JP5671267B2 - コンクリート硬化体の乾燥収縮推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート硬化体の乾燥収縮を推定する方法、特に、所定の乾燥材齢におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを、それ以前の乾燥収縮ひずみの測定値を用いて推定する方法に関する。
セメント等の水硬性組成物は、その水和反応に伴い硬化し、コンクリート硬化体は、自己収縮や乾燥収縮等により収縮して、収縮ひずみを生じる。水結合材比が低い(例えば、40%未満)高強度コンクリートでは自己収縮が卓越して生じるが、それが高い(例えば、40%以上)普通強度コンクリートでは乾燥収縮が卓越して生じる。
コンクリート硬化体に乾燥収縮ひずみが生じると、それによりひび割れが生じることがある。発生したひび割れは、コンクリート硬化体の美観を損なうだけではなく、コンクリート硬化体の鋼材の腐食や水密性の低下を招くなど、コンクリート硬化体によって建造された構造物の耐久性を阻害する要因となる。
ひび割れが生じるのを抑制するための手段を講じるためには、製造しようとするコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを事前に把握しておく必要がある。コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの変化は、乾燥期間が長期にわたるとほぼ収束してくるため、この長期の乾燥材齢における乾燥収縮ひずみをコンクリート硬化体の基準的な値として扱うことが多い。なお、本発明において、「乾燥収縮ひずみ」とは、乾燥環境下にあるコンクリート硬化体の収縮ひずみを意味し、具体的には、100×100×400mmの供試体を用い材齢7日までの標準養生後に基長をとり、その後温度20±3℃、相対湿度60±5%の室内に保存する条件下で、JIS−A1129の長さ変化試験を行った場合の乾燥材齢6ヶ月における測定値に基づいて規定される材料特性値を意味する。
一方で、日常的なコンクリートの製造管理の現場では、製造されたコンクリートの所定の長期における乾燥材齢(例えば、乾燥材齢:6ヶ月)における乾燥収縮ひずみの測定を待ってから工事を進めることは現実的でなく、より短期における乾燥材齢から、正確に長期の乾燥収縮ひずみを推定する手法の開発が切望されていた。
例えば、短い乾燥材齢における乾燥収縮ひずみに基づいて、下記式(3)により長期的な乾燥収縮ひずみ(最終乾燥収縮ひずみ)を推定する方法が提案されている(非特許文献1参照)。
Figure 0005671267
式(3)中、εsh∞は「最終乾燥収縮ひずみ(×10−6)」を表し、εsh(t)は「乾燥期間(t)における乾燥収縮ひずみ(×10−6)」を表し、tは「乾燥期間」を表し、Vは「体積(mm)」を表し、Sは「外気に接する表面積(mm)」を表す。
「鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説」,日本建築学会,2006年2月
非特許文献1に記載の上記式(3)による推定方法は、一の乾燥材齢(t)における乾燥収縮ひずみの測定値だけで推定しようとするものであるが、後述する実施例において明らかなように、実測値と推定値との乖離が大きく、乾燥収縮ひずみを正確に推定するのが依然として困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを短期間に、かつ正確に推定する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを推定する方法であって、前記コンクリート硬化体と同一のコンクリート材料を用いて作製したコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみを少なくとも第1の乾燥材齢及び第2の乾燥材齢のそれぞれにおいて測定し、前記コンクリート供試体の第1の乾燥材齢及び第2の乾燥材齢のそれぞれにおける乾燥収縮ひずみ測定値に基づいて、前記コンクリート硬化体の所定の乾燥材齢における乾燥収縮ひずみを推定することを特徴とするコンクリート硬化体の乾燥収縮推定方法を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、異なる2つ以上の乾燥材齢(少なくとも第1の乾燥材齢及び第2の乾燥材齢)における乾燥収縮ひずみを測定するだけで、所定の乾燥材齢(例えば、乾燥材齢:6ヶ月)におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを正確に推定することができる。また、上記発明(発明1)によれば、後述する実施例においても明らかなように、コンクリート硬化体の水セメント比、単位水量や骨材種類等の相違を考慮することなく、一意的にかつ正確に乾燥収縮ひずみを推定することができる。
上記発明(発明1)においては、前記第2の乾燥材齢が、10〜35日であるのが好ましい(発明2)。かかる発明(発明2)によれば、短期間において所定の乾燥材齢におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを正確に推定することができる。
