(空間)が大きいため、反転中に弛みが解消されやすくなり、弛み部が管路内面に密着してしまうことが防止される。
また、本発明によれば、第2筒状体を第1筒状体の内側に引き込みながら、第2筒状体の幅方向中央部に弛み部を容易に形成することができる。尚、本発明において、「扁平状」とは、本来、断面円形の第2筒状体が直径方向に押し潰されて平たくなった形状を言う。また、「第2筒状体の幅方向」とは、扁平断面の長軸に沿った方向を言う。
本実施形態に係る内張り材の斜視図である。 第2筒状体の縫製部の拡大図である。 第1筒状体内への第2筒状体の引き込み工程を示す図である。 反転時における内張り材の正面図である。 変更形態の内張り材の斜視図である。 別の変更形態の内張り材の斜視図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係る内張り材の斜視図である。この内張り材は、既設管路の補修に用いられるものであって、内外面が反転されつつ既設管路内に引き込まれた後、内圧が作用することによって管路の内面に密着し、管路内面を被覆する。
(内張り材の構造)
まず、内張り材1の構造について説明する。図1に示すように、内張り材1は、第1筒状体2と、この第1筒状体2の内側に配置された第2筒状体3とを有する。
第1筒状体2は、例えば、ポリエステル繊維で織製された筒状織物である。この第1筒状体2の外面は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂の被膜4で覆われて、気密性を有するものとなっている。
このように、第1筒状体2を筒状織物とすると内張り材1全体の強度が高くなる。それに加えて、次のような効果も得られる。内張り材1の反転後には第1筒状体2が内側に位置して、この第1筒状体2に内圧が作用することによりその外側の第2筒状体3が拡径して管路内面に圧接される。ここで、筒状織物からなる第1筒状体2の、内圧が作用したときの拡径量は比較的小さく、また、外側の第2筒状体3は第1筒状体2の拡径限界を超えては拡径しない。そのため、管路内に分岐管等の開口がある場合などに、その開口部分で内張り材1(第2筒状体3)が過度に膨張して破れてしまうことが防止される。
第2筒状体3は不織布で形成されている。図1では、内外2層の第2筒状体3を有するものが示されているが、これら2層の第2筒状体3は、径が異なるのみで、それ以外の構成は同じである。尚、この第2筒状体3の数は2つに限られるものではなく、必要に応じて適宜変更できる。
後でも述べるが、不織布からなる第2筒状体3は、硬化性樹脂液が含浸された状態で、前記第1筒状体2とともに反転されつつ既設管路内に引き込まれ、その後、内圧が加えられることによって膨張(拡径)して管路内面に圧接される。このように、第2筒状体3を不織布にすることで、低いコストで厚みの大きい内張り構造を実現することができる。尚、図1では、2層の第2筒状体3を重ね合わせることによって、第2筒状体3が1層のみである場合と比べて、より多量の樹脂液を含浸させることができるようになっている。
第2筒状体3を構成する不織布としては、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布を使用できる。あるいは、不織布単体ではなく、不織布とガラス繊維マット(チョップドストランドマット)とを交互に積層した積層材を使用してもよい。ここで、チョップドストランドマットとしては、ガラス繊維の長さが30〜70mm程度のものを使用することが好ましい。例えば、セントラル硝子株式会社製の製品番号ECM600−501(幅1.040mm)や、製品番号ECM450−501(幅1.860mm)を使用することができる。この場合には、積層材に硬化性樹脂液が含浸されて樹脂液が硬化したときに、ガラス繊維マットがFRPを構成することとなり、強度が向上する。
ところで、この第2筒状体3は、外側に位置する第1筒状体2よりも大きな径を有するものを使用する。これにより、反転時には、径の大きな第2筒状体3内に径の小さな第1筒状体2を入れ込むことになるため、反転が容易になる。
また、第2筒状体3の径が小さいと、反転後に管路内面に密着させるまでの、第2筒状体3の拡径量(即ち、周方向伸び量)が大きくなる。ここで、不織布は、負荷が作用して伸びた後に、その負荷が解消されても伸びは解消されず、その伸びによって厚みが薄くなった状態が残る。また、不織布が均一に拡径するなら問題ないのだが、実際は、不織布の部位によって拡径量(伸び)に差(ばらつき)が存在し、それは不織布の厚みばらつきとして残り、さらに、拡径量が大きいほど厚みばらつきの絶対量も大きくなる。また、第2筒状体3の厚みは、必要な補修厚みや含浸させる樹脂量などから決定されるが、第2筒状体3の拡径量が大きいと、上記条件に加えてさらに拡径によって薄くなることも考慮して不織布の厚みを設計しなくてはならず、設計に手間がかかる。これらの観点からも、管路内面に密着するまでの拡径量がある程度小さくなるように、第2筒状体3の径を大きくすることが好ましい。
