JP5673570B2 - 塗膜の乾燥状態推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗膜の乾燥状態推定方法、特に、粒子と溶媒とを混合したペーストを基材の表面に塗布して、基材の表面にペーストからなる塗膜を形成した後に、塗膜を乾燥させることによって粒子を有する多孔体を形成する期間中の塗膜の乾燥状態を推定する方法に関する。
特許文献1には、基材上の塗布層の乾燥速度推定方法が開示されている。具体的には、塗布層表面の境膜伝熱係数と、塗布層内の水分質量を算出する式と、塗布層内の水分質量変化を算出する式とを利用して、基材上の塗布層の乾燥速度を推定する方法が開示されている。
特開2008−203045号公報
ところで、リチウムイオン二次電池や燃料電池などの電池の電極は、次のようにして作製する。まず、電極材料である粒子(活物質粒子)と溶媒とバインダを混合したペーストを用意する。次いで、このペーストを基材の表面に塗布して、基材の表面にペーストからなる塗膜を形成する、その後、この塗膜を乾燥(溶媒を蒸発)させることで、粒子を有する多孔体(バインダによって多数の粒子が結合してなる膜であって、粒子間に形成された空隙によって多孔質となる膜)を形成する。
近年、上述のような粒子と溶媒とを混合したペーストからなる塗膜を乾燥させる期間中に、塗膜の乾燥状態を適切に推定できる方法が求められている。しかしながら、特許文献1では、このような塗膜の乾燥状態を適切に推定することはできなかった。その理由は、以下の通りである。粒子と溶媒とを混合したペーストからなる塗膜を乾燥させた場合、乾燥開始からしばらくの期間は、溶媒の蒸発速度を一定とした定率乾燥期間となる。
しかしながら、溶媒(その一部)の蒸発により塗膜の厚みが多孔体(乾燥完了後の塗膜)と同一の厚みに達した後、すなわち、溶媒量が多孔体内の空隙体積と一致して溶媒が多孔体内の空隙をちょうど満たす状態になった後は、溶媒の蒸発速度が減少してゆく減率乾燥期間となる。具体的には、この減率乾燥期間では、多孔体(塗膜)内に溶媒の液相と気相とが混在した状態となり、溶媒が、多孔体(塗膜のうち溶媒が蒸発により消失している部分)内の孔(空隙)を通じて、多孔体の外部へ移動(蒸発)してゆくことになる。このため、この減率乾燥期間においては、多孔体(塗膜のうち溶媒が蒸発により消失している部分)内の毛管圧駆動による溶媒移動、溶媒の液相から気相への相変化、気相における拡散による溶媒移動を考慮して、塗膜の乾燥状態を推定する必要があった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、溶媒(その一部)の蒸発により塗膜の厚みが多孔体(乾燥完了後の塗膜)と同一の厚みに達した後において、塗膜の乾燥状態を適切に推定することができる方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、粒子と溶媒とを混合したペーストを基材の表面に塗布して、上記基材の表面に上記ペーストからなる塗膜を形成した後に、上記塗膜を乾燥させることによって上記粒子を有する多孔体を形成する期間中の上記塗膜の乾燥状態を推定する方法において、上記溶媒の一部の蒸発により上記塗膜の厚みが上記多孔体と同一の厚みに達した後、多孔体内の気液2相流の方程式である下記式(1)のうち、溶媒濃度Cを下記式(2)で表される数式に変換すると共に、溶媒の気相の実効拡散係数Deffを下記式(3)で表される数式に変換し、この変換した式から飽和度sを算出する塗膜の乾燥状態推定方法である。
但し、上記式(1)において、
また、上記式(4)において、
また、上記式(5)において、
また、上記式(1)において、
また、上記式(9)において、
Cは、溶媒の気相と液相の混合濃度である。ρlは、溶媒の液相の密度である。Mは、溶媒の分子量である。sは、上記多孔体の空隙中に溶媒の液相が占める割合を表す飽和度である。Cgは、溶媒の飽和蒸気濃度である。εは、上記多孔体の空隙率である。D0は、溶媒の気相の拡散係数である。Kは、上記多孔体の浸透率である。ν=1/(krl /νl+krg /νg )である。νlは、溶媒の液相の動粘度である。νgは、溶媒の気相の動粘度である。krl =s3である。krg =(1−s)3である。Pcは、毛管圧である。σは、溶媒の表面張力である。θは、溶媒の接触角である。J(s)は、レベレッタ関数である。dは、上記粒子の平均粒径である。
