JP5682275B2 - 画像形成装置およびプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、トナー像の形成を中止する場合でも、現像剤に含まれるキャリアが像保持体の表面に付着しにくい画像形成装置等を提供することを目的とする。
請求項2の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、トナー像の形成を再開する場合に、現像剤に含まれるキャリアを像保持体の表面により付着しにくくすることができる。
請求項3の発明によれば、トナー像の形成を中止する場合に、現像剤に含まれるキャリアが像保持体の表面に付着しにくくする制御をコンピュータにより行なうことができる。
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示している。
本実施の形態に係る画像形成装置1は、矢印A方向に回転可能な像保持体としての感光体ドラム11、矢印B方向に回転可能に配設され、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を記録材である用紙Pに転写させる転写ロール15、転写されたトナー像を用紙Pに定着する定着手段(定着装置)の一例としての定着部50、画像形成装置1の各機構部を制御する制御部60を備えている。
次に、本実施の形態で用いられるトナーを含む現像剤について詳細に説明する。
本実施の形態で用いられる現像剤は、磁性を有する磁性体であるキャリアと、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、あるいは黒色に着色された非磁性体であるトナーとを含んでいる。また、現像剤には、感光体ドラム11とクリーニングブレード16(図1参照)との間に働く摩擦力を低減し、感光体ドラム11に設けられた感光層の摩耗を抑制するクリーニング助剤(助剤)も含まれている。さらに、現像剤には、外添剤が予め定められた量添加されている。
次に、現像器14について詳細に説明する。
図2は、現像器14の側部断面図を示しており、図3は図2をIII方向から見た現像器14の上面図を示している。
現像器14は、感光体ドラム11に対向する開口部(現像用開口)を有し、かつ内部にはトナーおよびキャリアを含む現像剤(図示せず)が収容される現像ハウジング71と、この現像ハウジング71の開口部に面した箇所に配設され、感光体ドラム11と対向して配され、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段の一例である現像ロール73とを備えている。また、現像ハウジング71内であって、感光体ドラム11からみて現像ロール73の背面下側には、感光体ドラム11の軸方向と略平行に配設され、現像ロール73に現像剤を搬送する一対のスクリューオーガー74,75が設けられている。なお、以下の説明では、現像ロール73から遠い側にあるスクリューオーガー74を第1のスクリューオーガー、現像ロール73に近い側にあるスクリューオーガー75を第2のスクリューオーガーと呼ぶ。また、第1のスクリューオーガー74と、第2のスクリューオーガー75の間には、これら第1のスクリューオーガー74、第2のスクリューオーガー75を仕切る仕切り壁71aが設けられている。この仕切り壁71aは、現像ハウジング71と一体的に形成されている。また、現像ロール73の上側には、現像ロール73と予め定められた距離をもって配設され、現像ロール73上の現像剤層厚さを規制するトリマ79が設けられている。
そして、回収トナー搬入口81よりも現像剤搬送方向下流側であって、現像剤を貯留する現像剤ボトル(図示せず)から供給される新たな現像剤を現像器14内に供給するための現像剤補給口82が形成されている。
さらに、現像剤補給口82よりも現像剤搬送方向下流側には、現像器14内で余剰となった現像剤を現像器14の外部に排出するための現像剤排出口83が形成されている。また現像剤排出口83には、開閉を行なうシャッタ85が取り付けられている。
次に、現像器14の基本的な動作について説明する。
現像剤は、回転駆動される第1のスクリューオーガー74および第2のスクリューオーガー75により、現像ハウジング71内を攪拌されながら循環搬送される。この攪拌動作により、現像剤を構成するキャリアおよびトナーは互いに摩擦され、トナーは摩擦により負極性に帯電する。また、キャリアやクリーニング助剤は摩擦により正極性に帯電する。そして、攪拌搬送される現像剤が現像ロール73との対向部に搬送されると、磁石ロール77に設けられた磁極N1の磁力により、現像剤の一部が現像ロール73側に転移し、現像スリーブ76上に現像剤による現像剤層が形成される。そして、この現像剤層は、回転駆動される現像スリーブ76の回転に伴って搬送されていく。
図4は、感光体ドラム11の表面にトナー像が形成される様子を模式的に表した図である。
図4の向きにおいて上部には、感光体ドラム11が配され、下部には、現像ロール73の現像スリーブ76が配されている。つまり図4では、感光体ドラム11と現像ロール73が対向する位置の現像剤の様子について図示している。
本実施の形態では、感光体ドラム11の表面は、レーザ露光器13により露光されなかった非露光箇所は、非露光電位として−550Vの電位となっている。一方、レーザ露光器13により露光された露光箇所、つまり潜像が形成された箇所は、露光電位として−60Vの電位となっている。また現像ロール73の表面、即ち現像スリーブ76の表面は、上述したように現像バイアス電源14aにより現像バイアスが印加されており、その電位は、−400Vとなっている。よって感光体ドラム11と現像ロール73が対向する位置において、負極性に帯電したトナーは、感光体ドラム11の表面と現像スリーブ76の表面の電位差の関係上、露光箇所においてより吸引されやすく、非露光箇所においては吸引されにくい。そのためトナーは、露光箇所において選択的に吸引され、感光体ドラム11の表面に付着する。そしてこれによりトナー像を形成することができる。
ここで用紙Pが画像形成装置1内で紙詰まりなどを起こした場合など、画像形成が緊急停止されるときがある。この際、上述したようなトナー像の形成動作についても中止する必要がある。
図5は、トナー像の形成が中止されたときの感光体ドラム11の表面の様子の第1の例について説明した図である。
図5に示す例では、トナー像の形成動作を中止するのに伴い、現像バイアス電源14aによる現像バイアスを現像スリーブ76に印加するのを中止した場合を示している。この場合、現像スリーブ76の表面の電位は、0V(GND)になっている。
