JP5713015B2 - 1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法に関する。
従来から、化学式:CHClで表わされるジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)類を製造する方法として、いろいろな方法が提案されている。例えば、改質された塩化アルミニウム触媒の存在下でジクロロフルオロメタンをテトラフルオロエチレンと接触させることで、ジクロロペンタフルオロプロパンを得る方法が提案されており、この方法で得られたジクロロペンタフルオロプロパンの各種の異性体混合物に対して、異性化を行なう技術が開示されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載された異性化の方法は、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCClCF;HCFC−225aa)の含有比率を高める方法であり、この方法では、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHClCFCF;HCFC−225ca)を高い含有比率で得ることができなかった。
また、非特許文献1に記載された方法は、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(CHClFCFCClF;HCFC−225cb)を部分フッ素化した塩化アルミ触媒で異性化してHCFC−225caを合成する方法であり、この方法では、HCFC−225caの収率が10%程度と極めて低く、製造効率が悪かった。HCFC−225caの収率を高めるために、長時間反応や高温での反応を実施することが考えられるが、フッ素化したハロゲン化アルミニウム触媒を使用した場合には、転化率を上げてHCFC−225caの収率を高くすると、触媒とのハロゲン交換やHCFC−225の各種異性体間の不均化反応によって、HCFC−225異性体以外の化合物が大量に副生するなどの問題があることが判明した。
このように従来からの方法では、新しい冷媒である2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CH;HFO−1234yf)を合成するための出発物質であるHCFC−225caを効率的に得ることができなかった。すなわち、近年、温室効果ガスである1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)に代わる新しい冷媒として、オゾン破壊係数等が小さいHFO−1234yfの使用が検討されており、このHFO−1234yfの合成原料である1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl;CFO−1214ya)を得るための出発物質として、HCFC−225caの有用性が高まっている。しかし、HCFC−225の各種異性体の混合物中のHCFC−225caの含有比率を高め、HCFC−225caを効率的に得る方法は、未だ見出されていないのが現状であった。
米国特許5,157,171号
Applied Catalysis A:General,348,236−240(2008)
本発明は、オゾン破壊係数等が小さい新しい冷媒である2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)の合成原料である1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)を得るための出発物質等として有用な、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)を製造する方法を提供することを目的とする。また、この方法で得られたHCFC−225caを使用してCFO−1214yaを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225aa)を含む原料を酸化アルミニウム系触媒の存在下に気相で290℃以下の温度で反応させて前記原料中の2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225aa)の少なくとも一部を1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)に異性化することを特徴とする1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)の製造方法を提供する。
また、本発明は、下記1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)の製造方法を提供する。
HCFC−225caとHCFC−225aaとを含むジクロロペンタフルオロプロパンを、炭化水素基で置換された第四級アンモニウム塩、炭化水素基で置換された第四級ホスホニウム塩、およびクラウンエーテルから選ばれる少なくとも1種の相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液中で脱フッ化水素反応させてHCFC−225caからCFO−1214yaを製造し、前記脱フッ化水素反応生成物からCFO−1214yaを分離し、CFO−1214yaを分離した後のHCFC−225aaを含むジクロロペンタフルオロプロパンを酸化アルミニウム系触媒の存在下に気相で290℃以下の温度で反応させて前記ジクロロペンタフルオロプロパン中のHCFC−225aaの一部をHCFC−225caに異性化してHCFC−225caとHCFC−225aaとを含むジクロロペンタフルオロプロパンを製造し、得られたジクロロペンタフルオロプロパンから前記のプロセスを繰り返してCFO−1214yaを製造することを特徴とするCFO−1214yaの製造方法。
