JP5695548B2 - 予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法、再生水素化処理用触媒の製造方法、水素化処理用触媒の再生処理条件の選別方法、及び石油製品の製造方法 - Google Patents

予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法、再生水素化処理用触媒の製造方法、水素化処理用触媒の再生処理条件の選別方法、及び石油製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法、再生水素化処理用触媒の製造方法、石油製品の製造方法、及び水素化処理用触媒の再生処理条件の選別方法に関する。
原油には含硫黄化合物、含窒素化合物、含酸素化合物等が不純物として含まれ、原油を分留して得られる各石油留分中にもこれら不純物が含まれる。これら石油留分中の前記不純物は、水素の存在下に水素化活性を有する触媒に接触せしめる水素化処理と呼ばれる工程により、その含有量を低減することが行われている。特に含硫黄化合物の含有量を低減する脱硫がよく知られている。最近は環境負荷低減の観点から、石油製品中の含硫黄化合物をはじめとする前記不純物の含有量に対する規制、低減の要求が一層厳しくなっており、所謂「サルファー・フリー」と呼ばれる石油製品が多く生産されている。
石油留分の水素化処理に使用する水素化処理用触媒は、一定の期間使用されるとコークや硫黄分の沈着等により活性が低下することから、交換が行われる。特に上記「サルファー・フリー」が求められるようになり、灯油、軽油、減圧軽油といった留分の水素化処理設備において、高い水素化処理能力が求められている。その結果、触媒交換頻度が増大し、結果として触媒コストの上昇や触媒廃棄量の増加をもたらしている。
この対策として、これらの設備においては使用済みの水素化処理用触媒を再生処理した再生触媒(再生水素化処理用触媒)の使用が一部行われている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開昭52−68890号公報 特開平5−123586号公報
従来の再生処理においては、水素化処理用触媒の使用中に生じる活性低下の主原因がコークの沈着にあるとして、再生処理条件はコークの沈着物を除去できるか否かという観点から再生処理条件を選定することが一般的であった。例えば、従来の再生処理においては、処理温度をなるべく高温とし、処理温度をなるべく長時間とすることがよいとの考えがあった。
しかし、沈着したコークの除去の問題とは別に、再生処理自体が、触媒上に担持された活性金属の構造(活性金属と酸素原子との配位形態等)を変化せしめる等して、触媒活性を低下させてしまうことがある。すなわち、過度な再生処理には、水素化処理触媒を損傷させ、水素化処理用触媒が本来有する活性を低下させてしまうという問題がある。
なお、水素化処理用触媒はその使用前に水素化処理活性を高めるため、予備硫化により触媒中の金属元素を硫化物としておくことが好ましい。
本発明の目的の一つは、使用済みの水素化処理用触媒から安定して高い水素化処理活性を有する予備硫化済み再生水素化処理用触媒を製造することが可能な、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的の一つは、使用済みの水素化処理用触媒から、予備硫化した際の水素化処理活性が高い再生水素化処理用触媒を安定して製造することが可能な、再生水素化処理用触媒の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的の一つは、予備硫化した際の水素化処理活性が高い再生水素化処理用触媒を安定して製造することが可能となるような、再生処理条件の選別方法を提供することにある。
また、本発明の目的の一つは、上記製造方法により製造された予備硫化済み再生水素化処理用触媒を用いた石油製品の製造方法を提供することにある。
本発明の一側面は、石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって、周期表第6族元素から選ばれる金属元素を有する触媒を用意する第1の工程と、上記第1の工程で用意した上記触媒の一部について再生処理及び予備硫化を行うとともに、再生処理及び予備硫化を経た上記触媒について上記金属元素の硫化物の結晶層の平均積層数を観測して、当該平均積層数が1.6以上となる再生処理条件及び予備硫化条件を求める第2の工程と、上記第1の工程で用意した上記触媒の他部について、上記第2の工程に基づいて決定された再生処理条件及び予備硫化条件で再生処理及び予備硫化を行う第3の工程と、を備える、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法に関する。
このような予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法によれば、使用済みの水素化処理用触媒から安定して高い水素化処理活性を有する予備硫化済み再生水素化処理用触媒を製造することができる。
また、本発明の一側面は、石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって周期表第6族元素から選ばれる金属元素を有する触媒を再生処理して、再生触媒を得る第1の工程と、上記第1の工程で得た上記再生触媒の一部について予備硫化を行うとともに、予備硫化を経た上記再生触媒について上記金属元素の硫化物の結晶層の平均積層数を観測して、当該平均積層数が1.6以上となる予備硫化条件を求める第2の工程と、上記第1の工程で得た上記再生触媒の他部について、上記第2の工程に基づいて決定された予備硫化条件で予備硫化を行う第3の工程と、を備える、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法に関する。
このような予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法によれば、使用済みの水素化処理用触媒から安定して高い水素化処理活性を有する予備硫化済み再生水素化処理用触媒を製造することができる。
本発明の一態様において、上記第1の工程における上記再生処理は、上記再生触媒のカーボン含有量が0.15〜3.0質量%となる条件で行うことができる。このような条件で再生処理された再生触媒について、上記第2の工程に基づいて決定された予備硫化条件で予備硫化を行うことにより、水素化処理活性に一層優れる予備硫化済み再生水素化処理用触媒が得られる。
また、本発明の一側面は、石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって、周期表第6族元素から選ばれる金属元素を有する触媒を用意する第1の工程と、上記第1の工程で用意した上記触媒の一部について再生処理を行うとともに、再生処理後の上記触媒を予備硫化したときの上記金属元素の硫化物の結晶層の平均積層数を観測して、当該平均積層数が1.6以上となる再生処理条件を求める第2の工程と、上記第1の工程で用意した上記触媒の他部について、上記第2の工程に基づいて決定された再生処理条件で再生処理を行う第3の工程と、を備える、再生水素化処理用触媒の製造方法に関する。
