JP5707780B2 - 波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び光分析装置 - Google Patents

波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び光分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、入射光から所望の目的波長の光を選択して出射する波長可変干渉フィルター、この波長可変干渉フィルターを備えた光モジュール、及びこの光モジュールを備えた光分析装置に関する。
従来、一対の基板の互いに対向する面に、所定寸法を有するギャップを介して、反射膜が対向配置された波長可変干渉フィルターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の波長可変干渉フィルターでは、ギャップ間隔を調整するために、一対の反射膜の互いに対向する面に、駆動電極が対向配置されており、各駆動電極に駆動電圧を印加することで、静電引力によりギャップ間隔を調整することが可能となる。これにより、波長可変干渉フィルターは、ギャップ間隔に応じた特定波長の光のみを透過させることが可能となる。すなわち、波長可変干渉フィルターは、入射光を一対の反射膜間で光を多重干渉させ、多重干渉により互いに強め合った特定波長の光のみを透過させる。
上記のように、波長可変干渉フィルターは、ギャップ間隔を調整することで、所望の波長の光のみを透過させるものであるため、高いギャップ精度が要求される。
特開平11−142752号公報
ところで、一方の基板に反射膜や駆動電極を成膜形成する際、これらの反射膜及び駆動電極の面方向(基板表面に沿う方向)には、内部応力が作用する。この内部応力は、成膜方法や膜材質などにより、その大きさや応力が作用する方向が決定され、互いに向き合う方向に作用する場合は圧縮応力となり、互いに離れる方向に作用する場合は引張応力となる。ここで、一方の基板に形成される駆動電極や反射膜に圧縮応力が作用する場合、基板は、他方の基板に向かって凸状に撓む。反対に、一方の基板に形成される駆動電極や反射膜に引張応力が作用する場合、基板は、他方の基板から離れる方向に凸状に撓む。
このように、各駆動電極や反射膜の内部応力により、基板が撓んでしまうと、駆動電極に駆動電圧が印加されていない初期状態において、反射膜にも撓みが生じ、波長可変干渉フィルターの分解能が低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、基板に生じる撓みを低減して分解能を向上させた波長可変干渉フィルター、光モジュール、及び光分析装置を提供することにある。
本発明の波長可変干渉フィルターは、第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1反射膜と、前記第2基板の前記第1基板に対向する第1面に設けられ、前記第1反射膜とギャップを介して対向する第2反射膜と、前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1電極と、前記第2基板の前記第1面に設けられ、前記第1電極と離間して設けられた第2電極と、前記第2基板の前記第1基板とは反対側の第2面でかつ、前記第2基板を厚み方向に見た平面視において、少なくとも前記第2反射膜を覆う撓み防止膜と、を備え、前記撓み防止膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記第2反射膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記第2電極の面方向に作用する内部応力の方向とは、同一方向であることを特徴とする。
ここで、撓み防止膜、第2反射膜、及び第2電極の面方向に作用する内部応力の方向とは、基板上に成膜されるこれらの膜の面方向に作用する方向であり、互いに向き合う方向に作用する場合では圧縮応力、互いに離間する方向に作用する場合では引張応力となる。本発明によれば、第2基板の第2面のうち、平面視において、少なくとも第2反射膜を覆う撓み防止膜が形成され、この撓み防止膜の面方向に作用する内部応力の方向と、第2反射膜及び第2電極の面方向に作用する内部応力の方向とが同一方向となっている。例えば、第2反射膜及び第2電極の面方向に圧縮応力が作用している場合では、撓み防止膜の面方向に作用する内部応力も圧縮応力となるように撓み防止膜が第2基板に成膜形成される。
また、第2電極が、複数の電極層により構成される場合、これらの電極層のそれぞれの内部応力の方向は異なっていてもよく、第2電極全体に着目した際に、第2反射膜や撓み防止膜の内部応力と同じ方向であればよい。第2反射膜においても同様であり、第2反射膜として誘電多層膜を用いる場合、誘電多層膜を構成する各層の内部応力の方向がそれぞれ異なっていてもよく、第2反射膜全体に着目した際に、第2電極や撓み防止膜の内部応力の方向と同一方向であればよい。
ところで、上述したように、第2基板の第1面に第2反射膜及び第2電極を成膜形成する際に、例えば第2反射膜及び第2電極の面方向に圧縮応力が作用する場合、この圧縮応力の影響により、第2基板には第1基板に向かう力(曲げモーメント)が作用し、第2基板が第1基板に向けて凸状に撓む。
しかし、本発明では、撓み防止膜が第2基板の第2面に形成されており、この撓み防止膜の内部応力が第2反射膜や第2電極の内部応力と同一方向となる。この撓み防止膜の圧縮応力により第2基板に作用する曲げモーメントは、第2基板を第1基板に向かって凸状に撓ませようとする第2反射膜や第2電極の圧縮応力により作用する曲げモーメントと打ち消し合い、第2基板の撓みを低減させることができる。さらに、本発明では、撓み防止膜は、平面視において、少なくとも第2反射膜を覆って設けられるので、第2基板における第2反射膜が形成される部分の撓みが特に低減され、第2反射膜の反りが低減される。従って、第1反射膜及び第2反射膜を平行にすることができるため、波長可変干渉フィルターの分解能を向上させることができる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記第2反射膜の面方向に作用する内部応力、前記第2反射膜の厚み寸法、及び前記平面視における前記第2反射膜の面積の積と、前記第2電極の面方向に作用する内部応力、前記第2電極の厚み寸法、及び前記平面視における前記第2電極の面積の積との和は、前記撓み防止膜の面方向に生じる内部応力、前記撓み防止膜の厚み寸法、及び前記撓み防止膜のうち、前記平面視における前記第1基板及び前記第2基板の接合部分に重なる領域を除いた面積の積に等しいことが好ましい。
ところで、基板上に膜を成膜する場合、膜の内部応力が基板に作用する曲げモーメントは、内部応力と、厚み寸法と、面積との積によって決定される。また、撓み防止膜が第2基板の第2面の全面に形成されている場合には、上述した積を算出する際、撓み防止膜の面積は、第1基板及び第2基板の接合部分に重なる領域を除いた部分が相当する。
本発明によれば、第2反射膜の内部応力、厚み寸法、面積の積と、第2電極の内部応力、厚み寸法、面積の積との和が、撓み防止膜の内部応力、厚み寸法、撓み防止膜のうち第1基板及び第2基板の接合部分に重なる領域を除いた面積の積と同一となるように設定されている。このため、第2反射膜及び第2電極の内部応力が第2基板に作用する曲げモーメントと、撓み防止膜の内部応力が第2基板に作用する曲げモーメントとは同一、かつその方向が逆となるので、双方の曲げモーメントがつりあう関係となり、第2基板の撓みをより確実に低減できる。従って、第1電極および第2電極に駆動電圧を印加しない初期状態において、第1反射膜と第2反射膜とを平行にすることができ、波長可変干渉フィルターの分解能をより向上させることができる。