本発明によれば、新しい優れた冷媒である2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を合成するための出発物質として有用な、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)を高い含有比率(モル比率)で得ることができる。
以下の本明細書において、CHClで表わされる化合物の1種であるか、またはその2種以上からなる混合物(互いに異性体である化合物の混合物)をジクロロペンタフルオロプロパンといい、HCFC−225ともいう。
また、CHClで表わされるある特定の化合物Xのみからなるか、または化合物Xとその異性体である化合物の少なくとも1種とからなる混合物を、化合物Xを含むジクロロペンタフルオロプロパン、という。CHClで表わされるある特定の化合物Xと化合物Xの異性体である特定の化合物Yとのみからなる混合物であるか、または化合物Xと化合物Yとそれらの異性体の少なくとも1種とからなる混合物を、化合物Xと化合物Yとを含むジクロロペンタフルオロプロパン、という。
本発明の実施形態に係る製造方法は、HCFC−225aaを含むHCFC−225を原料とし、この原料を、触媒である金属酸化物の存在下に気相で異性化反応を起こさせることにより、原料中のHCFC−225aaの少なくとも一部をHCFC−225caに異性化することを特徴としている。原料であるHCFC−225中のHCFC−225caの含有比率は、0モル%であってもよい。
本発明の実施形態において、異性化反応の副反応により、異性化反応の生成物は、HCFC−225以外のハイドロクロロフルオロカーボン化合物を含有することがある。しかし、その生成量は、反応生成物中のジクロロペンタフルオロプロパンとの合計に対して10モル%未満と極めて小さくすることができる。ここで、HFCF−225以外のハイドロクロロフルオロカーボン化合物としては、例えば、トリクロロテトラフルオロプロパン(HCFC−224)類やモノクロロヘキサフロオロプロパン(HCFC−226)類を挙げることができる。より具体的には、HCFC−224として、1,2,2−トリクロロ−1,3,3,3−テトラフルオロプロパン(HCFC−224aa)や1,1,2−トリクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパン(HCFC−224ba)を挙げることができる。また、HCFC−226として、1−クロロ−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HCFC−226cb)を挙げることができる。
本発明の実施形態において、異性化反応の原料としては、HCFC−225aaを含むHCFC−225であれば、どのようなものでも使用することができるが、HCFC−225aaの他に、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225cb)をさらに含有するHCFC−225を使用することが好ましい。また、HCFC−225caの含有比率が50モル%未満であるHCFC−225を使用することが好ましい。また、異性化反応の原料としては、例えば、新冷媒である2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)の製造過程から生じるHCFC−225cbやHCFC−225aaを主たる成分として含むHCFC−225を使用することができる。
HCFC−225aaを含むHCFC−225を原料とする場合(ただし、後述のHCFC−225aaとHCFC−225cbを含むHCFC−225を原料とする場合を除く)、HCFC−225全量に対するHCFC−225aaの割合は50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上がより好ましい。ただし、HCFC−225cbの含有量はCFC−225aaとHCFC−225cbの合計量に対して5モル%未満である。また、HCFC−225aa以外のHCFC−225(ただし、HCFC−225cb以外)の含有量はHCFC−225全量に対して50モル%未満が好ましく、30モル%未満がより好ましい。
異性化反応の原料であるHCFC−225がHCFC−225aaの他にHCFC−225cbを含む場合、HCFC−225cbもまた本発明における異性化反応条件下においてその少なくとも一部がHCFC−225caに異性化する。したがって、HCFC−225aaとHCFC−225cbを含むHCFC−225を原料とした場合、反応生成物中のHCFC−225caはHCFC−225aaの異性化により生成したものとHCFC−225cbの異性化により生成したものとからなると考えられる。
HCFC−225aaとHCFC−225cbを含むHCFC−225を原料とする場合、HCFC−225全量に対するHCFC−225aaの量は30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましい。HCFC−225全量に対するHCFC−225cbの量は70モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。また、HCFC−225aaとHCFC−225cb以外のHCFC−225の含有量はHCFC−225全量に対して50モル%未満が好ましく、30モル%未満がより好ましい。なお、原料において、HCFC−225aaとHCFC−225cbを含むHCFC−225とは、HCFC−225cbの量がCFC−225aaとHCFC−225cbの合計量に対して5モル%以上であることをいう。
HCFC−225aaとHCFC−225cbを含むHCFC−225としては、HFO−1234yfの製造過程から生じる以下のHCFC−225を使用することができる。
