JP5694276B2 - 排ガス処理装置及び方法 - Google Patents

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本発明は、焼却炉や溶融炉等を含む廃棄物処理設備から排出される排ガスを濾過して当該排ガスに含まれる飛灰を捕獲するとともに当該飛灰を混練処理するための装置及び方法に関するものである。
焼却炉や溶融炉を含む廃棄物処理設備からは、廃棄物の燃焼により、飛灰を含む高温の排ガスが生成される。この排ガスの処理にあたっては、1)当該排ガスを例えばバグフィルタで濾過して当該排ガス中の飛灰を捕獲することと、2)濾過されて外気に排出されるガスの塩化水素濃度を一定以下に抑えることと、3)捕獲された飛灰を例えば混練処理して埋立てに適した材料にするとともに、その処理後の材料における重金属、特に六価クロム及び鉛、の溶出量を抑えることと、が要請される。
このうち、2)の塩化水素ガス濃度を抑制する手段としては、当該塩化水素ガス濃度を検出してその検出濃度が一定以下に抑えられるように濾過前のガスに対して中和剤である消石灰を供給することが知られており、3)の六価クロム及び鉛の溶出量を抑制する手段としては、硫酸第一鉄や塩化第一鉄といった第一鉄塩を液体の状態で混練中の飛灰に供給することが知られている。この第一鉄塩は、前記飛灰に含まれる六価クロムを無害の三価クロムに還元する還元剤としての役割に加え、前記消石灰の供給により過度に上昇した飛灰のpHを適当な値に抑える酸としての役割も担う。このように飛灰中のpHを抑えることは、鉛の溶出量の低減に寄与する。混練される飛灰中からの鉛の溶出量はpHの過度の上昇(例えばpH>11)によって顕著に増加するため、当該pHの調整は鉛の溶出の抑制にきわめて効果的である。
しかしながら、前記のように混練処理中の飛灰に対して液体状の第一鉄塩を供給する方法では、当該第一鉄塩の十分な混合が難しく、また、粉状の第一鉄塩を用いる場合に比べてコストが高くなり易いという欠点がある。この方法に対し、特許文献1には、前記第一鉄塩である粉状の硫酸第一鉄を含む粉状の煤塵処理剤を煙道すなわちバグフィルタの上流側の箇所に供給する方法が記載されている。この方法では、前記煤塵処理剤が排ガス中に混合された後に前記バグフィルタで前記飛灰とともに捕獲され、混練機において飛灰と十分に混合されることが可能である。
この方法では、前記硫酸第一鉄の単位時間あたりの供給量の調整が重要である。当該硫酸第一鉄の過剰な供給は、コストの増大につながるとともに、pHを過剰に下げて(例えばpH<9)鉛の溶出量を逆に増やすおそれがある。この硫酸第一鉄の供給量を決定するための手段として、前記特許文献1は、得られる煤塵(飛灰)について予備試験を行うことにより煤塵処理剤の必要供給量を決定する方法を開示する。具体的に、この方法では、得られた煤塵に所定量の煤塵処理剤を添加及び混合して得られた溶液について溶出試験が行われ、その溶出液のpHが10.5〜12.0となるように前記煤塵処理剤の供給量が設定される。
特開2010−279930号公報
前記方法は、溶出試験の結果すなわち処理中または処理後の飛灰のpHの検出結果に基づいて硫酸第一鉄の単位時間あたりの供給量をフィードバック制御するものであるが、この方法では硫酸第一鉄が供給されてから実際にpHが測定されて硫酸第一鉄の供給量が決定されるまでのタイムラグが非常に大きく、すなわち応答遅れが著しく、よって適正な制御を行うことが難しい、という課題がある。具体的に、前記方法では、溶出試験を開始してからpHを測定して硫酸第一鉄の供給量を決定するまでに長い時間(最低でも30分)を要するため、その間に実際のpHが大きく変動するおそれがある。このことは、実際の飛灰のpHと硫酸第一鉄の供給量との不整合を招き、当該飛灰のpHを好適な値にコントロールすることを困難にする。
本発明の目的は、廃棄物処理設備から排出される排ガスを濾過して前記飛灰を捕獲してから排出するとともに、その濾過後のガスにおける塩化水素濃度を抑え、かつ、捕獲した飛灰のpHを適正な範囲に調整することが可能な排ガス処理装置及び方法を提供することにある。
