JP5700153B1 - ヒートセット型オフセットインキ組成物 - Google Patents

ヒートセット型オフセットインキ組成物

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Abstract

【課題】印刷品質の向上と印刷作業性の向上、および耐摩擦性、光沢、着肉性に優れ、パイリングを低減でき、更には、環境負荷の低減に貢献できる平版印刷用インキの提供。【解決手段】示差走査熱量計で測定した結晶融点ピークが76〜85℃にありその半値幅が8℃以下であるライスワックスを0.5〜2重量%と、顔料、バインダー樹脂、石油系溶剤および植物油類を含有する平版印刷用インク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、書籍、チラシ、カタログ、ポスター等を印刷する平版印刷に使用されるヒートセット型平版印刷インキ組成物(以下、「インキ」と略す。)に関するものであり、特に、印刷品質の向上と印刷作業性の向上に関するものであり、さらには、耐摩擦性、光沢、着肉性に優れ、パイリングを低減できるインキに関するものである。
近年、ヒートセット型平版印刷では生産性向上を目的として印刷速度が益々高速化し、古紙の再利用率の向上、輸入紙の増加等印刷用紙が多様化しており、印刷機上並びに印刷後の擦れの低減が求められている。
オフセット印刷では、インキがインキ壷から複数のローラーを経由して版面に供給され、版面からブランケットを介して用紙に転移し、画像が再現される。オフセット輪転印刷の場合、ドライヤーを通過する際、180〜230℃位の熱風を受けて溶剤が蒸発する事により乾燥し、ガイドローラー、ターンバー、三角板等を経て、折り機にて折られ、結束される事が一般的であるが、ドライヤー通過後の複数のローラーを経由する間に、紙面が擦れる不具合が発生する事がある。特に近年、再生紙の活用率が向上するに伴い、紙面強度が弱い用紙が増加し、擦れが以前よりも発生し易くなっている状況がある。擦れを低減する対策としては、インキ中にワックスを適量配合する事が一般的であり、紙面上のインキ皮膜の厚みを超過する粒子径のワックスが、擦れを低減する作用を有する。
そのような耐摩擦性の問題を解決する方法として、特許文献1では溶融型ワックス、分散型ワックスの複数種のワックスを添加することで、印刷機上、印刷後の耐摩擦性を付与している。その一つであるマイクロクリスタリンはドライヤー通過後のクーリングローラーへの付着やガイドロール残りを抑制する。
同様に特許文献2には融点が70〜85℃のイソパラフィンおよびまたはシクロパラフィンを用いたワックスの添加について示されているが、これらはクーリングローラーへのインキの付着、およびガイド残りを抑制する効果を示すものである。
このようなパラフィン系炭化水素系のワックスは、非常に安価に供給されるため、インキにとどまらず、様々な品種で用いられているが、パラフィン系炭化水素系のワックスは、原油中から目的とする画分を蒸留などの操作で取り出すため、幅広い融点を有する成分から構成され、必要としない成分も含有される。
中でも先述したようにインキで一般的に用いられているパラフィンワックスは、原油を減圧蒸留々出油から分離され、炭素数20〜40、分子量は約300〜550、約90%がノルマルパラフィンとなっている。このため、パラフィンワックスは混合物となっており、主たる融点を有する炭素数36の炭化水素化合物の他、炭素数が5〜10異なる夾雑物を含むのが一般的である。このため、原油から精製されたパラフィン系ワックスは不純物や夾雑物が含有され、耐摩擦性の効果に寄与しない成分が多く含まれるので、必要以上に添加しなければ効果を発現せず、また、多く添加する事によって光沢低下やブランケット上へのパイリングの恐れが高まる。
一方で、現在、環境負荷低減を目的として、印刷インキにおいても脱石化素材の採用並びにVOC成分の低減の取り組みがなされている。輸送マイレージを考慮すれば、原油を原料とするパラフィン系炭化水素は、CO2排出抑制の観点では、負荷が非常に大きい事になる。
即ち、原料や製品などの生産・製造地と消費地との距離を短縮することでCO2排出量を削減していくという輸送マイレージの観点では、インキ製造地から近いところでインキの原料を調達することが好ましい。
特許公開2007−254629 特許公開2003−221536
本発明は、このような従来の技術における問題点を解決する為になされたものであり、その課題とするところは、特に、印刷品質の向上と印刷作業性の向上、および耐摩擦性、光沢、着肉性に優れ、パイリングを低減できるインキに関するものである。さらに、CO2排出量という観点から環境負荷の低減に貢献するインキに関するものである。
顔料、バインダー樹脂、ワックス、石油系溶剤および植物油を含有する平版印刷インキ組成物において、ある一定範囲の融点を有するライスワックスを一定量含有し、耐摩擦性、光沢、着肉性に優れ、パイリングを低減できる事を特徴とするヒートセット型平版印刷インキ組成物を発明するに至った。
すなわち、本発明は、ライスワックスと、バインダー樹脂と、植物油類とを含有することを特徴とする平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、上記ライスワックスが、示差走査熱量計で測定した際の結晶融点ピークが78〜80℃にあり、