式(11)は、溶媒の流速である。
上述の塗膜の乾燥状態推定方法では、溶媒の一部の蒸発により上記塗膜の厚みが上記多孔体と同一の厚みに達した後において、多孔体内の気液2相流に関する方程式である式(1)のうち、溶媒濃度Cを式(2)で表される数式(右辺)に変換すると共に、溶媒の気相の実効拡散係数Deffを式(3)で表される数式(右辺)に変換し、この変換した式から飽和度sを算出する。ここで、飽和度sとは、上記多孔体の空隙中に溶媒の液相が占める割合を表す値であり、0〜1の範囲の数値(多孔体の空隙の100%を溶媒の液相が占めるとき、s=1となる)で表される。
ここで、式(1)の左辺の第2項は、対流による溶媒の輸送(移動)を表す式である。また、式(1)の右辺の第1項は、蒸気による溶媒の輸送を表す式であり、第2項は、毛管圧による溶媒の輸送(移動)を表す式である。
また、式(2)の右辺の第1項は、溶媒の液相の割合を表す式であり、第2項は、溶媒の気相(蒸気)の割合を表す式である。また、式(3)は、溶媒の気相における拡散による移動を考慮した実効拡散係数を表す式である。
従って、上述のように飽和度sを算出することで、溶媒(その一部)の蒸発により塗膜の厚みが多孔体(乾燥完了後の塗膜)と同一の厚みに達した後において、多孔体(塗膜のうち溶媒が蒸発により消失している部分)内の毛管圧駆動による溶媒移動、溶媒の液相から気相への相変化、気相における拡散による移動を考慮して、塗膜の乾燥状態(飽和度s)を適切に推定することができる。
なお、「溶媒(その一部)の蒸発により塗膜の厚みが多孔体(乾燥完了後の塗膜)と同一の厚みに達した後」とは、「塗膜中の溶媒量が多孔体の空隙体積と一致して、溶媒が多孔体内の空隙をちょうど満たす状態になった後」をいう。
また、「溶媒の一部の蒸発により塗膜の厚みが多孔体と同一の厚みに達した」か否かは、例えば、次のようにして判断することができる。基材の表面に塗膜を形成した時(乾燥前)の塗膜の状態及び乾燥条件に基づいて、溶媒の定率(恒率)蒸発速度を求め、この定率蒸発速度に基づいて現在の塗膜の厚みを推定することにより判断することができる。
具体的には、まず、基材の表面に塗膜を形成した時(乾燥前)の塗膜の厚み、この塗膜に含まれる溶媒量(体積)、及び、多孔体の厚みを、予め把握しておく。そして、基材の表面に形成した塗膜の乾燥を開始したら、公知の方法により、溶媒の蒸発速度(定率、一定)を算出する。例えば、膜表面熱伝達係数(境膜伝達係数)、物質伝達係数(物質移動係数)を算出し、これらの値に基づいて、溶媒の定率(恒率)蒸発速度を求めることができる。
その後、溶媒の蒸発速度(定率)と乾燥時間との積を算出することで、蒸発した溶媒量を求める。さらに、蒸発した溶媒量から、減少した塗膜の厚み(塗膜の体積減少分は、蒸発した溶媒の体積に一致する)を求める。そして、乾燥前の塗膜の厚みから、溶媒の蒸発により減少した塗膜の厚みを差し引くことで、現在の塗膜の厚みを推定することができる。その後、推定した塗膜の厚みが、多孔体と同一の厚みに達したか否かを判定することで、「溶媒の一部の蒸発により塗膜の厚みが多孔体と同一の厚みに達した」か否かを判定することができる。
また、2次元レーザー変位計により、塗膜の厚みを測定して、測定された塗膜の厚みが多孔体と同一の厚みに達したか否かを判定することで、「溶媒の一部の蒸発により塗膜の厚みが多孔体と同一の厚みに達した」か否かを判定するようにしても良い。
さらに、蒸気の塗膜の乾燥状態推定方法であって、算出された前記飽和度sの値が0になったか否かを判定し、飽和度sの値が0になったと判定した場合は、前記塗膜の乾燥が完了したと判断する塗膜の乾燥状態推定方法とすると良い。
多孔体の空隙中に溶媒の液相が占める割合が「0」になったとき、すなわち、飽和度sの値が0になったとき、塗膜の乾燥が完了したといえる。そこで、上述の塗膜の乾燥状態推定方法では、前述のようにして算出された飽和度sの値が0になった場合は、塗膜の乾燥が完了したと判断するようにした。これにより、塗膜の乾燥完了(終了)を適切に判断することができる。
