JP5690650B2 - 地盤熱特性解析方法及び装置、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法及び装置、並びにプログラム - Google Patents

地盤熱特性解析方法及び装置、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法及び装置、並びにプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5690650B2
JP5690650B2 JP2011104602A JP2011104602A JP5690650B2 JP 5690650 B2 JP5690650 B2 JP 5690650B2 JP 2011104602 A JP2011104602 A JP 2011104602A JP 2011104602 A JP2011104602 A JP 2011104602A JP 5690650 B2 JP5690650 B2 JP 5690650B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
heat source
temperature
pump system
soil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011104602A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012233669A (ja
Inventor
中村 靖
靖 中村
隆生 葛
隆生 葛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority to JP2011104602A priority Critical patent/JP5690650B2/ja
Publication of JP2012233669A publication Critical patent/JP2012233669A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5690650B2 publication Critical patent/JP5690650B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本発明は、熱媒を循環させる地中熱交換器を利用する地盤熱特性解析方法及び装置、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法及び装置、並びにプログラムに関する。
近年では、地盤を熱源として、地中熱交換器に熱媒を循環させてヒートポンプにより採放熱し、負荷側に温熱又は冷熱を供給する土壌熱源ヒートポンプシステムが広く認知され始めている。土壌熱源ヒートポンプシステムは、大気と違い地中温度が年間を通して大きな変化がなく安定していることから、省エネルギー性、安価なランニングコスト、二酸化炭素(CO2)排出量の抑制といった優位性があり、今後更なる導入が期待されるものと考えられる。
土壌熱源ヒートポンプシステムを高効率に運転するためには、例えば冷暖房に利用する場合であれば、冷房運転しているときの地中への放熱量と、暖房運転しているときの地中からの採熱量とのバランスをとることが重要である。この種の技術として、特許文献1には、地中熱交換器と補助熱交換器とを熱源とし、これらを暖房負荷による地中採熱量と、冷房負荷による地中放熱量とが等しくなるように択一的に切り換えて使用して空気調和する地中熱交換器を利用した空気調和システムが開示されている。また、特許文献2には、温度センサで測定したヒートポンプから地中熱交換器への熱媒水の出口温度に基づいて採放熱の限界値を設定し、設定した採放熱の限界値を超えないようにヒートポンプの運転を制御するようにした地中熱利用ヒートポンプ装置が開示されている。
また、本願出願人は、特許文献3において、ヒートポンプを用いて地盤を熱源として地中熱交換器に熱媒を循環させて採放熱し、負荷側に温熱又は冷熱を供給する土壌熱源ヒートポンプシステムの設計手法であって、暖房期間及び冷房期間を含む条件を用いて算出される土壌熱源ヒートポンプシステムで処理する熱負荷の時系列変化、地盤環境条件、並びに、前記地中熱交換器の仕様及びヒートポンプの仕様を含む土壌ヒートポンプシステムの仕様を設定して、前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションして熱収支を解析し、熱源側の温度の時系列変化を求める解析手順と、暖房期間開始時と次年の冷房期間終了時、及び、冷房期間開始時と次年の暖房期間終了時のうち少なくともいずれかにおいて、前記解析手順によるシミュレーションの結果である熱源側の温度が略一致するように前記土壌熱源ヒートポンプシステムで処理する熱負荷及び前記土壌熱源ヒートポンプシステムの仕様のうち少なくともいずれかを変更しながら前記シミュレーションを繰り返して前記土壌熱源ヒートポンプシステムで処理する熱負荷及び前記土壌熱源ヒートポンプシステムの仕様を決める仕様決定手順とを行う設計手法を提案している。
特開2003−130494号公報 特開2006−292310号公報 特開2007−85675号公報
土壌熱源ヒートポンプシステムを高効率に運転するためには、例えば冷房負荷(放熱)の暖房負荷(採熱)に対する過多による地中温度の長期的な上昇を解消させることが課題となっている。これについては、感知できる以上の範囲の地下水流動が期待できるのであれば、地下水の移流効果で地中への過剰な採放熱を抑えることと、冷却塔等を付加して地中への放熱を低減させること等が対処法として挙げられる。
そのうち地下水流動については、地下水流速の測定方法はある程度確立されたものの、測定方法の精度にはまだ改善の余地が残っている上に、データの蓄積が少ないため、測定値を鵜呑みにして計画、設計段階で地下水の効果を織り込むのは難しい状況となっている。
一方で、特許文献3に提案しているような解析計算モデルによるシミュレーションを応用すれば、運転期間中の地中温度実測データを用いて、有効熱伝導率等の地盤熱特性を把握することは可能である。このようにして把握した地盤熱特性については、地下水流動も考慮したものとなることから、上述したように計画、設計段階で織り込むことが難しい地下水の効果を、運用段階で反映させることが可能となる。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、地盤熱特性を随時把握できるようにし、さらには、それに基づいて土壌熱源ヒートポンプシステムの運転、性能予測を行い、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転時間や採放熱量を調整できるようにすることを目的とする。
本発明地盤熱特性解析方法は、熱媒を循環させる地中熱交換器を利用する地盤熱特性解析方法であって、地盤熱特性値としての有効熱伝導率を仮定し、その有効伝導率を用いて、所定の期間、時々刻々に測定した計算条件を用いて、熱源側の温度の時系列変化を計算する第1のシミュレーション手順と、前記第1のシミュレーション手順による熱源側の温度の計算値の前記所定の期間での初期地中温度からの変化量と、熱源側の温度の実測値の前記所定の期間での前記初期地中温度からの変化量とが所定の条件を満たすか否かを判定する第1の判定手順とを有し、前記計算値の変化量と前記実測値の変化量とが前記所定の条件を満たすまで前記有効熱伝導率を変更して前記第1のシミュレーション手順及び第1の判定手順を繰り返し、前記所定の条件を満たす有効熱伝導率を求めることを特徴とする。
また、本発明地盤熱特性解析方法の他の特徴とするところは、熱源側の温度とは、地中熱交換器出口温度であり、前記第1のシミュレーション手順では、前記所定の期間、時々刻々に測定した地中熱交換器入口温度及び熱媒の循環流量を計算条件として与え、地中熱交換器内部の熱収支、無限の周囲地盤との熱伝導を解析し、熱源側の温度として地中熱交換器出口温度の時系列変化を計算する。
本発明の土壌熱源ヒートポンプシステムにおける運転調整方法は、本発明の地盤熱特性解析方法により有効熱伝導率を求める地盤熱特性解析手順と、運転期間の採放熱量積算値に基づいて、予定されている土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷を再設定する再設定手順と、前記地盤熱特性解析手順による有効熱伝導率及び前記再設定手順による土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷を用いて、現時点後の単位期間について、前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転のシミュレーションを実行して熱収支を解析し、熱源側の温度の時系列変化を計算する第2のシミュレーション手順と、前記第2のシミュレーション手順による熱源側の温度の計算値が所定の温度条件を満たすか否かを判定する第2の判定手順とを有し、前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準に関係する値を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準を求めることを特徴とする。
また、本発明の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法の他の特徴とするところは、二次側(負荷側)補助熱源機と組み合わせた土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法であって、前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷は年間負荷量であり、前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで前記年間負荷量を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす前記年間負荷量に基づいて、前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準である前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転を停止させる第1の採放熱量積算値、又は、前記土壌熱源ヒートポンプシステムと前記二次側補助熱源機との併用運転への切り替えを行う第2の採放熱量積算値を求める。
また、本発明の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法の他の特徴とするところは、一次側(熱源側)補助熱源機と組み合わせた土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法であって、前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷は年間負荷量であり、前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで、前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準である前記一次側補助熱源機を運転する熱源側の温度(以下、基準温度と称する。)を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす前記基準温度を求める。
