JP5707737B2 - 印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、長尺フィルムなどの長尺の印刷対象物に、印刷対象物の長さ方向に当該印刷対象物を供給すると共に印刷を実施することで画像などを印刷する印刷装置、及び印刷方法に関する。
このような印刷装置としては、供給リールに巻かれた長尺フィルムなどの長尺の印刷対象物を印刷実施位置に供給し、印刷実施位置に供給された部分に対して印刷用ヘッドを相対移動させながら印刷を実施し、印刷された部分を巻き取りリールに巻き取る印刷装置が知られている。しかし、印刷対象物が、例えば樹脂製の薄いフィルムである場合などには、印刷対象物が張力によって変形させられたり、張力に交差する方向に皺が形成されたりする場合があった。変形や皺が発生すると、印刷形状が不正確になったり、印刷の実施が困難になったりする場合があった。
特許文献1には、インクジェットヘッドを主走査方向及び副走査方向に走査させる走査機構と、インクジェットヘッドの走査範囲に対峙すると共に連続紙の送り経路上に配設され、印刷に供する連続紙をエアー吸引する吸着テーブルと、吸着テーブルに吸着させた状態で連続紙をその長さ方向に送る紙送り機構とを備え、吸着テーブルにおける吸引穴の位置を工夫することで、紙送りおよび印刷に支障を生ずることなく、連続紙の幅方向両端部の浮き上がりを適切に防止することができるインクジェットプリンタの紙送り装置およびこれを備えたインクジェットプリンタが開示されている。
特開2003−118902号公報
しかしながら、特許文献1に開示された装置では、吸着させた状態の連続紙を紙送りする。吸着された状態の連続紙を送るためには、吸着力に打ち勝って移動させる力を連続紙に加える必要がある。そのような力で薄い連続紙を送るためには、連続紙に、送り方向の先端側に引っ張る力を加える必要がある。力が加えられ、変形する可能性がある部分は、印刷される直前の部分であり、印刷実行時には被印刷部分を吸着保持して印刷を実施する装置においては、力を加えられた状態で吸着される可能性がある。この場合、給除材時に連続紙に力を加えることに起因した変形が印刷実施時に維持されてしまう可能性があるという課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる印刷装置は、連続媒体を所定の方向に順次供給する供給手段と、前記供給手段によって供給された前記連続媒体における被印刷領域を、前記連続媒体の被印刷面の反対側の裏面において吸着保持する保持手段と、前記保持手段に保持された前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて液状体を吐出する吐出手段と、前記保持手段を、前記所定の方向に走査させる副走査手段と、を備えることを特徴とする。
本適用例にかかる印刷装置によれば、保持手段によって、供給手段によって供給された連続媒体の被印刷領域を吸着保持し、保持手段に保持された被印刷領域の被印刷面に向けて吐出手段から液状体を吐出して、被印刷領域に印刷することができる。保持手段によって保持することで、印刷に際して、被印刷領域を、保持手段の保持面に倣った、例えば平坦な状態のような好適な形状に維持することができる。保持手段を所定の方向に走査させる副走査手段を備えている。これにより、被印刷領域を保持した状態の保持手段を副走査手段によって所定の方向に走査させることで、被印刷領域における吐出手段によって印刷可能な印刷幅を印刷された既印刷部分を所定の方向に移動し、被印刷領域における未印刷の部分を吐出手段が臨む位置に移動させる、いわゆる改行を実施することができる。これにより、被印刷領域を平坦な状態のような好適な形状に維持して、印刷及び改行を実施することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる印刷装置は、前記保持手段を、前記裏面に離接する方向に相対移動させる離接移動手段をさらに備えることが好ましい。
この印刷装置によれば、離接移動手段によって保持手段を、保持手段が連続媒体に接触していない位置に移動することができる。連続媒体への印刷は、保持手段に保持された被印刷領域への印刷を繰り返すことで実施される。保持手段に保持された被印刷領域への印刷が終了すると、次ぎの被印刷領域を保持手段に保持させるために、保持手段と連続媒体とを所定の方向に相対移動させる必要がある。保持手段と連続媒体とを所定の方向に相対移動させる際に、保持手段を連続媒体に接触させない位置に移動させることで、保持手段と連続媒体とが接触した状態で相対移動することによる摩擦抵抗をなくして、相対移動に対する抗力を低減することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる印刷装置は、前記供給手段は、前記保持手段に関して前記連続媒体の供給経路における上流側に配設された供給ローラーと、前記供給経路における下流側に配設された張力ローラーと、前記張力ローラーによる前記連続媒体における前記供給ローラーと前記張力ローラーとの間の部分への張力付与状態を制御する張力制御手段とを備え、前記張力制御手段は、前記保持手段が前記連続媒体を吸着保持した状態では、前記張力ローラーによる張力を解除又は小さくすることが好ましい。
この印刷装置によれば、張力制御手段によって、保持手段が連続媒体を吸着保持した状態での当該吸着保持された部分へ加える張力が解除又は小さくされる。吸着保持された部分は平坦に保持されており、当該部分に張力ローラーによる張力を加えることは不要である。当該不要な張力を解除又は小さくすることで、当該張力によって連続媒体が変形する可能性を実質的になくすることができる。
[適用例4]上記適用例にかかる印刷装置は、前記被印刷領域の前記所定の方向における位置を略一定の位置に維持する被印刷領域位置維持手段をさらに備えることが好ましい。
この印刷装置によれば、被印刷領域位置維持手段によって、被印刷領域の所定の方向における位置を略一定の位置に維持することができる。被印刷領域の位置を略一定に維持した状態で保持手段を所定の方向に移動させることによって、連続媒体における保持手段が臨む部分を変えることができる。
[適用例5]本適用例にかかる印刷方法は、連続媒体における被印刷領域を、前記連続媒体の被印刷面の反対側の裏面において、保持手段によって吸着保持し、前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて液状体を吐出する吐出手段を用いて前記連続媒体に印刷する印刷方法であって、前記保持手段と前記被印刷領域とを、前記所定の方向に相対移動させて、前記被印刷領域を前記保持手段によって吸着可能な位置に位置させる供給工程と、前記被印刷領域の前記裏面を前記保持手段によって吸着する吸着工程と、前記被印刷領域を前記所定の方向に移動させて印刷位置に位置させる印刷領域セット工程と、前記連続媒体の前記保持手段に吸着保持された部分における前記連続媒体の面方向に略平行であって、前記所定の方向に交差する方向に、前記吐出手段を走査させると共に、前記吐出手段から前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて前記液状体を吐出する印刷走査工程と、前記所定の方向に、前記吐出手段と前記被印刷領域とを相対移動させる改行工程と、を有する印刷工程と、を有し、前記改行工程では、前記保持手段を前記所定の方向に移動させることによって前記被印刷領域と前記吐出手段とを相対移動させることを特徴とする。
本適用例にかかる印刷方法によれば、供給工程において供給された連続媒体の被印刷領域を吸着工程において保持手段によって吸着し、印刷領域セット工程において印刷位置に位置させる。これにより、印刷工程に際して、被印刷領域を、保持手段の保持面に倣った、例えば平坦な状態のような好適な形状にすることができる。
印刷工程の印刷走査工程においては、被印刷領域は保持手段に保持されたままであり、好適な形状が維持される。印刷工程の改行工程では、保持手段を所定の方向に移動させることによって被印刷領域と吐出手段とを相対移動させるため、被印刷領域は保持手段に保持されたままであり、吸着工程において被印刷領域が保持手段に吸着保持された好適な形状の状態を維持して、改行を実施することができる。
[適用例6]上記適用例にかかる印刷方法は、前記供給工程は、前記保持手段と前記被印刷領域とを前記所定の方向に相対移動させる前に前記保持手段を前記連続媒体から乖離させる乖離工程と、前記保持手段が前記被印刷領域の裏面に臨んだ状態で前記保持手段を前記被印刷領域の裏面に接触させる接触工程とを有することが好ましい。
この印刷方法によれば、乖離工程によって保持手段を、保持手段が連続媒体に接触していない位置に移動することができる。保持手段が連続媒体に接触していない状態で保持手段と連続媒体とを所定の方向に相対移動させることで、保持手段と連続媒体とが接触した状態で相対移動することによる摩擦抵抗をなくして、相対移動に対する抗力を低減することができる。接触工程によって保持手段を被印刷領域の裏面に接触させることで、保持手段が被印刷領域の裏面から離れている場合より、吸着工程を容易に実施することができる。