当該目的を達成するために、本発明者らは、濾過された後のガスの塩化水素濃度に着目した。この塩化水素濃度は、消石灰の供給量を決定するために検出されるが、その検出された塩化水素濃度と実際の消石灰の供給量とに基づき、供給された消石灰のうち塩化水素との中和反応に寄与していない未反応消石灰の量を推定することが可能である。そして、この未反応消石灰の量に基づき、当該未反応消石灰を中和して飛灰のpHを好適な値に制御するための飛灰処理剤の供給量を決定することが可能である。
本発明は、このような観点からなされたものであり、廃棄物処理設備から排出される排ガスを処理するための排ガス処理装置であって、廃棄物処理設備から排出される排ガスに消石灰を供給する消石灰供給装置と、前記排ガス中に第一鉄塩を含む飛灰処理剤を供給する飛灰処理剤供給装置と、前記消石灰及び前記飛灰処理剤が供給された前記排ガスを濾過して当該排ガスに含まれる飛灰、前記消石灰及び前記飛灰処理剤を捕獲する濾過器と、当該濾過器が捕獲した飛灰を前記消石灰及び前記飛灰処理剤とともに水と混練処理する飛灰処理装置と、前記濾過器により濾過された後のガスの塩化水素濃度を検出する塩化水素濃度検出器と、この塩化水素濃度検出器が検出する塩化水素濃度を目標値に近づけるための単位時間あたりの消石灰の供給量を決定し、その決定した供給量で前記消石灰供給装置に前記消石灰の供給を行わせる塩化水素濃度制御器と、前記塩化水素濃度検出器が検出する塩化水素濃度と前記消石灰供給装置による単位時間当たりの消石灰の供給量とに基づいて、前記塩化水素との中和反応に寄与していない未反応消石灰を中和するための単位時間あたりの飛灰処理剤の供給量を決定し、その決定した供給量で前記飛灰処理剤供給装置に前記飛灰処理剤の供給を行わせる飛灰処理制御器と、を備えた装置を、提供する。
また本発明は、廃棄物処理設備から排出される排ガスを処理するための排ガス処理方法であって、廃棄物処理設備から排出される排ガスに消石灰を供給することと、前記排ガス中に第一鉄塩を含む飛灰処理剤を供給することと、前記消石灰及び前記飛灰処理剤が供給された前記排ガスを濾過器により濾過して当該排ガスに含まれる飛灰、前記消石灰及び前記飛灰処理剤を捕獲することと、その捕獲した飛灰を前記消石灰及び前記飛灰処理剤とともに水と混練処理することと、前記濾過器により濾過された後のガスの塩化水素濃度を検出することと、を含み、前記消石灰の供給については、検出した塩化水素濃度を目標値に近づけるように単位時間あたりの消石灰の供給量を決定し、前記飛灰処理剤の供給については、検出した塩化水素濃度と前記のように決定した単位時間当たりの消石灰の供給量とに基づいて、前記塩化水素との中和反応に寄与していない未反応消石灰を中和するための単位時間あたりの飛灰処理剤の供給量を決定する方法を、提供する。
前記装置及び方法では、塩化水素濃度検出器が検出する(濾過後のガスの)塩化水素濃度に基づき、当該塩化水素濃度を目標値に制御するための消石灰供給量を決定するとともに、その検出された塩化水素濃度とこれに基づき決定される消石灰供給量を利用して、前記消石灰との中和反応に寄与しなかった未反応消石灰を中和するための飛灰処理剤供給量を決定することができる。従って、従来のような溶出試験を要することなく、タイムラグの小さい、すなわち応答性の高い、適正な飛灰処理制御を実現することができる。
具体的に、前記排ガス処理装置における飛灰処理制御器は、前記塩化水素濃度検出器が検出する塩化水素濃度と前記塩化水素濃度制御器が決定した単位時間当たりの消石灰供給量とに基づいて前記濾過器に流入する塩化水素ガスの流量を算定する塩化水素流入量算定部と、その算定された塩化水素ガスの流量に基づいて前記消石灰のうち前記塩化水素ガスとの中和反応に寄与していない未反応消石灰の量を算定する未反応消石灰量算定部と、その算定された未反応消石灰の量に基づいて単位時間当たりの飛灰処理剤の供給量を決定する飛灰処理剤供給量決定部と、を含むものが、好適である。
この場合、前記飛灰処理剤供給決定部は、例えば、前記未反応消石灰の全量を中和するのに必要な飛灰処理剤の量を前記供給量として決定するのが、よい。
