JP5712660B2 - ステータ製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献2の技術では、ステータコアから突出した各コイルエンド用先端部の基端部に、周方向に個別に隣接して多数のピン形状治具を、略径方向に挿入し、周方向断面が丸いピン形状治具を支点として、コイルエンド用先端部の基端部を周方向に捻ることが記載されている。
本出願人は、その問題を解決するために、特許文献1の技術を提案した。すなわち、一対の直線部と、一対の前記直線部を連結する連結部を備えるセグメントコイルを、ステータコアのスロット内に挿入する第1工程と、前記連結部と反対側に突出している一対の前記直線部の先端部を、捻り円環の円環溝と係合させて、前記捻り円環を回転させることにより、捻り成形を行う第2工程とを有するステータ製造方法である。
特許文献2の技術においても、コイル先端の軸方向の突出している部分の長さは、外周に行くほど長く形成されていた。これは、隣のセグメントコイルと接続するためには、外周に行くほど、変形させる長さを長くする必要があるからである。
しかし、その場合に必要とされる長さの違いは通常1mm程度であるため、その違いを利用して、隣り合うセグメントコイルを分離するための分離ツールを押し当てるのが困難であった。そのため、径方向に隣り合うセグメントの先端を分離することができない場合があった。その場合、セグメントコイルの先端が捻り円環の円環溝と係合できず、捻り作業を失敗していた。
捻り作業に失敗した場合、円環同士が近接して配置されているため、セグメントコイルが所定の場所以外にあると、装置に食い込まれて復帰に時間がかかり、工程全体のコストが高くなる問題がある。また、場合によっては、装置の破損を生じる恐れがあった。
(1)一対の直線部と、一対の前記直線部を連結する連結部を備えるセグメントコイルを、ステータコアのスロット内に挿入する挿入工程と、連結部と反対側に突出している一対の直線部の先端部を、捻り円環の円環溝と係合させて、捻り円環を回転させることにより、捻り成形を行う捻り工程とを有するステータ製造方法において、スロット内に複数の直線部が挿入されていること、捻り円環が、径方向の位置の異なる複数の円環を有すること、挿入工程と捻り工程の間に、直線部の先端部を径方向外向きに塑性変形させ、各々の直線部の先端部を離散させる変形工程を有すること、捻り工程では、変形工程で各々に離散された複数の直線部の先端部を、複数の円環の円環溝に、各々係合させること、を特徴とする。
(3)(2)に記載するステータ製造方法において、前記円環溝が、前記直線部の先端を囲む中空状に形成されていること、を特徴とする。
(4)(1)乃至(3)に記載するいずれか1つのステータ製造方法において、前記直線部の突出長さが、径方向で外側に行くほど長いこと、前記直線部の突出長さの差が、前記捻り工程終了後においても、先端の高さの違いとして残ること、を特徴とする。
(6)(1)乃至(4)に記載するいずれか1つのステータ製造方法において、前記変形工程で、前記直線部の先端部を、内径方向から外径方向に拡張治具で押圧することにより、前記直線部の先端部を外周方向に塑性変形させること、を特徴とする。
(7)(1)乃至(6)に記載するいずれか1つのステータ製造方法において、前記複数の円環が、前記複数の直線部と同数配置されていること、全ての前記直線部の先端部を、前記円環溝に係合させた後、前記複数の円環が、前記捻り成形を同時に行うこと、を特徴とする。
(1)一対の直線部と、一対の前記直線部を連結する連結部を備えるセグメントコイルを、ステータコアのスロット内に挿入する挿入工程と、連結部と反対側に突出している一対の直線部の先端部を、捻り円環の円環溝と係合させて、捻り円環を回転させることにより、捻り成形を行う捻り工程とを有するステータ製造方法において、スロット内に複数の直線部が挿入されていること、捻り円環が、径方向の位置の異なる複数の円環を有すること、挿入工程と捻り工程の間に、直線部の先端部を径方向外向きに塑性変形させ、各々の直線部の先端部を離散させる変形工程を有すること、捻り工程では、変形工程で各々に離散された複数の直線部の先端部を、複数の円環の円環溝に、各々係合させること、を特徴とするので、塑性変形により、円環溝に対して直線部の先端部が予め位置決めされているため、1つのスロット内に位置する複数の直線部の先端部の各々を、確実に複数の円環の円環溝に装着することができ、複数の円環による捻り作業を確実に行うことができ、失敗することがない。