本発明の波長可変干渉フィルターは、第1基板と、前記第1基板と対向する第2基板と、前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1反射膜と、前記第2基板の前記第1基板に対向する第1面に設けられ、前記第1反射膜とギャップを介して対向する第2反射膜と、前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1電極と、前記第2基板の前記第1面に設けられ、前記第1電極と離間して設けられた第2電極、及び前記第2電極を覆う絶縁膜を備えた積層膜と、前記第2基板の前記第1基板とは反対側の第2面でかつ、前記第2基板を厚み方向に見た平面視において、少なくとも前記第2反射膜を覆う撓み防止膜と、を備え、前記積層膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記第2反射膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記撓み防止膜の面方向に生じる内部応力の方向とは、同一方向であることを特徴とする。
ここで、積層膜全体に着目した際に、その内部応力の方向が、第2反射膜や撓み防止膜の内部応力の方向と同一であればよく、例えば、絶縁膜の内部応力の方向と第2電極の内部応力の方向とがそれぞれ異なっていてもよい。
本発明によれば、第2電極を絶縁膜で覆うことにより、第1電極及び第2電極間で、放電等による電流のリークを確実に防止でき、第1電極及び第2電極に設定電圧に応じた所望の電荷を保持させることができる。これにより、第1反射膜及び第2反射膜の間のギャップ間隔を精度良く制御することができ、波長可変干渉フィルターから所望の波長の光を精度良く取り出すことができる。
また、第2電極及び絶縁膜で構成される積層膜の内部応力の方向と、第2反射膜の内部応力の方向と、撓み防止膜の内部応力の方向とが同一方向であるので、上記発明と同様に、これらの膜の内部応力により第2基板に作用する曲げモーメントが互いに打ち消しあう。したがって、上記発明と同様に、第2基板の撓みによる第2反射膜の反りが低減され、波長可変干渉フィルターの分解能を向上させることができる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記第2反射膜の面方向に作用する内部応力、前記第2反射膜の厚み寸法、及び前記平面視における前記第2反射膜の面積の積と、前記第2電極の面方向に作用する内部応力、前記第2電極の厚み寸法、及び前記平面視における前記第2電極の面積の積と、前記絶縁膜の面方向に作用する内部応力、前記絶縁膜の厚み寸法、及び前記平面視における前記絶縁膜の面積の積との和は、前記撓み防止膜の面方向に生じる内部応力、前記撓み防止膜の厚み寸法、及び前記撓み防止膜のうち、前記平面視における前記第1基板及び前記第2基板の接合部分に重なる領域を除いた面積の積に等しいことが好ましい。
本発明によれば、第2電極を絶縁膜が覆う構成であっても、第2反射膜、第2電極、及び絶縁膜の面方向に作用する各内部応力、各厚み寸法、及び平面視における各面積の積の和が、撓み防止膜の面方向に作用する内部応力、厚み寸法、及び平面視における第1基板及び第2基板の接合部分に重なる領域を除いた面積の積と同一となるように設定されている。ここで、第2電極の内部応力、厚み寸法、及び平面視における面積の積と、絶縁膜の内部応力、厚み寸法、及び平面視における面積の積との和が、積層膜の内部応力の影響により、第2基板に作用する曲げモーメントとなる。
このため、第2反射膜及び積層膜の内部応力が第2基板に作用する曲げモーメントと、撓み防止膜の内部応力が第2基板に作用する曲げモーメントとは同一で、双方の曲げモーメントがつりあう関係となり、第2基板の撓みをより確実に低減できる。従って、第1電極および第2電極に駆動電圧を印加しない初期状態において、第1反射膜と第2反射膜とを平行にすることができ、波長可変干渉フィルターの分解能をより向上させることができる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記撓み防止膜は、前記平面視において前記第2反射膜と同一形状及び同一位置に設けられた第1撓み防止膜と、前記第1撓み防止膜の前記平面視における中心点を対称の中心として、点対称となる位置に設けられた第2撓み防止膜と、を備えたことが好ましい。
例えば、点対称となる位置に形成されていない場合、電極間に電圧を印加して基板を撓ませる際に、撓みのバランスが取れなくなり、第1反射膜及び第2反射膜を平行にすることが難しい。
本発明によれば、第2撓み防止膜は、第1撓み防止膜の平面視における中心を対称の中心点として、点対称となる位置に形成される。これによれば、電極間に電圧を印加して基板を撓ませる際に、撓みのバランスを取ることができ、第1反射膜及び第2反射膜を平行に維持でき、ギャップ精度をより高く維持できる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記撓み防止膜は、前記第2基板の前記第2面の全面に形成されたことが好ましい。
本発明によれば、撓み防止膜は第2基板の第2面の全面に形成されるので、製造工程において、第2基板に対して撓み防止膜を形成するためのパターン形成工程を不要にでき、製造工程を簡略化できる。
本発明の波長可変干渉フィルターでは、前記撓み防止膜の材質は、前記第2基板と同じ屈折率を有する材質で形成されることが好ましい。
本発明によれば、撓み防止膜は第2基板と同じ屈折率を有する材質で形成されているので、第2基板に入射された光が撓み防止膜と第2基板との接合面で反射されることを防止できる。従って、入射光から特定波長の光のみを良好に透過させることができる。
本発明の光モジュールは、上述の波長可変干渉フィルターと、前記波長可変干渉フィルターを透過した検査対象光を受光する受光手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、上述した発明と同様に、第2基板の撓みによる第2反射膜の反りが低減され、第1反射膜及び第2反射膜を平行にすることができるため、波長可変干渉フィルターの分解能を向上させることができる。これに伴って、所望波長を精度良く分光させることができる。従って、このような波長可変干渉フィルターから出射される光を受光手段により受光することで、光モジュールは、検査対象光に含まれる所望波長の光成分の正確な光量を測定することができる。
本発明の光分析装置は、上述の光モジュールと、前記光モジュールの前記受光手段により受光された光に基づいて、前記検査対象光の光特性を分析する分析処理部と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、上述した波長可変干渉フィルターを有する光モジュールを備えるので、精度の高い光量の測定を実施でき、この測定結果に基づいて光分析処理を実施することで、正確な光学特性の分析を実施することができる。
本発明に係る第1実施形態の測色モジュールの概略構成を示す図。 前記第1実施形態のエタロンの概略構成を示す平面図。 前記第1実施形態のエタロンの概略構成を示す断面図。 前記第1実施形態のエタロンの第1基板の製造工程を示す図。 前記第1実施形態のエタロンの第2基板の製造工程を示す図。 本発明に係る第2実施形態のエタロンの概略構成を示す断面図。 本発明に係る第3実施形態のエタロンの概略構成を示す断面図。 前記第3実施形態のエタロンの第2基板の製造工程を示す図。 本発明に係る変形例を示す図。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔1.測色装置の概略構成〕
