JP5691731B2 - ネガ型感光性樹脂組成物、パターン形成方法及び電子部品 - Google Patents
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Description
即ち、本発明によるネガ型感光性樹脂組成物は、(a)一般式(I)で示される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、(b)365〜700nmの波長領域の活性光線照射により酸を発生する化合物と、(c)酸の作用により前記(a)成分と架橋又は重合し得る化合物、及び(d)365〜700nmに吸収を有さず、熱により酸を発生する化合物とを含有してなることを特徴とする。
まず、本発明によるネガ型感光性樹脂組成物について説明する。
本発明によるネガ型感光性樹脂組成物は、(a)下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体(以下、「(a)成分」とする)と、(b)365〜700nmの波長領域の活性光線照射により酸を発生する化合物(以下、「(b)成分」とする)と、(c)酸の作用により前記(a)成分の末端基と架橋又は重合し得る化合物(以下、「(c)成分」とする)及び(d)365〜700nm以長に吸収を有さず、熱により酸を発生する化合物(以下、「(d)成分」とする)とを含有してなる。
尚、主鎖を構成する炭素とは、2つのベンゼン環をつなぐ直鎖(分岐は含まない)を構成する炭素を意味する。例えば、本合成例19のポリマーXIXは、主鎖を構成する炭素数は1である。
以下、各成分について説明する。
本発明における(a)成分は、上記一般式(I)で示される繰り返し単位を有し、酸の存在下で(c)成分と架橋反応し得るものであれば、特に構造上の制限はない。ここで言う架橋反応には、加熱を伴うものも含まれる。
(a)成分と(c)成分の官能基の組み合わせは、特に制限はないが、酸の存在下で熱により、(a)成分の官能基と(c)成分の官能基との間に共有結合、イオン結合及び水素結合のいずれかの結合が生ずるものがよい。
[A群]第一級又は第二級アルコールに由来する基(又は第一級又は第二級アルコール性水酸基)、フェノールに由来する基(又はフェノール性水酸基)、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、芳香環に由来する基
[B群]メチロール、アルコキシアルキル基、第三級アルコールに由来する基(又は第三級アルコール性水酸基)、シクロアルキル基、オレフィンに由来する基(又はオレフィン二重結合)、三重結合を有する基、ハロゲン化アルキル基、エポキシ基等の環状エーテルに由来する基、エステル結合(−COO−)を有する基、カーボネート結合(−OCOO−)を有する基、イソシアナート基
さらに好ましい組み合わせを以下に示す:
(a)成分の官能基としてカルボキシル基又はエステル結合(−COO−)を有する基、(c)成分の官能基として第一級又は第二級アルコールに由来する基(又は第一級又は第二級アルコール性水酸基)、エポキシ基、ビニルエーテル基又はイソシアナート基;又は
(a)成分の官能基としてイソシアナート基、(c)成分の官能基として第一級又は第二級アルコールに由来する基(又は第一級又は第二級アルコール性水酸基)、フェノールに由来する基(又はフェノール性水酸基)、カルボキシル基又はエステル結合(−COO−)を有する基
さらに硬化膜強度の向上とともに良好な感度が得られる組み合わせという点で(a)成分の構造としてフェノール骨格又は芳香環、(c)成分の官能基としてメチロール、アルコキシアルキル基、第三級アルコールに由来する基又はビニルエーテル基が特に好ましい。
そこで、本発明に好適なフェノール末端を(a)成分に導入する場合、ヒドロキシ置換アニリン、その誘導体、又はヒドロキシ安息香酸及びその誘導体を用いて樹脂末端に導入する方法が挙げられる。また、芳香環末端を(a)成分に導入する場合、アニリン及びその誘導体、安息香酸及びその誘導体、ジカルボン酸無水物等を用いて樹脂末端に導入する方法が挙げられる。
そのため、これまでに示した各官能基を保護基で保護した誘導体として潜在化させることが好ましい。その場合、これらの誘導体を、露光による光化学反応、又はその後の露光後加熱工程の際の熱による化学変化等で所望の官能基に変換させる。例えば、末端基がイソシアナートの場合、イソシアナートは150℃以下の低温でも反応してしまうため、ブロックイソシアナートを用いることが好ましい。ブロックイソシアナートとは、イソシアナートをアルコキシカルボニル基等でブロック化したイソシアナートの前駆体であり、(a)成分の末端基や(c)成分に導入する。
ここで、繰り返し単位とは、ジカルボン酸残基とジアミン残基からなる、一般式(I)の括弧内で書き表すことのできる構造単位を表す。
繰り返し単位の比率が1未満であると、架橋反応があまり進行せず、また感光特性が低下してしまう可能性がある。逆に、繰り返し単位が100よりも大きいと、十分な膜物性が得られない可能性がある。かかる繰り返し単位と末端基の比率は1H−NMRによって測定することができる。