同様に、前記排ガス処理方法においては、前記飛灰処理剤の供給量の決定にあたり、検出した塩化水素濃度と決定した単位時間当たりの消石灰供給量とに基づいて前記濾過器に流入する塩化水素ガスの流量を算定し、その算定された塩化水素ガスの流量に基づいて前記消石灰のうち前記塩化水素ガスとの中和反応に寄与していない未反応消石灰の量を算定し、その算定された未反応消石灰の量に基づいて単位時間当たりの飛灰処理剤の供給量を決定するのが、好ましい。
この場合、前記飛灰処理剤の供給量は、例えば、前記未反応消石灰の全量を中和するのに必要な飛灰処理剤の量を前記供給量として決定するのが、よい。
以上のように、本発明によれば、廃棄物処理設備から排出される排ガスを濾過して前記飛灰を捕獲してから排出するとともに、その濾過後のガスにおける塩化水素濃度を消石灰の供給によって抑えることができ、かつ、その消石灰の供給に起因する飛灰のpHの上昇を適正に抑えることが可能な排ガス処理装置及び方法が提供される。
本発明の実施の形態に係る排ガス処理装置を示す図である。 前記排ガス処理装置の飛灰処理制御器を示すブロック図である。 前記飛灰処理制御器での演算において利用される当量比と脱塩率との関係を示すグラフである。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る排ガス処理装置を示したものである。この排ガス処理装置は、図略の廃棄物処理設備から排出される排ガスを処理するためのものである。廃棄物処理設備は、都市ごみ等の廃棄物を熱分解処理するものであって、溶融炉、焼却炉、複合炉、あるいはその他の熱分解炉を含む種々のものについて本発明の装置が適用されることが可能である。
前記排ガス処理装置は、濾過器10と、誘引送風機12と、消石灰供給装置14と、飛灰処理剤供給装置16と、飛灰処理装置18と、塩化水素濃度検出器20と、塩化水素濃度制御器22と、飛灰処理制御器24と、を備える。
前記濾過器10は、前記廃棄物処理設備から排出される排ガスを濾過するためのもので、例えばバグフィルタからなる。濾過器10は、ガス入口及びガス出口を有し、ガス入口は煙道26を介して前記廃棄物処理設備に接続され、ガス出口は前記誘引送風機12に接続される。濾過器10は、前記煙道26を通じて導入される排ガスを濾過し、当該排ガス中に含まれる飛灰を捕獲して前記飛灰処理装置18に導出する。前記誘引送風機12は、例えばファンからなり、前記濾過器10から排出される濾過後のガスが煙突28を通じて外気に排出されるガス流れを形成する。
前記消石灰供給装置14は、前記排ガスに含まれる塩化水素を中和するための消石灰を貯留し、かつ、これを前記煙道26内の排ガスに供給する。この消石灰供給装置14による単位時間当たりの消石灰の供給量は可変であり、この供給量は前記塩化水素濃度制御器22から入力される制御信号によって調節される。具体的に、この消石灰供給装置14は、例えば、消石灰を貯留する貯留ホッパーと、その貯留された消石灰を切り出して前記煙道26内に供給する切り出し装置と、を備える。前記切り出し装置は、例えばスクリューコンベアと供給ブロワとを有し、前記塩化水素濃度制御器22から入力される制御信号に基づいて作動することにより、前記消石灰の供給量を変化させる。
前記飛灰処理剤供給装置16は、固形状(例えば粉状)の第一鉄塩を含む飛灰処理剤を貯留し、かつ、これを前記煙道26内の排ガスに供給する。前記飛灰処理剤は、前記第一鉄塩そのものであってもよいし、これに他の成分が付加されたものでもよい。この実施形態では前記第一鉄塩として硫酸第一鉄が用いられるが、その他の第一鉄塩、例えば塩化第一鉄が用いられてもよい。いずれの第一鉄塩も高温下での使用が可能であるが、硫酸第一鉄は塩化第一鉄に比べて貯留時の取扱いが容易でありまた潮解性を有しないという利点がある。当該第一鉄塩は、前記排ガスに含まれる六価クロムを三価クロムに還元する還元剤として機能するとともに、前記消石灰供給装置14により排ガスに供給される消石灰のうち塩化水素との中和反応に寄与しなかった消石灰を中和することにより飛灰のpHを調整するpH調整剤として機能する。
