JP5684903B2 - 粒状の可逆的に架橋したポリマー材料の調製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒状の可逆的に架橋したポリマー材料の調製方法、およびその方法によって得ることができる粒状の架橋したポリマー材料に関する。
セルロースエーテルのような水溶性ポリマーの中には、水と接触した最初の粒子が直ちに膨張し、互いにくっついて、ゲル状のバリアを形成し、残りのポリマーが水和するのを妨げるという事実により、水に溶かすのが困難なものがある。これらの水溶性ポリマーは、便利なように、粒状の乾燥した材料として供給され、その後、その水溶性ポリマーの要望される最終用途のために水に溶かされる。上記の水溶性ポリマーのゲル閉塞挙動は、セルロースエーテルのような粒状の水溶性ポリマーの水溶液を含む水溶性ポリマーの用途にとってかなりの欠点である。
この問題を克服するために産業界において用いられる1つの方法は、最終用途において許されるならば、加水分解に不安定な網状組織を形成するためにセルロースエーテルにグリオキサールを適用することである。したがって、グリオキサールでのセルロースエーテルの架橋は水性媒体中で可逆的であり、そのように処理されたセルロースエーテルは、水性媒体中に懸濁させることができ、グリオキサールで形成された架橋した網状組織が加水分解的に開裂されたときに最終的に溶解させることができる。この方法の欠点は、グリオキサールが有毒化合物と見なされており、架橋した網状組織の加水分解に際して再生されることである。したがって、上記のゲル閉塞挙動を回避する代替案が望まれている。
米国特許第3,362,847号明細書は、2〜10個の炭素原子を有する水溶性多塩基有機カルボン酸と少なくとも2個の第一級アミノ基を有する水溶性有機ポリアミンの組合わせで、粒状のセルロースエーテルの表面を処理することによって水溶性セルロースエーテルの水分散性を改善するプロセスを開示している。好ましくは、多塩基酸およびアミンは、セルロースエーテルにとっては非溶媒である溶媒の中に多塩基有機カルボン酸と水溶性有機ポリアミンを溶かし、その処理溶液の中にセルロースエーテルを懸濁させることによって、セルロースエーテルに適用される。
米国特許第3,461,115号明細書は、塊を形成せずに水に溶けるヒドロキシル基を含有する高分子化合物の調製方法に関する。この方法は、0.5〜5質量%の2〜8個の炭素原子を含有する脂肪族ジカルボン酸またはその塩またはエステルで固体状態の水溶性高分子化合物を処理することを含む。
英国特許第1,017,746号明細書は、セルロースまたはセルロース誘導体から架橋生成物を製造する方法について記載しており、その方法は、窒素を含有する有機塩基の存在下に、セルロースまたはセルロース誘導体を有機液体に溶かした溶液または懸濁させた懸濁液を、四塩基性またはより高級なカルボン酸無水物と反応させることを含む。この方法は単純な方法で明澄で透明な生成物を調製することを可能にする。例えば、セルロース誘導体はアセトンのような有機溶媒に溶かされ、そして架橋反応は、堅くそしてほとんど透明なゲルを生じる。この文献は、水溶性の粒状のポリマー材料の調製について開示していないし、そのようなポリマー材料を溶かしたときのゲル閉塞の問題に取り組んでいない。
米国特許出願公開第2005/0143572号明細書は、セルロースエーテルの製造方法に関するものであり、その方法では、遊離のヒドロキシル基を有するセルロースエーテルを、ジカルボン酸および/またはポリカルボン酸および窒素含有化合物と反応させる。その方法は、変性セルロースエーテルを提供するためにセルロースエーテルを反応させる前に非求核性の有機溶媒の中で、本質的に乾燥した粉末のセルロースエーテルを、有機二官能および/または多官能酸および窒素含有化合物の混合物と激しく混合することを含み、それは、凝集させずに11以上のpHの水の中に入れてかき混ぜることができる。
米国特許第3362847号明細書 米国特許第3461115号明細書 英国特許第1017746号明細書 米国特許出願公開第2005/0143572号明細書
本発明の目的は、より低い架橋剤量でさえ水溶液系で水溶性ポリマーの溶解の遅れに帰着する穏やかな条件の下で効果的に実行することができる粒状の可逆的に架橋したポリマー材料を調製する方法を提供することである。本発明のもう1つの目標は、本発明の生成物を食品、パーソナルケアまたは医薬品用途に用いることができるように、水溶性ポリマーの溶解の際に、健康問題の原因となるかもしれない副生成物の生成を回避することである。
この目的および他の目的は、以下に説明するように、粒状の可逆的に架橋したポリマー材料の調製方法およびその方法によって得ることができる粒状の架橋したポリマー材料によって達成された。
その方法は、粒状の可逆的に架橋したポリマー材料を形成するために、次のものを含む液相で粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーを処理する工程を含む。
・有機溶媒および水を含む溶媒混合物(ただし該溶媒混合物にはヒドロキシル官能性ポリマーは不溶性である。)、
