以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係る換気システムの概略図であり、図2は、本実施形態に係る換気システムのフィルタ部を示す概略図であり、図3は、本実施形態に係る換気システムの二酸化炭素除去部を示す概略図であり、図4は、本実施形態に係る換気システムの有害物質除去部を示す概略図であり、図5は、本実施形態に係る換気システムの動作を示すフローチャートであり、図6は、本実施形態に係る換気システムの他の動作を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態の換気システム1は、部屋2と、放射性ガス除去手段3と、放射性ガス検出手段4と、部屋内圧力検出手段5と、酸素ガス供給手段6と、二酸化炭素除去手段7と、有害物質除去手段8と、制御手段9と、を含む。
部屋2は、壁、天井および床により囲まれたものである。この部屋2は、例えば、原子力設備を制御・監視するために原子炉建屋内に設置される制御室、会議や居住するために原子炉建屋内に設置される居室、原子力設備の事故時などに原子力設備を制御・監視するために原子炉建屋外に設置される代替制御室、原子力設備の事故時などに会議や居住するために原子炉建屋外に設置される代替居室、原子力設備の事故時などに原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民が避難するための非常用居室、原子力設備近くにある病院や介護施設などがある。図1においては、部屋2として、代替制御室21および代替居室22を示している。これら代替制御室21および代替居室22は、仕切壁2Aで仕切られて相互に扉2Bを介して通じている。また、代替制御室21および代替居室22は、内部の気圧低下と空気の損失を最小限にしつつ、内外に行き来を行うためのエアロック2Cが設けられている。また、代替制御室21および代替居室22は、内部の温度や湿度を適宜保つための空調設備2Dが設けられている。空調設備2Dは、室内機2Daと室外機2Dbとを有し、室内機2Daにより代替制御室21および代替居室22の内部の温度や湿度を検出して適した温度や湿度となるように制御される。また、代替制御室21および代替居室22は、部屋2の内部の圧力が部屋2の外部の圧力(大気圧)よりも高くなるように調整する圧力調整手段としての圧力調整手段2Eを有する。圧力調整手段2Eは、例えば、部屋2の内部の空気を部屋2の外部に排出する逆止弁や圧力調整弁などがある。
放射性ガス除去手段3は、ガス状の放射性よう素(よう素I2,有機よう素CH3I)の他、ミスト状のセシウム(Cs)やストロンチウム(Sr)などを含む放射性物質を含む放射性ガスの通過を遮断するものである。放射性ガス除去手段3は、フィルタ部3Aと、送風機3Bと、送気管3Cと、開閉弁3Dと、を有する。
フィルタ部3Aは、図2に示すように、周囲が外壁で囲まれた筒状に形成されて一端側および他端側に開口部がそれぞれ形成されたケーシング3Aaを有している。そして、フィルタ部3Aは、ケーシング3Aa内に、一端側から加熱部3Ab、粗フィルタ3Ac、上流側高性能フィルタ3Ad、放射性ガスフィルタ3Ae、および下流側高性能フィルタ3Afが設けられている。
加熱部3Abは、ケーシング3Aaの内部に流通されるガスを加熱するためのものである。加熱部3Abの配置は、放射性ガスフィルタ3Aeよりもガスの流通の上流側であればよい。
粗フィルタ3Acは、例えば、対象粒子径が50μm以上の空気濾過フィルタや、対象粒子径が25μm以上の中高性能フィルタが適用される。
上流側高性能フィルタ3Adおよび下流側高性能フィルタ3Afは、例えば、対象粒子径が0.15μmで99.97%の除去効率のHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)が適用される。
放射性ガスフィルタ3Aeは、ケーシング3Aaの内部に流通されるガス中に含まれる放射性物質を吸着する。具体的に、放射性ガスフィルタ3Aeは、母体を構成する基材と、この基材に添着される添着物質とを含む。基材に用いられる材料としては、特に限定されるものではなく、表面に複数の細孔を有するものであればよく、例えば、活性炭、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、活性白土などが挙げられる。ゼオライトとしては、天然ゼオライトまたは合成ゼオライトのどちらでもよい。また、ゼオライトとして、モルデナイト系ゼオライトなどが挙げられる。基材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、放射性ガスフィルタ3Aeは、添着物質として、トリエチレンジアミン(TEDA:Tri−Ethylene−Di−Amine)または、よう化カリウム(KI)を含む。この放射性ガスフィルタ3Aeは、上記構成により、ガス状の放射性よう素(よう素I2,有機よう素CH3I)の他、ミスト状のセシウム(Cs)やストロンチウム(Sr)などを含む放射性物質を吸着することで、当該放射性物質を含む放射性ガスの通過を遮断する。
なお、図には明示しないが、フィルタ部3Aは、ケーシング3Aaの内部であって、放射性ガスフィルタ3Aeよりもガスの流通の上流側にガス処理フィルタを設けてもよい。ガス処理フィルタは、ケーシング3Aaの内部に流通されるガス中に含まれる有機溶剤ガス成分や酸性ガス成分を捕集する。具体的に、ガス処理フィルタは、母体を構成する基材と、この基材に添着される添着物質とを含む。基材に用いられる材料としては、特に限定されるものではなく、表面に複数の細孔を有するものであればよく、例えば、活性炭、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、モレキュラーシーブなどが挙げられる。ゼオライトとしては、天然ゼオライトまたは合成ゼオライトのどちらでもよい。また、ゼオライトとして、モルデナイト系ゼオライトなどが挙げられる。基材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、ガス処理フィルタは、添着物質として、酸性成分、アルカリ成分、トリエチレンジアミン(TEDA:Tri−Ethylene−Di−Amine)、よう化カリウム(KI)の少なくとも1つを含む。このガス処理フィルタは、上記構成により、ガス状の放射性よう素(よう素I2,有機よう素CH3I)の他、ミスト状のセシウム(Cs)やストロンチウム(Sr)などを含む放射性物質を吸着することで、当該放射性物質を含む放射性ガスの通過を遮断することが可能である。
送風機3Bは、フィルタ部3Aのケーシング3Aaの内部に空気を通過させるものである。
送気管3Cは、フィルタ部3Aの下流側と部屋2とを連通するものである。
開閉弁3Dは、送気管3Cに設けられて当該送気管3Cを開閉するものである。
なお、図1において、送風機3Bは、送気管3Cにおいて開閉弁3Dの下流側に設けられているが開閉弁3Dの上流側に設けられていてもよい。さらに、図1において、送風機3Bは、送気管3Cに設けられているが、フィルタ部3Aにおけるケーシング3Aa内の他端側(最も下流側)に設けられていてもよい。
放射性ガス検出手段4は、部屋2の外部であって、例えば、フィルタ部3Aにおけるケーシング3Aaの一端側の外部に設けられ、放射性希ガスおよび放射性ガスを検出するものである。放射性希ガスは、キセノン(Xe)やクリプトン(Kr)などを含むものである。放射性ガス検出手段4は、ガスクロマトグラフやガンマ線検出器がある。放射性ガス検出手段4は、例えば、原子力設備の事故時において放射性ガスが発生した場合に、この放射性ガスを検出し、その後に原子炉内の燃料が溶融して放射性希ガスが発生した場合に、放射線の検出値が放射性ガスを検出した検出値を超えることで放射性希ガスを検出することができ、その後に放射線の検出値が下回ることで放射性希ガスの放射線が減衰して放射性希ガスが減少したことを検出することができる。
部屋内圧力検出手段5は、部屋2の内部の圧力を検出するものである。
酸素ガス供給手段6は、部屋2の内部に酸素ガスを供給するものである。酸素ガス供給手段6は、酸素ガス貯留部6Aと、送気管6Bと、流量調整弁6Cと、を有する。
酸素ガス貯留部6Aは、圧縮した酸素ガスを貯留するボンベや、酸素を発生する酸素発生器を含む。
送気管6Bは、酸素ガス貯留部6Aと部屋2とを連通するものである。
流量調整弁6Cは、送気管6Bに設けられて当該送気管6Bを通過する酸素ガスの流量を調整するものである。なお、流量調整弁6Cは、部屋2の内部の圧力が部屋2の外部の圧力(大気圧)よりも高くなるように調整する圧力調整手段を構成する。
二酸化炭素除去手段7は、部屋2の内部の空気を一部取り込み、取り込んだ空気中の二酸化炭素を除去し、二酸化炭素を除去した空気を部屋2の内部に送るものである。二酸化炭素除去手段7は、二酸化炭素除去部7Aと、吸気管7Bと、排気管7Cと、送風機7Dと、開閉弁7Eと、二酸化炭素濃度検出部7Fと、を有する。
二酸化炭素除去部7Aは、例えば、図3に示すように、周囲が外壁で囲まれた筒状に形成されて一端側および他端側に開口部がそれぞれ形成されたケーシング7Aaを有している。そして、二酸化炭素除去部7Aは、ケーシング7Aa内に、二酸化炭素除去フィルタ7Abが設けられている。二酸化炭素除去フィルタ7Abは、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)などのアルカリ剤や、アミン類などのように二酸化炭素を吸着しやすい成分を粒状に固形化した二酸化炭素吸着剤からなる。従って、ケーシング7Aaを空気が通過することで、当該空気中の二酸化炭素が吸着され濃度を低下させることができる。なお、図には明示しないが、二酸化炭素除去部7Aは、水酸化ナトリウムの水溶液中に空気を通過させるものであってもよい。