特に、円環の厚みが、セグメントコイルの径方向の厚みの1.5倍以上あれば、セグメントコイルの直線部の先端部の位置が少しずれた場合でも、先端部が円環溝内に位置し、確実に捻り作業を行なうことができる。
(3)(2)に記載するステータ製造方法において、前記円環溝が、前記直線部の先端を囲む中空状に形成されていること、を特徴とするので、直線部の先端を確実に確保できるため、確実に捻り作業を行うことができる。
従来のステータ製造方法においても、外周に行くほど周の長さが長いため、それに合わせて、例えば、1mm程度ずつ外側に行くほど突出している長さが長く構成されていた。この場合、捻り作業を行った後では、先端の高さは均一になっている。
しかし、1mm程度の長さの違いでは、直線部の先端部を塑性変形させようとしたときに、変形用のテーパーコーンや拡張治具が挿入できない問題があった。それに対して、本発明では、突出している長さを、例えば、5〜10mm程度違えているので、変形用のテーパーコーンや拡張治具を確実に挿入できるため、直線部の先端部を確実に塑性変形させることができる。
(6)(1)乃至(4)に記載するいずれか1つのステータ製造方法において、前記変形工程で、前記直線部の先端部を、内径方向から外径方向に拡張治具で押圧することにより、前記直線部の先端部を外周方向に塑性変形させること、を特徴とするので、簡単な装置により、複数の直線部の先端部を、任意の位置に塑性変形させることができる。
セグメントコイル9は、一対の直線部11(11A、11B)と、一対の直線部11A、11Bを連結する連結部12を備えている。連結部12は、(a)に示すように円弧形状であり、中央部に段差部12aが形成されている。
セグメントコイル9は、段差部12aを用いて、2本のセグメントコイル9が重ねあわされて、円環状に組み合わされた状態で、ステータコア10に挿入される。したがって、スロット10aに対しては、基本的には、2本の直線部11が組みになって挿入される。
すなわち、スロット内の最内周及び最外周に位置するコイル以外のコイルは、2本の直線部11が組みになって挿入されるが、最内周コイルと最外周コイルとは、別々のコイル9の直線部11が挿入される。
図10に、直線部を捻り加工した後の状態を示す。捻り加工は、内周から数えて奇数本目(1,3,5,7,9)の直線部11は、時計回りに捻られており、偶数本目(2,4,6,8,10)の直線部11は、反時計回りに捻られている。
図1に、1つのスロット10aの断面図を示す。図1では、直線部11のステータコア10から突出している部分(先端部)が塑性変形された後の状態を示している。
1つのスロット10aには、外周側から内周側に向かって、10本の直線部110、111、112、113、114、115、116、117、118、119(110〜119)が順次配置されている。各直線部11においては、ステータコア10から突出している長さが、外周に行くほど長く形成されている。本実施例では、長さの違いは、各々1mm程度である。この違いは、外周において、捻り加工したときに、隣のセグメントコイル9と接続するためには、外周ほど長さを必要とするからであり、1mm程度長さを長くしておくことにより、捻り加工の後での直線部110〜119の先端高さが等しくなる。
図2(a)に示すように、ステータコア10のスロット10a内には、最外周に位置する2本の直線部110、111のみを、ステータコア10の上面より突出させている。他の8本の直線部112、113、114、115、116、117、118、119は、上端がステータコア10の上面より下に位置させている。
セグメントコイル9は、段差部12aで重ねられて円環状に組み立てられた状態でステータコア10に挿入されるので、2本の直線部110、111が組として挿入されるのである。
