JP5668689B2 - ポリテトラフルオロエチレン水性乳化液及びその製造方法、該水性乳化液を用いて得られるポリテトラフルオロエチレン水性分散液、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダー並びに延伸多孔体 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン水性乳化液及びその製造方法、該水性乳化液を用いて得られるポリテトラフルオロエチレン水性分散液、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダー並びに延伸多孔体 Download PDF

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Description

本発明は、環境負荷が小さく、高分子量のポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有するポリテトラフルオロエチレン水性乳化液を得ることが可能なポリテトラフルオロエチレン水性乳化液の製造方法、該方法によって得られるポリテトラフルオロエチレン水性乳化液、該水性乳化液を用いて得られるポリテトラフルオロエチレン水性分散液、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダー並びに延伸多孔体に関する。
テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という。)を乳化重合することにより、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という。)の水性乳化液が得られる。このPTFEの水性乳化液(以下、「PTFE水性乳化液」という。)は、必要に応じてノニオン界面活性剤等を添加して安定化処理し、濃縮してPTFE水性分散液とする。そして、各種配合剤を添加して、様々なコーティング用途、含浸用途等に用いられる。また、PTFE水性乳化液に剪断力を与えてPTFE微粒子を凝集させ、乾燥することにより、PTFEのファインパウダー(以下、「PTFEファインパウダー」という。)が得られる。PTFEファインパウダーは、ペースト押出し成形等の方法で成形された後、種々の用途に用いられる。
TFEの乳化重合には、含フッ素乳化剤が一般的に使用される。このような含フッ素乳化剤としては、主鎖が炭素原子だけからなる炭素数8個のパーフルオロオクタン酸アンモニウム(構造式CF(CFCOONH、以下、「APFO」という。)が一般的に使用されている。しかしながら、APFOは、自然界には存在せず分解され難い物質であり、更には、生物蓄積性が高いことが指摘されており、環境面からその排出を抑えることが提案されている。
これに対して、生体蓄積性が低い含フッ素乳化剤として、分子中にエーテル性酸素原子を含有する含フッ素カルボン酸及びその塩を使用する技術が数多く提案されている(例えば、特許文献1〜3など)。
特許文献1には、CF−(OCF−O−CF−X(Xはカルボン酸またはその塩、mは1〜6である。)、及び/又は、CF−O−(CF−(OCF(CF)−CF−O−L−Y(Yはカルボン酸またはその塩、zは0〜3、Lは−CF(CF)−、−CF−、または−CFCF−である。)の含フッ素乳化剤が開示されている。また、その実施例1には、CF−O−C−OCF(CF)COONHが開示されており、標準比重(以下、「SSG」という。)が2.154の比較的高分子量のPTFEが製造出来ている。しかし、比較例のAPFOを用いた場合では、SSGは2.148であり、上記含フッ素乳化剤では、分子量が上がりにくいことが示唆される。また、固形分濃度は10%に満たず、APFOに比較して界面活性剤としての能力が低いと推定される。
特許文献2には、少なくとも800g/molのフルオロポリエーテル酸又はその塩、及び主鎖の長さが6原子以下の含フッ素乳化剤を併用する分散剤を用いて、PTFEを製造する方法が開示されている。その実施例5〜9には、分子量約2100のフルオロポリエーテルとC−O−CF(CF)−COONHが併用された。重合中にPTFEの数%が凝集付着するが、固形分濃度が28.0〜29.9%のPTFE水性乳化液が得られ、重合中に十分なPTFE水性乳化液の安定性が確保される。しかし、PTFEのSSGは2.177であり、PTFEの高分子量化が困難であると推定される。更に、使用された分散剤の20%が分子量約2100のフルオロポリエーテルである。該フルオロポリエーテルは、APFOよりも更に高分子量であることから、体内蓄積性や体外排出性、及び、PTFE製品への残留量とその成型製品への影響が懸念される。
特許文献3には、Rf−O−(RfO)−Rf−COOM(Rfは、炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表す。Rf及びRfは、同一又は異なってもよい、それぞれ炭素数1〜3のフルオロアルキレン基を表す。Mは、H、K、Na又はNHの何れかを表す。nは0以上の整数を表す。)で表される化合物のうち、nの値が異なるものを2種以上存在させ、その平均が2〜4である含フッ素乳化剤を用いてTFEを乳化重合する方法が開示されている。該含フッ素乳化剤中のフルオロアルキル基が長鎖になると界面活性能は向上するがPTFEへの残留が多くなり、短鎖であるとPTFEへの残留は少ないものの界面活性能が不十分となる。長鎖と短鎖の含フッ素乳化剤を組み合わせることでPTFEから含フッ素乳化剤を除去し易く、更には界面活性能も十分得ることができると記載されている。実施例では、固形分濃度が33.0%であり、十分なPTFE水性乳化液の安定性が確保される。一方、SSGは2.189であり、PTFEの高分子量化が困難で有ると推定される。
PTFEへの残留量は、長鎖成分の鎖長と短鎖成分との混合比率に影響される。特許文献3の実施例では、10%含まれるCFO(CFO)CFCOONHは、カルボキシ基を除いた主鎖の長さが炭素と酸素の合計が11個であるから、主鎖の長さ7個のAPFOに比してより残留性が高い可能性がある。
この様に、APFOよりもPTFEへの残留性が低く、生体蓄積性が低いと予想される含フッ素乳化剤では、界面活性能が低く、PTFE水性乳化液の安定性が不十分で、種々の問題を生じる場合がある上に、高分子量のPTFEが得られ難いものであった。高分子量フルオロポリエーテル類や、より長鎖の含フッ素乳化剤を併用することで界面活性能が向上するものの、PTFEへの残留性の問題とその成型製品への影響が懸念される。
特許文献4には、TFEの乳化重合初期の段階で、TFEに、(パーフルオロアルキル)エチレンを、(パーフルオロアルキル)エチレンに基づく重合単位の含有量が0.005〜0.05モル%となるように共重合させることで、押し出し加工性に優れ、均一な延伸加工が可能で、高強度の多孔体が得られるPTFEファインパウダーが得られることが記載されている。含フッ素乳化剤としては、炭素数7〜9のパーフルオロアルカンカルボン酸アンモニウムが好ましく用いられると記載されているが、その実施例のいずれにおいても、APFOが使用される。したがって、含フッ素乳化剤としてAPFOを使用しているので、環境負荷が大きいという問題があった。また、特許文献4には、PTFEの延伸多孔体の成型時において重要な要素である耐熱性の記述が一切無い。また、PTFE水性乳化液の安定性に関する記載もない。このため、APFOよりも界面活性能が低い含フッ素乳化剤を用いた場合、PTFE水性乳化液の安定性が加工性や成形性などを損なわない程度に高く、耐熱性に優れる成形品を製造可能なPTFE水性乳化液が得られるかどうかは分からなかった。
米国特許出願公開第2007/0015865号明細書 米国特許出願公開第2008/0269408号明細書 国際公開第2009/014136号パンフレット 特開平11−240917号公報
本発明の目的は、環境負荷が小さく、PTFE水性乳化液の安定性がその後の加工性、成形性などを損なわない程度に高く、耐熱性に優れる成形品を製造可能なPTFE水性乳化液及びその製造方法、PTFE水性分散液、PTFEファインパウダー、延伸多孔体を提供することである。
本発明は、以下を提供する。
[1] 炭素数4〜8で主鎖に1〜4個のエーテル性酸素原子を有する含フッ素カルボン酸及びその塩からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素乳化剤を用いてTFEを乳化重合し、平均一次粒子径が0.1〜0.3μmであるPTFE微粒子を含有する水性乳化液を得るPTFE水性乳化液の製造方法であって、