すなわち、HFO−1234yfの合成原料である1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)を生成するために、HCFC−225caを含むHCFC−225を、相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液と接触させることにより、HCFC−225caを選択的に脱フッ化水素する反応を行う。
この反応の出発物質であるHCFC−225には、HCFC−225caの他にHCFC−225cbやHCFC−225aa等が含有されており、このHCFC−225cbやHCFC−225aa等は、反応(脱フッ化水素)することなくそのまま残留する。残留したHCFC−225cbやHCFC−225aa等を含むHCFC−225は、生成されたCFO−1214yaと蒸留によって容易に分離することができるので、こうしてCFO−1214yaと分離されたHCFC−225cbやHCFC−225aa等を含むHCFC−225を、本発明の異性化反応の原料として使用することができる。
また、本発明の異性化反応の原料としては、以下に示す工程を経て得られるHCFC−225を使用することもできる。すなわち、脱フッ化水素を行うHCFC−225として、アサヒクリンAK225(商品名;旭硝子社製)として市販されている、HCFC−225caとHCFC−225cbおよびそれら以外の異性体を含むHCFC−225を用いた場合、脱フッ化水素反応により生成するCFO−1214yaを蒸留して取り除いた後に回収される残留物は、HCFC−225cbを主成分とするHCFC−225となる。そして、これを原料として異性化反応によって得られる生成物は、HCFC−225caとHCFC−225aaを主成分として含むHCFC−225となるので、これをさらに脱フッ化水素反応して生成するCFO−1214yaを蒸留・除去した後に回収される残留物は、HCFC−225aaを主成分として含むHCFC−225となる。
Figure 0005713015
本発明の実施形態においては、このHCFC−225aaを主成分として含むHCFC−225を異性化反応の原料として用いることができる。こうして、異性化反応を実施することによって、原料であるHCFC−225aaを主成分として含むHCFC−225中のHCFC−225caの含有比率を向上することができる。そして、このような操作を繰り返すことによって、HCFC−225caを極めて高い収率で生成することが可能となる。
すなわち、HCFC−225aaのHCFC−225caへの異性化とHCFC−225caの脱フッ化水素と生成CFO−1214yaの分離を繰り返すことにより、HCFC−225aaからHCFC−225caを極めて高い収率で生成することが可能となる。また、この繰り返しにおいて、HCFC−225aaに別途製造したHCFC−225cbを加えて反応させることにより、結果的にHCFC−225cbから高い収率でHCFC−225caを生成することが可能となる。
また、HCFC−225aaのHCFC−225caへの異性化とHCFC−225caの脱フッ化水素と生成CFO−1214yaの分離を繰り返すことによりHCFC−225aaから結果的にCFO−1214yaを高い収率で生成することが可能となる。また、この繰り返し反応系に、別途の反応で得たHCFC−225aa(例えば、HCFC−225cbのHCFC−225caへの異性化において副生したHCFC−225aa)を追加することができる。また、この繰り返し反応系におけるHCFC−225aaにHCFC−225cbを加えて反応させることもできる。したがって、結果的にHCFC−225cbから高い収率でCFO−1214yaを生成することが可能となる。
本発明の実施形態において、気相での異性化反応に用いる触媒は、金属酸化物であれば特に限定されないが、Al,Sb,Nb,Ta,W,Re,B,Sn,Ga,In,Zr,HfおよびTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物が好ましい。反応活性と選択性の観点から、金属酸化物触媒としては酸化アルミニウム系触媒が好ましい。また、金属酸化物触媒としてはあらかじめ活性化された金属酸化物触媒を使用することができ、あらかじめ活性化された金属酸化物触媒としては部分フッ素化された金属酸化物触媒が好ましい。部分フッ素化された金属酸化物触媒としては部分フッ素化された酸化アルミニウム触媒が好ましい。部分フッ素化された金属酸化物触媒は、例えば、高温下に金属酸化物を含フッ素化合物(例えば、フロンなどのフルオロカーボン類)のガスに接触させて金属酸化物を部分フッ素化することにより製造することができる。
気相での異性化反応において、反応温度は290℃以下とする。好ましくは150〜290℃、より好ましくは180〜250℃とする。目的物であるHCFC−225caの収率を最大とするために、使用する原料中の各種のHCFC−225の比率によって、反応温度を細かく制御することが好ましい。このように反応温度の細かい制御が必要であるのは、HCFC−225の種類によって異性化反応の反応性が異なることと、触媒を経由して異性体分子間でのハロゲン交換反応(不均化反応)が進行するためである。原料転化率を向上させるためには、より高い温度で反応させることが好ましいが、温度が高すぎると、異性体分子間の不均化反応が進行して、目的とするHCFC−225caへのリサイクルが不可能であるHCFC−225以外の副生物(例えば、HCFC−224やHCFC−226等)の生成量が増加し、好ましくない。
本発明の実施形態においては、気相での異性化の反応温度を290℃以下にすることによって、反応により副生する、HCFC−225以外のハイドロクロロフルオロカーボン化合物の量を、反応生成物中のHCFC−225との合計量に対して10モル%未満にすることができる。