図1は、本発明に係る第1実施形態の波長可変干渉フィルターを備える測色装置(光分析装置)の概略構成を示す図である。
この測色装置1は、図1に示すように、被検査対象Aに光を射出する光源装置2と、本発明の光モジュールである測色センサー3と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備えている。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出される光を被検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち被検査対象Aの色を分析して測定するモジュールである。
〔2.光源装置の構成〕
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図1には1つのみ記載)を備え、被検査対象Aに対して白色光を射出する。また、複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれており、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから被検査対象Aに向かって射出する。
〔3.測色センサーの構成〕
測色センサー3は、図1に示すように、本発明の波長可変干渉フィルターを構成するエタロン5と、エタロン5を透過する光を受光する受光手段としての受光素子31と、エタロン5で透過させる光の波長を可変する電圧制御部6とを備えている。また、測色センサー3は、エタロン5に対向する位置に、被検査対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、エタロン5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光のみを分光し、分光した光を受光素子31にて受光する。
受光素子31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、受光素子31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
(3−1.エタロンの構成)
図2は、エタロン5の概略構成を示す平面図であり、図3は、エタロン5の概略構成を示す断面図である。なお、図1では、エタロン5に検査対象光が図中下側から入射しているが、図3では、検査対象光が図中上側から入射するものとする。
エタロン5は、図2に示すように、平面正方形状の板状の光学部材であり、一辺が例えば10mmに形成されている。このエタロン5は、図3に示すように、第1基板51、及び第2基板52を備えている。これらの2枚の基板51,52は、本実施形態では、SiO(二酸化珪素)から構成される石英ガラス基材を用いている。なお、各基板51,52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されていてもよい。また、これらの中でも、各基板51,52の構成材料としては、例えばナトリウム(Na)やカリウム(K)などのアルカリ金属を含有したガラスを用いてもよく、このようなガラスにより各基板51,52を形成することで、後述するミラー56,57や、各電極541,542の密着性や、基板51,52同士の接合強度を向上させることが可能となる。そして、これらの2つの基板51,52は、後述する接合部分としての接合面513、524が接合されることで、一体的に構成されている。
また、第1基板51と第2基板52との間には、第1反射膜としての固定ミラー56、及び第2反射膜としての可動ミラー57が設けられる。ここで、固定ミラー56は、第1基板51の第2基板52に対向する面に固定され、可動ミラー57は、第2基板52の第1基板51に対向する面に固定されている。また、これらの固定ミラー56及び可動ミラー57は、ミラー間ギャップGを介して対向配置されている。
さらに、第1基板51と第2基板52との間には、固定ミラー56及び可動ミラー57の間のミラー間ギャップGの寸法を調整するための静電アクチュエーター54が設けられている。
(3−1−1.第1基板の構成)
第1基板51は、厚みが例えば500μmの石英ガラス基材(SiO:二酸化珪素)をエッチングにより加工することで形成される。具体的には、図3に示すように、第1基板51には、エッチングにより電極形成溝511と、ミラー固定部512とが形成される。
電極形成溝511は、図2に示すようなエタロン5を厚み方向から見た平面視(以降、エタロン平面視と称す)において、平面中心点を中心とした円形に形成されている。
ミラー固定部512は、エタロン平面視において、電極形成溝511の中心部から第2基板52側に突出して形成される。
電極形成溝511には、ミラー固定部512の外周縁から、電極形成溝511の内周壁面までの間に、リング状の電極固定面511Aが形成され、この電極固定面511Aには、第1電極541が形成される。この第1電極541は、導電性を有し、後述する第2基板52の第2電極542との間で電圧を印加することで、第1電極541及び第2電極542間に静電引力を発生させることが可能なものであれば、特に限定されないが、本実施形態では、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)を用いる。また、Au/Crなどの金属積層体を用いてもよい。そして、第1電極541の上面には、絶縁膜543が形成されている。絶縁膜543としては、SiOやTEOS(TetraEthoxySilane)などを用いることができ、特に第1基板51を形成するガラス基板と同一光学特性を有するSiOが好ましい。絶縁膜543として、SiOを用いる場合、第1基板51及び絶縁膜543の間での光の反射等がないため、例えば図3に示すように、第1基板51上に第1電極541を形成した後、第1基板51の第2基板52に対向する側の面の全面に絶縁膜543を形成することができる。なお、この絶縁膜543は、第1電極541及び第2電極542の間の放電等によるリークを防止するために設けられる膜であり、透光性を有さない膜により構成されていてもよく、この場合は、ミラー固定面512A上の絶縁膜543を除去すればよい。
第1電極541の外周縁の一部からは、図2に示すエタロン平面視において、エタロン5の右下方向及び左上方向に向かって、第1電極引出部541Lがそれぞれ延出して形成されている。さらに、これらの第1電極引出部541Lの先端には、それぞれ第1電極パッド541Pが形成され、これらの第1電極パッド541Pが電圧制御部6(図1参照)に接続される。
ここで、静電アクチュエーター54を駆動させる際には、電圧制御部6(図1参照)により、一対の第1電極パッド541Pのうちのいずれか一方にのみに電圧が印加される。そして、他方の第1電極パッド541Pは、第1電極541の電荷保持量を検出するための検出端子として用いられる。