吸気管7Bは、二酸化炭素除去部7Aの上流側と部屋2とを連通させるものである。
排気管7Cは、二酸化炭素除去部7Aの下流側と部屋2とを連通させるものである。
送風機7Dは、吸気管7B(または排気管7C)に設けられて、部屋2の内部の空気の一部を吸気管7Bを介して二酸化炭素除去部7Aにおけるケーシング7Aaに供給し、ケーシング7Aaを通過した空気を排気管7Cを介して部屋2の内部に送るものである。
開閉弁7Eは、吸気管7B(または排気管7C)に設けられて、当該吸気管7B(または排気管7C)を開閉するものである。
二酸化炭素濃度検出部7Fは、部屋2の内部の空気中の二酸化炭素濃度を検出するものである。
有害物質除去手段8は、部屋2の内部の空気を一部取り込み、取り込んだ空気中の人体に有害となる有害物質を除去し、有害物質を除去した空気を部屋2の内部に送るものである。ここで、有害物質とは、人間が発生する一酸化炭素(CO)やアンモニア(NH3)などがある。有害物質除去手段8は、有害物質除去部8Aと、吸気管8Bと、排気管8Cと、送風機8Dと、開閉弁8Eと、有害物質濃度検出部8Fと、を有する。
有害物質除去部8Aは、図4に示すように、塩基性成分除去部8Aaと、熱交換部8Abと、加熱部8Acと、燃焼部8Adと、酸性成分除去部8Aeと、を有している。塩基性成分除去部8Aaは、リン酸などの酸性成分を添着した酸添着活性炭を筒状のケーシングに充填したもので、ケーシングの内部を通過する空気の塩基性(アルカリ性)のアンモニアガスなどを除去する。熱交換部8Abは、塩基性成分除去部8Aaを通過した低い温度の空気が導入される伝熱管と、燃焼部8Adを通過した高い温度の空気が導入される伝熱管とを有し、各伝熱管の間で熱交換することで、塩基性成分除去部8Aaを通過した空気と、燃焼部8Adを通過した空気との熱回収を行う。加熱部8Acは、熱交換部8Abを通過した空気を、後段の燃焼部8Adでの燃焼に必要な温度(例えば、300℃以上)に加熱する。燃焼部8Adは、加熱部8Acで加熱された空気を燃焼することで、空気中に微量含まれる有害ガス成分を燃焼し、SO2,NOx,CO2などの酸性ガスとする。燃焼部8Adは、触媒を充填した触媒燃焼器や、電気ヒータなどによる直接燃焼器などが選定できる。燃焼部8Adを通過した空気は、上記熱交換部8Abにて冷却される。酸性成分除去部8Aeは、アルカリ成分を添着したアルカリ添着活性炭を筒状のケーシングに充填したもので、ケーシングの内部を通過する空気の酸性ガス成分を除去する。すなわち、熱交換部8Abを通過した空気の酸性ガス成分を除去する。
吸気管8Bは、有害物質除去部8Aにおける塩基性成分除去部8Aaと部屋2とを連通させるものである。
排気管8Cは、有害物質除去部8Aにおける酸性成分除去部8Aeと部屋2とを連通させるものである。
送風機8Dは、吸気管8B(または排気管8C)に設けられて、部屋2の内部の空気の一部を吸気管8Bを介して有害物質除去部8Aにおける塩基性成分除去部8Aaに供給し、酸性成分除去部8Aeを通過した空気を排気管8Cを介して部屋2の内部に送るものである。
開閉弁8Eは、吸気管8B(または排気管8C)に設けられて、当該吸気管8B(または排気管8C)を開閉するものである。
有害物質濃度検出部8Fは、部屋2の内部の空気中の有害物質濃度を検出するものである。
制御手段9は、換気システム1を統括制御する。制御手段9は、放射性ガス検出手段4の検出結果に基づいて、放射性ガス除去手段3の送風機3Bおよび開閉弁3Dや、酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを制御する。また、制御手段9は、部屋内圧力検出手段5の検出結果に基づいて、圧力調整手段(圧力調整手段2Eや流量調整弁6C)を制御する。また、制御手段9は、二酸化炭素濃度検出部7Fの検出結果に基づいて、二酸化炭素除去手段7の送風機7Dおよび開閉弁7Eを制御する。また、制御手段9は、有害物質濃度検出部8Fの検出結果に基づいて、有害物質除去手段8の送風機8Dおよび開閉弁8Eを制御する。
本実施形態の換気システム1の動作について説明する。原子力設備に事故が発生した場合、図5に示すように、制御手段9は、放射性ガス除去手段3を停止して酸素ガス供給手段6を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS1)。すなわち、制御手段9は、放射性ガス除去手段3の送風機3Bを停止して開閉弁3Dを閉作動させ、酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを開状態としつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように(例えば10mmAq以上)圧力調整手段(圧力調整手段2Eまたは酸素ガス供給手段6の流量調整弁6C)を作動させる。これにより、部屋2は、放射性ガスや放射性希ガスが遮断された状態で、内部に酸素が供給される。この結果、部屋2の内部の人が放射性ガスや放射性希ガスにより被曝する事態を防ぎ、かつ部屋2の内部の人の呼吸が妨げられる事態を防ぐことができる。
ステップS1の後、放射性ガス検出手段4により放射性ガスが検出され(ステップS2:Yes)、かつ放射性希ガスが検出された場合(ステップS3:Yes)、制御手段9は、放射性ガス除去手段3を停止して酸素ガス供給手段6を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS4)。すなわち、制御手段9は、ステップS1の動作を続ける。
なお、ステップS3において、放射性希ガスが検出されない場合(ステップS3:No)、制御手段9は、酸素ガス供給手段6を停止して放射性ガス除去手段3を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS5)。すなわち、制御手段9は、酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを閉状態とし放射性ガス除去手段3の送風機3Bを運転して開閉弁3Dを開作動させつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように(例えば10mmAq以上)圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させる。この結果、部屋2の内部の人が放射性ガスにより被曝する事態を防ぐことができる。また、ステップS5の後、制御手段9は、ステップS5の動作を維持しつつステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
ステップS4の後、二酸化炭素濃度が閾値を超えた場合(ステップS6:Yes)、制御手段9は、部屋2の内部の二酸化炭素を除去する(ステップS7)。すなわち、ステップS6において、制御手段9は、二酸化炭素濃度検出部7Fによる二酸化炭素濃度の検出結果を取得し、この二酸化炭素濃度が閾値を超えた場合(例えば、通常300ppm〜390ppm程度のところ、人の健康を阻害する3500ppm以上となった場合)、ステップS7において、二酸化炭素除去手段7の送風機7Dを運転して開閉弁7Eを開作動させ、二酸化炭素除去部7Aに部屋2の内部の空気の一部を通過させた後に部屋2の内部に戻し、部屋2の内部の二酸化炭素濃度を閾値(例えば3500ppm)以下となるようにする。この結果、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。なお、ステップS6において、二酸化炭素濃度が閾値を超えていなければ(ステップS6:No)、制御手段9は、ステップS4の動作を維持しつつステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
ステップS7の後(またはステップS6と並行して)、有害物質濃度が閾値を超えた場合(ステップS8:Yes)、制御手段9は、部屋2の内部の有害物質を除去する(ステップS9)。すなわち、ステップS8において、制御手段9は、有害物質濃度検出部8Fによる有害物質濃度の検出結果を取得し、この有害物質濃度が閾値を超えた場合(例えば、一酸化炭素やアンモニアの濃度が人の健康を阻害する濃度となった場合)、ステップS9において、有害物質除去手段8の送風機8Dを運転して開閉弁8Eを開作動させ、有害物質除去部8Aに部屋2の内部の空気の一部を通過させた後に部屋2の内部に戻し、部屋2の内部の有害物質濃度を閾値以下となるようにする。この結果、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。なお、ステップS8において、有害物質濃度が閾値を超えていなければ(ステップS8:No)、制御手段9は、ステップS4の動作を維持しつつステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。また、ステップS9の後、制御手段9は、ステップS4の動作を維持しつつステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。また、ステップS6をステップS8と並行する場合、ステップS7の後、制御手段9は、ステップS4の動作を維持しつつステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
なお、ステップS2において、放射性ガス検出手段4により放射性ガスが検出されない場合(ステップS2:No)、制御手段9は、部屋2を外気に開放する(ステップS10)。すなわち、制御手段9は、ステップS2において、放射性ガスが検出されず安全が確認された場合、ステップS10において、放射性ガス除去手段3および酸素ガス供給手段6および圧力調整手段を停止する。また、ステップS10の後は、再びステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスの監視を行う。