・式(I)によって表わされるテトラカルボン酸二無水物
Figure 0005684903
(式中、
UおよびVは、独立に、CH、NおよびPから選択され、
Xは、単結合、2価の(C−C10)飽和炭化水素基、O、S、NRおよびPR(ただしRは水素および(C−C)アルキルから選択される。)から選択され、
nおよびmは、独立に、0および1から選択され、
wは1または2であり、ただし、
wが1の場合は、YはXであり、
wは2の場合は、YはHおよび(C−C)アルキルから選択され、そのため2つのYの間に結合はない。)、および
・所望により触媒。
本発明者らは、驚くべきことに、粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマー、特にセルロースエーテルのようなセルロース誘導体は、当該ポリマーが溶けない水含有溶媒混合物の中に懸濁させたときに、穏やかな条件下で、上に定義した式Iによって表わされるテトラカルボン酸二無水物を用いて効果的に架橋することができることを発見した。当業者は、カルボン酸無水物は水性媒体中で反応し、本発明のテトラカルボン酸二無水物に比較してそれほど効果的でないことが証明されている対応するカルボン酸を生成すると予想していたので、この結果は非常に驚くべきことであった。
さらに、その方法は、非常に穏やかな反応条件下で、特に上に説明した先行技術に教示されるようなアミンのような触媒さえない周囲条件下で、実行することができることは、本発明の驚くべき結果である。したがって、本発明の1つの態様によれば、その方法は、アミンの存在しない状態でまたはいかなる種類の触媒もない状態でさえ、実行される。
本発明の方法によって得られる架橋した粒状のヒドロキシル官能性水溶性ポリマーは、先行技術の生成物に比較して、意義深い長所を有する。先行技術に用いられているようなグリオキサールで架橋した材料に反して、本発明の架橋した粒状のポリマー材料を溶かしたときは、グリオキサールのような有害な化合物は放出されない。本発明によるポリマーの溶解に際して放出される一次生成物は、テトラカルボン酸であり、それはグリオキサールに比較してそれほど有害ではないと考えられている。さらに、粒状の水溶性ポリマーの溶解の十分な遅れは低い架橋剤量で達成することができ、そして溶解速度はテトラカルボン酸無水物の相対的な量の関数として調整することができる。
さらに、本発明の方法は多くのヒドロキシル官能性水溶性ポリマーに適用できる。本発明に用いられる適切なヒドロキシル官能性ポリマーは、セルロース誘導体、特にセルロースエーテル、ヒドロキシル官能性アクリル酸エステルポリマー、ポリビニルアルコール、水溶性多糖、特にデンプンおよびグアーならびにキサンタンガムである。本発明の1つの態様によれば、水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーはセルロース誘導体であり、そのためセルロースエーテルが特に好ましい。
実施例3〜6および比較例2に関する粘度の時間変化を示す図である。 実施例9〜11および比較例2に関する粘度の時間変化を示す図である。
本発明の方法によれば、粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーは、有機溶媒および水を含む、ヒドロキシル官能性ポリマーが溶けない溶媒混合物、および上に定義した式Iによって表わされるテトラカルボン酸二無水物を含む液相で処理される。特定の比率の水との混合物中の溶媒が、液体媒体中のポリマーの懸濁液を得るために、ヒドロキシル官能性水溶性ポリマーが溶けない液相を生じる限り、有機溶媒の選択は事実上重要ではない。分散のための均一な連続相を生成するために、少なくとも用いられる溶媒と水の比率の範囲内で、水と混和性である有機溶媒を用いることが好ましい。さらに、もちろん、有機溶媒は、用いられる反応条件下でテトラカルボン酸無水物と実質的に反応すべきではない。また、上記の要件が満たされる限り、2種以上の有機溶媒の混合物を用いることは可能である。適切な溶媒は、少なくとも部分的に水混和性の非プロトン性溶媒または低級アルコール、特にC〜Cアルコールから選択することができる。適切な非プロトン性溶媒は、ケトン、環状または非環状エーテル、エステルおよびジメチルスルホキシドである。適切なC〜Cアルコールは、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールである。適切なケトンはアセトンおよび2−ブタノンであり、適切なエーテルはテトラヒドロフランであり、そして適切なエステルは酢酸エチルである。架橋した粒子の調製中に、その粒子は互いにくっつかず、あまり溶けないことが望ましい。粒子が互いにくっつくと、最終製品は、乾燥後に再水和することが難しい大きな塊からなるかもしれない。また、この反応は比較的高い固形分(>5%)で最も効率的に行なわれるので、ポリマー出発原料のかなりの部分の溶解は、混合物を極端に粘稠にしそして撹拌し搬送するのを困難にするであろう。したがって、ポリマーを懸濁させる有機/水混合物は、約10質量%超、9質量%超、8質量%超、7質量%超、6質量%超、5質量%超、4質量%超、3質量%超、2質量%超、または1質量%超のポリマーが溶けるのを許容すべきでない。溶媒混合物は、撹拌を15分以下の間止めたときに、粒子を塊に融合させないことが好ましい。
