JP5674781B2 - 多層体 - Google Patents

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Description

本発明は、セキュリティ・ドキュメント、特に、紙幣または身分証明書類または荷物または商品を保護するための、多層体、特に、多層セキュリティ・エレメントに関する。
保護手段を目的とするセキュリティ・ドキュメントには、多くの場合、セキュリティ・ドキュメントの真贋を確認可能であり、セキュリティ・ドキュメントの偽造対策となる、セキュリティ・エレメントが備えられている。この場合、セキュリティ・エレメントとして、セキュリティ・ドキュメントのキャリア基質に適用され、光学可変効果を示す、多層フィルムエレメントを用いることが知られている。この例として、特許文献1または特許文献2が、光学可変効果を生じる原因となる回折光学構造を有する、このようなフィルムを開示している。しかしながら、このような構造に基づくセキュリティ・エレメントは多数流通しており、その結果、このような構造により得ることが可能な光学可変効果が、非常に多くの場合に用いられている、という点が、デメリットである。
本発明は、上述した問題に基づき、新しい光学可変効果を示す、改良された多層体を提供するものである。
この目的は、多層体であって、複数の不透明な及び/または反射性の第一のゾーンを有する第一の層を含み、第一のゾーンは一つまたは複数の透明な第二のゾーンにより互いにそれぞれ分離され、第一のゾーンが、100μm以下の最小寸法を有するマイクロイメージとして形成され、第一の空間方向における隣り合うマイクロイメージ間の距離が300μm以下のマイクロイメージ格子に従って配置され、マイクロイメージ格子が、座標軸x1とそれに直角の座標軸y1とを有する第一の座標系に広がり、透明な材料から成る第二の層を含み、第二の層が、第一の層の下に配置され、第二の層の下に配置される反射層を含み、第二の層が複数の第三のゾーンを有し、第三のゾーンそれぞれにおいて、マイクロ構造が、第二の層と反射層との間の第一の層から離れた境界面に転写され、第三のゾーンが反射層でカバーされ、各マイクロ構造が、第一の層により広がる平面に対して垂直に、第三のゾーンの各部分において第一の層の方向から入射する光を、各第三のゾーンの面積より少なくとも10倍小さい面積の第一の層の領域に反射及び/または回折するように作られ、マイクロ構造が、第二の空間方向における隣り合うマイクロ構造間の距離が300μm以下のマイクロ構造格子に従って配置され、このマイクロ構造格子が、座標軸x2とそれに直角の座標軸y2とを有する第二の座標系に広がり、多層体の第一の領域において、マイクロイメージ格子のマイクロイメージと、マイクロ格子構造のマイクロ構造とが、互いに固定位置で、重なり合う形態で配置され、隣り合う第三のゾーンの領域中心間の距離によって決まるマイクロ構造距離と、隣り合う第一のゾーンの領域中心間の距離によって決まるマイクロイメージ距離とが、第一の領域における少なくとも一つの第三の空間方向において、互いに最大10%異なる、多層体により達成される。さらに、この目的は、多層体であって、一つまたは複数の透明な第一のゾーンを有する第一の層を含み、第一のゾーンは一つまたは複数の透明な第二のゾーンにより互いにそれぞれ分離され、第一のゾーン及び第二のゾーンが、入射光に対して異なる透過作用を有し、特に異なる色であり、異なる透過率を有し、及び/または入射光を異なって屈折するように第一の層が作られ、透明な材料から成る第二の層を含み、該第二の層が、第一の層の下に配置され、第二の層の下に配置される反射層を含み、第二の層が複数の第三のゾーンを有し、第三のゾーンそれぞれにおいて、マイクロ構造が、第二の層と反射層との間の第一の層から離れた境界面に転写され、第三のゾーンが反射層でカバーされ、各マイクロ構造が、第一の層により広がる平面に対して垂直に、第三のゾーンの各部分において第一の層の方向から入射する光を、各第三のゾーンの面積より少なくとも10倍小さい面積の第一の層の領域に反射及び/または回折するように作られ、マイクロ構造が、隣り合うマイクロ構造間の距離が300μm以下のマイクロ構造格子に従って配置され、このマイクロ構造格子が、座標軸x2とそれに直角の座標軸y2とを有する第二の座標系に広がる、多層体により達成される。
本発明は、新しい光学可変効果を有する多層体を提供する。本発明による多層体は、模造及び偽造に対して、非常に強い防護がなされるという点で優れている。従って、このセキュリティ・エレメントは、ホログラムコピー技術によっても、または、多層体の表面に存在する表面構造の機械的転写によっても、複製不可能である。
上述した寸法の選択と、上述した特有のマイクロ構造の利用により、観察角度に依存して、異なる部分領域のマイクロイメージそれぞれが可視化され、マイクロ構造格子の上述した構造と、マイクロ構造格子とマイクロイメージ格子との相対配置により、観察者に対して隣り合うゾーンで生じる光学可変効果が融合し、その結果、二次元または三次元光学可変イメージ・インプレッションまたは高輝度の深度効果を有する光学可変イメージ・インプレッションが可視化されることが、意外にもわかっている。さらに、このような光学可変イメージ・インプレッションが、透明な第一及び第二ゾーンの上述した特有の構造によっても得られることが意外にもわかっている。
マイクロ構造及びマイクロイメージの構造及び配向に関して、特に、以下の内容が有利であることがわかっている。
実質的に水平に配向された、または、水平に広がりまたは配向された、マイクロ構造及び/またはマイクロイメージを備えたセキュリティ・エレメントを観察する場合、両眼が実質的に同じイメージを見るため、深度効果は生じず、実質的に垂直に配向された、または、垂直に広がりまたは配向された、マイクロ構造及びマイクロイメージを備えたセキュリティ・エレメントの場合、両眼がわずかに異なるイメージ・インプレッションをそれぞれ見るため、深度効果が生じ、人間の脳は、深度効果を有するイメージに合成する。マイクロ構造及びマイクロイメージの斜めの配向または軌道の場合、すなわち、水平と垂直との間の中間状態の場合は、部分的な深度効果が生じる。
本発明のさらなる有利な構造は、従属項に示される。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、第一の領域において、第一及び第二のゾーンの総面積において第一のゾーンにより占められる面積比率は、40%から2%、特に、20%から5%である。このことは、多層体の光学可変効果が、特にはっきりした態様で、高光度で示される、という利点をもたらすが、これは、第一及び第二のゾーンの総面積の面積充填係数が比較的低く、その結果、マイクロイメージを備える層が、最大可能透過率を有することによる。
さらに、第一の領域において、第一のゾーンに占められる面積が、第三のゾーンに占められる面積よりも、少なくとも4倍、特に、10倍から20倍小さいことが有利である。さらに、第一のゾーンに占められる面積が、第三のゾーンに占められる面積よりも、最大50倍程度小さい場合が有利である。さらに、第一の領域において、第一のゾーンそれぞれに占められる面積が、割り当てられた第三のゾーンそれぞれに占められる面積よりも、各場合に、上述した倍数小さい場合が有利である。これらの尺度は、多層体により生じる光学可変効果は、特に高光度で、高いコントラストで、及び、はっきりした態様で、示される、という結果を同様に有する。
第二の層の層厚は、5μmから150μmであり、及び/または、反射層は、第一の領域において、第一の層から、5μmから150μmの距離にあることが好ましい。この場合、第一の領域において、第一の層と反射層との間の平均距離は、15μmから75μmの間であることが好ましい。光学可変効果を生じる層の間のこのような距離の場合、光学可変効果の特にはっきりした観察角度依存性が得られることが、研究でわかっている。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、マイクロ構造が、第一の層により広がる平面に対して垂直に、第三のゾーンの各部分において第一の層の方向から入射する光を、各第三のゾーンの面積より10から10,000倍の範囲で小さい面積の第一の層の領域に反射及び/または回折するように、マイクロ構造が各場合に具体化され、および/または、第二の層の層厚が選択される。光が反射及び/または回折する領域の幅または長さが、各第三のゾーンの幅または長さに実質的に一致する場合、上述した係数は、10から200の範囲から、さらに好ましくは、15から30の範囲から選択されることが好ましい。光が反射及び/または回折する領域の寸法が、2つの異なる方向、特に2つの互いに垂直な方向において、各第三のゾーンの対応方向における寸法に対して縮小される場合、上述した係数は、50から10,000の範囲から、好ましくは、150から2,500の範囲から選択されることが好ましい。該係数は、さらに、入射光が反射及び/または回折する面積が、それぞれ割り当てられた第一のゾーンの面積より、50倍小さいように選択されることが好ましい。特に、第二の層の層厚に関するマイクロ構造のこのようなデザインのおかげで、特に鮮明な輪郭と高光度とを有する光学可変効果が、本多層体により保証される。
第三のゾーンは、ポリゴンの形態、特に、矩形の形態で形成されることが好ましい。しかしながら、第三のゾーンは、円形または楕円形の外径形状を有してもよい。第三のゾーンの三角形、四角形、または八角形の形状が特に有利であるが、これは、隣り合う第三のゾーン間の継ぎ目のない移行と、特に高光度の光学可変効果の実施形態とがその結果得られるためである。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、マイクロ構造は、回折構造として具体化され、特に、300ライン/mm以上、さらに好ましくは1,000ライン/mm以上の空間周波数を有する回折構造として具体化される。
マイクロ構造は、回折性または屈折性のマイクロ構造として具体化される。特に、100ライン/mmから4,000ライン/mmの範囲のライン数の線形または交差格子が、この場合に含まれてもよい。さらに、等方性または異方性のマット構造、キノフォーム構造、ブレーズ格子または前述した構造の組み合わせが含まれてもよい。さらに、回折性または屈折性の自由形態エレメントが含まれてもよく、これらは、特に、凹面鏡として具体化され、光学的な拡大、縮小または変形効果を生じる。外径形状は、半円筒形、半球形、台形、または三角形であってもよい。