また、本発明の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法の他の特徴とするところは、温熱需要と冷熱需要とが混在し、共通の熱源水配管を介して、加熱運転ヒートポンプの冷排熱を冷却運転ヒートポンプ熱源に、冷却運転ヒートポンプの温排熱を加熱運転ヒートポンプ熱源に相互利用する熱回収システムに適用し、熱源不足の場合には一次側補助熱源機を併用する土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法であって、1年間を冷却負荷の方が大きい冷却期と加熱負荷の方が大きい加熱期と分け、冷却期においては前記冷却運転ヒートポンプを前記土壌熱源ヒートポンプシステム、前記加熱運転ヒートポンプ冷排熱を一次側(熱源側)補助熱源機として扱い、加熱期においては前記加熱運転ヒートポンプを前記土壌熱源ヒートポンプシステム、前記冷却運転ヒートポンプ温排熱を一次側補助熱源機として扱い、前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷は年間負荷量であり、前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転基準に関係する値を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす土壌熱源ヒートポンプシステムの運転基準を求める。
また、本発明の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法の他の特徴とするところは、共通の熱源水配管を介して、排熱回収を行う熱回収システムに適用し、熱源不足の場合には一次側補助熱源機を併用する土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法であって、回収した排熱を補助熱源として扱い、前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷は年間負荷量であり、前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転基準に関係する値を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす土壌熱源ヒートポンプシステムの運転基準を求める。
また、本発明の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法の他の特徴とするところは、前記所定の温度条件には、前記第2のシミュレーション手順による熱源側の温度の計算値が上限値及び下限値を超えない、或いは、上限値又は下限値を超えないという条件を含む。
また、本発明の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法の他の特徴とするところは、前記所定の温度条件には、前記第2のシミュレーション手順による熱源側の最高温度と最低温度の計算値における経年変化値がともに所定の条件値を超えないという条件を含む。
また、本発明の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法の他の特徴とするところは、前記単位期間ごとに、前記地盤熱特性解析手順、前記再設定手順、前記第2のシミュレーション手順、及び前記第2の判定手順により前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準を求め、その土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準に基づいて前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整を実行する。
本発明によれば、地下水流動の影響についても含まれる有効熱伝導率を随時把握することができる。さらには、その有効熱伝導率に基づいて土壌熱源ヒートポンプシステムの運転、性能予測を行い、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転時間や採放熱量を調整することができる。すなわち、地下水による採放熱促進効果や冷暖負荷アンバランス解消効果をその実態に即して利用することができる。
本発明を適用可能な土壌熱源ヒートポンプシステムの概略構成を示す図である。 本発明を適用したGSHPシステムの制御装置の概略構成を示す図である。 地盤熱特性解析プログラムによる処理を示すフローチャートである。 地中熱交換器出口温度の計算値と実測値とを比較して、有効熱伝導率を求めた例を示す特性図である。 (a)は土壌熱源ヒートポンプシステムと空冷チラー及びボイラといった二次側(負荷側)補助熱源機とを組み合わせたシステムの概略構成を示す図、(b)は土壌熱源ヒートポンプシステムと一次側(熱源側)補助冷熱源機である冷却塔とを組み合わせたシステムの概略構成を示す図である。 土壌熱源ヒートポンプシステム及び二次側補助熱源機の系統図である。 図6の各ケースにおける負荷量の関係を示す図である。 第1の実施形態におけるGSHPシステムの運転調整プログラムによる処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態における地中熱運転評価プログラムによる処理を示すフローチャートである。 長期安定性の確認処理を示すフローチャートである。 時間と採放熱量との関係の例を示す特性図である。 予め計算条件として与えるGSHPシステム運転熱負荷と再設定後のGSHPシステム運転熱負荷との関係の例を示す特性図である。 予め計算条件として与えるGSHPシステム運転熱負荷で計算した地中熱交換器出口温度と再設定後のGSHPシステム運転熱負荷で計算した地中熱交換器出口温度との関係の例を示す特性図である。 コミッショニング単位期間での負荷量の例を示す特性図である。 第2の実施形態におけるGSHPシステムの運転調整プログラムによる処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における地中熱運転評価プログラムによる処理を示すフローチャートである。 熱回収システムに土壌熱源ヒートポンプシステムを加えた構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明を適用可能な土壌熱源ヒートポンプ(Ground Source Heat Pump:以下GSHPと記す。)システム100の概略構成を示す。
GSHPシステム100は、地中に埋設された複数本の地中熱交換器101と、各地中熱交換器101に循環させている熱媒を介して採放熱するためのヒートポンプ102と、ヒートポンプ102により冷却又は加熱された熱媒を介して室内を冷房又は暖房する空調機103とを主要な構成要素として構成される。
GSHPシステム100では、ヒートポンプ102に対して、熱源である地盤側(すなわち、地中熱交換器101側)を一次側(熱源側)、室内側(すなわち、空調機103側)を二次側(負荷側)という。そして、一次側の熱量を採放熱量、二次側の熱量を負荷量といい、ヒートポンプ102とは、
放熱量=冷房負荷量+消費電力
採熱量=暖房負荷量−消費電力
という関係にある。また、成績係数COPとの関係は、
COP=(冷房又は暖房)負荷量/消費電力
となる。
図2には、本発明を適用した地盤熱特性解析装置及びGSHPシステムの運転調整装置として機能するGSHPシステムの制御装置1の概略構成を示す。2はGSHPシステム100の運転状況を解析する運転状況解析部である。3は地盤熱特性を解析する地盤熱特性解析部である。4は運転状況や地盤熱特性に応じてGSHPシステム100の運転調整を行う運転調整部である。GSHPシステムの制御装置1は、具体的にはCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムにより構成することができ、CPUがプログラムを実行することによって実現される。なお、GSHPシステムの制御装置1は一つの機器により構成されてもよいし、複数の機器により構成されてもよい。
(GSHPシステムの運転状況の解析)
GSHPシステム100の運転状況を解析するために、図1に示すように、地中熱交換器出入口に温度センサ104a、104bが、地中熱交換器出口に流量センサ105が設置される。データロガーによってこれらセンサ104a、104b、105から採取したデータは、GSHPシステムの制御装置1に取り込まれる。
運転状況解析部2において、地中からの採放熱量qp[W]を計算する場合、地中からの採放熱量qpは、地中熱交換器出入口温度Tpout、Tpin[℃]、熱媒の循環流量Gfp[m3/s]を用いて、下式(1)により求めることができる。cpfは熱媒の定圧比熱[kJ/(kg・K)]、ρfは熱媒の密度[kg/m3]である。地中からの採放熱量qpが正の場合には採熱量、負の値の場合には放熱量となる。
Figure 0005690650
また、運転状況解析部2において、ヒートポンプ102の出力qhp[W]及びCOPを計算する場合、ヒートポンプ102の一次側出入口に温度センサ106a、106bが、ヒートポンプ102の一次側入口に流量センサ107が設定される。また、ヒートポンプ102の消費電力Eの測定のための電力計108a、108bが設置される。ヒートポンプ102の出力qhp及びCOPは、ヒートポンプ102の一次側出入口温度T1out、T1in[℃]、熱媒の循環流量Gf1[m3/s]、消費電力E[W]を用いて、下式(2)〜(4)により求めることができる。
Figure 0005690650
なお、地中熱交換器101とヒートポンプ102との間での熱損失等を無視できるとした場合、Tpin=T1out、Tpout=T1in、Gfp=Gf1/n(n:並列回路の数)の関係にあり、相互に代用することも可能である。
(地盤熱特性の解析)
GSHPシステム100において最も影響を与える地盤熱特性値として有効熱伝導率が挙げられる。地盤熱特性解析部3は、以下の計算により有効熱伝導率を求めるが、その有効熱伝導率はいわゆる見かけ上の有効熱伝導率であり、これは地下水流動の影響についても含まれる。
図3は、地盤熱特性解析部3における地盤熱特性解析プログラムによる処理を示すフローチャートである。なお、必要に応じて、実測値には添え字mを、計算値には添え字cを付す。まず計算条件を入力する(ステップS101)。計算条件は、地中熱交換器101の種類、口径、長さ等の仕様である。
次に、有効熱伝導率λs[W/(m・K)]を仮定する(ステップS102)。そして、温度センサ104bで測定される地中熱交換器入口温度の時系列変化の実測値Tpinm、流量センサ105で測定される熱媒の循環流量の時系列変化の実測値Gfpmを計算条件として与え、下式(5)〜(9)に示す解析計算モデルによりGSHPシステム100の運転のシミュレーションを実行して熱収支を解析し、地中熱交換器出口温度の時系列変化Tpoutc等を計算する(ステップS103〜S106)。地中熱交換器出口温度Tpoutcは、式(5)、(6)のように、地中熱交換器内部の熱収支式をたてて計算する。また、地中から採放熱を行うと、地中熱交換器101の周囲温度が上昇するため、そのときの地中熱交換器表面温度は無限円筒理論を応用して、式(7)〜(9)によって計算する。このように無限の周辺地盤からの熱伝導を考慮した自然回復要素を考慮して解析を行っている。Vfは熱媒の体積[m3]、Kp-outは地中熱交換器外側の熱貫流率[W/(m2・K)]、Ap-outは地中熱交換器外側の面積[m2]、Tsは土壌の温度[℃]、rp-outは地中熱交換器の半径[m]、q´0は単位面積あたり放熱量(熱流)[W/m2]、T*は無次元温度、t*はフーリエ数、τは時間に関する変数、βは積分変数、Jxはx次の第一種ベッセル関数、Yxはx次の第二種ベッセル関数である。
