JP5699345B2 - 発泡壁紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、壁面の装飾に有用な、発泡壁紙の製造方法に関する。
発泡壁紙の層構成としては、紙質基材上に接着剤層(非発泡樹脂層B)を介して発泡樹脂層を設け、更に発泡樹脂層を保護するとともに表面強度を高めるために非発泡樹脂層Aを設ける構成が一般的である。発泡樹脂層は、一般に熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を形成後、当該層を加熱発泡させることにより得られる。また、発泡樹脂層の強度を確保するために、一旦発泡剤含有樹脂層に電子線を照射して樹脂架橋させた後に加熱発泡させることが多い。
従来、表面強度向上にあたっては、発泡樹脂層の樹脂自体に硬質材料(高結晶化度材料
、低メルトフローレート材料)を用いることや、発泡エンボス工程前の印刷工程などで電
離放射線硬化型樹脂を塗布して表面保護層を形成させることより実現されてきた。しかし、上記方法では、エンボスによる高意匠表現が損なわれてしまうことや、経時的に壁紙がカールし、施工性の低下を招く等の問題がある。
特許文献1では、発泡樹脂層に活性エネルギー線硬化型の樹脂を使用した発泡壁紙が開示されている。特許文献1による方法では、エネルギー線硬化型樹脂を使用しない壁紙と比較して、樹脂が硬くなる為、エンボスが入り難いことやシボ戻り(スプリングバック)が起きやすい。
従って、表面強度に優れるとともに、エンボスによって賦型される高意匠表現を有する発泡壁紙、更にはカール性に影響がない発泡壁紙の開発が望まれている。
特開平10−296894号公報
本発明は、表面強度に優れるとともに、エンボスによって賦型される高意匠表現を有する発泡壁紙、更にはカール性に影響がない発泡壁紙の製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、表面保護層を形成させる前に、発泡樹脂層に対してエンボスを行うことにより発泡壁紙を製造する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙の製造方法に関する。
項1.発泡壁紙の製造方法であって、当該方法は、
紙質基材上に、いずれもオレフィン系樹脂を含有する非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層、及び非発泡樹脂層Aを、紙質基材側からこの順に積層されるように3層同時押出しして積層体を形成し、該積層体に電子線を照射する工程(1)、
前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成する工程(2)、
前記非発泡樹脂層A側からエンボス加工を行う工程(3)、
前記エンボス加工により形成された凹凸形状に沿うように非発泡樹脂層A上に電離放射線硬化型樹脂層を形成する工程(4)、及び
前記電離放射線硬化型樹脂層を硬化させて表面保護層を形成する工程(5)
を順に有する製造方法。
項2.前記工程(4)において電離放射線硬化型樹脂をスプレー噴霧することにより電離放射線硬化型樹脂層を形成する、項1に記載の製造方法。
項3.前記発泡樹脂層の厚みが300〜900μmであり、前記エンボス加工により形成される凹凸差が100〜500μmである、項1又は2に記載の製造方法。
以下、本発明の発泡壁紙の製造方法について詳細に説明する。
本発明の発泡壁紙の製造方法は、紙質基材上に発泡剤含有樹脂層を形成する工程(1)、前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成する工程(2)、前記発泡樹脂層側からエンボス加工を行う工程(3)、前記エンボス加工により形成された凹凸形状に沿うように発泡樹脂層に電離放射線硬化型樹脂層を形成する工程(4)、及び前記電離放射線硬化型樹脂層を硬化させて表面保護層を形成する工程(5)を順に有する製造方法である。
上記の通り、本発明は発泡壁紙の製造方法に特徴を有する。当該製造方法によれば、エンボス加工により形成された凹凸形状に沿うように発泡樹脂層に電離放射線硬化型樹脂層を形成することができるため、表面強度に優れるとともに、エンボスによって賦型される高意匠表現を有する発泡壁紙を製造することができる。また、機能性を有した表面保護層の場合には、熱や金型エンボス工程によって表面機能が損なわれることがない。更に、電離放射線硬化型樹脂をスプレー塗布することにより、EVOH樹脂フィルムやアイオノマー樹脂フィルム、またはフッソ系樹脂フィルム等の硬質フィルムを用いた場合と違いカール性に影響がない発泡壁紙を製造することができる。
<発泡壁紙>
本発明により製造される発泡壁紙の構成は次の通りである。
紙質基材
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
非発泡樹脂層B
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等を好適に用いることができる。
非発泡樹脂層Bは樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
非発泡樹脂層Bの厚みは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましく、特に5〜15μm程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、一般に発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成される。
