JP5663805B1 - 分散染料による繊維の着色方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特殊な耐圧設備を使用したり、キャリヤーなどの特殊な薬剤を用いたりせずに、簡単な方法で繊維、特にポリエステル繊維を分散染料で染色または着色する方法を提供する。【解決手段】 繊維を分散染料で着色する方法であって、分散染料、多価金属塩、および必要によりアニオン系分散剤を分散または溶解した水溶液に常圧下、繊維を浸漬して繊維を着色する方法であり、さらに着色された繊維を100℃以上の温度で熱処理操作をする方法により、着色度、堅牢度が良好な繊維となる。【選択図】図1

Description

本発明は、分散染料による繊維の着色方法に関する。詳しくは分散染料および多価金属塩が分散または溶解された浴に繊維を浸漬して繊維を着色する方法に関する。
従来からポリエステル繊維を分散染料で染色する場合には、130〜140℃の高温染色(たとえば、特許文献1)、キャリヤー染色(たとえば、特許文献2)などが行われてきた。
特開2003−64565号公報 特開2008−63676号公報
しかしながら、これらの染色方法では液流染色機などの密閉型耐圧性の高温染色機を使用したり、メチルナフタレン、クロルベンゼン、O−フェニルフェノール、ジメチルテレフタレートなどの特殊なポリエステル繊維染色用キャリヤーを用いる必要があり、工場などでしか行うことができなかった。家庭などでも手軽にポリエステル繊維を分散染料で染色または着色をする方法が要望されている。
本件発明の目的は、特殊な耐圧設備を使用したり、キャリヤーなどの特殊な薬剤を用いたりせずに、簡単な方法で繊維、特にポリエステル繊維を分散染料で着色する方法を提供することである。
発明者は、鋭意検討した結果、分散染料が分散された浴に多価金属塩を加えてポリエステル繊維を浸漬すれば、常圧でキャリヤーを使用せずともポリエステル繊維が着色できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、繊維を分散染料で着色する方法であって、分散染料、二価または三価の多価金属塩、および必要によりアニオン系分散剤を分散または溶解した水溶液に、常圧下、水溶液の温度が10〜90℃において、繊維を浸漬して繊維を着色する方法である。
さらに本発明は、上記繊維がポリエステル繊維であることを特徴とする。
さらに本発明は、上記二価または三価の多価金属塩が二価金属塩であることを特徴とする。
さらに本発明は、上記二価または三価の多価金属塩が、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、第一鉄イオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、第二鉄イオンから選ばれる金属イオンの塩であることを特徴とする
さらに本発明は、上記の方法に従って繊維を着色した後、さらに繊維を100℃以上の温度で熱処理操作をすることを特徴とする。
本発明によれば、分散染料、多価金属塩、および必要によりアニオン系分散剤を分散または溶解した水溶液に繊維を浸漬して常圧下、繊維を着色する方法であるので、分散染料を用いて耐圧の特殊設備を使用せずに、またはキャリヤーなどの人体に有害な特殊な薬剤を用いたりせずに繊維が着色できる。また、20〜30℃のような低温でも着色が可能である。したがって、家庭においても実施でき、使用した繊維の着色度が落ちたとき、すなわち色褪せたときに家庭においても手直しができる。
また、本発明の方法によりポリエステル繊維が好適に着色できるが、ポリエステル繊維以外の繊維も同様に着色できる。疎水性繊維(ポリエステル繊維など)、親水性繊維(綿繊維、ナイロン繊維など)に対して色の濃度の差が若干ある場合があるが、同程度の色の濃度を示す場合が多く、その場合には混紡品・交織品などの複合繊維を着色した場合には同一濃度に近い着色が可能となる。したがって、ポリエステル繊維と他の繊維との複合繊維を常圧下同浴で着色が可能となる。
また、5分〜30分の短時間で繊維が着色でき、その場合でも着色むらが発生しにくい。
本発明によれば、ポリエステル繊維を、耐圧の特別の装置を用いず、キャリヤーなどの人体に有害な薬剤を用いずに分散染料で着色でき、家庭でもポリエステル繊維を着色できる。
本発明によれば、上記多価金属塩が二価金属塩であり、安全な化合物を用いて実施できるので、家庭でも繊維が分散染料で着色できる。
本発明によれば、水溶液の温度が10〜90℃であるので、耐圧の特別の装置が必要でなく、キャリヤーなどの人体に有害な薬剤を用いなくてもよく、家庭でも安全で容易に実施できる。
本発明によれば、上記の方法に従って繊維を着色した後、さらに繊維を100℃以上の温度で熱処理操作をするので、分散染料は繊維を形成するファイバーの中に入っていくことができ繊維の堅牢度を向上させることができる。
本発明の一実施態様および比較の方法における着色の度合いを示した図である。 本発明の一実施態様の着色の度合いを示した図である。
以下、本発明の実施の形態につき、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本発明における使用可能な分散染料としては、特に限定はないが、たとえば、アゾ系分散染料、キノン系分散染料、キノフタロン系分散染料、ピリドン系分散染料、ニトロ系分散染料、メチン系分散染料、配合分散染料、およびその他の分散染料が挙げられ、特にこれらの市販品が好ましく使用できる。