ところで、ステップS1は、なくてもよいが、原子力設備に事故が発生した場合に、部屋2の内部の人が放射性ガスや放射性希ガスにより被曝する事態を防ぐ効果を顕著に得るため、放射性ガス検出手段4により放射性ガスや放射性希ガスを検出する以前に、放射性ガス除去手段3を停止して酸素ガス供給手段6を運転し部屋2の内部を正圧とすることが好ましい。
このように、本実施形態の換気システム1は、壁、天井および床により囲まれた部屋2と、部屋2の外部に設けられて放射性ガスの通過を遮断するフィルタ部3Aと、フィルタ部3Aの内部に空気を通過させる送風機3Bと、フィルタ部3Aの下流側と部屋2とを連通する送気管3Cと、送気管3Cに設けられて当該送気管3Cを開閉する開閉弁3Dと、部屋2の外部に設けられて放射性希ガスおよび放射性ガスを検出する放射性ガス検出手段4と、部屋2の内部の圧力を検出する部屋内圧力検出手段5と、部屋2の内部に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段6と、部屋2の内部の圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように調整する圧力調整手段(圧力調整手段2Eや流量調整弁6C)と、放射性ガス検出手段4により放射性希ガスが検出された場合、送風機3Bを停止して開閉弁3Dを閉作動させ、かつ酸素ガス供給手段6を作動させつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように圧力調整手段(圧力調整手段2Eや流量調整弁6C)を作動させる一方、放射性ガス検出手段4により放射性希ガスを除き放射性ガスが検出された場合、送風機3Bを運転するとともに開閉弁3Dを開作動させ、かつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させる制御手段9と、を備える。
原子力設備では、当該原子力設備を制御・監視するための制御室や、制御室に従事する人の居住空間が必要である。そして、万が一の事故発生時において、制御室(制御室が何らかの損傷を受けた場合は原子力設備の制御・監視を行う代替制御室21)や居室(居室が何らかの損傷を受けた場合は代替居室22、または住民の避難のための非常用居室、あるいは原子力設備近くにあって緊急に避難することが困難な病院や介護施設)などのような部屋2の内部の人の被曝を防止し、呼吸を維持する必要がある。ただし、放射性ガス(ガス状の放射性よう素やミスト状のセシウムやストロンチウムなどの放射性物質を空気中に含むガス)は、フィルタにより除去できるが、炉心溶融などの初期に発生する放射性希ガス(キセノン、クリプトンなどを空気中に含むガス)はフィルタでは十分に除去しきれない。そこで、本実施形態の換気システム1によれば、放射性希ガスを検出した場合、部屋2を外気から遮断して酸素ガスを供給し部屋2の内部の圧力を正圧とすることで、放射性ガスを含み放射性希ガスが部屋2の内部へ送られる事態を防ぐことができ、部屋2の内部の人の呼吸を維持することができる。一方、本実施形態の換気システム1によれば、放射性希ガスの発生時期は炉心溶融などの初期に限定されるため、放射性希ガスを除き放射性ガスを検出した場合は、フィルタ部3Aにより放射性ガスを除去し、部屋2の内部の圧力を正圧とすることで、放射性ガスが部屋2の内部へ送られる事態を防ぐことができ、部屋2の内部の人の呼吸を維持することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2の内部の空気を一部取り込み、取り込んだ空気中の二酸化炭素を除去し、二酸化炭素を除去した空気を部屋2の内部に送る二酸化炭素除去手段7を備えることが好ましい。
部屋2を外気から遮断し、この期間が長引くことで、人の呼気により部屋2の内部の二酸化炭素濃度が増加する。そこで、本実施形態の換気システム1によれば、二酸化炭素除去手段7を備えることで、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2の内部の空気を一部取り込み、取り込んだ空気中の有害物質を除去し、有害物質を除去した空気を部屋2の内部に送る有害物質除去手段8を備えることが好ましい。
部屋2を外気から遮断し、この期間が長引くことで、一酸化炭素(CO)や、アンモニア(NH3)などの人体に有害となる有害物質濃度が増加する。そこで、本実施形態の換気システム1によれば、有害物質除去手段8を備えることで、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2は、原子力設備を制御・監視する制御室(代替制御室21を含む)である。
この換気システム1によれば、原子力設備を制御・監視する制御室(代替制御室21を含む)の内部に対して放射性ガスや放射性希ガスが送られる事態を防ぎ、かつ部屋2の内部に酸素を供給することで、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2は、居室である。
この換気システム1によれば、居室(代替居室22や非常用居室を含む)の内部に対して放射性ガスや放射性希ガスが送られる事態を防ぎ、かつ部屋2の内部に酸素を供給することで、原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2および部屋2に付属する構成は、一体または個別で移動可能に構成されることが好ましい。
部屋2が移動可能とは、部屋2が代替制御室21や代替居室22として構成され、図には明示しないが、移動手段としてのトレーラにおける荷台に搭載されるコンテナとして構成されていたり、部屋2が移動手段としてのヘリコプターやクレーンなどで吊り下げられる吊具を有していたりしているものをいう。また、部屋2に付属する構成とは、上述した放射性ガス除去手段3、放射性ガス検出手段4、部屋内圧力検出手段5、酸素ガス供給手段6、二酸化炭素除去手段7、有害物質除去手段8、または制御手段9を含む。
この換気システム1によれば、部屋2および部屋2に付属する構成は、一体または個別で移動可能に構成されることで、原子力設備の事故時において、部屋2を適した箇所に移動して設置することで、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができ、または原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、フィルタ部3Aは、送気管3Cに対して着脱可能に設けられていることが好ましい。
具体的に、フィルタ部3Aの交換動作は、図6に示すように、ステップS5の後、フィルタ交換時期である場合(ステップS11:Yes)、制御手段9は、フィルタ交換時期を部屋2の内部のランプや制御盤(図示せず)に表示し、フィルタ部3Aの交換を促す(ステップS12)。なお、フィルタ交換時期は、放射性ガス除去手段3の運転時間(送風機3Bの運転時間)と放射性ガス検出手段4により検出する放射線量に応じて予め設定する。また、フィルタ部3Aを交換した場合、制御手段9のフィルタ交換時期をリセットする。また、ステップS12の後、制御手段9は、ステップS5の動作を維持しつつステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
この換気システム1によれば、フィルタ部3Aを送気管3Cに対して着脱可能に設けることで、フィルタ部3Aを交換することができる。この結果、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができ、または原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
[実施形態2]
図7は、本実施形態に係る換気システムの概略図である。なお、本実施形態の換気システム1は、上述した実施形態1の換気システム1に対して放射性ガス除去手段3の構成が異なり、その他の構成は同様である。従って、以下に説明する実施形態2において、上述した実施形態1と同等の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の換気システム1は、図7に示すように、放射性ガス除去手段3において、フィルタ部3Aが複数(本実施形態では2つ)設けられている。そして、各フィルタ部3Aは、送気管3Cから複数に分岐された各分岐管3Ca,3Cbにそれぞれ接続されている。各分岐管3Ca,3Cbは、開閉弁3Dがそれぞれ設けられている。そして、制御手段9は、フィルタ交換時期に応じて各開閉弁3Dを選択的に開閉する。
具体的に、フィルタ部3Aの交換動作は、図6に示すように、ステップS5の後、フィルタ交換時期である場合(ステップS11:Yes)、制御手段9は、フィルタ交換を行う(ステップS12)。すなわち、制御手段9は、いままで使用していたフィルタ部3A側の開閉弁3Dを閉作動させ、未使用のフィルタ部3A側の開閉弁3Dを開作動させる。なお、フィルタ交換時期は、放射性ガス除去手段3の運転時間(送風機3Bの運転時間)と放射性ガス検出手段4により検出する放射線量に応じて予め設定する。また、各開閉弁3Dを開閉してフィルタ部3Aを交換した場合、制御手段9は、フィルタ交換時期をリセットする。また、ステップS12の後、制御手段9は、ステップS5の動作を維持しつつステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
