JP5719707B2 - 電気式脱イオン水製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気式脱イオン水製造装置に関するものであり、特に脱塩室の構造に関するものである。
従来、イオン交換体に被処理水を通水させて脱イオンを行う脱イオン水製造装置が知られている。このような脱イオン水製造装置では、イオン交換体のイオン交換基が飽和して脱塩性能が低下したときに、薬剤(酸やアルカリ)によってイオン交換基の再生を行う必要がある。具体的には、イオン交換基に吸着した陰イオンや陽イオンを酸またはアルカリ由来のH+やOH-で置換する必要がある。近年、上記のような運転上の不利な点を解消するため、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン水製造装置が開発され、実用化されている。
電気式脱イオン水製造装置は、電気泳動と電気透析を組み合わせた装置である。一般的な電気式脱イオン水製造装置の基本構成は次のとおりである。すなわち、電気式脱イオン水製造装置は、一対の濃縮室と、該一対の濃縮室の間に配置された脱塩室と、一方の濃縮室の外側に配置された陰極室と、他方の濃縮室の外側に配置された陽極室とを有する。脱塩室は、対向配置されたアニオン交換膜およびカチオン交換膜と、それら交換膜の間に充填されたイオン交換体(アニオン交換体および/またはカチオン交換体)とを有する。以下、電気式脱イオン水製造装置を「脱イオン水製造装置」と略称する場合がある。
上記のような構成を有する脱イオン水製造装置によって脱イオン水を製造するには、陰極室および陽極室にそれぞれ設けられている電極間に直流電圧を印加した状態で脱塩室に被処理水を通水させる。脱塩室では、アニオン交換体によってアニオン成分(Cl-、CO3 2-、HCO3 -、SiO2等)が、カチオン交換体によってカチオン成分(Na+、Ca2+、Mg2+等)がそれぞれ捕捉される。同時に、脱塩室内のアニオン交換体とカチオン交換体の界面で水の解離反応が起こり、水素イオンと水酸化物イオンが発生する(2H2O→H++OH-)。イオン交換体に捕捉されたイオン成分は、これら水素イオンおよび水酸化物イオンと交換されてイオン交換体から遊離する。遊離したイオン成分はイオン交換体を伝ってイオン交換膜(アニオン交換膜またはカチオン交換膜)まで電気泳動し、イオン交換膜で電気透析されて濃縮室へ移動する。濃縮室に移動したイオン成分は、濃縮室を流れる濃縮水と共に系外へ排出される。
上記のように、電気式脱イオン水製造装置では、水素イオンおよび水酸化物イオンが、イオン交換体を再生する酸やアルカリの再生剤として連続的に作用する。このため、薬剤による再生が基本的には不要であり、連続運転が可能である。
ところで、比抵抗値の高い良好な水質の脱イオン水(処理水)を製造するためには、カチオン交換体によるカチオン成分の除去(以下「カチオン除去」と呼ぶ場合がある。)と、アニオン交換体によるアニオン成分の除去(以下、「アニオン除去」と呼ぶ場合がある。)の少なくとも一方を2回以上行うこと、すなわち多段処理を行うことが有効である。例えば、カチオン除去とアニオン除去をこの順で1回ずつ行った場合、初めにカチオン成分が除去されるので、被処理水中にはアニオン成分が残存する。しかし、水中では電気的中性が保たれるため、除去されたカチオン成分に代わって、除去されたカチオン成分と等量の水素イオンが被処理水中に放出される。このため、カチオン成分がある程度除去された被処理水中では、水素イオンが過剰となり、カチオン交換体にカチオン成分が吸着し難くなる。この結果、カチオン成分の除去能力が低下してしまう。このような場合、アニオン除去の後に再度カチオン除去を行うことによって、カチオン成分を十分に除去することができる。