例えば前記したように、アサヒクリンAK225をアルカリ存在下に脱フッ化水素反応を行い、生成するCFO−1214yaを蒸留・回収した後に残留するHCFC−225cbを原料として異性化反応を実施して得られるHCFC−225caとHCFC−225aaとを含むHCFC−225を、再度アルカリ存在下に脱フッ化水素反応を行い、生成するCFO−1214yaを蒸留・回収した後の残留物(HCFC−225aaを主成分として含むHCFC−225)を原料として異性化する場合には、290℃を超える反応温度では、不均化反応の生成物であるHCFC−224やHCFC−226の副生量が増加して好ましくない。このようなHCFC−225aaを含むHCFC−225を原料とする場合には、それぞれの異性体比率を勘案して、最適な反応温度を設定することが好ましい。
気相での異性化反応において、反応圧力は0〜0.2kg/cmの範囲が適当であり、特に0〜1kg/cmの範囲とすることが好ましい。反応時間は、反応温度や金属酸化物触媒の種類にもよるが、通常10〜180秒とし、特に20〜90秒が適当である。異性化反応においては、原料を窒素等の不活性ガスで希釈して反応に供してもよい。原料と不活性ガスのモル比率は1:0.1〜1:10が好ましく、1:0.1〜1:5がより好ましい。
本発明の実施形態においては、原料であるHCFC−225aaを含むHCFC−225に対して、前記した金属酸化物触媒の存在下に気相で前記した反応条件で異性化反応を行わせることにより、HCFC−225caを生成することができ、反応生成物中のHCFC−225caの含有比率を原料中の含有比率より大幅に高めることができる。
特に、原料がHCFC−225aaとHCFC−225cbを含むHCFC−225の場合には、HCFC−225aaおよびHCFC−225cbの異性化反応によってHCFC−225caが生成するので、原料中のHCFC−225cbやHCFC−225aaの含有比率(モル比率)が減少し、代わってHCFC−225caの含有比率が原料中の含有比率に比べて増加する。
なお、異性化反応によってHCFC−225caを生成し、反応生成物中のHCFC−225caの含有比率を原料中の含有比率より増加させるには、以下に示す理由で、原料中のHCFC−225caの含有比率を50モル%未満とすることが好ましい。
すなわち、HCFC−225aa単独(さらに、225caを含んでいてもよい)またはHCFC−225aaとHCFC−225cbとの混合物(さらに、225caを含んでいてもよい)に対して、例えば25℃で異性化反応を行わせた場合、平衡状態におけるHCFC−225caの含有比率はHCFC−225全量に対して78〜80モル%となる。反応温度が高くなるとこの含有比率の値は減少するが、60モル%未満になることはない。したがって、原料中のHCFC−225caの含有比率がHCFC−225全量に対して60モル%以上(例えば70モル%)である場合には、異性化反応によりHCFC−225caの含有比率が原料中の含有比率より減少する事態が生じることがあるが、HCFC−225caの含有比率が60モル%未満であれば、反応生成物中のHCFC−225caの含有比率が、原料中の含有比率に比べて必ず増大することになる。すなわち、原料の異性化反応によりHCFC−225caを生成し、その含有比率を原料中より増大させることができる。実際の反応では、HCFC−225以外の不均化生成物や、分解物などの副生物が生成することや、蒸留工程での収率を考慮すると、原料中のHCFC−225caの含有比率はHCFC−225全量に対して50モル%未満とすることが好ましい。そして、そのような原料を用い、異性化によりHFCF−225caの含有比率を前記原料中のそれより15モル%以上高める反応条件で異性化を実施することが好ましい。
こうして本発明の実施形態によれば、HCFC−225の中でもHCFC−225caを高い含有比率で得ることができる。そして、得られたHCFC−225caは、CFO−1214yaを生成するための出発物質として用いることができる。
HCFC−225caを含むHCFC−225を出発物質としてCFO−1214yaを生成するには、例えば、相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液と接触させることにより、HCFC−225caのみを選択的に脱フッ化水素させる方法を採ることができる。ここで、アルカリ水溶液としては、脱フッ化水素反応が実施可能な塩基性化合物の水溶液であれば特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液中のアルカリの濃度は特に限定されないが、反応に用いるHCFC−225caの量に対して、0.5〜1.5モル当量のアルカリ量となるように調整することが好ましく、0.8〜1.2モル当量とすることがより好ましい。一方、相間移動触媒としては、一般に用いられる相間移動触媒を特に制限なく使用することができる。具体的には、炭化水素基で置換された第四級アンモニウム塩または第四級ホスホニウム塩やクラウンエーテル等を使用することができる。相間移動触媒の量は、原料であるHCFC−225caの質量に対して、0.001〜5質量%となる量が好ましく、0.01〜1質量%となる量がより好ましい。また、上記脱フッ化水素反応における反応温度は特に限定されないが、0〜80℃の範囲が好ましく、0〜50℃の範囲がより好ましい。
こうして得られたCFO−1214yaは、さらに触媒(例えばPd触媒)の存在下に水素と反応させることで、温室効果ガスに代わる新しい優れた冷媒であるHFO−1234yfを得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
参考例