本発明における多価金属塩としては、二価または三価の金属塩が挙げられる。たとえば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、第一鉄イオン、亜鉛イオンなどの二価の金属イオン;アルミニウムイオン、第二鉄イオンなどの三価の金属イオンなどのハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩(たとえば、酢酸塩など)などが挙げられる。具体的には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの塩は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。好ましくは二価の金属イオンの塩であり、塩化物である。特に好ましくは塩化カルシウム、塩化マグネシウムである。これらの塩が含まれていればよく、これらの複合塩であっても、貝殻などの天然物を焼成して得られるもの、たとえば貝殻焼成カルシウムなども使用できる。
本発明における必要により用いられるアニオン系分散剤としては、たとえば、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸やクレゾール・シェーファー酸ホルマリン縮合物などが挙げられ、それ以外の分散染料用分散剤として用いられる公知のアニオン界面活性剤も使用できる。アニオン系分散剤は、水溶液を形成する場合に分散染料と同時に混合してもよいが、市販の分散剤のように分散染料と共に予め微分散化されていれば、添加しなくてもよい。通常市販の分散染料には上記の分散染料用分散剤が5〜10重量%程度混合されており、家庭で本発明を実施する場合には、市販の分散染料を購入して使用するのでアニオン系分散剤をわざわざ添加しなくてもよい。しかし、分散染料としてアニオン分散剤が混合されていないことが明白な場合とか、さらに着色濃度をあげたいとか、または分散染料の分散性を向上したいなどの際には必要によりアニオン系分散剤を添加することができる。
また、アニオン系分散剤には、さらに必要に応じて、ノニオン界面活性剤を併用してもよい。該ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類やポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類などが挙げられ、特に限定はない。
本発明において適用できる各種繊維としては、特に限定はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂、ウレタン樹脂などの合成樹脂からなる合成繊維、レーヨン、リヨセル、キュプラなどの再生繊維、又は綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維が挙げられる。また、上記例示の繊維の混紡品又は交織品でもよい。
特に本発明の着色方法に好ましく適用される繊維は、ポリエステル繊維である。ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、カチオン可染ポリエステル(CDP)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ乳酸繊維などが例示できる。
繊維の形態としては、ファイバー、糸、布帛(織物、編物、不織布など)、およびこれらから形成される繊維製品などが挙げられ、特に限定されない。
本発明によれば上記の疎水性繊維、親水性繊維に対して色の濃度の差が若干ある場合があるが、同程度の色の濃度を示す場合が多く、その場合には混紡品・交織品などの複合繊維を処理した場合には同浴で同一濃度に近い着色ができる。
本発明において、分散染料、多価金属塩、および必要によりアニオン系分散剤を分散または溶解した水溶液に繊維を浸漬したときに繊維が着色される理由は不明であるが、たとえば、以下のことが推定できる。
(1)分散染料を含む水溶液に多価金属塩を加えることにより、分散染料が繊維上に塩析することが考えられるが、この場合には大きな凝集物も析出すると思われる。本発明においては大きい凝集物の析出はみられないので、塩析によるものではないと考えられる。
(2)金属イオンが繊維に付着した後、分散染料を分散したアニオン系分散剤が金属イオンに引っ張られて付着することが考えられるが、アニオン系分散剤が存在する水溶液中においてまず金属イオンと相互作用があるので、金属イオンだけが先に繊維に付着するということは考えにくい。
したがって、以下のことが最も考えやすいと思われる。