TFEの乳化重合の開始時に、下記一般式(1)で表わされる(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)、及び/又は、TFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEが0.1〜8であるコモノマー(b)を、最終的なPTFEの生成量に対して0.001〜0.01質量%となるように乳化重合系に含有させることを特徴とするPTFE水性乳化液の製造方法。
CH2=CH−Rf ・・・(1)
(式(1)中のRfは、炭素数が1〜10のポリフルオロアルキル基である。)
[2] 前記PTFE微粒子の平均一次粒子径が0.2〜0.3μmである、[1]に記載のPTFE水性乳化液の製造方法。
[3] 前記(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)が、CH=CH−(CFF、CH=CH−(CFF及びCH=CH−(CFFからなる群より選ばれる一種以上である、[1]又は[2]に記載のPTFE水性乳化液の製造方法。
[4] 前記コモノマー(b)が、下記一般式(2)、下記一般式(3)、パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、及び、パーフルオロ(5−メトキシ−1,3−ジオキソール)からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載のPTFE水性乳化液の製造方法。
CF=CF−O−(CFCF=CF ・・・(2)
(式(2)中のnは1〜2の整数である。)
CF=CF−O−Rf ・・・(3)
(式(3)中のRfは炭素数が1〜2のパーフルオロアルキル基である。)
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の方法で得られるPTFE水性乳化液。
[6] [5]に記載のPTFE水性乳化液に、ノニオン性界面活性剤を添加して安定化した後、濃縮して得られる、PTFE微粒子の含有量が50〜70質量%であるPTFE水性分散液。
[7] [5]に記載のPTFE水性乳化液を凝集して得られる、500秒以上の応力緩和時間を保持する、PTFEファインパウダー。
[8] SSGが2.135〜2.155である、[7]に記載のPTFEファインパウダー。
[9] [7]又は[8]に記載のPTFEファインパウダーをペースト押出し後延伸して得られる延伸多孔体。
本発明によれば、炭素数4〜8で主鎖に1〜4個のエーテル性酸素原子を有する含フッ素カルボン酸及びその塩からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素乳化剤を用いてTFEを乳化重合するに際し、TFEの乳化重合の開始時に、(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)、及び/又は、TFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEが0.1〜8であるコモノマー(b)を、最終的なPTFEの生成量に対して0.001〜0.01質量%となるように乳化重合系に含有させることで、PTFE水性乳化液の安定性が、その後の加工性、成形性などを損なわない程度に高く、耐熱性の高い成形品を得ることが可能なPTFE水性乳化液を製造できる。また、このPTFE水性乳化液の製造に使用する含フッ素乳化剤は、PTFEへの残留性が低く、生体蓄積性が低く、環境負荷が小さい。
本発明のPTFE水性乳化液の製造方法は、炭素数4〜8で主鎖に1〜4個のエーテル性酸素原子を有する含フッ素カルボン酸及びその塩からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素乳化剤を用いてTFEを乳化重合するに際し、TFEの乳化重合の開始時に、下記一般式(1)で表わされる(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)、及び/又は、TFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEが0.1〜8であるコモノマー(b)(以下、(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)とコモノマー(b)とをあわせて、「本高反応性コモノマー」ともいう。)を、最終的なPTFEの生成量に対して0.001〜0.01質量%となるように乳化重合系に含有させる。
CH2=CH−Rf ・・・(1)
(式(1)中のRfは、炭素数が1〜10のポリフルオロアルキル基である。)
まず、本発明のPTFE水性乳化液の製造方法で使用する本高反応性コモノマーについて説明する。
上記(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)は、一般式(1)のRfの炭素数が、2〜10であることが好ましく、3〜8がより好ましい。好ましい例としては、CH=CH−(CFF、CH=CH−(CFF及びCH=CH−(CFF等が挙げられる。
上記コモノマー(b)は、TFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEが0.1〜8であるものであり、反応性比rTFEは0.1〜7がより好ましく、0.2〜6が特に好ましい。
ここで、TFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFE(以下、「モノマー反応性比rTFE」という。)とは、成長ラジカルがTFEに基づく繰り返し単位末端である時に、該成長ラジカルがTFEと反応する場合の速度定数を、該成長ラジカルがコモノマーと反応する場合の速度定数で除した値である。この値が低いほど、コモノマーがTFEと高反応性であることを表す。モノマー反応性比rTFEは、TFEとコモノマーとを共重合して開始直後の生成ポリマー中の組成を求め、ファインマン−ロスの式より算出できる。
モノマー反応性比rTFEが0.1〜8であるコモノマーとしては、上記一般式(1)で表わされる(ポリフルオロアルキル)エチレンが挙げられる。このうち、CH=CH−CF、CH=CH−(CFFについては、文献に報告されている。Amer.Chem.Soc.,Div.Polymer Chem.,Preprints 7(2),1116(1966)には、CH2=CH−CFとTFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEは、0.12〜0.15であることが示されている。また、J.Polymer Sci.,A−1 8 2441(1970)には、CH=CH(CFFとTFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEは、0.21であることが示されている。
また、上記以外のモノマー反応性比rTFEが0.1〜8のコモノマーとしては、パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)が挙げられる。このコモノマーとTFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEを、様々な仕込み組成でTFEと共重合し、開始直後の生成ポリマー中の組成を求めてファインマン−ロスの式より算出したところ、0.4であった。
また、例えば、下記一般式(2)〜(4)で表わされるコモノマーが挙げられる。
CF=CF−O−Rf ・・・(2)
(式(2)中のRfは炭素数が1〜2のパーフルオロアルキル基である。)
CF=CF−O−(CFCF=CF ・・・(3)
(式(3)中のnは1〜2の整数である。)
Figure 0005668689
(式(4)中のX及びX’は、F、Cl、又はメトキシ基であり、Yは、下記(Y1)又は(Y2)である。)
Figure 0005668689
(式(Y2)中のZ及びZ’は、F、又は炭素数1〜3のフッ素化アルキル基である。)
上記一般式(2)で表わされるコモノマーにおいて、Zh.Prikl.Khim.57,1126(1984)によれば、Rfの炭素数が1であるCF=CF−O−CFでは、モノマー反応性比rTFEが1.73であり、Rfの炭素数が3であるCF=CF−O−Cでは、モノマー反応性比rTFEが8.72であると記載されている。このモノマー反応性比rTFEが8を超えるCF=CF−O−C(Rfの炭素数が3)は、TFEとの反応性が低く、後述する実施例の比較例3で示したように重合初期に極微量の反応で開始しても、重合速度が大きく低下し、PTFEの分子量を高めることができず、更には、十分なPTFE収量が得られない。