[適用例7]上記適用例にかかる印刷方法は、前記供給工程では、前記連続媒体を略平坦に維持する張力を前記連続媒体に付与しながら前記連続媒体を前記所定の方向に移動し、前記吸着工程は、前記保持手段によって前記連続媒体を吸着した後、前記張力を解除又は小さくする張力解除工程をさらに有することが好ましい。
この印刷方法によれば、張力解除工程によって、保持手段が連続媒体を吸着保持した状態での当該吸着保持された部分へ加える張力が解除又は小さくされる。連続媒体における吸着保持された部分は例えば平坦に保持されており、当該部分に平坦に維持するための力を加えることは不要である。当該不要な張力を解除又は小さくすることで、当該張力によって連続媒体が変形する可能性を実質的になくすることができる。
[適用例8]上記適用例にかかる印刷方法は、前記供給工程では、前記保持手段を前記所定の方向に移動させることによって、前記保持手段が前記被印刷領域を吸着できる位置に、前記保持手段を位置させることが好ましい。
この印刷方法によれば、供給工程における保持手段と被印刷領域との所定の方向における相対移動を、保持手段を所定の方向に移動させることによって実施する。供給工程において、連続媒体を移動させるためには、移動させるために必要な力を連続媒体に作用させる必要があり、当該力によって、連続媒体が変形させられる可能性がある。相対移動を、保持手段を所定の方向に移動させることによって実施することで、連続媒体を移動させるための力を連続媒体に作用させることを不要にして、当該力によって、連続媒体が変形させられることを実質的になくすることができる。
[適用例9]上記適用例にかかる印刷方法は、前記供給工程では、前記保持手段を前記所定の方向に移動させる際に、前記被印刷領域の前記所定の方向における位置を略一定の位置に維持することが好ましい。
この印刷方法によれば、保持手段を移動させる際に、被印刷領域の位置を略一定の位置に維持する。
一般的に、連続媒体において、一連の印刷工程によって印刷された被印刷領域の終端位置に対して、次の一連の印刷工程を実施する被印刷領域の始端位置が定まっている。例えば、連続して印刷する場合には、終端に対して、次の始端が接触している。被印刷領域の位置を略一定の位置に維持することで、保持手段を次の被印刷領域に対して適切な位置に正確に移動させることができる。
[適用例10]上記適用例にかかる印刷方法は、前記印刷領域セット工程では、前記被印刷領域を吸着保持した前記保持手段を前記所定の方向に移動させることによって、前記被印刷領域を前記所定の方向に移動させることが好ましい。
この印刷方法によれば、被印刷領域を吸着保持した保持手段を移動させることによって、被印刷領域を移動させる。これにより、被印刷領域を移動させるための力を被印刷領域に直接作用させることを不要にすることができる。被印刷領域を移動させるための力を被印刷領域に直接作用させることで、当該力によって、被印刷領域が変形させられる可能性を実質的になくすることができる。
(a)は、印刷装置の概略構成を示す模式平面図。(b)は、印刷装置の概略構成を示す模式側面図。 (a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図。(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図。(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図。 ヘッドユニットの概略構成を示す平面図。 印刷工程を示すフローチャート。 印刷工程における、ヘッドユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図。 印刷工程における、ヘッドユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図。 印刷工程を示すフローチャート。 印刷工程における、ヘッドユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図。 印刷工程における、ヘッドユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図。
以下、印刷装置、及び印刷方法について、図面を参照して説明する。本実施形態は、連続媒体の一例である帯状のフィルムに画像を印刷する工程で用いられる印刷装置及び印刷方法を例に説明する。
<液滴吐出法>
最初に、印刷装置において印刷用の機能液を吐出するために用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加して吐出ノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒーターにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。このうち、ピエゾ方式は、液状材料に熱を加えないため、材料の組成等に影響を与えないなどの利点を有する。本実施形態では、液状材料選択の自由度の高さ、及び液滴の制御性の良さの点から上記ピエゾ方式を用いる。
<印刷装置>
次に、フィルム10に印刷する印刷装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、印刷装置の概略構成を示す模式図である。図1(a)は、印刷装置の概略構成を示す模式平面図であり、図1(b)は、印刷装置の概略構成を示す模式側面図である。
図1に示すように、印刷装置1は、液滴吐出ヘッド20を有するヘッド機構部2と、供給排出機構部3と、機能液供給部(図示省略)と、メンテナンス装置部5と、を備えている。
ヘッド機構部2が備える液滴吐出ヘッド20は、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドであり、紫外線硬化性を有する機能液を液滴として、印刷対象物に向けて吐出する。供給排出機構部3は、液滴吐出ヘッド20から吐出された液滴を着弾させる印刷対象物であるフィルム10を印刷位置に給排紙する。機能液供給部は、液滴吐出ヘッド20への機能液の供給を行う。メンテナンス装置部5は、液滴吐出ヘッド20の保守を行う。
印刷装置1は、また、これら各機構部等を総括的に制御する吐出装置制御部(図示省略)を備えている。液滴吐出ヘッド20が、吐出手段に相当する。機能液が液状体に相当する。
供給排出機構部3は、供給リール31と、巻取リール32と、吸着ユニット33と、アイドラローラー37と、アイドラローラー38と、Y軸走査機構42と、を備えている。
Y軸走査機構42は、Y軸ガイドレール42aとY軸スライダー42bと、をそれぞれ1対備えている。吸着ユニット33は、吸着テーブル33aと、テーブル台43と、テーブル昇降機構44と、供給ローラー34と、従動ローラー34aと、媒体送りローラー36と、従動ローラー36aと、を備えている。各リール、及び各ローラーは、それぞれ回動軸まわりに回動可能であり、それぞれの回動軸は互いに略平行である。
フィルム10が送られる方向は、互いに略平行である各リール、及び各ローラーの回動軸の軸方向に略直交する方向である。各リール、及び各ローラーの回動軸の軸方向に平行な方向をX軸方向と表記し、フィルム10の送り方向をY軸方向と表記する。
Y軸走査機構42のY軸ガイドレール42aは、吸着テーブル33aを挟んでX軸方向の両側にそれぞれ1個ずつ配設されており、Y軸方向に延在している。Y軸スライダー42bは、Y軸駆動モーターを介して、Y軸ガイドレール42aに、Y軸方向に摺動自在であって、任意の位置に保持可能に支持されている。
2本のY軸ガイドレール42aのそれぞれに支持されたY軸スライダー42bには、吸着ユニット33のテーブル台43の一端がそれぞれ固定されている。両端がそれぞれY軸スライダー42bに固定されたテーブル台43は、Y軸スライダー42bに支持されて、2本のY軸ガイドレール42aの間に差渡されている。テーブル台43は、Y軸駆動モーターによって、Y軸ガイドレール42aに沿って、Y軸方向に摺動自在であって、Y軸方向における任意の位置に保持可能である。Y軸方向が、所定の方向に相当する。Y軸走査機構42が、副走査手段に相当する。
吸着ユニット33の吸着テーブル33aは、テーブル台43に固定されたテーブル昇降機構44に固定されている。テーブル昇降機構44は、吸着テーブル33aを、テーブル台43に対して、X軸方向及びY軸方向と直交する方向であるZ軸方向に昇降可能であって、吸着テーブル33aの吸着面の位置がZ軸方向の所定の位置である吸着位置、及び吸着位置よりテーブル台43に近い退避位置に保持可能に支持している。吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面のZ軸方向における所定の位置は、後述する供給ローラー34の外周及び媒体送りローラー36の外周に接する面の位置に略一致する位置である。テーブル昇降機構44が離接移動手段に相当する。
