JP5720956B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池に関し、より詳しくは、電池ケースの内圧が所定圧に達した際に電流を遮断する機構を備えた二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池およびその他の二次電池は、電気を駆動源とする車両搭載用電源、あるいはパソコンおよび携帯端末その他の電気製品等に搭載される電源として重要性が高まっている。かかる二次電池は、大容量であるだけでなく、瞬時に大電流を取り出せる高出力特性や、電池の異常時には速やかに電池反応を停止する安全性等が求められるようになっている。
例えば、二次電池は、一般に所定の電圧領域(例えば3.0V以上4.2V以下)に収まるよう制御された状態で使用されるが、誤操作等により電池に通常以上の電流が供給されると、所定の電圧を超えて過充電状態に陥ることが想定される。このような過充電時には、電解液が分解して電池ケース内にガスが発生したり、活物質の発熱により電池内部の温度が上昇したりといった問題が生じるおそれがある。そのため、このような問題を未然に防止し、より高い安全性を得る目的で、過充電状態を電池温度や電池内圧等により検知した場合に電流を遮断する機構(電流遮断機構:CID)を設けた電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この電流遮断機構130は、一般的には、図8に例示したように、二次電池110における外部接続端子(典型的には、正極外部接続端子122)と、この二次電池110に収容されている電極体120との間の導電経路に配設される。また、図9にも例示したように、電流遮断機構130は、電池構成や組立作業性等を考慮して、一般的には、二次電池110の電池ケース112の蓋となる封口板114に一体的に配設されている。図9に示した構成では、封口板114よりも電池110内側で、電極体120(図8参照)との間に電流遮断機構130が設けられている。そしてこの電流遮断機構130は、本質的に、変形部材140と、接続部材150とを含んでいる。
変形部材140は、正極接続端子122に電気的に接続されており、電池110の内方と外方とを気密に封止している。また、変形部材140は、典型的には、その中央部分に電池内方に凹んだ凹部146を有しており、電池110内の圧力が上昇した際にその内圧を受けてこの凹部146が電池110外方に変位するように変形する(図示せず)。
接続部材150は、電池ケース112に収容される電極体120(図2参照)に電気的に接続され、所定の応力により容易に破断する破断部156を備えている。
この変形部材140と接続部材150とは、通常は絶縁部材C134を介しつつ、凹部146と破断部156とで互いに接合されている。そして、過電流状態において電池内圧が上昇し、変形部材140が変形した場合に、接続部材150の破断部156が破断して接続部材150から乖離し、変形部材140と接続部材150との導電経路が遮断される構成となっている。
ここで一般的に、導電経路は、電気伝導性の高い材料を用いるとともに、各部材を電気的に良好に接続するなどして、内部抵抗が低くなるように設計されている。例えば、変形部材140と接続部材150には、ともに高導電性のアルミニウムまたはアルミニウム合金を用い、これらの接合にはリベットやカシメ等による機械的な接合法ではなくレーザ溶接等の溶接法を採用して、より電気抵抗の低い構成を実現するようにしている。かかる内部抵抗の低減は、とりわけ高出力での放電を実施し、導電経路に大電流を流す必要のある電池110において努力すべき重要な要件とされている。
特開2008−66254号公報
ところで、アルミニウムおよびアルミニウム合金は、反射率と熱伝導率がともに高いことから、例えばレーザ溶接による局部的な溶融にも大きな入熱が必要であり、溶接金属およびその周辺の熱影響部(以下、溶接金属および熱影響部を併せて、単に「溶接部」という場合がある。)に溶接歪が発生しやすく、高品質な溶接が困難とされている。特に、薄肉の変形部材140と接続部材150のレーザ溶接に際しては、熱影響部が広範囲に広がり、溶接部に歪や溶接割れ(クラック)が生じたり、焼鈍し効果によって溶接部の強度(耐力)が低下することがある。クラックの発生は、電池の内部抵抗を高めたり、強度および信頼性を損ねるものとなり得る。また、変形部材140の耐力が低下すると、電池内圧を受けたときの変形具合が変化したり、破損したり、より低い応力で破断部156が破断してしまう可能性がある。そのため、CIDの作動圧にバラつきが生じるという問題があった。
これらの問題に対しては、変形部材140や接続部材150の厚みを厚くして強度を高めることで対処することもできる。しかしながら、変形部材140や接続部材150の強度を高くすることは、CIDの作動圧力が高まることを意味し、また電池の重量および体積の増大にもつながってしまう。また、CIDの作動圧を高めることは電池ケースの強度を高めたり、過充電時のガス発生量を増大させる等の設計の変更をも必要とするものである。そして、過充電時のガス発生量を増加させるには電解液のガス発生添加剤の添加量を増やす必要があり、これは直接的に電池の内部抵抗の増大を招くものであった。
本発明は、かかる従来の状況を鑑みて創出されたものであり、その目的とするところは、電池性能を損ねることなく、電流遮断機構が所定の圧力で安定して作動する、安全性および信頼性の高い二次電池を提供することである。
