JP5691695B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車あるいは自動車等における内燃機関において、アクセル開度に応じてバルブのリフト量及び作用角を無段に可変制御する動弁装置に関するものである。
この種の内燃機関において、以前より燃焼効率の向上を図るべく、種々の工夫あるいは提案等がなされてきている。バルブの開閉タイミングをずらして行なう可変位相方式に始まり、カム切換によるバルブリフトの可変制御やバルブ休止等が採用されてきた。なお、このカム切換方式は、低速用と高速用の2つのカムを用意し、エンジン出力に応じてバルブ作用角の小さいものから大きなものに切り換えるというものである。
更に最近では可変位相とカム切換の組合せが出始め、その後バルブ作用角及びリフト量を連続可変する3次元カムを使用する方式が提案されている。例えば、直打式円筒タペットの頂部に接触角変化に対する追従機構を設け、3次元カムを軸方向にスライドさせることにより、バルブリフト量を無段階に可変するものがある。
従来の動弁装置の具体的構成において例えば特許文献1に開示されるものでは、特にカム移動機構においてカムシャフトと平行に配置されたアクセルシャフトと、アクセルシャフトに固着するとともにカムに連結する複数のアクセルフォークを含んでいる。アクセルシャフトはその軸方向にスライド可能にシリンダヘッドによって支持され、その一端側に連結された駆動モータの駆動力によりスライド運動するようになっている。このアクセルシャフトのスライド運動によりアクセルフォークを介して、カムがカムシャフトに沿ってスライドする。
特開2003−3811号公報
上述した従来例では、駆動モータはアクセルシャフトの一端側に配置されるが、更に別の例ではアクセルシャフトと平行な駆動軸を持ち、この駆動軸に複数のうちのいずれかのアクセルフォークを連結し、アクセルシャフト全体をスライドさせるようにしたものが開発されている。各カムフォークはアクセルシャフトに片持ち支持され、カムスライド時のカムフォークに対する曲げモーメントはそのカムフォークの両側の軸受で受けている。複数の軸受のうち特定の軸受でカムスライド時の大きな荷重を受けるようにしているため、必要な軸受強度が大きくなるばかりか、駆動モータも大型化する等の問題があった。
本発明はかかる実情に鑑み、カム移動時の抵抗荷重を減少し、円滑作動を実現する内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の動弁装置は、シリンダヘッドに回転自在に軸支され且つその軸方向に移動可能なカムと、カムフォークを介して前記カムをその軸方向に移動させるカムフォークシャフトと、駆動モータの回転力をカム軸方向に変換する推力発生機構と、を備えた内燃機関の動弁装置であって、複数の前記カムフォークを連結すると共に、前記推力発生機構から前記カムフォークシャフトに推力を伝達するように構成されたカップリング機構を有し、前記推力発生機構のベアリングと、前記カムフォーク及び前記カップリング機構間の締結部材とを上面視で、前記カムフォークシャフトと直交方向で重なるように配置したことを特徴とする。
また、本発明の内燃機関の動弁装置において、前記カップリング機構が連結する複数の前記カムフォークが、前記カムフォークシャフトを支持する少なくとも1つの軸受を挟むように配置されることを特徴とする。
また、本発明の内燃機関の動弁装置において、前記推力発生機構は、前記駆動モータの駆動力によりネジ機構を介して進退可能となるように構成されたボールスクリュー及びスライドナットを含み、前記スライドナットと、前記カムフォーク及び前記カップリング機構間の締結部材とを上面視で、前記カムフォークシャフトと直交方向で重なるように配置したことを特徴とする。
また、本発明の内燃機関の動弁装置において、前記ボールスクリューにおける前記締結部材の対向部位に工具アクセス部を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、推力発生機構の推力を2ヶ所に分散させてカムフォークシャフトに伝達することで、カムフォークシャフト側の推力が伝達される部位1ヶ所当たりに作用する荷重を低減することができる。