直線部111の側面を押圧するときには、上側スライド21は、最も外側(左側)に移動し固定された状態である。図2(b)に示すように、変形治具20が外側方向に移動することにより、上側凸部21aと下側凸部22aが直線部111の側面に当接し押圧する。上側凸部21aと下側凸部22aとは、所定の角度を形成しているので、直線部111と直線部110とは、共に押圧されて、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部111a、110aの位置近傍で、所定の角度に塑性変形される。セグメントコイル9は、銅製であり、容易に塑性変形すると共に、スプリングバックを考慮して塑性変形させているので、精度良く所定の角度に塑性変形させることができる。
次に、図2(c)に示すように、直線部110と直線部111との間に、楔形状の分離治具23Aを差し込む。これにより、直線部110は、外側に移動し、直線部111は内側に移動する。
直線部113の側面を押圧するときには、上側スライド21は、図2の位置より少し内側(右側)に移動し固定された状態である。図3(b)に示すように、変形治具20が外側方向に移動することにより、上側凸部21aと下側凸部22aが直線部113の側面に当接し押圧する。上側凸部21aと下側凸部22aとは、所定の角度を形成しているので、直線部113と直線部112とは、共に押圧されて、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部113a、112aの位置近傍で、所定の角度に塑性変形される。
次に、図3(c)に示すように、直線部112と直線部113との間に、楔形状の分離治具23Bを差し込む。これにより、直線部112は、外側に移動し、直線部113は内側に移動する。
直線部115の側面を押圧するときには、上側スライド21は、図3の位置より少し内側(右側)に移動し固定された状態である。図4(b)に示すように、変形治具20が外側方向に移動することにより、上側凸部21aと下側凸部22aが直線部115の側面に当接し押圧する。上側凸部21aと下側凸部22aとは、所定の角度を形成しているので、直線部115と直線部114とは、共に押圧されて、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部115a、114aの位置近傍で、所定の角度に塑性変形される。
次に、図4(c)に示すように、直線部114と直線部115との間に、楔形状の分離治具23Cを差し込む。これにより、直線部114は、外側に移動し、直線部115は内側に移動する。
直線部117の側面を押圧するときには、上側スライド21は、図4の位置より少し内側(右側)に移動し固定された状態である。図5(b)に示すように、変形治具20が外側方向に移動することにより、上側凸部21aと下側凸部22aが直線部117の側面に当接し押圧する。上側凸部21aと下側凸部22aとは、所定の角度を形成しているので、直線部117と直線部116とは、共に押圧されて、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部117a、116aの位置近傍で、所定の角度に塑性変形される。
次に、図5(c)に示すように、直線部116と直線部117との間に、楔形状の分離治具23Dを差し込む。これにより、直線部116は、外側に移動し、直線部117は内側に移動する。
直線部119の側面を押圧するときには、上側スライド21は、図5の位置より少し内側(右側)に移動し固定された状態である。図6(b)に示すように、変形治具20が外側方向に移動することにより、上側凸部21aと下側凸部22aが直線部119の側面に当接し押圧する。上側凸部21aと下側凸部22aとは、所定の角度を形成しているので、直線部119と直線部118とは、共に押圧されて、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部119a、118aの位置近傍で、所定の角度に塑性変形される。
次に、図6(c)に示すように、直線部118と直線部119との間に、楔形状の分離治具23Eを差し込む。これにより、直線部118は、外側に移動し、直線部119は内側に移動する。
図6(c)の状態は、図1の10本の直線部110〜119と同じ状態となっている。
すなわち、直線部110〜119の各々の隙間は、セグメントコイル9の厚みとほぼ同じに形成されている。