供給ローラー34及び従動ローラー34aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、図示省略した支持部材を介してテーブル台43に固定されている。供給ローラー34及び従動ローラー34aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、Y軸方向において吸着テーブル33aを挟んで両側に配設されている。フィルム10は、Y軸方向に略平行に供給され、供給ローラー34及び従動ローラー34aは、フィルム10の供給方向における吸着テーブル33aの上流側に配設されており、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aは、吸着テーブル33aの下流側に配設されている。
テーブル台43は、Y軸走査機構42によってY軸方向に摺動自在であって、Y軸方向における任意の位置に保持可能に支持されている。吸着テーブル33aと、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、Y軸走査機構42によってY軸方向に摺動自在であって、Y軸方向における任意の位置に保持可能である。
供給排出機構部3が備える供給リール31と、アイドラローラー37と、吸着ユニット33と、アイドラローラー38と、巻取リール32とは、この順で配置されている。吸着ユニット33において、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、吸着テーブル33aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとは、この順で配置されている。したがって、供給排出機構部3において、供給リール31と、アイドラローラー37と、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、吸着テーブル33aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと、アイドラローラー38と、巻取リール32とは、Y軸方向に、この順で配置されている。
供給リール31には、帯状のフィルム10が巻かれており、供給モーターによって供給リール31が回動させられることによって、フィルム10が繰り出される。
従動ローラー34aは、外周が供給ローラー34の外周に接しており、付勢装置によって、供給ローラー34に押し付けられている。供給ローラー34は供給モーターによって回動させられ、供給ローラー34に当接している従動ローラー34aは、供給ローラー34に従って回動する。供給リール31から供給されたフィルム10は、供給ローラー34と従動ローラー34aとの間に挟まれて、従動ローラー34aによって供給ローラー34に押し付けられており、供給ローラー34の回動による外周の回動長さに略同等の長さが供給される。
アイドラローラー37は、回動軸が軸方向に交差する方向に揺動可能であり、揺動方向の一方に付勢されている。アイドラローラー37は、フィルム10における、供給リール31と、供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分に、当該付勢力によって、当接している。アイドラローラー37が付勢された状態で当接することで、供給リール31とアイドラローラー37との間、及びアイドラローラー37と供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分が、略弛みなく張られている。これにより、フィルム10は、供給ローラー34と従動ローラー34aとの間に供給されて挟まれる際の状態が略平坦に維持され易くなっている。また、供給ローラー34におけるフィルム10の供給速度と、供給リール31におけるフィルム10の繰り出し速度との差によって、供給リール31と供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分の弛み量が変動する。しかし、弛み量の変動に追従してアイドラローラー37の位置が変わることで、略弛みなく張られた状態が維持される。吸着ユニット33の移動による供給リール31と供給ローラー34及び従動ローラー34aとの間の部分の弛み量の変動についても、同様にして、略弛みなく張られた状態が維持される。
従動ローラー36aは、外周が媒体送りローラー36の外周に接しており、付勢装置によって、媒体送りローラー36に押し付けられている。媒体送りローラー36は媒体送りモーターによって回動させられ、媒体送りローラー36に当接している従動ローラー36aは、媒体送りローラー36に従って回動する。供給ローラー34の回動によって供給されたフィルム10は、媒体送りローラー36と従動ローラー36aとの間に挟まれて、従動ローラー36aによって媒体送りローラー36に押し付けられている。これにより、媒体送りローラー36の回動による外周の回動長さに略同等の長さが供給される。
媒体送りローラー36による送り量は、供給ローラー34による送り量より多く設定されている。媒体送りモーターから媒体送りローラー36への動力伝達機構にはトルク制御機構が組み込まれている。媒体送りローラー36において供給ローラー34より早く送ることができるフィルム10は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間の部分が、トルク制御機構によって制御されたトルクに応じた張力で張られる。
当該張られた部分には、吸着テーブル33aの吸着面が臨んでいる。上述した吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面の位置は、媒体送りローラー36の外周及び供給ローラー34の外周に接する面の位置に略一致している。吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10に略接している。
吸着テーブル33aは、吸着面にフィルム10を吸着する。吸着面は平坦な面であり、フィルム10における吸着面に吸着された部分は平坦な状態に維持される。吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10に略接している。このため、フィルム10が吸着テーブル33aに吸着されることによって、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10の形状が変形させられる可能性は非常に小さい。すなわち、フィルム10の形状が変形させられるような力がフィルム10に加えられたり、フィルム10の形状が変形させられることによってフィルム10に内部応力が発生したりする可能性は小さい。
吸着方法としては、大気吸引装置を設けて負圧によって吸着する方法や、帯電及び除電装置を設けて静電気によって吸着する方法などを用いることができる。
巻取リール32は、巻取モーターによって回動させられる。媒体送りローラー36から送り出されたフィルム10は、回動する巻取リール32に巻き取られる。
アイドラローラー38は、回動軸が軸方向に交差する方向に揺動可能であり、揺動方向の一方に付勢されている。フィルム10における、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと、巻取リール32との間の部分に、アイドラローラー38が付勢された状態で当接することで、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aとアイドラローラー38との間、及びアイドラローラー38と巻取リール32との間の部分が、略弛みなく張られている。これにより、フィルム10は、巻取リール32に巻き取られる際の状態が略平坦に維持され易くなっている。また、媒体送りローラー36におけるフィルム10の送り速度と、巻取リール32におけるフィルム10の巻取り速度との差によって、媒体送りローラー36と巻取リール32との間の部分の弛み量が変動する。しかし、弛み量の変動に追従してアイドラローラー38の位置が変わることで、略弛みなく張られた状態が維持される。吸着ユニット33の移動による媒体送りローラー36と巻取リール32との間の部分の弛み量の変動についても、同様にして、略弛みなく張られた状態が維持される。
このような状態で、フィルム10は、供給リール31から巻取リール32まで送られ、途中の吸着テーブル33aに吸着された部分に印刷が実施される。フィルム10が送られる方向は、互いに略平行である各リール、及び各ローラーの回動軸の軸方向に略直交する方向である。各リール、及び各ローラーの回動軸の軸方向に平行な方向がX軸方向と表記する方向であり、フィルム10の送り方向がY軸方向と表記する方向である。