Figure 0005690650
具体的には、式(9)に基づいて地中熱交換器表面温度応答を計算する(ステップS103)。次に、温度センサ104bで測定される地中熱交換器入口温度の実測値Tpinm、流量センサ105で測定される熱媒の循環流量の実測値Gfpmを計算条件として与える(ステップS104)。そして、式(5)、(6)に基づいて地中熱交換器出口温度Tpoutcを計算する(ステップS105)。また、式(7)、(8)に基づいて地中熱交換器表面温度を計算する(ステップS106)。これらステップS103〜S106を、時間t[h]を進めながら(ステップS108)、所定の期間の終わりまで繰り返す(ステップS107)。すなわち、時々刻々に測定した地中熱交換器入口温度Tpinm及び熱媒の循環流量Gfpmを計算条件として与え、地中熱交換器出口温度の時系列変化Tpoutcを計算していく。
ステップS103〜S108の結果として得られる地中熱交換器出口温度の計算値Tpoutcの初期地中温度Ts0からの変化量(ΔTpoutc(t0)=Tpoutc−Ts0)と、実測値Tpoutmの初期地中温度Ts0からの変化量(ΔTpoutm(t0)=Tpoutm−Ts0)とを比較して(ステップS109)、その差が十分に小さい場合、仮定した有効熱伝導係数λsを見かけ上の有効熱伝導係数λaとして採用する(ステップS110)。差が十分に小さくない場合、有効熱伝導率λsを変更して(ステップS111)、ステップS103〜S109の計算及び判定を繰り返す。
見かけ上の有効熱伝導率λaの計算については、経過期間毎に測定の全データを用いて、最後の時間における計算値Tpoutcと実測値Tpoutmとを比較する。図4に示す例では、経過時間200[h]において、初期に設定した有効熱伝導率1.5[W/(m・K)]で地中熱交換器出口温度Tpoutcを計算して、実測値Tpoutmと比較すると、両者には誤差がみられる。そこで、有効熱伝導率を2.4[W/(m・K)]に変更すると、両者が略一致することがわかる。したがって、この時間における見かけ上の有効熱伝導率λaを2.4[W/(m・K)]として採用する。
一方、経過時間540[h]においては、経過時間200[h]における有効熱伝導率2.4[W/(m・K)]の条件では計算値Tpoutcと実測値Tpoutmとが一致しなくなっている。そこで、有効熱伝導率を3.01[W/(m・K)]に変更すると、両者が一致することがわかる。したがって、この時間における見かけ上の有効熱伝導率λaを3.0[W/(m・K)]として採用する。
なお、温度センサ104bで測定される地中熱交換器入口温度の時系列変化の実測値Tpinmを計算条件として与えたが、地中熱交換器入口温度の時系列変化は、地中熱交換器出口温度に対し、時々刻々の負荷と、ヒートポンプ102の性能特性と、熱媒の循環流量とを用いて、上式(1)を利用して求めるようにしてもよい。
(GSHPシステムの運転調整)
上述したGSHPシステム100の運転状況と地盤熱特性の解析に基づいて、GSHPシステム100の運転を調整する。以下では、GSHPシステム100の運転状況と地盤熱特性を解析して運転の調整を行う単位期間をコミッショニング単位期間といい、例えば1週間を設定する。
本実施形態では、図5(a)に示すように、GSHPシステム100と、空冷チラー及びボイラといった二次側(負荷側)補助熱源機200とを組み合わせたシステムについて考える。図6(a)〜(d)に、GSHPシステム100及び二次側補助熱源機200の系統図を示す。GSHPシステム100及び二次側補助熱源機200の熱源容量については、以下の4つのケースが想定される。
(1)GSHPシステム100及び二次側補助熱源機200の双方の熱源容量がピーク負荷を満たしている場合(図6(a)を参照)。
(2)GSHPシステム100の熱源容量のみがピーク負荷を満たしている場合(図6(b)を参照)。
(3)二次側補助熱源機200の熱源容量のみがピーク負荷を満たしている場合(図6(c)を参照)。
(4)GSHPシステム100及び二次側補助熱源機200の双方の熱源容量がピーク負荷を満たしていない場合(図6(d)を参照)。
なお、熱源機とは二次側(負荷側)で冷暖房、給湯等に要する熱を製造する装置をいう。これに対し、熱源とはその熱源機が熱を製造するために利用するもととなる熱を保有するものを指し、大気、土壌、河川水等がこれに当たる。GSHPシステムにおいては、土壌熱源ヒートポンプ(GSHP)が熱源機であり、土壌が熱源である。前記の空冷チラーやボイラは熱源機であるGSHPの製造する二次側で要する熱の不足分を補う装置であるため二次側(負荷側)補助熱源機と呼ぶ。
これに対し、図5(b)に示す冷却塔は熱源である土壌の熱不足を補う装置であるため一次側(熱源側)補助熱源機と呼ぶ。また、熱不足を補うものは装置とは限らず、排湯からの回収熱等も利用できるため、これらを総称して補助熱源と呼ぶ。
まず、ケース(1)の場合は、図7(a)に示すように、コミッショニング単位期間におけるGSHPシステム100の総負荷量(GSHP総負荷量)Qgが可能採放熱量積算値を満たす運転時間を超えた場合に、二次側補助熱源機200へ切り替える必要がある。GSHP総負荷量Qgは、総負荷量Q2を用いて、下式(10)によって求められる。ここで、Cは可能採放熱量積算値を満たす補正係数であるが、その決定方法については後述する。また、二次側補助熱源200の総負荷量(補助熱源総負荷量)QAssは、下式(11)によって求められる。
Figure 0005690650
ケース(2)の場合も、GSHP総負荷量Qgは、式(10)によって求められる。一方で、図7(b)に示すように、二次側補助熱源機200と同時に運転しなければならないGSHPシステム100の負荷量Qg2は、ピーク負荷q2maxと、二次側補助熱源機最大出力qAssmaxとを用いると、下式(12)によって求められる。結局、GSHPシステム100が総負荷で運転できる負荷量Qg1は、下式(13)で表わされ、これを超えた場合には二次側補助熱源機200との併用運転となる。
Figure 0005690650
ケース(3)の場合、図7(c)に示すように、ケース1と同様に、コミッショニング単位期間におけるGSHP総負荷量Qgが可能採放熱量積算値を満たす運転時間を超えた場合に、二次側補助熱源機200へ切り替える必要がある。
ケース(4)の場合、図7(d)に示すように、まずGSHPシステム100の出力の不足により発生する二次側補助熱源機200の負荷量QAss1を仮定する必要がある。二次側補助熱源機200の負荷量QAss1は、総負荷量Q2と、ピーク負荷q2maxと、GSHP最大出力qgmaxとを用いて、下式(14)によって求められる。したがって、残りの補助熱源負荷量QAss2は、下式(15)となる。一方、出力を低下させるときのGSHPシステム100の負荷量Qg2は、下式(16)で表わされるので、結局、GSHPシステム100が最大負荷で運転できる負荷量Qg1は、下式(17)によって求められる。
Figure 0005690650
このように、ケース(1)、(3)に該当するシステムでは、GSHPシステム100の運転を停止させる採放熱量積算値Qpset1を決定する必要がある。採放熱量積算値Qpset1は、図7(a)に示すケース(1)の例でいえば、GSHP総負荷量Qgに応じてGSHPシステムを運転したときの採放熱量であり、次に示すように、GSHP総負荷量Qg及びその運転時間での消費電力で表わされる。なお、COPaveは当該運転時間における平均COPである。
pset1=Qg+Qg/COPave(冷房時)
pset1=Qg−Qg/COPave(暖房時)
また、ケース(2)、(4)に該当するシステムでは、二次側補助熱源機200との併用運転への切り替えを行う採放熱量積算値Qpset2を決定する必要がある。採放熱量積算値Qpset2は、図7(b)に示すケース(2)の例でいえば、負荷量Qg1に応じてGSHPシステムを運転したときの採放熱量であり、次に示すように、負荷量Qg1及びその運転時間の消費電力で表わされる。
pset2=Qg1+Qg1/COPave(冷房時)
pset2=Qg1−Qg1/COPave(暖房時)
以下に述べる地中熱運転評価プログラムでは、時々刻々と変化する負荷と温度に依存するCOPで上記の計算が行われ、コミッショニング単位期間で積算してQpset1が算定される。Qpset2についても同様である。採放熱量積算値Qpset1、Qpset2の符号は暖房時が+(プラス)で、冷房時が−(マイナス)となる。なお、式(18)においてi=1はΣの下に、nはΣの上に付されているものとする。
pset1=Σi=1 n(Qgi+Qgi/COPi)(冷房時)
pset1=Σi=1 n(Qgi−Qgi/COPi)(暖房時)・・・(18)
以上を踏まえて、二次側(負荷側)補助熱源機200と組み合わせたGSHPシステム100の運転調整方法について説明する。まず、図3に示した地盤熱特性解析プログラムを組み込んだ地中熱運転評価プログラム(以下、CGCとも記す。)について説明する。図9は、地中熱運転評価プログラムによる処理を示すフローチャートである。土壌データ、初期設定冷暖房負荷、地中熱交換器101の仕様及びヒートポンプ102の仕様を含むGSHPシステム100の仕様、二次側補助熱源機200の仕様、許容温度、運転開始日等の初期条件が入力された状態で、図3のフローチャートで説明したように、運転開始時から現時点までの地中熱交換器出口温度、入口温度、熱媒の循環流量の時系列変化の実測値を用いて、見かけ上の有効熱伝導率λaを決定する(ステップS301)。
次に、暖房運転時には、下式(19)によって求められる、運転開始時刻又は冷暖房の運転切り替え時刻tsstからの採放熱量qpの積算値Qsmが、採放熱量の積算予想値Qspを超えるか否か判定する(ステップS302)。その結果、Qsm>QspでなければステップS306に進む。Qsm>QspであればステップS303に進み、暖房年間負荷予測変動値Q2hをQsm/Qspだけ大きくするように再設定した後、ステップS306に進む。同様に、冷房運転時には、運転開始時刻tsstからの採放熱量qpの積算値Qsmが採放熱量の積算予想値Qspを下回るか否か判定する(ステップS304)。その結果、Qsm>QspでなければステップS306に進む。Qsm>QspであればステップS305に進み、冷房年間負荷予測変動値Q2cをQsm/Qspだけ大きくするように再設定した後、ステップS306に進む。
Figure 0005690650