且つ、その半値幅が8℃以下であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、平版印刷インキ組成物全量中、ライスワックスを0.5〜2重量%含有することを特徴とする上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、上記平版印刷インキを、基材に印刷してなる印刷物に関する。
従来は、高速印刷条件下で印刷機のクーリングローラーへのインキの付着やガイド残り低減するために溶融系の炭化水素ワックスを添加するのが一般的であったが、夾雑物が多く、さらには原料となる原油は輸送マイレージが大きく、環境負荷へ非常に大きいものであった。
本発明によって、光沢や着肉性を損なうことなく、印刷物の耐摩擦性を向上させ、パイリングの発生を低減させることで印刷作業性の向上させることのできる高速印刷に適したインキを提供することが可能となった。さらには、米ぬかを原料としたライスワックスを用いることで、地産地消を推進し、輸送マイレージを縮小し、環境負荷の低減を図ることができるものである。
本発明で使用されるバインダー樹脂とはロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂および石油樹脂等であり、それらは任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用でき、好ましくは、ロジン変性フェノール樹脂を使用することが望ましい。
バインダー樹脂であるロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量は、20000〜200000の範囲が望ましく、より好ましくは25000〜160000、さらに好ましくは30000〜120000の範囲であることが望ましい。20000未満では弾性が低くなりミスチングを増大させる懸念があり、200000を超える重量平均分子量では流動性や着肉性を劣化させる懸念がある。
本発明に関するロジン変性フェノール樹脂は、ノルマルパラフィン白濁温度が40〜160℃の範囲が望ましく、さらに好ましくは50〜130℃の範囲である。本発明において、ノルマルパラフィン白濁温度とは、樹脂10重量%と14〜16の炭素数を有するノルマルパラフィン90重量%を加熱混合した際に、白濁する下限の温度をいう(それ以上の温度では白濁が観察されない。)。40℃未満では樹脂の溶解性が高すぎるのでインキのタックが高くなり、160℃を超える白濁温度では樹脂の溶解性が低すぎるので溶剤が離脱し易く機上でインキが締まり易くなる。
本発明におけるワックスと耐摩擦剤のことを指し、平版印刷インキ組成物に添加することによって、印刷面の擦れを抑制する性質を付与するものである。
ワックスの一つとして分散系ワックスがあり、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等がで平均粒径が1〜10μm、好ましくは3〜7μmの微粒子である。耐摩擦剤は、印刷面から微粒子の一部が突出してその滑らかな表面に被接触物が接触することで印刷面に滑り性を与え、印刷面が被接触物と直接接触することによる印刷面の傷つきを防止する。したがって、耐摩擦用樹脂微粒子は外的圧力に対して変形し難いものであり、球状もしくはほぼ球状の形状のものが使用される。また、ワックス粒子の平均粒径が3μm以下、特に1μm以下であると充分に耐摩擦効果が得られず、また7μm以上、特に10μm以上であると耐パイリング性が不充分となり、また平滑性が失われ、光沢が減少する原因となりうる。
マイクロクリスタリンなどの100℃未満の融点をもつ溶融系の炭化水素ワックスは印刷面への表面コーティングとして使用されることが多い。オフセット印刷が枚葉印刷方式で行われる場合、ワックス粒子は溶融することなく印刷面に付着するか印刷面から突出した状態として存在する。ワックス粒子の平均粒径は0.1〜100μm、好ましくは3〜10μmの微粒子である。ワックスの粒子は被接触物と接触すると摩擦により溶融し滑り性を付与し印刷面を保護する。
マイクロクリスタリンなどの100℃未満の融点をもつ炭化水素系ワックスは、熱乾燥を伴うヒートセットオフセット型オフ輪印刷方式においても使用され、紙面温度が100℃以上に達するドライヤー通過後、溶融したワックスが印刷面を被覆することで、インキのクーリング取られやガイド残りを低減する効果を示す。
本発明においては、特にライスワックスが必須の構成である。ライスワックスは、100℃未満の融点をもつ炭化水素系ワックスに替わるものである。ライスワックスは米ぬかロウとも呼ばれ、米ぬかから抽出される米ぬか油を精製する際に得られるロウである。
ライスワックスの主成分は高級アルコールと高級脂肪酸のエステルであり、エステルを構成する脂肪酸は、C22のベヘン酸とC24のリグノセリン酸が大半を占め、アルコール成分は、C24〜C36がその主な成分であり,炭化水素系ワックスと比較し結晶性が高く,硬いワックスであることが特徴とされている。そのため、夾雑物を多く含む炭化水素系ワックスと比較し、光沢やクーリング取られなどの印刷適性に優れているため、本願発明において必須の構成である。