なお、塗膜の乾燥を開始した時から飽和度sの値が0になったと判定されるまでの時間を計測することで、塗膜の乾燥時間(塗膜の乾燥を完了させるのに要する時間)を把握することができる。すなわち、塗膜の乾燥を開始した時から飽和度sの値が0になったと判定されるまでの時間を、塗膜の乾燥を完了させるのに要する時間として把握することができる。
基材の表面に形成された塗膜の断面図である。 乾燥により塗膜の厚みが多孔体と同一の厚みに達したときの塗膜の断面図である。 塗膜の厚みが多孔体と同一の厚みに達した後、さらに乾燥が進行したときの塗膜の断面図である。 基材の表面に形成された多孔体の断面図である。 実施形態にかかる塗膜の乾燥状態推定方法の流れを示すフローチャートである。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図4は、基材の表面に形成した塗膜を乾燥させたときの様子を示す図である。具体的には、図1は、粒子21と溶媒23とを混合したペースト25を、基材10の表面に塗布して、基材10の表面にペースト25からなる塗膜20を形成したとき(乾燥前)の様子を示す図である。図1に示すように、基材10の表面にペースト25からなる塗膜20を形成したとき(乾燥前)は、塗膜20は、溶媒23中に粒子21が分散した状態となっている。図中のBFは、気液界面を表している。
なお、粒子21としては、例えば、黒鉛粒子やリチウム遷移金属複合酸化物粒子などが挙げられる。また、溶媒23としては、例えば、有機溶剤(NMPなど)や水などがあげられる。ペースト25は、溶媒23中に、粒子21を分散させたものであり、粒子21の他にバインダ等を含有させても良い。また、基材10としては、例えば、金属箔(銅箔やアルミニウム箔など)を挙げることができる。
図2は、塗膜20の乾燥(溶媒23の蒸発)が進み、塗膜20の厚みT1が多孔体30(図4参照)の厚みT2に達したとき(T1=T2になったとき)の様子を示している。換言すれば、溶媒23(その一部)の蒸発により、塗膜20中の溶媒23の量が多孔体30の空隙Vの体積と一致して、溶媒23が多孔体30内の空隙Vをちょうど満たす状態になったときの様子を示している。
なお、図1に示す状態から図2に示す状態に至るまでの期間は、溶媒23の蒸発速度を一定とした定率乾燥期間となる。一方、図2に示す状態に達した後、すなわち、溶媒23(その一部)の蒸発により塗膜20の厚みが多孔体30と同一の厚みに達した後は、溶媒23の蒸発速度が減少してゆく減率乾燥期間となる。
図3は、塗膜20の乾燥(溶媒23の蒸発)がさらに進み、塗膜20(多孔体30)内に、溶媒23の液相と気相とが混在した状態を示している。すなわち、気液界面BFが、塗膜20の内部に入り込んだ(塗膜20の表面よりも下方となった)状態である。なお、塗膜20のうち、気液界面BFよりも上方に位置する部分(溶媒23が蒸発により消失した部分)は、多孔体(多孔体30の一部)となっている。
図4は、塗膜20の乾燥(溶媒23の蒸発)が完了して、基材10の表面に粒子21を有する多孔体30が形成された(塗膜20が多孔体30となった)様子を示している。多孔体30は、例えば、図示しないバインダによって多数の粒子21が結合してなる多孔質膜(層)であって、粒子21間に形成された空隙Vによって多孔質となった膜(層)である。
図2に示す状態から図4に示す状態に至るまでの期間は、溶媒23の蒸発速度が減少してゆく減率乾燥期間となる。具体的には、この減率乾燥期間では、塗膜20(多孔体30)内に溶媒23の液相と気相とが混在した状態となり、溶媒23が、多孔体(多孔体30の一部)内の孔(空隙V)を通じて、多孔体の外部(図2及び図3において上方)へ移動(蒸発)してゆくことになる。このため、この減率乾燥期間においては、多孔体内の毛管圧駆動による溶媒23の移動、溶媒23の液相から気相への相変化、気相における拡散による溶媒10の移動を考慮して、塗膜の乾燥状態を推定する必要がある。
そこで、本実施形態では、後述するように、溶媒23(その一部)の蒸発により塗膜20の厚みT1が多孔体30の厚みT2と同一になった後は、多孔体内の気液2相流方程式である下記式(1)に基づいて、塗膜の乾燥状態を推定するようにしている。具体的には、式(1)のうち、溶媒濃度Cを下記式(2)で表される数式(右辺)に変換すると共に、溶媒の気相の実効拡散係数Deffを下記式(3)で表される数式(右辺)に変換し、この変換した式から飽和度sを算出する。