上記一般式(3)で表わされるコモノマーにおいて、CF=CF−O−(CFCF=CFとTFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEを、様々な仕込み組成でTFEと共重合し、開始直後の生成ポリマー中の組成を求めてファインマン−ロスの式より算出したところ、5.7であった。
上記一般式(4)で表わされるコモノマーとしては、パーフルオロ(5−メトキシ−1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)等が挙げられる。パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)とTFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEを、様々な仕込み組成でTFEと共重合し、開始直後の生成ポリマー中の組成を求めてファインマン−ロスの式より算出したところ、1.8であった。
このように、本発明者は、モノマー反応性比rTFEが上記範囲にある高反応性のコモノマーをTFEの乳化重合開始時に極微量添加することにより、界面活性能の低い含フッ素乳化剤を使用しても、PTFE水性乳化液の安定性が加工性等に悪影響を及ぼさない程度に適度に高く、耐熱性の高い成形品を得ることが可能な、高分子量のPTFE微粒子が分散したPTFE水性乳化液を製造することができることを見出した。この理由は必ずしも明確ではないが、以下のように推定される。
すなわち、TFEの乳化重合の開始時の段階で、TFEと本高反応性コモノマーとが共重合することにより、重合初期に生成するPTFEは結晶性が崩れた構造を取り、一次粒子の核形成期に球形に近い構造を取り易いと推定される。そして、一次粒子の核が、球形に近い構造を取り易くなることにより、核どうしの会合の度合いが少なくなり、棒状粒子や粗大粒子等の異型粒子の発生が抑制されながら、より多くの一次粒子の核が粒子径の揃った状態で成長すると推定される。また、棒状粒子や粗大粒子等の異型粒子の発生が抑制されることで、均一な延伸構造を取り易く、欠陥構造も抑制されることで、機械的強度の向上にもつながると考える。
そして、PTFEの分子量を高めるには、コモノマーは乳化重合系から乳化重合の極初期の段階で消費されて、存在しなくなることが重要である。特に優れたPTFEの延伸多孔体を得る為には、重合後半では、乳化重合系内の新規発生のラジカル量を極力抑えて、重合反応が失活するまで可能な限りリビング重合が進行し、分子量が向上する重合反応の障害とならないことが重要である。
上記一般式(1)で表わされる(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)、モノマー反応性比rTFEが0.1〜8であるコモノマー(b)は、いずれもTFEとの反応性に優れるので、TFEの乳化重合の開始時に、最終的なPTFEの生成量に対して0.001〜0.01質量%となるような極少量を乳化重合系に含有させることで、TFEの乳化重合初期の段階でほぼ完全に消費されて、重合後期における重合反応の失活を抑えることができる。その結果、分子量が高く、平均一次粒子径が0.1〜0.3μmであるPTFE微粒子が生成されると推定される。
なお、本高反応性コモノマーの使用量が多すぎると、TFEの乳化重合の極初期の段階で全てのコモノマーが消費されずに、それ以降も乳化重合系に残存するため、重合反応の失活が生じてPTFEの分子量がさほど増加せず、また、PTFE微粒子の一次粒子径が小さくなる。その結果、PTFE水性乳化液の安定性が著しく高くなり、得られたPTFE水性乳化液に安定剤を添加してPTFE微粒子の濃縮を実施する際は、PTFE微粒子が沈降し難く、濃縮速度が低下して生産性が低下する。また、PTFE水性乳化液に剪断力を加えてPTFE微粒子を凝集し、PTFEファインパウダーを得る際には、凝集時間が長くなり、PTFEファインバウダーの生産性が低下する。
また、PTFEの分子量が高くならず、PTFE微粒子中で結晶構造を形成できない領域が増加するので、生成したPTFEは、延伸性、耐熱性が不十分となる。特に応力緩和時間に代表される、耐熱性が低下する。
したがって、本発明において本高反応性コモノマーは、乳化重合開始時に、最終的なPTFEの生成量に対して0.001〜0.01質量%となるように乳化重合系に含有させる。好ましくは0.002質量%〜0.01質量%である。本高反応性コモノマーの含有量が0.001質量%より低いと、PTFE水性乳化液の安定性向上の効果が低い。該含有量が0.01質量%を超えると、乳化重合の極初期の段階で本高反応性コモノマーが消費されずに、乳化重合系に残存するので、PTFEの分子量がさほど増加せず、また、PTFE微粒子の一次粒子径が小さくなる。
本発明において、本高反応性コモノマーは、連鎖移動を起し難い溶媒によって希釈して用いても良い。これにより、コモノマーの添加量を密に制御できる。このような溶媒としては、例えば、連鎖移動性の小さなフッ素系溶剤を用いることができる。具体的には、CHF11、C10、CHF13、CHF15、CHF17、CFCHFCHFCFCF、CFCHOCFCFH等が挙げられる。希釈の割合としては、本高反応性コモノマーを1質量部とした時に、溶剤は、0.1〜10質量部の割合で使用することが好ましい。溶剤の使用量があまり少ない場合には、コモノマー添加量の精密な制御が十分でなく、また多過ぎる場合には、希釈溶剤によって僅かでも連鎖移動が生じて、PTFEの分子量を下げて物性へ悪影響を及ぼす可能性が有る。
次に、本発明のPTFE水性乳化液の製造方法について説明する。
本発明では、TFEを、水性媒体、ラジカル重合開始剤及び含フッ素乳化剤などの存在下で乳化重合する。上述したようにTFEの乳化重合の開始時に、本高反応性コモノマーを、最終的なPTFEの生成量に対して0.001〜0.01質量%、好ましくは、0.002質量%〜0.01質量%となるように乳化重合系に含有させる。
本高反応性モノマーは、TFEの重合極初期の段階で乳化重合系に存在すればよいことから、本高反応性モノマーを乳化重合系に添加する時期として各原料の仕込み段階で、TFE等の他の原料と共に水性媒体に添加すればよい。
TFEの乳化重合に用いるラジカル重合開始剤としては、特に限定はない。水溶性ラジカル開始剤、水溶性酸化還元系触媒、油溶性ラジカル重合開始剤などが挙げられる。なかでも、水溶性ラジカル開始剤又は水溶性酸化還元系触媒が好ましい。
上記水溶性ラジカル開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、ジコハク酸パーオキシド、ビスグルタル酸パーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシドなどの水溶性有機過酸化物が好ましい。
上記水溶性酸化還元系触媒としては、臭素酸又はその塩、塩素酸又はその塩、過硫酸又はその塩、過マンガン酸又はその塩、過酸化水素などの酸化剤と、亜硫酸又はその塩、亜硫酸水素又はその塩、チオ硫酸又はその塩、有機酸などの還元剤、との組み合わせが好ましい。
ラジカル重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。ラジカル重合開始剤としては、ジコハク酸パーオキシドがより好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、最終的なPTFEの収量に対して0.01〜0.20質量%が好ましく、0.01〜0.15質量%がより好ましい。