この場合、第三のゾーンに入射する光が、第三のゾーンの異なる部分において異なって回折され、それ故、既に上述したように、第一の層上の構造により回折される光が、各第三のゾーンの面積より少なくとも10倍小さい面積を占めるように、マイクロ構造のレリーフ形状及び空間周波数が、各第三のゾーンの領域内で異なって選択される。
マイクロ構造により光が回折される領域は、各第三のゾーンの形状を有し、該領域の領域中心は、各第三のゾーンの領域中心と一致することが好ましい。しかしながら、該領域の形状が、各第三のゾーンの形状と異なり、その領域と各第三のゾーンの領域中心とは一致しなくてもよい。
マイクロ構造は、例えば、上述した回折特性を有する、キノフォームとして具体化されてもよい。本発明のさらなる好ましい典型的な一実施形態によれば、マイクロ構造の空間周波数、及び/または、マイクロ構造の側面の側面傾斜は、入射光の回折の結果として上述した効果を得るために、第三のゾーン部分で変化し、該回折は、位置に依存して異なる。従って、例として、マイクロ構造の空間周波数は、各第三のゾーンの領域中心部分で0ライン/mmから10ライン/mmの周波数を有し、マイクロ構造の空間周波数が、領域中心から進む少なくとも一つの空間方向において増加する、例えば、線形または二次的に増加するように、選択される。さらに、一方向における領域中心部分のマイクロ構造は、変調されない、すなわち、空間周波数を有さず、または、変調され、0.05ライン/mmから10ライン/mmの空間周波数を有してもよい。
さらに、例として、各第三のゾーンの領域中心に対して配向されるマイクロ構造の構造エレメントの側面の側面傾斜が、領域中心から進む少なくとも一つの空間方向において増加する、すなわち、該側面が第三のゾーンのエッジ領域において特に険しく、第三のゾーンの中心領域において特に緩やかであってもよい。これらの基準は、互いに組み合わされてもよく、側面傾斜/空間周波数の最小値は、領域中心にはなく、第三のゾーンのエッジ領域にあってもよい。
例として、用いられるマイクロ構造は、以下の1Dフェーズ関数により規定される構造であってもよい。
Ph:位相関数
wl:設計波長
fl:焦点長
x:空間座標
ライン数の分布は、空間座標に対する回折による位相関数から得られる。
さらに、マイクロ構造は、実質的に三角形の構造エレメントを有するブレーズ格子であってもよい。この場合、第三のゾーンの第一の領域と第三のゾーンの第二の領域とにおいて、ブレーズ格子の構造エレメントが互いに180°回転して、すなわち、構造エレメントの傾斜領域が互いに対向するように配置されることが有利に提案される。この場合、第一のゾーンは、各第三のゾーンの領域中心を通過する分離線により、略同じ大きさの2つの部分的領域に分割され、一方の部分的領域と他方の部分的領域とにおいて、構造エレメントが互いに180°回転するように配置されることが好ましい。さらに、ブレーズ格子のアジマス角度が、連続的に変化してもよい。従って、各第三のゾーンの領域中心から進むに従い、全空間方向において一定の空間周波数を有し、構造エレメントが、各場合に、多層体により広がる領域において、環状形態を有するような、ブレーズ格子が例えば用いられてもよい。
さらに、マイクロ構造は、実質的に反射の作用をする構造であってもよい。各第三のゾーンの位置に依存して異なるマイクロ構造の所望の反射特性を得るために、マイクロ構造は、この場合、マイクロ構造の局所的な構造深度、すなわち、複製ラッカー層の局所的な層厚が、マイクロ構造の転写後に、各第三のゾーンの領域中心から進む少なくとも一つの空間方向において好ましくは減少するように形成されることが好ましい。例として、マイクロ構造の構造深度は、この場合、以下のように選択される。
H:構造深度
R:湾曲半径
X:空間座標
この場合、関数H(x)は、各第三のゾーンにおける構造深度、すなわち、第二の層に転写されたマイクロ構造の周期を表す。
本発明のさらなる好ましい一実施形態によれば、マイクロ構造は、粗構造と微細構造との重ね合わせから成ってもよい。粗構造は、実質的に屈折作用を有する上述した構造から選択されることが好ましく、従って、例えば凹面鏡、半円筒形、台形または三角形の形態で形成され得る。微細構造は、好ましくは1,000ライン/mmから3,600ライン/mmの間の空間周波数を有する、回折構造により形成されることが好ましい。この場合、マイクロ構造は、粗構造が異なる微細構造により重ね合わされる、2つ以上の部分領域を有することが好ましい。従って、例として、上述した粗構造の隣り合う側面は、異なる光学可変情報を生じる異なる回折構造、例えば、異なるホログラムを発生する回折構造でカバーされる。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、第一の領域における各第三のゾーンは、反射層が提供されない一つまたは複数の第四のゾーンにより囲まれている。このことは、多層体に、透過で作用するさらなるセキュリティ特性を提供可能とする。この目的のために、多層体は、第四のゾーン部分で、透明な状態で具体化されることが好ましい。第四のゾーンの対応する選択により、多層体の光学可変効果が、反射光での観察時だけでなく、透過光での観察時にも可視化されることがさらに可能となる。この場合、多層体の下面から第四のゾーン部分に入射する光を散乱し、及び/または、光を第三のゾーンの方向へ偏向する、さらなるマイクロ構造を、第四のゾーン部分に提供することがさらに有利である。
さらに、反射層は、第三のゾーン及び/または第四のゾーンにおいて、透明な反射層として具体化されてもよい。この目的のために、反射層は、例えば、透明な金属層、または、マイクロ構造化された金属層、あるいは、高屈折率を有する誘電層から成ってもよく、例えば、HRI(HRI=高屈折率)層として作られてもよい。この透明または半透明の反射層のパラメータの適切な選択により、実質的に同じ光学特性が、透過及び反射の双方で観察可能となる。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、既に上述した第一の層は、一つまたは複数の透明な第一のゾーンを有し、それらは、一つまたは複数の透明な第二のゾーンにより、それぞれ互いに分離されている。従って、第一および第二のゾーンは、透明な状態で具体化される。本文脈における透明とは、第一の層が、人間の眼に知覚可能な光の帯域において50%以上の透過率を有し、好ましくはこの波長帯域で80%以上の透明性を有することを意味する。不透明は、上述した波長帯域に関して、50%以下、好ましくは90%以下の透過率を意味するものと理解されたい。既に上述したように、本発明の典型的な本実施形態では、透明な第一及び第二のゾーンは、入射光に対して異なる透過作用を有する。この場合、第一のゾーンと第二のゾーンとが異なって着色され、例えば、第一のゾーンが主要色で着色され、従って透過光で観察された場合に該主要色の色を示し、第二のゾーンが透明または異なる色、好ましくは、コントラスト色で着色され、従って透過光で対応するコントラスト色または無色を示し、すなわち、色のフィルター効果により、入射光の波長スペクトルを変化させ、または変化させない場合が、特に有利である。
さらに、第一及び第二のゾーンは、可視光の波長帯域において、異なる透過率を有してもよい。この場合、透過率の差は、少なくとも5%、さらに好ましくは少なくとも10%であることが好ましい。
さらに、第一のゾーンと第二のゾーンとが、入射光を異なって偏向する、例えば、入射光が第一のゾーンで偏向され、第二のゾーンでは偏向されない場合が好ましい。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、本目的のために、第一の層において、入射光を偏向する回折性または屈折性の各第一の構造が、一つまたは複数の第一のゾーンに提供され、一つまたは複数の第二の層においては、そのような構造が提供されず、または、入射光を偏向し、第一の構造とは異なる、回折性または屈折性の第二の構造が提供される。これらの構造は、第一の層または第一の層の部分層の表面に転写され、好ましくは第一の層と多層体の上面との間、すなわち、第一の層と空気との間の境界面に転写される構造であることが好ましい。さらに、これらの構造は、第一の層または第一の層の部分層の下面に転写され、または、0.2以上の屈折率の差を有する第一の層の2つの透明な層の間に転写されてもよい。さらに、これらの構造は、体積ホログラム層に書き込まれる体積ホログラムにより形成されてもよい。
一つまたは複数の第一のゾーンは、各場合に、イメージ、特に絵表示の形態、数及び/または文字またはモチーフの形態で形成されることが好ましい。さらに、一つまたは複数の第一のゾーンは、各場合に、第一のゾーンから成る全体イメージの部分イメージを形成してもよい。
回折構造としての構造の形状において、第一のゾーンにおける構造の空間周波数は、構造の空間周波数が、各第一のゾーンの領域中心部分で最小であり、マイクロ構造の空間周波数が、領域中心から進む少なくとも一つの空間方向において増加するように選択されることが好ましい。空間周波数は、領域中心から進む全空間方向において、領域中心からの距離Rに依存して増加することが好ましい。この場合、空間周波数は、関数f(R)で表される、すなわち、構造の空間周波数は、領域中心からの距離で決定されることが好ましい。この場合、空間周波数は、100ライン/mmから3,600ライン/mmの間であるように選択されることが好ましい。
さらに、各第一のゾーンの領域中心に対して配向される構造の構造エレメントの側面の側面傾斜が、領域中心から進む少なくとも一つの空間方向において増加することが価値あることがわかっている。
第一の構造が、実質的に回折作用を有する構造として設計される場合、構造の構造深度が、各第一のゾーンの領域中心部分で最小または最大であり、各第一のゾーンの領域中心から進む少なくとも一つの空間方向において増加または減少するように、構造が具体化されることが好ましい。この場合、構造は、構造深度を表す関数が連続的で微分可能であるように形成されることが好ましい。しかしながら、該構造は、例えば、三角形または台形の形状で具体化されてもよい。