上記発明(発明1,2)においては、前記第1の乾燥材齢から前記第2の乾燥材齢までの期間が、3日間以上であるのが好ましい(発明3)。かかる発明(発明3)のように第1の乾燥材齢から第2の乾燥材齢までの期間が少なくとも3日間以上であることで、コンクリート硬化体の所定の乾燥材齢における乾燥収縮ひずみを正確に推定することができる。
上記発明(発明1〜3)においては、前記コンクリート供試体の第1の乾燥材齢及び第2の乾燥材齢における乾燥収縮ひずみ測定値から下記式(1)及び(2)に基づいて、前記コンクリート硬化体の所定の乾燥材齢における乾燥収縮ひずみ推定値を算出するのが好ましい(発明4)。
Figure 0005671267
式(1)中、εtnは「所定の乾燥材齢(t)におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの推定値(×10−6)」を表し、εt1は「第1の乾燥材齢(t)におけるコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみの測定値(×10−6)」を表し、εt2は「第2の乾燥材齢(t)におけるコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみの測定値(×10−6)」を表し、Vは「コンクリート供試体の体積(mm)」を表し、Sは「コンクリート供試体の外気に接する表面積(mm)」を表し、Aは「第1の乾燥材齢(t)及び第2の乾燥材齢(t)に応じて定まる係数」を表す。
Figure 0005671267

式(2)中、tは「第1の乾燥材齢」を表し、tは「第2の乾燥材齢」を表す。
上記発明(発明4)によれば、第1及び第2の乾燥材齢におけるコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみを測定し、その測定値から式(1)及び(2)に基づいてコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみ推定値を算出するだけでよく、これにより、コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを正確に推定することができる。
本発明によれば、コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを短期間に、かつ正確に推定する方法を提供することができる。
試験例1において算出された、式(1)における係数Aと第1の乾燥材齢(t)との関係を示すグラフである。 試験例1において算出された、式(2)における係数B及びCと第2の乾燥材齢(t)との関係を示すグラフである。 試験例2において式(1)及び(2)に基づいて算出した乾燥収縮ひずみ推定値と乾燥収縮ひずみ実測値との関係を示すグラフである。 試験例2において式(3)に基づいて算出した乾燥収縮ひずみ推定値と乾燥収縮ひずみ実測値との関係を示すグラフである。 試験例3において式(1)及び(2);並びに式(3)に基づいて算出した乾燥収縮ひずみ推定値と乾燥収縮ひずみ実測値との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみ推定方法においては、まず、当該コンクリート硬化体と同一の材料(セメント、骨材、混和材、混和剤等)を用い、同一の配合に基づいてコンクリート供試体を作製する。
本実施形態において使用し得るセメントとしては、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント;高炉セメント、フライアッシュセメント等の各種混合セメント;都市ゴミ焼却灰及び/又は下水汚泥焼却灰を原料として製造した焼成物の粉砕物と石膏とからなるセメント(エコセメント)等が挙げられる。
また、骨材の種類も特に限定されるものではなく、天然骨材であってもよいし、人工骨材であってもよく、例えば、砂、砂利、砕砂、砕石、珪砂等を使用することができる。
さらに、混和材としては、通常のコンクリートに配合され得る混和材を適宜使用することができ、例えば、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末等を所望により使用することができる。また、コンクリート用膨張材を使用することもできる。
さらにまた、混和剤としては、通常のコンクリートに配合され得る混和剤を適宜使用することができ、例えば、リグニン系、ナフタリンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE剤(空気量調整剤)、凝結調整剤、防錆剤等を所望により使用することができる。また、収縮低減剤、収縮低減タイプの(収縮低減機能が付与された)各種減水剤を使用することもできる。
本実施形態においてコンクリート供試体を作製する方法は、特に限定されるものではなく、常法により行えばよい。例えば、水、セメント、骨材(粗骨材、細骨材)、並びに所望により混和材及び混和剤を所定の配合(乾燥収縮ひずみの推定対象であるコンクリート硬化体と同一の配合)で混和してコンクリートスラリーを調製し、当該コンクリートスラリーを型枠に打設する。