末端カルボキシル基がアミノ基よりもモル比率で5倍以上あるものを「カルボキシル基末端である(a)成分」とし、末端アミノ基がカルボキシル基よりもモル比率で5倍以上あるものを「アミノ基末端である(a)成分」とする。
カルボキシル基末端である(a)成分は、合成時のジカルボン酸/ジアミン(ビスアミノフェノール)の比率(モル比)を50/49より大きくすることにより得られ、アミノ基末端である(a)成分は合成時のジアミン(ビスアミノフェノール)/ジカルボン酸の比率(モル比)を50/49よりも大きくすることにより得られる。
末端基がヒドロキシ安息香酸及びその誘導体に由来するフェノール末端の場合は、ジカルボン酸残基がジアミン残基より1つ少なく、ジカルボン酸残基:ジアミン残基=99:100〜1:2の範囲とするのが好ましく、49:50〜2:3の範囲であることがより好ましい。その定量方法としては、1H−NMRの測定により行うことができる。
ポリヒドロキシアミドのアルカリ水溶液に対する可溶性は、フェノール性水酸基に由来するため、ヒドロキシ基を含有する繰り返し単位が、ある割合以上含まれていることが好ましい。
即ち、一般式(II)において、式中のjとkのモル分率は、j=5〜85モル%、k=15〜95モル%であることが感度、解像度、機械特性、耐熱性及び耐薬品性の点でより好ましい。
式(I)、(II)において、U,Vはそれぞれ2価の有機基であるが、少なくともVは炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるか、又はUは主鎖を構成する炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基である。
Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であるとき、Uは任意の2価の有機基でよい。Uが主鎖を構成する炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基であるとき、Vは任意の2価の有機基でよい。また、Vが炭素数1〜30の脂肪族構造を含む基であり、かつ、Uが主鎖を構成する炭素数が2〜30の脂肪族構造を含む基であってもよい。
さらに炭素数7〜30の脂肪族造を含む基であると、そのポリマーはN−メチル−2−ピロリドン以外にもγ−ブチロラクトンやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートといった溶剤にも易溶となり、保存安定性も高い。さらに弾性率が低くかつ破断伸びが高く、より好ましい。
炭素数が6よりも小さいものは、十分な機械特性が得られない恐れがあり、炭素数が20よりも大きいものは、他の成分との相溶性や感光特性の低下が起こる場合がある。
このようなジアミン類は、U、Wで表される有機基を有するアミノフェノールとのモル比率で、多くともこれらジアミンが全アミノフェノールの25%以下として用いるのが、一般式(I)又は(II)で表されるポリマーの感光特性を低下させないために好ましい。さらに好ましくは15%以下である。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、前記(a)成分として用いるポリベンゾオキサゾール前駆体とともに、前記(b)成分として365〜700nmの波長領域の活性光線照射により酸を発生する化合物(以下、酸発生剤という)を用いる。
この酸発生剤の含有量は、感光時の感度、解像度を良好とするために、(a)成分100重量部に対して、0.01〜15重量部とすることが好ましく、0.01〜10重量部とすることがより好ましく、0.5〜5重量部とすることがさらに好ましい。(b)成分の量が15重量部より多くなると、(b)成分由来の吸収帯により底部まで露光した光が到達せず、アンダーカット等が起こるため、パターン形状が悪化する可能性がある。また、(b)成分の量が0.01質量部より少ないと、感度が著しく低下する可能性がある。
本発明に使用する(c)成分、即ち酸の作用により(a)成分と架橋又は重合し得る化合物(以下、「架橋剤」ともいう)は、前述した条件を満たすものであれば特に制限はないが、(a)成分と反応する官能基を、分子内に少なくとも1つ以上有する化合物であることが好ましく、(c)成分の(a)成分と架橋反応をする温度は、150℃以上であることが好ましい。
150℃未満の場合、感光性樹脂組成物が塗布、乾燥、露光及び現像の各工程で架橋反応を起こしてしまう恐れがある。(c)成分は(a)成分と架橋反応するが、さらに(c)成分同士の分子間で重合するような化合物でもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物において、前記(a)成分の熱硬化時の環化を促進し、(c)成分の架橋反応を促進するために、硬化時の熱で酸を発生する化合物を用いる。ここで(d)成分は、露光時に前記(b)成分として用いる酸発生剤の光反応を妨げないよう、365〜700nmの波長領域に吸収を有さない化合物である必要がある。