供給排出機構部3が、供給手段に相当する。フィルム10が、連続媒体に相当する。吸着テーブル33aが保持手段に相当する。
ヘッド機構部2は、ヘッドキャリッジ22と、X軸走査機構11とを備えている。
X軸走査機構11は、X軸ガイドレール11aとX軸スライダー11bと支持柱台11dとを、それぞれ1対備えており、さらにガイドレール支持柱11cを4本備えている。
一対の支持柱台11d,11dは、X軸方向において吸着テーブル33aを挟んで両側にそれぞれ1個ずつ配設されており、上述した一対のY軸ガイドレール42a,42aを間に挟む位置に配設されている。一方のY軸ガイドレール42aと支持柱台11dとの間には、メンテナンス装置部5が配設されている。
2本のガイドレール支持柱11cが、1個の支持柱台11dの上に、支持柱台11dのY軸方向の両端において、それぞれ1本ずつ立設されている。1個のX軸ガイドレール11aは、支持柱台11dの供給リール31の側の端にそれぞれ立設されたガイドレール支持柱11cに差渡されて、吸着テーブル33aの上方で、X軸方向に延在している。もう1個のX軸ガイドレール11aは、支持柱台11dの巻取リール32の側の端にそれぞれ立設されたガイドレール支持柱11cに差渡されて、吸着テーブル33aの上方で、X軸方向に延在している。
X軸スライダー11bは、X軸駆動モーターを介して、X軸ガイドレール11aに、X軸方向に摺動自在であって、任意の位置に保持可能に支持されている。2本のX軸ガイドレール11aのそれぞれに支持されたX軸スライダー11bには、ヘッドキャリッジ22のブリッジプレート27の一端がそれぞれ固定されている。両端がそれぞれX軸スライダー11bに固定されたブリッジプレート27は、X軸スライダー11bに支持されて、2本のX軸ガイドレール11aの間に差渡されている。ブリッジプレート27は、X軸駆動モーターによって、X軸ガイドレール11aに沿って、X軸方向に摺動自在であって、X軸方向における任意の位置に保持可能である。
ヘッドキャリッジ22は、ブリッジプレート27と、サブキャリッジ28と、ヘッドユニット21とを備えている。サブキャリッジ28は、ブリッジプレート27の略中央に懸吊されている。ヘッドユニット21は、サブキャリッジ28の下に固定されている。ヘッドユニット21が備える液滴吐出ヘッド20は、吐出ノズル24(図2参照)が形成されたノズル基板25(図2参照)が吸着テーブル33aの吸着面が臨む状態で保持されている。
Y軸走査機構42によって吸着ユニット33をY軸方向に移動させることによって、吸着ユニット33の吸着テーブル33aを、Y軸方向に走査させることができる。すなわち、フィルム10における吸着テーブル33aに吸着保持された部分を、Y軸方向に走査させることができる。X軸走査機構11によってブリッジプレート27をX軸方向に移動させることによって、ブリッジプレート27に懸吊されたサブキャリッジ28に固定されたヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20を、X軸方向に走査させることができる。
X軸走査機構11によってヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20をX軸方向に走査させ、Y軸走査機構42によってフィルム10における吸着テーブル33aに吸着保持された部分をY軸方向に走査させる。これにより、フィルム10における吸着テーブル33aに吸着保持された部分の略全面に対して、液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24を臨ませることができる。
吸着テーブル33aに吸着保持されたフィルム10の印刷対象部分を、Y軸方向の吐出位置まで移動させて停止させ、ヘッドユニット21のX軸方向の移動に同調させて、印刷用の機能液を液滴として吐出させる。ヘッドユニット21をX軸方向に移動させる主走査と、吸着テーブル33aに吸着保持されたフィルム10をY軸方向に移動させる改行(副走査)とを制御することにより、吸着テーブル33aの吸着面に吸着されたフィルム10上の任意の位置にヘッドユニット21を対向させる。それと共に、ヘッドユニット21の液滴吐出ヘッド20から吐出した機能液の液滴を着弾させることで、所望する印刷などを行うことが可能である。
<液滴吐出ヘッド>
次に、液滴吐出ヘッド20について、図2を参照して説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す図である。図2(a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図であり、図2(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図であり、図2(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図である。図2に示したX軸、Y軸、及びZ軸は、液滴吐出ヘッド20が印刷装置1に装着された状態において、図1に示したX軸、Y軸、及びZ軸と一致している。
図2(a)に示したように、液滴吐出ヘッド20は、ノズル基板25を備えている。ノズル基板25には、多数の吐出ノズル24が略一直線状に並んだノズル列24Aが2列形成されている。吐出ノズル24から機能液を液滴として吐出し、対向する位置にある印刷対象物などに着弾させることで、当該位置に機能液を配置する。ノズル列24Aは、液滴吐出ヘッド20が印刷装置1に装着された状態で、図1に示したY軸方向に延在している。ノズル列24Aにおいて吐出ノズル24は等間隔のノズルピッチで並んでおり、2列のノズル列24A間で、吐出ノズル24の位置がY軸方向に半ノズルピッチずれている。したがって、液滴吐出ヘッド20としては、Y軸方向に半ノズルピッチ間隔で機能液の液滴を配置することができる。
図2(b)及び(c)に示すように、液滴吐出ヘッド20は、ノズル基板25に圧力室プレート51が積層されており、圧力室プレート51に振動板52が積層されている。
圧力室プレート51には、液滴吐出ヘッド20に供給される機能液が常に充填される液たまり55が形成されている。液たまり55は、振動板52と、ノズル基板25と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。機能液は、振動板52の液供給孔53を経由して液たまり55に供給される。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズル基板25と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
圧力室58は吐出ノズル24のそれぞれに対応して設けられており、圧力室58の数と吐出ノズル24の数とは同じである。圧力室58には、2個のヘッド隔壁57の間に位置する供給口56を介して、液たまり55から機能液が供給される。ヘッド隔壁57と圧力室58と吐出ノズル24と供給口56との組は、液たまり55に沿って1列に並んでおり、1列に並んだ吐出ノズル24がノズル列24Aを形成している。図2(b)では図示省略したが、図示した吐出ノズル24を含むノズル列24Aに対して液たまり55に関して略対称位置に、1列に並んで配設された吐出ノズル24がもう1列のノズル列24Aを形成している。当該ノズル列24Aに対応するヘッド隔壁57と圧力室58と供給口56との組が、1列に並んでいる。
振動板52の圧力室58を構成する部分には、それぞれ圧電素子59の一端が固定されている。圧電素子59の他端は、固定板(図示省略)を介して液滴吐出ヘッド20全体を支持する基台(図示省略)に固定されている。
圧電素子59は電極層と圧電材料とを積層した活性部を有し、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図2(b)又は(c)における振動板52の厚さ方向)に縮む。活性部が縮むことで、圧電素子59の一端が固定された振動板52が圧力室58と反対側に引張られる力を受ける。振動板52が圧力室58と反対側に引張られることで、振動板52が圧力室58の反対側に撓む。これにより、圧力室58の容積が増加することから、機能液が液たまり55から供給口56を経て圧力室58に供給される。次に、電極層に印加されていた駆動電圧が解除されると、活性部が元の長さに戻ることで、圧電素子59が振動板52を押圧する。振動板52が押圧されることで、圧力室58側に戻る。これにより、圧力室58の容積が急激に元に戻る、すなわち増加していた容積が減少することから、圧力室58内に充填されていた機能液に圧力が加わり、当該圧力室58に連通して形成された吐出ノズル24から機能液が液滴となって吐出される。
<ヘッドユニット>
次に、ヘッド機構部2が備えるヘッドユニット21の概略構成について、図3を参照して説明する。図3は、ヘッドユニットの概略構成を示す平面図である。図3に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が印刷装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。