(3)多価金属塩は水溶液中でアニオン系分散剤とコンプレックス(以下、単にコンプレックスという場合がある)を形成し、疎水化するが、分子量が大きくならずに水溶液中で安定に均一に分散して存在することができる。しかし、疎水化されたためにたとえば糸(繊維)が存在すると糸が疎水性繊維であっても親水性繊維であっても糸の疎水性部分の表面に付着することができる。そして、付着する場合にアニオン系分散剤で分散した分散染料と共に糸の表面に付着して糸を着色することができる。糸はより微細なファイバーで形成されており、コンプレックス/分散染料はファイバー間の隙間に入りこみ、糸の内部に付着することができる。この着色は簡単な水洗によっては落ちないほど高く付着されていることが考えられ、また、さらに糸の内部に入ったコンプレックス/分散染料は水洗によりさらに落ちにくくなる。また、糸の種類に関係なく、処理温度が高いほど糸のファイバー間の間隔はより広くなるので、コンプレックス/分散染料が侵入しやすく、それだけ着色度(濃度)は大きくなる。すなわち、分散剤と多価金属塩との微細なコンプレックスは水溶液中で凝集せずに安定に均一に存在することができることにより本発明の効果が得られるものと推定できる。
多価金属塩は一種の分散剤破壊剤であるが、本発明においては予想に反してコンプレックス/分散染料は水溶液中では凝集物が発生し難く、したがって繊維を均一に着色することができる。
繊維を浸漬する水溶液には、分散染料、多価金属塩、および必要によりアニオン系分散剤が加えられる。これらの水溶液中での濃度は特に限定はないが、分散染料の濃度は好ましくは0.1〜5%o.w.fであり、より好ましくは1〜3%o.w.fである。アニオン系分散剤は通常加える必要はないが、加える場合は分散染料に対して好ましくは1〜50重量%である。多価金属塩は水溶液に対して好ましくは0.01〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜2重量%である。
また、水溶液にはさらに通常用いられる非イオン系分散剤、増量剤、pH調整剤、分散均染剤、ビルダー、染色助剤、有機溶剤や樹脂バインダーなどを加えることができる。
特に有機溶剤としては、水と相溶性のある有機溶剤が挙げられ、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類が挙げられる。
水溶液は上記の化合物を水に加えて室温〜加熱して攪拌すれば分散染料が分散した水溶液が得られるが、分散染料を分散する場合には煮沸に近い状態で攪拌するのが分散しやすく好ましい。水溶液を作成する容器は攪拌装置があれば好ましく使用できる。
本発明の着色方法は、分散染料、多価金属塩、および必要によりアニオン系分散剤を分散または溶解した水溶液に繊維を浸漬して常圧下、繊維を着色する方法である。
浸漬温度は、0℃を超え100℃未満である。0℃以下であると水が凍り水溶液中で繊維を浸漬できにくい。100℃以上であると、加圧特殊設備を使用しないと繊維を着色できない。浸漬温度が高いほど着色度が上がるが、作業性を考慮すると10〜90℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。ポリエステル繊維を着色する場合には、従来の着色温度(75〜140℃)に比較して、より低温で実施でき、家庭でも実施できる。また、他の繊維を着色する場合でも20〜30℃でも着色できるので、従来実施されている着色温度(40〜80℃)に比較して、より低温で着色できる。
浸漬時間は好ましくは数分〜30分であり、5分以上20分以下がより好ましい。5分以上20分以下であると十分に繊維が着色できる。
繊維を浸漬して着色した後に水洗し、乾燥する。水洗時の温度、時間は限定がなく、従来の水洗条件が適用できる。乾燥温度も特に限定はなく、乾燥器などで30〜60℃に加温してもよく、自然乾燥でもよい。乾燥時間も特に限定はなく、繊維が乾燥できればよい。また、必要により通常のソーピングまたは還元洗浄などの洗浄を行ってもよい。好ましくはソーピング剤を用いるソーピングである。洗浄により堅牢度は向上し、水洗だけの場合に比較して若干着色度が低下するが、着色度を高くする必要がある場合には、分散染料の水溶液中の濃度を大きくしたり、浸漬温度をより高くすればよい。また、浸漬後または水洗後または水洗乾燥後に熱処理すればより高い着色濃度を維持することができる。
すなわち、好ましい着色方法は、上記の方法に従って繊維を着色した後、さらに繊維を100℃以上の温度で熱処理操作をする方法である。熱処理操作としては、従来から捺染の際に用いられているようなスチーム処理や乾熱処理の操作方法が適用できる。温度は100℃以上が好ましく、加熱処理操作により糸が膨潤しファイバー間が広がり、分散染料はファイバー間により深く入り込むことができる。その結果、分散染料を繊維により強固に固着させ、各種堅牢度を向上することができる。熱処理操作のより好ましい温度は120℃以上であり、特に好ましくは130℃以上である。加熱温度は繊維の種類により決めるのがよく、加熱時間は特に限定はないが、加熱温度、繊維の種類などにより決められるのがよい。工場では従来の装置で簡単に熱処理することができるが、家庭においてはアイロンがけ、電子レンジの利用などにより実施できる。この方法であれば、浸漬、洗浄、熱処理工程は一貫して常圧で行うことができ、家庭においては実施可能であり、工場においては高圧で浸漬染色を行う場合に比較してかなりの省エネルギーが可能となる。
また、本発明の方法により着色された繊維の表面を1000倍の顕微鏡で観察すると、着色された色の色相、濃さ(濃度)は均一であり色斑などは見られず、均一に着色されているのが認められた。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1、比較例1〜4)