このような再生水素化処理用触媒の製造方法によれば、水素化処理活性が高い再生水素化処理用触媒を安定して製造することができる。
本発明の一態様において、上記第2の工程における予備硫化は、再生処理後の前記触媒に、0.5〜2.5質量%の硫黄化合物を含む石油留分を、温度200〜400℃、液空間速度0.05〜5h−1、圧力3〜13MPa、処理時間5時間以上の条件で連続して接触させて行うことができる。このような条件で予備硫化したときの平均積層数に基づいて、再生処理条件を決定することで、優れた水素化処理活性を有する再生水素化処理用触媒をより確実に製造することができる。
また、本発明の一側面は、上記製造方法により製造された再生水素化処理用触媒を予備硫化する工程を備える、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法に関する。このような製造方法によれば、高い水素化処理活性を有する予備硫化済み再生水素化処理用触媒が得られる。
また、本発明の一側面は、石油留分を処理するための水素化処理用触媒を再生処理するに際し、再生処理条件を選別する方法であって、水素化処理後の水素化処理用触媒について所定の条件で再生処理及び予備硫化を行い、再生処理及び予備硫化を経た上記触媒について上記金属元素の硫化物の結晶層を観測する第2の工程と、上記第2の工程で観測された上記平均積層数に基づいて、再生処理の条件の良否を判定する第3の工程と、を備える、水素化処理用触媒の再生処理条件の選別方法に関する。
このような選別方法によれば、使用済みの水素化処理用触媒から水素化処理活性が高い再生水素化処理用触媒を安定して製造することが可能となる再生処理条件を、容易に選別することができる。
また、本発明の一側面は、上記製造方法により製造された予備硫化済み再生水素化処理用触媒を用いて、石油留分の水素化処理を行う工程を備える、石油製品の製造方法に関する。このような製造方法は、高活性な予備硫化済み再生水素化処理用触媒を用いているため経済性に優れる。
本発明によれば、使用済みの水素化処理用触媒から安定して高い水素化処理活性を有する予備硫化済み再生水素化処理用触媒を製造することが可能な、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法が提供される。また、本発明によれば、使用済みの水素化処理用触媒から、予備硫化した際の水素化処理活性が高い再生水素化処理用触媒を安定して製造することが可能な、再生水素化処理用触媒の製造方法が提供される。また、本発明によれば、予備硫化した際の水素化処理活性が高い再生水素化処理用触媒を安定して製造することが可能となるような、再生処理条件の選別方法が提供される。さらに、本発明によれば、上記製造方法により製造された予備硫化済み再生水素化処理用触媒を用いて、経済性に優れる石油製品の製造方法が提供される。
実施例1の予備硫化済み再生触媒のTEM写真の一部を示す図である。 図1に示すTEM写真における二硫化モリブデン層を示す図である。 実施例3の予備硫化済み再生触媒のTEM写真の一部を示す図である。 図3に示すTEM写真における二硫化モリブデン層を示す図である。 比較例1の予備硫化済み再生触媒のTEM写真の一部を示す図である。 図5に示すTEM写真における二硫化モリブデン層を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(水素化処理用触媒)
本実施形態において、水素化処理用触媒は、周期表第6族元素から選ばれる金属元素を有する。ここで周期表第6族元素から選ばれる金属元素(以下、場合により「金属元素M」と称する)を有する。ここで、周期表第6族元素から選ばれる金属元素Mとしては、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)が挙げられる。なお、ここで周期表とは、国際純正・応用化学連合(IUPAC)により規定された長周期型の周期表をいう。水素化処理用触媒は、金属元素Mとしてモリブデン又はタングステンを有することが好ましく、モリブデンを有することがより好ましい。
水素化処理用触媒としては、例えば、無機担体と、該無機担体に担持された周期表第6族元素から選ばれる金属元素Mと、を有する触媒が挙げられる。
金属元素Mの担持量は、水素化処理用触媒の全質量を基準として、金属元素Mの酸化物換算で5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。
無機担体としては、例えば、アルミニウム酸化物を含む無機担体を採用できる。このような無機担体としては、例えば、アルミナ、アルミナ−シリカ、アルミナ−ボリア、アルミナ−チタニア、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−マグネシア、アルミナ−シリカ−ジルコニア、アルミナ−シリカ−チタニア等が挙げられる。また、各種粘土鉱物(各種ゼオライト、セビオライト、モンモリロナイト等)等の多孔性無機化合物をアルミナに添加した担体を用いることもできる。これらのうち、無機担体としてはアルミナが好ましい。
無機担体上には、周期表第6族元素から選ばれる金属元素以外に、周期表第8〜10族元素から選ばれる1種又は2種以上の金属元素がさらに担持されていてもよい。周期表第8〜10族元素から選ばれる金属元素としては、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)が挙げられる。これらのうち、鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる金属元素を含むことが好ましく、コバルト及びニッケルから選ばれる金属元素を含むことがより好ましく、コバルトを含むことがさらに好ましい。本実施形態において、無機担体に担持される金属元素の組み合わせとしては、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン、コバルト−モリブデン−ニッケル、コバルト−タングステン−ニッケル等が好ましく用いられる。
周期表第8〜10族元素から選ばれる金属元素の担持量は、水素化処理用触媒の全質量を基準として、該金属元素の酸化物換算で、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。
水素化処理用触媒であって未使用のもの(未使用触媒)としては、例えば、無機担体に、周期表第6族元素から選ばれる金属元素を酸化物として5〜40質量%、周期表第8〜10族元素から選ばれる金属元素を酸化物として0.1〜20質量%、それぞれ担持させて得られる触媒が挙げられる。
無機担体に担持する際に用いる金属元素の前駆体としては、例えば、金属元素の無機塩、有機金属化合物等が使用される。これらのうち、好ましくは水溶性の無機塩である。金属元素の担持は、上記前駆体の溶液(好ましくは水溶液)を用いて行うことが好ましい。担持操作としては、例えば、浸漬法、含浸法、共沈法等の公知の方法が好ましく採用される。
金属元素が担持された担体は、乾燥後、好ましくは酸素の存在下に焼成され、金属元素は一旦酸化物とされることが好ましい。さらには、石油留分の水素化処理を行う前に、予備硫化と呼ばれる硫化処理により、金属元素は硫化物とされることが好ましい。
