JP5722566B2 - 透明膜形成用電着塗料組成物、透明膜形成用水性電着塗料、透明電着塗膜の電着塗装方法および電着塗装製品 - Google Patents

透明膜形成用電着塗料組成物、透明膜形成用水性電着塗料、透明電着塗膜の電着塗装方法および電着塗装製品 Download PDF

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Description

本発明は、耐擦傷性に優れた透明膜形成用の熱硬化型アニオン電着塗料組成物および透明膜形水性電着塗料、透明電着塗膜の電着塗装方法および電着塗装製品に関する。
近年、デジタルカメラ・携帯電話機などの電子機器筺体の外装には、筺体全体の小型化に伴い強度を保つためにSUS304(ステンレスの一種)やアルミニウムなどの金属材料が使用されている。特に携帯電話機は日常的に使用され、その使用環境も鍵の入ったカバンやポケットなどに保管されるため、高い耐擦傷性や耐摩耗性が要求される。それを克服するため、粉体塗装、溶剤系塗料の塗布、およびクリヤー系UV硬化塗装を重ねた3層コートを行い金属への密着性と耐摩耗性を両立させる塗装が一般的に行われている(たとえば、特許文献1)。
特開2004−073936号公報
しかしながら、3層の塗装を行うと、良品率が悪くなったり、適度な溶剤で希釈し塗装するため、エッジ部分が垂れ外観が損なわれる欠点があり、電着塗装方法での適用が以前より望まれてきた。
本発明の目的は、電着塗装方法の利点を生かし、(i)優れた金属光沢の外観を有し,(ii)エッジ部分の均一電着性にも優れ、(iii)使用環境の悪い電子機器筺体外装に要求される優れた耐摩耗性・密着性を両立させ、(iv)透明性を付与する塗膜を形成する透明膜を形成可能な電着塗料組成物、水性電着塗料、電着塗装方法および電着塗装製品を提供することである。
本発明は、N−メチルピロリドンを含む溶剤中で重合されたアニオン電着性を有する重量平均分子量1,000〜40,000の(メタ)アクリル樹脂(A)30〜80重量%と、
アミノ樹脂(B)10〜60重量%と、
平均粒子径が0.01〜5μmである無機微粒子0.1〜30重量%とを含み、
前記無機微粒子が、重合性二重結合を有するシランカップリング剤と酸化ケイ素微粒子とを反応させた後、カルボキシル基含有モノマーを必須成分として含むアクリルモノマーとアクリル重合させてなるアクリル重合体/酸化ケイ素微粒子の複合体である、透明膜形成用電着塗料組成物である。
また本発明は、上記の透明膜形成用電着塗料組成物、アミン系中和剤および水を含むことを特徴とする透明膜形成用水性電着塗料である。
また本発明は、上記の透明膜形成用水性電着塗料を用いることを特徴とする透明電着塗膜の電着塗装方法である。
また本発明は、上記の電着塗装方法を用いて塗装され加熱硬化されてなる透明被膜を有する電着塗装製品である。
本発明によれば、重量平均分子量1,000〜40,000のアニオン電着性(メタ)アクリル樹脂(A)がN−メチルピロリドンを含む溶剤中で重合されており、この樹脂に、硬化剤としてアミノ樹脂(B)、および平均粒子径が0.01〜5μmである無機微粒子が配合された電着塗料組成物であるので、水性電着塗料として用いたとき、SUS304(ステンレスの一種)やアルミニウムなどの金属材料などへの密着性に優れた透明膜を形成すると同時に耐擦傷性にも優れる。無機微粒子を用いた塗膜は通常は不透明となるが、上記特定のアニオン電着性(メタ)アクリル樹脂(A)と平均粒子径が0.01〜5μmである無機微粒子を含み、該微粒子は重合性二重結合を有するシランカップリング剤と酸化ケイ素微粒子とを反応させた後、カルボキシル基含有モノマーを必須成分として含むアクリルモノマーとアクリル重合させてなるアクリル重合体/酸化ケイ素微粒子の複合体であるので電着塗装した塗膜は透明性を示す。
すなわち、前記無機微粒子が、重合性二重結合を有するシランカップリング剤と酸化ケイ素微粒子を反応させた後、カルボキシル基含有モノマーを必須成分として含むアクリルモノマーとアクリル重合させてなるアクリル重合体/酸化ケイ素微粒子の複合体であるので、無機微粒子がアクリル樹脂の中に一層ミクロ分散されて結合しており、酸化ケイ素微粒子が電気泳動性を有しミクロな状態で共析するので電着塗膜の透明性がさらに高くなる。
また本発明によれば、透明膜形成用水性電着塗料は、上記の透明膜形成用電着塗料組成物、アミン系中和剤および水を含むので、電着塗料組成物が水に良好に分散し、N−メチルピロリドンを含むアニオン電着性(メタ)アクリル樹脂が水中で安定化され、その中に無機微粒子が分散するので水性電着塗料が可能となる。水性電着塗料で電着した塗膜はSUS304やアルミニウムなどの金属材料などへの密着性に優れた透明膜を形成すると同時に耐擦傷性にも優れる。
