JP5682961B2 - 形質計測装置及び形質計測システム - Google Patents
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本発明の請求項1に係る形質計測装置は、水中における測定領域に向けて水中にレーザ光を射出するレーザ光発振手段と、前記測定領域に照射された前記レーザ光の散乱光を反射光として検出する反射光受信手段と、該反射光受信手段によって検出された前記反射光に基づいて前記測定領域の形状データを計測する形状データ計測手段と、前記形状データに基づいて、前記測定領域の面積と表面積との関係をルゴシティとして算出するルゴシティ算出手段と、前記ルゴシティに基づいて前記測定領域の形質を判定する形質判定手段とを具備することを特徴とする。
この発明においては、レーザ光発振手段によって水底における測定領域に向けて水中にレーザ光を射出し、反射光受信手段によって測定領域に照射されたレーザ光の散乱光を反射光として検出する。形状データ計測手段によって反射光を検出することで測定領域の形状データを計測する。さらに、ルゴシティ算出手段によって計測した形状データに基づいて測定領域の面積と表面積との関係をルゴシティとして算出する。ルゴシティは、例えば測定領域の(表面積)/(面積)で算出される。ルゴシティに基づいて形質判定手段により測定領域の形質を判定する。この判定には、例えば、ルゴシティと水底の形質とを関連づける形質判定用データを用いることができる。
また、本発明の請求項2に係る形質計測装置は、異なる時刻の前記測定領域の前記形状データに基づいて前記測定領域の経時変位を計測する経時変位計測手段を具備し、前記形質判定手段は、前記ルゴシティと前記経時変位とに基づいて前記測定領域の形質を判定することを特徴とする。
この発明においては、異なる時刻にそれぞれ計測された測定領域の形状データを用いる。経時変位計測手段によって異なる時刻の測定領域の形状データを用いて測定領域の経時変位を計測する。形質判定手段によって算出したルゴシティ及び経時変位に基づいて測定領域の形質を判定する。この判定には、例えば、ルゴシティ及び経時変位と水底の形質とを関連づける形質判定用データを用いることができる。
また、本発明の請求項3に係る形質計測装置は、前記形状データに基づいて前記測定領域の鉛直高低差を算出する鉛直高低差算出手段を具備し、前記形質判定手段は、前記ルゴシティと前記鉛直高低差とに基づいて前記測定領域の形質を判定することを特徴とする。
この発明においては、鉛直高低差算出手段によって形状データを用いて測定領域の鉛直高低差を算出する。形質判定手段によって算出したルゴシティ及び鉛直高低差に基づいて測定領域の形質を判定する。この判定には、例えば、ルゴシティ及び鉛直高低差と水底の形質とを関連づける形質判定用データを用いることができる。
また、本発明の請求項4に係る形質計測装置においては、前記レーザ光発振手段は、パルス状のレーザ光を射出させ、前記形状データ計測手段は、前記レーザ光の射出タイミングと前記反射光の検出タイミングとに基づいて前記測定領域の水深データを前記形状データとして計測することを特徴とする。
この発明においては、水底における測定領域に向けて水中に射出するレーザ光をパルス状とし、測定領域に照射されたパルス状のレーザ光の散乱光を反射光として検出する。レーザ光の射出タイミングと反射光の検出タイミングとからレーザ光の水面との往復に要して時間がわかり、測定領域の水深データが計測される。測定領域の水深データを形状データとして用いる。
また、本発明の請求項5に係る形質計測装置においては、前記レーザ光発振手段は、前記レーザ光を1点に向けて点状に射出させることを特徴とする。
この発明においては、水底における測定領域に向けて水中にレーザ光を1点に向けて点状に射出させる。
また、本発明の請求項6に係る形質計測装置は、前記レーザ光発振手段及び前記反射光受信手段の姿勢情報を計測する姿勢計測手段を具備し、前記形状データ計測手段は、前記反射光受信手段によって検出された前記反射光と前記姿勢情報とに基づいて前記形状データを計測することを特徴とする。
この発明においては、形質計測装置が設置されたプラットフォームである船舶の姿勢を姿勢情報として計測する。計測した姿勢情報に基づいてレーザ光の射出位置及び射出方向を算出する。算出したレーザ光の射出位置及び射出方向を用いて形状データを計測する。
また、本発明の請求項7に係る形質計測装置は、現在位置を測定する位置測定手段と、形質マップ作成手段とを具備し、前記形状データ計測手段は、前記反射光と前記現在位置とに基づいて前記測定領域の前記形状データを計測し、前記形質マップ作成手段は、前記形状データに基づいて前記測定領域の形質分布を示す形質マップを作成することを特徴とする。