コンクリートスラリーを型枠に打設した後、所定の期間(例えば、7日間)、常法により水中養生することで、コンクリート供試体を得ることができる。
このようにして得られるコンクリート供試体の大きさは、特に限定されるものではなく、通常100×100×400mm程度であればよい。
このようにして得られたコンクリート供試体について、まず、乾燥開始後の第1の乾燥材齢(t)における乾燥収縮ひずみを測定し、続いて、第2の乾燥材齢(t)における乾燥収縮ひずみを測定する。
上記コンクリート供試体の第1の乾燥材齢(t)及び第2の乾燥材齢(t)における乾燥収縮ひずみは、例えば、JIS−A1129等に準拠して測定することができるが、これに限定されるものではない。
第2の乾燥材齢(t)は、10〜35日であるのが好ましく、特に14〜28日であるのが好ましい。第2の乾燥材齢(t)が35日を超えると、短期間での乾燥収縮ひずみの推定が困難となってしまう。なお、第1の乾燥材齢(t)は、第2の乾燥材齢(t)未満であれば、特に限定されるものではないが、5〜21日であるのが好ましく、特に7〜14日であるのが好ましい。
第1の乾燥材齢(t)から第2の乾燥材齢(t)までの期間(t−t)は、3日間以上であるのが好ましく、3〜30日間であるのがより好ましく、7〜14日間であるのが特に好ましい。当該期間が3日未満であると、乾燥収縮ひずみの推定値の精度が低下するおそれがある。また、当該期間が30日を超えると、短期間での乾燥収縮ひずみの推定が困難となってしまう。
第1及び第2の乾燥材齢における乾燥収縮ひずみを測定した後、当該測定結果を用いて、下記式(1)に基づいて所定の乾燥材齢(t;例えば、乾燥材齢:6ヶ月)におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの推定値を算出する。
Figure 0005671267
上記式(1)中、εtnは「所定の乾燥材齢(t)におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの推定値(×10−6)」を表し、εt1は「第1の乾燥材齢(t)におけるコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみの測定値(×10−6)」を表し、εt2は「第2の乾燥材齢(t)におけるコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみの測定値(×10−6)」を表し、Vは「コンクリート供試体の体積(mm)」を表し、Sは「コンクリート供試体の外気に接する表面積(mm)」を表し、Aは「第1の乾燥材齢(t)及び第2の乾燥材齢(t)に応じて定まる係数」を表す。
上記式(1)における係数Aは、具体的には、第1の乾燥材齢(t)及び第2の乾燥材齢(t)に基づいて、下記式(2)より算出することができる。
Figure 0005671267

式(2)中、tは「第1の乾燥材齢」を表し、tは「第2の乾燥材齢」を表す。
後述する実施例において明らかなように、上記式(1)により算出された所定の乾燥材齢(t)におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの推定値(εtn)は、当該乾燥材齢(t)におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの実測値と極めて高い相関性を有するとともに、極めて良好な精度で当該実測値と略一致する。
したがって、本実施形態によれば、第1の乾燥材齢(t)及び第2の乾燥材齢(t)におけるコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみを測定するだけで、コンクリート硬化体の所定の乾燥材齢(長期材齢;例えば、6ヶ月)における乾燥収縮ひずみを短期間に、かつ正確に推定することができる。
コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみは、コンクリート硬化体からの水分の逸散やコンクリート硬化体中での水分の移動等により生じると考えられることから、コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみは、水セメント比、単位水量、骨材(粗骨材及び細骨材)の吸水率等によって変動し得ると考えられる。そうであるならば、これら(水セメント比、単位水量、骨材の吸水率等)も指標として用いてコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを推定すると、より正確な推定が可能であると予想される。また、コンクリート硬化体を構成する材料(セメントの種類、骨材の種類、混和剤の有無等)によっても乾燥収縮ひずみが変動し得るものと考えられることから、コンクリート材料に関するパラメータをも指標として用いると、さらに正確な推定が可能であると予想される。