用いられる有機溶媒または有機溶媒混合物およびヒドロキシル官能性水溶性ポリマーの種類に依存して、ポリマーが溶媒混合物に実質的に溶解しないという要件が達成される限り、溶媒混合物中の水の量は広い範囲内で変えることができる。水の量の下限は、溶媒混合物の全質量を基準として水が1質量%程度の低さであることができる。溶媒混合物中の水の他の適切な下限は、ヒドロキシル官能性水溶性ポリマーの種類および溶媒混合物に用いられる1種以上の有機溶媒に依存して、溶媒混合物の全質量を基準として、2質量%、3質量%、4質量%、5質量%、6質量%、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%、11質量%、12質量%、13質量%、14質量%、15質量%、16質量%、17質量%、18質量%、19質量%、20質量%である。水の含有量の上限は、溶媒混合物の全質量を基準として、60質量%程度の高さであることができる。他の適切な上限は、溶媒混合物の全質量を基準として、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、24質量%、23質量%、22質量%、21質量%、20質量%、19質量%、18質量%、17質量%、16質量%、15質量%、14質量%、13質量%、12質量%、11質量%、または10質量%である。
理論によって拘束されることを望まないが、本発明の方法による溶媒混合物の中に存在する水は、ヒドロキシル官能性水溶性ポリマーを活性化し、テトラカルボン酸二無水物が表面より下のポリマー粒子の中に浸透するのを可能にすると考えられる。予想とは対照的に、水はテトラカルボン酸二無水物を失活させないで、それに反してプロセス効率に、そしてまた製品特性に正の効果があることが、驚くべきことに、見いだされた。特に、非常に少量の架橋剤の架橋効率は、ポリマー粒子の外表面から中に架橋剤が浸透し、その結果、ポリマー粒子の表面架橋だけでなく表面層の下でも架橋が起ることに起因するかもしれない。
水溶性高分子ポリオールは、25℃および101325Pa(1気圧)において蒸留水100gに少なくとも1g、より好ましくは少なくとも3g、最も好ましくは少なくとも5gの水への溶解度を有することができる。
水溶性高分子ポリオールは、好ましくは、1種以上の多糖、アクリル酸2−ヒドロキシエチルまたはビニルアルコールような不飽和アルコールを重合された形態で含む単独重合体および共重合体から選択される。
水溶性高分子ポリオールは、一般に、少なくとも10,000、好ましくは少なくとも12,000、より好ましくは少なくとも15,000、最も好ましくは少なくとも18,000の質量平均分子量を有する。質量平均分子量の好ましい上限は、ポリマーの種類に大きく依存する。一般に、水溶性ポリマーの質量平均分子量は、10,000,000以下、好ましくは8,000,000以下、より好ましくは5,000,000以下である。質量平均分子量は、標準試験法ASTM D−4001−93(2006)による光散乱によって決定される。
1つの好ましい種類の水溶性ポリマーa)は多糖である。多糖の例としては、アラビアゴム、キサンタンガム、カラヤゴム、トラガカントゴム、ガティガム、カラギーナン、デキストラン、アルギナート、寒天、ジェランガム、グアーおよびローカストビーンガムのようなガラクトマンナン、ペクチン、デンプン、デンプン誘導体、グアー誘導体、キサンタン誘導体およびセルロース誘導体が挙げられる。デンプン誘導体、グアー誘導体およびキサンタン誘導体は、欧州特許第0504870号明細書第3頁第25行〜第56行および第4頁第1行〜第30行により詳しく記載されている。有用なデンプン誘導体は例えばヒドロキシプロピルデンプンまたはカルボキシメチルデンプンのようなデンプンエーテルである。有用なグアー誘導体は、例えばカルボキシメチルグアー、ヒドロキシプロピルグアー、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーまたはカチオン化グアーである。好ましいヒドロキシプロピルグアーおよびその製法は、米国特許第4,645,812号明細書第4欄〜第6欄に記載されている。好ましい多糖はセルロースエステルまたはセルロースエーテルである。好ましいセルロースエーテルは、カルボキシメチルセルロースのようなカルボキシ−C−C−アルキルセルロース;カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースのようなカルボキシ−C−C−アルキルヒドロキシ−C−C−アルキルセルロース;メチルセルロースのようなC−Cアルキルセルロース;ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはエチルヒドロキシエチルセルロースのようなC−C−アルキルヒドロキシ−C1−3−アルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースのようなヒドロキシ−C1−3−アルキルセルロース;ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースのような混合ヒドロキシ−C−Cアルキルセルロース、またはアルコキシヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース(ただし、アルコキシ基は直鎖または分枝であり、2〜8個の炭素原子を含む。)