特許文献1には、上記のような多段処理を行う脱イオン水製造装置の一例が記載されている。図3に、特許文献1に記載されている脱イオン水製造装置の概略構成を示す。この脱イオン水製造装置では、脱塩室Dがイオン交換膜(カチオン交換膜c)によって、第1小脱塩室D1と第2小脱塩室D2とに区画されている。さらに、第1小脱塩室D1内には、カチオン交換体Kが単床形態で充填されており、第2小脱塩室D2には、カチオン交換体Kおよびアニオン交換体Aが複床形態で充填されている。具体的には、第1小脱塩室D1内には、カチオン交換体Kの層が一層設けられている。一方、第2小脱塩室D2内には、アニオン交換体Aの層と、カチオン交換体Kの層とが被処理水の通水方向に沿ってこの順で積層されている。以下、本明細書中では、アニオン交換体Aの層を「アニオン層A」と呼び、カチオン交換体Kの層を「カチオン層K」と呼ぶ場合がある。
被処理水は、第1小脱塩室D1内のカチオン層K、第2小脱塩室D2内のアニオン層A、第2小脱塩室D2内のカチオン層Kをこの順で通過し、処理水として系外へ排出される。すなわち、被処理水は、カチオン層K、アニオン層A、カチオン層Kをこの順で通過する。
特開2009−125738号公報(図6)
上記のような多段処理を行うことによって水質の良好な脱イオン水(処理水)を得ることができる。しかし、脱塩室内に異符号のイオン交換体層が積層されていると、各層の電気抵抗に差が生じることがある。そして、各層間の電気抵抗差がある程度以上に大きくなると、各層を流れる電流の量に無視し得ない偏りが生じる。すなわち、電流の偏流が発生し、イオン成分の除去能力が低下する。一般的に、被処理水には、カチオン成分よりもアニオン成分の方が多く含まれている。よって、アニオン層の電気抵抗がカチオン層のそれよりも大きくなり、炭酸やシリカに代表されるアニオン成分の除去が不十分になることが多い。
本発明の目的は、脱イオン水製造装置における電気の偏流を抑制し、処理水の水質をさらに向上させることである。
対向する陰極と陽極の間に少なくとも1つの脱塩処理部が設けられた電気式脱イオン水製造装置であって、前記脱塩処理部は、一対の濃縮室と、該一対の濃縮室の間に配置された脱塩室とから構成され、前記脱塩室は、イオン交換膜によって、陰極側の濃縮室に隣接する第1小脱塩室と、陽極側の濃縮室に隣接する第2小脱塩室とに区画され、前記第1小脱塩室内にはカチオン交換体が充填され、前記第2小脱塩室内には、被処理水が最初に通過するイオン交換体の層がアニオン交換体の層となる順序で、アニオン交換体の層とカチオン交換体の層が少なくとも一層ずつ設けられ、前記第2小脱塩室内に設けられている前記アニオン交換体の層の陰極側には、バイポーラ膜がそのアニオン交換膜が前記アニオン交換体の層と対向するようにして配置されている。
本発明によれば、脱イオン水製造装置における電気の偏流が抑制され、処理水の水質をさらに向上させることができる。
本発明の脱イオン水製造装置の実施形態の一例を示す概略構成図である。 本発明の脱イオン水製造装置の実施形態の他例を示す概略構成図である。 特許文献1に記載されている脱イオン水製造装置の概略構成図である。 比較例に係る脱イオン水製造装置の概略構成図である。
(実施形態1)
以下、図面を参照して、本発明の脱イオン水製造装置の実施形態の一例について説明する。図1は、本実施形態に係る脱イオン水製造装置の概略構成図である。本実施形態に係る脱イオン水製造装置では、陰極室E1と陽極室E2の間に、一対の濃縮室C1、C2と、これら濃縮室C1、C2の間に配置された脱塩室Dとからなる脱塩処理部が設けられている。もっとも、本実施形態に係る脱イオン水製造装置では、濃縮室C2と陽極室E2は同一の部屋である。具体的には、図1中で最も右側に示されている部屋には陽極が設けられており、該部屋は電極室および濃縮室の双方としての機能を兼ね備えている。
また、脱塩室D内は、イオン交換膜によって二つの小脱塩室に区画されている。具体的には、脱塩室D内は、濃縮室C1に隣接している第1小脱塩室D1と、濃縮室C2(陽極室E2)に隣接している第2小脱塩室D2とに区画されている。