HCFC−225cbの異性化反応を、ルイス酸触媒を用いて行った。まず、以下に示すようにして、ルイス酸触媒を調製した。すなわち、−20℃に冷却された冷媒を循環させたジムロート冷却器を3つ口フラスコ(内容積1000mL)に設置し、これに100gの三塩化アルミニウム(AlCl)を仕込み、0℃に冷却した後、1000g(7.3モル)のトリクロロフルオロメタン(CFCl)を撹拌しながらゆっくり滴下した。
低沸点ガスの発生を伴いながらトリクロロフルオロメタンの不均化反応が進行した。そして、不均化反応の進行とともに、触媒である三塩化アルミニウム(AlCl)と基質であるトリクロロフルオロメタンとの間のハロゲン交換反応が進行し、フッ素置換されたハロゲン化アルミニウムが生成した。反応を0℃で12時間継続した後に揮発成分を除去し、触媒を乾燥した。こうして、部分フッ素化された塩化アルミニウムを得た。
次に、0℃に冷却したジムロート冷却器が設置されたガラス反応器(内容積1L)に、触媒として前記反応で得られた部分フッ素化塩化アルミニウム90gを入れ、これに1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225cb)609g(3.0モル)を加えた。
次いで、反応器内温度を50℃に加熱し、撹拌しながら100時間反応を行った。反応後の液をろ別して触媒を除去し、生成物を580g回収した。得られた生成物をガスクロマトグラフィを用いて分析し、組成解析を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005713015
表1から、原料であるHCFC−225cbの異性化反応を、ルイス酸触媒であるフッ素置換されたハロゲン化アルミニウム触媒を用いて完結させると、HFCF−225異性体以外の生成物(例えば、HCFC−226、HCFC−224)の副生量が増大し、生成物の回収量も、原料(HCFC−225cb)609gに対して580gと減少していることがわかった。これは、副反応としてHCFC−225分子間でのハロゲン交換反応(不均化反応)が進行したことや、触媒として用いたハロゲン化アルミニウムとHCFC−225との間のハロゲン交換反応が進行したことが原因であると考えられる。なお、HCFC−226は沸点が低いので、HCFC−226が気化したことによる損失に起因する収率低下も推定される。
実施例1〜6,比較例
まず、以下に示すようにして金属酸化物触媒を調製した。すなわち、粒径2mmの球状活性アルミナ(商品名ACBM−1、触媒化成社製、比表面積280m /g)触媒を、内径2.54cm、長さ100cmのインコネル(登録商標)600製反応管に充填し、塩浴中に浸漬した。250℃に加熱して窒素/フロンR−12(CCl)の2/1(モル比)の混合ガスを、接触時間20秒で4時間流通し、触媒を部分フッ素化して活性化させた。
次に、以下に示すようにして、原料であるHCFC−225aaを含むHCFC−225の調製を行った。まず、0℃に冷却したジムロートを設置した内容積1Lのガラス反応器に、相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)0.5gと、83gの水酸化カリウム、124gの水、およびアサヒクリンAK225(HCFC−225caとHCFC−225cbおよびその他のHCFC−225異性体の混合物)609gを仕込んだ後、撹拌しながら20℃で5時間反応を行い、HCFC−225caを選択的に脱フッ化水素させた。こうして得られた反応粗液を分液した後、有機相を蒸留してCFO−1214ya(沸点45℃)を回収した。回収後の残留物として、HCFC−225cbが95%以上であるHCFC−225が得られた。
次いで、このHCFC−225を、原料供給比(HCFC−225/窒素)1/2(モル比)、反応温度300℃、接触時間20秒の条件で前記部分フッ素化された酸化アルミニウムを充填した反応管内に流通させ、異性化反応を行った。10時間反応を継続した後、反応器出口のガス組成をガスクロマトグラフィで分析したところ、表2に示す組成を有する異性化粗液が得られた。なお、HCFC−225以外の欄のその他の化合物は、HCFC−225以外でHCFC−226cb、HCFC−224aa、HCFC−225ba以外の含フッ素化合物を示す。この異性化粗液を蒸留してHCFC−225以外の化合物を分離することにより、HCFC−225caとHCFC−225aaを主要成分として含むHCFC−225を得た。
Figure 0005713015
こうして得られたHCFC−225caとHCFC−225aaを主要成分として含むHCFC−225の203gを、0℃に冷却したジムロートを設置した内容積1Lのガラス反応器に、TBAB0.3gと、水酸化カリウム34gと、水51gとともに仕込んだ後、撹拌しながら20℃で5時間反応を行い、HCFC−225caを選択的に脱フッ化水素させた。
次いで、得られた粗液を分液した後、生成したCFO−1214yaを蒸留して回収し、さらに低沸点成分および高沸点成分を蒸留・除去し、HCFC−225aaを主成分とするHCFC−225を得た。このHCFC−225を、実施例1〜6および比較例1の原料として使用した。
そして、塩浴の温度を表3に示す反応温度に昇温し、前記HCFC−225aaを主成分とするHCFC−225を、表3に示す条件で反応管に通すことで異性化反応を行った。10時間反応を継続した後、反応器出口のガス組成をガスクロマトグラフィで分析することで、生成物の組成解析を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005713015
実施例7〜10
実施例1〜6に使用した原料である、HCFC−225aaを主成分とするHCFC−225に、HCFC−225cbを混合し、表4に示す組成を有する原料を得た。この原料を、表4に示す条件で反応管に通すことで異性化反応を行った。10時間反応を継続した後、反応器出口のガス組成をガスクロマトグラフィで分析することで、生成物の組成解析を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005713015
