JP5664359B2 - 有機エレクトロニクス用材料、インク組成物、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、表示素子、照明装置、及び表示装置 - Google Patents
有機エレクトロニクス用材料、インク組成物、有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子、表示素子、照明装置、及び表示装置 Download PDFInfo
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Description
しかし、水を除去することが困難であり、有機エレクトロニクス素子の特性を劣化させる原因となる。また水の除去の為に、高温、長時間の乾燥が必要になり、樹脂基材への有機エレクトロニクス素子の作製が困難であったり、減圧条件などプロセスに大きな制限が生じたりする。
また、有機溶媒を用いた例として、先に形成した下層に影響しない溶媒を選択する方法が開示されている(特許文献1参照)。
多層化構造をつくる他の方法として、架橋反応を使用する方法が開示されている。特許文献2には、トリフェニルアミン含有エーテルポリエーテルケトンを紫外線照射により、架橋し不溶化する方法が開示されている。この方法で、十分に不溶化するためには、長時間の紫外線照射が必要であり、トリフェニルアミンなどの分解が生じるなどの問題がある。
本発明はさらに、発光効率及び寿命特性に優れた有機エレクトロルミネセンス素子、表示素子、照明装置、及び表示装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の通りである。
b)カチオン重合開始剤と、
c)ラジカル重合開始剤と、
を含有することを特徴とする有機エレクトロニクス用材料。
本発明の有機エレクトロニクス用材料は、a)1つ以上のカチオン重合性置換基を有する電荷輸送性化合物と、b)カチオン重合開始剤と、c)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴としている。
以下に、本発明の有機エレクトロニクス用材料の各成分について詳述する。
本発明において、「電荷輸送性化合物」とは、電荷輸送性ユニットを有する化合物を言う。また、本発明において「電荷輸送性ユニット」とは、正孔または電子を輸送する能力を有した原子団であり、以下、その詳細について述べる。
本発明に係るb)カチオン重合開始剤は、熱、光、マイクロ波、放射線、電子線の印加およびこれらの併用によって、カチオン重合可能な置換基を重合させる能力を発現するものであればよく、従来から知られている公知の化合物を用いることができる。当該カチオン重合開始剤は、特に限定されないが、放射線照射、光照射または加熱によって重合を開始させるものであることが好ましく、光照射によって重合を開始させるもの(以後、光開始剤と記す)、加熱によって重合を開始させるもの(以後、熱開始剤と記す)であることが重合を簡便に開始できる観点からより好ましい。光開始剤としては、200nmから800nmの光照射、熱開始剤としては300℃以下の加熱によって重合可能な置換基を重合させる能力を発現するものであればよく、特に限定されないが、例えば、カチオン重合可能な置換基がオキセタン基の場合には、対カチオンと対アニオンからなるイオン化合物が反応性の観点から好ましく、以下その詳細について述べる。
対カチオンとしては、H+、カルベニウムイオン、アンモニムイオン、アニリニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、キノリニウムイオン、イモニウムイオン、アミニウムイオン、オキソニウムイオン、ピリリニウムイオン、クロメニリウム、kサンチリウムイオン、ヨードニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、トロピリウムイオン、遷移金属を有するカチオンなどがあげられ、反応性の観点からH+、カルベニウムイオン、アニリニウムイオン、アミニウムイオン、ヨードニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、トロピリウムイオンが好ましい。保存安定性との両立の観点からヨードニウムイオン、スルホニウムイオンがより好ましい。
対アニオンとしては、従来公知のアニオンであればいかなるものでもよく、例えば、F−、Cl−、Br−、I−などのハロゲンイオン;OH−;ClO4 −;FSO3 −、ClSO3 −、CH3SO3 −、C6H5SO3 −、CF3SO3 −などのスルホン酸イオン類;HSO4 −、SO4 2−などの硫酸イオン類;HCO3 −、CO3 2−などの炭酸イオン類;H2PO4 −、HPO4 2−、PO4 3−などのリン酸イオン類;PF6 −、PF5OH−などのフルオロリン酸イオン類、[(CF3CF2)3PF3]−、[(CF3CF2CF2)3PF3]−、[((CF3)2CF)3PF3]−、[((CF3)2CF)2PF4]−、[((CF3)2CFCF2)3PF3]−および[((CF3)2CFCF2)2PF4]−などのフッ素化アルキルフルオロリン酸イオン類;(CF3SO2)3C−、(CF3SO2)2N−などのフルオロアルカンスルホニルメチド、イミドイオン類、BF4 −、B(C6F5)4 −、B(C6H4CF3)4 −などのホウ酸イオン類、SbF6 −、SbF5OH−などのフルオロアンチモン酸イオン類、あるいはAsF6−、AsF5OH−などのフルオロヒ素酸イオン類、AlCl4 −、BiF6があげられるが、前述のカチオンと組合わせたときに、低温硬化が可能な重合開始剤となることから、PF6 −、PF5OH−などのフルオロリン酸イオン類、[(CF3CF2)3PF3]−、[(CF3CF2CF2)3PF3]−、[((CF3)2CF)3PF3]−、[((CF3)2CF)2PF4]−、[((CF3)2CFCF2)3PF3]−および[((CF3)2CFCF2)2PF4]−などのフッ素化アルキルフルオロリン酸イオン類;(CF3SO2)3C−、(CF3SO2)2N−などのフルオロアルカンスルホニルメチド,イミドイオン類、BF4 −、B(C6F5)4 −、B(C6H4CF3)4 −などのホウ酸イオン類、SbF6 −、SbF5OH−などのフルオロアンチモン酸イオン類が好ましい。