但し、第2筒状体3の外径が管路の内径と同じであると、内圧が作用したときに第2筒状体3がほとんど伸びないため、反転時にしわが発生している場合にその状態のまま管路に密着してしまう。一方で、第1筒状体2は反転の際に2〜3%径が膨張する。そのため、第2筒状体3の径が小さいと反転時に高い圧力が必要になる。従って、第2筒状体3の外径は、管路の内径よりも少しだけ小さくなっていることが好ましい。詳細には、内張り材1を管路に密着させる際に、反転後に外側に位置する第2筒状体3の膨張率は、経験的に、第1筒状体2の膨張率の1/2以下でよいことがわかっている。この点から、第2筒状体3の径は管路の内径よりも1%小さくすればよい。また、第1筒状体2の径が2〜3%膨張することと、第2筒状体3の厚みを考慮すると、反転後に第2筒状体3が外側になった状態から管路に密着するまでに必要な、第2筒状体3の膨張率は1%程度となる。この点からも、第2筒状体3の径は管路の内径よりも1%小さいことが好ましい。
このように、第2筒状体3の外径を管路の内径よりも少しだけ小さくしておくと、内圧を作用させたときに第2筒状体3が周方向に伸ばされることになり、しわが発生した状態で第2筒状体3が管路内面に密着してしまうことが防止される。
また、図1に示すように、第2筒状体3は、第1筒状体2の内側において、断面扁平状(円形から直径方向に押し潰された、平たい形状)にされ、且つ、一部弛んだ状態で配置される。さらに、この弛み部7は、第2筒状体3の幅方向(扁平断面の長軸方向:図1の左右方向)における中央部において、上方へ凸となるように形成されている。このように、弛み部7が幅方向中央部に配置されている理由については、後の管路の補修方法の説明において述べることにする。また、弛み部7においては、第2筒状体3の上部と下部とが重ねられている。別の言い方をすれば、第2筒状体3の上側部分の幅方向中央部に弛み部7が設けられる一方で、第2筒状体3の下側部分の幅方向中央部にも弛み部7が設けられ、双方の弛み部7が上下に重ねられている。この場合、第2筒状体3の上部と下部を重ねて両方の弛み部7をまとめて形成することができ、上部と下部とで別々に弛み部7を形成するのに比べると、弛み部の形成が簡単になる。
尚、第2筒状体3としては縫製部のない筒状の不織布を使用してもよいが、図1に示すように、シート状の不織布が丸められて側端部同士が突き合わされた状態で縫製されたものを使用してもよい。尚、図1のように、2層の第2筒状体3のそれぞれが縫製部3aを有するものである場合には、それらの縫製部3a同士が重ならないように、縫製部3aの位置を周方向にずらした状態で積層されることが好ましい。図1では2層の第2筒状体3が、互いの縫製部3aの位置が180度ずれるように配置されている。
図2は図1に示される第2筒状体3の縫製部3aの拡大図である。第2筒状体3が縫製部3aを有するものである場合には、図2に示すように、縫製部3aの外面に、長さ方向に延在する織布6が接合されて、縫製部3aの強度が高められていることが好ましい。
織布6の繊維材質は特に限定されるものではない。但し、この織布6によって、縫製部3aの補強だけでなく、製造段階で第2筒状体3を第1筒状体2内に引き込む際の破断を防止する等の観点から、不織布からなる第2筒状体3の引っ張り強度を高めることが必要な場合には、高強度の繊維で織製されたものを使用することが好ましい。また、引っ張られたときの厚みばらつきを抑制するために、不織布からなる第2筒状体3の伸び自体を抑制することが好ましく、そのためには、織布6としては、低伸度の繊維で織製されたものを使用することが好ましい。つまり、織布6は、高強度低伸度繊維からなることが好ましい。
ここで、高強度低伸度の繊維としては、俗にスーパー繊維、あるいは、ハイパフォーマンス繊維、ハイテク繊維などと呼ばれる繊維が使用される。繊維の例としては、ガラス繊維、アラミド(全芳香族ポリアミド)繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、全芳香族ポリエステル繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等を挙げることができる。また、ガラス繊維としては、Eガラス、Cガラス、ECRガラス(商品名)などがあり、適用環境に応じて適宜に選択する。