領域中心から進む全空間方向において、領域中心からの距離Rに依存して、構造深度が増加または減少することにより、さらなる利点が得られる。従って、構造深度Tは、関数f(R)で決定されることが好ましく、ここでRは、各第一のゾーンの領域中心からの距離である。
異なる透過作用を有する透明なゾーンとしての一つまたは複数の第一のゾーンの上述した実施形態では、本発明の典型的な一実施形態は、一つまたは複数の第一のゾーンに、300μm以上の最小寸法を有し、特に3mm以上の幅及び/または高さを有するようにする。従って、一つまたは複数の第一のゾーンは、観察者により解像可能な大きさを有する。ここで、第一及び第二のゾーンによる入射光の異なる透過と、第三のゾーンにおける上述した偏向と、第一の層の第一および第二のゾーンの通過中に反射された光の対応する影響とにより、絵的な、光学可変表現の発生が達成される。
さらに、本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、第一のゾーンが、100μm以下の最小寸法を有するマイクロイメージとして形成され、隣り合うマイクロイメージ間の距離が300μm以下のマイクロイメージ格子に従って配置され、その結果、マイクロイメージ格子が、座標軸x1とそれに直角の座標軸y1とを有する第一の座標系に広がり、多層体の第一の領域において、マイクロイメージ格子のマイクロイメージとマイクロ構造格子のマイクロ構造とが、互いに固定位置で、重なり合う形態で配置され、隣り合う第三のゾーンの領域中心間の距離によって決まるマイクロ構造距離と、隣り合う第一のゾーンの領域中心間の距離によって決まるマイクロイメージ距離とが、第一の領域における少なくとも一つの空間方向において、互いに最大10%異なってもよい。
本発明のさらなる好ましい典型的な一実施形態によれば、第一の層は、複数の不透明な及び/または反射性の第一のゾーンを有し、それらが一つまたは複数の透明な第二のゾーンで互いに分離されるように具体化される。この場合、第一の層が金属層により形成され、金属層の金属が第一のゾーンには提供され、第二のゾーンには提供されない場合が得策であることがわかっている。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、第一の回折性表面構造が、第一のゾーンにおける第一の層の、第二の層に対向して配向される、下方の境界面に転写される。第一の回折性表面構造は、例えば、ホログラムまたはキネグラム(登録商標)であり、それらは、例えば、観察角度に依存して、異なるモチーフまたはモーション・エフェクト効果を示す。さらに、回折性表面構造は、0次回折構造、単純な回折格子、またはマット構造であってもよい。このような構造は、本発明の多層体によりもたらされる光学可変効果と、第一の回折性表面構造によりもたらされる光学可変効果との重ね合わせにより得られる、興味深い光学可変効果の発生を可能にする。この場合、複製及び模造に対するさらなる防御が、第一の回折性表面構造が第二の層に対向し、その結果、その光学効果が、マイクロ構造を介する間接的に限った観察に対してもたらされることにより得られ、このことは、第一の回折性表面構造の複製をたいへん困難にする。
この場合、第一の回折性表面構造が転写される第一のゾーン部分の、第二の層から離れて対向する側に、カバー層が備えられ、該カバー層が、第一の回折性表面構造の光学可変効果が多層体の上面側から直接観察されることを防ぐ場合が、さらに有利である。
本発明のさらなる好ましい典型的な一実施形態によれば、第一の回折性表面構造とは異なる第二の回折性表面構造が、第二のゾーンに転写される。透過で作用するこの表面構造は、特有の角度位置での入射光を第三のゾーンに偏向し、または、本発明の多層体により生じる光学可変効果に対する背景として機能する光学可変効果を生じる、表面構造であることが好ましい。
第一の層は、例えば、金属層、異なる金属の層、印刷インクから成る層、着色されたフォトレジスト層(正/負フォトレジスト)、薄膜系、またはこれらの層の組み合わせから成り得る。この場合、金属層は、アルミニウム、銀、銅、金、クロムまたはこれらの金属を含む合金から成ることが好ましい。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、第一の層が、上下に配置された2つ以上の部分層から成る。該部分層は、特に、金属層、HRI層(HRI=高屈折率)、複製ラッカー層、及びカラー層のグループから選択される。従って、例えば、第一の層は、カラーラッカー層と、転写された第一の回折性表面構造を有する複製ラッカー層と、第一のゾーンには提供され第二のゾーンには提供されない金属層との配列から成ってもよい。
第三の回折性表面構造は、第一のゾーンにおいて、第二の層から離れて対向する第一の層または第一の層の部分層の表面に転写されることが好ましい。第二の層は、第三の回折性表面構造の光学効果が、第一の層の上面に入射する光のみで作用し、第一の層の下面に入射する光では作用しないように作られることがさらに好ましい。このことは、例えば、カバー層、特に、回折性の表面構造の下方に提供される金属層により、または、第一の層の上方及び下方の境界面に転写される異なる表面構造、例えば、上方の境界面に転写される第三の表面構造と、第一の層と隣り合う層との間の下方の境界面に転写される第一の表面構造とにより、達成可能である。
多層体のこのような構造は、さらなる興味深い光学可変効果の達成を可能とし、例として、第三の回折性表面構造により生じる光学可変効果は、本発明の多層体により生じる新しい光学可変効果に対する背景として機能する。
また、新しい光学可変効果のコントラスト強度が、第三の表面構造の特有の形状によりさらに改善され得ることを、研究が意外にも示している。選択された第三の表面構造が、構造エレメントの深度対幅比率が0.5以上であり、2,000ライン/mm以上の空間周波数を有する表面構造、例えば交差格子構造である場合、コントラストの改善が達成され得る。
さらに、第四の層が、第一の層と第二の層との間に提供され、それが半透明または着色されていることが得策であることがわかっている。この場合、透光性または着色は、部分的にのみ、すなわち、層の部分的な領域部分にのみ成されてもよい。
マイクロ構造がカバーされる反射層は、不透明な反射層、例えば金属層から成ることが好ましい。しかしながら、反射層は、透明な反射層により、例えば、誘電層、例えばHRI層(HRI=高屈折率)、非常に薄く、従って透明な金属層、またはマイクロ構造化された金属層により、形成されてもよい。さらに、反射層が、第四のゾーンに提供されず、または、第二の層が、反射層が異なる反射または透過特性を有する領域を有してもよい。従って、例えば、第二の層は、透明な反射層と、部分的に不透明な反射層により、領域的にカバーされてもよい。この場合、透明な反射層による領域のカバー率は、少なくとも領域の20%が不透明な反射層でカバーされるように、選択される必要がある。
しかしながら、生じる光学可変効果の下で、反射層の下に配置される層、例えば対象基質上に適用された刻印の、光学可変効果を可視化するために、第二の層全体が、透明な反射層でカバーされてもよい。
ここで、層は、1%以下の透過率を有する場合に、不透明であると考えられる。層は、少なくとも50%の透過率を有する場合に、透明であると考えられる。この場合、透過率指標は、観察者に見える波長帯域に関連することが好ましい。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、座標軸y1と座標軸y2、及び、座標軸x1と座標軸x2が、第一の領域において、それぞれ互いに平行に配向される。この場合、互いに平行に配置される、とは、第一と第二の層が、製造誤差の範囲内で、座標軸y1とy2、及び、座標軸x1とx2が、製造誤差の範囲内で、それぞれ互いに平行であるように、互いに配向されることを意味する。さらに、第一の領域において、少なくとも一つの座標軸の方向における、隣り合うマイクロ構造間のマイクロ構造距離と、隣り合うマイクロイメージ間のマイクロイメージ距離とが、マイクロ構造距離とマイクロイメージ距離とが互いに0.5から10%異なるように、選択される。
さらに、座標軸y1と座標軸y2、及び、座標軸x1と座標軸x2は、第一の領域において、それぞれ0.01°から5°の角度を成してもよい。この場合、隣り合うマイクロ構造間のマイクロ構造距離と、隣り合うマイクロイメージ間のマイクロイメージ距離とは、同一に選択されることが好ましい。さらに、マイクロ構造距離とマイクロイメージ距離とは、異なって、特に、上述した範囲で選択されてもよい。
多層体のこのような構造では、多層体が傾けられる場合、興味深いモーション・エフェクト効果が得られる。
第一及び第二の空間方向は、座標軸x1またはy1、及び、x2またはy2の方向と一致することが好ましい。
マイクロイメージ格子及び/またはマイクロ構造格子は、第一の領域において、一次元格子として具体化される、すなわち、マイクロイメージ及び/またはマイクロ構造は、一つの空間方向、第一または第二の空間方向のみにおいて互いに連続してもよい。しかしながら、マイクロイメージ格子及び/またはマイクロ構造格子は、第一の領域において、二次元格子を形成してもよく、すなわち、マイクロイメージ及び/またはマイクロ構造は、2つの空間方向で連続し、従って、マイクロイメージ及び/またはマイクロ構造は、例えば、座標軸y1またはy2の方向において、及び、座標軸x1またはx2の方向において、連続してもよい。
本発明の一実施形態によれば、マイクロイメージ格子及び/またはマイクロ構造格子の格子ピッチが、第一の領域において、一定であるように選択され、すなわち、マイクロイメージ距離が、座標軸x1の方向において、一定値r1を有し、マイクロイメージ距離が、座標軸y1の方向において、一定値r2(ただし値r1とは異なってもよい)を有し、及び/または、マイクロ構造距離が、座標軸x2の方向において、一定値r3を有し、マイクロ構造距離が、座標軸y2の方向において、一定値r4(ただし値r3とは異なってもよい)を有する。
マイクロイメージ格子及び/またはマイクロ構造格子の格子ピッチが、第一の領域における少なくとも一つの空間方向において変化する、例えば連続的に変化することで、複雑なモーション・エフェクト効果が得られる。従って、例として、マイクロイメージ及び/またはマイクロ構造の格子ピッチが、第一の領域における座標軸y1及び/またはy2の方向において一定であり、マイクロイメージ及び/またはマイクロ構造の格子ピッチが、座標軸x1及び/またはx2の方向において、関数F(x, y)に従い、座標軸y1及び/またはy2により決定される座標y、及び/または、座標軸x1及び/またはx2により決定される座標xに依存して、変化する、多層体の構造において、特に興味深いモーション・エフェクト効果が観察された。