図1に示すように、ステータコア10の上方には、10個の円環140〜149を有する捻り円環14が上下移動可能に保持されている。円環140と円環141は組を構成し、同時に上下動する。また、円環142と円環143は組を構成し、同時に上下動する。また、円環144と円環145は組を構成し、同時に上下動する。また、円環146と円環147は組を構成し、同時に上下動する。また、円環148と円環149は組を構成し、同時に上下動する。
また、各円環は、各々独立して回転可能に保持されている。
最外周の円環140と次の円環141が下降して、図11に示すように、直線部110の先端部が、円環140の中空状の円環溝140aに例えば、20mm程度挿入され、同時に、直線部111の先端部が、円環141の中空状の円環溝141aに20mm程度挿入される位置で停止する。本実施例では、直線部111の先端部を、円環溝141aに挿入する長さを20mmとしているが、これに限定されるわけではない。
次に、図12に示すように、円環140が反時計回りに回転しつつ下降し、円環141が時計回りに回転しつつ下降する。これにより、全周に渡って最外周に位置する直線部110の突出部である先端部が、反時計回りに捻られ、同時に、直線部111の突出部である先端部が、時計回りに捻られる。そして、円環140、141は、上昇する。
これにより、例えば、直線部110の先端と直線部111の先端とが近接して配置された状態となり、それらを溶接により接続することにより、全周に渡ってU相、V相、W相のコイルが形成される。これに、外部配線であるバスバーを接続し、コイルエンド部をモールドすることにより、ステータコアが出来上がる。本実施例では、コイルエンド部をモールドしているが、ワニス処理しても良いし、別な方法で固定しても良い。また、場合によっては、モールド等不要な場合もある。
(1)一対の直線部11と、一対の直線部11を連結する連結部12を備えるセグメントコイル9を、ステータコア10のスロット10a内に挿入する挿入工程と、連結部12と反対側に突出している一対の直線部11の先端部を、捻り円環14の円環溝と係合させて、捻り円環14を回転させることにより、捻り成形を行う捻り工程とを有するステータ製造方法において、スロット10a内に複数の直線部110〜119が挿入されていること、捻り円環14が、径方向の位置の異なる複数の円環140〜149を有すること、挿入工程と捻り工程の間に、直線部110〜119の先端部を外周方向に塑性変形させる変形工程を有すること、捻り工程では、複数の直線部110〜119の先端部を、複数の円環の円環溝140a〜149aに、各々係合させること、を特徴とするので、塑性変形により、円環溝140a〜149aに対して直線部110〜119の先端部が予め位置決めされているため、1つのスロット10a内に位置する複数の直線部110〜119の先端部の各々を、確実に複数の円環140〜149の円環溝140a〜149aに装着することができ、複数の円環による捻り作業を確実に行うことができ、失敗することがない。
図7(a)に、ステータコア10の1つのスロット10a内に、10本の直線部110〜119が挿入されている状態を示す。ステータコア10の上方には、テーパーコーン40が上下動可能に保持されている。
第2実施例では、最内周の直線部119と直線部118との長さの差が、5mmであり、直線部118と直線部117の長さの差が、10mmである。同様に、直線部117と直線部116との長さの差が、5mmであり、直線部116と直線部115の長さの差
が、10mmである。同様に、直線部115と直線部114との長さの差が、5mmであり、直線部114と直線部113の長さの差が、10mmである。同様に、直線部113直線部112との長さの差が、5mmであり、直線部112と直線部111の長さの差が、10mmである。同様に、直線部111と最外周の直線部110との長さの差が、5mmである。
テーパー面の水平線に対する角度は、外側のテーパー面40eが最も小さく、内側のテーパー面40aが最も大きく形成され、テーパー面40d、40c、40bは、順次大きくなるように形成されている。
図7(a)の状態から、テーパーコーン40が下降する。このとき、全てのセグメントコイル9は、図7の位置で上下方向に固定されている。
始めに、最外周に位置する直線部110の先端が、テーパー面40cに当接し、直線部110の先端は、テーパー面40cに沿って外側に広げられる。同様に、直線部111の先端がテーパー面40cに当接し、直線部111の先端は、テーパー面40cに沿って外側に広げられる。