ここで、Q2h、Q2cは予定されている年間(冷房期間(例えば5月1日〜10月31日)+暖房期間(例えば11月1日〜4月30日))の負荷量の時刻毎の変動予測データである。一方、Qsm、Qspは冷房又は暖房運転開始からその時点までの運転期間の採放熱量の積算値であり、Qsmは実際の運転開始からその時点までの運転期間の採放熱量積算値(図11を参照)、Qspは運転開始からその時点までの運転期間の採放熱量積算予測値である。ステップS302〜S305では、一つ前のCGC起動で修正された年間負荷予測変動値Q2h、Q2cに基づいて上式(18)で算定される運転期間採放熱量積算予測値Qspと、現時点最新の運転期間採放熱量積算値Qsmとを比較して、後者が大きければ、その比率だけ年間負荷予測変動値Q2h、Q2c、ひいては採放熱量積算予測値Qspを修正する。
次に、ステップS301において決定した見かけ上の有効熱伝導率λaを設定して(ステップS306)、式(9)に基づいて地中熱交換器表面温度応答を計算する(ステップS307)。次に、年間負荷予測変動値Q2h、Q2cに基づいてGSHP時刻別負荷を決定し(ステップS308)、一次側循環流量を計算する(ステップS309)。次に、ヒートポンプ102のCOP、地中からの採放熱量qp、地中熱交換器入口温度Tpinを計算し(ステップS310)、式(5)、(6)に基づいて地中熱交換器出口温度Tpoutを計算し(ステップS311)、式(7)、(8)に基づいて地中熱交換器表面温度を計算する(ステップS312)。これらステップS308〜S312を、時間tを進めながら(ステップS314)、現時点後のコミッショニング単位期間の終わりまで繰り返す(ステップS313)。
次に、冷房運転時の場合、地中熱交換器出口最高温度Tpoutmaxが所定の設定値Tpoutmaxset以下であるか否かを判定し(ステップS315)、所定の設定値Tpoutmaxset以下でなければステップS316に進む。ステップS316では、可能採放熱量積算値を満たす補正係数Cを再設定し、冷房年間負荷予測変動値Q2cを再設定し、ステップS308に戻る。すなわち、可能採放熱量積算値を満たす補正係数Cについて、冷房期間については、負荷条件に対して計算によって得られる地中熱交換器出口最高温度Tpoutmaxが所定の設定値Tpoutmaxsetを超える場合に計算され、再度性能予測計算が行われる。この場合、補正係数Cの計算は下式(20)によって求められる。なお、Ts0は初期地中温度、Sは安全率である。
Figure 0005690650
また、ステップS315において最高温度Tpoutmaxが所定の設定値Tpoutmaxset以下であればステップS317に進む。ステップS317では、最高温度Tpoutmaxの初期地中温度Ts0からの変化量が、下式(21)に示す条件を満たすか否かを判定し、満たしていなければステップS318に進む。ステップS318では、可能採放熱量積算値を満たす補正係数Cを再設定し、冷房年間負荷予測変動値Q2cを再設定し、ステップS308に戻る。すなわち、可能採放熱量積算値を満たす補正係数Cについて、冷房期間については、負荷条件に対して計算によって得られる地中熱交換器出口最高温度Tpoutmaxが、下式(21)に示す条件を満たさない場合に計算され、再度性能予測計算が行われる。この場合、補正係数Cの計算は下式(22)によって求められる。
Figure 0005690650
また、暖房運転時の場合、地中熱交換器出口最低温度Tpoutminが所定の設定値Tpoutminset以上であるか否かを判定し(ステップS319)、所定の設定値Tpoutminset以上でなければステップS320に進む。ステップS320では、可能採放熱量積算値を満たす補正係数Cを再設定し、暖房年間負荷予測変動値Q2hを再設定し、ステップS308に戻る。すなわち、可能採放熱量積算値を満たす補正係数Cについて、暖房期間については、負荷条件に対して計算によって得られる地中熱交換器出口最低温度Tpoutminが所定の設定値Tpoutminsetを下回る場合に計算され、再度性能予測計算が行われる。この場合、補正係数Cの計算は下式(23)によって求められる。
Figure 0005690650
また、ステップS319において最低温度Tpoutminが所定の設定値Tpoutminset以上であればステップS321に進む。ステップS321では、最低温度Tpoutminの初期地中温度Ts0からの変化量が、下式(24)に示す条件を満たすか否かを判定し、満たしていなければステップS322に進む。ステップS322では、可能採放熱量積算値を満たす補正係数Cを再設定し、暖房年間負荷予測変動値Q2hを再設定し、ステップS308に戻る。すなわち、可能採放熱量積算値を満たす補正係数Cについて、暖房期間については、負荷条件に対して計算によって得られる地中熱交換器出口最低温度Tpoutminが、下式(24)に示す条件を満たさない場合に計算され、再度性能予測計算が行われる。この場合、補正係数Cの計算は下式(25)によって求められる。なお、安全率Sには、例えば0.02が与えられる。
Figure 0005690650
以上のようにステップS315〜S322では、地中熱交換器出口温度Tpoutを試算し、その値が上下限値を超えた場合には、採放熱量積算値Qpset1、Qpset2を求めるのに必要な年間負荷予測変動値Q2h、Q2cの再設定を行う。
次に、ステップS323では、長期安定性の確認を行う。図10は、ステップS323の長期安定性の確認処理を示すフローチャートである。GSHP時刻別負荷を決定し(ステップS401)、一次側循環流量を計算する(ステップS402)。次に、ヒートポンプ102のCOP、地中からの採放熱量qp、地中熱交換器入口温度Tpinを計算し(ステップS403)、式(5)、(6)に基づいて地中熱交換器出口温度Tpoutを計算し(ステップS404)、式(7)、(8)に基づいて地中熱交換器表面温度を計算する(ステップS405)。次に、月別採放熱量を計算し(ステップS406)、t÷730(730:1年8760時間を12ヶ月で除算した値)の余りが0となるか否かを確認しながら(ステップS407)、月積算採放熱量を保存する(ステップS408)。これらステップS401〜S408を、時間tを進めながら(ステップS410)、時間t=tend1(運転年数+1年(運転中の年)の終了時間)となるまで繰り返す(ステップS409)。ステップS401〜S410では、運転している年までの計算を行っており、長期間予測のための月別採放熱量の計算を行っている。
次に、GSHP月別採放熱量を決定し(ステップS411)、ヒートポンプ102のCOP、地中からの採放熱量qp、地中熱交換器入口温度Tpinを計算し(ステップS412)、式(5)、(6)に基づいて地中熱交換器出口温度Tpoutを計算し(ステップS413)、式(7)、(8)に基づいて地中熱交換器表面温度を計算する(ステップS414)。これらステップS411〜S414を、時間tを進めながら(ステップS416)、時間t=tend2(運転年数+予測したい年数の終了時間)となるまで繰り返す(ステップS415)。ステップS411〜S416では、予測を行いたい年数までの計算を行っている。
次に、x年目の地中熱交換器出口最高温度Tpoutmax(x)と(x+4)年目の地中熱交換器出口最高温度Tpoutmax(x+4)との差が所定の条件を満たし、かつ、x年目の地中熱交換器出口最低温度Tpoutmin(x)と(x+4)年目の地中熱交換器出口最低温度Tpoutmin(x+4)との差が所定の条件を満たすように、可能採放熱量積算値を満たす補正係数Cを再設定し、暖房年間負荷予測変動値Q2h、冷房年間負荷予測変動値Q2cを再設定する(ステップS417〜S421)。ここでの所定の条件は、1〜5年目の差が0.5[℃]、6〜10年目の差が0.25[℃]となっている。なお、ステップS323の処理は、図9のフローチャートで毎回行わなくてもよく、数回に1回(月に1回程度)行われるようにしてもよい。
図9に説明を戻して、ステップS324では、GSHPシステム100の運転を停止させる採放熱量積算値Qpset1、又は、二次側補助熱源機200との併用運転への切り替えを行う採放熱量積算値Qpset2を決定する。また、GSHPシステム100の運転調整を行う期間中にCGCを最初に起動させる採放熱量積算値Qpset3を決定する。
ここで、採放熱量積算値Qpset1、Qpset2はコミッショニング単位期間の採放熱量の積算値である。採放熱量積算値Qpset1、Qpset2と期間を一致させたコミッショニング単位期間負荷量としてQ2hcom又はQ2ccomを定義する(図14を参照)。なお、冷房運転のため放熱量でマイナス値がありえる。これは、再設定された年間負荷予測変動値Q2h、Q2cからの次のコミッショニング単位期間における負荷を抜き出した変動データである。そして、このQ2hcom、Q2ccomを式(18)のQgとすれば、Qpset1、Qpset2が導き出される。
採放熱量積算値Qpset1、Qpset2については、上述の通り、冷房期間の地中熱交換器出口最高温度もしくは暖房期間の地中熱交換器出口最低温度を計算する必要があるため、年間運転シミュレーションを実施し、それをもとに設定する。すなわち、図12に示すように、予め計算条件として与えるGSHPシステム運転熱負荷、すなわち最初に与えられる年間負荷予測変動値Q2h、Q2c(図12中の年間負荷Q2)に対して、実際の運転開始時から現時点までの運転データ、すなわち採放熱量積算値Qsmをもとに、GSHPシステム運転熱負荷(年間負荷予測変動値Q2h、Q2c)を再設定し(図12中の負荷Q2´)(ステップS302〜S305)、年間運転シミュレーションを実施する。そして、図13に示すように、地中熱交換器出口温度Tpoutが上下限値を超えた場合には、上下限値に収まるように年間負荷予測変動値Q2h、Q2cを再設定する(ステップS315、S316,S319、S320)。最終的には、図14に示すように、コミッショニング単位期間が例えば運転開始から経過時間846〜1014hであれば、運転シミュレーションによって得られるこの期間の採放熱量がQpset1、Qpset2となる。なお、実際のシステム構成は、図6、図7のケース(1)〜(4)のいずれかとなる。したがって、実質的に求められるのはQpset1及びQpset2のいずれかとなる。求められない方の値は実際には達しえない大きい値を設定する。
また、採放熱量積算値Qpset3については、暖房、冷房それぞれの暖房負荷積算値、冷房負荷積算値がピークとなる週の4日分の採放熱量をシミュレーション中で計算し、算出している。
このようにした地中熱運転評価プログラムでは、次のコミッショニング単位期間のGSHP運転可能量であるQpset1もしくはQpset2を計算することができる。GSHP運転可能量は、一次側温度について冷暖房それぞれの期間内の予測計算を行い、GSHPシステム100が所定の出力を確保でき、他の熱源機よりも高い効率を確保できる上限温度(冷房時)、下限温度(暖房時)に収まるように収束計算することで算出される。すなわち、余力がある場合には増加させ、期間内に出力不足、効率悪化の可能性がある場合には減少させる。
なお、ステップS323の長期安定性の確認により、次年度に先送りした、負荷アンバランス吸収のための長期判断についても、時刻変動データを月間変動データ程度に負荷データを粗くした上で、同様の収束計算を数年間にわたり行うことで可能にしている。
次に、図8は、GSHPシステムの運転調整プログラムによる処理を示すフローチャートである。図9に示したCGCは、この運転調整プログラムのサブプログラムとして組み込まれており、定期的にCGCを起動させ、次のコミッショニング単位期間においてGSHPシステムを運転可能な採放熱量積算値を決定する。運転調整プログラムは、CGCに対して時刻毎の地中熱交換器出入口温度、循環流量、採放熱量の冷暖房期間積算値等を出力して、CGCの計算結果から採放熱量積算値Qpset1、Qpset2、Qpset3を受け取る。