予備硫化は、例えば、石油留分の水素化処理に使用する原料油に硫黄化合物を添加し、これを温度200〜400℃、LHSV(液空間速度、Liquid Hourly Space Velocity)0.05〜5h−1、水素化処理運転時と同一の圧力、処理時間5時間以上の条件にて、触媒に連続的に接触せしめることが好ましい。原料油に添加する硫黄化合物としては限定されないが、ジメチルジスルフィド(DMDS)、硫化水素等が好ましく、これらを原料油に対して原料油の質量基準で1質量%程度添加することが好ましい。
(水素化処理)
水素化処理は、石油留分(以下、場合により「原料油」という。)を水素の存在下に水素化処理用触媒に接触させることにより行われる。
本実施形態において、水素化処理の運転条件は特に限定されない。本実施形態においては、触媒の金属元素が硫化物である状態を維持する目的で、DMDS等の硫黄化合物を原料油に少量添加してもよいが、通常は原料油中に既に含有される硫黄化合物により硫化物である状態を維持することが可能であるので、硫黄化合物は特に添加しないことが好ましい。
水素化処理における反応器入口における水素分圧は好ましくは3〜13MPa、より好ましくは3.5〜12MPa、さらに好ましくは4〜11MPaである。水素分圧が3MPa未満の場合は触媒上のコーク生成が激しくなり触媒寿命が短くなる傾向にある。一方、水素分圧が13MPaを超える場合は反応器や周辺機器等の建設費が上昇し、経済性が失われる懸念がある。
水素化処理におけるLHSVは、好ましくは0.05〜5h−1、より好ましくは0.1〜4.5h−1、さらに好ましくは0.2〜4h−1の範囲で行うことができる。LHSVが0.05h−1未満である場合には、反応器の建設費が過大となり経済性が失われる懸念がある。一方、LHSVが5h−1を超える場合には原料油の水素化処理が十分に達成されない懸念がある。
水素化処理における水素化反応温度は、好ましくは200℃〜410℃、より好ましくは220℃〜400℃、さらに好ましくは250℃〜395℃である。反応温度が200℃を下回る場合には、原料油の水素化処理が十分に達成されない傾向にある。一方、反応温度が410℃を上回る場合には、副生成物であるガス分の発生が増加するため、目的とする精製油の収率が低下することとなり望ましくない。
水素化処理における水素/油比は、好ましくは100〜8000SCF/BBL(17〜1400NL/L)、より好ましくは120〜7000SCF/BBL(20〜1200NL/L)、さらに好ましくは150〜6000SCF/BBL(25〜1050NL/L)の範囲で行うことができる。水素/油比が100SCF/BBL(17NL/L)未満の場合には、リアクター出口での触媒上のコーク生成が進行し、触媒寿命が短くなる傾向にある。一方、水素/油比が8000SCF/BBL(1400NL/L)を超える場合には、リサイクルコンプレッサーの建設費が過大になり、経済性が失われる懸念がある。
水素化処理における反応形式は特に限定されず、固定床、移動床等の種々のプロセスから選ぶことができ、固定床が好ましい。また反応器は塔状であることが好ましい。
水素化処理に供される原料油としては、蒸留試験による留出温度が好ましくは130〜700℃、さらに好ましくは140〜680℃、特に好ましくは150〜660℃の範囲のものが使用される。留出温度が130℃を下回る原料油を用いた場合には水素化処理反応が気相での反応となり、上記の触媒では性能が充分に発揮されない傾向にある。一方、留出温度が700℃を上回る原料油を用いた場合には、原料油中に含まれる重金属などの、触媒に対する被毒物の含有量が大きくなり、触媒の寿命が大きく低下する場合がある。原料油として用いる石油留分のその他の性状としては特に限定されないが、代表的な性状としては、15℃における密度が0.8200〜0.9700g/cm、硫黄含有量1.0〜4.0質量%である。
このような性状を有する原料油としては、灯油留分、軽油留分等の石油留分を好ましく挙げることができる。灯油留分、軽油留分としては、原油の常圧蒸留装置から得られる直留灯油又は直留軽油;常圧蒸留装置から得られる直留重質油や残査油を減圧蒸留装置で処理して得られる減圧軽油、減圧重質軽油あるいは脱硫重油を接触分解して得られる接触分解灯油又は接触分解軽油;減圧重質軽油あるいは脱硫重油を水素化分解して得られる水素化分解灯油又は水素化分解軽油;等が挙げられる。
なお、ここで硫黄含有量とは、JIS K 2541に規定する「原油及び石油製品―硫黄分試験方法」の「放射線式励起法」に準拠して測定される硫黄含有量を意味する。また、蒸留試験とは、JIS K 2254に規定する「石油製品―蒸留試験方法」の「減圧法蒸留試験方法」または「ガスクロマトグラフ法蒸留試験方法」に準拠して行われるものを意味する。15℃における密度とは、JIS K2249に規定する「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」の「振動式密度試験方法」に準拠して測定される密度を意味する。
(予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法)
本実施形態に係る予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法は、石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって、周期表第6族元素から選ばれる金属元素Mを有する触媒を用意する第1の工程と、第1の工程で用意した触媒の一部について再生処理及び予備硫化を行うとともに、再生処理及び予備硫化を経た触媒について金属元素Mの硫化物の結晶層の平均積層数を観測して、当該平均積層数が1.6以上となる再生処理条件及び予備硫化条件を求める第2の工程と、第1の工程で用意した触媒の他部について、第2の工程に基づいて決定された再生処理条件及び予備硫化条件で再生処理及び予備硫化を行う第3の工程と、を備える。
本実施形態において、第2の工程に基づいて決定された再生処理条件及び予備硫化条件は、十分に水素化処理用触媒を再生することができ、過度な再生処理とならず、高い活性を有する予備硫化済み再生水素化処理用触媒が得られる条件である。
従来、再生処理条件は、コークの沈着物を除去できるか否かという観点から再生処理条件を選別することや、再生処理後且つ予備硫化前の触媒の状態から再生処理条件を選別することが一般的であったのに対し、本実施形態においては、予備硫化後の金属硫化物の結晶層の層構造に基づいて、再生処理条件及び予備硫化条件の組み合せを選別している。このため、本実施形態に係る製造方法によれば、使用済み水素化触媒から、安定して高い活性を有する予備硫化済み再生水素化処理用触媒を製造することができる。
第2の工程において、金属元素Mの硫化物の結晶層の平均積層数は、予備硫化後の触媒を粉砕し、得られた粉末の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を撮影して、当該TEM写真から100個の結晶層についてその積層数Nを測定し、その平均値を算出することによって、求めることができる。なお、金属元素Mがモリブデンであるとき、金属元素Mの硫化物は二硫化モリブデン(MoS)であり、金属元素Mがタングステンであるとき、金属元素のMの硫化物は二硫化タングステン(WS)である。