また本発明によれば、上記の透明膜形成用水性電着塗料(以下、水性電着塗料という)を用いて透明電着塗膜の電着塗装をするので、電着した塗膜はSUS304やアルミニウムなどの金属材料などへの密着性に優れた透明膜を形成すると同時に耐擦傷性にも優れる。
また本発明によれば、上記の電着塗装方法を用いて電着塗装された透明塗膜(以下、塗膜という)はSUS304やアルミニウムなどの金属材料などへの密着性に優れた透明膜を形成すると同時に耐擦傷性にも優れる。
本発明の透明膜形成用電着塗料組成物(以下、電着塗料組成物という)において使用されるアニオン電着性を有する重量平均分子量1,000〜40,000の(メタ)アクリル樹脂(以下単に「アニオン性(メタ)アクリル樹脂」という)は、モノマー成分として、下記の(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、(c)その他の単官能性モノマーを共重合して得られる共重合体である。ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂、メタクリル樹脂の両方を言うものとし、(メタ)アクリレートなどのモノマーについても同様である。
(a)カルボキシル基含有モノマー
カルボキシル基含有モノマーとしては公知のものを使用でき、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの、分子内にカルボキシル基および重合性二重結合を有する化合物が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。カルボキシル基含有モノマーは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
(b)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては公知のものを使用でき、ヒドロキシ基アルキル(メタ)アクリレート、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステルなどが挙げられる。カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステルは、カプロラクトンに(メタ)アクリル酸が付加されたものであり、市販品が使用できる。たとえば、プラクセルFM1、プラクセルFM2、プラクセルFM3、プラクセルFA1、プラクセルFA2、プラクセルFA3(登録商標、ダイセル化学工業株式会社製)などが挙げられる。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。これらの内で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(c)その他の単官能性モノマー
その他の単官能性モノマーとしては特に限定はないが、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜30のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニルモノマー;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート;酢酸ビニルなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を併用できる。
アニオン性(メタ)アクリル樹脂は、N−メチルピロリドン(以下、非プロトン性極性溶剤という)を含む溶剤中で製造する。たとえば、重合開始剤の存在下および加熱下に、上記(a)〜(c)のモノマー化合物のそれぞれ1種または2種以上を重合させることによって、アニオン性(メタ)アクリル樹脂が得られる。非プロトン性極性溶剤にその他の溶剤を混合して用いることができる。その他の溶剤としては、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどのアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトンなどが挙げられる。これらの内で好ましいのはイソプロピルアルコールである。非プロトン性極性溶剤とその他の溶剤を併用する場合は、イソプロピルアルコールの併用が、アクリル樹脂の製造面、電着時における優れた外観均一性の点で好ましい。なお、これらのその他の溶剤のみを用いてアニオン性(メタ)アクリル樹脂を合成し、塗料化の際に非プロトン性極性溶剤を添加した場合は、該アクリル樹脂と非プロトン性極性溶剤との相溶性が悪く、樹脂や顔料の沈降などの問題が発生する。したがって、重合時に非プロトン性極性溶剤を加えておく必要がある。