ここで、飽和度sとは、多孔体の空隙中に溶媒の液相が占める割合を表す値であり、0〜1の範囲の数値(多孔体の空隙の100%を溶媒の液相が占めるとき、s=1となる)で表される。
上述のように飽和度sを算出することで、溶媒23(その一部)の蒸発により塗膜20の厚みが多孔体30(乾燥完了後の塗膜)と同一の厚みに達した後において、多孔体(塗膜20のうち溶媒23が蒸発により消失している部分、図3において塗膜20のうち気液界面BFより上方に位置する部分)内の毛管圧駆動による溶媒移動、溶媒の液相から気相への相変化、気相における拡散による移動を考慮して、塗膜の乾燥状態(飽和度s)を適切に推定することができる。
次に、本実施形態にかかる塗膜の乾燥状態推定方法について説明する。図5は、本実施形態にかかる塗膜の乾燥状態推定方法の流れを示すフローチャートである。
図示しない乾燥装置により、基材10の表面に形成した塗膜20(図1参照)の乾燥を開始すると、ステップS1において、公知の手法により、溶媒10の蒸発速度(定率)を算出する。例えば、桐栄良三著の「乾燥装置(日刊工業新聞社発行)」に記載されている「恒率乾燥速度」の算出方法により、溶媒10の蒸発速度(定率)を算出することができる。恒率乾燥速度が、溶媒10の蒸発速度(定率)に相当する。
次に、ステップS2に進み、溶媒蒸発速度と乾燥時間との積を算出することで、蒸発した溶媒10の量を求める。
なお、本実施形態では、基材10の表面に塗膜20を形成した時(乾燥前)の塗膜20の厚み、この塗膜20に含まれる溶媒量(体積)、及び、多孔体30の厚みは、予め把握しておき、ステップS1〜S7の処理を行うコンピュータ(図示なし)に記憶させておく。
その後、ステップS3に進み、現在の塗膜20の厚みを求める。具体的には、ステップS2で求めた溶媒蒸発量から、減少した塗膜20の厚み(塗膜20の体積減少分は、蒸発した溶媒10の体積に一致する)を求める。そして、乾燥前の塗膜20の厚みから、溶媒の蒸発により減少した塗膜20の厚みを差し引くことで、現在の塗膜20の厚みT1を算出することができる。
次いで、ステップS4に進み、ステップS3で算出された塗膜20の厚みT1が、多孔体30と同一の厚みT2に達したか否かを判定する。ステップS4において、未だ、塗膜20の厚みT1が多孔体30の厚みT2に達していない(NO)と判定された場合は、前述のステップS2〜S4の処理を繰り返す。
一方、塗膜20の厚みT1が多孔体30の厚みT2に達していない(NO)と判定された場合は、ステップS5に進み、多孔体内の気液2相流の方程式である下記式(1)のうち、溶媒濃度Cを下記式(2)で表される飽和度sに関する数式に変換すると共に、溶媒10の気相の実効拡散係数Deffを下記式(3)で表される数式に変換する。
但し、前記式(1)において、
また、上記式(4)において、
また、上記式(5)において、
また、上記式(1)において、
また、上記式(9)において、
また、式中、Cは、溶媒の気相と液相の混合濃度である。ρlは、溶媒の液相の密度である。Mは、溶媒の分子量である。sは、上記多孔体の空隙中に溶媒の液相が占める割合を表す飽和度である。Cgは、溶媒の飽和蒸気濃度である。εは、上記多孔体の空隙率である。D0は、溶媒の気相の拡散係数である。Kは、上記多孔体の浸透率である。ν=1/(krl /νl+krg /νg )である。νlは、溶媒の液相の動粘度である。νgは、溶媒の気相の動粘度である。krl =s3である。krg =(1−s)3である。Pcは、毛管圧である。σは、溶媒の表面張力である。θは、溶媒の接触角である。J(s)は、レベレッタ関数である。dは、上記粒子の平均粒径である。
式(11)は、溶媒の流速である。
これらの値を上記式に代入して、次のステップS6において演算を行う。