以下、第1〜第3の工程について、それぞれ詳述する。
(第1の工程)
第1の工程では、石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒(以下、「使用済み触媒」という。)を用意する。第1の工程で用意された使用済み触媒の一部が第2の工程に供され、他部が第3の工程に供される。
ここで、使用済み触媒としては、必ずしも一度の水素化処理に同時に使用された水素化処理用触媒のみを示すものではない。使用済み触媒は、同様の又は類似の水素化処理に用いられた、複数の水素化処理用触媒を包含していてもよい。例えば、一回目の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒の一部を第2の工程に供し、二回目以降の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒を第3の工程に供してもよい。
(第2の工程)
第2の工程では、再生処理及び予備硫化を経た使用済み触媒において、金属元素Mの硫化物の結晶層の平均積層数が1.6以上となる再生処理条件及び予備硫化条件を求める。
再生処理条件及び予備硫化条件を求める方法は特に限定されず、例えば、再生処理条件及び予備硫化条件をそれぞれ変更して、平均積層数が1.6以上となる再生処理条件及び予備硫化条件の組み合わせを選別することができる。また、下記方法(1)、(2)等の方法で、第2の工程を実施してもよい。
方法(1):
使用済み触媒の一部を複数の試料に分け、それぞれの試料について、予備硫化条件は変更せず、再生処理条件を変更して、再生処理及び予備硫化済みサンプルを得る。当該サンプルについて上記平均積層数を求めて、平均積層数が1.6以上となる処理条件を求める。
方法(1)によれば、所定の予備硫化条件で予備硫化を行う場合に、当該予備硫化と組み合わせる再生処理条件を選別することができる。この方法によれば、予備硫化条件(予備硫化を実施するための装置及びその運転条件等)を変更せずに、当該予備硫化条件と組み合せるに好適な再生処理条件を選別することができる。
方法(2):
使用済み触媒を複数の試料に分け、それぞれの試料について、再生処理条件は変更せず、予備硫化条件を変更して、再生処理及び予備硫化済みサンプルを得る。当該サンプルについて上記平均積層数を求めて、平均積層数が1.6以上となる処理条件を求める。
方法(2)によれば、所定の再生処理条件で再生処理を行う場合に、当該再生処理と組み合わせる予備硫化条件を選別することができる。この方法によれば、再生処理条件(再生処理を実施するための装置及びその運転条件等)を変更せずに、当該再生処理条件と組み合わせるに好適な予備硫化条件を選別することができる。
なお、方法(2)において、再生処理条件によっては予備硫化条件を変更しても、平均積層数が1.6以上とならない場合がある。この観点から、方法(2)における再生処理条件は、再生処理後の触媒のカーボン含有量が0.15〜3.0質量%(より好ましくは0.15〜1.5質量%)となる条件であることが好ましい。このような再生処理条件で再生処理を行うことにより、適切な予備硫化条件との組み合わせにおいて、上記平均積層数を1.6以上とすることができる。
ここで本願において「カーボン含有量」とは、触媒中に残留するカーボン(コーク)の量を意味し、JIS M8819に規定する「石炭類及びコークス類−機器分析装置による元素分析方法」に準拠して測定されるものである。
金属元素Mの硫化物の結晶層の平均積層数は、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の水素化処理活性を高めるために、1.6以上であることが必要であり、1.8以上であると好ましく、2.0以上であるとより好ましい。また該平均積層数としては、4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい。平均積層数がこのような上限以下であると、金属元素Mの硫化物が高分散されるため、金属元素Mの硫化物が水素化処理に有効に活用されるため高い水素化処理活性が得られる。
(第3の工程)
第3の工程では、第2の工程に基づいて決定された再生処理条件及び予備硫化条件で、使用済み触媒の再生処理及び予備硫化を行う。
ここで「第2の工程に基づいて決定された再生処理条件及び予備硫化条件」とは、必ずしも第2の工程で平均積層数が1.6以上となった再生処理条件及び予備硫化条件をそのまま適用することを意味するものではない。
例えば、第2の工程において再生処理を行った装置(以下、「処理装置A」)と第3の工程において再生処理を行う装置(以下、「処理装置B」)とが異なる場合、処理装置Aと処理装置Bとの間の相関関係を予め求めておき、その相関関係と、第2の工程で平均積層数が1.6以上となった再生処理条件と、に基づいて、第3の工程における再生処理条件を決定することができる。
予備硫化についても同様に、第2の工程において予備硫化を行った装置(以下、「処理装置C」)と第3の工程において予備硫化を行う装置(以下、「装置装置C」)とが異なる場合、処理装置Cと処理装置Dとの間の相関関係を予め求めておき、その相関関係と、第2の工程で平均積層数が1.6以上となった予備硫化条件と、に基づいて、第3の工程における予備硫化条件を決定することができる。
なお、処理装置A及び処理装置B間の相関関係、処理装置C及び処理装置D間の相関関係は、それぞれ処理装置以外の条件を同じとしたときの水素化処理活性を比較すること等により求めればよい。
当然のことながら、処理装置Aと処理装置Bとが同一の処理装置であったり、同一の再生処理条件を適用できるものである場合には、第3の工程においては第2の工程で決定された再生処理条件と同一の再生処理条件を適用することができる。また、処理装置Cと処理装置Dとが同一の処理装置であったり、同一の再生処理条件を適用できるものである場合には、第3の工程においては第2の工程で決定された予備硫化条件と同一の予備硫化条件を適用することができる。
(再生処理)
以下、第2の工程、第3の工程における再生処理について詳述するが、再生処理条件は以下の記載に限定されるものではなく、公知の種々の再生処理条件を採用できる。
再生処理に用いられる設備は特に限定されないが、石油留分の水素化処理設備とは異なる設備で行われることが好ましい。すなわち、石油留分の水素化処理設備の反応器に触媒を充填したままの状態で再生処理を行うのではなく、反応器より触媒を抜き出し、抜き出された触媒を再生処理のための設備に移動させて、該設備により再生処理を行うことが好ましい。
使用済み触媒の再生処理を行うための形態は限定されないが、使用済み触媒から、微粉化した触媒や、触媒以外の充填材等を篩い分けにより除去する工程(除去工程)、使用済み触媒に付着した油分を除去する工程(脱油工程)、使用済み触媒に沈着したコーク、硫黄分等を除去する工程(再生工程)からこの順に構成されるものであることが好ましい。