このように、本実施形態の換気システム1では、フィルタ部3Aは、複数設けられて、送気管3Cから複数に分岐された各分岐管3Ca,3Cbにそれぞれ接続されており、かつ各分岐管3Ca,3Cbに開閉弁3Dがそれぞれ設けられ、制御手段9は、フィルタ交換時期に応じて各開閉弁3Dを選択的に開閉する。
この換気システム1によれば、フィルタ部3Aを自動的に交換することができる。この結果、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができ、または原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
[実施形態3]
図8は、本実施形態に係る換気システムの概略図であり、図9は、本実施形態に係る換気システムの動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態の換気システム1は、上述した実施形態1の換気システム1に対して放射性ガス除去手段3の構成が異なり、その他の構成は同様である。従って、以下に説明する実施形態3において、上述した実施形態1と同等の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の換気システム1は、図8に示すように、放射性ガス除去手段3において、送気管3Cの途中に、外気に開放する排気管3Eが分岐して設けられている。また、送気管3Cと排気管3Eとの分岐部に、三方弁3Fが設けられている。三方弁3Fは、送気管3Cを介してフィルタ部3Aの下流側と部屋2とを開通する一方、排気管3Eを介してフィルタ部3Aの下流側を外気に開放し、送気管3Cを部屋2に対して閉じる。また、放射性ガス検出手段4は、フィルタ部3Aの上流側、およびフィルタ部3Aの下流側であって三方弁3Fよりも上流側にそれぞれ設けられている。
本実施形態の換気システム1の動作について説明する。原子力設備に事故が発生した場合、まず放射性ガスが発生し、その後に炉心溶融などにより放射性希ガスが発生する。このため、図9に示すように、各フィルタ部3Aの上流側の放射性ガス検出手段4により放射性希ガスを除き放射性ガスが検出された場合(ステップS21:Yes)、制御手段9は、酸素ガス供給手段6を停止状態として放射性ガス除去手段3を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS22)。すなわち、制御手段9は、酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを閉状態とし放射性ガス除去手段3の送風機3Bを運転して三方弁3Fにより送気管3Cを介してフィルタ部3Aの下流側と部屋2とを開通させつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように(例えば10mmAq以上)圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させる。この結果、部屋2の内部の人が放射性ガスにより被曝する事態を防ぐことができる。
ステップS22の後(または、ステップS21と並行し)、フィルタ部3Aの下流側の放射性ガス検出手段4により放射性希ガスが検出された場合(ステップS23:Yes)、制御手段9は、三方弁3Fを切り替えて酸素ガス供給手段6を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS24)。すなわち、制御手段9は、送風機3Bを運転するとともに三方弁3Fにより排気管3Eを開通させて送気管3Cを部屋2に対して閉じ、かつ酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを開状態としつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように(例えば10mmAq以上)圧力調整手段(圧力調整手段2Eまたは酸素ガス供給手段6の流量調整弁6C)を作動させる。これにより、部屋2は、放射性ガスや放射性希ガスが遮断された状態で、内部に酸素が供給される。この結果、部屋2の内部の人が放射性ガスや放射性希ガスにより被曝する事態を防ぎ、かつ部屋2の内部の人の呼吸が妨げられる事態を防ぐことができる。
なお、ステップS23においては、フィルタ部3Aにより放射性ガスが除去されているが、フィルタ部3Aの下流側の放射性ガス検出手段4により放射線が検出されることで、フィルタ部3Aにより十分に除去できない放射性希ガスが検出されることになる。すなわち、フィルタ部3Aの上流側の放射性ガス検出手段4により放射線が検出されているが、フィルタ部3Aの下流側の放射性ガス検出手段4により放射線が検出されなければ、放射性希ガスを除き放射線ガスのみが発生していることになる。また、フィルタ部3Aの上流側の放射性ガス検出手段4により放射線が検出されなければ、放射性ガスおよび放射性希ガスが発生していないことになる。
また、ステップS23において、放射性希ガスの発生を検出しなければ(ステップS23:No)、制御手段9は、ステップS22の動作を維持しつつステップS21に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
ステップS24の後、二酸化炭素濃度が閾値を超えた場合(ステップS25:Yes)、制御手段9は、部屋2の内部の二酸化炭素を除去する(ステップS26)。すなわち、ステップS25において、制御手段9は、二酸化炭素濃度検出部7Fによる二酸化炭素濃度の検出結果を取得し、この二酸化炭素濃度が閾値を超えた場合(例えば、通常300ppm〜390ppm程度のところ、人の健康を阻害する3500ppm以上となった場合)、ステップS26において、二酸化炭素除去手段7の送風機7Dを運転して開閉弁7Eを開作動させ、二酸化炭素除去部7Aに部屋2の内部の空気の一部を通過させた後に部屋2の内部に戻し、部屋2の内部の二酸化炭素濃度を閾値(例えば3500ppm)以下となるようにする。この結果、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。なお、ステップS25において、二酸化炭素濃度が閾値を超えていなければ(ステップS25:No)、制御手段9は、ステップS24の動作を維持しつつステップS21に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
ステップS26の後(またはステップS25と並行して)、有害物質濃度が閾値を超えた場合(ステップS27:Yes)、制御手段9は、部屋2の内部の有害物質を除去する(ステップS28)。すなわち、ステップS27において、制御手段9は、有害物質濃度検出部8Fによる有害物質濃度の検出結果を取得し、この有害物質濃度が閾値を超えた場合(例えば、一酸化炭素やアンモニアの濃度が人の健康を阻害する濃度となった場合)、ステップS28において、有害物質除去手段8の送風機8Dを運転して開閉弁8Eを開作動させ、有害物質除去部8Aに部屋2の内部の空気の一部を通過させた後に部屋2の内部に戻し、部屋2の内部の有害物質濃度を閾値以下となるようにする。この結果、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。なお、ステップS27において、有害物質濃度が閾値を超えていなければ(ステップS27:No)、制御手段9は、ステップS24の動作を維持しつつステップS21に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。また、ステップS28の後、制御手段9は、ステップS24の動作を維持しつつステップS21に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。また、ステップS25をステップS27と並行する場合、ステップS26の後、制御手段9は、ステップS24の動作を維持しつつステップS21に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
なお、ステップS21において、放射性ガス検出手段4により放射性ガスが検出されない場合(ステップS21:No)、制御手段9は、部屋2を外気に開放する(ステップS29)。すなわち、制御手段9は、ステップS21において、放射性ガスが検出されず安全が確認された場合、ステップS29において、放射性ガス除去手段3および酸素ガス供給手段6および圧力調整手段を停止する。また、ステップS29の後は、再びステップS21に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスの監視を行う。
このように、本実施形態の換気システム1は、壁、天井および床により囲まれた部屋2と、部屋2の外部に設けられて放射性ガスの通過を遮断するフィルタ部3Aと、フィルタ部3Aの内部に空気を通過させる送風機3Bと、フィルタ部3Aの下流側と部屋2とを連通する送気管3Cと、送気管3Cから分岐して外気に開放される排気管3Eと、送気管3Cと排気管3Eとの分岐部に設けられた三方弁3Fと、フィルタ部3Aの上流側、およびフィルタ部3Aの下流側である三方弁3Fよりも上流側にそれぞれ設けられて放射性希ガスおよび放射性ガスを検出する放射性ガス検出手段4と、部屋2の内部の圧力を検出する部屋内圧力検出手段5と、部屋2の内部に酸素ガスを供給する酸素ガス供給手段6と、部屋2の内部の圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように調整する圧力調整手段(圧力調整手段2Eや流量調整弁6C)と、フィルタ部3Aの上流側の放射性ガス検出手段4により放射性ガスが検出された場合、送風機3Bを運転するとともに三方弁3Fにより送気管3Cを部屋2に開通させ、かつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させる一方、フィルタ部3Aの下流側の放射性ガス検出手段4により放射性希ガスが検出された場合、送風機3Bを運転するとともに三方弁3Fにより排気管3Eを開通させて送気管3Cを部屋2に対して閉じ、かつ酸素ガス供給手段6を作動させつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように圧力調整手段(圧力調整手段2Eや流量調整弁6C)を作動させる制御手段9と、を備える。