この発明においては、位置測定手段によって現在位置を測定し、形状データ計測手段によって前記反射光と前記現在位置とに基づいて前記測定領域の形状データを計測して前記測定領域の形質分布を示す形質マップを作成する。
また、本発明の請求項8に係る形質計測装置は、前記レーザ光発振手段から射出される前記レーザ光の波長は、400nm〜550nmの範囲であることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に係る形質計測装置は、水中距離の入力を受け付ける入力手段を具備し、前記形状データ計測手段は、前記水中距離を用いて前記レーザ光の伝播速度を補正し、補正した前記レーザ光の伝播速度と前記反射光受信手段によって検出された前記反射光とに基づいて前記形状データを計測することを特徴とする。
この発明においては、キーボード等の入力手段によって既知の水中距離を受付け、この水中距離を用いてレーザ光の伝播速度を補正し、補正したレーザ光の伝播速度に基づいて形状データを計測する。
また、本発明の請求項10に係る形質計測システムは、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の形質計測装置を搭載した船舶を具備し、少なくとも前記レーザ光発振手段及び前記反射光受信手段を前記船舶から水中に臨ませたことを特徴とする。
また、本発明の請求項11に係る形質計測システムは、前記水中に射出されるレーザ光を走査する走査手段と、水中に臨む球面観測窓とを具備し、前記走査手段における前記レーザ光の射出位置が前記球面観測窓の曲率中心に配置されていることを特徴とする。
この発明においては、ポリゴンスキャナやガルバノスキャナ等の走査手段によって水中に射出されるレーザ光を走査する。水中に臨む球面観測窓の曲率中心にレーザ光の射出位置を配置させる。
また、形質判定手段を具備することにより、測定領域の形質を自動的に判定することが可能となる。
なお、ルゴシティに加えて経時変位を用いることで、水底の植生や材質等の形質を正確に把握することができる。
また、ルゴシティに加えて鉛直高低差を用いることで、水底の植生や材質等の形質を正確に把握することができる。
さらに、パルス状のレーザ光を用いることで測定領域の水深データを簡単に計測することができ、計測した水深データを形状データとして用いることができる。
また、レーザ光を1点に向けて点状に射出させることにより、例えば線状や面状に射出した場合と比較して、深い深度まで計測することが可能となる。
さらにまた、測定領域の形質分布を示す形質マップを作成することで、形質マップを液晶ディスプレイやプリンタ等の出力手段によって視認可能な状態で出力することができ、測定領域の形質を容易に把握することができ、また複数の形質マップをつなげて水域の形状データを総合的に視認することが可能となる。
さらにまた、レーザ光の波長を400nm〜550nmの範囲にしたりすることにより、レーザ光の水中での到達距離を延ばすことができ、より深い深度に対応することができる。
さらにまた、既知の水中距離を用いてレーザ光の伝播速度を補正することで、正確な測定領域の形状データを得ることができる。
レーザ受信手段を船舶から水中に臨ませことにより、水面の反射や屈折をなくしてより正確に水中の形質計測が可能となり、例えば、船舶を航行させて水中の形質計測を行うことにより水域の形状データを総合的に計測することが可能となる。
また、球面観測窓の曲率中心にレーザ光の射出位置を配置させることにより、例えば、球面観測窓にレーザ光を常に直角に入射させ、反射、屈折に起因する走査方向におけるバラツキを回避することができる。
本実施の形態の形質計測装置10は、水中における測定領域の形状を計測し、水底1のサンゴや海藻また岩礁等の植生や材質、魚群やくらげ等の水中の遊泳物、水底1に沈む沈底物等の水中の形質を計測する。以下、海底、湖底、川底等の水底1を測定領域とし、測定領域である水底1の植生や材質等の形質を計測する例について説明する。
また、水中観測窓3は、少なくともスキャナ18の走査方向において球面形状となっており、スキャナ18におけるパルスレーザ光の射出位置が水中観測窓3の曲率中心に配置されている。従って、スキャナ18からのパルスレーザ光は水中観測窓3に対して常に直角に入射されることになり、水中観測窓3や海面での反射、屈折等を起因とする走査方向におけるバラツキが回避される。
計測動作は、船舶2を図2に矢印Aで示す方向、すなわちスキャナ18によるパルスレーザ光の走査方向に対して垂直な方向に航行させながら行う。従って、スキャナ18による一回の走査によってパルスレーザ光が照射される範囲が測定領域幅Wとなり、船舶2を航行させた距離が測定領域長Lとなる。