このうち、脱油工程には、酸素が実質的に存在しない雰囲気、例えば窒素雰囲気下に、使用済み触媒を200〜400℃程度の温度に加熱することにより油分を揮散せしめる方法などが好ましく採用される。また、脱油工程は、軽質の炭化水素類にて油分を洗浄する方法、あるいはスチーミングによる油分の除去等の方法によるものであってもよい。
再生工程の処理雰囲気、処理温度及び処理時間は、以下のようにすることができる。但し、以下の記載は、処理雰囲気、処理温度及び処理時間が各要件を満たせば必ず再生水素化処理用触媒に十分な触媒活性を付与できることを意味するものではない。あくまで、第3の工程における再生処理は、第2の工程に基づいて決定された再生処理条件によって行われる。
再生工程における処理雰囲気は、分子状酸素が存在する雰囲気、例えば空気中、特には空気流中とすることが好ましい。
また、再生工程の処理温度は、使用済み触媒の使用履歴等に応じて異なるが、好ましくは200〜700℃、より好ましくは230〜550℃、さらに好ましくは240〜470℃、さらにより好ましくは250〜450℃、より一層好ましくは250〜400℃の範囲で選択される。沈着したコーク、硫黄分等を酸化して除去する方法が好ましく採用される。処理温度が上記下限温度を下回る場合には、コーク、硫黄分等の触媒活性を低下せしめた物質の除去が効率的に進行しない等の傾向にある。一方、処理温度が上記上限温度を超える場合には、触媒中の金属元素が複合金属酸化物を形成する、凝集を起こす等して、得られる再生触媒の活性が低下する場合がある。
再生工程の処理時間は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは2.5時間以上、特に好ましくは3時間以上である。処理時間が0.5時間未満の場合には、コーク、硫黄分等の触媒活性を低下せしめた物質の除去が効率的に進行しない傾向にある。
(予備硫化)
予備硫化は、水素化処理設備とは異なる設備で行ってもよく、水素化処理設備に充填して行ってもよい。特に第3の工程においては、後者の方法で行うことで、予備硫化済み再生触媒を移送せずに、そのまま水素化処理に供することができる。
予備硫化の条件は、例えば以下のようにすることができる。但し、以下の記載は、各要件を満たせば必ず予備硫化済み再生触媒に十分な触媒活性を付与できることを意味するものではない。あくまで、第3の工程における予備硫化は、第2の工程に基づいて決定された予備硫化条件によって行われる。
予備硫化は、例えば、石油留分に硫黄化合物を添加し、これを温度200〜400℃、LHSV(液空間速度、Liquid Hourly Space Velocity)0.05〜5h−1、水素化処理運転時と同一の圧力(例えば、3〜13MPaの範囲で選択される圧力)、処理時間5時間以上の条件にて、触媒に連続的に接触せしめることで行うことができる。添加する硫黄化合物としては限定されないが、ジメチルジスルフィド(DMDS)、硫化水素等が好ましく、これらを1質量%程度の濃度(例えば、0.5〜2.5質量%)で石油留分に添加することが好ましい。
予備硫化条件としては、温度を200〜400℃とすることが好ましく、220〜360℃とすることがより好ましく、240〜340℃とすることもできる。また、予備硫化条件としては、LHSVを0.05〜5.0h−1としてもよく、より好ましくは0.5〜3.5h−1とすることができ、1.0〜2.0h−1としてもよい。
また、予備硫化条件としては、圧力を3〜13MPaとすることが好ましく、3.5〜12MPaとすることがより好ましく、4〜11MPaとすることが更に好ましい。また、予備硫化の処理時間は、好ましくは5時間以上、より好ましくは24時間以上、さらに好ましくは48時間以上である。
予備硫化の際に触媒に接触させる石油留分中の硫黄化合物の濃度は、0.5〜2.5質量%であることが好ましく、0.7〜1.7質量%であることがより好ましく、0.8〜1.2質量%であることが更に好ましい。
(予備硫化済み再生水素化処理用触媒)
本実施形態に係る予備硫化済み再生水素化処理用触媒は、上記の製造方法で製造されたものであり、高い活性を有する。
なお、水素化処理用触媒の活性は、例えば、脱硫活性により評価することができる。脱硫活性は、脱硫活性は、水素化処理前の石油留分中の硫黄分含有量と、水素化処理後の石油留分中の硫黄分含有量と、から得られる脱硫速度定数により評価される。
また、再生処理の効率は、使用前の水素化処理用触媒(未使用触媒)の脱硫速度定数Sと、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の脱硫速度定数Sと、を比較した、比活性(相対活性)S/Sによって評価することができる。本実施形態に係る製造方法によって製造された予備硫化済み再生水素化処理用触媒の比活性S/Sは、好ましくは0.80以上であり、より好ましくは0.85以上である。
(予備硫化済み再生水素化処理用触媒の使用法)
予備硫化済み再生水素化処理用触媒は、上述の石油留分の水素化処理の触媒として単独で使用してもよく、未使用触媒と積層して使用してもよい。未使用触媒と積層して使用する場合、再生水素化処理用触媒の割合は特に限定されるものではないが、触媒廃棄量の削減、触媒交換時における触媒の分離し易さ等の観点で未使用触媒100に対して80以上(質量比)が好ましく、120以上(質量比)がより好ましい。予備硫化済み再生水素化処理用触媒の使用に際し、水素化処理は、上記水素化処理工程と同様にして行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明は、石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって周期表第6族元素から選ばれる金属元素Mを有する触媒を再生処理して、再生触媒を得る第1の工程と、第1の工程で得た再生触媒の一部について予備硫化を行うとともに、予備硫化を経た再生触媒について金属元素Mの硫化物の結晶層の平均積層数を観測して、当該平均積層数が1.6以上となる予備硫化条件を求める第2の工程と、第1の工程で得た再生触媒の他部について、第2の工程に基づいて決定された予備硫化条件で予備硫化を行う第3の工程と、を備える、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法ということもできる。
また、本発明は、石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって、周期表第6族元素から選ばれる金属元素Mを有する触媒を用意する第1の工程と、第1の工程で用意した触媒の一部について再生処理を行うとともに、再生処理後の触媒を予備硫化したときの金属元素Mの硫化物の結晶層の平均積層数を観測して、当該平均積層数が1.6以上となる再生処理条件を求める第2の工程と、第1の工程で用意した触媒の他部について、第2の工程に基づいて決定された再生処理条件で再生処理を行う第3の工程と、を備える、再生水素化処理用触媒の製造方法ということもでき、これにより製造された再生水素化処理用触媒を予備硫化する工程を備える、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法ということもできる。