原子力設備では、当該原子力設備を制御・監視するための制御室や、制御室に従事する人の居住空間が必要である。そして、万が一の事故発生時において、制御室(制御室が何らかの損傷を受けた場合は原子力設備の制御・監視を行う代替制御室21)や居室(居室が何らかの損傷を受けた場合は代替居室22、または住民の避難のための非常用居室)などのような部屋2の内部の人の被曝を防止し、呼吸を維持する必要がある。ただし、放射性ガス(ガス状の放射性よう素やミスト状のセシウムやストロンチウムなどの放射性物質を空気中に含むガス)は、フィルタにより除去できるが、炉心溶融などの初期に発生する放射性希ガス(キセノン、クリプトンなどを空気中に含むガス)はフィルタでは十分に除去しきれない。そこで、本実施形態の換気システム1によれば、フィルタ部3Aの上流側の放射性ガス検出手段4により放射性ガスを検出した場合、フィルタ部3Aにより放射性ガスを除去し、部屋2の内部の圧力を正圧とすることで、放射性ガスが部屋2の内部へ送られる事態を防ぐことができ、部屋2の内部の人の呼吸を維持することができる。一方、本実施形態の換気システム1によれば、フィルタ部3Aの下流側の放射性ガス検出手段4により放射性希ガスを検出した場合、部屋2を外気から遮断して酸素ガスを供給し部屋2の内部の圧力を正圧とすることで、放射性ガスを含み放射性希ガスが部屋2の内部へ送られる事態を防ぐことができ、部屋2の内部の人の呼吸を維持することができる。しかも、本実施形態の換気システム1によれば、放射性希ガスを検出した場合、送風機3Bを運転するとともに三方弁3Fにより排気管3Eを開通させ、フィルタ部3Aに外気を通すことで、フィルタ部3Aが放射性ガスを除去する効果を利用してフィルタ部3Aの上流側と下流側との放射性ガス検出手段4により放射性ガスの有無および放射性希ガスの有無を検出することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2の内部の空気を一部取り込み、取り込んだ空気中の二酸化炭素を除去し、二酸化炭素を除去した空気を部屋2の内部に送る二酸化炭素除去手段7を備えることが好ましい。
部屋2を外気から遮断し、この期間が長引くことで、人の呼気により部屋2の内部の二酸化炭素濃度が増加する。そこで、本実施形態の換気システム1によれば、二酸化炭素除去手段7を備えることで、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2の内部の空気を一部取り込み、取り込んだ空気中の有害物質を除去し、有害物質を除去した空気を部屋2の内部に送る有害物質除去手段8を備えることが好ましい。
部屋2を外気から遮断し、この期間が長引くことで、一酸化炭素(CO)や、アンモニア(NH3)などの人体に有害となる有害物質濃度が増加する。そこで、本実施形態の換気システム1によれば、有害物質除去手段8を備えることで、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2は、原子力設備を制御・監視する制御室(代替制御室21を含む)である。
この換気システム1によれば、原子力設備を制御・監視する制御室(代替制御室21を含む)の内部に対して放射性ガスや放射性希ガスが送られる事態を防ぎ、かつ部屋2の内部に酸素を供給することで、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2は、居室である。
この換気システム1によれば、居室(代替居室22や非常用居室を含む)の内部に対して放射性ガスや放射性希ガスが送られる事態を防ぎ、かつ部屋2の内部に酸素を供給することで、原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2および部屋2に付属する構成は、一体または個別で移動可能に構成されることが好ましい。
部屋2が移動可能とは、部屋2が代替制御室21や代替居室22として構成され、図には明示しないが、移動手段としてのトレーラにおける荷台に搭載されるコンテナとして構成されていたり、部屋2が移動手段としてのヘリコプターやクレーンなどで吊り下げられる吊具を有していたりしているものをいう。また、部屋2に付属する構成とは、上述した放射性ガス除去手段3、放射性ガス検出手段4、部屋内圧力検出手段5、酸素ガス供給手段6、二酸化炭素除去手段7、有害物質除去手段8、または制御手段9を含む。
この換気システム1によれば、部屋2および部屋2に付属する構成は、一体または個別で移動可能に構成されることで、原子力設備の事故時において、部屋2を適した箇所に移動して設置することで、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができ、または原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、フィルタ部3Aは、送気管3Cに対して着脱可能に設けられていることが好ましい。
具体的に、フィルタ部3Aの交換動作は、ステップS22以降において、上述した実施形態1と同様に、図6のステップS11およびステップS12の動作を行う。すなわち、フィルタ交換時期である場合(ステップS11:Yes)、制御手段9は、フィルタ交換時期を部屋2の内部のランプや制御盤(図示せず)に表示し、フィルタ部3Aの交換を促す(ステップS12)。なお、フィルタ交換時期は、放射性ガス除去手段3の運転時間(送風機3Bの運転時間)と放射性ガス検出手段4により検出する放射線量に応じて予め設定する。また、フィルタ部3Aを交換した場合、制御手段9のフィルタ交換時期をリセットする。また、ステップS12の後、制御手段9は、ステップS5の動作を維持しつつステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
この換気システム1によれば、フィルタ部3Aを送気管3Cに対して着脱可能に設けることで、フィルタ部3Aを交換することができる。この結果、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができ、または原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、図7を参照するように、放射性ガス除去手段3において、フィルタ部3Aが複数(本実施形態では2つ)設けられていてもよい。そして、各フィルタ部3Aは、送気管3Cから複数に分岐された各分岐管3Ca,3Cbにそれぞれ接続される。各分岐管3Ca,3Cbは、開閉弁3Dがそれぞれ設けられる。そして、制御手段9は、フィルタ交換時期に応じて各開閉弁3Dを選択的に開閉する。また、本実施形態の場合、図8に示すフィルタ部3Aの下流側の放射性ガス検出手段4は、図7に示す各分岐管3Ca,3Cbよりも下流側の送気管3Cであって、図8に示すように三方弁3Fの上流側に設けられる。
具体的に、フィルタ部3Aの交換動作は、ステップS22以降において、上述した実施形態2と同様に、図6のステップS11およびステップS12の動作を行う。すなわち、フィルタ交換時期である場合(ステップS11:Yes)、制御手段9は、フィルタ交換を行う(ステップS12)。すなわち、制御手段9は、いままで使用していたフィルタ部3A側の開閉弁3Dを閉作動させ、未使用のフィルタ部3A側の開閉弁3Dを開作動させる。なお、フィルタ交換時期は、放射性ガス除去手段3の運転時間(送風機3Bの運転時間)と放射性ガス検出手段4により検出する放射線量に応じて予め設定する。また、各開閉弁3Dを開閉してフィルタ部3Aを交換した場合、制御手段9は、フィルタ交換時期をリセットする。また、ステップS12の後、制御手段9は、ステップS5の動作を維持しつつステップS2に戻り、放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
このように、本実施形態の換気システム1では、フィルタ部3Aは、複数設けられて、送気管3Cから複数に分岐された各分岐管3Ca,3Cbにそれぞれ接続されており、かつ各分岐管3Ca,3Cbに開閉弁3Dがそれぞれ設けられ、制御手段9は、フィルタ交換時期に応じて各開閉弁3Dを選択的に開閉する。
この換気システム1によれば、フィルタ部3Aを自動的に交換することができる。この結果、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができ、または原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
[実施形態4]
図10は、本実施形態に係る換気システムの概略図であり、図11は、本実施形態に係る換気システムの有毒ガスフィルタ部を示す概略図であり、図12および図13は、本実施形態に係る換気システムの動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態の換気システム1は、上述した実施形態1の換気システム1に対して有毒ガス除去手段10をさらに備えており、その他の構成は同様である。従って、以下に説明する実施形態4において、上述した実施形態1と同等の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