この飛灰処理剤供給装置16による前記飛灰処理剤の単位時間当たりの供給量は可変であり、当該供給量は前記飛灰処理制御器24から入力される制御信号によって調節される。具体的に、この飛灰処理剤供給装置16は、例えば、前記飛灰処理剤を貯留する処理剤貯留ホッパーとその貯留された飛灰処理剤を切り出して煙道26内に供給する切り出し装置とを備え、そのうちの切り出し装置が前記飛灰処理制御器24から入力される制御信号に基づいて作動することにより、前記消石灰の供給量を変化させるように作動する。
前記濾過器10は、前記排ガスに含まれる飛灰に加え、前記消石灰供給装置14により供給される消石灰、及び、前記飛灰処理剤供給装置16により供給される飛灰処理剤中の少なくとも硫酸第一鉄を捕獲する能力を有する。
前記飛灰処理装置18は、前記濾過器10が捕獲した飛灰を前記消石灰及び前記飛灰処理剤とともに混練処理するものであり、この実施の形態では飛灰搬送コンベア30と、飛灰貯留槽32と、混練機34と、を有する。前記飛灰搬送コンベア30は、前記濾過器10から排出される飛灰を受け取って前記飛灰貯留槽32に搬入し、前記飛灰貯留槽32はこれを貯留しかつ適当なタイミング及び速度で混練機34に供給する。混練機34は、前記飛灰貯留槽32から供給される飛灰を水と混練して埋立てに適した状態にし、排出する。この排出される混練済の飛灰のpHは、前記消石灰供給装置14からの消石灰の供給量及び前記飛灰処理剤供給装置16からの飛灰処理剤の供給量によって変化し、当該pHが適当な範囲(例えば9.0〜11.0)に収められていれば当該飛灰からの鉛の溶出量が有効に抑えられる。
前記混練機で供給される水は混練後の飛灰の含水率が15〜35%となるように添加されることが好ましい。煙道に添加される第一鉄塩(例えば硫酸第一鉄・1水和物の乾燥物)は水を加えることによって酸の中和作用や還元作用を発揮する。そのため、混練機で水を添加することによって、重金属溶出防止作用が発揮されるが、含水率が15%以下であれば添加した第一鉄塩の反応が確実に起こり得ない可能性がある。一方で含水率が35%以上となると得られる混練物が水を多量に含むため別途後処理が必要になってしまう。
前記塩化水素濃度検出器20は、例えば前記誘引送風機12の下流側に設けられ、前記濾過器10により濾過された後のガスにおける塩化水素濃度を検出する。この塩化水素濃度検出器20には、例えば、煙道中から排ガスの一部を吸い出して当該排ガス中の塩化水素濃度を測定するイオン電極連続分析型の塩化水素濃度計を用いることができる。また、レーザー出力部とこれに対応する受光部を有し、吸収スペクトルから塩化水素濃度を測定するレーザー式の塩化水素濃度測定装置を利用することもできる。
前記塩化水素濃度制御器22は、例えばマイクロコンピュータを含み、前記塩化水素濃度検出器20が検出する塩化水素濃度を目標値(例えば40ppm)に近づけるための単位時間あたりの消石灰の供給量を例えばPID演算により決定し、その決定した供給量で前記消石灰供給装置14に前記消石灰の供給を行わせる。すなわち、塩化水素濃度制御器22は、前記塩化水素濃度検出器20の検出信号に基づき前記消石灰の供給量を利用してフィードバック制御を行う。
前記飛灰処理制御器24は、例えばマイクロコンピュータを含むものであって、前記塩化水素濃度制御器22と共通のコンピュータあるいはその他の制御回路によって構成されることも可能である。この飛灰処理制御器24は、前記塩化水素濃度検出器20が検出する塩化水素濃度と、前記塩化水素濃度検出器22が決定する、前記消石灰供給装置14による単位時間当たりの消石灰の供給量と、に基づいて、前記消石灰との中和反応に寄与していない未反応消石灰を中和するための単位時間あたりの飛灰処理剤の供給量を決定し、その決定した供給量で前記飛灰処理剤供給装置16に前記飛灰処理剤の供給を行わせる。すなわち、飛灰処理制御器24は、前記塩化水素濃度と前記消石灰の供給量とに基づいて前記未反応消石灰の量を推定し、その推定した量に基づいて前記飛灰処理剤供給量の決定を行う。
具体的に、この飛灰処理制御器24は、図2に示すようなHCl流入量算定部36、飛反応消石灰量算定部37、および飛灰処理剤供給量決定部38を、有する。