ここで、365〜700nmの波長領域に吸収を有さないことについて定義する。濃度1.5×10−2Mの溶液として分光光度計により、セル長(光路長)が1cmの石英セルを用いて吸光度を測定し、365〜700nmの波長範囲の吸光度が0.015以下であるとき、この化合物は365〜700nmの波長領域に吸収を有さないとする。
前記R1、R2及びR3として用いるアルキル基としては、メチル基が好ましく、アリール基としては、フェニル基又は置換基を有するフェニル基が好ましい。X−で表される酸の共役塩基としては、メタンスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルが好ましい。これらの中では、薬液耐性、機械特性向上の観点からメタンスルホン酸のトリアルキルスルホニウム塩がより好ましく、特にメタンスルホン酸のトリメチルスルホニウム塩が好ましい。
R1−SO3−R2(DVIII)
式中、R1及びR2は各々独立した1価のアリール基又はアルキル基である。
本発明によるネガ型感光性樹脂組成物は、上記(a)、(b)、(c)及び(d)成分の他に、(1)密着性付与在、(2)界面活性剤又はレベリング剤、(3)溶剤等を含有してもよい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、硬化膜の基板との接着性を高めるために、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等の(1)接着性付与剤を含有してもよい。
アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させるために、適当な(2)界面活性剤又はレベリング剤を添加してもよい。
このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上述した各成分を(3)溶剤に溶解し、一般にワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコールアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン等があり、単独で用いても、混合して用いてもよい。
次に、本発明によるパターンの製造方法について説明する。本発明によるパターンの製造方法は、上述したネガ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、前記塗布、乾燥工程により得られた感光性樹脂膜を露光する工程と、前記露光後の感光性樹脂膜を、アルカリ水溶液を用いて現像する工程と、及び前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程とを経て、所望の耐熱性高分子のパターンを製造することができる。以下、各工程について説明する。
ネガ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素等の支持基板上に、上述した感光性樹脂組成物を、スピンナー等を用いて回転塗布する。その後、ホットプレート、オーブン等を用いて乾燥することにより、支持基板上にネガ型感光性樹脂組成物の被膜である感光性樹脂膜を形成する。
次に、露光工程では、支持基板上で被膜となった感光性樹脂組成物(感光性樹脂膜)に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。尚、所望により露光後の感光性樹脂膜を加熱する工程をさらに含んでもよい。
続いて、現像工程では、未露光部を現像液で除去することによりパターンが得られる。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ水溶液が好ましいものとして挙げられる。
これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とすることが好ましい。さらに、上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
次いで、加熱処理工程では、例えば種々の熱拡散炉、加熱炉や硬化炉を使用して、得られたパターンに好ましくは150〜450℃の加熱処理を施すことにより、耐熱性高分子のパターンになる。本発明においては、加熱処理を220℃以下、好ましくは150〜220℃で行っても十分な膜特性を得ることができる。
また、加熱処理には、熱拡散炉等に限らず、マイクロ波を用いることもできる。マイクロ波を、周波数を変化させながらパルス状に照射した場合は定在波を防ぐことができ、基板面を均一に加熱することができる点で好ましい。さらに、基板として電子部品のように金属配線を含む場合は、周波数を変化させながらマイクロ波をパルス状に照射すると、金属からの放電等の発生を防ぐことができ、電子部品を破壊から守ることができる点で好ましい。