これらの溶剤の合計量は、アニオン性(メタ)アクリル樹脂溶液100重量%に対して30〜60重量%であるのが好ましい。30重量%以上であるとアクリル樹脂の製造が十分に行われ、60重量%以下であると塗料組成物にしたときにアクリル樹脂の固形分が確保できる。非プロトン性極性溶剤とその他の溶剤の混合比は特に限定しないが、好ましくは非プロトン性極性溶剤の量はアニオン性(メタ)アクリル樹脂100重量%に対して25重量%以上、75重量%以下である。25重量%以上であると塗料組成物である水分散またはエマルジョンの安定性が良好であり、その結果電着塗膜の外観均一性が良好となり、75重量%以下であると経済的である。
重合開始剤としては公知のものを使用でき、たとえば、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ジスルフィド化合物、スルフィド化合物、スルフィン化合物、ニトロソ化合物などが挙げられる。これらの中でも、アゾ化合物、パーオキサイド化合物が好ましい。アゾ化合物の具体例としては、たとえば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)など、パーオキサイド化合物としては過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。これらの重合開始剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。重合開始剤の使用量は特に制限されず、モノマーの種類、重合開始剤自体の種類、使用量などに応じて、重合反応が円滑に進行し且つ目的の重量平均分子量のアニオン性(メタ)アクリル樹脂を得ることが出来る量を適宜選択すればよいが、好ましくはモノマーの合計量100重量部に対して0.01〜3重量部である。重合開始剤は、重合反応の進行状況に応じ、時間の間隔を空けて数回程度に分割して重合反応系に添加してもよい。重合反応は、好ましくは溶剤の還流温度下に行われ、3〜20時間程度、好ましくは3〜8時間程度で終了する。
アニオン性(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量は1,000〜40,000、好ましくは2,000〜30,000である。1,000未満では、水中への分散性が不良であり、電着塗料自体の沈降を生じるおそれがある。40,000を超えると、ゆず肌などの塗装の不良現象が発生し均一な外観が得られないおそれがある。なお、アニオン性(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量Mwはゲルパーミエーション(GPC)法で測定できる。たとえば、次のようにして測定した。
GPC装置(商品名:HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)において、温度40℃に設定したカラムを用い、試料溶液100mlを注入して測定した。試料溶液としては、アニオン性(メタ)アクリル樹脂(乾燥品)の0.25%テトラヒドロフラン溶液を一晩放置して溶解したものを用いた。分子量校正曲線は標準ポリスチレン(単分散ポリスチレン)を用いて作成した。
アミノ樹脂(B)は、従来から公知の化合物を使用することができ、たとえば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミドなどのアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂、および該メチロール化アミノ樹脂のアルキルエーテル化物があげられる。
上記メチロール化アミノ樹脂としては、メチロール化メラミン樹脂が好適であり、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基の一部もしくは全部がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールなどの1種もしくは2種以上の1価アルコールで変性されたメラミン樹脂を使用することができる。
上記のメラミン樹脂の市販品としては、例えば、ユーバン20SE−60、ユーバン225(以上、いずれも三井化学株式会社製、商品名)、スーパーベッカミンG840、スーパーベッカミンG821(以上、いずれも大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)などのブチルエーテル化メラミン樹脂;スミマールM−100、スミマールM−40S、スミマールM−55(以上、いずれも住友化学株式会社製、商品名)、サイメル232、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370(以上、いずれも日本サイテックインダストリーズ株式会社製、商品名)、ニカラックMS17、ニカラックMX15、ニカラックMX45、ニカラックMX430、