前記HCl流入量算定部36は、前記塩化水素濃度検出器20が検出する塩化水素濃度と、前記塩化水素濃度制御器22が決定した単位時間当たりの消石灰供給量とに基づき、前記濾過器10に流入している塩化水素ガスの流量である塩化水素流入量Qinを算定、すなわち推定演算する。その原理は次のとおりである。
いま、前記塩化水素濃度検出器20が検出する塩化水素濃度をChc(ppm)、排ガス流量をQex(Nm/h)、単位時間当たりの消石灰の供給量をGsc(kg/h)とすると、当量比x(理論上前記塩化水素ガス流入量Qin(Nm/h)に相当する塩化水素を全て中和するのに必要な消石灰の量に対する実際の消石灰の供給量の割合)および脱塩率R(%)はそれぞれ次式にて表わされる。
x=(2×Gsc×1000/74)/(Qin×1000/22.4) …(1)
R=(Qin−Chc×Qex)/Qin×100 …(2)
ここで、(2)式のChc×Qexは前記塩化水素濃度検出器20の検出点を通過して系外に排出される塩化水素ガス流出量Qout(Nm/h)に相当する量である。また、(1)式の分子で消石灰供給量Gscが2倍されているのは、消石灰と塩化水素との反応比が下記のとおり1:2であるからである。
Ca(OH)+2HCl→CaCl+2H
一方、前記当量比xと前記脱塩率Rとの間には経験則的に図3に示すような関係が存在する。この関係は次式にて表わされる。
R=A×ln(x)+B …(3)
前記(3)式におけるA,Bはいずれも定数であるがバグフィルタ部の温度や吹き込む塩化水素中和剤の種類によって変化するものである。
前記(1)及び(2)式を(3)式に導入すると、未知数は塩化水素流入量Qinのみであるから、同式より塩化水素流入量Qinを推定演算することが可能である。
前記未反応消石灰量算定部37は、前記のように推定された塩化水素ガスの流入量に基づいて前記消石灰のうち前記塩化水素ガスとの中和反応に寄与していない未反応消石灰の量である未反応消石灰量Gnr(kg/h)を算定する。この未反応消石灰量Gnrは次式(4)により算定することができる。
Gnr=Gsc−(反応した消石灰量(mol/h))×74
=Gsc−(反応した塩化水素の量(mol/h))/2×74
=Gsc−(Qin−Qout)/22.4/2×74 …(4)
前記飛灰処理剤供給量決定部38は、前記未反応消石灰量Gnrに基づき、未反応消石灰を中和するための単位時間当たりの飛灰処理剤の供給量を決定する。この飛灰処理剤供給量は、鉛の溶出量の低減の観点から、捕獲され混練される飛灰のpHが9.0〜11.0の範囲に収まるように設定されるのが好ましく、さらに、性状の急激な変化に対応できるようにするにはpHが9.5〜10.5の範囲に収まるように設定するのがより好ましい。通常の廃棄物が熱分解処理される場合に生成される排ガスのpHは前記範囲内にあるから、原則として前記飛灰処理剤供給量はちょうど前記未反応消石灰の全量を中和する量に設定されるのがよい。ただし、当該排ガスのpHが9.0に近い値である場合は、若干アルカリ側すなわち若干少なめに飛灰処理剤供給量が設定されるのがよい。
以上説明した排ガス処理装置及び当該装置により実行される排ガス処理方法では、塩化水素濃度検出器20が検出する(濾過後のガスの)塩化水素濃度に基づき、当該塩化水素濃度を目標値に制御するための消石灰供給量を決定するとともに、その検出された塩化水素濃度とこれに基づき決定される消石灰供給量を利用して、前記消石灰との中和反応に寄与しなかった未反応消石灰を中和するための飛灰処理剤供給量を決定することができる。従って、従来のような溶出試験を要することなく、タイムラグの小さい、すなわち応答性の高い、適正な飛灰処理制御を実現することができる。
10 濾過器
12 誘引送風機
14 消石灰供給装置
16 飛灰処理剤供給装置
18 飛灰処理装置
20 塩化水素濃度検出器
22 塩化水素濃度制御器
24 飛灰処理制御器
36 流入量算定部
37 飛反応消石灰量算定部
38 飛灰処理剤供給量決定部

Claims (6)

  1. 廃棄物処理設備から排出される排ガスを処理するための排ガス処理装置であって、