ミラー固定部512は、上述したように、電極形成溝511と同軸上で、電極形成溝511よりも小さい径寸法となる円柱状に形成されている。なお、本実施形態では、図3に示すように、ミラー固定部512の第2基板52に対向するミラー固定面512Aが、電極固定面511Aよりも第2基板52に近接して形成される例を示すが、これに限らない。電極固定面511A及びミラー固定面512Aの高さ位置は、ミラー固定面512Aに固定される固定ミラー56、及び第2基板52に形成される可動ミラー57の間のミラー間ギャップGの寸法、第1電極541及び第2基板52に形成される後述の第2電極542の間の寸法、固定ミラー56や可動ミラー57の厚み寸法により適宜設定されるものであり、上記のような構成に限られない。例えばミラー56,57として、誘電体多層膜ミラーを用い、その厚み寸法が増大する場合、電極固定面511Aとミラー固定面512Aとが同一面に形成される構成や、電極固定面511Aの中心部に、円柱凹溝上のミラー固定溝が形成され、このミラー固定溝の底面にミラー固定面512Aが形成される構成などとしてもよい。
また、ミラー固定部512のミラー固定面512Aは、エタロン5を透過させる波長域をも考慮して、溝深さが設計されることが好ましい。例えば、本実施形態では、固定ミラー56及び可動ミラー57の間のミラー間ギャップGの初期値(第1電極541及び第2電極542間に電圧が印加されていない状態のミラー間ギャップGの寸法)が450nmに設定され、第1電極541及び第2電極542間に電圧を印加することにより、ミラー間ギャップGが例えば250nmになるまで可動ミラー57を変位させることが可能である。これにより、第1電極541及び第2電極542間の電圧を可変することで、可視光全域の波長の光を選択的に分光させて透過させることが可能となる。この場合、固定ミラー56及び可動ミラー57の厚み寸法、ミラー固定面512Aや電極固定面511Aの高さ寸法は、ミラー間ギャップGを250nm〜450nmの間で変位可能な値に設定されていればよい。
そして、ミラー固定面512Aには、直径が約3mmの円形状で、かつ所定の厚み寸法Tを有する固定ミラー56が固定されている。この固定ミラー56は、TiO−SiO系の誘電体多層膜により形成されるミラーであり、スパッタリングなどの手法によりミラー固定面512Aに形成された絶縁膜543上に形成されている。
なお、本実施形態では、固定ミラー56として、TiO−SiO系の誘電体多層膜のミラーを用いる例を示すが、分光可能な波長域として可視光全域をカバーできるAg合金単層のミラーを用いる構成としてもよい。
ここで、第1基板51において、電極形成溝511及びミラー固定部512が形成されていない部分が第1基板51の接合面513となる。この接合面513に形成された絶縁膜543上には、それぞれ、図3に示すように、接合用の第1接合膜513Aが膜状に形成されている。この第1接合膜513Aには、主材料としてポリオルガノシロキサンが用いられたプラズマ重合膜などを用いることができる。
(3−1−2.第2基板の構成)
第2基板52は、厚みが例えば200μmの石英ガラス基材(SiO:二酸化珪素)をエッチングにより加工することで形成される。
また、第2基板52には、図2に示すように、エタロン平面視において、基板中心点を中心とした円形の変位部521が形成される。この変位部521は、図3に示すように、円柱状の可動部522と、可動部522と同軸であり可動部522を保持する連結保持部523とを備えている。
この変位部521は、第2基板52の形成素材である平板状のガラス基材をエッチングにより溝を形成することで形成される。すなわち、変位部521は、第2基板52の第1基板51に対向しない入射側面に、連結保持部523を形成するための円環状の凹溝部523Aをエッチング形成することで形成されている。
可動部522は、連結保持部523よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、第2基板52の厚み寸法と同一寸法である200μmに形成されている。また、可動部522は、第1基板51に対向する側の第1面52Aにミラー固定部512に平行な可動面522Aを備え、この可動面522Aに可動ミラー57が固定されている。
ここで、この可動ミラー57は、上述した固定ミラー56と同一の構成のミラーであり、例えば直径が3mmの円形状で、かつ所定の厚み寸法Tを有し、本実施形態では、TiO−SiO系の誘電体多層膜のミラーが用いられる。
連結保持部523は、可動部522の周囲を囲うダイアフラムであり、例えば厚み寸法が30μmに形成されている。この連結保持部523の第1基板51に対向する面には、第1電極541及び所定寸法を有する電磁ギャップを介して対向する、リング状の第2電極542が形成されている。ここで、この第2電極542と上述した第1電極541とにより、静電アクチュエーター54が構成される。
第2電極542は、第2基板52側にITOを用いて所定の厚み寸法T21を有するITO層と、第1基板51側にAu/Cr金属積層体を用いて所定の厚み寸法T22を有するCr層及び所定の厚み寸法T23を有するAu層とで、厚み寸法Tを有する積層体で構成される。
なお、第2電極542は、このような構成に限定されるものではなく、ITOまたはAu/Cr金属積層体のいずれか一方を用いた膜であってもよい。
また、第2電極542の外周縁の一部からは、一対の第2電極引出部542Lが外周方向に向かって形成され、これらの第2電極引出部542Lの先端には第2電極パッド542Pが形成されている。より具体的には、第2電極引出部542Lは、図2に示すエタロン平面視において、エタロン5の左下方向及び右上方向に向かって延出し、第2基板52の平面中心に対して点対称に形成されている。
また、第2電極パッド542Pも、第1電極パッド541Pと同様に、電圧制御部6に接続され、静電アクチュエーター54の駆動時には、一対の第2電極パッド542Pのうちのいずれか一方にのみに電圧が印加される。そして、他方の第2電極パッド542Pは、第2電極542の電荷保持量を検出するための検出端子として用いられる。
ここで、第2基板52の第1面52Aにおいて、第1基板51の接合面513と対向する領域が、第2基板52における接合面524となる。この接合面524には、第1基板51の接合面513と同様に、主材料としてポリオルガノシロキサンを用いた第2接合膜524Aが設けられている。
そして、第2基板52の第1基板51と対向する側と反対側の第2面52Bの全面には、所定の厚み寸法Tを有し、透光性を有する第1撓み防止膜及び第2撓み防止膜としての撓み防止膜53が設けられている。
撓み防止膜53は、第2基板52と同一の屈折率を有する材質で構成されており、本実施形態では第2基板52と同一材質の石英ガラス材(SiO:二酸化珪素)で構成されている。この撓み防止膜53は、可動ミラー57及び第2電極542が第2基板52の第1基板51と対向する側の下面に成膜形成される際に、可動ミラー57及び第2電極542の面方向に作用する内部応力(本実施形態では圧縮応力)により第1基板51に向けて凸状に撓む第2基板52の撓みを低減するものである。
すなわち、第2基板52の第1面52Aに第2電極542や可動ミラー57を成膜する際、これらの第2電極542や可動ミラー57の内部応力(圧縮応力)により、第2基板52は、第1基板51側に撓もうとする。ここで、可動ミラー57がTiO−SiO系の誘電体多層膜である場合、可動ミラー57の各層(TiO層及びSiO層)の内部応力、層厚み寸法、及び各層の平面視における面積の和が曲げモーメントとして第2基板52に作用する。ここで、可動ミラー57の第2基板52に作用する曲げモーメントがM、可動ミラー57全体の内部応力がσ、可動ミラー57の総厚み寸法がT、エタロン平面視における可動ミラー57の面積がS、各TiO層の内部応力がσ11、TiO層の厚み寸法がT11、TiO層の層数がN11、各SiO層の内部応力がσ12、SiO層の厚み寸法がT12、SiO層の層数がN12であるとすると、以下の関係式(1)が成立する。