また、本発明は、石油留分を処理するための水素化処理用触媒を再生処理するに際し、再生処理条件を選別する方法であって、水素化処理後の水素化処理用触媒について所定の条件で再生処理及び予備硫化を行い、再生処理及び予備硫化を経た触媒について前記金属元素の硫化物の結晶層を観測する第2の工程と、第2の工程で観測された平均積層数に基づいて、再生処理の条件の良否を判定する第3の工程と、を備える、水素化処理用触媒の再生処理条件の選別方法ということもできる。
また、本発明は、石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって周期表第6族元素から選ばれる金属元素を有する触媒を、上記の決定方法で決定された再生処理条件で再生処理する工程を備える、再生水素化処理用触媒の製造方法ということもできる。
さらに、本発明は、上記製造方法により製造された予備硫化済み再生水素化処理用触媒を用いて、石油留分の水素化処理を行う工程を備える、石油製品の製造方法であってもよい。このような製造方法によれば、経済性よく石油製品を製造することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(使用済み触媒)
活性金属としてモリブデン及びコバルトをアルミナ担体に担持してなる触媒(未使用触媒1)を、灯油の水素化処理設備において水素化処理用触媒として2年間使用したものを使用済み触媒1として用意した。
(使用済み触媒の再生処理)
使用済み触媒1の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒1を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、250℃で5時間再生処理を行って、再生触媒A1を得た。得られた再生触媒A1のカーボン含有量を測定したところ、1.16質量%であった。
(再生触媒の予備硫化)
固定床連続流通式反応装置に再生触媒A1を充填し、触媒の予備硫化を行った。具体的には、灯油留分に1質量%のジメチルジスルフィド(DMDS)を添加し、これを反応温度290℃、液空間速度2.0h−1、圧力4MPaの条件で、再生触媒A1に対して48時間連続的に供給して予備硫化処理を行い、予備硫化済み再生触媒A1を得た。
(二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて下記の条件で予備硫化済み再生触媒A1のTEM写真を撮影した。
電子銃 :LaB6
加速電圧:200kV
撮影倍率:150万倍
得られたTEM写真から、100個の二硫化モリブデン層を観察し、各二硫化モリブデン層についてそれぞれ積層数を測定して平均積層数を算出した。予備硫化済み再生触媒A1の二硫化モリブデン層の平均積層数は1.61であった。
図1は、予備硫化済み再生触媒A1のTEM写真の一部を示す図であり、図2は、図1に示すTEM写真における二硫化モリブデン層を示す図である。図2中、Aは、積層数が1の二硫化モリブデン層を示し、Bは、積層数が2の二硫化モリブデン層を示し、Cは、積層数が3の二硫化モリブデン層を示し、Dは、積層数が4の二硫化モリブデン層を示し、Eは、積層数が5の二硫化モリブデン層を示す。
(予備硫化済み再生触媒の調製及び触媒活性の評価)
使用済み触媒1の他部について、上記と同条件で再生処理を行って再生触媒B1を得て、ついで上記と同条件で予備硫化を行って予備硫化済み再生触媒B1を得た。得られた再生触媒1のカーボン含有量は1.16質量%であった。また、予備硫化済み再生触媒B1における二硫化モリブデン層の平均積層数は1.61であった。
予備硫化済み再生触媒B1について、以下のようにして触媒活性を評価した。まず、固定床連続流通式反応装置に予備硫化済み再生触媒B1を充填し、灯油留分を原料油として、水素分圧4MPa、液空間速度1.0h−1、水素/油比200NL/L、反応温度300℃で水素化処理反応を行った。生成油中の硫黄分含有量から、脱硫速度定数を求めた。未使用触媒1の脱硫速度定数を1として、予備硫化済み再生触媒B1の比活性(脱硫活性)を求めたところ、0.95となった。
なお、予備硫化済み再生触媒A1についても同様に触媒活性の評価を行ったところ、その比活性(脱硫活性)は0.95であった。
[実施例2]
(使用済み触媒の再生処理)
実施例1と同じ使用済み触媒1の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒1を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、300℃で5時間再生処理を行って、再生触媒A2を得た。得られた再生触媒A2のカーボン含有量を測定したところ、0.48質量%であった。
(再生触媒の予備硫化、二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
再生触媒A2について実施例1と同条件で予備硫化を行い、予備硫化済み再生触媒A2を得た。得られた予備硫化済み再生触媒A2について、実施例1と同様にTEM写真解析を行ったところ、二硫化モリブデン層の平均積層数は2.40であった。
(予備硫化済み再生触媒の調製及び触媒活性の評価)
使用済み触媒1の他部について、上記と同条件で再生処理を行って再生触媒B2を得て、ついで上記と同条件で予備硫化を行って予備硫化済み再生触媒B2を得た。得られた再生触媒B2のカーボン含有量は0.48質量%であった。また、予備硫化済み再生触媒B2における二硫化モリブデン層の平均積層数は2.40であった。
予備硫化済み再生触媒B2について、実施例1と同様にして触媒活性を評価したところ、予備硫化済み再生触媒B2の比活性(脱硫活性)は0.98であった。なお、予備硫化済み再生触媒A2についても同様に触媒活性の評価を行ったところ、その比活性(脱硫活性)も0.98であった。
[実施例3]
(使用済み触媒の再生処理)
実施例1と同じ使用済み触媒1の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒1を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、350℃で5時間再生処理を行って、再生触媒A3を得た。得られた再生触媒A3のカーボン含有量を測定したところ、0.15質量%であった。
(再生触媒の予備硫化、二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
再生触媒A3について実施例1と同条件で予備硫化を行い、予備硫化済み再生触媒A3を得た。得られた予備硫化済み再生触媒A3について、実施例1と同様にTEM写真解析を行ったところ、二硫化モリブデン層の平均積層数は2.29であった。
図3は、予備硫化済み再生触媒A3のTEM写真の一部を示す図であり、図4は、図3に示すTEM写真における二硫化モリブデン層を示す図である。図4中、Aは、積層数が1の二硫化モリブデン層を示し、Bは、積層数が2の二硫化モリブデン層を示し、Cは、積層数が3の二硫化モリブデン層を示し、Dは、積層数が4の二硫化モリブデン層を示す。
(予備硫化済み再生触媒の調製及び触媒活性の評価)
使用済み触媒1の他部について、上記と同条件で再生処理を行って再生触媒B3を得て、ついで上記と同条件で予備硫化を行って予備硫化済み再生触媒B3を得た。得られた再生触媒B3のカーボン含有量は0.15質量%であった。また、予備硫化済み再生触媒B3における二硫化モリブデン層の平均積層数は2.29であった。