    前記廃棄物処理設備から排出される排ガスに消石灰を供給する消石灰供給装置と、
    前記排ガス中に第一鉄塩を含む飛灰処理剤を供給する飛灰処理剤供給装置と、
    前記消石灰及び前記飛灰処理剤が供給された前記排ガスを濾過して当該排ガスに含まれる飛灰、前記消石灰及び前記飛灰処理剤を捕獲する濾過器と、
    前記濾過器が捕獲した飛灰を前記消石灰及び前記飛灰処理剤とともに水と混練処理する飛灰処理装置と、
    前記濾過器により濾過された後のガスの塩化水素濃度を検出する塩化水素濃度検出器と、
    この塩化水素濃度検出器が検出する塩化水素濃度を目標値に近づけるための単位時間あたりの消石灰の供給量を決定し、その決定した供給量で前記消石灰供給装置に前記消石灰の供給を行わせる塩化水素濃度制御器と、
    前記塩化水素濃度検出器が検出する塩化水素濃度と前記消石灰供給装置による単位時間当たりの消石灰の供給量とに基づいて、前記塩化水素との中和反応に寄与していない未反応消石灰を中和するための単位時間あたりの飛灰処理剤の供給量を決定し、その決定した供給量で前記飛灰処理剤供給装置に前記飛灰処理剤の供給を行わせる飛灰処理制御器と、を備えた、排ガス処理装置。
  2. 請求項1記載の排ガス処理装置において、前記飛灰処理制御器は、前記塩化水素濃度検出器が検出する塩化水素濃度と前記塩化水素濃度制御器が決定した単位時間当たりの消石灰供給量とに基づいて前記濾過器に流入する塩化水素ガスの流量を算定する塩化水素流入量算定部と、その算定された塩化水素ガスの流量に基づいて前記消石灰のうち前記塩化水素ガスとの中和反応に寄与していない未反応消石灰の量を算定する未反応消石灰量算定部と、その算定された未反応消石灰の量に基づいて単位時間当たりの飛灰処理剤の供給量を決定する飛灰処理剤供給量決定部と、を含む、排ガス処理装置。
  3. 請求項2記載の排ガス処理装置において、前記飛灰処理剤供給決定部は、前記未反応消石灰の全量を中和するのに必要な飛灰処理剤の量を前記供給量として決定する、排ガス処理装置。
  4. 廃棄物処理設備から排出される排ガスを処理するための排ガス処理方法であって、
    前記廃棄物処理設備から排出される排ガスに消石灰を供給することと、
    前記排ガス中に第一鉄塩を含む飛灰処理剤を供給することと、
    前記消石灰及び前記飛灰処理剤が供給された前記排ガスを濾過器により濾過して当該排ガスに含まれる飛灰、前記消石灰及び前記飛灰処理剤を捕獲することと、
    その捕獲した飛灰を前記消石灰及び前記飛灰処理剤とともに水と混練処理することと、
    前記濾過器により濾過された後のガスの塩化水素濃度を検出することと、を含み、
    前記消石灰の供給については、検出した塩化水素濃度を目標値に近づけるように単位時間あたりの消石灰の供給量を決定し、
    前記飛灰処理剤の供給については、検出した塩化水素濃度と前記のように決定した単位時間当たりの消石灰の供給量とに基づいて、前記塩化水素との中和反応に寄与していない未反応消石灰を中和するための単位時間あたりの飛灰処理剤の供給量を決定する、排ガス処理方法。
  5. 請求項4記載の排ガス処理方法において、前記飛灰処理剤の供給量の決定にあたり、検出した塩化水素濃度と決定した単位時間当たりの消石灰供給量とに基づいて前記濾過器に流入する塩化水素ガスの流量を算定し、その算定された塩化水素ガスの流量に基づいて前記消石灰のうち前記塩化水素ガスとの中和反応に寄与していない未反応消石灰の量を算定
    し、その算定された未反応消石灰の量に基づいて単位時間当たりの飛灰処理剤の供給量を決定する、排ガス処理方法。
  6. 請求項5記載の排ガス処理方法において、前記飛灰処理剤の供給量は、前記未反応消石灰の全量を中和するのに必要な飛灰処理剤の量を前記供給量として決定する、排ガス処理方法。
JP2012244196A 2012-11-06 2012-11-06 排ガス処理装置及び方法 Active JP5694276B2 (ja)

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