である。最も好ましくは、組成物は、メチル置換度DSメトキシルが1.2〜2.2、好ましくは1.5〜2.0のメチルセルロース、またはDSメトキシルが0.9〜2.2、好ましくは1.1〜2.0でMSヒドロキシプロポキシルが0.02〜2.0、好ましくは0.1〜1.2のとヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性セルロースエーテルを含む。一般に、多糖の質量平均分子量は、20,000,000以下、好ましくは5,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下である。
より好ましくは、水溶性ポリマーは上記のセルロースエーテルである。最も好ましくは、水溶性ポリマーは、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはメチルセルロースである。
本発明の方法の1つの利点は、溶媒混合物中の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーの不溶性のために、液相中のポリマーの比較的高い濃度が本発明の方法に用いることができることである。水溶性ヒドロキシル官能性ポリマー、特に、セルロースエーテルは、非常に低い濃度においてでさえ溶液の粘度を実質的に増加させる。本発明によれば、溶媒混合物が液相中へのポリマーの感知できるほどの溶解を回避するために選択されるので、粘度の実質的な増加は、ヒドロキシル官能性水溶性ポリマーの非常に高い濃度においてでさえ回避することができる。したがって、本発明の方法は、液相の全質量を基準にして50質量%程度の高い粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーの量においてでもなお効率的に実行することができる。ポリマーの量の適切な上限は、液相の全質量を基準として、ポリマーが45質量%、35質量%、30質量%、25質量%または20質量%である。水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーの量の適切な下限は、液相の全質量を基準として、1質量%、5質量%、7質量%、10質量%または15質量%である。
本発明のテトラカルボン酸二無水物は式Iによって表わされる。
Figure 0005684903
式中、
UおよびVは、独立に、CH、NおよびPから選択され、
Xは、単結合、2価の(C−C10)飽和炭化水素基、O、S、NRおよびPR(ただしRは水素および(C−C)アルキルから選択される。)から選択され、
nおよびmは、独立に、0および1から選択され、
wは1または2であり、ただし
wが1の場合は、YはXであり、
wは2の場合は、YはHおよび(C−C)アルキルから選択され、そのため2つのYの間には結合がない。
本発明に用いられる適切な化合物は、UおよびVが独立にCHおよびNから選択され、特にUおよびVはCHであり、Xは独立に単結合および2価の(C−C)飽和炭化水素基から選択され、そしてwが2の場合はYはHである式Iによって表わされる。特に適切なテトラカルボン酸二無水物は、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物および1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物から選択される。
上に説明したように、架橋剤として本発明のテトラカルボン酸二無水物を用いることの1つの利点は、これらの架橋剤が低い量で既に非常に効果的であることであり、かつ本発明の可逆的に架橋したポリマー材料の溶解挙動が架橋剤の適切な量を選択することによって容易に調整することができるということである。したがって、そのようなテトラカルボン酸二無水物の量は、広い範囲内で変えることができる。テトラカルボン酸二無水物の量の下限は、ヒドロキシル官能性ポリマーの全質量を基準として、10質量ppm、50質量ppm、100質量ppm、150質量ppm、200質量ppm、250質量ppm、300質量ppm、350質量ppm、400質量ppm、450質量ppm、500質量ppmである。本発明のテトラカルボン酸二無水物の量の適切な上限は、ヒドロキシル官能性ポリマーの全質量を基準として、50,000質量ppm、40,000質量ppm、30,000質量ppm、25,000質量ppm、20,000質量ppm、15,000質量ppm、10,000質量ppm、8,000質量ppm、7,000質量ppm、6,000質量ppm、5,000質量ppm、4,000質量ppm、3,000質量ppm、2,500質量ppm、2,000質量ppm、1,800質量ppm、1,700質量ppm、1,600質量ppm、1,500質量ppm、1,400質量ppm、1,300質量ppm、1,200質量ppm、1,100質量ppm、1,000質量ppmである。例えば、ヒドロキシル官能性ポリマーの全質量を基準として、少なくとも1,000質量ppm、または少なくとも1,500質量ppm、または少なくとも2,000質量ppm、または少なくとも2,500質量ppm、または少なくとも3,000質量ppm、または少なくとも4,000質量ppmの高い架橋剤量では、中性条件下での本発明の可逆的に架橋したヒドロキシル官能性水溶性ポリマーの水への溶解速度は低いかもしれない。