この場合、カップリング機構が連結する典型的には2つのカムフォークが、カムフォークシャフトを支持する少なくとも1つの軸受を挟むように配置される。カップリング機構を介して伝達される推力発生機構の推力を複数の軸受に分散させて受け持つようにすることで、個々の軸受が受け持つ荷重が減少する。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の全体構成例を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るシリンダヘッドの上面図である。 本発明の実施形態に係るシリンダヘッドの側面図である。 図2のA‐A線に沿う断面図である。 図2のB‐B線に沿う断面図である。 図2のC‐C線に沿う断面図である。 本発明の実施形態に係るボールスクリューハウジングを示す側面図、上面図及び正面図である。 本発明の実施形態に係るシリンダヘッドカバーを取り外した状態のシリンダヘッドの斜視図である。 本発明の実施形態に係るシリンダヘッドカバーを取り外した状態のシリンダヘッドの上面図である。 本発明の実施形態に係るシリンダヘッドカバーを取り外した状態のシリンダヘッドの正面図である。 本発明の実施形態に係るカムハウジングを示す側面図、上面図及び正面図である。 本発明の実施形態に係るタペットの斜視図及び側面図である。 本発明の実施形態に係るタペットを示す(a)は図4のC′−C′線に沿う縦断面図、(b)は(a)のY矢視方向の横断面図である。 本発明の実施形態に係るタペット及びタペットガイドのそれぞれ斜視図である。 本発明の実施形態に係るカムスライド機構の主要構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る動弁装置の上面図及び正面図である。 図16(a)のD‐D線に沿う断面図及びE‐E線に沿う断面図である。 本発明の実施形態に係るカムスライド機構の主要構成を示す部分斜視図である。
以下、図面に基づき、本発明における内燃機関の動弁装置の好適な実施の形態を説明する。
先ず図1は、本発明の適用例としての自動二輪車の側面図である。図1を用いて、この自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、図1を含め、以下の説明で用いる図においては、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrにより示し、また、車両の側方右側を矢印Rにより、車両の側方左側を矢印Lにより示す。
図1において鋼製或いはアルミニウム合金材でなるメインフレーム101の前部には、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された左右2本のフロントフォーク103が設けられる。フロントフォーク103の上端にはハンドルバー104が固定され、ハンドルバー104の両端にグリップ105を有する。フロントフォーク103の下部には前輪106が回転可能に支持されると共に、前輪106上部を覆うようにフロントフェンダ107が固定される。前輪106は、前輪106と一体回転するブレーキディスク108を有している。
メインフレーム101はステアリングヘッドパイプ102の後部に接続され、更に後方に向けて左右一対が二又状に分岐し、それぞれが後下がりに傾斜して延出する。メインフレーム101の後部付近から、後上りに適度に傾斜してシートレール101Aが延出し、後述するシートを支持する。なお、メインフレーム101やシートレール101Aにより車体フレームが構成される。また、メインフレーム101の後部にはスイングアーム109が揺動可能に結合すると共に、両者間にリヤショックアブソーバ110が装架される。スイングアーム109の後端には後輪111が回転可能に支持される。後輪111は、後述するエンジンの動力を伝達するチェーン112が巻回されたドリブンスプロケット113を介して、回転駆動されるようになっている。後輪111の直近周囲にはその前上部付近を覆うインナフェンダ114が設けられると共に、そのインナフェンダ114の上方にはリヤフェンダ115が配置される。
メインフレーム101に搭載されたエンジンユニット116(点線部)には、図示しない燃料供給装置から混合気が供給されると共に、エンジン内での燃焼後の排気ガスがエキゾーストパイプ117を通って排気される。本実施形態において、エンジンは例えば4サイクル多気筒、典型的には4気筒エンジンであってよい。それぞれの気筒のエキゾーストパイプ117はエンジンユニット116の下側にて結合し、その後排気チャンバを経て車両後端付近で排気装置118から排気される。