本発明に係るc)ラジカル重合開始剤は、従来から知られている過酸化物やアゾ化合物等公知の化合物を用いることができる。
具体的には、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸エステル、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でもラジカル重合開始剤の1分間半減期温度が90〜175℃であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロニクス素子は、以上の本発明の有機エレクトロニクス用材料を基板上に塗布し、成膜した層を有することを特徴としている。
本発明のインク組成物は、既述の本発明の有機エレクトロニクス用材料と溶媒とを含み、その他の添加剤、例えば重合禁止剤、安定剤、増粘剤、ゲル化剤、難燃剤、酸化防止剤、還元防止剤、酸化剤、還元剤、表面改質剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤などを含んでいてもよい。前記溶媒としては、水やメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、ペンタン、ヘキサン、オクタン等のアルカン、シクロヘキサン等の環状アルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン等の芳香族溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、その他、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられるが、好ましくは芳香族溶媒、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エーテルを使用することができる。
前記インク組成物において、溶媒に対する有機エレクトロニクス用材料の含有量は、種々の塗布プロセスに適用できる観点から0.1〜30質量%とすることが好ましい。
本発明の有機エレクトロニクス素子は、本発明の有機エレクトロニクス用材料を用いて形成する層を含み、該層は低温での重合硬化が可能であり、例えば耐熱性が低い基板(例えば、樹脂フィルム(詳細は後述する。))を選択できるなど、使用する基板を幅広く選択することができる。
本発明の有機エレクトロニクス素子は、既述の本発明の有機エレクトロニクス用材料より形成された層(以下、重合層とも表す)を有することを特徴としている。本発明の有機EL素子は、発光層、重合層、陽極、陰極、基板を備えていれば特に限定されず、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層などの他の層を有していてもよい。特に、少なくとも基板、陽極、正孔注入層、重合層、発光層および陰極を積層してなる態様、少なくとも基板、陽極、重合層、正孔輸送層、発光層および陰極を積層してなる態様が好ましい。以下、各層について詳細に説明する。以下、各層について詳細に説明する。
発光層に用いる材料としては、低分子化合物であっても、ポリマーまたはオリゴマーであってもよく、デンドリマー等も使用可能である。蛍光発光を利用する低分子化合物としては、ペリレン、クマリン、ルブレン、キナクドリン、色素レーザー用色素(例えば、ローダミン、DCM1等)、アルミニウム錯体(例えば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq3))、スチルベン、これらの誘導体があげられる。蛍光発光を利用するポリマーまたはオリゴマーとしては、ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、フルオレンーベンゾチアジアゾール共重合体、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、及びこれらの誘導体や混合物が好適に利用できる。
燐光材料は、低分子又はデンドライド種、例えば、イリジウム核デンドリマーが使用され得る。またこれらの誘導体も好適に使用できる。
ホスト材料としては、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよく、デンドリマーなども使用できる。
塗布法により形成する場合、有機EL素子を安価に製造することができ、より好ましい。発光層を塗布法によって形成するには、燐光材料と、必要に応じてホスト材料を含む溶液を、例えば、インクジェット法、キャスト法、浸漬法、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平板印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法、スピンコーティング法などの公知の方法で所望の基体上に塗布することで行うことができる。
陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金であることが好ましい。
陽極としては、金属(例えば、Au)又は金属導電率を有する他の材料、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェン−ポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))を使用することもできる。
電子輸送層、電子注入層としては、例えば、フェナントロリン誘導体(例えば、2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-. phenanthroline(BCP))、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体(2-(4-Biphenylyl)-5-(4-tert-butylphenyl-1,3,4-oxadiazole) (PBD))、アルミニウム錯体(例えば、Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)(Alq3))などが挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も用いることができる。
本発明の有機EL素子に用いることができる基板として、ガラス、プラスチック等の種類は特に限定されることはなく、また、透明のものであれば特に制限は無いが、ガラス、石英、光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。樹脂フィルムを用いた場合には、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能であり、特に好ましい。
本発明の有機EL素子における発光色は特に限定されるものではないが、白色発光素子は家庭用照明、車内照明、時計や液晶のバックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。
本発明の表示素子は、既述の本発明の有機EL素子を備えたことを特徴としている。
例えば、赤・緑・青(RGB)の各画素に対応する素子として、本発明の有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。
画像の形成には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。前者は、構造は単純ではあるが垂直画素数に限界があるため文字などの表示に用いる。後者は、駆動電圧は低く電流が少なくてすみ、明るい高精細画像が得られるので、高品位のディスプレイ用として用いられる。
1つ以上のカチオン重合性置換基を有する電荷輸送性化合物として下記化合物1(5mg、Mw=8200、PDI=1.44)のトルエン溶液(400μl)と、カチオン重合開始剤として下記化合物2(0.5g)の酢酸エチル溶液(100μl)、ラジカル重合開始剤として脂肪族系ジアシルパーオキサイド(パーロイルL、日本油脂株式会社)(0.5g)のトルエン溶液(100μl)を混合した塗布溶液を、3000rpmで石英板上にスピンコートした。ついで、ホットプレート上で、120℃で10分間加熱して重合反応を行った。加熱後にトルエン:酢酸エチル(4:1)の混合溶媒に石英板を1分間浸漬し、洗浄をおこなった。そして、洗浄前後のUV−visスペクトルにおける吸収極大(λmax)の吸光度(Abs)の比から、残膜率を測定した。測定結果を表1に示す。
カチオン重合開始剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で重合反応を行い、残膜率を測定した。測定結果を表1に示す。
ラジカル重合開始剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で重合反応を行い、残膜率を測定した。測定結果を表1に示す。
三口丸底フラスコに、下記モノマー1(4.0mmol)、下記モノマー2(5.0mmol)、下記モノマー3(2.0mmol)、及びアニソール(20ml)を加え、さらに調製したPd触媒溶液(7.5ml)を加えた。30分撹拌した後、10%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(20ml)を加えた。すべての溶媒は30分以上窒素バブルにより脱気した後、使用した。この混合物を2時間加熱・還流した。ここまでの全ての操作は窒素気流下で行った。
カチオン重合開始剤を用いなかったこと以外は、実施例2と同様の方法で重合反応を行い、残膜率を測定した。測定結果を表2に示す。
ラジカル重合開始剤を含まない以外は、実施例2と同様の方法で重合反応を行い、残膜率を測定した。測定結果を表2に示す。
ITOを1.6mm幅にパターンニングしたガラス基板上に、乾燥窒素環境下で上記化合物1(5mg、Mw=8200,PDI=1.44)のトルエン溶液(400μl)と、カチオン重合開始剤として上記化合物2(0.5g)の酢酸エチル溶液(100μl)、ラジカル重合開始剤として脂肪族系ジアシルパーオキサイド(パーロイルL、日本油脂株式会社)(0.5g)のトルエン溶液(100μl)を混合した塗布溶液を、3000rpmで石英板上にスピンコートした。ついで、ホットプレート上で、120℃で10分間加熱して重合反応を行い、厚さ40nmの正孔注入層を作製した。さらに、下記一般式で表される化合物6(Mw=60,000、5mg)のトルエン溶液(550μl)を3000rpmで正孔注入層上へ塗布して正孔輸送層を作製した。