溶接性に優れたAl合金としては、一般的には、例えば、Mg含有量の多いA5083に代表されるAl−Mg系合金や、ZnとMgとを含む7N01に代表されるAl−Zn−Mg系合金等が挙げられる。また、耐力の高いAl合金としては、例えば、6061−T6に代表されるAl−Mg−Si系合金等が挙げられる。しかしながら、本発明者らは、CIDにおける変形部材および接続部材の使用の形態とこれに伴う作用・効果等を詳細に検討、解析し、前記の各種の材料の熱伝導率、電気伝導率、加工性等の機械的特性、耐食性、溶接性等の特性を総合的に考慮し、試験、検討を重ねた結果、変形部材の一部として、上述した各材料とは異なるAl−Mn系合金の適用により上述の課題の解決を実現し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、ここに開示される発明が提供する二次電池は、正極または負極のいずれかの電極と外部接続端子との間の導電経路に圧力感応型の電流遮断機構が備えられた二次電池であって、上記電流遮断機構は、電池の内圧が所定の圧力となった際に変形する変形部材と、その一部が上記変形部材に接合され、該変形部材の変形に伴って上記導電経路を遮断する接続部材とを備えている。そして、上記接続部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金により形成され、上記変形部材は、アルミニウムからなる主材とアルミニウム−マンガン系合金(Al−Mn系合金)からなる部材とを含む複合材により形成されており、上記変形部材と上記接続部材とは、上記Al−Mn系合金からなる部材を含む位置で溶接により接合されていることを特徴としている。
Al−Mn系合金は、マンガンの添加により純アルミニウムの加工性、耐食性を低下させることなく強度を高めた材料である。また、アルミニウムに比べて熱伝導率が低いため、溶接の際に局所に熱がこもり易く、熱影響部の発生および拡大を抑えることができる。また、焼鈍し効果による強度の低下も小さい。したがって、変形部材における溶接部がAl−Mn系合金からなる部材を含む場合は、電池内圧の上昇に伴う変形具合のズレや、破損を抑えることができる。また、入熱による強度の低下が抑えられる。
しかしながら、変形部材の全部をAl−Mn系合金で構成すると、電池の内部抵抗が必要以上に高くなるために好ましくない。そのため、変形部材は、アルミニウムからなる主材と、Al−Mn系合金からなる部材とを含む複合材により形成している。上記のAl−Mn系合金からなる部材は、少なくとも一部が最終的に溶接部に含まれていればよい。溶接前のAl−Mn系合金からなる部材は、最終的に変形部材の溶接部に略一致してもよい。なお、かかる変形部材と接続部材とを溶接することにより形成される溶融金属は、接続部材を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金と、変形部材を構成するAl−Mn系合金からなる部材とアルミニウムからなる主材(主材が含まれない場合もあり得る。)との成分を、各材料の割合に対応して配合し均質化した組成となる。これにより、他の設計変更を伴うことなく、CIDの作動圧のバラつきを抑えることができる。また、溶接後の変形部材および接続部材に歪が少ないことから、CIDの組み立て等をスムーズに行うことができる。
なお、本発明者らがCIDの作動圧のバラつきについてより詳細な検討を重ねた結果、電池内圧がCIDの作動圧に達していなくても、電池の内圧が作動圧に近く、かつ、電池が高温である場合に、CIDが作動することがあり得ることが確認された。これは、変形部材を構成するアルミニウムのクリープ現象により生じると考えられる。すなわち、高温で変形部材が電池の内圧を受けてクリープ変形することにより、接続部材が破断してCIDが作動するものである。したがって、変形部材のクリープ現象を抑制する観点からも、変形部材にAl−Mn系合金が含まれているのが肝要である。
ここに開示される二次電池の好ましい一態様においては、上記複合材において、上記接続部材に当接する部分に上記アルミニウムからなる主材が配置され、上記接続部材に当接する部分とは反対側の表面の少なくとも一部に上記Al−Mn系合金からなる部材が配置されており、上記変形部材と上記破断部材は、上記Al−Mn系合金からなる部材を含む位置で溶接により接合されていることを特徴とする。これにより、より効果的に溶接性を高め、熱影響部が狭く、より少ない入熱で高品質な溶接を行うことができる。
ここに開示される二次電池の好ましい一態様においては、上記複合材は、アルミニウムからなる層と、Al−Mn系合金からなる層が貼り合わされて構成される積層材であることを特徴としている。かかる構成の積層材とすることで、アルミニウムからなる層と、Al−Mn系合金からなる層との界面抵抗を低く抑えることができる。
Al−Mn系合金の組成は厳密には制限されないものの、ここに開示される二次電池の好ましい一態様においては、上記Al−Mn系合金は、該Al−Mn系合金の全体を100質量%として、Mnを1.0質量%〜1.5質量%の範囲で含むことを特徴としている。溶接前の状態において、Mnの含有量が1.0質量%以上の場合に高温においても耐力の低下が少なくなるためにCID作動圧にばらつきの少ない二次電池を得ることができる。また、溶接性の観点から、Al−Mn系合金のMnの含有量も1.5質量%以下とするのがより好ましい。なお、Mnを1.0質量%〜1.5質量%の範囲で含むAl−Mn系合金は、例えば、JIS規格において3000系Al−Mn系合金として規定される各種のAl合金がある。したがって、入手が比較的容易となることからも好ましい。