また、エンジンユニット116の上方には燃料タンク119が搭載され、燃料タンク119の後方にシート120が連設される。このシート120は、ライダシート120Aとタンデムシート120Bとを含む。ライダシート120A及びタンデムシート120Bに対応して、フートレスト121及びフートレストもしくはピリオンステップ122が配置される。なお、この例では車両左側において、前後方向略中央下部に図示しないプロップスタンドを有している。
更に図1において、123はヘッドランプ、124はスピードメータ、タコメータ或いは各種インジケータランプ等を含むメータユニット、125はステー126を介してハンドルバー104に支持されるバックミラーである。
車両外装において、フェアリング127及びサイドカウル128によって車両の主に前部及び側部が覆われ、車両後部にはサイドカバーあるいはシートカウル129が被着し、これらの外装部材により所謂、流線型を有する車両の外観フォルムが形成される。
ここで、この実施形態におけるエンジンユニット116は、ピストンを往復動可能に収容するシリンダもしくはシリンダブロック116Aと、このシリンダブロック116Aの下方に配置されたクランクケース116Bとを含み、これらが一体的に結合する。また、エンジンユニット116は複数のエンジンマウントを介してメインフレーム101に懸架されることでメインフレーム101に一体的に結合支持され、それ自体でメインフレーム101の剛性部材として作用する。
なお、図1に示されるようにドーム状もしくは甲羅状を呈する燃料タンク119は、メインフレーム101の上側全体を上部から蓋うようにメインフレーム101上に搭載支持される。更に、シリンダブロック116Aのシリンダヘッドカバーの上側には、吸気装置に清浄空気を供給するためのエアクリーナ130が配置される。エアクリーナ130によって清浄化された空気は吸気装置によって吸気され、その後図1のようにインテークパイプ131内にて燃料が混合され、混合気としてエンジンユニット116に供給される。
図2〜図6は、エンジンユニット116のシリンダブロック116A、特にシリンダヘッド10の構成例を示している。シリンダブロック116Aにおいてシリンダヘッド10はシリンダ本体11の上部に固定され、その内部に動弁装置を収容する。これらの図にも示されるように、この実施形態では並列4気筒エンジンであってよく、各気筒ごとに吸気側(IN)及び排気側(EX)にそれぞれ2つのバルブ、つまり4バルブを有している。なお、この実施形態では吸気側に3次元カムを適用した例とするが、吸気側及び排気側の双方に適用することもできる。また、シリンダ本体11内ではピストンが略上下に往復動するようになっている。
シリンダヘッド10は、この例では♯1〜♯4気筒の配列方向に沿って延設され、上部に被着するシリンダヘッドカバー12により動弁装置の収容空間が密閉構造とされる。シリンダヘッド10の底部には各気筒に対応する燃焼室13が形成され、それぞれの燃焼室13にはインテークポート14とエキゾーストポート15が連通形成される。燃焼室13及びインテークポート14間は、互いに隣接配置された一対の吸気バルブ16によって開閉され、また、燃焼室13及びエキゾーストポート15間は互いに隣接配置された一対の排気バルブ17によって開閉される。これら吸気バルブ16及び排気バルブ17を所定のタイミングで駆動制御することで、各気筒のシリンダに対する吸気及び排気を適正に制御することができる。
吸気バルブ16の軸方向、即ちそのバルブステム16a上方には気筒の配列方向に沿って、カムシャフト18が複数のベアリング19を介して、シリンダヘッド10に回転自在に支持される。カムシャフト18には後述するカム20がその軸方向にスライド可能に装着されるが、カム20はカムシャフト18に対して回転方向には固定される。なお、カムシャフト18は中空構造とし、その中空内部に潤滑油路を形成してカム20等に注油することができる。各気筒に対応する計4つのカム20を有し、各カム20は3次元カムとして形成される。カム20と吸気バルブ16(のバルブステム16a)の間には、タペットガイド22によりガイドされてバルブステム16aの軸方向に往復動可能なローラ式のタペット21が配置される。これらについての詳細は、後述するものとする。
排気バルブ17の軸方向、即ちそのバルブステム17a上方には気筒の配列方向に沿って、カムシャフト23が複数のベアリング24を介して、シリンダヘッド10に回転自在に支持される。カムシャフト23にはその軸方向所定位置にカム25が装着固定される。各気筒に対応する計4つのカム25を有し、排気側については各カム25は平板状の所謂平面カムとして形成される。カム25と排気バルブ17のバルブステム17aとの間には、バルブステム17aの軸方向に往復動可能な、この例では直打式のタペット26が配置される。