図3に示したように、ヘッドユニット21は、ユニットプレート23と、ユニットプレート23に搭載された9個の液滴吐出ヘッド20と、を有している。液滴吐出ヘッド20は、図示省略したヘッド保持部材を介してユニットプレート23に固定されている。固定された液滴吐出ヘッド20は、ヘッド本体がユニットプレート23に形成された孔(図示省略)に遊嵌して、ノズル基板25が、ユニットプレート23の面より突出した位置に位置している。図3は、ノズル基板25の側から見た図である。9個の液滴吐出ヘッド20は、Y軸方向に分かれて、それぞれ3個ずつの液滴吐出ヘッド20を有するヘッド組20Aを3群、形成している。それぞれの液滴吐出ヘッド20のノズル列24Aは、ヘッドユニット21が印刷装置1に取り付けられた状態において、Y軸方向に延在している。
一つのヘッド組20Aが有する3個の液滴吐出ヘッド20は、Y軸方向において、互いに隣り合う液滴吐出ヘッド20の、一方の液滴吐出ヘッド20の端の吐出ノズル24に対して、もう一方の液滴吐出ヘッド20の端の吐出ノズル24が半ノズルピッチずれて位置する位置に、配設されている。ヘッド組20Aが有する3個の液滴吐出ヘッド20において、全ての吐出ノズル24のX軸方向の位置を同じにすると、吐出ノズル24は、Y軸方向に半ノズルピッチの等間隔で並ぶ。すなわち、X軸方向の同じ位置において、それぞれの液滴吐出ヘッド20が有するそれぞれのノズル列24Aを構成する吐出ノズル24から吐出された液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線上に着弾する。一つのヘッド組20Aが備える3個の液滴吐出ヘッド20が有する6列のノズル列24Aは、1本のノズル列として扱うこともできる。当該ノズル列は、例えば180個の6倍、1080個の吐出ノズル24を有し、Y軸方向におけるノズルピッチは、70μmであり、Y軸方向の両端の吐出ノズル24の中心間距離(ノズル列長さ)は、約75.5mmである。液滴吐出ヘッド20は、Y軸方向において互いに重なるため、X軸方向に階段状に並んでヘッド組20Aを構成している。
ヘッドユニット21が有する3つのヘッド組20Aは、それぞれが有する1本のノズル列とみなせるノズル列が、Y軸方向において、ノズル列24Aの半ノズルピッチずれて位置する位置に、配設されている。言い換えると、それぞれのヘッドユニット21は、互いに隣り合うヘッド組20Aを構成する液滴吐出ヘッド20の、一方のヘッド組20Aにおける液滴吐出ヘッド20の端の吐出ノズル24に対して、もう一方のヘッド組20Aにおける液滴吐出ヘッド20の端の吐出ノズル24が、Y軸方向において、半ノズルピッチずれた位置に、配設されている。
一つのヘッドユニット21が備える3つのヘッド組20Aにおける9個の液滴吐出ヘッド20が有する18列のノズル列24Aは、1本のノズル列として扱うこともできる。当該ノズル列を「ユニットノズル列240A」と表記する。ユニットノズル列240Aは、例えば180個の18倍、3240個の吐出ノズル24を有し、Y軸方向におけるノズルピッチは、70μmであり、Y軸方向の両端の吐出ノズル24の中心間距離(ノズル列長さ)は、約226.7mmである。即ち、一つのヘッドユニット21の吐出ノズル24から一滴ずつ吐出させて、X軸方向が同じ位置になるように着弾させると、3240個の点が70μmのピッチ間隔で連なる直線が形成される。
<印刷工程>
次に、印刷装置1によってフィルム10に印刷する印刷工程について、図4、図5、及び図6を参照して説明する。図4は、印刷工程を示すフローチャートである。図5及び図6は、印刷工程における、ヘッドユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図である。図5及び図6に示したX軸、Y軸、及びZ軸は、図1に示したX軸、Y軸、及びZ軸と一致している。
図4のステップS1では、テーブル昇降機構44によって、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、退避位置に移動(降下)させる。図5(a)に示した吸着テーブル33aは、退避位置に位置している。上述したように、退避位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10から離れている。
次に、図4のステップS2では、フィルム10をY軸方向に移動させて、図5(a)に示したように、フィルム10の被印刷領域101を、吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置に位置させる。フィルム10のY軸方向の移動は、上述した供給ローラー34及び媒体送りローラー36を回動させて実施する。被印刷領域101は、フィルム10において、フィルム10が吸着テーブル33aに吸着された状態を解除することなく印刷を実施することが可能な範囲の領域である。
次に、図4のステップS3では、テーブル昇降機構44によって、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、吸着位置に移動(上昇)させる。図5(b)に示した吸着テーブル33aは、吸着位置に位置している。上述したように、Z軸方向において吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10に略接している。
次に、図4のステップS4では、吸着テーブル33aによって、フィルム10を吸着する。フィルム10における吸着テーブル33aと重なる部分の略全面が、吸着テーブル33aに吸着される。図5(b)に示すように、吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置にはフィルム10の被印刷領域101が位置しており、当該被印刷領域101が吸着面に倣う状態で吸着される。
次に、図4のステップS5では、Y軸走査機構42によって、吸着テーブル33aをY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101を印刷開始位置に移動させる。図5(c)及び図5(d)に示した被印刷領域101は、印刷開始位置に位置している。印刷開始位置は、ヘッドユニット21に対する被印刷領域101のY軸方向の位置が、ヘッドユニット21をX軸方向に走査させると共に液滴吐出ヘッド20から機能液を吐出させる印刷走査を開始できる位置である。図5(c)及び図5(d)に示した印刷開始位置は、例えば、被印刷領域101に、フィルム10の送り方向における最も下流側(巻取リール32側)から順次印刷走査を実施して印刷する場合における印刷開始位置である。
次に、図4のステップS6では、印刷走査を実施する。図5(d)に示したヘッドユニット21aの位置に位置したヘッドユニット21を、X軸走査機構11によってX軸方向(主走査方向)に走査させると共に、吐出ノズル24から印刷形状に対応した位置に向けて機能液の液滴を吐出することで、第一印刷行121に印刷する。第一印刷行121は、Y軸方向の幅がヘッドユニット21のユニットノズル列240Aによって印刷可能な幅であって、被印刷領域101における、フィルム10の進行方向の最も下流側に位置する領域である。第一印刷行121への印刷走査を実施したヘッドユニット21は、図5(d)に示したヘッドユニット21bの位置に位置している。
次に、図4のステップS7では、フィルム10の現在印刷を実施している被印刷領域101への印刷が完了したか否かを判定する。被印刷領域101への印刷が完了していなかった(ステップS7でNO)場合には、ステップS8に進む。被印刷領域101への印刷が完了していた(ステップS7でYES)場合には、ステップS9に進む。
ステップS7の次に、ステップS8では、改行(副走査)を実施する。改行は、Y軸走査機構42によって、被印刷領域101を吸着した吸着テーブル33aをY軸方向に移動させることによって実施する。改行幅は、例えばユニットノズル列240Aによって印刷可能な幅である。当該改行幅の改行を実施することで、図6(e)に示したように、被印刷領域101は、第一印刷行121に隣接する第二印刷行122に、ヘッドユニット21のユニットノズル列240Aによって印刷可能な位置に位置している。
ステップS8の次には、ステップS6に進み、ステップS6及びステップS7を繰り返す。ステップS8の改行を実施して、被印刷領域101がユニットノズル列240Aによって第二印刷行122に印刷可能な位置に位置した次に実施するステップS6では、図6(e)に示したように、ヘッドユニット21bの位置に位置したヘッドユニット21を、X軸走査機構11によってX軸方向に走査させる印刷走査を実施する。第二印刷行122への印刷走査を実施したヘッドユニット21は、図6(e)に示したヘッドユニット21cの位置に位置している。ヘッドユニット21cの位置は、図5(d)に示したヘッドユニット21aの位置と略同じである。