上記の高濃度の架橋剤が用いられる実施態様において、粒状のポリマー材料は、中性条件下では溶解に耐えるが、水溶液系のpHが酸性または塩基性状態に変わると、より急速に溶ける。これは、水溶液系における本発明の可逆的に架橋したポリマー粒子の溶解速度のpH制御を可能にする。
上記したように、本発明の1つの利点は、その方法が、いかなる触媒も使用しなくとも穏やかな反応条件下で非常に効果的であるということであるが、適切な場合は、もちろん触媒を用いてもよい。従って、触媒の量は広い範囲内で変えることができる。触媒の適切な量は、無水物基のモル数の合計を基準として0.001〜100モル%、好ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.5〜5モル%である。適切な触媒は、金属アルコキシド、カルボン酸金属塩、ブレンステッド酸およびルイス塩基から選択することができる。例えば、イミダゾールを触媒として用いることができる。
本発明の1つの実施態様によれば、粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーは、液相の中にポリマーを懸濁することによって液相で処理されることができ、それによって粒状の可逆的に架橋したポリマー材料を生成することができる。次に、粒状の可逆的に架橋したポリマー材料は、液相から分離される。適切な分離法は、当業者に知られた任意の固液分離方法である。具体例は、濾過、沈殿、遠心分離および蒸発である。回収された粒状のポリマー材料は、洗浄し、乾燥してもよい。
あるいは、粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーは、高剪断ミキサー、例えば水平鋤の刃型ミキサーの中でまたは流動床の中で撹拌され、その後、ポリマー粒子の上に前記水相を噴霧することによって前記水相で処理されてもよい。上記により得られた処理されたポリマー粒子は続いて洗浄され乾燥されてもよい。
以下、次の実施例を参照して、本発明をより詳しく説明する。
次の物質を用いた。
ピロメリト酸無水物(97%)はオールドリッチから入手した。
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(99%)はオールドリッチから購入した。
エチレンジアミン四酢酸二無水物(98%)はTCAアメリカから入手した。
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸(90%)はオールドリッチから購入した。
無水酢酸(99.4%)はフィッシャー・サイエンティフィックから入手した。
いずれの物質も、商業的供給源から受け取ったままのものを用いた。
測定方法:
溶解挙動は、下記のブラベンダー水和装置において評価した。
装置:
幅1インチ(2.5cm)、高さ1.625インチ(4cm)の2つの垂直の長方形の翼を有する全長4.125インチ(10.5cm)のステンレス鋼センサーパドル、伝熱コイルアセンブリーとともに使用するためのジャケット付きサンプルボウル、250mLのステンレス鋼ビーカー、循環水浴、ならびに標準カロメル照合電極およびpH電極を有するpH計を装備したブラベンダー・ビスコ・コーダー(Brabender Visco-Corder)(登録商標)型式VC−3/A(完全記録式、無段変速SCR速度制御、200rpmまでrpm表示付き、115VAC、60Hz)(ブラベンダー・インストルメンツ社(Brabender Instruments Inc.)、アメリカ合衆国、ニュージャージー州サウスハッケンサック)。
手順:
ステンレス鋼ビーカーをジャケット付きサンプルボウルの中央に置く。ジャケット付きサンプルボウルとビーカーとの間の空間に水を満たす。ビーカーに200mLの溶媒(蒸留水または場合に応じて任意の緩衝水溶液のいずれか)を仕込む。粘度計を作動させ、パドルが200rpmで溶媒を攪拌するようにする。溶媒が25.0の±0.2℃で平衡に保つようにする。あらかじめ秤量された量のポリマーのサンプルを、攪拌しながら溶媒に加える。ポリマーはひとかたまりにならないようにゆっくり加えるが、1分未満の間に加える。ポリマーを加えたとき(時間=0)に、チャート式記録計を作動させる。粘度の振れが一定の値(Cmax)に達するまで粘度計を運転する。