ニカラックMX600、(以上、いずれも株式会社三和ケミカル製、商品名)、レジミン741(モンサント社製、商品名)などのメチルエーテル化メラミン樹脂;サイメル235、サイメル202、サイメル238、サイメル254、サイメル272、サイメル1130(以上、いずれも株式会社三井サイテック製、商品名)、スマミールM66B(住友化学株式会社製、商品名)などのメチル化とイソブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂;サイメルXV805(株式会社三井サイテック製、商品名)、ニカラックMS95(株式会社三和ケミカル製、商品名)などのメチル化とn−ブチル化との混合エーテル化メラミン樹脂などを挙げることができる。
本発明において、酸化ケイ素微粒子(以下、無機微粒子ということがある)は、耐擦傷性、樹脂との混和性の面、分散粒子の径を容易に制御できるなどの理由で好ましく用いられる。無機微粒子の平均粒子径は0.01〜5μmである。無機微粒子の平均粒子径が0.01μm未満であると粒子の凝集が起こりやすくなり塗膜外観が悪くなり、5μmを超えると塗膜の透明性が不良となる。好ましくは0.01〜1μmである。この範囲内であると粒子の凝集が起こりにくく透明性に加えて耐擦傷性もさらに良好である。特に好ましくは0.01〜0.02μmである。この範囲内であると粒子の凝集がさらに起こりにくく透明性に加えて耐擦傷性も特に良好となる。
前記無機微粒子自体は電気泳動性がなく、アクリル樹脂が電着する際に共析して塗膜に入るが、無機微粒子をアクリル樹脂に結合させれば無機微粒子も電気泳動性を有することになり、ミクロな状態で塗膜に入り透明性に貢献することになる。このことから、重合性二重結合を有するシランカップリング剤を用い、片方の端にある加水分解性シリル基と無機微粒子を結合させた後、別の片方にある重合性二重結合基とアクリル酸などの上記のカルボキシル基含有モノマーを必須成分として含むアクリルモノマーとを共重合させれば無機微粒子はアクリル樹脂に取り込まれアクリル重合体/無機微粒子の複合体を形成する。その後カルボキシル基含有モノマーをアミン系中和剤で中和すれば、アクリル重合体/無機微粒子は電気泳動性を有する。
重合性二重結合を有するシランカップリング剤としては公知のシランカップリング剤が使用でき、たとえば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。好ましいのはγ−(メタ)アクリロキシアルコキシシランである。重合性二重結合を有するシランカップリング剤の量は無機微粒子100gに対し、0.1〜3gが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーを必須成分として含むアクリルモノマーは上記の(a)、(b)、(c)のアクリルモノマーが使用できるが、カルボキシル基含有モノマー単独が好ましい。(a)カルボキシル基含有モノマーとしては(メタ)アクリル酸が好ましい。(a)カルボキシル基含有モノマーの量は特に限定はないが、重合性二重結合を有するシランカップリング剤に対して重量比で1:0.03〜1:100が好ましい。
加水分解性シリコンと無機微粒子との反応条件は公知の条件でよく、温度は常温〜60℃程度が好ましい。反応の際に水を添加するのが好ましい。水はシランカップリング剤の加水分解を促進する。水の量は限定ないが無機微粒子100gに対して1〜100gが好ましい。通常無機微粒子の酸または塩基官能基がシリコンの加水分解を助長するが、シリコンの加水分解を促進するために公知の触媒を添加してもよい。
二重結合の重合反応も公知のアクリル重合の条件が使用できる。
このアクリル重合体/無機微粒子はアクリル樹脂でもあるので、アニオン電着性(メタ)アクリル樹脂(A)との相溶性がよく均一に分散され、電着塗装により均一に電着されることになる。
[電着塗料組成物]
本発明の電着塗料組成物は、電着塗料組成物を100重量%としたとき、非プロトン性極性溶剤を含む溶剤中で重合したアニオン電着性を有する重量平均分子量1,000〜40,000の(メタ)アクリル樹脂(A)を30〜80重量%、アミノ樹脂(B)を10〜60重量%、および平均粒子径が0.01〜5μmである酸化ケイ素微粒子と重合性二重結合を有するシランカップリング剤とを反応させた後、カルボキシル基含有モノマーを必須成分として含むアクリルモノマーとアクリル重合させてなるアクリル重合体/酸化ケイ素微粒子の複合体(C)を1〜30重量%を有効成分として含む。本発明の電着塗料組成物は、たとえば、上記の各成分の所定量を混合して製造できる。