ここに開示される二次電池の好ましい一態様においては、上記接続部材は、その一部が上記変形部材の変形に伴って破断することにより、上記導電経路を遮断することを特徴としている。圧力感応型のCIDの作動機構としては、例えば、変形部材のみが変形することで変形部材の接点が接続部材から離れて導電経路を遮断するタイプのものや、変形部材が電池ケースの外方に向けて変形するに伴い接続部材の一部が破断することで導電経路を遮断するタイプのもの等が挙げられる。より迅速かつ確実で恒久的な電流遮断を容易に実現するという観点からは、接続部材の破断を伴う構成のCIDが好ましい。
以上のここに開示される二次電池は、例えば、過電流状態に陥った場合にCIDが作動する作動圧のばらつきが小さく抑えられており、安全性および信頼性の高い電流遮断機構を備えるものであり得る。また、電池の内部抵抗が低く抑えられている。したがって、これらの二次電池は、例えば、ハイレートでの出力特性もしくはサイクル特性について要求されるレベルが高い、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車もしくは電気自動車等の車両に搭載される車両駆動用電源用途の電池として好ましく用いることができる。このことから、本発明は、上記の二次電池を駆動用電源として備える車両をも好適に提供することができる。
一実施形態に係る二次電池の概略斜視図である。 図1のII−II断面に沿った断面模式図である。 図2の要部を拡大して示した断面模式図であって、二次電池の電流遮断機構が作動する前の状態を示す図である。 図3の電流遮断機構が作動した後の状態を示す断面模式図である。 図3の要部拡大図であって、溶接前の変形部材および接続部材の構成の一例を示した図である。 図3の要部拡大図であって、溶接前の変形部材および接続部材の構成の他の一例を示した図である。 図5Aの変形部材および接続部材を溶接した後の構成を示した図である。 図5Bの変形部材および接続部材を溶接した後の構成を示した図である。 一実施形態に係る車両の側面図である。 従来の二次電池の断面模式図である。 従来の二次電池における電流遮断機構を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態を示し、ここに開示される発明についてさらに詳しく説明する。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。特に、反転板の形状や反転板とその他の部材の寸法関係については、この図面に示された例に限定されことなく、各種の態様を考慮することができる。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
ここで開示される二次電池について、好適な一実施形態としてのリチウム二次電池を例にして説明するが、本発明の適用対象をかかる電池に限定することを意図したものではない。本明細書において「二次電池」とは、電気エネルギーを貯蔵および放出可能な蓄電デバイス一般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池、金属リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等のいわゆる蓄電池(すなわち化学電池)のほか、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する。また、ここに開示される技術は、典型的には密閉型の二次電池に好ましく適用することができる。
図1は、一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の概略斜視図であり、図2は、図1のII−II断面模式図、図3は、図2における電流遮断機構を含む部分を拡大して示した図であって、電流遮断機構が作動する前の状態を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10は、従来の一般的なリチウムイオン二次電池と同様、典型的には所定の電池構成材料(正負それぞれの集電体に活物質が保持された正極および負極、セパレータ等)を具備する捲回電極体20が適切な電解液(図示せず)とともに電池ケース12に収容された構成を有する。なお、この実施形態では、リチウムイオン二次電池10は角型電池であるが、電池の形状は角型に限定されず、円柱形状等の他の任意の形状であってよい。また、電極体は捲回電極体に限定されることなく、例えば積層型の電極体とすること等も可能である。さらに、かかる電池の構成材料および電解液等の構成は、本発明を特徴付けるものではないためここでは特に説明しないが、当業者の技術常識に基づき、目的や用途に応じて適切なものを選択して採用することができる。
電池ケース12は、直方体箱形状の一つの面(図1においては上面)が開口した形態のケース本体16と、その開口部を塞ぐ長方形板状の封口板14とを備えている。なお、電池ケース12を構成する材質としては、この実施形態では比較的軽量なアルミニウム合金を用いている。また、ケース本体16の開口部を蓋する封口板14は、純アルミニウム系のアルミニウムまたはアルミニウム合金により形成され、両者はレーザ溶接によって接合されてもいる。なお、電池ケース12の材質はこれに限定されることなく、例えば、従来のリチウムイオン二次電池で使用されるものと同様の材質のものを使用することができる。具体的には、例えば、スチール等の金属材料、あるいはポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド樹脂等の樹脂材料を用いることができる。