「Duracet Red RR」(Town End社製、赤色分散染料)0.5000gを秤り取り300mlのビーカーにイオン交換水で流し込み液量100mlとする。100℃近くまで加熱し染料を完全に分散した。分散液を室温に戻した後、500mlのメスフラスコに分散液を完全に流し込み、500mlになるまでイオン交換水で希釈した。この分散液5mlを300mlのフラスコに入れイオン交換水5mlを加えて染色液とした。
次に、水温を20〜25℃に調整したウオーターバスに上記の染色液10mlを入れたフラスコを漬けて約5分間染色液を温めた。その染色液中にポリエステルの被染布1gを投入し、塩化カルシウム0.1gを加えて溶解させた。この状態では染料濃度は0.5%o.w.fで、浴比1:10であり、塩化カルシウムは1重量%である。フラスコの口にゴム栓をして30秒間ウオーターバスに漬けた後、手で左右前後にシェーキングした。この操作を2分間毎に行い10分間(5回)繰り返す。その後染布を取出し、水道水を流しながら数分間手で揉んで洗い、手で絞った後自然乾燥して染布Aを得た。
比較として、塩化カルシウム0.1gに替えて、リン酸カリウム(比較例1)、炭酸ナトリウム(比較例2)、メタケイ酸ナトリウム(比較例3)を同量用いる以外は同様にして、ポリエステル被染布を着色した。無添加(比較例4)の場合も実施した。これらの結果を図1に示した。
また、ポリエステル被染布に替えて、ナイロン被染布、綿被染布を用い、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムについて同様にして染布を得た。これらの結果を併せて図1に示した。
図1は、本発明の一実施態様および比較の方法における着色の度合いを示した図である。×印は実施していないことを示したものである。
図1から、ポリエステル被染布の場合、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムに比べて、塩化カルシウムを用いると着色が明らかに良好であった。無添加の場合は着色していなかった。
ナイロン被染布の場合も、塩化カルシウムを用いると炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムの場合に比較して着色が良好であった。綿被染布の場合は、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムを用いると着色していなかったが、塩化カルシウムを用いると着色が良好であった。
(実施例2)
実施例1と同様な方法で染布Aを得た。この布を「センカノールES−1」(センカ社製、ソーピング剤)1g/Lで80℃、10分間ソーピングし、水洗、乾燥したところ着色度が低下した(染布B)。これは1000倍に拡大して観察したところ繊維表面の分散染料が脱落しているようであった。また、別の染布Aを、スチームアイロンを用いて100℃で1分間熱処理操作を行い、染布Cを得た。
これらの上記染布A〜Cの着色の度合いを図2に示した。また、染布A〜Cの摩擦堅牢度を評価してその結果を表1に示した。数値は「級」を示している。
Figure 0005663805
これらのことにより、ソーピングを実施した染布Bは表面の分散染料が落ちて着色度は低下しているが、摩擦堅牢度は良好であった。染布Cは染布Aの着色の度合いと殆ど変らず、且つ熱処理操作により摩擦堅牢度が向上していた。また、熱処理操作において、別の染布Aを、アイロンを用いてスチームをかけずに150℃で30秒間熱処理操作を行った染布も、上記染布Cと同じ摩擦堅牢度を示した。
すなわち、本発明の方法を用いれば、安全且つ容易に繊維を分散染料で着色することができ、家庭においても実施することができることがわかる。また、淡色系は浸漬後の熱処理を行わずにソーピングを行えば得られるが、濃色系は浸漬水洗後熱処理をすれば堅牢度の良好な染布が得られることもわかった。
ポ ポリエステル布
ナ ナイロン布
コ 綿布
Ca 塩化カルシウム:
K リン酸カリウム
Na 炭酸ナトリウム
SiNa メタケイ酸ナトリウム
A 染布A
B 染布B
C 染布C
Not 無添加

Claims (5)

  1. 繊維を分散染料で着色する方法であって、分散染料、二価または三価の多価金属塩、および必要によりアニオン系分散剤を分散または溶解した水溶液に、常圧下、水溶液の温度が10〜90℃において、繊維を浸漬して繊維を着色する方法。
  2. 前記繊維がポリエステル繊維であることを特徴とする請求項
    1記載の繊維を着色する方法。
  3. 前記二価または三価の多価金属塩が二価金属塩であることを特徴とする請求項1または2記載の繊維を着色する方法。
  4. 前記二価または三価の多価金属塩が、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、第一鉄イオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、第二鉄イオンから選ばれる金属イオンの塩であることを特徴とする請求項1または2記載の繊維を着色する方法。
  5. 請求項1記載の方法に従って繊維を着色した後、さらに繊維を100℃以上の温度で熱処理操作をすることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載に繊維を着色する方法。
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