実施例1:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物(BTCA−DA)の調製[シー・キュー・ヤン(Yang, C.Q.);X.ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(J. Appl. Polym. Sci.)、1998年、第70巻、2711−2718の手順に従う。]
温度計を取り付けた100mLの丸底フラスコに、撹拌子、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(BTCA、29.024g、124ミリモル)および無水酢酸(26.454g、259ミリモル、2.1当量)を仕込んだ。フラスコをシュレンクラインに接続し、空気を窒素で置換した。混合物を加熱し3.5時間穏やかに還流し、31℃に放冷し、その後、封を開け、中程度ガラスフリットで減圧濾過し、ヘキサン(20mL)で洗浄し、次いで酢酸エチル(50mL)で洗浄した。試料を30℃で減圧下で一晩保持した。収率:細かい白色粉末23.84g(97%)、M.P.264.88℃(示差走査熱量測定法(DSC)による)。
実施例2:BTCA−DAによるヒドロキシエチルセルロースの処理
エチレンオキシドモル置換レベル(EOMS)が1.586で粘度(スピンドル2および6rpmの攪拌速度を用い25℃の蒸留水中1%で測定)が7300センチポイズのヒドロキシエチルセルロース(10.05g)を、アセトンと蒸留水の混合物(体積比90:10)100mL中でスラリーにし、その後、外界温度で3時間、BTCA−DA(実施例のもの、0.4276g)およびイミダゾール(0.2055g)を加えた。その後、混合物を濾過し、100mLのアセトン/水(体積比90:10)で3回洗浄し、空気中で乾燥し、その後、50℃で減圧下で一晩乾燥した。乳鉢と乳棒で粉砕し、30メッシュの篩を通した試料の一部(1.9g)を、ブラデンダー水和装置の中の25℃のpH7.2の緩衝水溶液200mLに加えた。その固体は1時間の間にスラリーの粘度を増加させず、撹拌を止めたときに瓶の底に沈んだ。
比較例1:BTCAによるヒドロキシエチルセルロースの処理
実施例2で用いた同一のポリマー(10.14g)を、アセトンと蒸留水の混合物(体積比90:10、0.8293g/mL)100mLでスラリーにし、その後、外界温度で3時間、BTCA(0.5066g)およびイミダゾール(0.2040g)を加えた。生成物の単離と精製は、実施例2と同様の方式で行った。この試料(30メッシュの篩を通したもの)1.9gを、ブラベンダー水和装置の中の25℃の200mLのpH7.2の緩衝液に加えたとき、その混合物は急速に粘度が上昇し、7分以内にその最大値の50%に接近した。混合物の中にはいくつかの大きなゲルが観察された。
実施例3
実施例2で用いたのと同じポリマー(10g)を、アセトンと蒸留水の混合物(体積比90:10)100mLでスラリーにした。その後、これに、新たに調製した20gのアセトン/水(体積比90:10)に100mgのBTCA−DAを溶かした溶液1mLを加えた。混合物を室温で3時間攪拌し、続けて、実施例2と同様に、濾過し、洗浄し、乾燥し、篩分けした。pH7.2での水和実験において、粘度はゆっくり上昇し、37分後に100(相対単位)に達した。
比較例2
BTCA−DA溶液を加えなかった点以外は、実施例3の条件を繰り返した。pH7.2での水和実験において、粘度は急速に上昇し、40分後に970(相対単位)に達した。
実施例4
0.5mLのBTCA−DA溶液を加えた点以外は、実施例3の条件を繰り返した。pH7.2での水和実験において、粘度は急速に上昇し、40分後に738(相対単位)に達した。
実施例5
0.6mLのBTCA−DA溶液を加えた点以外は、実施例3の条件を繰り返した。pH7.2での水和実験において、粘度は穏やかな速度で上昇し、40分後に380(相対単位)に達した。
実施例6
0.75mLのBTCA−DA溶液を加えた以外は、実施例3の条件を繰り返した。pH7.2での水和実験において、粘度は穏やかな速度で上昇し、40分後に255(相対単位)に達した。
実施例3〜6および比較例2について粘度の時間変化を図1に見ることができる。
比較例3
実施例2で用いたのと同一のヒドロキシエチルセルロース(10g)のアセトン/水(体積比90:10)100mL中のスラリーに、ピロメリト酸無水物(1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物)0.1033gの溶液2.5mLを加え、生じたスラリーを室温で3時間攪拌した。実施例2と同様に、生成物を回収し単離した。pH7.2での水和実験の挙動は比較例2に記載したものと区別がつかなかった。
実施例7:1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物の調製
10gのcis,cis,cis,cis−1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸(10g、41ミリモル)および撹拌子を、還流冷却器が取り付けられた二枝付き丸底フラスコの中に置いた。無水酢酸(8.894g、87ミリモル、2.1当量)を注射器によって加えた。窒素を、約30分間、側面の枝から流した。その後、温度計を側面の枝に取り付け、還流を開始した。3時間還流した後、反応混合物を放冷した。生成物を中程度のフリットによる濾過によって単離し、酢酸エチル25mLおよびヘキサン20mLで洗浄した。生成物を50℃の減圧乾燥器で一晩乾燥した。収率:8.16g(95%)、M.P.=213.8℃。