上記の各部屋は、枠体1の内部を複数のイオン交換膜によって多数の空間に仕切ることによって形成されており、イオン交換膜を介して隣接している。各部屋の配列状況を陰極室E1の側から順に説明すると、次の通りである。すなわち、陰極室E1は、第1のアニオン交換膜a1を介して濃縮室C1に隣接し、濃縮室C1は、第1のカチオン交換膜c1を介して第1小脱塩室D1と隣接している。第1小脱塩室D1は、第2のカチオン交換膜c2を介して第2小脱塩室D2と隣接している。第2小脱塩室D2は、第2のアニオン交換膜a2を介して濃縮室C2(陽極室E2)と隣接している。なお、本明細書では、脱塩室を2つの小脱塩室に区画するイオン交換膜を「中間イオン交換膜」と呼んで、他のイオン交換膜と区別する場合がある。もっとも、かかる区別は説明の便宜上の区別に過ぎない。本実施形態では、図1に示されている第2のカチオン交換膜c2が中間イオン交換膜に相当する。
陰極室E1には陰極が収容されている。陰極は金属の網状体あるいは板状体であり、例えばステンレス製の網状体あるいは板状体である。
既述のとおり、陽極室E2には陽極が収容されている。陽極は金属の網状体あるいは板状体である。被処理水にCl-を含む場合、陽極に塩素が発生する。このため、陽極には耐塩素性能を有する材料を用いることが望ましく、一例として、白金、パラジウム、イリジウム等の金属、あるいはチタンをこれらの金属で被覆した材料が挙げられる。
陰極室E1および陽極室E2には電極水がそれぞれ供給される。電極水は電極近傍での電気分解により、水素イオンおよび水酸化物イオンを発生させる。脱イオン水製造装置の電気抵抗を抑えるために、陰極室E1および陽極室E2にはイオン交換体が充填されていることが好ましい。そこで、本実施形態に係る脱イオン水製造装置では、陰極室E1内にアニオン交換体Aが単床形態で充填されている。一方、濃縮室を兼ねる陽極室E2内にはカチオン交換体Kが単床形態で充填されている。すなわち、陰極室E1内にはアニオン層Aが設けられ、陽極室E2内にはカチオン層Kが設けられている。
また、第1小脱塩室D1内には、カチオン交換体Kが単床形態で充填されている。すなわち、第1小脱塩室D1内にはカチオン層Kが設けられている。
第2小脱塩室D2内には、アニオン交換体Aおよびカチオン交換体Kが複床形態で充填されている。すなわち、第2小脱塩室D2内には、アニオン層Aおよびカチオン層Kが設けられている。具体的には、アニオン層Aとカチオン層Kが、被処理水の通水方向に沿って交互に積層されている。より具体的には、通水方向前段にアニオン層Aが設けられ、通水方向後段にカチオン層Kが設けられている。よって、第2小脱塩室D2に流入した被処理水は、最初にアニオン層Aを通過し、その後にカチオン層Kを通過する。要するに、第2小脱塩室D2内には、被処理水が最初に通過するイオン交換体がアニオン交換体となる順序で複数のイオン交換体層が積層されている。また、脱塩室D全体で見た場合、被処理水は、第1小脱塩室D1内のカチオン層K、第2小脱塩室D2内のアニオン層Aおよび第2小脱塩室D2内のカチオン層Kをこの順で通過する。
さらに、第2小脱塩室D2内にはバイポーラ膜BPが部分的に配置されている。具体的には、第2小脱塩室D2内のアニオン層Aと中間イオン交換膜との間に、バイポーラ膜BPが配置されている。ここで、バイポーラ膜BPとは、アニオン交換膜2とカチオン交換膜3とが貼り合わされて一体化されたイオン交換膜であって、アニオン交換膜2とカチオン交換膜3の接合面において水の解離反応が非常に促進されるという特徴を有する。図1に示すように、バイポーラ膜BPは、そのアニオン交換膜2がアニオン層Aに接するようにして配置されている。
図1では、枠体1が一体的に示されている。しかし、実際には各部屋ごとに別々の枠体(セル)を備え、それら枠体同士が互いに密着している。枠体1の素材は、絶縁性を有し、水が漏洩しない素材であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリカーボネート、m−PPE(変性ポリフェニレンエーテル)等の樹脂を挙げることができる。
次に、図1に示す脱イオン水製造装置における被処理水、処理水、濃縮水および電極水の主な流れについて概説する。なお、本実施形態に係る脱イオン水製造装置では、RO(Rverse Osmosis)膜を透過した水が被処理水および濃縮水として利用される。また、純水が電極水および濃縮水として利用される。以下の説明では、RO膜を透過した水を「原水」と呼ぶ場合がある。