含フッ素乳化剤は、水性媒体中で、連鎖移動によってTFEの重合反応を妨げることがないことから、TFEの乳化重合では一般的に使用される。本発明では、炭素数4〜8で主鎖に1〜4個のエーテル性酸素原子を有する含フッ素カルボン酸及びその塩からなる群から選ばれるものを用いる。この含フッ素乳化剤は、エーテル性酸素を有し、また、低分子量なので、残留性が低く、生体蓄積性が低いと考えられる。好ましいものの具体例としては、COCFCFOCFCOOH、COCFCFOCFCOOH、COCFCFOCFCFOCFCOOH、COCF(CF)CFOCHFCOOH、CFOCFOCFOCFOCFCOOH、CFO(CFCFO)CFCOOH、CFCFO(CFCOOH、CFCFHO(CFCOOH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CFOCOCF(CF)COOH、CFO(CFOCHFCFCOOH、COCF(CF)COOH、COCFCFCOOH、CFOCFCFCFOCFCOOH、COCFCFOCFCOOH、CFO(CFOCHFCOOH、CFOCFOCFOCFCOOH、COCFCOOH、COCFCFCOOH、COCHFCFCOOH、COCF(CF)COOH、CFCFHO(CFCOOH、CFOCFCFOCFCOOH、COCFCFCOOH、COCHFCOOH、CFOCFCFCOOH及びこれらのLi、Na、K、NHなどの塩が挙げられる。より好ましいものの具体例としては、CFOCOCF(CF)COOH、COCOCFCOOH、COCFCFCOOH、CFOCOCFCOOH、COCFCOOH、COCF(CF)COOH及びこれらのLi、Na、K、NHなどの塩が挙げられる。特に好ましくは、上記化合物のアンモニウム塩(NH)である。アンモニウム塩であると水性媒体中への溶解性に優れるとともに、金属イオン成分がPTFEファインパウダー中や最終製品中に不純物として残留するおそれがない。
含フッ素乳化剤の使用量は、最終的なPTFEの収量に対して1500〜20000ppmが好ましく、2000〜20000ppmがより好ましく、2000〜15000ppmが最も好ましい。この範囲より少ないと、乳液安定性を保つ事が出来ず、この範囲より多いと、使用量に見合うほどの乳液安定性は得られず、また次第に一次粒子の形態が棒状を呈するようになり、逆に水性乳化液が不安定になる。この範囲にあると、より経済性に見合った安定した水性乳化液を得る事が出来る。
TFEの乳化重合は、上記原料の他に更に安定化助剤を添加して行っても良い。
安定化助剤としては、パラフィンワックス、フッ素系オイル、フッ素系溶剤、シリコーンオイルなどが好ましい。安定化助剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。安定化助剤としては、パラフィンワックスがより好ましい。パラフィンワックスとしては、室温で液体でも、半固体でも、固体であってもよいが、炭素数12以上の飽和炭化水素が好ましい。パラフィンワックスの融点は、通常40〜65℃が好ましく、50〜65℃がより好ましい。
安定化助剤の使用量は、使用する水性媒体の質量基準で0.1〜12質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましい。安定化助剤は十分に疎水的で、TFEの乳化重合後にPTFE水性乳化液と完全に分離されて、コンタミ成分とならないことが望ましい。
TFEの乳化重合条件は、重合温度は10〜95℃が好ましく、15〜90℃がより好ましい。重合圧力は0.5〜4.0MPaが好ましく、0.6〜3.5MPaがより好ましい。重合時間は90〜520分が好ましく、90〜450分がより好ましい。
また、得られるPTFE水性乳化液のPTFE微粒子の濃度が10〜45質量%となるように乳化重合することが好ましく、15〜45質量%がより好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。PTFE微粒子の濃度が10質量%未満であると、PTFE水性乳化液からPTFEの一次粒子を凝集させることが困難であり、PTFEファインパウダー生産効率等が低下する。また、45質量%を超えると、凝集できないPTFEの一次粒子が残存し易いので、白濁することがある。
本発明の方法によって得られるPTFE水性乳化液は、PTFE微粒子の平均一次粒子径が0.10〜0.30μmであり、0.20〜0.30μmが好ましく、0.21〜0.27μmがより好ましく、0.22〜0.26μmが特に好ましい。なお、本発明における平均一次粒子径とは、PTFE水性乳化液中のPTFE微粒子を、レーザー散乱法粒子径分布分析計を用いて測定したメジアン径の値である。
PTFE微粒子の平均一次粒子径が小さいと、PTFE水性乳化液の安定性は向上する。しかしながら、安定化し過ぎると、PTFE水性乳化液の濃縮や、PTFE水性乳化液に攪拌剪断力を加えてPTFE微粒子を凝集し、PTFEファインパウダーを得る際に、時間や手間を要するので、生産効率が損なわれることが多い。また、PTFE微粒子の平均一次粒子径が大きいと、PTFE水性乳化液の安定性が低下し、TFEの乳化重合中での凝集物の量が増して生産性上不利であること、TFEの乳化重合後にPTFE水性乳化液を濃縮する際に、濃縮槽での多量の凝集物が発生すること、濃縮液の沈降安定性が損なわれて保存安定性が低下すること、PTFE水性乳化液に攪拌剪断力を加えてPTFE微粒子を凝集し、PTFEファインパウダーを得る際に、重合槽から凝集槽に至る前に多量の凝集物が発生して配管が閉塞すること、及び、歩留まりが大幅に低下することなど、製造上多くの問題が生じる。PTFE微粒子の平均一次粒子径が上記範囲内であれば、PTFE水性乳化液の安定性はその後の加工性や成形性等が低下しない程度に優れ、耐熱性等に優れた成形品等が得られ易い。
PTFE微粒子の平均一次粒子径は、本高反応性コモノマーを、最終的なPTFEの生成量に対して0.001〜0.01質量%となるように乳化重合系に含有させて乳化重合することにより、上記範囲に調整できる。また、PTFE微粒子の平均一次粒子径を上記範囲内で大きくするには、本高反応性コモノマーの添加量を、本発明で規定する範囲内で増加すればよい。また、PTFE微粒子の平均一次粒子径を上記範囲内で小さくするには、本高反応性コモノマーの添加量を、本発明で規定する範囲内で減じればよい。
本発明のPTFE水性乳化液は、後述する実施例に記載の方法により測定した安定性時間が、本高反応性コモノマーを入れないこと以外は全く同じ条件で乳化重合して得られるPTFE水性乳化液の値に比して、20%以上向上し、かつ600秒以内であることが好ましい。
安定性時間の向上が20%未満では、PTFE水性乳化液の安定化の効果が不充分である。また、安定性時間が600秒を超えると、安定過ぎるので、PTFE水性乳化液に各種水性乳化液安定化剤を添加して濃縮する際の時間や、PTFEファインパウダーを得るまでの凝集疎水化時間が、長くなるので生産性上不利である。
PTFE水性乳化液の安定性時間を長くするには、本高反応性コモノマーの添加量を、本発明で規定する範囲内で増加すればよい。また、短くするには、本高反応性コモノマーの添加量を、本発明で規定する範囲内で減じればよい。
本発明のPTFE水性乳化液は、プリント基板等の電子材料、膜構造物の屋根材、調理用品の表面コーティング剤、紡糸してPTFE繊維などの含フッ素ポリマー繊維、発塵防止剤、電池の活性物質バインダー、プラスチック添加剤等の種々の用途に適用できる。
本発明のPTFE水性乳化液にノニオン界面活性剤を添加して安定化した後、濃縮することで、PTFE微粒子が濃縮されたPTFE微粒子の水性分散液(以下、「PTFE水性分散液」ともいう。)が得られる。PTFE水性分散液のPTFE微粒子含有量は、50〜70質量%が好ましく、55〜65質量%がより好ましい。PTFE水性分散液には、防腐剤、粘度調整剤等の各種添加剤が更に配合されていても良い。
PTFE水性分散液は、そのままで、または水で希釈したのち、所望の粉末状充填剤を添加し、強い機械的攪拌を行なうことにより凝析させて、電池の電極材料、潤滑部材等の用途に使用できる。また、使用時に、有機溶剤、微量の凝析剤、着色剤などの公知の成分を加えてもよい。粉末状充填剤の例としては、例えば潤滑部材に利用する場合、鉛粉、亜鉛粉、ガラス粉、ガラス繊維粉、石英粉、アルミナ粉などの無機粉末、グラファイト粉、コークス粉、カーボン繊維粉などの炭素質粉末、青銅粉、銅粉、ステンレス粉などの金属粉末、ポリアミド粉、ポリイミド粉、ポリエーテルケトン粉、ポリエーテルエーテルケトン粉、ポリエーテルスルホン粉などの耐熱樹脂粉末などが挙げられる。また、電池の電極材料に利用する場合、二酸化マンガン粉、亜鉛粉、グラファイト粉、オキシ水酸化ニッケル粉、マンガン酸リチウム粉、コバルト酸リチウム粉、水素吸蔵合金粉末、などが挙げられる。
PTFEファインパウダーの製造方法は、特に限定はなく、従来公知の方法により製造できる。例えば、本発明のPTFE水性乳化液に、攪拌等の剪断力を加えて、分散しているPTFE微粒子の一次粒子を凝集させ、凝集物を水性媒体から分離し、造粒、整粒、乾燥して、PTFEファインパウダーを得ることができる。ここで、造粒とは、PTFE水性乳化液の凝集時に、分散していたPTFEの一次粒子が凝集して得られる二次粒子の粒子径が数100μmまで成長する過程をいう。また、整粒とは、造粒後に撹拌を続けることで、二次粒子の粒子性状や粒度分布が整えられる過程をいう。