封口板14は、電極体20の正極と電気的に接続される正極外部接続端子22と、電極体20の負極に電気的に接続される負極外部接続端子24とが、その上面(電池ケース12の外側)に突出するように設けられている。封口板14にはさらに、安全弁26と、電解液を注入する電解液注入部28等が設けられている。
電池ケース12の内部には、ケース内圧の上昇により作動する電流遮断機構30が設けられている。電流遮断機構30は、ここでは正極と正極外部接続端子22とを電気的に接続する導電経路に配設されている。より詳細には、電流遮断機構30は、図2に示すように、構成部材として、少なくとも、変形部材40と接続部材50とを備えている。
ここで、変形部材40は、正極外部接続端子22に電気的に接続されており、電池ケース12の内圧が所定の圧力を超えた際に電池ケース12外方に変位可能とされる凹部46をその中心部分に有している。変形部材40は、自身が電池ケース12の内と外とのガス流通を遮断して気密に封止し得る構成であるため、電池ケース12内の上昇圧力を確実に受圧でき、ケース内圧が一定の圧力を超過した場合に容易に変形(反転)することができる。また、変形部材40と正極外部接続端子22の間には導電部材33が配設され、導電部材33が両者の導通を保つとともに、変形部材40の周縁部と接合されて変形部材40を固定するようにしている。
接続部材50は、この変形部材40よりもケース12内側に配設されるとともに、電極体20の正極に電気的に接続され、その一部に破断が容易とされる破断部56を有している。また、変形部材40と接続部材50とは、それぞれ凹部46および破断部56において電気的かつ機械的に接合されている。
以上の正極外部接続端子22、導電部材33、変形部材40間は溶接(例えば、レーザ溶接等)により好適に接合され、変形部材40および接続部材50間も溶接(例えば、レーザ溶接等)により好適に接合され、かかる接合部においては互いが強固に接合されている。
また、図2の例では、正極外部接続端子22は導電部材33と直接接合されているが、封口板14とは絶縁性の絶縁部材A
31および絶縁部材B 32とにより絶縁されている。正極外部接続端子22と導電部材33との接合の際は、絶縁部材A
31と絶縁部材B 32とで封口板14を挟み、絶縁した状態で正極外部接続端子22および導電部材33で挟持した状態で溶接することで、封口板14と正極外部接続端子22を一体化させることができる。また、接続端子22は、その内部に、電池10外部から電池10内の電流遮断機構30よりも外側に形成される空間に連なる貫通孔を有している。この貫通孔は、典型的には、電池10内が密閉されるように端子栓23によって封止することができる。
すなわち、図2に示した例では、接続端子22、導電部材33、変形部材40および集電体40を導電経路として、正極外部接続端子22と正極とが電気的に接続されている。かかる導電経路を介してリチウムイオン二次電池10の充放電が行われる。
以上の電流遮断機構30においては、ケース内圧が上昇することによって導電経路が遮断される。すなわち、例えばリチウムイオン二次電池10の過充電により電池ケース12の内部でガスが発生し、ケース内圧が上昇すると、変形部材40の電池ケース12内側に相当する面が内圧を受ける。そしてさらに内圧が高まるにつれ、変形部材40の凹部46が電池ケース12の外側に変位を始めようとする。これに伴い、凹部46に接合されている破断部56にも、凹部46とともに変位する力が作用する。そして、電池ケース12の内圧が所定の圧力を超えた際に、接続部材50から破断部56が破断し、図4に示したように、凹部46と破断部56が変位して変形部材40が変位(反転)する。これにより、変形部材40と接続部材50との電気的な接続が絶たれ、正極外部接続端子22から正極に至る導電経路が破断されて電流が遮断される。
ここで、ここに開示されるリチウムイオン二次電池10においては、溶接前の状態において、接続部材50が、アルミニウム(Al)またはアルミニウム合金(Al合金)52により形成され、変形部材40が、アルミニウム(Al)からなる主材42の一部にアルミニウム−マンガン系合金(Al−Mn系合金)からなる部材44を含む複合材により形成されている。図5Aおよび図5Bは、変形部材40および接続部材50が溶接される前の状態であって、変形部材40が複合材により形成され、接続部材50がAlまたはAl合金52により形成された構成の例を示している。
変形部材40および接続部材50は、Al−Mn系合金からなる部材44を含む位置で溶接により接合される。そして溶接後の両部材40、50の溶接部分は、例えば、図6Aおよび図6Bに示した構成となる。すなわち、変形部材40および接続部材50の溶接位置には、溶接によって両部材40、50が溶融凝固した溶接金属60が形成され、両者が機械的に強固に接合される。この溶接金属60は、(1)Al−Mn系合金からなる部材44、(2)Alからなる主材42、および、(3)AlまたはAl合金52を、その割合に応じて配合し均質化した組成を有すると考えることができる。なお、複合材における主材42と部材44の構成(配置)によっては、溶接金属60部分に(2)Alからなる主材42が含まれない場合もあり得る。