次に、本発明によるネガ型感光性樹脂組成物を用いたパターンの製造方法の一例として、半導体装置(電子部品)の製造工程の一例を図面に基づいて説明する。図1〜図5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図である。これらの図1〜図5において、回路素子(図示しない)を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。この半導体基板1上に、スピンコート法等で層間絶縁膜としてのネガ型感光性樹脂組成物の層間絶縁膜層4が形成される(図1)。
次に、本発明による電子部品について説明する。本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。本発明の半導体装置は、前記ネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。本発明による電子部品は、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いて上記パターンの製造方法によって形成されるパターンを含む。また、電子部品としては、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等を含む。
実施例及び後述する比較例において、合成したポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC、装置は(株)日立製作所製、カラムは日立化成工業(株)製ゲルパック)を用いて、標準ポリスチレン換算により求めた。
ポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリマーI)の合成
攪拌機、温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(アミン成分)13.92g(38mmol)とアニリン(末端基導入化合物)0.37g(4mmol)を添加し、攪拌溶解した後、温度を0〜5℃に保ちながら、マロン酸ジクロリド(酸成分)5.64g(40mmol)を10分間で滴下した後、60分間攪拌を続けた。得られた溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収し、純水で3回洗浄した後、減圧して芳香環を末端に有するポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は11,500、分散度は1.7であった。
ポリベンゾオキサゾール前駆体(ポリマーII〜XIX)の合成
ポリマー原料及び配合量を表1、2のように変更した他は、合成例1と同様にしてポリマーII〜XIXを合成した。表1、2に示す各成分は以下の通りである。
アミン2:2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
酸1:マロン酸ジクロリド
酸2:スクシン酸ジクロリド
酸3:グルタル酸ジクロリド
酸4:アジピン酸ジクロリド
酸5:スベリン酸ジクロリド
酸6:セバシン酸ジクロリド
酸7:ドデカンニ酸ジクロリド
酸8:ジメチルマロン酸ジクロリド
酸9:ヘキサフルオログルタル酸ジクロリド
酸10:4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド
末端基導入化合物1:アニリン
末端基導入化合物2:m−アミノアニソール
末端基導入化合物3:m−アミノフェノール
末端基導入化合物4:p−アミノフェノール
測定装置:検出器 株式会社日立製作所社製L4000 UV
ポンプ:株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/l)、H3PO4(0.06mol/l)
流速:1.0ml/分、検出器:UV270nm
ポリマー0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
ネガ型感光性樹脂組成物の調製
(a)成分又は(a)成分に対応する成分としての上記ポリマーI〜XIX各100重量部に対し、(b)〜(d)成分又はこれらに対応する成分を表3〜5に示す所定量にて配合し、ネガ型感光性樹脂組成物を調製した。ただし、比較例6はポジ型感光性樹脂組成物である。
また溶剤である有機溶媒としては、γ−ブチロラクトン(BLO)又はN−メチルピロリドン(NMP)を表3〜5に示す所定量用いた。
B1〜3は(b)成分であるが、B4は(b)成分ではない。
C1〜7は(c)成分である。
D1〜5は(d)成分であるが、D6は(d)成分ではない。
D2:2,4,6−トリメチルピリジニウム−p−トルエンスルホネート(東京化成社製)
D3:トリメチルスルホニウムメチルスルフェート(フルオロケム社製)
D4:トリメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(日立化成社製)