具体的には、以下のような方法によりPTFEファインパウダーを製造できる。
すなわち、PTFE水性乳化液のPTFE濃度を8〜20質量%になるように水で希釈した後、激しく撹拌するなどして剪断力を加えてPTFEの一次粒子を凝集させる。PTFEの一次粒子を凝集させる際、必要に応じて、PTFE水性乳化液のpHを調節してもよく、PTFE水性乳化液に電解質や水溶性の有機溶剤などの凝集助剤を加えてもよい。pH調節剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。また、アンモニア、アンモニウム塩及び尿素からなる群から選ばれる一種以上の化合物の存在下で行うことも出来る。電解質としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩などが上げられる。有機溶剤としては、アルコール類、アセトンなどが挙げられる。
次に、PTFEの一次粒子が凝集したPTFEファインパウダーを水性媒体から分離し、造粒、整粒して湿潤状態のPTFEファインパウダーを得る。なお、PTFEファインパウダーを分離した後の水性媒体中には、含フッ素界面活性剤が含まれているが、該水性媒体に含まれる含フッ素界面活性剤は、イオン交換樹脂により吸着する方法、水分を蒸発させるなどの濃縮方法、活性炭への吸着などを用いて回収できる。
次に、分離した湿潤状態のPTFEファインパウダー(以下、未乾燥PTFEファインパウダーという。)を乾燥する。
未乾燥PTFEファインパウダーの乾燥温度は、110〜250℃が好ましく、120〜230℃がより好ましい。乾燥温度が110℃未満であると、乾燥に時間を要するうえ、水分が十分抜けないことがある。乾燥温度が250℃を超えると、ペースト押出し圧力特性が改善できないことがある。なお、未乾燥PTFEファインパウダーが、含フッ素界面活性剤を吸着している場合には、乾燥時に排出される空気をアルカリ水溶液に導入することによって、乾燥空気中に含まれる含フッ素界面活性剤を回収することができる。
未乾燥PTFEファインパウダーの乾燥は、アンモニアを含有する雰囲気下で行うことが好ましい。ここで、アンモニアを含有する雰囲気とは、未乾燥PTFEファインパウダーにアンモニアガスが接触し得る雰囲気を意味する。例えばアンモニアガスを含有する雰囲気や、未乾燥PTFEファインパウダーが含有する水分中にアンモニア又はアンモニアを発生する化合物が溶解していて、加熱等によってアンモニアガスが発生する雰囲気などを意味する。アンモニアを発生する化合物としては、例えばアンモニウム塩、尿素などが挙げられ、これらは加熱により分解してアンモニアガスを発生する。アンモニアを含有する雰囲気下で乾燥すると、物性を損なうこと無く、ファインパウダーのペースト押出圧力を下げる事が出来る。
本発明のPTFEファインパウダーは、応力緩和時間が500秒以上であり、525秒以上が好ましく、550秒以上がより好ましい。本発明において、応力緩和時間とは、PTFEファインパウダーを用いて作成した延伸ビードを、クランク間隔3.8cm、延伸速度1000%/秒、総延伸2400%の条件で延伸し、この延伸ビードのサンプルの両方の末端を固定具で固定し、390℃のオーブン中に放置したときに破断するのに要する時間を言う。例えば、米国特許5,470,655号明細書、米国特許4,576,869号明細書等に記載されているように、応力緩和時間が長い程、耐熱性が高いことを意味している。
本発明のPTFEファインパウダーは、SSGが、2.135〜2.175であることが好ましく、2.135〜2.165であることがより好ましく、2.135〜2.155であることが特に好ましい。SSGは、相対的な分子量の尺度として用いられるが、その値が低いほど、一般的には分子量が高いことを意味する。しかし、本高反応性コモノマーの導入量が多いと、非結晶構造の領域が更に増して、密度が下がり、SSGの値が小さくなる。SSGの値が小さ過ぎることは、本高反応性コモノマーの導入量が多いことを示す。この場合には、PTFE微粒子の平均一次粒子径が小さくなり過ぎ、PTFE水性乳化液の安定性も過剰に高くなる。また、応力緩和時間も500秒未満となる場合が多い。これは、PTFEの結晶構造が崩れたことによる影響と考えられる。一方、SSGの値が大き過ぎる場合は、分子量が低いことを意味しており、各種物性が低下する。
本発明のPTFEファインパウダーをペースト押出し成形することにより、所望の成形品が得られる。
PTFEファインパウダーのペースト押し出し成形方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、PTFEファインパウダーと潤滑剤とを混合してPTFEファインパウダーに流動性を付与し、所望の形状になるようにペースト押出し成形する方法が挙げられる。潤滑剤の混合割合は、PTFEファインパウダーに流動性を持たせるように、適宜選定すればよい。その割合は、通常、PTFEファインパウダーの100質量部当たり、潤滑剤の15〜30質量部が好ましく、20〜25質量部がより好ましい。潤滑剤としては、ナフサ、又は乾点が100以上の石油系炭化水素が好ましい。また、着色するための顔料などの添加剤や、強度及び導電性などを付与するための各種充填剤などを添加することもできる。
PTFEファインパウダーのペースト押出し成形物の形状としては、チューブ状、シート状、フィルム状、繊維状など種々の形状が採用できる。成形物の用途としては、チューブ、電線被覆、シール材料、多孔膜、フィルターなどが挙げられる。また、PTFEファインパウダーをペースト押出し後、延伸することにより、PTFEの延伸多孔体が得られる。延伸条件としては、適当な速度、例えば5%/秒〜1000%/秒の速度、適当な延伸倍率、例えば500%以上の延伸倍率、が採用される。延伸多孔体の空孔率は特に制限ないが、通常空孔率が50〜99%の範囲が好ましく、70〜98%の範囲が特に好ましい。延伸多孔体で構成される物品の形状としては、チューブ状、シート状、フィルム状、繊維状など種々の形状が採用できる。
次に、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[測定方法]
(A)PTFE微粒子の平均一次粒子径(単位:μm)
レーザー散乱法粒子径分布分析計(堀場製作所社製、商品名「LA−920」)を用いて測定した。
(B)PTFEファインパウダーの標準比重(以下、SSGともいう。)
ASTM D1457−91a、D4895−91aに準拠して測定した。12.0gのPTFEファインパウダーを計量して内径28.6mmの円筒金型で34.5MPaで2分間保持した。これを290℃のオーブンへ入れて120℃/hrで昇温した。380℃で30分間保持した後、60℃/hrで降温して294℃で24分間保持した。23℃のデシケーター中で12時間保持した後、23℃での成形物の空気中での質量と水中での質量を測定し、23℃における水との比重比を求め、此れに23℃の水の密度値を乗じた値を標準比重とした。
(C)PTFE水性乳化液の安定性時間
SUS304の材質で、内径12cmの円筒状容器に、厚み2.9mm、幅2.5cm、長さ15cmのバッフルを2枚、底部から2.5cm上げて対称的に熔接して用いた。
PTFE水性乳化液の固形分濃度を20%に調合して総量800gを仕込み、温度を23±1℃に調整した。そして、内径8.0mmのシャフトに取り付けた厚み1.2mm、幅1.3cm、長さ9.7cm、回転方向へ30°傾けた水平パドルを、底部から5mm上げて設置し、500rpmの条件で、PTFE水性乳化液が破壊されて、疎水化されたPTFEが生じるまでの時間とした。
(D)押出し圧および延伸性の評価
室温で2時間以上放置されたPTFEファインパウダー100gを内容量900ccのガラス瓶に入れ、潤滑剤(商品名「アイソパーH(登録商標)」、エクソン社製)21.7gを添加し、3分間混合してPTFEファインバウダー混合物を得た。得られたPTFEファインパウダー混合物を、25℃恒温槽に2時間放置した後に、リダクションレシオ(ダイスの入り口の断面積と出口の断面積の比)100、押出し速度51cm/分の条件で、25℃にて、直径2.5cm、ランド長1.1cm、導入角30°のオリフィスを通してペースト押出しを行い、ビードを得た。このときのPTFEファインパウダー混合物のペースト押出しに要する圧力を測定し、押出し圧とした。