予備硫化済み再生触媒B3について、実施例1と同様にして触媒活性を評価したところ、予備硫化済み再生触媒B3の比活性(脱硫活性)は0.98であった。なお、予備硫化済み再生触媒A3についても同様に触媒活性の評価を行ったところ、その比活性(脱硫活性)も0.98であった。
[実施例4]
(使用済み触媒)
活性金属としてモリブデン、ニッケル及びコバルトをアルミナ担体に担持した触媒(未使用触媒2)を、灯油の水素化処理設備において水素化処理用触媒として2年間使用したものを使用済み触媒2として用意した。
(使用済み触媒の再生処理)
使用済み触媒2の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒2を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、350℃で5時間再生処理を行って、再生触媒A4を得た。得られた再生触媒A4のカーボン含有量を測定したところ、2.09質量%であった。
(再生触媒の予備硫化、二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
再生触媒A4について実施例1と同条件で予備硫化を行い、予備硫化済み再生触媒A4を得た。得られた予備硫化済み再生触媒A4について、実施例1と同様にTEM写真解析を行ったところ、二硫化モリブデン層の平均積層数は2.04であった。
(予備硫化済み再生触媒の調製及び触媒活性の評価)
使用済み触媒2の他部について、上記と同条件で再生処理を行って再生触媒B4を得て、ついで上記と同条件で予備硫化を行って予備硫化済み再生触媒B4を得た。得られた再生触媒B4のカーボン含有量は2.09質量%であった。また、予備硫化済み再生触媒B4における二硫化モリブデン層の平均積層数は2.04であった。
予備硫化済み再生触媒B4について、実施例1と同様にして触媒活性を評価したところ、未使用触媒2の脱硫速度定数を1とした予備硫化済み再生触媒B4の比活性(脱硫活性)は0.96であった。なお、予備硫化済み再生触媒A4について同様に触媒活性の評価を行ったところ、その比活性(脱硫活性)も0.96であった。
[実施例5]
(使用済み触媒の再生処理)
実施例4と同じ使用済み触媒2の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒2を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、400℃で5時間再生処理を行って、再生触媒A5を得た。得られた再生触媒A5のカーボン含有量を測定したところ、0.18質量%であった。
(再生触媒の予備硫化、二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
再生触媒A5について実施例1と同条件で予備硫化を行い、予備硫化済み再生触媒A5を得た。得られた予備硫化済み再生触媒A5について、実施例1と同様にTEM写真解析を行ったところ、二硫化モリブデン層の平均積層数は1.84であった。
(予備硫化済み再生触媒の調製及び触媒活性の評価)
使用済み触媒2の他部について、上記と同条件で再生処理を行って再生触媒B5を得て、ついで上記と同条件で予備硫化を行って予備硫化済み再生触媒B5を得た。得られた再生触媒B5のカーボン含有量は0.18質量%であった。また、予備硫化済み再生触媒B5における二硫化モリブデン層の平均積層数は1.84であった。
予備硫化済み再生触媒B5について、実施例1と同様にして触媒活性を評価したところ、未使用触媒2の脱硫速度定数を1とした予備硫化済み再生触媒B5の比活性(脱硫活性)は0.95であった。なお、予備硫化済み再生触媒A5についても同様に触媒活性の評価を行ったところ、その比活性(脱硫活性)も0.95であった。
[比較例1]
(使用済み触媒の再生処理)
実施例1と同じ使用済み触媒1の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒1を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、450℃で5時間再生処理を行って、再生触媒6を得た。得られた再生触媒6のカーボン含有量を測定したところ、0.09質量%であった。
(再生触媒の予備硫化、二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
再生触媒6について実施例1と同条件で予備硫化を行い、予備硫化済み再生触媒6を得た。得られた予備硫化済み再生触媒6について、実施例1と同様にTEM写真解析を行ったところ、二硫化モリブデン層の平均積層数は1.47であった。
図5は、予備硫化済み再生触媒6のTEM写真の一部を示す図であり、図6は、図5に示すTEM写真における二硫化モリブデン層を示す図である。図6中、Aは、積層数が1の二硫化モリブデン層を示し、Bは、積層数が2の二硫化モリブデン層を示し、Cは、積層数が3の二硫化モリブデン層を示し、Dは、積層数が4の二硫化モリブデン層を示す。
(触媒活性の評価)
予備硫化済み再生触媒6について、実施例1と同様にして触媒活性を評価したところ、未使用触媒1の脱硫速度定数を1とした予備硫化済み再生触媒6の比活性(脱硫活性)は0.83であった。
[比較例2]
(使用済み触媒の再生処理)
実施例1と同じ使用済み触媒1の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒1を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、500℃で5時間再生処理を行って、再生触媒7を得た。得られた再生触媒7のカーボン含有量を測定したところ、0.01質量%であった。
(再生触媒の予備硫化、二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
再生触媒7について実施例1と同条件で予備硫化を行い、予備硫化済み再生触媒7を得た。得られた予備硫化済み再生触媒7について、実施例1と同様にTEM写真解析を行ったところ、二硫化モリブデン層の平均積層数は1.10であった。
(触媒活性の評価)
予備硫化済み再生触媒7について、実施例1と同様にして触媒活性を評価したところ、未使用触媒1の脱硫速度定数を1とした予備硫化済み再生触媒7の比活性(脱硫活性)は0.82であった。
[比較例3]
(使用済み触媒の再生処理)
実施例4と同じ使用済み触媒2の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒2を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、500℃で5時間再生処理を行って、再生触媒8を得た。得られた再生触媒8のカーボン含有量を測定したところ、0.01質量%であった。
(再生触媒の予備硫化、二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