なお、溶接の手段は特に制限されないが、レーザ装置の高性能化によりAlおよびAl合金の接合方法の一つとしてレーザ溶接法が汎用されるようになってきている。そのため、変形部材40および接続部材50の溶接は、例えば、レーザ溶接により実施されることが低抵抗で強固な溶接を実現し得るために好ましい。しかしながら、変形部材40および接続部材50のような薄肉材からなるAlまたはAl合金のレーザ溶接は、レーザの出力条件を特に緻密に制御することが必要であり、その制御は困難であった。
すなわち、前述のとおり、(2)Alからなる主材42および(3)AlまたはAl合金52は、反射率と熱伝導率がともに高いことから局部的な溶融にも大きな入熱が必要となる。したがって、溶接金属60およびその周辺の広い範囲に熱影響部が形成され、焼鈍し効果により強度が低下することがある。また、溶接金属60およびその周辺の広い範囲に熱影響部に溶接歪や溶接割れが発生しやすい。このように、変形部材40および接続部材50のレーザ溶接では高品質な溶接が困難とされている。
これに対し、Al−Mn系合金は、成形性、耐食性、溶接性に優れ、Mnが添加されることで強度(耐力)が高められた材料である。また、Al−Mn系合金は、Alと比較して熱伝導率が低いため、レーザ照射部に熱がこもりやすく、溶接金属の周囲に与える熱影響を狭い範囲で軽微に抑える効果がある。したがって、ここに開示される発明においては、溶接部に(1)Al−Mn系合金からなる部材44を含ませることで、溶接性を向上させ、高品質な溶接部の形成を可能とするようにしている。Al−Mn系合金からなる部材44は、溶接前の状態において、変形部材40の、少なくとも溶接金属60が形成される部位に配置していることで上記の溶接性の向上の効果を得ることができる。
複合材におけるAl−Mn系合金からなる部材44とAlからなる主材42の配置、構成については、様々な態様を考慮することができる。例えば図5Aおよび図6Aに示したように、スポット溶接による溶接金属および熱影響部を含む溶接部の表面の一部をAl−Mn系合金からなる部材44で構成するようにしても良い。あるいは、図示しないが、いずれか一方の部材の溶接金属60が形成される部位の全部をAl−Mn系合金からなる部材44が占めるようにしても良いし、溶接による熱影響部を含む溶接部の全部をAl−Mn系合金からなる部材44が占めるようにしても良い。また、Al−Mn系合金からなる部材44は、少なくとも一部が溶接部の表面に配置されることに限定されず、例えば、接続部材に当接する部分に配置されても良いし、主材42に内包される等していても良い。
以上の構成により、変形部材40および接続部材50の溶接に際しては、溶接部における歪やクラックの発生および焼鈍し効果による溶接部の耐力低下を抑制することができる。延いては、溶接部における抵抗の増大や、CIDの作動圧のバラつき等の問題を抑制することができる。
なお、図5Bおよび図6Bに示したように、変形部材40の電池外方の表面をAl−Mn系合金からなる部材44が占めると、変形部材40の耐孔食性が優れたものとなるために好ましい。この場合、接続端子22に形成された貫通孔を塞ぐ端子栓23を使用しなくともよい。したがって、電池10を製造する際の部品点数を減らすことができる。かかる場合の変形部材40は、後述するオーバーレイクラッド材を用いることで好ましく作製することができる。
加えて、Al−Mn系合金は高温でも耐力の低下が少ない。したがって、変形部材40にはクリープ変形を効果的に抑制し得るようにAl−Mn系合金からなる部材44が配置されていることが好ましい。これにより、高温条件においても変形部材40のクリープ変形が抑制されて、CIDの誤作動の問題を低減することができる。
なお、改めて言うまでもないが、例えば上記の変形部材40および接続部材50のレーザ溶接と、電池ケース12等の他の部材に用いられるAl合金のレーザ溶接とでは、各材料の寸法および要求される品質が異なってくるために同様に考慮できないことは言うまでもない。
以上の変形部材40および接続部材50を構成するアルミニウム(Al)としては、純度99%以上で残部が不可避的不純物からなるいわゆる純Alを用いることができる。かかるアルミニウムとしては、具体的には、例えば、JIS規格により1000系アルミニウムとして知られる各種のアルミニウム材を例示することができる。例えば、純度が99.0%以上のA1100、99.5%以上のA1050、99.7%以上のA1070、99.8%以上のA1080等である。アルミニウムの純度は高ければ高いほど電気伝導性に優れ、さらに耐食性、加工性等の特性も高くなるために好ましい。そのため、上記の変形部材40または接続部材50を構成する(3)AlまたはAl合金52は、純Alであることが好ましい。