まず運転開始直後にCGCを起動させ、次回にCGCを起動させる採放熱量積算値Qpset3を決定する(ステップS201)。
次に、コミッショニングに必要なデータである、温度センサ104a、104bで測定される地中熱交換器出入口温度Tpout、Tpin、流量センサ105で測定される熱媒の循環流量Gfpを取得し(ステップS202)、地中からの採放熱量qpを上式(1)により求める(ステップS203)。そして、上式(19)によって冷暖房期間採放熱量積算値Qsmを求め、下式(26)によってコミッショニング単位期間積算値Qcmを求める(図11を参照)(ステップS204)。
Figure 0005690650
次に、暖房運転時には、コミッショニング単位期間積算値Qcmが採放熱量積算値Qpset1を超えるか否か判定する(ステップS205)。その結果、Qcm>Qpset1でなければステップS208に進む。Qcm>Qpset1であればステップS207に進み、GSHPシステム100を停止させるとともに、二次側(負荷側)補助熱源機200を起動させて運転を開始させた(又は二次側補助熱源器200の運転を促進させた)後、ステップS208に進む。一方、冷房運転時には、コミッショニング単位期間積算値Qcmが採放熱量積算値Qpset1を下回るか否か判定する(ステップS206)。その結果、Qcm<Qpset1でなければステップS209に進む。Qcm<Qpset1であればステップS207に進み、GSHPシステム100を停止させるとともに、二次側補助熱源機200を起動させて運転を開始させた(又は二次側補助熱源器200の運転を促進させた)後、ステップS208に進む。
次に、暖房運転時には、コミッショニング単位期間積算値Qcmが採放熱量積算値Qpset2を超えるか否か判定する(ステップS208)。その結果、Qcm>Qpset2でなければステップS211に進む。Qcm>Qpset2であればステップS210に進み、二次側補助熱源機200をベースとする運転への切り替えを行った後、ステップS211に進む。一方、冷房運転時には、コミッショニング単位期間積算値Qcmが採放熱量積算値Qpset2を下回るか否か判定する(ステップS209)。その結果、Qcm<Qpset2でなければステップS211に進む。Qcm<Qpset2であればステップS210に進み、二次側補助熱源機200をベースとする運転への切り替えを行った後、ステップS211に進む。なお、Qpset1及びQpset2のうち求められない方の値は実際には達しえない大きい値が設定されているので、ステップS205とステップS208、ステップS206とステップS209が同時にYesとなることはありえない。
これらステップS202〜S210を、時間tを所定の時間ステップΔtずつ進めながら(ステップS212)、時間t=tnextとなるまで繰り返す(ステップS211)。例えば最初は1時間が設定されており、Δtは1分すなわち1/60時間と設定されている。tは戻りループに回るたびに1/60、2/60、3/60、・・・と増えていき、60/60=1時間に達したときにt=tnextとなって、次のステップS213に進み、その時点での地中熱交換器出入口温度、循環流量を保存する。
次に、暖房運転時には、冷暖房運転切り替え後CGC未起動であり、かつ、採放熱量積算値Qsmが採放熱量積算値Qpset3を超えるか否か判定する(ステップS214)。その結果、冷暖房運転切り替え後CGC未起動であり、かつ、Qsm>Qpset3でなければステップS217、S219、S220に進む。冷暖房運転切り替え後CGC未起動であり、かつ、Qsm>Qpset3であればステップS216に進み、CGCを起動させて、次のコミッショニング単位期間での採放熱量積算値Qpset1、Qpset2を決定するとともに、コミッショニング単位期間積算値Qcmを初期化した後、ステップS217、S219、S220に進む。一方、冷房運転時には、冷暖房運転切り替え後CGC未起動であり、かつ、採放熱量積算値Qsmが採放熱量積算値Qpset3を下回るか否か判定する(ステップS215)。その結果、冷暖房運転切り替え後CGC未起動であり、かつ、Qsm<Qpset3でなければステップS217、S219、S220に進む。冷暖房運転切り替え後CGC未起動であり、かつ、Qsm<Qpset3であればステップS216に進み、CGCを起動させて、次のコミッショニング単位期間での採放熱量積算値Qpset1、Qpset2を決定するとともに、コミッショニング単位期間積算値Qcmを初期化した後、ステップS217、S219、S220に進む。
冷暖房運転が切り替わった後、あまりに負荷が少ないとCGCでの評価が有効とは言えない。そこで、ステップS214、S215では、冷房(暖房)期間の採放熱量積算値QsmがQpset3に達するまではCGCを起動させないようにしている。すなわち、助走期間から本格的な自律制御期間への切り替え判定を行っている。
次に、冷暖房運転切り替え後CGC起動済みであり(ステップS219)、GSHPシステム100の運転時間が1時間以上であり(ステップS217)、コミッショニング指定曜日にCGCが未起動である(ステップS220)場合(ステップS218)、ステップS221に進み、CGCを起動させて、採放熱量積算値Qpset1、Qpset2を決定するとともに、コミッショニング単位期間積算値Qcmを初期化する。
ステップS217、S219、S220では、採放熱量積算値QsmがQpset3に達した後、すなわち本格的な自律制御運転に入った後のCGCの起動条件に照らし合わせて、コミッショニング単位期間経過後にCGCを起動させる判定を行っている。中心となる起動条件は、ステップS220の「コミッショニング指定曜日のCGC未起動」である。月曜日が指定曜日ならば火、水、・・・日までは直前の月曜日にCGCが起動しているのでNoとなるが、次の月曜日が来るとCGCを起動させなければYesとなるので、ステップS221に進み、CGCを起動させる。ステップS217の「GSHPシステム運転時間1時間以上」は、こちらもあまりに負荷が少なくGSHPシステム100が発停を繰り返す状況下においては見かけ上の有効熱伝導率の計算の誤差が大きくなる傾向があるため、CGCでの評価が有効とは言えないため、その場合はCGCを起動させないようにする。ステップS219の「冷暖房運転切替後CGC起動済」は、ステップS214、S215を経ているか否かを確認している。なお、コミッショニング単位期間は1週間を想定しているが、これを変更する場合は、ステップS220の判定において、コミッショニング指定曜日ではなく、単位期間を10日にするならば、コミッショニング指定日を10の倍数の日にする等の対応となる。
次に、t÷730(730:1年8760時間を12ヶ月で除算した値)の余りが0となるか否かを確認しながら(ステップS222)、月積算採放熱量を保存する(ステップS223)。また、冷暖房運転の切り替え時には(ステップS224)、採放熱量積算値Qsmを初期化する(ステップS225)。
これらステップS202〜S225を、時間tを所定の時間ステップΔtずつ進めるとともにtnextをインクリメントして(ステップS226)繰り返す。すなわち、ステップS202〜213では、1時間おきに地中熱交換器出入口温度、循環流量を保存していく。
以上のように、予め設定されたコミッショニング指定曜日にCGCを起動させて、採放熱量積算値Qpset1、Qpset2を決定する。地中熱は温度変化を監視しながら運転している限りは安定した熱源であり、短期的な負荷変動に合わせて制御しなければならないものではない。したがって、一つのコミッショニング単位期間中の制御は一度の停止又は切り替え制御で十分対応できる。
以上述べたように、GSHPシステム100の運転状況と地盤熱特性を随時把握して、それに基づいてGSHPシステム100の運転、性能予測を行い、GSHPシステム100の運転時間や採放熱量を調整することができる。
この場合に、比較的短期のコミッショニング単位期間毎に有効熱伝導率と負荷変動とを見直し、その見直した値に基づいて一次側温度が上下限値に収まるように次のコミッショニング単位期間までの地中熱利用可能量を算定し、運転制御することができる。したがって、例えば特許文献2にあるように採放熱の限界値を超えないように逐次制御するのではなく、同期間の負荷の多寡にある程度幅を持って対応することができ、例えばシーズン前半に利用が少なければ、後半に利用促進するようなことが可能になる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、図5(b)に示すように、GSHPシステム100と、冷却塔や補助熱源ボイラ等の一次側(熱源側)補助熱源機とを組み合わせたシステムについて考える。ここでは、一次側補助冷熱源機である冷却塔300を組み合わせたシステムを例示する。冷却塔300の運転制御を行う際には、冷却塔系統の温度の測定等は特に必要とせず、図1に示した地中熱交換器出口温度Toutの実測データに基づいて行う。
冷却塔300を組み合わせる場合、第1の実施形態のように、GSHPシステム100の運転を停止させる採放熱量積算値Qpset1、及び、二次側補助熱源機200との併用運転への切り替えを行う採放熱量積算値Qpset2を設定するのではなく、基準温度として冷却塔300の運転を開始させる地中熱交換器出口温度Tpoutsetを設定する。
以下、冷却塔300と組み合わせたGSHPシステム100の運転調整について説明する。まず、図16に示した地盤熱特性解析プログラムを組み合わせたCGCについて説明する。図16は、地中熱運転評価プログラムによる処理を示すフローチャートである。なお、第1の実施形態の図9との相違点を中心に説明し、同様の処理については詳細な説明は省略する。
ステップS601〜S613は図9のステップS301〜S313と同様である。冷房期間の地中熱交換器出口最高温度Tpoutmaxが所定の設定値Tpoutmaxset以下であるか否か、又は、温度条件Tpoutsetが20[℃]を下回るか否かを判定する(ステップS615)。いずれの条件も満たさなければステップS616に進む。ステップS616では、基準温度Tpoutsetを1[℃]下げて、ステップS608に戻る。
最高温度Tpoutmaxが所定の設定値Tpoutmaxset以下である、又は、温度条件Tpoutsetが20[℃]を下回ればステップS617に進む。ステップS617では、最高温度Tpoutmaxの初期地中温度Ts0からの変化量が、下式(27)に示す条件を満たすか否か、又は、温度条件Tpoutsetが35[℃]を超えるか否かを判定する。いずれの条件も満たさなければステップS618に進む。ステップS618では、基準温度Tpoutsetを1[℃]上げて、ステップS608に戻る。
Figure 0005690650
ステップS619では、長期安定性の確認を行う。この処理は、図10と同様であり、相違点としては、ステップS421でTpoutsetを1[℃]上げ、ステップS425でTpoutsetを1[℃]下げる点である。
そして、ステップS620では、GSHPシステム100の運転調整を行う期間中にCGCを最初に起動させる採放熱量積算値Qpset3を決定する。