しかしながら、本実施形態に係る方法によれば、コンクリート硬化体の水セメント比、単位水量、並びに粗骨材及び細骨材の吸水率を指標とすることなく、さらには、コンクリート硬化体を構成する材料の種類に依存することなく、コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを正確に推定することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、第1の乾燥材齢(t)と第2の乾燥材齢(t)との間の少なくとも1つの乾燥材齢において乾燥収縮ひずみを測定し、3点以上の測定値に基づいて乾燥収縮ひずみを推定することで、より推定精度を高めることもできる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
〔試験例1〕
北海道から中国地方までに存在する任意の生コンクリート工場において製造されたコンクリートのうちランダムに選択した96種のコンクリート試料(使用セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)80種,高炉セメント(太平洋セメント社製)13種,中庸熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)3種)の乾燥収縮ひずみ(乾燥材齢:3日、7日、9日、11日、14日、17日、19日、21日、24日、26日、28日、30日、32日、35日、42日、56日、91日及び182日)をJIS−A1129に準拠して測定した。なお、上記コンクリート試料96種における水セメント比は、33.5〜56.0%であった。また、供試体サイズは、100×100×400mmとした。
得られた測定データを用いて、第2の乾燥材齢を14日、21日、28日、35日、42日、56日又は91日とし、第1の乾燥材齢を第2の乾燥材齢未満であって、上記のようにして乾燥収縮ひずみを測定した乾燥材齢として、上記式(1)における「係数A」を任意の値で定めた上で乾燥材齢182日における乾燥収縮ひずみの仮推定値を算出した。そして、乾燥材齢182日における乾燥収縮ひずみ実測値と仮推定値との差の2乗の合計(残差平方和)が最小になるように上記式(1)における「係数A」を算出し、第2の乾燥材齢ごとにグラフにプロットした。当該グラフを図1に示す。
図1に示すように、7種類の第2の乾燥材齢のいずれにおいても、第1の乾燥材齢と係数Aとが極めて高い相関性を示した。そして、両者の関係は指数関数で表されること、すなわち、係数Aは、第1の乾燥材齢との関係で下記式(4)により表されることが判明した。
Figure 0005671267

式(4)中、tは「第1の乾燥材齢」を表す。
そして、上記各第2の乾燥材齢における式(4)中の係数B及びCのそれぞれと、第2の乾燥材齢とは、図2に示すような関係、すなわち係数B及びCのそれぞれは、第2の乾燥材齢との関係において下記式(5)により表されることが判明した。
Figure 0005671267

式(5)中、tは「第2の乾燥材齢」を表す。
したがって、第1及び第2の乾燥材齢のそれぞれにおいてコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみを測定することにより、上記式(1)、(4)及び(5)に基づいて、所定の乾燥材齢(長期材齢;例えば、6ヶ月)におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを正確に推定し得ると推認された。
〔試験例2〕
試験例1において得られた測定データ(乾燥材齢:7日、9日、11日、14日、28日、35日、56日及び91日)を用い、上記式(1)及び(2);式(3)に基づいて乾燥材齢182日における乾燥収縮ひずみ推定値を算出した。算出した乾燥収縮ひずみ推定値(乾燥材齢182日)と乾燥収縮ひずみ実測値(乾燥材齢182日)との関係を示すグラフを図3及び4に示す。なお、図3は、式(1)及び(2)に基づいて算出した乾燥収縮ひずみ推定値と乾燥収縮ひずみ実測値との関係を示すグラフであり、図4は、式(3)に基づいて算出した乾燥収縮ひずみ推定値と実測値との関係を示すグラフである。
図3及び4から明らかなように、上記式(3)に基づいて算出された乾燥収縮ひずみ推定値は、乾燥収縮ひずみ実測値との間の相関性が比較的高かったものの、推定値と実測値との乖離が大きく(推定値が実測値の約1.5倍程度)、正確な推定が困難であることが判明した。
一方、上記式(1)及び(2)に基づいて算出された乾燥収縮ひずみ推定値は、乾燥収縮ひずみ実測値との間で極めて高い相関関係を示すとともに、推定値と実測値とがほぼ一致することが確認された(推定値が実測値の約0.99倍)。このことから、上記式(1)を用いることによって、コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみを極めて正確に推定し得ることが確認された。