有毒ガス除去手段10は、火災に伴い発生し得る一酸化炭素、塩化水素、硫黄化合物やシアン化水素などを含む有毒ガスの通過を遮断するものである。有毒ガス除去手段10は、有毒ガスフィルタ部10Aと、有毒ガスフィルタ送気管10Cと、有毒ガスフィルタ開閉弁10Dと、有毒ガスフィルタバイパス管10Gと、有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hと、を有する。
有毒ガスフィルタ部10Aは、図11に示すように、周囲が外壁で囲まれた筒状に形成されて一端側および他端側に開口部がそれぞれ形成されたケーシング10Aaを有している。そして、有毒ガスフィルタ部10Aは、ケーシング10Aa内に、一端側から粗フィルタ10Ab、上流側高性能フィルタ10Ac、アルカリ添着炭10Ad、一酸化炭素酸化器10Aeおよび二酸化炭素吸着器10Afが設けられている。
粗フィルタ10Abは、例えば、対象粒子径が50μm以上の空気濾過フィルタや、対象粒子径が25μm以上の中高性能フィルタが適用される。
上流側高性能フィルタ10Acは、例えば、対象粒子径が0.15μmで99.97%の除去効率のHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)が適用される。
アルカリ添着炭10Adは、塩化水素、硫黄化合物やシアン化水素などの酸性ガスを除去するアルカリ成分を活性炭に添着したものである。アルカリ添着炭10Adは、粒状の活性炭を気体が通過する容器に収納してある。
一酸化炭素酸化器10Aeは、一酸化炭素を酸化して二酸化炭素にするものである。一酸化炭素酸化器10Aeは、例えば、酸化触媒中に気体を通過させるようにしたものである。
二酸化炭素吸着器10Afは、二酸化炭素を吸着するものである。二酸化炭素吸着器10Afは、例えば、上述した二酸化炭素除去部が適用される。
有毒ガスフィルタ送気管10Cは、有毒ガスフィルタ部10Aの下流側と、放射性ガス除去手段3におけるフィルタ部3Aの上流側とを連通するものである。
有毒ガスフィルタ開閉弁10Dは、有毒ガスフィルタ送気管10Cに設けられて当該有毒ガスフィルタ送気管10Cを開閉するものである。
有毒ガスフィルタバイパス管10Gは、有毒ガスフィルタ送気管10Cにおける有毒ガスフィルタ開閉弁10Dの下流側に接続されて外気に通じるものである。本実施形態では、有毒ガスフィルタバイパス管10Gは、有毒ガスフィルタ送気管10Cが有毒ガスフィルタ部10Aの上流側にも設けられて外気に通じており、当該有毒ガスフィルタ送気管10Cに一端が接続され、他端が有毒ガスフィルタ送気管10Cにおける有毒ガスフィルタ開閉弁10Dの下流側に接続されている。
有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hは、有毒ガスフィルタバイパス管10Gに設けられて当該有毒ガスフィルタバイパス管10Gを開閉するものである。
ところで、上記有毒ガス除去手段10が設けられている場合、この有毒ガス除去手段10が接続された放射性ガス除去手段3は、バイパス管3Gおよびバイパス開閉弁3Hが設けられている。また、有毒ガス除去手段10が接続された放射性ガス除去手段3は、送風機3Bが、送気管3Cにおいて開閉弁3Dの下流側に設けられている。
バイパス管3Gは、有毒ガスフィルタ送気管10Cにおける有毒ガスフィルタ開閉弁10Dの下流側であって有毒ガスフィルタバイパス管10Gの他端の下流側に一端が接続され、送気管3Cにおける開閉弁3Dの下流側であって送風機3Bの上流側に他端が接続されている。また、バイパス開閉弁3Hは、バイパス管3Gに設けられてバイパス管3Gを開閉するものである。
また、本実施形態の換気システム1は、火災検出手段11を備えている。火災検出手段11は、部屋2の近くで発生する火災の発生を検出するもので、例えば、通常の温度よりも高い温度を検知したり、煙を検知したり、火炎から発せられる紫外線や赤外線を検知したり、これらを少なくとも2つ複合して検知したりすることで火災の発生を検出する。
また、本実施形態の換気システム1において、制御手段9は、制御手段9は、放射性ガス検出手段4の検出結果に基づいて、放射性ガス除去手段3の送風機3B、開閉弁3Dおよびバイパス開閉弁3H、有毒ガス除去手段10の有毒ガスフィルタ開閉弁10Dおよび有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hや、酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを制御する。また、制御手段9は、火災検出手段11の検出結果に基づいて、放射性ガス除去手段3の送風機3B、開閉弁3Dおよびバイパス開閉弁3H、有毒ガス除去手段10の有毒ガスフィルタ開閉弁10Dおよび有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hや、圧力調整手段(圧力調整手段2Eや流量調整弁6C)を制御する。また、制御手段9は、部屋内圧力検出手段5の検出結果に基づいて、圧力調整手段(圧力調整手段2Eや流量調整弁6C)を制御する。また、制御手段9は、二酸化炭素濃度検出部7Fの検出結果に基づいて、二酸化炭素除去手段7の送風機7Dおよび開閉弁7Eを制御する。また、制御手段9は、有害物質濃度検出部8Fの検出結果に基づいて、有害物質除去手段8の送風機8Dおよび開閉弁8Eを制御する。
本実施形態の換気システム1の動作について説明する。原子力設備に事故が発生した場合、図12に示すように、制御手段9は、放射性ガス除去手段3および有毒ガス除去手段10を停止して酸素ガス供給手段6を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS30)。すなわち、制御手段9は、放射性ガス除去手段3の送風機3Bを停止して開閉弁3Dおよびバイパス開閉弁3Hを閉作動させ、かつ有毒ガス除去手段10の有毒ガスフィルタ開閉弁10Dおよび有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hを閉作動させ、酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを開状態としつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように(例えば10mmAq以上)圧力調整手段(圧力調整手段2Eまたは酸素ガス供給手段6の流量調整弁6C)を作動させる。これにより、部屋2は、有毒ガスや放射性ガスや放射性希ガスが遮断された状態で、内部に酸素が供給される。この結果、部屋2の内部の人が有毒ガスや放射性ガスや放射性希ガスに曝される事態を防ぎ、かつ部屋2の内部の人の呼吸が妨げられる事態を防ぐことができる。
ステップS30の後、火災検出手段11により火災の発生が検出され(ステップS31:Yes)、放射性ガス検出手段4により放射性ガスが検出され(ステップS32:Yes)、かつ放射性希ガスが検出された場合(ステップS33:Yes)、制御手段9は、放射性ガス除去手段3および有毒ガス除去手段10を停止して酸素ガス供給手段6を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS34)。すなわち、制御手段9は、ステップS30の動作を続ける。
なお、ステップS32において、放射性ガス検出手段4により放射性ガスが検出されない場合(ステップS32:No)、制御手段9は、酸素ガス供給手段6および放射性ガス除去手段3を停止して有毒ガス除去手段10を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS35)。すなわち、制御手段9は、酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを閉状態とし送風機3Bを運転して開閉弁3Dおよびバイパス開閉弁を閉作動させ、かつ有毒ガス除去手段10の有毒ガスフィルタ開閉弁10Dを開作動させる一方有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hを閉作動させつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように(例えば10mmAq以上)圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させる。この結果、部屋2の内部の人が有毒ガスに曝される事態を防ぐことができる。また、ステップS35の後、制御手段9は、ステップS35の動作を維持しつつステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
また、ステップS33において、放射性希ガスが検出されない場合(ステップS33:No)、制御手段9は、酸素ガス供給手段6を停止して放射性ガス除去手段3および有毒ガス除去手段10を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS36)。すなわち、制御手段9は、酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを閉状態とし放射性ガス除去手段3の送風機3Bを運転して開閉弁3Dを開作動させる一方バイパス開閉弁3Hを閉作動させ、かつ有毒ガス除去手段10の有毒ガスフィルタ開閉弁10Dを開作動させる一方有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hを閉作動させつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように(例えば10mmAq以上)圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させる。この結果、部屋2の内部の人が有毒ガスや放射性ガスに曝される事態を防ぐことができる。また、ステップS36の後、制御手段9は、ステップS36の動作を維持しつつステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