次に、図15は、GSHPシステムの運転調整プログラムによる処理を示すフローチャートである。なお、第1の実施形態の図8との相違点を中心に説明し、同様の処理については詳細な説明は省略する。冷却塔の運転開始は、冷房期間の地中熱交換器出口温度Tpoutが基準温度Tpoutsetを超えたときに行われる(ステップS507、S508)。すなわち、Tpout>Tpoutsetとなっている間は冷却塔300を運転する。
また、冷却塔300の能力が冷房負荷と比較して100%賄えるようなバックアップ機能を有している場合には、その能力に応じてファン動力等の消費電力も増大するため、バックアップ運転の時間帯を除いては、出力(ファンの回転数等)を小さくする必要がある。そこで、基準温度Tpoutsetが20[℃]を下回るような極端に冷却塔300の出力を必要とする条件を除いては、冷却塔300を最大出力運転とはせず、ファンの回転数等を抑える運転を行うようにする(ステップS505、S506)。
なお、一次側(熱源側)補助温熱源機である補助熱源ボイラを用いる場合も、図15の地中熱交換器出口温度設定が変わり、図16のステップS615、S617の上限値が下限値に変わる等の他は概ね同じである。また、冷暖の一次側補助熱源機を併用することも、二次側(負荷側)補助熱源機の場合と同様、可能である。
(第3の実施形態)
例えば給湯による温熱需要と冷房による冷熱需要とが混在するような場合、互いの排熱を利用する熱回収ループを構築した熱回収システムが有効である。熱回収システムでは、冷房の温排熱を給湯に、給湯の冷排熱を冷房に相互利用することで省エネを図ることができる。ただし、温熱需要と冷熱需要は常に同時に存在するわけではなく、排熱に時間差があるので、実際には、熱源水配管を主管として建物内に巡らせ、冷温排熱のバランス差に応じて補助熱源(補助ボイラや冷却等)を運転し、ヒートポンプが高効率で運転できる中温域(10〜30[℃]程度)に熱源水を維持し、そこから採熱したり放熱したりする。
図17(a)、(b)に示す例は、温熱需要と冷熱需要とが混在し、共通の熱源水配管を介して、加熱運転ヒートポンプの冷排熱を冷却運転ヒートポンプ熱源に、冷却運転ヒートポンプの温排熱を加熱運転ヒートポンプ熱源に相互利用する熱回収システムである。このように地盤の蓄熱性を利用し、一般的な熱回収システムの熱源水配管にGSHPシステムを加えることにより、冷温排熱のバランス差により生じた余剰冷温排熱を地盤に蓄熱することができる。地盤に蓄熱することで冷温熱需要の時間差を吸収し、補助熱源の運転を最小に抑えることができ、さらに省エネを図ることができる。冷却・加熱熱源すなわち冷温排熱の混在するヒートポンプシステムにおいて、バランス差により生じた余剰冷温排熱を地盤とやり取りする熱収支解析を行えば、逐次的ではなく、シーズン単位で最適な冷温熱利用が可能な熱回収システムの運転が可能となる。かかる熱回収システムに本発明を適用する場合は、1年間を冷却負荷の方が大きい冷却期と加熱負荷の方が大きい加熱期と分け、冷却期においては冷却運転ヒートポンプを土壌熱源ヒートポンプシステム、加熱運転ヒートポンプ冷排熱を一次側(熱源側)補助熱源機として扱い、加熱期においては加熱運転ヒートポンプを土壌熱源ヒートポンプシステム、冷却運転ヒートポンプ温排熱を一次側補助熱源機として扱う。なお、一次側補助熱源機として扱うヒートポンプの排熱は排熱を作るのが本来の目的ではなく、成行き熱源となるため、熱源不足の場合は一次側補助熱源機(冷却塔、補助熱源ボイラ等)の運転が必要となる。
また、図17(c)に示す例は、共通の熱源水配管を介して排熱回収を行う熱回収システムであり、回収した排熱を補助熱源として扱う。図示例では、厨房や浴室等の排湯熱、太陽熱集熱器による回収熱や燃料電池の排熱等を補助熱源として扱う。このように厨房や浴室等の排湯熱、太陽熱集熱器による回収熱や燃料電池の排熱等も排熱仕様(温度、流量、熱量等)を加えて熱収支解析を行えば、さらに高効率運転が可能となる。なお、補助熱源は成行き熱源となるため、熱源不足の場合は一次側(熱源側)補助熱源機(冷却塔、補助熱源ボイラ等)の運転が必要となる。
なお、ヒートポンプの冷温排熱、給湯排熱、燃料電池排熱等いずれも作用するのは、第2の実施形態で示した冷却塔等の一次側(熱源側)補助熱源機と同じであるが、いずれも熱源として出力調整するものではなく、熱利用は成行き利用であるため、冷却塔等の一次側補助熱源機と併用し、運転調整のフローは、地中熱の採放熱量で管理する第1の実施形態に準ずることとなる。この場合、土壌熱源ヒートポンプシステムの地中熱交換器からの採放熱を停止させる第1の採放熱量積算値、土壌熱源ヒートポンプシステムの地中熱交換器と併用して一次側補助熱源機を含む補助熱源から採放熱を行う第2の採放熱量積算値を求める。
1:土壌熱源ヒートポンプシステムの制御装置、2:運転状況解析部、3:地盤熱特性解析部、4:運転調整部、100:土壌熱源ヒートポンプシステム、101:地中熱交換器、102:ヒートポンプ、103:空調機、104a、104b、106a、106b:温度センサ、105、107:流量センサ、108a、108b:電力計

Claims (16)

  1. 熱媒を循環させる地中熱交換器を利用する地盤熱特性解析方法であって、
    地盤熱特性値としての有効熱伝導率を仮定し、その有効伝導率を用いて、所定の期間、時々刻々に測定した計算条件を用いて、熱源側の温度の時系列変化を計算する第1のシミュレーション手順と、
    前記第1のシミュレーション手順による熱源側の温度の計算値の前記所定の期間での初期地中温度からの変化量と、熱源側の温度の実測値の前記所定の期間での前記初期地中温度からの変化量とが所定の条件を満たすか否かを判定する第1の判定手順とを有し、
    前記計算値の変化量と前記実測値の変化量とが前記所定の条件を満たすまで前記有効熱伝導率を変更して前記第1のシミュレーション手順及び第1の判定手順を繰り返し、前記所定の条件を満たす有効熱伝導率を求めることを特徴とする地盤熱特性解析方法。
  2. 熱源側の温度とは、地中熱交換器出口温度であり、
    前記第1のシミュレーション手順では、前記所定の期間、時々刻々に測定した地中熱交換器入口温度及び熱媒の循環流量を計算条件として与え、地中熱交換器内部の熱収支、無限の周囲地盤との熱伝導を解析し、熱源側の温度として地中熱交換器出口温度の時系列変化を計算することを特徴とする請求項1に記載の地盤熱特性解析方法。
  3. 請求項1又は2に記載の地盤熱特性解析方法により有効熱伝導率を求める地盤熱特性解析手順と、
    運転期間の採放熱量積算値に基づいて、予定されている土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷を再設定する再設定手順と、
    前記地盤熱特性解析手順による有効熱伝導率及び前記再設定手順による土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷を用いて、現時点後の単位期間について、前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転のシミュレーションを実行して熱収支を解析し、熱源側の温度の時系列変化を計算する第2のシミュレーション手順と、
    前記第2のシミュレーション手順による熱源側の温度の計算値が所定の温度条件を満たすか否かを判定する第2の判定手順とを有し、
    前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準に関係する値を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準を求めることを特徴とする土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法。
  4. 二次側(負荷側)補助熱源機と組み合わせた土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法であって、
    前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷は年間負荷量であり、
    前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで前記年間負荷量を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす前記年間負荷量に基づいて、前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準である前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転を停止させる第1の採放熱量積算値、又は、前記土壌熱源ヒートポンプシステムと前記二次側補助熱源機との併用運転への切り替えを行う第2の採放熱量積算値を求めることを特徴とする請求項3に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法。
  5. 一次側(熱源側)補助熱源機と組み合わせた土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法であって、
    前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷は年間負荷量であり、
    前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで、前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準である前記一次側補助熱源機を運転する熱源側の温度(以下、基準温度と称する。)を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす前記基準温度を求めることを特徴とする請求項3に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法。
  6. 温熱需要と冷熱需要とが混在し、共通の熱源水配管を介して、加熱運転ヒートポンプの冷排熱を冷却運転ヒートポンプ熱源に、冷却運転ヒートポンプの温排熱を加熱運転ヒートポンプ熱源に相互利用する熱回収システムに適用し、熱源不足の場合には一次側補助熱源機を併用する土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法であって、
    1年間を冷却負荷の方が大きい冷却期と加熱負荷の方が大きい加熱期と分け、冷却期においては前記冷却運転ヒートポンプを前記土壌熱源ヒートポンプシステム、前記加熱運転ヒートポンプ冷排熱を一次側(熱源側)補助熱源機として扱い、加熱期においては前記加熱運転ヒートポンプを前記土壌熱源ヒートポンプシステム、前記冷却運転ヒートポンプ温排熱を一次側補助熱源機として扱い、
    前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷は年間負荷量であり、
    前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転基準に関係する値を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす土壌熱源ヒートポンプシステムの運転基準を求めることを特徴とする請求項3に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法。