(メタ)アクリル樹脂(A)の量が30重量%未満であると、水分散性が悪くなり、塗料安定性が低下し、80重量%を超えると塗膜にピンホール・ゆず肌などの不具合が生じる。好ましくは55〜75重量%である。この範囲内であると塗料液が安定であり、塗装外観も良好である。アミノ樹脂(B)の量が10重量%未満であると硬化塗膜の硬度・耐溶剤性が極端に低下し、60重量%を超えると樹脂・顔料の水分散性が悪く沈降の原因となる。好ましくは25〜45重量%である。この範囲内であると塗料液は安定であり、塗装外観も良好である。平均粒子径が0.01〜5μmである無機微粒子(C)の量が1重量%未満であると、塗膜の耐擦傷性が不良となり、30重量%を超えると塗膜の透明性が不良となる。好ましくは5〜20重量%である。この範囲内であると塗膜の耐擦傷性、透明性がさらに良好な安定な塗装外観が得られる。
さらに本発明の電着塗料組成物は、たとえば、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの一般的な電着塗料用添加剤の適量を含むことができる。
[水性電着塗料]
水性電着塗料は、本発明の電着塗料組成物、アミン系中和剤および水を含む。本発明の電着塗料は、本発明の電着塗料組成物にアミン系中和剤を加えて混合した後、水に投入して分散して製造してもよいし、アミン系中和剤を水に溶解した後、本発明の電着塗料組成物を投入して分散して製造してもよい。好ましくは前者である。水性電着塗料における電着塗料組成物の含有量は、固形分(塗膜形成成分)として、水性電着塗料全量の5〜20重量%、好ましくは8〜15重量%である。5重量%未満または20重量%を超えると、塗料中での各成分の分散状態が不安定になり、凝集・沈殿が発生し、均一な塗膜外観が得られないなどの不具合が発生するおそれがある。
アミン系中和剤としては、公知のアミン化合物が使用でき、たとえば、第1〜3級の脂肪族アミン(炭素数1〜22の飽和または不飽和アミン)、第1〜3級のアルカノールアミン(炭素数3〜22の飽和または不飽和アミン)、第1〜3級の脂環式アミン(炭素数5〜22の飽和または不飽和アミン)、第1〜3級の芳香族アミン(炭素数6〜30の第1級もしくは第2級アミン)、第1〜3級の芳香脂肪族アミン(炭素数6〜30のアミン)、およびこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。具体的には、脂肪族アミン(メチルアミン、エチルアミン、n−およびi−プロピルアミン、n−、i−、sec−およびt−ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ドデシルアミンなどの第1級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミンなどの第2級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどの第3級アミン;エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミンなどの2価アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの3価〜5価またはそれ以上の脂肪族多価アミン);アルカノールアミン(モノエタノールアミンなどの第1級、ジエタノールアミンなどの第2級、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエタノールなどの第3級アミン);第1〜3級の脂環式アミン(シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなど);第1〜3級の芳香族アミン(アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの第1級アミン、N−メチルアニリンなどの第2級アミン、N−エチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの第3級アミン;3−および/または1,4−フェニレンジアミン、2,4−および/または2,6−トリレンジアミン、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジアミンなどの2価アミン、および3価〜5価またはそれ以上のポリアミン);第1〜3級の芳香脂肪族アミン(ベンジルアミンなど)などが挙げられる。これらのアミン化合物は1種単独または2種以上を併用できる。これらの内で好ましいのは、第3級アミンであり、より好ましいのは第3級脂肪族アミン、アルカノールアミンであり、特に好ましいのは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N、N−ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミンであり、最も好ましいのはトリエチルアミン、N、N−ジメチルアミノエタノールである。