電極形成後、大気開放することなく、乾燥窒素環境中に基板を移動し、0.7mmの無アルカリガラスに0.4mmのザグリを入れた封止ガラスとITO基板を、光硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることにより封止を行い、多層構造の高分子型有機EL素子を作製した。以後の実験は大気中、室温(25℃)で行った。この有機EL素子のITOを正極、Alを陰極として電圧を印加したところ、5Vで赤色発光が観測され、輝度1000cd/m2における電流効率は2.5cd/Aであった。なお、電流電圧特性はヒューレットパッカード社製の微小電流計4140Bで測定し、発光輝度はフォトリサーチ社製の輝度計プリチャード1980Bを用いて測定した。
また、寿命特性として、定電流を印加しながらトプコン社製BM−7で輝度を測定し、輝度が初期輝度(1000cd/m2)から半減する時間を測定したところ、150時間であった。
正孔注入層を形成しなかったこと以外は実施例3と同様に有機EL素子を作製した。9Vで赤色発光が観測され、輝度1000cd/m2における電流効率は0.9cd/Aであった。また、寿命特性として、定電流を印加しながらトプコン社製BM−7で輝度を測定し、輝度が初期輝度(1000cd/m2)から半減する時間を測定したところ、10時間であった。
ITOを1.6mm幅にパターンニングしたガラス基板上に、PEDOT:PSS分散液(シュタルク・ヴィテック社製、CH8000 LVW233)を4000rpmでスピン塗布し、ホットプレート上で空気中200℃/10分加熱乾燥して正孔注入層(40nm)を形成した以外は実施例3と同様に有機EL素子を作製した。4.5Vで赤色発光が観測され、輝度1000cd/m2における電流効率は2.0cd/Aであった。また、寿命特性として、定電流を印加しながらトプコン社製BM−7で輝度を測定し、輝度が初期輝度(1000cd/m2)から半減する時間を測定したところ、13時間であった。
Claims (17)
- a)1つ以上のカチオン重合性置換基を有する電荷輸送性化合物と、
b)カチオン重合開始剤と、
c)ラジカル重合開始剤と、
を含有することを特徴とする有機エレクトロニクス用材料。 - 前記電荷輸送性化合物が、芳香族アミン、カルバゾール、及びチオフェン化合物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロニクス用材料。
- 前記電荷輸送性化合物がポリマー又はオリゴマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロニクス用材料。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料と溶媒とを含むことを特徴とするインク組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス用材料を基板上に塗布し、成膜した層を有することを特徴とする有機エレクトロニクス素子。
- 成膜した前記層を重合したことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロニクス素子。
- 前記重合した層上に、さらに別の層を成膜し、多層化したことを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロニクス素子。
- 基板が、樹脂フィルムであることを特徴とする請求項5〜7いずれか1項に記載の有機エレクトロニクス素子。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス用材料より形成された層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
- 少なくとも基板、陽極、正孔注入層、重合層、発光層および陰極を積層してなる有機エレクトロルミネセンス素子であって、前記重合層が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス用材料により形成された層であることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
- 少なくとも基板、陽極、重合層、正孔輸送層、発光層および陰極を積層してなる有機エレクトロルミネセンス素子であって、前記重合層が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス用材料により形成された層であることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
- 有機エレクトロルミネセンス素子の発光色が白色であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- 基板が、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- 基板が、樹脂フィルムであることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
- 請求項9〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた表示素子。
- 請求項9〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた照明装置。
- 請求項16に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えた表示装置。
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