吸気側のカムシャフト18及び排気側のカムシャフト23のそれぞれ一端にはスプロケット27,28が固着している(図6、図9等参照)。これらのスプロケット27,28と図示を省略するが、クランクシャフトの一端に固着するドライブスプロケットとの間にカムチェーンが巻回装架される。なお、カムチェーンは、付属のチェーンガイド、チェーンテンショナ及びチェーンアジャスタ等により適正走行するようになっている。これによりクランクシャフトの回転でカムシャフト18及びカムシャフト23が同期回転する。
更に具体的に説明すると、吸気バルブ16はそのバルブステム16aがバルブガイド29によってガイドされることで、バルブステム16aの軸方向に往復動する。バルブステム16aの端部に取り付けられたスプリングリテーナ30とスプリングシート31の間にバルブスプリング32が装着され、このバルブスプリング32の弾力によりバルブステム16aは常時上方へ付勢される。また、このときバルブステム16aの上端には、後述するシムを介してタペット21が当接する。カム20がバルブスプリング32の弾力に抗してタペット21を押し下げることで、バルブステム16aが下方へ付勢され、即ち吸気バルブ16が開くようになっている。
排気バルブ17についても吸気バルブ16と同様に、バルブステム17aの端部に取り付けられたスプリングリテーナ30とスプリングシート31の間にバルブスプリング32が装着される。この場合もカム25によりタペット21を押し下げて、排気バルブ17を作動させるが、そのリフトタイミングやバルブリフト量は吸気バルブ16とは異なる設定になっている。
ここで、吸気側のカム20は前述のように「3次元カム」として構成され、また各気筒に1つのカム20が設けられる。カム20は、カムシャフト18の軸方向であるその長手方向に緩やかに傾斜するプロフィルを持つカムロブを有し、バルブリフト量を連続的に変化させる形状に成形されている。この場合、カム高さと同時にカム作用角及びリフトタイミングも変化し、即ちバルブリフト量が大きくなるのに従ってカム作用角も大きくなり、更にはバルブのリフトタイミングも変化させ得るように設定されている。このようなカム20をカムシャフト18に沿って移動させることにより、吸気バルブのリフト量、作用角及びリフトタイミングを無段階に可変制御することができる。なお、カム20の移動機構等については後述するものとする。
カム20をカムシャフト18に沿って移動させるためのカムスライド機構を有し、その駆動源として図2及び図3等に示すようにシリンダヘッドカバー12上にアクセルモータ33が搭載支持される。アクセルモータ33は、この例ではシリンダ10の右後側の角部に配置され、そのフランジ33aを介してボールスクリューハウジング34(図7をも参照)に結合する。このボールスクリューハウジング34内部には、後述するボールスクリュー等の部材が収容される。
次に図8〜図10は、シリンダヘッド10からシリンダヘッドカバー12を取り外した状態を示している。動弁装置の主要構成要素であるカム・カムシャフトユニットは、シリンダヘッド10に取付固定されたカムハウジング35内に収容されるが、この場合、排気側のカムシャフト23及びカム25は略全体がカムハウジング35内にすっぽりと収容される。一方、吸気側のカムシャフト18及びカム20は、カムハウジング35の実質的に外部に配置されるカムスライド機構と連結もしくはリンクするため、そのような連結構造を配設可能とすべく開放構造とし、即ちその一部がカムハウジング35から露呈する。ここで、図11は、本実施形態におけるカムハウジング35を示している。カムハウジング35全体としてはカムシャフト18及びカムシャフト23の上方を覆うカバー構造となっているが、吸気側についてはカムスライド機構を搭載するために必要なフレーム部35a等を除き、開放構造となっている。
前述したようにタペット21は、タペットガイド22によりガイドされる。タペットユニットについて更に説明すると、図12及び図13に示すようにその内側にベアリング37を収容する収容部を有する概略ドーナッツ状に形成されたタペットローラ36と、ベアリング37を介してタペットローラ36を支持する芯部38と、芯部38の両外側方へ延設するアーム39とを有する。タペットローラ36は、バルブスプリング32の弾力に基づきカム20のカムロブに当接する。ベアリング37はこの例では芯部38の外周に沿って配列された複数のニードルベアリングとする。アーム39はバルブステム16aの上端まで延出し、シム40を介してバルブステム16aの上端と間接的に当接する。なお、芯部38の両外側からタペットローラ36側へ延出する突片38Aが付設され、タペットローラ36組付時のベアリング37の脱落防止を図っている。