本発明におけるライスワックスは全インキ組成中の0.5〜2重量%であることが好ましく、0.5重量%未満では、ドライヤー通過後の印刷物面の十分被覆できずにクーリング取られやガイド残りの発生の低減が十分ではない場合がある、2重量%を越えるとパイリングなどの問題が発生する可能性がある。
本発明に関するライスワックスが最大の効果を発揮するためには、ドライヤーでの熱風乾燥となるヒートセット型オフセット印刷が適当である。ドライヤー通過時に紙面温度が100℃以上に達することで、ワックス成分が融解し、表面をコーティングし、クーリング取られやガイド残りを抑制する。
本発明のライスワックスを含めた上記の耐摩擦剤はそのまま粉体または分散液として使用することも可能であるが、あらかじめインキ用ワニス、溶剤に分散し、コンパウンド化したものを使用しても良い。
本発明のライスワックスを含めた耐摩擦剤の添加方法としては、従来の印刷インキ製造工程におけるいずれの工程でも添加可能である。すなわち、顔料とライスを共にワニスに分散、混練を行ったものをインキ化しても、また分散、混練工程を経たものに耐摩擦剤を混合してインキ化しても良いが、ワックスの最大の効果を発揮するためには後者が好ましい。また製品となった印刷インキにワックスを混合しても同様の効果が得られる。
また、平版印刷インキ組成物中への、その他添加剤として、耐摩擦、ブロッキング防止、スベリ、スリキズ防止を目的とする各種添加剤を使用することができ、必要に応じて、レベリング剤、界面活性剤、消泡剤、等を添加してもよいが、パイリングを誘発する懸念があるため、全インキ組成中の6%未満であることが望ましい。
本発明における植物油類とは植物油および植物油由来の化合物であり、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセリドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセリドと、それらのトリグリセリドから飽和または不飽和アルコールとをエステル反応させてなる脂肪酸モノエステル、あるいは植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステル、エーテル類が挙げられる。
植物油として代表的ものは、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げられる。
脂肪酸モノエステルは上記植物油とモノアルコールとをエステル交換したものや植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステルである。モノアルコールの代表的なものは、メタノール、エタノール、n−またはiso−プロパノール、n,secまたはtert−ブタノール、ヘプチノール、2−エチルヘキサノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール等の飽和アルコール、オレイルアルコール、ドデセノール、フイセテリアルコール、ゾンマリルアルコール、ガドレイルアルコール、11−イコセノール、11−ドコセノール、15−テトラコセノール等の不飽和脂肪族系アルコールが挙げられる。
エーテル類として代表的なものは、ジ−n−オクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジへプチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジデシルエーテル、ノニルへキシルエーテル、ノニルヘプチルエーテル、ノニルオクチルエーテル等が挙げられる。
本発明において使用される顔料としては、一般的な無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、などを示すことができる。有機顔料としては、アゾ系として、C系(βナフトール系)、2B系および6B系(βオキシナフトエ系)などの溶性アゾ顔料、βナフトール系、βオキシナフトエ酸アニリド系、モノアゾイエロー系、ジスアゾイエロー系、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、アセト酢酸アリリド系などの縮合アゾ顔料、フタロシアニン系として、銅フタロシアニン(αブルー、βブルー、εブルー)、塩素、臭素などのハロゲン化銅フタロシアン、金属フリーのフタロシアニン顔料、多環顔料としてペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系顔料を挙げることができる。顔料の添加量は、印刷インキ組成物の全量に対して5〜30重量%である。
顔料を使用しなければ、クリアインキとして使用できる。従って、本願発明において顔料は必須の構成ではない。
本発明における石油系溶剤としては、芳香族炭化水素の含有率が1%以下で、アニリン点が60〜130℃、沸点が230〜400℃の石油系溶剤であり、好ましくはアニリン点が80〜100℃、沸点が240〜310℃である。平版印刷インキ全量中、石油系溶剤を0〜30%含有するのが好ましく、5〜15%含有するのがさらに好ましい。石油系溶剤のアニリン点が60〜130℃の場合には、樹脂を溶解させる能力が好適であり、インキのセット性、光沢、着肉等の点で好ましい。このような非芳香族系石油溶剤としては、JX日鉱日石エネルギー株式会社製AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号等がある。