再生触媒8について実施例1と同条件で予備硫化を行い、予備硫化済み再生触媒8を得た。得られた予備硫化済み再生触媒8について、実施例1と同様にTEM写真解析を行ったところ、二硫化モリブデン層の平均積層数は1.26であった。
(触媒活性の評価)
予備硫化済み再生触媒8について、実施例1と同様にして触媒活性を評価したところ、未使用触媒2の脱硫速度定数を1とした予備硫化済み再生触媒8の比活性(脱硫活性)は0.80であった。
[比較例4]
(使用済み触媒の再生処理)
実施例4と同じ使用済み触媒2の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒2を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、250℃で5時間再生処理を行って、再生触媒9を得た。得られた再生触媒9のカーボン含有量を測定したところ、11.30質量%であった。
(再生触媒の予備硫化、二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
再生触媒9について実施例1と同条件で予備硫化を行い、予備硫化済み再生触媒9を得た。得られた予備硫化済み再生触媒9について、実施例1と同様にTEM写真解析を行ったところ、二硫化モリブデン層の平均積層数は1.43であった。
(触媒活性の評価)
予備硫化済み再生触媒9について、実施例1と同様にして触媒活性を評価したところ、未使用触媒2の脱硫速度定数を1とした予備硫化済み再生触媒9の比活性(脱硫活性)は0.42であった。
[比較例5]
(使用済み触媒の再生処理)
実施例4と同じ使用済み触媒2の一部を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである窒素気流下に、300℃で3時間加熱して脱油を行った。次いで、脱油済みの使用済み触媒2を、電気炉中にて、触媒単位体積当りの流速が50NL/h・Lである空気流下に、300℃で5時間再生処理を行って、再生触媒10を得た。得られた再生触媒10のカーボン含有量を測定したところ、7.52質量%であった。
(再生触媒の予備硫化、二硫化モリブデン層の平均積層数の測定)
再生触媒10について実施例1と同条件で予備硫化を行い、予備硫化済み再生触媒10を得た。得られた予備硫化済み再生触媒10について、実施例1と同様にTEM写真解析を行ったところ、二硫化モリブデン層の平均積層数は1.27であった。
(触媒活性の評価)
予備硫化済み再生触媒10について、実施例1と同様にして触媒活性を評価したところ、未使用触媒2の脱硫速度定数を1とした予備硫化済み再生触媒10の比活性(脱硫活性)は0.58であった。
実施例1〜5では、予備硫化済み再生触媒の平均積層数が1.6以上となる再生処理条件及び予備硫化条件を選択することで、未使用触媒に対する比活性の高い予備硫化済み再生触媒が得られた。また、実施例1〜5の予備硫化条件で平均積層数が1.6以上となる再生処理条件は、再生触媒のカーボン含有量が0.15〜3.0質量%となる再生処理条件であった。一方で、再生触媒のカーボン含有量が0.15〜3.0質量%の範囲外となる再生処理条件を採用した比較例1〜5では、予備硫化済み再生触媒の平均積層数が1.6未満であり、このような再生処理条件及び予備硫化条件の組み合わせでは、高い比活性を得ることができなかった。

Claims (8)

  1. 石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって、周期表第6族元素から選ばれる金属元素を有する触媒を用意する第1の工程と、
    前記第1の工程で用意した前記触媒の一部について再生処理及び予備硫化を行うとともに、再生処理及び予備硫化を経た前記触媒について前記金属元素の硫化物の結晶層の平均積層数を観測して、当該平均積層数が1.6以上4.0以下となる再生処理条件及び予備硫化条件を求める第2の工程と、
    前記第1の工程で用意した前記触媒の他部について、前記第2の工程に基づいて決定された再生処理条件及び予備硫化条件で再生処理及び予備硫化を行う第3の工程と、
    を備える、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法。
  2. 石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって周期表第6族元素から選ばれる金属元素を有する触媒を再生処理して、再生触媒を得る第1の工程と、
    前記第1の工程で得た前記再生触媒の一部について予備硫化を行うとともに、予備硫化を経た前記再生触媒について前記金属元素の硫化物の結晶層の平均積層数を観測して、当該平均積層数が1.6以上4.0以下となる予備硫化条件を求める第2の工程と、
    前記第1の工程で得た前記再生触媒の他部について、前記第2の工程に基づいて決定された予備硫化条件で予備硫化を行う第3の工程と、
    を備える、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法。
  3. 前記第1の工程における前記再生処理を、前記再生触媒のカーボン含有量が0.15〜3.0質量%となる条件で行う、請求項2に記載の製造方法。
  4. 石油留分の水素化処理に用いられた水素化処理用触媒であって、周期表第6族元素から選ばれる金属元素を有する触媒を用意する第1の工程と、
    前記第1の工程で用意した前記触媒の一部について再生処理を行って、再生処理後の前記触媒を予備硫化したときの前記金属元素の硫化物の結晶層の平均積層数が1.6以上4.0以下となる再生処理条件を求める第2の工程と、
    前記第1の工程で用意した前記触媒の他部について、前記第2の工程に基づいて決定された再生処理条件で再生処理を行う第3の工程と、
    を備える、再生水素化処理用触媒の製造方法。
  5. 前記第2の工程における予備硫化は、再生処理後の前記触媒に、0.5〜2.5質量%の硫黄化合物を含む石油留分を、温度200〜400℃、液空間速度0.05〜5h−1、圧力3〜13MPa、処理時間5時間以上の条件で連続して接触させて行われる、請求項4に記載の再生水素化処理用触媒の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の製造方法により製造された再生水素化処理用触媒を予備硫化する工程を備える、予備硫化済み再生水素化処理用触媒の製造方法。
  7. 石油留分を処理するための水素化処理用触媒であって周期表第6族元素から選ばれる金属元素を有する触媒を再生処理するに際し、再生処理条件を選別する方法であって、
    水素化処理後の水素化処理用触媒について所定の条件で再生処理及び予備硫化を行い、再生処理及び予備硫化を経た前記触媒について前記金属元素の硫化物の結晶層を観測する第2の工程と、
    前記第2の工程で観測された前記平均積層数に基づいて、再生処理の条件の良否を判定する第3の工程と、
    を備える、水素化処理用触媒の再生処理条件の選別方法。
  8. 請求項1〜3及び6のいずれか一項に記載の製造方法により製造された予備硫化済み再生水素化処理用触媒を用いて、石油留分の水素化処理を行う工程を備える、石油製品の製造方法。
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