発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば限定でないが、オレフィン系樹脂及び塩化ビニルが好ましい。また、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。従って、例えばエチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。かかる見地より、前記エチレン共重合樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下「EVA」と略記する)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)等を用いることができる。例えば、EVA樹脂、熱分解型発泡剤、無機充填剤、顔料、発泡助剤(亜鉛化合物)及びセル調整剤を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
樹脂成分としてEVA樹脂を用いる場合、EVA樹脂の酢酸ビニル含有量(共重合比率)は限定的ではないが、特に5〜30重量%程度であることが好ましく、10〜20重量%程度がより好ましい。
樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は特に限定されないが、5〜75g/10分程度が好ましく、10〜30g/10分程度がより好ましい。
なお、本明細書のMFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」を採用したものである。
発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類、用途等に応じて適宜設計することができる。
熱分解型発泡剤としては公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、1.5倍以上、好ましくは3〜7倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100重量部に対して、1〜20重量部程度とすることが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレ
ン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度が好ましく、15〜30重量部程度がより好ましい。
発泡助剤(亜鉛化合物)としては、例えば、亜鉛の酸化物、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、亜燐酸塩、カルボン酸塩等が挙げられる。かかる亜鉛化合物は、発泡速度向上の観点から添加することが好ましい。上記カルボン酸塩としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、ベヘニン酸等の脂肪族酸や、安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、ナフテン酸等の芳香族酸が挙げられる。これらのカルボン酸を用いた亜鉛のカルボン酸塩は正塩、酸性塩、塩基性塩のいずれの形態であってもよい。亜鉛のカルボン酸塩を構成するカルボン酸としては上記のものが使用できるが、VOCを低減する観点からは、炭素数12以上の脂肪酸を用いた常温で粉体であるもの、例えば、ステアリン酸亜鉛やラウリン酸亜鉛が好ましい。他のカルボン酸を用いた場合には、液状であったり、ハンドリング性を良くするために有機溶媒に溶かす作業が必要であったりする場合がある。
亜鉛化合物の含有量は樹脂組成分100重量部に対して、0.001〜20重量部程度が好ましく、0.001〜10重量部程度がより好ましい。発泡層の厚みは限定的ではないが、未発泡状態(発泡前)で50〜150μmが好ましい。発泡後は300〜900μmが好ましい。
セル調整剤は、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を使用することができる。セル調整剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10重量部程度が好ましく、1〜5重量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層を発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すれば良い。
非発泡樹脂層A(スキン層)
発泡樹脂層のおもて面には、更に非発泡樹脂層Aを形成してもよい。
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。非発泡樹脂層Aに含まれる樹脂成分としては限定的ではなく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)等が使用できる。
本発明では、上記の中でも、アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層を非発泡樹脂層Aとすることが好ましい。
前記樹脂成分としては、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体を樹脂成分として好適に用いることができる。より具体的には、EMAA、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが望ましい。アイオノマー樹脂としては、EMAA及び/又はエチレン−アクリル酸共重合体の分子間をナトリウム、亜鉛等の金属のイオンで分子間結合した構造を有する樹脂が使用できる。このような樹脂成分を用いる場合には
、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成することができるので、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。これらは、公知又は市販のものを使用することができる。
前記共重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は限定的ではないが、15重量%以下が好ましく、4〜15重量%程度がより好ましい。このような樹脂も市販品を使用することができる。