[数1]
∝σ×T×S=(σ11×T11×N11×S)+(σ12×T12×N12×S)・・・(1)
本実施形態では、可動ミラー57、第2電極542、及び撓み防止膜53の内部応力は、それぞれ圧縮応力となるように設定されており、例えば可動ミラー57のTiO層及びSiO層の内部応力がそれぞれ引張応力及び圧縮応力である場合でも、可動ミラー57の全体としての内部応力σが圧縮応力となるように設定されていればよい。そして、上記式(1)から求められる曲げモーメントMが可動ミラー57により第2基板52を撓ませる力として作用する。
同様に、第2電極542がITO/Cr/Auの積層体である場合、第2電極542の各層(ITO、Cr、Au)の内部応力、層厚み寸法、及び各層の平面視における面積の和が第2電極542の内部応力として作用する。ここで、第2電極542の第2基板52に作用する曲げモーメントがM、第2電極542の内部応力がσ、第2電極542の総厚み寸法がT、エタロン平面視における第2電極542の面積がS、ITO層の内部応力がσ21、ITO層の厚み寸法がT21、Cr層の内部応力がσ22、Cr層の厚み寸法がT22、Au層の内部応力がσ23、Au層の厚み寸法がT23であるとすると、以下の関係式(2)が成立する。
[数2]
∝σ×T×S=(σ21×T21×S)+(σ22×T22×S)+(σ23×T23×S)・・・(2)
上述のように、本実施形態では、第2電極542の内部応力は圧縮応力に設定されており、例えば、ITO層の内部応力が圧縮応力、Cr及びAu層の内部応力が引張応力である場合でも、第2電極542全体としての内部応力σが圧縮応力となるように設定されていればよい。そして、上記式(2)から求められる曲げモーメントMが第2電極542により第2基板52を撓ませる力として作用する。
上記のように、可動ミラー57の内部応力σと、第2電極542の内部応力σとが同一方向であり、圧縮応力となる場合、第2基板52には、下記式(3)に示すような曲げモーメントMが作用し、第2基板52を第1基板51側に撓ませようとする力となる。
[数3]
=M+M・・・(3)
撓み防止膜53は、第2基板52に作用する上記式(3)で求められる曲げモーメントMを打ち消すために設けられた膜であり、第2電極542及び可動ミラー57の面方向に作用する内部応力(圧縮応力)の方向と同一方向となる内部応力(圧縮応力)を有している。また、撓み防止膜53は、上記のように、第2電極542及び可動ミラー57が設けられる第1面52Aとは反対側の第2面52Bに設けられている。このため、撓み防止膜53の内部応力により第2基板52に作用する曲げモーメントは、第2基板52を第1基板51から離間する方向に働く。
ところで、第2基板52の接合面524は、第1基板51に接合される部分であり、第2電極542、可動ミラー57、及び撓み防止膜53の内部応力の影響を受けず、撓みが生じない。一方、第2基板52の第2面52Bのうち、エタロン平面視において接合面524と重ならない部分は、第1基板51との間にギャップが形成される部分(ギャップ形成部)であり、この部分が、第2電極542、可動ミラー57、及び撓み防止膜53の内部応力の影響を受ける。従って、第2基板52の第2面52Bに形成される撓み防止膜53のうち、エタロン平面視においてこのギャップ形成部に重なる部分により、第2電極542や可動ミラー57の内部応力による第2基板52の撓みが防止される。
ここで、撓み防止膜53の第2基板52に作用する曲げモーメントがM、撓み防止膜53の内部応力(圧縮応力)がσ、撓み防止膜53の厚み寸法がT、エタロン平面視におけるギャップ形成部に重なる部分の面積がSである場合、第2基板52には、以下の式(4)で求められる曲げモーメントMが第2基板52に作用する。従って、この曲げモーメントMが、以下の式(5)の関係を有するように撓み防止膜53を形成することで、第2電極542及び可動ミラー57により第2基板52に作用する曲げモーメントMが打ち消され、第2基板52の撓みを無くすことができる。
[数4]
∝σ×T×S・・・(4)
[数5]
=M・・・(5)
(3−2.電圧制御部の構成)
電圧制御部6は、制御装置4からの入力される制御信号に基づいて、静電アクチュエーター54の第1電極541及び第2電極542に印加する電圧を制御する。
〔4.制御装置の構成〕
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、及び測色処理部43(分析処理部)などを備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部6は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター54への印加電圧を設定する。
測色処理部43は、測色センサー制御部42を制御して、エタロン5のミラー間ギャップを変動させて、エタロン5を透過する光の波長を変化させる。また、測色処理部43は、受光素子31から入力される受光信号に基づいて、エタロン5を透過した光の光量を取得する。そして、測色処理部43は、上記により得られた各波長の光の受光量に基づいて、被検査対象Aにより反射された光の色度を算出する。
〔5.エタロンの製造方法〕
次に、上記エタロン5の製造方法について、図4及び図5に基づいて説明する。
エタロン5を製造するためには、第1基板51及び第2基板52をそれぞれ形成し、形成された第1基板51と第2基板52とを貼り合わせる。
(5−1.第1基板形成工程)
まず、第1基板51の製造素材である厚み寸法が500μmの石英ガラス基板を用意し、この石英ガラス基板の表面粗さRaが1nm以下となるまで両面を精密研磨する。そして、第1基板51の第2基板52に対向する面に電極形成溝511形成用のレジスト61を塗布して、塗布されたレジスト61をフォトリソグラフィ法により露光・現像して、図4(A)に示すように、電極形成溝511が形成される箇所をパターニングする。
次に、図4(B)に示すように、電極形成溝511を所望の深さにエッチングし、電極固定面511Aを形成する。なお、ここでのエッチングとしては、ウェットエッチングが用いられる。
そして、第1基板51の第2基板52に対向する面にミラー固定面512A形成用のレジスト61を塗布して、塗布されたレジスト61をフォトリソグラフィ法により露光・現像して、図4(B)に示すように、ミラー固定面512Aが形成される箇所をパターニングする。
次に、ミラー固定面512Aが所望の位置までエッチングした後、図4(C)に示すように、レジスト61を除去する。
次に、第1基板51の第2基板52に対向する側の面にITO膜をスパッタリング法により成膜する。そして、ITO膜の上に、所望の電極パターンとなるレジストを形成し、ITO膜をフォトエッチングすることで、図4(D)に示すように、電極固定面511Aに第1電極541を形成する。この後、第1基板51の第2基板52に対向する面に残ったレジストを除去する。
そして、同じく第1基板51の第2基板52と対向する側の面に、厚み寸法が0.1μmのTEOS膜をプラズマCVD法により成膜することで、図4(E)に示すように、第1電極541、電極固定面511A、接合面513、及びミラー固定面512Aに絶縁膜543を形成する。
次に、同じく第1基板51の第2基板52と対向する側の面に、ミラー固定面512Aに固定ミラー56が形成される領域のみが露出するパターンのレジストを形成し、所定の厚み寸法Tを有するTiO−SiO系の薄膜をスパッタリング法または蒸着法により成膜する。そして、レジストを除去することで、図4(F)に示すように、ミラー固定面512Aに形成された絶縁膜543上に固定ミラー56を形成する。