原水の一部は、被処理水として第1小脱塩室D1へ供給され、該小脱塩室D1を通過する。第1小脱塩室D1を通過した被処理水は、第2小脱塩室D2へ供給される。第2小脱塩室D2へ供給された被処理水は、該小脱塩室D2を通過した後、処理水として系外へ排出される。
なお、第1小脱塩室D1における被処理水の通水方向と、第2小脱塩室D2における被処理水の通水方向とは逆向きである。したがって、第2小脱塩室D2内における被処理水の通水方向下流側に配置されている第2小脱塩室D2内のカチオン層Kは、第1小脱塩室D1における被処理水の通水方向との関係では、通水方向上流側に配置されていることになる。
原水の他の一部は、濃縮水として濃縮室C1へ供給され、該濃縮室C1を通過した後に系外へ排出される。
純水は、濃縮水および電極水として濃縮室C2(陽極室E2)へ供給され、濃縮室C2(陽極室E2)を通過する。濃縮室C2(陽極室E2)を通過した純水は、電極水として陰極室E1へ供給され、該陰極室E1を通過した後に系外へ排出される。
上記のように被処理水、処理水、濃縮水および電極水を流すためにいくつかの流路が設けられている。図1に示されている流路10は、その一端が原水の供給口に接続され、他端が第1小脱塩室D1の入口に接続されている。流路11は、その一端が第1小脱塩室D1の出口に接続され、他端が第2小脱塩室D2の入口に接続されている。流路12は、その一端が第2小脱塩室D2の出口に接続され、他端が処理水の排出口に接続されている。
流路13は、その一端が原水の供給口に接続され、他端が濃縮室C1の入口に接続されている。流路14は、その一端が濃縮室C1の出口に接続され、他端が濃縮水の排出口に接続されている。
流路15は、その一端が純水の供給口に接続され、他端が濃縮室C2(陽極室E2)の入口に接続されている。流路16は、その一端が濃縮室C2(陽極室E2)の出口に接続され、他端が陰極室E1の入口に接続されている。流路17は、その一端が陰極室E1の出口に接続され、他端が電極水の排出口に接続されている。
なお、図示されている流路の構成は一例であり、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、流路12から流路15を分岐させてもよい。この場合、処理水の一部が濃縮室C2(陽極室E2)へ供給される純水として利用される。また、流路14と流路17は合流させてもよい。この場合、濃縮水の排出口と電極水の排出口は共通となる。
次に、上記構成を有する脱イオン水製造装置の動作および作用について説明する。濃縮室C1および濃縮室C2に濃縮水が供給され、陰極室E1および陽極室E2に電極水が供給される。さらに、陽極、陰極の間に所定の直流電圧が印加される。
以上の状態の下で、第1小脱塩室D1に被処理水が供給される。被処理水が第1小脱塩室D1を通過する過程で、被処理水中のカチオン成分(Na+、Ca2+、Mg2+等)が捕捉される。捕捉されたカチオン成分は、第1小脱塩室D1と第1のカチオン交換膜c1を介して隣接する濃縮室C1へ移動し、該濃縮室C1を流れる濃縮水と共に系外へ排出される。
次に、第1小脱塩室D1を通過した被処理水は、第2小脱塩室D2に供給される。ここで、第2小脱塩室D2内には、アニオン層Aとカチオン層Kとがこの順で積層されている。よって、第2小脱塩室D2に供給された被処理水は、まずアニオン層Aを通過し、その後にカチオン層Kを通過する。その際、アニオン層Aを通過する過程で、被処理水中のアニオン成分(Cl-、CO3 2-、HCO3 -、SiO2等)が捕捉される。捕捉されたアニオン成分は、第2小脱塩室D2と第2のアニオン交換膜a2を介して隣接する濃縮室C2(陽極室E2)へ移動する。濃縮室C2(陽極室E2)へ移動したアニオン成分は、濃縮水(電極水)と共に陰極室E1へ移動する。濃縮水(電極水)と共に陰極室E1へ移動したアニオン成分は、濃縮水(電極水)が陰極室E1内のアニオン層Aを通過する過程で捕捉され、陰極室E1と第1のアニオン交換膜a1を介して隣接する濃縮室C1へ移動し、濃縮水と共に系外へ排出される。