アミン系中和剤は、(メタ)アクリル樹脂中の酸成分を中和するものであり、その含有量は特に制限されないが、樹脂中の酸成分以上に用いることはしない。アミン系中和剤は、好ましくは水性電着塗料の0.1〜7重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。0.1重量%以上であると、各(メタ)アクリル樹脂の水溶性化が十分であり、各(メタ)アクリル樹脂が水中で均一に分散する。7重量%以下であると、アミン系中和剤が不純物として残存しにくく、電着塗装ひいては電着塗装後の加熱による硬化塗膜に悪影響を及ぼすおそれがない。なお、アミン系中和剤は各(メタ)アクリル樹脂との反応によって消失するが、各(メタ)アクリル樹脂と反応する前における、水への添加量を含有量と規定する。
本発明の水性電着塗料を適用する対象基材は、電着塗装ができれば限定はないが、ステンレススチール(SUS304)、アルミニウムもしくはアルマイトを施したアルミニウム素材、めっき素材またはめっきを施した物品、ダイカストなどに適用でき、特に本発明の水性電着塗料は、外観が均一となるので電子機器筺体分野の筺体に特に好適に適用できる。
めっき素材としては、この分野で常用されるものをいずれも使用でき、たとえば、純鉄、炭素鋼、高抗張力鋼(低合金鋼、マルエージング鋼)、磁性鋼、非磁性鋼、高マンガン鋼、ステンレス鋼(マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、オーステナイト・フェライト系ステンレス、析出硬化型ステンレスなど)、超合金鋼などの鉄系金属、銅および銅合金(無酸素銅、りん青銅、タフピッチ銅、アルミ青銅、ベリリウム銅、高力黄銅、丹銅、洋白、黄銅、快削黄銅、ネバール黄銅など)、鉄・ニッケル合金、ニッケル・クロム合金、ニッケル、クロム、アルミニウムおよびアルミニウム合金、マグネシウムおよびマグネシウム合金、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびこれらの合金、モリブデン、タングステンおよびこれらの合金、ニオブ、タンタルおよびこれらの合金、セラミックス類(アルミナ、ジルコアなど)などが挙げられる。めっき素材表面に施されるめっきの種類は特に制限されず、この分野で常用されるめっきをいずれも採用できる。たとえば、銅・ニッケル・クロムめっき、ニッケル・ボロン・タングステンめっき、ニッケル・ボロンめっき、黄銅めっき、ブロンズめっきなどの各種合金めっき、金めっき、銀めっき、銅めっき、錫めっき、ロジウムめっき、パラジウムめっき、白金めっき、カドミウムめっき、ニッケルめっき、クロムめっき、黒色クロムめっき、亜鉛めっき、黒色ニッケルめっき、黒色ロジウムめっき、亜鉛めっき、工業用(硬質)クロムめっきなどが挙げられる。また、ダイカストとしては、亜鉛ダイカスト、アルミニウムダイカスト、マグネシウムダイカスト、焼結合金ダイカストなどが挙げられる。
本発明の水性電着塗料を用いる電着塗装は、従来のアニオン電着塗装と同様にして実施できる。たとえば、被処理品に必要に応じて脱脂処理、酸洗処理などを施した後、本発明の水性電着塗料に被処理品を浸漬し、通電を行うことによって、被処理品表面に未硬化の電着塗膜が形成される。この未硬化の電着塗膜が形成された被処理品を加熱処理することによって、被処理品表面に硬化した電着塗膜が形成される。脱脂処理は、たとえば、被処理品の表面にアルカリ水溶液を供給することにより行われる。アルカリ水溶液の供給は、たとえば、被処理品にアルカリ水溶液を噴霧するかまたは被処理品をアルカリ水溶液に浸漬させることにより行われる。アルカリとしては金属の脱脂に常用されるものを使用でき、たとえば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどのアルカリ金属のリン酸塩などが挙げられる。アルカリ水溶液中のアルカリ濃度は、たとえば、処理する金属の種類、被処理金属の汚れの度合いなどに応じて適宜決定される。さらにアルカリ水溶液には、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤の適量が含まれていてもよい。脱脂は、20〜50℃程度の温度下(アルカリ水溶液の液温)に行われ、1〜5分程度で終了する。脱脂後、被処理品は水洗され、次の酸洗工程に供される。その他、酸性浴に浸漬する脱脂、気泡性浸漬脱脂、電解脱脂などを適宜組み合わせて実施することもできる。酸洗処理は、たとえば、被処理品の表面に酸水溶液を供給することにより行われる。酸水溶液の供給は、脱脂処理におけるアルカリ水溶液の供給と同様に、被処理品への酸水溶液の噴霧、被処理品の酸水溶液への浸漬などにより行われる。酸としては金属の酸洗に常用されるものを使用でき、たとえば、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。酸水溶液中の酸濃度は、たとえば、被処理金属の種類などに応じて適宜決定される。酸洗処理は、20〜30℃程度の温度下(酸水溶液の液温)に行われ、15〜60秒程度で終了する。脱脂処理および酸洗処理のほかに、スケール除去処理、下地処理、防錆処理などを施してもよい。