また、織布6は、接着層5を介して、縫製部3aを覆うように第2筒状体3に接合される。この接着層5としては、様々な接着剤を使用することができるが、例えば、ホットメルト接着剤を使用できる。ホットメルト接着剤は、細長い樹脂が多数絡んだ、いわば、蜘蛛の巣状の形態を有する。そのため、接着層5は、細長い樹脂の間に小さな隙間が多数存在する構造になることから、第2筒状体3に樹脂液を含浸させたときに、その樹脂液の一部が接着層5内の隙間を通って織布6まで達し、織布6にも樹脂液が含浸されてFRPを構成することになるため、強度が向上する。
(内張り材の製造方法)
次に、上述した内張り材1の製造方法について述べる。以下では、図1に示すように、第2筒状体3が、シート状の不織布の突き合わせ部が縫製されることによって筒状に形成されている場合を例に挙げて説明する。
まず、シート状の不織布を丸めて側端部同士を突き合わせた後、この突き合わせ部を縫製して第2筒状体3を作製する。次に、縫製部3aに沿ってホットメルト接着剤を配置し、その上に、第2筒状体3の長さ方向に長い織布6を載せる。尚、このとき、織布6の幅方向中心、接着層5(ホットメルト接着剤)の幅方向中心、及び、縫製部3aの幅方向中心(不織布の突き合わせ部)をほぼ一致させる。そして、織布6の上からアイロンをあて、加熱加圧することによりホットメルト接着剤を溶融し、織布6と第2筒状体3とを接合する。尚、図1のように、2以上の第2筒状体3が用いられる場合には、縫製部3a同士が重ならないように、縫製部3aの位置を周方向にずらす。
次に、経糸と緯糸を織成してなる第1筒状体2を作製し、その外面に樹脂の被膜4を形成する。その一方で、前述した第2筒状体3の上部と下部とを重ねて断面扁平状にし、第1筒状体2の中に、この扁平状の第2筒状体3を引き込む。このとき、図3に示すように、第1筒状体2を地面に載置した状態で、その開口端付近において、第1筒状体2の幅方向中央部に合わせて凸状体9を設置する。次に、扁平状の第2筒状体3の中央部を凸状体9の上に載せてから、この第2筒状体3を、開口端から第1筒状体2内に、図3の矢印方向に沿って引き込むことで、引き込みと同時に、第2筒状体3の幅方向中央部に弛み部7を形成する。
このように、凸状体9を用いることで、第2筒状体3を第1筒状体2の内側に引き込みながら、第2筒状体3の幅方向中央部に弛み部7を容易に形成することができる。また、第2筒状体3の上部と下部とを重ねて弛みを形成するため、引き込み時に簡単に弛み部7を形成することができる。尚、第2筒状体3の引き込みを容易にするために、図3に示すように、凸状体9の頂部は丸みを帯びた形状であることが好ましい。また、凸状体9は、第1筒状体2の開口端付近から、第1筒状体2の内部へその長さ方向に沿って延びる、長尺なものであってもよい。
(管路の補修方法)
次に、上述した内張り材1を用いて既設管路を補修する方法について述べる。
まず、内張り材1(第2筒状体3)内に硬化性樹脂液を注入し、不織布からなる第2筒状体3に樹脂液を含浸させる。ここで、従来から、注入された樹脂液が内張り材1全体に行き渡るように、樹脂液が注入された内張り材1をニップローラで絞ることが行われていた(例えば、特開平3−106480号参照)。しかし、不織布からなる第2筒状体3の径が大きい場合には、ニップローラで絞る方法では第2筒状体3に均一に樹脂液を含浸させることは難しい。このように、樹脂含浸が不均一になるという観点からも、従来は第2筒状体3の径を第1筒状体2よりも大きな径にすることは行われていなかった。
そこで、本実施形態では、従来よりも粘度が低い(常温で垂れ落ちるような粘度の)樹脂液を使用する。そして、樹脂液を注入した後の内張り材1を高い位置まで搬送することで、内張り材1に付着した余分な樹脂液を重力で落としつつ、第2筒状体3に均一に樹脂液を含浸させることができる。また、この場合、ニップローラで内張り材1を絞る必要はなくなり、樹脂含浸工程が簡単になる。尚、この樹脂含浸後に内張り材1を搬送する場合には、粘度の低い樹脂液が垂れ落ちる可能性があるので、樹脂液の種類に応じた増粘処理(例えば、加熱あるいは冷却等)を行い、樹脂の粘度を高めた状態で搬送することが好ましい。
ここで、図1の内張り材1においては、第2筒状体3の縫製部3aに織布が接着されているが、この織布は、多数の細長い樹脂が絡まったホットメルト接着剤によって接着されているため、接着層内の樹脂間に存在する多数の隙間から樹脂液が織布6へ到達し、織布6にも樹脂液が含浸される。