第2小脱塩室D2内のアニオン層Aを通過した被処理水は、次いでカチオン層Kを通過する。その際、被処理水中のカチオン成分(Na+、Ca2+、Mg2+等)が再度捕捉される。捕捉されたカチオン成分は、中間イオン交換膜を通過して第1小脱塩室D1へ移動する。第1小脱塩室D1へ移動したカチオン成分は、第1小脱塩室D1内のカチオン交換体Kによって捕捉され、濃縮室C1へ移動し、濃縮室C1を通水する濃縮水と共に系外へ排出される。
ここで、脱塩室内に異符号のイオン交換体層が積層されている場合に偏流が発生することは既述のとおりである。この点、図1に示す第2小脱塩室D2内には、異符号のイオン交換体層(アニオン層Aおよびカチオン層K)が積層されている。また、本実施形態に係る脱イオン水製造装置において脱塩室Dに供給される被処理水(原水)は、RO膜を通過した水(RO透過水)である。この場合、被処理水中には、カチオン成分よりもアニオン成分の方が多く含まれている。
そこで、本実施形態に係る脱イオン水製造装置では、第2小脱塩室D2内にバイポーラ膜BPが配置されている。さらに、バイポーラ膜BPは、アニオン層Aと第2のカチオン交換膜c2との間に、そのアニオン交換膜2がアニオン層Aに接するようにして配置されている。すなわち、第2小脱塩室D2内のアニオン層Aは、中間イオン交換膜(第2のカチオン交換膜c2)ではなく、バイポーラ膜BPのアニオン交換膜2と接しており、その界面においては水の解離反応は生じない。これらの結果、アニオン層Aに流れる電流量が増加し、偏流が解消ないし低減される。換言すれば、第2小脱塩室D2内における電流密度の分布が均一化される。
本実施形態に係る脱イオン水製造装置では、中間イオン交換膜の上にバイポーラ膜が重ねて設置されている。しかし、中間イオン交換膜の一部をバイポーラ膜で置換することも可能であり、かかる置換によっても上記と同様の作用効果が得られる。例えば、図1に示す第2のカチオン交換膜c2の一部分(第2小脱塩室D2内のアニオン層Aと接している部分)をバイポーラ膜に置換してもよい。
本実施形態に係る脱イオン水製造装置では、濃縮室C2が陽極室E2を兼ねている。しかし、濃縮室C1が陰極室E1を兼ねてもよい。また、陰極室および陽極室を濃縮室とは別に設けてもよい。
本実施形態に係る脱イオン水製造装置では、第2小脱塩室D2内には、カチオン交換体Kよりもアニオン交換体Aの方が多く充填されている。換言すれば、アニオン層Aの方がカチオン層Kよりも厚い。しかし、第2小脱塩室D2におけるカチオン交換体Kおよびアニオン交換体Aの充填量は同一であっても同一でなくてもよい。もっとも、被処理水中のカチオン成分の大部分は、被処理水が第1小脱塩室D1を通過する過程で除去されている。よって、第2小脱塩室D2内には、カチオン交換体Kよりもアニオン交換体Aを多く充填することが好ましい。
(実施形態2)
以下、図面を参照して、本発明の脱イオン水製造装置の実施形態の他例について説明する。もっとも、本実施形態に係る脱イオン水製造装置は、陰極と陽極の間に複数の脱塩処理部が設けられている点を除いて、実施形態1に係る脱イオン水製造装置と共通の構成を有する。そこで、実施形態1に係る脱イオン水製造装置と異なる構成についてのみ以下に説明し、共通する構成についての説明は適宜省略する。
図2は、本実施形態に係る脱イオン水製造装置の概略構成図である。図2に示す脱イオン水製造装置では、陰極室E1と陽極室E2との間に2つの脱塩処理部が設けられている。2つの脱塩処理部のうち、相対的に陰極側に位置する第1脱塩処理部は、一対の濃縮室C1、C2と、これら濃縮室C1、C2の間に配置されている脱塩室Dとから構成されている。一方、相対的に陽極側に位置する第2脱塩処理部は、一対の濃縮室C2、C3と、これら濃縮室C2、C3の間に配置されている脱塩室Dとから構成されている。