電着塗装は、公知の方法に従い、たとえば、本発明の水性電着塗料を満たした通電槽中に被処理品を完全にまたは部分的に浸漬して陽極とし、通電することにより実施される。電着塗装条件も特に制限されず、被処理品である金属の種類、電着塗料の種類、通電槽の大きさおよび形状、得られる塗装被処理物の用途などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるが、通常は、浴温度(電着塗料温度)10〜50℃程度、印加電圧10〜450V程度、電圧印加時間1〜10分程度、水性電着塗料の液温10〜45℃とすればよい。電着塗装が施された被処理品は、通電槽から取り出され、加熱処理が施される。加熱処理は、予備乾燥と硬化加熱とを含む。予備乾燥後に硬化加熱が行われる。予備乾燥は、60〜140℃程度の加熱下に行われ、3〜30分程度で終了する。硬化加熱は、150〜220℃程度の加熱下に行われ、10〜60分程度で終了する。このようにして、本発明の水性電着塗料による電着塗膜が得られる。
以下に合成例、実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(合成例1)
[電着用アクリル樹脂(A−1)の合成]
攪拌機、冷却器、温度計および滴下管を備える反応器にブチルカルビトール30g、N−メチルピロリドン50g、ブチルセロソルブ20gを入れ、熱媒体油として「PEG#400」(ポリエチレングリコール:ライオン株式会社製)を用いるオイルバスで加熱し、溶剤を還流状態にした。これと同時に、アクリル酸3g、イタコン酸3g、ヒドロキシエチルメタクリレート25g、ヒドロキシエチルアクリレート25g、メチルメタクリレート34g、スチレン10gとアゾビスブチロニトリル(AIBN、ラジカル重合開始剤)2.4gを混合攪拌し、AIBNが均一に溶解したことを確認した後、この混合液を反応器内に3時間かけて滴下した。滴下終了後、N−メチルピロリドン5gで滴下管の残存モノマーを洗い流し、滴下終了30分後、AIBNを0.3g秤量して反応器に投入し、以後、30分おきにAIBNを0.3gずつ合計3回投入した。3回の投入終了後3時間還流し、反応を終了した。反応器を冷却し30℃以下になった時点で反応物を取り出し、電着用アクリル樹脂(A−1)を得た。固型分48.5重量%、アクリル樹脂に対するN−メチルピロリドンの重量は55%であった。
(合成例2)
[比較の電着用アクリル樹脂(A−2)の合成]
合成例1において、N−メチルピロリドンに替えてキシレンを用いる以外は、合成例1と同様にして、比較の電着用アクリル樹脂(A−2)を得た。固型分48.5重量%であった。
(合成例3)
[アクリル重合体/無機微粒子複合体の合成]
無機微粒子「スノーテックス NPC−ST−30」(シリカ、日産化学工業株式会社、平均粒子径10〜20nm)100gを反応器に入れ、「KBE−502」(3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、信越シリコーン株式会社製シランカップリング剤)1.6g、水5gを添加混合して60℃で温め、2時間反応させた。その後アクリル酸5g、AIBN0.2gを投入し80℃で2時間反応させアクリル重合体/無機微粒子複合体を得た。
参考例1)
攪拌装置の付いた2リットルの容器に入れた、合成例1で得られた電着用アクリル樹脂100g、「ニカラックMX40」(登録商標、メラミン樹脂、株式会社三和ケミカル製)40g、無機微粒子「スノーテックス NPC−ST−30」33.3gからなる電着塗料組成物に、トリエチルアミン2.6gを加えて均一になるまで攪拌した後、攪拌しながらイオン交換水を徐々に加えて全量を1リットルとし、参考例1の水性電着塗料(B−1)を製造した。
(実施例
参考例1において、無機微粒子「スノーテックス NPC−ST−30」に替えて上記の合成例3で得られたアクリル重合体/無機微粒子複合体の無機微粒子が同量になるように替える以外参考例1と同様にして実施例の水性電着塗料(B−2)を製造した。
比較例3)
参考例1において、無機微粒子「スノーテックス NPC−ST−30」に替えて「HTD−710T」(酸化チタン、テイカ株式会社社製、平均粒子径10〜20nm)を同量用いる以外参考例1と同様にして、比較例3の水性電着塗料(B−3)を製造した。
(比較例1)
参考例1において、上記の合成例1で得られた電着用アクリル樹脂(A−1)に替えて合成例2で得られた電着用アクリル樹脂(A−2)を同量用いる以外参考例1と同様にして比較例1の水性電着塗料(B−4)を製造した。