次に、同じく第1基板51の第2基板52と対向する面に、第1接合膜513Aが形成される領域だけが露出するパターンのレジストを形成し、厚み寸法30nmのポリオルガノシロキサンを用いたプラズマ重合膜をプラズマCVD法により成膜する。そして、レジストを除去することで、図4(F)に示すように、接合面513に形成された絶縁膜543上に第1接合膜513Aを形成する。
以上により、第1基板51が形成される。
(5−2.第2基板形成工程)
第2基板52の形成において、上記式(5)の関係を満たすように、第2電極542、可動ミラー57、及び撓み防止膜53を形成するために、予め各膜のスパッタリング条件を設定して、そのスパッタリング条件でスパッタリング法により各膜を成膜した際の内部応力を測定しておく。そして、シミュレーションにより、上記式(5)を満たす第2電極542や、可動ミラー57の厚み寸法や面積、撓み防止膜53の厚み寸法を決定しておく。なお、第2電極542や可動ミラー57の厚み寸法や面積は、エタロン5により検査対象光を分光させたい波長域に応じて設定される。
この後、第2基板52の製造素材である厚み寸法が200μmの石英ガラス基板を用意し、このガラス基板の表面粗さRaが1nm以下となるまで両面を精密研磨する。
そして、図5(A)に示すように、第2基板52の第2面52Bに、設定したスパッタリング条件下で、レジスト62をスパッタリング法により成膜する。そして、レジスト62に対して連結保持部523を形成するためのパターンを形成し、これらに対応する領域のレジスト62のエッチングを行う。次に、石英ガラス基板をウェットエッチングすることで、図5(B)に示すように、厚さ50μmの連結保持部523が形成されるとともに、可動部522が形成される。
次に、第2基板52の第1基板51に対向する側の面にITO膜及びAu膜及びCr膜からなる2層のAu/Cr層をスパッタリング法により成膜する。最初にITO膜は予め決定された厚み寸法T21のITO層を成膜し、次にAu/Cr層は、予め決定された厚み寸法T22でスパッタリング法により成膜する。
そして、Au/Cr層の上に、所望の電極パターンとなるレジストを形成し、Au/Cr層及びITO膜をフォトエッチングする。その後、第2基板52の第1基板51に対向する面に残ったレジストを除去することで、図5(C)に示すように、所定の厚み寸法Tを有する第2電極542を形成する。
ここで、第2基板52に第2電極542が成膜形成される際、第2電極542に作用する内部応力が圧縮応力となるように成膜形成されるため、図5(C)に示すように、第2基板52は、第1基板51側に向けて凸状に撓む。
次に、第2電極542を形成した側の第1面52Aに、予めシミュレーションにより決定された面積の可動ミラー57形成部分以外にレジスト(リフトオフパターン)を形成する。そして、上記スパッタリング条件下で、予め決定された厚み寸法TのTiO−SiO系の薄膜をスパッタリング法により成膜する。
そして、レジストを除去することで、図5(D)に示すように、第2電極542を形成した側の第1面52Aに直径が約3mmの円形状で、かつ所定の厚み寸法Tを有する可動ミラー57が形成される。
ここで、第2基板52に可動ミラー57が成膜形成される際に、可動ミラー57に作用する内部応力が圧縮応力となるように成膜形成されるため、図5(D)に示すように、第2基板52は、第1基板51側に向けて、さらに凸状に撓む。
次に、同じく第1面52Aに、第2接合膜524Aが形成される領域だけが露出するパターンのレジストを形成し、厚み寸法30nmのポリオルガノシロキサンを用いたプラズマ重合膜をプラズマCVD法により成膜する。そして、レジストを除去することで、図5(E)に示すように、接合面524の上に第2接合膜524Aを形成する。
そして、第2基板52の第2面52Bの全面に、所定の厚み寸法Tを有する二酸化珪素(SiO)を成膜して、撓み防止膜53を形成する。これにより、さらに、撓み防止膜53は、第2電極542及び可動ミラー57の第2基板52に作用する曲げモーメントMと同値の曲げモーメントMを有するように形成される。これにより、第2電極542および可動ミラー57の内部応力が第2基板52に作用する曲げモーメントMと、撓み防止膜53の内部応力が第2基板52に作用する曲げモーメントMの双方がつりあう関係となり、図5(E)に示すように、第2基板52の撓みが矯正される。
以上により、撓み防止膜53を備え、撓みが矯正された第2基板52が形成される。
(5−3.貼合工程)
次に、上述の第1基板形成工程及び第2基板形成工程で形成された各基板51,52を貼り合わせる。具体的には、各基板51,52に形成された第1接合膜513A及び第2接合膜524Aを構成するプラズマ重合膜に活性化エネルギーを付与するために、Oプラズマ処理またはUV処理を行う。Oプラズマ処理は、O流量30cc/分、圧力27Pa、RFパワー200Wの条件で30秒間実施する。また、UV処理は、UV光源としてエキシマUV(波長172nm)を用いて3分間処理を行う。プラズマ重合膜に活性化エネルギーを付与した後、2つの基板51,52のアライメントを行い、第1接合膜513A及び第2接合膜524Aを重ね合わせて荷重をかけることにより、基板51,52同士を接合する。これにより、エタロン5が製造される。
〔6.第1実施形態の作用効果〕
上述の第1実施形態に係るエタロン5によれば、以下の効果を奏する。
(1)撓み防止膜53が第2基板52の第1基板51と対向する側と反対側の面の全面に成膜形成されており、この成膜形成の際に、撓み防止膜53の面方向に圧縮応力が作用する。このため、撓み防止膜53の面方向に作用する圧縮応力により、第2基板52が第1基板51と反対側に向けて凸状に撓むようになり、第2基板52の第1基板51に向かう凸状の撓みを低減できる。従って、初期状態における固定ミラー56及び可動ミラー57の間のギャップGの間隔を高精度に設定でき、固定ミラー56及び可動ミラー57を高精度に平行に維持できることで、分解能を向上させることができる。
(2)第2電極542及び可動ミラー57が第2基板52に成膜形成される際に第2基板52に作用する曲げモーメントMは、撓み防止膜53が第2基板52に成膜形成される際に第2基板52に作用する曲げモーメントMと同一となるように設定されている(式(5)参照)。双方の曲げモーメントM、Mがつりあう関係となり、第2電極542及び可動ミラー57を第2基板52に成膜形成する際に第2基板52に作用する曲げモーメントMを撓み防止膜53の第2基板52に作用する曲げモーメントMにより打ち消し、初期状態における撓みを確実に防止できる。従って、ギャップGの間隔の精度をより高精度に設定できる。
(3)撓み防止膜53は第2基板52の第1基板51と反対側の面の全面に形成されるので、製造工程において、第2基板52に対して撓み防止膜53を形成するためのパターン形成工程を不要にでき、製造工程を簡略化できる。
(4)撓み防止膜53は第2基板52と同じ光学特性を有する材質である石英ガラス材(SiO)で形成されているので、第2基板52に入射された光が撓み防止膜53と第2基板52との接合面で反射されることを防止できる。従って、入射光から特定波長の光のみを良好に透過させることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。
本実施形態のエタロンは、上述のエタロン5と同様の構成を備えるが、前記エタロン5が備える第2電極542は、ITO層と、Au/Crなどの金属積層体とで構成された積層体であった。これに対し、本実施形態のエタロンが備える第2電極は、ITO層のみを用いた1層構造であり、第2電極に絶縁膜が積層されている点で相違する。