それぞれの脱塩処理部を構成している2つの脱塩室Dは、図1に示す脱塩室Dと共通の構成を有する。すなわち、各脱塩室Dは、中間イオン交換膜によって第1小脱塩室D1と第2小脱塩室D2とに区画されている。また、それぞれの第1小脱塩室D1内にはカチオン層Kが設けられている。さらに、それぞれの第2小脱塩室D2内には、アニオン層Aおよびカチオン層Kが被処理水の通水方向に沿ってこの順で積層されている。よって、本実施形態に係る脱イオン水製造装置においても、各脱塩室Dに流入した被処理水は、カチオン層K、アニオン層Aおよびカチオン層Kをこの順で通過する。
加えて、各脱塩室Dの第2小脱塩室D2内には、バイポーラBPがそれぞれ配置されている。第1脱塩処理部においては、第2小脱塩室D2内のアニオン層Aと中間イオン交換膜(カチオン交換膜c2)との間にバイポーラ膜BPが配置されている。また、第2脱塩処理部においては、第2小脱塩室D2内のアニオン層Aと中間イオン交換膜(カチオン交換膜c3)との間にバイポーラ膜BPが配置されている。
次に、図2に示す脱イオン水製造装置における被処理水、処理水、濃縮水および電極水の主な流れについて概説する。
原水の一部は、被処理水として各脱塩室Dの第1小脱塩室D1へそれぞれ供給され、それら小脱塩室D1を通過する。第1小脱塩室D1を通過した被処理水は、各脱塩室Dの第2小脱塩室D2へそれぞれ供給される。第2小脱塩室D2へ供給された被処理水は、該小脱塩室D2を通過した後、処理水として系外へ排出される。
原水の他の一部は、濃縮水として濃縮室C1、C2にそれぞれ供給され、それら濃縮室C1、C2を通過した後に系外へ排出される。
純水は、濃縮水および電極水として濃縮室C3(陽極室E2)へ供給され、濃縮室C3(陽極室E2)を通過する。濃縮室C3(陽極室E2)を通過した純水は、電極水として陰極室E1へ供給され、該陰極室E1を通過した後に系外へ排出される。
上記のように被処理水、処理水、濃縮水および電極水を流すためにいくつかの流路が設けられている。図2に示されている流路10は、その一端が原水の供給口に接続され、他端が第1脱塩処理部および第2脱塩処理部の各第1小脱塩室D1の入口にそれぞれ接続されている。流路11aは、その一端が第1脱塩処理部の第1小脱塩室D1の出口に接続され、他端が同脱塩処理部の第2小脱塩室D2の入口に接続されている。流路11bは、その一端が第2脱塩処理部の第1小脱塩室D1の出口に接続され、他端が同脱塩処理部の第2小脱塩室D2の入口に接続されている。
流路12は、その一端が第1脱塩処理部および第2脱塩処理部の各第2小脱塩室D2の出口にそれぞれ接続され、他端が処理水の排出口に接続されている。
流路13は、その一端が原水の供給口に接続され、他端が濃縮室C1、C2の入口にそれぞれ接続されている。流路14は、その一端が濃縮室C1、C2の出口にそれぞれ接続され、他端が濃縮水の排出口に接続されている。
流路15は、その一端が純水の供給口に接続され、他端が濃縮室C3(陽極室E2)の入口に接続されている。流路16は、その一端が濃縮室C3(陽極室E2)の出口に接続され、他端が陰極室E1の入口に接続されている。流路17は、その一端が陰極室E1の出口に接続され、他端が電極水の排出口に接続されている。
本実施形態に係る脱イオン水製造装置においても、各脱塩室Dの第2小脱塩室D2内にバイポーラ膜BPがそれぞれ配置されている。各バイポーラ膜BPは、第2小脱塩室D2内のアニオン層Aと中間イオン交換膜(カチオン交換膜c2、c3)との間に、そのアニオン交換膜2がアニオン層Aに接するようにして配置されている。したがって、各アニオン層Aに流れる電流量が増加し、偏流が解消ないし低減される。
本実施形態に係る脱イオン水製造装置においても、中間イオン交換膜の一部をバイポーラ膜で置換することが可能である。例えば、図2に示すカチオン交換膜c2、c3の一部分(アニオン層Aと接している部分)をバイポーラ膜に置換してもよい。
なお、図1、図2に示す第2小脱塩室D2内には、アニオン層Aとカチオン層Kが一層ずつ設けられているが、アニオン層Aとカチオン層Kの積層数に特に制限はない。すなわち、第2小脱塩室D2に流入した被処理水が最初に通過するイオン交換体層がアニオン層である限り、その後に何層のイオン交換体層が積層されていてもよい。例えば、図示されている第2小脱塩室D2内のカチオン層Kの後に、第2のアニオン層を設けてもよい。また、第2小脱塩室D2内のカチオン層Kの後に、アニオン交換体とカチオン交換体を混床形態で充填してもよい。