アルミニウム合金(Al合金)としては、アルミニウムに対し、目的に応じて様々な添加元素が加えられた各種のアルミニウム合金を用いることができる。例えば、具体的には、主要な添加元素としてCuを含み、強度等の機械的特性や切削加工性に優れた2000系アルミニウムであってよい。また、マンガンの添加により、純アルミニウムの加工性、耐食性を低下させることなく、強度を少し増加させた3000系アルミニウムであってよい。ケイ素(Si)を添加することで熱膨張を抑え、耐摩耗性を改善した4000系アルミニウムであってよい。マグネシウム(Mg)を添加することで耐食性を劣化させることなく強度および溶接性を向上させた5000系アルミニウムであってよい。ケイ素(Si)とマグネシウム(Mg)を添加することで強度および耐食性を向上させた6000系アルミニウムであってよい。アルミニウム合金のなかで最も高強度をもつAl−Zn−Mg−Cu系合金と、Cuを含まない溶接構造用Al−Zn−Mg合金等に代表される7000系アルミニウムであってよい。また、アルミニウム合金におけるアルミニウムの含有量は50質量%以上であれば上記の規格に適合しない組成のものであってもよい。しかしながら、変形部材40および接続部材50の内部抵抗の増大を考慮すると、アルミニウムの含有量は高ければ高いほど好ましく、実質的には、アルミニウムの含有量が90質量%以上、例えば93質量%以上、より好ましくは95質量%以上の割合で含まれることが好ましい。
また、アルミニウム−マンガン系合金(Al−Mn系合金)としては、Alが50質量%以上を占め、Mnを50質量%未満の含有量で含み、他の含有元素の含有量がMnより少量となる各種の合金を考慮することができる。典型的なAl−Mn系合金として、A3003、A3004、A3005、A3105等に代表される3000系アルミニウムを例示することができるが、これに限定されるものではない。Al−Mn系合金におけるMnの含有量は、上記のとおり厳密には限定されず、少量でもMnを含むことで溶接性の改善の効果を得ることができる。例えば、具体的には、Al−Mn系合金の全体を100質量%としたとき(以下、質量%について同じ)、Mn量が1.0質量%〜1.5質量%であるのが好ましい。Al−Mn系合金におけるMn量が1.0質量%以上であると、溶接部の強度を高めることができる。また、Al−Mn系合金におけるMn量が1.5質量%以下の場合に、溶接性が良好となる。Al−Mn系合金におけるMn量は、より好ましくは1.1質量%〜1.3質量%である。
また、複合材における主材42と部材44の割合については特に制限はない。また主材42と部材44の配置の仕方についても、上述の通り様々な態様を考慮することができる。なお、主材42と部材44とは、接着剤等の異種の材料を使用することなく、金属組織学的に接合したクラッド材であることが好ましい。例えば、板状の主材42の片面あるいは両面の一部に、シート状、板状、棒状、リボン状等の所望の形態の部材44を貼り付けあるいは埋め込みしたものなどを考慮することができる。より具体的には、棒状の部材44を主材42の片面あるいは両面に例えば1条〜3条程度埋め込んだインレイクラッド材や、シート状の部材44を主材42の片面あるいは両面の前面に貼り合わせて積層材としたオーバーレイクラッド材、主材42に所望の形状の貫通孔等を設けて該形状に対応する形状の部材44を嵌め込んだスルーレイクラッド材等とすることができる。主材42に組み合わせる部材44の形状および位置は、溶接位置と、上記のAl−Mn系合金からなる部材44の作用効果を考慮して適宜決定することができる。
例えば、図5Aに示すように、変形部材40の素材として、主材42であるアルミニウム(A1100)に、部材44としての円盤形のAl−Mn系合金(A3003)が埋め込まれた形態のクラッド材を用い、接続部材50の素材にアルミニウム(A1100)を用いてCIDを作製すればよいことが例示される。また、例えば、図5Bに示すように、変形部材40の素材にアルミニウム(A1100)とAl−Mn系合金(A3003)を貼りあわせたオーバーレイクラッド材を用い、接続部材50の素材にアルミニウム(A1100)を用いてCIDを作製すればよいことが例示される。
なお、電流遮断機構30の具体的な構成および配設位置等の詳細は、上記の例に限定されず、例えば、電流遮断機構30を構成要素の一部を改変したり、封口板14から離れた位置に配設したりすることもできる。例えば、電流遮断機構30は、変形部材10のみが変形することで変形部材40の接点が接続部材50から離れて導電経路を遮断するタイプの電流遮断機構30であっても良い。なお、電流遮断機構は、正極側、負極側のいずれに設けられていてもよく、それらの両方に設けられていてもよい。なお、一般的に捲回電極体20における正極集電体はアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成され、負極集電体は銅又は銅合金で形成されている。さらに変形部材40および接続部材50の加工等も考慮すると、上記の構成を有する電流遮断機構は正極側に設けるのが好ましい例として示される。なお、電流遮断機構30を負極の導電経路に適用する場合の構成および方法は、正極の場合と基本的に同様であるので、ここでは説明を省略する。
接続部材50の破断部56は、接続部材50の他の部分よりも破断しやすく構成されている。例えば、図5Aおよび図5Bに示したように、破断部56は接続部材50の他の部位よりも肉薄に形成されていてもよい。また、破断部56の周縁部に沿って例えば円形状に沿って切欠き58が設けられ、この切欠き58部分により他の部分よりも破断しやすい構成とされていてもよい。また、これに限定されず、例えば接続部材50の板状部に孔を形成し、この孔を覆うように金属シート等を配設することで破断部56を形成してもよい。また、接続部材50には、図示しないガス流通口が形成され、電池ケース12の内圧がより直接的に変形部材40に伝わるようにしてもよい。