実施例11
実施例7で得られた生成物(反応粗液)を用いて、以下の方法により、CFO−1214yaを製造した。
すなわち、0℃に冷却したジムロートを設置した内容積1Lのガラス反応器に、相間移動触媒としてTBAB3gと、129gの水酸化カリウム(2.30モル)、220gの水、および実施例7で得られた生成物600gを仕込んだ後、撹拌しながら20℃で5時間反応を行った。こうして有機相と水相の2相に分離している反応粗液が得られた。得られた反応粗液の有機相を一部回収し、ガスクロマトグラフィにより組成を分析した。結果を表5に示す。
また、ガスクロマトグラフィによる組成分析後、反応粗液を分液して有機相を釜容積1L理論段数10段の能力を持つ蒸留塔に仕込み、蒸留を実施した。蒸留の結果、純度99.5%のCFO−1214ya(沸点45℃)307g(1.68モル)を回収することができた。
Figure 0005713015
表5から、原料中のHCFC−225caのみが選択的に脱フッ化水素され、CFO−1214yaが得られたことが確認された。
次に、2質量%の割合でパラジウムを担持した活性炭(商品名白鷺C2X、武田薬品工業製)を内径2.54cm、長さ100cmのインコネル600製反応管に充填し、塩浴中に浸漬した。そして、この反応管に、上記の方法で得られたCFO−1214yaを仕込み、表5の上欄に示した反応条件で還元反応を実施した。反応生成物の確認は、反応器からの出口ガスをガスクロマトグラフィで分析し、粗ガス組成を計算することで行った。結果を表6の下欄に示す。
Figure 0005713015
表6から、CFO−1214yaの全量が還元され、HFO−1234yfが高い収率で得られていることが確認された。
本発明によれば、HCFC−225caを高い含有比率で得ることができる。得られたHCFC−225caは、例えば新冷媒であるHFO−1234yfの合成原料となるCFO−1214yaを製造するための出発物質として有用である。
なお、2010年6月23日に出願された日本特許出願2010−142278号の明細書、特許請求の範囲及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. 2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む原料を酸化アルミニウム系触媒の存在下に気相で290℃以下の温度で反応させて前記原料中の2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの少なくとも一部を1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンに異性化することを特徴とする1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  2. 前記原料はさらに1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパンを含み、前記反応において2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンへの異性化とともに前記1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパンの少なくとも一部を1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンに異性化させる、請求項1に記載の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  3. 反応温度が150℃以上である、請求項1または2に記載の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  4. 前記酸化アルミニウム系触媒が部分フッ素化された酸化アルミニウム系触媒である、請求項1〜のいずれか1項に記載の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  5. 前記反応により副生する、ジクロロペンタフルオロプロパン以外のハイドロクロロフルオロカーボン化合物が、反応生成物中のジクロロペンタフルオロプロパンとの合計量に対して10モル%未満である、請求項1〜のいずれか1項に記載の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  6. 1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンと2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとを含むジクロロペンタフルオロプロパンを、炭化水素基で置換された第四級アンモニウム塩、炭化水素基で置換された第四級ホスホニウム塩、およびクラウンエーテルから選ばれる少なくとも1種の相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液中で脱フッ化水素反応させて1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンから1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造し、次いで反応生成物から1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを分離した後の2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含むジクロロペンタフルオロプロパンを、前記原料として使用する、請求項1〜のいずれか1項に記載の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  7. 