D6は、365nmにおける吸光度が0.015を大きく上回った。また1.5×10−2Mでは吸光度>2となり測定精度に問題があるため、10倍に希釈して測定をした。その結果、365nmにおける吸光度は0.9であった。
上述のようにして得られたネガ型感光性樹脂組成物の溶液をシリコンウエハ上にスピンコートして、乾燥膜厚11〜13μmの塗膜を形成し、その後干渉フィルターを介して、超高圧水銀灯を用いて30〜1000mJ/cm2のi線露光を行った。露光後、120℃で3分間加熱し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液にて露光部のシリコンウエハが露出するまで現像した後、水でリンスし、残膜率(現像前後の膜厚の比)90%以上が得られるパターン形成に必要な最小露光量(感度)と解像度を求めた。結果を表3〜5に示す。
次に、上記ネガ型感光性樹脂組成物の溶液をシリコンウエハ上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚15μmの塗膜を形成した。その後、前記塗膜を光洋サーモシステム社製イナートガスオーブン中、窒素雰囲気下、150℃で30分加熱した後、320℃又は200℃で1時間加熱して硬化膜を得た。次に4.9%フッ酸水溶液を用いて、この硬化膜を剥離し、水洗、乾燥した後、ガラス転移点(Tg)、破断伸び等の膜物性を調べた。
Tgはセイコーインスツルメンツ社製TMA/SS6000を用い、昇温速度5℃/分にて熱膨張の変曲点より求めた。
破断伸びは島津製作所社製オートグラフAGS−100NHを用いて引っ張り試験より求めた。
結果を表3〜5に示す。
200℃硬化膜の化学薬液耐性を調べた。上記膜物性の測定における硬化膜の形成方法と同様の方法で硬化膜を形成し、各溶剤に浸漬した際のクラックの有無に加え、膜の膨潤の有無も調べた。結果を表3〜5に示す。表中、クラックについては、目視で分かる程度のクラックが起きるものをC、金属顕微鏡により確認できる微細なクラックを生ずるものをB、クラックを生じないものをAと表記した。
また膨潤については、1μm以上の膜厚が増加したものをC、0.5〜1μm以内の膜厚増加が起きたものをB、さらに0.5μm以内の膜厚変化に留まるものをAと表記した。
(b)成分を用いていない比較例2においては、露光部での架橋反応又は重合による不溶化が起こらず、パターンは得られなかった。
(a)成分に脂肪族構造を含む基を有しない比較例4及び5は、感度が低かった。これは(a)成分に脂肪族構造を含む基を有することで露光波長領域の透明性が向上し、その結果、感度が向上したためと考えられる。
さらに比較例4及び5で用いた全芳香族のポリベンゾオキサゾール前駆体は、200℃硬化では大きく破断伸びが低下する傾向にあった。また比較例6ではネガ像は得られず、ポジ像を与えた。
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層
Claims (9)
- Vが炭素数1〜30の脂肪族鎖状構造を含む基である請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記式(I)におけるU及びVの少なくとも一方が、一般式(UV1)又は(UV2)で表される構造を含む請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記(a)成分が、アルカリ水溶液に可溶である請求項1ないし3のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記(a)成分におけるポリマー末端構造が、前記(c)成分と架橋反応を起こし得る官能基を有する請求項1ないし4のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 前記(a)成分100重量部に対して、前記(b)成分0.01〜15重量部、前記(c)成分0.1〜50重量部、及び前記(d)成分0.01〜15重量部を含有する請求項1ないし5のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程、前記塗布、乾燥工程により得られた感光性樹脂膜を露光する工程、前記露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像する工程、及び前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程を含むパターンの製造方法。
- 前記現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程において、その加熱処理温度が220℃以下である請求項7に記載のパターンの製造方法。
- 請求項7又は8に記載のパターンの製造方法により得られるパターンの層を有してなる電子デバイスを有する電子部品であって、前記電子デバイス中に前記パターンの層が層間絶縁膜層又は表面保護膜層として設けられている電子部品。
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