さらに、テーパーコーン40が下降すると、直線部110、111は、テーパー面40cから、テーパー面40dを経て、テーパー面40eまで移動する。同様に、直線部112、113は、始めテーパー面40cに当接し、テーパー面40dに移動する。同様に、直線部114,115は、始めテーパー面40bに当接し、テーパー面40cに移動する。
テーパーコーン40が下降し終わった状態を、図7(b)に示す。直線部110、111の先端がテーパー面40eに当接し、直線部112、113の先端がテーパー面40dに当接し、直線部114、115の先端がテーパー面40cに当接し、直線部116、117の先端がテーパー面40bに当接し、直線部118、119の先端がテーパー面40aに当接している。この状態で、各直線部110〜119は、図の状態に塑性変形されている。
次に、テーパーコーン40が上昇する。これにより、直線部110〜119の形状は、図1の状態とほぼ同じである。
しかし、1mm程度の長さの違いでは、直線部の先端部を塑性変形させようとしたときに、変形用のテーパーコーン40が挿入できない問題があった。それに対して、第2実施例では、突出している長さを、例えば、5〜10mm程度違えているので、変形用のテーパーコーン40を確実に挿入できるため、直線部の先端部を確実に塑性変形させることができる。
図8(a)に示すように、直線部11の内径側に5個の拡張治具31,32、33、34、35が位置している。拡張治具31,32、33、34、35は、外周方向に移動可能に保持されている。
拡張治具31は外周方向に移動して、図8(b)に示すように、直線部111の先端側面に当接し、直線部111、110を反時計回りに押圧して、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部111a、110aの位置で、直線部111,110を図中反時計方向に塑性変形させる。
次に、拡張治具31は、図8(c)に示すように、直線部111をかわす位置まで上向きに移動する。そして、拡張治具31は、外周方向に移動して、直線部110の先端側面に当接し、直線部110を反時計回りに押圧して、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部110aの位置近傍で、直線部110をさらに反時計方向に塑性変形させる。
次に、拡張治具32は、図8(c)に示すように、直線部113をかわす位置まで上向きに移動する。そして、拡張治具32は、外周方向に移動して、直線部112の先端側面に当接し、直線部112を反時計回りに押圧して、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部112aの位置近傍で、直線部112をさらに反時計方向に塑性変形させる。
同様に、拡張治具33は、図8(b)に示すように、直線部115の先端側面に当接し、直線部115、114を反時計回りに押圧して、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部115a、114aの位置で、直線部115,114を反時計方向に塑性変形させる。
次に、拡張治具33は、図8(c)に示すように、直線部115をかわす位置まで上向きに移動する。そして、拡張治具33は、外周方向に移動して、直線部114の先端側面に当接し、直線部114を反時計回りに押圧して、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部114aの位置近傍で、直線部114をさらに反時計方向に塑性変形させる。
次に、拡張治具34は、図8(c)に示すように、直線部117をかわす位置まで上向きに移動する。そして、拡張治具34は、外周方向に移動して、直線部116の先端側面に当接し、直線部116を反時計回りに押圧して、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部116aの位置近傍で、直線部116をさらに反時計方向に塑性変形させる。
拡張治具35は、図8(b)の動作は行わない。