次に、得られたビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤を除去した。そして、ビードの長さを適当な長さに切断し、クランプ間が3.8cmまたは5.1cmのいずれかの間隔となるよう、各末端を固定し、空気循環炉中で300℃に加熱した。次いで、クランプが所定の間隔になるまで所定の速度で延伸した。
(E)破断強度の測定
クランプ間隔5.1cm、延伸速度100%/秒、総延伸2400%の条件で、延伸性の評価と同様にしてビードを延伸することにより、破断強度試験測定用のサンプルを作製した。そして、このサンプルを5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、可動ジョーを300mm/分のスピードで駆動させ、引張り試験機(エイアンドディ社製)を用いて室温にて破断強度を測定し、延伸ビードから得られる3つのサンプル、延伸ビードの各末端から1つ(クランプの範囲においてネックダウンがあればそれを除く)、およびその中心から1つ、の最小引張り破断負荷(力)を破断強度とした。
(F)応力緩和時間の測定
クランプ間隔3.8cm、延伸速度1000%/秒、総延伸2400%の条件で、延伸性の評価と同様にして、ビードを延伸することにより、応力緩和時間の測定用のサンプルを作製した。このサンプルの両方の末端を固定具で固定し、ぴんと張り全長25cmとした。応力緩和時間は、このサンプルを390℃のオーブン中に放置したときに破断するのに要する時間を求めた。
(実施例1)
邪魔板、撹拌機を備えた、100Lのステンレス鋼製オートクレーブに、COCOCFCOONH(Ammonium perfluoro−3,6−dioxaoctanoate、以下、「APFDO」と記す。)の70g、パラフィンワックスの872g、脱イオン水の59リットルを仕込んだ。オートクレーブを窒素置換した後減圧にして、CH=CH−(CFF(以下、「PFBE」と記す。)の2g、脱イオン水の300gを共に吸引させて仕込んだ。次いで、TFEで加圧し、撹拌しながら70℃に昇温した。次いで、TFEで1.765MPaまで昇圧し、ジコハク酸パーオキシド(濃度80質量%、残りは水分)の5.0gを約70℃の温水1リットルに溶解して注入した。453秒で内圧が1.746MPaまで降下した。そして、オートクレーブ内圧を1.765MPaに保つようにTFEを添加しながら重合を進行させた。APFDOを温水に溶解して重合途中でAPFDOとして合計125g添加した。また亜硫酸アンモニウムを水に溶解して重合途中で亜硫酸アンモニウムとして合計4g添加した。温度は途中65℃まで下げ、重合後半は90℃まで昇温した。TFEの添加量が23kgになったところで反応を終了させ、オートクレーブ中のTFEを大気放出した。重合時間は183分であった。
得られたPTFE水性乳化液を冷却し、上澄みのパラフィンワックスを除去した。PTFE水性乳化液の固形分濃度は約26質量%であった。使用したAPFDOは、最終PTFE収量に対して8478ppmであった。また、PFBEの添加量は、最終PTFE収量に対して0.0087質量%であった。また、反応器中の凝固物は痕跡程度であった。そして、PTFE微粒子の平均一次粒子径は0.25μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は206秒であった。
このPTFE水性乳化液を純水で濃度10質量%に希釈し、20℃に調整して撹拌し凝集させてPTFEファインパウダーを製造した。次いでこのPTFEファインパウダーを180℃で乾燥した。SSGは2.142であった。また、測定方法(D)に従い、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は17.8MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は25.9Nであった。応力緩和時間は516秒であった。
(比較例1)
実施例1において、PFBEを添加しなかった以外は実施例1と同様にして重合反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合開始前の1.746MPaまでの内圧降下時間は152秒であった。比較例1では、TFEの乳化重合時にコモノマー(PFBE)が入らないことにより、内圧降下時間は実施例1の3割程度であった。また、重合時間は200分であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.28μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は168秒であった。比較例1の安定性時間は、実施例1の8割程度の短時間であった。
また、このPTFE水性乳化液を用い、実施例1と同様にしてPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.151であった。また、実施例1と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は17.0MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は22.1Nであった。応力緩和時間は549秒であった。
(比較例2)
実施例1において、PFBEを3g使った以外は実施例1と同様にして重合反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合開始前の1.746MPaまでの内圧降下は1003秒であった。重合時間は182分であった。また、PFBEの含有量は、最終PTFE収量に対して0.013質量%であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.21μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は366秒であった。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例1と同様にしてPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.139であった。また、実施例1と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は18.6MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は27.0Nであった。応力緩和時間は454秒であった。応力緩和時間は、実施例1に比べて短く、耐熱性の劣るものであった。
(実施例2)
実施例1において、PFBEに代えて、CF=CF−O−(CFCF=CF(以下、「BVE」と記す。)(反応性比rTFE=5.7)を2g使った以外は実施例1と同様にして重合反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合開始前の1.746MPaまでの内圧降下は147秒であった。重合時間は225分であった。また、BVEの添加量は、最終PTFE収量に対して0.0087質量%であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.25μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は238秒であった。安定性時間は比較例1に比べて42%向上していた。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例1と同様にしてPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.152であった。また、実施例1と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は16.2MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は22.2Nであった。応力緩和時間は517秒であった。
(比較例3)