また、水中の遊泳物は潜水艦等の人工的な水中航行物であってもよい。
2 船舶
3 水中観測窓(球面観測窓)
4 砂地
5 岩場
6 海藻
7 サンゴ
8 沈底物
10 形質計測装置
11 演算用PC(形状データ計測手段、ルゴシティ算出手段、形質判定手段、経時変位計測手段、鉛直高低差算出手段)
12 GPS受信機
13 GPSアンテナ
14 入出力部
15 レーザ発振器(反射光受信手段)
16 ミラー
17 ハーフミラー
18 スキャナ(走査手段)
19 光センサ(反射光受信手段)
20 遅延信号発生器
21 高速信号デジタイザ
22 スキャナ姿勢計測センサ
23 スキャナ設置台
24 調節モータ
25 船体姿勢計測センサ
Claims (11)
- 水中における測定領域に向けて水中にレーザ光を射出するレーザ光発振手段と、
前記測定領域に照射された前記レーザ光の散乱光を反射光として検出する反射光受信手段と、
該反射光受信手段によって検出された前記反射光に基づいて前記測定領域の形状データを計測する形状データ計測手段と、
前記形状データに基づいて、前記測定領域の面積と表面積との関係をルゴシティとして算出するルゴシティ算出手段と、
前記ルゴシティに基づいて前記測定領域の形質を判定する形質判定手段とを具備することを特徴とする形質計測装置。 - 異なる時刻の前記測定領域の前記形状データに基づいて前記測定領域の経時変位を計測する経時変位計測手段を具備し、
前記形質判定手段は、前記ルゴシティと前記経時変位とに基づいて前記測定領域の形質を判定することを特徴とする請求項1記載の形質計測装置。 - 前記形状データに基づいて前記測定領域の鉛直高低差を算出する鉛直高低差算出手段を具備し、
前記形質判定手段は、前記ルゴシティと前記鉛直高低差とに基づいて前記測定領域の形質を判定することを特徴とする請求項2記載の形質計測装置。 - 前記レーザ光発振手段は、パルス状のレーザ光を射出させ、
前記形状データ計測手段は、前記レーザ光の射出タイミングと前記反射光の検出タイミングとに基づいて前記測定領域の水深データを前記形状データとして計測することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の形質計測装置。 - 前記レーザ光発振手段は、前記レーザ光を1点に向けて点状に射出させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の形質計測装置。
- 前記レーザ光発振手段及び前記反射光受信手段の姿勢情報を計測する姿勢計測手段を具備し、
前記形状データ計測手段は、前記反射光受信手段によって検出された前記反射光と前記姿勢情報とに基づいて前記形状データを計測することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の形質計測装置。 - 現在位置を測定する位置測定手段と、
形質マップ作成手段とを具備し、
前記形状データ計測手段は、前記反射光と前記現在位置とに基づいて前記測定領域の前記形状データを計測し、
前記形質マップ作成手段は、前記形状データに基づいて前記測定領域の形質分布を示す形質マップを作成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の形質計測装置。 - 前記レーザ光発振手段から射出される前記レーザ光の波長は、400nm〜550nmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の形質計測装置。
- 水中距離の入力を受け付ける入力手段を具備し、
前記形状データ計測手段は、前記水中距離を用いて前記レーザ光の伝播速度を補正し、補正した前記レーザ光の伝播速度と前記反射光受信手段によって検出された前記反射光とに基づいて前記形状データを計測することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の形質計測装置。 - 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の形質計測装置を搭載した船舶を具備し、少なくとも前記レーザ光発振手段及び前記反射光受信手段を前記船舶から水中に
臨ませたことを特徴とする形質計測システム。 - 前記水中に射出されるレーザ光を走査する走査手段と、
水中に臨む球面観測窓とを具備し、
前記走査手段における前記レーザ光の射出位置が前記球面観測窓の曲率中心に配置されていることを特徴とする請求項10記載の形質計測システム。
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