  7. 共通の熱源水配管を介して、排熱回収を行う熱回収システムに適用し、熱源不足の場合には一次側補助熱源機を併用する土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法であって、
    回収した排熱を補助熱源として扱い、
    前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷は年間負荷量であり、
    前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転基準に関係する値を変更して前記第2のシミュレーション手順及び前記第2の判定手順を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす土壌熱源ヒートポンプシステムの運転基準を求めることを特徴とする請求項3に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法。
  8. 前記所定の温度条件には、前記第2のシミュレーション手順による熱源側の温度の計算値が上限値及び下限値を超えない、或いは、上限値又は下限値を超えないという条件を含むことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法。
  9. 前記所定の温度条件には、前記第2のシミュレーション手順による熱源側の最高温度と最低温度の計算値における経年変化値がともに所定の条件値を超えないという条件を含むことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法。
  10. 前記単位期間ごとに、前記地盤熱特性解析手順、前記再設定手順、前記第2のシミュレーション手順、及び前記第2の判定手順により前記土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準を求め、その土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準に基づいて前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整を実行することを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法。
  11. 熱媒を循環させる地中熱交換器を利用する地盤熱特性解析装置であって、
    地盤熱特性値としての有効熱伝導率を仮定し、その有効伝導率を用いて、所定の期間、時々刻々に測定した計算条件を用いて、熱源側の温度の時系列変化を計算する第1のシミュレーション手段と、
    前記第1のシミュレーション手段による熱源側の温度の計算値の前記所定の期間での初期地中温度からの変化量と、熱源側の温度の実測値の前記所定の期間での前記初期地中温度からの変化量とが所定の条件を満たすか否かを判定する第1の判定手段とを備え、
    前記計算値の変化量と前記実測値の変化量とが前記所定の条件を満たすまで前記有効熱伝導率を変更して前記第1のシミュレーションによる計算及び前記第1の判定手段による判定を繰り返し、前記所定の条件を満たす有効熱伝導率を求めることを特徴とする地盤熱特性解析装置。
  12. 熱源側の温度とは、地中熱交換器出口温度であり、
    前記第1のシミュレーション手段では、前記所定の期間、時々刻々に測定した地中熱交換器入口温度及び熱媒の循環流量を計算条件として与え、地中熱交換器内部の熱収支、無限の周囲地盤との熱伝導を解析し、熱源側の温度として地中熱交換器出口温度の時系列変化を計算することを特徴とする請求項11に記載の地盤熱特性解析装置。
  13. 請求項1又は2に記載の地盤熱特性解析方法により有効熱伝導率を求める地盤熱特性解析手段と、
    運転期間の採放熱量積算値に基づいて、予定されている土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷を再設定する再設定手段と、
    前記地盤熱特性解析手段による有効熱伝導率及び前記再設定手段による土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷を用いて、現時点後の単位期間について、前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転のシミュレーションを実行して熱収支を解析し、熱源側の温度の時系列変化を計算する第2のシミュレーション手段と、
    前記第2のシミュレーション手段による熱源側の温度の計算値が所定の温度条件を満たすか否かを判定する第2の判定手段とを備え、
    前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準に関係する値を変更して前記第2のシミュレーション手段による計算及び前記第2の判定手段による判定を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準を求めることを特徴とする土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整装置。
  14. 熱媒を循環させる地中熱交換器を利用して地盤熱特性を解析するためのプログラムであって、
    地盤熱特性値としての有効熱伝導率を仮定し、その有効伝導率を用いて、所定の期間、時々刻々に測定した計算条件を用いて、熱源側の温度の時系列変化を計算する第1のシミュレーション処理と、
    前記第1のシミュレーション処理による熱源側の温度の計算値の前記所定の期間での初期地中温度からの変化量と、熱源側の温度の実測値の前記所定の期間での前記初期地中温度からの変化量とが所定の条件を満たすか否かを判定する第1の判定処理とをコンピュータに実行させ、
    前記計算値の変化量と前記実測値の変化量とが前記所定の条件を満たすまで前記有効熱伝導率を変更して前記第1のシミュレーション処理及び第1の判定処理を繰り返し、前記所定の条件を満たす有効熱伝導率を求めることを特徴とするプログラム。
  15. 熱源側の温度とは、地中熱交換器出口温度であり、
    前記第1のシミュレーション処理では、前記所定の期間、時々刻々に測定した地中熱交換器入口温度及び熱媒の循環流量を計算条件として与え、地中熱交換器内部の熱収支、無限の周囲地盤との熱伝導を解析し、熱源側の温度として地中熱交換器出口温度の時系列変化を計算することを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
  16. 請求項1又は2に記載の地盤熱特性解析方法により有効熱伝導率を求める地盤熱特性解析処理と、
    運転期間の採放熱量積算値に基づいて、予定されている土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷を再設定する再設定処理と、
    前記地盤熱特性解析処理による有効熱伝導率及び前記再設定処理による土壌熱源ヒートポンプシステム運転熱負荷を用いて、現時点後の単位期間について、前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転のシミュレーションを実行して熱収支を解析し、熱源側の温度の時系列変化を計算する第2のシミュレーション処理と、
    前記第2のシミュレーション処理による熱源側の温度の計算値が所定の温度条件を満たすか否かを判定する第2の判定処理とをコンピュータに実行させ、
    前記熱源側の温度の計算値が前記所定の温度条件を満たすまで土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準に関係する値を変更して前記第2のシミュレーション処理及び前記第2の判定処理を繰り返し、前記所定の温度条件を満たす土壌熱源ヒートポンプシステム運転基準を求めることを特徴とするプログラム。
JP2011104602A 2011-05-09 2011-05-09 地盤熱特性解析方法及び装置、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法及び装置、並びにプログラム Active JP5690650B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011104602A JP5690650B2 (ja) 2011-05-09 2011-05-09 地盤熱特性解析方法及び装置、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法及び装置、並びにプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011104602A JP5690650B2 (ja) 2011-05-09 2011-05-09 地盤熱特性解析方法及び装置、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法及び装置、並びにプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012233669A JP2012233669A (ja) 2012-11-29
JP5690650B2 true JP5690650B2 (ja) 2015-03-25

Family

ID=47434143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011104602A Active JP5690650B2 (ja) 2011-05-09 2011-05-09 地盤熱特性解析方法及び装置、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法及び装置、並びにプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5690650B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107122569A (zh) * 2017-05-25 2017-09-01 山东建筑大学 差分并行hcmac神经网络双侧变流量地源热泵***功耗预测方法
WO2019088314A1 (ko) * 2017-11-01 2019-05-09 주식회사 티이 지열을 이용하는 히트펌프 시스템의 생산 열량과 효율의 계산 방법

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6207476B2 (ja) * 2013-07-03 2017-10-04 東日本旅客鉄道株式会社 地中熱利用ヒートポンプシステム
CN105091156B (zh) * 2014-05-12 2018-02-16 刘秋克 四进风地源热泵补热塔
CN104374122A (zh) * 2014-12-03 2015-02-25 北京中科华誉能源技术发展有限责任公司 地源热泵***中一体式集合器装置
CN104976839B (zh) * 2015-06-26 2017-03-01 西安建筑科技大学 一种水源侧节能运行模式切换的地下水源热泵***与方法