実施例1において、PFBEに代えて、CF=CF−O−C(以下、「PPVE」と記す。)(反応性比rTFE=8.72)を2g使った以外は実施例1と同様にして重合反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合開始前の1.746MPaまでの内圧降下は186秒であった。比較例3では、重合速度が失活してしまい、重合時間278分、TFEの添加量18kgで停止し、十分な収量を得ることが出来なかった。また、PPVEの添加量は、最終PTFE収量に対して0.011質量%であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.23μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は271秒であった。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例1と同様にしてPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.152であった。また、実施例1と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は17.6MPaであった。この延伸ビードは多くのボイドが発生して均一な多孔体とは言い難く、破断強度は4.6Nであった。応力緩和時間は266秒であった。
(実施例3)
実施例1において、PFBEに代えて、パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)(以下、「MMD」と記す。)(反応性比rTFE=0.4)を1.3g使った以外は実施例1と同様にして重合反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合開始前の1.746MPaまでの内圧降下は134秒であった。重合時間は177分であった。また、MMDの含有量は、最終PTFE収量に対して0.0057質量%であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.25μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は228秒であった。水性乳化液安定性は比較例1に比べて36%向上していた。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例1と同様にしてPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.145であった。また、実施例1と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は17.5MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は24.4Nであった。応力緩和時間は、508秒であった。
(実施例4)
実施例1で使用したオートクレーブに、APFDOの50g、パラフィンワックスの862g、コハク酸の6.5g、シュウ酸の0.3g、脱イオン水の61リットルを仕込んだ。オートクレーブを窒素置換した後減圧にして、PFBEの0.5g、300gの脱イオン水と共に吸引させて仕込んだ。次いで、TFEで加圧し、撹拌しながら65℃に昇温した。次いでTFEで1.275MPaまで昇圧し、0.04%の過マンガン酸カリウム水溶液を3.5ml〜4ml/分で添加を始めた。TFEを7.5kg添加した後、過マンガン酸カリウム水溶液の添加を止めて、APFDOを追加添加した。内温は90℃まで昇温した。この後、TFEを22kgまで添加し、反応を終了させ、オートクレーブ中のTFEを大気放出した。重合時間は216分であった。
得られたPTFE水性乳化液を冷却し、上澄みのパラフィンワックスを除去した。PTFE水性乳化液の固形分濃度は約26質量%であった。また、PFBEの含有量は、最終PTFE収量に対して0.0023質量%であった。また、反応器中の凝固物は痕跡程度であった。そして、PTFE微粒子の平均一次粒子径は0.23μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は267秒であった。
このPTFE水性乳化液を純水で濃度10質量%に希釈し、20℃に調整して撹拌し凝集させた。そして、対PTFE微粒子(乾燥量)に対して10質量%の炭酸アンモニウム水溶液(20質量%濃度)を乾燥トレイに予め仕込んだ後、所定量盛り付けて135℃で乾燥してPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.142であった。また、測定方法(D)に従い、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は17.2MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は29.6Nであった。応力緩和時間は、538秒であった。
(比較例4)
実施例4において、PFBEを使わなかった以外は実施例4と同様にして重合反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合時間は192分であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.27μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は176秒であった。水性乳化液安定性は、実施例4の7割程度の短時間であった。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例4と同様にして凝集してPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.147であった。また、実施例4と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は17.2MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は28.3Nであった。応力緩和時間は、488秒であった。応力緩和時間は、実施例4に比べて短く、耐熱性の劣るものであった。
(比較例5)
実施例4において、PFBEを2.5g使った以外は実施例4と同様にして重合反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合時間は192分であった。また、PFBEの含有量は、最終PTFE収量に対して0.011質量%であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.19μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は810秒であった。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例4と同様にして凝集してPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.139であった。また、実施例4と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は18.8MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は33.4Nであった。応力緩和時間は、475秒であった。応力緩和時間は、実施例4に比べて短く、耐熱性の劣るものであった。
(実施例5)
実施例4において、PFBEに代えて、CH=CH−(CFF(以下、「PFHE」と記す。)を1g使った以外は実施例4と同様にして反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合時間は232分であった。また、PFHEの含有量は、最終PTFE収量に対して0.0045質量%であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.25μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は285秒であった。安定性時間は、比較例4に比べて62%向上していた。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例4と同様にして凝集してPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.142であった。また、実施例4と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は16.3MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は28.2Nであった。応力緩和時間は、569秒であった。