このとき負極性に帯電したトナーは、感光体ドラム11の表面の露光箇所および非露光箇所の双方において反発する力を受け、感光体ドラム11の表面に移動することはない。一方、正極性に帯電しているキャリアは、現像ロール73に印加する現像バイアスを解除するため、現像バイアスによる吸引力はなくなる。そのため感光体ドラム11の表面から作用する電気的吸引力が現像ロール73内部に配された磁石による磁気力に勝る場合は、図5に示すように感光体ドラム11表面に移動する。またこのとき感光体ドラム11表面の非露光部分において吸引力がより強く作用するため、この部分により多くのキャリアが移動し付着しやすい。
図6に示す例では、トナー像の形成動作を中止するのに伴い、現像バイアス電源14aによる現像バイアスを現像スリーブ76に印加するのを中止するが、その前に現像バイアス電源14aと現像スリーブ76との電気的接続を切断した場合を示している。つまり現像スリーブ76の表面は、電気的にはフロート状態にあり、現像スリーブ76の表面の電位は、約−400Vとなる。このとき図4と同様にトナーは、感光体ドラム11表面の露光箇所に選択的に移動し付着する。ただし、現像バイアス電源14aと現像スリーブ76との電気的接続が断たれているため、負電荷の供給がない。そのためトナーに対する吸引力は低下し、トナーの感光体ドラム11表面への移動量は図4の場合より少ない。
図7は、トナー像の形成を中止するときの感光体ドラム11および感光体ドラム11周辺の機器の動作について説明したフローチャートである。また図8は、この際の感光体ドラム11および感光体ドラム11周辺の様子について説明した図である。
まず画像形成装置1(図1参照)の制御部60(図1参照)が、例えば、用紙Pの紙詰まり等の検知信号を受信する(ステップ101:図8(a))。このとき制御部60は、画像形成装置1内の各機構部に対し、緊急停止する旨のコマンドを送信するが、感光体ドラム11およびその周辺の機器に対しては、以下のような制御を行なう。
また図9は、トナー像の形成を再開するときの感光体ドラム11および感光体ドラム11周辺の機器の動作について説明したフローチャートである。また図10は、この際の感光体ドラム11および感光体ドラム11周辺の様子について説明した図である。
まず紙詰まり等の通知を受け取ったユーザは、画像形成装置1の前扉等を開け、画像形成装置1内部にアクセスする。そして紙詰まりを起こした用紙Pを除去するなどの予め定められた回復作業を行なう。このとき感光体ドラム11表面に外光が照射される場合がある。この場合、外光が照射されなかった箇所(例えば、図10(a)においてXで示した領域)は、表面電位の変化はほとんどないが、外光が照射された箇所(例えば、図10(a)においてYで示した領域)は、表面電位が不均一になりやすい。
回復作業が完了すると(ステップ201でYes)、制御部60は、感光体ドラム11の回転を開始する(ステップ202)。このとき現像ロール73の回転も開始される。
なお図7〜図8で説明を行なったトナー像の形成を中止するときの制御部60が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、制御部60に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、制御部60の各機能を実現するプログラムを実行し、上述した制御を行なうことで、これらの各機能を実現させる。
Claims (3)
- 回転可能な像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記帯電手段により帯電した前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記像保持体と対向して配され、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記現像手段の表面を予め定められた電位にする電位付加手段と、
トナー像を転写するとともに前記像保持体の表面を除電する転写手段と、
前記像保持体、前記帯電手段、前記静電潜像形成手段、前記現像手段、前記電位付加手段および前記転写手段を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、トナー像の形成を中止するときに、前記静電潜像形成手段による静電潜像の形成を停止するとともに、当該静電潜像形成手段により既に前記像保持体の表面に静電潜像が形成された部分が前記現像手段と対向する箇所を通過した後に当該現像手段の表面電位をフロート状態とし、当該像保持体の回転を停止し、トナー像の形成を再開させるときに当該像保持体上の除電開始位置が当該現像手段と対向する箇所を通過した後にトナー像の形成を再開させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、トナー像の形成を再開させるときに前記像保持体上の除電開始位置が前記現像手段と対向する箇所を通過した後に前記現像手段と前記電位付加手段との電気的接続を行なうことで当該現像手段の表面電位のフロート状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- コンピュータに、
回転可能な像保持体を制御する機能と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段を制御する機能と、
前記帯電手段により帯電した前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段を制御する機能と、
前記像保持体と対向して配され、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段を制御する機能と、
前記現像手段の表面を予め定められた電位にする電位付加手段を制御する機能と、
前記トナー像を転写するとともに前記像保持体の表面を除電する転写手段を制御する機能と、
トナー像の形成を中止するときに、前記静電潜像形成手段による静電潜像の形成を停止するとともに、当該静電潜像形成手段により既に前記像保持体の表面に静電潜像が形成された部分が前記現像手段と対向する箇所を通過した後に当該現像手段の表面電位をフロート状態とし、当該像保持体の回転を停止し、トナー像の形成を再開させるときに当該像保持体上の除電開始位置が当該現像手段と対向する箇所を通過した後にトナー像の形成を再開させる機能と、
を実現させるプログラム。
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