次に、樹脂液が含浸された内張り材1に流体圧力を作用させて内外面を反転させつつ、既設配管内に引き込む。図4は、反転時における内張り材1の正面図である。ここで、上述したように、反転前に内側に位置する第2筒状体3の径が、外側に位置する第1筒状体2よりも大きいため、反転時には、径の大きな第2筒状体3の内側に、径の小さな第1筒状体2を入れ込むことになり、反転が容易になる。従って、小さい流体圧力でも反転させることが可能になり、そのための装置を小型化することができる。例えば、特開平9−48073号公報に記載のような、構造が簡単で小型の反転金具を使用することができ、山間部などの、大型の装置を搬入することが困難な現場においても施工が可能となる。もちろん、山間部に限らず、平地部での施工においても本実施形態の内張り材1を使用でき、反転時の流体圧力が小さくなることによる作業の容易さや、反転装置の小型化によって装置搬送が容易になるといった、様々な効果が得られる。
また、図1に示すように、反転前の状態において、径の大きな第2筒状体3は、径の小さな第1筒状体2内において、その一部が弛んだ状態で扁平状に配置されている。さらに、第2筒状体3の弛み部7は、幅方向(図中左右方向)における中央部に位置している。そして、扁平状の第2筒状体3の幅方向における中央部は、幅方向端部と比べると、反転したときの管路10の内面までの距離(空間)が大きい。従って、図4に示すように、反転中に、第2筒状体3の幅方向中央部は大きく広がるために弛みが解消されやすく、弛み部7が解消されないまま管路10の内面に密着してしまうことが防止される。
上記反転引き込み後、内張り材1に流体圧力等によって内圧を作用させて膨張(拡径)させながら、この第2筒状体3に含浸された硬化性樹脂液を硬化させる。尚、第2筒状体3の縫製部3aに織布6が接合されていると、縫製部3aの耐圧強度が増し、縫製部3aにおける破断が確実に防止される。また、硬化性樹脂液は、常温硬化性のものを使用することができるが、それ以外の樹脂液(例えば、熱硬化性、あるいは、光硬化性の樹脂液など)を使用することも可能である。
以上の工程を経て、その内面に気密性被膜4を有する第1筒状体2とその外側に配置された第2筒状体3とからなり、第2筒状体3に含浸された樹脂が硬化した、強固な補修管が、既設配管の内面に形成される。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、外側の第1筒状体2が筒状織物、第2筒状体3が不織布であったが、2つの筒状体の両方が筒状織物で形成されていてもよいし、あるいは、両方が不織布で形成されていてもよい。
2]図5に示す内張り材1Aのように、弛み部7が、幅方向中央部において下方へ凸となるように形成されてもよい。あるいは、図6に示す内張り材1Bのように、幅方向中央部に位置する弛み部7において、第2筒状体3の上部と下部とが重ねられておらず、上部は上方へ凸となり、下部は下方へ凸となっていてもよい。
3]先に挙げた特許文献3(特開2003−287190号公報)や、特開2003−285373号公報、特開2003−285374号公報に記載のように、ベルト等の牽引部材を内張り材の中に入れ、流体圧力に加えてさらに牽引部材で牽引しながら反転を行いつつ、牽引部材によって反転速度をコントロールするようにしてもよい。この場合、本発明の内張り材を適用することによって、反転時における流体圧力だけでなく、牽引部材の牽引力も小さくできる。
4]前記実施形態は、既設管路を補修する場合に内張り材を用いた例であったが、既設、新設を問わず、管路の補強のために内張り材を設置することもできる。
1,1A,1B 内張り材
2 第1筒状体
3 第2筒状体
4 被膜
7 弛み部
9 凸状体
10 管路

Claims (1)

  1. 内外面が反転しながら管路内に設置される管路の内張り材を製造する方法であって、
    地面に載置した、外面に気密性被膜を有する第1筒状体の開口付近に凸状体を設置し、
    前記第1筒状体よりも大きな径を有する第2筒状体を扁平状にし、
    扁平状の前記第2筒状体の幅方向中央部を前記凸状体の上に載せてから、この第2筒状体を前記開口端から前記第1筒状体内に引き込むことにより、前記第1筒状体の内側に、前記第2筒状体を、その幅方向中央部に弛み部を形成して配置することを特徴とする管路の内張り材の製造方法。
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