(実施例6)
実施例4において、PFBEに代えて、PFHEを2g使った以外は、実施例4と同様にして反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合時間は190分であった。また、PFHEの含有量は、最終PTFE収量に対して0.0091質量%であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.23μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は392秒であった。安定性時間は比較例4に比べて123%向上していた。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例4と同様にして凝集してPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.139であった。また、実施例4と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は16.2MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は28.6Nであった。応力緩和時間は519秒であった。
(実施例7)
実施例4において、PFBEに代えて、MMDを0.8g使った以外は、実施例4と同様にして反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合時間は198分であった。また、MMDの含有量は、最終PTFE収量に対して0.0045質量%であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.24μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は347秒であった。安定性時間は比較例4に比べて97%向上していた。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例4と同様にして凝集してPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.141であった。また、実施例4と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は17.3MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は29.8Nであった。応力緩和時間は594秒であった。
(実施例8)
実施例4において、PFBEに代えて、MMDを2g使った以外は、実施例4と同様にして反応を行い、PTFE水性乳化液を製造した。重合時間は159分であった。また、MMDの含有量は、最終PTFE収量に対して0.0091質量%であった。また、得られたPTFE水性乳化液中のPTFE微粒子の平均一次粒子径は0.22μmであり、PTFE水性乳化液の安定性時間は532秒であった。安定性時間は比較例4に比べて202%向上していた。
このPTFE水性乳化液を用い、実施例4と同様にして凝集してPTFEファインパウダーを製造した。このPTFEファインパウダーのSSGは2.137であった。また、実施例4と同様に、ペースト押出しビードを得た。押出し圧力は17.4MPaであった。この延伸ビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であり、破断強度は29.4Nであった。応力緩和時間は509秒であった。
上記結果を表1,2にまとめて記す。
Figure 0005668689
Figure 0005668689
本発明のPTFEファインパウダーおよび延伸多孔体は、各種チューブ、電線被覆、シール材料、多孔膜、フィルター等の用途に適用できる。
また、本発明のPTFE水性分散液は、プリント基板等の電子材料、膜構造物の屋根材、調理用品の表面コーティング剤、紡糸してPTFE繊維などの含フッ素ポリマー繊維、発塵防止剤、電池の活性物質バインダー、プラスチック添加剤等の種々の用途に適用できる。

なお、2009年11月9日に出願された日本特許出願2009−255949号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (8)

  1. 炭素数4〜8で主鎖に1〜4個のエーテル性酸素原子を有する含フッ素カルボン酸及びその塩からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素乳化剤を用いてテトラフルオロエチレンを乳化重合し、平均一次粒子径が0.1〜0.3μmであるポリテトラフルオロエチレン微粒子を含有する水性乳化液を得るポリテトラフルオロエチレン水性乳化液の製造方法であって、
    テトラフルオロエチレンの乳化重合の開始時に、下記一般式(1)で表わされる(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)、及び/又は、テトラフルオロエチレンとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEが0.1〜8であるコモノマー(b)を、最終的なポリテトラフルオロエチレンの生成量に対して0.001〜0.01質量%となるように乳化重合系に含有させ、前記コモノマー(b)が、下記一般式(2)、下記一般式(3)、パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、及び、パーフルオロ(5−メトキシ−1,3−ジオキソール)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン水性乳化液の製造方法。
    CH2=CH−Rf ・・・(1)
    (式(1)中のRfは、炭素数が1〜10のポリフルオロアルキル基である。)
    CF =CF−O−(CF CF=CF ・・・(2)
    (式(2)中のnは1〜2の整数である。)
    CF =CF−O−Rf ・・・(3)
    (式(3)中のRf は炭素数が1〜2のパーフルオロアルキル基である。)
  2. 前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の平均一次粒子径が0.2〜0.3μmである、請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン水性乳化液の製造方法。
  3. 前記(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)が、CH=CH−(CFF、CH=CH−(CFF及びCH=CH−(CFFからなる群より選ばれる一種以上である、請求項1又は2に記載のポリテトラフルオロエチレン水性乳化液の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の方法で得られるポリテトラフルオロエチレン水性乳化液。
  5. 請求項に記載のポリテトラフルオロエチレン水性乳化液に、ノニオン性界面活性剤を添加して安定化した後、濃縮して得られる、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の含有量が50〜70質量%であるポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  6. 請求項に記載のポリテトラフルオロエチレン水性乳化液を凝集して得られる、500秒以上の応力緩和時間を保持する、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダー。
  7. 標準比重が2.135〜2.155である、請求項に記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダー。
  8. 請求項又はに記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーをペースト押し出し後延伸して得られる延伸多孔体。
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