ステップS8、ステップS6、及びステップS7を繰り返して実施することで、第一印刷行121及び第二印刷行122に続けて、第三印刷行123及び第四印刷行124に印刷して、図6(f)に示したように、被印刷領域101の全面への印刷が完了する。
ステップS7の次に、ステップS9では、フィルム10の印刷対象領域への印刷が完了したか否かを判定する。フィルム10の印刷対象領域への印刷が完了していなかった(ステップS9でNO)場合には、ステップS1に戻り、ステップS1からステップS9を繰り返す。
ステップS1からステップS9を実施して1個所の被印刷領域101に対する印刷を完了した次も、ステップS1から各ステップを実施する。当該ステップS1の次に実施するステップS2では、図6(f)に示した印刷が完了した被印刷領域101に隣接する被印刷領域101である被印刷領域101aを、図6(g)に示した被印刷領域101aのように、吸着テーブル33aに臨む位置に移動させる。
当該ステップS2の次に実施するステップS3の次に実施するステップS4では、吸着テーブル33aによって、フィルム10の被印刷領域101aを吸着する。
当該ステップS4の次に実施するステップS5では、図6(h)に示した被印刷領域101aのように、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101aを印刷開始位置に移動させる。
次に、図4のステップS9において、フィルム10の印刷対象領域への印刷が完了していた(ステップS9でYES)場合には、印刷装置1によってフィルム10に印刷する印刷工程を終了する。
<印刷工程2>
次に、印刷装置1によって、フィルム10に印刷する印刷工程の他の例について、図7、図8、及び図9を参照して説明する。図7は、印刷工程を示すフローチャートである。図8及び図9は、印刷工程における、ヘッドユニットの位置に対するフィルムの被印刷領域の位置及び吸着テーブルの位置を示す説明図である。図8及び図9に示したX軸、Y軸、及びZ軸は、図1に示したX軸、Y軸、及びZ軸と一致している。
図7のステップS21では、テーブル昇降機構44によって、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、退避位置に移動(降下)させる。図8(a)に示した吸着テーブル33aは、退避位置に位置している。上述したように、退避位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10から離れている。
次に、図7のステップS22では、Y軸走査機構42によって、吸着ユニット33をY軸方向に移動させて、図8(b)に示したように、吸着テーブル33aの吸着面を、フィルム10の被印刷領域101に臨む位置に位置させる。
このとき、吸着ユニット33の移動に同期させて、供給ローラー34及び媒体送りローラー36を回動させることで、吸着ユニット33の移動方向と反対側に、吸着ユニット33に対してフィルム10を相対移動させる。供給ローラー34及び媒体送りローラー36は、Y軸走査機構42によって移動されながら、同じ速度で移動方向と反対側にフィルム10を送るため、供給ローラー34及び媒体送りローラー36がフィルム10を伝って移動している状態となる。これにより、移動速度の誤差を無視すると、吸着ユニット33はY軸方向に移動するが、フィルム10のY軸方向の位置は移動しない。また、フィルム10にはY軸方向の力は作用しない。
上述したように、被印刷領域101は、フィルム10において、フィルム10が吸着テーブル33aに吸着された状態を解除することなく印刷を実施することが可能な範囲の領域である。供給ローラー34と従動ローラー34a、及び媒体送りローラー36と従動ローラー36aが、被印刷領域位置維持手段に相当する。
次に、図7のステップS23では、テーブル昇降機構44によって、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、吸着位置に移動(上昇)させる。図8(c)に示した吸着テーブル33aは、吸着位置に位置している。上述したように、Z軸方向において吸着位置に位置する吸着テーブル33aの吸着面は、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間に張られたフィルム10に略接している。
次に、図7のステップS24では、吸着テーブル33aによって、フィルム10を吸着する。フィルム10における吸着テーブル33aと重なる部分の略全面が、吸着テーブル33aに吸着される。図8(c)に示すように、吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置にはフィルム10の被印刷領域101が位置しており、当該被印刷領域101が吸着面に倣う状態で吸着される。
次に、図7のステップS25では、Y軸走査機構42によって、吸着テーブル33aをY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101を印刷開始位置に移動させる。図8(c)及び図8(d)に示した被印刷領域101は、印刷開始位置に位置している。図8(b)及び図8(c)に示したように、この場合の被印刷領域101は、吸着テーブル33aを被印刷領域101に臨む位置に移動させる際にはすでに印刷開始位置に位置している。このような場合には、被印刷領域101の印刷開始位置への移動を改めて実施することは不要である。
印刷開始位置は、上述した印刷開始位置と同様に、ヘッドユニット21に対する被印刷領域101のY軸方向の位置が、ヘッドユニット21をX軸方向に走査させると共に液滴吐出ヘッド20から機能液を吐出させる印刷走査を開始できる位置である。図8(c)及び図8(d)に示した印刷開始位置は、例えば、被印刷領域101に、フィルム10の送り方向における最も下流側(巻取リール32側)から順次印刷走査を実施して印刷する場合における印刷開始位置である。
次に、図7のステップS26では、印刷走査を実施する。図8(d)に示したヘッドユニット21aの位置に位置したヘッドユニット21を、X軸走査機構11によってX軸方向(主走査方向)に走査させると共に、吐出ノズル24から印刷形状に対応した位置に向けて機能液の液滴を吐出することで、第一印刷行121に印刷する。第一印刷行121は、上述した第一印刷行121と同様の領域である。第一印刷行121への印刷走査を実施したヘッドユニット21は、図8(d)に示したヘッドユニット21bの位置に位置している。
次に、図7のステップS27では、フィルム10の現在印刷を実施している被印刷領域101への印刷が完了したか否かを判定する。被印刷領域101への印刷が完了していなかった(ステップS27でNO)場合には、ステップS28に進む。被印刷領域101への印刷が完了していた(ステップS7でYES)場合には、ステップS29に進む。
ステップS27の次に、ステップS28では、改行を実施する。改行は、Y軸走査機構42によって、被印刷領域101を吸着した吸着テーブル33aをY軸方向に移動させることによって実施する。改行幅は、例えばユニットノズル列240Aによって印刷可能な幅である。当該改行幅の改行を実施することで、図9(e)に示したように、被印刷領域101は、第一印刷行121に隣接する第二印刷行122に、ヘッドユニット21のユニットノズル列240Aによって印刷可能な位置に位置している。
ステップS28の次には、ステップS26に進み、ステップS26及びステップS27を繰り返す。ステップS28の改行を実施して、被印刷領域101がユニットノズル列240Aによって第二印刷行122に印刷可能な位置に位置する。その次に実施するステップS26では、図9(e)に示したように、ヘッドユニット21bの位置に位置したヘッドユニット21を、X軸走査機構11によってX軸方向に走査させる印刷走査を実施する。第二印刷行122への印刷走査を実施したヘッドユニット21は、図9(e)に示したヘッドユニット21cの位置に位置している。ヘッドユニット21cの位置は、図8(d)に示したヘッドユニット21aの位置と略同じである。
ステップS28、ステップS26、及びステップS27を繰り返して実施することで、第一印刷行121及び第二印刷行122に続けて、第三印刷行123及び第四印刷行124に印刷して、図9(f)に示したように、被印刷領域101の全面への印刷が完了する。
ステップS27の次に、ステップS29では、フィルム10の印刷対象領域への印刷が完了したか否かを判定する。フィルム10の印刷対象領域への印刷が完了していなかった(ステップS9でNO)場合には、ステップS21に戻り、ステップS21からステップS29を繰り返す。