シリンダヘッド10適所にはタペットガイド22が配置固定されており、タペット21は図14のようにタペットガイド22内側に収容されるかたちで浮動保持される。タペット21は、そのタペットローラ36がカム20のカム面に押されることで、アーム39がバルブスプリング32の弾力に抗してバルブステム16aを押動させ、これにより吸気バルブ16を開かせるバルブリフタとして機能する。
図15〜図18は、動弁装置の吸気側構成例を示している。前述したようにシリンダヘッドカバー12上にアクセルモータ33が搭載され、このアクセルモータ33を駆動源としてカムスライド機構を作動させる。先ず、シリンダヘッドカバー12内には、カムシャフト18の上方にて所定間隔おいてその軸方向に沿って、カムフォークシャフト41が平行配置されている。このカムフォークシャフト41はカムハウジング35に設けた複数、この例では5つの軸受部35b(図8等参照)により、その軸方向にスライド可能に支持される。ボールスクリューハウジング34内部において、カムフォークシャフト41と平行且つ略同一高さ位置にボールスクリュー42が配置される。このボールスクリュー42はその両軸端付近にて、シリンダヘッドカバー12及びボールスクリューハウジング34の合せ面で一対のベアリング43により回転可能に支持される。ボールスクリュー42のアクセルモータ33側の端部にはギア44が取り付けられると共に、該アクセルモータ33の出力軸にはピニオンギア45が取り付けられ、これらのギア44及びピニオンギア45が噛合し、即ちアクセルモータ33の作動によりボールスクリュー42が回転駆動される。
ボールスクリュー42には、回転方向に固定されたスライドナット46が噛合する。このスライドナット46はナットフォーク47を介してカムフォークシャフト41と連結する。ナットフォーク47はボールスクリュー42の軸方向に配置されたベースプレート47aを有し、このベースプレート47aがカムフォークシャフト41と結合する。より具体的にはカムフォークシャフト41には各気筒に対応して4つのカムフォーク48が固定され、このうち♯2及び♯3気筒に対するカムフォーク48とベースプレート47aとが相互に結合される。各カムフォーク48は、カム20の端部に装着されたベアリング49を介して、そのカム20と回転自在に係合する。
上記構成のカムスライド機構において、アクセルモータ33によりボールスクリュー42が回転すると、スライドナット46及びナットフォーク47を介してカムフォークシャフト41がその軸方向にスライドする。そして、このようにカムフォークシャフト41がスライドするのに連動もしくは同期して、各カム20が同時にカムシャフト18の軸方向に沿ってスライドする。
ここで、上記のように構成された動弁装置における基本動作について概略説明する。エンジン運転時、自動二輪車100のアクセルグリップを操作するとアクセルモータ33が作動し、ボールスクリュー42が回転することでスライドナット46及びナットフォーク47を介してカムフォークシャフト41がスライドする。このカムフォークシャフト41のスライドにより各カム20が同時にカムシャフト18の軸方向に沿ってスライドする。例えば、エンジン低速時にはタペット21はカム20に対して、カム高さの低い部位に当接している。この状態で加速、即ちアクセルを開くと、アクセルモータ33の作動によりカム20のスライドに伴いタペット21は次第に、カム高さの高い部位に当接し、これによりカム20が持つリフト特性に従ってバルブリフト量が増大する。一方、減速時にはアクセルを戻すことで、上記とは逆の動作でバルブリフト量を減少させる。
次に、本発明の特徴的な構成及びその作用効果等について説明すると先ず、本発明において、シリンダヘッド10に回転自在に軸支され且つその軸方向に移動可能なカム20を有し、このカム20に対する駆動源であるアクセルモータ33の回転力をカム軸方向に変換する推力発生機構とを備える。この推力発生機構は具体的には、アクセルモータ33の駆動力によりネジ機構を介して進退可能となるように構成されたボールスクリュー42及びスライドナット46によって構成される。