本発明のさらなる好ましい一実施形態によれば、マイクロイメージの縦方向軸が、変形関数により、マイクロイメージの横方向軸に対して、拡張され、好ましくは10倍以上拡張される。このような変形されたマイクロイメージは、300μm以下の幅と、300μm以上の長さ、特に、2mmから100mmの間の長さとを有する、第三のゾーンと組み合わせて用いられることが好ましい。
このような多層体は、観察時に示される光学可変情報が、第一のゾーンのデザインと大きく異なり、従って、多層体により生じる光学可変効果の模造をより困難にしている点で優れている。
マイクロイメージ格子のマイクロイメージは、第一の領域において、同じマイクロイメージにより形成されてもよい。第一の領域におけるマイクロイメージ格子のマイクロイメージが、基本イメージの回転、及び/または、拡大、または、縮小と、随意で続く変形と、を含む、変換関数に従う基本イメージの幾何学的な変形により形成されたマイクロイメージによって形成されることにより、多層体を傾けた場合に、複雑な動き、拡大、及び縮小効果を発生することができる。さらに、また、第一の基本イメージを、幾何学的な変形により、所定の移動経路を介して、第二の基本イメージへ移行し、隣り合う各マイクロイメージが、例えば、選択された幾何学的な変形により、わずかに異なってもよい。
第一の領域におけるマイクロ構造格子のマイクロ構造は、同じマイクロ構造で形成されることが好ましい。しかしながら、多層体を傾けた場合に、複雑な動き、拡大、及び縮小効果を得るために、マイクロ構造格子の少なくとも2つのマイクロ構造が、第一の領域において互いに異なってもよい。この場合、第三のゾーンの各部分において第一の層の方向から入射する光が反射及び/または回折する第一の層の領域が、変形関数に従い、x2及び/またはy2座標軸上の座標に依存して、その面積、幅、及び/または長さに関して変化する場合が特に有利である。
この場合、最大値が300μm以上の最大距離で、区間で連続的であり微分可能な関数が、変形関数として選択されることが好ましい。
本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、第一及び/または第二の座標系が、円または波線形状の座標軸を有する座標系により形成される。その結果、多層体により生じる光学可変効果の偽造または模造は、より困難となる。
第一の領域は、300μm以上の最小領域寸法を有し、特に、3mm以上の最小領域寸法を有することが得策であることがわかっている。
本発明のさらなる好ましい典型的な一実施形態によれば、多層体は、第一の領域と平行に配置される第二の領域を有し、該第二の領域が以下のように具体化される。第二の領域において、マイクロイメージ格子のマイクロイメージと、マイクロ構造のマイクロ構造格子とが、互いに固定位置で同様に配置され、隣り合う第三のゾーンの領域中心間の距離によって決まるマイクロ構造距離と、隣り合う第一のゾーンの領域中心間の距離によって決まるマイクロイメージ距離とが、第二の領域における少なくとも一つの第三の空間方向において、互いに最大10%異なる。さらに、第二の領域におけるマイクロイメージ格子及び/またはマイクロ構造格子が、第一の領域におけるマイクロイメージ格子及び/またはマイクロ構造格子に対して、マイクロイメージ距離、マイクロ構造距離、x1、x2、y1、y2座標軸の配向、及びマイクロイメージの変形のグループから選択される一つ以上のパラメータに関して、異なる。その結果達成されることは、第一及び第二の領域において、光学可変効果が異なって生じ、その結果、多層体により、特に特徴的で容易に覚えられるセキュリティ特性が提供される。多層体は、第二の層に平行に、第一及び第二の領域のように具体化されるが、マイクロイメージ格子及び/またはマイクロ構造格子の上述したパラメータの一つにおいて、第一及び第二の領域のマイクロイメージ格子及び/またはマイクロ構造格子と異なる、さらなる領域を有してもよい。
この場合、第一、第二、及びさらなる領域は、特有のさらなる情報を観察者に与える、それぞれ特有の形状、例えば、シンボルまたは数列の形態の形状を有してもよい。第二の領域及び更なる領域の構造に関しては、第一の領域の構造に関する上述説明を参照されたい。
マイクロイメージ距離マイクロ構造距離)の計算値が、第一の領域において正の値であり、第二の領域において負の値であることにより、特に興味深い、反転モーション・エフェクトが得られる。このようなモーション・エフェクトは、静的な基準エレメントが、モーション・エフェクトを備える領域部分の隣に存在する場合に有利である。これらの静的なエレメントは、モーション・エフェクトがよく見えるように、相対的な光学基準点、または、眼に対する固定点として機能することができる。このような静的なエレメントは、隣り合うエッジ、静的なプリント、またはモーション・エフェクトを生じない光学可変効果、むしろ例えば、カラー変化効果であってもよい。
マイクロイメージ格子のマイクロイメージが、第一の領域及び第二の領域において、互いに異なることにより、または、特に部分的な領域部分において、マイクロイメージ格子及び/またはマイクロ構造格子が、座標軸の一つに関して、互いに位置的なずれを有することにより、さらなる興味深い光学効果が得られる。第一の領域におけるマイクロ構造格子のマイクロ構造が、第二の領域におけるマイクロ構造格子のマイクロ構造と異なり、特に、第三のゾーンの各部分において第一の層の方向から入射する光が反射及び/または回折される第一の層の領域が、その面積、幅、及び/または長さに関して異なることにより、さらなる興味深い光学効果が得られる。
マイクロイメージ格子のマイクロイメージにおける異なる部分的なイメージ情報が、互いに組み合わされる、すなわち、互いに交互配置され、または、マイクロイメージ格子内の各部分的なイメージ情報が規則的に繰り返され、特に、マイクロ構造の格子配向及び格子幅に対する格子配向及び格子幅が、結果として得られる視覚効果のタイプを決定するように配置されることにより、さらなる興味深い光学効果が得られる。これらのパラメータ(異なる部分的なイメージ情報の数、異なる部分的なイメージ情報のイメージ内容、マイクロ構造格子に対する部分的なイメージ情報の相対的な方向、マイクロ構造格子の格子幅に対する異なる部分的なイメージ情報の格子幅)を変更することにより、例えば、重ね合わせ、特に反転、モーション・エフェクト効果、イメージ反転(あるイメージから他のイメージへの変形効果)、イメージ・モーフィング(中間イメージを用いたあるイメージから他のイメージへの変形効果)等の、異なる視覚効果を生じることができる。
2つ以上の第一及び第二の領域が、互いに平行に、交互に配置されていることが好ましい。
好ましい典型的な一実施形態によれば、多層体は、セキュリティまたは有価ドキュメント、特に紙幣または身分証明書類または商品保護ラベルであり、従って、さらに、また、キャリア基質を有する。従って、キャリア基質は、例えば、紙幣の紙基質により形成されている。
多層体のこのような実施形態では、第一及び第二の層を、キャリア基質の反対側に配置することが特に有利であることがわかっている。本発明の好ましい典型的な一実施形態によれば、従って、例えば転写フィルム、特に熱エンボス加工フィルムの転写層として第一の層を含むボディが、例えば、透明なキャリア基質、例えば、ポリマー紙幣またはID書類のキャリア基質の第一の面に適用されてもよい。第二の層及び反射層を含むボディが、転写フィルムにより、例えば、キャリア基質の反対側の第二の面に同様に適用される。さらに、第二の層及び反射層または第一の層を含むボディが、キャリアフィルム及び第一の層または第二の層及び反射層を含むラミネートに適用され、特に転写フィルムの転写層として適用されてもよい。さらに、また、第二の層または第一の層が、特に、表面レリーフを作るための、機械的に作用するエンボス加工ローラーまたはエンボス加工転写により、キャリアフィルム及び第一の層または第二の層及び反射層を含むラミネートに、ラミネートの表面に直接転写されてもよい。また、表面レリーフは、他の作用、例えばレーザー・アブレーションにより、直接形成されてもよい。このことは、キャリア基質の無視できない層厚が、第一の層と反射層との間の距離を増加し、その結果、多層体により生じる光学可変効果の光学的な外観が、上述したように、さらに改善可能である、という効果を有する。
この場合、キャリア基質は、透明な窓を有し、これが多層体の第一の領域、第二の領域、及び/またはさらなる領域に対して少なくとも部分的に重ね合って配置されることが好ましい。
しかしながら、また、多層体は、さらに、転写フィルムまたは積層フィルムとして具体化され、この形態で、例えば、セキュリティまたは有価ドキュメントの基質に適用されてもよい。
本発明は、多数の典型的な実施形態に基づく以下の例により、添付図面を用いて説明される。
多層体の概略断面図を示す。 図1の多層体の層の概略平面図を示す。 図1の多層体の層の概略平面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う図1の多層体の層の概略平面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う図1の多層体の層の概略平面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う図1の多層体の概略平面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う多層体の概略断面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う多層体の概略断面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う多層体の概略断面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う多層体の概略断面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う多層体の概略断面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う多層体の概略断面図を示す。 さらなる典型的な実施形態に従う多層体の概略断面図を示す。 多層体の概略平面図を示す。 多層体の概略断面図を示す。 多層体の構造の概略平面図を示す。 多層体の概略断面図を示す。