CN105066516A (zh) * 2015-09-17 2015-11-18 国网天津市电力公司 一种热平衡土壤源热泵及其使用方法
CN105302984B (zh) * 2015-11-12 2019-03-19 山东建筑大学 一种地源热泵机组建模仿真方法
KR101881851B1 (ko) * 2016-09-23 2018-07-26 코텍엔지니어링주식회사 지열-수열 복합 냉난방 시스템 및 그 작동 방법
WO2018163347A1 (ja) 2017-03-09 2018-09-13 三菱電機株式会社 地熱ヒートポンプ装置
CN107270567A (zh) * 2017-08-07 2017-10-20 宝莲华新能源技术(上海)股份有限公司 一种用于寒冷地区地源热泵***的地下土壤冷热平衡***
JP7351473B2 (ja) * 2018-03-23 2023-09-27 日鉄エンジニアリング株式会社 地中熱ヒートポンプシステムおよび地中熱ヒートポンプシステムの運転方法
CN111400893B (zh) * 2020-03-12 2023-02-28 安徽工业大学 一种套管式地埋管换热器流体温度场分析方法
CN111397934B (zh) * 2020-03-31 2022-04-15 河南省建筑科学研究院有限公司 一种地源热泵***性能检测及优化控制方法、装置
CN111537556B (zh) * 2020-05-14 2024-06-07 东北林业大学 一种模拟竖直地埋管换热器周围土壤环境的装置
AU2021455544A1 (en) * 2021-07-13 2023-10-26 Chiyoda Corporation Management system, management method, and management program
CN113865152B (zh) * 2021-09-16 2023-04-07 国网浙江省电力有限公司湖州供电公司 一种地源热泵流量温差调节方法
CN114623489A (zh) * 2022-03-18 2022-06-14 河北省建筑科学研究院有限公司 太阳能-土壤复合热泵跨季节蓄能***的应用方法
CN115307350B (zh) * 2022-08-15 2024-05-24 中机意园工程科技股份有限公司 一种地源热泵控制***
CN115451619A (zh) * 2022-09-23 2022-12-09 北京金茂人居环境科技有限公司 地源场热泵控制方法、存储介质及电子设备
CN116007231B (zh) * 2022-12-16 2024-07-26 珠海格力电器股份有限公司 一种地源热泵机组及其控制方法、装置和存储介质
CN116500240B (zh) * 2023-06-21 2023-12-29 江西索立德环保服务有限公司 一种土壤环境质量监测方法、***及可读存储介质
CN117128653B (zh) * 2023-10-07 2024-06-14 武汉卓成节能科技股份有限公司 一种地源热泵***的土壤热平衡装置及方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11281203A (ja) * 1998-01-27 1999-10-15 Nkk Corp 土壌熱源ヒ―トポンプシステムおよびその運転方法
JP2003130494A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Ohbayashi Corp 地中熱交換器を利用した空気調和システムおよびその空気調和システムの運転方法
JP4034220B2 (ja) * 2003-03-31 2008-01-16 和夫 柴田 地中採熱試験装置
JP2005127612A (ja) * 2003-10-23 2005-05-19 Nippon Steel Corp 地下水槽水熱源ヒートポンプ地中熱利用システム
JP4368246B2 (ja) * 2004-05-24 2009-11-18 三洋電機株式会社 空気調和装置
JP4782462B2 (ja) * 2005-04-13 2011-09-28 新日鉄エンジニアリング株式会社 地中熱利用ヒートポンプ装置、これを備えた地中熱利用装置、および地中熱利用ヒートポンプ装置の制御方法
JP4694932B2 (ja) * 2005-09-22 2011-06-08 新日鉄エンジニアリング株式会社 土壌熱源ヒートポンプシステムの設計方法、設計支援システム、及びコンピュータプログラム
JP5280065B2 (ja) * 2008-02-22 2013-09-04 鹿島建設株式会社 地中熱利用装置及びその制御方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107122569A (zh) * 2017-05-25 2017-09-01 山东建筑大学 差分并行hcmac神经网络双侧变流量地源热泵***功耗预测方法
CN107122569B (zh) * 2017-05-25 2020-10-30 山东建筑大学 差分并行hcmac神经网络双侧变流量地源热泵***功耗预测方法
WO2019088314A1 (ko) * 2017-11-01 2019-05-09 주식회사 티이 지열을 이용하는 히트펌프 시스템의 생산 열량과 효율의 계산 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012233669A (ja) 2012-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5690650B2 (ja) 地盤熱特性解析方法及び装置、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転調整方法及び装置、並びにプログラム
Lu et al. Cooling system energy flexibility of a nearly zero-energy office building using building thermal mass: Potential evaluation and parametric analysis
Li et al. System identification and model-predictive control of office buildings with integrated photovoltaic-thermal collectors, radiant floor heating and active thermal storage
Zhang et al. Recent advancements on thermal management and evaluation for data centers
US8457933B2 (en) Method for predicting cooling load
US7774164B2 (en) Performance prediction program and performance prediction system for ground source heat pump system
Aswani et al. Reducing transient and steady state electricity consumption in HVAC using learning-based model-predictive control
Vakiloroaya et al. Energy-efficient HVAC systems: Simulation–empirical modelling and gradient optimization
Xia et al. Experimental investigation and control optimization of a ground source heat pump system
JP5082052B2 (ja) 土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測方法及びシステム、地中温度算出方法
Cardemil et al. Thermal analysis of a water source heat pump for space heating using an outdoor pool as a heat source
US20060064281A1 (en) Performance prediction program and performance prediction system for ground source heat pump system
Ruiz-Calvo et al. Reference data sets for validating and analyzing GSHP systems based on an eleven-year operation period
WO2015173842A1 (ja) パラメータ学習装置およびパラメータ学習方法
Ihm et al. Development of a thermal energy storage model for EnergyPlus
Ren et al. Developing a collaborative control strategy of a combined radiant floor cooling and ventilation system: A PMV-based model
CN112577088A (zh) 地热供暖控制方法及***
Cullin et al. Comparison of simulation-based design procedures for hybrid ground source heat pump systems
Muehleisen Simple design tools for earth-air heat exchangers
JP2013204834A (ja) 暖房運転制御システム
Wang et al. An introduction of new features for conventional and hybrid GSHP simulations in eQUEST 3.7
Eisenhower et al. A comparative study on uncertainty propagation in high performance building design
Bantan et al. Performance monitoring and prediction of a domestic split-type air conditioner
Singh et al. Calibrated simulation study for efficient sizing and operating strategies for the thermal storage integrated air conditioning system
JP7034193B2 (ja) 熱源運転支援システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5690650

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250