実施例8
実施例2で用いたのと同じヒドロキシエチルセルロース(10g)のアセトン/水(体積比90:10)100mL中のスラリーに、新たに調製したジメチルスルホキシド(DMSO、10g)に1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物0.005gを溶かした溶液1mLを加え、生じたスラリーを室温で3時間攪拌した。実施例2と同様に、生成物を回収し単離した。pH7.2での水和実験において、粘度はゆっくり上昇し、38分後に140(相対単位)に達した。
実施例9
実施例2で用いたのと同じヒドロキシエチルセルロース(10g)のアセトン/水(体積比90:10)100mL中のスラリーに、新たに調製したDMSO(20g)にエチレンジアミンテトラカルボン酸二無水物(EDTA−DA)0.1031gを溶かした溶液1.5mLを加え、生じたスラリーを室温で3時間攪拌した。実施例2と同様に、生成物を回収し単離した。pH7.2での水和実験において、粘度はゆっくり上昇し、42分後に100(相対単位)に達した。
実施例10
DMSO(20g)にEDTA−DA(0.1050g)を溶かした溶液1mLを加えた点以外は、実施例9の条件を繰り返した。pH7.2での水和実験において、粘度は穏やかな速度で上昇し、45分後に380(相対単位)に達した。
実施例11
DMSO(20g)にEDTA−DA(0.1040g)を溶かした溶液0.8mLを加えた点以外は、実施例9の条件を繰り返した。pH7.2での水和実験において、粘度は急速に上昇し、40分後に740(相対に単位)に達した。
実施例9〜11および比較例2について粘度の時間変化を図2に見ることができる。
本開示は以下も包含する。
[1] 有機溶媒および水を含むヒドロキシル官能性ポリマーが溶けない溶媒混合物、
式(I)によって表わされるテトラカルボン酸二無水物
Figure 0005684903
(式中、
UおよびVは、独立に、CH、NおよびPから選択され、
Xは、単結合、2価の(C 1 −C 10 )飽和炭化水素基、O、S、NRおよびPR(ただしRは水素および(C 1 −C 4 )アルキルから選択される。)から選択され、
nおよびmは、独立に、0および1から選択され、
wは1または2であり、ただし
wが1の場合は、YはXであり、
wが2の場合は、YはHおよび(C 1 −C 4 )アルキルから選択され、そのため2つのYとの間には結合がない。)、および
所望により触媒
を含む液相で粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーを処理し、粒状の可逆的に架橋したポリマー材料を生成させる工程を含む粒状の可逆的に架橋したポリマー材料の調製方法。
[2] a)液相の中に粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーを懸濁し保持し、粒状の可逆的に架橋したポリマー材料を生成させる工程、
b)液相から粒状の可逆的に架橋したポリマー材料を分離する工程、および
c)所望により粒状の可逆的に架橋したポリマー材料を洗浄し乾燥する工程
を含む上記態様1に記載の方法。
[3] 溶媒混合物が、溶媒混合物の全質量を基準として、2〜50質量%、好ましくは5〜30質量%の水を含む、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[4] 有機溶媒が、アセトン、2−プロパノール、t−ブタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、2−ブタノンおよび酢酸エチルから選択される、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[5] テトラカルボン酸二無水物が、ヒドロキシル官能性ポリマーの全質量を基準として、10〜50,000質量ppt、好ましくは100〜5,000質量ppt、より好ましくは350〜1,500質量ppmの量で液相の中に存在する、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[6] 触媒が無水物基の全モル数を基準として0.001〜10モル%の量で存在する、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[7] 触媒が、金属アルコキシド、カルボン酸金属塩、ブレンステッド酸およびルイス塩基から選択される、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[8] 触媒がイミダゾールである、上記態様7に記載の方法。