図1は、転写フィルムである多層体1の概略断面図を示す。
多層体1は、キャリアフィルム10と、剥離層11と、保護ラッカー層12と、部分的な金属層13と、複製ラッカー層14と、金属層15と、接着層16とを有している。
キャリアフィルム10はプラスティックフィルムから成り、好ましくは6から125μmの層厚を有し、好ましくは、PET(ポリエチレン・テレフタレート)、PEN(ポリエチレン・ナフタレート)、またはBOPP(二軸延伸ポリプロピレン)から成る。剥離層11は、好ましくは印刷法により、キャリアフィルムに適用されている。
剥離層11は、ワックス成分を含み、層11から16を含む転写層を対象となる基質上に適用後、キャリアフィルム10を剥離可能とすることが好ましい。剥離層11は、キャリアフィルム10と保護ラッカー層12とが、材料に関して、これらの層の間の接着力が、隣の層との間の接着力より弱く、従って、下地層エレメントの破壊なしで、キャリアフィルム10が保護ラッカー層11から剥離可能であるように選択される場合、省略されてもよい。
保護ラッカー層12は、印刷法により、剥離層11に適用されることが好ましい。
保護ラッカー層12は、好ましくは1から3μmの層厚を有する透明なラッカー層である。この保護ラッカー層12も、省略されてもよい。
金属層13は、金属層の金属が提供されるゾーン21と、金属層の金属が提供されないゾーン22とを有する。部分的な金属層13を形成するために、例えば、蒸着または拡散により、保護ラッカー層12に全面積の金属層が適用されることが好ましい。続いて、金属層の金属が、ゾーン22において再度除去される。これは、ゾーン22において印刷によりエッチング液を適用することにより、ゾーン21において印刷によりエッチングレジストを適用し、続いてエッチング槽においてエッチングレジストにより保護されていない領域における金属層13を除去することにより、例えばレーザー・アブレーション等の切除法により、または、フォトレジストを適用、露光、及び現像し、続いて現像されたフォトレジストにより保護されていない領域において金属層を除去することにより、実現可能である。
この場合、金属層13の層厚は、10nmから200nmであることが好ましい。
第一のゾーン21は、100μm以下、好ましくは50μm以下の最小寸法を有するマイクロイメージの形態で形成される。これは、例として、図2b及び図3bの図を参照して説明される。図2b及び図3bの図は、例として、領域31及び領域32それぞれにおける、2つの異なる金属層13の構造を示している。最小寸法は、特に図3bにおいて、この最小寸法が、圧縮されない範囲では、最小寸法よりかなり大きい、マイクロイメージの圧縮された最小範囲と解釈されることを意味する。
従って、ゾーン、イメージ、またはマイクロイメージの最小寸法は、より小さい長さ及び幅から選択される寸法を意味するものと理解されたい。相対的に複雑な形状の場合は、長さ及び幅を決定するために、対応する仮想的な矩形が決定され、この矩形が、複雑な形状がこの矩形の中に配置され、相対的に複雑な形状の境界線ができるだけ多くこの矩形のエッジに接するように選択される。
領域31では、複数のゾーン21が提供され、これらは、各場合に、シンボル“e(ユーロ)”を表すマイクロイメージの形態で形成されている。この場合、第一のゾーン21は、第二のゾーン22に囲まれ、これが背景を形成し、この中には金属層13の金属が提供されていない。その結果、領域31では、層13は、金属層の金属が提供され、従って層13が不透明で反射性の、複数のゾーン21と、金属層13の金属が提供されず、従って層13が透明の、ゾーン22とから成る。領域31において第一のゾーン21により形成されるマイクロイメージは、二次元のマイクロイメージ格子に従って配置され、マイクロイメージ格子は、座標軸53と、それに直角な座標軸54とを有する、座標系に広がる。図2bに示すケースでは、隣り合うマイクロイメージは、座標軸53の方向において、マイクロイメージ距離63を有し、座標軸54の方向において、マイクロイメージ距離64を有する。この場合、マイクロイメージ距離は、隣り合うゾーン21の領域中心の間の距離を意味するものと理解されたい。マイクロイメージ距離63及びマイクロイメージ距離64は、領域31におけるマイクロイメージに対して、各場合に、300μm未満であるように選択される。マイクロイメージ63及び/またはマイクロイメージ64は、マイクロイメージ格子が座標軸53及び/または54の方向において一定の格子幅を有するように、領域31に配置される互いに隣り合うマイクロイメージに対して、各場合に、一定であってもよい(マイクロイメージ距離63と64とは異なってもよい)。しかしながら、隣り合うマイクロイメージ間のマイクロイメージ距離63及び64は、以下に示すように、領域31において、異なってもよい。
図3bの典型的な実施形態において、領域32では、ゾーン21は、変形形状を持ち、座標軸57とそれに直角な座標軸58とを有する座標系に広がる一次元格子に従って配置される、マイクロイメージの形態で具体化されている。この場合、領域32における層13がゾーン21とゾーン22とから成るように、ゾーン21は、図3bにおいて黒色で占められていない領域を満たすゾーン22により囲まれている。図3bに示すように、一次元マイクロイメージ格子の場合、連続するマイクロイメージが、一つの空間方向、すなわち、座標軸57の方向においてのみ提供される。この場合、隣り合うマイクロイメージは、互いにマイクロイメージ距離67離れて間隔をおき、領域32のマイクロイメージに対するマイクロイメージ距離67は、格子が一定の格子幅を持つように、各場合に、一定であってもよい。しかしながら、領域32における隣り合うマイクロイメージ間のマイクロイメージ距離67は、異なってもよく、マイクロイメージ距離67は、各場合に、300μm未満に選択される必要がある。
領域32におけるマイクロイメージは、100μm以下、好ましくは10μmから50μmの幅を有する。マイクロイメージの長さ、すなわち、図3bに示す場合において、座標軸58に沿うマイクロイメージの範囲は、300μmより大きく、好ましくは2mm以上に選択される。図3bに示すように、領域32におけるマイクロイメージは、変換関数により、基本イメージの横軸に対して基本イメージの縦軸を10倍以上に拡張した、例えば、50から100倍に拡張した、マイクロイメージから成る。
続いて、複製ラッカー層14が、層10、11、12及び13を含むフィルム体上の全面積に亘り、適用され、好ましくは印刷され、またはコーティングされる。
複製ラッカー層14は、2μmから50μm、さらに好ましくは5μmから20μmの層厚を有する。また、層14は、複数の層から成ってもよい。従って、例えば、層14は、例えば20μmの層厚を有するコア層と、それに適用され、マイクロ構造17が転写される実際の複製ラッカー層として機能する、ラッカー層とを有してもよい。この場合、コア層は、透明なプラスティックフィルム、特に、透明なポリエステルフィルムから成ってもよい。本実施形態は、特に20μm以上の層厚を有する層14の形成に対して有利である。
マイクロ構造17は、図1に例示するように、各場合に、ゾーン23において、層13から離れた複製ラッカー層14の表面に、すなわち、複製ラッカー層14と金属層15との間の境界面に転写されている。複製ラッカー層14は、例えば、透明な、熱可塑性ラッカーから成る層であり、マイクロ構造17が対応するエンボス加工転写により、熱及び圧力の作用下で転写される。さらに、複製ラッカー層14は、透明なUV硬化性ラッカーから成ってもよく、そこにはUV複製によりマイクロ構造17が転写される。
ゾーン23において、マイクロ構造17は、ゾーン23部分において好ましくは10nmから3μmの層厚を有する金属層15でカバーされている。この場合、ゾーン23におけるマイクロ構造17のデザインは、各場合に、第一の層13により広がる平面に対して垂直に、第三のゾーン23の各部分において層13の方向から入射する光を、各ゾーン23の面積よりも少なくとも10から20倍小さい面積の層13の領域に反射及び/または回折するように選択される(層13の層厚は、層13が平面に広がるように、その長さ/幅に対してわずかである)。
ゾーン23と、従って、マイクロ構造17とは、図2a及び図3aに例示するように、隣り合うマイクロ構造間の距離が300μm以下のマイクロ構造格子に従って配置される。
図2aは、領域31における層14の構造を示し、図3aは、領域32における層14の構造を示している。領域31において、ゾーン23と、従ってマイクロ構造17とは、座標軸51と、それに直角の座標軸52とを有する座標系に広がる二次元マイクロ構造格子に従って配置されている。この二次元格子の場合、ゾーン23と、従ってマイクロ構造17とは、座標軸51の方向と座標軸52の方向双方において、互いに連続する。隣り合うマイクロ構造は、座標軸51の方向において互いにマイクロ構造距離61の間隔を隔て、隣り合うマイクロ構造は、座標軸52の方向において互いにマイクロ構造距離62の間隔を隔てる。この場合、マイクロ構造距離は、各マイクロ構造17が提供される隣り合うゾーン23の領域中心間の距離を意味するものと理解されたい。
領域32において、マイクロ構造は、座標軸55と、それに直角の座標軸56とを有する座標系に広がる一次元マイクロ構造格子に従って配置されている。一次元マイクロ構造格子の場合、ゾーン23と、従ってマイクロ構造17とは、座標軸55の方向のみにおいて、互いに連続し、隣り合うマイクロ構造は、マイクロ構造距離65を有する。
その他の点に関しては、マイクロイメージ距離63、64及び67に関して既に上述された説明が、マイクロ構造距離61、62及び65に関して適用可能である。