次に、拡張治具35は、図8(c)に示すように、直線部119をかわす位置まで上向きに移動する。そして、拡張治具35は、外周方向に移動して、直線部118の先端側面に当接し、直線部118を反時計回りに押圧して、スロット10aの上面に位置する折り曲げ部118aの位置近傍で、直線部118をさらに反時計方向に塑性変形させる。
それによれば、複数の円環140〜149が、複数の直線部110〜119と同数配置されていること、全ての直線部の先端部を、円環溝に係合させた後、複数の円環が、捻り成形を同時に行うこと、を特徴とするので、1つのスロット10a内に位置する複数の直線部110〜119の先端部の各々を、確実に円環の円環溝140a〜149aに装着した状態で、複数の円環による捻り作業を同時かつ確実に行うことができるため、捻り作業を失敗することがなく、作業効率を高くして、コストダウンを実現できる。
例えば、本実施例では、円環溝として、中空状の円環溝140〜149を用いているが、円環140〜149の厚みが、セグメントコイル9の厚みの1.5倍程度しか取れない場合には、厚み方向の片側の壁を無くしても良い。
また、本実施例では、10本の直線部11を、2本ずつ5回に渡って捻り作業する方法を説明したが、同時に1回の捻り作業を行っても良いし、3回〜4回の捻り作業に分けて行うことも可能である。
また、本実施例では、48スロット、10ターン/スロット、240本の場合について説明したが、モータの仕様によっては、この数値に限定されるものではない。
また、本実施例では、直線部11の長さの違いを、5mm/10mmとしているが、ステータの径により変化させても良い。
11 直線部
110〜119 直線部
12 連結部
12a 段差部
14 捻り円環
140〜149 円環
140a〜149a 円環溝
20 変形治具
21 上側スライド
22 治具本体
23 分離治具
31、32、33、34、35 拡張治具
40 テーパーコーン
Claims (7)
- 一対の直線部と、一対の前記直線部を連結する連結部を備えるセグメントコイルを、ステータコアのスロット内に挿入する挿入工程と、前記連結部と反対側に突出している一対の前記直線部の先端部を、捻り円環の円環溝と係合させて、前記捻り円環を回転させることにより、捻り成形を行う捻り工程とを有するステータ製造方法において、
前記スロット内に複数の前記直線部が挿入されていること、
前記捻り円環が、径方向の位置の異なる複数の円環を有すること、
前記挿入工程と前記捻り工程の間に、前記直線部の先端部を径方向外向きに塑性変形させ、各々の前記直線部の先端部を離散させる変形工程を有すること、
前記捻り工程では、前記変形工程で各々に離散された複数の前記直線部の先端部を、前記複数の円環の前記円環溝に、各々係合させること、
を特徴とするステータ製造方法。 - 請求項1に記載するステータ製造方法において、
前記複数の円環の厚みが、前記セグメントコイルの径方向の厚み以上あること、
を特徴とするステータ製造方法。 - 請求項2に記載するステータ製造方法において、
前記円環溝が、前記直線部の先端を囲む中空状に形成されていること、
を特徴とするステータ製造方法。 - 請求項1乃至請求項3に記載するいずれか1つのステータ製造方法において、
前記直線部の突出長さが、径方向で外側に行くほど長いこと、
前記直線部の突出長さの差が、前記捻り工程終了後においても、先端の高さの違いとして残ること、
を特徴とするステータ製造方法。 - 請求項1乃至請求項4に記載するいずれか1つのステータ製造方法において、
前記変形工程で、前記直線部の先端部を軸方向から、くさび形状のテーパーコーンを打ち込むことにより、前記直線部の先端部を外周方向に塑性変形させること、
を特徴とするステータ製造方法。 - 請求項1乃至請求項4に記載するいずれか1つのステータ製造方法において、
前記変形工程で、前記直線部の先端部を、内径方向から外径方向に拡張治具で押圧することにより、前記直線部の先端部を外周方向に塑性変形させること、
を特徴とするステータ製造方法。 - 請求項1乃至請求項6に記載するいずれか1つのステータ製造方法において、
前記複数の円環が、前記複数の直線部と同数配置されていること、
全ての前記直線部の先端部を、前記円環溝に係合させた後、前記複数の円環が、前記捻り成形を同時に行うこと、
を特徴とするステータ製造方法。
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