ステップS34の後、二酸化炭素濃度が閾値を超えた場合(ステップS37:Yes)、制御手段9は、部屋2の内部の二酸化炭素を除去する(ステップS38)。すなわち、ステップS37において、制御手段9は、二酸化炭素濃度検出部7Fによる二酸化炭素濃度の検出結果を取得し、この二酸化炭素濃度が閾値を超えた場合(例えば、通常300ppm〜390ppm程度のところ、人の健康を阻害する二酸化炭素濃度で制御する場合には一例として3500ppm以上となった場合)、ステップS38において、二酸化炭素除去手段7の送風機7Dを運転して開閉弁7Eを開作動させ、二酸化炭素除去部7Aに部屋2の内部の空気の一部を通過させた後に部屋2の内部に戻し、部屋2の内部の二酸化炭素濃度を閾値(例えば3500ppm)以下となるようにする。この結果、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。なお、ステップS37において、二酸化炭素濃度が閾値を超えていなければ(ステップS37:No)、制御手段9は、ステップS34の動作を維持しつつステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
ステップS38の後(またはステップS37と並行して)、有害物質濃度が閾値を超えた場合(ステップS39:Yes)、制御手段9は、部屋2の内部の有害物質を除去する(ステップS40)。すなわち、ステップS39において、制御手段9は、有害物質濃度検出部8Fによる有害物質濃度の検出結果を取得し、この有害物質濃度が閾値を超えた場合(例えば、一酸化炭素やアンモニアの濃度が人の健康を阻害する濃度となった場合)、ステップS40において、有害物質除去手段8の送風機8Dを運転して開閉弁8Eを開作動させ、有害物質除去部8Aに部屋2の内部の空気の一部を通過させた後に部屋2の内部に戻し、部屋2の内部の有害物質濃度を閾値以下となるようにする。この結果、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。なお、ステップS39において、有害物質濃度が閾値を超えていなければ(ステップS39:No)、制御手段9は、ステップS34の動作を維持しつつステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。また、ステップS40の後、制御手段9は、ステップS34の動作を維持しつつステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。また、ステップS37をステップS39と並行する場合、ステップS38の後、制御手段9は、ステップS34の動作を維持しつつステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
なお、ステップS31において、火災の発生が検出されない場合(ステップS31:No)、制御手段9は、図13における「A」、すなわちステップS41に進む。
ステップS31において、火災の発生が検出されず(ステップS31:No)、ステップS41において、放射性ガス検出手段4により放射性ガスが検出され(ステップS41:Yes)、かつステップS42において、放射性希ガスが検出された場合(ステップS42:Yes)、制御手段9は、放射性ガス除去手段3および有毒ガス除去手段10を停止して酸素ガス供給手段6を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS43)。すなわち、制御手段9は、ステップS30の動作を続ける。
なお、ステップS42において、放射性希ガスが検出されない場合(ステップS42:No)、制御手段9は、酸素ガス供給手段6および有毒ガス除去手段10を停止して放射性ガス除去手段3を運転し部屋2の内部を正圧とする(ステップS44)。すなわち、制御手段9は、酸素ガス供給手段6の流量調整弁6Cを閉状態とし放射性ガス除去手段3の送風機3Bを運転して開閉弁3Dを開作動させる一方バイパス開閉弁3Hを閉作動させ、かつ有毒ガス除去手段10の有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hを開作動させる一方有毒ガスフィルタ開閉弁10Dを閉作動させつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように(例えば10mmAq以上)圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させる。この結果、部屋2の内部の人が有毒ガスや放射性ガスに曝される事態を防ぐことができる。また、ステップS44の後、制御手段9は、ステップS44の動作を維持しつつ、図12における「B」、すなわちステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
ステップS43の後、二酸化炭素濃度が閾値を超えた場合(ステップS45:Yes)、制御手段9は、部屋2の内部の二酸化炭素を除去する(ステップS46)。すなわち、ステップS45において、制御手段9は、二酸化炭素濃度検出部7Fによる二酸化炭素濃度の検出結果を取得し、この二酸化炭素濃度が閾値を超えた場合(例えば、通常300ppm〜390ppm程度のところ、人の健康を阻害する二酸化炭素濃度で制御する場合には一例として3500ppm以上となった場合)、ステップS46において、二酸化炭素除去手段7の送風機7Dを運転して開閉弁7Eを開作動させ、二酸化炭素除去部7Aに部屋2の内部の空気の一部を通過させた後に部屋2の内部に戻し、部屋2の内部の二酸化炭素濃度を閾値(例えば3500ppm)以下となるようにする。この結果、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。なお、ステップS45において、二酸化炭素濃度が閾値を超えていなければ(ステップS45:No)、制御手段9は、ステップS43の動作を維持しつつ、図12における「B」、すなわちステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
ステップS46の後(またはステップS45と並行して)、有害物質濃度が閾値を超えた場合(ステップS47:Yes)、制御手段9は、部屋2の内部の有害物質を除去する(ステップS48)。すなわち、ステップS47において、制御手段9は、有害物質濃度検出部8Fによる有害物質濃度の検出結果を取得し、この有害物質濃度が閾値を超えた場合(例えば、一酸化炭素やアンモニアの濃度が人の健康を阻害する濃度となった場合)、ステップS48において、有害物質除去手段8の送風機8Dを運転して開閉弁8Eを開作動させ、有害物質除去部8Aに部屋2の内部の空気の一部を通過させた後に部屋2の内部に戻し、部屋2の内部の有害物質濃度を閾値以下となるようにする。この結果、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。なお、ステップS47において、有害物質濃度が閾値を超えていなければ(ステップS47:No)、制御手段9は、ステップS43の動作を維持しつつ、図12における「B」、すなわちステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。また、ステップS48の後、制御手段9は、ステップS43の動作を維持しつつ、図12における「B」、すなわちステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。また、ステップS45をステップS47と並行する場合、ステップS45の後、制御手段9は、ステップS43の動作を維持しつつ、図12における「B」、すなわちステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスを監視する。
なお、ステップS41において、放射性ガス検出手段4により放射性ガスが検出されない場合(ステップS41:No)、制御手段9は、部屋2を外気に開放する(ステップS49)。すなわち、制御手段9は、ステップS31において火災の発生がなく、かつステップS41において、放射性ガスが検出されず安全が確認された場合、ステップS49において、放射性ガス除去手段3、有毒ガス除去手段10、酸素ガス供給手段6および圧力調整手段を停止する。また、ステップS49の後は、再びステップS31に戻り、火災検出手段11により火災の発生を監視するとともに放射性ガス検出手段4により放射性ガスおよび放射性希ガスの監視を行う。
ところで、ステップS30は、なくてもよいが、原子力設備に事故が発生した場合に、部屋2の内部の人が有毒ガスや放射性ガスや放射性希ガスに曝される事態を防ぐ効果を顕著に得るため、火災検出手段11および放射性ガス検出手段4により火災の発生や放射性ガスや放射性希ガスを検出する以前に、放射性ガス除去手段3および有毒ガス除去手段10を停止して酸素ガス供給手段6を運転し部屋2の内部を正圧とすることが好ましい。