マイクロ構造17は、回折構造であることが好ましい。この場合、領域31におけるマイクロ構造17は、空間周波数が、各ゾーン23の領域中心において最小であり、全方向、すなわち、座標軸51の方向及び座標軸52の方向双方において、領域中心からの距離が増加するに従い、連続的に増加する、マイクロ構造から成ることが好ましい。領域の中心部分における(各ゾーン23の面積の5%における)マイクロ構造17の平均空間周波数は、0.1ライン/mmから50ライン/mmであり、エッジ領域23では100ライン/mmから2,000ライン/mmである。また、マイクロ構造17は、同じ構造エレメント、例えば矩形構造エレメントから成らなくてもよく、マイクロ構造17の構造エレメントは、ゾーン23部分において、異なってもよく、従って、例として、各ゾーン23の領域中心に向かって配向される側面の側面傾斜は、領域中心部分において最小となり、各ゾーン23のエッジ領域の方向において連続的に増加し、従って、各ゾーン23の領域中心から進む座標軸51の方向及び座標軸52の方向双方において、連続的に増加する、側面傾斜を有する。さらに、また、マイクロ構造17は、キノフォーム、または、実質的に反射し、上述したイメージ特性を有するマイクロ構造により形成されてもよい。さらに、また、マイクロ構造17は、上述したイメージ特性を有するフレネルゾーンプレートにより形成されてもよい。
マイクロ構造17の構造深度は、100nmから30μm、好ましくは1μmから20μmである。
既に上述したように、座標軸51、52、53、54、55及び57は、ゾーン21及び23が互いに続く方向を規定する。この場合、座標軸51から58は、図2aから図3bにおける図で示すものと対照的に、直線の形態をとらなくてもよく、任意の他の線形形状を有してもよく、従って、例えば、波線形状または円形状で具体化されてもよい。そして、ゾーン21及び23も、それに応じて、互いに続く
座標軸53と51、及び、54と52、及び、座標軸55と57は、互いに平行に配向されることが好ましい(製造誤差の範囲内で)。しかしながら、これらの座標軸は、互いに対して、0°から5°の角度を成してもよい。座標軸51から58の位置に関係なく、隣り合うマイクロ構造間、及び、隣り合うゾーン21間の距離は、隣り合うマイクロ構造間のマイクロ構造距離、及び、該マイクロ構造に隣り合って配置される、隣り合うマイクロイメージ間のマイクロイメージ距離が、領域31または32における少なくとも一つの空間方向において、最大10%程度異なるように選択される。
座標軸51から57の互いに対する上述した配向の場合、隣り合って配置されるマイクロイメージ/マイクロ構造に対して、マイクロ構造距離61がマイクロイメージ距離63と最大10%程度、好ましくは0.1から5%異なり、マイクロ構造距離62がマイクロイメージ距離64と最大10%程度、好ましくは0.1から5%異なり、マイクロ構造距離65がマイクロイメージ距離67と最大10%程度、好ましくは0.1から5%異なる場合が有利である。
マイクロイメージ及びマイクロ構造は、領域31及び32において、同じであってもよい。しかしながら、マイクロイメージ及びマイクロ構造は、領域31及び32において、異なってもよい。この場合、マイクロイメージ/マイクロ構造が、領域31または32の中で連続的に変化する場合が有利である。従って、マイクロイメージの形状は、例えば、基本イメージの回転、及び/または、拡大、または縮小、及び、図3bの構造において、領域31または32での座標軸53、54、57及び58の座標系に依存する、後続の変形を含む、基本イメージの変形関数に従い、連続的に変化してもよい。同様に、マイクロ構造17は、ゾーン23において、各ゾーン23部分において第一の層の方向から入射する光が反射し及び/または回折する、層13の領域が、それぞれの面積、幅及び/または長さの観点で、特に、座標軸51及び52または55の座標系に依存する変形関数により同様に決定される方法で、互いに異なるように選択されてもよい。この手段により、多層体1が傾けられた場合、観察者による観察で多層体1が傾けられた場合に見える(三次元)効果を有する、モチーフの興味深い動き、拡大、および縮小効果を得ることができる。
従って、例えば、以下の光学効果を得ることができる。例えば、前傾と後傾で、2つのイメージ間の変更、例えば、開いた目と閉じた目、または、e(ユーロ)シンボルと数、を含む、フリップ効果を生じることができる。多層体が他の軸に対して、例えば、左から右に傾けられる場合、他のモーション・エフェクト効果が明らかになる。
さらに、動きまたは変形効果を生じることができ、例えば、多層体が傾けられる場合、動き、例えば、回転するプロペラ、走る人、または移動する雲が、可視化される。
さらに、ゾーン21、22及び23により決定されるマイクロイメージ格子及びマイクロ構造格子が互いに異なる領域が、互いに平行に隣り合って配置されてもよい。図4は、領域32及び33と、領域34と35とを含む多層体2の平面図を示す。領域32から35において、マイクロイメージ格子及びマイクロ構造格子は、特に、マイクロイメージ距離、マイクロ構造距離、及び、マイクロ構造格子及びマイクロイメージ格子により広がる座標軸の配向のグループから選択されるパラメータの一つにおいて、各場合に、互いに異なる。マイクロイメージ格子またはマイクロ構造格子は、各領域32から35において、同じでもよいが、それぞれ他の領域に関して、位置的なずれがあってもよい。領域34及び35において、例として、ゾーン21、22及び23は、マイクロイメージ距離マイクロ構造距離)の計算値が、領域34において正の値であり、領域35で負の値である、マイクロ構造格子及びマイクロイメージ格子に従って配置される。その結果、領域34及び35での傾きで明らかになるモチーフの反対の動きがもたらされる。また、モーション・エフェクトに対する光学的基準として機能するために、モーション・エフェクトを有する領域と隣り合う静的な領域との有利な組み合わせが可能である。例として、それは、領域32から35と静的な包囲領域36とにおけるモーション・エフェクトであり、あるいは、領域35における、それを囲みモーション・エフェクトのない領域34に対する、モーション・エフェクトであってもよい。
図5は、有価ドキュメント、例えば紙幣を形成する多層体3を示している。多層体3は、キャリア基質41と、図1の層12、13、14、15及び16とを有する。層12、13、14、15、16は、例えば図1に示す転写フィルムによりキャリア基質41に適用される、フィルムエレメント42を形成する。図1のマイクロ構造17は、図5の多層体3において、マイクロ構造17に対して、上述した偏向特性を有し、実質的に反射する、マイクロ構造18に置き替えられている。図5に示す実施形態では、マイクロ構造18は、反射性作用を有し、特に湾曲した凹面鏡を形成する、自由形態領域として作られ、これにより、特に、マイクロイメージ格子21、22に関して、拡大、縮小または変形効果を生じる。マイクロ構造18は、(図5に示すように)半円筒形、台形、または他の三角形の断面または輪郭形態を有してもよい。
自由形態領域として具体化されるマイクロ構造は、滑らかで、鏡面反射性の表面領域、及び/または、回折作用を有する表面領域を有することが提案されてもよい。回折性の表面領域は、背景としての他の滑らかな鏡面反射性の表面領域に、または、パターンとは異なる回折構造を有する表面領域に、パターンとして配置され、それ故にモチーフを形成してもよい。例として、半円筒形、台形、または他の三角形の断面または輪郭の形成されたマイクロ構造の隣り合う側面は、異なる回折モチーフを有してもよく、その結果、イメージチェンジ効果が異なる観察角度で生じ得る。この場合、マイクロ構造18のレリーフ深度は、好ましくは、3μmから50μm、さらに好ましくは、3μmから30μmである。その他の点に関しては、層12から16の構造と配置、及び、層12から16の互いの配置と位置は、図1から図4における図に関して上述した説明と同じである。
図6は、同様にセキュリティまたは有価ドキュメントである、さらなる多層体4を示している。多層体4は、孔45の形態の透明な窓を有する、キャリア基質43を有している。層12、13、14、15及び16を含むフィルムエレメント44は、窓形状の孔45の領域に適用されている。フィルムエレメント44の構造は、金属層15が全領域ではなく、ゾーン23部分に提供され、金属層15の金属が提供されないゾーン24が、ゾーン23の間に提供される、という違いを除いて、フィルムエレメント42の構造と同じである。ゾーン24部分では、フィルムエレメント44、従って多層体4は、さらなる光学可変効果が透過光での観察で見られるように、透明な形態で具体化されている。
図7は、層12、13、14、15及び16を含む、多層体5を示している。層12、14、15及び16は、マイクロ構造17が、図5及び図6のマイクロ構造18に置き替えられている、という違いを除いて、図1から図4での図の場合においてこれらの層に関連して上述したように具体化される。これらの層の構造及び配置に関しては、従って上の説明がなされる。
多層体1の層13に対して、層13は、単一の層により形成されず、上下に配置された2つの部分的な層である、部分層131及び132により形成されている。部分層131は、透明な複製ラッカー層であり、レリーフ構造133がゾーン21部分に転写されている。部分層132は、図1の層13のように具体化される、部分的な金属層であり、すなわち、金属層132の金属が、ゾーン21には提供され、ゾーン22には提供されていない。金属層は、レリーフ構造133に対する反射層として機能する。部分層132は、何らかの反射増加層、または、層131に対して、少なくとも0.5、好ましくは1.0ずれた屈折率を有する層であってもよく、その結果、レリーフ構造133は、部分層132で反射した光を通じて、反射して見える。
さらに、複製ラッカー層131は、省略されてもよく、レリーフ構造133及びマイクロ構造18が、層14により形成される共通の複製層に転写されてもよい。