なお、以下の説明では、前記第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図6は、本実施形態におけるエタロン5Aの概略構成を示す断面図である。
本実施形態に係るエタロン5Aは、図6に示すように、第2基板52の第1基板51と対向する側の面において、第2電極542Aと、第2電極542Aを覆うSiOを用いた絶縁膜544とを備える他は、上述のエタロン5と同様の構成を備える。ここで、本発明の積層膜は、第2電極542A及び絶縁膜544で構成される。
本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、第2電極542A及び絶縁膜544の各層の内部応力、膜厚み寸法、及び平面視における面積の積の和が第2基板52に作用する曲げモーメントとして作用する。ここで、第2電極542A及び絶縁膜544の第2基板52に作用する曲げモーメントがM、積層膜の内部応力がσ、積層膜の膜厚寸法がT、積層膜の平面視における面積がS、絶縁膜544の内部応力がσ24、絶縁膜544の厚み寸法がT24であるとすると、以下の関係式(6)が成立する。
[数6]
∝σ×T×S=(σ21×T21×S)+(σ24×T24×S)・・・(6)
上記式(6)から求められる曲げモーメントMが第2電極542A及び絶縁膜544により第2基板52を撓ませる力として作用する。そして、この曲げモーメントMと上述した式(1)で求められる可動ミラー57が第2基板52に作用する曲げモーメントMとの和が、上述した式(4)で求められる撓み防止膜53が第2基板52に作用する曲げモーメントMと同値(M+M=M・・・(7))に設定されている。
なお、第2実施形態では、積層膜全体として内部応力の方向が、可動ミラー57や撓み防止膜53の内部応力の方向と一致していればよい。したがって、例えば積層膜、可動ミラー57、および撓み防止膜53の内部応力が圧縮応力である場合では、第2電極542及び絶縁膜544のいずれか一方が引張応力を有する膜であってもよく、積層膜の内部応力σとして圧縮応力であればよい。
上述の第2実施形態に係るエタロン5Aによれば、前記第1実施形態の効果の他、以下の効果を奏する。
本実施形態では、第1電極541に積層される絶縁膜543に加えて、第2電極542Aには絶縁膜544が積層されるので、第1電極541及び第2電極542A間で、放電等による電流のリークを確実に防止でき、第1電極541及び第2電極542Aに設定電圧に応じた所望の電荷を保持させることができる。これにより、固定ミラー56及び可動ミラー57の間のギャップ間隔を精度良く制御することができ、エタロン5から所望の波長の光を精度良く取り出すことができる。
また、第2電極542Aは、前記第1実施形態と異なり、一層構造であり、第2電極542Aには絶縁膜543が成膜形成されているが、この場合でも上述の式(6)に基づいて、曲げモーメントMを算出できる。そして、上述の式(7)を満たすように、第2電極542A及び絶縁膜543の各厚み寸法T21,T24を適宜設定すればよいので、前記第1実施形態の第2電極542と構成が異なる場合でも、前記第1実施形態と同様の効果を奏することができ、構成上の汎用性も向上できる。
[第3実施形態]
以下、本発明に係る第3実施形態について説明する。
本実施形態のエタロンは、上述のエタロン5と同様の構成を備えるが、前記エタロン5が備える撓み防止膜53は、第2基板52の第2面52Bの全面に形成されていた。これに対し、本実施形態のエタロンが備える第1撓み防止膜としての撓み防止膜53Aは、第2基板52の第2面52Bのうち、エタロン平面視で可動ミラー57を覆う位置(可動部522の上面)にのみ形成される点で相違する。
なお、以下の説明では、前記第1実施形態と同一構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本実施形態におけるエタロン5Bの概略構成を示す断面図である。
本実施形態に係るエタロン5Bは、図7に示すように、第2基板52の第2面52Bのうち、可動部522の上面にのみ形成される撓み防止膜53Aを備える他は、上述のエタロン5と同様の構成を備える。すなわち、本実施形態での撓み防止膜53Aは、エタロン平面視で可動ミラー57を覆う位置にのみ形成されている。
本実施形態では、可動部522の上面に形成される撓み防止膜53Aのみで、第2電極542及び可動ミラー57に作用する内部応力により第2基板52に発生する撓みを矯正している。ここで、撓み防止膜53Aの厚み寸法Tは、上述した式(4)に基づいて設定されており、撓み防止膜53Aの内部応力により第2基板52に作用する曲げモーメントMは、第2電極542および可動ミラー57の内部応力により第2基板52に作用する曲げモーメントMと同値、かつその方向が逆となる。従って、第2基板52に作用する曲げモーメントが互いに打ち消しあうこととなり、基板撓みが防止される。
図8は、本実施形態における第2基板52の製造工程を示す図である。なお、本実施形態の第2基板52の製造工程において、前記第1実施形態で示した図5(A)から図5(C)の工程については同様であるため、図8では図示を省略し、説明も省略する。
図8(A)に示すように、第2基板52の第1面52Aに、第2電極542及び可動ミラー57を形成する。この際、前記第1実施形態と同様に、第2基板52に第2電極542及び可動ミラー57に圧縮応力が面方向に作用するように成膜形成されるため、第2基板52は第1基板51側に向けて凸状に撓む。
次に、前記第1実施形態と同様に、図8(B)に示すように、接合面524の上に第2接合膜524Aを形成する。
さらに、第2基板52の第2面52Bに、上記スパッタリング条件下で、撓み防止膜53Aが形成される領域だけが露出するパターンのレジスト(リフトオフパターン)を形成し、シミュレーションで予め決定された厚み寸法Tの二酸化珪素(SiO)を成膜する。また、撓み防止膜53Aに作用する内部応力(圧縮応力)の方向は、上述の第2電極542及び可動ミラー57に作用する内部応力(圧縮応力)の方向と同方向となるように、撓み防止膜53Aが第2基板52に成膜形成される。
そして、レジストを除去することで、図8(B)に示すように、撓み防止膜53Aを形成する。
以上により、撓み防止膜53Aを備え、撓みが矯正された第2基板52を形成する。
上述の第3実施形態に係るエタロン5Bによれば、前記第1実施形態の効果(1)、(2)、(4)の他、以下の効果を奏する。
本実施形態では、撓み防止膜53Aが可動部522のみに形成されているので、可動部522に作用する曲げモーメントMは、第2電極542及び可動ミラー57の第2基板52に作用する曲げモーメントMを打ち消すので、固定ミラー56及び可動ミラー57の平行を精度良く維持できる。
また、撓み防止膜53Aが可動部522のみに形成されているので、可動部522の周囲を囲う連結保持部523であるダイアフラムが撓み易くなり、駆動電圧を第1電極541及び第2電極542に印加する際のダイアフラムの駆動時の制御を容易にできる。
さらに、可動部522の厚み寸法が増大するため、可動部522の剛性が大きくなり撓みにくくなる。このため、より確実に可動ミラー57の撓みを防止することができる。
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、第2電極542,542A、絶縁膜544、可動ミラー57、及び撓み防止膜53,53Aに作用する内部応力は圧縮応力が作用するように第2基板52に成膜形成されていたが、引張応力が作用するように成膜形成されていてもよい。この場合でも、第2電極542,542A、絶縁膜544、可動ミラー57、及び撓み防止膜53,53Aに作用する内部応力の方向がそれぞれ同方向となるように成膜形成されていればよい。