(比較例2)
参考例1において、上記の合成例1で得られた電着用アクリル樹脂(A−1)に替えて「エレコートAM−1」(株式会社シミズ製電着塗料、一般型アクリルメラミン系)を同量用いる以外参考例1と同様にして、比較例2の水性電着塗料(B−5)を製造した。
(性能試験)
SUS304テストピース(ステンレス鋼製,寸法100mm×70mm×1mm)の表面に、上記の水性電着塗料(B−1)〜(B−5)を用い、液温25℃、塗装時間1分、通電方式:全没通電、電圧50V、塗料攪拌:3サイクル/時間の条件で電着塗装を行って膜厚15μmの被膜を形成した。次に110℃で10分間の予備乾燥し、さらに180℃で30分間加熱して、テストピース表面に硬化被膜を形成した。電着塗装の際、テストピースの長辺方向の一方の端を上にして吊り下げて塗装液に浸漬した。
[外観]
(目視)上記の水性電着塗料(B−1)〜(B−5)を用いてテストピース表面に形成された硬化被膜の外観の状態を目視により観察した。
[塗膜の透明性]
上記の水性電着塗料(B−1)〜(B−5)を用いてテストピース表面に形成された硬化被膜を水銀アマルガム法によりテストピースから塗膜を剥離して試料とし、自記分光光度計(日立製作所製、EPS−3T型)を用いて400〜700nmの波長で分光透過率を測定した。測定する波長(400〜700nm)により透過率に差が生じるときは最大数値(最大透過率)を採用して光線透過率とした。
[硬度](鉛筆硬度)
得られた上記の水性電着塗料(B−1)〜(B−5)の硬化被膜の鉛筆硬度は、JIS K 5600−5−4に準拠して測定した。
[密着性試験]
上記の水性電着塗料(B−1)〜(B−5)の硬化被膜について、テープを用いた付着性測定のための標準試験方法(Test methods for measuring adhesion by tape test、ASTM D3359−1993)に準拠して碁盤目剥離試験(剥離にはクロスカットテープを使用)を行い、その剥離残渣面積に基づいて10点法で評価をした。10点は全く剥がれていない状態、0点は全部剥がれた状態を指す。密着性は室内で試験を実施した結果である。
[耐擦傷性(スチールウール摩耗)]
上記の水性電着塗料(B−1)〜(B−5)の硬化被膜について、1kg荷重の条件で#0000のスチールウールを往復させ傷が発生するときの回数を測定した。
[耐アセトン性試験(アセトンラビング)]
直径10mmの円形に切り取ったガーゼを4枚重ね合わせ、これにアセトンを含浸させて試験布を作成した。この試験布によって、1kgの荷重下に、上記の水性電着塗料(B−1)〜(B−5)の硬化被膜の表面を擦り、テストピースの素地が露出して傷が付かない擦り回数、すなわち硬化被膜表面に変化がない回数を求めた。
[安定性]
上記の水性電着塗料(B−1)〜(B−5)を室温で3日間静置し、塗料中の沈澱物の有無の確認、および静置後の水性電着塗料を攪拌した後塗装した際に問題があるか、塗膜の外観などから総合判定した。
Figure 0005722566
表1から、本発明の水性電着塗料によって形成される電着塗装塗膜は、透明度が高く耐擦傷性が良好であることがわかる。さらに、密着性、塗料の安定性にも優れている。
また、参考例1において無機微粒子「スノーテックス」の平均粒子径と含有量を変えて参考例1と同様にして水性電着塗料を作成した(参考〜8、比較例)。性能を評価した結果を表2に示す。この際、無機微粒子を増加した分については、その半量をアクリル樹脂とアミノ樹脂の量からそれぞれ減らして用いた。
Figure 0005722566

Claims (4)

  1. N−メチルピロリドンを含む溶剤中で重合されたアニオン電着性を有する重量平均分子量1,000〜40,000の(メタ)アクリル樹脂(A)30〜80重量%と、
    アミノ樹脂(B)10〜60重量%と、
    平均粒子径が0.01〜5μmである無機微粒子0.1〜30重量%とを含み、
    前記無機微粒子が、重合性二重結合を有するシランカップリング剤と酸化ケイ素微粒子とを反応させた後、カルボキシル基含有モノマーを必須成分として含むアクリルモノマーとアクリル重合させてなるアクリル重合体/酸化ケイ素微粒子の複合体である、透明膜形成用電着塗料組成物。
  2. 請求項1に記載の透明膜形成用電着塗料組成物、アミン系中和剤および水を含むことを特徴とする透明膜形成用水性電着塗料。
  3. 請求項記載の透明膜形成用水性電着塗料を用いることを特徴とする透明電着塗膜の電着塗装方法。
  4. 請求項記載の電着塗装方法を用いて塗装され加熱硬化されてなる透明被膜を有する電着塗装製品。
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