[9] 式(I)中、UおよびVが独立にCHおよびNから選択され、Xが単結合および2価の(C 1 −C 4 )飽和炭化水素基から選択され、そしてwが2の場合はYがHである、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[10] テトラカルボン酸二無水物が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、および1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物から選択される、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[11] ヒドロキシル官能性ポリマーが、セルロース誘導体、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、グアーおよびキサンタンガムから選択される、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[12] ヒドロキシル官能性ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの誘導体から選択される、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[13] ヒドロキシル官能性ポリマーがカチオン変性ヒドロキシエチルセルロースである、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[14] 粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーが、液相の全質量を基準として、1〜50質量%、好ましくは10〜40質量%の量で存在する、先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法。
[15] 先行する上記態様のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる粒状の可逆的に架橋したポリマー材料。

Claims (9)

  1. 有機溶媒および水を含むヒドロキシル官能性ポリマーが溶けない溶媒混合物、および
    式(I)によって表わされるテトラカルボン酸二無水物
    Figure 0005684903
    (式中、
    UおよびVは、独立に、CH、NおよびPから選択され、
    Xは、単結合、2価の(C1−C10)飽和炭化水素基、O、S、NRおよびPR(ただしRは水素および(C1−C4)アルキルから選択される。)から選択され、
    nおよびmは、独立に、0および1から選択され、
    wは1または2であり、ただし
    wが1の場合は、YはXであり、
    wが2の場合は、YはHおよび(C1−C4)アルキルから選択され、そのため2つのYとの間には結合がない。)
    を含む液相で粒状の水溶性ヒドロキシル官能性ポリマーを処理し、粒状の可逆的に架橋したポリマー材料を生成させる工程を含み、
    テトラカルボン酸二無水物が、ヒドロキシル官能性ポリマーの全質量を基準として、10〜50,000質量ppmの量で液相の中に存在し、
    該溶媒混合物中の水の量が、溶媒混合物の全質量を基準として1質量%〜60質量%である、粒状の可逆的に架橋したポリマー材料の調製方法。
  2. 有機溶媒が、アセトン、2−プロパノール、t−ブタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、2−ブタノンおよび酢酸エチルから選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 液相が、金属アルコキシド、カルボン酸金属塩、ブレンステッド酸およびルイス塩基から選択される触媒を更に含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 触媒がイミダゾールである、請求項3に記載の方法。
  5. テトラカルボン酸二無水物が1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、および1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. ヒドロキシル官能性ポリマーが、セルロース誘導体、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、グアーおよびキサンタンガムから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ヒドロキシル官能性ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの誘導体から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ヒドロキシル官能性ポリマーがカチオン変性ヒドロキシエチルセルロースである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる粒状の可逆的に架橋したポリマー材料。
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