前記各実施形態では、撓み防止膜53,53Aが第2基板52の第2面52Bの全面、または可動ミラー57を覆う位置(可動部522の上面)に形成されていたが、撓み防止膜は、可動部522の上面に加えて、ダイアフラムである連結保持部523の一部に形成されていてもよい。
また、図9に示すように、第2撓み防止膜としての撓み防止膜53Bは、連結保持部523に連続して形成されていなくてもよく、第1撓み防止膜が形成される可動面522Aのエタロン平面視における中心を対称の中心として、連結保持部523に点対称となるように断続的に形成されていてもよい。これによれば、撓み防止膜が点対称に形成されていない場合に比べると、電極間に電圧を印加して基板を撓ませる際に、撓みのバランスを取ることができ、ミラー間を平行に維持でき、ギャップ精度をより高く維持できる。
前記第2実施形態では、絶縁膜544が第2電極542Aとエタロン平面視で同面積に形成されて、第2電極542Aに積層されていたが、絶縁膜544がエタロン平面視で第2電極542Aの面積よりも大きく形成されて、第2電極542Aを被覆するように形成してもよい。また、第2電極542Aとして、ITOを用いたが、このITOの代わりにAu/Cr金属積層体を用いてもよい。さらに、前記第1実施形態での2層構造の第2電極542に対して、絶縁膜544を積層してもよく、この場合には、上述の式(2)、(6)を組み合わせることで、第2基板52に作用する曲げモーメントMを求めることができる。
前記第2実施形態でのエタロン5Aの構成に対して、第3実施形態の撓み防止膜53Aを形成してもよい。
前記各実施形態での第2基板52の製造工程において、第2電極542,542Aを可動ミラー57よりも先に形成していたが、可動ミラー57を先に形成してもよい。また、撓み防止膜53,53Aを最終工程で形成していたが、第2電極542,542A及び可動ミラー57よりも先に形成してもよい。
前記各実施形態において、接合面513,524では、第1接合膜513A及び第2接合膜524Aにより接合されるとしたが、これに限られない。例えば、第1接合膜513A及び第2接合膜524Aが形成されず、接合面513,524を活性化し、活性化された接合面513,524を重ね合わせて加圧することにより接合する、いわゆる常温活性化接合により接合させる構成などとしてもよく、いかなる接合方法を用いてもよい。
1…測色装置(光分析装置)、3…測色センサー(光モジュール)、5,5A,5B…エタロン(波長可変干渉フィルター)、31…受光素子(受光手段)、43…測色処理部(分析処理部)、51…第1基板、52…第2基板、52A…第1面、52B…第2面、53,53A,53B…撓み防止膜(第1、第2撓み防止膜)、56…固定ミラー(第1反射膜)、57…可動ミラー(第2反射膜)、513,524…接合面(接合部分)、541…第1電極、542,542A…第2電極、544…絶縁膜。

Claims (6)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板と対向する第2基板と、
    前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1反射膜と、
    前記第2基板の前記第1基板に対向する第1面に設けられ、前記第1反射膜とギャップを介して対向する第2反射膜と、
    前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1電極と、
    前記第2基板の前記第1面に設けられ、前記第1電極と離間して設けられた第2電極と、
    前記第2基板の前記第1基板とは反対側の第2面でかつ、
    前記第2基板を厚み方向に見た平面視において、少なくとも前記第2反射膜を覆う撓み防止膜と、を備え、
    前記撓み防止膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記第2反射膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記第2電極の面方向に作用する内部応力の方向とは、同一方向であり、
    前記撓み防止膜の材質は、前記第2基板と同じ屈折率を有する材質で形成された
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  2. 第1基板と、
    前記第1基板と対向する第2基板と、
    前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1反射膜と、
    前記第2基板の前記第1基板に対向する第1面に設けられ、前記第1反射膜とギャップを介して対向する第2反射膜と、
    前記第1基板の前記第2基板に対向する面に設けられた第1電極と、
    前記第2基板の前記第1面に設けられ、前記第1電極と離間して設けられた第2電極と、
    前記第2基板の前記第1基板とは反対側の第2面でかつ、
    前記第2基板を厚み方向に見た平面視において、少なくとも前記第2反射膜を覆う撓み防止膜と、を備え、
    前記撓み防止膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記第2反射膜の面方向に作用する内部応力の方向と、前記第2電極の面方向に作用する内部応力の方向とは、同一方向であり、
    前記撓み防止膜は、前記平面視において前記第2反射膜と同一形状及び同一位置に設けられた第1撓み防止膜と、前記第1撓み防止膜の前記平面視における中心点を対称の中心として、点対称となる位置に設けられた第2撓み防止膜と、を備えた
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  3. 請求項1または請求項2に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
    前記第2反射膜の面方向に作用する内部応力、前記第2反射膜の厚み寸法、及び前記平面視における前記第2反射膜の面積の積と、前記第2電極の面方向に作用する内部応力、前記第2電極の厚み寸法、及び前記平面視における前記第2電極の面積の積との和は、
    前記撓み防止膜の面方向に生じる内部応力、前記撓み防止膜の厚み寸法、及び前記撓み防止膜のうち、前記平面視における前記第1基板及び前記第2基板の接合部分に重なる領域を除いた面積の積に等しい
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
    前記撓み防止膜は、前記第2基板の前記第2面の全面に形成された
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  5. 請求項1から請求項のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターと、
    前記波長可変干渉フィルターを透過した検査対象光を受光する受光手段と、を備えた
    ことを特徴とする光モジュール。
  6. 請求項に記載の光モジュールと、
    前記光モジュールの前記受光手段により受光された光に基づいて、前記検査対象光の光特性を分析する分析処理部と、を備えた
    ことを特徴とする光分析装置。
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