このように、本実施形態の換気システム1は、上述した実施形態1の換気システム1において、部屋2の外部に設けられて有毒ガスの通過を遮断する有毒ガスフィルタ部10Aと、有毒ガスフィルタ部10Aの下流側とフィルタ部3Aの上流側とを連通する有毒ガスフィルタ送気管10Cと、有毒ガスフィルタ送気管10Cに設けられて当該有毒ガスフィルタ送気管10Cを開閉する有毒ガスフィルタ開閉弁10Dと、部屋2の外部に設けられて火災の発生を検出する火災検出手段11と、有毒ガスフィルタ送気管10Cにおける有毒ガスフィルタ開閉弁10Dの下流側に接続されて外気に通じる有毒ガスフィルタバイパス管10Gと、有毒ガスフィルタバイパス管10Gに設けられて当該有毒ガスフィルタバイパス管10Gを開閉する有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hと、有毒ガスフィルタ送気管10Cにおける有毒ガスフィルタ開閉弁10Dの下流側に一端が接続され、送気管3Cにおける開閉弁3Dの下流側であって送風機3Bの上流側に他端が接続されたバイパス管3Gと、バイパス管3Gに設けられて当該バイパス管3Gを開閉するバイパス開閉弁3Hと、をさらに備えている。そして、制御手段9は、火災検出手段11により火災の発生が検出されて放射性ガス検出手段4により放射性希ガスおよび放射性ガスが検出されない場合、送風機3Bを運転し、有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hおよび開閉弁3Dを閉作動させるとともに有毒ガスフィルタ開閉弁10Dおよびバイパス開閉弁3Hを開作動させ、かつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させ、または火災検出手段11により火災の発生が検出されて放射性ガス検出手段4により放射性希ガスを除き放射性ガスが検出された場合、送風機3Bを運転し、有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hおよびバイパス開閉弁3Hを閉作動させるとともに有毒ガスフィルタ開閉弁10Dおよび開閉弁3Dを開作動させ、かつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させ、あるいは火災検出手段11により火災の発生が検出されず放射性ガス検出手段4により放射性希ガスを除き放射性ガスが検出された場合、送風機3Bを運転し、有毒ガスフィルタ開閉弁10Dおよびバイパス開閉弁3Hを閉作動させるとともに有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10Hおよび開閉弁3Dを開作動させ、かつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように圧力調整手段(圧力調整手段2E)を作動させ、もしくは火災検出手段11により火災の検出に関わらず放射性ガス検出手段4により放射性希ガスが検出された場合、送風機3Bを停止して有毒ガスフィルタ開閉弁10D、有毒ガスフィルタバイパス開閉弁10H、開閉弁3Dおよびバイパス開閉弁3Hを閉作動させ、かつ酸素ガス供給手段6を作動させつつ部屋内圧力検出手段5により検出する圧力が部屋2の外部の圧力よりも高くなるように圧力調整手段(圧力調整手段2Eや流量調整弁6C)を作動させる。
原子力設備では、当該原子力設備を制御・監視するための制御室や、制御室に従事する人の居住空間が必要である。そして、万が一の事故発生時において、制御室(制御室が何らかの損傷を受けた場合は原子力設備の制御・監視を行う代替制御室21)や居室(居室が何らかの損傷を受けた場合は代替居室22、または住民の避難のための非常用居室、あるいは原子力設備近くにあって緊急に避難することが困難な病院や介護施設)などのような部屋2の内部の人の被曝を防止し、呼吸を維持する必要がある。ただし、放射性ガス(ガス状の放射性よう素やミスト状のセシウムやストロンチウムなどの放射性物質を空気中に含むガス)は、フィルタにより除去できるが、炉心溶融などの初期に発生する放射性希ガス(キセノン、クリプトンなどを空気中に含むガス)はフィルタでは十分に除去しきれない。そこで、本実施形態の換気システム1によれば、放射性希ガスを検出した場合、部屋2を外気から遮断して酸素ガスを供給し部屋2の内部の圧力を正圧とすることで、放射性ガスを含み放射性希ガスが部屋2の内部へ送られる事態を防ぐことができ、部屋2の内部の人の呼吸を維持することができる。一方、本実施形態の換気システム1によれば、放射性希ガスの発生時期は炉心溶融などの初期に限定されるため、放射性希ガスを除き放射性ガスを検出した場合は、フィルタ部3Aにより放射性ガスを除去し、部屋2の内部の圧力を正圧とすることで、放射性ガスが部屋2の内部へ送られる事態を防ぐことができ、部屋2の内部の人の呼吸を維持することができる。しかも、本実施形態の換気システム1によれば、部屋2の近くで火災が発生した場合は、有毒ガスフィルタ部10Aにより火災に伴い発生し得る有毒ガスを除去し、部屋2の内部の圧力を正圧とすることで、有毒ガスが部屋2の内部へ送られる事態を防ぐことができ、部屋2の内部の人の呼吸を維持することができる。
ところで、本実施形態の換気システム1では、図10に示すように、有毒ガスフィルタ送気管10Cにおける有毒ガスフィルタ開閉弁10Dの下流側に一端が接続され、部屋2に他端が接続され、送風機3Bの運転に伴いフィルタ部3Aを介して部屋2に空気が循環する循環管12Aと、この循環管12Aを開閉する循環開閉弁12Bを設けてもよい。そして、制御手段9は、放射性ガス除去手段3を運転するときのみ循環開閉弁12Bを開作動させる。このため、部屋2内の空気をフィルタ部3Aにて清浄化することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2の内部の空気を一部取り込み、取り込んだ空気中の二酸化炭素を除去し、二酸化炭素を除去した空気を部屋2の内部に送る二酸化炭素除去手段7を備えることが好ましい。
部屋2を外気から遮断し、この期間が長引くことで、人の呼気により部屋2の内部の二酸化炭素濃度が増加する。そこで、本実施形態の換気システム1によれば、二酸化炭素除去手段7を備えることで、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2の内部の空気を一部取り込み、取り込んだ空気中の有害物質を除去し、有害物質を除去した空気を部屋2の内部に送る有害物質除去手段8を備えることが好ましい。
部屋2を外気から遮断し、この期間が長引くことで、一酸化炭素(CO)や、アンモニア(NH3)などの人体に有害となる有害物質濃度が増加する。そこで、本実施形態の換気システム1によれば、有害物質除去手段8を備えることで、部屋2の内部の人の健康を維持することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、有毒ガスフィルタ部10Aは、有毒ガスフィルタ送気管10Cに対して着脱可能に設けられることが好ましい。
この換気システム1によれば、有毒ガスフィルタ部10Aを有毒ガスフィルタ送気管10Cに対して着脱可能に設けることで、有毒ガスフィルタ部10Aを交換することができる。この結果、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができ、または原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2は、原子力設備を制御・監視する制御室(代替制御室21を含む)である。
この換気システム1によれば、原子力設備を制御・監視する制御室(代替制御室21を含む)の内部に対して有毒ガスや放射性ガスや放射性希ガスが送られる事態を防ぎ、かつ部屋2の内部に酸素を供給することで、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2は、居室である。
この換気システム1によれば、居室(代替居室22や非常用居室を含む)の内部に対して有毒ガスや放射性ガスや放射性希ガスが送られる事態を防ぎ、かつ部屋2の内部に酸素を供給することで、原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
また、本実施形態の換気システム1では、部屋2および部屋2に付属する構成は、一体または個別で移動可能に構成されることが好ましい。
部屋2が移動可能とは、部屋2が代替制御室21や代替居室22として構成され、図には明示しないが、移動手段としてのトレーラにおける荷台に搭載されるコンテナとして構成されていたり、部屋2が移動手段としてのヘリコプターやクレーンなどで吊り下げられる吊具を有していたりしているものをいう。また、部屋2に付属する構成とは、上述した放射性ガス除去手段3、放射性ガス検出手段4、部屋内圧力検出手段5、酸素ガス供給手段6、二酸化炭素除去手段7、有害物質除去手段8、制御手段9、有毒ガス除去手段10、火災検出手段11、または循環管12Aおよび循環開閉弁12Bを含む。
この換気システム1によれば、部屋2および部屋2に付属する構成は、一体または個別で移動可能に構成されることで、原子力設備の事故時において、部屋2を適した箇所に移動して設置することで、原子力設備の制御・監視を継続して行うことができ、または原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民の安全を確保することができる。
有毒ガスフィルタ部10Aの交換に際しては、有毒ガス除去手段10の運転時間(有毒ガス除去手段10に起因する送風機3Bの運転時間)を制御手段9において予め設定しておく。そして、当該設定時間が経過した場合、制御手段9は、フィルタ交換時期を部屋2の内部のランプや制御盤(図示せず)に表示し、有毒ガスフィルタ部10Aの交換を促す。
なお、図10に示す有毒ガス除去手段10および火災検出手段11は、図7に示す実施形態2の換気システム1や、図8に示す実施形態3の換気システム1にも適用することができる。