ステップS21からステップS29を実施して1個所の被印刷領域101に対する印刷を完了した次も、ステップS21に戻り、ステップS21から各ステップを実施する。当該ステップS21の次に実施するステップS22では、Y軸走査機構42によって、吸着ユニット33をY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aの吸着面を、図9(g)に示した吸着テーブル33aのように、被印刷領域101aに臨む位置に移動させる。被印刷領域101aは、図9(f)に示した印刷が完了した被印刷領域101に隣接する被印刷領域101aであって、次に印刷を実施する対象の被印刷領域101としての被印刷領域101aである。
当該ステップS22の次に実施するステップS23の次に実施するステップS24では、吸着テーブル33aによって、フィルム10の被印刷領域101aを吸着する。
当該ステップS24の次に実施するステップS25では、図9(h)に示した被印刷領域101aのように、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101aを印刷開始位置に移動させる。
なお、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101aを印刷開始位置に移動させるステップS25に代えて、ステップS29の次にステップS21を実施する前に、ステップS28の改行を実施してもよい。被印刷領域101への印刷が終了した際の被印刷領域101及び被印刷領域101aの位置は、被印刷領域101と被印刷領域101aの境界が、ヘッドユニット21による印刷範囲における、フィルム10の供給方向の上流側の端に位置している。このため、当該位置から改行を一回実施することで、被印刷領域101aを印刷開始位置に位置させることができる。
次に、図7のステップS29において、フィルム10の印刷対象領域への印刷が完了していた(ステップS29でYES)場合には、印刷装置1によってフィルム10に印刷する印刷工程を終了する。
以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)フィルム10の被印刷領域101に印刷を実施する際には、被印刷領域101は、全面が吸着テーブル33aに吸着されている。これにより、フィルム10の被印刷領域101を平坦に維持して、被印刷領域101に皺ができるなどの平坦な状態が維持されないことに起因して、印刷形状精度や印刷位置精度などが損なわれることを抑制することができる。
(2)フィルム10への印刷は、吸着テーブル33aによって、被印刷領域101を吸着して実施し、改行は、Y軸走査機構42によって、被印刷領域101を吸着した吸着テーブル33aをY軸方向に移動させることによって実施する。これにより、改行に際しても被印刷領域101を吸着した状態が維持されるため、改行することに起因して被印刷領域101が変形することを抑制することができる。改行するための力は直接フィルム10に加えられることはないため、改行するための力によって被印刷領域101が変形することを実質的になくすることができる。
(3)吸着テーブル33aによってフィルム10を吸着する際は、吸着テーブル33aの吸着面のZ軸方向における位置は、供給ローラー34の外周及び媒体送りローラー36の外周に接する面の位置に略一致する位置である。これにより、吸着テーブル33aによってフィルム10を吸着している状態でも吸着していない状態でも、フィルム10の位置は略一定である。このため、吸着テーブル33aによってフィルム10を吸着することによって、フィルム10に、フィルム10を変形させるような力を加えることを抑制することができる。
(4)供給ローラー34及び媒体送りローラー36によってフィルム10をY軸方向に移動させて、被印刷領域101を吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置に位置させる前に、テーブル昇降機構44によって、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、退避位置に移動(降下)させる。これにより、フィルム10をY軸方向に移動させる際にフィルム10が吸着テーブル33aの吸着面と擦れることを実質的になくすることができる。擦れることによって、フィルム10が抗力を受けて変形したり、フィルム10に擦れ傷が発生したりすることを実質的になくすることができる。
(5)被印刷領域101を印刷開始位置に移動させる際は、Y軸走査機構42によって、吸着テーブル33aをY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101を印刷開始位置に移動させる。被印刷領域101は吸着テーブル33aに吸着された状態が維持されるため、被印刷領域101を印刷開始位置に位置させるために移動させられることに起因して被印刷領域101が変形することを抑制することができる。移動させるための力は直接フィルム10に加えられることはないため、移動させるための力によって被印刷領域101が変形することを実質的になくすることができる。
(6)印刷工程2で説明した例では、Y軸走査機構42によって、吸着ユニット33をY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aの吸着面を、被印刷領域101に臨む位置に位置させる。被印刷領域101を移動させて吸着テーブル33aに臨ませる場合には、移動させるための力をフィルム10に加える必要がある。しかし、吸着ユニット33を移動させることで、当該力を直接フィルム10に加えることなく、被印刷領域101を吸着テーブル33aに臨ませることができる。
(7)印刷工程2で説明した例では、Y軸走査機構42によって、吸着ユニット33をY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aの吸着面を、フィルム10の被印刷領域101に臨む位置に位置させる。このとき、吸着ユニット33の移動に同期させて、供給ローラー34及び媒体送りローラー36を回動させることで、吸着ユニット33の移動方向と反対側に、吸着ユニット33に対してフィルム10を相対移動させる。これにより、フィルム10のY軸方向の位置を移動させることなく吸着ユニット33をY軸方向に移動することができる。すなわち、フィルム10の印刷装置1に対する相対位置を略移動することなく、被印刷領域101を吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置に位置させることができる。
(8)ステップS5及びステップS25においては、Y軸走査機構42によって、吸着テーブル33aをY軸方向に移動させて、吸着テーブル33aに吸着された被印刷領域101を印刷開始位置に移動させている。これにより、被印刷領域101を移動させるための力を被印刷領域101に直接作用させることを不要にすることができる。被印刷領域101を移動させるための力を被印刷領域101に直接作用させることで、当該力によって、被印刷領域101が変形させられる可能性を実質的になくすることができる。
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
(変形例1)前記実施形態においては、被印刷領域101を吸着テーブル33aによって吸着した状態でも、媒体送りローラー36と従動ローラー36aとの関係は、ステップS2で、供給ローラー34及び媒体送りローラー36を回動させてフィルム10をY軸方向に移動させた際の状態を維持していた。すなわち、供給ローラー34と媒体送りローラー36との間でフィルム10を張った状態を維持する力をフィルム10に加えていた。被印刷領域101が吸着テーブル33aによって吸着された状態では、被印刷領域101は平坦に維持されており、張力を加えて張ることは不要である。被印刷領域101を吸着テーブル33aによって吸着した後で、張力を解除又は小さくする工程を実施してもよい。張力を解除又は小さくすることで、当該張り力に起因してフィルム10が変形する可能性を低減することができる。張力を解除又は小さくする工程は、例えば、従動ローラー36aの付勢装置を制御して、付勢装置による媒体送りローラー36に対する従動ローラー36aの押し付け力を制御することで実施する。この場合の付勢装置を制御する制御装置、例えば、印刷装置1の制御装置が、張力制御手段に相当する。媒体送りローラー36と従動ローラー36aとが、張力ローラーに相当する。供給ローラー34と従動ローラー34aとが、供給ローラーに相当する。
(変形例2)前記実施形態においては、印刷装置1は、離接移動手段としてのテーブル昇降機構44を備えていた。供給ローラー34及び媒体送りローラー36によってフィルム10をY軸方向に移動させて被印刷領域101を吸着テーブル33aの吸着面に臨む位置に位置させる前に、当該テーブル昇降機構44によって、吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、退避位置に移動(降下)させていた。しかし、印刷装置が離接移動手段を備えることは必須ではない。保持手段と連続媒体との供給方向への相対移動に際して、連続媒体への影響を抑制することが不要であれば、印刷装置は離接移動手段を備えなくてもよいし、印刷工程において乖離工程を実施しなくてもよい。