本発明の平版印刷インキ組成物を製造するには、従来公知の方法で実施する事が出来る。一例としてバインダー樹脂、石油系溶剤、植物油類、必要に応じてゲル化剤を加えて、190℃1時間のクッキング条件でワニスを製造する。次いで、例えば、前記のワニスに顔料、石油系溶剤、植物油類、顔料分散剤または顔料分散樹脂を加え、ビーズミルや3本ロール等で分散する事により印刷インキ用ベースを得る事が出来る。次いで、石油系溶剤、植物油類、その他の添加剤を加え、所定粘度に調整し印刷インキ組成物を得る事が出来る。インキの種類としては、オフセット輪転印刷機用インキが主なものであるが、これに限定されるものではない。
本発明の平版印刷インキ組成物の組成の一例としては、
・顔料5〜30重量%
・バインダー樹脂20〜40重量%
・石油系溶剤20〜45重量%
・植物油類7〜20重量%
・ライスワックス0.5〜2重量%
・その他添加剤1〜5重量%
などが好ましい組成として挙げられる。
本発明に使用される基材としてはコート紙やアート紙に代表される塗工紙や、上質紙および低級紙に代表される非塗工紙等のような一般的な印刷用紙が挙げられる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、特に断らない限り、「部」は、「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミネイションクロマトグラフィ(HLC−8220)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)3本を用いた。
(ロジン変性フェノール樹脂製造例)
反応容器中でガムロジン1500部に、予めキシレン溶媒中でターシャリーブチルフェノール100部とオクチルフェノール500部と92重量%のパラホルムアルデヒド210部を水酸化ナトリウム触媒下で100℃で4時間反応させ、水分除去したフェノール樹脂を150℃で滴下し2時間反応させた。さらに、ペンタエリスリトール160部を添加し、触媒として酸化カルシウム1.5部を使用して250℃で12時間反応させた。反応の過程で順次取り出す事により、ロジン変性フェノール樹脂A(重量平均分子量70000)を得た。
(ヒートセットオフセット印刷インキ用ゲルワニスの製造)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに樹脂A(重量平均分子量70000)44重量部、大豆油35重量部、AFソルベント7号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製20重量部を仕込み、190℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1重量部(川研ファインケミカル株式会社製ALCH、以下ALCHと称す)を仕込み、190℃で30分間攪拌してヒートセット型オフセット印刷インキ用ゲルワニス(以ゲルワニスと称す)を得た。
(ライスワックスコンパウンド製造例)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに購入したライスワックスSS-I(ボーソー油脂製)
のフレークを100重量部、再生大豆油(ヨウ素価117)を300重量部仕込み、100℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、攪拌しながら自然冷却を行い、ワックスコンパウンドAを得た。
(ライスワックスコンパウンド製造例)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに購入したライスワックスSS-II(ボーソー油脂製)
のフレークを100重量部、再生大豆油(ヨウ素価117)を300重量部仕込み、100℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、攪拌しながら自然冷却を行い、ワックスコンパウンドBを得た。
(ステアリルステアレートワックスコンパウンド製造例)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに購入した高級脂肪酸エステルであるステアリルステアレートの白色ビーズ100重量部、再生大豆油(ヨウ素価117)を300重量部仕込み、100℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、攪拌しながら自然冷却を行い、ワックスコンパウンドCを得た。
(パラフィンワックスコンパウンド製造例)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに購入したパラフィン系ワックスSP−0165(日本精蝋製)の白色ビーズ100重量部、再生大豆油(ヨウ素価117)を300重量部仕込み、100℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、攪拌しながら自然冷却を行い、ワックスコンパウンドDを得た。