(比較試験)
図1に示す本発明の脱イオン水製造装置(本発明)と、図4に示す脱イオン水製造装置(比較例)とについて比較試験を行った。図1と図4を比較すると分かるように、本発明と比較例は、第2小脱塩室D2内におけるバイポーラ膜の有無においてのみ相違する。換言すれば、本発明と比較例は、脱塩室Dが第1小脱塩室D1と第2小脱塩室D2とに区画されている点において共通し、脱塩室Dにおけるイオン交換体の充填形態においても共通している。また、第1小脱塩室D1における被処理水の通水方向と、第2小脱塩室D2における被処理水の通水方向とが逆向きである点においても共通している。さらに、濃縮室C2と陽極室E2が兼用である点において共通し、濃縮室C2(陽極室E2)内におけるイオン交換体の充填形態においても共通している。
今回の比較試験における条件(仕様、通水流量、供給水等)をまとめると以下とおりである。なお、CERはカチオン交換体(カチオン交換樹脂)、AERはアニオン交換体(アニオン交換樹脂)の略である。
・陽極室E2(濃縮室C2):寸法300×80×4mm CER充填
・陰極室E1:寸法300×80×4mm AER充填
・第1小脱塩室D1:寸法300×80×10mm CER充填
・第2小脱塩室D2:寸法300×80×10mm AER/CER充填
・濃縮室C1:寸法300×80×5mm AER充填
・被処理水流量:180L/h(RO透過水:11±1μS/cm)
・濃縮水流量:45L/h(RO透過水:11±1μS/cm)
・電極水流量:10L/h(純水:<0.1μS/cm)
・印加電流値:1.1A
以上の条件の下で本発明および比較例をそれぞれ1000時間連続運転し、運転電圧および処理水水質(比抵抗)を測定した。測定結果を表1に示す。
1 枠体
2 (バイポーラ膜の)アニオン交換膜
3 (バイポーラ膜の)カチオン交換膜
A アニオン交換体(アニオン層)
K カチオン交換体(カチオン層)
BP バイポーラ膜
E1 陰極室
E2 陽極室
C1〜C3 濃縮室
D 脱塩室
D1 第1小脱塩室
D2 第2小脱塩室

Claims (4)

  1. 対向する陰極と陽極の間に少なくとも1つの脱塩処理部が設けられた電気式脱イオン水製造装置であって、
    前記脱塩処理部は、一対の濃縮室と、該一対の濃縮室の間に配置された脱塩室とから構成され、
    前記脱塩室は、イオン交換膜によって、陰極側の濃縮室に隣接する第1小脱塩室と、陽極側の濃縮室に隣接する第2小脱塩室とに区画され、
    前記第1小脱塩室内にはカチオン交換体が充填され、
    前記第2小脱塩室内には、被処理水が最初に通過するイオン交換体の層がアニオン交換体の層となる順序で、アニオン交換体の層とカチオン交換体の層が少なくとも一層ずつ設けられ、
    前記第2小脱塩室内に設けられている前記アニオン交換体の層の陰極側には、バイポーラ膜がそのアニオン交換膜が前記アニオン交換体の層と対向するようにして配置されていることを特徴とする電気式脱イオン水製造装置。
  2. 前記第1小脱塩室内には、カチオン交換体の層が一層設けられ、
    前記第2小脱塩室内には、前記アニオン交換体の層と前記カチオン交換体の層が一層ずつ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  3. 前記イオン交換膜の上に前記バイポーラ膜が重ねて配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  4. 前記イオン交換膜の一部が前記バイポーラ膜とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気式脱イオン水製造装置。
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