(変形例3)前記実施形態においては、印刷装置1は、離接移動手段としてのテーブル昇降機構44によって、保持手段としての吸着テーブル33aをZ軸方向に移動させて、吸着テーブル33aをフィルム10に対して退避位置に移動(降下)させていた。しかし、離接移動手段が保持手段を連続媒体に対して移動させる手段であることは必須ではない。離接移動手段は、連続媒体を保持手段に対して離接方向に移動する装置であってもよい。例えば、供給ローラー34及び従動ローラー34aと、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aと、の両方又はいずれか一方を吸着テーブル33aに対してZ軸方向に移動させる装置であってもよい。この場合、当該Z軸方向に移動させる装置が、離接移動手段に相当する。
また、吸着テーブル33aの吸着用の孔から圧空を噴出させることによって、吸着テーブル33aに対してフィルム10を浮かせるような構成であってもよい。この場合、吸着テーブル33aの吸着用の孔や圧空を送る装置が、離接移動手段に相当する。
(変形例4)前記実施形態においては、印刷装置1はヘッドユニット21を1個備えていたが、印刷装置が備えるヘッドユニットが1個であることは必須ではない。印刷装置が備えるヘッドユニットは、いくつであってもよい。
(変形例5)前記実施形態においては、ヘッドユニット21は液滴吐出ヘッド20を9個備えていたが、ヘッドユニットが備える吐出ヘッドが9個であることは必須ではない。ヘッドユニットが備える吐出ヘッドは、いくつであってもよい。ヘッドユニットが備える吐出ヘッドは、複数であってもよいし、1個であってもよい。
(変形例6)前記実施形態においては、印刷装置1は、張力ローラーに相当する媒体送りローラー36及び従動ローラー36aを備え、フィルム10における吸着テーブル33aに臨む部分を略平坦に維持していた。しかし、連続媒体における保持手段に臨む部分の状態を略平坦に維持するための張力ローラーが、媒体送りローラー36及び従動ローラー36aのような装置であることは必須ではない。例えば、巻取リール32によって供給ローラー34との間にフィルム10における適切な長さを保持し、アイドラローラー38によって適切な張力をフィルム10の当該保持された部分に付与する構成であってもよい。
(変形例7)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド20は、多数の吐出ノズル24が略一直線状に並んだノズル列24Aを2列備えていたが、吐出ヘッドが備えるノズル列は何列であってもよい。また、液滴吐出ヘッド20が備える吐出ノズル24は、ノズル列24Aの延在方向において互いの位置がずれていたが、吐出ヘッドは、ノズル列の延在方向において、略同一位置に位置する吐出ノズルを複数備える構成であってもよい。
(変形例8)前記実施形態においては、印刷装置1の供給排出機構部3は、巻取リール32を備えており、印刷済みのフィルム10は巻取リール32に巻き取られていた。しかし、印刷装置が巻取リールを備えることも、連続媒体の印刷済みの部分を巻き取ることも、必須ではない。例えば、切断装置を設け、印刷済みの部分を所定の長さに切断する、印刷装置の構成、及び印刷方法であってもよい。あるいは、型抜き装置を設け、印刷済みの連続媒体から製品部分のみを型抜きし、製品以外の部分を切断したり巻き取ったりする、印刷装置の構成、及び印刷方法であってもよい。
(変形例9)前記実施形態においては、印刷装置1のヘッド機構部2は、ヘッドキャリッジ22と、X軸走査機構11とを備えていた。当該X軸走査機構11によってヘッドキャリッジ22をX軸方向に走査させ、ヘッドキャリッジ22が備える液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24から機能液を吐出させて、フィルム10に印刷していた。しかし、印刷装置が吐出ノズルを連続媒体に対して主走査方向に相対移動させる装置を備えることは必須ではない。印刷装置は、連続媒体の幅方向の略全体に亘って液滴を吐出可能に吐出ノズルが配設された、いわゆるラインヘッドを備える構成であってもよい。印刷装置がラインヘッドを備える場合、ラインヘッドから印刷画像に規定された位置に液滴を吐出する工程が、印刷走査工程に相当する。
(変形例10)前記実施形態においては、機能液の種類については特に記載しなかったが、印刷装置においては、色が異なるなど種類の異なる機能液を吐出してもよい。色が異なる複数種類の機能液を吐出することでカラー印刷も可能である。機能液の種類は、複数のヘッドユニットを備えてヘッドユニットごとに異ならせてもよいし、ヘッド組ごとに異ならせてもよいし、液滴吐出ヘッドごとに異ならせてもよいし、ノズル列ごとに異ならせてもよい。吐出ノズルごとに機能液を個別に供給できる液滴吐出ヘッドを用いて、吐出ノズルごとに異なる機能液を吐出してもよい。なお、カラー印刷を実施するためには、同じ着弾位置に、複数の、例えば色が異なる機能液を着弾させることができる構成のヘッドユニット又は液滴吐出ヘッドを用いたり、走査方法を用いたりすることが好ましい。
1…印刷装置、2…ヘッド機構部、3…供給排出機構部、10…フィルム、11…X軸走査機構、11a…X軸ガイドレール、11b…X軸スライダー、20…液滴吐出ヘッド、20A…ヘッド組、21…ヘッドユニット、21a…ヘッドユニット、21b…ヘッドユニット、21c…ヘッドユニット、24…吐出ノズル、24A…ノズル列、27…ブリッジプレート、28…サブキャリッジ、31…供給リール、32…巻取リール、33…吸着ユニット、33a…吸着テーブル、34…供給ローラー、34a…従動ローラー、36…媒体送りローラー、36a…従動ローラー、37,38…アイドラローラー、42…Y軸走査機構、42a…Y軸ガイドレール、42b…Y軸スライダー、43…テーブル台、44…テーブル昇降機構、101,101a…被印刷領域、121…第一印刷行、122…第二印刷行、123…第三印刷行、124…第四印刷行、240A…ユニットノズル列。

Claims (5)

  1. 連続媒体における被印刷領域を、前記連続媒体の被印刷面の反対側の裏面において、保持手段によって吸着保持し、前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて液状体を吐出する吐出手段を用いて前記連続媒体に印刷する印刷方法であって、
    前記保持手段と前記被印刷領域とを、所定の方向に相対移動させて、前記被印刷領域を前記保持手段によって吸着可能な位置に位置させる供給工程と、
    前記被印刷領域の前記裏面を前記保持手段によって吸着する吸着工程と、
    前記被印刷領域を前記所定の方向に移動させて印刷位置に位置させる印刷領域セット工程と、
    前記連続媒体の前記保持手段に吸着保持された部分における前記連続媒体の面方向に略平行であって、前記所定の方向に交差する方向に、前記吐出手段を走査させると共に、前記吐出手段から前記被印刷領域の前記被印刷面に向けて前記液状体を吐出する印刷走査工程と、前記所定の方向に、前記吐出手段と前記被印刷領域とを相対移動させる改行工程と、を有する印刷工程と、を有し、
    前記改行工程では、前記保持手段を前記所定の方向に移動させることによって前記被印刷領域と前記吐出手段とを相対移動させ、
    前記供給工程は、前記保持手段と前記被印刷領域とを前記所定の方向に相対移動させる前に前記保持手段を前記連続媒体から乖離させる乖離工程と、前記保持手段が前記被印刷領域の裏面に臨んだ状態で前記保持手段を前記被印刷領域の裏面に接触させる接触工程とを有することを特徴とする印刷方法。
  2. 前記供給工程では、前記連続媒体を略平坦に維持する張力を前記連続媒体に付与しながら前記連続媒体を前記所定の方向に移動し、前記吸着工程は、前記保持手段によって前記連続媒体を吸着した後、前記張力を解除又は小さくする張力解除工程をさらに有することを特徴とする、請求項に記載の印刷方法。
  3. 前記供給工程では、前記保持手段を前記所定の方向に移動させることによって、前記保持手段が前記被印刷領域を吸着できる位置に、前記保持手段を位置させることを特徴とする、請求項記載の印刷方法。
  4. 前記供給工程では、前記保持手段を前記所定の方向に移動させる際に、前記被印刷領域の前記所定の方向における位置を略一定の位置に維持することを特徴とする、請求項に記載の印刷方法。
  5. 前記印刷領域セット工程では、前記被印刷領域を吸着保持した前記保持手段を前記所定の方向に移動させることによって、前記被印刷領域を前記所定の方向に移動させることを特徴とする、請求項乃至のいずれか一項に記載の印刷方法。
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