また、図3から明らかなように、第2の乾燥材齢が14日以上であれば、コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの正確な推定が可能であり、特に、28日以上であれば、より正確な推定が可能であることが判明した。さらに、第2の乾燥材齢が28日を超えてもコンクリート硬化体の乾燥収縮量の推定精度が目立って向上しないことから、第2の乾燥材齢を14〜28日とすることで、短期間に、かつ正確にコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの推定が可能であることが確認された。
また、第1の乾燥材齢は第2の乾燥材齢未満であれば、コンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの正確な推定が可能であり、特に、14日以下であれば、より正確な推定が可能であることが判明した。
〔試験例3〕
[1]コンクリート供試体の作製
セメントC(普通ポルトランドセメント(試料1〜28)、高炉セメント(試料29〜33)又は中庸熱ポルトランドセメント(試料34〜38);いずれも太平洋セメント社製)と、細骨材S及び粗骨材Gとを20秒間混練した。その後、水W、並びに膨張材EX(製品名:ハイパーエクスパン,太平洋マテリアル社製)及び/又は収縮低減剤SRA(製品名:テトラガードAS21,太平洋マテリアル社製)を投入して60秒間混練し、掻落し後にさらに60秒間混練して、型枠に打設してコンクリート供試体(試料1〜38)を作製した。各コンクリート供試体の配合、並びに使用した粗骨材及び細骨材の種類を表1に示す。
Figure 0005671267
[2]乾燥収縮ひずみの測定
上述のようにして得られたコンクリート供試体(試料1〜38)を標準水中養生し、JIS−A1129に準拠して、乾燥材齢7日、28日及び182日における乾燥収縮ひずみを測定した。
[3]乾燥収縮ひずみ推定値の算出
上述のようにして得られたコンクリート供試体(試料1〜38)について、上記乾燥収縮ひずみの実測値(乾燥材齢7日、28日)を用いて、上記式(1)及び(2);式(3)に基づいて乾燥材齢182日における乾燥収縮ひずみ推定値を算出した。上記乾燥収縮ひずみ推定値と上記乾燥収縮ひずみ実測値(乾燥材齢182日)との関係を図5に示す。
図5に示すように、上記式(1)及び(2)に基づいて算出された乾燥収縮ひずみ推定値と実測値とは、極めて高い相関性を示すとともに、推定値と実測値とがほぼ一致することが判明した。
一方、上記式(3)に基づいて算出された乾燥収縮ひずみ推定値と実測値とは、比較的高い相関性を示したが、推定値と実測値との乖離が大きく(推定値が実測値の約1.5倍程度)、コンクリートの乾燥収縮ひずみを正確に推定するのが困難であった。
本発明の乾燥収縮ひずみ推定方法は、生コンクリート工場等のコンクリートを製造する現場(生コンクリート工場等)におけるコンクリートの乾燥収縮ひずみの管理、乾燥収縮によるひび割れ等の生じ難いコンクリート硬化体の配合設計等、コンクリートの管理手法として有用である。

Claims (3)

  1. コンクリート硬化体の乾燥収縮を推定する方法であって、
    前記コンクリート硬化体と同一のコンクリート材料を用いて作製したコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみを少なくとも第1の乾燥材齢及び第2の乾燥材齢のそれぞれにおいて測定し、前記コンクリート供試体の第1の乾燥材齢及び第2の乾燥材齢のそれぞれにおける乾燥収縮ひずみ測定値から下記式(1)及び(2)に基づいて、前記コンクリート硬化体の所定の乾燥材齢における乾燥収縮ひずみ推定値を算出することによって、前記コンクリート硬化体の所定の乾燥材齢における乾燥収縮ひずみを推定することを特徴とするコンクリート硬化体の乾燥収縮推定方法
    Figure 0005671267

    式(1)中、ε tn は「所定の乾燥材齢(t )におけるコンクリート硬化体の乾燥収縮ひずみの推定値(×10 −6 )」を表し、ε t1 は「第1の乾燥材齢(t )におけるコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみの測定値(×10 −6 )」を表し、ε t2 は「第2の乾燥材齢(t )におけるコンクリート供試体の乾燥収縮ひずみの測定値(×10 −6 )」を表し、Vは「コンクリート供試体の体積(mm )」を表し、Sは「コンクリート供試体の外気に接する表面積(mm )」を表し、Aは「第1の乾燥材齢(t )及び第2の乾燥材齢(t )に応じて定まる係数」を表す。
    Figure 0005671267

    式(2)中、t は「第1の乾燥材齢」を表し、t は「第2の乾燥材齢」を表す。
  2. 前記第2の乾燥材齢が、10〜35日であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート硬化体の乾燥収縮推定方法。
  3. 前記第1の乾燥材齢から前記第2の乾燥材齢までの期間が、3〜30日間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート硬化体の乾燥収縮推定方法。
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