次に、ステップS6に進み、上述のように変換した後の式(1)を計算し、飽和度sを算出する。このように飽和度sを算出することで、溶媒23(その一部)の蒸発により塗膜10の厚みT1が多孔体30(乾燥完了後の塗膜20)と同一の厚みT2に達した後において、多孔体(塗膜20のうち溶媒23が蒸発により消失している部分)内の毛管圧駆動による溶媒23の移動、溶媒23の液相から気相への相変化、気相における拡散による移動を考慮して、塗膜の乾燥状態(飽和度s)を適切に推定することができる。
その後、ステップS7に進み、算出された飽和度sの値が0であるか否かを判定する。飽和度sの値が0でない(NO)と判定した場合は、前述のステップS5〜S7の処理を繰り返す。
一方、ステップS7において、飽和度sの値が0になったと判定した場合は、ステップS8に進み、塗膜20の乾燥が完了したと判断し、一連の処理を終了する。多孔体30の空隙V中に溶媒23の液相が占める割合が「0」になったとき、すなわち、飽和度sの値が0になったとき、塗膜20の乾燥が完了したといえるからである。これにより、塗膜20の乾燥完了(終了)を適切に判断することができる。
なお、本実施形態では、塗膜20の乾燥を開始した時から、ステップS7において飽和度sの値が0になったと判定されるまでの時間tfを計測する。計測された時間tfを、塗膜20の乾燥を完了させるのに要する時間として把握する。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態では、定率乾燥期間中は、ステップS1〜S3の処理を行って、塗膜20の厚みを算出した。具体的には、溶媒23の蒸発速度を算出し、この蒸発速度に基づいて、塗膜の厚みを算出した。
しかしながら、定率乾燥期間中、2次元レーザー変位計により、塗膜20の厚みを測定するようにしても良い。具体的には、2次元レーザー変位計について、厚み方向変位Yの0基準(Y=0μmの位置)を、基材10の表面に設定して、塗膜20の厚み方向変位Yを測定し、測定された厚み方向変位Yの値を塗膜20の厚みT1として取得する。その後、ステップS4において、測定された塗膜20の厚みT1が多孔体30と同一の厚みT2に達したか否かを判定するようにしても良い。
10 基材
20 塗膜
21 粒子
23 溶媒
25 ペースト
30 多孔体
BF 気液界面
T1 塗膜の厚み
T2 多孔体の厚み
V 多孔体の空隙

Claims (2)

  1. 粒子と溶媒とを混合したペーストを基材の表面に塗布して、上記基材の表面に上記ペーストからなる塗膜を形成した後に、上記塗膜を乾燥させることによって上記粒子を有する多孔体を形成する期間中の上記塗膜の乾燥状態を推定する方法において、
    上記溶媒の一部の蒸発により上記塗膜の厚みが上記多孔体と同一の厚みに達した後、多孔体内の気液2相流の方程式である下記式(1)のうち、溶媒濃度Cを下記式(2)で表される数式に変換すると共に、溶媒の気相の実効拡散係数Deffを下記式(3)で表される数式に変換し、この変換した式から飽和度sを算出する
    塗膜の乾燥状態推定方法。
    但し、上記式(1)において、
    また、上記式(4)において、
    また、上記式(5)において、
    また、上記式(1)において、
    また、上記式(9)において、
    Cは、溶媒の気相と液相の混合濃度である。ρlは、溶媒の液相の密度である。Mは、溶媒の分子量である。sは、上記多孔体の空隙中に溶媒の液相が占める割合を表す飽和度である。Cgは、溶媒の飽和蒸気濃度である。εは、上記多孔体の空隙率である。D0は、溶媒の気相の拡散係数である。Kは、上記多孔体の浸透率である。ν=1/(krl /νl+krg /νg )である。νlは、溶媒の液相の動粘度である。νgは、溶媒の気相の動粘度である。krl =s3である。krg =(1−s)3である。Pcは、毛管圧である。σは、溶媒の表面張力である。θは、溶媒の接触角である。J(s)は、レベレッタ関数である。dは、上記粒子の平均粒径である。
    式(11)は、溶媒の流速である。
  2. 請求項1に記載の塗膜の乾燥状態推定方法であって、
    算出された前記飽和度sの値が0になったか否かを判定し、飽和度sの値が0になったと判定した場合は、前記塗膜の乾燥が完了したと判断する
    塗膜の乾燥状態推定方法。
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