レリーフ構造133は、回折構造、例えば、ホログラムまたはキネグラム(登録商標)構造であることが好ましい。従って、多層体5を傾けた際に生じる、動き、縮小、拡大及び変形効果が、それ自体が既に光学可変効果を伝えるモチーフに対してもたらされ、非常に印象的で特徴的なセキュリティ特性が多層体5で提供され得る。また、レリーフ構造133は、屈折作用を有する構造、例えば、レンズ状に形成され、半円筒形、台形、または三角形の輪郭または断面を有する構造でもよい。また、レリーフ構造133は、回折性の微細構造と屈折性の粗構造との組み合わせまたは重ね合わせであってもよく、微細構造と粗構造とは、互いにずれた格子ピッチを有してもよい。微細構造と粗構造とは、個別の複製ラッカー層に転写されてもよく(組み合わせ)、共通の複製ラッカー層に転写されてもよい(重ね合わせ)。格子ピッチのずれは、比較的大きく、例えば、微細構造はマイクロ構造と同様の格子ピッチを有し、粗構造は、マイクロ構造の格子より、略1.5または2または3倍大きい格子ピッチを有することが好ましい。粗構造が、領域パターンとして、微細構造の格子の上に適用される場合、粗構造と、微細構造と、マイクロ構造18とが別々に重ね合わされ、これにより複数の光学効果を示す、パターン化された、特に巨視的な領域部分が規定可能である。
図8は、層12、13、14、15及び16を含む、多層体6を示している。層12から16は、構造と配置の観点で、層13が部分層131及び132に平行な部分層135を有し、レリーフ構造133とは異なるレリーフ構造134が、部分層131に転写されている、という違いを除いて、図7の層12から16と同じである。層135は、反射性のカバー層、例えば、反射性のカラー層であり、ゾーン21部分には提供され、ゾーン22部分には提供されない。この層によりもたらされるものは、レリーフ構造134の光学効果が層14の方向からはもたらされず、レリーフ構造134の光学効果が、多層体6により形成される光学可変効果(動き、縮小、拡大及び変形効果)の背景を単に形成するだけである、ということである。レリーフ構造134は、層135、14及び15により形成される光学可変効果に光学的に重ね合わされる、ホログラムまたはキネグラム(登録商標)構造により、同様に形成されることが好ましい。さらに、レリーフ構造134は、0.5以上の深度対幅比率と1,500ライン/mm以上の空間周波数とを有するレリーフ構造により形成されてもよく、ゾーン21の上面から反射される光が最小化され、従って多層体6により生じる光学可変効果のコントラスト及び光度が向上する効果を有する。
図9は、層12、13、14、15及び16を含む、多層体7を示している。層12、13、14、15及び16は、層13が部分層131及び132に平行な部分層136を含む、という違いを除いて、図7の層12、13、14、15及び16と同様に具体化される。これらの層の構造及び配置に関しては、従って、上記説明を参照されたい。部分層136は、カバー層、例えばカラーラッカー層により形成され、このカバー層、例えばカラー層は、ゾーン21には提供され、ゾーン22には提供されない。このことは、ゾーン22において、レリーフ構造133により生じる光学効果を層13の上面では観察させず、従って、層131、132、14及び15により生じるモチーフに影響するだけである。
図10は、層12、13、14、15及び16を含む、多層体8を示している。層12、13、14、15及び16は、層13が部分層131及び132に平行な部分層137を含む、という違いを除いて、図7の層12、13、14、15及び16と同様に具体化される。これらの層12、13、14、15及び16の構造及び配置に関しては、従って、上記説明を参照されたい。
部分層137は、複製ラッカー層とゾーン21部分に提供される反射層とから成り、ゾーン21部分において、さらにレリーフ構造138が複製ラッカー層と反射層との間の境界層に転写されている。さらに、レリーフ構造138が部分層131の上面に転写され、部分層137が金属層から成り、金属層の金属が、ゾーン21には提供され、ゾーン22には提供されない。レリーフ構造133及び138は、異なる回折構造、例えば、異なるホログラム及び/またはキネグラム(登録商標)構造であることが好ましい。
フィルム体8の場合、レリーフ構造138は、第一に、層131、132、14及び15によりもたらされる光学可変効果に対する光学可変背景効果(重ね合わせ)をもたらし、第二に、図7を参照して既述した光学可変効果をもたらし、この場合、層13及び層14と15の構造により生じる光学可変効果は、基本モチーフとしての光学可変モチーフに既に基づいている。
図11は、層16、13、14、15及び16と、プラスティック、特にポリエステルフィルムから成るキャリアフィルムである層19とを含む、多層体9を示している。キャリアフィルム19は、6から100μm、特に略20μmから50μmの厚みを有することが好ましい。
層16、13、14、15及び16は、図7の場合の説明のように具体化され、それに関する上記説明を参照されたい。
本実施形態では、キャリアフィルム19は、両面が、複製ラッカー層である層14及び131でカバーされている。マイクロ構造18及びゾーン21におけるレリーフ構造133は、それぞれ複製ラッカー層14及び131に転写されている。さらに、マイクロ構造18は、金属反射層15でカバーされ、ゾーン21におけるレリーフ構造133は、部分金属層132の金属でカバーされている。そして、こうして形成された多層体は、両面に接着層16が備えられる。
得られるフィルム体は、特にロバスト製に優れ、例えば、セキュリティ・スレッドまたはセキュリティ・ストリップとして、公知の方法により、紙幣のキャリア基質に、例えば、紙幣用紙に、導入される。フィルム体9が紙幣のキャリア基質に導入された後、フィルム体は、キャリア基質及びフィルム体9を壊すことなく、ほとんど困難なくキャリア基質から再び除去可能であり、確実に得られるセキュリティ・ドキュメントは、偽造に対する高いセキュリティを有する。
また、図11のフィルム体9は、例えば、転写フィルムとして具体化されてもよい。この目的のために、上部接着層16、すなわち、層13上に位置する接着層16が、図1の層10から12に置き替えられ、すなわち、層13が、随意の保護ラッカー層12と、剥離層11と、キャリアフィルム10とに続く。図12a及び図12bは、さらなる多層体70の基本構造を示している。図12bは、例えば紙幣のキャリア基質41に適用された多層体70を示している。多層体70は、層13、複製ラッカー層14、金属層15及び接着層16を有している。マイクロ構造18が、ゾーン23に転写されている。
層14、15及び16、及び、マイクロ構造18は、図1から図11における前述した図を参照して説明したように具体化され、マイクロ構造18が、上述したマイクロ構造17に置き替えられる。これらの層の実現可能な構造の詳細に関しては、前述した説明を参照されたい。
13は、透明な複製ラッカー層である。該層は、ゾーン21とゾーン22とを有する。ゾーン21は、図12aに示す全体イメージの部分イメージを示す、イメージの形態で形成されている。この場合、ゾーン21は、300μm以上、好ましくは3mm以上の最小寸法を有し、従って、観察者に見える。
ゾーン21では、図12bに示すように、構造71が層13に転写されている。構造71は、マイクロ構造17と18、及び、レリーフ構造133と134に関して上述したものと同じ構造であってもよい。
構造71は、この場合、回折構造であり、空間周波数が各ゾーン21の領域部分に亘って変化することが好ましい。この場合、空間周波数の変化は、図13に示されるように選択されることが好ましい。
図13は、矩形形状ゾーン21を埋める、構造80の概略的平面図である。線82は、構造80の極値の線を示し、構造80の各局所的空間周波数が、線82間の距離から得られる。さらに、図13において、ゾーン21の領域中心81に印がつけられている。従って、領域中心81から進むに従い、構造80の空間周波数が、図13から明らかなように、全空間方向と、空間方向83及び84において増加する。図13に示すように、空間周波数のこの増加は、この場合、線82、すなわちレリーフ構造82の極値が、互いに平行に配向されるように、有利に選択される。
図14は、基質41に適用された多層体75を示している。多層体75は、層13が透明なラッカー層とその上に印刷された透明な層74とをここでは有すること以外は、図12bの多層体70と同様に作られている。この場合、レリーフ構造72を有する層74は、該層74の表面が、図14に示すように、ゾーン21においてレンズタイプの形状を有するような方法で、多層体75の下地層に印刷されている。
さらに、透明な層13が、ゾーン21において着色され、または、ゾーン22に対する透明性が低下または向上し、従って、ゾーン21及びゾーン22における層13が、人間の眼に見える光の帯域で異なるフィルター効果を有する場合が、特に有利である。
EP 0 330 733 A1 EP 0 064 067 A1

Claims (15)

  1. セキュリティ・ドキュメント保護用の多層体(1から9)であって、複数の不透明な及び/または反射性の第一のゾーン(21)を有する第一の層(13)を含み、前記第一のゾーン(21)は一つまたは複数の透明な第二のゾーン(22)により互いにそれぞれ分離され、前記第一のゾーン(21)が、100μm以下の最小寸法を有するマイクロイメージとして形成され、第一の空間方向における隣り合うマイクロイメージ間の距離が300μm以下のマイクロイメージ格子に従って配置され、前記マイクロイメージ格子が、座標軸x1(53、57)とそれに直角の座標軸y1(54、58)とを有する第一の座標系に広がり、透明な材料から成る第二の層(14)を含み、該第二の層が、前記第一の層(13)の下に配置され、前記第二の層(14)の下に配置される反射層(15)を含み、前記第二の層(14)が複数の第三のゾーン(23)を有し、前記第三のゾーンそれぞれにおいて、マイクロ構造(17、18)が、前記第二の層(14)と前記反射層との間の前記第一の層から離れた境界面に転写され、前記第三のゾーンが前記反射層(15)でカバーされ、前記各マイクロ構造(17、18)が、前記第一の層により広がる平面に対して垂直に、前記第三のゾーン(23)の各部分において前記第一の層の方向から入射する光を、前記各第三のゾーン(23)の面積より少なくとも10倍小さい面積の前記第一の層の領域に反射及び/または回折するように作られ、前記マイクロ構造(17、18)が、第二の空間方向における隣り合うマイクロ構造間の距離が300μm以下のマイクロ構造格子に従って配置され、このマイクロ構造格子が、座標軸x2(51、55)とそれに直角の座標軸y2(52、56)とを有する第二の座標系に広がり、前記多層体の第一の領域(31、32)において、前記マイクロイメージ格子のマイクロイメージと、前記マイクロ構造格子のマイクロ構造とが、互いに固定位置で、重なり合う形態で配置され、隣り合う前記第三のゾーン(23)の領域中心間の距離によって決まるマイクロ構造距離(61、62)と、隣り合う前記第一のゾーン(21)の領域中心間の距離によって決まるマイクロイメージ距離(63、64、67)とが、前記第一の領域(31、32)における少なくとも一つの第三の空間方向において、互いに最大10%異なり、前記第一の領域(31、32)において、前記第一のゾーン(21)に占められる面積が、前記第三のゾーン(23)に占められる面積よりも、少なくとも4倍小さい、多層体(1から9)。