変形部材40は、上記の説明からもわかるように、例えば、変形部材40の全体を平面視したときに略円形であってもよいし、略方形等であってもよい。また、凹部46の形状も特に限定されず、例えば変形部材40の形状と同様に、平面視したときに略円形であってもよいし、略方形等であってもよい。なお、変形部材40全体の平面視が略円形である場合には、例えば、導電部材33等でその周縁部を固定することで、より組み立て性および密封性に優れた電流遮断機構30となり得る。
より好ましくは、変形部材40は、その中心部分に平面からなる略円形の凹部46を有し、この凹部46から縁周部に向かうにつれて傾斜した平面視略円形の傾斜部を有する形態である。より限定的には、図4に例示したように、傾斜部は傾斜具合が一定な平曲面により構成されており、変形部材40全体の形状が略円錐台形状(断面形状が略台形)であるのが好ましい。変形部材40がこのような形態を含むことで、より反転動作(すなわち電流の遮断)が迅速に行える電流遮断機構30が実現される。また、図4に例示した以外にも、例えば、傾斜具合が一定でない湾曲面により構成された傾斜部53を有する変形部材40であってよい。
そしてさらに、変形部材40は、図2〜4に示したように、凹部46が電池ケース内側に向かって突出した形態、換言すると、凹部46が変形部材40の略円錐台形状に対して凹部を形成する形態であってもよい。かかる凹部の深さは、例えば、変形部材40と接続部材50とを凹部46および破断部56以外で絶縁する絶縁部材C34の厚みに等しくすることができる。かかる構成により、電流遮断機構30の構築において凹部46と破断部56とを簡便かつ確実に接合することができる。また、凹部46と破断部56との接合が良好であるため、電流遮断時に凹部46の変位に伴って迅速かつ確実に破断部56を破断させることが可能となる。
以上のここに開示された発明において、変形部材40と接続部材50とは、凹部46および破断部56において、内部抵抗を高めることなくレーザ溶接により品質よく強固に溶接されている。したがって、変形部材40および接続部材50等の肉薄の部材であっても、瞬時に大電流を流した場合の発熱が抑制され得る。また、CIDの作動圧のバラつきが押されられ得る。したがって、ここに開示される技術の好ましい適用対象として、50A以上(例えば50A〜250A)、さらには100A以上(例えば100A〜200A)のハイレート放電を含む充放電サイクルで使用され得ることが想定されるリチウム二次電池10;理論容量が10Ah以上(さらには20Ah以上)の大容量タイプであって5C以上(例えば5C〜50C)さらには10C以上(例えば10C〜40C)のハイレート放電を含む充放電サイクルで使用されることが想定されるリチウム二次電池;等を上げることができる。もちろん、汎用の電池に適用しても良いし、さらに高容量や高出力が求められる電池に適用しても良い。したがって、例えば、図7に示すように、かかる圧力感応型のCIDを備えるリチウムイオン二次電池10は、例えば、自動車等の車両1に搭載され、車両1を駆動するモータ等の駆動源用の電源として好適に利用することができる。かかる二次電池は、典型的には複数直列接続してなる組電池100の形態であり得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<二次電池の構築>
以下の手順で、電流遮断機構と、これを備える封口体部材の組み立てを行った。
まず、変形部材は、構成材料として以下のサンプル1〜3のアルミニウム系シートを用い、これを電流遮断機構の作動後の反転形状(略円錐台状)に加工することで用意した。
サンプル1の変形部材は、純アルミニウム(A1050)シートとAl−Mn系合金(A3003)シートとを張り合わせた構成のクラッド材により作製した。
サンプル2の変形部材は、純アルミニウム(A1050)により作製した。
サンプル3の変形部材は、Al−Mg−Si系合金(A6061)により作製した。
また、接続部材には、純アルミニウム(A1050)を用いた。接続部材は、変形部材の接合部分にほぼ対応する位置を肉薄に加工し、更にこの薄肉部に円形に沿って切欠きを設け、この切欠き部分で破断することで乖離し得る破断部を形成した。この切欠きは、上記のサンプル1〜3の変形部材の強度等に応じて切欠き深さ(または残厚)を調整し、所定の作動圧となるよう調整した。
上記で用意した変形部材の接合部分に対応した孔を有する封口体タブを用意し、この封口体タブに、絶縁板、封口体およびガスケットを挟持する形態で封口体タブの孔部周縁と変形部材の外周部とを全周溶接して一体化した。次いで、接続端子を装着し、封口体タブと接続端子とを固定した。
そして、この変形部材の接合部分と接続部材の破断部とをレーザ溶接による貫通スポット溶接をすることで、互いに一体化させた。また、溶接後の接続端子の貫通穴にはゴム製の端子栓を挿入した。これにより、封口体部材を作製した。
Al箔からなる正極集電体の両面に、正極活物質として一般式LiMn1/3Co1/3Ni1/3で表わされる組成のリチウム遷移金属複合酸化物を用いた正極活物質層を形成することで正極シートを作製した。また、Cu箔からなる負極集電体の両面に、負極活物質として黒鉛を用いた負極活物質層を形成することで負極シートを作製した。この正極シートおよび負極シートを、2枚のポリオレフィン製のセパレータを介して積層し、捲回することで、捲回電極体を用意した。
捲回電極体の正極集電体および負極集電体と、封口体部材の上記接続部材および負極集電部材とをそれぞれ溶接し、封口体部材と捲回電極体を一体化した。
