JP5699056B2 - 顕微鏡観察用加温装置 - Google Patents
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Description
一方、特許文献2の図4等に示されたヒータープレート(顕微鏡観察用加温装置)はその中央部に貫通穴が形成されているので、試料を直接加温することはできないが、液浸を用いることができる。
上記したように液浸を用いる場合には、特許文献2の穴あきの顕微鏡観察用加温装置を使用することになるが、温度管理を高い精度で行う必要のある人工授精においては特許文献1の透明な加温プレートの顕微鏡観察用加温装置を使用してデッシュ内の卵子と***を直接加温することが望ましい。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、人工授精における一連の操作のように、液浸を用いる観察と用いない観察の両方に対応でき、しかも液浸を用いないで観察を行う間は試料を直接加温でき、精度の高い温度管理が可能で、更に穴開き加温プレート部の上面と透明加温プレート部の上面において試料をスムーズにスライドさせて移動させることが可能な顕微鏡観察用加温装置の提供を、その目的とする。
穴開き加温プレート部と透明加温プレート部は左右方向に並設されていることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置である。
また、穴開き加温プレート部の上面と透明加温プレート部の上面とが同一平面上に設けられ、段差部がないので、試料をスムーズにスライドさせて移動させることが可能となる。
符号3は長方形の外枠を示し、この外枠3の下面の縁部には後述する顕微鏡の電動ステージSの開口Kに嵌め込むための凸部4が形成されている。
外枠3には穴開き加温プレート部5と、透明加温プレート部7が保持されて一体に設けられている。穴開き加温プレート部5と透明加温プレート部7は左右方向(L−R方向)に並設されている
穴開き加温プレート部5と透明加温プレート部7の詳細な構造について説明する。
上記板材11、12によって試料載置部が構成されている。
図3に示すようにニクロム線13は板材11、12の全体をカバーするように引き回されており、ニクロム線13には図示しないリード線が接続されている。また、穴開き加温プレート部5には温度センサ15が備えられ、この温度センサ15には図示しないセンサ線が接続され、このセンサ線は前記リード線と共に、1本の電気コード17にまとめられている。電気コード17は外枠3から引き出されて、図示しないコントローラに接続されている。
上記下側ガラス21、上側ガラス22によって試料載置部が構成されている。
透明導電膜23には電極(図示せず)を介して図示しないリード線が接続されている。また、透明加温プレート部7には温度センサ27が備えられ、この温度センサ27には図示しないセンサ線が接続され、このセンサ線は前記リード線と共に、1本の電気コード29にまとめられている。電気コード29は外枠3から引き出されて、図示しないコントローラに接続されている。
図4に示すように顕微鏡観察用加温装置1は、その凸部4を電動ステージSの開口Kに嵌め込み、外枠3を電動ステージSの開口Kの縁部に設置して使用する。
図4に示す状態では、穴開き加温プレート部5の丸穴9は観察に使用される対物レンズT1(またはT2)が位置するポジションPに対向している。
穴開き加温プレート部5のニクロム線13にリード線を介して通電し、また透明加温プレート部7の透明導電膜23にリード線、電極を介して通電する。これによりニクロム線13、透明導電膜23が発熱して、穴開き加温プレート部5、透明加温プレート部7が加温される。
そして、1500倍観察用の対物レンズT1に液浸用液を滴下してから、対物レンズT1を丸穴9へ進入させ、デッシュDの底部の下に移動させる。次いで液浸を用い1500倍の倍率で観察しながら、器具を用いて良好な***Hを選択する。
次いで、図6に示すように400倍用の対物レンズT2をポジションPに移動させて、透明加温プレート部7の中央部に対向させる。
前述のように穴開き加温プレート部5の上面と透明加温プレート部7の上面とが同一平面上に設けられ、段差部がないので、デッシュDを穴開き加温プレート部5の上面と透明加温プレート部7の上面においてスムーズにスライドさせることが可能であり、迅速にデッシュDを透明加温プレート部7の中央部に備えることができる。このようにデッシュDを持ち上げることなくスライドさせて移動することができるので、デッシュDに加わる振動を最小限に抑えることが可能で、***H、卵子Eに悪影響が及ぶのを防止することができる。
例えば、上記実施の形態では、穴開き加温プレート部5と透明加温プレート部7は左右方向に並設されているが、本発明はこれに限定されず、穴開き加温プレート部5と透明加温プレート部7を前後方向へ並設してもよい。
また、穴開き加温プレート部5と透明加温プレート部7を異なる形状、例えば長方形と正方形等としてもよく、更に、異なる平面積のものとしてもよい。
なお、穴開き加温プレート部のヒータとしてニクロム線13を用いたが、これに限定されず透明導電膜等、他の発熱体によってヒータを構成することも可能である。
なお、本発明の顕微鏡観察用加温装置は、実施の形態で示した不妊治療のための人工授精に関する操作に使用するだけでなく、その他の微生物等の観察しようすることが可能である。
5…穴開き加温プレート部 7…透明加温プレート部
9…丸穴 11、12…板材
13…ニクロム線 15…温度センサ 17…電気コード
19…内枠 21…下側ガラス 22…上側ガラス
23…透明導電膜 27…温度センサ 29…電気コード
S…顕微鏡の電動ステージ K…顕微鏡のステージの開口
T1…1500倍用の対物レンズ T2…400倍用の対物レンズ
D…デッシュ Y…養液 H…*** E…卵子
R…右方向 L…左方向
Claims (4)
- 対物レンズが入り込む貫通穴が形成された試料載置部と前記試料載置部を加温するヒータとを有する穴開き加温プレート部と、透明材料によって構成された試料載置部と前記試料載置部を加温する透明ヒータとを有する透明加温プレート部とを具備し、前記穴開き加温プレート部と透明加温プレート部とが一体に設けられ、且つ、前記穴開き加温プレート部の上面と透明加温プレート部の上面とが同一平面上に設けられていることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。
- 請求項1に記載した顕微鏡観察用加温装置において、
穴開き加温プレート部と透明加温プレート部は左右方向に並設されていることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。 - 対物レンズが入り込む貫通穴が形成された試料載置部と前記試料載置部を加温するヒータとを有する穴開き加温プレート部と、透明材料によって構成された試料載置部と前記試料載置部を加温する透明ヒータとを有する透明加温プレート部とを具備し、前記穴開き加温プレート部と透明加温プレート部とが一体に設けられ、且つ、前記穴開き加温プレート部と透明加温プレート部は左右方向に並設されていることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載した顕微鏡観察用加温装置において、穴開き加温プレート部と透明加温プレート部は、ほぼ同じ形状、ほぼ同じ平面積の四角形の平板状に形成されていることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。
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