そして特に、複数のカムフォーク48を連結すると共に、推力発生機構からカムフォークシャフト41に推力を伝達するように構成されたカップリング機構を有する。
即ち推力発生機構において、アクセルモータ33の回転によりギア44及びピニオンギア45を介してボールスクリュー42が回転駆動されると、ボールスクリュー42に噛合するスライドナット46は、ナットフォーク47により回転規制されるためボールスクリュー42の軸方向に沿って、該ボールスクリュー42の回転方向に応じて往復動、即ち進退する。ボールスクリュー42の往復動でカム20をスライド移動させるための推力が発生する。
また、カップリング機構は具体的には、相互に一体化してなるナットフォーク47及びそのベースプレート47aにより構成される。この実施形態では複数のカムフォーク48として図8に示されるように、♯2及び♯3気筒に対する2つのカムフォーク48とベースプレート47aとが相互に結合される。ベースプレート47aはカムフォークシャフト41と平行且つボールスクリュー42側にて、隣接する2つのカムフォーク48間に架け渡すように配置される。この場合、締結部材としてのボルト50A,50Bによって2つのカムフォーク48のそれぞれボス部もしくは基部48aにベースプレート47aを締着する。なお、ナットフォーク47は図18に示されるように、ベースプレート47aからボールスクリュー42側へ直交方向に二又状に延出する、相互に平行な内幅面を持つ一対の係合片51を有する。一方、スライドナット46の大径外周部にはナットフォーク47の係合片51が係合する係合溝(詳細な図示を省略する)が形成されていて、両者はガタつくことなくぴったりと係合し合うようになっている。
推力発生機構で発生させた推力はベースプレート47aを介して、隣接する2つのカムフォーク48の基部48aに伝達される。このように推力発生機構の推力を2ヶ所に分散させてカムフォークシャフト41に伝達することで、カムフォークシャフト41側の推力が伝達される部位1ヶ所当たりに作用する荷重を低減することができる。
この場合、カップリング機構が連結する2つのカムフォーク48が、カムフォークシャフト41を支持する少なくとも1つの軸受を挟むように配置される。本実施形態では、ベースプレート47aが締結する2つのカムフォーク48の間に1つの軸受部35bが挟まれるように配置される。
このような配置関係とすることで、カムフォークシャフト41を移動させようとする力は主に、上記のように2つのカムフォーク48の間に1つの軸受部35bとこれら2つのカムフォーク48のそれぞれ外側の2つの軸受部35bとの計3つの軸受部35bによって受け持たれる。このようにカップリング機構を介して伝達される推力発生機構の推力を3つの軸受部35に分散させて受け持つようにすることで、個々の軸受部35bが受け持つ荷重が減少する。これによりカム20の移動に伴う抵抗が小さくなり、ひいては駆動源であるアクセルモータ33の小型化、更にはエンジンのコンパクト化が可能になる。
また、推力発生機構のベアリング43と、カムフォーク48及びカップリング機構間の締結部材とを上面視で、カムフォークシャフト41と直交方向で重なるように配置する。本実施形態では図9に示されるようにボルト50A,50Bのボルトヘッドとベアリング43とが、カムフォークシャフト41と直交方向に位置的にオーバラップする。
このようにボルト50A,50Bのボルトヘッドとベアリング43とをオーバラップさせて配置することで、カムフォークシャフト41とボールスクリュー42の軸間距離を小さくすることができる。これによりシリンダヘッド10まわり、特にカムシャフト18と直交方向の小型化が可能になる。
上記の場合、ベアリング43とのボルトヘッドをオーバラップしても推力発生機構の作動上何ら問題は生じない。図8あるいは図9においてエンジン低速時の状態が図示されており、このときタペット21はカム20のカム高さの低い部位に当接している。アクセルを開くと、アクセルモータ33の作動によるカム20のスライドに伴いタペット21は次第に、カム高さの高い部位に当接するが、スライドナット46としては図8及び図9において左方、即ちボルト50A,50Bはベアリング43から離れる方向に移動する。図8あるいは図9の状態は実質的にボルト50A,50Bの一方の移動端を示しており、これ以上ベアリング43側へ接近することはなく、両者が干渉せずに安全作動が保証される。