非発泡樹脂層Aの厚みは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましく、特に5〜15μm程度がより好ましい。
前記樹脂成分のメルトフローレート値は、用いる樹脂成分の種類等によるが、一般に10g/10分以上の範囲内で適宜設定すれば良い。通常は10〜100g/10分、特に10〜95g/10分、さらに20〜80g/10分の範囲にあることが好ましい。このような数値範囲のものを使用することにより、より優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。
絵柄模様層
本発明では、非発泡樹脂層Aのおもて面に必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層Aのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄模様層を形成する際には、必要に応じて予めプライマー層を形成しても良い。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、及び溶剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、公知の顔料又は染料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエ
チレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
表面保護層(トップコート層)
本発明では、発泡壁紙の表面に表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する。
表面保護層には、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂が含有される。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布すればよい。
電離放射線硬化型樹脂から形成された表面保護層に、耐擦傷性、耐摩耗性をさらに付与する場合には、無機充填材を配合すればよい。無機充填材としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維等が挙げられる。
無機充填材の添加量としては、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して1〜80重量部程度である。
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましい。
<発泡壁紙の製造方法>
工程(1)
工程(1)の紙質基材上に発泡剤含有樹脂層を形成する方法は特に限定されない。樹脂
成分が塩化ビニルの場合にはコーティング法やカレンダー法により塩ビペーストやシートを紙質基材上に形成する。また、樹脂成分がオレフィン系樹脂の場合には、例えば、紙質基材上に発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとを有する発泡壁紙を製造するには、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。それには、2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、予め2種2層を同時成膜した積層体を用意して、それを紙質基材上に載せて、熱ラミネートすることにより紙質基材と接着してもよい。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機フィラーが含まれる場合には、押出し成形機の押出し口(いわゆるダイス)に無機フィラーの残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これがシート表面の異物となり易い。そのため、このような場合には、上記非発泡樹脂層Aに加えて非発泡樹脂層Bを、発泡剤含有樹脂層とともに同時押出し成形することが好ましい。同時押出し成形は、例えば、マルチマニホールドタイプのTダイを用いることにより行える。このように発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し成形することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
発泡剤含有樹脂層は、必要により、次いで電子線照射される。これにより樹脂成分を架橋できるため、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、10〜70kGy程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう。)を用いて実施することもできる。
工程(2)
工程(2)では、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層が形成される。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
工程(3)
工程(3)では、発泡樹脂層側からエンボス加工を行って、エンボス模様を賦型する。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。非発泡樹脂層A及び/又は絵柄模様層を有する場合は、好ましくは発泡樹脂層に達するまでエンボスを行う。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
工程(4)
工程(4)では、エンボス加工により形成された凹凸形状に沿うように発泡樹脂層に電離放射線硬化型樹脂層が形成される。