  2. セキュリティ・ドキュメント保護用の多層体(70、75)であって、一つまたは複数の透明な第一のゾーン(21)を有する第一の層(13)を含み、前記第一のゾーン(21)は一つまたは複数の透明な第二のゾーン(22)により互いにそれぞれ分離され、前記第一のゾーン(21)及び前記第二のゾーン(22)が、入射光に対して異なる透過挙動を有し、異なる色であり、異なる透過率を有し、及び/または入射光を異なって屈折するように、前記第一の層(13)が作られ、透明な材料から成る第二の層(14)を含み、該第二の層が、前記第一の層(13)の下に配置され、前記第二の層(14)の下に配置される反射層(15)を含み、前記第二の層(14)が複数の第三のゾーン(23)を有し、前記第三のゾーンそれぞれにおいて、マイクロ構造(17、18)が、前記第二の層と前記反射層との間の前記第一の層から離れた境界面に転写され、前記第三のゾーンが前記反射層でカバーされ、前記各マイクロ構造(17、18)が、前記第一の層により広がる平面に対して垂直に、前記第三のゾーンの各部分において前記第一の層の方向から入射する光を、前記各第三のゾーン(23)の面積より少なくとも10倍小さい面積の前記第一の層の領域に反射及び/または回折するように作られ、前記マイクロ構造(17、18)が、第二の空間方向における隣り合うマイクロ構造間の距離が300μm以下のマイクロ構造格子に従って配置され、このマイクロ構造格子が、座標軸x2(51、55)とそれに直角の座標軸y2(52、56)とを有する第二の座標系に広がり、前記第一の層(13)において前記第一のゾーン(21)に占められる面積が、前記第二の層(14)において前記第三のゾーン(23)に占められる面積よりも、少なくとも4倍小さい、多層体(70、75)。
  3. 前記第一の層(13)が、一つまたは複数の前記第一のゾーン(21)において、各場合に、入射光を偏向する第一の回折または屈折構造(71、72)を有し、その構造が前記第一の層(13)の表面または前記第一の層の部分層の表面に転写され、前記第一の層(13)が、一つまたは複数の前記第二のゾーン(22)において、各場合に、入射光を偏向する回折または屈折構造を有さず、または、入射光を偏向する第二の回折または屈折構造を有し、その構造が前記第一の構造(71、72)とは異なり、前記第一の層の表面または前記第一の層の部分層の表面に転写されること、
    を特徴とする請求項2に記載の多層体。
  4. 前記第一の領域(31、32)において、前記第一及び第二のゾーン(21、22)の総面積において前記第一のゾーン(21)により占められる面積比率が、40%から2%であること、
    を特徴とする請求項1に記載の多層体(1から9)。
  5. 前記マイクロ構造(17、18)が、各場合に、前記第一の層により広がる平面に対して垂直に、前記第三のゾーン(23)の各部分において前記第一の層の方向から入射する光を、前記各第三のゾーン(23)の面積より10から10,000倍小さい面積の前記第一の層の領域に反射及び/または回折するように具体化されること、
    を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の多層体(1から9)。
  6. 前記マイクロ構造(17)が、300ライン/mm以上の空間周波数を有する回折構造であること、または、前記マイクロ構造(17)が、各場合に、キノフォームであること、及び/または、前記マイクロ構造(17)の前記空間周波数が、前記各第三のゾーン(23)の前記領域中心において最小であり、前記マイクロ構造の前記空間周波数が、前記領域中心から進む少なくとも一つの空間方向において増加すること、または、前記各第三のゾーンの前記領域中心に対して配向される前記マイクロ構造(17)の構造エレメントの側面の側面傾斜が、前記領域中心から進む少なくとも一つの空間方向において増加すること、または、前記第二の層(14)に転写される前記マイクロ構造の局所的な構造深度が、前記各第三のゾーンの前記領域中心から進む少なくとも一つの空間方向において減少すること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の多層体(1)。
  7. 前記各第三のゾーン(23)が、前記反射層(15)が提供されていない一つまたは複数の第四のゾーン(24)に囲まれ、前記多層体(4)が、前記第四のゾーン(24)において、透明な形態で具体化されること、
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の多層体(4)。
  8. 第一の回折表面構造(133)が、前記第一のゾーン(21)における前記第一の層(13)の、前記第二の層(14)に対向して配向される、下方の境界面に転写され、前記第一の回折表面構造とは異なる、第二の回折表面構造が、前記第二のゾーンに転写されること、
    を特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の多層体(5、7、8)。
  9. 第三の回折表面構造(134、138)が、前記第二の層から離れて対向する、前記第一の層、または、前記第一の層の部分層の上方の境界面に転写され、前記第三の表面構造が、0.5以上の前記構造エレメントの深度対幅比率と、2,000ライン/mm以上の空間周波数とを有する表面構造により形成されていること、
    を特徴とする請求項6に記載の多層体(6、9)。
  10. 前記マイクロイメージ格子及び/または前記マイクロ構造格子が、前記第一の領域(32)において、一次元格子であること、
    を特徴とする請求項1に記載の多層体(2)。
  11. 前記マイクロイメージ格子及び/または前記マイクロ構造格子の格子ピッチが、前記第一の領域における少なくとも一つの空間方向において、連続的に変化すること、または、前記マイクロイメージ格子及び/または前記マイクロ構造格子の格子ピッチが、前記第一の領域における前記座標軸y1及び/またはy2において一定であり、前記マイクロイメージ格子及び/または前記マイクロ構造格子の格子ピッチが、前記座標軸x1及び/またはx2の方向において、関数F(x, y)に従い、前記座標軸y1及び/またはy2により決定される座標y、及び/または、前記座標軸x1及び/またはx2により決定される座標xに依存して、変化すること、
    を特徴とする請求項1に記載の多層体。
  12. 前記マイクロイメージの縦方向軸が、変形関数により、前記マイクロイメージの横方向軸に対して、10倍以上拡張されること、及び/または、前記第一の領域における前記マイクロイメージ格子の前記マイクロイメージが、基本イメージの回転、及び/または、拡大、または、縮小と、随意で続く変形と、を含む、変換関数に従う基本イメージの幾何学的な変形により形成されたマイクロイメージにより形成されること、
    を特徴とする請求項1に記載の多層体。
  13. 前記マイクロ構造格子の少なくとも2つのマイクロ構造が、前記第一の領域において互いに異なり、
    前記第三のゾーンの各部分において前記第一の層の方向から入射する光が反射及び/または回折する前記第一の層の領域が、変形関数に従い、前記x2及び/またはy2座標軸上の座標に依存して、その面積、幅、及び/または長さに関して変化すること、及び/または、前記第一及び/または第二の座標系が、円または波線形状の座標軸を有する座標系により形成されること、
    を特徴とする請求項1に記載の多層体。
  14. 前記多層体の第二の領域において、該第二の領域が、前記第一の領域と平行に配置され、前記マイクロイメージ格子の前記マイクロイメージと、前記マイクロ構造の前記マイクロ構造格子とが、互いに固定位置で、重なり合う形態で配置され、隣り合う第三のゾーンの前記領域中心間の距離によって決まる前記マイクロ構造距離と、隣り合う第一のゾーンの前記領域中心間の距離によって決まる前記マイクロイメージ距離とが、前記第二の領域における少なくとも一つの空間方向において、互いに最大10%異なり、前記第二の領域における前記マイクロイメージ格子及び/または前記マイクロ構造格子が、前記第一の領域における前記マイクロイメージ格子及び/または前記マイクロ構造格子に対して、マイクロイメージ距離、マイクロ構造距離、x1、x2、y1、y2軸の配向、及び前記マイクロイメージの変形のグループから選択される一つ以上のパラメータに関して、異なり、(前記マイクロイメージ距離−前記マイクロ構造距離)の計算値が、前記第一の領域において正の値であり、前記第二の領域において負の値であり、2つ以上の第一及び第二の領域が、互いに平行に、交互に配置され、または、前記マイクロイメージ格子の前記マイクロイメージが、前記第一の領域及び前記第二の領域において、互いに異り、または、前記第一の領域及び前記第二の領域において、前記各マイクロイメージ格子及び/または前記各マイクロ構造格子が、前記座標軸y1及び/またはy2に関して、互いに位置的なずれを有し、または、前記第一の領域における前記マイクロ構造格子の前記マイクロ構造が、前記第二の領域における前記マイクロ構造格子の前記マイクロ構造と異なり、前記第三のゾーンの各部分において前記第一の層の方向から入射する光が反射及び/または回折される前記第一の層の領域が、その面積、幅、及び/または長さに関して異なること、
    を特徴とする請求項1に記載の多層体。
  15. 前記多層体が、セキュリティまたは有価ドキュメントであり、前記多層体が、キャリア基質(41、43)を有し、前記第一及び第二の層が、前記キャリア基質の反対側に配置されていること、
    を特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の多層体(3、4)。
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