1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンと2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとを含むジクロロペンタフルオロプロパンを、炭化水素基で置換された第四級アンモニウム塩、炭化水素基で置換された第四級ホスホニウム塩、およびクラウンエーテルから選ばれる少なくとも1種の相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液中で脱フッ化水素反応させて1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンから1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造し、
    次いで反応生成物から1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを分離し、
    1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを分離した後の2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含むジクロロペンタフルオロプロパンを酸化アルミニウム系触媒の存在下に気相で290℃以下の温度で反応させて前記ジクロロペンタフルオロプロパン中の2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの少なくとも一部を1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンに異性化する、
    ことを特徴とする1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  8. 1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンと2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとを含むジクロロペンタフルオロプロパンを、炭化水素基で置換された第四級アンモニウム塩、炭化水素基で置換された第四級ホスホニウム塩、およびクラウンエーテルから選ばれる少なくとも1種の相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液中で脱フッ化水素反応させて1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンから1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造し、
    前記脱フッ化水素反応生成物から1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを分離し、
    1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを分離した後の2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含むジクロロペンタフルオロプロパンを酸化アルミニウム系触媒の存在下に気相で290℃以下の温度で反応させて前記ジクロロペンタフルオロプロパン中の2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの一部を1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンに異性化して1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンと2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンとを含むジクロロペンタフルオロプロパンを製造し、
    得られたジクロロペンタフルオロプロパンから前記のプロセスを繰り返して1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造することを特徴とする1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  9. 前記異性化反応の原料のジクロロペンタフルオロプロパンに1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパンを加えて前記異性化反応を行い、2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンへの異性化とともに1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパンを1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンに異性化させる、請求項に記載の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  10. 前記異性化反応の原料のジクロロペンタフルオロプロパンに2,2−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを加えて前記異性化反応を行う、請求項8または9に記載の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
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