(フィッシャートロップスワックスコンパウンド製造例)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに購入したフィッシャートロップスワックスFT-0070(日本精蝋製)の白色ビーズ100重量部、再生大豆油(ヨウ素価117)を300重量部仕込み、100℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、攪拌しながら自然冷却を行い、ワックスコンパウンドEを得た。
(ヒートセットオフセット印刷インキ組成物実施例1)
カーボンブラック(三菱化学株式会社製、DBP吸油量72ml/100g、BET比表面積99m2/g)を20重量、ゲルワニスを74重量部、石油系溶剤(AFソルベント7号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製))5重量を仕込み、常法に従い三本ロールを用いてベースインキを作成し、ワックスコンパウンドAを1重量部(ライスワックス0.5重量部)を添加しヒートセットオフセット印刷インキ組成物の実施例1を得た。
実施例1と同様の方法で表1に示す配合割合で実施例2〜6、比較例1〜10を得た。なお、ワックスコンパウンドの固形分は全て25重量%である。
<性能評価試験(1)融点ピーク、半値幅>
高感度示差走査熱量計(DSC-6200、セイコーインスツルメンツ(SII)製)を用いてワックス試料5mgを20℃から10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱量(△H)カーブから観測されるピークのピークトップの融点(Tm)とその半値幅を表2に算出した。半値幅(Wm)とは、DSCにて融点(Tm)を測定した際の吸熱ピークの50%高さにおけるピーク幅を言い、この半値幅が小さいほど、均一な結晶が形成されていることを意味し、材料の均一性を示していると言われる。
ライスワックスはパラフィンワックス、およびフィッシャートロップスワックスに対してシャープなピークを示し、結晶性の高さが示された。ステアリルステアレートは純度が高いため、同様にシャープなピークを示したが、融点が非常に低い結果となった。
<性能評価試験(2)光沢>
光沢評価試験は、ヒートセット型平版印刷機として三菱重工業(株)製LITHOPIAにて、一般的な絵柄、濃度にて、以下の印刷条件にて実施し、得られた印刷物のベタ部分について村上色彩研究所製光沢計GM26Dにて測定した。
CTP版:富士フイルム製XP−F
用紙:三菱製紙株式会社製パールコートN
印刷速度:600rpm
チラー設定温度:25℃
印刷部数:2万部通し
実用レベルは「70」以上である。
<性能評価試験(2)クーリング取られ>
上記、印刷条件にて印刷終了後、第3クーリングに透明なテープを張り、一定の力で剥がし、その際のインキの付着量を目視で確認し、以下の基準で確認した。実用レベルは「3」以上である。
1:インキの付着が明らかに多い。
2:インキの付着が多い
3:通常程度の付着である
4;わずかにインキの付着がある
5:全くインキの付着はない
<性能評価試験(3)ガイドロール残り>
上記、印刷条件にて印刷終了後、特定のガイドロールに透明なテープを張り、一定の力で剥がし、その際のインキの付着量を目視で確認し、先述の表3の基準で確認した。実用レベルは「3」以上である。
以上の性能評価試験結果を表1に示す。
実施例1〜3の添加量範囲であれば、融点ピークがシャープであり結晶性が非常に高いことから、比較例5〜10のパラフィンワックス、フィッシャートロップスワックスよりも少量で光沢、クーリング取られ、ガイド残り実用レベルとなった。特に、添加量をあわせた例(例えば実施例3、5と、比較例3、6、9)を比較すると、ライスワックスの有効性は顕著である。
ライスワックスは実施例1のように添加量が少なければ、十分に表面をコーティングできず、実施例5のように大きければ、溶け残りが生じ、光沢がわずかに低下する。比較例2,3,4のステアリルステアラートは融点が低いため、クーリング取られ、ガイド残りに対して効果を示さず、クーリング取られやガイド残りにより表面が荒れ、光沢の上がりも低かった。
なお、物性上の課題と、「CO2排出量という観点から環境負荷の低減」という課題を両立するためには、天然物由来であるライスワックスを使用することが必須である。
Figure 0005700153
Figure 0005700153

Claims (4)

  1. ライスワックスと、バインダー樹脂と、植物油類とを含有することを特徴とする平版印刷インキ組成物。
  2. ライスワックスが、示差走査熱量計で測定した際の結晶融点ピークが76〜85℃にあり、
    且つ、その半値幅が8℃以下であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷インキ組成物。
  3. 平版印刷インキ組成物全量中、ライスワックスを0.5〜2重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の平版印刷インキ組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の平版印刷インキを、基材に印刷してなる印刷物。
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