電離放射線硬化型樹脂を含有する樹脂を塗布する方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できるが、スプレー噴霧することが好ましい。電離放射線硬化型樹脂をスプレーによって噴霧することで、硬質フィルム等を用いた場合と違いカール性に影響を与えない。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に電離放射線硬化型樹脂層を設けるこ
ともできる。
工程(5)
工程(5)では、電離放射線硬化型樹脂層を硬化させることにより表面保護層が形成される。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線、電子線が望ましい。電子線を用いる場合であって、発泡剤含有樹脂層を電子線照射した場合は、その照射より低加速電圧であることが好ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、20〜150kGy程度が好ましい。
本発明の発泡壁紙の製造方法により、表面強度に優れるとともに、エンボスによって賦型される高意匠表現を有する発泡壁紙を製造することができる。更に、電離放射線硬化型樹脂をスプレー塗布することにより、硬質フィルム等を用いた場合と違いカール性に影響がない発泡壁紙を製造することができる。また、機能性を有した表面保護層の場合には、熱や金型エンボス工程によって表面機能が損なわれることがない。
実施例1、2で用いた発泡壁紙の模式図である。
以下に実施例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1、2
紙質基材(品番「CP−60PDK」、中越パルプ製、厚さ100μm)上に発泡樹脂層(500μm)、絵柄模様層(1μm)及び表面保護層(5 g/m2〜30 g/m2)をこの順で積層した
発泡壁紙を作製した。
発泡樹脂層を形成するための発泡剤含有樹脂層の組成は、下記表1の通りとした。
表面保護層の組成は、ウレタンアクリレート100%とした。
Figure 0005699345
発泡壁紙は、次の手順で作製した。
(1)発泡剤含有樹脂層を形成するための組成物を加熱溶融し、発泡層をコーティングすることにより紙質基材上に積層体を形成した。
(2)上記積層体に絵柄模様層を形成後、発泡炉中約240℃で加熱発泡させた。発泡後に
樹脂層側からエンボスを行い意匠形成した(凹凸差100〜500μm)。
(3)上記積層体に樹脂層側から電離放射線硬化型樹脂をスプレー噴霧し、電子線により硬化させた(165 kV, 50 kGy)。
実施例3、4
紙質基材(品番「WK665DO」、興人製、厚さ110μm)上に非発泡樹脂層B(10μm)、発泡樹脂層(500μm)、非発泡樹脂層A(10μm)、絵柄模様層(1μm)及び表面保護層(5 g/m2〜30 g/m2)をこの順で積層した発泡壁紙を作製した。
非発泡樹脂層Bの組成は、EVA100%とした。
発泡樹脂層を形成するための発泡剤含有樹脂層の組成は、下記表2の通りとした。
非発泡樹脂層Aの組成は、EMAA100%とした。
表面保護層の組成は、ウレタンアクリレート100%とした。
Figure 0005699345
発泡壁紙は、次の手順で作製した。
(1)発泡剤含有樹脂層を形成するための組成物、非発泡樹脂層A、Bを形成するための組成物を加熱溶融し、3層を同時押出しすることにより紙質基材上に積層体を形成した。(2)上記積層体に樹脂層側から電子線を照射した(200 kV, 30 kGy)。
(3)上記積層体への絵柄模様層形成、加熱発泡、エンボス意匠形成、ならびに表面保護層の形成は、前記実施例1、2と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例1
発泡樹脂層を形成するための発泡剤含有樹脂層の組成、表面保護層の組成、塗布量及び形成方法を下記表3の通りとし、表面保護シートをラミネート後に発泡、エンボスを行っ
た以外は、前記実施例1、2と同様にして発泡壁紙を得た。
試験例1
カール性:10 cm×10 cmのサンプルを常温水につけ1分間放置し、試料取出し後に軽く水分を拭取り、平板上に両手で伸ばして1分間放置する。その時の接地面積を下記の通り規定し、評価を行った。
◎:80%以上 ○:60%以上80%未満 ×:60%未満
試験例2
意匠性:表面保護層無しでのエンボス凹凸差に対して、下記の通り規定し、評価を行った。
◎:90%以上 ○:70%以上90%未満 ×:70%未満
Figure 0005699345
(考 察)
表3からは、表面保護層を形成する前に積層体にエンボスを行い、電離放射線硬化型樹脂をスプレー噴霧することにより、意匠性及びカール性において所望の特性が得られることが分かる。

Claims (3)

  1. 発泡壁紙の製造方法であって、当該方法は、
    紙質基材上に、いずれもオレフィン系樹脂を含有する非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層、及び非発泡樹脂層Aを、紙質基材側からこの順に積層されるように3層同時押出しして積層体を形成し、該積層体に電子線を照射する工程(1)、
    前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成する工程(2)、
    前記非発泡樹脂層A側からエンボス加工を行う工程(3)、
    前記エンボス加工により形成された凹凸形状に沿うように非発泡樹脂層A上に電離放射線硬化型樹脂層を形成する工程(4)、及び
    前記電離放射線硬化型樹脂層を硬化させて表面保護層を形成する工程(5)
    を順に有する製造方法。
  2. 前記工程(4)において電離放射線硬化型樹脂をスプレー噴霧することにより電離放射線硬化型樹脂層を形成する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記発泡樹脂層の厚みが300〜900μmであり、前記エンボス加工により形成される凹凸差が100〜500μmである、請求項1又は2に記載の製造方法。
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