この一体化した捲回電極体に電解液を十分に浸潤させて飽和させた後、電池ケースに収容して、封口体の外周を電池ケースに溶接することで、二次電池を構築した。なお、電解液としては、ECとMECとDMCとを体積比で3:3:4の割合で混合した非水溶媒中に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度となるように加え、さらに、ガス発生添加剤としてのシクロヘキシルベンゼン(CHB)を濃度が3.5質量%となるよう添加したものを用いた。
これにより、評価用セルとしての二次電池を作製した。なお、サンプル1〜3の変形部材を用いて作成した二次電池を、適宜そのままサンプル1〜3と呼ぶ。サンプル1〜3の電池は、それぞれ5個ずつ作製して以下の評価を行った。
<溶接性の評価>
上記変形部材の凹部と接続部材の破断部とを、基本波パルスのYAGレーザにより重ね合わせ溶接をした際の溶接性を評価した。本実施例では、最大出力4kWの基本波パルスYAGレーザを使用し、レーザ照射時間2msとして、変形部材側から重ね合わせ部の中央部にレーザを照射して一点スポット溶接をした。
溶接後のナゲットの断面の観察を光学顕微鏡で行った結果を、下記の表1に示した。表1において、溶接部にクラックの発生が確認できなかったものを○、クラックの発生が確認されたものを×で示している。サンプル1および2については、クラックの発生は確認できなかった。しかしながら、サンプル3については、ナゲットのほぼ中央部分にクラック(凝固割れ)が発生しているのが確認された。
<CIDの感圧作動性の評価>
上記で得られたサンプル1〜3の評価用の電池各5個を恒温加圧槽に入れ、ケース内を乾燥空気で置換した後、ケース内の圧力が0.5MPaで一定となるように恒温槽の温度および圧力を設定し、100時間放置した。
その後、各電池の通電テストを行うことで、CIDが作動(すなわち、誤作動)したかどうかを確認し、その結果を下記の表1に示した。表1において、CIDの誤作動がなかったものを○、誤作動したものを×で示している。サンプル1およびサンプル3の電池は正常に通電でき、いずれもCIDが作動していないことが確認できた。これに対し、サンプル2の電池は、5個中2個の電池で通電ができなかった。通電ができなかった2個の電池を慎重に分解して調べたところ、内部でCIDが作動し、導電経路が遮断されていることが確認された。
Figure 0005720956
以上の結果から、変形部材を純AlとAl−Mn系合金からなるクラッド材で構成することで、変形部材のクリープを抑制することができ、また高品質な溶接が行えるため、内部抵抗が低くCIDの誤作動の無い二次電池とすることができることが確認できた。
1 車両
10,110 二次電池
12,112 電池ケース
14,114 封口板
16 ケース本体
20,120 電極体
22,122 正極外部接続端子
23 端子栓
24,124 負極外部接続端子
26 安全弁
28 電解液注入部
30 電流遮断機構(CID)
31 絶縁部材A
32 絶縁部材B
33 導電部材
34 絶縁部材C
40 変形部材
42 Alからなる主材
44 Al−Mn系合金からなる部材
46 凹部
50 接続部材
52 AlまたはAl合金
56 破断部
58 切欠き
60 溶接金属

Claims (6)

  1. 正極または負極のいずれかの電極と外部接続端子との間の導電経路に圧力感応型の電流遮断機構が備えられた二次電池であって、
    前記電流遮断機構は、
    電池の内圧が所定の圧力となった際に変形する変形部材と、
    その一部が前記変形部材に接合され、該変形部材の変形に伴って前記導電経路を遮断する接続部材とを備え、
    前記接続部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金により形成され、
    前記変形部材は、1000系アルミニウムのみからなる主材とアルミニウム−マンガン系合金(Al−Mn系合金)からなる部材とを含む複合材により形成されるとともに、前記接続部材に当接する部分とは反対側の表面の少なくとも一部に前記Al−Mn系合金からなる部材が含まれており、
    前記変形部材と前記接続部材とは、前記Al−Mn系合金からなる部材を含む位置でレーザ溶接により接合されている、二次電池。
  2. 前記複合材において、
    前記接続部材に当接する部分に前記1000系アルミニウムのみからなる主材が配置されている、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記複合材は、前記1000系アルミニウムのみからなる層と、Al−Mn系合金からなる層が貼り合わされて構成される積層材である、請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記Al−Mn系合金は、該Al−Mn系合金の全体を100質量%として、Mnを1.0質量%〜1.5質量%の範囲で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池。
  5. 前記接続部材は、その一部が前記変形部材の変形に伴って破断することにより、前記導電経路を遮断する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池を駆動用電源として備える車両。
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