更に、スライドナット46と、ボルト50A,50Bのボルトヘッドとの関係でも同様に上面視で、カムフォークシャフト41と直交方向で重なるように配置する。
この場合も同様に、カムフォークシャフト41とボールスクリュー42の軸間距離を小さくすることができる。
また、ボールスクリュー42における締結部材の対向部位に工具アクセス部を設ける。具体的には図9及び図10等に示されるようにこの例ではボルト50Bのボルトヘッドに対向して、ボールスクリュー42の外周の一部をカットしてなる二面幅52が形成される。なお、図9等においてスライドナット46のスライド移動端となっており、スライドナット46は図示状態よりも二面幅52側へ接近することはない。
二面幅52にスパナ等の工具を掛けて、ボールスクリュー42の先端のナット53を締め付けることができる。この場合、二面幅52を設けた部位はボールスクリュー42における言わば、デッドスペースとなっており、このような部位を有効利用することで利便性を向上させることができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上記実施形態において、ナットフォーク47及びそのベースプレート47aにより構成されるカップリング機構は2つのカムフォーク48と連結する例を説明したが、気筒数に応じて3つ以上のカムフォーク48と連結することができる。
また、4気筒エンジンの場合の例を説明したが、本発明は1気筒又は3気筒エンジン、更にその他の多気筒エンジンに対しても有効に適用可能である。
また、本発明は自動二輪車の場合の他に、例えば乗用車等の4輪車や船外機に適用可能であり、上記実施形態と同様な効果が得られる。
10 シリンダヘッド、11 シリンダ本体、12 シリンダヘッドカバー、13 燃焼室、14 インテークポート、15 エキゾーストポート、16 吸気バルブ、16a バルブステム、17 排気バルブ、18 カムシャフト、19 ベアリング、20 カム、21 タペット、22 タペットガイド、23 カムシャフト、25 カム、26 タペット、27,28 スプロケット、29 バルブガイド、30 スプリングリテーナ、31 スプリングシート、32 バルブスプリング、33 アクセルモータ、34 ボールスクリューハウジング、35 カムハウジング、36 タペットローラ、37 ベアリング、38 芯部、39 アーム、40 シム、41 カムフォークシャフト、42 ボールスクリュー、43 ベアリング、44 ギア、45 ピニオンギア、46 スライドナット、47 ナットフォーク、48 カムフォーク、48a 基部、49 ベアリング、50A,50B ボルト、51 係合片、52 二面幅、53 ナット、100 自動二輪車、116 エンジンユニット、116A シリンダブロック。

Claims (4)

  1. シリンダヘッドに回転自在に軸支され且つその軸方向に移動可能なカムと、
    カムフォークを介して前記カムをその軸方向に移動させるカムフォークシャフトと、
    駆動モータの回転力をカム軸方向に変換する推力発生機構と、を備えた内燃機関の動弁装置であって、
    複数の前記カムフォークを連結すると共に、前記推力発生機構から前記カムフォークシャフトに推力を伝達するように構成されたカップリング機構を有し、
    前記推力発生機構のベアリングと、前記カムフォーク及び前記カップリング機構間の締結部材とを上面視で、前記カムフォークシャフトと直交方向で重なるように配置したことを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 前記カップリング機構が連結する複数の前記カムフォークが、前記カムフォークシャフトを支持する少なくとも1つの軸受を挟むように配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 前記推力発生機構は、前記駆動モータの駆動力によりネジ機構を介して進退可能となるように構成されたボールスクリュー及びスライドナットを含み、前記スライドナットと、前記カムフォーク及び前記カップリング機構間の締結部材とを上面視で、前記カムフォークシャフトと直交方向で重なるように配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 前記ボールスクリューにおける前記締結部材の対向部位に工具アクセス部を設けたことを特徴とする請求項に記載の内燃機関の動弁装置。
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